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JP2010243811A - 赤色着色組成物及びカラーフィルタ - Google Patents

赤色着色組成物及びカラーフィルタ Download PDF

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JP2010243811A JP2009092797A JP2009092797A JP2010243811A JP 2010243811 A JP2010243811 A JP 2010243811A JP 2009092797 A JP2009092797 A JP 2009092797A JP 2009092797 A JP2009092797 A JP 2009092797A JP 2010243811 A JP2010243811 A JP 2010243811A
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Abstract

【課題】高コントラスト、高透過率で良好な視認特性を有するカラーフィルタ、該カラーフィルタに好適な染料と顔料を含有する赤色着色組成物を提供する。
【解決手段】A)色材、B)バインダー樹脂、C)ラジカル重合性モノマー、D)光ラジカル発生剤、E)多官能チオールを含有する赤色着色組成物であって、A)色材として、1種の顔料と1種の染料を含有し、E)多官能チオールが全固形分中の1質量%から10質量%であること。A)色材が全固形分中の10質量%から60質量%であり、且つA)色材全質量のうち染料が30質量%以内であること。染料として、アゾ骨格をもつ染料又はアゾ骨格を持つ染料の金属錯体を含有すること。
【選択図】図1

Description

本発明は、染料と顔料を含有する赤色着色組成物に関するものであり、特に、高コントラスト、高透過率を有するカラーフィルタの製造に好適な赤色着色組成物、及びそれを用いたカラーフィルタに関する。
液晶表示装置は、近年その薄型であることゆえの省スペース性や軽量性、また省電力性などが評価され、最近ではテレビ用途への普及が急速に進んでいる。テレビ用途向けでは、輝度やコントラストなどの性能をより高めることが要求されており、液晶表示装置を構成する部材であるカラーフィルタにおいても、さらなる高明度化、高コントラスト化などが望まれている。
従来、カラーフィルタを構成する赤色フィルタセグメントには、アントラキノン系赤色顔料であるC.I.PigmentRed 177が用いられてきた。この顔料は、機械的な処理によって容易に微細化することができ、さらに微細化された顔料は比較的容易に分散することができるため、コントラストを高めるためには有用である(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、分光特性上、明度向上には限界がある。
C.I.PigmentRed 254が多く用いられている。この顔料は、C.I.PigmentRed 177よりも600nm付近の透過スペクトルが短波長側に寄っているため、バックライトの赤色輝線の吸収がより少なくなるため、明度向上が可能となる。しかしながら、機械的な処理による微細化は容易であるが、凝集力が強いため、微細化度合いが進むとともに難分散となり、コントラストを向上させるのは容易ではない(例えば、特許文献1参照)。
最近では、ジケトピロロピロール系赤色顔料、アントラキノン系赤色顔料、及びアゾ系黄色顔料を含有し、且つ各顔料の平均一次粒子径を小さくすることで、高透過率且つ高コントラストの赤色着色組成物を提供することが試みられている(例えば、特許文献1参照)。しかし、ジケトピロロピロール系顔料は上述の通り微細化度合いが進むと難分散となり、更には赤色着色組成物を硬化して赤色着色層を形成する工程におけるポストベーク工程において、ジケトピロロピロール系顔料が析出する。析出した結晶は、液晶表示装置中で光を散乱させ消偏することでコントラスト低下を招き、更には液晶汚染などの信頼性の低下の原因にもなる。したがって、微細化によるコントラストの向上には限界があり、高透過率、高コントラスト且つ高信頼性の赤色着色層を得ることは困難であった(例えば、特許文献2参照)。
また、他方では消偏作用のある顔料の代わりに染料を使用することで、高コントラスト高透過率を達成することも試みられている。染料は顔料と異なり種類が豊富であり、最適な分光特性の染料を用いれば高い透過率を達成できるとともに消偏性は実質ゼロであり高いコントラストを得ることができるため、染料を用いたレジストをカラーフィルタの製造に使用することで良好な視認特性の液晶表示装置を作製することができる。
しかしながら、染料は耐熱性や耐光性が悪く、製造プロセスにて高い温度でのベーク処理を施すと極端な退色が起こるなどの問題がある。また、ラジカル重合を用いたネガ型レジストとして使用する場合、染料はラジカルを失活させるいわゆる「ラジカルイーター」として作用するために十分な感度を得ることが難しい。この問題を解決するために染料レジストに多官能チオールを添加し、エン−チオール反応を使用することで高感度のレジストを得ようとする試みがなされているが、ステッパー用途を前提としており感度が低く、
液晶表示装置用カラーフィルタに用いるには不十分なものであった(例えば、特許文献3、4参照)。
特開2008−209804号公報 特開2007−133131号公報 特開2006−71890号公報 特開2006−78602号公報
本発明は、高コントラスト、高透過率で良好な視認特性を有するカラーフィルタ、および該カラーフィルタを高い生産性で提供できる染料と顔料を含有する赤色着色組成物を提供することを課題とする。
本発明は、A)色材、B)バインダー樹脂、C)ラジカル重合性モノマー、D)光ラジカル発生剤、E)多官能チオールを含有する赤色着色組成物であって、前記A)色材として、少なくとも1種の顔料と1種の染料を含有し、E)多官能チオールが全固形分中の1質量%から10質量%であることを特徴とする赤色着色組成物である。
また、本発明は、上記発明による赤色着色組成物において、前記A)色材が全固形分中の10質量%から60質量%であり、且つA)色材全質量のうち染料が30質量%以内であることを特徴とする赤色着色組成物である。
また、本発明は、上記発明による赤色着色組成物において、前記染料として、アゾ骨格をもつ染料又はアゾ骨格を持つ染料の金属錯体を含有することを特徴とする赤色着色組成物である。
また、本発明は、上記発明による赤色着色組成物において、前記染料がC.I.Solvent Red 124、又はC.I.Solvent 89であることを特徴とする赤色着色組成物である。
また、本発明は、上記発明による赤色着色組成物において、前記顔料として、ジケトピロロピロール系赤色顔料、アントラキノン系赤色顔料、アゾ系黄色顔料、イソインドリン系黄色顔料の中から選ばれる少なくとも1種の顔料を含有することを特徴とする赤色着色組成物である。
また、本発明は、上記発明による赤色着色組成物において、前記ジケトピロロピロール顔料がC.I.Pigment Red 254、アントラキノン系赤色顔料がC.I.Pigment 177、アゾ系黄色顔料がC.I.Pigment Yellow 150、イソインドリン系黄色顔料がC.I.Pigment Yellow 139であることを特徴とする赤色着色組成物である。
また、本発明は、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の赤色着色組成物を用いて
製造したことを特徴とするカラーフィルタである。
