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JP2010222347A - Pde5阻害剤及びカルニチンを含有する医薬組成物 - Google Patents

Pde5阻害剤及びカルニチンを含有する医薬組成物 Download PDF

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arginine
carnitine
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phosphodiesterase
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Yasuhiro Torizumi
保博 鳥住
Toshihide Aisu
俊秀 愛須
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Daiichi Sankyo Healthcare Co Ltd
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Daiichi Sankyo Healthcare Co Ltd
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Abstract

【課題】
安全でかつ勃起作用が増強された医薬組成物を提供すること。
【解決手段】
ホスホジエステラーゼ5阻害剤;及びL−カルニチン酸付加体を含有する医薬組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、ホスホジエステラーゼ5阻害剤;及びL−カルニチン酸付加体を含有する、主として陰茎勃起機能不全治療用又は改善用医薬組成物に関する。
ホスホジエステラーゼ(以下、PDEと称す)は、サイクリックAMP(以下、cAMPと称す)やサイクリックGMP(以下、cGMPと称す)のリン酸エステルを加水分解する酵素であり、これまでに11種のPDEが存在することが判っている。細胞の機能が損なわれた状態では多くの場合、PDE活性が亢進しており、結果的にcGMPやcAMPが不足した状態になることが推定され、PDEを阻害する薬剤はこれらを増加させるのに有用である。
PDEの1種であるPDE5については陰茎海綿体や肺組織に豊富に存在する酵素であり、陰茎勃起不全や肺高血圧症に関与することが知られている。勃起の機序については、これまでの公知文献を統合すると、以下のように説明できる。
性的刺激により、陰茎海綿体にある末梢神経の神経型一酸化窒素合成酵素(nNOS)によって生成した一酸化窒素(NO)が、陰茎海綿体のグアニル酸シクラーゼを活性化してcGMPが合成される。cGMP濃度上昇とともに陰茎海綿体の平滑筋が弛緩して陰茎動脈から血液が流入してくる。陰茎海綿体への血液流入により陰茎体積・寸法の増大と、内圧上昇による陰茎硬化が惹起される。これに伴い陰茎静脈が圧迫されるようになり陰茎海綿体からの血液流出も抑制され、勃起が完結する。その後、射精の完了又は性的刺激の減弱によってNO供給が途絶えてくると、陰茎海綿体に存在するPDE5によりcGMPが分解され、陰茎動脈からの血液流入が止まり、やがて勃起前の状態に戻る。
一方、ストレス等による交感神経の緊張による陰茎動脈収縮による海綿体血液流入の遮断、陰茎海綿体におけるnNOS活性低下やグアニル酸シクラーゼ活性の低下、PDE5活性の亢進、等のいずれか又はこれらが複合して起こると、陰茎が勃起しなかったり、勃起しても持続しなかったりして、性交が行えなくなる。このような病態を勃起不全、勃起機能障害あるいは勃起障害と言うが、心理的な配慮から、英名Erectile Dysfunctionの略名表示である「ED」が広く用いられるようになっている。
近年、PDE5阻害剤が見いだされ、ED治療に革命がもたらされた。これは、陰茎海綿体のcGMP分解酵素であるPDE5の活性を阻害し、陰茎の末梢NO神経によってもたらされる陰茎海綿体内のcGMP量を維持・増大させ、陰茎海綿体内圧上昇(勃起)状態を持続させるものである(例えば、非特許文献1参照)。PDE5阻害剤がEDに悩む患者の大部分を救った。
