JP2011010840A - パンツ型吸収性物品 - Google Patents

Abstract

【課題】 着用者の脚回り等を過度に締め付けることなく、着用者の脚回りに対する良好なフィット性が得られるパンツ型吸収性物品を提供すること。
【解決手段】パンツ型吸収性物品１は、外装体２と外装体の内面側に固定されている吸収性本体３とを備えている。外装体２は、着用者の腹側に配される腹側部２Ａと、股間部に配される股下部２Ｃと、背側に配される背側部２Ｂとを有し、腹側部２Ａの側縁部２ａ，２ａと背側部２Ｂの側縁部２ｂ，２ｂとが接合されて一対のサイドシール部４，４が形成されている。外装体２は、腹側部２Ａ及び背側部２Ｂそれぞれの側縁部２ａ，２ｂに、腹側部の側縁部２ａと背側部の側縁部２ｂとが互いに接合されていない非接合縁部２ａ”，２ｂ”を有しており、該非接合縁部２ａ”，２ｂ”は、腹側部及び背側部それぞれの側縁部２ａ，２ｂにおける、サイドシール部４を形成する部分２ａ’，２ｂ’より股下部２Ｃ側に形成されている。
【選択図】図２

Description

本発明は、使い捨ておむつ等のパンツ型吸収性物品に関する。

従来、着用者の腹側に配される腹側部、着用者の股間部に配される股下部及び着用者の背側に配される背側部に亘る砂時計状の外装体と、該外装体の内面側に固定された吸収性本体とを備え、腹側部における外装体の両側縁部と背側部における外装体の両側縁部とが接合されてウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成されているパンツ型吸収性物品が知られている（特許文献１〜４等参照）。

特開平６−２９６６４３号公報 特開２００５−２７９０７７号公報 特開２００８−８６４９５号公報 特開２００３−８８５５５号公報

上記従来のパンツ型吸収性物品においては、腹側部における外装体の両側縁部と背側部における外装体の両側縁部とが全長に亘って接合されている。
そのようなパンツ型吸収性物品においては、レッグ開口部に沿って、糸状ないし帯状の弾性部材を配したり、外装体自体をシート状の弾性部材で形成すること等により、脚回りに対するフィット性を向上させているが、それらの場合には、フィット性を一層向上させようとすると、着用者の脚回りや胴回りを強く締め付け、ゴム跡が付いたり、着用者がきつく感じるという場合があった。

従って、本発明は、着用者の脚回り等を過度に締め付けることなく、着用者の脚回りに対する良好なフィット性が得られるパンツ型吸収性物品に関する。

本発明は、外装体と外装体の内面側に固定されている吸収性本体とを備え、外装体は、着用者の腹側に配される腹側部と、股間部に配される股下部と、背側に配される背側部とを有し、腹側部の側縁部と背側部の側縁部とが接合されて一対のサイドシール部が形成されているパンツ型吸収性物品であって、前記外装体は、腹側部及び背側部それぞれの側縁部に、腹側部の側縁部と背側部の側縁部とが互いに接合されていない非接合縁部を有しており、該非接合縁部は、腹側部及び背側部それぞれの側縁部における、前記サイドシール部を形成する部分より股下部側に形成されている、パンツ型吸収性物品を提供するものである。

本発明のパンツ型吸収性物品によれば、着用者の脚回り等を過度に締め付けることなく、着用者の脚回りに対する良好なフィット性が得られる。また、着用する際に着用者の脚を挿入しやすくなり、はかせやすさが向上する。

図１は、本発明の一実施形態であるパンツ型使い捨ておむつの使用状態（着用状態）を、側方から見た図である。 図２は、図１に示すパンツ型使い捨ておむつの展開且つ伸張状態を示す一部破断平面図である。展開且つ伸長状態とは、サイドシール部を引き剥がして、パンツ型吸収性物品を展開状態とし、その展開状態の吸収性物品を、各部の弾性部材を伸長させて、設計寸法（弾性部材の影響を一切排除した状態で平面状に広げたときの寸法と同じ）となるまで拡げた状態をいう。 図３は、図１に示すパンツ型使い捨ておむつにおける外装体の腹側又は背側部側を示す一部破断拡大図である。 図４は、図１に示すパンツ型使い捨ておむつにおける延出部分伸縮部の吸収性物品横方向に沿う断面を示す図であり、（ａ）は、弾性部材２４を伸長させて襞をなくした状態、（ｂ）は弾性部材２４が収縮して襞２９が形成されている状態を示す図である。 図５は、本発明の他の実施形態であるパンツ型使い捨ておむつを示す図（図２相当図）である。

