JP2011102105A - 車両用制動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 車両を適切に制動し、制動に伴って発生する熱エネルギーを効率よく回収する車両用制動装置を提供すること。
【解決手段】 車両用制動装置Sは車輪Wと一体的に回転するディスクロータ11とブレーキキャリパ12とからなる制動部10を備えている。また、装置Sは、ロータ11を回転可能に支持するハブHに組み付けられてロータ11からハブHに伝熱した摩擦熱を吸熱して放熱する放熱部材21と、ナックルNに組み付けられて放熱部材21から放熱された摩擦熱を吸熱する第1受熱部材22と、ロータ11の摩擦摺動部を覆いロータ11から放熱される摩擦熱を吸熱する第2受熱部材23と、受熱部材22,23と電力回収部30の熱電変換部31を熱的に接続する伝熱部材24とからなる熱回収部20を備えている。これにより、熱回収部20は制動に伴ってロータ11が有する摩擦熱(熱エネルギー)を効率よく回収する。
【選択図】 図1
【解決手段】 車両用制動装置Sは車輪Wと一体的に回転するディスクロータ11とブレーキキャリパ12とからなる制動部10を備えている。また、装置Sは、ロータ11を回転可能に支持するハブHに組み付けられてロータ11からハブHに伝熱した摩擦熱を吸熱して放熱する放熱部材21と、ナックルNに組み付けられて放熱部材21から放熱された摩擦熱を吸熱する第1受熱部材22と、ロータ11の摩擦摺動部を覆いロータ11から放熱される摩擦熱を吸熱する第2受熱部材23と、受熱部材22,23と電力回収部30の熱電変換部31を熱的に接続する伝熱部材24とからなる熱回収部20を備えている。これにより、熱回収部20は制動に伴ってロータ11が有する摩擦熱(熱エネルギー)を効率よく回収する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、自動車等の車両用制動装置に関し、特に、車両の車輪を制動することに加えてこの制動に伴って発生する熱エネルギーを回収する車両用制動装置に関する。
近年、車両の走行により発生する運動エネルギーを熱エネルギーとして回収し、この回収した熱エネルギーを、例えば、電気エネルギーに変換して利用することが盛んに研究されている。
例えば、下記特許文献1には、回転部にブレーキパッドを圧着してブレーキをかけるブレーキキャリパと、ブレーキキャリパに接続するヒートパイプと、ヒートパイプの放熱側端に接続する熱電変換素子と、熱電変換素子の冷却側面に接続する放熱器と、熱電変換素子に接続する蓄電池とを備えた回生ブレーキ装置が示されている。この回生ブレーキ装置においては、制動により生じた摩擦熱がヒートパイプを介して熱電変換素子の加熱面に伝達される一方で熱電変換素子の冷却面が放熱器によって冷却されるため、熱電変換素子は加熱面側と冷却面側との間の温度差により電力を発生することができる。したがって、制動により運動エネルギーを熱エネルギー(摩擦熱)として回収して電気エネルギーに変換できるようになっている。
また、例えば、下記特許文献2には、炭素複合材料で形成されたディスクロータを保温カバーで覆い、この保温カバー内に電気ヒータを配設した車両用ディスクブレーキが示されている。この車両用ディスクブレーキにおいては、電気ヒータによって保温カバー内を昇温し、ディスクロータを所定温度に加熱することによって、摩擦係数を安定させるようになっている。
ところで、上記特許文献1に記載された回生ブレーキ装置や上記特許文献2に記載されたディスクブレーキにおいては、回転部(ディスクロータ)とブレーキキャリパに組み付けられたブレーキパッドとの摩擦によって制動力を発生する。この場合、摩擦によって発生する摩擦熱(熱エネルギー)は、大まかに、回転部(ディスクロータ)とブレーキキャリパとに伝熱する。
この点に関し、上記特許文献1に記載された回生ブレーキ装置においては、車両の制動に伴って発生する摩擦熱(熱エネルギー)をブレーキキャリパに接続されたヒートパイプを介して回収する。すなわち、上記特許文献1に記載された回生ブレーキ装置では、回転部に伝熱した摩擦熱(熱エネルギー)は回収できず、例えば、回転体を介して周囲の大気中に放熱している。一方、上記特許文献2に記載されたディスクブレーキにおいては、ディスクロータを保温カバーによって保温するものである。これにより、ディスクロータを介して摩擦熱(熱エネルギー)が周囲の大気中に放熱されることは抑制されるものの、ディスクロータが有する熱エネルギーを回収することができない。
このように、従来から、特に、ディスクロータとブレーキキャリパとを有するブレーキ装置(車両用制動装置)においては、制動に伴ってディスクロータが有する熱エネルギーを回収して利用することなく無駄に廃棄している。したがって、特に、ディスクロータとブレーキキャリパとを有するブレーキ装置(車両用制動装置)においては、エネルギーの有効利用の観点から、熱エネルギーの回収効率を向上させることが極めて重要である。
本発明は、上記した問題に対処するためになされたものであり、その目的は、車両を適切に制動するとともに、制動に伴って発生する熱エネルギーを効率よく回収する車両用制動装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、車両の車輪と一体的に回転するディスクロータとこのディスクロータにブレーキパッドを圧着させるブレーキキャリパとを有し、車両の前記車輪に対して前記ディスクロータと前記ブレーキパッドとの摩擦による制動力を付与するとともにこの制動力の付与に伴って発生する熱エネルギーを回収する車両用制動装置において、前記ディスクロータのうち、前記ブレーキキャリパによって覆われない露出部分の近傍に配置されて、前記ディスクロータと前記ブレーキパッドとの摩擦によって発生して前記ディスクロータの露出部分から放熱される熱エネルギーを吸熱して回収する熱回収手段と、前記熱回収手段によって回収された熱エネルギーを電気エネルギーに変換して回収する電力回収手段とを備えたことにある。
この場合、前記熱回収手段を、前記ディスクロータの露出部分に近接して配置され、前記摩擦によって発生して前記ディスクロータから放熱される熱エネルギーを吸熱して回収する吸熱手段と、前記吸熱手段によって吸熱して回収された熱エネルギーを前記電力回収手段に伝熱する伝熱手段とで構成するとよい。
そして、この場合、より具体的に、前記吸熱手段を、前記ディスクロータを回転可能に支持する支持部材に設けられ、前記摩擦によって発生して前記ディスクロータから前記支持部材に伝熱する熱エネルギーを吸熱するとともに放熱する放熱手段と、前記放熱手段に対向して配置され、前記放熱手段によって放熱された熱エネルギーを吸熱して回収する第1受熱手段と、前記ディスクロータの露出部分に対向して配置され、前記摩擦によって発生して前記ディスクロータの露出部分から放熱される熱エネルギーを吸熱して回収する第2受熱手段とから構成し、前記伝熱手段が前記第1受熱手段および前記第2受熱手段によって吸熱して回収された熱エネルギーを前記電力回収手段に伝熱するとよい。この場合、前記第2受熱手段は、前記ディスクロータの露出部分のうち、少なくとも、前記ブレーキパッドと摩擦する摩擦摺動面を覆い、前記摩擦によって発生して前記ディスクロータから放熱される熱エネルギーを吸熱して回収するとよい。