L−アルギニンはアミノ酸の一種であり、L−アルギニンは、尿素回路(オルニチン回路)の中間体で血中アンモニア低下作用があるため、医療用薬では尿素回路異常症用薬(例えば、非特許文献1参照)、OTCでは一部の滋養強壮剤に配合されている(例えば、非特許文献2参照)。また、L−アルギニンは一酸化窒素合成酵素(NOS)の基質であることから、NO産生促進作用による勃起機能不全の改善効果を期待して臨床試験が行われたが、有効率が低く開発が中止された(例えば、特許文献1参照)。
L−カルニチンはアミノ酸の一種であり、その分子中に、4級アンモニウム構造を有するため、各種酸と酸付加体を形成する。例えば、塩酸とイオン結合することによって、酸付加体として、L−カルニチン塩化物を形成する。
L−カルニチン塩化物は、医療用薬では消化管運動亢進剤の注射薬(例えば、非特許文献1参照)、OTCでは健胃剤等として胃腸薬や滋養強壮剤に配合されている(例えば、非特許文献2参照)。また、特許文献3には、勃起障害の治療のためのアルカノイルL−カルニチンの単独使用が記載されているが、同文献にはこれを裏付けるデータは一つも開示されていない(特許文献3参照)。
これまでに、(1)シルデナフィルとアセチルL−カルニチンの2剤組合せ、(2)シルデナフィルとプロピオニルL−カルニチンの2剤組合せ、(3)アセチルL−カルニチンとプロピオニルL−カルニチンの2剤組合せ(4)シルデナフィル、アセチルL−カルニチン及びプロピオニルL−カルニチンの3剤組合せが開示されている。(1)と(2)についてはシルデナフィル単剤と有意差のない結果が得られ、(3)については一部有効性が得られ、(4)の3剤併用で優れた効果が得られることが開示されている(特許文献2参照)。なお、同文献には、シルデナフィルとL−カルニチン酸付加体の組合せ、及び、その効果については記載されておらず不明である。
これまでに、PDE5阻害剤と、L−アルギニン又はその薬理上許容される塩の併用についての報告はなく、PDE5阻害剤と、L−アルギニン又はその薬理上許容される塩;及びL−カルニチン酸付加体の3剤併用についは示唆もされていない。
特開2001−220349号公報 特表2008−531466号公報 特表2005−511655号公報
医療用医薬品集 2009年版 JAPIC 2008 OTCハンドブック 学術情報流通センター 2002
本発明の課題は、PDE5阻害剤と併用した場合に、安全で、かつ優れた陰茎勃起機能不全治療用又は陰茎勃起機能不全改善用医薬組成物を提供することである。
本発明者らはかかる課題を解決するために鋭意研究を進めてきた結果、PDE5阻害剤に、L−カルニチン酸付加体を併用すると、さらに優れた勃起作用が発現することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下に記すとおりである。
(1)
ホスホジエステラーゼ5阻害剤;及びL−カルニチン酸付加体を含有する医薬組成物。
また、本発明として、好適には、以下に記すとおりである。
(2)
ホスホジエステラーゼ5阻害剤;L−アルギニン又はその薬理上許容される塩;及びL−カルニチン酸付加体を含有する医薬組成物。
(3)
ホスホジエステラーゼ5阻害剤;L−アルギニン又はその薬理上許容される塩;及びL−カルニチン酸付加体を含有する陰茎勃起機能不全治療用又は陰茎勃起機能不全改善用医薬組成物。
(4)
ホスホジエステラーゼ5阻害剤投与において得られる陰茎勃起作用を、L−アルギニン及びL−カルニチン酸付加体を含有させることによって増強させるための(1)−(3)から選択される1項に記載の医薬組成物。
(5)
ホスホジエステラーゼ5阻害剤が、シルデナフィル、バルデナフィル、タダラフィル及びそれらの薬理上許容される塩からなる群から選択される1である、(1)−(4)から選択されるいずれか1項に記載の医薬組成物。
(6)
ホスホジエステラーゼ5阻害剤が、シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物又はタダラフィルである、(1)−(4)から選択されるいずれか1項に記載の医薬組成物。