以下、本発明のパンツ型吸収性物品を、その好ましい一実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
本発明の第１実施形態であるパンツ型使い捨ておむつ１（以下、おむつ１ともいう）は、図２に示すように、外装体２と外装体の内面側に固定されている吸収性本体３とを備えている。外装体２は、着用者の腹側に配される腹側部２Ａと、股間部に配される股下部２Ｃと、背側に配される背側部２Ｂとを有し、腹側部２Ａの側縁部２ａ，２ａと背側部２Ｂの側縁部２ｂ，２ｂとが接合されて一対のサイドシール部４，４が形成されている。
また、外装体２は、腹側部２Ａ及び背側部２Ｂそれぞれの側縁部２ａ，２ｂに、腹側部の側縁部と背側部の側縁部とが互いに接合されていない非接合縁部２ａ”，２ｂ”を有しており、該非接合縁部２ａ”，２ｂ”は、腹側部及び背側部それぞれの側縁部２ａ，２ｂにおける、サイドシール部４を形成する部分（以下、接合縁部ともいう）２ａ’，２ｂ’より股下部２Ｃ側に形成されている。

おむつ１についてより詳細に説明する。
おむつ１の吸収性本体３は、図２に示すように、液透過性の表面シート３１、液不透過性又は撥水性の裏面シート３２、及び両シート３１、３２間に介在配置された液保持性の吸収性コア３３を有しており、おむつ（吸収性物品縦方向）１の縦方向に長い長方形状に形成されている。おむつ（吸収性物品縦方向）１の縦方向は、おむつ１の展開且つ伸張状態（図２参照）において、腹側部２Ａから股下部２Ｃを経て背側部２Ｂに亘る方向又はその逆方向（図２中Ｘ方向）であり、おむつ（吸収性物品縦方向）１の横方向は、その縦方向に直交する方向（図２中Ｙ方向）である。

吸収性本体３の長手方向の両側部には、液抵抗性ないし撥水性で且つ通気性の素材から構成された側方カフス３４，３４が形成されている。各側方カフス３４の自由端の近傍には、側方カフス弾性部材３５が伸長状態で配されている。おむつ１を着用させる際には、側方カフス弾性部材３５が収縮することにより側方カフス３４が起立し、吸収性本体３から幅方向外方への液の流出が阻止される。表面シート３１、裏面シート３２及び吸収性コア３３としては、それぞれ、この種の吸収性物品に従来用いられているものと同様のものを用いることができる。

外装体２は、おむつ１の展開且つ伸長状態（図２参照）において、長手方向中央部が括れた砂時計状の平面視形状を有している。また、外装体２の腹側部２Ａは、おむつ縦方向（Ｘ方向）に沿う左右一対の側縁部２ａ，２ａと、おむつ横方向（Ｙ方向）に沿う端縁部２ｄとを有している。外装体２の背側部２Ｂも、同様に、おむつ縦方向（Ｘ方向）に沿う左右一対の側縁部２ｂ，２ｂと、おむつ横方向（Ｙ方向）に沿う端縁部２ｄとを有している。外装体２の股下部２Ｃは、左右に、凹状に形成された凹状側縁部２ｅ，２ｅを有している。図示例の凹状側縁部２ｅ，２ｅは円弧状をなしている。
そして、外装体２の腹側部２Ａの側縁部２ａの一部２ａ’と、外装体２の背側部２Ｂの側縁部２ｂの一部２ｂ’とが接合されていることによって、おむつ１には、図１のようにサイドシール部４，４（一方のみ図示）、ウエスト開口部５及び一対のレッグ開口部６，６（一方のみ図示）が形成されている。この接合には、例えばヒートシール、高周波シール、超音波シール、接着剤等が用いられる。図１には、ウエスト開口部５に幼児の胴部７ａ、レッグ開口部６に幼児の脚部７ｂが挿通された状態が示されている。なお、本実施形態のおむつ１は、おむつ縦方向（Ｘ方向）に延びる縦中心線（図示せず）に対して左右対称である。

吸収性本体３は、外装体２のＸ方向及びＹ方向の中央部に接着剤により固定されており、長手方向の一端側（外装体２の腹側部２Ａと重なっている部分）は、該腹側部２ＡのＹ方向の中央部に固定され、他端側（外装体２の背側部２Ｂと重なっている部分）は、該背側部２ＢのＹ方向の中央部に固定されている。

外装体２の腹側部２Ａ及び背側部２Ｂを構成する材料としては、伸長状態でシートに配された弾性部材２４の収縮によりギャザーを形成するものを用いる場合は、図２に示すように、弾性部材２４を伸長させた状態で、一対の側縁部２ａ，２ａどうし、及び一対の側縁部２ｂ，２ｂどうしが、それぞれ互いに平行であることが好ましく、後述する第５実施形態のおむつのように、実質的に非伸長状態で伸長可能な不織布に固定された弾性フィラメント等により伸縮性を発現するものは、実質的に非伸長状態で、一対の側縁部２ａ，２ａどうし、及び一対の側縁部２ｂ，２ｂどうしが、それぞれ互いに平行であることが好ましい。
なお、一対の側縁部２ａ，２ａどうし及び一対の側縁部２ｂ，２ｂどうしは、それぞれ互いに平行なものに代えて非平行なものであっても良く、例えば、腹側部２Ａ又は背側部２Ｂの端縁部２ｄから股下部２Ｃ側に向かって、一対の側縁部間の距離が拡大したり、減少したり、一旦拡大した後に減少するもの、一旦減少した後に拡大するもの等であっても良い。

