[go: up one dir, main page]

JP2011091365A - 配線構造およびその製造方法、並びに配線構造を備えた表示装置 - Google Patents

配線構造およびその製造方法、並びに配線構造を備えた表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2011091365A
JP2011091365A JP2010168598A JP2010168598A JP2011091365A JP 2011091365 A JP2011091365 A JP 2011091365A JP 2010168598 A JP2010168598 A JP 2010168598A JP 2010168598 A JP2010168598 A JP 2010168598A JP 2011091365 A JP2011091365 A JP 2011091365A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
wiring structure
oxide semiconductor
oxide
semiconductor layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2010168598A
Other languages
English (en)
Inventor
Yumi Iwanari
裕美 岩成
Yasushi Goto
裕史 後藤
Takayuki Hirano
貴之 平野
Takeaki Maeda
剛彰 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2010168598A priority Critical patent/JP2011091365A/ja
Publication of JP2011091365A publication Critical patent/JP2011091365A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrodes Of Semiconductors (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
  • Internal Circuitry In Semiconductor Integrated Circuit Devices (AREA)
  • Thin Film Transistor (AREA)

Abstract

【課題】薄膜トランジスタの酸化物半導体層の下にソース−ドレイン電極などの金属電極を構成する膜が形成された新規な配線構造であっって、特に、酸化物半導体層との低い電気抵抗を、再現性良く確実に実現可能な配線構造を提供する。
【解決手段】基板の上に、基板側から順に、絶縁膜と、Cu膜と、薄膜トランジスタの半導体層と、を備えた配線構造であって、前記半導体層は酸化物半導体からなる。
【選択図】なし

