JP2010242205A - 成膜装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】プラスチック容器に、アーク放電を発生させずに、障害なく成膜する。
【解決手段】1つの筐体からなるサブチャンバーに複数のメインチャンバーが整列し、各メインチャンバー内部に開口を有するプラスチック容器を倒立して収納し、該プラスチック容器に全数同時にプラズマCVD法で薄膜を形成する装置であって、各メインチャンバー内部でプラスチック容器の首部を挟む力をかけてプラスチック容器1を支持する容器首部支持部品を隔壁板の貫通孔に設置し、さらに前記容器首部支持部品が前記プラスチック容器を倒立して収納する機能を併せ持った成膜装置を用いる。
【選択図】図5
【解決手段】1つの筐体からなるサブチャンバーに複数のメインチャンバーが整列し、各メインチャンバー内部に開口を有するプラスチック容器を倒立して収納し、該プラスチック容器に全数同時にプラズマCVD法で薄膜を形成する装置であって、各メインチャンバー内部でプラスチック容器の首部を挟む力をかけてプラスチック容器1を支持する容器首部支持部品を隔壁板の貫通孔に設置し、さらに前記容器首部支持部品が前記プラスチック容器を倒立して収納する機能を併せ持った成膜装置を用いる。
【選択図】図5
Description
本発明は、圧力が100Paから0.5Paの真空領域で、プラスチック容器の内外面に成膜する装置において、成膜安定性を向上させる技術に関する。
一般に、プラスチック容器に酸素透過度やその他のガス透過度を低下させる目的で、酸化珪素皮膜やダイヤモンドの結晶構造に近い炭素皮膜をプラスチック容器の内外面に施すことが、盛んに行われている。この処方を施すと、単層のポリエステルあるいはポリエチレン容器の酸素透過度が1/10あるいは1/20にまで低下し、その結果内容物の酸化の進み方が緩慢になることで商品寿命が延び、品質の向上を図ることが可能となる。従って、従来はEVOHやポリアミドといったガスバリア性樹脂を用いて、多層容器を必要としていた領域にも単層成形のプラスチック容器が進出することが可能となった。
一般に、酸化珪素被膜を形成する場合、原料ガスとしてはヘキサメチルジシロキサンのようなオルガノシロキサンと、反応ガスとして酸素を使うことが良く知られている。ガスバリア性を高める膜を生成する場合、二酸化珪素の結晶構造が最もよいガスバリア性が得られる。プラズマCVDでは、SiO2の堆積物としてガスバリア膜を形成する。
従来から、圧力が100Paから0.5Paの真空領域で、プラスチック容器1に成膜する装置として、例えば、図1に示すように、複数のメインチャンバー7を1つのサブチャンバー8に接続して、各メインチャンバー7に倒立して収納した各プラスチック容器1に対して、プラズマCVD法を用いて、一括で成膜する多数取り成膜装置がある。この多数取り成膜装置のメリットは、成膜に必要な電源、整合器、真空ポンプ9、ガス供給装置を共有できるため、狭い場所でも設置が可能であり、チャンバーの移動もないことから故障が少ないということである。また調整箇所も少ないため装置導入から立上げまでの時間も、連続回転式と比べて短時間で済む。何よりも装置構成を単純にできることが最大のメリットである。
しかし多数取り成膜装置の成膜におけるトラブルとして、高温プラズマによるプラスチック容器1の熱変形やアーク放電によるプラスチック容器1の炭化といった現象が見られることがある。この原因としては、メインチャンバー7に印加された高周波やマイクロ波がもたらす電界強度の分布にムラがあることと、メインチャンバー7内部のガス分子過多あるいは偏在化あるいは排気能力の低下が主な原因であることが分かって来た。
元来倒立収納はプラスチック容器1の出し入れがしやすく、特に射出成形されたプラスチック容器1の口元部は寸法精度が良好なため、収納位置精度が高く、また容器支持部品とのシール性も良好な方法である。しかしながら、図2に示すように、容器口元支持とサブチャンバー8からのプラズマを遮蔽する役割を兼ねた隔壁板6がメインチャンバー7を上下に分けてしまう構造であるため、容器側空間の排気が難しく、その結果プラスチック容器1の熱変形やアーク放電による樹脂の炭化が発生する。これを防ぐために例えば従来は、図3(a)に示すように、隔壁板6とメインチャンバー7の間にガスベント3を設けて排気を行なってきた。しかし、当初は良好な成膜を継続するものの、その隙間を成膜生成物が徐々に埋めていくに従い、図3(b)に示すように滞留した気体分子がプラスチック容器1と隔壁板6の隙間から排気されるようになり、この部分の電界強度が最も高い場所にあたることから、アーク放電などによるトラブルが発生していた。
