JP2010261376A - 内燃機関の制御システム - Google Patents
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Abstract
【課題】高負荷運転条件において燃料噴射時期をMBTより遅角させることなく筒内圧の上昇を抑えることを可能にする技術を提供する。
【解決手段】内燃機関の吸気通路に設けられたコンプレッサと、内燃機関の排気通路に設けられたタービンと、タービンに流入する排気の流路面積を変更可能な可変ノズルと、タービン及びコンプレッサを回転させる駆動力を発生し過給をアシスト可能な電動モータと、を有するターボチャージャと、前記内燃機関の筒内圧を所定の上限値以下にするために燃料噴射時期をMBTより遅角させる必要がある所定の運転条件において、少なくとも前記電動モータによる過給アシストを行うとともに燃料噴射時期をMBTに制御する制御手段と、を備える。
【選択図】図4
【解決手段】内燃機関の吸気通路に設けられたコンプレッサと、内燃機関の排気通路に設けられたタービンと、タービンに流入する排気の流路面積を変更可能な可変ノズルと、タービン及びコンプレッサを回転させる駆動力を発生し過給をアシスト可能な電動モータと、を有するターボチャージャと、前記内燃機関の筒内圧を所定の上限値以下にするために燃料噴射時期をMBTより遅角させる必要がある所定の運転条件において、少なくとも前記電動モータによる過給アシストを行うとともに燃料噴射時期をMBTに制御する制御手段と、を備える。
【選択図】図4
Description
本発明は、内燃機関の制御システムに関する。
タービンに流入する排気の流路面積を変更可能な可変ノズルを備え、可変ノズル開度を変更することによって過給効率を変更可能な可変ノズル型のターボチャージャが知られている。また、コンプレッサを回転駆動するモータを備え、モータによって過給をアシストするモータ・アシスト・ターボチャージャ(以下、「MAT」と称する)が知られている。
特許文献1には、MATを備えた内燃機関において、高負荷高回転の運転条件でモータによる過給アシストを行うとともに燃料噴射時期を早くする制御を行うことが記載されている。特許文献2には、モータによる過給アシスト可能な可変ノズル型のターボチャージャを備えた内燃機関において、可変ノズル開度を最小とし且つモータによる過給アシスト制御を行う条件と、可変ノズル開度の制御とモータによる過給アシストの制御とを併用する条件と、を過給圧に応じて場合分けする技術が記載されている。特許文献3には、モータによる過給アシスト可能な可変ノズル型のターボチャージャを備えた内燃機関において、モータによる過給アシストを行わない条件と、可変ノズル開度の制御とモータによる過給アシストの制御とを併用する条件と、を走行状況に応じて場合分けする技術が記載されている。
燃費性能の向上のために筒内圧の上限値を低く設定して内燃機関を軽量化することが有効である。しかしながら、高負荷運転条件下では、筒内圧上昇を上限値以下に抑えるために燃料噴射時期をMBT(Minimum Advance for Best Torque)より遅角側に適合させなければならない場合がある。その場合、燃料噴射時期の遅角による燃費性能の低下により、軽量化による燃費向上のメリットを十分に得られなくなる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、高負荷運転条件において燃料噴射時期をMBTより遅角させることなく筒内圧の上昇を抑えることを可能にする技術を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明に係る内燃機関の制御システムは、
内燃機関の吸気通路に設けられたコンプレッサと、内燃機関の排気通路に設けられたタービンと、タービンに流入する排気の流路面積を変更可能な可変ノズルと、タービン及びコンプレッサを回転させる駆動力を発生し過給をアシスト可能な電動モータと、を有するターボチャージャと、
前記内燃機関の筒内圧を所定の上限値以下にするために燃料噴射時期をMBTより遅角
させる必要がある所定の運転条件において、少なくとも前記電動モータによる過給アシストを行うとともに燃料噴射時期をMBTに制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする。
