JP2011008843A - 多層光ディスクおよびその記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 3層以上の記録層を有する多層光ディスクにおいて、ユーザデータ上の他の層が記録状態であるか未記録であるかにより実効的な記録感度が変動するため、記録パワーが最適値からずれてしまい、ユーザ記録データの信頼性(信号品質)を十分に確保することが困難であった。
【解決手段】 記録層が未記録であるか記録済みであるかによって変動する記録感度の変化率に関する情報をディスクの制御領域にあらかじめ記録し、その感度変動情報により記録パワー補正を行うこととした。補正の方法は、(1)他の層の記録/未記録状態を判別して行う方法と、(2)他の層が記録/未記録を判別せずに既記録/未記録の両者の最適パワーの中間的なパワーで記録する方法、及び、(3)(1)と(2)の組み合わせの3種ある。
【選択図】 図1
【解決手段】 記録層が未記録であるか記録済みであるかによって変動する記録感度の変化率に関する情報をディスクの制御領域にあらかじめ記録し、その感度変動情報により記録パワー補正を行うこととした。補正の方法は、(1)他の層の記録/未記録状態を判別して行う方法と、(2)他の層が記録/未記録を判別せずに既記録/未記録の両者の最適パワーの中間的なパワーで記録する方法、及び、(3)(1)と(2)の組み合わせの3種ある。
【選択図】 図1
Description
本発明は、複数の記録層を有する光ディスクおよび複数の記録層を有する光ディスクの記録方法に関する。
図2は従来の多層光ディスクの断面構造と各記録層の情報を選択的に記録再生する原理を模式的に示したものである。本従来例では、記録媒体は合計5つの記録層(第1の記録層411、第2の記録層412、第3の記録層413、第4の記録層414、第5の記録層415)を備えている。この5層媒体を用いて、例えば、第2の記録層412上の記録情報にアクセスするためには、対物レンズ30の位置を制御し、光スポット32の位置を第2の記録層412上に位置づける。その際、対物レンズによって絞り込まれる途中の収束光31は、半透明の第1の記録層411を透過するが、この第1の記録層上では、収束光31の光束径は、第2の記録層412上での光スポット32の直径と比べて十分に大きく、このため、半透明の第1の記録層411上の記録情報を分解して再生することができない。半透明の第1の記録層411上では光束径が大きいため、単位面積あたりの光強度が相対的に小さくなり、記録時に第1の記録層411の情報を破壊する心配はない。このようにして第1の記録層の影響を受けずに第1の記録層よりも奥の第2の記録層の情報記録再生を実現している。
同様に第5の記録層415上の情報を記録再生する場合は、対物レンズ30の位置を制御し、光スポット32の位置を第5の記録層415上に位置づける。ここで、記録再生の目的とする層に隣接する層の光束径は、層間の間隔をd、対物レンズの開口数をNA、光の波長をλとし、層間透明層の屈折率をnとしたとき、2×d×(NA/n)/(1-(NA/n)^2)^(1/2)となる。例えばdが8μm、NAが0.85の場合には光束径は約10μmとなり、波長λが400nmの時の目的層での光スポット32の径 λ/NA=470nmと比べて直径で20倍以上、面積で400倍以上となる。このようにして、他の層の影響なく、複数の記録層を有する光記録媒体上に記録再生を行う条件に関しては、特開平5-101398(特許文献1)に詳細が記載されている。
このような複数の記録層を持つ光ディスクにおいては、光入射側から見て奥の層に情報を記録する場合に、手前の層上の未記録領域を通して奥の層に記録する場合と、手前の層上の記録済み領域を通して記録する場合では、手前の層の実効的な透過率の違いのために、奥の層に到達するレーザパワーが異なってしまうという問題がある。図5を用いてこの問題を模式的に示す。図5(a)は第n番目の記録層(第n層)に光スポットが合焦された様子を示し、図5(b)は、第n層に光スポットが合焦された際に、第n層よりも手前側の記録層(第m層)を透過する光束の様子を示す。図中の縦線は第n層に形成される記録トラックを示す。領域431は情報が何も記録されていない領域(未記録領域)を、領域432は何らかの情報が記録された領域(記録済み領域)を意味する。ブルーレイディスクの場合、トラックピッチは0.32μmであり、第n層からの距離にもよるが、第m層に入射した光は、およそ100本程度のトラックを含む範囲に広がって第m層を透過する。記録領域と未記録領域とでは透過率が異なるため、同じ光束が透過する場合であっても記録領域と未記録領域とでは透過光量が異なることになる。すなわち、第m層の実効的な透過率は、第m層に存在する記録流域と未記録領域の面積の比によって変化することになる。
この問題に対して、特開2003-109217号公報(特許文献2)では、手前の層の未記録部分と記録済み部分の透過率の差が一定値以下になるように記録媒体を構成することにより、手前の層の記録状態によらず、奥の層に対して一定の記録パワーで記録できるようにしている。
特開2003-109217に記載のように、手前側の層(第m層)の光学設計を行う際には、未記録領域と記録済み領域で、透過率が変化しないようにすることが望ましい。しかしながら、媒体の製造のバラツキ、設計誤差を始めとする種々の要因により未記録領域431と記録済み領域432の間に数%から10%程度の透過率差が生じてしまうのが通例である。また、たとえ手前の透過率を同じにできたとしても反射率が異なるため、手前の層からの反射光の影響により奥の層の再生信号品質が変化することがある。
従って、実際の媒体では、未記録領域431と記録済み領域432の間に若干の透過率差が存在し、図5に示したように手前側の第m層の未記録領域431を通して奥側の第n層に記録する場合と、手前側の第m層の記録済み領域432を通して奥側の第n層に記録する場合とでは、第m層の実効的な透過率の違いのために、第n層に到達するレーザパワーが異なってしまう。より正確に言うと、光スポット321が奥の第n層に合焦している時の、手前の第m層の実効的な透過率は、手前の第m層が未記録であるか記録済みであるかによって二値的に変化する訳ではなく、手前の第m層上の光ビーム322に占める未記録部分と記録済み部分の面積比に応じて連続的に変化する。
この現象が記録学習に及ぼす影響の一例を次に示す。図3は、2層追記型光ディスクにおいて、奥側のL0層に記録・再生を行った時の記録パワーとジッタの関係を、手前側のL1層が未記録であった場合と、L1層が記録済みであった場合に分けて示したものである。再生信号を評価する際の信号処理方式としてはブルーレイディスクで標準に使われるリミットイコライザを適用し、信号ジッタ値の大小として信号を表わしている。この測定では、手前のL1層の全領域が未記録であった場合、最適記録パワー、すなわちジッタが最小となる記録パワーは7.1mWであり、この時のジッタは6.7%であった。一方、手前のL1層の全領域が記録済みであった場合には、最適記録パワーは7.5mWであった。すなわち、L1層が記録済みであった場合の最適記録パワーは、L1層が未記録であった場合と比較して約7%高パワー側にシフトした。仮に、L1層が記録済みの場合に、L1層が未記録の場合の最適記録パワー7.1mWを用いて記録するとすれば、ジッタは7.0%となり、最適記録パワーを用いる場合よりも、0.3%増加することになる。