Description

本発明は、基板側から順に、絶縁膜と、Cu膜と、薄膜トランジスタの半導体層と、を備えた配線構造であって、当該半導体層が酸化物半導体からなる酸化物半導体層で構成されている配線構造、およびその製造方法;並びに当該配線構造を備えた表示装置に関するものである。本発明の配線構造は、例えば液晶ディスプレイ(液晶表示装置)や有機ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイに代表的に用いられる。以下では、液晶表示装置を代表的に取り上げ、説明するがこれに限定する趣旨ではない。
小型の携帯電話から、30インチを超す大型のテレビに至るまで様々な分野に用いられる液晶表示装置は、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下「TFT」と呼ぶ。)をスイッチング素子とし、画素電極を構成する透明導電膜(酸化物導電膜)と、ゲート配線およびソース−ドレイン配線等の配線部と、アモルファスシリコン(a−Si)や多結晶シリコン(p−Si)などのSi半導体層を備えたTFT基板と、TFT基板に対して所定の間隔をおいて対向して配置され共通電極を備えた対向基板と、TFT基板と対向基板との間に充填された液晶層と、から構成されている。
液晶表示装置などに代表される表示装置では、ゲート配線やソース−ドレイン配線などの配線材料として、電気抵抗が比較的小さく微細加工が容易な純AlまたはAl−NdなどのAl系合金が多く用いられている。しかし、表示装置の大型化および高画質化が進むにつれて、配線抵抗が大きいことに起因する信号遅延および電力損失といった問題が顕在化している。そのため、配線材料として、Alよりも低抵抗である銅(Cu)が注目されている。Al薄膜の電気抵抗率は3.0×10-6Ω・cmであるのに対し、Cu薄膜の電気抵抗率は2.0×10-6Ω・cmと低い。
しかし、Cuは、ガラス基板やその上に成膜される絶縁膜(ゲート絶縁膜など)との密着性が低く、剥離するという問題がある。また、Cuは、ガラス基板などとの密着性が低いために、配線形状に加工するためのウェットエッチングやドライエッチングが困難であるという問題がある。そこで、Cuとガラス基板との密着性を向上させるため、例えば特許文献1〜3には、Cu配線とガラス基板との間に、モリブデン(Mo)やクロム(Cr)などの高融点金属層を介在させて密着性の向上を図る技術が開示されている。
ところで、現在、液晶用TFTの半導体層には、上述したようにa−Siが多く用いられている。しかし、次世代ディスプレイには、大型・高解像度・高速駆動が求められており、従来のa−Siではキャリア移動度が低いため、この要求スペックを満たすことができない。そこで近年、酸化物半導体が注目されている。酸化物半導体は、a−Siと比較して、高いキャリア移動度を有している。更に酸化物半導体は、スパッタリング法によって低温で大面積に形成できるため、耐熱性の低い樹脂基板なども使用でき、その結果、フレキシブルディスプレイの実現が可能である。
このような酸化物半導体を半導体デバイスに用いた例として、例えば特許文献1には、酸化亜鉛(ZnO)、酸化カドミウム(CdO);酸化亜鉛(ZnO)に、IIB元素、IIA元素、もしくはVIB元素を加えた化合物、または混合物のうちのいずれかを用い、3d遷移金属元素、または希土類元素、または透明半導体の透明性を失わせずに高抵抗にする不純物をドープしたものが用いられている。酸化物半導体のなかでも、In、Ga、Zn、Snよりなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む酸化物(IGZO、ZTO、IZO、ITO、ZnO、AZTO、GZTO)は、非常に高いキャリア移動度を有するため、好ましく用いられている。
一方、酸化物半導体層を備えたTFT基板の配線構造に着目すると、現在、TFTの構造として、図2に示す配線構造(以下、説明の便宜上、従来構造と呼ぶ場合がある。)が汎用されている。図2では、基板側から順に、ゲート電極、ゲート絶縁膜、酸化物半導体膜、ソース−ドレイン電極が構成され、IGZOの上層にソース−ドレイン電極などの金属電極が形成されている。特許文献4に記載の半導体デバイスも、この従来構造を備えている。図2には、ゲート電極が下側にある「ボトムゲート型」の例を示しているが、ゲート電極が上側にある「トップゲート型」も包含される。また、酸化物半導体を用いる場合は、ゲート絶縁膜として、窒化シリコン膜ではなく酸化シリコンや酸窒化シリコンが多く用いられる。酸化物半導体は、還元雰囲気下ではその優れた特性が失われるため、酸化性雰囲気下で成膜可能な酸化シリコン(酸窒化シリコン)の使用が推奨されるからである。