(7)
ホスホジエステラーゼ5阻害剤が、シルデナフィルクエン酸塩である、(1)−(4)から選択されるいずれか1項に記載の医薬組成物。
(8)
L−アルギニン又はその薬理上許容される塩が、L−アルギニン塩酸塩である(2)−(7)から選択されるいずれか1項に記載の医薬組成物。
(9)
L−カルニチン酸付加体が、L−カルニチン塩化物である(1)−(8)から選択されるいずれか1項に記載の医薬組成物。
さらに、本発明は、以下に記載の発明を包含する。
(10)
ホスホジエステラーゼ5阻害剤と、L−アルギニン又はその薬理上許容される塩;及びL−カルニチン酸付加体を同一の医薬組成物中に含有する(1)−(9)から選択されるいずれか1項に記載の医薬組成物の製造方法。
(11)
陰茎勃起機能不全治療用又は陰茎勃起機能不全改善用医薬組成物を製造するための、ホスホジエステラーゼ5阻害剤;L−アルギニン又はその薬理上許容される塩;及びL−カルニチン酸付加体の使用。
(12)
ホスホジエステラーゼ5阻害剤と、L−アルギニン又はその薬理上許容される塩;及びL−カルニチン酸付加体を同時に、順次又は別個に投与する方法。
(13)
哺乳動物に(1)−(9)から選択されるいずれか1項に記載された医薬組成物の有効量を投与することを特徴とする、陰茎勃起機能不全治療方法又は陰茎勃起機能不全改善方法。
また、本発明の医薬組成物を投与する際は、それぞれのホスホジエステラーゼ5阻害剤を含有する医薬組成物、L−アルギニン又はその薬理上許容される塩を含有する医薬組成物、L−カルニチン酸付加体を含有する医薬組成物、をそれぞれ同時に又は順次に投与することが出来る。
「同時に」投与するとは、全く同時に投与することの他、薬理学上許される程度に相前後した時間に投与することも含むものである。その投与形態は、ほぼ同じ時間に投与できる投与形態であれば特に限定はないが、単一の医薬組成物であることが好ましい。
「順次に」投与するとは、異なった時間に別々に投与できる投与形態であれば特に限定はないが、例えば、1の組成物を投与し、次いで、決められた時間後に、他の組成物を投与する方法がある。
「治療」とは病気又は症状を治癒させることを意味し、「改善」とは病気又は症状を軽減或いは抑制させることを意味する。
本発明により、PDE5阻害剤と、L−アルギニン又はその薬理上許容される塩;及びL−カルニチン酸付加体を含有する医薬組成物を性行為の約1時間前に、ほぼ同時に併用すれば、陰茎勃起作用が著しく増強されかつ安全である。これにより、PDE5阻害剤の含有量を減量することが可能となるので有用である。
図1は、被験薬投与後の各時間における家兎ペニス長さの測定結果を示す。また、横軸は、投与後時間(min)を示し、縦軸は、ペニスの長さ(mm)を示す。 図2は、被験薬投与後の各時間における家兎ペニス長さの測定結果を示す。また、横軸は、投与後時間(min)を示し、縦軸は、ペニスの長さ(mm)を示す。
「陰茎勃起機能不全」とは、何らかの原因により、性交に必要とされるほどの陰茎勃起が発現しなかったり、いったん勃起しても持続せず正常な性交渉が行えなかったりする状態を指し、「陰茎勃起機能不全改善」とは、このような状態を改善することをいう。
「PDE5阻害剤」とは、PDE5を阻害する作用があれば特に限定されないが、具体的には、シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩、タダラフィル等を指す。
PDE5阻害剤として、シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩、タダラフィルは公知の化合物であり市販されているため入手できる。
L−アルギニン及びL−カルニチンは、アミノ酸であることから、薬理上許容される塩又は酸付加体を形成する。