この結果は、例えば次のようなことを意味する。L0層に対する記録学習を行う際に、L1層上のレーザ光が通過する部分が未記録であったとし、この状態で決定した最適記録パワーを用いて、L0層全体に記録するものとする。そうすると、L1層上のレーザが通過する部分が未記録の場合は問題なく記録できるが、そこが記録済みの場合には、L0層に記録されたデータの再生信号のジッタが増加してしまう。すなわち実効的な記録パワーマージンが縮小してしまう。したがって、特許文献2の方法では、記録パワーマージンが小さくなるため、一定の記録パワーを用いて奥の層全体に渡って高い信頼性で記録を行うことは困難であった。
記録学習結果が、手前側の層(L1)の記録/未記録状態に依存して変動してしまう問題を回避するための従来例である特許文献3(特開2005-038584号公報)や特許文献4(特開2004-327038号公報)では、複数層の記録学習のための領域が互いに重ならないようにして、常に手前側の層が未記録の状態で学習を行うようにしていた。また、特許文献5(特開2008−192258号公報)では、他の層が記録状態である場合と未記録状態である場合の両者で記録パワーを学習し、その平均をとるという方式で、記録パワー学習の誤差の問題を回避している。
しかしながら前述した複数の記録層のパワー学習のためのテスト領域の半径位置が互いに異なるように設定する特許文献3及び特許文献4に記載された方式において3層以上の複数層の記録層を持つ多層光ディスクに適用する場合は以下の課題があった。
上記、先行技術文献では、共に、学習領域での学習結果が手前の層の記録の有無によって影響を受けないようにする手段を提供している。しかしながら、ユーザデータ領域での最適記録パワーが手前の層の記録の有無によって影響を受ける問題を解決するものではない。特に3層以上の多層媒体においては、光入射面から見て奥側の層に記録を行う場合には、手前側の2層以上の層を通して記録を行うことになるため、手前側の層の記録/未記録の影響も2倍以上になるため、ユーザ領域で最適記録パワーの調整が重要な課題である。
本発明の第1の目的は、各層のレーザ照射パワーを適切に制御して記録することの可能な3層以上の記録層を有する多層光ディスクを提供することである。
また、本発明の第2の目的は、各層のレーザ照射パワーを適切に制御して記録することの可能な多層光ディスクの記録方法を提供することである。
本発明の第1の目的を達成するために以下の手段を用いた。
(1)第1の記録層と第1の記録層よりも光入射面側に位置する第2の記録層を少なくとも有する多層光ディスクであって、第2の記録層が未記録の場合の第1の記録層の記録感度と第2の記録層が記録済みの場合の第1の記録層の記録感度の比に関する感度補正情報を、多層光ディスクのディスク制御情報領域(DI)内をあらかじめ記録した。
(1)第1の記録層と第1の記録層よりも光入射面側に位置する第2の記録層を少なくとも有する多層光ディスクであって、第2の記録層が未記録の場合の第1の記録層の記録感度と第2の記録層が記録済みの場合の第1の記録層の記録感度の比に関する感度補正情報を、多層光ディスクのディスク制御情報領域(DI)内をあらかじめ記録した。
これにより、OPC(Optimum Power Control)領域などで記録パワー学習の結果求まった最適記録パワーを、他層の記録/未記録状態に応じて補正して記録することが可能となるためユーザ記録領域での記録品質の信頼性が向上する。
(2)N層(N≧3)の記録層を有する多層光ディスクであって、光入射面から一番遠い側に位置する記録層を除く第jの記録層および第jの記録層よりも光入射面から遠い側位置する第kの記録層に対し、第jの記録層が未記録の場合の第kの記録層の記録感度と第jの記録層が記録済みの場合の第kの記録層の記録感度の比に関する感度補正情報を、多層光ディスクのディスク制御情報領域(DI)内にあらかじめ記録した。
また、
(3)上記記録補正情報は上記jに応じて複数種類記録することとした。
あるいは、
(4)上記感度補正情報は上記jとkの組み合わせに応じて複数種類記録した。
(2)N層(N≧3)の記録層を有する多層光ディスクであって、光入射面から一番遠い側に位置する記録層を除く第jの記録層および第jの記録層よりも光入射面から遠い側位置する第kの記録層に対し、第jの記録層が未記録の場合の第kの記録層の記録感度と第jの記録層が記録済みの場合の第kの記録層の記録感度の比に関する感度補正情報を、多層光ディスクのディスク制御情報領域(DI)内にあらかじめ記録した。
また、
(3)上記記録補正情報は上記jに応じて複数種類記録することとした。
あるいは、
(4)上記感度補正情報は上記jとkの組み合わせに応じて複数種類記録した。
これにより、3層以上の光OPC(Optimum Power Control)領域などで記録パワー学習の結果求まった最適記録パワーを、各層の記録/未記録状態の組み合わせに応じて補正して記録することが可能となるためユーザ記録領域での記録品質の信頼性が向上する。
物理的には感度の変動比は対象とした記録層ではなく、記録目標層の手前側の記録層の(第j層)記録状態によって変動する。このため、jに対する補正情報が得られれば補正に必要な情報は得られる。したがって、kに依存する情報を省略する、すなわち、複数のkに対する感度補正値の平均値あるいは代表値を感度補正情報として記録することで、ディスク制御領域に記載する情報のデータ量を節約でき、また制御の際の煩雑さも最小限にできる。
(5)上記の記録層が未記録の場合に対する記録済みの場合の最適記録パワーの比(感度比)をQとする時のQの範囲を規定する定数Aがあらかじめ定められており、Qが1±Aの範囲となるようにした。
(5)上記の記録層が未記録の場合に対する記録済みの場合の最適記録パワーの比(感度比)をQとする時のQの範囲を規定する定数Aがあらかじめ定められており、Qが1±Aの範囲となるようにした。
このAの値を幾らに定めるべきであるかは、記録媒体の記録特性(記録パワーマージン)に依存する。記録型のDVDやブルーレイディスクでは記録パワーマージンは±10〜15%程度であり、このうち、記録パワー学習精度や、ディスク内感度ムラ、パワー制御誤差、サーボ誤差などによって5〜10%程度の変動誤差を見込む必要がある、このため記録層1層あたりの記録・未記録の誤差は、前記パワーマージンから上記変動誤差を引いた値すなわち、最悪でも5〜10%に抑える必要があるが、この値は記録パワー学習の精度そのものにも影響することを考慮すると、実用的には3〜5%以下程度に抑える必要がある。すなわちAは0.03〜0.05程度の値に設定するのがよい。
(6)N層の記録層のうち、光入射面から最も遠い側に位置する記録層を第1層とし、最も近い側に位置する記録層を第N層とするとき、第iの層が未記録の場合と記録済みの場合に対するそれよりも光入射面から遠い側に位置する記録層の最適記録パワーの比をQi とするとき、2〜Nまでの任意のjに対して
(6)N層の記録層のうち、光入射面から最も遠い側に位置する記録層を第1層とし、最も近い側に位置する記録層を第N層とするとき、第iの層が未記録の場合と記録済みの場合に対するそれよりも光入射面から遠い側に位置する記録層の最適記録パワーの比をQi とするとき、2〜Nまでの任意のjに対して
の範囲を規定する定数Bがあらかじめ定められており、
が1±Bの範囲となるようにした。
この
