以下、本発明の実施の形態に係る多方向入力装置について図1乃至図4を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施の形態に係る多方向入力装置の概略的斜視図であって、(a)は操作レバーが初期位置に位置した状態を示す図、(b)は操作レバーが傾倒操作された状態を示す図、図2は同装置の概略的分解斜視図、図3は同装置のX、−X方向の概略的断面図であって、(a)は操作レバーが初期位置に位置した状態を示す図、(b)は操作レバーが傾倒操作された状態を示す図、図4は同装置のY、−Y方向の概略的断面図であって、(a)は操作レバーが初期位置に位置した状態を示す図、(b)は操作レバーが傾倒操作された状態を示す図である。
図1及び図2に示す多方向入力装置は、ボディ100、カバー200、操作レバー300、第1、第2の連動部材400a、400b、フランジ500、コイルスプリング600(付勢手段)、リング700、第1、第2の動作検出手段800a、800b、ケース900及び基板1000を備えている。以下、各部について詳しく説明する。
ボディ100は、射出成型により得られた亜鉛ダイカスト製又は樹脂製の略矩形状の枠体である。このボディ100の四辺部には、図2に示すように、一対の断面視略U字状の第1、第2の支持凹部110a、110bが設けられている。この第1、第2の支持凹部110a、110bは、第1、第2の連動部材400a、400bの後述する一対の第1、第2の回転軸410a、420bを各々支持する。
また、ボディ100の四辺部が、第1、第2の連動部材400a、400bの後述する第1、第2の本体部420a、420bを収容する収容空間を形成する。ボディ100の四辺部のうち直交する二辺部には外側に凸のフランジ部が設けられている。このフランジ部上には、第1、第2の動作検出手段800a、800bの後述する第1、第2の遮蔽板812a、812bを移動自在にガイドするガイドリブ120a、120bが設けられている。
第1の連動部材400aは、図2乃至図4に示すように、一対の第1の回転軸410a及びこの第1の回転軸410aの間の部位である略矩形状の第1の本体部420aとを有する。
第1の回転軸410aは、第1の本体部420aのX、−X方向の両端面からX、−X方向に各々突出した略円柱体である。この第1の回転軸410aがボディ100の第1の支持凹部110aにX、−X方向に向けて各々支持される。これにより、第1の回転軸410aを支点として第1の本体部420aがY、−Y方向に傾動可能となる。また、一方の第1の回転軸410aの先端部には、角柱状の突起411aが設けられている。この突起411aが、図1に示すように、第1の動作検出手段800aの後述する孔部811a1に嵌合する。
第1の本体部420aの中央部には、図2に示すように、略矩形状の第1の長孔421aが設けられている。この第1の長孔421aは前記中央部をZ方向に貫通し且つX、−X方向に延びた貫通孔である。第1の長孔421aには操作レバー300の下端部が挿入される。
また、第1の本体部420aの第1の長孔421aのY、−Y方向の両側壁部には、当該両側壁部をY、−Y方向に貫通する第1のピン挿入孔422aが各々開設されている。この第1のピン挿入孔422aにはピン423aが挿入される。このピン423aにより、第1の長孔421aに挿入された操作レバー300の下端部が第1の本体部420aの前記両側壁部に取り付けられる。このため、ピン423aを支点として操作レバー300が第1の長孔421a内でX、−X方向に傾倒可能となっている。本実施形態では、ピン423aの軸芯が、第2の連動部材400bの後述する第2の回転軸410bの軸芯と略一致するように設定されている。
また、ピン423aにより操作レバー300の下端部が第1の本体部420aの前記両側壁部に取り付けられているので、第1の回転軸410aを支点として操作レバー300が第1の本体部420aと共にY、−Y方向に傾倒可能になっている。
また、第1の本体部420aのX、−X方向の両端部上には、Z方向に向けて一対の凸脈が立設されている。この凸脈の上面に一対の第1のフラット面424aが形成されている。この第1のフラット面424aは、略水平な状態から第1の本体部420aのY、−Y方向の傾動と共にY、−Y方向に傾斜可能となっている。また、前記凸脈のY、−Y方向の両端部には円弧状の面取り部425aが設けられている。この面取り部425aにより、後述のようにY、−Y方向に傾斜したリング700と前記凸脈との摩擦抵抗が低減される。
第2の連動部材400bは、図2乃至図4に示すように、一対の第2の回転軸410b及びこの第2の回転軸410bの間の部位である下向き略U字状の第2の本体部420bとを有する。
第2の回転軸410bは、第2の本体部420aのY、−Y方向の両端面からY、−Y方向に各々突出した略円柱体である。この第2の回転軸410bがボディ100の第2の支持凹部110bにY、−Y方向に向けて各々支持される。これにより、第2の回転軸410bを支点として第2の本体部420bがX、−X方向に傾動可能となる。また、一方の第2の回転軸410bの先端部には、角柱状の突起411bが設けられている。突起411bが、図1に示すように、第2の動作検出手段800bの後述する孔部811b1に嵌合する。
第2の本体部420bの板状の中央部は、第2の回転軸410bがボディ100の第2の支持凹部110bに支持された状態で、第1の本体部420aの前記凸脈間に挿入され、当該第1の本体部420aに対して直交配置される。
第2の本体部420bの中央部には、略矩形状の第2の長孔421bが設けられている。この第2の長孔421bは前記中央部をZ方向に貫通し且つY、−Y方向に延びた略矩形状の貫通孔である。第2の長孔421bには操作レバー300の下端部がY、−Y方向に傾倒自在に挿入される。
また、第2の本体部420bの第2の長孔421bのX、−X方向の両縁部は、操作レバー300がX、−X方向に傾倒すると、当該操作レバー300に押圧される。これにより、第2の本体部420bが第2の回転軸410bを支点としてX、−X方向に傾動する。
第2の本体部420bの第2の長孔421bの周縁部上には、略四角い環状の第2のフラット面422bが形成されている。この第2のフラット面422bは、図3(a)及び図4(a)に示すように、第1、第2の回転軸410a、410bがボディ100の第1、第2の支持凹部110a、110bに支持された状態で、第1の本体部420aの第1のフラット面424aと略水平な同一高さとなるように設定されている。この第1、第2のフラット面424a、422b上にリング700が設置される。このように第1、第2のフラット面424a、422bをリング700に当接させることにより、その当接面積を広くすることができる。よって、リング700と第1、第2のフラット面424a、422bとの間に介在させる潤滑剤の塗布量を増やすことが可能となる。また、第2のフラット面422bが四角い環状であることから、その強度が向上し、且つ前記潤滑剤を残留しやすくするための耐久性を向上させることができる。第2のフラット面422bは、略水平な状態から第2の本体部420bのX、−X方向の傾動と共にX、−X方向に傾斜可能となっている。