アーク放電の規模はその時々の条件によりさまざまであり、一見して不良と判る成膜品
の発光強度は正常な場合と比較すると明らかに異なる波形を示すが、中には判別のしにくい小さな異常もあり、その場合の発光強度の観察条件はデジタル観測で10ナノ秒間隔以下でないと確認できない場合もある。現実的に問題となるのは、識別の難しいごく短時間のアーク放電異常であり、その発生頻度は定常的ではなく発生の仕方は非常にムラが多い。
の発光強度は正常な場合と比較すると明らかに異なる波形を示すが、中には判別のしにくい小さな異常もあり、その場合の発光強度の観察条件はデジタル観測で10ナノ秒間隔以下でないと確認できない場合もある。現実的に問題となるのは、識別の難しいごく短時間のアーク放電異常であり、その発生頻度は定常的ではなく発生の仕方は非常にムラが多い。
また特許文献1では、倒立収納のための手段として容器底部を把持固定するチャンバー蓋5を用いてこれとともに搬送を行うことで、容器首部1aの保持の必要をなくし隔壁板6を除去しアーク放電を生じにくくした。しかし、サブチャンバー8とメインチャンバー7とを仕切らなくなったことにより、サブチャンバー8で発生したプラズマがメインチャンバー7のプラスチック容器1側に侵入しやすくなり、反応エネルギーの損失による膜物性の低下という新たな問題を生んでしまった。
また特許文献2では、適宜交換可能な容器保持部品を提案しているが、アーク放電対策としての機能までは付与していないことと、また剛性の弱いプラスチック容器1やキャップを使って正立させる設計のプラスチック容器1について、成膜装置前後の搬送方法について課題が残されており、これらを解決するための工夫が求められていた。
更に、プラスチック容器1と容器保持部品のシール性を高めるため、容器底部にチャンバー蓋5などを介して下向きの荷重を掛ける方法も試みられているが、容器胴部の寸法精度や偏肉の影響でシール面に隙間が生じるといった逆効果も確認されたため、代替案が求められていた。
アーク放電は落雷と同様に狭い面積にエネルギーが集中するために、樹脂が炭化する現象であり、放電開始時に発生することが多い。この現象の主たる原因は、本来はガス排気の経路ではない場所にガスが流れることによるものであるが、そのもとを糾すとプラスチック容器1と隔壁板6とのガスシール不良であった。もともと延伸PET容器では容器首部1aの寸法安定性が高いことからガスシール性は十分であったため、シール面の密着性には特別の配慮を払う必要はなかったが、成形の異常によりプラスチック容器1が僅かに変形したり、本来のガスベント3が塞がれメインチャンバー7に残留した空気が逃げ場を求めるに至り、シールの不完全さが顕在化していた。
すなわち、図2に示す従来の高周波プラズマによるプラスチック容器成膜装置にあっては、メインチャンバー7の隔壁板6の貫通孔に図4に示す容器支持部品を設置し、その容器支持部品の上にプラスチック容器1を載せる、口元支持を行っていた。この場合、高周波プラズマでは電界強度の高い容器口元周辺でアーク放電が発生しやすく、その場所は、プラスチック容器1と図4の容器支持部品の接触部分の容器首部外面に集中的に発生する傾向があるが、本来は気体を流さない場所であった。従来は、厳密なガスシールを施していないため、正規のガスベント3が成膜の堆積物で目詰まりを起こすと、容器首部1aと図4の容器支持部品の隙間からわずかに気体分子がリークして、局所的に高い電界強度分布と相まって絶縁破壊を生じていた。
本発明の課題は、圧力が100Paから0.5Paの真空領域で、プラスチック容器の
内面に、アーク放電を発生させずに、障害なく成膜することを課題とする。
内面に、アーク放電を発生させずに、障害なく成膜することを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するために、1つの筐体からなるサブチャンバーに複数のメインチャンバーが整列し、各メインチャンバー内部に開口部を有するプラスチック容器を倒立して収納し、該プラスチック容器に全数同時にプラズマCVD法で薄膜を形成する装置であって、各メインチャンバー内部でプラスチック容器の首部を挟む力をかけてプラスチック容器を支持する容器首部支持部品を隔壁板の貫通孔に設置し、さらに前記容器首部支持部品が前記プラスチック容器を倒立して収納する機能を併せ持ったことを特徴とする成膜装置である。
また、本発明は、上記の成膜装置において、上記容器首部支持部品が、上記プラスチック容器の首部のねじと嵌合するねじ孔を有し、上記プラスチック容器を上記容器首部支持部品にねじ込んで支持することを特徴とする成膜装置である。