本発明は、色材として、染料と顔料を併用することで、顔料単独では達成し得ない高コントラストと高明度が得られる。さらに多官能チオールを含むことで染料による感度低下を補い、高感度の赤色着色組成物になる。
また、A)含有量としては、10%から60%が適当である。15%以下では実用的な色の濃さを得るためには塗膜の膜厚が厚くなりすぎるため巻く形成が困難になり、生産性も悪化する。一方、60%以上ではレジストとして必要なその他の成分が不足し感度が得られず膜形状が悪化する。
また、染料としてはアゾ骨格を持つ染料またはそのコバルト錯体が良好であり、その中でもC.I.Solvent Red124、C.I.Solvent89が良好である。顔料としては赤色顔料および黄色顔料が好適に用いられるが、特にC.I.Pigment Red 254、およびC.I.Pigment 177、C.I.Pigment Yellow 150、C.I.Pigment Yellow 139が良好である。
液晶表示装置用カラーフィルタの構成例である。 本発明のカラーフィルタを備えた液晶表示装置の断面図である。
以下に、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本発明による赤色着色組成物は、色材、バインダー樹脂、ラジカル重合性モノマー、光ラジカル発生剤、多官能チオールを含有する赤色着色組成物であり、色材として、少なくとも1種の顔料と1種の染料を含有する。そのほかに必要に応じて必要に応じて分散助剤、光重合開始剤、増感剤、及びレベリング剤などを含有する。
前述の多官能チオールは染料の重合阻害による感度の低下を連鎖移動反応で補うものであり、チオール基を2個以上有する化合物であればよく、例えば、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4-ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4-ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4-ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6-トリメルカプト-s-トリアジン、2-(N,N-ジブチルアミノ)-4,6-ジメルカプト-s-トリアジンなどが挙げられる。これらの多官能チオールは、1種または2種以上混合して用いることができる。含有量は全固形分中の1質量%から10質量%である。1質量%未満では十分に感度を補うことができず、10質量%以上ではモノマー、バインダー樹脂といった透明固形成分の量が減ってしまうため透過率の低下を引き起こす。
色材の含有量としては、全固形分中の10質量%から60質量%が好ましく、より好ましくは20質量%から50質量%である。10質量%以下では実用的な色の濃さを得るためには塗膜の膜厚が厚くなりすぎるため膜形成が困難になり、生産性も悪化する。一方、60質量%以上ではレジストとして必要なモノマー、バインダー樹脂、重合開始剤といっ
たその他の成分が不足し感度が得られず膜形状の悪化、感度の低下を招く。色材のうち染料の含有量は全色材量の50質量%以内が好ましい。より好ましくは30質量%以下である。50質量%以上では染料の重合阻害によって感度の低下が著しく使用が困難になる。
本発明における有機溶剤可溶性染料は、特に制限なく使用することができ、例えば、従来カラーフィルタ用として公知の染料などが挙げられる。上記公知の染料としては、例えば、特開昭64−90403号公報、特開昭64−91102号公報、特開平1−94301号公報、特開平6−11614号公報、特許2592207号、米国特許第4,808,501号明細書、米国特許第5,667,920号明細書、米国特許第5,059,500号明細書、特開平5−333207号公報、特開平6−35183号公報、特開平6−51115号公報、特開平6−194828号公報等に記載の色素が挙げられる。
本発明における有機溶剤可溶性染料として用いることのできる染料の化学構造としては、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、ベンジリデン系、オキソノール系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサンテン系、フタロシアニン系、ベンゾピラン系、インジゴ系、等が挙げられる。本発明における有機溶剤可溶性染料として特に好ましくは、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、アントラキノン系、アンスラピリドン系の染料である。中でもアゾ骨格をもつ染料と、アゾ骨格をもつ染料の金属錯体が着色力、溶解性の点で良好であり、特にC.I.SolventRed 124、C.I.Solvent 89は赤色着色組成物用として良好な染料である。
また、水またはアルカリ現像を行うレジスト系の場合には現像によりバインダーおよび/または染料を完全に除去するという観点から、本発明における有機溶剤可溶性染料として酸性染料および/またはその誘導体が好適に使用できることがある。そのほか、本発明における有機溶剤可溶性染料としては、直接染料、塩基性染料、媒染染料、酸性媒染染料、アゾイック染料、分散染料、油溶染料、食品染料、および/またはこれらの誘導体等も好適に使用することができる。
(酸性染料)
上記酸性染料について説明する。酸性染料は、スルホン酸やカルボン酸やフェノール性水酸基等の酸性基を有する色素であれば特に限定されないが、有機溶剤や現像液に対する溶解性、塩基性化合物との塩形成性、吸光度、硬化性組成物中の他の成分との相互作用、耐光性、耐熱性等の必要とされる性能の全てを考慮して選択される。
以下、上記酸性染料の具体例を挙げる。但し、本発明においてはこれらに限定されるものではない。例えば、
Acid Orange 6,7,8,10,12,26,50,51,52,56,62、63,64、74,75、94、95,107,108,169,173;
Acid Red 1,4,8,14,17,18,26,27,29,31,34,35,37,42,44,50,51,52,57,66,73,80,87,88,91,92,94,97,103,111,114,129,133,134,138,143,145,150,151,158,176,182,183,198,206,211,215,216,217,227,228,249,252,257,258,260,261,266,268,270,274,277,280,281,195,308,312,315,316,339,341,345,346,349,382,383,394,401,412,417,418,422,426;
Acid Yellow 1,3,7,9,11,17,23,25,29,34,36,38,40、42,54,65,72,73,76,79,98,99,111,112,113,114,116,119,123,128,134,135,138,139,140,144,150、155,157,160,161,163,168,169,172,177,178,179,184,190,193,196,197,199,202,203,204,205,207,212,214,220,221,228,230,232,235,238,240,242,243,251;
Direct Yellow 2,33,34,35,38,39,43,47,50,54,58,68,69,70,71,86,93,94,95,98,102,108,109,129,136,138,141;
Direct Or ange 34,39,41,46,50,52,56,57,61,64,65,68,70,96,97,106,107;