サイドシール部４は、図２に示すように、腹側部２Ａの側縁部２ａの長さＬａ及び背側部２Ｂの側縁部２ｂの長さＬｂの何れよりも短く形成されている。外装体２は、腹側部２Ａ及び背側部２Ｂそれぞれの側縁部２ａ，２ｂに、腹側部の側縁部２ａと背側部の側縁部２ｂとが互いに接合されていない非接合縁部２ａ”、２ｂ”を有している。
腹側部２Ａ及び背側部２Ｂそれぞれの側縁部２ａ，２ｂは、図１及び図２に示すように、腹側部２Ａの側縁部２ａと背側部２Ｂの側縁部２ｂとが互いに接合されてサイドシール部４を形成している部分２ａ’，２ｂ’を有しており、非接合縁部２ａ”、２ｂ”は、腹側部２Ａ及び背側部２Ｂそれぞれの側縁部２ａ，２ｂにおける、サイドシール部４を形成している部分２ａ’，２ｂ’より股下部２Ｃ側に形成されている。

また、おむつ１における外装体２は、腹側部２Ａにおける非接合縁部２ａ”，２ａ”間の領域２１ａに、おむつ１の横方向（Ｙ方向）の伸縮性を有しており、また、背側部２Ｂにおける非接合縁部２ｂ”，２ｂ”間の領域２１ｂにも、おむつ１の横方向（Ｙ方向）の伸縮性を有している。吸収性物品の横方向に伸縮性を有するとは、横方向（Ｙ方向）のみに伸縮性を有する場合に限られず、更に横方向（Ｙ方向）及び縦方向（Ｘ方向）に伸縮性を有していても良く、また、平面内の全方向に伸縮するものであっても良い。
以下、腹側部２Ａにおける非接合縁部２ａ”，２ａ”間の領域２１ａ及び背側部２Ｂにおける非接合縁部２ｂ”，２ｂ”間の領域２１ｂを、腹側部２Ａ及び背側部２Ｂのそれぞれにおいて、サイドシール部４，４間の領域より下方（股下部側）に延出している部分という意味で延出部分２１ａ，２１ｂともいう。

おむつ１における外装体２は、図３に示すように、外層シート２２、該外層シート２２の内面側に配された内層シート２３及びこれら両シート２２，２３間に配された弾性部材２４を備えており、外層シート２２及び内層シート２３は、それぞれ、腹側部２Ａ、股下部２Ｃ及び背側部２Ｂに亘って連続する一枚のシートからなる。

外装体２における、腹側部２Ａ及び背側部２Ｂは何れも、図３に示すように、おむつの外面をなす外層シート２２と、外層シート２２の内面側に配された内層シート２３との間に、複数本の糸状の弾性部材２４が配された構造を有しており、それぞれ、ウエスト伸縮部Ｇ１，胴回り伸縮部Ｇ２及び延出部分伸縮部Ｇ３を有している。
ウエスト伸縮部Ｇ１は、おむつ１の縦方向（Ｘ方向）において、吸収性本体３の長手方向の端部３ａ，３ｂそれぞれより外方に形成されており、延出部分伸縮部Ｇ３は、腹側部２Ａの延出部分２１ａ及び背側部２Ｂの延出部分２１ｂに形成されており、胴回り伸縮部Ｇ２は、腹側部２Ａ及び背側部２Ｂのそれぞれにおいて、Ｘ方向におけるウエスト伸縮部Ｇ１と延出部分伸縮部Ｇ３との間に形成されている。胴回り伸縮部Ｇ２及び延出部分伸縮部Ｇ３は、おむつ１の横方向（Ｙ方向）において、吸収性本体３の長手方向の両側縁それぞれの外方に形成されている。即ち、胴回り伸縮部Ｇ２及び延出部分伸縮部Ｇ３は、腹側部２Ａ及び背側部２Ｂそれぞれにおける、少なくとも、吸収性本体３の長手方向の両側縁それぞれより外方に位置する部分において伸縮性を発現する。他方、吸収性本体３と重なる部分においては、製造時に一旦連続的に配された弾性部材２４が、伸縮性、特に吸収性本体３の中央部と重なる部分の伸縮性を発現しないように切断されていることが好ましい。なお、図３には、吸収性本体３が配置される位置を２点鎖線で示してある。

ウエスト伸縮部Ｇ１，胴回り伸縮部Ｇ２及び延出部分伸縮部Ｇ３においては、外層シート２２と内層シート２３との間が、散点状に形成された多数の接合部２６において接合されている。より具体的には、おむつ１の縦方向（Ｘ方向）に接合部２６が間欠的に直列配置されてなる縦接合部列が、おむつ１の横方向（Ｙ方向）に複数列形成されている。また、それらの縦接合部列における各接合部のＸ方向の位置も全ての縦接合部列において一致している。

そして、伸縮部Ｇ１〜Ｇ３の何れにおいても、複数本の弾性部材２４が、それぞれ、縦方向に隣接する接合部２６間を通るように配されている。また、各弾性部材２４は、後述する端部固定部２７又は吸収性本体側固定部２８においてシート２２，２３間に固定されている一方、それ以外の部位においては、シート２２，２３の何れにも固定されていない。