また、第2の本体部420bのX、−X方向の外側端部には円弧状の面取り部423bが設けられている。この面取り部423bにより、後述のようにX、−X方向に傾斜したリング700と第2の本体部420bとの摩擦抵抗が低減される。
操作レバー300は切削加工により得られたステンレス等の金属製又は射出成型により得られた樹脂製の略円柱体である。この操作レバー300の下端部のY、−Y方向の部分には、一対の下側面取り部310が形成されている。操作レバー300の下端部には、Y、−Y方向に貫通するピン孔311が開設されている。ピン孔311にはピン423aが挿入される。
また、操作レバー300の上端部のY、−Y方向の部分にも、一対の上側面取り部320が形成されている。このように上側面取り部320を設けることにより、操作レバー300の上端部の形状を図示しないグリップハンドルの取付孔に嵌合な形状としている。
リング700は、図2に示すように、硬質なステンレス材で構成された環状の板体である。このリング700の硬さは、操作レバー300が傾斜し、該リング700がコイルスプリング600の付勢力を受ける際に、該付勢力によりリングが700がたわまない、反らない、かつ、永久変形しない程度の硬さを有している。リング700は、第1、第2の連動部材400a、400bの第1、第2のフラット面424a、422b上に設置され、操作レバー300の周りに配置される。操作レバー300が傾倒した状態で周方向に回転操作されると、リング700が操作レバー300の周りを回転する。このため、リング700が回転不能な形状(例えば矩形形状)の場合に比べて、リング700と、第1のフラット面424a及び第2のフラット面422bとの摩擦抵抗を低減することができ、リング700と、第1のフラット面424a及び第2のフラット面422bとの耐磨耗性の向上及び操作感覚を向上させることが可能になる。
カバー200は、図2に示すように、射出成型により得られた樹脂製の部品であってボディ100にネジ止めされる。このカバー200の中央部には略円形の開口210が開設されている。この開口210の外径は、リング700の外径よりも若干大きくなっている。このため、カバー200の開口210の周縁部が、リング700を回転可能に保持しつつ開口210からリング700及びコイルスプリング600が脱落するのを防止する。
また、カバー200の開口210の周縁部のY、−Y、X、−X方向の部分には、図2に示すように、第1、第2の支持凹部110a、110bに組み合わされる一対の断面視逆U字状の第1、第2の支持凹部211a、211bが設けられている。すなわち、第1の支持凹部110a、211aにより第1の回転軸410aが回転自在に支持される。また、第2の支持凹部110b、211bにより第2の回転軸410bが回転自在に支持される。
また、カバー200の開口210の−Y、X方向の端部には、外側に向けて凸の庇部220a、220bが設けられている。この庇部220a、220bが、図1に示すように、第1、第2の動作検出手段800a、800bの後述する第1、第2の遮蔽板812a、812bのベース板の上端に当接し、当該第1、第2の遮蔽板812a、812bの浮き上がりを防止する。
フランジ500はポリアセタール樹脂で構成された環状体である。このフランジ500はカシメリング510により操作レバー300の中間部の外周に取り付けられる。
コイルスプリング600は、Z方向に向けて巻き径が漸次低減する略円錐状のコイルスプリングである。このコイルスプリング600は大径端部610及び小径端部620を有している。
コイルスプリング600は、操作レバー300の周りに配置され、リング700とフランジ500との間に圧縮状態で介在する。このとき、大径端部610がリング700に、小径端部620がフランジ500に当接する。これにより、大径端部610がリング700を通じて第1、第2の連動部材400a、400bの第1、第2のフラット面424a、422bを押圧すると共に、小径端部620がフランジ500を押圧し、第1、第2のフラット面424a、422bとフランジ500とを略水平状態で維持する。これより、操作レバー300が略垂直に起立した状態で保持される。この状態が操作レバー300の初期位置となる。
第1の動作検出手段800aは操作レバー300のY及び−Y方向への傾倒を検出する。第1の動作検出手段800aは、図1及び図2に示すように、第1の動作変換機構810a及び第1、第2のフォトインタラプタ820a、820bを有する。
第1の動作変換機構810aは、図2に示すように、第1のクランプアーム811a及び第1の遮蔽板812aを有する。
第1のクランプアーム811aは、略円柱状の基端部と、外径が基端部よりも小さい略円柱状の先端部と、基端部と先端部との間の板状の中間部とを有している。
第1のクランプアーム811aの基端部には、略矩形状の孔部811a1が設けられている。この孔部811a1には、第1の連動部材400aの第1の回転軸410aの突起411aが嵌合する。これにより、第1のクランプアーム811aが第1の回転軸410aのY、−Y方向の回転に応じて略水平な状態から−Z、Z方向に揺動する。
第1のクランプアーム811aの先端部には、ガイド突起811a2が内向きに設けられている。このガイド突起811a2が第1の遮蔽板812aの後述する傾斜孔812a3に上下動自在に嵌まり込む。
第1の遮蔽板812aは、ベース板と、このベース板の下端部に設けられたガイド812a1と、ベース板から延出された略L字状のアーム812a2とを有する。
ガイド812a1はボディ100のガイドリブ120aによりY、−Y方向に移動自在にガイドされる。これにより、第1の遮蔽板812aが基板1000上に並べて実装されたフォトインタラプタ820a、820bに沿ってY、−Y方向に移動可能となる。
前記ベース板には、−Y方向とZ方向との間の斜め方向に向けて上り傾斜している傾斜孔812a3が設けられている。第1のクランプアーム811aが−Z方向に揺動し、ガイド突起811a2が第1の遮蔽板812aの傾斜孔812a3内を下方に移動することにより、当該第1の遮蔽板812aを−Y方向に移動させる。一方、第1のクランプアーム811aがZ方向に揺動し、ガイド突起811a2が第1の遮蔽板812aの傾斜孔812a3内を上方に移動することにより、当該第1の遮蔽板812aをY方向に移動させる。また、前記ベース板の上端が、カバー200の庇部220aに当接する。これにより、第1の遮蔽板812aの浮き上がりが防止される。
アーム812a2の先端部は、図1(a)に示すように、操作レバー300が初期位置に位置した状態で、第1のフォトインタラプタ820aと第2のフォトインタラプタ820bとの間に位置している。第1の遮蔽板812aがY又は−Y方向に移動することにより、アーム812a2の先端部が第1のフォトインタラプタ820aの発光素子と受光素子との間又は第2のフォトインタラプタ820bの発光素子と受光素子との間に挿入され、同発光素子から発せられた光を遮蔽する遮蔽部として機能する。
