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JP2010253989A - サスペンション制御装置及びサスペンション制御方法 - Google Patents

サスペンション制御装置及びサスペンション制御方法 Download PDF

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JP2010253989A
JP2010253989A JP2009103179A JP2009103179A JP2010253989A JP 2010253989 A JP2010253989 A JP 2010253989A JP 2009103179 A JP2009103179 A JP 2009103179A JP 2009103179 A JP2009103179 A JP 2009103179A JP 2010253989 A JP2010253989 A JP 2010253989A
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JP2009103179A
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Takuma Suzuki
卓馬 鈴木
Kiyonari Kaminuma
研也 上沼
Yosuke Yamaguchi
陽介 山口
Kensuke Nakamura
研介 中村
Michito Hirahara
道人 平原
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

【課題】乗り心地の向上と接地性の向上との両立を実現することができるサスペンション制御装置及びサスペンション制御方法を提供する。
【解決手段】ばね下振動検出部13で検出したばね下速度x1´に対して、制御特性調整フィルタでフィルタ処理して推力発生装置6の制御指令値F1を算出する。制御特性調整フィルタの位相特性は、ばね下共振周波数において、ばね下振動周波数に対する制御指令値の位相を0度とし、ばね下共振周波数より低い(又は高い)周波数帯域において、前記位相を0度に対して進める(又は遅らせる)特性とする。また、ゲイン特性は、ばね下共振周波数より低い(又は高い)周波数帯域において、ばね下振動周波数に対する制御指令値の比率を、ばね下共振周波数における比率より小さい特性とする。
【選択図】 図4

Description

本発明は、サスペンション制御装置及びサスペンション制御方法に関し、特に、車両の乗り心地と車輪の接地性とを改善するサスペンション制御装置及びサスペンション制御方法に関する。
従来のサスペンション制御装置は、推定したグリップ度に応じて、サスペンション制御を、乗り心地優先制御及び接地性優先制御との間で切り替える(例えば、特許文献1参照)。ここでは、グリップ度が小さい時は接地性優先制御、グリップ度が大きい時は乗心地優先制御に切り替えている。
特開2001−354020号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載のサスペンション制御装置にあっては、例えば、接地性優先制御に切り替えた場合、ある限定した周波数帯域ではタイヤの接地性(操縦安定性)が向上するが、それ以外の周波数帯域では乗り心地が悪化する。このように、乗り心地と接地性とのトレードオフは回避できず、これらを両立することは困難であった。
そこで、本発明は、乗り心地の向上及び接地性の向上の両立を実現することができるサスペンション制御装置及びサスペンション制御方法を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、本発明に係るサスペンション制御装置は、ばね下振動検出手段でばね下の上下方向の振動速度を検出し、ばね下制御指令値算出手段で、検出したばね下速度に対して、制御特性調整フィルタを用いてフィルタ処理を行い、推力発生アクチュエータの制御指令値を算出する。算出した制御指令値に基づいて、ばね下制御手段で推力発生アクチュエータを制御する。
このとき、前記制御特性調整フィルタの位相特性及びゲイン特性を、ばね下振動周波数がばね下共振周波数と一致するとき、車輪の接地性を重視した特性とし、ばね下振動周波数がばね下共振周波数と不一致であるとき、車両の乗り心地を重視した特性とする。