しかし、IGZOなどの酸化物半導体を用いた従来構造のTFT基板は、以下の問題を抱えている。第1に、IGZOの上層に形成されたソース−ドレイン電極などの金属電極(Cu系配線材料)を、酸系のエッチング液などを用いてウェットエッチングして配線パターンを形成する際、IGZOとCu系配線材料とのエッチング選択比がない(換言すると、上層のCu系配線材料のみ選択的にエッチングし、下層のIGZOまではエッチングしないというエッチング選択性が小さい)ため、エッチングにより下のIGZOまでダメージを受けてしまうという問題がある。この対策として、例えば、IGZOのチャネル層上に保護層としてエッチストッパ層を設ける方法が提案されているが、工程が複雑となり、生産コストの上昇をもたらす。第2に、上記の従来構造では、約250℃以上の熱履歴を受けるとソースドレイン電極と酸化物半導体との間のコンタクト抵抗が上昇するという問題がある。
そこで最近、図2の従来構造とは酸化物半導体膜とソース−ドレイン電極の順番が逆転した、図1に示す配線構造(図2の従来構造と区別するため、説明の便宜上、本発明構造と呼ぶ場合がある。)が提案されている(例えば、非特許文献1)。これは、基板側から順に、ゲート電極、ゲート絶縁膜、ソース−ドレイン電極、酸化物半導体膜が形成された構造を有している。図1に示すように、酸化物半導体と画素電極を構成する透明導電膜(図中、ITO)は、ソース−ドレインを構成する配線材料と略同一平面上にある。図1には、ゲート電極が下側にある「ボトムゲート型」の例を示しているが、前述した図2に示す従来構造と同様、ゲート電極が上側にある「トップゲート型」も包含される。
図1に示す本発明構造を採用すれば、前述した図2の従来構造が抱える問題点を解消できると考えられる。しかし、上記の非特許文献1には、ソース−ドレイン配線の配線材料としてAlを用い、その上・下にTiを介在させた配線構造が開示されており、Alよりも電気抵抗率が低いCuを配線材料として用いた本発明構造は、これまで開示されていない。
特開平8−8498号公報 特開平8−138461号公報 特開2002−76356号公報 特開平7−66423号公報
Takeshi Osadaら、「Development of Driver−Integrated Panel using Amorphous In−Ga−Zn−Oxide TFT」、THE PROCEEDING OF AM−FPD ’09、p.33−36、July 1−3,2009
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、薄膜トランジスタの酸化物半導体層の下にソース−ドレイン電極などの金属電極を構成する膜が形成された新規な配線構造であっって、特に、酸化物半導体層との低い電気抵抗を、再現性良く確実に実現可能な配線構造、およびその製造方法、並びに当該配線構造を備えた表示装置を提供することにある。
上記課題を解決し得た本発明の配線構造は、基板の上に、基板側から順に、絶縁膜と、Cu膜と、薄膜トランジスタの半導体層と、を備えた配線構造であって、前記半導体層は酸化物半導体からなるところに要旨を有している。
好ましい実施形態において、前記Cu膜は、前記半導体層と直接接続する同一平面で、画素電極を構成する透明導電膜と直接接続するものである。
好ましい実施形態において、前記酸化物半導体は、In、Ga、Zn、Ti、およびSnよりなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む酸化物からなるものである。
好ましい実施形態において、前記絶縁膜は、酸化シリコンおよび/または酸窒化シリコンから構成されている。
好ましい実施形態において、前記透明導電膜は、In、Ga、Zn、およびSnよりなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む酸化物からなるものである。
本発明には、上記の配線構造を備えた表示装置も包含される。
また、上記課題を解決し得た上記配線構造の製造方法は、Cu膜を成膜し、成膜後に300℃超450℃以下の温度で5分間以上加熱するところに要旨を有するものである。
本発明の配線構造は上記のように構成されているため、Cu膜と、その上に形成された酸化物半導体層との低いコンタクト抵抗を、再現性良く確実に確保することができる。
図1は、本発明の代表的な配線構造を示す概略断面説明図である。 図2は、従来の配線構造を示す概略断面説明図である。 図3は、実施例において、IGZO、ZTOとのコンタクト抵抗率の測定に用いた電極パターンを示す図である。 図4は、表1のNo.4(熱処理温度350℃)について、熱処理後のTEM写真(倍率150万倍)である。 図5は、実施例において、ITO、又はIZOとのコンタクト抵抗率の測定に用いた電極パターンを示す図である。
本発明の配線構造は、基板側から順に、酸化シリコンや酸窒化シリコンなどから主に構成されている絶縁膜と、Cu膜と、薄膜トランジスタの酸化物半導体層と、を備えている。本発明では、前述した非特許文献1(ソース−ドレイン電極用にAl材料を使用)と異なり、電気抵抗率の低いCuをソース−ドレイン電極用材料として用いているため、膜自体の電気抵抗も低く、酸化物半導体層や画素電極を構成する透明導電膜とのコンタクト抵抗も低く抑えられる。特に本発明では、Cu膜成膜後の加熱温度を所定範囲に制御しているため、酸化物半導体層との低いコンタクト抵抗を、再現性良く確実に確保することができるようになった。
