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JP2011124494A - 有機薄膜太陽電池モジュール - Google Patents

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JP2011124494A JP2009282965A JP2009282965A JP2011124494A JP 2011124494 A JP2011124494 A JP 2011124494A JP 2009282965 A JP2009282965 A JP 2009282965A JP 2009282965 A JP2009282965 A JP 2009282965A JP 2011124494 A JP2011124494 A JP 2011124494A
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Abstract

【課題】本発明は、複数個の単位セルが平面的に配列され直列に接続された有機薄膜太陽電池モジュールであって、単純な構成であり、簡素な工程で製造することが可能な有機薄膜太陽電池モジュールを提供することを主目的とする。
【解決手段】本発明は、複数個の単位セルが平面的に配列され直列に接続されており、上記単位セルは、透明基板上に形成された第1電極層と、上記第1電極層上に形成された光電変換層と、上記光電変換層上に形成された第2電極層とを有し、上記一の単位セルの上記光電変換層と上記他の単位セルの上記光電変換層とが連続膜として形成されており、上記一の単位セルの上記第1電極層と上記他の単位セルの上記第1電極層との間隔、および、上記一の単位セルの上記第2電極層と上記他の単位セルの上記第2電極層との間隔がいずれも、上記光電変換層の厚みよりも大きいことを特徴とする有機薄膜太陽電池モジュールを提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数個の単位セルが平面的に配列され直列に接続された有機薄膜太陽電池モジュールに関するものである。
有機薄膜太陽電池は、2つの異種電極間に、電子供与性および電子受容性の機能を有する有機薄膜を配置してなる太陽電池であり、シリコンなどに代表される無機太陽電池に比べて製造工程が容易であり、かつ低コストで大面積化が可能であるという利点を持つ。
有機薄膜太陽電池において、起電力は、有機薄膜に使用する電子供与媒体および電子受容媒体の物性により決定される。一般的な電子供与性材料であるポリチオフェンと電子受容性材料であるフラーレンとの間に生じる起電力は、約0.6Vである。例えば、携帯電話を駆動する際に必要な起電力は3.7Vであり、これを実現するためには複数個の単位セルを直列に接続し、所望の起電力を発生させる必要がある。
直列接続の技術としては、複数個の単位セルを平面的に配列する場合、一の単位セルの背面電極と他の単位セルの透明電極とを3次元的に接続することが提案されている(例えば特許文献1参照)。この場合、隣接する単位セルでは、透明電極同士、光電変換層同士、裏面電極同士がそれぞれ電気的に絶縁されるように空間で分離される。
隣接する単位セルの光電変換層を空間で分離する方法としては、光電変換層を形成した後に部分的に除去する方法や、光電変換層を直接パターン状に形成する方法が知られている。光電変換層を部分的に除去する方法としては、例えば、レーザースクライブ法、エッチング法、拭き取り法などが挙げられる。また、光電変換層を直接パターン状に形成する方法としては、メタルマスクを用いた蒸着法が挙げられ、また印刷法や吐出法も用いることができる。
しかしながら、このような方法では製造工程が煩雑になる。さらには、光電変換層の除去が不十分である場合、隣接する単位セルの光電変換層を電気的に絶縁することができない。特に光電変換層の形成に低粘度の塗工液を使用した場合には、塗工後に塗工液が非塗工部に塗れ広がってしまうために、非塗工部を介して隣接した塗工部同士が一体化してしまう可能性があり、光電変換層を十分に除去することが困難である。
一方、特許文献2には、隣接する単位セルが、互いに、第1電極層と光電変換層と第2電極層との積層順番が反対であり、かつ電気的に直列接続されている有機太陽電池モジュールが開示されている。この有機太陽電池モジュールでは、光電変換層が電気的に分離されていれば空間で分離されていなくてもよいとされている。これは、隣接する単位セルで第1電極層と光電変換層と第2電極層との積層順番が反対であり、基板の同一平面上に第1電極層および第2電極層が交互に形成されているので、一の単位セルの第2電極層と他の単位セルの第1電極層とを接続するために光電変換層を部分的に除去して他の単位セルの第1電極層を露出させる必要がないからであると考えられる。
しかしながら、上記の有機太陽電池モジュールでは、基板の同一平面上に第1電極層および第2電極層を交互に形成するので、パターン状の第1電極層およびパターン状の第2電極層をそれぞれ形成する工程を前面基板および背面基板に対してそれぞれ行なう必要があり、製造工程が煩雑である。
特表2006−511073号公報 特開2006−237165号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、複数個の単位セルが平面的に配列され直列に接続された有機薄膜太陽電池モジュールであって、単純な構成であり、簡素な工程で製造することが可能な有機薄膜太陽電池モジュールを提供することを主目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、透明基板上に複数個の単位セルが平面的に配列され、上記複数個の単位セルのうち少なくとも2個の単位セルが直列に接続された有機薄膜太陽電池モジュールであって、上記単位セルは、上記透明基板上に形成された第1電極層と、上記第1電極層上に形成された光電変換層と、上記光電変換層上に形成された第2電極層とを有し、直列に接続された上記少なくとも2個の単位セルでは、一の上記単位セルの上記第2電極層と他の上記単位セルの上記第1電極層とが電気的に接続されており、上記一の単位セルの上記光電変換層と上記他の単位セルの上記光電変換層とが連続膜として形成されており、上記一の単位セルの上記第1電極層と上記他の単位セルの上記第1電極層との間隔、および、上記一の単位セルの上記第2電極層と上記他の単位セルの上記第2電極層との間隔がいずれも、上記光電変換層の厚みよりも大きいことを特徴とする有機薄膜太陽電池モジュールを提供する。
本発明によれば、直列に接続された少なくとも2個の単位セルでは、一の単位セルの光電変換層と他の単位セルの光電変換層とが連続膜として形成されており、各単位セルの光電変換層が空間で分離されていなくとも、一の単位セルの第1電極層と他の単位セルの第1電極層との間隔、および、一の単位セルの第2電極層と他の単位セルの第2電極層との間隔を、光電変換層の厚みよりも大きくすることにより、各単位セルの光電変換層を実質的に電気的に分離することができる。したがって、各単位セルの光電変換層を空間で分離する必要がなく、有機薄膜太陽電池モジュールの構造を単純化することが可能であるとともに、製造工程を簡素化することが可能である。
上記発明においては、上記一の単位セルの上記第1電極層と上記他の単位セルの上記第1電極層との間隔、および、上記一の単位セルの上記第2電極層および上記他の単位セルの上記第2電極層の間隔がいずれも、20μm以上であることが好ましい。上述の間隔が上記範囲であれば、各単位セルの光電変換層の電気的な分離が十分に可能である。
