[go: up one dir, main page]

JP2010220748A - シートフレーム及びシートフレームの製造方法 - Google Patents

シートフレーム及びシートフレームの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010220748A
JP2010220748A JP2009070212A JP2009070212A JP2010220748A JP 2010220748 A JP2010220748 A JP 2010220748A JP 2009070212 A JP2009070212 A JP 2009070212A JP 2009070212 A JP2009070212 A JP 2009070212A JP 2010220748 A JP2010220748 A JP 2010220748A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dimensional braiding
seat frame
frame
dimensional
braiding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009070212A
Other languages
English (en)
Inventor
Ryuta Kamiya
隆太 神谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyota Industries Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Industries Corp filed Critical Toyota Industries Corp
Priority to JP2009070212A priority Critical patent/JP2010220748A/ja
Publication of JP2010220748A publication Critical patent/JP2010220748A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Seats For Vehicles (AREA)

Abstract

【課題】生産性及び強度を向上させることができるシートフレームを提供する。
【解決手段】シートフレーム10は、左右のサイドフレーム11a,11bと、両サイドフレーム11a,11bの一端部間を連結する連結フレーム11cとで構成されている。シートフレーム10は、一方のサイドフレーム11aから連結フレーム11cを経て他方のサイドフレーム11bにわたって延在する三次元ブレイディング(三次元組紐)を強化繊維として備える繊維強化複合材で形成されている。シートフレーム10は中空状に形成されている。三次元ブレイディングは筒状に形成され、周方向に継ぎ目がない状態に形成されている。三次元ブレイディングは両サイドフレーム11a,11bの部分において一端部側、即ち連結フレーム11cに連続する側より他端部側(基端側)の断面形状が大きくなるように形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、シートフレーム及びシートフレームの製造方法に係り、詳しくは車両、船舶あるいは航空機等の座席を構成するシートフレーム及びその製造方法に関する。
従来、自動車のシートフレームは金属製で量産品は鉄製が主流である。シートフレームを金属製にした場合は重量が重く、燃費向上の阻害要因となっている。シートフレームの軽量化を図るためシートフレームを繊維強化樹脂で形成することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、図7(a),(b)に示すように、フレーム主体51を繊維強化樹脂板で形成した左右の両サイドフレーム52及び上下の両フレーム53を相互に接着固定し、そのフレーム主体51の内側部分に熱硬化樹脂製の背板部54を備えたシートバックフレームが従来技術として記載されている。そして、このシートバックフレームは、フレーム主体51が一定の板厚の板材からそれぞれ別々に型抜き成形されたフレーム部材を接合したものであるため、接合部の強度が低く、厚さ方向の寸法に変化を付けることができず、設計の自由性がない。そこで、特許文献1は、これらの問題を解消するためのシートバックフレームを提案している。改良されたシートバックフレームは、図8(a)に示すように、フレーム主体61は、左右の両サイドフレーム部62、上下の両フレーム部63及び背板部64が繊維強化樹脂を用いて一体形成されている。各フレーム部は図8(b)に示すように、横断面略U字形状に形成されるとともに、該フレーム部のU字形内端に囲まれる部分に背板部64が連続形成されている。