また、本発明は、上記の成膜装置において、上記容器首部支持部品が、脱着を容易にしたアンダーカット形状で内側にフランジを有する第1の部品と、該第1の部品を内側に嵌め込む外側の第2のリング部品から成り、前記第1の部品のフランジを上記プラスチック容器のフランジ上に設置した後に前記第2のリング部品に前記第1の部品を嵌め込むことで前記第1の部品を挟む力をかけ、前記第1の部品の内側のフランジが上記プラスチック容器の首部を挟む力をかけて支持することを特徴とする成膜装置である。
また、本発明は、上記の成膜装置において、上記容器首部支持部品が、上記プラスチック容器と嵌合された状態で上記メインチャンバーに出し入れ可能であることを特徴とする成膜装置である。
本発明は、隔壁板の貫通孔に設置した容器首部支持部品でプラスチック容器の首部を挟む力をかけてプラスチック容器1を支持することで、容器首部支持部品とプラスチック容器との密封性が良くなり、プラスチック容器と容器首部支持部品の接触部分が確実にシールされ、容器首部と容器首部支持部品との間を流れる異常なガス流れを無くし、アーク放電を抑制することが可能となる効果がある。すなわち、本来にはない異常なガス流れを遮断することでアーク放電によるプラスチック容器の炭化を防止することが可能となる効果がある。
以下に、本発明の一実施形態を説明する。本発明は、図1に示すような、1つの筐体からなるサブチャンバー8に複数のメインチャンバー7が整列し、そのメインチャンバー7内部に倒立して収納されたプラスチック容器1を全数同時にプラズマCVD法で薄膜を形成する多数取り成膜装置である。プラスチック容器1の樹脂構成は単層のポリエステルまたはポリエチレン乃至ポリプロピレン、ポリスチレン製であるか、または成膜面がこれらの樹脂で成形された多層容器である。また、図2に示すメインチャンバー7は、内部に薄
膜を形成しようとするプラスチック容器1が収容できるだけの円筒状のスペースを持つ筒体を外側に備え、その筒体の上方の開口端に設置されるチャンバー蓋5を有し、メインチャンバー7内には薄膜を形成しようとするプラスチック容器1を所定位置に保持するための隔壁板6があり、筒体の側壁には導電性材料よりなる外部電極4が設置され、筒体とプラスチック容器1の間には絶縁体のスペーサー2が設置されている。そして、内部電極を兼ねるガス放出管4が、メインチャンバー7の底から隔壁板6の開口部を貫いて、隔壁板6の貫通孔に設置した容器首部支持部品10で保持されているプラスチック容器1の内部にまで設置されている。
膜を形成しようとするプラスチック容器1が収容できるだけの円筒状のスペースを持つ筒体を外側に備え、その筒体の上方の開口端に設置されるチャンバー蓋5を有し、メインチャンバー7内には薄膜を形成しようとするプラスチック容器1を所定位置に保持するための隔壁板6があり、筒体の側壁には導電性材料よりなる外部電極4が設置され、筒体とプラスチック容器1の間には絶縁体のスペーサー2が設置されている。そして、内部電極を兼ねるガス放出管4が、メインチャンバー7の底から隔壁板6の開口部を貫いて、隔壁板6の貫通孔に設置した容器首部支持部品10で保持されているプラスチック容器1の内部にまで設置されている。
本発明の重要な特徴は、上記の成膜装置において、隔壁板6の貫通孔に図5又は図6に示す容器首部支持部品10を設置し、その容器首部支持部品10がプラスチック容器1の容器首部1aを挟む力をかけてプラスチック容器1を支持することである。これにより、この容器首部支持部品10はプラスチック容器1との密封性が良くなり、プラスチック容器1と容器首部支持部品10の接触部分が確実にシールされ、容器首部1aと容器首部支持部品10との間を流れる異常なガス流れを無くし、アーク放電を抑制することが可能となる効果がある。
すなわち、本発明は、プラスチック容器1の容器首部1aが、キャップで挟む力をかけキャップと嵌合させるように設計されていることを利用して、容器首部支持部品10を、外面側はメインチャンバー7との脱着性を付与し、内面側は、プラスチック容器1の容器首部1aを挟む力をかけて容器首部1aと嵌合させる容器首部支持部品10を用いる。この容器首部支持部品10には、口内径に近い寸法の貫通孔を設けておくことで、プラスチック容器1内部に成膜ガスを供給して反応後のガスを排出できるようにする。この容器首部支持部品10は、プラスチック容器1の容器首部1aと嵌合することで、プラスチック容器1との気密性(シール性)が付与され、最適な成膜環境を実現できる効果がある。