本発明によれば、ばね下振動周波数の大きさに応じて、所望の特性で推力発生アクチュエータを制御することができる。具体的には、ばね下振動周波数がばね下共振周波数と一致するときには、車輪の接地性を重視した制御特性とし、ばね下振動周波数がばね下共振周波数と不一致であるときには、車両の乗り心地を重視した制御特性とすることができる。このように、乗り心地の向上と接地性の向上とを両立することができる。
本発明に係るサスペンション制御装置を搭載した車両の概略構成図である。 図1に示すサスペンション機構をモデル化して表現した図である。 制御装置の具体的構成を示すブロック図である。 第1の実施形態のばね下振動検出部及びばね下制御指令値算出部の具体的構成を示すブロック図である。 制御特性調整フィルタG1(s)の特性を示す図である。 制御装置で実行するサスペンション制御処理手順を示すフローチャートである。 第1の実施形態の効果を説明するための図である。 第2の実施形態のばね下振動検出部及びばね下制御指令値算出部の具体的構成を示すブロック図である。 制御特性調整フィルタG2(s)の特性を示す図である。 第2の実施形態の効果を説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(第1の実施の形態)
(構成)
図1は、本発明に係るサスペンション制御装置を搭載した車両の概略構成図である。この図1は、右後輪を車両後方から見た図である。
図中符号1は車体、符号2はタイヤ及びブレーキの回転体からなる車輪(後輪)である。
この車両は、車輪側部材(ナックル)3によって車輪2を回転自在に支持している。また、車体1と車輪側部材3とを、連結部材4及び5によって揺動可能に連結している。この連結部材はダブルウィッシュボーン式のサスペンションアームによって構成しており、連結部材4はサスペンションのロアアーム、連結部材5はサスペンションのアッパアームである。
推力発生装置6は、車体(ばね上)1と連結部材(ばね下)4との間に設置する。この推力発生装置6は、制御装置10からの制御指令値に基づいてばね上とばね下とに推力を発生し、ばね上とばね下との相対運動を制御する。
また、特に図示しないが、車輪側部材3、連結部材4及び5には、ばね下の上下方向の加速度を検出するばね下加速度センサを設置し、車体1には、ばね上の上下方向の加速度を検出するばね上加速度センサを設置する。
図2は、図1に示すサスペンション機構をモデル化して表現した図である。
図中、符号m1はばね下、符号m2はばね上である。路面変位x0に対して、ばね下及びばね上は遥動し、ばね下変位x1及びばね上変位x2が生じる。
路面とばね下m1との間にはタイヤK1、ばね下m1とばね上m2との間には、ばねK2、ダンパC2及び推力発生装置6を設けている。推力発生装置6は、推力Fを発生し、ばね上m2とばね下m1との相対変位を制御する。
なお、図2では、ばねK2及びダンパC2を設けているが、必ずしも設ける必要はなく、推力発生装置6のみで車重を支える構造とすることもできる。
ここで、ばね下m1の動き(速度)に対して、図示の方向に推力発生装置6が推力Fを発生した場合、両値の位相差はゼロであるという。
次に、制御装置10の具体的構成について説明する。
図3は、制御装置10の具体的構成を示すブロック図である。
この図3に示すように、制御装置10は、ばね上振動検出部11、ばね上制御指令値算出部12、ばね下振動検出部13、ばね下制御指令値算出部14および制御指令値出力部15を備える。
ばね上振動検出部11は、ばね上加速度センサで検出したばね上加速度を入力する。そして、ばね上振動検出部11は、ばね上加速度に対して積分処理を行い、ばね上の振動速度x2´を算出する。算出したばね上速度x2´は、ばね上制御指令値算出部12に出力する。
ばね上制御指令値算出部12は、入力したばね上速度x2´からばね上振動周波数を算出する。次に、算出したばね上振動周波数に基づいて、推力発生装置6のばね上分の制御指令値であるばね上制御指令値F2を算出し、これを制御指令値出力部15に出力する。ばね上制御指令値算出部12での演算は、一般的に車両の乗り心地制御で用いるスカイフック制御や最適制御、ロバスト制御などを適用する。