また、本発明の他の特徴は、前記熱回収手段を、例えば、一端側が前記ディスクロータの露出部分に近接して配置され、この一端側にて前記摩擦によって発生して前記ディスクロータの露出部分から放熱される熱エネルギーを吸熱して回収し、他端側が前記電力回収手段に連結され、前記一端側にて吸熱して回収された熱エネルギーを前記電力回収手段に伝熱する伝熱素子(例えば、ヒートパイプなど)としたことにもある。この場合、前記伝熱素子の一端側を、前記ディスクロータの回転方向に対して前記ブレーキキャリパの後方となるトレーリング側に配置するとよい。また、これらの場合、前記伝熱素子を内包して前記ディスクロータの露出部分を覆うカバー部材を設けるとよく、さらに、前記カバー部材は、前記摩擦によって発生して前記ディスクロータの露出部分から放熱される熱エネルギーが外気中に放熱されることを防止する断熱特性および前記摩擦によって発生して前記ディスクロータの露出部分から放熱される熱エネルギーを反射する反射特性のうちの少なくとも一方の特性を有するとよい。
また、本発明の他の特徴は、前記熱回収手段が、前記ディスクロータと前記ブレーキパッドとの摩擦によって発生して、少なくとも前記ディスクロータの露出部分から放熱される熱エネルギーを吸熱して温度変化する媒体の有する熱エネルギーを回収することにもある。この場合、前記媒体が、例えば、少なくとも、前記ディスクロータの露出部分の周囲に存在する空気であるとよく、または、前記ディスクロータの露出部分に吹き付けられて前記摩擦によって発生する熱エネルギーを吸熱して前記ディスクロータを冷却する冷媒であるとよい。そして、前記媒体が、例えば、少なくとも、前記ディスクロータの露出部分の周囲に存在する空気である場合には、さらに、少なくとも、前記ディスクロータの露出部分の周囲に存在する空気が車両の車幅方向にて車外に吸い出されることを抑制する吸い出し抑制手段を設けるとよい。
また、本発明の他の特徴は、前記熱回収手段が、さらに、前記吸熱して回収された熱エネルギーを蓄熱する蓄熱手段を備え、前記電力回収手段が、前記蓄熱手段に蓄熱された熱エネルギーを電気エネルギーに変換して回収することにもある。
さらに、本発明の他の特徴は、前記電力回収手段が、例えば、一面側が前記回収された熱エネルギーによって加熱されるとともに他面側が冷却されて、前記一面側と前記他面側との温度差に応じて前記熱エネルギーを前記電気エネルギーに変換する熱電変換素子であり、また、前記電力回収手段が、前記熱エネルギーから変換した前記電気エネルギーを電力として蓄電する蓄電手段を備えることにもある。
これらによれば、熱回収手段は、ディスクロータとブレーキパッドとの摩擦による制動力を付与することによって発生し、ディスクロータの露出部分から放熱される熱エネルギーを極めて効率よく吸熱して回収することができる。そして、電力回収手段は、熱回収手段によって効率よく回収された熱エネルギーを効率よく電気エネルギーに変換することができ、例えば、変換した電気エネルギーを電力として蓄電して利用することができる。したがって、車両用制動装置においては、制動に伴って車両の運動エネルギーを熱エネルギーとして効率よく回収して利用することができ、その結果、例えば、燃費を向上させることができる。
また、熱回収手段がディスクロータの露出部分から放熱される熱エネルギーを吸熱して回収することができるため、ディスクロータの温度上昇を適切に抑制することができる。これにより、例えば、ディスクロータおよびブレーキキャリパのブレーキパッドの温度が上昇して摩擦係数が低下する現象、所謂、フェード現象が発生することを効果的に防止することができ、制動性能を良好に確保することができる。
a.第1実施形態
以下、本発明の実施形態に係る車両用制動装置について、図面を用いて詳細に説明する。図1は、第1実施形態に係る車両用制動装置Sのシステム構成を概略的に示している。この車両用制動装置Sは、車両を制動することに加えて、制動に伴って発生する運動エネルギーを熱エネルギーとして回収し、さらに、この回収した熱エネルギーを電気エネルギーに変換して蓄電するものである。
以下、本発明の実施形態に係る車両用制動装置について、図面を用いて詳細に説明する。図1は、第1実施形態に係る車両用制動装置Sのシステム構成を概略的に示している。この車両用制動装置Sは、車両を制動することに加えて、制動に伴って発生する運動エネルギーを熱エネルギーとして回収し、さらに、この回収した熱エネルギーを電気エネルギーに変換して蓄電するものである。
このため、車両用制動装置Sは、図1に示すように、車輪Wに対して制動力を付与する制動部10と、この制動部10による制動に伴って発生する熱エネルギーを吸熱して回収する熱回収手段としての熱回収部20と、熱回収部20によって回収された熱エネルギーを電気エネルギーに変換して蓄電する電力回収手段としての電力回収部30とを備えている。なお、以下の説明においては、車両の左右前輪側(図1には車両の右前輪を代表して図示)に車両用制動装置Sを設けた場合を説明するが、車両の全輪に車両用制動装置Sを設けたり、車両の後輪側のみに車両用制動装置Sを設けたりして実施することも可能である。
制動部10は、ディクスロータ11とブレーキキャリパ12とを備えたディスクブレーキユニットである。ディスクロータ11は、図示しないサスペンション装置を構成するナックルNに対して図示省略のベアリングを介して回転可能に支持された支持部材としてのハブHの一面側に対してナットにより組み付けられていて、車輪Wと一体的に回転するものである。ここで、ディスクロータ11の形態として、本実施形態においては、図1に概略的に示すように、2枚のディスク間に冷却用のフィンを設けて優れた放熱性を有するベンチレーティッドディスクを採用して実施する。なお、ディスクロータ11の形態としては、他に、冷却用のフィンを有さないソリッドディスク、放熱面積をより大きく確保できるドリルドロータやスリットロータなどを採用することができる。
ブレーキキャリパ12は、2枚一対のブレーキパッドを収容しており、ブレーキパッドを回転するディスクロータ11に対して押し付けて(圧着させて)摩擦力を発生するものである。なお、ディスクブレーキユニットの詳細な構造および作動については、周知のディスクブレーキユニットと同様であり、また、本発明に直接関係しないため、その説明を省略する。