第1、第2のフォトインタラプタ820a、820bは基板1000上の第1の遮蔽板812aの移動方向線上に間隔を空けて実装された略U字状の周知のフォトインタラプタである。第1、第2のフォトインタラプタ820a、820bの両先端部には、互いに対向する発光素子及び受光素子が各々設けられている。
第2の動作検出手段800bは、操作レバー300のX及び−X方向への傾倒を検出する。第2の動作検出手段800bは、図1及び図2に示すように、第2の動作変換機構810b及び第3、第4のフォトインタラプタ820c、820dを有する。
第2の動作変換機構810bは第1の動作変換機構810aと略90°回転させた状態で配置されている以外、ほぼ同じものである。よって、相違点のみ記述する。
第2のクランプアーム811bの基端部には、第2の連動部材400bの第2の回転軸410bの突起411bが嵌合する孔部811b1が設けられている。第2のクランプアーム811bは第2の回転軸410bのX、−X方向の回転に応じて略水平な状態から−Z、Z方向に揺動する。
第2の遮蔽板812bのベース板の下端部に設けられたガイド812b1は、ボディ100のガイドリブ120bによりX、−X方向に移動自在にガイドされる。
第2の遮蔽板812bのベース板には、−X方向とZ方向との間の斜め方向に向けて上り傾斜している傾斜孔812b3が設けられている。第2のクランプアーム811bが−Z方向に揺動し、第2のクランプアーム811bの先端部に設けられたガイド突起811b2が第2の遮蔽板812bの傾斜孔812b3内を下方に移動することにより、当該第2の遮蔽板812bを−X方向に移動させる。一方、第2のクランプアーム811bがZ方向に揺動し、ガイド突起811b2が第2の遮蔽板812bの傾斜孔812b3内を上方に移動することにより、当該第2の遮蔽板812bをX方向に移動させる。また、前記ベース板の上端が、カバー200の庇部220bに当接する。これにより、第2の遮蔽板812bの浮き上がりが防止される。
第3、第4のフォトインタラプタ820c、820dは基板1000上の第2の遮蔽板812bの移動方向線上に間隔を空けて実装された略U字状の周知のフォトインタラプタである。第3、第4のフォトインタラプタ820c、820dの両先端部には、互いに対向する発光素子及び受光素子が各々設けられている。
ケース900は基板1000を収容する。このケース900はボディ100に取り付けられる。
以下、上述のように構成された多方向入力装置の組み立て手順について図2を参照しつつ詳しく説明する。まず、第1、第2、第3、第4のフォトインタラプタ820a〜820dが実装された基板1000が収容されたケース900をボディ100に取り付ける。
その一方で、操作レバー300の下端部を第1の連動部材400aの第1の長孔421aに挿入する。その後、第1の連動部材400aのピン挿入孔422a及び操作レバー300のピン孔311にピン423aを挿入する。このようにして操作レバー300が第1の連動部材400aに取り付けられる。
その後、操作レバー300の上端部を第2の連動部材400aの第2の長孔421bに挿入する。この第2の連動部材400bを下降させ、当該第2の連動部材400bの第2の本体部420bの中央部を第1の本体部420aの前記凸脈間に挿入する。すると、第2の連動部材400bの第2の本体部420bが第1の本体部420aに対して直交配置される。
このように操作レバー300の下端部に第1、第2の連動部材400a、400bが組み合わされた状態で、第1、第2の連動部材400a、400bの第1、第2の回転軸410a、410bをケース900が取り付けられたボディ100の第1、第2の支持凹部110a、110bに各々挿入する。このとき、第1、第2の連動部材400a、400bの第1、第2の本体部420a、420bがボディ100の上記収容空間に収容される。
その後、第1、第2の遮蔽板812a、812bのガイド821a1、821b1をボディ100のガイドリブ120a、120bにガイドさせる。
その後、第1、第2のクランプアーム811a、811bの孔部811a1、811b1に一方の第1、第2の回転軸410a、410bの突起411a、411bを嵌合させると共に、当該第1、第2のクランプアーム811a、811bのガイド突起811a2、811b2を第1、第2の遮蔽板812a、812bの傾斜孔812a3、812b3に挿入する。
その後、カバー200の開口210に操作レバー300を挿入する。そして、カバー200を下降させ、ボディ100にネジ止めする。このとき、カバー200の第1、第2の支持凹部211a、211bがボディ100の第1、第2の支持凹部110a、110bに組み合わされる。これにより、第1、第2の連動部材400a、400bの第1、第2の回転軸410a、410bが第1、第2の支持凹部211a、211bと第1、第2の支持凹部110a、110bとの間で回転自在に保持される。これと共に、カバー200の庇部220a、220bが第1、第2の遮蔽板812a、812bのベース板の上端を覆う。
その後、第1、第2の連動部材400a、400bの第1、第2のフラット面424a、422b上にリング700をセットする。そして、リング700上にコイルスプリング600の大径端部610を載置する。
その後、フランジ500及びカシメリング510に操作レバー300の上端部を挿入する。その後、フランジ500及びカシメリング510を下降させる。そして、カシメリング510を操作レバー300の中間部でカシメる。これにより、フランジ500が操作レバー300の中間部に取り付けられる。
このとき、フランジ500がコイルスプリング600の小径端部620を押圧する。このため、コイルスプリング600がフランジ500とリング700を介した第1、第2の第1、第2のフラット面424a、422bとの間で圧縮される。このため、コイルスプリング600がフランジ500と第1、第2のフラット面424a、422bとを付勢し、当該フランジ500と第1、第2のフラット面424a、422bとを略水平に維持する。これにより、操作レバー300が初期位置で保持される。
以下、このように組み立てられた多方向入力装置の使用方法について説明すると共に、各部の動作について説明する。
図3(b)に示すように、操作レバー300がX方向に傾倒操作されると、フランジ500がX方向に傾斜する。これと共に、操作レバー300が第2の連動部材400bの第2の長孔421bのX方向の縁部を押圧する。これにより、第2の連動部材400bが第2の回転軸410bを支点としてX方向に傾動すると共に、当該第2の回転軸410bがX方向に回転する。
すると、第2のクランプアーム811bの先端部が−Z方向に揺動し、ガイド突起811b2が第2の遮蔽板812bの傾斜孔812b3内を下方に移動する。これにより、第2の遮蔽板812bが−X方向に移動する。すると、第2の遮蔽板812bのアーム812b2の先端部が第4のフォトインタラプタ820dの発光素子と受光素子との間に挿入され、発光素子から発せられた光を遮蔽する。これにより、第4のフォトインタラプタ820dから出力される信号レベルが変位し、操作レバー300のX方向の傾倒操作が検出される。