腹側部２Ａのウエスト伸縮部Ｇ１は、腹側部２Ａの両側縁部２ａ，２ａに、外層シート２２と内層シート２３との間が接着剤を介して接合された一対の端部固定部２７を有している（図３参照）。ウエスト伸縮部Ｇ１に配された弾性部材２４は、一対の端部固定部２７それぞれにおいてシート２２，２３間に固定されている一方、端部固定部２７間においては、シート２２，２３の何れにも固定されていない。背側部２Ｂのウエスト伸縮部Ｇ１についても同様である。
腹側部２Ａの胴回り伸縮部Ｇ２及び延出部分伸縮部Ｇ３は、何れも、腹側部２Ａの一方の側縁部に、外層シート２２と内層シート２３との間が接着剤を介して接合された端部固定部２７を有しており、また、吸収性本体３の側縁３ｃ位置の近傍に、外層シート２２と内層シート２３との間が接着剤を介して接合された吸収性本体側固定部２８を有している。胴回り伸縮部Ｇ２及び延出部分伸縮部Ｇ３に配された弾性部材２４は、端部固定部２７と吸収性本体側固定部２８のそれぞれにおいてシート２２，２３間に固定されている一方、端部固定部２７と吸収性本体側固定部２８との間においては、シート２２，２３の何れにも固定されていない。背側部２Ｂにおける、胴回り伸縮部Ｇ２及び延出部分伸縮部Ｇ３についても同様である。

吸収性本体側固定部２８は、図３に示すように、吸収性本体３の側縁３ｃの内外に亘るように形成されていても良いが、その全体が吸収性本体３と重なるように形成されていても良い。その全体が吸収性本体３と重なっている態様には、吸収性本体側固定部２８のおむつ横方向外側の端部の位置と吸収性本体３の側縁３ｃの位置とが一致する態様と、吸収性本体側固定部２８が、吸収性本体３の側縁３ｃとの間に所定の間隔を設けて形成されている態様との両者が含まれる。
また、吸収性本体側固定部２８を、吸収性本体３の側縁３ｃよりおむつ横方向の外方に形成することもできる。

ウエスト伸縮部Ｇ１，胴回り伸縮部Ｇ２及び延出部分伸縮部Ｇ３のそれぞれにおいては、弾性部材２４が収縮することにより、隣接する縦接合部列間のシート２２及び２３が外方に膨らむように変形して、隣接する縦接合部列間にシート２２又はシート２３からなる襞２９が生じると共に、両シート２２，２３間には、襞２９と襞２９とに周囲を囲まれた中空部３０が形成される（図４参照）。襞２９や中空部３０が形成されることにより、腹側部２Ａ及び背側部２Ｂの柔らかさが向上して肌触り等が向上する他、肌当接面側に形成される襞２９間を空気が流通し易くムレ防止性にも優れている。特に、内層シート２３を、不織布等の通気性シートで形成した場合等においては、おむつ１内の湿気を外部に一層逃がしやすくなる。

また、外装体２の股下部２Ｃには、凹状側縁部２ｅに沿うようにレッグ部弾性部材８１が伸長状態で固定されており、レッグ部弾性部材８１の収縮により、凹状側縁部２ｅに沿ってレッグギャザーＧ４が形成される。レッグ部弾性部材８１は、腹側部２Ａの側縁部２ａから股下部２ＣのＸ方向中央部付近に亘って配された第１弾性部材８１ａと、背側部２Ｂの側縁部２ｂから股下部２ＣのＸ方向中央部付近に亘って配された第２弾性部材８１ｂとから構成されている。レッグ部弾性部材８１は、外層シート２２と内層シート２３との間に配されており、両シート２２，２３との間を接着剤を介して接合した凹状固定部８２における両シート２２，２３間に伸長状態で固定されている。
なお、レッグ部弾性部材８１は、第１及び第２弾性部材８１ａ，８１ｂとからなるものに代えて、腹側部２Ａ、股下部２Ｃ及び背側部２Ｂに亘って連続する一本の弾性部材からなるものであっても良い。また、レッグ部弾性部材８１は、おむつ１のＸ方向の左右両側それぞれに複数本づつ配されていても良い。

第１実施形態のおむつ１によれば、腹側部２Ａ及び背側部２Ｂそれぞれの側縁部２ａ，２ｂに、上述した非接合縁部２ａ”，２ｂ”を有しており、おむつ１を着用した状態においては、図１に示すように、腹側部２Ａ側の非接合縁部２ａ”と背側部２Ｂ側の非接合縁部２ｂ”とが、腹側部方向と背側部方向に分かれて逆Ｙ字状に開く事で、レッグ部弾性部材８１が太もも全周を覆わなくなり、また、非接合縁部２ａ”，２ｂ”は太ももに過度に押し付けられずに収縮される。そのため、太ももに掛かる締め付け応力が低減されると共に脚回りに対する良好なフィット性を得られる。
また、非接合縁部２ａ”，２ｂ”を有し、腹側部２Ａ又は背側部２Ｂそれぞれの非接合縁部間（２ａ”−２ａ”間、２ｂ”−２ｂ”間）の収縮応力は、意外にも、腹側部２Ａ又は背側部２Ｂそれぞれの接合縁部間（２ａ’−２ａ’間、２ｂ’−２ｂ’間）に存在するウエスト伸縮部Ｇ１や胴回り伸縮部Ｇ２の弾性部材２４の収縮応力を強めるように機能する。そのため、着用者に対し良好なフィット性が得られ、吸収性物品使用時のズレ抑制に繋がる。