は第j層から第N層まで記録状態に依存した記録感度の変動量を表し、各層に対するQiと同様に記録媒体の記録特性(記録パワーマージン)を実質的に低減する要因である。記録型のDVDやブルーレイディスクでは記録パワーマージンは±10〜15%程度であり、このうち、記録パワー学習精度や、ディスク内感度ムラ、パワー制御誤差、サーボ誤差などによって5〜10%程度の変動誤差を見込む必要がある。このため記録・未記録の誤差の積算値は、前記パワーマージンから上記変動誤差を引いた値、すなわち、最悪でも5〜10%に抑える必要がある。すなわちBは0.05〜0.10程度の値に設定するのがよい。
(7)前記感度補正情報として、未記録の場合と記録済みの場合の最適記録パワーに関する情報をそれぞれ記録した。
(7)前記感度補正情報として、未記録の場合と記録済みの場合の最適記録パワーに関する情報をそれぞれ記録した。
あるいは、
(8)前記感度補正情報として、未記録の場合に記録済みの場合の記録パワーの補正量に関する情報を記録した。
(8)前記感度補正情報として、未記録の場合に記録済みの場合の記録パワーの補正量に関する情報を記録した。
上記(7)、(8)いずれの場合においても、上記ディスク制御情報領域に記録されてある情報を元に換算計算を行うことにより、記録パワー補正量や最適記録パワーを得ることができる。
(9)3層以上の記録層を有し、各層の記録パワーを算出するための記録パワー制御(OPC)に関する情報をディスク制御情報領域(DI)内に有する多層光ディスクであって、ディスク制御情報領域(DI)内に記録するパワー学習情報(OPC)で定まるパワー目標値を、他の層の記録/未記録状態の組み合わせに依存したユーザ領域の最適記録パワーの変動によって生じるユーザ記録品質の劣化が最小になるような記録パワーとした。
(9)3層以上の記録層を有し、各層の記録パワーを算出するための記録パワー制御(OPC)に関する情報をディスク制御情報領域(DI)内に有する多層光ディスクであって、ディスク制御情報領域(DI)内に記録するパワー学習情報(OPC)で定まるパワー目標値を、他の層の記録/未記録状態の組み合わせに依存したユーザ領域の最適記録パワーの変動によって生じるユーザ記録品質の劣化が最小になるような記録パワーとした。
この方法は、ディスク製造時に他の記録層の記録・未記録によって生じる感度差の影響を考慮してユーザデータの記録品質の信頼性を確保できる記録パワー調整目標値を選んでディスク制御情報領域(DI)にOPC情報としてあらかじめ記録をしている。
実際には、任意の層を記録する際に、他の層の記録・未記録の差によって実効的な記録感度が変動する影響を最小化するために、他の層の記録状態をパラメタ―として、記録パワーと記録信号品質の関係をあらかじめ測定し、どの記録・未記録の組み合わせにおいても所定の記録信号品質を満足する記録パワーの最適値を求めそのパワーをユーザデータ領域の最適記録パワーをする。OPC領域においても、他の層の記録状態によりもとまる記録パワーが変化するが、OPC領域での記録学習により求まるパワ―の平均値が、ユーザデータの領域の最適記録パワーとなるように、OPC目標パワー等の情報を設定しDI領域に記録を行う。
したがって、本ディスクを用いて記録を行う光ディスク記録装置は、ディスク制御情報に記載されたOPC情報に従って記録を行うだけで、ユーザデータ領域の記録/未記録の状態にかかわらず確実にユーザ情報の信頼性を確保できることになる。
本発明の第2の目的を達成するために以下の手段を用いた。
(10)N層(N≧3)の記録層を有する多層光ディスクで、光入射面から一番遠い側に位置する記録層を除く第jの記録層および第jの記録層よりも光入射面から遠い側に位置する第kの記録層に対し、第jの記録層が未記録の場合の第kの記録層の記録感度と第jの記録層が記録済みの場合の第kの記録層の記録感度の比に関する感度補正情報が制御情報領域(DI)内に記録された多層光ディスクを用い、ユーザ情報領域に情報記録する際は、記録パワー学習の(OPC)の結果得られた値から前記感度補正情報に従って補正して記録することとした。
(10)N層(N≧3)の記録層を有する多層光ディスクで、光入射面から一番遠い側に位置する記録層を除く第jの記録層および第jの記録層よりも光入射面から遠い側に位置する第kの記録層に対し、第jの記録層が未記録の場合の第kの記録層の記録感度と第jの記録層が記録済みの場合の第kの記録層の記録感度の比に関する感度補正情報が制御情報領域(DI)内に記録された多層光ディスクを用い、ユーザ情報領域に情報記録する際は、記録パワー学習の(OPC)の結果得られた値から前記感度補正情報に従って補正して記録することとした。
これにより、OPC(Optimum Power Control)領域などで記録パワー学習の結果求まった最適記録パワーを、他層の記録/未記録状態に応じて補正して記録することが可能となるためユーザ記録領域での記録品質の信頼性が向上する。
(11)上記の記録パワーの補正は、当該のユーザ情報領域の記録感度に影響を与える複数の記録層の記録状態のすべての組み合わせのうち、記録感度が最大になる組み合わせと記録感度が最低になる場合の組み合わせの両者の平均値または中間値の記録感度を想定して補正することとした。
(11)上記の記録パワーの補正は、当該のユーザ情報領域の記録感度に影響を与える複数の記録層の記録状態のすべての組み合わせのうち、記録感度が最大になる組み合わせと記録感度が最低になる場合の組み合わせの両者の平均値または中間値の記録感度を想定して補正することとした。
これにより、OPC(Optimum Power Control)領域などで記録パワー学習の結果求まった最適記録パワーを、他の層の記録/未記録状態の影響が最小になるようなパワーに補正して記録することが可能になるため、他の層の記録状態であるか、未記録状態であるかを判別することなく、ユーザ記録領域での記録品質の信頼性を向上することができる。
(12)上記の記録パワーの補正は、当該のユーザ情報領域の記録感度に影響を与える複数の記録層の記録状態のすべての組み合わせのうち、未記録か記録済みかの判別が可能な記録層に対しては判別した結果に対する感度補正値を用い、未記録か記録済みかの判別が不能あるいは記録領域と未記録領域が混在していると判別された場合には、未記録と記録済みに対する感度の補正値の中間値を補正値として用い、当該のユーザ情報領域の記録感度に影響を与えるが全ての層の記録補正値を乗算して得られる値を記録補正値として記録を行うこととした。
(12)上記の記録パワーの補正は、当該のユーザ情報領域の記録感度に影響を与える複数の記録層の記録状態のすべての組み合わせのうち、未記録か記録済みかの判別が可能な記録層に対しては判別した結果に対する感度補正値を用い、未記録か記録済みかの判別が不能あるいは記録領域と未記録領域が混在していると判別された場合には、未記録と記録済みに対する感度の補正値の中間値を補正値として用い、当該のユーザ情報領域の記録感度に影響を与えるが全ての層の記録補正値を乗算して得られる値を記録補正値として記録を行うこととした。
これにより、OPC(Optimum Power Control)領域などで記録パワー学習の結果求まった最適記録パワーを、記録・未記録状態の判別が可能な層や領域と判別の困難な層や領域が混在していたとしても、他層の記録/未記録状態の影響が最小になるようなパワーに補正して記録することが可能になるため、ユーザ記録領域での記録品質の信頼性を向上することができる。