また、第2の連動部材400bのX方向への傾動に応じて、第2のフラット面422bがX方向に傾斜する。すると、第2のフラット面422bの−X方向側の端部が上昇してリング700を押し上げ、当該リング700をX方向側の第1のフラット面424aに当接する部分を支点としてX方向に傾斜させる。このリング700が押し上げられた分だけ、リング700とフランジ500との間でコイルスプリング600が更に圧縮され、当該コイルスプリング600の付勢力が強くなる。詳細に見ると、操作レバー300の傾動操作方向と反対側の部分(すなわち、第2のフラット面422bの−X方向側の端部)ではリング700を介して第2のフラット面422bを押し下げようとする付勢力が強まると共に、操作レバー300の傾動操作方向側の部分(すなわち、フランジ500のX方向側の部分)を押し上げようとする付勢力が強まる。また、この傾動時に、第2のフラット面422bの−X方向側の端部の外側の円弧状の面取り部423bが、上昇しながらリング700上を摺動する。面取り部423bが円弧形状であるため、リング700が滑らかに傾斜する。
その後、操作レバー300が解放されると、コイルスプリング600の前記付勢力により、リング700の−X方向側の部分を介して第2のフラット面422bの−X方向側の端部が押し下げられると共に、フランジ500のX方向側の部分が押し上げられる。このように前記付勢力が第2のフラット面422b及びフランジ500に作用することにより、第2の連動部材400b及びフランジ500が略水平状態に復帰し、これに伴って操作レバー300が初期位置に復帰する。なお、操作レバー300を初期位置側に操作もしくは解放すると、段落0087に示した動作が逆方向に行われて第4のフォトインタラプタ820dの光の遮蔽が解除され、出力信号レベルが初期値に戻る。
操作レバー300が−X方向に傾倒操作されると、フランジ500が−X方向に傾斜する。これと共に、操作レバー300が第2の連動部材400bの第2の長孔421bの−X方向の縁部を押圧する。これにより、第2の連動部材400bが第2の回転軸410bを支点として−X方向に傾動すると共に、当該第2の回転軸410bが−X方向に回転する。
すると、図1(b)に示すように、第2のクランプアーム811bの先端部がZ方向に揺動し、ガイド突起811b2が第2の遮蔽板812bの傾斜孔812b3内を上方に移動する。これにより、第2の遮蔽板812bがX方向に移動する。すると、第2の遮蔽板812bのアーム812b2の先端部が第3のフォトインタラプタ820cの発光素子と受光素子との間に挿入され、発光素子から発せられた光を遮蔽する。これにより、第3のフォトインタラプタ820cから出力される信号レベルが変位し、操作レバー300の−X方向の傾倒操作が検出される。
また、第2の連動部材400bの−X方向への傾動に応じて、第2のフラット面422bが−X方向に傾斜する。すると、第2のフラット面422bのX方向側の端部が上昇してリング700を押し上げ、当該リング700を−X方向側の第1のフラット面424aに当接する部分を支点として−X方向に傾斜させる。このリング700が押し上げられた分だけ、リング700とフランジ500との間でコイルスプリング600が更に圧縮され、当該コイルスプリング600の付勢力が強くなる。詳細に見ると、操作レバー300の傾動操作方向と反対側の部分(すなわち、第2のフラット面422bのX方向側の端部)ではリング700を介して第2のフラット面422bを押し下げようとする付勢力が強まると共に、操作レバー300の傾動操作方向側の部分(すなわち、フランジ500の−X方向側の部分)を押し上げようとする付勢力が強まる。また、この傾動時に、第2のフラット面422bのX方向側の端部の外側の円弧状の面取り部423bが、上昇しながらリング700上を摺動する。面取り部423bが円弧形状であるため、リング700が滑らかに傾斜する。
その後、操作レバー300が解放されると、コイルスプリング600の前記付勢力により、リング700のX方向側の部分を介して第2のフラット面422bのX方向側の端部が押し下げられると共に、フランジ500の−X方向側の部分が押し上げられる。このように前記付勢力が第2のフラット面422b及びフランジ500に作用することにより、第2の連動部材400b及びフランジ500が略水平状態に復帰し、これに伴って操作レバー300が初期位置に復帰する。なお、操作レバー300を初期位置側に操作もしくは解放すると、段落0091に示した動作が逆方向に行われて第3のフォトインタラプタ820cの光の遮蔽が解除され、出力信号レベルが初期値に戻る。
図4(b)に示すように、操作レバー300がY方向に傾倒操作されると、フランジ500がY方向に傾斜すると共に、第1の連動部材400aが第1の回転軸410aを支点としてY方向に傾動し、当該第1の回転軸410aがY方向に回転する。
すると、第1のクランプアーム811aの先端部が−Z方向に揺動し、ガイド突起811a2が第1の遮蔽板812aの傾斜孔812a3内を下方に移動する。これにより、第1の遮蔽板812aが−Y方向に移動する。すると、第1の遮蔽板812aのアーム812a2の先端部が第2のフォトインタラプタ820bの発光素子と受光素子との間に挿入され、発光素子から発せられた光を遮蔽する。これにより、第2のフォトインタラプタ820bから出力される信号レベルが変位し、操作レバー300のY方向の傾倒操作が検出される。
また、第1の連動部材400aのY方向への傾動に応じて、一対の第1のフラット面424aがY方向に傾斜する。すると、第1のフラット面424aの−Y方向側の端部が上昇してリング700を押し上げ、当該リング700を第2のフラット面422bのY方向側の端部に当接する部分を支点としてY方向に傾斜させる。このリング700が押し上げられた分だけ、リング700とフランジ500との間でコイルスプリング600が更に圧縮され、当該コイルスプリング600の付勢力が強くなる。詳細に見ると、操作レバー300の傾動操作方向と反対側の部分(すなわち、第1のフラット面424aの−Y方向側の端部)ではリング700を介して第1のフラット面424aを押し下げようとする付勢力が強まると共に、操作レバー300の傾動操作方向側の部分(すなわち、フランジ500のY方向側の部分)を押し上げようとする付勢力が強まる。また、この傾動時に、第1のフラット面424aの−Y方向側の端部の外側の円弧状の面取り部425aが、上昇しながらリング700上を摺動する。面取り部425aが円弧形状であるため、リング700が滑らかに傾斜する。
その後、操作レバー300が解放されると、コイルスプリング600の前記付勢力により、リング700の−Y方向側の部分を介して第1のフラット面424aの−Y方向側の端部が押し下げられると共に、フランジ500のY方向側の部分が押し上げられる。このように前記付勢力が第1のフラット面422b及びフランジ500に作用することにより、第1の連動部材400a及びフランジ500が略水平状態に復帰し、これに伴って操作レバー300が初期位置に復帰する。なお、操作レバー300を初期位置側に操作もしくは解放すると、段落0095に示した動作が逆方向に行われて第2のフォトインタラプタ820bの光の遮蔽が解除され、出力信号レベルが初期値に戻る。