実開昭63−175956号公報
ところが、特許文献1に提案された図8に示すシートバックフレームは、背板部64が必須になり、背板部64が省略されて両サイドフレーム部62及び上下の両フレーム部63により略逆U字状に形成されたシートフレームには適用できない。このような略逆U字状のシートフレームを、繊維強化樹脂を用いて一体形成するには、図9に示すように、平面状のプリプレグ70から略逆U字形状に打ち抜いたプリプレグ70aを複数枚積層して加熱加圧する必要がある。しかし、略逆U字形状に打ち抜いたプリプレグ70aを複数枚積層して形成する方法では、略逆U字形状のプリプレグ70aを形成するのに無駄が多くなるという問題がある。
本発明は、前記従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、生産性及び強度を向上させることができるシートフレーム及びその製造方法を提供することにある。
前記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、左右のサイドフレームと、前記両サイドフレームの一端部間を連結する連結フレームとが、一方のサイドフレームから前記連結フレームを経て他方のサイドフレームにわたって延在する三次元ブレイディングを強化繊維として備える繊維強化複合材で形成されている。ここで、「三次元ブレイディング」とは、組紐組織により立体的に形成されたものを意味する。
この発明では、強化繊維として三次元ブレイディングが用いられるため、プリプレグを複数枚積層して形成するのに比べて生産性が向上する。また、プリプレグを積層したり、強化繊維として平面状の織物を積層したり、単に繊維を配列したりする場合と比べて強度が向上する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記三次元ブレイディングは前記両サイドフレームの部分において一端部側より他端部側の断面形状が大きくなるように形成されている。したがって、この発明では、サイドフレームの断面積を一定にした場合に比べて、強度及び材料使用量の点から好ましい。また、三次元ブレイディングのため、サイドフレームの断面積を部分的に変更するのも容易である。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記三次元ブレイディングは筒状に形成されている。したがって、この発明では、三次元ブレイディングは周方向に継ぎ目のない構造をしているので、繊維強化複合材の強度を上げることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記三次元ブレイディングは、周の長さが、最小周長部から両端部に向かって単調増加するように形成されている。ここで、「最小周長部」とは、周の長さが一番短いところを意味する。したがって、この発明では、三次元ブレイディングは、最小周長部から両端部に向かって次第に周長が長くなる形状や、最小周長部とそれより周長が長くかつ一定の周長部とを備えた形状や、周長が段階的に変化する形状に形成される。そのため、最小周長部のところで分割できるマンドレルを使用することにより、一定断面でない三次元ブレイディングを容易に作成できる。
請求項5に記載の発明は、三次元ブレイディング装置を使用してマンドレルの外側に糸条を巻きつけて三次元ブレイディングを形成する三次元ブレイディング形成工程と、形成された三次元ブレイディングの内側から前記マンドレルを除去するマンドレル除去工程と、マンドレルが除去された三次元ブレイディングを押しつぶしてシートフレームの骨格形状とする三次元ブレイディング押圧工程と、シートフレームの骨格形状になった三次元ブレイディングに樹脂を含浸硬化させる樹脂含浸硬化工程とを備えている。ここで、「糸条」とは、繊維が撚りを掛けられずに引きそろえられた繊維束あるいは撚りを掛けられた糸を意味する。
この発明では、三次元ブレイディングを形成する際にマンドレルを用いてその外側に糸条を巻きつけるため、径が途中で変化する筒状の三次元ブレイディングを容易に形成することができる。また、筒状の三次元ブレイディングを押しつぶしてシートフレームの骨格形状に合わせるため、最初から目的とする形状の筒状の三次元ブレイディングを形成して樹脂を含浸硬化させるのに比べて、容易に繊維強化複合材を形成することができる。
本発明によれば、繊維強化複合材製のシートフレームの生産性及び強度を向上させることができる。