内燃機関の吸気通路に設けられたコンプレッサと、内燃機関の排気通路に設けられたタービンと、タービンに流入する排気の流路面積を変更可能な可変ノズルと、タービン及びコンプレッサを回転させる駆動力を発生し過給をアシスト可能な電動モータと、を有するターボチャージャと、
前記内燃機関の筒内圧を所定の上限値以下にするために燃料噴射時期をMBTより遅角
させる必要がある所定の運転条件において、少なくとも前記電動モータによる過給アシストを行うとともに燃料噴射時期をMBTに制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする。
前記可変ノズルの開度制御のみによって目標過給圧を達成しようとすると、前記内燃機関の筒内圧を所定の上限値以下にするために燃料噴射時期をMBTより遅角させる必要がある所定の運転条件では、少なくとも前記電動モータによる過給アシストを行うとともに、燃料噴射時期をMBTに制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする。
を備えることを特徴とする。
筒内圧の「所定の上限値」は、内燃機関の剛性等に要請に基づいて定める。例えば、燃費向上のために軽量化した内燃機関では、筒内圧の上限値を低い値に定める。
「所定の運転条件」は、可変ノズルの開度制御のみによって目標過給圧を達成しようとした場合に、可変ノズル開度を絞る必要が生じ、背圧の上昇を招き、筒内圧が上限値を超えるような運転条件である。所定の運転条件には、例えば、NOxやスモークを低減し燃焼騒音抑制のために高過給が必要となる高負荷運転条件が含まれる。
このような運転条件では、筒内圧を上限値以下に抑えるために燃料噴射時期をMBTより遅角させる必要がある。燃料噴射時期をMBTより遅角させると、燃費性能の低下を招き、燃費向上のために内燃機関を軽量化した場合であっても、その燃費向上の効果が損なわれてしまう。
この点、本発明においては、この所定の運転条件では、電動モータによる過給アシストを行うので、目標過給圧を達成するために要求される可変ノズル開度の絞り量を低減できる。従って、背圧の上昇引いては筒内圧の上昇を招くことなく、目標過給圧を達成することが可能となる。よって、燃料噴射時期をMBTより遅角させなくても、筒内圧を上限値以下に抑えることができる。
従って、本発明によれば、所定の運転条件においても燃料噴射時期をMBTに制御することができるように電動モータによる過給アシストを行うことができるので、燃料噴射時期を遅角させる必要がなく、燃費性能の低下を抑制できる。燃費向上のために内燃機関を軽量化した場合には、その軽量化による燃費向上の効果が損なわれないようにすることができる。
本発明によれば、高負荷運転条件において燃料噴射時期をMBTより遅角させることなく筒内圧の上昇を抑えることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。本実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に記載がない限りは、発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
図1は、本実施例に係る内燃機関の制御システムを説明する。図1は、本実施例に係る内燃機関の制御システムを適用する内燃機関とその吸気系及び排気系の概略構成を模式的に示す図である。図1においてエンジン1は4つの気筒2を備え、各気筒2には気筒内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁29が備えられている。エンジン1には、エンジン1のクランクシャフトの回転角度を測定するクランク角度センサ22と、図示しないアクセルペダルの踏み込み量を測定するアクセル開度センサ27と、が備えられている。各気筒2は吸気マニホールド5及び排気マニホールド6に連通している。