Direct Red 79,82,83,84,91,92,96,97,98,99,105,106,107,172,173,176,177,179,181,182,184,204,207,211,213,218,220,221,222,232,233,234,241,243,246,250;
Mordant Or ange 3,4,5,8,12,13,14,20,21,23,24,28,29,32,34,35,36,37,42,43,47,48;
Mordant Red 1,2,3,4,9,11,12,14,17,18,19,22,23,24,25,26,30,32,33,36,37,38,39,41,43,45,46,48,53,56,63,71,74,85,86,88,90,94,95;
Food Yellow 3;およびこれらの染料の誘導体が挙げられる。
上記の酸性染料の中でも、
Acid Orange 8,51,56,74,63,74;
Acid Red 1,4,8,34,37,42,52,57,80,97,114,143,145,151,183,217,249;
Acid Yellow 17,25,29,34,42,72,76,99,111,112,114,116,134,155,169,172,184,220,228,230,232,243;などの染料およびこれらの染料の誘導体が好ましい。
また、上記以外の、アゾ系、キサンテン系、フタロシアニン系の酸性染料も好ましく、C.I.Solvent Orange45;Rhodamine B; Rhodamine 110;2,7−Naphthalenedisulfonic acid;3−[(5−chloro−2−phenoxyphenyl)hydrazono]−3,4−dihydro−4−oxo−5−[(phenylsulfonyl)amino]−,等の酸性染料およびこれらの染料の誘導体も好適に使用することができる。
上記酸性染料の誘導体としては、スルホン酸やカルボン酸等の酸性基を有する酸性染料の無機塩、酸性染料と含窒素化合物との塩、酸性染料のスルホンアミド体等が使用でき、硬化性組成物溶液として溶解させることができるものであれば特に限定されないが、有機溶剤や現像液に対する溶解性、吸光度、硬化性組成物中の他の成分との相互作用、耐光性、耐熱性等の必要とする性能の全てを考慮して選択される。
上記酸性染料と含窒素化合物との塩について説明する。酸性染料と含窒素化合物との塩を形成する方法は、酸性染料の溶解性改良(有機溶剤への溶解性付与)や、耐熱性および耐光性改良に効果的な場合がある。
酸性染料と塩を形成する含窒素化合物、および酸性染料とアミド結合を形成する含窒素化合物について説明する。含窒素化合物は、塩またはアミド化合物の有機溶剤や現像液に対する溶解性、塩形成性、染料の吸光度・色価、硬化性組成物中の他の成分との相互作用、着色剤としての耐熱性および耐光性等の全てを勘案して選択される。吸光度・色価の観点のみで選択する場合には、上記含窒素化合物としてはできるだけ分子量の低いものが好ましく、中でも分子量300以下のものが好ましく、分子量280以下のものがより好ましく、分子量250以下のものが特に好ましい。
酸性染料と含窒素化合物との塩における、含窒素化合物/酸性染料のモル比(以下、「n」という。)について説明する。上記nは、酸性染料分子と対イオンであるアミン化合物とのモル比率を決定する値であり、酸性染料−アミン化合物の塩形成条件によって自由に選択することができる。具体的には、酸性染料中の酸の官能基数の0<n≦5の間の数値が実用上多く用いられ、有機溶剤や現像液に対する溶解性、塩形成性、吸光度、硬化性組成物中の他の成分との相互作用、耐光性、耐熱性等、必要とする性能の全てを考慮して選択される。吸光度のみの観点で選択する場合には、上記nは0<n≦4.5の間の数値をとることが好ましく、0<n≦4の間の数値をとることがさらに好ましく、0<n≦3.5の間の数値をとることが特に好ましい。
上記に示した酸性染料はその構造上酸性基を導入したことにより、酸性染料としてなりたっていることから、その置換基を変更することにより、非酸性染料とすることができる。
酸性染料は、アルカリ現像の際に好適に作用する場合もあるが、一方で過現像となってしまうこともあり、非酸性染料を好適に使用する場合もある。該非酸性染料としては、上記において例示した酸性染料の酸性基を有さない染料などが好適に使用される。
本実施形態に係るカラーフィルタ用の赤色着色組成物を構成する顔料として、必要に応じてアントラキノン系赤色顔料、アゾ系黄色顔料などを含有することが出来る。アントラキノン系赤色顔料としては、例えば、C.I.PigmentRed177が挙げられ、その優れた耐光性・耐熱性や透明性、着色力のため、好適に用いられる。アゾ系黄色顔料としては、例えば、C.I.PigmentYellow1、3、10、12、13、14、17、55、81、83、93、94、95、97、150、154、166、167、180などが挙げられる。中でも、C.I.PigmentYellow150は、優れた耐光性・耐熱性や透明性、着色力のため、特に好適に用いられる。
なお、アゾ系黄色顔料は調色に使用しているが、一般にカラーフィルタ用途では、C.I.PigmentYellow139などのイソインドリン系顔料、C.I.PigmentYellow138などのキノフタロン系顔料などが使用される場合が多い。しかしながら、これらの顔料のみを用いた場合には、顔料の粒子形状あるいは分子構造に起因した消偏性が発現するため、高コントラスト化には不利となる。
これら2種の顔料の含有量は、顔料の合計重量を基準(100重量%)として、アントラキノン系赤色顔料60重量%以下、アゾ系黄色顔料30重量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは、アントラキノン系赤色顔料50重量%以下、アゾ系黄色顔料25重量%以下であるのがよい。アントラキノン系赤色顔料が60重量%を超える場合には、充分な明度を得ることが困難となる。また、アゾ系黄色顔料の含有量が30重量%を超える場合には、色相が黄味にシフトし過ぎるため、色再現性は悪化する傾向となる。
ジケトピロロピロール系赤色顔料としては、例えば、C.I.PigmentOrange71、C.I.PigmentRed254、255、264などが挙げられる。中でも、C.I.PigmentRed254は、優れた耐光性や透明性、着色力のため、特に好適に用いられる。
顔料の一次粒子径を小さくする手段としては、顔料を機械的に粉砕する方法(磨砕法と呼ぶ)、良溶媒に溶解したものを貧溶媒に投入して所望の一次粒子径の顔料を析出させる方法(析出法と呼ぶ)、および合成時に所望の一次粒子径を有する顔料を製造する方法(合成析出法と呼ぶ)などがある。使用する顔料の合成法や化学的性質などにより、個々の顔料について適当な方法を選択して行うことができる。以下にそれぞれの方法について説明する。
磨砕法は、顔料をボールミル、サンドミルまたはニーダーなどを用いて、食塩等の水溶性の無機塩などの磨砕剤およびそれを溶解しない水溶性有機溶剤とともに機械的に混練(以下、この工程をソルトミリングと呼ぶ)した後、無機塩と有機溶剤を水洗除去し、乾燥することにより所望の比表面積の顔料を得る方法である。ただし、ソルトミリング処理により、顔料が結晶成長する場合があるため、処理時に前記水溶性有機溶剤に少なくとも一部溶解する固形の樹脂や後述の分散助剤を加えて、結晶成長を防ぐ方法が有効である。
顔料と無機塩の比率は、無機塩の比率が多くなると顔料の微細化効率は良くなるが、顔料の処理量が少なくなるために生産性が低下する。一般的には、顔料1重量部に対して無機塩を1〜30重量部、好ましくは2〜20重量部用いるのが良い。また、水溶性有機溶剤は、顔料と無機塩とが均一な固まりとなるように加えるもので、顔料と無機塩との配合比にもよるが、通常、顔料の50〜300重量%の量が用いられる。
