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JP2011067594A - 肝機能造影像を用いた医用画像診断装置および方法、並びにプログラム - Google Patents

肝機能造影像を用いた医用画像診断装置および方法、並びにプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】肝臓の機能レベルおよび肝臓内の区域に着目して、より容易かつ適切に画像診断を行う。
【解決手段】診断対象である肝臓の機能レベルに応じた造影効果を生じさせる造影剤を用いて得られた肝機能造影画像Vtnから、区域機能レベル算出部33が、肝臓領域RLtn中の複数の肝区域RS1tn、RS2tn、・・・の機能レベルを表す評価値FS1、FS2・・・を取得し、表示画像生成部34がその評価値に基づく画像Imgを生成する。生成された画像Imgは表示部35に表示される。
【選択図】図2

Description

本発明は、肝臓の機能レベルを表す造影像を用いた医用画像診断装置および方法、並びにプログラムに関するものである。
造影剤投与後の肝臓の画像を用いて画像診断を行うための様々な装置が提案されている。
例えば、造影剤注入後の肝臓の超音波検査の際に、原発性肝癌、肝細胞癌のような重大な肝臓腫瘍は、周囲の正常な組織及び良性腫瘍と比較して、造影剤の急速注入後の早い段階での収容及び増光により検出されることに着目し、造影剤注入後に時系列的に取得された画像から、造影剤のこの早い収容及び増光が生じる画素又はボクセル領域を探し、識別し、肝臓での造影剤の到着時刻の分布を表すパラメータ画像においてこれらの画素又はボクセルの位置を強調表示する超音波診断システムが知られている(特許文献1)。
また、肝臓等の灌流(perfusion)CTアプリケーションとして、血流量やピーク強調までの時間等の灌流パラメータの値の範囲毎に所定の色を割り当て、画像中の灌流パラメータの値毎に色分け表示するものが提案されている(特許文献2)。
また、造影剤を用いた超音波診断装置による血流イメージングにおいて、造影剤の到着時刻や血中濃度特性が異なる複数の血流を色分け表示することによって、肝動脈と門脈を識別表示するものも提案されている(特許文献3)。
さらに、造影剤投与後の肝臓のX線CT画像に対して二値化によるセグメンテーションや領域拡張法を行って、門脈や肝臓実質、腫瘍部分を抽出し、抽出された門脈の芯線の位置や血管径等に基づいて、抽出された腫瘍がどの門脈の支配領域に属するかを特定することによって腫瘍に栄養を供給する門脈を特定し、特定された門脈が支配する肝臓実質を特定して切除領域とし、他の領域とは異なる色相で表示する装置も提案されている(特許文献4)。
一方、肝特異性のMRI用造影剤として、常磁性のガドキセト酸ナトリウム(Gd-EOB-DTPA)を有効成分とするものが開発されている(以下、EOB造影剤と呼ぶ)。ガドキセト酸ナトリウムは、従来の非特異的な細胞外液性造影剤であるガドベンテト酸メグルミン(Gd-DTPA)に類似する基本骨格に、ベンゼン環と脂溶性のエトキシベンジル基(EOB)が付加された構造を有しているため、脂溶性が高まることによって細胞膜通過性が亢進し、正常な機能を有する肝細胞内に選択的に取り込まれるという性質を有する。その結果、正常な肝細胞(信号値が高い)と機能の低下または消失した肝細胞(信号値が低い)との画像上のコントラストにより、これまでの造影剤では実現されなかった、肝細胞機能の側面から見た腫瘍(例えば、のう胞、転移性肝癌、ほとんどの肝細胞癌)の検出、特に小さな腫瘍の検出や、肝腫瘍の良悪性の鑑別が可能になると期待されている。また、EOB造影剤は、静脈内投与後、血管内および細胞間隙に分布し、投与20分後から肝細胞の造影像の撮影が可能になり、信号増強効果は少なくとも2時間は持続し、そして、最終的には尿中および胆汁中に排泄される。したがって、造影剤投与直後から排泄までの血流動態を画像化したものを用いて血流評価による診断が可能であるだけでなく、肝細胞造影相における肝細胞機能評価も可能となる。(非特許文献1から3)
そして、このEOB造影剤を用いたダイナミックMRI画像を用いて、腹部大動脈と肝臓実質における造影剤濃度の時系列的変化(Time Intensity Curve: TIC)を求め、これらの時系列的変化をデコンボリューション法で解析することによって肝機能評価を行うことも提案されている(非特許文献3)。
特表2008−531082号公報 特開2006−334404号公報 特開2002−238901号公報 特開2003−033349号公報
中川 裕幸、「肝細胞特異性MRI用造影剤「EOB・プリモビスト注シリンジ」の概要について」、[online]、2008年7月24日、社団法人 岐阜県放射線技師会 西濃支部、[2009年7月10日検索]、インターネット〈URL:http://plaza.umin.ac.jp/~GifuART/sibu/seino/2008_seino_HP/pdf/dai1kai_syouroku_nakagawa.pdf〉 斎藤 聡、「新しい造影剤:ガドキセト酸ナトリウムの可能性について(教育講演,テーマB:MR『上腹部MR検査を再考する』)」、放射線撮影分科会誌、2008年10月1日、51号、pp.30-33 Hun-Kyu Ryeom, et al.、"Quantitative Evaluation of Liver Function with MRI Using Gd-EOB-DTPA"、Korean Journal of Radiology、韓国、The Korean Radiological Society、2004年12月31日、Vol.5(4), pp. 231-239
肝臓の診断や手術においては、肝動脈、門脈、肝静脈の支配領域によって分類された肝臓中の区域を単位として行われることが一般的であり、このような分類方法の具体例としては、クイノーの亜区域分類等が知られている。したがって、肝臓の画像診断によって切除手術の対象領域を決定するような場合には、肝臓の区域を単位として決定する必要がある。また、その際には、各区域の機能レベル、すなわち、肝臓内の各区域がどの程度正常に機能しているかに着目して、どの区域を切除対象とするかを決定することが求められる。
これに対して、特許文献1に記載の技術では、肝細胞に取り込まれる造影剤(マイクロバブル)が用いられているが、この技術は、肝臓腫瘍の検出を目的とするものであり、肝臓の機能評価に着目したものではない。また、特許文献1から3に記載の技術は、肝臓内の区域には着目していない。一方、特許文献4に記載の技術は、肝臓内の区域の特定を行うものではあるが、肝臓の機能評価に着目したものではない。さらに、非特許文献3に記載の技術は、EOB造影剤を用いた肝細胞の機能評価を行うものではあるが、肝臓内の区域に着目したものではない。したがって、これらの従来技術は、肝臓の画像診断における上記のニーズに的確に応えうるものとはいえない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、肝臓の機能レベルおよび肝臓内の区域に着目して、より容易かつ適切に画像診断を行うことを可能にする医用画像診断装置および方法、並びにプログラムを提供することを目的とするものである。
