JP2011115686A - 塗膜形成方法及び塗膜 - Google Patents
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Abstract
【課題】 アルミニウム又はアルミニウム合金部品の表面に形成された陽極酸化被膜と該陽極酸化被膜上に形成される防錆プライマー塗膜及び必要に応じて上塗塗膜からなる塗膜との付着性が優れ、かつ優れた耐食性を有する塗膜を形成する方法及び、その塗膜を提供する。
【解決手段】 アルミニウム又はアルミニウム合金部品を陽極酸化処理してアルミニウム又はアルミニウム合金部品の表面に陽極酸化被膜を形成し、極酸化被膜上に防錆プライマーを塗装して防錆プライマー塗膜を形成し、必要に応じて該防錆プライマー塗膜上に上塗塗料を塗装して上塗塗膜を形成する方法において、該防錆プライマーが、水酸基含有エポキシ樹脂からなる基体樹脂と、メラミン樹脂及びポリイソシアネートから選ばれる硬化剤と、硫酸バリウムとを含有し、該硫酸バリウムの含有割合が基体樹脂と硬化剤の固形分の合計量100質量部に対して20〜70質量部の割合である塗膜の形成方法。
【選択図】 なし
【解決手段】 アルミニウム又はアルミニウム合金部品を陽極酸化処理してアルミニウム又はアルミニウム合金部品の表面に陽極酸化被膜を形成し、極酸化被膜上に防錆プライマーを塗装して防錆プライマー塗膜を形成し、必要に応じて該防錆プライマー塗膜上に上塗塗料を塗装して上塗塗膜を形成する方法において、該防錆プライマーが、水酸基含有エポキシ樹脂からなる基体樹脂と、メラミン樹脂及びポリイソシアネートから選ばれる硬化剤と、硫酸バリウムとを含有し、該硫酸バリウムの含有割合が基体樹脂と硬化剤の固形分の合計量100質量部に対して20〜70質量部の割合である塗膜の形成方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は、アルミニウム又はアルミニウム合金部品の表面に塗膜を形成する方法及び、その塗膜を形成する方法により得られた塗膜に関する。
アルミニウム又はアルミニウム合金は、船外機などの部品の一部に使用されており、近年は、自動車の軽量化のために、自動車部品に使用されている。
船外機用のアルミニウム又はアルミニウム合金部品は、船の動力源となるエンジン及びドライブ系の一部を構成しており、エンジンを熱、水、海水、光等から保護する必要があるため、高い耐食性が求められる。また、自動車用のアルミニウム又はアルミニウム合金部品においても、融雪剤等の影響により、高い耐食性が求められている。
船外機用のアルミニウム又はアルミニウム合金部品は、船の動力源となるエンジン及びドライブ系の一部を構成しており、エンジンを熱、水、海水、光等から保護する必要があるため、高い耐食性が求められる。また、自動車用のアルミニウム又はアルミニウム合金部品においても、融雪剤等の影響により、高い耐食性が求められている。
アルミニウム又はアルミニウム合金部品の耐食性を高める方法として、クロム系防錆顔料を含有するエポキシ樹脂塗料等を防錆プライマーとして塗装する方法が広く用いられていたが、クロム系防錆顔料は、環境に悪影響を及ぼす恐れがあるクロムを含んでいるため、クロムを含まない防錆顔料を含有した防錆プライマーを塗装する方法が開発された。
しかしながら、クロムを含まない防錆顔料を含有した防錆プライマーを塗装する方法は、クロム系防錆顔料を含有した防錆プライマーを塗装する方法に比べると、耐食性が劣るという課題があった。
しかしながら、クロムを含まない防錆顔料を含有した防錆プライマーを塗装する方法は、クロム系防錆顔料を含有した防錆プライマーを塗装する方法に比べると、耐食性が劣るという課題があった。
一方、アルミニウム又はアルミニウム合金部品の耐食性を高める方法として、アルミニウム又はアルミニウム合金部品の表面を陽極酸化処理する方法も広く用いられているが、陽極酸化処理だけでは耐食性が十分ではなく、陽極酸化処理後に封孔処理が行われている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、陽極酸化処理後に封孔処理を施す場合、耐食性は向上するものの、アルミニウム又はアルミニウム合金部品の表面に陽極酸化処理により形成される陽極酸化被膜とその上に形成される塗膜との付着性が低下する問題があった。この問題は、陽極酸化処理後に行う封孔処理や、場合によりそれに引き続いて行われる脱脂及び/又は化成処理において、被膜や封孔処理成分などが溶け出すことに起因するものと考えられている。
しかしながら、陽極酸化処理後に封孔処理を施す場合、耐食性は向上するものの、アルミニウム又はアルミニウム合金部品の表面に陽極酸化処理により形成される陽極酸化被膜とその上に形成される塗膜との付着性が低下する問題があった。この問題は、陽極酸化処理後に行う封孔処理や、場合によりそれに引き続いて行われる脱脂及び/又は化成処理において、被膜や封孔処理成分などが溶け出すことに起因するものと考えられている。
一方、耐食性を有する船舶用防食塗料として、タルク、マイカ、シリカ、カリ長石または硫酸バリウムから選ばれた光透過性無機充填剤と、エポキシ樹脂及びポリアミドやポリアミンなどのエポキシ樹脂用硬化剤からなる船舶用防食塗料組成物が知られている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、この塗料組成物は、アルミニウム又はアルミニウム合金部品の陽極酸化被膜に塗装した場合、得られた塗膜の耐食性が十分ではなかった。
また、金属材の耐食性を向上させる方法として、リン酸イオン、塩素酸イオン、硝酸イオン、臭素酸イオン及び200〜800ppmの6フッ化ジルコニウムイオンを含むpH2.5〜3.5のリン酸塩化成処理液で処理された金属材上に硫酸バリウム又はタルクを体質顔料として含有する熱硬化型水性塗料組成物を塗装するが知られている(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、この熱硬化型水性塗料組成物は、アルミニウム又はアルミニウム合金部品の陽極酸化被膜に塗装した場合、得られた塗膜の耐食性が十分ではなかった。
また、防錆力および美観の両方を備え、一回の塗装で下塗り兼中塗り兼上塗りの塗装が可能である、厚い塗膜を形成できる塗装物の酸洗鋼板やSPCC材などの金属部分の塗装方法に用いる熱硬化型塗料として、硫酸バリウムおよび炭酸カルシウムを含有し、アルキド樹脂30〜45重量%、メラミン樹脂5〜20重量%、エポキシ樹脂および防錆顔料0.2〜1.5重量%を含有することを特徴とする熱硬化型塗料が知られている(例えば、特許文献4参照)。しかしながら、この熱硬化型塗料組成物は、アルミニウム又はアルミニウム合金部品の陽極酸化被膜に塗装した場合、得られた塗膜の耐食性が十分ではなかった。