プラスチック容器1と容器首部支持部品10の嵌合は、プラスチック容器1の容器首部1aのねじ11と容器首部支持部品10のねじ孔の組み合わせて嵌合する方法、あるいは、プラスチック容器1の容器首部1aのフランジ12と容器首部支持部品10のフランジ13を突き合わせて嵌合する方法を用いる。それぞれの保持部品の形態の一例を図5及び図6に示す。図5の形状では両者をねじ込んで組合せる。これによりプラスチック容器1の容器首部1aの一部分で面シールが行われ、容器首部1aの外面を沿って流れるガスの流れを遮断することができる効果がある。
また、図6の嵌合方式では、脱着を容易にしたアンダーカット形状で内側にフランジ13を有する第1の部品を、そのフランジ13をプラスチック容器1のフランジ12上に設置した後に、第1の部品を外側の第2のリング部品に嵌めこむ。この第1の部品と第2のリング部品とで容器首部支持部品10を構成する。これにより、第2のリング部品に第1の部品を嵌め込む際に第1の部品を挟む力をかけることで、第1の部品の内側のフランジ13がプラスチック容器1の容器首部1aを挟む力をかけるようにする。プラスチック容器1の容器首部1aにねじ11がある場合も、ねじ11の他にフランジ12があれば、図6の嵌合方式の容器首部支持部品10で支持することが可能である。どちらの容器首部支持部品10も、成膜装置の外でプラスチック容器1と組合せた後、プラスチック容器1とともに成膜チャンバーに挿入する。
以上の方法は主にプラズマCVD法で酸化珪素薄膜をコーティングする装置に適用できる。この場合に使用できる原料ガスについては、主ガスとしてヘキサ・メチル・ジ・シロキサン(以下HMDSOと称する)の他、トリ・メチル・シロキサンなどを用いることが可能で、これにより酸化珪素薄膜の成膜が可能になる。また、反応ガスとしては、酸素の他、オゾン、二酸化炭素などを用いることが可能である。
また、成膜の原料ガスを放出するガス放出管4が設けられており、メインチャンバー7内にプラスチック容器1を収納する際に、ガス放出管4をプラスチック容器1の内部に進入させる挿入時に、容器首部支持部品10がプラスチック容器1の位置決めを正確に行えるので、プラスチック容器1の水平方向の位置ずれが少なく、プラスチック容器1とガス放出管4との干渉の恐れを少なくする効果がある。また、プラスチック容器1の搬送を底部を保持して行う場合、容器首部支持部品10がプラスチック容器1の口元を保護し口元の傷つきを防止する効果がある。更に、プラスチック容器1の容器首部1aを支持して、その胴部は保持しないので、剛性が弱いプラスチック容器1の胴部にストレスを加えずに保持できる効果がある。
以下に、本発明の実施例を説明する。
<実施例1>
8本同時に成膜可能なプラズマCVD成膜装置を使って、500mlPET容器の内面にガスバリア性を高めるための酸化珪素皮膜を生成した。プラスチック容器1の保持方法を、図5に示すねじ11で結合させる容器首部支持部品10を用い、メインチャンバー7にプラスチック容器1を倒立状態で挿入した。メインチャンバー7にはこれを上下に分割する隔壁板が設けられており、この中心に容器首部支持部品10が挿入されることで倒立する構造であり、メインチャンバー7内の圧力を100Paから0.5Paの真空領域にして用いる。プラズマ発生装置は高周波電源を使い、ヘキサ・メチル・ジ・シロキサン(HMDSO)と酸素をそれぞれ1台のマスフローコントローラで計量した後、各チャンバーに分配した。真空ポンプ9は、ロータリーポンプ、ブースターポンプ、ターボ分子ポンプ各1台ずつをリレーして、HMDSOを40sccm、酸素を800sccm流した。そして流量の安定したところで2000Wの高周波電力で成膜した。全部で1000回成膜したときの成膜異常の発生回数を表1に示した。
<実施例1>
8本同時に成膜可能なプラズマCVD成膜装置を使って、500mlPET容器の内面にガスバリア性を高めるための酸化珪素皮膜を生成した。プラスチック容器1の保持方法を、図5に示すねじ11で結合させる容器首部支持部品10を用い、メインチャンバー7にプラスチック容器1を倒立状態で挿入した。メインチャンバー7にはこれを上下に分割する隔壁板が設けられており、この中心に容器首部支持部品10が挿入されることで倒立する構造であり、メインチャンバー7内の圧力を100Paから0.5Paの真空領域にして用いる。プラズマ発生装置は高周波電源を使い、ヘキサ・メチル・ジ・シロキサン(HMDSO)と酸素をそれぞれ1台のマスフローコントローラで計量した後、各チャンバーに分配した。真空ポンプ9は、ロータリーポンプ、ブースターポンプ、ターボ分子ポンプ各1台ずつをリレーして、HMDSOを40sccm、酸素を800sccm流した。そして流量の安定したところで2000Wの高周波電力で成膜した。全部で1000回成膜したときの成膜異常の発生回数を表1に示した。
<実施例2>
プラスチック容器1の保持方法を、図6に示す嵌合キャップ方式の容器首部支持部品10を用い、プラスチック容器1の内壁に成膜を行った。全部で1000回成膜したときの成膜異常の発生回数を表1に示す。