本発明の医用画像診断装置は、肝臓の機能レベルに応じた造影効果を生じさせる造影剤を被検体に投与後、所定の時間が経過した後に取得された、該機能レベルを表す肝機能造影画像から、肝臓中の少なくとも1つの区域の機能レベルを表す区域機能レベル情報を取得する区域機能レベル情報取得手段と、取得された区域機能レベル情報を提示する区域機能レベル提示手段とを設けたことを特徴とする。
本発明の医用画像診断方法は、肝臓の機能レベルに応じた造影効果を生じさせる造影剤を被検体に投与後、所定の時間が経過した後に取得された、該機能レベルを表す肝機能造影画像から、肝臓中の少なくとも1つの区域の機能レベルを表す区域機能レベル情報を取得するステップと、取得された区域機能レベル情報を提示するステップとを備えたことを特徴とする。
本発明の医用画像診断プログラムは、コンピュータに上記方法を実行させるためのものである。
「肝臓の機能レベル」とは、肝臓が正常に機能している度合いを意味する。
「肝臓の機能レベルに応じた造影効果を生じさせる造影剤」は、肝臓の機能レベルを、直接的に表す造影効果を生じさせるものであってもよいし、間接的に表す造影効果を生じさせるものであってもよい。前者の造影剤としては、肝臓の機能レベルが高いほど(または低いほど)大量の造影剤が肝細胞に取り込まれるようなものであってもよいし、肝臓の機能レベルが正常レベルの場合にのみ造影剤が肝細胞に取り込まれるような選択的なものであってもよいし、肝機能が正常な場合には所定の範囲内の量の造影剤が肝細胞に取り込まれ、肝機能が異常な場合にはその範囲以上またはその範囲以下の造影剤が取り込まれるようなものであってもよい。このような造影効果を生じさせる造影剤を用いた結果、得られる肝機能造影画像は、肝臓、特に肝細胞の機能の正常さの度合いが画素値の高低として反映されたものとなる。このような造影剤の具体例としては、MRIで用いられる造影剤である、ガドキセト酸ナトリウム(Gd-EOB-DTPA)を有効成分とするEOB造影剤や、超常磁性酸化鉄粒子製剤(SPIO造影剤)、SPECTで用いられる造影剤であるアシアロシンチ(99mTc-GSA)等が挙げられる。一方、後者の造影剤としては、例えば、肝臓の血流解析を直接的な目的とする造影剤が挙げられ、血流の滞留の程度を表すパラメータ等を用いることによって肝機能を間接的に評価することができる。具体例としては、CTで用いられるヨード系の造影剤が挙げられる。
「肝臓中の少なくとも1つの区域」は、複数の区域であってもよく、この場合、複数の区域毎に区域機能レベル情報を提示することが好ましい。
区域機能レベル情報の提示態様としては、その区域の機能レベルの相違を視覚的に識別可能な態様で提示することが好ましい。例えば、複数の区域の区域機能レベル情報を提示する場合には、各区域の機能レベルに応じて色分け表示することが考えられる。また、文字情報やアイコン等を用いて区域機能レベル情報を提示してもよい。
肝機能造影画像を取得するためのモダリティは、造影剤の種類に応じたものとなる。例えば、EOB造影剤やSPIO造影剤の場合には、MRI等で得られた3次元画像であり、特に、ダイナミックMRI等で得られた3次元空間内における時系列的な変化を表す画像が好ましい。また、アシアロシンチの場合には、SPECTで得られる画像となる。
ここで、肝機能造影画像は、肝機能は適切に表すものの、肝臓の解剖学的構造は明確に表していない場合がある。そこで、肝臓の解剖学的構造を適切に表す形態画像を別途取得し、その形態画像に対して、その形態画像中の肝臓の区域を特定し、肝機能造影画像における、形態画像から特定された区域に対応する区域を特定すればよい。ここで、「肝機能造影画像における、形態画像から特定された区域に対応する区域」は、形態画像と肝機能造影画像中の肝臓の位置合わせを行い、その位置合わせ結果を用いて特定するようにしてもよい。なお、形態画像の具体例としては、CTで得られる画像が挙げられる。
「区域」は3次元的な領域であってもよく、さらに、区域機能レベル情報を3次元的に表示することが好ましい。ここで、「3次元的に表示」の具体例としては、ボリュームレンダリング等により疑似3次元画像を生成して表示することや、複数の視点から見た断面画像(例えば、直交3断面の断面画像)を生成して表示することが挙げられる。また、前記区域の機能レベルは、その3次元的な区域の機能レベルの時系列的変化を含むものであってもよい。
また、前記肝機能造影画像を、肝臓以外の基準領域の画像情報をさらに含むものとし、前記区域の機能レベルを該基準領域の機能レベルに対する相対的関係として求めるようにしてもよい。ここで、基準領域の具体例としては脾臓領域が挙げられる。
本発明によれば、診断対象である肝臓の機能レベルに応じた造影効果を生じさせる造影剤を用いて得られた肝機能造影画像から、肝臓中の少なくとも1つの区域の機能レベルを表す区域機能レベル情報を取得して提示するので、肝臓の機能レベルおよび肝臓内の区域を用いた容易かつ適切な肝臓の画像診断が可能になる。例えば、肝臓の画像診断によって切除手術の対象領域を決定するような場合、肝臓の区域毎に肝臓の機能レベルを確認することができるので、どの区域を切除対象とするかを容易かつ適切に決定することが可能になる。
本発明の実施形態における肝機能造影像を用いた医用画像診断システムの概略構成図 本発明の第1の実施形態における肝機能造影像を用いた医用画像診断機能を実現する構成および処理の流れを模式的に示したブロック図 肝機能造影像の画素値の時系列的変化(Time Intensity Curve: TIC)を表すグラフ 本発明の実施形態における表示画面の構成例を模式的に表した図 肝臓領域の抽出を行う際のユーザインターフェースの一例を表した図 肝区域の特定を行う際のユーザインターフェースの一例を表した図 肝区域毎の機能評価値を色分け表示したボリュームレンダリング画像の一例を示す図 肝区域毎の機能評価値を色分け表示したボリュームレンダリング画像の他の例を示す図 本発明の第2の実施形態における肝機能造影像を用いた医用画像診断機能を実現する構成および処理の流れを模式的に示したブロック図 肝臓領域抽出部の詳細を示すブロック図 肝臓領域の基準点およびその近傍領域の一例を示す図 図10の領域抽出部により対象領域を抽出する一方法を説明するための図 シード点および基準点の位置に基づいてs-linkおよびt-linkの値を設定する一方法を説明するための図 図10の領域抽出部により対象領域を抽出する一方法を説明するための図
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態となる肝機能造影像を用いた医用画像診断システムについて説明する。
図1は、医用画像診断システムの概要を示すハードウェア構成図である。図に示すように、このシステムでは、モダリティ1と、画像保管サーバ2と、画像処理ワークステーション3とが、ネットワーク9を経由して通信可能な状態で接続されている。
本発明の第1の実施形態では、モダリティ1にはMRI装置が含まれる。また、このMRI装置は、ガドキセト酸ナトリウム(Gd-EOB-DTPA)を有効成分とする造影剤(EOB造影剤)の投与前、および、例えば、投与から20秒、1分、2分、5分、10分、20分経過後の腹部(肝臓を含む)の3次元医用画像(ボクセルデータ)Vt0、Vt1、・・・、Vt6(以下、まとめて3次元動態画像Vtnと呼ぶ)を取得するダイナミック撮影が可能なものである。ここで、前述のとおり、EOB造影剤は正常な肝細胞に選択的に取り込まれるという性質を有するから、このような撮影によって得られる3次元動態画像Vtnは、肝臓の機能レベルを表す肝機能造影像に相当する。