本発明を適用することにより、従来の多層光ディスクで問題であった光入射側に位置する層の記録状態の違いによる最適記録パワー(実効記録パワ―)変動の問題の影響を最小限に抑え、常に、高品質なユーザデータ記録品質を確保することが可能となる。すなわち、本発明ではOPC(Optimum Power Control)領域などで記録パワー学習の結果求まった最適記録パワーを、他層の記録/未記録状態に応じて補正して記録することが可能となるためユーザ記録領域での記録品質の信頼性が向上する。このため、従来の多層ディスクでは記録済み領域が増えるに従って、記録品質が低下する問題があったのに対し、本発明では、記録済み割合によらずエラー率が常に10のマイナス5乗程度以下に保たれ、良好な記録品質を維持している。以上のように本発明によれば、記録パワーの学習時に、他の層が記録済か未記録であるかの差による影響を抑えて、高品質な記録を行うことが可能となる。すなわち、ユーザ記録情報の信頼性が向上する。
以下実施例を用いて詳細に説明する。
(実施例1)
図1は、本発明を適用した4層追記型光ディスクの例を示したものである。本実施例の光ディスクは光入射面に近い側から順に、L3、L2、L1、L0の4つの記録層を有する。すなわち、L0層が最も光入射面から遠い側に位置する。
(実施例1)
図1は、本発明を適用した4層追記型光ディスクの例を示したものである。本実施例の光ディスクは光入射面に近い側から順に、L3、L2、L1、L0の4つの記録層を有する。すなわち、L0層が最も光入射面から遠い側に位置する。
図1(a)は、L0層の記録パワーと記録信号品質(ジッタ)の関係を示したものである。現行のブルーレイディスクと同様、1層あたりの記録容量は25GBであり、記録再生に用いる光の波長は405nm、対物レンズの開口数(NA)は0.85である。縦軸の信号品質を示すジッタはブルーレイディスク規格に定められたリミットイコライザを用いて測定したものである。図に示したように、例えば、L0層の記録特性は、L0よりも光入射側に位置するL1層の記録状態によって異なる。L1層が記録済みの場合の記録特性曲線は、L1層が未記録の場合に比べて高パワー側にシフトしている。これは、L1層に記録した記録マークによって、L1層の透過率が実効的に低下してしまいその影響で、L0層に到達する光のパワーが実効的に低下してしまうことに起因している。すなわちある層(第1の層)に記録を行う場合には、第1の層よりも手前側に位置する第2の層の記録の有無によって、最適記録パワーが変化する。この記録パワーの変化率50は、第2の層の記録膜の特性に依存する。
そこで、この記録パワーの変化率を図1(b)に示すディスク制御情報(Disc Information:DI)として、各層の最適記録パワー等とともに、図1(c)に図示したディスク上の管理領域14内にあらかじめ記録しておくこととした。ここでは、ディスク上のアドレスなどを示す溝ウォブルとしてあらかじめディスク上に再生専用情報として記録しておくこととした。本実施例では、最適記録各層の最適記録パワーに関する情報は他の層が未記録の場合の最適記録パワーを示し、変化率情報Qiとして、未記録の場合の記録パワーに対する記録済みの場合の最適記録パワーの割合(変化率=記録パワー補正係数)を記録したが、記録済みと未記録の場合に対する最適記録パワー各々記録しておいてもよい。いずれにしても簡単な換算式によって等価な情報が得られる。
ディスク上に記録された記録パワー変化率情報を用いて実際にユーザ領域に記録を行う際のドライブ動作ついては、後続の実施例で詳述するが、手前の層の記録の有無による感度変化の情報がディスク情報としてディスクにあらかじめ記録されていることによって、ドライブで記録パワー調整を行う際に、記録の有無による影響をあらかじめの加味して記録パワーを設定・調整行うことが可能となり、その結果記録パワーの設定精度が向上し、高品質な記録を行うことが容易になる。
本実施例では、手前側の透過層の記録の有無による差分をDI情報として記録することとしたが、透過層と記録層の組み合わせによる2次元配列として感度変動に関する情報を保持しておく方法もある。第一次近似的には、透過層透過率の変化の影響は、透過層自身の特性にのみ依存するものであるが、透過層と記録対象層の層間の距離によっても感度変動が微妙な影響を受ける可能性もあり、2次元配列として記録した場合はその影響も考慮した記録パワー制御が可能になる。
多層記録互換性の観点からはディスクに記録する感度補正値の範囲をあらかじめ規定しておくのが望ましい。例えば、1層あたりの感度の変化率としては最大でも5%以内とするのが望ましい、すなわち、感度補正係数の範囲としては0.95≦Q≦1.05としておくのがよい。この5%という数字は一般的な光ディスク装置のパワー調整誤差範囲と同程度の値であり、これ以上の誤差が出ると、パワー調整システム自体が破たんする危険性があるためである。また各層の補正係数を全て乗算した値は、最も光入射側から遠い層での記録パワー変動となって現れるため、この乗算値の範囲もあらかじめ規定しておくのがよい。この値の範囲としては、通常のディスクのパワーマージン範囲と同程度である10%程度以内にしておくのが良い。
(実施例2)
次に、実施例1に記載の光ディスクを、図4に示した記録再生装置により記録再生する例を示す。ヘッド3の一部であるレーザ光源34(本実施例では波長約405nm)から出射された光はコリメータレンズ331を通してほぼ平行な光ビームへとコリメートされる。コリメートされた光ビームはビームスプリッタ36を透過し収差補正素子78及び対物レンズ30を通して光ディスク1上に収束光31として照射され、スポット32を形成する。ディスクからの反射光は、ビームスプリッタ36やホログラム素子39などを通して、検出レンズ332及び333によりサーボ用検出器351及び信号検出器352へと導かれる。各検出器からの信号は加算・減算処理されトラッキング誤差信号やフォーカス誤差信号などのサーボ信号となりサーボ回路79に入力される。サーボ回路は得られたトラッキング誤差信号やフォーカス誤差信号をもとに、対物レンズアクチュエータ78や光ヘッド3全体の位置を制御し、光スポット32の位置を目的の記録・再生領域に位置づける。検出器352の加算信号は信号再生ブロック2へ入力される。入力信号は信号処理回路25によってフィルタ処理、周波数等化処理後、デジタル化処理される。ディスク上にグルーブ(溝部)のウォブルなどの形で形成されているアドレス情報は分割検出器352からの差動信号として検出され、信号再生ブロック2中のウォブル検出回路22へと入力される。ウォブル検出回路22は、ウォブル信号と同期したクロックを生成し、ウォブル波形を弁別する働きを持つ。ウォブル検出回路22により検出されたウォブル信号はアドレス検出回路23によってデジタル情報に変換され、その後、復号回路26によってエラー訂正などの処理を行ってアドレス情報として検出される。検出されたアドレス情報をもとに、記録再生処理の開始タイミング信号などが生成されユーザデータの復調回路24が制御される。同時にアドレス情報は制御回路(マイクロプロセッサ)27にも送られ、アクセスなどに用いられる。
(実施例2)