本明細書において「Cu膜」とは、純Cuで構成された膜を意味し、純Cuとは、Cuの含有量がおおむね、99%以上のものを意味する。上記要件を満足する限り、純Cuは、例えば、Feおよび/またはCoを合計(単独の場合は単独の量)で、0.02〜1.0原子%の範囲で含有しても良い。
上記のCu膜は、好ましくは酸化物半導体層と直接接続されている。
上記のCu膜は、好ましくは画素電極を構成する透明導電膜(代表的にはITOやIZOなど)と直接接続されている(図1を参照)。
以下、前述した図1を参照しながら、本発明の配線構造およびその製造方法の好ましい実施形態を説明するが、本発明はこれに限定されない。なお、図1では、ボトムゲート型の例を示しているが、これに限定されず、トップゲート型も含まれる。また、図1では、酸化物半導体層の代表例としてIGZOを用いているが、これに限定されず、液晶表示装置などの表示装置に用いられる酸化物半導体をすべて用いることができる。
図1に示すTFT基板は、基板側から順に、ゲート電極、ゲート絶縁膜(図ではSiO2)、ソース電極・ドレイン電極、チャネル層(酸化物半導体層、図ではIGZO)、保護層(図ではSiO2)を順次積層した配線構造(ボトムゲート型)を有している。ゲート電極や、ソース電極・ドレイン電極を構成する配線膜は、Cuで構成されている。ここで、図1の保護層は酸窒化シリコンであっても良く、同様に、ゲート絶縁膜は酸窒化シリコンであっても良い。前述したように、酸化物半導体は、還元雰囲気下ではその優れた特性が失われるため、酸化性雰囲気下で成膜可能な酸化シリコン(酸窒化シリコン)の使用が推奨されるからである。あるいは、保護層またはゲート絶縁膜のいずれか一方は窒化シリコンであっても良い。
図1において、ソース電極・ドレイン電極を構成するCu膜は、MoやCrなどの高融点金属を介して、基板および/または絶縁膜と接触しているため、これらとの密着性が向上する。一方、上記のCu膜は、酸化物半導体層と直接接続されている。本発明によれば、Alに比べて電気抵抗率が低く、酸化物半導体層および/または画素電極を構成する透明導電膜とのコンタクト抵抗も低く抑えられるという、Cu本来の特性が発揮される。更に本発明では、Cu成膜後の加熱処理を、おおむね、300℃超450℃以下の範囲内に制御しているため、Cu膜と酸化物半導体層との低いコンタクト抵抗を、再現性良く確実に確保することができる。後記する実施例で実証したように、300℃以下の温度で加熱処理を行なうと、酸化物半導体層とのコンタクト抵抗にバラツキが生じることが判明した。
本発明に用いられる酸化物半導体層としては、液晶表示装置などに用いられる酸化物半導体であれば特に限定されず、例えば、In、Ga、Zn、Ti、およびSnよりなる群から選択される少なくとも1種以上の元素を含む酸化物からなるものが用いられる。具体的には上記酸化物として、In酸化物、In−Sn酸化物、In−Zn酸化物、In−Sn−Zn酸化物、In−Ga酸化物、Zn−Sn酸化物、Zn−Ga酸化物、In−Ga−Zn酸化物、Zn酸化物、Ti酸化物等の透明酸化物やZn−Sn酸化物にAlやGaをドーピングしたAZTO、GZTOが挙げられる。
また、画素電極を構成する透明導電膜としては、液晶表示装置などに通常用いられる酸化物導電膜が挙げられ、例えば、In、Ga、Zn、およびSnよりなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む酸化物からなる導電膜が挙げられる。代表的には、アモルファスITOやpoly−ITO、IZO、ZnOなどが例示される。
また、ゲート絶縁膜などの絶縁膜や、酸化物半導体の上に形成される保護膜(以下、絶縁膜で代表させる場合がある。)は特に限定されず、通常用いられるもの、例えば、窒化シリコン、酸化シリコン、酸窒化シリコンなどが挙げられる。ただし、酸化物半導体の特性を有効に発揮させるという観点からすれば、酸性雰囲気下で成膜が可能な酸化シリコンや酸窒化シリコンの使用が好ましい。詳細には、上記絶縁膜は、酸化シリコンのみから構成されている必要は必ずしもなく、酸化物半導体の特性を有効に発揮させる程度の酸素を少なくとも含む絶縁性の膜であれば、本発明に用いることができる。例えば、酸化シリコンの表面のみが窒化されたものや、Siの表面のみが酸化されたものなどを用いても良い。絶縁膜が酸素を含んでいる場合、当該絶縁膜の厚さは、おおむね、0.17nm以上3nm以下であることが好ましい。また、酸素含絶縁膜中の酸素原子数([O])とSi原子数([Si])との比([O]/[Si])の最大値は、おおむね、0.3以上2.0以下の範囲内であることが好ましい。
