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JP2011125941A - ドリル - Google Patents

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JP2011125941A
JP2011125941A JP2009285004A JP2009285004A JP2011125941A JP 2011125941 A JP2011125941 A JP 2011125941A JP 2009285004 A JP2009285004 A JP 2009285004A JP 2009285004 A JP2009285004 A JP 2009285004A JP 2011125941 A JP2011125941 A JP 2011125941A
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drill
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JP2009285004A
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Junichi Saito
淳一 斉藤
Koji Masamoto
浩司 柾本
Tomotaka Miyano
知貴 宮野
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Mitsubishi Materials Corp
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Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

【課題】小径で、なおかつL/Dの大きなドリルにおいても、刃先部におけるドリル本体の強度や剛性を十分に確保しつつ、切屑排出性を損なうことがないドリルを提供する。
【解決手段】軸線O回りに回転されるドリル本体1先端側の刃先部2の外周に、主溝7とそのドリル回転方向T前方側に連なる副溝8とからなる1条のみの切屑排出溝4が刃先部2の先端から後端側に延びるように形成されて、主溝7のドリル回転方向7前方側を向く面と先端逃げ面5との交差稜線部に切刃6が形成され、切刃6がなす刃先部2の最大外径Dに対して、副溝8は一定の溝深さとされる一方、主溝7は、先端逃げ面5では副溝8より深い溝深さとされるとともに、刃先部2の後端側に向かうに従い溝深さが漸次浅くなって、副溝8の後端よりも先端側で切れ上がっている。
【選択図】図2

Description

本発明は、被削材に穴明け加工を施すために用いられるドリルに係わり、特にプリント基板や、微少な金属部品、プラスチック等の被削材に小径深穴の穴部を穴明け加工するのに用いられる小径のドリルに関するものである。
このような小径のドリルとして、例えば特許文献1には、切屑排出溝が1条のみであってドリル本体の回転軸線を含まないように形成されており、先端逃げ面における軸線方向の最も先端側に突出した最先端が1点で構成されているとともに、この最先端と上記軸線との距離を、刃先部の最大外径Dに対して(5/100)D以下としたドリルが提案されている。さらに、この特許文献1には、切屑排出溝のドリル回転方向前方側に連なり、刃先部の先端から後端側に向けて延びるとともに、その途中で切屑排出溝に切れ上がる副溝部を形成することも記載されており、このような副溝部を形成することで先端逃げ面を小さくして再研磨の際の手間や時間を減らすことが提案されている。
特開2004−82318号公報
ところが、この特許文献1に記載のドリルでは、切屑排出溝は、上述のようにドリル本体の軸線は含まないものの、そのドリル回転方向前方側を向く壁面と先端逃げ面との交差稜線部に穴明け加工を行うのに必要な長さの切刃を形成するために、ある程度の溝深さを要することになる。従って、そのような切屑排出溝がそのままの溝深さで刃先部の後端側に向けて延びて、例えばその溝長さすなわち刃先部の有効切刃長Lが上記最大外径Dに対してなす比L/Dが5以上となるようにされており、このため刃先部の後端側でドリル本体の強度や剛性を十分に確保することが困難となるおそれがあった。