このように構成された制動部10においては、運転者によって図示しないブレーキペダルが操作されるとブレーキキャリパ12にブレーキ液圧が供給される。これにより、ブレーキキャリパ12は、供給されるブレーキ液圧の増圧に伴ってブレーキパッドをディスクロータ11に対して圧着させる。そして、車輪Wと一体的に回転するディスクロータ11に対してブレーキパッドを圧着させることによって摩擦力が発生し、この摩擦力が車輪Wの回転を制動する制動力として付与される。したがって、制動部10は、車両の制動に伴って運動エネルギーを摩擦によって熱エネルギー(摩擦熱)に変換することにより、回転する車輪Wを制動する。
ところで、制動に伴って摩擦熱(熱エネルギー)が発生すると、発生した摩擦熱(熱エネルギー)のうち、一部はディスクロータ11から支持部材であるハブHや摺動部であるブレーキパッドなどに伝熱し、他部はディスクロータ11の表面および冷却用のフィン部分(以下、この部分をロータベーン部という)から放熱される。そして、ディスクロータ11から伝熱または放熱される摩擦熱(熱エネルギー)の割合に関しては、ロータベーン部から放熱される摩擦熱(熱エネルギー)が最も大きく、次いで、ハブHへの伝熱、ブレーキパッドへの伝熱の順となる。
このため、熱回収部20は、図1に概略的に示すように、ディスクロータ11のうち、ブレーキキャリパ12によって覆われない露出部分の近傍に配置される。具体的には、図1に示すように、熱回収部20は、ハブHに組み付けられた放熱部材21と、この放熱部材21に対向して配置された第1受熱部材22と、ディスクロータ11の露出部分に対向して配置された第2受熱部材23とを備えている。放熱部材21は、略円盤状に形成されており、ハブHの他面側(ディスクロータ11の組み付け面と反対の面)に組み付けられている。そして、放熱部材21は、制動部10の制動動作に伴ってディスクロータ11に発生した熱エネルギーすなわち摩擦熱がハブHに伝熱されると、ハブHとの接触面側にて摩擦熱を吸熱し、第1受熱部材22との対向面(以下、放熱面という)側から放熱する。
第1受熱部材22は、略円盤状に形成されており、ナックルNに組み付けられている。そして、第1受熱部材22は、放熱部材21によって吸熱されて放熱された摩擦熱(熱エネルギー)を、一面側(放熱部材21の放熱面と対向する面側)にて吸熱する。
第2受熱部材23は、図2に示すように、ディスクロータ11の露出部分のうち、ディスクロータ11のブレーキキャリパ12(ブレーキパッド)との摩擦摺動面を覆うように設けられている。なお、第2受熱部材23は、例えば、図示しないステーなどを介してナックルNなどに回転不能に固着されている。そして、第2受熱部材23は、制動部10の制動動作に伴って、具体的には、ブレーキキャリパ12の作動によりブレーキパッドがディスクロータ11の摩擦摺動面に圧着して発生した摩擦熱(熱エネルギー)を、一面側(ディスクロータ11との対向面側)にて吸熱する。
ここで、放熱部材21、第1受熱部材22および第2受熱部材23は、接触することなくディスクロータ11に発生した摩擦熱(熱エネルギー)を吸熱および放熱する特性に優れた物質から形成される。具体的には、ディスクロータ11に発生した摩擦熱(熱エネルギー)を電磁波(遠赤外線)として吸熱および放熱することができる無機材料、例えば、液体セラミック塗料であるセラミッション株式会社製の「セラックα(登録商標)」や、この「セラックα(登録商標)」を薄膜状に形成したセラミッション株式会社製の「まずは貼る一番(登録商標)」などを採用することができる。なお、これらの物質を採用して放熱部材21、第1受熱部材22および第2受熱部材23を形成する場合には、例えば、伝熱特性に優れた薄肉金属板(例えば、ステンレス板や、アルミニウム板、銅板など)に対して、「セラックα(登録商標)」を塗布したり、「まずは貼る一番(登録商標)」を張り付けて形成することができる。
また、熱回収部20は、図1に示すように、第1受熱部材22および第2受熱部材23によって吸熱された摩擦熱(熱エネルギー)を電力回収部30に伝熱する伝熱部材24を備えている。伝熱部材24は、可撓性(柔軟性)を有するものであり、一端側が第1受熱部材22の他面側および第2受熱部材23の他面側に接続され、他端側が後述する電力回収部30の熱電変換部31の加熱側に接続されている。これにより、伝熱部材24は、第1受熱部材22の他面側および第2受熱部材23の他面側から放熱された摩擦熱(熱エネルギー)を電力回収部30の熱電変換部31の加熱側に伝熱することができる。
ここで、伝熱部材24は、柔軟性を有するとともに伝熱特性に優れた物質から形成される。具体的には、柔軟性と高い熱伝導率とを有する物質として、例えば、パナソニック電工株式会社製の「PGS(登録商標)グラファイトシート」を採用することができる。この場合、この物質を採用して伝熱部材24を形成する場合には、例えば、細幅板に切り出した「PGS(登録商標)グラファイトシート」束ねたり、さらに、管状に成形したりして形成することができる。また、伝熱部材24が柔軟性を有することにより、車両の走行に伴って車輪Wおよび制動部10が、例えば、車両上下方向に変位したり、転舵に伴って変位したりする場合であっても、破損することなく摩擦熱(熱エネルギー)を電力回収部30の熱電変換部31の加熱側に伝熱することができる。
次に、電力回収部30を説明する。なお、電力回収部30は、車体側(ばね上部材)に設けられるものである。電力回収部30は、図1に示すように、熱電変換部31を備えている。熱電変換部31は、物質(具体的には、半導体)が有する周知のゼーベック効果を利用して熱エネルギーを電気エネルギーに変換するものであり、例えば、ペルチェ素子を主要構成部品とするものである。そして、熱電変換部31は、一面側すなわち加熱面31aが伝熱部材24によって伝熱された摩擦熱(熱エネルギー)によって加熱され、他面側すなわち冷却面31bがラジエータ32aを備えた冷却水路32によって冷却されるようになっている。
このように構成される熱電変換部31においては、加熱面31aが加熱されるとともに冷却面31bが冷却されるため、周知のゼーベック効果によって加熱面31aと冷却面31bとの温度差に応じた起電力(以下、この起電力を回生電力という)を発生する。すなわち、熱電変換部31は、制動部10の制動動作に伴って発生して回収された摩擦熱(熱エネルギー)を電気エネルギーに変換することができる。
このように、熱電変換部31によって熱エネルギー(摩擦熱)から変換された電気エネルギー(電力)は、変圧回路33を介して蓄電手段としてのバッテリ34に供給される。変圧回路33は、例えば、DC−DCコンバータやコンデンサを主要構成部品とする電気回路であり、熱電変換部31から出力された回生電力を変圧してバッテリ34に出力するものである。バッテリ34は、変圧されて出力された回生電力を蓄電するものである。