また本発明においては、上記一の単位セルの上記第1電極層と上記他の単位セルの上記第1電極層との間隔、および、上記一の単位セルの上記第2電極層および上記他の単位セルの上記第2電極層の間隔がいずれも、1mm以上であることが好ましい。熱損失は電荷の移動距離に比例するので、上述の間隔が上記範囲であることにより、各単位セルの光電変換層の電気的な分離をより確実なものとすることができるからである。
さらに本発明においては、上記光電変換層の表面抵抗値が200Ω/□以上であることが好ましい。光電変換層の表面抵抗値が上記範囲であれば、隣接する単位セルの光電変換層間で面方向に電荷を移動しにくくすることができるからである。
また本発明においては、上記第1電極層と上記光電変換層との間にバッファー層が形成されており、上記一の単位セルの上記バッファー層と上記他の単位セルの上記バッファー層とが連続膜として形成され、上記一の単位セルの上記第1電極層と上記他の単位セルの上記第1電極層との間隔、および、上記一の単位セルの上記第2電極層および上記他の単位セルの上記第2電極層の間隔がいずれも、上記バッファー層の厚みよりも大きいことが好ましい。直列に接続された少なくとも2個の単位セルでは、各単位セルのバッファー層が連続膜として形成されており、各単位セルのバッファー層が空間で分離されていなくとも、一の単位セルの第1電極層と他の単位セルの第1電極層との間隔、および、一の単位セルの第2電極層と他の単位セルの第2電極層との間隔を、バッファー層の厚みよりも大きくすることにより、各単位セルのバッファー層を実質的に電気的に分離することができる。
上記の場合、上記バッファー層の表面抵抗値が200Ω/□以上であることが好ましい。バッファー層の表面抵抗値が上記範囲であれば、隣接する単位セルのバッファー層間で面方向に電荷を移動しにくくすることができるからである。
本発明においては、直列に接続された少なくとも2個の単位セルでは、一の単位セルの光電変換層と他の単位セルの光電変換層とが連続膜として形成されているので、有機薄膜太陽電池モジュールの構造の単純化および製造工程の簡素化が可能であるという効果を奏する。
本発明の有機薄膜太陽電池モジュールの一例を示す概略平面図および断面図である。 本発明の有機薄膜太陽電池モジュールの他の例を示す概略平面図である。 本発明の有機薄膜太陽電池モジュールの他の例を示す概略平面図である。 本発明の有機薄膜太陽電池モジュールの他の例を示す概略断面図である。 本発明の有機薄膜太陽電池モジュールの他の例を示す概略断面図である。 参考例2における電極間の間隔と太陽電池特性の関係を示すグラフである。
以下、本発明の有機薄膜太陽電池モジュールについて詳細に説明する。
本発明の有機薄膜太陽電池モジュールは、透明基板上に複数個の単位セルが平面的に配列され、上記複数個の単位セルのうち少なくとも2個の単位セルが直列に接続された有機薄膜太陽電池モジュールであって、上記単位セルは、上記透明基板上に形成された第1電極層と、上記第1電極層上に形成された光電変換層と、上記光電変換層上に形成された第2電極層とを有し、直列に接続された上記少なくとも2個の単位セルでは、一の上記単位セルの上記第2電極層と他の上記単位セルの上記第1電極層とが電気的に接続されており、上記一の単位セルの上記光電変換層と上記他の単位セルの上記光電変換層とが連続膜として形成されており、上記一の単位セルの上記第1電極層と上記他の単位セルの上記第1電極層との間隔、および、上記一の単位セルの上記第2電極層と上記他の単位セルの上記第2電極層との間隔がいずれも、上記光電変換層の厚みよりも大きいことを特徴とするものである。
本発明の有機薄膜太陽電池モジュールについて図面を参照しながら説明する。
図1(a)は本発明の有機薄膜太陽電池モジュールの一例を示す概略平面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A線断面図である。有機薄膜太陽電池モジュール1においては、透明基板2上に2個の単位セル10a,10bが平面的に配列され、これらの単位セル10a,10bが直列に接続されている。各単位セル10a,10bは、透明基板2上に形成された第1電極層3と、第1電極層3上に形成された光電変換層4と、光電変換層4上に形成された第2電極層5とを有している。
第1電極層3は透明基板2上にストライプ状に形成されており、単位セル10aの第1電極層3および単位セル10bの第1電極層3はストライプパターンが長辺方向にずれるように配置されている。そして、単位セル10aの第2電極層5と単位セル10bの第1電極層3とは、接続部6によって電気的に接続されている。
また、単位セル10aの光電変換層4と単位セル10bの光電変換層4とは連続膜として形成されている。そして、単位セル10aの第1電極層3と単位セル10bの第1電極層3との間隔d1、および、単位セル10aの第2電極層5と単位セル10bの第2電極層5との間隔d2はいずれも、光電変換層4の厚みよりも大きいものとなっている。
なお、「一の単位セルの第1電極層と他の単位セルの第1電極層との間隔」とは、直列に接続された少なくとも2個の単位セルのうち、隣接する単位セルにおいて、一の単位セルにおける第1電極層と光電変換層またはバッファー層とが接触している領域の第1電極層の端部から、他の単位セルにおける第1電極層と光電変換層またはバッファー層とが接触している領域の第1電極層の端部までの距離のうち、最短距離をいう。
また、「一の単位セルの第2電極層と他の単位セルの第2電極層との間隔」とは、直列に接続された少なくとも2個の単位セルのうち、隣接する単位セルにおいて、一の単位セルにおける第2電極層および接続部と光電変換層またはバッファー層とが接触している領域の第2電極層および接続部の端部から、他の単位セルにおける第2電極層および接続部と光電変換層またはバッファー層とが接触している領域の第2電極層および接続部の端部までの距離のうち、最短距離をいう。
図1(b)に例示する有機薄膜太陽電池モジュール1においては、まず、第1電極層3からの入射光11により光電変換層4内で電荷が発生する。次いで、発生した電荷(正孔)は、光電変換層4の膜厚方向に移動して光電変換層4および第1電極層3の接触界面にて第1電極層3へと取り出される。一方、発生した電荷(電子)は、光電変換層4の膜厚方向に移動して光電変換層4および第2電極層5の接触界面にて第2電極層5へと取り出される。
この際、光電変換層内で発生した電荷は、光電変換層の膜厚方向だけでなく面方向にも移動する。膜厚方向および面方向の電荷の移動しやすさは、ほぼ等しいと考えられる。また、電荷の移動距離が長くなるほど、光電変換層の抵抗における電流抵抗ロスが増大する。したがって、一の単位セルの第1電極層と他の単位セルの第1電極層との間隔、および、一の単位セルの第2電極層と他の単位セルの第2電極層との間隔がいずれも、光電変換層の膜厚よりも大きければ、電荷は、単位セル内の第1電極層および第2電極層間で光電変換層の膜厚方向に移動しやすく、隣接する単位セルの光電変換層間で光電変換層の面方向に移動しにくいと考えられる。よって、一の単位セルの光電変換層と他の単位セルの光電変換層とが連続膜として形成されているとしても、一の単位セルの光電変換層と他の単位セルの光電変換層とは実質的に電気的に分離されていることになる。
このように本発明においては、直列に接続された少なくとも2個の単位セルでは、一の単位セルの光電変換層と他の単位セルの光電変換層とが連続膜として形成されており、各単位セルの光電変換層が空間で分離されていなくとも、一の単位セルの第1電極層と他の単位セルの第1電極層との間隔、および、一の単位セルの第2電極層と他の単位セルの第2電極層との間隔を、光電変換層の膜厚よりも大きくすることにより、各単位セルの光電変換層を実質的に電気的に分離することができる。したがって、有機薄膜太陽電池モジュールの構造を単純化することが可能である。また、各単位セルの光電変換層を空間で分離するために光電変換層を部分的に除去したり光電変換層を直接パターン状に形成したりする必要がなく、製造工程を簡素化することが可能である。