次に、実施例1に記載の光ディスクを、図4に示した記録再生装置により記録再生する例を示す。ヘッド3の一部であるレーザ光源34(本実施例では波長約405nm)から出射された光はコリメータレンズ331を通してほぼ平行な光ビームへとコリメートされる。コリメートされた光ビームはビームスプリッタ36を透過し収差補正素子78及び対物レンズ30を通して光ディスク1上に収束光31として照射され、スポット32を形成する。ディスクからの反射光は、ビームスプリッタ36やホログラム素子39などを通して、検出レンズ332及び333によりサーボ用検出器351及び信号検出器352へと導かれる。各検出器からの信号は加算・減算処理されトラッキング誤差信号やフォーカス誤差信号などのサーボ信号となりサーボ回路79に入力される。サーボ回路は得られたトラッキング誤差信号やフォーカス誤差信号をもとに、対物レンズアクチュエータ78や光ヘッド3全体の位置を制御し、光スポット32の位置を目的の記録・再生領域に位置づける。検出器352の加算信号は信号再生ブロック2へ入力される。入力信号は信号処理回路25によってフィルタ処理、周波数等化処理後、デジタル化処理される。ディスク上にグルーブ(溝部)のウォブルなどの形で形成されているアドレス情報は分割検出器352からの差動信号として検出され、信号再生ブロック2中のウォブル検出回路22へと入力される。ウォブル検出回路22は、ウォブル信号と同期したクロックを生成し、ウォブル波形を弁別する働きを持つ。ウォブル検出回路22により検出されたウォブル信号はアドレス検出回路23によってデジタル情報に変換され、その後、復号回路26によってエラー訂正などの処理を行ってアドレス情報として検出される。検出されたアドレス情報をもとに、記録再生処理の開始タイミング信号などが生成されユーザデータの復調回路24が制御される。同時にアドレス情報は制御回路(マイクロプロセッサ)27にも送られ、アクセスなどに用いられる。
このような光ディスク記録再生装置で、多層光ディスクに記録再生を行う方法は、(背景技術)に記載した方法と基本的には同じである。たとえば図2に示した4層の記録層を持つ記録媒体にアクセスする場合、対物レンズ30の位置を制御し、光スポット32の位置を目的の記録層(たとえば第2層)上に位置づける。すなわち目的の記録層上では合焦状態である。その際、対物レンズによって絞り込まれる途中の収束光は、手前側にある半透明の別の記録層(たとえば第4層や第3層)を透過するが、別の記録層上では、収束光31の光束径は、目的の記録層上での光スポット32の直径と比べて十分に大きく、このため、半透明の記録層上の記録情報を分解して再生することができない。すなわち、別の層の記録情報の影響を受けずに目的の層の情報を再生することが可能である。記録時にも目的の層以外の記録層上では光束径が十分に大きいため、単位面積あたりの光強度が相対的に小さくなり、記録時にも目的以外の記録層の情報を破壊する心配はない。このようにして、複数の層の光ディスクでの情報記録再生を実現している。
このような装置を用いて記録パワーを学習する方法としては、図7や図8に記載したような信号の非対称性を検出する方法や、信号の振幅(変調度)のパワー依存性を評価する方法が一般的である。
図7は一般にアシンメトリと言われる指標で、信号のアイパターンの中心と信号の上下の包絡線までの振幅を測定する方法を示したものである。上側(スペース側)包絡線とアイパターンの中心までの振幅をA、下側(マーク側)包落線とアイパターンの中心までの振幅をB、とした時、アシンメトリは(A-B)/(A+B)で定義され、記録パワーが大きくなるにしたがって、アシンメトリは負から正に変化する。最適パワーの記録条件でのアシンメトリは、光ディスク記録膜の特性によって若干(数%)のオフセットがある場合もあるが、およそはゼロ付近である。図8はβと呼ばれる評価指標で、この場合はアイパターンの中心を求める代わりにハイパスフィルタを用いてDC成分を取り除き、AC結合したゼロ点を基準に上下の包絡線振幅A1、A2を求め、β=(A1-A2)/(A1+A2)を求めるものである。2つの手法は若干の違いがあるものの、どちらもゼロ付近が最適パワーとなる点で共通しており、装置の回路系の構成によって、いずれかを選択して用いられることが多い。信号の振幅(変調度)のパワー依存性を評価する方法は、ここでは説明しないが、DC振幅を検出するため、多層光ディスクのように漏れ光・迷光の影響が出やすい系では検出精度が悪化しやすい。
図7は一般にアシンメトリと言われる指標で、信号のアイパターンの中心と信号の上下の包絡線までの振幅を測定する方法を示したものである。上側(スペース側)包絡線とアイパターンの中心までの振幅をA、下側(マーク側)包落線とアイパターンの中心までの振幅をB、とした時、アシンメトリは(A-B)/(A+B)で定義され、記録パワーが大きくなるにしたがって、アシンメトリは負から正に変化する。最適パワーの記録条件でのアシンメトリは、光ディスク記録膜の特性によって若干(数%)のオフセットがある場合もあるが、およそはゼロ付近である。図8はβと呼ばれる評価指標で、この場合はアイパターンの中心を求める代わりにハイパスフィルタを用いてDC成分を取り除き、AC結合したゼロ点を基準に上下の包絡線振幅A1、A2を求め、β=(A1-A2)/(A1+A2)を求めるものである。2つの手法は若干の違いがあるものの、どちらもゼロ付近が最適パワーとなる点で共通しており、装置の回路系の構成によって、いずれかを選択して用いられることが多い。信号の振幅(変調度)のパワー依存性を評価する方法は、ここでは説明しないが、DC振幅を検出するため、多層光ディスクのように漏れ光・迷光の影響が出やすい系では検出精度が悪化しやすい。
次に、実施例1に記載の4層追記型光ディスクの再生信号品質をジッタとして評価した例を図9に示す。この例では、光入射面から最も遠いL0層の記録特性を示している。手前側に位置するL1、L2、L3の三つの層が全て記録状態の場合と全て未記録状態の場合とで、目的とする奥の層の記録特性(記録マージンカーブ)が大きく異なっている。この原因は、再生特性ではなく、多層光ディスクにおいて、光入射側から見て奥の層に記録する場合に、手前の層上の未記録領域を通して奥の層に記録する場合と、手前の層上の記録済み領域を通して記録する場合では、手前の層の実効的な透過率の違いのために、奥の層に到達するレーザパワーが異なってしまうためである。すなわち実効的に記録感度が異なり、実効的な記録パワーが変化してしまうことが、記録特性変化の原因である。
一番奥の層(L0)のユーザデータ領域へ記録した記録情報のβ値を評価した例を図10に示す。手前の2層に記録してある場合は、β値が低下する。すなわち最適記録パワーが相対的に高い側にシフトし、実効的な記録感度が低下する。この変化は、本実施例の光ディスクでは記録パワーにして最大10%である。
図11は、図9と同様に光入射面から最も遠いL0層の記録特性を示したものであるが、手前側に位置するL1、L2、L3の記録/未記録状態の全ての組み合わせに相当する8つの状態に対する記録特性である。各層記録状態によって記録特性(記録パワ―)は変動しているが、各層の記録特性に対する包絡線を取ることで、十分な記録品質が得られるパワー範囲:パワ―マージン51が得られる。したがってドライブでの記録パワーのこのパワーマージン51の範囲内に設定することにより、他の層の記録状態に依存せず常に良好な品質の記録を実現することが可能となる。しかしながら、このパワーマージンの範囲を実際のドライブで導出するために、他の層のすべての記録再生の組み合わせを実現して実際に記録特性を測定するのは学習時間とテスト記録領域の浪費の観点で現実的ではない。そこで、本実施例では、ディスク情報(DI)としてディスク上にあらかじめ記録された各層の記録・未記録に対応した感度変化率情報(Qi)を用いて、このパワーマージン範囲を推定する方法を適用した。