操作レバー300が−Y方向に傾倒操作されると、フランジ500が−Y方向に傾斜すると共に、第1の連動部材400aが第1の回転軸410aを支点として−Y方向に傾動し、当該第1の回転軸410aが−Y方向に回転する。
すると、第1のクランプアーム811aの先端部がZ方向に揺動し、ガイド突起811a2が第1の遮蔽板812aの傾斜孔812a3内を上方に移動する。これにより、第1の遮蔽板812aがY方向に移動する。すると、第1の遮蔽板812aのアーム812a2の先端部が第1のフォトインタラプタ820aの発光素子と受光素子との間に挿入され、発光素子から発せられた光を遮蔽する。これにより、第1のフォトインタラプタ820aから出力される信号レベルが変位し、操作レバー300の−Y方向の傾倒操作が検出される。
また、第1の連動部材400aの−Y方向への傾動に応じて、一対の第1のフラット面424aが−Y方向に傾斜する。すると、第1のフラット面424aのY方向側の端部が上昇してリング700を押し上げ、当該リング700を第2のフラット面422bの−Y方向側の端部に当接する部分を支点として−Y方向に傾斜させる。このリング700が押し上げられた分だけ、リング700とフランジ500との間でコイルスプリング600が更に圧縮され、当該コイルスプリング600の付勢力が強くなる。詳細に見ると、操作レバー300の傾動操作方向と反対側の部分(すなわち、第1のフラット面424aのY方向側の端部)ではリング700を介して第1のフラット面424aを押し下げようとする付勢力が強まると共に、操作レバー300の傾動操作方向側の部分(すなわち、フランジ500の−Y方向側の部分)を押し上げようとする付勢力が強まる。また、この傾動時に、第1のフラット面424aのY方向側の端部の外側の円弧状の面取り部425aが、上昇しながらリング700上を摺動する。面取り部425aが円弧形状であるため、リング700が滑らかに傾斜する。
その後、操作レバー300が解放されると、コイルスプリング600の前記付勢力により、リング700のY方向側の部分を介して第1のフラット面424aのY方向側の端部が押し下げられると共に、フランジ500の−Y方向側の部分が押し上げられる。このように前記付勢力が第1のフラット面422b及びフランジ500に作用することにより、第1の連動部材400a及びフランジ500が略水平状態に復帰し、これに伴って操作レバー300が初期位置に復帰する。なお、操作レバー300を初期位置側に操作もしくは解放すると、段落0099に示した動作が逆方向に行われて第1のフォトインタラプタ820aの光の遮蔽が解除され、出力信号レベルが初期値に戻る。
操作レバー300がX方向とY方向との間に傾倒操作されたときには、上述したX方向及びY方向の傾倒操作時の如く、各部が動作し、フォトインタラプタ820b、820dから出力される信号レベルが変位することによって操作レバー300のX方向とY方向との間の傾倒操作が検出される。その後、操作レバー300が解放されると、上述したX方向及びY方向の傾倒操作時の如く、各部が動作して操作レバー300を初期位置に復帰させる。
操作レバー300がX方向と−Y方向との間に傾倒操作されたときには、上述したX方向及び−Y方向の傾倒操作時の如く、各部が動作し、フォトインタラプタ820a、820dから出力される信号レベルが変位することによって操作レバー300のX方向と−Y方向との間の傾倒操作が検出される。その後、操作レバー300が解放されると、上述したX方向及び−Y方向の傾倒操作時の如く、各部が動作して操作レバー300を初期位置に復帰させる。
操作レバー300が−X方向と−Y方向との間に傾倒操作されたときには、上述した−X方向及び−Y方向の傾倒操作時の如く、各部が動作し、フォトインタラプタ820a、820cから出力される信号レベルが変位することによって操作レバー300の−X方向と−Y方向との間の傾倒操作が検出される。その後、操作レバー300が解放されると、上述した−X方向及び−Y方向の傾倒操作時の如く、各部が動作して操作レバー300を初期位置に復帰させる。
操作レバー300が−X方向とY方向との間に傾倒操作されたときには、上述した−X方向及びY方向の傾倒操作時の如く、各部が動作し、フォトインタラプタ820b、820cから出力される信号レベルが変位することによって操作レバー300の−X方向とY方向との間の傾倒操作が検出される。その後、操作レバー300が解放されると、上述した−X方向及びY方向の傾倒操作時の如く、各部が動作して操作レバー300を初期位置に復帰させる。
このような多方向入力装置による場合、操作レバー300のY、−Y方向の成分を含む方向に傾倒されると、コイルスプリング600がフランジ500とリング700との間で圧縮される。その後、操作レバー300が解放されると、コイルスプリング600がフランジ500のY、−Y方向側の部分を押圧することにより当該コイルスプリング600の付勢力が操作レバー300の中間部に作用すると共に、コイルスプリング600がリング700の−Y、Y方向側の部分を通じて一対の第1のフラット面424aの−Y、Y方向側の端部を押圧することにより当該コイルスプリング600の付勢力が操作レバー300の下端部に作用し、これにより操作レバー300を初期位置に復帰させる。一方、操作レバー300のX、−X方向の成分を含む方向に傾倒されると、コイルスプリング600がフランジ500とリング700との間で圧縮される。その後、操作レバー300が解放されると、コイルスプリング600がフランジ500のX、−X方向側の部分を押圧することにより当該コイルスプリング600の付勢力が操作レバー300の中間部に作用すると共に、コイルスプリング600がリング700の−X、X方向側の部分を通じて第2のフラット面422bの−X、X方向側の端部を押圧することにより当該コイルスプリング600の付勢力が操作レバー300の下端部に作用し、これにより操作レバー300を初期位置に復帰させる。このようにコイルスプリング600の付勢力が傾倒した操作レバー300の中間部及び下端部の2箇所に付与されることにより、当該操作レバー300を初期位置へ復帰させるようになっていることから、操作レバー300の初期位置への復帰精度を向上させることができる。
また、コイルスプリング600の付勢力が常に操作レバー300の2箇所に作用することによって当該操作レバー300が初期位置で安定して保持されることから、第1、第2の連動部材400a、400bの第1、第2の回転軸410a、410bのガタや遊びがあったとしても、操作レバー300に初期位置でガタや遊びが生じ難くなっている。