薬理上許容される塩又は酸付加体として、好適には、フッ化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩のようなハロゲン化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩;メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩のような低級アルカンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩のようなアリ−ルスルホン酸塩、酢酸塩、リンゴ酸塩、フマ−ル酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、酒石酸塩、蓚酸塩、マレイン酸塩等の有機酸塩であり、より好適には、ハロゲン化水素酸塩又は有機酸塩である。
L−アルギニン及びL−アルギニン塩酸塩は第15改正日本薬局方に収載されている。また、L−カルニチン塩化物(塩化カルニチン)は日本薬局方外医薬品規格2002に収載されている。
本発明の医薬組成物の1日投与量における、PDE5阻害剤の含有量は1mg〜120mgであり、好ましくは、5mg〜70mgである。
また、L−アルギニン又はその薬理上許容される塩の含有量は、L−アルギニンとして0.1g〜25gであり、好ましくは、0.5g〜20gである。この範囲のL−アルギニン用量では血圧低下の副作用は発現しない(アルギニン製剤:アルギU顆粒添付文書 味の素 第2版 2008)。
さらに、L−カルニチン酸付加体の含有量は、L−カルニチンとして0.01g〜5gであり、好ましくは、0.1g〜2gである。
これらを1日1回、性行為の約1時間前に服用する。また、肺動脈性肺高血圧症の場合は当該量を3回に分けて服用する。
なお、「順次又は別個に」投与する場合には、PDE5阻害剤、L−アルギニン及びL−カルニチンを性行為の約1時間前に服用することには変わりないが、どちらかと言えば、L−カルニチンを先に投与する方が望ましい。
本発明の実施例を以下に記載するが、これらに限定されるものではない。
(実施例)錠剤
(成分)
(表1)
1〜3錠中(mg) a b c d
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
シルデナフィルクエン酸塩 20 20 − −
バルデナフィル塩酸塩 − − 10 −
タダラフィル − − − 10
L−カルニチン 150 150 150 150
L−アルギニン − 900 900 900
結晶セルロース 80 80 80 80
乳糖 60 60 60 60
ステアリン酸マグネシウム 3 5 5 5
ヒドロキシプロピルセルロース 適量 適量 適量 適量
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(製法)
上記成分および分量をとり、日局製剤総則「錠剤」の項に準じて錠剤を製造する。
(試験例1)陰茎勃起効果確認試験(静脈注射)
(1)被験物質
シルデナフィルクエン酸塩は市販の医療用バイアグラ錠(ファイザー製)を抽出した後、再度クエン酸塩としてから使用した。L−アルギニン塩酸塩は市販の日局L−アルギニン塩酸塩注射液(商品名:アルギニン注、味の素製)を使用した。L−カルニチン塩化物は市販の塩化カルニチン注射液(商品名:エントミン注、マルコ製薬製)を使用した。
シルデナフィルクエン酸塩は10mg/mLとなるように溶媒(DMSO:生理食塩水=30:70)に溶解した。L−アルギニン塩酸塩は10%濃度(100mg/mL)のアルギニン注「味の素」をそのまま使用した。L−カルニチン塩化物は10%濃度(200mg/2mL)のエントミン注をそのまま使用した。
L−アルギニン塩酸塩、L−カルニチン塩化物及びシルデナフィルクエン酸塩の合剤は、上記アルギニン注及びエントミン注にシルデナフィルクエン酸塩濃度が10mg/mLとなるように添加して作製した。
(2)使用動物
JW雄性家兎16週齢を日本SLC(株)から購入し、温度20〜26℃、湿度30〜70%、照明時間6時〜18時に制御されたウサギ飼育室内でウサギ用ブラケットテーパーケージに入れ、ウサギ飼育用飼料および水フィルターを通した水道水を自由に摂取させた。
(3)試験方法
被験物質は耳静脈内に投与した。いずれの被験物質も投与液量は0.1mL/Kgである。通常、家兎のペニスは露出しておらず、勃起時に露出してくるので、被験薬投与による勃起作用は、露出した陰茎長さによって評価できる。