また、(A)(メタ)アクリル酸エステル樹脂系エマルジョン、スチレン/アクリル酸エステル共重合体エマルジョン、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン、酢酸ビニル/(メタ)アクリル酸エステル共重合体エマルジョン、ウレタン樹脂系エマルジョン、エチレン/酢酸ビニル共重合体エマルジョン、ポリエステル樹脂、及び水性エポキシ樹脂から選ばれる1種又は2種以上からなる合成樹脂成分と、(B)チタン、タルク、カオリン、ベントナイト、マイカ、シリカ、重質炭酸カルシウム、クレー、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、ガラスビーズ、及び樹脂ビーズから選ばれる1種又は2種以上からなる充填剤成分と、(C−1)特定のアセチレングリコール及び/又は特定のアセチレングリコールのエトキシル化体10〜95質量%と(C−2)ポリオキシ(エチレン・プロピレン)ブロックポリマー5〜90質量%の混合物成分を含むことを特徴とする亜鉛メッキ鋼板などの金属用塗料が知られている(例えば、特許文献5参照)。しかしながら、この金属用塗料組成物は、アルミニウム又はアルミニウム合金部品の陽極酸化被膜に塗装した場合、得られた塗膜の耐食性が十分ではなかった。
また、金属被覆用熱硬化型水性組成物として、必須の皮膜形成成分として、飽和カルボン酸またはその誘導体;エチレン性不飽和カルボン酸またはその誘導体;芳香環を有するカルボン酸またはその誘導体;ならびにオキシカルボン酸またはその誘導体よりなる群から選ばれる、少なくとも1種のカルボン酸と、一分子中に少なくとも2個の、燐原子に結合した水酸基を有する化合物と、エポキシ樹脂とを反応せしめて得られる変性エポキシ樹脂(a)と、上記変性エポキシ樹脂(a)を除いた、水溶性ないしは水分散性の樹脂(b)と、アミノプラスト樹脂;フェノプラスト樹脂およびブロック・イソシアネート樹脂よりなる群から選ばれる、少なくとも1種の硬化剤(c)とを含有することを特徴とする、金属被覆用熱硬化型水性組成物が知られている(例えば、特許文献6参照)。しかしながら、この金属被覆用熱硬化型水性組成物は、厳しい浸漬試験条件では、得られた塗膜の耐食性が十分ではなかった。
本発明は、アルミニウム又はアルミニウム合金部品の表面に形成された陽極酸化被膜と、該陽極酸化被膜上に形成される防錆プライマー塗膜及び必要に応じて上塗塗膜からなる塗膜との付着性が優れ、かつ優れた耐食性を有する塗膜を形成する方法及び、その塗膜を形成する方法により得られた塗膜を提供することを目的とする。
本発明者らは、アルミニウム又はアルミニウム合金部品を陽極酸化処理してアルミニウム又はアルミニウム合金部品の表面に形成された陽極酸化被膜に、硫酸バリウムを特定量配合した特定のプライマー塗料及び必要に応じて上塗塗料を順次塗装し、塗膜を形成することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、アルミニウム又はアルミニウム合金部品を陽極酸化処理してアルミニウム又はアルミニウム合金部品の表面に陽極酸化被膜を形成し、該陽極酸化被膜上に防錆プライマーを塗装して防錆プライマー塗膜を形成し、必要に応じて該防錆プライマー塗膜上に上塗塗料を塗装して上塗塗膜を形成する方法において、該防錆プライマーが、水酸基含有エポキシ樹脂からなる基体樹脂とメラミン樹脂及びポリイソシアネートから選ばれる硬化剤と、硫酸バリウムとを含有し、該硫酸バリウムの含有割合が基体樹脂と硬化剤の固形分の合計量100質量部に対して20〜70質量部の割合であることを特徴とする塗膜の形成方法を提供するものである。
また、本発明は、上記塗膜の形成方法において、前記陽極酸化処理が希硫酸中で行われている塗膜の形成方法を提供するものである。
また、本発明は、上記塗膜の形成方法において、前記防錆プライマーを塗装する陽極酸化被膜が封孔処理されている塗膜の形成方法を提供するものである。
また、本発明は、上記のいずれかの塗膜の形成方法によって得られる塗膜を提供するものである。
また、本発明は、上記塗膜の形成方法において、前記防錆プライマーを塗装する陽極酸化被膜が封孔処理されている塗膜の形成方法を提供するものである。
また、本発明は、上記のいずれかの塗膜の形成方法によって得られる塗膜を提供するものである。
本発明の塗膜は、アルミニウム又はアルミニウム合金部品を陽極酸化処理してアルミニウム又はアルミニウム合金部品の表面に形成される陽極酸化被膜と、該陽極酸化被膜上に形成される防錆プライマー塗膜及び必要に応じて上塗塗膜からなる塗膜との付着性が優れており、さらに、耐食性にも優れている。
本発明に用いられるアルミニウム又はアルミニウム合金部品としては、特に限定されるものではなく、種々のものが挙げられるが、例えば、アルミニウムダイカストであるADC12、ADC10、アルミニウム鋳物材であるAC材、及びアルミニウム展伸材等を挙げることができる。
なお、アルミニウム合金の成分の種類としては、特に限定されるものではなく、例えば、アルミニウム・マグネシウム系合金、アルミニウム・マグネシウム・ケイ素系合金、アルミニウム・銅系合金、アルミニウム・亜鉛・マグネシウム系合金などが挙げられる。
アルミニウム又はアルミニウム合金部品の形状としては、特に限定されるものではなく、板、棒など種々の形状などが挙げられる。
なお、アルミニウム合金の成分の種類としては、特に限定されるものではなく、例えば、アルミニウム・マグネシウム系合金、アルミニウム・マグネシウム・ケイ素系合金、アルミニウム・銅系合金、アルミニウム・亜鉛・マグネシウム系合金などが挙げられる。
アルミニウム又はアルミニウム合金部品の形状としては、特に限定されるものではなく、板、棒など種々の形状などが挙げられる。
本発明においては、アルミニウム又はアルミニウム合金部品は陽極酸化処理される。
この陽極酸化被膜処理は、希硫酸、シュウ酸、リン酸、クロム酸などの浴中で行うことが好ましく、希硫酸浴、シュウ酸浴がより好ましく、希硫酸浴が特に好ましい。これらの浴は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよいが、1種単独で用いることが好ましい。
各浴における電解質濃度は1〜20容積%が好ましく、2〜15容積%がより好ましい。特に、希硫酸浴における硫酸濃度は、6〜14容積%が好ましく、8〜12容積%がより好ましい。
陽極酸化処理の温度は、通常は1〜40℃が好ましく、5〜30℃がより好ましく、10〜25℃が特に好ましい。
この陽極酸化被膜処理は、希硫酸、シュウ酸、リン酸、クロム酸などの浴中で行うことが好ましく、希硫酸浴、シュウ酸浴がより好ましく、希硫酸浴が特に好ましい。これらの浴は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよいが、1種単独で用いることが好ましい。
各浴における電解質濃度は1〜20容積%が好ましく、2〜15容積%がより好ましい。特に、希硫酸浴における硫酸濃度は、6〜14容積%が好ましく、8〜12容積%がより好ましい。
陽極酸化処理の温度は、通常は1〜40℃が好ましく、5〜30℃がより好ましく、10〜25℃が特に好ましい。
陽極酸化処理は、種々の装置を用いて行うことができる。その一例を図1に示している。
図1に示す装置は、電解槽2と、対の陰極板3と、陽極電送線4と、陰極電送線5と、電源6とから構成される陽極酸化処理用の電解装置であり、アルミニウム又はアルミニウム合金部品1を取り付けることができるようになっている。この電解装置は直流電解処理を行う直流電源61を構成要素としているが、直流電源に限るものではなく、電源として交流電源を使用した交流電解処理、また、直流と交流を組み合わせた交直重量電解処理を行うこともできる。