しかも、第1、第2の動作変換機構810a、810bは、第1、第2のクランプアーム811a、811bを用いて第1、第2の回転軸410a、410bの回転を第1、第2の遮蔽板812a、812bの直線移動に変換する構成となっている。このため、第1、第2のフォトインタラプタ820a、820bを第1の遮蔽板812aの移動方向線上にまとめて配置することができる。また、第3、第4のフォトインタラプタ820c、820dを第2の遮蔽板812bの移動方向線上にまとめて配置することができる。この点で、装置の組み立てが容易になり且つ基板1000の各フォトインタラプタの実装スペースも小さくすることができる。よって、装置の小型化を図る上でメリットがある。
更に、コイルスプリング600として略円錐状のコイルスプリングを用いている。このコイルスプリング600の小径端部620をフランジ500に当接させているので、一定径のコイルスプリングを用い、その一端部をフランジ500に当接させる場合と比べて、当該フランジ500の外径を小さくすることができる。よって、操作レバー300の傾倒動作によるコイルスプリング可動空間及びフランジ可動空間を小さくすることができる。以上のことから、操作レバー300に取り付けられるグリップハンドルの意匠設計の自由度が向上し、その結果、操作し易い多方向入力装置を得ることができる。また、コイルスプリング600は略円錐状であるため圧縮しても縦方向に巻き線が密着しない形状とすることができ、一定径のコイルスプリングよりも圧縮して用いることができる(すなわち、コイルスプリング600の圧縮高さを一定径の前記コイルスプリングの圧縮高さよりも小さくすることができる)ので、コイルスプリング600の付勢力を維持もしくは高めつつ多方向入力装置の装置高を低減することができる。
なお、上述した多方向入力装置は、上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の範囲において任意に設計変更することが可能である。以下、詳しく述べる。図5は上記実施の形態の多方向入力装置の動作検出手段の設計変更例を示す模式図、図6は上記実施の形態の多方向入力装置のX、−X方向に係る構造とY、−Y方向に係る構造とを入れ替えた設計変更例を示す概略的分解斜視図、図7は上記実施の形態の多方向入力装置の第1、第2の連動部材の設計変更例を示す模式的平面図であって、(a)が第1、第2の凸脈が第1、第2の連動部材に平行に配設された例を示す図、(b)が第1、第2の凸脈が第1、第2の連動部材に略直角に配設された例を示す図、(c)が第1、第2の凸部が第1、第2の連動部材に配設された例を示す図、図8は同装置の図7(a)に示す設計変更例の概略的断面図であって、(a)がX、−X方向の概略的断面図、(b)がY、−Y方向の概略的断面図、図9は同装置の図7(b)に示す設計変更例の概略的断面図であって、(a)がX、−X方向の概略的断面図、(b)がY、−Y方向の概略的断面図、図10は同装置の図7(c)に示す設計変更例の概略的断面図であって、(a)がX、−X方向の概略的断面図、(b)がY、−Y方向の概略的断面図である。
フランジ500は操作レバーの外周に凸設され、コイルスプリング600等の付勢手段の端部が当接可能なものである限り任意に設計変更することが可能である。従って、フランジ500は、操作レバーの外周に一体的に設けることも可能であり、また、操作レバーの外周に設けられた複数の突起等とすることも可能である。
リング700は省略可能である。この場合、操作レバー300がY、−Y方向の成分を含む方向に傾倒操作されると、フランジ500がY、−Y方向に傾斜する一方、第1の連動部材400aがY、−Y方向に傾動し、これに伴って一対の第1のフラット面424aがY、−Y方向に傾斜する。このとき、コイルスプリング600がフランジ500と第1のフラット面424aの−Y、Y方向側の端部及びフランジ500と第2のフラット面422bのY、−Y方向側の端部との間で圧縮される。その後、操作レバー300が開放されると、コイルスプリング600がフランジ500のY、−Y方向側の部分を押圧することにより、コイルスプリング600の付勢力が操作レバー300の中間部(フランジ500が取り付けられた部分)に作用すると共に、コイルスプリング600が第1のフラット面424aの−Y、Y方向側の端部を押圧することにより、操作レバー300が初期位置に復帰する。一方、操作レバー300がX、−X方向の成分を含む方向に傾倒操作されると、フランジ500がX、−X方向に傾斜する一方、第2の連動部材400bがX、−X方向に傾動し、これに伴って第2のフラット面422bがX、−X方向に傾斜する。このとき、コイルスプリング600がフランジ500と第2のフラット面422b−X、X方向側の端部及びフランジ500とX、−X方向側の第1のフラット面424aとの間で圧縮される。その後、操作レバー300が開放されると、コイルスプリング600がフランジ500のX、−X方向側の部分を押圧することにより、コイルスプリング600の付勢力が操作レバー300の中間部に作用すると共に、コイルスプリング600が第2のフラット面422bの−X、X方向側の端部を押圧することにより、操作レバー300が初期位置に復帰する。
また、上記実施の形態では、リング700は環状の板体であるとしたが、これに限定されるものではない。例えば、リング700として矩形状のリングを用いることが可能であるし、操作レバー300の周りに配置され且つ第1、第2のフラット面424a、422bとコイルスプリング600との間に介在する複数の板体を用いることが可能である。但し、リング700は、コイルスプリング600等の付勢手段の付勢力を受けることができる形状である必要がある。また、図6に示すように、リング700に別のリング710を取り付けることが可能である。リング710の上面(コイルスプリング600当接面)の外縁部には環状の位置決め凸部711が設けられている。この位置決め凸部711にコイルスプリング600の大径端部610の外面が当接することにより、コイルスプリング600の位置ズレが防止される。リング710の上面の外縁部には、位置決め凸部711に代えて、大径端部610が嵌合する環状の位置決め凹部を設けることも可能である。この場合であっても、コイルスプリング600の位置ズレが防止される。位置決め凸部711及び前記位置決め凹部をリング700に設けることも可能である。これらの場合、位置決め凸部711及び前記位置決め凹部によりコイルスプリング600の中心と操作レバー300の軸芯とのズレを防止することができるので、当該コイルスプリング600がカバー200の開口210の内壁と接触するのを防止することができる。また、コイルスプリング600の中心と操作レバー300の軸芯とのズレが防止されることにより、操作レバー300の操作方向毎に生じる操作荷重のばらつきが抑制される。更に、コイルスプリング600がリング700、710上で位置ズレする際に生じるリング700、710との摩擦や摩擦音の発生が抑えられる。よって、コイルスプリング600及びカバー200の開口210の内壁の耐磨耗性を向上させることができると共に、操作感触を向上させることが可能になる。