次に、上記のように構成した車両用制動装置Sの作動について説明する。運転者によって図示しないブレーキペダルが操作されると、制動部10が車輪Wの回転に対して制動力を付与する。すなわち、制動部10においては、上述したように、ブレーキペダルの操作に応じたブレーキ液圧がブレーキキャリパ12に供給される。そして、ブレーキキャリパ12は、供給されたブレーキ液圧により、車輪Wと一体的に回転するディスクロータ11の摩擦摺動面にブレーキパッドを圧着させる。これにより、ディスクロータ11の摩擦摺動面とブレーキパッドとの間に摩擦力が発生し、この摩擦力が制動力として回転する車輪Wに付与される。
一方、摩擦力による制動に伴って発生してディスクロータから伝熱または放熱される摩擦熱(熱エネルギー)は、熱回収部20によって回収される。この摩擦熱(熱エネルギー)の回収を詳細に説明する。
上述したように、ディスクロータ11に発生した摩擦熱(熱エネルギー)は、ハブHに伝熱する。このようにハブHに伝熱した摩擦熱(熱エネルギー)は、放熱部材21および第1受熱部材22によって吸熱されて回収される。すなわち、放熱部材21は、ハブHに伝熱した摩擦熱(熱エネルギー)を吸熱し、第1受熱部材22に向けて、例えば、電磁波(遠赤外線)として放熱する。第1受熱部材22は、放熱部材21から、例えば、電磁波(遠赤外線)として放熱された摩擦熱(熱エネルギー)を吸熱する。
ここで、放熱部材21は、図1に示したように、ハブHの内周全面に渡り接触するように組み付けられているため、ハブHに伝達された摩擦熱(熱エネルギー)を効率よく吸熱して放熱することができる。一方、第1受熱部材22は、図1に示したように、放熱部材21に対して小さな隙間(例えば、3〜5mm程度)を有し、かつ、放熱部材21の放熱面の全面に対向した状態となるように、ナックルNに組み付けられる。これにより、第1受熱部材22は、放熱部材21から放熱される摩擦熱(熱エネルギー)を効率よく吸熱して回収することができる。
また、上述したように、摩擦熱(熱エネルギー)は、ディスクロータ11から放熱される。特に、ロータベーン部から放熱される摩擦熱(熱エネルギー)の割合は最も大きい。このように、ディスクロータ11から多く放熱される摩擦熱(熱エネルギー)は、第2受熱部材23によって吸熱されて回収される。すなわち、第2受熱部材23は、図1および図2に示したように、ディスクロータ11の摩擦摺動面およびロータベーン部を覆うように組み付けられている。このため、第2受熱部材23は、ディスクロータ11の摩擦摺動面およびロータベーン部から放熱(あるいは輻射)される摩擦熱(熱エネルギー)を効率よく吸熱して回収することができる。
そして、第1受熱部材22および第2受熱部材23によって回収された(吸熱された)摩擦熱(熱エネルギー)は、伝熱部材24を介して、電力回収部30に向けて伝熱される。ここで、伝熱部材24は、熱伝導率の高い物質から形成されるため、第1受熱部材22および第2受熱部材23によって吸熱されて回収された摩擦熱(熱エネルギー)を効率よく電力回収部30まで伝熱することができる。
電力回収部30においては、熱電変換部31の加熱面31aが伝熱部材24によって効率よく伝熱された摩擦熱(熱エネルギー)によって速やかに加熱される一方で、熱電変換部31の冷却面31bが冷却水路32によって速やかに冷却される。したがって、熱電変換部31は、加熱面31aと冷却面31bとの間の温度差に応じて、周知のゼーベック効果により、効率よく熱エネルギーを電気エネルギーに変換し、回生電力を発電することができる。そして、回生電力は、変圧回路33によって変圧され、バッテリ34に蓄電される。このように、バッテリ34に蓄電された回生電力は、車両に搭載された他の機器で利用することができるため、例えば、エンジンの負荷を低減して燃費を向上させることができる。
以上の説明からも理解できるように、この第1実施形態によれば、熱回収部20は、ディスクロータ11の露出部分の近傍に配置されていて、制動部10が回転する車輪Wに制動力を付与することによって発生する摩擦熱(熱エネルギー)を極めて効率よく吸熱して回収することができる。そして、電力回収部30は、熱回収部20によって効率よく回収された摩擦熱(熱エネルギー)を効率よく電気エネルギーに変換し、回生電力を発電することができる。したがって、車両用制動装置Sは、制動に伴って車両の運動エネルギーを熱エネルギーとして効率よく回収して利用することができ、例えば、燃費を向上させることができる。
また、熱回収部20がディスクロータ11の摩擦熱(熱エネルギー)を吸熱して回収することができるため、ディスクロータ11の温度上昇を適切に抑制することができる。これにより、例えば、ディスクロータ11およびブレーキキャリパ12のブレーキパッドの温度が上昇して摩擦係数が低下する現象、所謂、フェード現象が発生することを効果的に防止することができ、制動部10による制動性能を良好に確保することができる。
上記第1実施形態においては、電力回収部30における熱電変換部31の冷却面31bを冷却するために冷却水路32を設けて実施した。この場合、図3に示すように、熱電変換部31の冷却面31bにヒートシンク35を組み付けて、空冷によって冷却面31bを冷却するように実施することも可能である。この場合であっても、熱電変換部31においては、加熱面31aが摩擦熱(熱エネルギー)によって加熱されるとともに冷却面31bが適切に冷却されるため、回生電力を発電することができる。これにより、冷却水路32を搭載する必要がなくなり、車両用制動装置Sを小型化することが可能となる。
また、上記第1実施形態においては、第2受熱部材23がブレーキキャリパ12の配置位置を除いたディスクロータ11の露出部分、具体的には、露出部分のうちのディスクロータ11の摩擦摺動面を覆うように実施した。この場合、ブレーキキャリパ12によって覆われる部分も含めてディスクロータ11の摩擦摺動面全体を覆うように実施することも可能である。これにより、例えば、伝熱する割合が小さいもののブレーキキャリパ12のブレーキパッドに伝熱する摩擦熱(熱エネルギー)をも回収することができて、より回収効率を向上させることができる。なお、このようにディスクロータ11を覆う場合であっても、第2受熱部材23がディスクロータ11の摩擦熱(熱エネルギー)を吸熱して回収することができるため、ディスクロータ11の温度上昇を適切に抑制することができる。したがって、フェード現象が発生することを効果的に防止することができ、制動部10による制動性能を良好に確保することができる。
また、上記第1実施形態においては、第1受熱部材22および第2受熱部材23と電力回収部30の熱電変換部31とを柔軟性を有する伝熱部材24によって熱的に接続して実施した。この場合、耐久性の観点から、第1受熱部材22および第2受熱部材23と電力回収部30の熱電変換部31と間に機械的な強度に優れるとともに優れた伝熱特性を有する伝熱素子(例えば、ヒートパイプなど)を設け、この伝熱素子の両端または一方端に柔軟性を有する伝熱部材24を接続して実施することも可能である。これにより、第1受熱部材22および第2受熱部材23から電力回収部30の熱電変換部31に向けて効率よく摩擦熱(熱エネルギー)を伝熱させることができるとともに、耐久性を十分に確保することができる。
