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JP2010218905A - 基板用金属材料、基板用金属材料の表面粗化処理方法および基板用金属材料の製造方法 - Google Patents

基板用金属材料、基板用金属材料の表面粗化処理方法および基板用金属材料の製造方法 Download PDF

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JP2010218905A
JP2010218905A JP2009064742A JP2009064742A JP2010218905A JP 2010218905 A JP2010218905 A JP 2010218905A JP 2009064742 A JP2009064742 A JP 2009064742A JP 2009064742 A JP2009064742 A JP 2009064742A JP 2010218905 A JP2010218905 A JP 2010218905A
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JP2009064742A
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Shingo Amamiya
慎悟 雨宮
Tsuneji Nukaga
恒次 額賀
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Hitachi Cable Ltd
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Abstract

【課題】過酷な環境変化を受けても、樹脂との接着強度を維持することができる基板用金属材料、基板用金属材料表面粗化処理方法および基板用金属材料製造方法を提供する。
【解決手段】基板用の金属材料であって、略球状の金属粒子7が金属板6の表面の一部または全面に3段以上積み重ねられることにより表面粗化される。前記金属粒子7が銅、ニッケル、亜鉛、コバルト、鉄、モリブデン、タングステンの中の1種類、または2種類以上の合金から形成されるのが好ましい。
【選択図】図2

Description

本発明は、基板用金属材料、基板用金属材料の表面粗化処理方法および基板用金属材料の製造方法に関するものであり、特に、大電流通電基板に用いられる片面または両面粗化処理付き基板用金属材料、基板用金属材料の表面粗化処理方法および基板用金属材料の製造方法に関するものである。
近年まで、大電流通電用の部品には、主にバスバーが使われてきた。前記バスバーによる配電方法は、厳しい温度変化に強く、信頼性が求められる車載用の通電方法に適しているためである。
しかし、近年では空間的な制限による省スペース化やコスト面での改善が求められている。特に、自動車業界におけるエレクトロニクス化の進行は目覚しいものがあり、今後ますますエレクトロニクス化が進行していくと考えられる。
そのため、前記バスバーなどの従来の大電流通電用部品に取って代わる製品が求められている。
このニーズを満たす方法の1つに、従来の大電流通電用部品を基板化することが挙げられる。しかし、そのためには厳しい環境下で一定の電流を流しても、基板上の配線が切れたり剥がれたりしないような信頼性が求められる。すなわち、基板化には、前記バスパーのような従来の大電流通電用部品と同等の、厳しい環境変化への耐性が求められる。
一方、基板化する際には、プリント配線板とFR−4のようなプリプレグの樹脂シートとをホットプレス接合する必要がある。そして、前記ホットプレス接合を行うためには、プリント配線板における基板用金属の銅条表面を粗化する必要がある。そして、前記銅条表面を粗化するには、粗化めっき処理を行う必要がある。
しかしながら、前記基板用金属の板厚が大きい圧延銅箔だと、フレキシブルプリント基板(FPC)のような配線板などに多く使用されているような板厚が小さい圧延銅箔に比べて、圧延銅箔表面に凹凸が少ない。そのため、板厚が大きい圧延銅箔に対して前記粗化めっき処理を行ったとしても、樹脂と圧延銅箔を貼り合わせた際に接着強度を維持できるアンカー効果があまり期待できない。
よって、従来の板厚が小さい圧延銅箔の表面粗化技術を、板厚の大きい圧延銅箔に適用しようとしても適合させるのは難しい。そのため、厚い銅条や銅箔に対しては、薄い銅条や銅箔の場合とは異なる粗化処理を行う必要がある。