また、直列に接続する単位セルの数が多いほど起電力が高くなるので、基板上に多くの単位セルを配置するために各単位セルの間隔を狭くすることが考えられるが、従来のような各単位セルの光電変換層を空間で分離するために光電変換層を部分的に除去する方法や光電変換層を直接パターン状に形成する方法では、精度上、隣接する光電変換層の間隔を狭くするのは困難である。特にレーザースクライブ法、エッチング法、拭き取り法では極めて難しい。これに対し、本発明においては、各単位セルの光電変換層は連続膜として形成されているので、上記のような不具合はない。
以下、本発明の有機薄膜太陽電池モジュールにおける各構成について説明する。
1.光電変換層
本発明における光電変換層は、第1電極層および第2電極層の間に形成されるものであり、直列に接続された少なくとも2個の単位セルでは、一の単位セルの光電変換層と他の単位セルの光電変換層とが連続膜として形成されるものである。また、直列に接続された少なくとも2個の単位セルでは、光電変換層の厚みが、一の単位セルの第1電極層と他の単位セルの第1電極層との間隔、および、一の単位セルの第2電極層と他の単位セルの第2電極層との間隔よりも小さいものである。
なお、「光電変換層」とは、有機薄膜太陽電池の電荷分離に寄与し、生じた電子および正孔を各々反対方向の電極に向かって輸送する機能を有する部材をいう。
光電変換層の膜厚は、一の単位セルの第1電極層と他の単位セルの第1電極層との間隔、および、一の単位セルの第2電極層と他の単位セルの第2電極層との間隔よりも小さければよく、一般的に有機薄膜太陽電池において採用されている膜厚とすることができる。具体的に、光電変換層の膜厚としては、0.2nm〜3000nmの範囲内で設定することができ、好ましくは1nm〜600nmの範囲内である。膜厚が上記範囲よりも厚いと、光電変換層における抵抗が高くなる場合があるからである。一方、膜厚が上記範囲よりも薄いと、光を十分に吸収できない場合があるからである。
光電変換層の表面抵抗値は、電荷の光電変換層の面内方向への移動の指標となるものである。光電変換層の表面抵抗値が高ければ高いほど、光電変換層の面内方向に電荷が移動しにくくなる。具体的に、光電変換層の表面抵抗値としては、200Ω/□以上であることが好ましく、300Ω/□以上であることがより好ましい。上述したように、光電変換層の表面抵抗値が高ければ高いほど、光電変換層の面内方向に電荷が移動しにくくなることから、光電変換層の表面抵抗値の上限は特に限定されない。
なお、上記表面抵抗値は、4端子4探針法により、測定した値である。例えば、三菱化学アナリティック社製 4端子4探針法 定電流印加方式 抵抗率計 ロレスタEPを用いて、表面抵抗値を測定することができる。
光電変換層の形状としては、各単位セルの光電変換層が連続膜として形成されていれば特に限定されるものではなく、例えば、図1(a)および図2に例示するように光電変換層4の形状が矩形であってもよく、図3に例示するように光電変換層4の形状が光電変換層の長さ方向に凹凸を有する形状であってもよい。光電変換層の形状は、一の単位セルの第2電極層と他の単位セルの第1電極層とを電気的に接続するための第1電極層、第2電極層および接続部の形状や配置に応じて適宜選択される。中でも、光電変換層の形状は矩形であることが好ましい。光電変換層の形成が容易だからである。
光電変換層は、電子受容性および電子供与性の両機能を有する単一の層であってもよく(第1態様)、また電子受容性の機能を有する電子受容性層と電子供与性の機能を有する電子供与性層とが積層されたものであってもよい(第2態様)。
以下、各態様について説明する。
(1)第1態様
本発明における光電変換層の第1態様は、電子受容性および電子供与性の両機能を有する単一の層であり、電子供与性材料および電子受容性材料を含有するものである。この光電変換層では、光電変換層内で形成されるpn接合を利用して電荷分離が生じるため、単独で光電変換層として機能する。
電子供与性材料としては、電子供与体としての機能を有するものであれば特に限定されるものではないが、湿式塗工法により成膜可能なものであることが好ましく、中でも電子供与性の導電性高分子材料であることが好ましい。
導電性高分子はいわゆるπ共役高分子であり、炭素−炭素またはヘテロ原子を含む二重結合または三重結合が、単結合と交互に連なったπ共役系から成り立っており、半導体的性質を示すものである。導電性高分子材料は、高分子主鎖内にπ共役が発達しているため主鎖方向への電荷輸送が基本的に有利である。また、導電性高分子の電子伝達機構は、主にπスタッキングによる分子間のホッピング伝導であるため、高分子の主鎖方向のみならず、光電変換層の膜厚方向への電荷輸送も有利である。さらに、導電性高分子材料は、導電性高分子材料を溶媒に溶解もしくは分散させた塗工液を用いることで湿式塗工法により容易に成膜可能であることから、大面積の有機薄膜太陽電池を高価な設備を必要とせず低コストで製造できるという利点がある。
電子供与性の導電性高分子材料としては、例えば、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリシラン、ポリチオフェン、ポリカルバゾール、ポリビニルカルバゾール、ポルフィリン、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリフルオレン、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、およびこれらの誘導体、ならびにこれらの共重合体、あるいは、フタロシアニン含有ポリマー、カルバゾール含有ポリマー、有機金属ポリマー等を挙げることができる。
上記の中でも、チオフェン−フルオレン共重合体、ポリアルキルチオフェン、フェニレンエチニレン−フェニレンビニレン共重合体、フェニレンエチニレン−チオフェン共重合体、フェニレンエチニレン−フルオレン共重合体、フルオレン−フェニレンビニレン共重合体、チオフェン−フェニレンビニレン共重合体等が好ましく用いられる。これらは、多くの電子受容性材料に対して、エネルギー準位差が適当であるからである。
なお、例えばフェニレンエチニレン−フェニレンビニレン共重合体(Poly[1,4-phenyleneethynylene-1,4-(2,5-dioctadodecyloxyphenylene)-1,4-phenyleneethene-1,2-diyl-1,4-(2,5-dioctadodecyloxyphenylene)ethene-1,2-diyl])の合成方法については、Macromolecules, 35, 3825 (2002) や、Mcromol. Chem. Phys., 202, 2712 (2001) に詳しい。
また、電子受容性材料としては、電子受容体としての機能を有するものであれば特に限定されるものではないが、湿式塗工法により成膜可能なものであることが好ましく、中でも電子供与性の導電性高分子材料であることが好ましい。導電性高分子材料は、上述したような利点を有するからである。