基板は、液晶表示装置などに用いられるものであれば特に限定されない。代表的には、ガラス基板などに代表される透明基板が挙げられる。ガラス基板の材料は表示装置に用いられるものであれば特に限定されず、例えば、無アルカリガラス、高歪点ガラス、ソーダライムガラスなどが挙げられる。あるいは、フレキシブル樹脂フィルム、金属ホイルなどを用いることもできる。
上記配線構造を備えた表示装置を製造するにあたっては、本発明の規定を満たし、かつCu膜の熱処理・熱履歴条件を上述した推奨される条件とすること以外は、特に限定されず、表示装置の一般的な工程を採用すればよい。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって制限されず、上記・下記の趣旨に適合し得る範囲で適切に改変して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
(実施例1)
本実施例では、以下の方法によって作製した試料を用い、酸化物半導体(IGZO、ZTO)、および透明導電膜(ITOまたはIZO)とのコンタクト抵抗を測定した。特に本実施例では、Cu膜と酸化物半導体とのコンタクト抵抗は、Cu成膜後の加熱温度によって変動し、測定値にバラツキが生じること;よって、上記コンタクト抵抗を、再現性良く確実に低く抑えるためには、上記加熱温度を所定範囲に制御することが有効であることを実証する。また透明導電膜のコンタクト抵抗は、Cu成膜後の加熱温度によって酸化物半導体のように大きく変動しないことも実証する。
(試料の作製)
まず、ガラス基板(コーニング社製の Eagle2000、サイズは直径50.8mm×厚さ0.7mm)を用意し、プラズマCVDによってシリコン酸化膜(膜厚は300nm)を成膜した。シリコン酸化膜の成膜には、シランガスとN2Oを用いた。
次に、Moをスパッタリングターゲットに用い、上記の絶縁膜上にMo膜(膜厚20nm)を、DCマグネトロンスパッタリング法で成膜した。詳細には、スパッタリング装置として島津製作所製の商品名「HSM−552」を使用し、DCマグネトロンスパッタリング法[背圧:0.27×10-3Pa以下、雰囲気ガス:Ar、Arガス圧:2mTorr、Arガス流量:30sccm、スパッタパワー:DC260W、極間距離:50.4mm、基板温度:25℃(室温)]によってMoを成膜し、その上に純Cu膜を成膜して試料を得た。なお、純Cu膜の形成には、純Cuをスパッタリングターゲットに用いた。
(IGZOとのコンタクト抵抗の測定)
上記のようにして得られた試料に対し、フォトリソグラフィ、エッチングを順次施して図3に示す電極パターンを形成した後、CVD装置内の真空中で、表1に記載の種々の熱処理を施した。加熱時間は、いずれも5分間とした。
次に、IGZO膜(酸化物半導体)をスパッタリング法にて下記の条件で成膜し、フォトリソグラフィとパターンニングを行って80μm角のコンタクト部分が100個直列につながったコンタクトチェーンパターン(図3を参照)を形成した。図3において、CuおよびIGZOの線幅は80μmである。なお、本実施例では表に示すように2種類のIGZO膜を用いており、具体的にはIGZO膜用のスパッタリングターゲットとしては原子比で、In:Ga:Zn=1:1:1のターゲット、In:Ga:Zn=2:2:1のターゲットを用いた。
(酸化物半導体の成膜条件)
・雰囲気ガス=アルゴン
・圧力=5mTorr
・基板温度=25℃(室温)
・膜厚=100nm
上記コンタクトチェーンパターンの両端に配置されたパッドにプローブ針を接触させ、HP4156A半導体パラメータアナライザを用いて電圧−0.1V〜+0.1Vを印加し、2端子測定にてI−V特性を測定することによってコンタクトチェーン抵抗を求めた。
そして、コンタクト1個あたりのコンタクト抵抗値を算出し、単位面積あたりに換算してIGZOとのコンタクト抵抗率を求めた。測定は5回行い、その平均値を算出した。IGZOとのコンタクト抵抗の良否は下記基準で評価し、○を合格とした。
(判定基準)
○・・・コンタクト抵抗率が10-2Ωcm2未満
△・・・コンタクト抵抗率が10-2Ωcm2以上100Ωcm2以下
×・・・コンタクト抵抗率が100Ωcm2
(ZTOとのコンタクト抵抗の測定)
上記のようにして得られた試料に対し、フォトリソグラフィ、エッチングを順次施して図3に示す電極パターンを形成した後、CVD装置内の真空中で、表1に記載の種々の熱処理を施した。加熱時間は、いずれも5分間とした。
次に、ZTO膜(酸化物半導体)をスパッタリング法にて下記の条件で成膜し、フォトリソグラフィとパターンニングを行って80μm角のコンタクト部分が100個直列につながったコンタクトチェーンパターン(図3を参照)を形成した。図3において、CuおよびZTOの線幅は80μmである。ZTOのスパッタリングターゲットに用いた組成はZn:Sn=2:1のものを用いた。
(酸化物半導体の成膜条件)
・雰囲気ガス=アルゴン
・圧力=5mTorr
・基板温度=25℃(室温)
・膜厚=100nm