図1に示す装置は、電解槽2と、対の陰極板3と、陽極電送線4と、陰極電送線5と、電源6とから構成される陽極酸化処理用の電解装置であり、アルミニウム又はアルミニウム合金部品1を取り付けることができるようになっている。この電解装置は直流電解処理を行う直流電源61を構成要素としているが、直流電源に限るものではなく、電源として交流電源を使用した交流電解処理、また、直流と交流を組み合わせた交直重量電解処理を行うこともできる。
本発明においては、アルミニウム又はアルミニウム合金部品を陽極酸化処理してアルミニウム又はアルミニウム合金部品の表面に陽極酸化被膜が形成される。
この陽極酸化被膜は、封孔処理したものであってもよいし、それに引き続いて行われる脱脂及び/又は化成処理したものであってもよい。
封孔処理は、金属水和物及び金属酸化物のゾルを主成分として封孔処理剤浴に浸漬、金属水和物及び金属酸化物のゾルを主成分として封孔処理剤のスプレーによる塗布、金属水和物及び金属酸化物のゾルを主成分として封孔処理剤による電解処理、又はこれらの組み合わせにより、行うことができる。
この陽極酸化被膜は、封孔処理したものであってもよいし、それに引き続いて行われる脱脂及び/又は化成処理したものであってもよい。
封孔処理は、金属水和物及び金属酸化物のゾルを主成分として封孔処理剤浴に浸漬、金属水和物及び金属酸化物のゾルを主成分として封孔処理剤のスプレーによる塗布、金属水和物及び金属酸化物のゾルを主成分として封孔処理剤による電解処理、又はこれらの組み合わせにより、行うことができる。
金属水和物及び金属酸化物のゾルにおける金属として、アルミニウム、シリコン、亜鉛、錫、クロム、モリブデン、ニッケル、コバルト、銅、チタン、ジルコン、イットリウム、アンチモン、インジュウム、カルシウム、ゲルマニウム、ストロンチウム、バナジウム、タンタル、ネオジウム、マグネシウム、バリウムなどが挙げられる。
また、封孔処理は、純水沸騰水法などの通常の蒸気法でも行うことができる。
脱脂は、種々の脱脂剤中に浸漬するなど公知の方法により行うことができる。脱脂剤としては、アルカリ脱脂剤など公知の脱脂剤を用いることができる。
化成処理は、種々の化成処理剤中に浸漬するなど公知の方法により行うことができる。化成処理剤としては、クロム系化成処理剤など公知の化成処理剤を用いることができる。
また、封孔処理は、純水沸騰水法などの通常の蒸気法でも行うことができる。
脱脂は、種々の脱脂剤中に浸漬するなど公知の方法により行うことができる。脱脂剤としては、アルカリ脱脂剤など公知の脱脂剤を用いることができる。
化成処理は、種々の化成処理剤中に浸漬するなど公知の方法により行うことができる。化成処理剤としては、クロム系化成処理剤など公知の化成処理剤を用いることができる。
陽極酸化被膜は、アルミニウムの酸化物を主成分として含有する被膜であり、封孔処理や、脱脂及び/又は化成処理などにより、金属の水和物や水和酸化物などを含有する被膜であってもよい。
陽極酸化被膜の厚みは、特に限定されるものではないが、通常は、3〜30μmが好ましく、4〜20μmがより好ましく、5〜18μmが特に好ましい。
陽極酸化被膜の厚みは、特に限定されるものではないが、通常は、3〜30μmが好ましく、4〜20μmがより好ましく、5〜18μmが特に好ましい。
本発明においては、アルミニウム又はアルミニウム合金部品の表面に形成された陽極酸化被膜上に防錆プライマーを塗装して防錆プライマー塗膜を形成する。
本発明において、防錆プライマーは、水酸基含有エポキシ樹脂からなる基体樹脂と、メラミン樹脂及びポリイソシアネートから選ばれる硬化剤と、硫酸バリウムとを含有し、該硫酸バリウムの含有量が基体樹脂と硬化剤の固形分の合計量100質量部に対して20〜70質量部である防錆プライマーである。
本発明において、防錆プライマーは、水酸基含有エポキシ樹脂からなる基体樹脂と、メラミン樹脂及びポリイソシアネートから選ばれる硬化剤と、硫酸バリウムとを含有し、該硫酸バリウムの含有量が基体樹脂と硬化剤の固形分の合計量100質量部に対して20〜70質量部である防錆プライマーである。
基体樹脂である水酸基含有エポキシ樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、又はノボラック等のグリシジルエーテル化したエポキシ樹脂をアルキド、ポリエステル、ポリエーテル、アクリル、又はウレタンなどで変性した変性エポキシ樹脂が挙げられる。これらの水酸基含有エポキシ樹脂は、1種単独で用いることもできるし、2種類以上併用することもできる。
水酸基含有エポキシ樹脂の水酸基価は、特に限定されないが、通常30〜250mgKOH/gが好ましく、60〜210mgKOH/gがより好ましく、90〜190mgKOH/gがさらに好ましい。水酸基含有エポキシ樹脂の水酸基価が30mgKOH/g未満であると、耐食性及び付着性が低下する場合がある。250mgKOH/gより大きいと耐水性が低下する場合がある。
水酸基含有エポキシ樹脂の水酸基価は、特に限定されないが、通常30〜250mgKOH/gが好ましく、60〜210mgKOH/gがより好ましく、90〜190mgKOH/gがさらに好ましい。水酸基含有エポキシ樹脂の水酸基価が30mgKOH/g未満であると、耐食性及び付着性が低下する場合がある。250mgKOH/gより大きいと耐水性が低下する場合がある。
水酸基含有エポキシ樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、通常6000〜30000が好ましく、7000〜25000が好ましく、9000〜20000が更に好ましい。水酸基含有エポキシ樹脂の重量平均分子量が、6000未満であると、耐食性及び付着性が低下する場合がある。30000より大きいと粘度が高くなり、塗料化が困難になる場合がある。なお、本発明において、重量平均分子量とは、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定した重量平均分子量を、ポリスチレンの重量平均分子量を基準にして換算したときの値である。
基体樹脂には、本発明の目的に反しない範囲内で、水酸基含有エポキシ樹脂以外の他の基体樹脂を含有してもよい。他の基体樹脂としては、変性されていないエポキシ樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。他の基体樹脂の含有割合は、基体樹脂全体量に対して、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、20質量%以下が特に好ましい。
基体樹脂には、本発明の目的に反しない範囲内で、水酸基含有エポキシ樹脂以外の他の基体樹脂を含有してもよい。他の基体樹脂としては、変性されていないエポキシ樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。他の基体樹脂の含有割合は、基体樹脂全体量に対して、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、20質量%以下が特に好ましい。
硬化剤の1種であるメラミン樹脂は、前記エポキシ樹脂の硬化剤として機能するものであれば、種々のものを用いることができる。前記メラミン樹脂としては、例えば、メチルエーテル化メラミン樹脂、ブチルエーテル化メラミン樹脂または混合アルキルエーテル化メラミン樹脂を用いることができる。これらのメラミン樹脂は、1種単独で用いることもできるし、2種以上併用することもできる。