また、腹側部２Ａ及び背側部２Ｂそれぞれの側縁部２ａ，２ｂが、上述した非接合縁部２ａ”，２ｂ”を有することは、おむつ使用後等に、サイドシール部４を剥離し易くなるという利点もある。また、非接合縁部２ａ”と非接合縁部２ｂ”との間が開くことによって、レッグ開口部に脚を通し易くなり、履きやすいおむつとなる。

延出部分２１ａ，２１ｂそれぞれのおむつ横方向の伸縮性の程度は、展開かつ伸長状態のおむつ１における、延出部分２１ａ，２１ｂそれぞれの、吸収性本体３の側縁部３ｃからおむつ横方向外方に延出する長さを１００％としたとき、収縮状態における同長さが、９０〜１５％となることが好ましく、６０〜２０％となることがより好ましく、５０〜２５％となることが更に好ましくい。

上述した効果の一又は二以上が一層確実に奏されるようにする観点から、腹側部２Ａ及び背側部２Ｂそれぞれの非接合縁部２ａ”，２ｂ”は、サイドシール部４から股下部２Ｃ側へ延出する延出長さＬ５，Ｌ６が、該サイドシール部４の長さＬ４の５〜１５０％であることが好ましく、２５〜７０％であることがより好ましい。
また、同様の観点から、腹側部２Ａの非接合縁部２ａ”の延出長さＬ５は、腹側部２Ａの側縁部２ａの長さＬａの５〜６０％、特に２０〜４０％であることが好ましく、背側部２Ｂの非接合縁部２ｂ”の延出長さＬ６は、背側部２Ｂの側縁部２ｂの長さＬｂの５〜６０％、特に２０〜４０％であることが好ましい。
なお、非接合縁部２ａ”，２ｂ”それぞれの延出長さＬ５，Ｌ６は、１０ｍｍ以上であることが好ましく、２０ｍｍ以上であることがより好ましい。
幼児用のおむつの場合、非接合縁部２ａ”，２ｂ”それぞれの延出長さＬ５，Ｌ６は、１０〜１００ｍｍであることがより好ましく、更に好ましくは２０〜７０ｍｍである。成人用のおむつの場合、非接合縁部２ａ”，２ｂ”それぞれの延出長さＬ５，Ｌ６は、１０〜１５０ｍｍであることがより好ましく、更に好ましくは２０〜１００ｍｍである。

また、腹側部２Ａの非接合縁部２ａ”と背側部２Ｂの非接合縁部２ｂ”とは、着用者を前側から見たときに見える肌の露出部分を減らして漏れに対する不安感を低減する観点からは、前記延出長さＬ５，Ｌ６がほぼ等しいことが好ましい。非接合縁部２ａ”，２ｂ”の延出長さＬ５，Ｌ６がほぼ等しいとは、腹側部２Ａの非接合縁部２ａ”の延出長さＬ５と、背側部２Ｂの非接合縁部２ｂ”の延出長さＬ６とが、５ｍｍ以下の関係を有する場合をいう。
他方、腹側部２Ａ及び背側部２Ｂの両者に延出部分２１ａ，２１ｂを形成すると共に背側部２Ｂの延出部分２１ｂの延出長さＬ６を、腹側部２Ａの延出部分２１ａの延出長さＬ５よりも長くしても良い。その場合、前記延出長さＬ６は、前記延出長さＬ５の１．１〜２．５倍の長さとすることが好ましい。
また、背側部２Ｂの延出部分２１ｂを腹側部２Ａの延出部分２１ａより長くした形態のパンツ型吸収性物品においては、背側部２Ｂの延出部分２１ｂのみに伸縮性を持たせることも、着用者の後ろ側のフィット性と外観が向上の観点から好ましい。

外層シート２１及び内層シート２２としては、この種の物品に従来使用されている各種のシート材を特に制限なく用いることができるが、不織布であることが好ましく、特に柔軟性等の観点から、エアースルー不織布、ヒートロール不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布等からなる単層の不織布又は２層以上の積層不織布であることが好ましい。また、これらの不織布とフィルムとを一体化したシートでもよい。弾性部材２４の形成材料としては、使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品に用いられる各種公知の弾性材料を特に制限なく用いることができる。弾性材料としては、例えば、スチレン−ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、ネオプレン等の合成ゴム、天然ゴム、ＥＶＡ、伸縮性ポリオレフィン、ポリウレタン等を挙げることができる。弾性部材の形態としては、断面が矩形、正方形、円形、多角形状等の糸状（糸ゴム等）若しくは紐状（平ゴム等）のもの、又はマルチフィラメントタイプの糸状のもの等を好ましく用いることができる。