上記コンタクトチェーンパターンの両端に配置されたパッドにプローブ針を接触させ、HP4156A半導体パラメータアナライザを用いて電圧−0.1V〜+0.1Vを印加し、2端子測定にてI−V特性を測定することによってコンタクトチェーン抵抗を求めた。
そして、コンタクト1個あたりのコンタクト抵抗値を算出し、単位面積あたりに換算してZTOとのコンタクト抵抗率を求めた。測定は5回行い、その平均値を算出した。ZTOとのコンタクト抵抗の良否は下記基準で評価し、○を合格とした。
(判定基準)
○・・・コンタクト抵抗率が10-2Ωcm2未満
△・・・コンタクト抵抗率が10-2Ωcm2以上100Ωcm2以下
×・・・コンタクト抵抗率が100Ωcm2
(ITOとのコンタクト抵抗)
上記のようにして成膜した純Cu膜に対し、フォトリソグラフィ、エッチングを順次施して図5に示す電極パターンを形成した。次いで、CVD装置にて膜厚:300nmの窒化シリコン(SiNx)膜を形成した。このときの成膜温度は、表1に示すように200〜400℃で行った。また、成膜時間はいずれも、15分である。続いて、フォトリソグラフィとRIE(Reactive Ion Etching)装置でのエッチングを行って、窒化シリコン膜にコンタクトホールを形成した。
次いで、ITO膜(透明導電膜)をスパッタリング法にて下記の条件で成膜し、フォトリソグラフィとパターンニングを行って10μm角のコンタクト部分が50個直列につながったコンタクトチェーンパターン(図5を参照)を形成した。図5において、Cu合金およびITOの線幅は80μmである。
(ITO膜の成膜条件)
・雰囲気ガス=アルゴン
・圧力=0.8mTorr
・基板温度=25℃(室温)
・膜厚=200nm
上記コンタクトチェーンの全抵抗(コンタクト抵抗、接続抵抗)を、HEWLETT PACKARD 4156A及びAgilent Technologies 4156CのPrecision Semiconductor Parameter Analyzerを用いて、該コンタクトチェーンパターンの両端のパッド部にプローブを接触させ、2端子測定にてI−V特性を測定することによって求めた。そして、コンタクト1個に換算したコンタクト抵抗値を求め、下記基準で、ITOとのダイレクト接触抵抗(ITOとのコンタクト抵抗)の良否を判定した。本実施例では、○または△を合格とした。
(判定基準)
○・・・コンタクト抵抗率が10-2Ωcm2未満
△・・・コンタクト抵抗率が10-2Ωcm2以上100Ωcm2以下
×・・・コンタクト抵抗率が100Ωcm2
(IZOとのコンタクト抵抗)
上記ITOと同様にして、成膜した純Cu膜に対し、フォトグラフィ、エッチングを順次施して図5に示す電極パターンを形成すると共に、窒化シリコン(SiNx)膜を形成した。続いて、窒化シリコン膜にコンタクトホールを形成し、IZO(透明導電膜)をスパッタリング法にて下記の条件で成膜し、フォトリソグラフィとパターンニングを行って10μm角のコンタクト部分が50個直列につながったコンタクトチェーンパターン(図5を参照)を形成した。図5において、Cu合金およびIZOの線幅は80μmである。
(IZO膜の成膜条件)
・雰囲気ガス=アルゴン
・圧力=0.8mTorr
・基板温度=25℃(室温)
・膜厚=200nm
上記コンタクトチェーンの全抵抗(コンタクト抵抗、接続抵抗)を、上記ITO膜と同様にして求めた。そして、コンタクト1個に換算したコンタクト抵抗値を求め、下記基準で、IZOとのダイレクト接触抵抗(IZOとのコンタクト抵抗)の良否を判定した。本実施例では、○または△を合格とした。
(判定基準)
○・・・コンタクト抵抗率が10-2Ωcm2未満
△・・・コンタクト抵抗率が10-2Ωcm2以上100Ωcm2以下
×・・・コンタクト抵抗率が100Ωcm2
これらの結果を表1に示す。
表1より、Cu成膜後の加熱温度を、300℃を超える温度に制御すれば、測定回数を増やしてもIGZO、ZTOとの低いコンタクト抵抗を、確実に達成できるのに対し、加熱温度を、300℃以下にすると、コンタクト抵抗の測定値にバラツキが見られ、再現性に乏しいことが分かった。なお、表1には示していないが、通常のフラットパネルディスプレイのプロセス工程で用いられる上限の450℃まで高めても、IGZO、ZTOとの低いコンタクト抵抗を維持することができた。
上記の結果より、Cu膜とIGZO、ZTOとの低いコンタクト抵抗を、再現性良く確実に確保するためには、Cu成膜後の加熱温度を、おおむね、300℃超とし、450℃以下に制御することが有効であることが分かった。
一方、ITOやIZOなどの酸化物はCu成膜後の加熱温度にかかわらず、低いコンタクト抵抗を維持することができた。
参考のため、図4(IGZO(In:Ga:Zn(原子比)=1:1:1))に、表1のNo.4(熱処理温度350℃)について、熱処理後のTEM写真(倍率150万倍)を示す。EDX分析により、CuがIGZO側に20nm程度拡散していることが確認できた。