(a)は第1の実施形態のシートフレームの模式斜視図、(b)は(a)のA−A線における断面図、(c)は三次元ブレイディングの組織状態の部分模式図。 マンドレルの模式斜視図。 座席を示す模式斜視図。 (a),(b)は第2の実施形態のシートフレームの模式断面図。 マンドレルの模式斜視図。 (a),(b)は別の実施形態における三次元ブレイディングの組織状態を示す模式図。 (a)は従来技術のシートバックフレームの斜視図、(b)は(a)のB−B線における断面図。 (a)は別の従来技術のシートバックフレームの斜視図、(b)は(a)のC−C線における断面図。 別の従来技術を説明する模式平面図。
(第1の実施形態)
以下、本発明を自動車のシートフレームに具体化した第1の実施形態を図1〜図3にしたがって説明する。
図1(a)に示すように、シートフレーム10は、左右のサイドフレーム11a,11bと、両サイドフレーム11a,11bの一端部間を連結する連結フレーム11cとで構成されている。シートフレーム10は、一方のサイドフレーム11aから連結フレーム11cを経て他方のサイドフレーム11bにわたって延在する三次元ブレイディング(三次元組紐)を強化繊維として備える繊維強化複合材で形成されている。図1(b)に示すように、シートフレーム10は中空状に形成されている。三次元ブレイディングは筒状に形成され、周方向に継ぎ目がない状態に形成されている。三次元ブレイディングは両サイドフレーム11a,11bの部分において一端部側、即ち連結フレーム11cに連続する側より他端部側(基端側)の断面形状が大きくなるように形成されている。即ち、三次元ブレイディングは、周の長さが、最小周長部から両端部に向かって次第に周長が長くなるように形成されている。ここで、「最小周長部」とは、周の長さが一番短いところを意味する。
図1(c)に示すように、三次元ブレイディング12は、三次元ブレイディング12の厚さ方向(径方向)の両面で折り返すとともに、三次元ブレイディング12の長手方向に所定の配向角をなすように配列された多数の糸条13と、三次元ブレイディング12の長手方向に沿って、即ち配向角0°で配列された複数本の糸条14とで構成されている。したがって、三次元ブレイディング12を構成する糸条13,14は、切断端が厚さ方向の端部に露出することはない。なお、配向角とは三次元ブレイディング12の長手方向となす角度であり、その値は例えば±10°〜80°の範囲で適宜設定されるが、三次元ブレイディング12の径の大きな部分では大きく、径の小さな部分小さく設定される。
糸条13,14としては軽量で破断強度が高く、弾性率の大きい例えば炭素繊維の繊維束(ロービング)が使用される。また、繊維強化複合材のマトリックス樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂等の熱硬化性樹脂が使用される。
次に前記のように構成されたシートフレームの製造方法を説明する。シートフレームの製造方法は、三次元ブレイディング形成工程と、マンドレル除去工程と、樹脂含浸硬化工程とを備えている。三次元ブレイディング形成工程では三次元ブレイディング装置を使用して、マンドレルの外側に糸条を巻きつけて三次元ブレイディングを形成する。
三次元ブレイディング形成工程では、三次元ブレイディング装置として、例えば、特公平3−64619号公報、特公平4−13463号公報等に開示されている三次元ブレーダ(ロータ・キャリア方式三次元織物織機)が使用される。そして、形成すべき三次元ブレイディングの中空部の形状を有する図2に示すような、マンドレル15を使用して、マンドレル15の外側に糸条13,14を巻きつける状態で組紐組織を形成する。マンドレル15は、連結フレーム11cに対応する幅狭部15aの両端にサイドフレーム11a,11bに対応して幅が変化する幅広部15bが連続して直線状に延びる形状に形成され、幅狭部15aの部分で二つに分割可能に形成されている。そして、一方の幅狭部15aの部分にねじ穴が形成され、他方には前記ねじ穴に螺合する雄ねじ部を有するボルトの軸部が挿通される貫通孔が形成され、ボルトにより連結されている。
マンドレル除去工程では、三次元ブレイディング形成工程で形成された三次元ブレイディングをマンドレル15と共に三次元ブレイディング装置から取りはずす。そして、マンドレル15を連結しているボルトを外し、三次元ブレイディングの内側からマンドレル15を除去する。三次元ブレイディングはマンドレル15の形状に対応してサイドフレーム11a,11b及び連結フレーム11cの基材となる部分が真っ直ぐな状態で形成されるため、その三次元ブレイディングをシートフレーム10の形状に合わせて屈曲させた後に樹脂含浸硬化工程において熱硬化性樹脂を含浸硬化させる。
樹脂含浸硬化工程では、RTM法で三次元ブレイディングに熱硬化性樹脂を含浸させるとともに熱硬化させる。なお、三次元ブレイディングの内側に樹脂が充填されるのを抑制するため、三次元ブレイディングは内側に取り出し容易なビーズが充填されるとともに両端が蓋で塞がれた状態で金型内に配置される。そして、熱硬化後、金型を開いて繊維強化複合材で一体形成されたシートフレーム10が取り出され、三次元ブレイディングの内側から蓋及びビーズが取り出されて、シートフレーム10の製造が完了する。