画像保管サーバ2は、モダリティ1で取得された3次元動態画像Vtnや画像処理ワークステーション3での画像処理によって生成された医用画像の画像データを画像データベースに保存・管理するコンピュータであり、大容量外部記憶装置やデータベース管理用ソフトウェア(たとえば、ORDB(Object Relational Database)管理ソフトウェア)を備えている。
画像処理ワークステーション3は、読影者からの要求に応じて、モダリティ1や画像保管サーバ2から取得した3次元動態画像Vtnに対して画像処理(画像解析を含む)を行い、生成された画像を表示するコンピュータであり、特に、読影者からの要求を入力するキーボードやポインティングデバイス等の入力装置と、取得した3次元医用画像3次元動態画像Vtnの少なくとも一部を格納可能な容量の主記憶装置と、生成された画像を表示するディスプレイとを備えている。本発明の医用画像診断処理は、この画像処理ワークステーションに実装されており、この処理は、CD−ROM等の記録媒体からインストールされたプログラムを実行することによって実現される。また、プログラムは、インターネット等のネットワーク経由で接続されたサーバの記憶装置からダウンロードされた後にインストールされたものであってもよい。
画像データの格納形式やネットワーク9経由での各装置間の通信は、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)等のプロトコルに基づいている。
図2は、画像処理ワークステーション3の機能のうち、本発明の第1の実施形態となる医用画像診断処理に関連する部分を示すブロック図である。図に示すように、本発明の第1の実施形態となる医用画像診断処理は、肝臓領域抽出部31、肝区域特定部32、区域機能レベル算出部33、表示画像生成部34、表示部35によって実現される。以下、各処理部等の詳細について説明する。
肝臓領域抽出部31は、例えば、本出願人が特願2008-50615で提案している方法を用いて、3次元動態画像Vtnから肝臓領域RLtnを抽出する。
具体的には、ある時相における3次元画像(例えば、肝臓領域と周辺領域とのコントラストが大きい肝細胞造影相の3次元画像Vt6)に対して、ユーザがポインティングデバイス等を操作して、肝臓領域内の任意の点を設定するとともに(以下、この点をユーザ設定点と呼ぶ)、機械学習によって取得された識別器を用いて肝臓領域の輪郭の角ばった箇所を基準点として検出し、ユーザ設定点を中心として、肝臓を含む程度の大きさの3次元領域(以下、処理対象領域と呼ぶ)内の各点(ボクセル)について、機械学習によって取得された識別器を用いて、肝臓の輪郭上の点かどうかを表す評価値を算出し、処理対象領域の外周上の各点を肝臓領域外の背景領域内の点を予め判定するとともに、ユーザ設定点および基準点が肝臓領域内の点であると予め判定した上で、さらに処理対象領域内の各点の評価値を用いて、グラフカット法を適用することによって、3次元画像Vt6から肝臓領域RLt6を抽出する(さらに詳細な説明は、末尾の補足説明参照)。
他の時相の3次元画像(例えば、Vt0、・・・、Vt5)については、各3次元画像から上記と同様の方法を用いて肝臓領域RLt0、・・・、RLt5を抽出してもよいし、3次元画像Vt6から抽出された肝臓領域RLt6と座標値が一致する領域を他の時相における肝臓領域RLt0、・・・、RLt5としてもよい。
なお、肝臓領域の抽出には、特開2002-345807号公報に記載された方法等、他の公知の方法を用いてもよい。
肝区域特定部32は、各時相における肝臓領域RLtn内の複数の肝区域RS1tn、RS2tn、・・・を特定する。具体的には、ユーザがポインティングデバイス等を操作して、肝臓領域(例えば、肝細胞造影相の肝臓領域RLt6)内の複数の肝区域の境界となる平面または曲面を指定することにより、肝臓領域内の複数の肝区域(例えば、RS1t6、RS2t6、・・・)を特定する。特定された複数の肝区域は3次元の領域である。他の時相の肝臓領域(例えば、RLt0、・・・、RLt5)については、上記と同様の方法を用いて各時相における肝区域RS1t0、RS2t0、・・・、RS1t1、RS2t1、・・・、RS1t5、RS2t5、・・・を特定してもよいし、肝臓領域RLt6において特定された肝区域RS1t6、RS2t6、・・・と座標値が一致する領域を、各時相における肝区域として特定してもよい。
なお、肝区域の特定には、肝臓領域内の血管を抽出し、ボロノイ図(Voronoi diagram)を用いて、肝臓領域内の血管以外の領域(肝臓実質等)中の各点がその点から最も近い血管に支配されていると判定することによって、すなわち、肝臓領域内の血管以外の領域がどの血管の支配領域に属するかを特定することによって、各血管の支配領域を肝区域として特定する方法等(上記特許文献4や、R Beichel et al.、“Liver segment approximation in CT data for surgical resection planning”、Medical Imaging 2004: Image Processing. Edited by Fitzpatrick, J. Michael; Sonka, Milan、2004年、Proceedings of the SPIE, Volume 5370, pp. 1435-1446等参照)、他の公知の方法を用いることもできる。
区域機能レベル算出部33は、3次元動態画像Vtnに基づき、肝区域RS1tn、RS2tn・・・毎にその区域における肝臓の機能レベルを表す評価値FS1、FS2・・・を算出する。すなわち、区域機能レベル算出部33は、肝区域RS1t0、RS1t1、・・・、RS1t6の画像情報に基づいて評価値FS1を算出し、肝区域RS2t0、RS2t1、・・・、RS2t6の画像情報に基づいて評価値FS2を算出し、・・・、というように、肝区域毎の評価値を算出する。
ここで、肝区域毎の評価値の具体例としては以下の値が挙げられる。
(1)平均画素値
肝区域毎に、区域内の各画素の各時相での画素値すべての平均を算出したもの。
(2)最大平均画素値
肝区域毎に、区域内の各画素の画素値の平均値を時相毎に算出し、算出された平均値の最大値を求めたもの。
(3)最小平均画素値
肝区域毎に、区域内の各画素の画素値の平均値を時相毎に算出し、算出された平均値の最小値を求めたもの。
(4)平均画素値の時系列的変化におけるカーブ下面積
肝区域毎に、区域内の各画素の画素値の平均値を時相毎に算出し、図3に示したように、横軸を各時相(時刻)、縦軸を平均画素値として、肝区域毎に平均画素値の時系列的変化をグラフ化したときのカーブ下の面積(図3の斜線部参照)。
(5)平均画素値の時系列的変化における平均画素値のピーク時刻
(4)と同様に肝区域毎に平均画素値の時系列的変化をグラフ化したときの平均画素値がピークとなる時刻(図3のtpeak参照)。
この他、(1)(2)(3)(4)の平均画素値・最大平均画素値・最小平均画素値・カーブ下面積を肝臓領域全体についても算出し、肝臓領域全体での値に対する各肝区域での値の比率を評価値としてもよい。また、上記非特許文献3の解析方法を用いて、腹部大動脈と各肝区域の各々における画素値の時系列的変化を求め、これらの時系列変化をデコンボリューション法で解析することによって得られた評価値を用いてもよい。さらに、CT画像を対象とした公知の灌流解析で用いられる評価値を転用することも考えられる。