具体的には、N層(本実施例ではN=4)の記録層を有する多層光ディスクにおいて記録対象(第j層)の層よりも光入射側にある層の影響は積算されるため、記録感度補正係数(パワー変化率)も各層の記録感度補正係数の積であらわされる、実施例1の記録感度補正係数は、未記録状態を基準にしているため、未記録状態に対する補正係数は1である。したがって、記録感度補正値Qiとした時、積算した記録感度補正値が最大になる組み合わせに対する補正係数は
で与えられ、積算した記録感度補正値が最小になる組み合わせに対する補正係数は
で与えられる。したがって、両者の平均値(中間値)を補正係数とすることで、各層の記録・未記録の組み合わせに対しする最大の記録パワーが必要な場合(補正係数の積が最大)と、各層の記録・未記録の組み合わせに対しする最小の記録パワーが必要な場合(補正係数の積が最小)の中間値に相当する記録パワー補正値を得ることができる。この値は、図11のマージン51の中央値にほぼ一致する。したがって、各層の記録・未記録に対応した記録特性の評価をドライブ内で行うことなく、ドライブでの記録パワーをパワーマージン51の範囲内に設定することが可能となり他の層の記録状態に依存せず常に良好な品質の記録を実現することが可能となる。
ここで、記録パワー補正値は、他の層が未記録状態の場合に対応する最適パワーを基準にしているため、最適パワーの学習・調整の際には、他の層が未記録の場合の最適記録パワーを求める必要がある。図12は、本発明の一実施例の多層光ディスクの記録パワー調整領域(OPC領域)での記録パワーマージン変動を示す図で、記録パワー調整領域では、他の層の記録の状態が適切に制御されているため、記録パワーの変動量は通常のユーザ領域程大きくなく、他の層が未記録の場合の最適パワーと実質的に同一の値を得ることが可能である(図9と比べるとほとんど無視できる)。記録パワー調整領域で確実に未記録状態に相当する記録パワーを求める方法の別の例については実施例3で詳述する。
このようにして、求めた記録パワーを用いてユーザ領域に実際に記録を行う場合に上記、係数の平均値、すなわち、
を、求めた最適パワーに対して乗算した値を用いておこなう。本実施例でL0層に記録する場合はこの値は1.05 (+5%)であった。これは、手前の層が全て未記録の場合と比べて、全て記録の場合は必要パワーが10%増大するのに対し、約5%増の記録パワーで記録することにより、記録感度最大の領域と記録感度最低の領域のどちらにとっても最大でも5%以下のパワー誤差で記録できることになる。本発明の多層光ディスクでは、本来の記録パワーマージンは±13%程度あるので、この5%の誤差は許容できるが、本発明の記録方法を適用しない場合は、10%のパワー誤差が生じることになるためマージンがほとんどなくなり、ディスク傾きなど他の外乱でエラーを生じる原因になってしまう。
図14は、本発明の記録方法で記録した場合と従来の記録方法で記録した場合とでの記録データの品質を評価したものである。縦軸はシンボルエラー率であり、エラー率が低いほど良い記録品質である。本発明では、記録済み割合によらずエラー率が常に10のマイナス5乗程度以下に保たれ、良好な記録品質を維持しているが、従来例では記録済み割合が増えるにしたがいエラー率が増加している。これは、従来例では記録済み割合が増えるに従って記録パワーが最適記録パワーから離れる度合いが高くなり、他の層での光の透過率の減少により、実効的な記録パワーが不足して記録したために、記録品質が低下していることを示している。すなわち本発明の適用により、他の層の記録/未記録の状態にかかわらず常に高品質なユーザデータの記録を行うことが可能となる。
(実施例3)
図6は本発明の多層光ディスクにおいて、ユーザデータ領域11と記録パワーなどの記録再生条件を学習・調整するためのテスト領域12の配置の仕方の概略を示したものである。本実施例では、テスト領域12は、ユーザデータ領域11よりも内周側に配置されている。
(実施例3)
図6は本発明の多層光ディスクにおいて、ユーザデータ領域11と記録パワーなどの記録再生条件を学習・調整するためのテスト領域12の配置の仕方の概略を示したものである。本実施例では、テスト領域12は、ユーザデータ領域11よりも内周側に配置されている。
図15は、多層ディスク(本実施例では4層)上に、各領域がどのように配置されるかの詳細を示したものである。図15(a)ではユーザ領域11とテスト領域12、ディスク制御情報(DI)格納領域14、領域間の緩衝領域であるバッファ領域や管理情報記録領域等を記録する領域13が、複数の記録層にどのように配置されているかを示している。図で、左側がディスク内周側、右がディスク外周側である。第0層は光入射面から最も遠い側に位置し、第4層は光入射面に最も近い。すなわち、図2の第5の記録層415が本実施例の第0層、図2の第1の記録層411が本実施例の第4層と対応する。各記録層の層間の間隔は、層間クロストークの影響が最小になるように層毎に違えてあるが、層間間隔の最小値は約11μmである。テスト領域12は、本実施例の多層ディスクでは記録のためのパワーを最適に制御するための学習領域という意味で、Optimum Power Control領域(OPC領域)と呼ばれている。各層のテスト領域12はほぼ同一の半径位置に位置する。
図15(b)は、テスト領域内の細分を示したものであり、セグメント(小領域)123が、複数個配置されている。各セグメント123は複数の記録単位ブロックからなり、図ではセグメント内のすべての領域が記録済みのセグメント、セグメントの一部のみが記録済みのセグメント、未記録のセグメントが混在している。図中、光入射面に近い層(第n層)の左から2番目のセグメントは一部記録済みであるため、第m層のセグメントから半径範囲L以内にある第m層の中央のセグメントの未記録領域は使用不適領域として、左から2番目の領域でテスト記録を行っている。本実施例では、各セグメントの半径長さは、ある層の記録の有無が、別の層の記録特性に影響する可能性がある半径範囲Lよりも大きく設定している。このLは焦点位置から層間隔分離れた位置での光ビーム直径にディスクの製造時の半径公差の最大値と層間の相対偏心の最大値(75μm)を加えた値で、このLの範囲内に有る領域同士は、ディスクの製造バラツキに起因する半径位置ずれや偏心の最悪のケースで半径位置が透過層での光ビーム径の広がり分を考慮すると実質的に重なる可能性がある。
したがって、本実施例にように、第n層の記録済みセグメントから半径範囲Lに位置する第m層(光入射面から遠い層)のセグメント、すなわち、隣接セグメントを使用不適領域として、パワー学習などの記録テストには使用しないようにすることにより、透過層(第n層)の記録影響を受けずに正確な学習を行うことが可能となる。
したがって、本実施例にように、第n層の記録済みセグメントから半径範囲Lに位置する第m層(光入射面から遠い層)のセグメント、すなわち、隣接セグメントを使用不適領域として、パワー学習などの記録テストには使用しないようにすることにより、透過層(第n層)の記録影響を受けずに正確な学習を行うことが可能となる。
図15(c)は、テスト領域の別の使用方法の例を示したものである。この例ではセグメントは最小記録単位(記録ブロック、または、記録クラスタ)と一致している。記録ブロックは半径範囲Lよりも小さいための複数の記録ブロックが半径範囲L内に位置することになる。したがって、複数の記録ブロックが使用不適ブロックとなる。