さらに、上記第1実施形態においては、放熱部材21、第1受熱部材22および第2受熱部材23を吸熱および放熱特性に優れた物質から形成して実施した。この場合、摩擦熱(熱エネルギー)を吸熱する第1受熱部材22および第2受熱部材23を、例えば、熱交換器によって形成して実施することも可能である。この場合、若干、吸熱特性の低下に伴って熱回収効率が低下するものの、制動に伴って車両の運動エネルギーを熱エネルギーとして効率よく回収して利用することができる。
b.第1実施形態の第1変形例
上記第1実施形態においては、熱回収部20を放熱部材21、第1受熱部材22、第2受熱部材23および伝熱部材24から構成して実施した。この場合、熱回収部20を伝熱特性に優れた伝熱素子としての管状のヒートパイプで構成して実施することも可能である。以下、この第1変形例を説明するが、上記第1実施形態と同一部分に同一の符号を付し、その説明を省略する。
上記第1実施形態においては、熱回収部20を放熱部材21、第1受熱部材22、第2受熱部材23および伝熱部材24から構成して実施した。この場合、熱回収部20を伝熱特性に優れた伝熱素子としての管状のヒートパイプで構成して実施することも可能である。以下、この第1変形例を説明するが、上記第1実施形態と同一部分に同一の符号を付し、その説明を省略する。
この第1変形例においては、図4および図5に示すように、熱回収部20が、上記第1実施形態における放熱部材21および第1受熱部材22に対応するヒートパイプ25と、上記第1実施形態における第2受熱部材23に対応するヒートパイプ26とで構成される。ここで、ヒートパイプは、その原理上、熱輸送方向(伝熱方向)が高温部から低温部に向けた方向となる。このため、ヒートパイプ26は、図5に示すように、進行方向(ディスクロータ11の回転方向)に対してブレーキキャリパ12の後方となるトレーリング側近傍に一端側が位置するように組み付けられる。これにより、ヒートパイプ26は、制動に伴い発生したより高温の摩擦熱(熱エネルギー)を受熱(吸熱)することができ、ヒートパイプ26の熱輸送効率を向上させることができる。また、上述したように、ロータベーン部から放熱される摩擦熱(熱エネルギー)の割合が大きい。このため、ロータベーン部に対応する位置に配置されるヒートパイプ26については、そのコンテナ径が大きくされて、熱輸送量が大きくなるようになっている。
そして、ヒートパイプ25およびヒートパイプ26は、図4に示すように、ハブHおよびディスクロータ11の露出部分から吸熱して回収した摩擦熱(熱エネルギー)を電力回収部30の熱電変換部31まで熱輸送(伝熱)する。これにより、上記第1実施形態と同様に、熱電変換部31の加熱面31aが加熱され、冷却面31bが冷却水路32によって冷却されるため、熱電変換部31は回生電力を発電することができる。なお、この場合、上記第1実施形態において説明した伝熱部材24をヒートパイプ25およびヒートパイプ26に熱的に接続して、摩擦熱(熱エネルギー)を電力回収部30の熱電変換部31まで伝熱するようにしてもよい。したがって、この第1変形例においても、上記第1実施形態と同様の効果が得られる。
上記第1変形例においては、熱回収部20を管状のヒートパイプ25およびヒートパイプ26を用いて構成し、制動により発生した摩擦熱(熱エネルギー)を吸熱して回収するように実施した。この場合、管状のヒートパイプ25およびヒートパイプ26に代えて、図6および図7に示すように、シート状のヒートパイプ27およびヒートパイプ28を用いて熱回収部20を構成して実施することも可能である。この場合、シート状のヒートパイプ27が上記第1実施形態における放熱部材21および第1受熱部材22に対応し、シート状のヒートパイプ28が上記第1実施形態における第2受熱部材23に対応する。なお、シート状のヒートパイプ27およびヒートパイプ28としては、古河電気工業株式会社製の「ペラフレックス(登録商標)」を利用することができる。
このように、シート状のヒートパイプ27およびヒートパイプ28を用いた場合であっても、上記第1変形例と同様にして、図6に示すように、ヒートパイプ27およびヒートパイプ28は、ハブHおよびディスクロータ11の露出部分から回収した摩擦熱(熱エネルギー)を電力回収部30の熱電変換部31まで熱輸送(伝熱)する。これにより、上記第1実施形態と同様に、熱電変換部31の加熱面31aが加熱され、冷却面31bが冷却水路32によって冷却されるため、熱電変換部31は回生電力を発電することができる。したがって、この場合においても、上記第1実施形態と同様の効果が得られる。
なお、この場合においても、ヒートパイプ28は、図7に示すように、進行方向(ディスクロータ11の回転方向)に対してブレーキキャリパ12の後方となるトレーリング側近傍に一端側が位置するように組み付けられる。これにより、ヒートパイプ28は、制動に伴い発生したより高温の摩擦熱(熱エネルギー)を受熱(吸熱)することができ、ヒートパイプ28の熱輸送効率を向上させることができる。また、この場合においても、上記第1実施形態において説明した伝熱部材24をヒートパイプ27およびヒートパイプ28に熱的に接続して、摩擦熱(熱エネルギー)を電力回収部30の熱電変換部31まで伝熱するようにしてもよい。
また、上記第1変形例においては、図8および図9に示すように、ディスクロータ11の露出部分に設けられて、ヒートパイプ25およびヒートパイプ26を覆うカバー部材Cをさらに設けて実施することも可能である。ここで、カバー部材Cは、制動により発生した摩擦熱(熱エネルギー)がディスクロータ11の露出部分から外気中に放熱されることを防止する断熱材やディスクロータ11の露出部分から電磁波(遠赤外線)として放熱(あるいは輻射)される摩擦熱(熱エネルギー)を反射する熱反射材などから成形される。なお、この場合、カバー部材Cとして、断熱材および熱反射材の両方を備えるように成形することも可能である。
このように、ヒートパイプ25およびヒートパイプ26をカバー部材Cによって覆うことにより、ヒートパイプ25およびヒートパイプ26による熱輸送量が増加して熱回収効率を向上させることができる。これにより、電力回収部30における熱電変換部31の加熱面31aがより加熱されるため、熱電変換部31はより効率よく回生電力を発電することができる。したがって、この場合においても、上記第1実施形態と同様の効果が得られる。
上記第1実施形態においては、第1受熱部材22および第2受熱部材23によって吸熱されて回収された摩擦熱(熱エネルギー)が伝熱部材24を介して、直接、電力回収部30における熱電変換部31の加熱面31aを加熱するように実施した。また、上記第1変形例においては、ヒートパイプ25およびヒートパイプ26が、直接、電力回収部30における熱電変換部31の加熱面31aを加熱するように実施した。