第１実施形態のパンツ型使い捨ておむつ１は、例えば、次のようにして効率的に連続的に製造することができる。
先ず、外層シート２２の原反である帯状シート及び／又は内層シート２３の原反である幅広の帯状シートに、端部固定部２７、吸収性本体側固定部２８及び凹状固定部８２形成用の接着剤を塗工した後、両シートを、両者間に弾性部材２４及びレッグ部弾性部材８１を伸長状態で介在させた状態に重ね合わせる。そして、その重合体を、周面に接合部２６形成用の凸部が形成された加圧ロールと、該加圧ロールと対向配置されたアンビルロールとの間に導入して部分的に加圧及び加熱することにより、上述した多数の接合部２６を形成する。そして、吸収体本体側固定部２８間に配置された弾性部材２４を複数の凸部を有するロールと平坦なロール間に導入し、加圧して切断することにより、非伸縮領域を形成しておく。更に、接合部２６が形成された外装体連続体の上記非伸縮領域に、吸収性本体３を間欠配置し、その前又は後に、隣り合うおむつの凹状側縁部を合わせた形状の輪郭を有するレッグホールを形成する。

次いで、その連続体を２つ折りして、サイドシール部４，４を、ヒートシール、超音波シール、高周波シール等により形成し、そのサイドシール部４，４の形成後に、公知の切断手段（図示せず）により、個々のおむつ１の寸法に切断する。このようにして、上述した構成のパンツ型使い捨ておむつ１が得られる。サイドシール部４，４は、外装体連続体の一側縁からレッグホールまでの全幅に亘らないように形成し、おむつ１の外装体２の腹側部２Ａ及び背側部２Ｂの両側縁部に上述した非接合縁部２ａ”，２ｂ”が形成されるようにする。サイドシール部４，４の形成には、一対のシールロールを備えたシール装置（図示せず）が好ましく用いられる。
本実施態様の製造方法に関し、特に説明しない点は、従来の、いわゆる横流れ方式のパンツ型使い捨ておむつの製造方法と同様にして製造することができる。

次に、本発明の第２実施形態について説明する。
第２実施形態のパンツ型使い捨ておむつについては、第１実施形態との相違点について主として説明し、同様の点については説明を省略する。特に説明しない点は、第１実施形態と同様であり、第１実施形態について上述した説明が適宜適用される。第１実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付してある。

第２実施形態のパンツ型使い捨ておむつ１Ａにおいては、図５に示すように、おむつ１Ａにおける外装体２は、腹側部２Ａ、股下部２Ｃ及び背側部２Ｂに亘って連続する一枚のシートからなる外層シート２２と、腹側部２Ａと背側部２Ｂとで別体のシートである２枚の内層シート２３からなる。
また、外装体２の股下部２Ｃにおける吸収性本体３の両側縁それぞれの外方にも、第１実施形態のおむつ１における延出部分伸縮部Ｇ３と同様の構成を有する股下部伸縮部Ｇ４が形成されている。股下部伸縮部Ｇ４には、第１実施形態のおむつ１における延出部分伸縮部Ｇ３の接合部２６と同様のパターンで、外層シート２２と内層シート２３との間が接合された多数の接合部（図示略）が形成されおり、複数本の弾性部材８３が、それぞれ、縦方向に隣接する接合部２６間を通るように配されている。第２実施形態のおむつ１Ａにおける股下部伸縮部Ｇ４においても、弾性部材８３の収縮により、第１実施形態のおむつ１の各伸縮部Ｇ１〜Ｇ３と同様に、シート２２又はシート２３からなる襞２９が生じ、襞２９と襞２９とに周囲を囲まれた中空部３０が形成される（図４参照）。

股下部伸縮部Ｇ４を構成する複数本の弾性部材８３は、延出部分伸縮部Ｇ３と同様に、一端が吸収性本体側固定部２８においてシート２２，２３間に接着剤により固定されている一方、他端は凹状側縁部４ｅに沿って形成された固定部において接着剤を介してシート２２，２３間に固定されている。また、弾性部材８３はその端部である各固定部間においては、シート２２，２３の何れにも固定されていない。腹側部２Ａと背側部２Ｂにおける股下部伸縮部Ｇ４は同様に形成されている。第２実施形態のパンツ型使い捨ておむつ１Ａにおいては、凹状側縁部２ｅにはレッグ部弾性部材８１は配置していない。

第２実施形態のおむつ１Ａにおける外装体２も、腹側部２Ａ及び背側部２Ｂそれぞれの側縁部２ａ，２ｂに、サイドシール部４を形成する部分２ａ’，２ｂ’と、腹側部２Ａの側縁部と背側部２Ｂの側縁部とが互いに接合されていない非接合縁部２ａ”，２ｂ”を有しており、また、上述した延出部分伸縮部Ｇ３が伸縮性を発現する。そのため、第２実施形態のおむつによっても、第１実施形態のおむつ１と同様の効果が奏される。