ばね下振動検出部13は、ばね下加速度センサで検出したばね下加速度を入力する。そして、ばね下振動検出部13は、ばね下加速度に対して積分処理を行い、ばね下の振動速度x1´を算出する。算出したばね下速度x1´は、ばね下制御指令値算出部14に出力する。
ばね下制御指令値算出部14は、入力したばね下速度x1´に基づいて、推力発生装置6のばね下分の制御指令値であるばね下制御指令値F1を算出し、これを制御指令値出力部15に出力する。ばね下制御指令値算出部14での具体的な演算については後述する。
制御指令値出力部15は、入力したばね上制御指令値F2とばね下制御指令値F1とを加算し、その結果を最終的な推力発生装置6の制御指令値Fとする。制御指令値Fは推力発生装置6に出力する。
図4は、ばね下振動検出部13及びばね下制御指令値算出部14の具体的構成を示すブロック図である。
ばね下振動検出部13はフィルタ処理部131を備え、ばね下加速度を擬似積分フィルタF1(s)に通して積分処理することで、ばね下速度x1´を算出する。
ばね下制御指令値算出部14は、フィルタ処理部141とゲイン乗算部142とを備える。そして、ばね下振動検出部13から入力したばね下速度x1´を制御特性調整フィルタG1(s)に通してフィルタ処理すると共に、フィードバックゲインCを乗じて、ばね下制御指令値F1を算出する。
F1=G1(s)Cx1´ ………(1)
ここで、フィードバックゲインCは、乗り心地と接地性とのバランス等によって任意に設定可能な設計パラメータである。
図5は、制御特性調整フィルタG1(s)の特性を示す図である。図5において、(a)は制御特性調整フィルタG1(s)のゲイン特性、(b)は制御特性調整フィルタG1(s)の位相特性を示している。
なお、本実施形態では、ばね上共振周波数より低い周波数帯域を低周波域、ばね上共振周波数からばね下共振周波数までの間の周波数帯域を中周波域、ばね下共振周波数より高い周波数帯域を高周波域と定義する。ここで、ばね上共振周波数は1Hz程度、ばね下共振周波数は10Hz程度である。
図5(a)に示すように、ゲイン特性は、ばね下共振周波数でゲインを最も大きくし(例えば、1)、それ以外の周波数帯域では、周波数がばね下共振周波数より低いほど(又は高いほど)ゲインを小さくする(0に近づける)特性である。
また、図5(b)に示すように、位相特性は、ばね下共振周波数で位相を0度とし、ばね下共振周波数より低い周波数帯域(低〜中周波域)では、位相を0度に対して進める特性とする。より具体的には、低〜中周波域では、周波数が低くなるにつれて位相が90度に収束する特性とする。さらに、位相特性は、ばね下共振周波数より高い高周波域では、位相を0度に対して遅らせる特性とする。
(動作)
次に、第1の実施形態の動作について説明する。
図6は、制御装置10で実行する処理手順を示すフローチャートである。この処理は、所定時間毎に繰り返し実行する。
今、車両が走行中であるものとする。このとき、ばね上加速度センサ及びばね下加速度センサで検出したばね上加速度及びばね下加速度を、ばね上振動検出部11及びばね下振動検出部13にそれぞれ入力する。ばね上振動検出部11及びばね下振動検出部13は、ばね上加速度及びばね下加速度をそれぞれ積分処理して、ばね上速度x2´及びばね下速度x1´を算出する(ステップS1)。
また、ばね上制御指令値算出部12は、ばね上速度x2´に基づいて、上述した一般的な手法を用いてばね上制御指令値F2を算出する(ステップS2)。ばね下制御指令値算出部14は、ばね下速度x1´に基づいて、上記(1)式を用いてばね下制御指令値F1を算出する(ステップS3)。
そして、制御指令値出力部15は、ばね上制御指令値F2とばね下制御指令値F1とを加算し、制御指令値Fを算出する。これを各輪に対して実行し、各輪の推力発生装置6の制御指令値Fを算出する(ステップS4)。算出した制御指令値Fは、それぞれ各輪の推力発生装置6に出力する(ステップS5)。
このとき、ばね下振動周波数がばね下共振周波数と一致しているものとすると、ばね下速度x1´に対するばね下制御指令値F1の位相が0度となる。そのため、ばね下振動に対して減衰を付加し、ばね下振動を低減することができる。その結果、路面の凹凸によるタイヤの撓み量を低減することができ、タイヤの接地荷重変動を低減することができる。