また、上記副溝部は、切屑排出溝と同様に刃先部の先端から後端側に向けてドリル回転方向後方側に捩れつつ延びていたものが、刃先部先端側のアンダーカットされた部分で捩れ角を急激に大きくすることにより、切屑排出溝のドリル回転方向後方側を向く壁面に切れ上がるようにされており、上述のように再研磨を容易にする効果はあっても、切屑排出性の向上に寄与することは少ない。むしろ、切屑排出溝の壁面に切れ上がる部分で副溝部の溝幅も急激に小さくなるため、例えば銅箔などが貼り着けられたプリント基板の穴明け加工において銅箔厚さが厚い場合などには、この銅箔の切屑による切屑詰まりの発生を避けることができないという問題もあった。
本発明は、このような背景の下になされたもので、小径で、なおかつ上記比L/Dの大きなドリルにおいても、刃先部におけるドリル本体の強度や剛性を十分に確保しつつ、切屑排出性を損なうことがないドリルを提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、軸線回りに回転されるドリル本体先端側の刃先部の外周に、主溝と、この主溝のドリル回転方向前方側に連なる副溝とからなる1条のみの切屑排出溝が、上記刃先部の先端から後端側に向けて延びるように形成されていて、この切屑排出溝のうち上記主溝のドリル回転方向前方側を向く面と上記刃先部の先端逃げ面との交差稜線部に切刃が形成されており、この切刃がなす上記刃先部の最大外径に対して、上記副溝は、上記先端逃げ面から上記刃先部の後端側に向けて一定の溝深さとされる一方、上記主溝は、上記先端逃げ面では上記副溝の溝深さよりも深い溝深さとされるとともに、上記刃先部の後端側に向かうに従い溝深さが漸次浅くなって、上記副溝の後端よりも先端側で切れ上がっていることを特徴とする。
このように構成されたドリルにおいては、刃先部の外周に1条のみ形成される切屑排出溝のうち、主溝は、刃先部の先端逃げ面では副溝よりも溝深さが深くされており、そのドリル回転方向前方側を向く面と先端逃げ面との交差稜線部に、穴明け加工を行うのに必要な長さの切刃を形成することができる。その一方で、この主溝は、後端側に向かうに従い溝深さが漸次浅くなって、副溝の後端よりも先端側で外周側に切れ上がることになるため、これよりも刃先部の後端側ではドリル本体が径方向内周側に大きく切り欠かれるのを避けることができる。
これに対して、副溝は、主溝のドリル回転方向前方側に連なって、刃先部の先端逃げ面から後端側に向けて主溝の切れ上がり部分を越えて後端側に延びており、従ってこの副溝の後端の位置により刃先部の有効切刃長Lが決定される。そして、こうして主溝の切れ上がり部分を越えた刃先部の後端側では、主溝がなくなっても、この副溝によって一定の溝深さを切屑排出溝に確保して切屑排出性を維持することができるとともに、ドリル本体の心厚も一定とすることができ、しかもこの心厚は、上述のように刃先部後端側でドリル本体が径方向内周側に大きく切り欠かれることがないために、大きな心厚とすることができて、これにより刃先部に高い強度と剛性を与えることが可能となる。
ここで、このような切屑排出溝を形成するのに、上記先端逃げ面から上記刃先部の後端側に向けて一定の溝幅で延びるように上記副溝を形成し、この副溝のドリル回転方向後方側の部分に上記主溝のドリル回転方向前方側の部分が重なるようにして、該主溝を上記先端逃げ面から副溝と並列に延びるように形成することにより、刃先部の先端逃げ面側では主溝の溝幅と副溝の溝幅の和から重なり合った部分を除いた幅の大きな溝幅を切屑排出溝に確保することができる一方、主溝が切れ上がる部分でも、主溝の溝幅は小さくなるのに対して重なり合った部分の副溝の溝幅は大きくなって上記一定の溝幅となるので、一層確実に切屑排出性の確保を図ることが可能となる。勿論、実際の切屑排出溝を形成する際には、主溝を形成してから、そのドリル回転方向側に重なるように副溝を並列に形成してもよい。