シートフレーム10は、図3に示すように、座席16の座部を構成する座部用シートフレーム17に連結軸18あるいはボルト(図示せず)を介して連結される。そのためシートフレーム10には、連結軸18あるいはボルトが挿通される孔が形成される。孔は、シートフレーム10を製造した後に形成してもよいが、三次元ブレイディングに熱硬化性樹脂を含浸させる前に形成してもよい。例えば、三次元ブレイディングの孔を形成する部分に孔開け部材を挿通した状態で含浸硬化用の金型内に三次元ブレイディングを配置して、熱硬化性樹脂の含浸硬化を行うようにしてもよい。
この実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)シートフレーム10は、左右のサイドフレーム11a,11bと、両サイドフレーム11a,11bの一端部間を連結する連結フレーム11cとが、一方のサイドフレーム11aから連結フレーム11cを経て他方のサイドフレーム11bにわたって延在する三次元ブレイディングを強化繊維として備える繊維強化複合材で形成されている。したがって、プリプレグを複数枚積層して形成するのに比べて生産性が向上する。また、プリプレグを積層したり、強化繊維として平面状の織物を積層したり単に繊維を配列したりする場合と比べて強度が向上する。
(2)三次元ブレイディングは、両サイドフレーム11a,11bの部分において一端部側(先端部側)より他端部側(基端部側)の断面形状が大きくなるように形成されている。したがって、サイドフレーム11a,11bの断面積を一定にした場合に比べて、強度及び材料使用量の点から好ましい。また、三次元ブレイディングのため、強化繊維が連続する状態でサイドフレーム11a,11bの断面積を部分的に変更するのも容易である。
(3)三次元ブレイディング12は、三次元ブレイディング12の長手方向に対して斜めに交差するように配列された糸条13が三次元ブレイディングの厚さ方向(径方向)の両面で折り返すように組織され、糸条13の切断面が三次元ブレイディングの厚さ方向の両面に存在しない。したがって、シートフレーム10に曲げ応力が加えられても、三次元ブレイディングの厚さ方向の表面から破壊が生じ難く、従来の積層繊維を強化材としたシートフレーム、即ち単に積層した繊維織物や不織布に樹脂を含浸、硬化させたシートフレームに比べて耐久性が向上する。また、シートフレーム10を構成する繊維強化複合材の厚さ方向と直交する平面で明確に分けられる層が存在せず、シートフレーム10に曲げ応力が繰り返し作用しても、従来の平面状の織物を積層して強化材としたものと異なって層間剥離が発生し難く、耐久性が向上する。
(4)シートフレーム10は中空状に形成され、三次元ブレイディング12は筒状に形成されて、周方向に継ぎ目がない状態の強化繊維として使用されている。したがって、同じ重量で外形が相似形状の充実体とした場合に比べてシートフレーム10の曲げ強度が向上する。また、三次元ブレイディング12をシートフレーム10の形状に折り曲げる作業が、三次元ブレイディング12が充実体状の場合に比べて簡単になる。
(5)強化繊維を構成する糸条13,14として炭素繊維が使用されているため、従来のような鉄製のシートフレームと比較した場合、同じ強度のシートフレーム10であれば軽量化を図ることができ、同じ重量のシートフレーム10であれば強度向上を図ることができる。
(6)三次元ブレイディング12は、周の長さが、最小周長部から両端部に向かって次第に周長が長くなるように形成されている。したがって、最小周長部のところで分割できるマンドレル15を使用することにより、一定断面でない三次元ブレイディング12を容易に作成することができる。
(7)シートフレーム10の製造方法は、三次元ブレイディング装置を使用してマンドレル15の外側に糸条13,14を巻きつけて三次元ブレイディングを形成する三次元ブレイディング形成工程と、形成された三次元ブレイディングの内側からマンドレル15を除去するマンドレル除去工程とを備えている。したがって、太さが途中で変化する筒状の三次元ブレイディングを容易に形成することができる。
(8)形成された三次元ブレイディングへの熱硬化性樹脂の含浸硬化は、RTM法で行われる。したがって、熱硬化性樹脂を三次元ブレイディングの強化繊維間に均一に含浸させた状態で硬化させ易い。
(第2の実施形態)
次に第2の実施形態を図4及び図5にしたがって説明する。この実施形態は、シートフレーム10は中空状ではなく、充実体に形成されている点が第1の実施形態と異なっている。第1の実施形態と基本的に同一部分は同一符号を付して詳しい説明を省略する。