表示画像生成部34は、肝区域毎の機能レベルの評価値FS1、FS2・・・に基づいて、肝臓領域の画像Imgを生成する。具体的には、肝臓領域の各肝区域内のすべての画素がその肝区域の評価値を画素値として有している3次元画像データを対象として公知のボリュームレンダリングを行って画像Imgを生成する(図7、8参照)。このとき、評価値の値の範囲毎に異なる色を割り当てることによって、肝区域毎の機能レベルの相違を視覚的に識別可能な態様で画像化している。
表示部35は、画像Imgを表示するためのディスプレイである。
次に、本発明の第1の実施形態となる医用画像診断処理の流れを図2のブロック図、および、図4から図8の画面例を参照して説明する。
まず、MRI撮影室のオーダリングシステムの端末において、EOB造影剤を用いた肝機能検査の検査オーダを受信した場合、その検査オーダの対象の被検者は、EOB造影剤投与前の腹部の撮影が行われ、3次元医用画像Vt0が生成される。その後、EOB造影剤が被検者に投与され、例えば、投与から20秒、1分、2分、5分、10分、20分経過後の各タイミングで、同様の撮影が行われ、3次元医用画像Vt1、・・・、Vt6が生成される。生成された3次元医用画像Vt0、Vt1、・・・、Vt6、すなわち、3次元動態画像Vtnは、画像保管サーバ2に転送されて保管されるとともに、画像処理ワークステーション3が設置された読影室または診断室に検査オーダ(読影オーダ)が転送される。
画像処理ワークステーション3において、この検査オーダが選択されると、画像処理ワークステーション3は、画像保管サーバ2から読影対象の3次元動態画像Vtnを取得するとともに、検査オーダの内容を解析し、検査オーダに応じたアプリケーション、すなわちここではEOB解析アプリケーションを起動させる。図4は、EOB解析アプリケーションの初期画面50の構成を模式的に示したものである。図に示したとおり、初期画面50は、アキシャル画像の表示領域51A、コロナル画像の表示領域51C、サジタル画像の表示領域51S、他の画像の表示領域51Xという4つの画像の表示領域と、ユーザ操作のためのメニュー部として、各表示領域51A、51C、51Sに表示される画像の時相(フェーズ)を選択するフェーズ選択メニュー52、肝臓領域の抽出のためのインターフェースである肝臓抽出メニュー53、肝区域の特定のためのインターフェースである肝区域特定メニュー54、肝区域の機能レベルの評価値(パラメータ)の種類を選択するためのパラメータ選択メニュー55、表示画像の詳細設定を行うユーザインターフェースを表示するための表示設定ボタン56とからなる。
ここでは、アプリケーションの初期設定により、読影対象の3次元動態画像Vtnのうちの肝細胞造影相Vt6に基づき、所定の位置で直交する3つの断面による断面画像が再構成され、各々、アキシャル画像の表示領域51A、コロナル画像の表示領域51C、サジタル画像の表示領域51Sに表示されているものとする。なお、所定の位置は、肝臓領域の抽出の際のユーザ設定点を指定するのに最適な位置とすることが好ましいが、ユーザ操作に応じて断面の位置を移動させ、移動後の位置で断面画像を再構成して表示を更新するようにしてもよい。これにより、ユーザが所望の断面画像上でユーザ設定点を指定することが可能になる。
次に、ユーザは、肝臓領域を抽出するための操作を行う。具体的には、ユーザがポインティングデバイス等を用いて肝臓抽出メニュー53の領域内指定ボタン53aを押下すると、肝臓領域抽出部31は、ポインティングデバイスのカーソルの形状を特定の形に変更し、ユーザにユーザ設定点の指定を促す。ユーザは、図5に示したようなアキシャル断面画像の肝臓領域内の点P1でポインティングデバイスのクリック操作を行うことによって、点P1がユーザ設定点として指定される。さらに、ユーザが、肝臓抽出メニュー53の実行ボタン53bを押下すると、肝臓領域抽出部31によって前述の肝臓抽出処理が行われ、3次元画像Vt6から肝臓領域RLt6を抽出され、図6に示したように、肝細胞造影相における肝臓領域のボリュームレンダリング画像が表示領域51Xに表示される。このとき、バックグラウンドでは、他の時相における肝臓領域RLt0からRLt5も抽出される。
次に、ユーザは、肝区域の特定のための操作を行う。具体的には、ユーザがポインティングデバイス等を用いて肝区域特定メニュー54の境界指定ボタン54aを押下すると、肝区域特定部32は、ポインティングデバイスのカーソルの形状を特定の形に変更し、ユーザに肝区域の境界面(線)の指定を促す。例えば図6に示したようなボリュームレンダリング画像の肝臓領域内でポインティングデバイスのドラッグ操作を行うことによって、線分L1およびL2が肝区域の境界面として指定される。さらに、ユーザが、肝区域特定メニュー54の実行ボタン54bを押下すると、肝区域特定部32は、前述の肝区域特定処理を行い、この例では、各時相における肝臓領域RLtn内に3つの肝区域RS1tn、RS2tn、RS3tnを特定する。
さらに、ユーザが、パラメータ選択メニュー55から所望のパラメータを選択すると、区域機能レベル算出部33は、選択されたパラメータに基づいて、前述の計算方法により、各肝区域における機能レベルの評価値(ここでは、FS1、FS2、FS3)を算出する。ここでは、前述の平均画素値の時系列的変化におけるカーブ下面積が選択されているとともに、比率チェックボックスにチェックが入っているので、肝臓全体で算出したカーブ下面積に対する各肝区域のカーブ下面積の比率が算出されている。
そして、表示画像生成部34は、算出された評価値FS1、FS2、FS3を用いて、前述のボリュームレンダリングを行って表示画像Imgを生成する。生成された画像Imgは、表示領域51Xに表示される。図7および図8は、画像Imgの表示例である。図7は、2つの肝区域が特定された場合のボリュームレンダリング画像の例である。一方、図8は、3つの肝区域が特定された場合のボリュームレンダリング画像の例であり、不透明度の設定を図7の画像例から変更し、肝臓実質部分の不透明度を低くして半透明化し、肝臓内の血管に対して色を割り当てることによって、各肝区域の色分け表示と血管部分の表示とを両立している。このような表示設定の変更は、ユーザが表示設定ボタン56を押下することによって表示される表示画像の詳細設定インターフェースで行うことができる。
以上のように、本発明の上記実施形態によれば、診断対象である肝臓の機能レベルに応じた造影効果を生じさせるEOB造影剤を用いて得られた肝機能造影画像Vtnから、区域機能レベル算出部33が、肝臓領域RLtn中の複数の肝区域RS1tn、RS2tn、・・・の機能レベルを表す評価値FS1、FS2・・・を取得し、表示画像生成部34がその評価値に基づく画像Imgを生成し、生成された画像Imgが表示部35に表示されるので、肝臓の機能レベルおよび肝臓内の区域を用いた容易かつ適切な肝臓の画像診断が可能になる。例えば、肝臓の画像診断によって切除手術の対象領域を決定するような場合、肝臓の区域毎に肝臓の機能レベルを確認することができるので、どの区域を切除対象とするかを容易かつ適切に決定することが可能になる。
以下、上記実施形態に対する変形例について説明する。