図7は、第1の実施形態の効果を説明するための図である。この図7において、(a)は路面変位から車体上下加速度までのゲインを示すゲイン線図、(b)は路面変位からタイヤ変位までのゲインを示すゲイン線図である。また、図中太線は本実施形態の制御手法を用いた場合、細線は本制御を行わない場合、破線は一般的な制御手法(スカイフック)を用いた場合のゲイン線図である。
一般的な制御手法を用いた場合、スカイフックダンパのダンパ定数を変更することで、乗り心地及びタイヤの接地性を調整することができる。このとき、上記ダンパ定数を比較的大きく設定すると、図7(a)の破線に示すように、中周波域でのばね上加速度が小さくなり、制御なしの場合と比較して乗り心地が改善する。ところがこの場合、図7(b)の破線に示すように、ばね下共振周波数ではゲインが大きくなり、タイヤの接地性が悪化する。
また、一般的な制御手法を用いた場合において、上記ダンパ定数を比較的小さく設定すると、ばね下共振周波数ではタイヤの接地性が向上するが、中周波域や高周波域で乗り心地が悪化する。
このように、一般的な制御手法を用いた場合には、乗り心地と接地性とのトレードオフを回避できない。
これに対して、本実施形態の制御手法を用いると、上述した理由により、ばね下共振周波数でのタイヤの接地性が向上する。
また、ばね下振動周波数が低〜中周波域にあるものとすると、ばね下速度x1´に対するばね下制御指令値F1の位相が0度に対して進む。これにより、ばね上とばね下との間の剛性を弱めるのと同等の効果を発揮し、ばね下からばね上への力の伝達を小さくすることができる。その結果、ばね下共振周波数より低い周波数帯域で、乗り心地が改善する。
特に、図7(a)に示すように、一般的な制御手法を用いた場合と比較すると、乗員が体感し易い3Hz〜8Hzでのばね上加速度を小さくすることができ、効果的に乗り心地を改善することができることがわかる。
このように、ばね下共振周波数での接地性の向上と、ばね下共振周波数より低い周波数帯域(特に中周波域)での乗り心地の向上とを実現することができ、両者のトレードオフを回避することができる。
ところで、乗り心地と接地性との両立を図るものとして、H∞制御理論を用いるものがある。この場合、低周波では乗り心地を改善し、高周波では制御量を低減するなど、周波数毎に制御の目的を変えてフィードバックゲインを算出し、状態フィードバックにより制御を行う。
しかしながら、この場合、乗り心地と接地性との両立を可能にするが、状態フィードバックに用いる伝達関数が高次元となるため、実装には高性能で高価なECUが必要となる。またH∞制御は高度な制御理論であるため、制御系の設計、制御パラメータのチューニングに多くの経験及び時間を要する。
これに対して、本実施形態では、制御特性調整フィルタG1(s)を少ない次数のフィルタで構成することで、実装時の負荷を減らし、安価なECUでの実装を可能にする。また、H∞制御のような高度な制御理論を扱うコントローラと比較すると低次であり、ECUでの演算負荷が小さく、高価なECUでなくても実装が可能となる。また、そのため、制御系の設計や制御パラメータのチューニングに関しても比較的簡単に行うことができる。
なお、図1において、推力発生装置6が推力発生アクチュエータを構成している。また、図2において、ばね下振動検出部13がばね下振動検出手段を構成し、ばね下制御指令値算出部14がばね下制御指令値算出手段を構成し、制御指令値出力部15がばね下制御手段を構成している。
(効果)
(1)推力発生アクチュエータは、車両のばね上とばね下との間に設け、ばね上とばね下とに対して推力を与える。ばね下振動検出手段は、ばね下の上下方向の振動速度を検出する。ばね下制御指令値算出手段は、ばね下振動検出手段で検出したばね下速度に対して、制御特性調整フィルタを用いてフィルタ処理を行い、推力発生アクチュエータの制御指令値を算出する。ばね下制御手段は、ばね下制御指令値算出手段で算出した制御指令値に基づいて、推力発生アクチュエータを制御する。
このとき、制御特性調整フィルタの位相特性及びゲイン特性を、ばね下振動周波数がばね下共振周波数と一致するとき、車輪の接地性を重視した特性とし、ばね下振動周波数がばね下共振周波数と不一致であるとき、車両の乗り心地を重視した特性とする。
このように、ばね下振動周波数の大きさに応じて、所望の特性で推力発生アクチュエータを制御することができる。具体的には、ばね下振動周波数がばね下共振周波数と一致するときには、車輪の接地性を重視した制御特性とし、ばね下振動周波数がばね下共振周波数と不一致であるときには、車両の乗り心地を重視した制御特性とすることができる。