なお、上記軸線方向における上記主溝の長さは上記副溝の長さの40〜90%の範囲とされるのが望ましく、これよりも主溝が長いと刃先部の後端側でドリル本体の強度や剛性を確保することが困難となるおそれがある一方、これよりも短いと主溝の溝深さが後端側に向かうに従い急激に浅くなって切屑排出性を損なうおそれが生じる。また、主溝が切れ上がるまでの上記刃先部の先端側において、上記副溝は、主溝の溝幅の中心から上記軸線回りにドリル回転方向前方側に向けて100〜200°の範囲にまで形成されているのが望ましく、これよりも副溝の形成される範囲が大きいと切屑排出溝全体の溝幅が大きくなりすぎて、この刃先部の先端側でドリル本体の強度や剛性が損なわれるおそれがあり、逆に副溝の形成される範囲がこれよりも小さいと切屑排出溝の断面積も小さくなって切屑排出性を維持することができなくなるおそれが生じる。
以上説明したように、本発明によれば、良好な切屑排出性を維持しつつも、刃先部の後端側におけるドリル本体の強度や剛性を向上させることができ、例えば銅箔厚さの厚いプリント基板に小径で深い穴を穴明け加工するような場合でも、切屑詰まりを防いで折損等の発生を防止することが可能となる。
本発明の一実施形態を示すドリル本体の刃先部の側面図である。 図1に示す刃先部の模式的に示した側断面図である。 図1におけるXX拡大断面図である。 図1におけるYY拡大断面図である。 図1におけるZZ拡大断面図である。
図1ないし図5は、本発明のドリルの一実施形態を示すものである。本実施形態において、ドリル本体1は、超硬合金等の硬質材料により軸線Oを中心とした概略多段円柱状をなし、図示されない後端側(図1および図2において右側)部分がシャンク部とされるとともに、このシャンク部の先端側(図1および図2において左側)には、シャンク部よりも小径の外形略長尺円柱状をなす刃先部2がテーパ部3を介して同軸かつ一体に形成されている。
このようなドリルは、上記シャンク部が工作機械の主軸に取り付けられて軸線O回りにドリル回転方向Tに回転されつつ該軸線O方向先端側に送り出されることにより、上記刃先部2によってプリント基板や、微少な金属部品、プラスチック等の被削材に小径で深い穴を穴明け加工する。このように小径深穴を形成することから、本実施形態のドリルは、例えば次述する刃先部2の最大外径Dが0.05〜0.5mm程度、刃先部2の有効切刃長(後述する溝長さL)が1.4〜7.0mm程度とされて、L/Dが5以上の範囲とされた極細の刃先部2を有するものとされる。
この刃先部2の外周には、切屑排出溝4が1条のみ形成されている。この切屑排出溝4は、刃先部2の先端すなわちドリル本体1先端の先端逃げ面5に開口し、後端側に向けて軸線O回りにドリル回転方向Tの後方側に捩れつつ延びて、上記テーパ部3の僅かに先端側にまで達するように形成されており、この切屑排出溝4のドリル回転方向T前方側を向く面と上記先端逃げ面5との交差稜線部に、切刃6が形成されている。従って、本実施形態のドリルは、この切刃6も1つのみ形成された一枚刃のドリルとされ、この切刃6の外周端が軸線O回りになす円の直径が刃先部2の最大外径Dとされる。
そして、この切屑排出溝4は、図3および図4に示すようにドリル回転方向Tの後方側に位置する主溝7と、この主溝7のドリル回転方向T前方側に連なるように形成された副溝8とから構成されている。このうち、副溝8は、上記刃先部2の最大外径Dに対して、すなわち軸線Oを中心とした最大外径Dの直径の仮想円筒面に対して、その溝深さ(上記仮想円筒面からの溝深さ)が、例えば最大外径Dの10〜40%の範囲のうちで一定となるようにされて、先端逃げ面5から上述のようにテーパ部3の僅かに先端側に至るように延び、その後端で刃先部2の外周面(二番取り面)に切れ上がるように形成されている。