吸気マニホールド5には吸気通路3が接続されている。吸気通路3には、排気マニホールド6内の排気の一部を高温高圧で吸気通路3に導く高圧EGR通路9が接続されている。高圧EGR通路9の接続部より上流側の吸気通路3には、吸気通路3の流路面積を変更可能な第1スロットル弁23が備えられている。第1スロットル弁23より上流側の吸気通路3には、吸気を冷却するインタークーラ11が備えられている。インタークーラ11より上流側の吸気通路3には、過給機21のコンプレッサ7が備えられている。コンプレッサ7より上流側の吸気通路3には、排気通路4内の排気の一部を低温低圧で吸気通路3に導く低圧EGR通路12が接続されている。低圧EGR通路12の接続部より上流側の吸気通路3には、吸気通路3の流路面積を変更可能な第2スロットル弁24が備えられている。第2スロットル弁24より上流側の吸気通路3には、吸気通路3に流入する空気量を測定するエアフローメータ25が備えられている。エアフローメータ25より上流側の吸気通路3には、空気中の異物を取り除くエアクリーナ26が備えられている。
排気マニホールド6には上述した高圧EGR通路9が接続されており、排気マニホールド6と吸気通路3とを連通している。排気マニホールド6には、排気中に燃料を添加する燃料添加弁33が備えられている。排気マニホールド6には排気通路4が接続されている。排気通路4には、過給機21のタービン8が備えられている。タービン8より下流側の排気通路4には、排気浄化装置17が備えられている。排気浄化装置17は、排気中の微粒子物質(PM)を捕集するフィルタ18及び吸蔵還元型NOx触媒19を有する。排気浄化装置17より下流側の排気通路4における分岐部30において、上述した低圧EGR通路12が排気通路4から分岐している。
高圧EGR通路9には、高圧EGR通路9の流路面積を変更する高圧EGR弁10が備えられている。高圧EGR弁10の開度を変更することによって、高圧EGR通路9を介して吸気通路3に再循環する排気(以下、「高圧EGRガス」という)の流量を調節することができる。高圧EGR弁10より上流側(すなわち、排気マニホールド6側)の高圧EGR通路9には、高圧EGRガスを冷却する高圧EGRクーラ32が備えられている。
低圧EGR通路12には、低圧EGR通路12の流路面積を変更する低圧EGR弁14が備えられている。低圧EGR弁14の開度を変更することによって、低圧EGR通路12を介して吸気通路3に再循環する排気(以下、「低圧EGRガス」という)の流量を調節することができる。低圧EGR弁より上流側(すなわち、排気通路4側)の低圧EGR通路12には、低圧EGRガスを冷却する低圧EGRクーラ13が備えられている。
排気浄化装置17について、排気浄化処理が行われる。すなわち、フィルタ18に捕集されたPMの量が所定の基準量に達したと判定されたときに、燃料添加弁33から排気中
に燃料を添加することによって、フィルタ18に捕集されたPMを酸化除去する処理を行う。また、NOx触媒19に吸蔵されたNOxの量が所定の基準量に達したと判定されたときに、燃料添加弁33から排気中に燃料を添加することによって、NOx触媒19に吸蔵されたNOxをNOx触媒19から放出させて還元浄化する処理を行う。また、NOx触媒19に吸蔵された硫黄の量が所定の基準量に達したと判定されたときに、燃料添加弁21から排気中に燃料を添加することによって、NOx触媒19に吸蔵された硫黄を除去する処理を行う。
に燃料を添加することによって、フィルタ18に捕集されたPMを酸化除去する処理を行う。また、NOx触媒19に吸蔵されたNOxの量が所定の基準量に達したと判定されたときに、燃料添加弁33から排気中に燃料を添加することによって、NOx触媒19に吸蔵されたNOxをNOx触媒19から放出させて還元浄化する処理を行う。また、NOx触媒19に吸蔵された硫黄の量が所定の基準量に達したと判定されたときに、燃料添加弁21から排気中に燃料を添加することによって、NOx触媒19に吸蔵された硫黄を除去する処理を行う。
なお、排気浄化処理において排気浄化触媒17より上流の排気に燃料を供給する手段としては、燃料添加弁33による燃料添加の他に、燃料噴射弁29によってポスト噴射を行ってもよい。ポスト噴射とは主たる燃料噴射の後に燃焼に関与しないタイミングで行う少量の副噴射である。或いは、燃料噴射弁29からのメイン噴射の噴射量を増量して、リッチ空燃比での燃焼を行うようにしても良い。