ここで、半径範囲Lについて説明する。第2の層でテスト記録を行った後、層間隔dだけ離れた光入射面から遠い側に位置する第1の層に記録する場合を考える。対物レンズのNA0.85、層間のスペーサ層の屈折率n=1.6を用いると、例えば層間隔dが30μmの時、層間隔d離れた層でのビーム直径は[2d×(NA/n)/{1-(NA/n)^2}^(1/2)]≒25μmとなる。これにディスクの製造時の層間の半径交差の最大値(100μm)と層間の相対偏心の最大値(75μm)を加えた値(200μm)が、ある層の記録の有無が、別の層の記録特性に影響する可能性がある半径範囲Lである。したがって、この半径範囲にある範囲第1の記録層上のテスト記録ブロックを用いてパワー学習などのテスト記録を行わないようにすることにより、光入射面に近い側に位置する第2の記録層のテスト領域の記録の影響を受けることなく、第1の記録層上のテスト領域でテスト記録を行うことが可能になる。
使用不適ブロックを使用不適と判断する方法は複数の層間のブロックアドレスを比較して行う方法、使用不適ブロックにダミーデータをあらかじめ記録する方法、管理領域(TDDS)などに記録不適ブロックであることを示す情報を記録するなどの方法があり、ドライブ間互換性の観点からこれらの複数の方法を組み合わせるのが望ましい。 図13は、本発明のテスト領域(OPC領域)使用法を適用して、記録パワー調整のためのテスト記録信号の再生結果を示したものである。記録パワー調整のための指標としては、図8に示したβ値を用いた。OPC領域では、「未記録」に相当するβ値が得られており、未記録状態に相当する最適パワーが確実に求められることが分かる。
(実施例4)
実施例2では、ディスク情報(DI)としてディスク上にあらかじめ記録された各層の記録・未記録に対応した記録パワー変化率情報を用いて、各層の補正係数の積が最大の場合と各層の補正係数の積が最小の場合の中間値に相当する記録パワー補正値を用いて補正することで、図11の最適な記録パワーを導出する方法を適用したが、本実施例では、各層の記録状態を知ることで、さらに正確なパワー制御を行うことした。
(実施例4)
実施例2では、ディスク情報(DI)としてディスク上にあらかじめ記録された各層の記録・未記録に対応した記録パワー変化率情報を用いて、各層の補正係数の積が最大の場合と各層の補正係数の積が最小の場合の中間値に相当する記録パワー補正値を用いて補正することで、図11の最適な記録パワーを導出する方法を適用したが、本実施例では、各層の記録状態を知ることで、さらに正確なパワー制御を行うことした。
以下、図16のフローチャートに沿って本実施例の動作を説明する。第j層に記録を行う場合、実施例3に記載した方法により、第j層よりも光入射側にある全ての層が未記録状態である場合に対応した最適記録パワーPoを導出する。次に、第j層よりも光入射側にある第i層が記録状態であるか未記録状態であるかを調べ、(1)未記録状態である場合は、未記録状態に対応する補正係数を、(2)記録状態である場合は、記録状態に対応する補正係数を、(3)記録/未記録の判別が不可能か、あるいは、記録/未記録状態が混在していると判断でされる場合は、記録状態と未記録状態の補正値の平均値に相当する値をその層(第i層)に対する補正係数Q'iとする。この手順をj層より光入射側にある全ての層に対して適用し、各層に対する補正係数Q'i, j+1≦i≦Nを定め、その積
をトータルの補正係数Qtotalとし、このQtotalを、Poに乗算した値Po’を補正記録パワーとして記録をおこなう。
ここで、各層が記録済か未記録かを判断する場合には、各層の記録/未記録状態を管理するための記録制御情報や、欠陥管理情報、Space Bit Mapなどを用いる。その際、対象としている記録領域と同一の半径位置する領域の記録状態だけでなく、層間の偏芯や製造誤差による半径ずれ、他の層での光ビームの大きさを考慮し範囲の記録状態を調べるのが望ましい。その上で、調べた範囲が記録状態であるか、未記録であるか、混在しているかを判別する。
本実施例の方法では、各層の記録・未記録に対応してより確からしい記録パワーで記録できることになるため、ドライブでの記録パワーをパワーマージン51の範囲内に設定することが可能となり他の層の記録状態に対応した常に良好な品質の記録を実現することが可能となる。
(実施例5)
実施例1や2では、ディスク情報(DI)としてディスク上にあらかじめ記録された各層の記録・未記録に対応した記録パワー変化率情報を用いて、各層の補正係数の積が最大の場合と各層の補正係数の積が最小の場合の中間値に相当する記録パワー補正値を用いて補正することで、図11の最適な記録パワーを導出する方法を適用した。それに対し、本実施例では、記録パワー調整領域(OPC領域)で求められる最適記録パワーの目標値を、記録層の手前側に位置する全ての記録/未記録状態の全ての組み合わせに対応する記録特性の包絡線を取ることで得られるパワー範囲:パワ―マージン51の中心パワーPo’になるようにした。OPC領域の特性は全層が未記録に近い記録特性となるため、OPC領域での記録特性が最良になるパワーは全層が未記録の際の最適パワーにほぼ等しい。これに対し、本実施例は、最適パワーを図11のマージン51の中心パワーに設定した。このパワーはOPC領域での記録特性が最良になるパワーPoとは異なるが、OPC領域の記録パワーの学習結果がPo’となるように記録パワー学習の目標値(OPCパラメタ)を設定して、ディスク制御情報領域に記載しておくこととした。この方法の場合、OPC領域での記録パワーの学習結果をそのまま用いるだけで、実施例2に相当する記録品質を確保することが可能になるが、他の層が記録状態であるか再生状態であるかに応じて、記録パワーを精密に調整する実施例4の方法は適用できない。しかしながら、ディスク制御情報(DI)として記録する値OPC制御目標値を適切に選ぶことにより、他の実施例と同様に、ユーザデータ記録品質を確保することが可能とする。
(実施例5)
実施例1や2では、ディスク情報(DI)としてディスク上にあらかじめ記録された各層の記録・未記録に対応した記録パワー変化率情報を用いて、各層の補正係数の積が最大の場合と各層の補正係数の積が最小の場合の中間値に相当する記録パワー補正値を用いて補正することで、図11の最適な記録パワーを導出する方法を適用した。それに対し、本実施例では、記録パワー調整領域(OPC領域)で求められる最適記録パワーの目標値を、記録層の手前側に位置する全ての記録/未記録状態の全ての組み合わせに対応する記録特性の包絡線を取ることで得られるパワー範囲:パワ―マージン51の中心パワーPo’になるようにした。OPC領域の特性は全層が未記録に近い記録特性となるため、OPC領域での記録特性が最良になるパワーは全層が未記録の際の最適パワーにほぼ等しい。これに対し、本実施例は、最適パワーを図11のマージン51の中心パワーに設定した。このパワーはOPC領域での記録特性が最良になるパワーPoとは異なるが、OPC領域の記録パワーの学習結果がPo’となるように記録パワー学習の目標値(OPCパラメタ)を設定して、ディスク制御情報領域に記載しておくこととした。この方法の場合、OPC領域での記録パワーの学習結果をそのまま用いるだけで、実施例2に相当する記録品質を確保することが可能になるが、他の層が記録状態であるか再生状態であるかに応じて、記録パワーを精密に調整する実施例4の方法は適用できない。しかしながら、ディスク制御情報(DI)として記録する値OPC制御目標値を適切に選ぶことにより、他の実施例と同様に、ユーザデータ記録品質を確保することが可能とする。