電子受容性の導電性高分子材料としては、例えば、ポリフェニレンビニレン、ポリフルオレン、およびこれらの誘導体、ならびにこれらの共重合体、あるいは、カーボンナノチューブ、フラーレン誘導体、CN基またはCF基含有ポリマーおよびそれらの−CF置換ポリマー等を挙げることができる。ポリフェニレンビニレン誘導体の具体例としては、CN−PPV(Poly[2-Methoxy-5-(2´-ethylhexyloxy)-1,4-(1-cyanovinylene)phenylene])、MEH−CN−PPV(Poly[2-Methoxy-5-(2´-ethylhexyloxy)-1,4-(1-cyanovinylene)phenylene])等が挙げられる。
また、電子供与性化合物がドープされた電子受容性材料や、電子受容性化合物がドープされた電子供与性材料等を用いることもできる。中でも、電子供与性化合物もしくは電子受容性化合物がドープされた導電性高分子材料が好ましく用いられる。導電性高分子材料は、高分子主鎖内にπ共役が発達しているため主鎖方向への電荷輸送が基本的に有利であり、また、電子供与性化合物や電子受容性化合物をドープすることによりπ共役主鎖中に電荷が発生し、電気伝導度を大きく増大させることが可能であるからである。
電子供与性化合物がドープされる電子受容性の導電性高分子材料としては、上述した電子受容性の導電性高分子材料を挙げることができる。ドープされる電子供与性化合物としては、例えばLi、K、Ca、Cs等のアルカリ金属やアルカリ土類金属のようなルイス塩基を用いることができる。なお、ルイス塩基は電子供与体として作用する。
また、電子受容性化合物がドープされる電子供与性の導電性高分子材料としては、上述した電子供与性の導電性高分子材料を挙げることができる。ドープされる電子受容性化合物としては、例えばFeCl(III)、AlCl、AlBr、AsFやハロゲン化合物のようなルイス酸を用いることができる。なお、ルイス酸は電子受容体として作用する。
電子供与性材料および電子受容性材料の混合比は、使用する材料の種類により最適な混合比に適宜調整される。
光電変換層を形成する方法としては、所定の膜厚に均一に形成することができ、連続膜が得られる方法であれば特に限定されるものではないが、湿式塗工法が好ましく用いられる。湿式塗工法であれば、大気中で光電変換層を形成することができ、コストの削減が図れるとともに、大面積化が容易だからである。
光電変換層用塗工液の塗布方法としては、光電変換層用塗工液を均一に塗布することができ、連続膜が得られる方法であれば特に限定されるものではない。中でも、後述するように第1電極層が補助電極と透明電極とが積層されたものである場合、光電変換層用塗工液の塗布方法は、主に塗布量に応じて厚みを調整することが可能な方法であることが好ましい。
なお、「塗布量」とは、塗布膜厚を意味する。「主に塗布量に応じて厚みを調整することが可能な方法」とは、主に塗布量を調整することによって厚みを制御することができる方法であり、主として塗布量以外のパラメータ、例えば回転数(遠心力)などを調整することにより厚みを制御する方法を除くものである。「主に塗布量に応じて厚みを調整することが可能な方法」は、主に塗布量(塗布膜厚)を調整することによって厚みを制御することができる方法であればよく、具体的には、塗布速度、吐出量、塗布ギャップなどを調整して塗布量(塗布膜厚)を調整することができる。主に塗布量に応じて厚みを調整することが可能な方法としては、例えば、ダイコート法、ビードコート法、バーコート法、グラビアコート法、インクジェット法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法などの印刷法を挙げることができる。一方、主に塗布量に応じて厚みを調整することが可能な方法には、スピンコート法は含まれない。
上述したように、主に塗布量に応じて厚みを調整することが可能な方法としては、例えば、ダイコート法、ビードコート法、バーコート法、グラビアコート法、インクジェット法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法などの印刷法を挙げることができる。印刷法は有機薄膜太陽電池の大面積化に好適である。
光電変換層用塗工液の塗布後は、形成された塗膜を乾燥する乾燥処理を施してもよい。光電変換層用塗工液に含まれる溶媒等を早期に除去することにより、生産性を向上させることができるからである。
乾燥処理の方法として、例えば、加熱乾燥、送風乾燥、真空乾燥、赤外線加熱乾燥等、一般的な方法を用いることができる。
(2)第2態様
本発明における光電変換層の第2態様は、電子受容性の機能を有する電子受容性層と電子供与性の機能を有する電子供与性層とが積層されたものである。以下、電子受容性層および電子供与性層について説明する。
(電子受容性層)
本態様に用いられる電子受容性層は、電子受容性の機能を有するものであり、電子受容性材料を含有するものである。
電子受容性材料としては、電子受容体としての機能を有するものであれば特に限定されるものではないが、湿式塗工法により成膜可能なものであることが好ましく、中でも電子受容性の導電性高分子材料であることが好ましい。導電性高分子材料は、上述したような利点を有するからである。具体的には、上記第1態様の光電変換層に用いられる電子受容性の導電性高分子材料と同様のものを挙げることができる。
電子受容性層の膜厚としては、電子受容性層と電子供与性層とが積層された光電変換層の膜厚が上述の光電変換層の膜厚を満たしていればよく、具体的には、0.1nm〜1500nmの範囲内で設定することができ、好ましくは1nm〜300nmの範囲内である。膜厚が上記範囲よりも厚いと、電子受容性層における抵抗が高くなる可能性があり、膜厚が上記範囲よりも薄いと、光を十分に吸収できない場合があるからである。
電子受容性層の形成方法としては、上記第1態様の光電変換層の形成方法と同様とすることができる。
(電子供与性層)
本発明に用いられる電子供与性層は、電子供与性の機能を有するものであり、電子供与性材料を含有するものである。
電子供与性材料としては、電子供与体としての機能を有するものであれば特に限定されるものではないが、湿式塗工法により成膜可能なものであることが好ましく、中でも電子供与性の導電性高分子材料であることが好ましい。導電性高分子材料は、上述したような利点を有するからである。具体的には、上記第1態様の光電変換層に用いられる電子供与性の導電性高分子材料と同様のものを挙げることができる。
電子供与性層の膜厚としては、電子受容性層と電子供与性層とが積層された光電変換層の膜厚が上述の光電変換層の膜厚を満たしていればよく、具体的には、0.1nm〜1500nmの範囲内で設定することができ、好ましくは1nm〜300nmの範囲内である。膜厚が上記範囲よりも厚いと、電子供与性層における抵抗が高くなる可能性があり、膜厚が上記範囲より薄いと、光を十分に吸収できない場合があるからである。
電子供与性層の形成方法としては、上記第1態様の光電変換層の形成方法と同様とすることができる。
2.第1電極層
本発明における第1電極層は、透明基板上に形成されるものであり、直列に接続された少なくとも2個の単位セルでは、一の単位セルの第1電極層と他の単位セルの第1電極層との間隔が光電変換層の厚みよりも大きいものである。また、直列に接続された少なくとも2個の単位セルでは、一の単位セルの第1電極層は他の単位セルの第2電極層と電気的に接続されている。第1電極層は、通常、光電変換層で発生した正孔を取り出すための電極(正孔取出し電極)とされる。本発明においては、第1電極層側が受光面となるので、第1電極層は透明性を有している。
一の単位セルの第1電極層と他の単位セルの第1電極層との間隔は、上記光電変換層の厚みよりも大きければよい。ここで、熱損失は、電荷の移動距離に比例する。電荷の移動距離が長ければ長いほど、熱損失が大きくなる。したがって、一の単位セルの第1電極層と他の単位セルの第1電極層との間隔が大きいほど、光電変換層の面方向に移動する電荷は熱に変わりやすく、各単位セルの光電変換層の電気的な分離をより確実なものとすることができる。