シートフレーム10は図4(a)に示すように断面コ字状、又は図4(b)に示すように断面ハット状に形成されている。このような断面形状の三次元ブレイディング12は、筒状の三次元ブレイディングを内面が密着するように、かつ対応する断面形状となるように押しつぶすことにより形成される。なお、図4(a)及び図4(b)において断面を表すハッチングを省略している。
この実施形態におけるシートフレーム10の製造方法は、三次元ブレイディング形成工程と、マンドレル除去工程と、三次元ブレイディング押圧工程と、樹脂含浸硬化工程とを備えている。即ち、第1の実施形態の製造方法におけるマンドレル除去工程と樹脂含浸硬化工程との間に三次元ブレイディング押圧工程が設けられている。
三次元ブレイディング形成工程では、図5に示すように、断面円形で両側に設けられた大径部19aが小径部19bで連結された形状のマンドレル19を用いて三次元ブレイディング12が形成される。マンドレル19は、小径部19bで分割可能に形成されるとともに、マンドレル15と同様に図示しないボルトで連結されている。そして、三次元ブレイディング押圧工程では、マンドレル除去工程でマンドレル19が除去された三次元ブレイディングをシートフレーム10の外形に合わせて屈曲させた後、押しつぶしてシートフレーム10の骨格形状とするか、押しつぶしながら曲げ加工を行ってシートフレーム10の骨格形状とする。樹脂含浸硬化工程では、シートフレーム10の骨格形状になった三次元ブレイディング12に樹脂を含浸硬化させる。
この第2の実施形態によれば、第1の実施形態の(1)〜(3),(5),(8)の効果に加えて以下の効果を得ることができる。
(9)シートフレーム10は断面コ字状又は断面ハット状に形成されているため、中空の場合と異なり、強化繊維としての三次元ブレイディング12に熱硬化性樹脂を含浸硬化させる際に、中空部が埋まらないようにする作業が不要となり、含浸硬化処理が簡単になる。
(10)三次元ブレイディング12は断面円形の筒状に形成されているため、断面が略四角筒状の場合に比べて、三次元ブレイディング12の形成及びシートフレーム10の外形に合わせて屈曲させる作業が容易になり、生産性が向上する。
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○ 三次元ブレイディング12を構成する糸条13,14として炭素繊維製のもののみを使用する代わりに、一部の糸条13,14を炭素繊維製に、他の糸条13,14をアラミド繊維、PBO繊維(ポリパラフェニレン・ベンゾビス・オキサゾール繊維)、超高分子量ポリエチレン繊維等の高強度高弾性の有機繊維製にしてもよい。また、配向角0°の糸条14を炭素繊維製にして、糸条13を有機繊維製にしてもよい。炭素繊維は軽量で高強度であるが脆性破壊を起こし易い。しかし、糸条13,14に高強度高弾性の有機繊維製のものと炭素繊維製のものとを混合して三次元ブレイディング12を形成することにより、脆性破壊が生じ難くなる。そのため、衝突荷重に対して全断面が一気に破断することなく、エネルギー吸収が大きく安全性がより向上する。
○ 繊維強化複合材を構成するマトリックス樹脂は熱硬化性樹脂に限らず、例えば、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリオキシメチレン、ポリフェニレンエーテル等の熱可塑性樹脂を使用してもよい。強度の点では熱硬化性樹脂の方が熱可塑性樹脂より好ましいが、熱可塑性樹脂は靭性の点で熱硬化性樹脂より優れ、衝突荷重に対して全断面が一気に破断することなく、エネルギー吸収が大きく安全性が向上する。中でも成形性、力学的特性及びコストの点でポリアミドが良い。
○ 三次元ブレイディング12の組織は、図6(a)に示すように、三次元ブレイディング12の長手方向に対して斜めに配列される糸条13が三次元ブレイディング12の厚さ方向の両面で折り返すものに限らず、例えば、図6(b)に示すように、糸条13が2層にわたって折り返すように配列されるなど、糸条13が複数の層にわたって折り返すように配列されていればよい。但し、図6(a)及び図6(b)では、図示の都合上、糸条13が同一平面上で折り返すように配列して描いているが、実際は同一平面上に配列されてはいない。
○ 三次元ブレイディングとして、平面状の組紐組織(二次元ブレイディング)が複数枚重ねられた状態で、かつ両端部が一体的に結合された構成のものを用いてもよい。要は、三次元ブレイディングが、三次元構造又は二次元ブレイディングが複数枚重ねられた状態で一体的に結合された構造となるようにブレイディング装置によって形成されていれば良い。この場合も、織物を積層して樹脂を含浸させるより生産性が高くなる。