排気浄化処理において排気に供給する燃料量を制御するために、本実施例のシステムでは排気通路4における低圧EGR通路12の分岐部30より下流側に空燃比センサ20を備えている。空燃比センサ20による排気の空燃比の測定値に基づいて、排気浄化処理を好適に実行するために必要な燃料が正確に排気に供給されるように、燃料添加弁33による燃料添加や燃料噴射弁29によるポスト噴射を制御する。
エンジン1にはエンジン1の運転を制御するコンピュータであるECU28が併設されている。ECU28には、上述したクランク角度センサ22、エアフローメータ25、空燃比センサ20、アクセル開度センサ27が接続されており、これら各センサによる測定データがECU28に入力される。また、ECU28には、上述した燃料噴射弁29、高圧EGR弁10、第1スロットル弁23、低圧EGR弁14、第2スロットル弁24、燃料添加弁33が接続されており、これら各機器の動作がECU28からの指令により制御される。ECU28はCPU、メモリ、入出力インターフェース等を備えた既知の構成を有し、接続された上記各センサから入力される測定データからエンジン1の運転状態や運転者の要求を取得し、それに基づいて上記各機器の制御目標値を算出し、各機器の動作を制御する。
本実施例のEGR制御システムでは、高圧EGR通路9及び低圧EGR通路12の2系統のEGR通路を介した排気の再循環を行うことができる。高圧EGR通路9を介した排気の再循環と、低圧EGR通路12を介した排気の再循環とは、エンジン1の運転条件に応じて切り替えられる。
本実施例の過給機21は電動モータ35を備えたモータ・アシスト・ターボチャージャ(MAT)である。図2は過給機21の断面図である。図2に示すように、電動モータ35は、コンプレッサホイール70とタービンホイール80とを連結するシャフト90に設けられたマグネット92と、その周りに配置されたステータコイル91と、ステータコイル91に電流を供給するインバータ34と、から構成される。インバータ34からの電流供給はECU28によって制御される。ステータコイル91の周辺には冷却水の流路95が設けられ、MAT作動時のステータコイル91の発熱対策としている。
このように構成された電動モータ35により、シャフト90に対して回転駆動力を作用させることができる。これにより、排気の流れが無い状況でもコンプレッサホイール70及びタービンホイール80を強制回転させることができる。また、排気のエネルギーによる過給機21の過給をアシストすることもできる。
また、本実施例の過給機21は、タービンホイール80への排気の流入部に複数のノズ
ルベーン93を備えている。ノズルベーン93を開閉することによりタービンホイール80への排気の流入部の流路面積(以下、VN開度という)が変化し、タービンホイール80に衝突する排気の流速を変化させることができる。これにより、排気の流量によらず過給機21による過給効率を変化させることができる。
ルベーン93を備えている。ノズルベーン93を開閉することによりタービンホイール80への排気の流入部の流路面積(以下、VN開度という)が変化し、タービンホイール80に衝突する排気の流速を変化させることができる。これにより、排気の流量によらず過給機21による過給効率を変化させることができる。
例えば、排気流量が少ない低負荷低回転の運転条件下においても、ノズルベーン93の開度を減少させVN開度を絞り側にすることよって、良好な過給特性を実現することができる。また、NOxやスモークの発生を確実に抑制し且つ燃焼騒音を抑制するために、高過給圧が要求される高負荷高回転の運転条件下においても、ノズルベーン93の開度を減少させVN開度を絞り側にすることによって、高い目標過給圧を確実に達成することができる。
ここで、本実施例に係るエンジン1は、筒内圧に一定の上限値を設け、要求される剛性を低く抑えることにより、その重量を軽量化し、燃費性能の向上を図っている。
過給機21のノズルベーン93の開度を減少させてVN開度を閉じ側に制御すると、タービン8より上流側の排気通路4の背圧が上昇し、それに伴って筒内圧も上昇する。特に、高負荷高回転の運転条件において高い目標過給圧を達成すべくVN開度を閉じ側に制御した場合、背圧及び筒内圧の大幅な上昇を招き、上述した筒内圧の上限値を超えてしまう場合がある。