具体的に、一の単位セルの第1電極層と他の単位セルの第1電極層との間隔としては、20μm以上であることが好ましい。中でも、太陽電池の特性(短絡電流、開放電圧)の観点からは、20μm〜100μm程度であることが好ましい。また、上述したように絶縁性の観点からは上記間隔が大きいほど好ましく、1mm以上であることがより好ましい。この場合、一の単位セルの第1電極層と他の単位セルの第1電極層との間隔が広いと、透明基板上に配置できる単位セルの数が少なくなることから、上記間隔の上限は10mm程度である。なお、上記間隔は、光学顕微鏡により測定することができる。
第1電極層は、受光面側の電極となるものであれば特に限定されるものではなく、透明電極であってもよく、また透明電極とパターン状の補助電極とが積層されたものであってもよい。
図4に例示するように第1電極層3がパターン状の補助電極3aと透明電極3bとが積層されたものである場合には、透明電極のシート抵抗が比較的高い場合であっても、補助電極のシート抵抗を十分に低くすることで、第1電極層全体としての抵抗を低減することができる。したがって、発生した電力を効率良く集電することができる。
以下、透明電極および補助電極について説明する。
(1)透明電極
本発明に用いられる透明電極は、透明基板上に形成されるものである。
透明電極の構成材料としては、導電性および透明性を有するものであれば特に限定されなく、In−Zn−O(IZO)、In−Sn−O(ITO)、ZnO−Al、Zn−Sn−O等を挙げることができる。中でも、後述する第2電極層の構成材料の仕事関数等を考慮して適宜選択することが好ましい。例えば第2電極層の構成材料を仕事関数の低い材料とした場合には、透明電極の構成材料は仕事関数の高い材料であることが好ましい。導電性および透明性を有し、かつ仕事関数の高い材料としては、ITOが好ましく用いられる。
透明電極の全光線透過率は、85%以上であることが好ましく、中でも90%以上、特に92%以上であることが好ましい。透明電極の全光線透過率が上記範囲であることにより、透明電極にて光を十分に透過することができ、光電変換層にて光を効率的に吸収することができるからである。
なお、上記全光線透過率は、可視光領域において、スガ試験機株式会社製 SMカラーコンピュータ(型番:SM−C)を用いて測定した値である。
透明電極のシート抵抗は、20Ω/□以下であることが好ましく、中でも10Ω/□以下、特に5Ω/□以下であることが好ましい。シート抵抗が上記範囲より大きいと、発生した電荷を十分に外部回路へ伝達できない可能性があるからである。
なお、上記シート抵抗は、三菱化学株式会社製 表面抵抗計(ロレスタMCP:四端子プローブ)を用い、JIS R1637(ファインセラミックス薄膜の抵抗率試験方法:4探針法による測定方法)に基づき、測定した値である。
透明電極は、単層であってもよく、また異なる仕事関数の材料を用いて積層されたものであってもよい。
この透明電極の膜厚としては、単層である場合はその膜厚が、複数層からなる場合は総膜厚が、0.1nm〜500nmの範囲内であることが好ましく、中でも1nm〜300nmの範囲内であることが好ましい。膜厚が上記範囲より薄いと、透明電極のシート抵抗が大きくなりすぎ、発生した電荷を十分に外部回路へ伝達できない可能性があり、一方、膜厚が上記範囲より厚いと、全光線透過率が低下し、光電変換効率を低下させる可能性があるからである。
各単位セルの透明電極は空間で分離されており、透明電極は透明基板上にパターン状に形成される。透明電極のパターンの配置としては、一の単位セルの第2電極層と他の単位セルの第1電極層とを電気的に接続することができれば特に限定されるものではなく、第2電極層、接続部および光電変換層の形状や配置に応じて適宜選択される。
透明電極の形成方法としては、一般的な電極の形成方法を用いることができる。
(2)補助電極
本発明に用いられる補助電極は、透明基板上にパターン状に形成されるものである。補助電極は、通常、透明電極よりも抵抗値が低い。
補助電極の形成材料としては、通常、金属が用いられる。補助電極に用いられる金属としては、例えば、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、銅(Cu)、チタン(Ti)、鉄(Fe)、ステンレス系金属、アルミニウム合金、銅合金、チタン合金、鉄−ニッケル合金およびニッケル−クロム合金(Ni−Cr)等の導電性金属を挙げることができる。上述の導電性金属の中でも、電気抵抗値が比較的低いものが好ましい。このような導電性金属としては、Al、Au、Ag、Cu等が挙げられる。
また、補助電極は、上述のような導電性金属からなる単層であってもよく、また透明基板や透明電極との密着性向上のために、導電性金属層とコンタクト層とを適宜積層したものであってもよい。コンタクト層の形成材料としては、例えば、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、ニッケルクロム(Ni−Cr)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)等が挙げられる。コンタクト層は所望の補助電極と透明基板や透明電極との密着性を得るために導電性金属層に積層されるものであり、導電性金属層の片側にのみ積層してもよく、導電性金属層の両側に積層してもよい。
また、第2電極層の形成材料の仕事関数等に応じて、好ましい金属を選択してもよい。例えば、第2電極層の形成材料の仕事関数等を考慮する場合には、第1電極層は正孔取出し電極であるので、補助電極に用いられる金属は仕事関数の高いものであることが好ましい。具体的には、Alが好ましく用いられる。
補助電極の形状としては、パターン状であれば特に限定されるものではなく、所望の導電性、透過性、強度等により適宜選択される。例えば、補助電極は、メッシュ状のメッシュ部と、このメッシュ部の周囲に配置されたフレーム部とを有するものであってもよく、メッシュ状のメッシュ部からなるものであってもよい。
補助電極がメッシュ部とフレーム部とを有する場合、メッシュ部およびフレーム部の配置としては、例えば補助電極が矩形である場合、フレーム部が、メッシュ部の四方を囲むように配置されていてもよく、メッシュ部の三方を囲むように配置されていてもよく、メッシュ部の二方を囲むように配置されていてもよく、メッシュ部の一方に配置されていてもよい。中でも、フレーム部は、メッシュ部の四方または三方を囲むように配置されていることが好ましい。効率良く集電することができるからである。
メッシュ部の形状としては、メッシュ状であれば特に限定されるものではなく、所望の導電性、透過性、強度等により適宜選択される。例えば、三角形、四角形、六角形等の多角形や円形の格子状等が挙げられる。なお、多角形や円形の「格子状」とは、多角形や円形が周期的に配列されている形状をいう。多角形や円形の格子状としては、例えば多角形の開口部がストレートに配列されていてもよく、ジグザグに配列されていてもよい。
中でも、メッシュ部の形状は、六角形の格子状または平行四辺形の格子状であることが好ましい。メッシュ部を流れる電流が局所的に集中するのを防止することができるからである。六角形の格子状の場合、特に、六角形の開口部がジグザグに(いわゆるハニカム状に)配列されていることが好ましい。一方、平行四辺形の格子状の場合、平行四辺形の鋭角が40°〜80°の範囲内であることが好ましく、より好ましくは50°〜70°の範囲内、さらに好ましくは55°〜65°の範囲内である。