これらの場合、図10に示すように、熱容量の大きな蓄熱部材29を設け、この蓄熱部材29に対して伝熱部材24、または、ヒートパイプ25およびヒートパイプ26が摩擦熱(熱エネルギー)を伝熱(熱輸送)するように実施することも可能である。このように構成した場合、電力回収部30における熱電変換部31の加熱面31aは、蓄熱部材29に蓄熱された摩擦熱(熱エネルギー)によって加熱される。この場合、蓄熱部材29の熱容量が大きいため、伝熱部材24によって伝熱される熱量、または、ヒートパイプ25およびヒートパイプ26によって熱輸送される熱量の変動を吸収することができる。したがって、熱電変換部31の加熱面31aを加熱する熱量(すなわち加熱面31aに供給される熱量)を安定させることができ、その結果、熱電変換部31は安定して回生電力を発電することができる。また、熱容量の大きな蓄熱部材29を設けることにより、上記第1実施形態および第1変形例の場合に比して、ディスクロータ11の熱容量を小さくすることもできる。これにより、ディスクロータ11の重量や厚みを小さくすることができ、所謂、ばね下重量を低減することができる。
また、上記第1実施形態および第1変形例においては、熱回収部20が制動に伴い発生した摩擦熱(熱エネルギー)を電力回収部30に伝熱するように実施した。この場合、図11に示すように、電力回収部30の熱電変換部31を制動部10に固定して設けられたダストカバーに組み付けて、熱電変換部31の加熱面31aがディスクロータ11から、直接、摩擦熱(熱エネルギー)を吸熱して(回収して)加熱されるように実施することも可能である。この場合、熱電変換部31の冷却面31bはダストカバーに接触しているため、例えば、走行風などによってダストカバーが冷却されることにより、冷却面31bは適切に冷却される。また、この場合、図12に示すように、冷却水路32がダストカバーを冷却することにより、熱電変換部31の冷却面31bを冷却するように実施することも可能である。さらに、この場合、図13に示すように、ヒートシンク35がダストカバーを冷却するように実施することも可能である。この場合においても、上記第1実施形態と同様の効果が期待できる。なお、回転しないダストカバーに熱電変換部31を組み付けることにより、熱電変換部31によって発電された回生電力を図示省略の変圧回路33に出力するためのワイヤハーネスなどの取り回しが容易となる。
c.第2実施形態
上記第1実施形態および第1変形例においては、熱回収部20が、ディスクロータ11の露出部分から放熱される摩擦熱(熱エネルギー)を直接的に吸熱(受熱)して回収し、この回収した摩擦熱(熱エネルギー)によって熱電変換部31の加熱面31aを加熱するように実施した。この場合、制動部10による制動に伴って発生して、少なくともディスクロータ11の露出部分から放熱される摩擦熱(熱エネルギー)を吸熱して温度変化する媒体が有する熱エネルギーを回収し、この回収した熱エネルギーによって電力回収部30における熱電変換部31の加熱面31aを加熱するように実施することも可能である。以下、この第2実施形態を説明するが、上記第1実施形態と同一部分に同一の符号を付し、その説明を省略する。
上記第1実施形態および第1変形例においては、熱回収部20が、ディスクロータ11の露出部分から放熱される摩擦熱(熱エネルギー)を直接的に吸熱(受熱)して回収し、この回収した摩擦熱(熱エネルギー)によって熱電変換部31の加熱面31aを加熱するように実施した。この場合、制動部10による制動に伴って発生して、少なくともディスクロータ11の露出部分から放熱される摩擦熱(熱エネルギー)を吸熱して温度変化する媒体が有する熱エネルギーを回収し、この回収した熱エネルギーによって電力回収部30における熱電変換部31の加熱面31aを加熱するように実施することも可能である。以下、この第2実施形態を説明するが、上記第1実施形態と同一部分に同一の符号を付し、その説明を省略する。
この第2実施形態においては、制動部10による制動に伴って発生して、少なくともディスクロータ11の露出部分から放熱される摩擦熱(熱エネルギー)を吸熱して温度変化する媒体として、ディスクロータ11の露出部分の周囲に存在する空気を用いる。このため、この第2変形例においては、少なくとも、ディスクロータ11の露出部分の周囲に存在する空気を制動に伴って発生する摩擦熱により速やかに温度上昇させる。以下、このことを具体的に説明する。
一般的に、車両が走行しているときには、車両のタイヤホイールの車外側表面が負圧となる。また、車両が走行しているときには、車両のホイールハウスの周辺も負圧となる。このため、ディスクロータ11の露出部分を含む周囲に存在する空気は、タイヤホイールに設けられた通風孔やホイールハウスから車幅方向にて車外に向けて吸い出される。このように、通常は、ディスクロータ11の露出部分を含む周囲に存在する空気が車外に向けて流れることにより、ディスクロータ11およびブレーキキャリパ12が適切に冷却されるため、制動性能を適切に確保することができる。
ところで、この第2実施形態においては、少なくとも、ディスクロータ11の露出部分の周囲に存在する空気を制動に伴って発生する摩擦熱により速やかに温度上昇させるために、車幅方向にて上述した空気の車外への吸い出しを抑制する。具体的には、空気がタイヤホイールに設けられた通風孔から車外に吸い出されることを抑制するために、図14(a)に概略的に示すように、タイヤホイールに設けられた通風孔を塞ぐためのキャップを装着する。また、空気がホイールハウスから車外に吸い出されることを抑制するために、図14(b)に概略的に示すように、車両のフェンダー部分を車体外側に盛り上げる(所謂、オーバーフェンダー化する)。これにより、ホイールハウス周辺の空気の流れに剥離域が生成され、負圧の流れが生じないようにする。あるいは、空気がホイールハウスから車外に吸い出されることを抑制するために、図14(c)に概略的に示すように、ホイールハウスを覆うホイールハウスカバーを設ける。なお、このようにホイールハウスカバーを設ける場合には、車輪の転舵動作に対してホイールハウスカバーが追従して動くようにしておく。ここで、図14(a)に示したキャップ、図14(b)に示した盛り上げられたフェンダーおよび図14(c)に示したホイールハウスカバーが本発明の吸い出し抑制手段に対応する。
このように、空気が車外に吸い出されることを抑制することにより、少なくとも、ディスクロータ11の露出部分の周囲に存在する空気を制動に伴って発生する摩擦熱により速やかに温度上昇させることができる。また、一方で、上述した空気の車外への吸い出しを抑制することによって、走行時の車両に対する空気抵抗を低減することができるため、燃費を向上させることができる。なお、このようにディスクロータ11の露出部分の周囲に存在する空気が車外に吸い出されることを抑制する場合、ディスクロータ11およびブレーキキャリパ12の適切な冷却が損なわれる可能性がある。このため、例えば、車両のフロアー下を流れる空気をディスクロータ11の露出部分の周囲に供給したり、あるいは、別途設けたファンにより車外から取り入れた空気をディスクロータ11の露出部分の周囲に供給し、この供給された空気を摩擦熱により速やかに温度上昇させることにより、ディスクロータ11およびブレーキキャリパ12を適切に冷却することができる。これにより、制動性能を適切に確保することができる。