硬化剤の1種であるポリイソシアネートは、前記エポキシ樹脂の硬化剤として機能するものであれば、種々のものを用いることができる。前記ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネートまたはこれらの混合物の重合物、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,2−シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネートまたはこれらの混合物の重合物、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネートまたはこれらの混合物の重合物を挙げることができる。
基体樹脂と硬化剤の含有割合は、通常の含有割合でよく、硬化剤がメラミン樹脂である場合は、基体樹脂とメラミン樹脂との質量比が固形分で好ましくは50/50〜90/10であり、より好ましくは55/45〜85/15であり、特に好ましくは60/40〜80/20である。メラミン樹脂の質量比が固形分で50/50より多いと、付着性または塗料安定性が低下する場合がある。90/10より少ないと、耐食性及び付着性が低下する場合がある。また、硬化剤がポリイソシアネートである場合は、基体樹脂の官能基とポリイソシアネートのイソシアネート基のモル比が好ましくは3:1〜1:3であり、より好ましくは1.5:1〜1:2である。ポリイソシアネートのイソシアネート基のモル比が3:1より少ないと耐食性が低下する場合がある。1:3より多いと付着性が低下する場合がある。
防錆プライマーに用いられる硫酸バリウムは、特に限定されるものではなく、例えば、堺化学工業社製硫酸バリウムSS−50、沈降性硫酸バリウム#100、バリエースB−30、バリファインBF−1、バリファインBF−10等の市販品を挙げることができる。
防錆プライマーにおける硫酸バリウムの含有割合は、上記基体樹脂と上記硬化剤の固形分の合計量100質量部に対して20〜70質量部の割合であるが、より好ましくは25〜60質量部の割合であり、特に好ましくは30〜45質量部の割合である。硫酸バリウムの含有割合が上記基体樹脂と上記硬化剤の固形分の合計量100質量部に対して20質量部未満であると、アルミニウム又はアルミニウム合金部品との付着性が低下し、充分な耐食性が得られない。また、硫酸バリウムの含有割合が上記基体樹脂と上記硬化剤の固形分の合計量100質量部に対して70質量部を超えると、硫酸バリウムが沈降し、防錆プライマー塗料の安定性が低下する場合がある。
防錆プライマーにおける硫酸バリウムの含有割合は、上記基体樹脂と上記硬化剤の固形分の合計量100質量部に対して20〜70質量部の割合であるが、より好ましくは25〜60質量部の割合であり、特に好ましくは30〜45質量部の割合である。硫酸バリウムの含有割合が上記基体樹脂と上記硬化剤の固形分の合計量100質量部に対して20質量部未満であると、アルミニウム又はアルミニウム合金部品との付着性が低下し、充分な耐食性が得られない。また、硫酸バリウムの含有割合が上記基体樹脂と上記硬化剤の固形分の合計量100質量部に対して70質量部を超えると、硫酸バリウムが沈降し、防錆プライマー塗料の安定性が低下する場合がある。
また、防錆プライマーは、上記塗膜形成樹脂および硫酸バリウム以外に、必要に応じて、実用上支障のない含有量の範囲内で防錆顔料、体質顔料、着色顔料、沈降防止剤、塗面調整剤、その他塗料用添加剤、有機溶剤などを含有することができる。
防錆顔料としては特に限定されることはなく、例えば、四塩基性クロム酸亜鉛、塩基性クロム酸亜鉛カリウム、クロム酸ストロンチウム、塩基性クロム酸鉛、クロム酸カルシウム、クロム酸バリウム、亜酸化鉛、塩基性硫酸鉛、鉛酸カルシウム、シアナミド鉛、リン酸亜鉛、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、トリポリリン酸マグネシウム、トリポリリン酸アルミニウム、トリポリリン酸アルミニウムカルシウム、トリポリリン酸亜鉛アルミニウム、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸カルシウム、モリブデン酸亜鉛カルシウム、リンモリブデン酸亜鉛、リンモリブデン酸カルシウム、リンモリブデン酸アルミニウム亜鉛などを挙げることができる。
防錆顔料としては特に限定されることはなく、例えば、四塩基性クロム酸亜鉛、塩基性クロム酸亜鉛カリウム、クロム酸ストロンチウム、塩基性クロム酸鉛、クロム酸カルシウム、クロム酸バリウム、亜酸化鉛、塩基性硫酸鉛、鉛酸カルシウム、シアナミド鉛、リン酸亜鉛、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、トリポリリン酸マグネシウム、トリポリリン酸アルミニウム、トリポリリン酸アルミニウムカルシウム、トリポリリン酸亜鉛アルミニウム、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸カルシウム、モリブデン酸亜鉛カルシウム、リンモリブデン酸亜鉛、リンモリブデン酸カルシウム、リンモリブデン酸アルミニウム亜鉛などを挙げることができる。
体質顔料としては特に限定されることはなく、例えば、含水硅酸アルミニウム、含水硅酸マグネシウム、シリカ粉などを挙げることができる。該体質顔料の配合量は、硫酸バリウム100質量部に対して、40質量部以下が好ましく、さらに、20質量部以下がより好ましい。
着色顔料としては特に限定されることはなく、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、黄色酸化鉄、ビスマスバナデート、群青などの無機系顔料、アゾ系、金属錯体系、縮合多環式系、フタロシアニン系などの有機系顔料を挙げることができる。
着色顔料としては特に限定されることはなく、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、黄色酸化鉄、ビスマスバナデート、群青などの無機系顔料、アゾ系、金属錯体系、縮合多環式系、フタロシアニン系などの有機系顔料を挙げることができる。
防錆プライマーは、有機溶剤型防錆プライマーであることが好ましい。
有機溶剤型防錆プライマーに用いられる有機溶剤としては、通常塗料に使用される種々の有機溶剤が適用でき、例えば、芳香族炭化水素系溶剤、脂環式炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤、エステル系溶剤、エーテル系溶剤、含窒素系溶剤などが挙げられ、芳香族炭化水素系溶剤、アルコール系溶剤、エステル系溶剤又はこれらの2種以上の混合物などが好ましい。