このようにVN開度制御のみによって過給制御を行った場合に筒内圧が上限値を超える運転条件は、図3において「リタード適合領域」と表記された高負荷高回転の領域に属する運転条件である。従来、このリタード適合領域に属する運転条件では、燃料噴射時期をMBTより遅角側にリタードすることにより、筒内圧の上昇を抑制していた。これにより、リタード適合領域においても筒内圧が上限値を超える事態が起こらないようにしていた。しかしながら、燃料噴射時期をMBTより遅角させることによって燃費性能が低下するので、エンジン1を軽量化したことによる燃費向上の効果が損なわれるという問題があった。
そこで、本実施例では、このリタード適合領域において、MATを作動させて過給アシストを行うようにした。MATによる過給アシストを行うことにより、リタード適合領域における目標過給圧を達成するために要求されるVN開度の閉じ量を低減することができる。すなわち、MATによる過給アシストを行わない場合と比較して、VN開度をより開き側の開度に制御しても、目標過給圧を達成できる。従って、背圧の上昇を抑制でき、筒内圧が上限値を超えることを抑制できる。
これにより、リタード適合領域において筒内圧を上限値以下に抑えるために燃料噴射時期を遅角させる必要がなくなる。従って、リタード適合領域を含む全運転領域において燃料噴射時期をMBTに制御することが可能となる。よって、エンジン1の軽量化による燃費向上の効果を最大限に生かすことができるようになる。
なお、本実施例においては、車両減速時に回生発電を行い、発電した電力をバッテリー36に蓄電する減速回生システムを備えている。MAT作動要求時には、この減速回生によりバッテリー36に蓄電された電力を用いてMATを作動させる。従って、MATを作動させるための電力消費が燃費性能に与える影響を最小限にとどめることが可能となっている。
このように、MATによる過給アシストを行うことにより、MATによる過給アシストを行わない場合と比較して、同じ目標過給圧を達成するために要求されるVN開度の閉じ
量を低減できる。これにより、背圧の上昇が低減されるので、ポンプロスが低減する。
量を低減できる。これにより、背圧の上昇が低減されるので、ポンプロスが低減する。
上述したリタード適合領域に限らず、その他の運転領域、すなわち、MATによる過給アシストを行わずにVN開度制御のみによって目標過給圧を達成するように過給圧制御を行ったとしても、筒内圧を上限値以下に抑えるために燃料噴射時期をMBTより遅角させる必要が無いような運転領域においても、VN開度制御とMATによる過給アシストとを併用することによってVN開度を開き側に制御できるので、燃費性能を向上させることが可能である。
ところで、加速及び減速運転が頻繁に行われる市街地走行時等における非定常走行条件では、MATを作動させるために十分な電力を減速回生システムにより回収することができるが、一定の運転状態が長時間持続する高速道路走行時等における定常走行条件では、減速回生により電力を回収する機会が少なく、MATを作動させるために十分な電力を確保できない場合がある。そのような場合にMATの作動要求があると、オルタネータによる発電が開始されてしまう。そうすると、オルタネータによって発電するための生じるフリクションの増大によって燃費悪化を招く可能性がある。
そこで、本実施例において、基本的に全運転領域においてVN開度を開き側に制御し、MATによる過給アシストを強力に行って目標過給圧を達成するストロングアシスト制御を行うとともに、定常運転状態が一定時間以上継続した場合には、ストロングアシスト制御と比較してVN開度を閉じ側に制御し、MATによる過給アシストを弱め、VN開度閉制御による過給効率の増加とMATによる過給アシストとを併用するマイルドアシスト制御を行うようにしても良い。
図5は、このように走行条件に応じてストロングアシスト制御とマイルドアシスト制御とを切り換える制御のフローチャートを表す。図5のフローチャートはECU28によって繰り返し実行される。
まず、ステップS101において、ECU28は、通常走行であるか否かを判定する。市街地走行時等の非定常走行条件での走行状態である場合に、通常走行であると判定される。ステップS101において通常走行であると判定された場合(Yes)、ECU28はステップS102の処理に進み、ストロングアシスト制御を行う。