次に、摩擦熱により速やかに温度上昇させた空気から熱(熱エネルギー)を吸熱して回収し、回生電力を発電する点を説明する。この第2実施形態においては、図15に示すように、電力回収部30は、ディスクロータ11の露出部分の近傍に配置されており、温度上昇した高温空気を導通させるダクト状に形成されて、例えば車両のアンダーボデーに固定された熱電変換部31の内部に設けられた複数の熱交換器36を備えている。熱交換器36は、周知の熱交換方法により、高温空気から熱(熱エネルギー)を吸熱して回収する。なお、この第2実施形態においては、熱交換器36が本発明の熱回収手段に対応する。そして、熱交換器36は、この回収した熱(熱エネルギー)を熱電変換部31の内面に伝熱する。このため、この第2実施形態においては、熱電変換部31の内面が加熱面31aとなる。
また、この第2実施形態における電力回収部30は、ダクト状に形成された熱電変換部31の外面を冷却するための水噴霧装置37を備えている。このため、この第2変形例においては、熱電変換部31の外面が冷却面31bとなる。水噴霧装置37は、例えば車両のアンダーボデーに固定されており、冷媒としての水や所定物質の水溶液を噴霧または循環させることにより、熱電変換部31の冷却面31bを冷却する。
このように構成された電力回収部30においては、ディスクロータ11の露出部分から放熱される摩擦熱(熱エネルギー)を吸熱した高温空気が、例えば、フロアー下の空気の流れやファンの作動に伴って、熱電変換部31に優先的に導入されると、高温空気によって加熱面31aが加熱されるとともに熱交換器36から伝熱される熱(熱エネルギー)によって加熱面31aが加熱される。なお、熱交換器36による熱交換により、高温空気は、熱電変換部31を通過すると、低温空気となり、例えば、フロアー下を流れる空気によって車外に向けて流れる。一方、熱電変換部31の冷却面31bは水噴霧装置37によって噴霧される冷媒により適切に冷却される。したがって、この第2実施形態においては、制動に伴って発生した摩擦熱(熱エネルギー)を、空気を媒体として吸熱して回収することにより、熱電変換部31が加熱面31aと冷却面31bとの温度差に応じて回生電力を発電することができる。したがって、上記第1実施形態と同様の効果が得られる。
d.第2実施形態の第1変形例
上記第2実施形態においては、制動部10による制動に伴って発生して、少なくともディスクロータ11の露出部分から放熱される摩擦熱(熱エネルギー)を吸熱して温度変化する媒体として、少なくとも、ディスクロータ11の露出部分の周囲に存在する空気を用いて実施した。この場合、制動部10による制動に伴って発生して、少なくともディスクロータ11の露出部分から放熱される摩擦熱(熱エネルギー)を吸熱して温度変化する媒体として、ディスクロータ11の露出部分から放熱された摩擦熱(熱エネルギー)を吸熱することにより加熱される冷媒(水または所定物質の水溶液)を用いて実施することも可能である。以下、この第1変形例を説明するが、上記第2実施形態と同一部分に同一の符号を付し、その説明を省略する。
上記第2実施形態においては、制動部10による制動に伴って発生して、少なくともディスクロータ11の露出部分から放熱される摩擦熱(熱エネルギー)を吸熱して温度変化する媒体として、少なくとも、ディスクロータ11の露出部分の周囲に存在する空気を用いて実施した。この場合、制動部10による制動に伴って発生して、少なくともディスクロータ11の露出部分から放熱される摩擦熱(熱エネルギー)を吸熱して温度変化する媒体として、ディスクロータ11の露出部分から放熱された摩擦熱(熱エネルギー)を吸熱することにより加熱される冷媒(水または所定物質の水溶液)を用いて実施することも可能である。以下、この第1変形例を説明するが、上記第2実施形態と同一部分に同一の符号を付し、その説明を省略する。
この第1変形例においては、図16に概略的に示すように、水噴霧装置37が摩擦熱の発生により高温となったディスクロータ11の露出部分に対して冷媒を吹き付けるように変更される。なお、水噴霧装置37は、例えば、車両が停止しているときに、ディスクロータ11の露出部分に対して冷媒を吹き付けるとよい。そして、吹き付けられた冷媒は、ディスクロータ11の露出部分を冷却し、言い換えれば、ディスクロータ11のの露出部分にて摩擦熱(熱エネルギー)を吸熱して回収し、高温となって冷媒回収容器38に溜められる。すなわち、冷媒回収容器38は、高温となった冷媒を溜めることにより、回収した熱(熱エネルギー)を蓄熱する。なお、冷媒の吹き付けにより、少なくとも、ディスクロータ11の露出部分が冷却されることに伴い、冷媒回収容器38は、ディスクロータ11の全体を覆うように実施することも可能である。この場合、冷媒回収容器38内に水噴霧装置37が収容される。
このように、冷媒回収容器38に溜められた高温の冷媒は、ポンプによって熱電変換部31の加熱面31aに供給される。これにより、熱電変換部31の加熱面31aが加熱され、冷却面31bが冷却水路32によって冷却される。したがって、この場合においても、制動に伴って発生した摩擦熱(熱エネルギー)を、冷媒を媒体として吸熱して回収することにより、熱電変換部31が加熱面31aと冷却面31bとの温度差に応じて回生電力を発電することができるため、上記第1実施形態と同様の効果が得られる。
本発明の実施にあたっては、上記各実施形態および各変形例に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。
例えば、上記各実施形態および各変形例においては、ディスクロータ11とブレーキキャリパ12とを備えて摩擦力によって回転する車輪Wを制動する制動部10を採用して実施した。そして、この場合には、制動に伴って発生する摩擦熱(熱エネルギー)を吸熱して回収し、この回収した熱エネルギーを電気エネルギーに変換するように実施した。
しかし、制動部として、摩擦力によって回転する車輪Wを制動するもの以外のものを採用することも可能である。例えば、電動モータを電気的に制御することによって、回転する車輪Wを制動する制動部を採用して実施することも可能である。この場合においては、例えば、タイヤホイール内に設けられた電動モータ(所謂、インホイールモータ)は、電気的な制御により、車輪Wに対して駆動力を付与したり、制動力を付与したりする。そして、電動モータは、このような駆動力および制動力の付与に伴って発熱する。このため、代表して上記第1実施形態に基づけば、例えば、電動モータのモータハウジングに対して放熱部材21を組み付けておき、この放熱部材21に対向して第1受熱部材22(第2受熱部材23)を配置させることができる。あるいは、電動モータのモータハウジングに対して直接第1受熱部材22(第2受熱部材23)を組み付けることができる。