さらに、これらの基板を車のエンジンルーム等のように温度変化が激しい過酷な環境で使用する場合、回路や放熱材が樹脂から剥離しないような接着強度を維持することは難しい。つまり、従来の技術で作製した基板を過酷な環境下に置くと、プリント配線板と樹脂との密着性が低下するおそれがある。そのため、接着強度において信頼性の高い基板が必要とされる。
なお、配線板と樹脂との接着強度を維持する技術として、最初にエッチング液で圧延銅箔表面を削ることにより金属粒界に凹部を形成し複数の丘陵状凸部を形成して圧延銅箔表面に凹凸を形成し、次に電気粗化めっきによって微細粒子を前記丘陵状凸部に付着させることにより、配線板と樹脂との接着強度を維持することが知られている(例えば、特許文
献1参照)。
特開2004−200557号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、「エッチング」と「電気粗化めっき」の2段階の工程が必要となる。この場合、少なくとも2種類の液を管理する必要があり、プリント配線板における基板用金属のような長尺な金属板の表面形状を維持し続けることが困難となるおそれがある。
本発明の目的は、過酷な環境変化を受けても、樹脂との接着強度を維持することができる基板用金属材料、基板用金属材料の表面粗化処理方法および基板用金属材料の製造方法を提供することである。
本発明の第一の態様は、基板用の金属材料であって、略球状の金属粒子が金属板の表面の一部または全面に3段以上積み重ねられることにより表面粗化されることを特徴とする。
本発明の第二の態様は、第一の態様に記載の発明において、前記金属粒子が銅、ニッケル、亜鉛、コバルト、鉄、モリブデン、タングステンの中の1種類、または2種類以上の合金から形成されることを特徴とする。
本発明の第三の態様は、第一または第二の態様に記載の発明において、前記金属粒子の平均粒子径が0.3μm以上5μm以下であることを特徴とする。
本発明の第四の態様は、第一ないし第三のいずれかの態様に記載の基板用金属材料に対し、平均粒子径が0.2μm以下の微細金属粒子を付着させたことを特徴とする。
本発明の第五の態様は、第一ないし第四のいずれかの態様に記載の発明において、前記表面粗化の後に、さらに防錆処理、シランカップリング処理のいずれか1つまたは2つの処理が組み合わせて行われることを特徴とする。
本発明の第六の態様は、第一ないし第五のいずれかの態様に記載の発明において、前記金属板の厚さが70μm以上であることを特徴とする。
本発明の第七の態様は、基板用の金属材料の表面粗化処理方法であって、電流密度25〜50A/dmにて8〜36秒間、電気粗化めっきにより金属板の表面の一部または全面に金属粒子を付着する工程と、電流密度1〜15A/dmにて8〜24秒間、平滑めっきにより前記金属粒子の平均粒子径を0.3μm以上5μm以下とする工程とを組み合わせ、前記金属粒子を3段以上積み重ねることを特徴とする基板用金属材料の表面粗化処理方法である。
本発明の第八の態様は、基板用の金属材料の製造方法であって、電流密度25〜50A/dmにて8〜36秒間、電気粗化めっきにより金属板の表面の一部または全面に金属粒子を付着する工程と、電流密度1〜15A/dmにて8〜24秒間、平滑めっきにより前記金属粒子の平均粒子径を0.3μm以上5μm以下とする工程とを組み合わせ、前
記金属粒子を3段以上積み重ねることを特徴とする基板用金属材料の製造方法である。
本発明によれば、過酷な環境変化を受けても、樹脂との接着強度を維持することができる。
本発明の一実施形態における基板用金属材料を用いた片面一層板の大電流基板の断面図である。 本発明の一実施形態における表面粗化の概略図である。 本発明の他の実施形態における表面粗化の概略図である。 本発明の一実施例における引き剥がし強度測定を示した図である。
上述の通り、板厚の大きい圧延銅箔の表面粗化において、従来技術では「エッチング」と「電気粗化めっき」の2段階の工程を行ってきた。なぜなら、板厚の大きい圧延銅箔は、板厚が小さい圧延銅箔に比べて、圧延銅箔表面に凹凸が少なく、板厚が大きい圧延銅箔に対して粗化処理を行ったとしても、樹脂と基板を貼り合わせた際に接着強度を維持できるアンカー効果があまり期待できないと考えられていたためである。
しかしながら、板厚の大きい基板用金属材料にはエッチングを用いないと十分な引きはがし強さが得られないと考えられる状況の中で、本発明者らは、板厚が大きい基板用金属材料に対してエッチングを行わなくとも、接着強度を維持できることを見出した。
すなわち、本発明者らは、板厚が大きい基板用金属材料のように、例えその表面に凹凸が少なかったとしても、略球状の金属粒子が金属板の表面に3段以上積み重ねられることにより表面粗化されれば、エッチングを行わなくとも、過酷な環境変化に耐えうるくらいの接着強度を有することができることを見出した。
この知見を基に、本発明を実施するための最良の形態を、図面を用いながら説明する。