本実施例を別の言葉で表現すれば、記録パワー学習領域でのパワー学習結果を用いて、ユーザ領域に記録を行った場合のユーザデータの信号品質(ジッタ)が常に、所定の品質(規格規定範囲)を満たすように、記録パワー学習のための制御目標パラメタを設定するものである。
本発明の効果は以上説明した実施例に限られるものではない。
たとえば、光ディスクの記録層として、追記型の他に、書き換え型の記録層をもちいることも可能である。書き換え型の記録層の場合はアシンメトリやβ値では、必ずしも正確なパワーがもとまらないことがあるので、記録パワー調整OPCの指標として、変調度やε、γ、κなどの指標を併用するのが望ましい。
たとえば、光ディスクの記録層として、追記型の他に、書き換え型の記録層をもちいることも可能である。書き換え型の記録層の場合はアシンメトリやβ値では、必ずしも正確なパワーがもとまらないことがあるので、記録パワー調整OPCの指標として、変調度やε、γ、κなどの指標を併用するのが望ましい。
また、実施例では4層の場合を主に示したが、本発明は3層以上の多層光ディスクであればすべてに適用可能である。
また、ディスクに記録しておく記録パワー変動率などの情報は、ディスクの再生専用領域に記録する代わりに、記録可能領域にディスク製造者がディスク出荷時に記録することとしてもよい、この場合は、実際に製造したディスクの特性に合わせた値の記録が可能となるためディスクに製造バラツキの影響を吸収できる利点がある、また、実際に記録再生を行う光ディスクドライブが、ディスク特性のテスト結果として、上記差分情報を記録する方法もある、この場合、ドライブ内での学習時間が増大するデメリットはあるものの、ディスクとドライブの組み合わせによるばらつきを吸収できるメリットがある。
また、上記実施例では、記録後の透過率が減少する場合、すなわち、記録後の最適記録パワーが増大する場合について、主に解説したが、記録膜の特性や記録信号の極性によっては、記録後の透過率が増大する場合、すなわち、記録後の最適記録パワーが減少する場合もあり得る。この場合、補正係数が1よりも小さくなるが、本発明効果は同じである。
1…記録媒体、11…ユーザデータ領域、12…テスト領域、123…セグメント(小領域)、124…記録単位ブロック、13…バッファ領域、14…管理領域、15…リードイン領域、16…ディスク情報(DI)、22…ウォブル検出回路、23…アドレス検出回路、24…復調回路、25…信号処理回路、26…復号回路、27…マイクロプロセッサ、28…レーザドライバ、29…メモリ、3…光ヘッド、30…対物レンズ、31…収束光、32…光スポット、321…合焦光スポット、322…手前の層での光ビーム、331、332、333…コリメタ−レンズ、34…レーザ、351…サーボ用検出器、352…信号検出器、36…ビームスプリッタ、37…収差補正素子、39…ホログラム素子、411、412、413、414、415…第1、第2、第3、第4、第5の記録層、431…未記録領域、432…記録済み領域、50…記録パワー変化率、51…パワーマージン、76…回転制御回路、77…モータ、78…レンズアクチュエータ、79…サーボ回路、81…差信号、82…和信号、99…ホスト。
Claims (13)
- 第1の記録層と第1の記録層よりも光入射面が側に位置する第2の記録層を少なくとも有する多層光ディスクであって、第2の記録層が未記録の場合の第1の記録層の記録感度と第2の記録層が記録済みの場合の第1の記録層の記録感度の比に関する感度補正情報が、多層光ディスクのディスク制御情報領域(DI)内に記録されていることを特徴とする多層光ディスク。
- N層(N≧3)の記録層を有する多層光ディスクであって、光入射面から一番遠い側に位置する記録層を除く第jの記録層および第jの記録層よりも光入射面から遠い側位置する第kの記録層に対し、第jの記録層が未記録の場合の第kの記録層の記録感度と第jの記録層が記録済みの場合の第kの記録層の記録感度の比に関する感度補正情報が、多層光ディスクのディスク制御情報領域(DI)内に記録されていることを特徴とする多層光ディスク。
- 上記記録補正情報は上記jに応じて複数種類記録されていることを特徴とする請求項2に記載の多層光ディスク。
- 上記感度補正情報は上記jとkの組み合わせに応じて複数種類記録されていることを特徴とする請求項2に記載の多層光ディスク。
- 上記の記録層が未記録の場合に対する記録済みの場合の最適記録パワーの比(感度比)をQとする時のQの範囲を規定する定数Aがあらかじめ定められており、Qが1±Aの範囲となるようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の多層光ディスク。
- 前記感度補正情報として、未記録の場合と記録済みの場合の最適記録パワーに関する情報がそれぞれ記録されていることを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載の多層光ディスク。
- 前記感度補正情報として、未記録の場合と記録済みの場合の記録パワーの補正量に関する情報が記録されていることを特徴とする請求項1〜7いずれかに記載の多層光ディスク。
- 3層以上の記録層を有し、各層の記録パワーを算出するための記録パワー制御(OPC)に関する情報がディスク制御情報領域(DI)内に有する多層光ディスクであって、ディスク制御情報領域(DI)内に記録するOPCの目標値を、他の層の記録/未記録状態の組み合わせに依存したユーザ領域の最適記録パワーの変動によって生じるユーザ記録品質の劣化が最小になるような記録パワーとしたことを特徴とする多層光ディスク。
- N層(N≧3)の記録層を有する多層光ディスクで、光入射面から一番遠い側に位置する記録層を除く第jの記録層および第jの記録層よりも光入射面から遠い側に位置する第kの記録層に対し、第jの記録層が未記録の場合の第kの記録層の記録感度と第jの記録層が記録済みの場合の第kの記録層の記録感度の比に関する感度補正情報が制御情報領域(DI)内に記録された多層光ディスクを用い、ユーザ情報領域に情報記録する際は、記録パワー学習の(OPC)の結果得られた値から前記感度補正情報に従って補正して記録することを特徴とする多層光ディスクの記録方法。
- 上記の記録パワーの補正は、当該のユーザ情報領域の記録感度に影響を与える複数の記録層の記録状態のすべての組み合わせのうち、記録感度が最大になる組み合わせと記録感度が最低になる場合の組み合わせの両者の平均値または中間値の記録感度を用いて補正することを特徴とする請求項10に記載の多層光ディスクの記録方法。
- 上記の記録パワーの補正は、当該のユーザ情報領域の記録感度に影響を与える複数の記録層の記録状態のすべての組み合わせのうち、未記録か記録済みかの判別が可能な記録層に対しては判別した結果に対する感度補正値を用い、未記録か記録済みかの判別が不能あるいは記録領域と未記録領域が混在していると判別された場合には、未記録と記録済みに対する感度の補正値の中間値を補正値として用い、当該のユーザ情報領域の記録感度に影響を与える全ての層の記録補正値を乗算して得られる値を記録補正値として記録を行うことを特徴とする請求項10に記載の多層光ディスクの記録方法。
- 前記感度補正情報は、前記第kの記録層の手前側に位置する層の記録または未記録状態のすべての組み合わせに対応する記録特性の包絡線を取って、最適パワーを求めることにより、得られることを特徴とする請求項10記載の多層光ディスクの記録方法。
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