磨砕法についてさらに詳細に説明すると、顔料と水溶性の無機塩の混合物に湿潤剤として少量の水溶性有機溶剤を加え、ニーダー等で強く練り込んだ後、この混合物を水中に投入し、ハイスピードミキサーなどで撹拌してスラリー状とする。次に、このスラリーをろ過、水洗して乾燥することにより、所望の一次粒子径の顔料を得ることができる。
析出法は、顔料を適当な良溶媒に溶解させたのち、貧溶媒と混ぜ合わせて、所望の一次粒子径の顔料を析出させる方法で、溶媒の種類や量、析出温度、析出速度などにより一次粒子径の大きさが制御できる。一般的に、顔料は溶媒に溶けにくいため、使用できる溶媒は限られるが、例えば、濃硫酸、ポリリン酸、クロロスルホン酸などの強酸性溶媒または液体アンモニア、ナトリウムメチラートのジメチルホルムアミド溶液などの塩基性溶媒などが知られている。
析出法の代表例としては、酸性溶剤に顔料を溶解させた溶液を他の溶媒中に注入し、再析出させて微細粒子を得るアシッドペースティング法がある。工業的にはコストの観点から硫酸溶液を水に注入する方法が一般的である。硫酸濃度は特に限定されないが、95〜100重量%が好ましい。顔料に対する硫酸の使用量は特に限定されないが、少ないと溶液粘度が高くハンドリングが悪くなり、逆に多すぎると顔料の処理効率が低下するため、顔料1重量部に対して3〜10重量部の硫酸を用いることが好ましい。なお、顔料は完全溶解している必要はない。溶解時の温度は0〜50℃が好ましく、0℃未満では硫酸が凍結する恐れがあり、かつ溶解度も低くなる。高温すぎると副反応が起こりやすくなる。注入される水の温度は1〜60℃が好ましく、この温度以上で注入を始めると硫酸の溶解熱で沸騰して作業が危険である。これ以下の温度では凍結してしまう。注入にかける時間は顔料1重量部に対して0.1〜30分が好ましい。
顔料の一次粒子径の制御は、アシッドペースティング法などの析出法とソルトミリング法などの磨砕法を組み合わせた手法を選択することにより、顔料の整粒度合いを考慮しつつ行うことができ、さらには、このとき分散体としての流動性も確保できることからより好ましい。ソルトミリング時あるいはアシッドペースティング時には、一次粒子径制御に伴う顔料の凝集を防ぐために、後述の色素誘導体や樹脂型分散剤、界面活性剤などの分散助剤を併用することもできる。また、一次粒子径制御を2種類以上の顔料を共存させた形で行うことにより、単独では分散が困難な顔料であっても安定な分散体として仕上げることもできる。
合成析出法は、顔料を合成すると同時に所望の一次粒子径の顔料を析出させる方法である。しかし、生成した微細化顔料を溶媒中から取り出す場合、顔料粒子が凝集して大きな二次粒子になっていないと一般的な分離法であるろ過が困難になるため、通常、二次凝集
が起きやすい水系で合成されるアゾ系等の顔料に適用されている。
さらに、顔料の一次粒子径を制御する手段として、顔料を高速のサンドミル等で長時間分散すること(顔料を乾式粉砕する、いわゆるドライミリング法)により、顔料の一次粒子径を小さくすると同時に分散することも可能である。
本実施形態に係るカラーフィルタ用の赤色着色組成物に含まれるバインダー樹脂およびラジカル重合性モノマーは、顔料および染料を分散または溶解させるものであり、バインダー樹脂、その前駆体であるモノマーまたはそれらの混合物により構成される。バインダー樹脂は、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において透過率が80%以上、好ましくは95%以上の樹脂であることが好ましい。バインダー樹脂には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、および活性エネルギー線硬化性樹脂が含まれ、その前駆体には、活性エネルギー線照射により硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれ、これらを単独または2種以上混合して用いることができる。
バインダー樹脂およびラジカル重合性モノマーは、赤色着色組成物中の色材の合計100重量部に対して、30〜700重量部、好ましくは60〜450重量部の量で用いることができる。また、バインダー樹脂とその前駆体との混合物を用いる場合には、バインダー樹脂は、赤色着色組成物中の色材の合計100重量部に対して、20〜400重量部、好ましくは50〜250重量部の量で用いることができる。また、バインダー樹脂の前駆体は、赤色着色組成物中の色材の合計100重量部に対して、10〜300重量部、好ましくは10〜200重量部の量で用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ブチラール樹脂、スチレン-マレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリイミド樹脂などが挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基などの反応性の置換基を有する線状高分子にイソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等の反応性置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等の光架橋性基を該線状高分子に導入した樹脂が用いられる。また、スチレン-無水マレイン酸共重合物やα-オレフィン-無水マレイン酸共重合物などの酸無水物を含む線状高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなどの水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いられる。
活性エネルギー線照射により硬化して、透明樹脂を生成するモノマーおよびオリゴマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β-カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、1, 6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレートなどの各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ビニルホルムアミド、アクリロニトリルなどが挙げられる。これらは、単独または2種類以上混合して用いることができる。