上記実施の形態では、第1、第2のフラット面424a、422bについては、第1、第2の本体部420a、420bに設けられているとしたが、第1、第2の回転軸410a、410bに設けることも可能である。また、上記実施の形態では、第2のフラット面422bは四角い環状であるとしたが、第2のフラット面422bのX、−X方向側の端部のみをフラット面とすることもできるし、Y、−Y方向側の端部のみをフラット面とすることもできる。
上記実施の形態では、第1、第2の本体部420a、420bには、第1、第2のフラット面424a、422bが設けられているとしたが、これに限定されるものではない。例えば、図7(a)、図8(a)及び図8(b)に示すように、第1の本体部420aの上記凸脈上に、第1のフラット面424aに代えて断面視略半円形の第1の凸脈426aを、第2の本体部420bのX、−X方向側の端部上に、第2のフラット面422bに代えて断面視略半円形の第2の凸脈424bを各々設けた構成とすることができる。この第1、第2の凸脈426a、424bはY、−Y方向に向けて略平行に配置されている。また、第1、第2の凸脈426a、424bの頂部の高さ位置が同一高さに設定されている。このため、第1、第2の凸脈426a、424bの頂部上に設置されたリング700が、図8に示すように、フランジ500と略平行に配置される。
この場合、操作レバー300がY、−Y方向の成分を含む方向に傾倒されると、第1の本体部420a及び第1の凸脈426aがY、−Y方向に傾斜し、第1の凸脈426aの−Y、Yの内、操作方向と反対方向側の端部(すなわち、第1の凸脈426aの傾斜方向と反対方向側(−Y、Y方向側)の端部)がリング700を押し上げる。これにより、コイルスプリング600が上記実施の形態と同様にリング700とフランジ500との間で圧縮される。その後、操作レバー300が解放されると、コイルスプリング600がリング700を介して第1の凸脈426aの−Y、Y方向側の端部を押し下げる。これにより、操作レバー300が上記実施の形態と同様に初期位置に復帰する。
操作レバー300がX、−X方向の成分を含む方向に傾倒されると、第2の本体部420bがX、−X方向に傾斜し、X、−X方向側の第2の凸脈424bが下降する一方、−X、Xの内、操作方向と反対方向側(すなわち、第2の本体部420bの傾斜方向と反対方向(−X、X方向)側)の第2の凸脈424bが上昇する。この−X、X方向側の第2の凸脈424bがリング700を押し上げ、コイルスプリング600を上記実施の形態と同様にリング700とフランジ500との間で圧縮する。その後、操作レバー300が解放されると、コイルスプリング600がリング700を介して−X、X方向側の第2の凸脈424bを押し下げる。これにより、操作レバー300が上記実施の形態と同様に初期位置に復帰する。なお、上記操作レバー300の傾倒操作時におけるフランジ500の動作は上記実施の形態と同じであるので、その説明は省略している。
また、上記第2の凸脈は、第2の本体部420bのX、−X方向側の端部ではなく、図7(b)、図9(a)及び図9(b)に示すように、第2の本体部420bのY、−Y方向側の端部に設けることが可能である。この第2の凸脈の符号としては、’を付して第2の凸脈424bと区別する。第2の凸脈424b’は、第1の凸脈426aに対して略直角な方向に向いている。第1、第2の凸脈426a、424b’の頂部の高さ位置も同一高さに設定されている。よって、第1、第2の凸脈426a、424b’の頂部上に設置されたリング700が、図9に示すように、フランジ500と略平行に配置される。
この場合、操作レバー300のY、−Y方向の成分を含む方向に傾倒されると、第1の本体部420a及び第1の凸脈426aがY、−Y方向に傾斜し、第1の凸脈426aの−Y、Yの内、操作方向と反対方向側の端部(すなわち、第1の凸脈426aの傾斜方向と反対方向側(−Y、Y方向側)の端部)がリング700を押し上げる。これにより、コイルスプリング600が上記実施の形態と同様にリング700とフランジ500との間で圧縮される。その後、操作レバー300が解放されると、コイルスプリング600がリング700を介して第1の凸脈426aの−Y、Y方向側の端部を押し下げる。これにより、操作レバー300が上記実施の形態と同様に初期位置に復帰する。
操作レバー300のX、−X方向の成分を含む方向に傾倒されると、第2の本体部420b及び第2の凸脈424b’がX、−X方向に傾斜し、第2の凸脈424b’の−X、Xの内、操作方向と反対方向側の端部(すなわち、第2の凸脈424b’の傾斜方向と反対方向側(−X、X方向側)の端部)がリング700を押し上げる。これにより、コイルスプリング600が上記実施の形態と同様にリング700とフランジ500との間で圧縮される。その後、操作レバー300が解放されると、コイルスプリング600がリング700を介して第2の凸脈424b’の−X、X方向側の端部を押し下げる。これにより、操作レバー300が上記実施の形態と同様に初期位置に復帰する。なお、上記操作レバー300の傾倒操作時におけるフランジ500の動作は上記実施の形態と同じであるので、その説明は省略している。
なお、第1の凸脈426aを第1の本体部420aのY、−Y方向の端部に設けることも可能である。
また、図7(c)、図10(a)及び図10(b)に示すように、第1の本体部420aの上記凸脈のY、−Yの内、操作方向と反対方向側の両端部(すなわち、第1の本体部420aの四角部)上に第1のフラット面424aに代えて半球状の第1の凸部427aを、第2の本体部420bの四角部上に、第2のフラット面422bに代えて半球状の第2の凸部425bを各々設けた構成とすることができる。第1、第2の凸部427a、325bの頂部の高さ位置は同一高さに設定されている。よって、第1、第2の凸部427a、425bの頂部上に設置されたリング700が、図10に示すように、フランジ500と略平行に配置される。
この場合、操作レバー300のY、−Y方向の成分を含む方向に傾倒されると、第1の本体部420aがY、−Y方向に傾斜し、Y、−Yの内、操作方向側の第1の凸部427a(すなわち、第1の本体部420aの傾斜方向側(Y、−Y方向側)の第1の凸部427a)が下降する一方、−Y、Yの内、操作方向と反対方向側の第1の凸部427a(すなわち、第1の本体部420aの傾斜方向と反対方向側(−Y、Y方向側)の第1の凸部427a)が上昇する。この上昇がリング700を押し上げ、コイルスプリング600を上記実施の形態と同様にリング700とフランジ500との間で圧縮する。その後、操作レバー300が解放されると、コイルスプリング600がリング700を介して−Y、Y方向側の第1の凸部427aを押し下げる。これにより、操作レバー300が上記実施の形態と同様に初期位置に復帰する。