これに対して、主溝7は、先端逃げ面5に開口した部分では、上記最大外径Dに対する溝深さ(上記仮想円筒面からの溝深さ)が副溝8よりも深くされる一方、後端側に向かうに従い溝深さが漸次浅くなって、テーパ部3の僅かに先端側の副溝8の上記後端よりも刃先部2の先端側で外周側に切れ上がるように形成されている。従って、上記切刃6は、ドリル回転方向T後方側に位置するこの主溝7の底面7Aのうちドリル回転方向T前方側を向く面と上記先端逃げ面5との交差稜線部に形成されることになる。
ここで、本実施形態ではこの主溝7は、図3および図4に示すように軸線Oに直交する断面においてその底面7A全体が凹円弧状をなすように形成されて、同断面においてこの凹円弧の中心とドリル本体1の軸線Oとを結ぶ直線Cに対して対称とされており、この直線Cが主溝7の溝幅の中心となる。そして、この主溝7は、この底面の断面がなす凹円弧の半径がその中心の軸線Oとの間隔は同じとしたまま、先端逃げ面5から刃先部2の後端側に向かうに従い一定の割合で小さくなるように形成されることにより、上記溝深さが漸次小さくなるようにされており、これに伴いその溝幅も後端側に向かうに従い上記直線Cを中心としたまま漸次小さくなる。
一方、副溝8は、本実施形態では主溝7とは逆に、その底面8Aが軸線Oに直交する断面において図3ないし図5に示すように軸線Oを中心とした凸円弧状をなしており、上記溝深さが一定であるため、この副溝8の底面8Aは刃先部2の全長に亙って、上記最大外径Dからこの副溝8の溝深さの2倍の長さを引いた直径を有する円筒面上に位置することになる。なお、この副溝8の溝幅は、主溝7が切れ上がる位置までは、この主溝7の溝幅が漸次小さくなるのとは逆に後端側に向かうに従い漸次大きくなり、主溝7が切れ上がった位置から後端側では一定の溝幅となるようにされている。
このような主溝7と副溝8とからなる切屑排出溝4は、例えば刃先部2の外周に上述のような一定の溝深さと一定の溝幅の副溝8を軸線Oに対して一定の捩れ角で形成し、次いでこの副溝8のドリル回転方向T後方側に溝深さが漸次浅くなる主溝7を、そのドリル回転方向T前方側の部分が副溝8のドリル回転方向T後方側の部分と重なるようにして、先端逃げ面5から副溝8と並列に延びるように、すなわち主溝7が後端側に向かうに従いその溝幅の中心となる上記直線Cが副溝8の捩れ角と等しい捩れ角の軌跡をなして軸線Oに対して捩れるように形成することにより、得ることができる。勿論、主溝7を形成した後に副溝8を形成するようにしてもよく、可能であれば主溝7と副溝8とを同時に形成してこのような形状を有する切屑排出溝4を得るようにしてもよい。
なお、本実施形態では、主溝7の溝幅の中心となる上記直線Cは、図3および図4に示すように軸線Oに直交する各断面において、この主溝7のドリル回転方向T前方側の部分と重なり合う副溝8のドリル回転方向T後方側の壁面8Bと一致するようにして、この副溝8の捩れ角と等しい捩れ角で後端側に向けて捩れる軌跡をなしている。従って、本実施形態における主溝7は、刃先部2の後端側に向けて溝深さが浅くなっていって、副溝8と重なり合った上記直線Cよりもドリル回転方向T前方側の部分がまずこの副溝8の底面8Aに切れ上がり、次いでこれよりも後端側で、上記直線Cのドリル回転方向T後方側の部分が刃先部2の外周面に切れ上がることになる。
また、同じく軸線Oに直交する各断面において、副溝8は、主溝7の溝幅の中心となる上記直線Cから軸線O回りにドリル回転方向T前方側に向けて、該軸線Oに対する中心角αが100〜200°の範囲内となるように形成されていて、本実施形態ではこの中心角αは180°とされている。ここで、上述のように上記直線Cが副溝8のドリル回転方向T後方側の壁面8Bと一致していることから、本実施形態における副溝8は図5に示すようにこの中心角αと等しく軸線O回りに180°の範囲に形成されることになる。