○ 第1の実施形態のようにシートフレーム10を中空状に形成する場合、三次元ブレイディング12は断面略矩形状に限らず、他の多角形断面形状や断面円形状、断面楕円形状としてもよい。また、断面円形状のマンドレル19を使用して断面円形の筒状の三次元ブレイディング12を形成した後、マンドレル19が除去された三次元ブレイディング12を押圧して断面形状を変更するようにしてもよい。
○ 最小周長部のところで分割できるマンドレルを使用することにより容易に作成できる筒状の三次元ブレイディングは、最小周長部から両端部に向かって次第に周長が長くなる形状に限らず、最小周長部から両端部に向かって単調増加する形状であればよい。例えば、最小周長部とそれより周長が長くかつ一定の周長部とを備えた形状や、周長が段階的に変化する形状等が挙げられる。
○ シートフレーム10の外形に対応するように略U字状に屈曲された三次元ブレイディング12を形成する場合、真っ直ぐな三次元ブレイディング12を形成した後に折り曲げる方法に限らない。例えば、三次元ブレイディング装置で三次元ブレイディング12を形成する際に、シートフレーム10の外形に合わせて屈曲したマンドレルを使用して、シートフレーム10の外形と同様に屈曲した三次元ブレイディング12を形成してもよい。この場合、溶融させるのに適した材質のマンドレルを使用し、三次元ブレイディングを形成した後にマンドレルを溶融させることでマンドレルを除去する方法が考えられる。また、シートフレーム10より屈曲度合いが小さく屈曲したマンドレルを使用して屈曲度合いの小さな三次元ブレイディング12を先ず形成した後、屈曲度合いをシートフレーム10に合わせるように曲げて三次元ブレイディング12を形成してもよい。
○ 筒状の三次元ブレイディング12を断面コ字状又は断面ハット状に押しつぶすのに専用の金型を使用せずに、樹脂含浸硬化用の金型を使用してもよい。
○ 座席16の背部用のシートフレーム10に限らず、例えば、図3に示すような座部用シートフレーム17に適用してもよい。座部用シートフレーム17は、両サイドフレーム17a,17bと、両サイドフレーム17a,17bの一端部間を連結する連結フレーム17cとで構成されている。
○ 自動車のシートフレームに限らず、航空機や船舶等の座席のシートフレームに適用してもよい。
○ 三次元ブレイディング12は、その長手方向に沿って配列角0°で延びる糸条14がなく、長手方向に対して斜めに延びるように配列された糸条13のみで形成されてもよい。しかし、配列角0°の糸条14が存在する方が、曲げや引っ張りに対する強度が大きくなる。
○ 三次元ブレイディング12は、太さが同じ糸条13,14のみで組織する代わりに、太さの異なる糸条13,14を組み合わせて組織してもよい。これらの場合、繊維強化複合材の強度や剛性を調整するのが容易となる。
以下の技術的思想(発明)は前記実施形態から把握できる。
(1)請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記三次元ブレイディングは、筒状の三次元ブレイディングを内面が密着するようにかつ断面コ字状又は断面ハット状に押しつぶされた状態で強化繊維として使用されている。
10…シートフレーム、11a,11b,17a,17b…サイドフレーム、11c,17c…連結フレーム、12…三次元ブレイディング、13,14…糸条、15,19…マンドレル。

Claims (5)

  1. 左右のサイドフレームと、前記両サイドフレームの一端部間を連結する連結フレームとが、一方のサイドフレームから前記連結フレームを経て他方のサイドフレームにわたって延在する三次元ブレイディングを強化繊維として備える繊維強化複合材で形成されていることを特徴とするシートフレーム。
  2. 前記三次元ブレイディングは前記両サイドフレームの部分において一端部側より他端部側の断面形状が大きくなるように形成されている請求項1に記載のシートフレーム。
  3. 前記三次元ブレイディングは筒状に形成されている請求項1又は請求項2に記載のシートフレーム。
  4. 前記三次元ブレイディングは、周の長さが、最小周長部から両端部に向かって単調増加するように形成されている請求項3に記載のシートフレーム。
  5. 三次元ブレイディング装置を使用してマンドレルの外側に糸条を巻きつけて三次元ブレイディングを形成する三次元ブレイディング形成工程と、形成された三次元ブレイディングの内側から前記マンドレルを除去するマンドレル除去工程と、マンドレルが除去された三次元ブレイディングを押しつぶしてシートフレームの骨格形状とする三次元ブレイディング押圧工程と、シートフレームの骨格形状になった三次元ブレイディングに樹脂を含浸硬化させる樹脂含浸硬化工程とを備えていることを特徴とするシートフレームの製造方法。