プラスチック容器1の保持方法を、図6に示す嵌合キャップ方式の容器首部支持部品10を用い、プラスチック容器1の内壁に成膜を行った。全部で1000回成膜したときの成膜異常の発生回数を表1に示す。
<比較例1>
プラスチック容器1の保持方法を従来の容器口元支持とし、他は実施例1と同様にして成膜を行った。全部で1000回成膜したときの成膜異常の発生回数を表1に示した。
プラスチック容器1の保持方法を従来の容器口元支持とし、他は実施例1と同様にして成膜を行った。全部で1000回成膜したときの成膜異常の発生回数を表1に示した。
1・・・プラスチック容器
1a・・・容器首部
2・・・スペーサー
3・・・ガスベント
4・・・ガス放出管
5・・・チャンバー蓋
6・・・隔壁板
7・・・メインチャンバー
8・・・サブチャンバー
9・・・真空ポンプ
10・・・容器首部支持部品
11・・・ねじ
12・・・(プラスチック容器の)フランジ
13・・・(容器首部支持部品の)フランジ
1a・・・容器首部
2・・・スペーサー
3・・・ガスベント
4・・・ガス放出管
5・・・チャンバー蓋
6・・・隔壁板
7・・・メインチャンバー
8・・・サブチャンバー
9・・・真空ポンプ
10・・・容器首部支持部品
11・・・ねじ
12・・・(プラスチック容器の)フランジ
13・・・(容器首部支持部品の)フランジ
Claims (4)
- 1つの筐体からなるサブチャンバーに複数のメインチャンバーが整列し、各メインチャンバー内部に開口部を有するプラスチック容器を倒立して収納し、該プラスチック容器に全数同時にプラズマCVD法で薄膜を形成する装置であって、各メインチャンバー内部でプラスチック容器の首部を挟む力をかけてプラスチック容器を支持する容器首部支持部品を隔壁板の貫通孔に設置し、さらに前記容器首部支持部品が前記プラスチック容器を倒立して収納する機能を併せ持ったことを特徴とする成膜装置。
- 請求項1記載の成膜装置において、前記容器首部支持部品が、前記プラスチック容器の首部のねじと嵌合するねじ孔を有し、前記プラスチック容器を前記容器首部支持部品にねじ込んで支持することを特徴とする成膜装置。
- 請求項1記載の成膜装置において、前記容器首部支持部品が、脱着を容易にしたアンダーカット形状で内側にフランジを有する第1の部品と、該第1の部品を内側に嵌め込む外側の第2のリング部品から成り、前記第1の部品のフランジを前記プラスチック容器のフランジ上に設置した後に前記第2のリング部品に前記第1の部品を嵌め込むことで前記第1の部品を挟む力をかけ、前記第1の部品の内側のフランジが前記プラスチック容器の首部を挟む力をかけて支持することを特徴とする成膜装置。
- 請求項1乃至3の何れか一項に記載の成膜装置において、前記容器首部支持部品が、前記プラスチック容器と嵌合された状態で前記メインチャンバーに出し入れ可能であることを特徴とする成膜装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009095660A JP2010242205A (ja) | 2009-04-10 | 2009-04-10 | 成膜装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2009095660A JP2010242205A (ja) | 2009-04-10 | 2009-04-10 | 成膜装置 |
Publications (1)
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ID=43095533
Family Applications (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20160125982A (ko) * | 2014-03-03 | 2016-11-01 | 피코순 오와이 | Ald 코팅에 의한 중공 몸체 내부의 보호 방법 |
KR20160125981A (ko) * | 2014-03-03 | 2016-11-01 | 피코순 오와이 | Ald 코팅에 의한 가스 컨테이너 내부의 보호 방법 |
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2009
- 2009-04-10 JP JP2009095660A patent/JP2010242205A/ja active Pending
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