操作レバー300のX、−X方向の成分を含む方向に傾倒されると、第2の本体部420bがX、−X方向に傾斜し、X、−Xの内、操作方向側の第2の凸部425b(すなわち、第2の本体部420bの傾斜方向側(X、−X方向側)の第2の凸部425b)が下降する一方、−X、Xの内、操作方向と反対方向側の第2の凸部425b(すなわち、第2の本体部420bの傾倒方向と反対方向側(−X、X方向側)の第2の凸部425b)が上昇する。この上昇がリング700を押し上げ、コイルスプリング600を上記実施の形態と同様にリング700とフランジ500との間で圧縮させる。その後、操作レバー300が解放されると、コイルスプリング600がリング700を介して−X、X方向側の第2の凸部425bを押し下げる。これにより、操作レバー300が上記実施の形態と同様に初期位置に復帰する。なお、上記操作レバー300の傾倒操作時におけるフランジ500の動作は上記実施の形態と同じであるので、その説明は省略している。
第1、第2の凸脈426a、424b、424b’は断面視略半円形である必要はなく、その他の形状の凸脈に設計変更することが可能である。また、第1、第2の凸部427a、425bは半球状である必要はなく、その他の形状の凸部に設計変更することが可能である。また、第1、第2の凸脈426a、424b、424b’及び第1、第2の凸部427a、425bを組み合わせて用いることも可能である。
第1、第2の本体部420a、420bの形状については略半円弧状とすることが可能である。この場合には、例えば、第1、第2のフラット面424a、422bは、第1、第2の回転軸410a、410bに設けられる。
また、上記実施の形態では、操作レバー300はピン423aにより第1の本体部420aに取り付けられているとしたが、これに限定されるものではない。例えば、ボディ100に操作レバー300の下端部を傾倒可能に支持する支持部等を設けることができる。また、上記実施の形態では、ピン423aの軸芯と第2の連動部材400bに備わる第2の回転軸410bの軸芯とが略一致するように設定されているとしたが、両軸芯が一致していなくても良い。
第1、第2の動作検出手段800a、800bは、4つのフォトインタラプタを用いた光学式検出手段であるとしたが、別の光学式検出手段、磁気検出手段や可変抵抗器等を用いることが可能である。
別の光学式検出手段としては、例えば、第1の動作検出手段は、第1の回転軸のY、−Y方向への回転に応じてY、−Y方向に回転する第1のディスクと、第1のディスクに設けられたスリットを検出することにより第1のディスクのY方向への回転を検出する第1のフォトインタラプタと、第1のディスクに設けられたスリットを検出することにより第1のディスクの−Y方向への回転を検出する第2のフォトインタラプタとを有し、第2の動作検出手段は、第2の回転軸のX、−X方向への回転に応じてX、−X方向に回転する第2のディスクと、第2のディスクに設けられたスリットを検出することにより第2のディスクのX方向への回転を検出する第3のフォトインタラプタと、第2のディスクに設けられたスリットを検出することにより第2のディスクの−X方向への回転を検出する第4のフォトインタラプタとを有する構成のものがある。
この場合、ディスクに複数のスリットを設けるようにすれば、各フォトインタラプタで前記スリットをカウントすることにより、操作レバーの傾倒量を検出することができる。この点については、第1、第2の遮蔽板812a、812bに前記スリットを設け、フォトインタラプタ820a〜dでカウントさせるようにすれば、上記実施の形態の第1、第2の動作検出手段800a、800bにも適応可能である。また、前記ディスクと同様に、遮光板812a、812bに複数のスリットを設けて移動量を検出する構成とすることも可能である。
また、フォトインタラプタ820a〜dは、発光素子と受光素子とが対向配置される透過型のフォトインタラプタであるとしたが、発光素子と受光素子と並列に配置される反射型のフォトインタラプタを用いることが可能である。この場合、第1、第2の遮蔽板812a、812b及び前記ディスクに発光素子から発せられた光を受光素子に向けて反射する反射面を設けるようにすれば良い。
前記磁気検出手段としては、例えば、操作レバーに設けられた磁性体と、操作レバーの傾倒に伴って移動する磁性体の磁界の変化を検出する磁界検出手段とを有する構成のものがある。この場合には、動作検出手段は上記実施の形態の如く2つ必要なく、一つの磁気検出手段で足りる。
前記可変抵抗器は、第1、第2の回転軸410a、410bに直接又は間接的に連結され、第1、第2の回転軸410a、410bの回転に応じて抵抗値が変化する周知のものである。
また、上記動作検出手段としてはマイクロスイッチを用いたものがある。この上記動作検出手段は、例えば、図5に示されるように、操作レバー300の周囲のY方向側に配置され且つ操作レバー300のY方向への傾倒によりオンされる第1のマイクロスイッチ801a’と、操作レバー300の周囲の−Y方向側に配置され且つ操作レバー300の−Y方向への傾倒によりオンされる第2のマイクロスイッチ801b’と、操作レバー300の周囲のX方向側に配置され且つ操作レバー300のX方向への傾倒によりオンされる第3のマイクロスイッチ801c’と、操作レバー300の周囲の−X方向側に配置され且つ操作レバー300の−X方向への傾倒によりオンされる第4のマイクロスイッチ801d’とを有する構成とすることができる。なお、マイクロスイッチの数は、操作レバーの検出すべき方向に応じて適宜設定することができる。すなわち、4つに限定されず、それ以上でもそれ以下であっても良い。
また、フォトインタラプタ820a〜dの代わりに、2方向動作型のマイクロスイッチを用いることができる。具体的には、フォトインタラプタ820a、801bを、第1の遮蔽板812aのY、−Y方向への移動により操作される2方向動作型の第1のマイクロスイッチに置き換え、フォトインタラプタ820c、801dを第2の遮蔽板812bのX、−X方向への移動により操作される2方向動作型の第2のマイクロスイッチに置き換えることができる。なお、本願においては、前記マイクロスイッチの代わりに、タクトスイッチ等の同様のスイッチを用いることができる。
傾斜孔812a3、812b3については、傾斜溝により代用することができる。また、傾斜孔又は傾斜溝を第1、第2のクランプアーム811a、811bに設け、第1、第2のクランプアーム811a、811bの揺動に応じて傾斜孔又は傾斜溝内を移動するガイド突起を第1、第2の遮蔽板812a、812bに設けることも可能である。傾斜孔又は傾斜溝の傾斜角度は、第1、第2の遮蔽板812a、812bの移動範囲に応じて適宜設定することができる。
X、−X方向及びY、−Y方向については、X、−X方向がY、−Y方向に直交している限り、適宜選択設定することが可能である。例えば、図6に示すように、第1の連動部材400aの一対の第1の回転軸410aをボディ100にX、−Xに向けて保持させると共に、第2の連動部材400bの一対の第2の回転軸410bをボディ100にY、−Yに向けて保持させ、これに伴って第1、第2の動作変換機構810a、820bとを入れ替えることも可能である。また、Z、−Z方向については、Z、−Z方向がX、−X方向及びY、−Y方向に直交している限り、適宜選択設定することが可能である。
なお、上記実施の形態では、多方向入力装置の各部を構成する素材、形状、個数や寸法等はその一例を説明したものであって、同様の機能を実現し得る限り任意に設計変更することが可能である。