芳香族炭化水素系溶剤としては、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、芳香族ナフサ等が好ましく挙げられる。脂環式炭化水素系溶剤としては、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等が好ましく挙げられる。ケトン系溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等が好ましく挙げられる。アルコール系溶剤としては、メチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、2エチルヘキシルアルコール等が好ましく挙げられる。
有機溶剤型防錆プライマーに用いられる有機溶剤としては、通常塗料に使用される種々の有機溶剤が適用でき、例えば、芳香族炭化水素系溶剤、脂環式炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤、エステル系溶剤、エーテル系溶剤、含窒素系溶剤などが挙げられ、芳香族炭化水素系溶剤、アルコール系溶剤、エステル系溶剤又はこれらの2種以上の混合物などが好ましい。
芳香族炭化水素系溶剤としては、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、芳香族ナフサ等が好ましく挙げられる。脂環式炭化水素系溶剤としては、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等が好ましく挙げられる。ケトン系溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等が好ましく挙げられる。アルコール系溶剤としては、メチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、2エチルヘキシルアルコール等が好ましく挙げられる。
エステル系溶剤としては、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、エチルプロピオネート等の脂肪族カルボン酸アルキルエステル、酢酸3−メトキシブチル、エチル−3−エトキシプロピオネート等のアルコキシ脂肪族カルボン酸エステル、セロソルブアセテート等のエチレングリコール脂肪族カルボン酸エステル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル脂肪族カルボン酸エステル等が好ましく挙げられる。エーテル系溶剤としては、ブチルセロソルブ、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3,5−トリオキサン等が好ましく挙げられる。含窒素系溶剤としては、アセトニトリル、バレロニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド等が好ましく挙げられる。有機溶剤は、1種単独であっても、あるいは2種以上の複数溶剤の混合溶剤であっても差し支えない。
防錆プライマーは、必要に応じて加温したり、有機溶剤又は反応性希釈剤を添加することにより所望の粘度に調整した後、エアースプレー、エアーレススプレー、回転霧化形式による塗装機などの通常使用される塗装機を用いて静電塗装又は非静電塗装が行われる。これらのうちスプレー塗装が好ましい。
防錆プライマー塗膜は、通常焼付けることが好ましい。焼付け温度は、通常80〜160℃の範囲で適宜選定すればよい。さらに、焼付け時間は、通常10〜60分の範囲で適宜選定すればよい。防錆プライマーを塗装して形成される防錆プライマー塗膜の厚みは、特に限定されるものではないが、通常は、乾燥膜厚が10〜80μmが好ましく、15〜60μmがより好ましく、20〜40μmが特に好ましい。
防錆プライマー塗膜は、通常焼付けることが好ましい。焼付け温度は、通常80〜160℃の範囲で適宜選定すればよい。さらに、焼付け時間は、通常10〜60分の範囲で適宜選定すればよい。防錆プライマーを塗装して形成される防錆プライマー塗膜の厚みは、特に限定されるものではないが、通常は、乾燥膜厚が10〜80μmが好ましく、15〜60μmがより好ましく、20〜40μmが特に好ましい。
本発明において、防錆プライマー塗膜上に上塗塗料を塗装して上塗塗膜を形成することが好ましい。
本発明における上塗塗料としては特に限定されるものではなく、塗膜形成性樹脂および硬化剤からなる通常の上塗塗料を挙げることができ、ソリッドカラー塗料又はメタリック塗料であってもよい。必要に応じて、前記ソリッドカラー塗料又はメタリック塗料を塗装して形成された塗膜上に、さらに、上塗塗料を塗装してもよい。ソリッドカラー塗膜又はメタリック塗膜上に塗装される上塗塗料は、クリヤー塗料であってもよいし、顔料などの着色剤を配合した着色塗料であってもよい。
本発明における上塗塗料としては特に限定されるものではなく、塗膜形成性樹脂および硬化剤からなる通常の上塗塗料を挙げることができ、ソリッドカラー塗料又はメタリック塗料であってもよい。必要に応じて、前記ソリッドカラー塗料又はメタリック塗料を塗装して形成された塗膜上に、さらに、上塗塗料を塗装してもよい。ソリッドカラー塗膜又はメタリック塗膜上に塗装される上塗塗料は、クリヤー塗料であってもよいし、顔料などの着色剤を配合した着色塗料であってもよい。
ソリッドカラー塗料としては種々の樹脂系塗料を用いることができるが、例えば、アクリル・メラミン系塗料、アルキド・メラミン系塗料、ポリエステル・メラミン系塗料、ポリウレタン系塗料などが挙げられる。また、メタリック塗料として用いられる塗料は、ソリッドカラー塗料と同様で、例えば、アクリル/メラミン系塗料、アルキド/メラミン系塗料、ポリエステル/メラミン系塗料、ポリウレタン系塗料などが挙げられる。クリヤー塗料及び着色塗料として用いられる塗料は、アクリル/メラミン系塗料、ポリエステル/メラミン系塗料、ポリウレタン系塗料、酸/エポキシ系塗料などが挙げられる。
上塗塗料は、必要に応じて加温したり、有機溶剤又は反応性希釈剤を添加することにより所望の粘度に調整した後、エアースプレー、エアーレススプレー、回転霧化形式による塗装機等の通常使用される塗装機を用いて静電塗装又は非静電塗装が行われる。これらのうちスプレー塗装が好ましい。
ソリッドカラー塗膜又はメタリック塗膜上にクリヤー塗料又は着色塗料を塗装する場合、ソリッドカラー塗膜又はメタリック塗膜を焼き付け硬化した後にクリヤー塗料又は着色塗料を塗装してもよいし、ソリッドカラー塗膜又はメタリック塗膜を焼き付ける前にウェットオンウェット形式でクリヤー塗料又は着色塗料を塗装し同時に焼付け硬化してもよい。
ソリッドカラー塗膜又はメタリック塗膜上にクリヤー塗料又は着色塗料を塗装する場合、ソリッドカラー塗膜又はメタリック塗膜を焼き付け硬化した後にクリヤー塗料又は着色塗料を塗装してもよいし、ソリッドカラー塗膜又はメタリック塗膜を焼き付ける前にウェットオンウェット形式でクリヤー塗料又は着色塗料を塗装し同時に焼付け硬化してもよい。
上塗塗膜の焼付け温度は、通常70〜160℃の範囲で適宜選定すればよい。さらに、焼付け時間は、通常10〜60分の範囲で適宜選定すればよい。上塗塗料を塗装して形成される上塗塗膜の厚みは、特に限定されるものではないが、通常は、乾燥膜厚が10〜70μmが好ましく、15〜50μmがより好ましい。また、上塗塗膜が複数層である場合、各層の厚みは、乾燥膜厚がそれぞれ、前記上塗塗膜の厚みにすればよい。
次に、本発明について実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、実施例中、「部」は特に断りのない限り「質量部」を意味し、配合量、含有量に関する「%」は、「質量%」を意味する。