被験薬投与後、1、3、5、10、15、30及び60分の間隔にて、陰茎露出長さ(mm)をノギスによって測定した。
(4)試験結果
被験薬投与後の各時間における家兎ペニス長さの測定結果を表2および図1に示す。
ここで、Sはシルデナフィルクエン酸塩(1mg/Kg)、AはL−アルギニン塩酸塩(500mg/Kg)、CはL−カルニチン塩化物(10mg/Kg)の各単剤を示す。
S+Cはシルデナフィルクエン酸塩(1mg/Kg)とL−カルニチン塩化物(10mg/Kg)の併用、また、3合剤はシルデナフィルクエン酸塩(1mg/Kg)、L−カルニチン塩化物(10mg/Kg)、L−アルギニン塩酸塩(500mg/Kg)を併用した結果である。
なお、各値とも1群6匹の平均値である。
(表2)ペニス長さ(mm)
静脈投与後の経過時間(分)
薬剤 1 3 5 10 15 30 60
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
S単剤 0.6 2.5 2.5 2.5 3.1 2.4 2.1
A単剤 4.5 3.1 3.0 1.2 1.0 0.4 0.0
C単剤 0.0 0.0 0.0 0.1 0.0 0.0 0.0
S+C 0.4 2.5 3.1 6.7 4.7 5.4 4.2
3合剤 8.3 9.7 10.9 9.0 8.5 3.8 2.8
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
表2および図1の結果より、シルデナフィルクエン酸塩単剤(S単剤)およびL−アルギニン塩酸塩(A単剤)の各単剤投与群において勃起作用が確認され、L−カルニチン塩化物単剤(C単剤)では確認されなかった。
シルデナフィルクエン酸塩とL−カルニチン塩化物の併用では、該併用群(S+C)では勃起増強作用とその持続性が認められた。
シルデナフィルクエン酸塩とL−アルギニン塩酸塩及びL−カルニチン塩化物の3併用群(3合剤)では、S+C群よりも勃起の早期発現および勃起量の増強作用が発現する。
特に、該3合剤では、投与後、20分以内に強い勃起作用が確認され、さらに、投与後、10分以内においても非常に強い勃起作用を示すことが特徴である。該3合剤はS+Cよりも若干持続性に劣るものの、例えば、AUC(mm×min)で評価すると、該S+C群では280であるが、該3合剤群では328となり総じて優れていることが判明した。
本結果は、該3合剤が、これまでに知られているシルデナフィルクエン酸塩の勃起作用とは異なって、速効性を有する陰茎勃起機能不全治療用又は改善用医薬組成物としての有用性を示すものと考えられる。
(試験例2)陰茎勃起効果確認試験(経口投与)
(1)被験物質
シルデナフィルクエン酸塩は市販の医療用バイアグラ錠50mg(ファイザー製)を粉砕して使用した。L−アルギニン塩酸塩は市販の日局L−アルギニン塩酸塩注射液(商品名:アルギニン注、味の素製)を使用した。L−カルニチン塩化物は市販の塩化カルニチン注射液(商品名:エントミン注、マルコ製薬製)を使用した。
シルデナフィルクエン酸塩は2又は4mg/mLとなるように日本薬局方注射用水を添加して調整した。L−アルギニン塩酸塩およびL−カルニチン塩化物は上記注射液をそのまま使用した。
(2)使用動物
JW雄性家兎16週齢を北山ラベス(株)から購入し、温度20〜26℃、湿度30〜70%、照明時間6時〜18時に制御されたウサギ飼育室内でウサギ用ブラケットテーパーケージに入れ、ウサギ飼育用飼料および水フィルターを通した水道水を自由に摂取させた。
(3)試験方法
家兎を固定器にて固定し、ネラトンカテーテル12号にディスポーザブル注射器を装着して経口投与した。通常、家兎のペニスは露出しておらず、勃起時に露出してくるので、被験薬投与による勃起作用は、露出した陰茎長さによって評価できる。
被験薬投与後、5、15、30、60、90、120及び180分にて、陰茎露出長さ(mm)をノギスによって測定した。
(4)試験結果
被験薬投与後の各時間における家兎ペニス長さの測定結果を表3および図2に示す。