上記の実施形態では、各時相間で被検体の体動や呼吸等により肝臓領域の位置がずれてしまう可能性があるので、1つの時相で抽出された肝臓領域や特定された肝区域の座標をそのまま他の時相に適用するだけでは、他の時相において、正確な肝臓領域や肝区域が特定できない可能性がある。そこで、3次元動態画像Vtnに対して、公知の剛体または非剛体レジストレーション(例えば、Rueckert D Sonoda LI,Hayes C,et al.、“Nonrigid Registration Using Free-Form Deformations:Application to Breast MR Images”、IEEE Transactions on Medical Imaging、1999年、Vol.18,No.8,pp.712-721参照)や、軸位断画像に対する撮影部位認識処理(例えば、特開2009-095644号公報参照)を用いて、異なる時相の3次元画像間で、肝臓領域の平行移動・回転・変形・拡大・縮小等による位置合わせを行い、時相間での各画素の移動方向・移動量を予め求めておくことが好ましい。この場合には、1つの時相で抽出された肝臓領域や特定された肝区域の座標値を、他の時相との間での各画素の移動方向・移動量を用いて変換することによって、他の時相での肝臓領域や肝区域を正確に特定することが可能になる。
上記の実施形態では、複数の肝区域を特定し、区域毎の機能評価値を画像化しているが、1つの肝区域のみを特定して、その区域の機能評価値を算出し、その評価値の値に応じた色でその肝区域を表示し、その後、他の1つの肝区域を特定して、その区域の機能評価値を算出し、その評価値の値に応じた色でその肝区域を表示するというように、1つの区域ずつ順次特定して機能評価値を表示するようにしてもよい。
上記の実施形態では、機能レベルの評価値の算出の際に肝臓領域全体に対する比率を用いた例を示したが、他の臓器、例えば、EOB造影剤の取り込みが生じる脾臓領域に対する比率を用いてもよい(図8参照)。MRIによる画像の場合、信号の絶対値には意味はなく、他の領域との相対的な関係に意味があるので、このように他の臓器を基準領域として機能評価値を算出することにより、より適切な機能評価が可能になる。なお、この場合、脾臓領域の抽出は、前述の肝臓領域の抽出方法と同様の方法を適用することが可能である。
上記の実施形態では、表示画像Imgを、ボリュームレンダリングを用いた疑似3次元的な画像としたため、視点の位置や視線の方向を変化させることにより、様々な角度から区域毎の機能評価を行うことができるが、画像処理ワークステーションの性能等によっては、表示画像Imgを2次元的な投影画像としてもよい。また、機能評価値を色分け表示する代わりに、あるいは色分け表示に加えて、図8に示したように、実際の評価値を文字で表示するようにしてもよいし、文字の代わりにアイコン等を使用してもよい。
上記の実施形態で用いたEOB造影剤は、肝臓の機能レベルに応じた造影効果を生じさせる造影剤の一例であり、同様の作用を生じさせる他の造影剤、すなわち、肝臓の機能レベルの正常さが画素値の高低として反映された肝機能造影画像を取得可能な他の造影剤であってもよい。例えば、SPIO造影剤を用いてもよい。
本発明の第2の実施形態は、肝機能は適切に表すものの、肝臓の解剖学的構造は明確に表されていない肝機能造影画像と肝臓の解剖学的構造を表す形態画像とを用いて医用画像診断処理を行う場合である。この第2の実施形態では、図1のハードウェア構成において、モダリティ1として、SPECT装置とCT装置とが含まれる。SPECT装置は、アシアロシンチの投与から所定の時間が経過後の胸腹部(心臓と肝臓を含む)の3次元医用画像V2t1、V2t2、・・・(以下、まとめて3次元動態画像V2tnと呼ぶ)を取得するダイナミック撮影が可能なものである。この3次元動態画像V2tnは、肝臓の機能レベルを表す肝機能造影像に相当するが、第1の実施形態とは異なり、肝臓の解剖学的構造は明確に表されていない。そこで、本実施形態では、さらにCT装置で肝臓の解剖学的構造を表す3次元形態画像V3を取得する。
図9は、画像処理ワークステーション3の機能のうち、本発明の第2の実施形態となる医用画像診断処理に関連する部分を示すブロック図である。図に示すように、本発明の第2の実施形態となる医用画像診断処理は、肝臓領域抽出部31、肝区域特定部32、位置合わせ処理部36、区域機能レベル算出部33、表示画像生成部34、表示部35によって実現される。
ここで、肝臓領域抽出部31および肝区域特定部32は、3次元形態画像V3から、第1の実施形態と同様にして、各々、肝臓領域RL3、複数の肝区域R3S1、R3S2、・・・を得る。
位置合わせ処理部36は、前述の非剛体レジストレーションを用いて、3次元動態画像V2tnと3次元形態画像V3との間で、肝臓領域の位置合わせを行い、画像間での各画素の移動方向・移動量DRを出力する。
区域機能レベル算出部33は、肝区域特定部32によって特定された3次元形態画像V3中の肝区域R3S1、R3S2、・・・の座標値を、位置合わせ処理部36によって得られた各画素の移動方向・移動量DRを用いて変換することによって、肝区域R3S1、R3S2、・・・の3次元動態画像V2tn中の対応位置(以下、3次元動態画像V2tn中の肝区域R2S1、R2S2、・・・)を特定し、特定された3次元動態画像V2tn中の肝区域R2S1、R2S2、・・・毎にその区域における肝臓の機能レベルを表す評価値F2S1、F2S2・・・を算出する。
表示画像生成部34は、3次元形態画像V3中の各肝区域R3S1、R3S2、・・・内のすべての画素が、3次元動態画像V2tn中の対応する肝区域R2S1、R2S2、・・・毎の機能レベルの評価値F2S1、F2S2・・・を画素値として有している3次元画像データを対象として公知のボリュームレンダリングを行って画像Img2を生成する。
生成された画像Img2は表示部35であるディスプレイに表示される。
以上のように、本発明の第2の実施形態では、肝臓の解剖学的構造を表す3次元形態画像V3に対して、3次元形態画像V3中の肝臓の区域R3S1、R3S2、・・・を特定し、各画素の移動方向・移動量DRを用いて、肝機能が造影された3次元動態画像V2tnにおける、3次元形態画像V3から特定された肝区域R3S1、R3S2、・・・に対応する肝区域R2S1、R2S2、・・・を特定するようにしたので、3次元動態画像V2tnに肝臓の解剖学的構造が明確に表されていない場合であっても、3次元形態画像V3によって肝臓の解剖学的構造の情報を補うことによって、3次元動態画像V2tnから肝区域R2S1、R2S2、・・・毎の機能レベルを表す評価値F2S1、F2S2・・・を取得することが可能になる。
なお、上記実施形態では、肝区域特定部32、位置合わせ処理部36、および、区域機能レベル算出部33が3次元動態画像V2tn中の肝区域R2S1、R2S2、・・・を特定する処理をあわせたものが、本発明の区域特定手段に相当する。
また、上記実施形態において、撮影体位や生成される画像の座標軸の設定等の撮影条件をSPECT装置とCT装置とで合わせるようにすれば、上記位置合わせ処理部36による位置合わせ処理は不要となり、3次元形態画像V3から得られた肝区域R3S1、R3S2、・・・の座標値をそのまま3次元動態画像V2tnに対して用いることができる。
この他、上記の実施形態におけるシステム構成、処理フロー、モジュール構成等に対して、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で様々な改変を行ったものも、本発明の技術的範囲に含まれる。例えば、上記の実施形態では、図2に示された各処理が1台の画像処理ワークステーション3で行われるように説明したが、複数台の画像処理ワークステーションに各処理を分散して協調処理するように構成してもよい。