したがって、従来装置のように、ある限定した周波数帯域では接地性が向上し、それ以外の周波数帯域では乗り心地が悪化するといった現象は生じない。すなわち、乗り心地の向上と接地性の向上とを両立することができる。
また、H∞制御のような高度な制御理論を用いないため、比較的容易に実装が可能である。
(2)制御特性調整フィルタの位相特性は、ばね下共振周波数において、ばね下振動周波数に対する制御指令値の位相を0度とする特性である。
これにより、ばね下振動に対して減衰を付加することができるので、ばね下振動を低減し、路面の凹凸によるタイヤの撓み量を低減することができる。その結果、タイヤの接地荷重変動を低減し、接地性を向上することができる。さらに、ばね下振動の低減によりばね上振動も低減することができる。そのため、乗り心地も向上することができる。
このように、ばね下振動周波数がばね下共振周波数と一致するときには、車輪の接地性を重視した制御特性とすることができる。
(3)制御特性調整フィルタの位相特性は、ばね下共振周波数より低い周波数帯域において、ばね下振動周波数に対する制御指令値の位相を0度に対して進める特性である。また、制御特性調整フィルタのゲイン特性は、ばね下共振周波数より低い周波数帯域において、ばね下振動周波数に対する制御指令値の比率を、ばね下共振周波数における前記比率より小さくする特性である。
これにより、ばね上とばね下との間の剛性を弱めるのと同等の効果を発揮することができる。したがって、ばね下からばね上への力の伝達を小さくし、ばね下共振周波数より低い低〜中周波域における乗り心地を改善することができる。
このように、ばね下振動周波数がばね下共振周波数と不一致であるときには、車両の乗り心地を重視した制御特性とすることができる。
(4)制御特性調整フィルタの位相特性は、ばね下共振周波数より低い周波数帯域において、ばね下振動周波数に対する制御指令値の位相が、ばね下振動周波数が低くなるにつれて0度から90度に収束する特性である。
これにより、推力が負ばねとして作用し、ばね下からばね上への力の伝達を効果的に小さくすることができる。したがって、ばね下共振周波数より低い低〜中周波域における乗り心地を効果的に改善することができる。
(5)制御特性調整フィルタの位相特性は、ばね下共振周波数より高い周波数帯域において、ばね下振動周波数に対する制御指令値の位相を0度に対して遅らせる特性である。また、制御特性調整フィルタのゲイン特性は、ばね下共振周波数より高い周波数帯域において、ばね下振動周波数に対する制御指令値の比率を、ばね下共振周波数における比率より小さくする特性である。
これにより、推力が路面からの入力を打ち消す方向に作用することになる。したがって、ばね下共振周波数より高い高周波域における乗り心地を改善することができる。
このように、ばね下振動周波数がばね下共振周波数と不一致であるときには、車両の乗り心地を重視した制御特性とすることができる。
(6)ばね下の上下方向の振動速度を検出し、位相特性及びゲイン特性が、ばね下振動周波数がばね下共振周波数と一致するとき、車輪の接地性を重視した推力発生アクチュエータの制御指令値を算出し、ばね下振動周波数がばね下共振周波数と不一致であるとき、車両の乗り心地を重視した前記制御指令値を算出する特性である制御特性調整フィルタを用いて、検出したばね下速度に対してフィルタ処理を行うことで前記制御指令値を算出し、算出した制御指令値に基づいて前記推力発生アクチュエータを制御する。
これにより、ばね下振動周波数の大きさに応じて所望の制御特性を実現し、乗り心地と接地性との両立を図ることができる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
この第2の実施形態は、前述した第1の実施形態に対して、さらに高周波域での乗り心地を改善するようにしたものである。
(構成)
第2の実施形態の制御装置10は、図2に示す第1の実施形態の制御装置10において、ばね下振動検出部13及びばね下制御指令値算出部14の構成が異なる。
図8は、第2の実施形態のばね下振動検出部及びばね下制御指令値算出部の具体的構成を示すブロック図である。