(防錆プライマー製造例)
防錆プライマー塗料(PR−1)の製造
BASFコーティングスジャパン社製アルキド変性エポキシ樹脂(水酸基価150mgKOH/g、酸価30mgKOH/g、重量平均分子量18000、固形分60%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート混合溶液)21部、硫酸バリウム(堺化学工業社製、商品名「SS−50」)10部、防錆顔料(Societe Nouvelle des Couleurs Zinciques社製、商品名「ストロンチウムクロメートL203E」)4部、黒顔料(コロンビアカーボン社製、商品名「ラーベン1255」)0.3部、白顔料(デュポン社製、商品名「タイピュアR−900」)10部、添加剤(エレメンティスジャパン社製、商品名「ベントン34」)0.3部、溶剤13.4部を定法により顔料を混合し、10μm以下に分散した後、BASFコーティングスジャパン社製アルキド変性エポキシ樹脂10.5部、エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、商品名「jER1009」の40質量%キシレン、ブチルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート混合溶液)7部、メラミン樹脂(三井化学社製、商品名「ユーバン225」、固形分60質量%)12部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、キシレン、ブチルアルコール混合溶剤11.5部と混合することにより有機溶剤型防錆プライマー塗料PR−1を製造した。
防錆プライマー塗料(PR−1)の製造
BASFコーティングスジャパン社製アルキド変性エポキシ樹脂(水酸基価150mgKOH/g、酸価30mgKOH/g、重量平均分子量18000、固形分60%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート混合溶液)21部、硫酸バリウム(堺化学工業社製、商品名「SS−50」)10部、防錆顔料(Societe Nouvelle des Couleurs Zinciques社製、商品名「ストロンチウムクロメートL203E」)4部、黒顔料(コロンビアカーボン社製、商品名「ラーベン1255」)0.3部、白顔料(デュポン社製、商品名「タイピュアR−900」)10部、添加剤(エレメンティスジャパン社製、商品名「ベントン34」)0.3部、溶剤13.4部を定法により顔料を混合し、10μm以下に分散した後、BASFコーティングスジャパン社製アルキド変性エポキシ樹脂10.5部、エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、商品名「jER1009」の40質量%キシレン、ブチルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート混合溶液)7部、メラミン樹脂(三井化学社製、商品名「ユーバン225」、固形分60質量%)12部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、キシレン、ブチルアルコール混合溶剤11.5部と混合することにより有機溶剤型防錆プライマー塗料PR−1を製造した。
防錆プライマー塗料(PR−2〜11)の製造
表1及び表2に揚げる各成分を使用して防錆プライマー塗料PR−1の製造と同様にして防錆プライマーPR−2〜11を製造した。
但し、防錆プライマーPR−8は、溶剤をトルエン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート混合溶剤に変更し、防錆プライマーPR−8の硬化剤であるポリイソシアネート化合物(住化バイエルウレタン社製、商品名「スミジュールN−3300」)は、使用直前に混合して用いた。
表1及び表2に揚げる各成分を使用して防錆プライマー塗料PR−1の製造と同様にして防錆プライマーPR−2〜11を製造した。
但し、防錆プライマーPR−8は、溶剤をトルエン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート混合溶剤に変更し、防錆プライマーPR−8の硬化剤であるポリイソシアネート化合物(住化バイエルウレタン社製、商品名「スミジュールN−3300」)は、使用直前に混合して用いた。
また、得られた防錆プライマー塗料について、以下に示す方法により、安定性を評価した。
防錆プライマー塗料の安定性の評価
防錆プライマー塗料の安定性の評価は、常温で2週間放置した際の塗料の状態を目視で観察し、下記の基準に従って評価した。結果を表1及び表2に示す。
塗料の安定性評価基準
◎:沈降なし。
○:わずかに沈降しているが、攪拌すると容易に回復する。
△:沈降しているが、攪拌すると回復する。
×:沈降している。攪拌しても回復しない。
防錆プライマー塗料の安定性の評価
防錆プライマー塗料の安定性の評価は、常温で2週間放置した際の塗料の状態を目視で観察し、下記の基準に従って評価した。結果を表1及び表2に示す。
塗料の安定性評価基準
◎:沈降なし。
○:わずかに沈降しているが、攪拌すると容易に回復する。
△:沈降しているが、攪拌すると回復する。
×:沈降している。攪拌しても回復しない。
表1及び表2の説明
表の中の添え符号はそれぞれ、以下の意味を示す。
1)アルキド変性エポキシ樹脂溶液 BASFコーティングスジャパン社製、固形分60質量%、水酸基価150mgKOH/g、重量平均分子量18000、
2)H201−60BT DIC社製、商品名:「エピクロンH201−60BT」、ポリオール型エポキシ樹脂、固形分60質量%、水酸基価120mgKOH/g、重量平均分子量10000、トルエン、メチルイソブチルケトン混合溶液、
3)SS−50 堺化学工業社製、商品名:「SS−50」、硫酸バリウム、
4)B−30 堺化学工業社製、商品名:「B−30」、硫酸バリウム、
5)L203E Societe Nouvelle des Couleurs Zinciques社製、商品名:「ストロンチウムクロメートL203E」、クロム酸ストロンチウム、
6)PM300C キクチカラー社製、商品名:「LFボウセイPM300C」、リンモリブデン酸アルミニウム亜鉛、
表の中の添え符号はそれぞれ、以下の意味を示す。
1)アルキド変性エポキシ樹脂溶液 BASFコーティングスジャパン社製、固形分60質量%、水酸基価150mgKOH/g、重量平均分子量18000、
2)H201−60BT DIC社製、商品名:「エピクロンH201−60BT」、ポリオール型エポキシ樹脂、固形分60質量%、水酸基価120mgKOH/g、重量平均分子量10000、トルエン、メチルイソブチルケトン混合溶液、
3)SS−50 堺化学工業社製、商品名:「SS−50」、硫酸バリウム、
4)B−30 堺化学工業社製、商品名:「B−30」、硫酸バリウム、
5)L203E Societe Nouvelle des Couleurs Zinciques社製、商品名:「ストロンチウムクロメートL203E」、クロム酸ストロンチウム、