本実施形態に係るカラーフィルタ用の赤色着色組成物には、該組成物を紫外線照射により硬化するときには、光ラジカル発生剤等が添加される。光ラジカル発生剤としては、4-フェノキシジクロロアセトフェノン、4-t-ブチル-ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタン-1-オンなどのアセトフェノン系化合物、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタールなどのベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’-テトラ(t-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物、チオキサントン、2-クロルチオキサントン、2-メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントンなどのチオキサントン系化合物、2,4,6-トリクロロ-s-トリアジン、2-フェニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-トリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-ピペロニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-スチリル-s-トリアジン、2-(ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-メトキシ-ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-トリクロロメチル-(ピペロニル)-6-トリアジン、2,4-トリクロロメチル(4’-メトキシスチリル)-6-トリアジンなどのトリアジン系化合物、1,2-オクタンジオン,1-〔4-(フェニルチオ)-,2-(O-ベンゾイルオキシム)〕、O-(アセチル)-N-(1-フェニル-2-オキソ-2-(4’-メトキシ-ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミンなどのオキシムエステル系化合物、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドなどのホスフィン系化合物、9,10-フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノンなどのキノン系化合物、ボレート系化合物、カルバゾール系化合物、イミダゾール系化合物、チタノセン系化合物などが用いられる。これらの光ラジカル発生剤は1種または2種以上混合して用いることができる。光ラジカル発生剤は、赤色着色組成物中の色材の合計100重量部に対して、5〜200重量部、好ましくは10〜150重量部の量で用いることができる。
上記光ラジカル発生剤は、単独あるいは2種以上混合して用いるか、増感剤として、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4-ジメチルアミノ安息香酸メチル、4-ジメチルアミノ安息香酸エチル、4-ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2-ジメチルアミノエチル、4-ジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシル、N,N-ジメチルパラトルイジン、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノンなどのアミン系化合物を併用することもできる。これらの増感剤は1種または2種以上混合して用いることができる。増感剤は、赤色着色組成物中の光ラジカル発生剤100重量部に対して、0.1〜60重量部の量で用いることがで
きる。
本実施形態に係るカラーフィルタ用の赤色着色組成物には、色材を充分にバインダー樹脂とラジカル重合性モノマーに分散、溶解させ、ガラス基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布するために、溶剤を用いることができる。溶剤としては、例えばシクロヘキサノン、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、1-メトキシ-2-プロピルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチルベンゼン、エチレングリコールジエチルエーテル、キシレン、エチルセロソルブ、メチル-nアミルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルトルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルケトン、石油系溶剤などが挙げられ、これらを単独または混合して用いる。溶剤は、赤色着色組成物中の色材の合計100重量部に対して、800〜4000重量部、好ましくは1000〜2500重量部の量で用いることができる。
本実施形態に係るカラーフィルタ用の赤色着色組成物は、三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、アトライターなどの各種分散手段を用いて、顔料を顔料担体に微細に分散して製造することができる。また、これらの分散を良好とするために、適宜、色素誘導体、樹脂型顔料分散剤、界面活性剤などの分散助剤を含有させることができる。分散助剤は、顔料の分散に優れ、分散後の顔料の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて顔料を顔料担体および溶剤中に分散してなる赤色着色組成物を用いた場合には、透明性に優れたカラーフィルタが得られる。分散助剤は、赤色着色組成物中の顔料の合計100重量部に対して、0.1〜40重量部、好ましくは0.1〜30重量部の量で用いることができる。
色素誘導体は、分散助剤となる他、フィルタセグメント中での顔料の結晶成長、あるいは凝集を抑制する効果を有する。色素誘導体とは、有機色素に置換基を導入した化合物である。有機色素としては、例えば、ジケトピロロピロール系、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、ペリノン系、ペリレン系、チオインジゴ系、イソインドリン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、スレン系、金属錯体系などの色素が挙げられる。色素誘導体を構成する有機色素には、一般に色素と呼ばれていないナフタレン系、トリアジン系などの淡黄色化合物も含まれる。
また、置換基としては、下記一般式(1)〜(4)で表される置換基が挙げられる。
Figure 2010243811
Figure 2010243811
Figure 2010243811
Figure 2010243811
上記一般式(1)〜(4)において、Xは、-SO2 -、-CO-、-CH2 NHCOCH2
-、-CH2 -または直接結合を表す。vは、1〜10の整数を表す。
R4、R5は、それぞれ独立に、炭素数1〜36の置換されていてもよいアルキル基、炭素数2〜36の置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいフェニル基、またはR4 とR5とで一体となって更なる窒素、酸素または硫黄原子を含む置換されていてもよい複素環残基を表す。
R6は、炭素数1〜36の置換されていてもよいアルキル基、炭素数2〜36の置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。
R7、R8、R9、R10は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜36の置換されていてもよいアルキル基、炭素数2〜36の置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。
Yは、-NR11-Z-NR12-または直接結合を表す。
R11、R12は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜36の置換されていてもよいアルキル基、炭素数2〜36の置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。
Zは、炭素数1〜36の置換されていてもよいアルキレン基、炭素数2〜36の置換されていてもよいアルケニレン基、または置換されていてもよいフェニレン基を表す。
Pは、下記式(5)で示される置換基または式(3)で示される置換基を表す。