ステップS101において通常走行ではないと判定された場合、ECU28はステップS103の処理に進み、通常走行ではない走行状態、すなわち加速や減速が行われない定常的な走行状態が一定時間継続しているか否かを判定する。ステップS103で定常走行状態が一定時間継続していないと判定された場合は(No)、ECU28はステップS102の処理に進み、ストロングアシスト制御を行う。
ステップS103で定常走行状態が一定時間継続していると判定された場合は(Yes)、ECU28はステップS104の処理に進み、マイルドアシスト制御を行う。
こうすることにより、一定時間以上定常運転状態が継続し、減速回生システムによる電力回収量がMAT作動のために十分でなくなる可能性のある走行条件では、MATによる過給アシスト量が少なくなるので、MAT作動のために要求される電力を低減でき、オルタネータによる発電が開始されることを回避することができる。これにより、オルタネータによる発電に起因する燃費悪化を抑制できる。
なお、マイルドアシスト制御においては、ストロングアシスト制御と比較してVN開度が閉じ側に制御されるため、背圧上昇によってポンプロスが増大することが考えられるが
、マイルドアシスト制御が実行される運転条件、すなわち一定時間以上定常的な運転状態が継続している場合には、エンジン1は軽負荷なので、ポンプロスが多少増加しても燃費性能の悪化はほとんど無い。
、マイルドアシスト制御が実行される運転条件、すなわち一定時間以上定常的な運転状態が継続している場合には、エンジン1は軽負荷なので、ポンプロスが多少増加しても燃費性能の悪化はほとんど無い。
また、MAT作動のための電力を確保できなくなり、従ってMAT作動が要求されるとオルタネータによる発電が開始してしまう可能性のある状況としては、エアコン、ライト、パワーステアリング等による電力負荷が大きい状況も考えられる。このような状況では、減速回生システムによる電力回収が可能な走行条件、すなわち加減速を繰り返す非定常的な走行条件であっても、車両全体の消費電力が大きいため、MATを作動させるための電力を確保できなくなる場合があるからである。
従って、このように補機類の電力消費量が多い条件下では、非定常走行条件であっても、マイルドアシスト制御を行うか、或いはMATによる過給アシストを停止してVN開度制御のみによる過給制御を行うようにしても良い。この場合、VN開度が閉じ側に制御されることによって筒内圧が上限値を超えることがないように、燃料噴射時期をMBTに所定の係数をかけて遅角させた時期に設定するようにしても良い。
上述のように、MATを作動させるための電力余裕が無い場合にオルタネータによって発電すると、発電に伴うフリクションの増大に起因して燃費性能が悪化する可能性があるが、一方、MATによる過給アシストを使用せずにVN開度制御のみ或いはVN開度制御メインの過給制御を行うと、背圧上昇によるポンプロスや燃料噴射時期遅角に起因する燃費悪化が生じる可能性もある。
MATによる過給アシストを行うためにオルタネータによって発電することによる燃費悪化率や、VN開度制御によって過給制御を行うことによる燃費悪化率は、エンジン1の負荷に応じて異なる。従って、エンジン1の負荷に応じて、いずれか燃費悪化率の小さい方を選択するようにすれば、燃費悪化を最小限に抑えることができる。
図6は、オルタネータによる発電に伴う燃費悪化率とエンジン負荷との関係(一点鎖線で表示)と、VN開度制御による背圧上昇及び燃料噴射時期遅角に伴う燃費悪化率とエンジン負荷との関係(実線で表示)と、を表し図である。図6に示すように、低負荷領域ではVN開度制御を行った方がオルタネータによる発電を行うよりも燃費悪化率が少ないが、高負荷領域ではオルタネータによる発電を行った方がVN開度制御を行うよりも燃費悪化率が少ない。
従って、一定時間以上定常走行状態が継続している場合や、補機類の電力消費量が多い場合など、MATを作動させるための十分な電力を確保できない可能性がある条件下では、エンジン負荷に応じて、低負荷時にはMATによる過給アシストを行わずにVN開度制御のみで過給制御を行い、高負荷時にはオルタネータによって発電した電力を用いてMATを作動させて過給アシストを行うとともにVN開度が開き側になるような過給制御を行うように、制御モードを切り換えるようにしても良い。