ばね下振動検出部13は、状態推定器132を用いてばね下速度x1´を算出する。状態推定器132は、ばね上加速度センサで検出したばね上加速度や推力の指令値(最終的な制御指令値)などの信号と予め同定した車両パラメータをもとに設計したカルマンフィルタ等のオブザーバによって、車両の動きを推定し、ばね下速度x1´を出力する。
なお、状態推定器132の手法は、対象とする車両の特性などを踏まえ、適宜選択可能である。
ばね下制御指令値算出部14は、フィルタ処理部143とゲイン乗算部144とを備える。そして、ばね下振動検出部13から入力したばね下速度x1´を制御特性調整フィルタG2(s)に通してフィルタ処理すると共に、フィードバックゲインCを乗じて、ばね下制御指令値F1を算出する。
F1=G2(s)Cx1´ ………(2)
ここで、フィードバックゲインCは、乗り心地と接地性とのバランス等によって任意に設定可能な設計パラメータである。
図9は、制御特性調整フィルタG2(s)の特性を示す図である。図9において、(a)は制御特性調整フィルタG2(s)のゲイン特性、(b)は制御特性調整フィルタG2(s)の位相特性を示している。
図9(a)に示すように、ゲイン特性は、前述した第1の実施形態と同様の特性である。すなわち、ばね下共振周波数でゲインを最も大きくし(例えば、1)、それ以外の周波数帯域では、周波数がばね下共振周波数より低いほど(又は高いほど)ゲインを小さくする(0に近づける)特性とする。
また、図9(b)に示すように、位相特性は、前述した第1の実施形態と同様に、ばね下共振周波数で位相を0度とし、ばね下共振周波数より低い周波数帯域(低〜中周波域)では、位相を0度に対して進める特性とする。また、低〜中周波域では、周波数が低くなるにつれて位相が90度に収束する特性とする。
さらに、位相特性は、ばね下共振周波数より高い高周波域では、位相を0度に対して遅らせる特性とする。このとき、高周波域では、周波数が高くなるにつれて位相が−180度に収束する特性とする。
(動作)
次に、第2の実施形態の動作について説明する。
今、車両が走行中であるものとする。このとき、ばね上加速度センサで検出したばね上加速度を、ばね上振動検出部11及びばね下振動検出部13にそれぞれ入力する。また、制御指令値をばね下振動検出部13に入力する。ばね上振動検出部11及びばね下振動検出部13は、入力した各種信号をもとに、ばね上速度x2´及びばね下速度x1´をそれぞれ算出する(図6のステップS1)。
また、ばね上制御指令値算出部12は、ばね上速度x2´に基づいて、上述した一般的な手法を用いてばね上制御指令値F2を算出する(ステップS2)。ばね下制御指令値算出部14は、ばね下速度x1´に基づいて、上記(2)式を用いてばね下制御指令値F1を算出する(ステップS3)。
そして、制御指令値出力部15は、ばね上制御指令値F2とばね下制御指令値F1とを加算し、推力発生装置6の制御指令値Fを算出する(ステップS4)。算出した各輪の制御指令値Fは、各輪の推力発生装置6に出力する(ステップS5)。
このとき、ばね下振動周波数が高周波域にあるものとすると、ばね下速度x1´に対するばね下制御指令値F1の位相が180度遅れる。これにより、ばね下速度成分による減衰力がばね上振動を大きくする高周波域において、推力発生装置6からの推力が路面からの入力を打ち消す方向に作用する。特に、ばね下振動に対する推力の位相遅れを180度に収束することで、高周波域において推力が負の減衰力として作用し、ばね下からばね上への減衰力の伝達を小さくすることができる。その結果、ばね下共振周波数より高い周波数帯域で、乗り心地が改善する。
図10は、第2の実施形態の効果を説明するための図である。この図10において、(a)は路面変位から車体上下加速度までのゲインを示すゲイン線図、(b)は路面変位からタイヤ変位までのゲインを示すゲイン線図である。また、図中太線は本実施形態の制御手法を用いた場合、細線は本制御を行わない場合、破線は一般的な制御手法(スカイフック)を用いた場合のゲイン線図である。
図10(a)の太線に示すように、高周波域でのばね上加速度が小さくなり、破線で示す一般的な手法を用いた場合と比較して乗り心地が改善していることがわかる。
(効果)
(7)制御特性調整フィルタの位相特性は、ばね下共振周波数より高い周波数帯域において、ばね下振動周波数に対する制御指令値の位相が、ばね下振動周波数が高くなるにつれて0度から−180度に収束する特性である。