また、上記の実施形態はあくまでも例示であり、上記のすべての説明が本発明の技術的範囲を限定的に解釈するために利用されるべきものではない。
[補足説明:肝臓領域抽出部31の詳細について]
以下、特願2008-50615の明細書を引用して、肝臓領域の抽出方法の詳細について説明するが、説明を簡潔にするために、まず2次元画像からの抽出方法について説明した後で、3次元画像からの抽出方法を説明する。
図10に示すように、肝臓領域抽出部31は、医用画像Pから肝臓領域を抽出するものであって、基準点検出部110、点設定部120、領域設定部130、輪郭らしさ算出部140、領域抽出部150などを備えている。
基準点検出部110は、肝臓領域の輪郭上に存在し、かつ近傍領域の画素値分布に基づいて特定可能な基準点が既知である複数のサンプル画像中の、基準点を表す画素および基準点以外の点を表す画素のそれぞれについて、近傍領域の画素値分布を予め機械学習し、その機械学習の結果に基づいて医用画像P中の基準点を検出するものであって、識別器取得部111と、検出部112とを有する。
ここで、基準点は、入力画像から抽出したい対象領域の種類に応じて定められるものであり、その数に制限はない。本実施の形態では、たとえば、図11に示すように、全体的になめらかな曲線からなる肝臓領域の輪郭における、角ばった箇所に存在する点Aおよび点Bのいずれかまたは両方を基準点として用いる。
識別器取得部111は、たとえば特開2006−139369号公報に記載されているように、肝臓領域を含む複数のサンプル画像を用意し、サンプル画像中の、基準点を表す画素および基準点以外の点を表す画素のそれぞれについて、近傍領域の画素値分布を予め機械学習することにより、サンプル画像中の各画素が基準点を示す画素であるか否かをその画素の近傍領域の画素値分布に基づいて識別する識別器Dを取得するものである。これにより取得した識別器Dは、任意の医用画像中の各画素が基準点を示す画素であるかどうかを識別する場合に適用することができる。なお、2以上の基準点(たとえば基準点A、B)を用いて肝臓領域を抽出する場合には、それぞれの基準点について識別器Dを取得する。
ここで、各画素の近傍領域は、その近傍領域の内の各画素における画素値が変化する方向、その変化の大きさなどの、近傍領域の画素値分布に基づいてその画素が基準点であるか否かを識別できる程度の大きさの領域であることが望ましい。また、この近傍領域は、その画素を中心とした領域であってもよいし、その画素を中心から外れた位置に有する領域であってもよい。
なお、図11に、基準点A、Bの近傍領域R,Rの一例を示す。ここでは、近傍領域が矩形の領域である場合について例示しているが、近傍領域は円形、楕円形等、種々の形状の領域であってもよい。また、その近傍領域内の一部の画素の画素値分布のみを上記機械学習に用いるようにしてもよい。
また、この識別器Dを取得する処理には、アダブースティングアルゴリズム(Adaboosting Algorithm)、ニューラルネットワーク(Neural Network)、SVM(Support Vector Machine)等を用いることができる。
検出部112は、医用画像P上に識別器取得部111において取得した識別器Dを走査させることにより、医用画像P中の基準点A、Bを検出するものである。なお、この検出部21による基準点の検出より先に、後述する領域設定部130において対象領域の全体を含むと思われる判別領域Tが設定されている場合には、医用画像P全体のうち、設定された判別領域Tあるいはその判別領域Tを含む一部の領域上にのみ識別器Dを走査させることにより、医用画像P中の基準点を検出するようにしてもよい。
点設定部120は、医用画像P中の肝臓領域内に任意の点C(シード点)を設定するものであって、たとえば、肝臓領域抽出部31に備えるキーボードやポインティングデバイス等による、操作者の入力に基づいて指定された医用画像P上の位置をその任意の点として設定するものであってもよいし、従来の対象領域検出方法により自動検出された肝臓領域内の各点に一定の質量が与えられているとし、その領域の重心位置をその任意の点として設定するものであってもよい。
また、この点設定部120による任意の点Cの設定より先に、基準点検出部110において基準点A、Bが検出されている場合には、肝臓領域と基準点A、Bの解剖学的な位置関係により、下記の式(1)により、基準点A(x、y)と基準点B(x、y)を用いて任意の点C(x、y)を設定するようにしてもよい。
なお、この任意の点Cは、肝臓領域のおおまかな中心に設定されたものであってもよいし、肝臓領域の中心から外れた位置に設定されたものであってもよい。
領域決定部30は、医用画像P中に、肝臓領域の全体を含むと思われる判別領域Tを設定するものであって、たとえば、肝臓領域抽出部31に備えるキーボードやポインティングデバイス等による、操作者の入力に基づいて指定された医用画像P上の領域をその判別領域Tとして設定するものであってもよいし、点設定部120において設定された点Cを中心とした、肝臓領域のありうる大きさ以上の大きさの領域を判別領域Tとして自動的に設定するものであってもよい。これにより、全体の医用画像Pから注目する領域の範囲を限定でき、以降の処理を高速化することができる。
なお、判別領域Tは、その周縁形状として矩形、円形、楕円形等、種々の形状を採用することができる。
輪郭らしさ算出部140は、領域設定部130において設定された判別領域T内の各画素の輪郭らしさを、その画素の近傍画素の画素値情報に基づいて算出するものであって、評価関数取得部141と、算出部142とを有する。
評価関数取得部141は、肝臓領域を含む複数のサンプル画像を用意し、サンプル画像中の、輪郭上の点を表す画素および前記輪郭以外の点を表す画素のそれぞれについて、近傍画素の画素値情報をその画素における特徴量として予め機械学習することにより、サンプル画像中の各画素が輪郭を示す画素であるかどうかをその特徴量に基づいて評価する評価関数Fを取得するものである。
具体的には、たとえば特開2007−307358号公報に記載されているように、各画素の近傍画素の画素値情報、たとえば、その画素を中心とする水平方向5画素×垂直方向5画素の領域内のそれぞれ異なる複数の画素の画素値値の組み合わせを用いて、その画素が輪郭を示す画素であるか否かの判別を行う複数の弱判別器を、その弱判別器全てを組み合わせた評価関数Fがサンプル画像中の各画素が輪郭を示す画素であるかどうかを所望の性能で評価できるようになるまで逐次生成する。
これにより取得した評価関数Fは、任意の医用画像中の各画素が肝臓領域の輪郭を示す画素であるかどうかを評価する場合に適用することができる。
また、この評価関数Fを取得する処理にも、アダブースティングアルゴリズム(Adaboosting Algorithm)、ニューラルネットワーク(Neural Network)、SVM(Support Vector Machine)等の機械学習の手法を用いることができる。
算出部142は、判別領域T内の各画素の特徴量に基づいて、各画素の輪郭らしさ、つまりその画素が輪郭を示す画素であるかどうかの評価値を、評価関数Fを用いて算出するものである。