図1に、本実施形態にかかる基板用金属材料を用いた片面一層板の大電流通電基板の断面図を示す。
図1に示されるように、本実施形態にかかる片面一層板の大電流通電基板1(以降、単に基板1ともいう)は、ベースメタル2の上に樹脂からなる絶縁層3を形成し、さらに前記絶縁層の上に所定の配線パターンを有する基板用金属材料4を貼り付けることにより作製される。このように作製された基板1では、絶縁層上に貼り付けられた基板用金属材料4全体が導体回路5を形成する。なお前記基板1はどのような形状であってもかまわないが、例えば長尺の形状を有し、ロール・トウ・ロール(Role−to−role)法を用いて製造される。
まず、前記ベースメタル2の材料としては、例えば、アルミや銅が挙げられる。導体回路5で発生した熱を放熱する働きにおいて、優れているためである。また、アルミや銅以外にも、銅を原料とした銅合金、鉛・亜鉛・ニッケル・マンガンなどの非鉄原料、そして銅と非鉄原料等との銅合金も挙げられる。
次に、前記ベースメタル2上に形成される絶縁層3について説明する。前記絶縁層3は絶縁性及び過酷な環境変化への耐性に優れた樹脂を使用することができ、例えば、FR−4プレプリグが挙げられる。これ以外にも、テフロン(登録商標)樹脂、液晶ポリマ樹脂、エポキシ樹脂、ケトン樹脂、ポリイミド樹脂、変性ポリイミド樹脂、ポリエチレン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ビスマレイドトリアジン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリブタジエン、ポリサルホン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリエーテ
ルエーテルケトン等多種多様な樹脂を使用することができる。
次に、前記絶縁層3(以降、樹脂3ともいう)に貼り付けられる基板用金属材料4について、後で詳述する図2を用いて説明する。
前記基板用金属材料4は、所定の配線パターンを有する金属板6と、前記金属板6における前記樹脂3との貼り付け面61(以降、単に貼り付け面61ともいう)を粗化処理するために、前記金属板6の貼り付け面に付着される金属粒子7とからなる。また、前記基板用金属材料4は、例えば銅条により形成されている。
第1に、前記金属板6は、例えば、圧延によって製造された銅箔または銅合金板である。なお、圧延以外にも、電解析出によって銅箔または銅合金板が形成されてもよい。
前記金属板6の材料としては、銅以外にも、各種の金属、金属化合物、これらの酸化物が挙げられ、金、銀、銅、鉄、白金、アルミニウム、ニッケル、スズ、チタン、マンガン、インジウム、ガリウム、亜鉛、マグネシウム、タンタル、クロム、モリブデン、タングステンなどが挙げられる。さらに、これらの金属の合金、金属間化合物を用いてもよく、これらの金属・合金の酸化物、窒化物、炭化物を用いてもよい。
第2に、前記金属粒子7は略球状を有しており、例えば表面粗化のための電気粗化めっきにより前記金属板6の貼り付け面61の一部または全面に付着される。
前記略球状とは、球体状ないし楕円球体状であることをいい、一つの金属粒子7が全体として球状であれば、一部球状でなくともよい。
前記金属粒子7の材料としては、例えば、銅、ニッケル、亜鉛、コバルト、鉄、モリブデン、タングステンの中の1種類、又は2種類以上の合金から形成される。優れた導電性を示し、機械的特性にも優れるためである。
また、前記金属板6の厚さは、70μm以上であることが好ましい。大電流通電基板1は大電流を流すが故に発熱量が多くなる。結果、基板1の発熱量を減少させることが重要となり、前記金属板6の厚さを70μm以上にする方が、電気抵抗を少なくすることができるため、結果として発熱量が少なくなる。また、基板1の一部である金属板6が厚い方が、基板1の放熱性を高くすることができる。さらに、前記金属板6の厚さが100μm以上であれば、電気抵抗がより少なくなるためなお好ましい。
ここで、本実施形態に係る基板用金属材料4においては、前記金属板6の表面の一部または全面に、金属粒子7を3段以上積み重ねることにより表面粗化を行っている。この表面粗化について、表面粗化の概略図を示す図2を用いて以下に詳述する。
まず、前記金属板6の貼り付け面61を表面粗化するために、図2(a)に示すように、前記金属粒子7の材料として挙げた銅、ニッケル、亜鉛等の金属を含有するめっき液中で電流を流すことで、電気粗化めっきを行う。
このとき、電流密度25〜50A/dmにて電気粗化めっきを行うのが好ましい。電流密度が25A/dm以上ならば平滑化ではなく表面を十分粗化することができ、一方50A/dm以下ならば後述するアンカー効果を損なうことなく表面を粗化することができるためである。