JP2009070212A 2009-03-23 2009-03-23 シートフレーム及びシートフレームの製造方法 Pending JP2010220748A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009070212A JP2010220748A (ja) 2009-03-23 2009-03-23 シートフレーム及びシートフレームの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009070212A JP2010220748A (ja) 2009-03-23 2009-03-23 シートフレーム及びシートフレームの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010220748A true JP2010220748A (ja) 2010-10-07

Family

ID=43038612

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009070212A Pending JP2010220748A (ja) 2009-03-23 2009-03-23 シートフレーム及びシートフレームの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010220748A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013008752A1 (ja) 2011-07-13 2013-01-17 東レ株式会社 背もたれ用フレーム構造体およびその製造方法
WO2013011852A1 (ja) * 2011-07-15 2013-01-24 東レ株式会社 背もたれ用フレーム構造体およびその製造方法
CN103358957A (zh) * 2012-03-29 2013-10-23 丰田纺织株式会社 车辆座椅
WO2013168768A1 (ja) * 2012-05-10 2013-11-14 東レ株式会社 車両用シートクッションフレームおよびその製造方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005219328A (ja) * 2004-02-05 2005-08-18 Murata Mach Ltd Frp製シャフト及びその製造方法
JP2005334364A (ja) * 2004-05-27 2005-12-08 Toyota Motor Corp シート
JP2007217804A (ja) * 2006-02-14 2007-08-30 Murata Mach Ltd 組機可動式ブレイダー装置
JP2009034885A (ja) * 2007-08-01 2009-02-19 Toyota Motor Corp フランジ付き繊維強化樹脂中空部品の成形方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005219328A (ja) * 2004-02-05 2005-08-18 Murata Mach Ltd Frp製シャフト及びその製造方法
JP2005334364A (ja) * 2004-05-27 2005-12-08 Toyota Motor Corp シート
JP2007217804A (ja) * 2006-02-14 2007-08-30 Murata Mach Ltd 組機可動式ブレイダー装置
JP2009034885A (ja) * 2007-08-01 2009-02-19 Toyota Motor Corp フランジ付き繊維強化樹脂中空部品の成形方法

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9487118B2 (en) 2011-07-13 2016-11-08 Toray Industries, Inc. Frame structure for backrest and method for manufacturing the same
CN103648842A (zh) * 2011-07-13 2014-03-19 东丽株式会社 靠背用框架结构体及其制造方法
JPWO2013008752A1 (ja) * 2011-07-13 2015-02-23 東レ株式会社 背もたれ用フレーム構造体およびその製造方法
WO2013008752A1 (ja) 2011-07-13 2013-01-17 東レ株式会社 背もたれ用フレーム構造体およびその製造方法
WO2013011852A1 (ja) * 2011-07-15 2013-01-24 東レ株式会社 背もたれ用フレーム構造体およびその製造方法
US9132760B2 (en) 2011-07-15 2015-09-15 Toray Industries, Inc. Frame structure for backrest and method for manufacturing the same