これにより、推力が負の減衰力と同等として作用し、ばね下からばね上への減衰力の伝達を小さくすることができる。したがって、ばね下共振周波数より高い高周波域における乗り心地を効果的に改善することができる。
(変形例)
(1)上記各実施形態においては、ダブルウィッシュボーン形式のサスペンションを適用する場合について説明したが、マルチリンク形式やストラット形式のサスペンションを適用することもできる。
1 車体
2 車輪
3 車輪側部材(ナックル)
4 連結部材(ロアアーム)
5 連結部材(アッパアーム)
6 推力発生装置
10 制御装置
11 ばね上振動検出部
12 ばね上制御指令値算出部
13 ばね下振動検出部
14 ばね下制御指令値算出部
15 制御指令値出力部

Claims (7)

  1. 車両のばね上とばね下との間に設け、前記ばね上と前記ばね下とに対して推力を与える推力発生アクチュエータと、
    前記ばね下の上下方向の振動速度を検出するばね下振動検出手段と、
    前記ばね下振動検出手段で検出したばね下速度に対して、制御特性調整フィルタを用いてフィルタ処理を行い、前記推力発生アクチュエータの制御指令値を算出するばね下制御指令値算出手段と、
    前記ばね下制御指令値算出手段で算出した制御指令値に基づいて、前記推力発生アクチュエータを制御するばね下制御手段と、を備え、
    前記制御特性調整フィルタの位相特性及びゲイン特性を、ばね下振動周波数がばね下共振周波数と一致するとき、車輪の接地性を重視した特性とし、ばね下振動周波数がばね下共振周波数と不一致であるとき、車両の乗り心地を重視した特性とすることを特徴とするサスペンション制御装置。
  2. 前記制御特性調整フィルタの位相特性は、ばね下共振周波数において、前記ばね下振動周波数に対する前記制御指令値の位相を0度とする特性であることを特徴とする請求項1に記載のサスペンション制御装置。
  3. 前記制御特性調整フィルタの位相特性は、ばね下共振周波数より低い周波数帯域において、前記ばね下振動周波数に対する前記制御指令値の位相を0度に対して進める特性であり、
    前記制御特性調整フィルタのゲイン特性は、ばね下共振周波数より低い周波数帯域において、前記ばね下振動周波数に対する前記制御指令値の比率を、ばね下共振周波数における前記比率より小さくする特性であることを特徴とする請求項1又は2に記載のサスペンション制御装置。
  4. 前記制御特性調整フィルタの位相特性は、前記ばね下共振周波数より低い周波数帯域において、前記ばね下振動周波数に対する前記制御指令値の位相が、前記ばね下振動周波数が低くなるにつれて0度から90度に収束する特性であることを特徴とする請求項3に記載のサスペンション制御装置。
  5. 前記制御特性調整フィルタの位相特性は、ばね下共振周波数より高い周波数帯域において、前記ばね下振動周波数に対する前記制御指令値の位相を0度に対して遅らせる特性であり、
    前記制御特性調整フィルタのゲイン特性は、ばね下共振周波数より高い周波数帯域において、前記ばね下振動周波数に対する前記制御指令値の比率を、前記ばね下共振周波数における前記比率より小さくする特性であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のサスペンション制御装置。
  6. 前記制御特性調整フィルタの位相特性は、前記ばね下共振周波数より高い周波数帯域において、前記ばね下振動周波数に対する前記制御指令値の位相が、ばね下振動周波数が高くなるにつれて0度から−180度に収束する特性であることを特徴とする請求項5に記載のサスペンション制御装置。
  7. ばね下の上下方向の振動速度を検出し、検出したばね下速度に対して制御特性調整フィルタを用いてフィルタ処理を行って、ばね上とばね下とに対して推力を与える推力発生アクチュエータの制御指令値を算出し、算出した制御指令値に基づいて前記推力発生アクチュエータを制御し、前記制御特性調整フィルタの位相特性及びゲイン特性を、ばね下振動周波数がばね下共振周波数と一致するとき、車輪の接地性を重視した特性とし、ばね下振動周波数がばね下共振周波数と不一致であるとき、車両の乗り心地を重視した特性とすることを特徴とするサスペンション制御方法。
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