6)PM300C キクチカラー社製、商品名:「LFボウセイPM300C」、リンモリブデン酸アルミニウム亜鉛、
7)R1255 コロンビアカーボン社製、商品名:「ラーベン1255」、カーボンブラック、
8)R−900 デュポン社製、商品名:「タイピュアR−900」、酸化チタン、
9)ハイフィラー#12 松村産業社製、商品名:「ハイフィラー#12」、タルク、
10)R972 日本アエロジル社製、商品名:「アエロジルR972」、シリカ、
11)ベントン34 エレメンティスジャパン社製、商品名:「ベントン34」、テトラアルキルアンモニウムベントナイト、
12)jER1009溶液 ジャパンエポキシレジン社製、商品名:「jER1009」の40質量%キシレン、ブチルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート混合溶液、
13)U225 三井化学社製、商品名:「ユーバン225」、ブチル化メラミン樹脂、固形分60%、キシレン、メチルアルコール、ブチルアルコール混合溶液、
14)N−3300 住化バイエルウレタン社製、商品名:「スミジュールN−3300」、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)のイソシアヌレート体、NCO基含有率21.8質量%、固形分100質量%、
8)R−900 デュポン社製、商品名:「タイピュアR−900」、酸化チタン、
9)ハイフィラー#12 松村産業社製、商品名:「ハイフィラー#12」、タルク、
10)R972 日本アエロジル社製、商品名:「アエロジルR972」、シリカ、
11)ベントン34 エレメンティスジャパン社製、商品名:「ベントン34」、テトラアルキルアンモニウムベントナイト、
12)jER1009溶液 ジャパンエポキシレジン社製、商品名:「jER1009」の40質量%キシレン、ブチルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート混合溶液、
13)U225 三井化学社製、商品名:「ユーバン225」、ブチル化メラミン樹脂、固形分60%、キシレン、メチルアルコール、ブチルアルコール混合溶液、
14)N−3300 住化バイエルウレタン社製、商品名:「スミジュールN−3300」、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)のイソシアヌレート体、NCO基含有率21.8質量%、固形分100質量%、
(陽極酸化被膜処理例)
陽極酸化被膜処理アルミニウム合金部品(AL−1)の調整
ADC12材からなる船外機部品(ギヤケース、240×265×100mm)を、図1に示す陽極酸化処理の電解装置を用いて、10容積%硫酸を充填した、20℃の処理槽に浸漬し直流電解法により陽極酸化を行い、13〜15μmの陽極酸化被膜を形成した。処理浴中では35Vの直流電圧15分間印加・通電し陽極酸化処理を行なった。この後、市販の封孔処理剤(製品名:「トップシール」)を溶解させた90℃の溶液に15分間浸漬させて、封孔処理し水洗い、乾燥させた。
陽極酸化被膜処理アルミニウム合金部品(AL−1)の調整
ADC12材からなる船外機部品(ギヤケース、240×265×100mm)を、図1に示す陽極酸化処理の電解装置を用いて、10容積%硫酸を充填した、20℃の処理槽に浸漬し直流電解法により陽極酸化を行い、13〜15μmの陽極酸化被膜を形成した。処理浴中では35Vの直流電圧15分間印加・通電し陽極酸化処理を行なった。この後、市販の封孔処理剤(製品名:「トップシール」)を溶解させた90℃の溶液に15分間浸漬させて、封孔処理し水洗い、乾燥させた。
陽極酸化被膜処理アルミニウム合金部品(AL−2)の調整
AC4B材からなる船外機部品(ハウジング)を、図1に示す陽極酸化処理の電解装置を用いて、10容積%硫酸を充填した、20℃の処理槽に浸漬し直流電解法により陽極酸化を行い、13〜15μmの被膜を形成した。処理浴中では35Vの直流電圧15分間印加・通電し陽極酸化処理を行なった。この後、市販の封孔処理剤(製品名:「トップシール」)を溶解させた90℃の溶液に15分間浸漬させて、封孔処理し水洗い、乾燥させた。
AC4B材からなる船外機部品(ハウジング)を、図1に示す陽極酸化処理の電解装置を用いて、10容積%硫酸を充填した、20℃の処理槽に浸漬し直流電解法により陽極酸化を行い、13〜15μmの被膜を形成した。処理浴中では35Vの直流電圧15分間印加・通電し陽極酸化処理を行なった。この後、市販の封孔処理剤(製品名:「トップシール」)を溶解させた90℃の溶液に15分間浸漬させて、封孔処理し水洗い、乾燥させた。
陽極酸化被膜処理アルミニウム部品(AL−3)の調整
アルミ展伸材からなる自動車用部品(ロアケース)を、図1に示す陽極酸化処理の電解装置を用いて、3容積%蓚酸水溶液を充填した、30℃の処理槽に浸漬し直流電解法により陽極酸化を行い、約15μmの被膜を形成した。処理浴中では30Vの直流電圧20分間印加・通電し陽極酸化処理を行なった。この後、通常の蒸気法である純水沸騰水法により封孔処理し水洗い、乾燥させた。
アルミ展伸材からなる自動車用部品(ロアケース)を、図1に示す陽極酸化処理の電解装置を用いて、3容積%蓚酸水溶液を充填した、30℃の処理槽に浸漬し直流電解法により陽極酸化を行い、約15μmの被膜を形成した。処理浴中では30Vの直流電圧20分間印加・通電し陽極酸化処理を行なった。この後、通常の蒸気法である純水沸騰水法により封孔処理し水洗い、乾燥させた。
<実施例1>
陽極酸化処理を施されたアルミニウム合金部品AL−1の陽極酸化被膜上に防錆プライマーPR−1をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、キシレン、ブチルアルコール混合溶剤と混合した上で、乾燥膜厚25μmになるようにスプレー塗装し、防錆プライマー塗膜を形成し、130℃×20分間焼き付けた。次に、防錆プライマー塗膜上に、メタリック塗料として、ポリウレタン樹脂系メタリック塗料(BASFコーティングスジャパン社製、「ハイウレタンNo.5000 0EP」)を使用直前に硬化剤及び希釈シンナーと混合した上で、乾燥膜厚15μmになるようにスプレー塗装し、メタリック塗膜層を形成し、そのメタリック塗膜上にウェットオンウェットで、ポリウレタン樹脂系クリヤー塗料(BASFコーティングスジャパン社製、「ハイウレタンNo.5300クリヤー船外機用」)を使用直前に硬化剤及び希釈シンナーと混合した上で、乾燥膜厚25μmになるようにスプレー塗装し、クリヤー塗膜層を形成し、室温で10分間放置した後、90℃×20分間焼き付けた。
このようにして製造した試験品に、クロスカットを付け80℃、1時間および40℃、240時間(JIS規格K5600−6−2)の浸漬試験後、テープ剥離により耐食性能を評価した。その結果、硫酸バリウム20質量%以上で剥離することなく、高い付着性を示した。