ここで、Sはシルデナフィルクエン酸塩(10mg/Kg)、C+AはL−カルニチン塩化物(200mg/Kg)とL−アルギニン塩酸塩(400mg/Kg)の合剤、3合剤は上記3成分を併用(S+A+C)した結果である。
なお、各値とも1群3匹の平均値である。
(表3)ペニス長さ(mm)
経口投与後の経過時間
薬剤 5 15 30 45 60 90 120 180
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
S単剤 0.0 1.4 3.5 5.3 4.0 3.4 2.5 0.9
C+A 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
3合剤 0.0 4.1 9.3 5.8 5.9 4.8 5.0 1.1
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
表3および図2の結果より、シルデナフィルクエン酸塩単剤(S単剤)および3合剤(S+A+C)において勃起作用が確認され、L−カルニチン塩化物とL−アルギニン塩酸塩の合剤(C+A)では確認されなかった。
シルデナフィルクエン酸塩に、無効であったL−カルニチン及びL−アルギニン塩酸塩を併用した群(3合剤)では、S単剤群より勃起量の増強作用が発現する。AUC(mm×min)で評価すると、S単剤群では481であるが、3合剤群では813となり顕著な増強作用であることが判明した。

Claims (13)

  1. ホスホジエステラーゼ5阻害剤;及びL−カルニチン酸付加体を含有する医薬組成物。
  2. ホスホジエステラーゼ5阻害剤;L−アルギニン又はその薬理上許容される塩;及びL−カルニチン酸付加体を含有する医薬組成物。
  3. ホスホジエステラーゼ5阻害剤;L−アルギニン又はその薬理上許容される塩;及びL−カルニチン酸付加体を含有する陰茎勃起機能不全治療用又は陰茎勃起機能不全改善用医薬組成物。
  4. ホスホジエステラーゼ5阻害剤投与において得られる陰茎勃起作用を、L−アルギニン及びL−カルニチン酸付加体を含有させることによって増強させるための請求項1−3から選択される1項に記載の医薬組成物。
  5. ホスホジエステラーゼ5阻害剤が、シルデナフィル、バルデナフィル、タダラフィル及びそれらの薬理上許容される塩からなる群から選択される1である、請求項1−4から選択されるいずれか1項に記載の医薬組成物。
  6. ホスホジエステラーゼ5阻害剤が、シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物又はタダラフィルである、請求項1−4から選択されるいずれか1項に記載の医薬組成物。
  7. ホスホジエステラーゼ5阻害剤が、シルデナフィルクエン酸塩である、請求項1−4から選択されるいずれか1項に記載の医薬組成物。
  8. L−アルギニン又はその薬理上許容される塩が、L−アルギニン塩酸塩である請求項2−7から選択されるいずれか1項に記載の医薬組成物。
  9. L−カルニチン酸付加体が、L−カルニチン塩化物である請求項1−8から選択されるいずれか1項に記載の医薬組成物。
  10. ホスホジエステラーゼ5阻害剤と、L−アルギニン又はその薬理上許容される塩;及びL−カルニチン酸付加体を同一の医薬組成物中に含有する請求項1−9から選択されるいずれか1項に記載の医薬組成物の製造方法。
  11. 陰茎勃起機能不全治療用又は陰茎勃起機能不全改善用医薬組成物を製造するための、ホスホジエステラーゼ5阻害剤;L−アルギニン又はその薬理上許容される塩;及びL−カルニチン酸付加体の使用。
  12. ホスホジエステラーゼ5阻害剤と、L−アルギニン又はその薬理上許容される塩;及びL−カルニチン酸付加体を同時に、順次又は別個に投与する方法。
  13. 哺乳動物に請求項1−9から選択されるいずれか1項に記載された医薬組成物の有効量を投与することを特徴とする、陰茎勃起機能不全治療方法又は陰茎勃起機能不全改善方法。
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