補助電極自体は基本的に光を透過しないので、補助電極のメッシュ部の開口部から光電変換層に光が入射する。そのため、補助電極のメッシュ部の開口部は比較的大きいことが好ましい。具体的には、補助電極のメッシュ部の開口部の比率は、50%〜98%程度であることが好ましく、より好ましくは70%〜98%の範囲内、さらに好ましくは80%〜98%の範囲内である。
補助電極のメッシュ部の開口部のピッチおよびメッシュ部の線幅は、補助電極全体の面積等に応じて適宜選択される。
また、フレーム部の線幅は、補助電極全体の面積等に応じて適宜選択される。
補助電極の厚みは、第1電極層と第2電極層との間で短絡が生じない厚みであれば限定されるものではなく、光電変換層、正孔取出し層、電子取出し層等の厚みに応じて適宜選択される。具体的には、第1電極層と第2電極層との間に形成される層(光電変換層、正孔取出し層、電子取出し層)の総膜厚を1とすると、補助電極の厚みは、5以下であることが好ましく、中でも3以下、さらには2以下、特に1.5以下であることが好ましく、1以下であることが最も好ましい。補助電極の厚みが上記範囲より厚いと、電極間で短絡が生じるおそれがあるからである。より具体的には、補助電極の厚みは、100nm〜1000nmの範囲内であることが好ましく、中でも200nm〜800nmの範囲内、さらには200nm〜500nmの範囲内、特に200nm〜400nmの範囲内であることが好ましい。補助電極の厚みが上記範囲より薄いと、また補助電極のシート抵抗が大きくなりすぎたりする場合があるからである。また、補助電極の厚みが上記範囲より厚いと、電極間で短絡が生じるおそれがあるからである。
中でも、第1電極層上に、主に塗布量に応じて厚みを調整することが可能な方法により光電変換層を形成する場合、補助電極の厚みは200nm〜300nmの範囲内であることが好ましい。第1電極層上に、主に塗布量に応じて厚みを調整することが可能な方法により光電変換層を形成する場合、補助電極の厚みが上記範囲よりも厚いと、補助電極のメッシュ部やフレーム部のエッジを覆うことが困難となり、電極間で短絡が生じやすくなる。また、補助電極の厚みが上記範囲よりも厚いと、表面張力によって所望の厚みよりも厚く光電変換層が形成されてしまうおそれがある。光電変換層の厚みが厚すぎると、電子拡散長および正孔拡散長を超えてしまい変換効率が低下する。表面張力によって所望の厚みよりも厚く光電変換層が形成されないように、補助電極の厚みを調整することが好ましい。特に、光電変換層内を正孔および電子が移動できる距離は100nm程度であることが知られていることからも、表面張力によって所望の厚みよりも厚く光電変換層が形成されないように、補助電極の厚みを調整することが好ましいのである。
一方、例えばスピンコート法により光電変換層を形成する場合、遠心力により均質な膜とするので、補助電極の厚みが比較的厚くても、補助電極のエッジを覆うことができる。また、スピンコート法の場合、回転数によって厚みを調整することができるので、補助電極の厚みが比較的厚くても、均質な膜を得ることができる。
よって、主に塗布量に応じて厚みを調整することが可能な方法により光電変換層を形成する場合には、上記範囲が特に好ましいのである。
補助電極のシート抵抗としては、透明電極のシート抵抗よりも低ければよい。具体的に、補助電極のシート抵抗は、5Ω/□以下であることが好ましく、中でも3Ω/□以下、さらには1Ω/□以下、特に0.5Ω/□以下であることが好ましく、0.1Ω/□以下であることが最も好ましい。補助電極のシート抵抗が上記範囲より大きいと、所望の発電効率が得られない場合があるからである。
なお、上記シート抵抗は、三菱化学株式会社製 表面抵抗計(ロレスタMCP:四端子プローブ)を用い、JIS R1637(ファインセラミックス薄膜の抵抗率試験方法:4探針法による測定方法)に基づき、測定した値である。
補助電極の形成位置としては、透明基板上に補助電極および透明電極の順に積層されていてもよく、透明基板上に透明電極および補助電極の順に積層されていてもよい。中でも、透明基板上に補助電極および透明電極の順に積層されていることが好ましい。透明電極と光電変換層や正孔取出し層等との接触面積が大きい方が、界面の接合性が良く、正孔の移動効率を高くすることができるからである。
補助電極の形成方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、金属薄膜を全面に成膜した後に網目状にパターニングする方法、網目状の導電体を直接形成する方法等が挙げられる。これらの方法は、補助電極の形成材料や構成等に応じて適宜選択される。
金属薄膜の成膜方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の真空成膜法であることが好ましい。すなわち、補助電極は真空成膜法にて形成された金属薄膜であることが好ましい。真空成膜法により成膜した金属種は、めっき膜に比べ介在物が少なく比抵抗を小さくでき、またAgペースト等を用いて成膜したものと比較しても比抵抗を小さくできる。また、厚み1μm以下、好ましくは500nm以下の金属薄膜を、膜厚を精密に制御し、均一な厚みに成膜する方法としても、真空成膜法が好適である。
金属薄膜のパターニング方法としては、所望のパターンに精度良く形成することができる方法であれば特に限定されるものではなく、例えばフォトエッチング法等を挙げることができる。
3.第2電極層
本発明に用いられる第2電極層は、上記第1電極層と対向する電極であり、直列に接続された少なくとも2個の単位セルでは、一の単位セルの第2電極層と他の単位セルの第2電極層との間隔が光電変換層の厚みよりも大きいものである。また、直列に接続された少なくとも2個の単位セルでは、一の単位セルの第2電極層は他の単位セルの第1電極層と電気的に接続されている。第2電極層は、通常、光電変換層で発生した電子を取り出すための電極(電子取出し電極)とされる。本発明においては、第1電極層側が受光面となるので、第2電極層は透明性を有さなくともよい。
一の単位セルの第2電極層と他の単位セルの第2電極層との間隔は、上記光電変換層の厚みよりも大きければよい。上述したように、熱損失は電荷の移動距離に比例するので、一の単位セルの第2電極層と他の単位セルの第2電極層との間隔が大きいほど、電荷の移動距離が長くなり、熱損失が大きくなり、各単位セルの光電変換層の電気的な分離をより確実なものとすることができる。
なお、一の単位セルの第2電極層と他の単位セルの第2電極層との間隔については、上述の一の単位セルの第1電極層と他の単位セルの第1電極層との間隔と同様とすることができる。一の単位セルの第2電極層と他の単位セルの第2電極層との間隔は、上述の一の単位セルの第1電極層と他の単位セルの第1電極層との間隔と同一であってもよく異なっていてもよい。
第2電極層の形成材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、第2電極層は電子取出し電極であるので、仕事関数の低いものであることが好ましい。具体的に仕事関数の低い材料としては、Li、In、Al、Ca、Mg、Sm、Tb、Yb、Zr、LiF等を挙げることができる。
第2電極層は、単層であってもよく、また、異なる仕事関数の材料を用いて積層されたものであってもよい。
第2電極層の膜厚は、単層である場合にはその膜厚が、複数層からなる場合には各層を合わせた総膜厚が、0.1nm〜500nmの範囲内、中でも1nm〜300nmの範囲内であることが好ましい。膜厚が上記範囲より薄い場合は、第2電極層のシート抵抗が大きくなりすぎ、発生した電荷を十分に外部回路へ伝達できない可能性がある。