陽極酸化処理を施されたアルミニウム合金部品AL−1の陽極酸化被膜上に防錆プライマーPR−1をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、キシレン、ブチルアルコール混合溶剤と混合した上で、乾燥膜厚25μmになるようにスプレー塗装し、防錆プライマー塗膜を形成し、130℃×20分間焼き付けた。次に、防錆プライマー塗膜上に、メタリック塗料として、ポリウレタン樹脂系メタリック塗料(BASFコーティングスジャパン社製、「ハイウレタンNo.5000 0EP」)を使用直前に硬化剤及び希釈シンナーと混合した上で、乾燥膜厚15μmになるようにスプレー塗装し、メタリック塗膜層を形成し、そのメタリック塗膜上にウェットオンウェットで、ポリウレタン樹脂系クリヤー塗料(BASFコーティングスジャパン社製、「ハイウレタンNo.5300クリヤー船外機用」)を使用直前に硬化剤及び希釈シンナーと混合した上で、乾燥膜厚25μmになるようにスプレー塗装し、クリヤー塗膜層を形成し、室温で10分間放置した後、90℃×20分間焼き付けた。
このようにして製造した試験品に、クロスカットを付け80℃、1時間および40℃、240時間(JIS規格K5600−6−2)の浸漬試験後、テープ剥離により耐食性能を評価した。その結果、硫酸バリウム20質量%以上で剥離することなく、高い付着性を示した。
<実施例2>
陽極酸化処理を施されたアルミニウム合金部品AL−1上に、防錆プライマーPR−8をトルエン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート混合溶剤と混合した上で、乾燥膜厚20μmになるようにスプレー塗装し、防錆プライマー塗膜層を形成し、防錆プライマー塗膜上にウェットオンウェットで、メタリック塗料としてポリウレタン樹脂系メタリック塗料(BASFコーティングスジャパン社製、「ハイウレタンNo.5000 0EP」)を使用直前に硬化剤及び希釈シンナーと混合した上で、乾燥膜厚15μmになるようにスプレー塗装し、メタリック塗膜層を形成し、そのメタリック塗膜上にウェットオンウェットで、ポリウレタン樹脂系クリヤー塗料(BASFコーティングスジャパン社製、「ハイウレタンNo.5300クリヤー船外機用」)を使用直前に硬化剤及び希釈シンナーと混合した上で、乾燥膜厚25μmになるようにスプレー塗装し、クリヤー塗膜層を形成し、室温で10分間放置した後、90℃×20分間焼き付けた。このようにして製造した試験品に、実施例1と同様の浸漬試験を行った結果、剥離することなく高い付着性を示した。
陽極酸化処理を施されたアルミニウム合金部品AL−1上に、防錆プライマーPR−8をトルエン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート混合溶剤と混合した上で、乾燥膜厚20μmになるようにスプレー塗装し、防錆プライマー塗膜層を形成し、防錆プライマー塗膜上にウェットオンウェットで、メタリック塗料としてポリウレタン樹脂系メタリック塗料(BASFコーティングスジャパン社製、「ハイウレタンNo.5000 0EP」)を使用直前に硬化剤及び希釈シンナーと混合した上で、乾燥膜厚15μmになるようにスプレー塗装し、メタリック塗膜層を形成し、そのメタリック塗膜上にウェットオンウェットで、ポリウレタン樹脂系クリヤー塗料(BASFコーティングスジャパン社製、「ハイウレタンNo.5300クリヤー船外機用」)を使用直前に硬化剤及び希釈シンナーと混合した上で、乾燥膜厚25μmになるようにスプレー塗装し、クリヤー塗膜層を形成し、室温で10分間放置した後、90℃×20分間焼き付けた。このようにして製造した試験品に、実施例1と同様の浸漬試験を行った結果、剥離することなく高い付着性を示した。
<実施例3〜10、比較例1〜2>
陽極酸化処理を施された部品と防錆プライマーの組成を表1に示した塗料にした以外は、実施例1と同じようにして、実施例3〜10および比較例1、2の試験品を作製し、実施例1と同様の浸漬試験を行った。
陽極酸化処理を施された部品と防錆プライマーの組成を表1に示した塗料にした以外は、実施例1と同じようにして、実施例3〜10および比較例1、2の試験品を作製し、実施例1と同様の浸漬試験を行った。
<実施例11、12>
実施例11は、基本的には実施例1にて作製された試験品と同じであるが、陽極酸化処理後、脱脂したことが異なる。脱脂条件は、アルカリ脱脂剤を使用して60℃×6分間行った。
また、実施例12は実施例1に対して、脱脂とその後化成処理していることが異なる。脱脂条件は、アルカリ脱脂剤を使用して60℃×6分間、化成処理はクロム系化成処理剤を使用して45℃×3分間処理した。試験品作製後、実施例1と同様の浸漬試験を行った結果、剥離することなく高い付着性を示した。
実施例1〜12の浸漬試験の結果を、表3及び表4に示し、比較例1〜2の浸漬試験の結果を表5に示した。
実施例11は、基本的には実施例1にて作製された試験品と同じであるが、陽極酸化処理後、脱脂したことが異なる。脱脂条件は、アルカリ脱脂剤を使用して60℃×6分間行った。
また、実施例12は実施例1に対して、脱脂とその後化成処理していることが異なる。脱脂条件は、アルカリ脱脂剤を使用して60℃×6分間、化成処理はクロム系化成処理剤を使用して45℃×3分間処理した。試験品作製後、実施例1と同様の浸漬試験を行った結果、剥離することなく高い付着性を示した。
実施例1〜12の浸漬試験の結果を、表3及び表4に示し、比較例1〜2の浸漬試験の結果を表5に示した。
浸漬試験後の付着性は、次に示す方法により評価した。
浸漬試験後の付着性
浸漬試験後の付着性は、下記の評価基準に従って、評価した。
◎:テープ剥離によりクロスカット部からまったく剥がれなし。
○:テープ剥離によりクロスカット部から2mm未満の剥がれあり。
×:テープ剥離によりクロスカット部から2mm以上の剥がれあり。
浸漬試験後の付着性
浸漬試験後の付着性は、下記の評価基準に従って、評価した。
◎:テープ剥離によりクロスカット部からまったく剥がれなし。
○:テープ剥離によりクロスカット部から2mm未満の剥がれあり。
×:テープ剥離によりクロスカット部から2mm以上の剥がれあり。
本発明の塗膜が表面に形成されたアルミニウム又はアルミニウム合金部品の塗装物品は、船外機などの部品、自動車部品など、種々の分野に利用できる。
1 アルミニウム又はアルミニウム合金部品
2 電解槽
3 陰極板
4 陽極電送線
5 陰極電送線
6 電源
61 直流電源
2 電解槽
3 陰極板
4 陽極電送線
5 陰極電送線
6 電源
61 直流電源
Claims (4)
- アルミニウム又はアルミニウム合金部品を陽極酸化処理してアルミニウム又はアルミニウム合金部品の表面に陽極酸化被膜を形成し、該陽極酸化被膜上に防錆プライマーを塗装して防錆プライマー塗膜を形成し、必要に応じて該防錆プライマー塗膜上に上塗塗料を塗装して上塗塗膜を形成する方法において、該防錆プライマーが、水酸基含有エポキシ樹脂からなる基体樹脂と、メラミン樹脂及びポリイソシアネートから選ばれる硬化剤と、硫酸バリウムとを含有し、該硫酸バリウムの含有割合が基体樹脂と硬化剤の固形分の合計量100質量部に対して20〜70質量部の割合であることを特徴とする塗膜の形成方法。
- 前記陽極酸化処理が希硫酸浴中で行われている請求項1記載の塗膜の形成方法。
- 前記防錆プライマーを塗装する陽極酸化被膜が封孔処理されている請求項1又は2記載の塗膜の形成方法。
- 請求項1〜3記載のいずれかの塗膜の形成方法によって得られる塗膜。
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