Claims (7)

  1. 基板の上に、基板側から順に、絶縁膜と、Cu膜と、薄膜トランジスタの半導体層と、を備えた配線構造であって、
    前記半導体層は酸化物半導体からなることを特徴とする配線構造。
  2. 前記Cu膜は、前記半導体層と直接接続する同一平面で、画素電極を構成する透明導電膜と直接接続するものである請求項1に記載の配線構造。
  3. 前記酸化物半導体は、In、Ga、Zn、Ti、およびSnよりなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む酸化物からなるものである請求項1または2に記載の配線構造。
  4. 前記絶縁膜は、酸化シリコンおよび/または酸窒化シリコンから構成されている請求項1〜3のいずれかに記載の配線構造。
  5. 前記透明導電膜は、In、Ga、Sn、およびZnよりなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む酸化物からなるものである請求項2〜4のいずれかに記載の配線構造。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の配線構造を備えた表示装置。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の配線構造を製造する方法であって、
    前記Cu膜を成膜し、成膜後に300℃超450℃以下の温度で5分間以上加熱することを特徴とする配線構造の製造方法。
JP2010168598A 2009-09-25 2010-07-27 配線構造およびその製造方法、並びに配線構造を備えた表示装置 Withdrawn JP2011091365A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010168598A JP2011091365A (ja) 2009-09-25 2010-07-27 配線構造およびその製造方法、並びに配線構造を備えた表示装置