CN103358957B (zh) * 2012-03-29 2015-10-14 丰田纺织株式会社 车辆座椅
CN103358957A (zh) * 2012-03-29 2013-10-23 丰田纺织株式会社 车辆座椅
US20150108819A1 (en) * 2012-05-10 2015-04-23 Toray Industries, Inc. Seat cushion frame for vehicle and production method therefor
JPWO2013168768A1 (ja) * 2012-05-10 2016-01-07 東レ株式会社 車両用シートクッションフレームおよびその製造方法
EP2848465A4 (en) * 2012-05-10 2016-03-02 Toray Industries SEAT CUSHION FRAME FOR VEHICLE AND PRODUCTION METHOD THEREOF
US9327631B2 (en) 2012-05-10 2016-05-03 Toray Industries, Inc. Seat cushion frame for vehicle and production method therefor
WO2013168768A1 (ja) * 2012-05-10 2013-11-14 東レ株式会社 車両用シートクッションフレームおよびその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101886877B1 (ko) 직조 모재, 복합물 및 그 제조방법
JP5420647B2 (ja) 有機マトリックス複合材から作られる構造部品を製造する方法、および得られる部品
CN102648080B (zh) 编织预制件、复合材料、及其制造方法
KR20110002009A (ko) 복합재 구조의 강화를 위한 프리폼과 이의 제조방법
JP4930283B2 (ja) 繊維強化樹脂製歯車
JP2010220748A (ja) シートフレーム及びシートフレームの製造方法
EP3190307B1 (en) Energy-absorbing member
JP5655386B2 (ja) 繊維強化プラスチック成形体の製造方法
JP6493094B2 (ja) 繊維構造体及び繊維強化複合材
WO2017026355A1 (ja) 防振部材及び防振部材の製造方法
KR102464884B1 (ko) 다층 섬유강화 수지복합재의 제조방법 및 그에 따라 제조되는 성형품
JP2009107408A (ja) クラッシュボックスとその製造方法
US20130213560A1 (en) Method for producing parts made from composite materials with a braided covering
WO2012014613A1 (ja) 繊維基材及び繊維強化複合材料
JP2009039966A (ja) 繊維強化樹脂歯車
WO2011021463A1 (ja) 三次元ブレイディング、繊維強化複合材料及び繊維強化複合材料の製造方法
JP2007263098A (ja) 風車翼
US20080277047A1 (en) Frp honeycomb structure and method for manufacturing the same
KR102507820B1 (ko) 다층 섬유강화 수지복합재의 제조방법 및 그에 따라 제조되는 성형품
JP2018126932A (ja) 軸状複合部材
WO2012014605A1 (ja) 繊維基材及び繊維強化複合材料
JP5023884B2 (ja) 繊維強化樹脂製歯車及びその製造方法
JP2020104308A (ja) 繊維強化樹脂体
WO2020100797A1 (ja) 紡績糸
JP2020049860A (ja) 繊維強化樹脂体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110903

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130327

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20130402

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Effective date: 20130730

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02