更に、第２実施形態のおむつ１Ａにおいては、股下部伸縮部Ｇ４にも、図４に示すような襞２９や中空部３０が形成されるため、柔らかさと肌触り等が向上する他、湿気を外部に一層逃がしやすくする。

次に、本発明の第３〜第５実施形態について説明する。
第３及び第４実施形態のパンツ型使い捨ておむつについては、第１又は第２実施形態との相違点について主として説明し、同様の点については説明を省略する。特に説明しない点は、第１又は第２実施形態と同様である。以下の説明においては、第１又は第２実施形態のおむつの各構成要素等に付した符号と同一の符号を、第３又は第４実施形態における対応する構成要素等に付してある。

第３実施形態のパンツ型使い捨ておむつにおいては、第１実施形態における外装体２の腹側部２Ａ及び背側部２Ｂそれぞれにおける、ウエスト伸縮部Ｇ１、胴回り伸縮部Ｇ２及び延出部分伸縮部Ｇ３が、それぞれ、おむつ外面をなす外層シート２２とその内側に配された内層シート２３とが全域において接着された構造を有しており、弾性部材２４が各伸縮部の全域において両シート２２，２３間に伸張状態で固定されている。
第３実施形態のおむつにおいては、ウエスト伸縮部Ｇ１、胴回り伸縮部Ｇ２及び延出部分伸縮部Ｇ３のそれぞれに、弾性部材２４の収縮によって不規則な凹凸が形成されるが、第１実施形態のような中空部３０は形成されない。

第４実施形態のパンツ型使い捨ておむつにおいては、第２実施形態における外装体２の腹側部２Ａ及び背側部２Ｂそれぞれにおける、ウエスト伸縮部Ｇ１、胴回り伸縮部Ｇ２及び延出部分伸縮部Ｇ３、並びに股下部２Ｃにおける股下部伸縮部Ｇ４が、それぞれ、おむつ外面をなす外層シート２２とその内側に配された内層シート２３とが全域において接着された構造を有しており、弾性部材２４又は弾性部材８３が各伸縮部の全域において両シート２２，２３間に伸張状態で固定されている。
第４実施形態のおむつにおいては、ウエスト伸縮部Ｇ１、胴回り伸縮部Ｇ２、延出部分伸縮部Ｇ３及び股下部伸縮部Ｇ４のそれぞれに、弾性部材２４又は弾性部材８３の収縮によって不規則な襞が形成されるが、第１実施形態のような中空部３０は形成されない。

第３及び第４実施形態のおむつにおける外装体も、腹側部２Ａ及び背側部２Ｂそれぞれの側縁部２ａ，２ｂに、サイドシール部４を形成する部分２ａ’，２ｂ’と、腹側部２Ａの側縁部と背側部２Ｂの側縁部とが互いに接合されていない非接合縁部２ａ”，２ｂ”を有しており、また、延出部分伸縮部Ｇ３が伸縮性を発現している。そのため、第３及び第４実施形態のおむつによっても、第１実施形態のおむつ１と同様の効果が奏される。

第５実施形態のパンツ型使い捨ておむつは、外装体２が、腹側部２Ａ、股下部２Ｃ及び背側部２Ｂに亘って連続する一枚のシートからなる内層シートと、腹側部側と背側部側とで別体のシートである２枚の外層シートとからなる。２枚の外層シートは、それぞれの周縁部において内層シートと接着剤を介して固定されている。
そして、内層シート又は外層シートが、互いに交差せずに一方向に延びるように配列した多数の弾性フィラメントが、実質的に非伸長状態で、それらの全長にわたり、伸長可能な不織布に接合されている伸縮シートからなることで、おむつの横方向に伸縮性を有している。
このような伸縮シートとしては、特開２００８−１７９１２８号公報に記載のもの等を用いることができる。その伸縮シートは、弾性フィラメントが、同一の又は異なる２枚の不織布間に挟持されていることが好ましい。また、弾性フィラメントは、糸状の合成ゴム糸や天然ゴム、或いは乾式紡糸（溶融紡糸）や湿式紡糸によって得られたものであり得る。弾性フィラメントは、これを一旦巻き取ったり、蓄えたりすることなしに直接溶融紡糸によって得られたものが、不織布に固定されていることが好ましい。伸縮シートとして、弾性フィラメントが、長繊維状または短繊維状であってランダムに配向されているものを用いることもできる。