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009221471 2009-09-25
JP2010168598A JP2011091365A (ja) 2009-09-25 2010-07-27 配線構造およびその製造方法、並びに配線構造を備えた表示装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011091365A true JP2011091365A (ja) 2011-05-06

Family

ID=44109309

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010168598A Withdrawn JP2011091365A (ja) 2009-09-25 2010-07-27 配線構造およびその製造方法、並びに配線構造を備えた表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011091365A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9070597B2 (en) 2013-05-23 2015-06-30 Samsung Display Co., Ltd. Thin film transistor, display substrate and method of manufacturing a thin film transistor
US9484200B2 (en) 2013-05-30 2016-11-01 Samsung Display Co., Ltd. Oxide sputtering target, thin film transistor using the same, and method for manufacturing thin film transistor

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9070597B2 (en) 2013-05-23 2015-06-30 Samsung Display Co., Ltd. Thin film transistor, display substrate and method of manufacturing a thin film transistor
US9484200B2 (en) 2013-05-30 2016-11-01 Samsung Display Co., Ltd. Oxide sputtering target, thin film transistor using the same, and method for manufacturing thin film transistor

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI478308B (zh) Wiring construction and display device
KR101408445B1 (ko) 배선 구조 및 그 제조 방법 및 배선 구조를 구비한 표시 장치
CN102473732B (zh) 布线结构以及具备布线结构的显示装置
JP6134230B2 (ja) 薄膜トランジスタおよび表示装置
JP5099739B2 (ja) 薄膜トランジスタ及びその製法
JP2011091364A (ja) 配線構造およびその製造方法、並びに配線構造を備えた表示装置
KR101175085B1 (ko) 반도체 장치, 반도체 장치를 갖는 액정 표시 장치, 반도체 장치의 제조 방법
EP2736074A1 (en) Array substrate and manufacturing method thereof, liquid crystal panel, and display device
WO2012063588A1 (ja) 配線構造
WO2012132871A1 (ja) Cu合金膜、及びそれを備えた表示装置または電子装置
CN103956386A (zh) 薄膜晶体管及制备方法、阵列基板及制备方法和显示装置
JP2011049543A (ja) 配線構造およびその製造方法、並びに配線構造を備えた表示装置
US8373832B2 (en) Wiring layer, semiconductor device, and liquid crystal display device using semiconductor device
JP6895544B2 (ja) 酸化物半導体薄膜、薄膜トランジスタおよびその製造方法、ならびにスパッタリングターゲット
JP2011049542A (ja) 配線構造およびその製造方法、並びに配線構造を備えた表示装置
WO2015032135A1 (zh) 阻挡层及其制备方法、薄膜晶体管、阵列基板
JP2012189726A (ja) Ti合金バリアメタルを用いた配線膜および電極、並びにTi合金スパッタリングターゲット
JP2011091365A (ja) 配線構造およびその製造方法、並びに配線構造を備えた表示装置
WO2016035554A1 (ja) 薄膜トランジスタの酸化物半導体薄膜、薄膜トランジスタ、およびスパッタリングターゲット
JP5813763B2 (ja) 酸化物型半導体材料及びスパッタリングターゲット
WO2016035503A1 (ja) 薄膜トランジスタ
KR20150029843A (ko) 박막 트랜지스터, 박막 트랜지스터를 포함하는 박막 트랜지스터 표시판 및 박막 트랜지스터의 제조 방법
KR101292058B1 (ko) 구리배선, 박막 트랜지스터 및 이에 사용되는 확산 방지막 증착용 스퍼터링 타겟
Wang et al. Thermally stable n+-InGaZnO layer stacked by fluorinated silicon nitride for self-aligned thin-film transistor application

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20120828

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20130624