Qは、水酸基、アルコキシル基、式(5)で示される置換基または式(3)で示される置換基を表す。なお、式(5)および式(3)において、X、R4〜R10、vは、式(1)〜(3)におけるX、R4〜R10、vと同じである。
Figure 2010243811
Figure 2010243811
これらの色素誘導体は、単独で、または2種以上を混合して用いられ、顔料の合計100重量部に対して5〜40重量部、好ましくは10〜30重量部の量で用いることが好ましい。この下限を下回ると、顔料の結晶成長、あるいは凝集を抑制する効果が小さくなり、この上限を超えると、得られる赤色着色組成物の流動性が保てない傾向となる。
樹脂型顔料分散剤としては、リシノール酸や1,2-ヒドロキシステアリン酸の縮合物、塩基性高分子化合物、酸基を含む共重合体、脂肪酸エステル類、脂肪族ポリアミン/ポリエステルグラフト重合体、ポリエチレン/ポリプロピレン付加重合体等を用いることができる。
界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン-アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン-アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ジエチレングリコールモノラウレートなどのノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物などのカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤が挙げられ、これらを単独または2種以上を混合して用いることができる。
本実施形態に係るカラーフィルタ用の赤色着色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために、貯蔵安定剤を含有させることができ、また、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤などの密着向上剤を含有させることもできる。貯蔵安定剤としては、例えば、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t-ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩などが挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニルシラン類、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどの(メタ)アクリルシラン類、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどのエポキシシラン類、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノシラン類、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリエトキシシランなどのチオシラン類などが挙げられる。
本実施形態に係る色材は、グラビアオフセット用印刷インキ、水無しオフセット印刷インキ、シルクスクリーン印刷用インキ、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジストの形態で調製することができる。着色レジストは、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂または活性エネルギー線硬化性樹脂と、モノマーと、光重合開始剤と、溶剤とを含有する組成物中に、前記染料および顔料を分散させたものである。染料および顔料は、赤色着色組成物の全固形分量を基準(100質量%)として、合計して10〜60質量%の割合で含有されることが好ましい。より好ましくは、20〜50質量%の割合で含有され、その残部は、樹脂質バインダーから実質的になる。
赤色着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタなどの手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、より好ましくは0.5μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.2μm以上の粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。
図1は、以上説明した赤色着色組成物を用いて画素を形成した液晶表示装置用カラーフィルタの構成例を示し、透明基板1上にブラックマトリクス2が設けられ、このブラックマトリクス2により区画された領域に、赤色画素3R、緑色画素3G、及び青色画素3Bの3色のフィルタセグメントが形成されている。赤色画素3Rは、以上説明した赤色着色組成物を用いて形成され、緑色画素3G及び青色画素3B公知の緑色及び青色赤色着色組成物を用いて形成される。
透明基板としては、ソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラス、無アルカリアルミノ硼珪酸ガラスなどのガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。また、ガラス板や樹脂板の表面には、液晶パネル化後の液晶駆動のために、酸化インジウム、酸化錫などからなる透明電極が形成されていてもよい。
各色フィルタセグメントの形成は、例えば、印刷法、フォトリソグラフィー法等により行うことができる。
印刷法による各色フィルタセグメントの形成は、上記各種の印刷インキとして調製した赤色着色組成物の印刷と乾燥を繰り返すだけでパターン化ができるため、カラーフィルタの製造法としては、低コストで量産性に優れている。さらに、印刷技術の発展により高い寸法精度および平滑度を有する微細パターンの印刷を行うことができる。印刷を行うためには、印刷の版上にて、あるいはブランケット上にてインキが乾燥、固化しないような組成とすることが好ましい。また、印刷機上でのインキの流動性の制御も重要であり、分散剤
や体質顔料によるインキ粘度の調整を行うこともできる。
フォトリソグラフィー法により各色フィルタセグメントを形成する場合は、上記溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジストとして調製した赤色着色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜10μmとなるように塗布する。塗布膜を乾燥させる際には、減圧乾燥機、コンベクションオーブン、IRオーブン、ホットプレートなどを使用してもよい。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するかもしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去し、所望のパターンを形成する。その後、同様の操作を他色について繰り返すことにより、カラーフィルタを製造することができる。さらに、着色レジストの重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、上記印刷法より精度の高いカラーフィルタが製造できる。