各単位セルの第2電極層は空間で分離されており、第2電極層は光電変換層上にパターン状に形成される。第2電極層のパターンの配置としては、一の単位セルの第2電極層と他の単位セルの第1電極層とを電気的に接続することができれば特に限定されるものではなく、第1電極層、接続部および光電変換層の形状や配置に応じて適宜選択される。
第2電極層の形成方法としては、一般的な電極の形成方法を用いることができる。
一の単位セルの第2電極層と他の単位セルの第1電極層とを電気的に接続するために、図1(a)、図2および図3に例示するように接続部6が形成されている場合、接続部は所定の形状となるように形成される。接続部の形状としては、一の単位セルの第2電極層と他の単位セルの第1電極層とを電気的に接続することが可能な形状であれば、特に限定されるものではなく、第1電極層、第2電極層および光電変換層の形状や配置に応じて適宜選択される。
接続部の形成材料は、第2電極層の形成材料と同一であってもよく異なっていてもよいが、通常は第2電極層の形成材料と同一とされる。第2電極層および接続部を同時に形成することができるからである。
接続部の形成方法としては、接続部をパターン状に形成することができる方法であれば特に限定されるものではなく、例えばメタルマスクを用いた蒸着法を採用することができる。
4.透明基板
本発明に用いられる透明基板としては、特に限定されるものではなく、例えば石英ガラス、パイレックス(登録商標)、合成石英板等の可撓性のない透明なリジット材、あるいは透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材を挙げることができる。
上記の中でも、透明基板が透明樹脂フィルム等のフレキシブル材であることが好ましい。透明樹脂フィルムは、加工性に優れており、製造コスト低減や軽量化、割れにくい有機薄膜太陽電池の実現において有用であり、曲面への適用等、種々のアプリケーションへの適用可能性が広がるからである。
5.バッファー層
本発明においては、第1電極層と光電変換層との間あるいは光電変換層と第2電極層との間にバッファー層が形成されていてもよい。バッファー層は、光電変換層から第1電極層または第2電極層への電荷の取出しが容易に行われるように設けられる層である。バッファー層が形成されていることにより、光電変換層から第1電極層または第2電極層への電荷取出し効率が高められるため、光電変換効率を向上させることができる。
この場合、直列に接続された少なくとも2個の単位セルでは、一の単位セルのバッファー層と他の単位セルのバッファー層とが連続膜として形成され、一の単位セルの第1電極層と他の単位セルの第1電極層との間隔、および、一の単位セルの第2電極層と他の単位セルの第2電極層との間隔がいずれも、バッファー層の膜厚よりも大きいことが好ましい。上述の光電変換層と同様に、各単位セルのバッファー層が連続膜として形成されており、各単位セルのバッファー層が空間で分離されていなくとも、一の単位セルの第1電極層と他の単位セルの第1電極層との間隔、および、一の単位セルの第2電極層と他の単位セルの第2電極層との間隔をバッファー層の膜厚よりも大きくすることにより、各単位セルのバッファー層を実質的に電気的に分離することができる。
バッファー層の膜厚は、一の単位セルの第1電極層と他の単位セルの第1電極層との間隔、および、一の単位セルの第2電極層と他の単位セルの第2電極層との間隔よりも小さければよく、具体的に、10nm〜200nmの範囲内であることが好ましい。
バッファー層の表面抵抗値は、電荷のバッファー層の面内方向への移動の指標となるものである。バッファー層の表面抵抗値が高ければ高いほど、バッファー層の面内方向に電荷が移動しにくくなる。具体的に、バッファー層の表面抵抗値としては、200Ω/□以上であることが好ましく、300Ω/□以上であることがより好ましい。上述したように、バッファー層の表面抵抗値が高ければ高いほど、バッファー層の面内方向に電荷が移動しにくくなることから、バッファー層の表面抵抗値の上限は特に限定されない。
なお、上記表面抵抗値の測定方法については、上記光電変換層の項に記載した方法と同様である。
バッファー層の形状としては、各単位セルのバッファー層が連続膜として形成されていれば特に限定されるものではなく、一の単位セルの第2電極層と他の単位セルの第1電極層とを電気的に接続するための第1電極層、第2電極層および接続部の形状や配置に応じて適宜選択される。
バッファー層は、正孔取出し層であってもよく電子取出し層であってもよい。
以下、正孔取出し層および電子取出し層について説明する。
(1)正孔取出し層
本発明においては、図5に例示するように、第1電極層3(正孔取出し電極)と光電変換層4との間に正孔取出し層7が形成されていることが好ましい。正孔取出し層は、光電変換層から正孔取出し電極への正孔の取出しが容易に行われるように設けられる層である。これにより、光電変換層から正孔取出し電極への正孔取出し効率が高められるため、光電変換効率を向上させることが可能となる。
正孔取出し層に用いられる材料としては、光電変換層から正孔取出し電極への正孔の取出しを安定化させる材料であれば特に限定されるものではない。具体的には、ドープされたポリアニリン、ポリフェニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリパラフェニレン、ポリアセチレン、トリフェニルジアミン(TPD)等の導電性有機化合物、またはテトラチオフルバレン、テトラメチルフェニレンジアミン等の電子供与性化合物と、テトラシアノキノジメタン、テトラシアノエチレン等の電子受容性化合物とからなる電荷移動錯体を形成する有機材料等を挙げることができる。これらの中でも、特にポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、トリフェニルジアミン(TPD)が好ましく用いられる。
(2)電子取出し層
本発明においては、光電変換層と第2電極層(電子取出し電極)との間に電子取出し層が形成されていてもよい。電子取出し層は、光電変換層から電子取出し電極への電子の取出しが容易に行われるように設けられる層である。これにより、光電変換層から電子取出し電極への電子取出し効率が高められるため、光電変換効率を向上させることが可能となる。
電子取出し層に用いられる材料としては、光電変換層から電子取出し電極への電子の取出しを安定化させる材料であれば特に限定されない。具体的には、ドープされたポリアニリン、ポリフェニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリパラフェニレン、ポリアセチレン、トリフェニルジアミン(TPD)等の導電性有機化合物、またはテトラチオフルバレン、テトラメチルフェニレンジアミン等の電子供与性化合物と、テトラシアノキノジメタン、テトラシアノエチレン等の電子受容性化合物とからなる電荷移動錯体を形成する有機材料等を挙げることができる。また、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属との金属ドープ層が挙げられる。好適な材料としては、バソキュプロイン(BCP)または、バソフェナントロン(Bphen)と、Li、Cs、Ba、Srなどの金属ドープ層が挙げられる。
6.単位セル
本発明においては、複数個の単位セルが透明基板上に平面的に配列されており、複数個の単位セルのうち少なくとも2個の単位セルが直列に接続されている。