さらに、図2に示すように軸線O方向において、刃先部2の最先端から副溝8が二番取り面に切れ上がるその後端までの副溝8の溝長さL、すなわち刃先部2の有効切刃長に対して、同じく刃先部2の最先端から主溝7が二番取り面に切れ上がるその後端までの主溝7の溝長さMは、40〜90%の範囲とされている。なお、この図2に示すように、本実施形態のドリルは刃先部2の先端部の外径に対して後端部の外径が段差部2Aを介して僅かに一段小さくなるようにされたアンダーカットタイプのドリルとされており、主溝7は上記段差部2Aよりも後端側で副溝8の底面8Aに切れ上がり、さらにこれよりも後端側で二番取り面に切れ上がるようにされている。
このように構成されたドリルにおいては、まず刃先部2に形成される切屑排出溝4が1条のみであるので、この切屑排出溝4によりドリル本体1が切り欠かれる部分が少なく、心厚を大きくすることができて、刃先部2に高い強度と剛性を確保することができる。そして、さらに上記構成のドリルでは、この切屑排出溝4が主溝7と副溝8とから構成されていて、このうち副溝8は刃先部2の最大外径Dに対して一定の溝深さとされる一方、主溝7は先端逃げ面5で副溝8より深いものの、後端側に向けて漸次浅くなって副溝8の後端よりも先端側で切れ上がっているので、これよりも後端側ではドリル本体1が径方向内周側に切り欠かれる部分を一層小さくすることができて、心厚をより大きく確保し、強度と剛性の向上を図ることができる。
その一方で、主溝7は先端逃げ面5において最も大きな溝深さとなるため、その底面7Aのうちドリル回転方向T前方側を向く面と先端逃げ面5との交差稜線部に、穴明け加工に必要な長さの切刃6を確実に形成することができる。そして、この切刃6によって生成された切屑は、こうして大きな溝深さとされた主溝7から徐々に溝深さが浅くなる後端側に送り出されるが、この主溝のドリル回転方向T前方側には副溝8が連なって連通させられており、これにより切屑排出溝4の断面積は十分に確保することができるので、良好な切屑排出性を維持することができる。
従って、上記構成のドリルによれば、このように良好な切屑排出性を維持しつつも、刃先部2の後端側におけるドリル本体1の強度や剛性を向上させることができるので、例えば上述のようなプリント基板への穴明け加工のうちでも厚さの厚い銅箔が貼られたプリント基板に小径深穴の穴部を形成するような場合に、刃先部2の上記比L/Dが大きくても、この銅箔の切屑による切屑詰まりが生じて抵抗が増大したり刃先部2に折損が生じたりするのを防いで、安定的かつ効率的な穴明け加工を行うことが可能となる。
特に、本実施形態のドリルでは、この切屑排出溝4が、先端逃げ面5から刃先部2の後端側に向けて一定幅の副溝8を形成した後に、この副溝8のドリル回転方向T後方側の部分に主溝7のドリル回転方向T後方側の部分が重なるようにして、主溝7を副溝8と並列に形成したような形状とされているので、こうして主溝7と副溝8とが重なり合うことにより、主溝7の溝深さが浅くなって切れ上がる部分では逆に副溝8の溝幅は大きくなる。このため、こうして主溝7が切れ上がる部分でも、切屑排出性が著しく損なわれて切屑詰まりが生じたりするのを防ぐことができ、一層円滑で安定した穴明け加工を促すことが可能となる。
また、本実施形態では、上記軸線O方向における主溝7の溝長さMが、副溝8の溝長さLすなわち切屑排出溝4の溝長さの40〜90%の範囲とされており、これによっても確実に切屑排出性を確保しつつ刃先部2の強度や剛性の向上を図ることができる。すなわち、この主溝7の溝長さMの割合がこの範囲を上回るほど大きいと、主溝7がより後端側まで延びることになってドリル本体1が切り欠かれ、刃先部2の強度や剛性を確実に確保することができなくなるおそれがあり、逆に上記範囲を下回りほど小さいと、主溝7の溝深さが後端側に向けて急激に浅くなることになって、副溝8が形成されていても切屑排出性が損なわれるおそれが生じる。
さらに、本実施形態では、主溝7が存在する刃先部2の先端側において、軸線Oに直交する断面におけるこの主溝7の溝幅の中心となる上記直線Cから、副溝8が、ドリル回転方向T前方側に向けて軸線Oを中心とした中心角αが100〜200°の範囲にまで形成されており、これによっても切屑排出性と刃先部2の強度や剛性の向上とをより確実に両立させることができる。すなわち、この中心角αが上記範囲を上回るほど大きく副溝8が形成されていると、主溝7とともに刃先部2の先端側の部分でドリル本体1が大きく切り欠かれることになって、被削材を切削するのに必要な強度や剛性を確保することができなくなるおそれがあり、逆に上記範囲よりも副溝8が形成される範囲が小さいと、良好な切屑排出性を得ることができなくなるおそれが生じる。