1 エンジン
2 気筒
3 吸気通路
4 排気通路
5 吸気マニホールド
6 排気マニホールド
7 コンプレッサ
8 タービン
9 高圧EGR通路
10 高圧EGR弁
11 インタークーラ
12 低圧EGR通路
13 低圧EGRクーラ
14 低圧EGR弁
17 排気浄化装置
18 フィルタ
19 吸蔵還元型NOx触媒
20 空燃比センサ
21 過給機
22 クランク角度センサ
23 第1スロットル弁
24 第2スロットル弁
25 エアフローメータ
26 エアクリーナ
27 アクセル開度センサ
28 ECU
29 燃料噴射弁
30 分岐部
31 合流部
32 高圧EGRクーラ
33 燃料添加弁
34 インバータ
35 電動モータ
36 バッテリー
70 コンプレッサホイール
80 タービンホイール
90 シャフト
91 ステータコイル
92 マグネット
93 ノズルベーン
95 冷却水流路
2 気筒
3 吸気通路
4 排気通路
5 吸気マニホールド
6 排気マニホールド
7 コンプレッサ
8 タービン
9 高圧EGR通路
10 高圧EGR弁
11 インタークーラ
12 低圧EGR通路
13 低圧EGRクーラ
14 低圧EGR弁
17 排気浄化装置
18 フィルタ
19 吸蔵還元型NOx触媒
20 空燃比センサ
21 過給機
22 クランク角度センサ
23 第1スロットル弁
24 第2スロットル弁
25 エアフローメータ
26 エアクリーナ
27 アクセル開度センサ
28 ECU
29 燃料噴射弁
30 分岐部
31 合流部
32 高圧EGRクーラ
33 燃料添加弁
34 インバータ
35 電動モータ
36 バッテリー
70 コンプレッサホイール
80 タービンホイール
90 シャフト
91 ステータコイル
92 マグネット
93 ノズルベーン
95 冷却水流路
Claims (1)
- 内燃機関の吸気通路に設けられたコンプレッサと、内燃機関の排気通路に設けられたタービンと、タービンに流入する排気の流路面積を変更可能な可変ノズルと、タービン及びコンプレッサを回転させる駆動力を発生し過給をアシスト可能な電動モータと、を有するターボチャージャと、
前記内燃機関の筒内圧を所定の上限値以下にするために燃料噴射時期をMBTより遅角させる必要がある所定の運転条件において、少なくとも前記電動モータによる過給アシストを行うとともに燃料噴射時期をMBTに制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関の制御システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009113417A JP2010261376A (ja) | 2009-05-08 | 2009-05-08 | 内燃機関の制御システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009113417A JP2010261376A (ja) | 2009-05-08 | 2009-05-08 | 内燃機関の制御システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010261376A true JP2010261376A (ja) | 2010-11-18 |
Family
ID=43359672
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009113417A Withdrawn JP2010261376A (ja) | 2009-05-08 | 2009-05-08 | 内燃機関の制御システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010261376A (ja) |
-
2009
- 2009-05-08 JP JP2009113417A patent/JP2010261376A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20120807 |