領域抽出部150は、任意の点C、基準点S、および各画素の輪郭らしさを用いて判別領域Tから肝臓領域を抽出するものであって、たとえば、Yuri Y. Boykov, Marie-Pierre Jolly, “Interactive Graph Cuts for Optimal Boundary and Region Segmentation of Objects in N-D images”, Proceedings of “International Conference on Computer Vision”, Vancouver, Canada, July 2001 vol.I, p.105-112.や、米国特許第6973212号明細書等に記載されているグラフカット法(Graph Cuts)により判別領域Tを肝臓領域と背景領域とに分割する際、肝臓領域と背景領域の境界が肝臓領域の輪郭上に存在する点である基準点A、Bを必ず通るようにして、判別領域Tから肝臓領域を抽出する。
具体的には、まず、図12に示すように、判別領域T中の各画素を表すノードNij(i=1,2,…、j=1,2,…)と各画素が取り得るラベル(本実施の形態では、肝臓領域または背景領域)をそれぞれ表すノードS、Tと、隣接する画素のノード同士をつなぐリンクn-linkと、各画素を表すノードNijと肝臓領域を表すノードSをつなぐリンクs-linkと、各画素を表すノードNijと背景領域を表すノードTをつなぐリンクt-linkとから構成されるグラフを作成する。
ここで、n-linkには、判別領域中の各画素を表すノードNij毎にそのノードから四方の隣接するノードへ向かう4本のリンクが存在し、各隣接するノード間には互いのノードに向かう2本のリンクが存在する。ここで、各ノードNijから四方の隣接するノードへ向かう4本のリンクは、そのノードが示す画素が四方の隣接する画素と同一領域内の画素である確からしさを表すものであり、その確からしさはその画素の輪郭らしさに基づいて求められる。具体的には、そのノードNijが示す画素の輪郭らしさが設定しきい値以下である場合には、それらの各リンクに確からしさの所定の最大値が設定され、輪郭らしさが設定しきい値以上である場合は、その輪郭らしさが大きいほど、小さい値の確からしさが各リンクに設定される。たとえば、確からしさの最大値を1000とした場合、ノードNijが示す画素の輪郭らしさが設定しきい値(ゼロ)以下である場合には、そのノードから四方の隣接するノードへ向かう4本のリンクに1000という値が設定され、輪郭らしさが設定しきい値(ゼロ)以上である場合は、次式(1000−(輪郭らしさ/輪郭らしさの最大値)×1000)により算出された値をそれらの各リンクに設定することができる。ここで、輪郭らしさの最大値は、算出部142により判別領域T内の各画素において算出した全ての輪郭らしさのうち最大の値を意味する。
また、各画素を表すノードNijと肝臓領域を表すノードSをつなぐs-linkは、各画素が肝臓領域に含まれる画素である確からしさを表すものであり、各画素を表すノードNijと背景領域を表すノードTをつなぐt-linkは、各画素が背景領域に含まれる画素である確からしさを表すものであり、それらの確からしさは、その画素が肝臓領域又は背景領域のいずれかを示す画素であるかの情報がすでに与えられている場合、その与えられた情報に従って設定される。
具体的には、任意の点Cは肝臓領域内に設定された画素であるので、図12に示すように、その点Cを示すノードN33と肝臓領域を表すノードSとをつなぐs-linkに大きい値の確からしさを設定する。また、肝臓領域内に設定された任意の点を基準として、その肝臓領域を含むように設定した判別領域Tは、通常、肝臓領域及びその肝臓領域の周囲に存在する背景領域を含むようになっていることから、判別領域TT2の周縁の各画素を、背景領域を示す画素であろうと想定し、それらのその各画素を示すノードN11、N12、…、N15、N21、N25、N31、、と背景領域を表すノードTとをつなぐt-linkに大きい値の確からしさを設定する。
また、図13に示すように、点設定部120において設定された点Cから基準点A、Bをそれぞれ通る方向に延びた各線分全体のうち、基準点Aと点Cとの間、基準点Bと点Cとの間の部分に位置する各画素は肝臓領域の内部に存在する画素であると判断することができるので、それらの各画素を示すノードと肝臓領域を表すノードSとをつなぐs-linkに大きい値の確からしさを設定し、基準点Aから点Cとは反対側に延びた部分、および基準点Bから点Cとは反対側に延びた部分に位置する各画素は肝臓領域の外部に存在する画素であると判断することができるので、それらの各画素を示すノードと肝臓領域を表すノードTとをつなぐt-linkに大きい値の確からしさを設定する。
そして、肝臓領域と背景領域は互いに排他的な領域であるので、たとえば図14に点線で示すように、全てのn-link、s-link、およびt-linkのうち適当なリンクを切断してノードSをノードTから切り離すことにより、判別領域Tを肝臓領域と背景領域に分割して、肝臓領域を抽出する。ここで、切断する全てのn-link、s-link、およびt-linkにおける確からしさの合計が最も小さくなるような切断を行うことにより、最適な領域分割をすることができる。
なお、ここでは、グラフカット法(Graph Cuts)を用いて肝臓領域を抽出する場合について例示しているが、それに代えて、たとえば特開2007−307358号公報に記載されているような動的計画法を用いて肝臓領域の輪郭を決定する等他の手法を用いて肝臓領域を抽出してもよい。
次いで、上記の構成により、医用画像Pから肝臓領域を抽出する際に行われる処理の一例について説明する。
まず、検出部112が、識別器取得部111により予め取得した、任意の医用画像中の各画素が基準点A、Bのいずれかを示す画素であるかどうかを識別できる識別器D、Bを用いて、医用画像P中の基準点A、Bを検出する。次に、点設定部120が、上記の式(1)により、基準点A(x、y)と基準点B(x、y)を用いて、医用画像P中の対象領域内に任意の点C(x、y)(シード点)を設定する。次に、領域設定部130が、医用画像P中に、対象領域の全体を含むと思われる判別領域Tを設定する。次に、算出部142が、評価関数取得部141により予め取得した、任意の医用画像中の各画素が肝臓領域の輪郭を示す画素であるかどうかを評価できる評価関数Fを用いて、判別領域T内の各画素の輪郭らしさを算出する。最後に、領域抽出部150が、たとえばグラフカット法(Graph Cuts)により、設定された任意の点Cおよび算出された各画素の輪郭らしさに基づいて、かつ、肝臓領域の輪郭が基準点A、Bを必ず通るようにして、判別領域Tから対象領域を抽出し、処理を終了する。
上記実施の形態によれば、入力画像中の対象領域内に任意の点を設定し、入力画像中に、対象領域の全体を含むと思われる判別領域を設定し、設定された判別領域内の各画素の輪郭らしさを、その画素の近傍画素の画素値情報に基づいて算出し、設定された任意の点および算出された各画素の輪郭らしさに基づいて、入力画像から対象領域を抽出する際に、その対象領域と同種の対象領域の輪郭上に存在し、かつ近傍領域の画素値分布に基づいて特定可能な基準点が既知である複数のサンプル画像中の、基準点を表す画素および基準点以外の点を表す画素のそれぞれについて、近傍領域の画素値分布を予め機械学習し、その機械学習の結果に基づいて入力画像中の基準点を検出し、その検出結果にさらに基づいて対象領域の抽出を行うようにしているので、対象領域の内部または外部に輪郭のような画素値分布が存在する場合であっても、対象領域の正しい輪郭上に存在する点として検出した基準点を確実に通るように、対象領域の輪郭を決定することができ、対象領域の抽出性能をより向上させることができる。