これにより、第1受熱部材22(第2受熱部材23)は、電動モータの作動に伴って発生する熱(熱エネルギー)を吸熱して回収することができる。そして、伝熱部材24によって、この回収した熱(熱エネルギー)を電力回収部30における熱電変換部31の加熱面31aに伝熱させることにより、回生電力を発電することができる。また、電動モータの作動に伴って発生する熱(熱エネルギー)を吸熱して回収することにより、電動モータを冷却することもできる。なお、電動モータ以外の装置からも熱(熱エネルギー)を吸熱して回収し、この回収した熱エネルギーを電気エネルギーに変換するように実施可能であることはいうまでもない。
10…制動部、11…ディスクロータ、12…ブレーキキャリパ、20…熱回収部、21…放熱部材、22…第1受熱部材、23…第2受熱部材、24…伝熱部材、25,26,27,28…ヒートパイプ、29…蓄熱部材、30…電力回収部、31…熱電変換部、31a…加熱面、31b…冷却面、32…冷却水路、32a…ラジエータ、33…変圧回路、34…バッテリ、35…ヒートシンク、36…熱交換器、37…水噴霧装置、38…冷媒回収容器、S…車両用制動装置、W…車輪、H…ハブ、N…ナックル
Claims (15)
- 車両の車輪と一体的に回転するディスクロータとこのディスクロータにブレーキパッドを圧着させるブレーキキャリパとを有し、車両の前記車輪に対して前記ディスクロータと前記ブレーキパッドとの摩擦による制動力を付与するとともにこの制動力の付与に伴って発生する熱エネルギーを回収する車両用制動装置において、
前記ディスクロータのうち、前記ブレーキキャリパによって覆われない露出部分の近傍に配置されて、前記ディスクロータと前記ブレーキパッドとの摩擦によって発生して前記ディスクロータの露出部分から放熱される熱エネルギーを吸熱して回収する熱回収手段と、
前記熱回収手段によって回収された熱エネルギーを電気エネルギーに変換して回収する電力回収手段とを備えたことを特徴とする車両用制動装置。 - 請求項1に記載した車両用制動装置において、
前記熱回収手段を、
前記ディスクロータの露出部分に近接して配置され、前記摩擦によって発生して前記ディスクロータから放熱される熱エネルギーを吸熱して回収する吸熱手段と、
前記吸熱手段によって吸熱して回収された熱エネルギーを前記電力回収手段に伝熱する伝熱手段とで構成したことを特徴とする車両用制動装置。 - 請求項2に記載した車両用制動装置において、
前記吸熱手段を、
前記ディスクロータを回転可能に支持する支持部材に設けられ、前記摩擦によって発生して前記ディスクロータから前記支持部材に伝熱する熱エネルギーを吸熱するとともに放熱する放熱手段と、
前記放熱手段に対向して配置され、前記放熱手段によって放熱された熱エネルギーを吸熱して回収する第1受熱手段と、
前記ディスクロータの露出部分に対向して配置され、前記摩擦によって発生して前記ディスクロータの露出部分から放熱される熱エネルギーを吸熱して回収する第2受熱手段とから構成し、
前記伝熱手段が前記第1受熱手段および前記第2受熱手段によって吸熱して回収された熱エネルギーを前記電力回収手段に伝熱することを特徴とする車両用制動装置。 - 請求項3に記載した車両用制動装置において、
前記第2受熱手段は、
前記ディスクロータの露出部分のうち、少なくとも、前記ブレーキパッドと摩擦する摩擦摺動面を覆い、前記摩擦によって発生して前記ディスクロータから放熱される熱エネルギーを吸熱して回収することを特徴とする車両用制動装置。 - 請求項2に記載した車両用制動装置において、
前記熱回収手段が、
一端側が前記ディスクロータの露出部分に近接して配置され、この一端側にて前記摩擦によって発生して前記ディスクロータの露出部分から放熱される熱エネルギーを吸熱して回収し、他端側が前記電力回収手段に連結され、前記一端側にて吸熱して回収された熱エネルギーを前記電力回収手段に伝熱する伝熱素子であることを特徴とする車両用制動装置。 - 請求項5に記載した車両用制動装置において、
前記伝熱素子の一端側を、前記ディスクロータの回転方向に対して前記ブレーキキャリパの後方となるトレーリング側に配置したことを特徴とする車両用制動装置。 - 請求項5または請求項6に記載した車両用制動装置において、
前記伝熱素子を内包して前記ディスクロータの露出部分を覆うカバー部材を設けたことを特徴とする車両用制動装置。 - 請求項7に記載した車両用制動装置において、
前記カバー部材は、
前記摩擦によって発生して前記ディスクロータの露出部分から放熱される熱エネルギーが外気中に放熱されることを防止する断熱特性および前記摩擦によって発生して前記ディスクロータの露出部分から放熱される熱エネルギーを反射する反射特性のうちの少なくとも一方の特性を有することを特徴とする車両用制動装置。 - 請求項1に記載した車両用制動装置において、
前記熱回収手段が、
前記ディスクロータと前記ブレーキパッドとの摩擦によって発生して、少なくとも前記ディスクロータの露出部分から放熱される熱エネルギーを吸熱して温度変化する媒体の有する熱エネルギーを回収することを特徴とする車両用制動装置。 - 請求項9に記載した車両用制動装置において、
前記媒体が、少なくとも、
前記ディスクロータの露出部分の周囲に存在する空気であることを特徴とする車両用制動装置。 - 請求項10に記載した車両用制動装置において、さらに、
少なくとも、前記ディスクロータの露出部分の周囲に存在する空気が車両の車幅方向にて車外に吸い出されることを抑制する吸い出し抑制手段を設けたことを特徴とする車両用制動装置。 - 請求項9に記載した車両用制動装置において、
前記媒体が、
前記ディスクロータの露出部分に吹き付けられて前記摩擦によって発生する熱エネルギーを吸熱して前記ディスクロータを冷却する冷媒であることを特徴とする車両用制動装置。 - 請求項1ないし請求項12のうちのいずれか一つに記載した車両用制動装置において、
前記熱回収手段が、さらに、
前記吸熱して回収された熱エネルギーを蓄熱する蓄熱手段を備え、
前記電力回収手段は、
前記蓄熱手段に蓄熱された熱エネルギーを電気エネルギーに変換して回収することを特徴とする車両用制動装置。 - 請求項1に記載した車両用制動装置において、
前記電力回収手段は、
一面側が前記回収された熱エネルギーによって加熱されるとともに他面側が冷却されて、前記一面側と前記他面側との温度差に応じて前記熱エネルギーを前記電気エネルギーに変換する熱電変換素子であることを特徴とする車両用制動装置。 - 請求項1に記載した車両用制動装置において、
前記電力回収手段は、
前記熱エネルギーから変換した前記電気エネルギーを電力として蓄電する蓄電手段を備えたことを特徴とする車両用制動装置。
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