赤色着色組成物の現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムなどの水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミンなどの有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。現像処理方法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法などを適用することができる。なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジストを塗布し、乾燥した後、水溶性あるいはアルカリ水溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂などを塗布し、乾燥し、酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
本実施形態に係るカラーフィルタは、上記方法の他に電着法、転写法などにより製造することができる。なお、電着法は、透明基板上に形成した透明導電膜を利用して、コロイド粒子の電気泳動により各色フィルタセグメントを透明導電膜の上に電着形成することでカラーフィルタを製造する方法である。
また、転写法は、剥離性の転写ベースシートあるいは転写胴の表面に、あらかじめフィルタセグメントを形成しておき、このフィルタセグメントを所望の透明基板に転写させる方法である。
透明基板あるいは反射基板上に各色フィルタセグメントを形成する前に、あらかじめブラックマトリックスを形成しておくと、液晶表示パネルのコントラストを一層高めることができる。ブラックマトリックスとしては、クロムやクロム/酸化クロムの多層膜、窒化チタンなどの無機膜や、遮光剤を分散した樹脂膜を用いることもできる。また、前記の透明基板あるいは反射基板上に薄膜トランジスター(TFT)をあらかじめ形成しておき、その後にフィルタセグメントを形成することもできる。TFT基板上にフィルタセグメントを形成することにより、液晶表示パネルの開口率を高め、輝度を向上させることができる。
本実施形態に係るカラーフィルタ上には、必要に応じてオーバーコート膜や柱状スペーサー、透明導電膜、液晶配向膜などが形成される。
図2は、本発明の一実施形態に係るカラーフィルタを備えた液晶表示装置の概略断面図である。図2に示す液晶表示装置4は、液晶TV用のTFT駆動型液晶表示装置の典型例であって、離間対向して配置された一対の透明基板5および6を備え、それらの間には、液晶(LC)が封入されている。
液晶(LC)は、TN(Twisted Nematic)、STN(Super Twisted Nematic)、IPS(In-Plane switching)、VA(Vertical Alignment)、OCB(Optically Compensated Birefringence)等の液晶配向モードに応じて配向される。
第1の透明基板5の内面には、TFT(薄膜トランジスタ)アレイ7が形成されており、その上には例えばITOからなる透明電極層8が形成されている。透明電極層8の上には、配向層9が設けられている。また、透明基板5の外面には、位相差フィルムを構成に含む偏光板10が形成されている。
他方、第2の透明基板6の内面には、本発明のカラーフィルタ11が形成されている。カラーフィルタ11を構成する赤色、緑色および青色のフィルタセグメントは、ブラックマトリックス(図示せず)により分離されている。
カラーフィルタ11を覆って、必要に応じて透明保護膜(図示せず)が形成され、さらにその上に、例えばITOからなる透明電極層12が形成され、透明電極層12を覆って配向層13が設けられている。また、透明基板6の外面には、偏光板14が形成されている。なお、偏光板10の下方には、三波長ランプ15を備えたバックライトユニット16が設けられている。
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例における「部」および「%」とは、「重量部」および「重量%」をそれぞれ表す。また、顔料の記号はカラーインデックスナンバーを示し、例えば、「PR254」は「C.I.PigmentRed254」を、「PY150」は「C.I.PigmentYellow150」を表す。
[色度およびコントラスト]
赤色着色組成物を硬化後の色度xが0.64(F10光源)となるように、スピンコート法によりガラス基板に塗布し、70℃で20分乾燥後、超高圧水銀ランプを用いて紫外線を露光した。その後、この基板を230℃で1時間熱処理をして、赤色着色膜を得た。
この赤色着色膜について、顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP-SP100」)を用いて、F10光源での色度(Y,x,y)を測定した。また、赤色着色膜を形成した基板の両側に偏光板を重ね、偏光板が平行時の輝度(Lp)と直交時の輝度(Lc)との比、Lp/Lcをコントラストとして算出した。輝度は、色彩輝度計(トプコン社製「BM-5A」)を用い、2°視野の条件で測定した。測定した結果を表4に示す。
以下の製造例に使用した色素誘導体を表1に示す。
Figure 2010243811
a)微細化顔料の製造
[製造例1]
ジケトピロロピロール系赤色顔料PR254(チバスペシャリティケミカルズ社製「イルガフォアレッドB-CF」)100部、色素誘導体(D-1)10部、粉砕した食塩1000部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、60℃で10時間混練した。この混合物を温水2000部に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、微細化顔料(R-1)を得た。得られた顔料の平均粒子径は25nmであった。
[製造例2]
アントラキノン系赤色顔料PR177(チバスペシャリティケミカルズ社製「クロモフタルレッドA2B」)100部、色素誘導体(D-2)8部、粉砕した食塩700部、およびジエチレングリコール180部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で4時間混練した。この混合物を温水4000部に投入し、約80℃に加熱
しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、微細化顔料(R-2)を得た。得られた顔料の平均粒子径は30nmであった。
次に、実施例および比較例で用いたアクリル樹脂溶液の調製について説明する。樹脂の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量である。
b)アクリル樹脂溶液(P)の製造
反応容器にシクロヘキサノン370部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱して、同温度でメタクリル酸20.0部、メチルメタクリレート10.0部、n-ブチルメタクリレート55.0部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート15.0部、および2,2’-アゾビスイソブチロニトリル4.0部の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。滴下終了後、さらに80℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をシクロヘキサノン50部に溶解させたものを添加し、さらに80℃で1時間反応を続けて、アクリル樹脂の溶液を得た。アクリル樹脂の重量平均分子量は、約40000であった。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにシクロヘキサノンを添加してアクリル樹脂溶液(P)を調製した。
c)顔料分散体の製造