第５実施形態で用いる伸縮シートは、第１の不織布及び第２の不織布の計２枚の不織布と、両不織布間に挟持された多数の弾性フィラメントとから構成されているもの等が好ましい。第１の不織布と第２の不織布は、同種のものでもよく、或いは異種のものでもよい。ここで言う同種の不織布とは、不織布の製造プロセス、不織布の構成繊維の種類、構成繊維の繊維径や長さ、不織布の厚みや坪量等がすべて同じである不織布どうしを意味する。これらのうちの少なくとも一つが異なる場合には異種の不織布である。各不織布は何れも伸長可能なものである。伸長可能とは、（イ）不織布の構成繊維自体が伸長する場合と、（ロ）構成繊維自体は伸長しなくても、交点において結合していた繊維どうしが離れたり、繊維どうしの結合等により複数本の繊維で形成された立体構造が構造的に変化したり、構成繊維がちぎれたり、繊維のたるみが引き伸ばされたりして、不織布全体として伸長する場合とを包含する。また、各不織布は、弾性フィラメントと接合される前の原反の状態で既に伸長可能になっていてもよい。或いは、弾性フィラメントと接合される前の原反の状態では伸長可能ではないが、弾性フィラメントと接合された後に伸長可能となるように加工が施されて、伸長可能になるものであってもよい。不織布を伸長可能にするための具体的な方法としては、熱処理、ロール間延伸、歯溝やギアによるかみ込み延伸、テンターによる引張延伸などが挙げられる。弾性フィラメントを不織布に融着させるときの該不織布の搬送性が良好になる点から、不織布はその原反の状態では伸長可能でないことが好ましい。

第５実施形態のパンツ型使い捨ておむつにおける外装体も、腹側部２Ａ及び背側部２Ｂそれぞれの側縁部２ａ，２ｂに、サイドシール部４を形成する部分２ａ’，２ｂ’と、腹側部２Ａの側縁部と背側部２Ｂの側縁部とが互いに接合されていない非接合縁部２ａ”，２ｂ”を有している。また、腹側部２Ａ及び背側部２Ｂの延出部分２１ａ，２１ｂが、おむつ横方向に伸縮性を発現する。そのため、第１実施形態のおむつ１と同様の効果が奏される。

以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は上述した実施形態に制限されるものではない。
例えば、外層シートと内層シートが、それぞれ、腹側部２Ａ、股下部２Ｃ及び背側部２Ｂに亘って連続する一枚のシートからなる外装体を有するパンツ型使い捨ておむつの外層シート及び／又は内層シートとして、第５実施形態のパンツ型使い捨ておむつに用いた伸縮シートを用いても良い。

また、サイドシール部４は、外装体の側縁部２ａ，２ｂに形成されるが、サイドシール部４の外側に非接合部分を有していてもよい。

また、パンツ型吸収性物品は、幼児又は成人用のパンツ型使い捨ておむつの他、パンツ型の生理用ナプキン等であっても良い。
また、使い捨て下着等の吸収性本体を備えないパンツ型の着用部品であってもよい。

１ パンツ型使い捨ておむつ（パンツ型吸収性物品）
２ 外装体
２Ａ 腹側部
２ａ 側縁部
２ａ’ 側縁部のサイドシール部を形成する部分
２ａ” 非接合縁部
２Ｂ 背側部
２ｂ 側縁部
２ｂ’ 側縁部のサイドシール部を形成する部分
２ｂ” 非接合縁部
２Ｃ 股下部
２ｅ 凹状側縁部
２２ 外層シート
２３ 内層シート
３ 吸収性本体
３１ 表面シート
３２ 裏面シート
３３ 吸収性コア
３４ 側方カフス
４ サイドシール部
５ ウエスト開口部
６ レッグ開口部

Claims (6)

1. 外装体と外装体の内面側に固定されている吸収性本体とを備え、外装体は、着用者の腹側に配される腹側部と、股間部に配される股下部と、背側に配される背側部とを有し、腹側部の側縁部と背側部の側縁部とが接合されて一対のサイドシール部が形成されているパンツ型吸収性物品であって、
   前記外装体は、腹側部及び背側部それぞれの側縁部に、腹側部の側縁部と背側部の側縁部とが互いに接合されていない非接合縁部を有しており、該非接合縁部は、腹側部及び背側部それぞれの側縁部における、前記サイドシール部を形成する部分より股下部側に形成されている、パンツ型吸収性物品。
2. 前記外装体は、腹側部及び／又は背側部の非接合縁部間の領域に、吸収性物品横方向の伸縮性を有している、請求項１記載のパンツ型吸収性物品。
3. 前記非接合縁部は、前記サイドシール部から股下部側へ延出する延出長さが、該サイドシール部の長さの５〜１５０％である、請求項１又は２記載のパンツ型吸収性物品。
4. 腹側部の非接合縁部と背側部の非接合縁部とは、前記サイドシール部から股下部側へ延出する延出長さがほぼ等しい、請求項１〜３の何れかに記載のパンツ型吸収性物品。
5. 前記外装体は、外層シート、該外層シートの内面側に配された内層シート及びこれら両シート間に配された弾性部材を備えており、外層及び／又は内層シートが、腹側部、股下部及び背側部に亘って連続する一枚のシートからなる、請求項１〜４の何れかに記載のパンツ型吸収性物品。
6. 外着用者の腹側に配される腹側部と、股間部に配される股下部と、背側に配される背側部とを有する外装体における腹側部の側縁部と背側部の側縁部とが接合されて一対のサイドシール部が形成されているパンツ型着用物品であって、
   前記外装体は、腹側部及び背側部それぞれの側縁部に、腹側部の側縁部と背側部の側縁部とが互いに接合されていない非接合縁部を有しており、該非接合縁部は、腹側部及び背側部それぞれの側縁部における、前記サイドシール部を形成する部分より股下部側に形成されている、パンツ型着用物品。

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