さらにまた、本実施形態では、この副溝8の底面8Aが、軸線Oに直交する断面において該軸線Oを中心とした凸円弧をなすように、ドリル本体の周方向に湾曲する凸曲面状とされているので、特に主溝7が切れ上がった刃先部2の後端側で心厚をより大きく確保することができ、これによっても強度や剛性の向上に寄与することができる。また、これに対して主溝7は、その底面7Aが軸線Oに直交する断面において逆に軸線O側に凹む凹円弧をなすような凹曲面状とされており、例えば副溝8の底面8Aのように凸曲面状のものと比べて、断面積が同じならばより大きな溝深さを確保することができるので、切屑排出性を向上させることが可能となる。
なお、本実施形態では、刃先部2の外径が後端側に向けて段差部2Aを介して一段小さくなるアンダーカットタイプのドリルに本発明を適用した場合について説明したが、この刃先部2の外径が後端側に向けて漸次小さくなるバックテーパタイプのドリルに本発明を適用することも可能であり、また刃先部2の外径が一定のストレートタイプのドリルにも適用可能である。これらいずれのタイプでも、副溝8はこの刃先部2の切刃6における最大外径Dに対して一定の溝深さとされていればよい。
1 ドリル本体
2 刃先部
4 切屑排出溝
5 先端逃げ面
6 切刃
7 主溝
8 副溝
O ドリル本体1の軸線
T ドリル回転方向
D 刃先部2の最大外径(切刃6の直径)
L 軸線O方向における副溝8の溝長さ(切屑排出溝4の溝長さ、刃先部2の有効切刃長)
M 軸線O方向における主溝7の溝長さ
C 軸線Oに直交する断面における主溝7の溝幅の中心となる直線
α 直線Cからドリル回転方向T前方側に向けて副溝8が形成される範囲の軸線Oを中心とした中心角

Claims (4)

  1. 軸線回りに回転されるドリル本体先端側の刃先部の外周に、主溝と、この主溝のドリル回転方向前方側に連なる副溝とからなる1条のみの切屑排出溝が、上記刃先部の先端から後端側に向けて延びるように形成されていて、この切屑排出溝のうち上記主溝のドリル回転方向前方側を向く壁面と上記刃先部の先端逃げ面との交差稜線部に切刃が形成されており、この切刃がなす上記刃先部の最大外径に対して、上記副溝は、上記先端逃げ面から上記刃先部の後端側に向けて一定の溝深さとされる一方、上記主溝は、上記先端逃げ面では上記副溝の溝深さよりも深い溝深さとされるとともに、上記刃先部の後端側に向かうに従い溝深さが漸次浅くなって、上記副溝の後端よりも先端側で切れ上がっていることを特徴とするドリル。
  2. 上記切屑排出溝は、上記先端逃げ面から上記刃先部の後端側に向けて一定の溝幅で延びるようにされた上記副溝のドリル回転方向後方側の部分に、上記主溝がそのドリル回転方向前方側の部分を重ねて上記先端逃げ面から該副溝と並列に延びるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のドリル。
  3. 上記軸線方向における上記主溝の長さが上記副溝の長さの40〜90%の範囲とされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のドリル。
  4. 上記刃先部の先端側において、上記副溝は、上記主溝の溝幅の中心から上記軸線回りにドリル回転方向前方側に向けて100〜200°の範囲内に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のドリル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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