表2に示す組成の混合物を均一に撹拌混合し、直径1mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM-250MKII」)で3時間分散した後、5μmのフィルタで濾過して各種顔料分散体を得た。表2には各顔料分散体中の顔料の含有率も併記した。尚、表2中、Y−1はPY150、ランクセス社製:「E4GN-GT」、Y−2はPY139、BASF社製:「PALIOTOL YELLOW D1819」である。
Figure 2010243811
d)赤色着色組成物の作製
<実施例1>
下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5μmのフィルターで濾過して赤色着色組成物を得た。
・染料:C.I.Solvent89 0.68質量%
クラリアント社製〔Savinyl FireRed GLS)
・顔料分散体(PR−1) 28.8質量%
・顔料分散体(PR−2) 0.8質量%
・顔料分散体(PY−1) 4.8質量%
・アクリル樹脂溶液(P) 28.5質量%
・多官能チオール 0.5質量%
(トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート)
・アクリレート多官能モノマー 2.4質量%
(東亞合成(株)社製 アロニックスM402)
・光ラジカル発生剤 0.8質量%
(チバガイギー社製「イルガキュア−OXE02」)
・光増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) 0.2質量%
・有機溶剤(PGMAc・シクロヘキサノン1:1混合) 32.5質量%
<実施例2〜4>、<比較例1〜5>
染料、顔料分散体、赤色着色組成物中に用いる樹脂に、表3に記載の顔料分散体と樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして赤色着色組成物を得た。
Figure 2010243811
[赤色着色組成物の塗膜の作製]
表3に示した赤色着色組成物をスピンコート法によりガラス基板に塗工した後、クリーンオーブン中で、70℃で20分間プリベークした。次いで、この基板を室温に冷却後、超高圧水銀ランプを用い、紫外線を露光した。その後、この基板を23℃の炭酸ナトリウム水溶液を用いてスプレー現像した後、イオン交換水で洗浄し、風乾した。その後、クリーンオーブン中で、230℃で60分間ポストベークを行い、赤色塗膜を得た。乾燥塗膜の膜厚は、いずれも1.8μmであった。
[感度評価]
表3に示した各赤色着色組成物の感度を以下のようにして評価した。すなわち、はじめに、ガラス基板上に、得られた感光性組成物をスピンコート法により塗布した後、70℃で15分のプリベークを行い、膜厚2.3μmの塗布膜を形成した。次に、露光光源に紫外線を使用した近接露光方式で、50μmの細線パターンを備えたフォトマスクを介して紫外線露光を行なった。露光量は、30、40、50、60、70、80、90、100mJ/cm2の8水準とした。
次に、1.25質量%の炭酸ナトリウム溶液を用いてシャワー現像した後、水洗して、230℃で20分の加熱処理を行い、パターニングを完了した。
得られたフィルタセグメントの膜厚を未露光・未現像部分の膜厚(2.3μm)で割ってその残膜率を算出した。そして、横軸を露光量、縦軸を現像後残膜率として露光感度曲線をプロットした。得られた露光感度曲線から、残膜率が80%以上に達する最小露光量を飽和露光量とし、飽和露光量が50mJ/cm2 以下である場合を○、50〜100mJ/cm2 である場合を△、100mJ/cm2 より大きい場合を×とした。結果を表4に示す。
Figure 2010243811
(パターニング性評価)
各実施例及び比較例において調製した各感光性赤色着色組成物及びセルギャップ制御用かさ上げ層、について、そのパターニング性能を、以下のようにして評価を行った。
すなわち、はじめに、ガラス基板上に、得られた黒色感光性組成物をスピンコート法により塗布し、70℃で15分のプリベークを行い、膜厚2.3μmの塗布膜を形成した。次に、露光光源に紫外線を使用した近接露光方式で、幅6〜20μmの線幅のストライプパターンを備えたフォトマスクを介して紫外線露光を行なった。露光量は前記で述べた飽和露光量でおこなった。
次に、1.25質量%の炭酸ナトリウム溶液を用いてシャワー現像した後、水洗した。現像時間は、それぞれ、未露光の塗布膜を洗い流すのに適正な時間とした。次に、230℃で20分間加熱処理をして試験用基板を製造した。結果を表4に示す。
実施例1では染料であるC.I.Solvent89が色材全質量中14質量%含有しており、染料を含まない比較例1と比較して高い明度とコントラストを実現している。また、多官能チオールは全固形分中3.0%含有しており、十分な露光感度であった。実施例2も同様に染料が色材中12質量%で比較例1よりも高い明度であった。実施例3では多官能チオールを全固形分中7.3質量%含有しており高い感度を実現している。実施例4ではC.I.Solvent89とPigment Yellow139の組み合わせで、全色材中、C.I.Solvent89を50質量%含有している。Pigment
Red177とPigment Yellow139の組み合わせで同じ色相に調製し
た比較例2と比較すると高い明度とコントラストである。比較例3では染料が色材中60質量%という高い含有量であるため多官能チオールを含有していても感度が不十分であった。比較例4ではチオールの含有量が少なく、比較例5ではチオールを含有していないため感度が不十分で矩形なパターン形成ができなかった。
1・・・透明基板
2・・・ブラックマトリックス
3R・・・赤色画素
3G・・・緑色画素
3B・・・青色画素

Claims (7)

  1. A)色材、B)バインダー樹脂、C)ラジカル重合性モノマー、D)光ラジカル発生、E)多官能チオールを含有する赤色着色組成物であって、前記A)色材として、少なくとも1種の顔料と1種の染料を含有し、E)多官能チオールが全固形分中の1質量%から10質量%であることを特徴とする赤色着色組成物。
  2. 前記A)色材が全固形分中の10質量%から60質量%であり、且つA)色材全質量のうち染料が30質量%以内であることを特徴とする請求項1に記載の赤色着色組成物。
  3. 前記染料として、アゾ骨格をもつ染料又はアゾ骨格を持つ染料の金属錯体を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の赤色着色組成物。
  4. 前記染料がC.I.Solvent Red 124、又はC.I.Solvent 89であることを特徴とする請求項3に記載の赤色着色組成物。
  5. 前記顔料として、ジケトピロロピロール系赤色顔料、アントラキノン系赤色顔料、アゾ系黄色顔料、イソインドリン系黄色顔料の中から選ばれる少なくとも1種の顔料を含有することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の赤色着色組成物。
  6. 前記ジケトピロロピロール顔料がC.I.Pigment Red 254、アントラキノン系赤色顔料がC.I.Pigment 177、アゾ系黄色顔料がC.I.Pigment Yellow 150、イソインドリン系黄色顔料がC.I.Pigment
    Yellow 139であることを特徴とする請求項5に記載の赤色着色組成物。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の赤色着色組成物を用いて製造したことを特徴とするカラーフィルタ。
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