なお、上記実施の形態においては、本発明の肝臓領域抽出部31を2次元の入力画像から対象領域を抽出するものに適用した場合について説明したが、3次元の入力画像から対象領域を抽出するものに適用することもできる。
たとえば、3次元の医用画像中の肝臓領域の輪郭を決定する場合、2次元の医用画像から肝臓領域を抽出するときと同様に、全体的になめらかな曲面からなる肝臓領域の輪郭の角ばった箇所に存在する点を基準点として用いる。
識別器取得部111が、肝臓領域を含む複数の3次元のサンプル画像を用意し、それらのサンプル画像中の、基準点を表すボクセルおよび基準点以外の点を表すボクセルのそれぞれについて、近傍領域の画素値分布を予め機械学習することにより、サンプル画像中の各ボクセルが基準点を示すボクセルであるか否かをそのボクセルの近傍領域の画素値分布に基づいて識別する識別器を取得する。ここで、各ボクセルの近傍領域は、その近傍領域の内の各ボクセルにおける画素値が変化する方向、その変化の大きさなどの、近傍領域の画素値分布に基づいてそのボクセルが基準点であるか否かを識別できる程度の大きさの3次元領域であることが望ましい。検出部112が、3次元の医用画像上に識別器取得部111において取得した識別器を走査させることにより、その医用画像中の基準点を検出する。
また、点設定部120が、3次元の医用画像の肝臓領域内に、3次元座標系での任意の点Cを設定し、領域決定部30が、その3次元の医用画像中に、肝臓領域の全体を含むと思われる3次元の存在範囲を設定する。ここで、存在範囲は、その周縁形状として六面体、球体等、種々の形状を採用することができる。
また、評価関数取得部141が、肝臓領域を含む複数の3次元のサンプル画像を用意し、それらのサンプル画像中の、輪郭上の点を表すボクセルおよび輪郭以外の点を表すボクセルのそれぞれについて、近傍ボクセルの画素値情報を予め機械学習することにより、任意の3次元の医用画像中の各ボクセルが肝臓領域の輪郭を示すボクセルであるかどうかを評価できる評価関数Fを取得する。ここで、近傍ボクセルの画素値情報としては、例えば、そのボクセルを中心とするX軸方向5ボクセル×Y軸方向5ボクセル×Z軸方向5ボクセルの立方体の領域内の異なる複数個のボクセルにおける画素値の組み合わせを用いることができる。次に、算出部142が、判別領域T内の各ボクセルの特徴量に基づいて、各ボクセルの輪郭らしさ、つまりそのボクセルが輪郭を示すボクセルであるかどうかの評価値を、評価関数Fを用いて算出する。
領域抽出部150が、たとえば米国特許第6973212号明細書等に記載されている3次元のグラフカット法(Graph Cuts)により、3次元の判別領域Tを肝臓領域と背景領域とに分割する際、肝臓領域と背景領域の境界が、検出部112において検出された基準点を必ず通るようにして、判別領域Tから肝臓領域を抽出し、処理を終了する。
31 肝臓領域抽出部
32 肝区域特定部
33 区域機能レベル算出部
34 表示画像生成部
35 表示部
36 位置合わせ処理部

Claims (16)

  1. 肝臓の機能レベルに応じた造影効果を生じさせる造影剤を被検体に投与後、所定の時間が経過した後に取得された、該機能レベルを表す肝機能造影画像から、肝臓中の少なくとも1つの区域の機能レベルを表す区域機能レベル情報を取得する区域機能レベル情報取得手段と、
    取得された区域機能レベル情報を提示する区域機能レベル提示手段とを備えたことを特徴とする医用画像診断装置。
  2. 前記区域機能レベル情報取得手段が、肝臓中の複数の区域の各々における前記区域機能レベル情報を取得するものであり、
    前記区域機能レベル提示手段が、前記複数の区域毎に前記区域機能レベル情報を提示するものであることを特徴とする請求項1に記載の医用画像診断装置。
  3. 前記区域機能レベル提示手段が、前記区域毎の機能レベルの相違を視覚的に識別可能な態様で提示するものであることを特徴とする請求項2に記載の医用画像診断装置。
  4. 前記肝機能造影画像は、3次元画像、または、3次元空間内における時系列的な変化を表す画像であり、
    前記区域は3次元領域であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の医用画像診断装置。
  5. 前記区域機能レベル提示手段が、区域機能レベル情報を3次元的に提示するものであることを特徴とする請求項4に記載の医用画像診断装置。
  6. 前記肝臓中の区域を特定する区域特定手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の医用画像診断装置。
  7. 前記区域特定手段が、肝臓の解剖学的構造を表す形態画像に対して、該形態画像中の肝臓の区域を特定し、前記肝機能造影画像における、前記形態画像から特定された区域に対応する区域を、前記肝臓中の区域として特定するものであることを特徴とする請求項6に記載の医用画像診断装置。
  8. 前記肝機能造影画像は肝臓以外の領域の画像情報をさらに含むものであり、
    前記肝機能造影画像から肝臓の領域を抽出する肝臓領域抽出手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の医用画像診断装置。
  9. 前記肝機能造影画像は肝臓以外の基準領域の画像情報をさらに含むものであり、
    前記区域機能レベル情報取得手段が、前記区域の機能レベルを該基準領域の機能レベルに対する相対的関係として求めるものであることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の医用画像診断装置。
  10. 前記基準領域を抽出する基準領域抽出手段をさらに備えたことを特徴とする請求項9に記載の医用画像診断装置。
  11. 前記基準領域が前記被検体の脾臓領域であることを特徴とする請求項9または10に記載の医用画像診断装置。
  12. 前記肝機能造影画像は、肝臓の機能の正常さの度合いが画素値の高低として反映された画像であることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の医用画像診断装置。
  13. 前記肝機能造影画像はMRIによって取得された画像であることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の医用画像診断装置。
  14. 前記造影剤がガドキセト酸ナトリウム(Gd-EOB-DTPA)を有効成分とするものであることを特徴とする請求項13に記載の医用画像診断装置。
  15. 肝臓の機能レベルに応じた造影効果を生じさせる造影剤を被検体に投与後、所定の時間が経過した後に取得された、該機能レベルを表す肝機能造影画像から、肝臓中の少なくとも1つの区域の機能レベルを表す区域機能レベル情報を取得するステップと、
    取得された区域機能レベル情報を提示するステップとを備えたことを特徴とする医用画像診断方法。
  16. コンピュータに、
    肝臓の機能レベルに応じた造影効果を生じさせる造影剤を被検体に投与後、所定の時間が経過した後に取得された、該機能レベルを表す肝機能造影画像から、肝臓中の少なくとも1つの区域の機能レベルを表す区域機能レベル情報を取得するステップと、
    取得された区域機能レベル情報を提示させるステップとを実行させることを特徴とする医用画像診断プログラム。
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