単位セルの接続としては、複数個の単位セルのうち少なくとも2個の単位セルが直列に接続されていればよく、直列のみであってもよく、直列および並列を組み合わせてもよい。例えば、すべての単位セルが直列に接続されていてもよく、少なくとも2個の単位セルが直列に接続されたものが複数配列されていてもよく、少なくとも2個の単位セルが直列に接続されたもの同士が並列に接続されていてもよい。具体的には、4個の単位セルが透明基板上に平面的に配列されている場合、4個の単位セルを直列に接続してもよく、2個ずつの単位セルを直列に接続して、その間は接続しなくてもよく、2個ずつの単位セルを直列に接続して、その間を並列に接続してもよい。
7.その他の構成
本発明の有機薄膜太陽電池モジュールは、上述した構成部材の他にも、必要に応じて後述する構成部材を有していてもよい。例えば、本発明の有機薄膜太陽電池モジュールは、保護シート、充填材層、バリア層、保護ハードコート層、強度支持層、防汚層、高光反射層、光封じ込め層、封止材層等の機能層を有していてもよい。また、層構成に応じて、各機能層間に接着層が形成されていてもよい。
なお、これらの機能層については、特開2007−73717号公報等に記載のものと同様とすることができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
[実施例1]
サイズ300mm□、厚み125μmのPETフィルム上にスパッタリング法により長さ250mm、幅20mmのストライプ状にITO電極を形成した。この際、ITO電極のパターンの長さ方向と上記PETフィルムの幅方向とが同じになるようにして、ITO電極のパターンを1mmの間隔で並べて配置した。
次に、上記ITO電極のパターンの長さと同じ幅でダイコート法により導電性高分子溶液(ポリ−(3,4−エチレンジオキシチオフェン)分散品)を塗工した後に、100℃で10分間乾燥させ、表面抵抗値600Ω/□、厚み50nmのバッファー層を形成した。
次に、ポリチオフェン(P3HT:poly(3-hexylthiophene-2,5-diyl))とC60PCBM([6,6]-phenyl-C61-butyric acid mettric ester;Nano-C社製)とをブロモベンゼンに溶解させ、固形分濃度1.4wt%の光電変換層用塗工液を準備した。次いで、この光電変換層用塗工液を上記バッファー層と同じ幅でダイコート法により塗工した後に、100℃で10分間乾燥させて、表面抵抗値1MΩ/□以上、厚み200nmの光電変換層を形成した。
次に、上記第1電極層と同一の形状と、上記光電変換層上の任意の位置と隣接する単位セルの端部に位置するITO電極の露出部とが連続的に接続される形状とを兼ね備える蒸着用マスクを用いて、カルシウムおよびアルミニウムを真空蒸着法にて形成して、第2電極層および接続部とした。
これにより、単一の基板上に4個の単位セルが直列に接続されて配置された有機薄膜太陽電池モジュールを作製した。4個の単位セルを配置した場合、開放電圧値は約2.4Vを示した。
[実施例2]
バッファー層の厚みを100nm、表面抵抗値を300Ω/□とし、光電変換層の厚みを100nm、表面抵抗値を2MΩ/□とした以外は、実施例1と同様にして、単一の基板上に4個の単位セルが直列に接続されて配置された有機薄膜太陽電池モジュールを作製した。4個の単位セルを配置した場合、開放電圧値は約2.4Vを示した。
[参考例1]
基板上に半導体層を形成し、半導体層上にソース電極およびドレイン電極を形成し、ソース電極およびドレイン電極間に絶縁膜を形成し、絶縁膜上にゲート電極を形成して、有機トランジスタを作製した。半導体層には、実施例1のバッファー層または光電変換層に用いた材料と同じポリチオフェン系の材料を用いた。また、ソース電極およびドレイン電極の長さは1mm、ソース電極およびドレイン電極間の間隔は20μmとした。トランジスタ特性を評価したところ、オフ電流の値は十分に低く、実用レベルである10-7Aよりも低かった。
これにより、電極間の間隔が少なくとも20μm離れていれば、バッファー層や光電変換層が電気的に分離されることを確認した。
[参考例2]
シミュレーションにより、電極間の間隔および太陽電池の特性(短絡電流、開放電圧)の関係について調べた。この際、電極のパターンの幅を10mm、長さを15cmとして、電極間の間隔を変化させ、シミュレーションを実施した。シミュレーション結果を図6(a)、(b)に示す。なお、図6(b)は図6(a)の拡大図である。
これにより、電極間の間隔が20μm〜100μmのときに、太陽電池の特性(短絡電流密度×開放電圧)が高くなることを確認した。
1 … 有機薄膜太陽電池モジュール
2 … 透明基板
3 … 第1電極層
3a … 補助電極
3b … 透明電極
4 … 光電変換層
5 … 第2電極層
6 … 接続部
7 … 正孔取出し層
10a,10b,10c,10d … 単位セル
d1 … 一の単位セルの第1電極層と他の単位セルの第1電極層との間隔
d2 … 一の単位セルの第2電極層と他の単位セルの第2電極層との間隔

Claims (6)

  1. 透明基板上に複数個の単位セルが平面的に配列され、前記複数個の単位セルのうち少なくとも2個の単位セルが直列に接続された有機薄膜太陽電池モジュールであって、
    前記単位セルは、前記透明基板上に形成された第1電極層と、前記第1電極層上に形成された光電変換層と、前記光電変換層上に形成された第2電極層とを有し、
    直列に接続された前記少なくとも2個の単位セルでは、一の前記単位セルの前記第2電極層と他の前記単位セルの前記第1電極層とが電気的に接続されており、
    前記一の単位セルの前記光電変換層と前記他の単位セルの前記光電変換層とが連続膜として形成されており、
    前記一の単位セルの前記第1電極層と前記他の単位セルの前記第1電極層との間隔、および、前記一の単位セルの前記第2電極層と前記他の単位セルの前記第2電極層との間隔がいずれも、前記光電変換層の厚みよりも大きいことを特徴とする有機薄膜太陽電池モジュール。
  2. 前記一の単位セルの前記第1電極層と前記他の単位セルの前記第1電極層との間隔、および、前記一の単位セルの前記第2電極層と前記他の単位セルの前記第2電極層との間隔がいずれも、20μm以上であることを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜太陽電池モジュール。
  3. 前記一の単位セルの前記第1電極層と前記他の単位セルの前記第1電極層との間隔、および、前記一の単位セルの前記第2電極層と前記他の単位セルの前記第2電極層との間隔がいずれも、1mm以上であることを特徴とする請求項2に記載の有機薄膜太陽電池モジュール。
  4. 前記光電変換層の表面抵抗値が200Ω/□以上であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の有機薄膜太陽電池モジュール。
  5. 前記第1電極層と前記光電変換層との間にバッファー層が形成されており、前記一の単位セルの前記バッファー層と前記他の単位セルの前記バッファー層とが連続膜として形成され、前記一の単位セルの前記第1電極層と前記他の単位セルの前記第1電極層との間隔、および、前記一の単位セルの前記第2電極層と前記他の単位セルの前記第2電極層との間隔がいずれも、前記バッファー層の厚みよりも大きいことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載の有機薄膜太陽電池モジュール。
  6. 前記バッファー層の表面抵抗値が200Ω/□以上であることを特徴とする請求項5に記載の有機薄膜太陽電池モジュール。
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