また、電気粗化めっきは上記電流密度範囲にて8〜36秒間行うのが好ましい。8秒間以上だと十分な処理効果が得られ、一方36秒間以下だとアンカー効果を損なうことなく表面を粗化することができるためである。
なお、以降に記載される電気粗化めっきの諸条件については、上述の通りである。
その結果、図2(b)に示すように、前記金属板6の貼り付け面61上に、金属粒子7が付着する。ここで、前記金属板6に直接付着させた金属粒子7を1次金属粒子71と定
義する。
その後、必要に応じて、平滑めっきを行い、前記金属粒子の平均粒子径を0.3μm以上5μm以下とする。平均粒子径が0.3μm未満だと、例え金属板が粗化されていても、金属粒子が小さすぎるためにアンカー効果に必要な表面積が得られず、金属板6と樹脂3との密着性が低下するためである。また、平均粒子径が5μmを越えると、金属粒子7が大きすぎるために、金属粒子7が樹脂3へのアンカー効果をもたらすことができないためである。
なお、前記平均粒径とは、透過型電子顕微鏡により測定した粒子径の粒度分布から求めた平均径のことであって、平均径は、粒度分布を小粒子径側から積算した積算値50%の粒度のことである。
このとき、電流密度1〜15A/dmにて平滑めっきを行うのが好ましい。電流密度が1A/dm以上ならば十分な処理効果が得られ、一方15A/dm以下ならば前記金属板6の貼り付け面61上に金属粒子7が付着するのを抑え、前記金属板6の貼り付け面61上を平滑化することができるためである。
また、平滑めっきは上記電流密度範囲にて8〜24秒間行うのが好ましい。8秒間以上だと十分な処理効果が得られ、一方24秒間以下だと前記平均粒子径の範囲に金属粒子の平均粒子径を設定することができるためである。
なお、以降に記載される平滑めっきの諸条件については、上述の通りである。
そして、本実施形態においては、前記平滑めっきの後、さらに電気粗化めっきを行う。これにより、前記1次金属粒子71の上に、優先的に別の金属粒子72が形成される。この現象が起こるのは、前記1次金属粒子71が、金属板6表面において凸部を形成するため、エッジ効果が発生し、この凸部の電流密度が他の部分よりも高くなるためである。ここで、前記1次金属粒子71に直接付着させた金属粒子を2次金属粒子72と定義する。
その後、再び必要に応じて、平滑めっきを行い、前記金属粒子72の平均粒子径を0.3μm以上5μm以下とする。なお、前記平滑めっきは、金属粒子7を積み重ねた後に行ってもよい。
そしてさらに電気粗化めっきを行い、前記2次金属粒子72の上に、別の金属粒子73を形成する。
ここで、前記2次金属粒子72に直接付着させた金属粒子を3次金属粒子73と定義する。以降、同様に4次金属粒子、5次金属粒子というように定義する。
このとき、前記3次金属粒子73は、図2(d)に示されるように、1次金属粒子71に対して1つの2次金属粒子72が付着し、さらに2次金属粒子72に対して1つの3次金属粒子73が付着してもよい(以降、直列積み重ねともいう)。
また、本発明の他の実施形態における表面粗化の概略図を示す図3の(a)に示されるように、1次金属粒子71に対して2つの以上2次金属粒子72が付着し、さらに2次金属粒子72に対して2つ以上の3次金属粒子73が付着してもよい(以降、並列積み重ねともいう)。
また、図3(b)に示されるように、直列積み重ねと並列積み重ねを組み合わせた形で金属粒子7が積み重ねられてもよい。
金属粒子7を直列に積み重ねる方法と並列に積み重ねる方法との違いについて考察する。
先にも述べたように、電気粗化めっきは電流密度25〜50A/dmにて8〜36秒間行うのが好ましく、平滑めっきは電流密度1〜15A/dmにて8〜24秒間行うのが好ましい。以上のことから、電流密度15〜25A/dmの範囲に、表面粗化が起こ
り始める電流密度が存在すると推測される。本発明者の把握する範囲では、この表面粗化が起こり始める電流密度よりもわずかに高い電流密度で長時間表面処理を行う場合、金属粒子7を直列に積み重ねることができる傾向にある。
電気粗化めっきと平滑めっきとを組み合わせた粗化処理において、このように金属板6における貼り合わせ面61に金属粒子7を3段以上積み重ねることにより、前記金属板6と樹脂3との接着面積を増やすことができる。さらに、金属板6と樹脂3を貼り合わせのために加熱する工程において、前記樹脂3の表面が融解し、金属粒子7の隙間に樹脂3が浸透することにより、高いアンカー効果を得ることができる。さらに、このような処理は、エッチングを用いる場合に比べて比較的低コストで行うことができる。
なお、本実施形態においては3次金属粒子73まで設けたが、めっき時間、金属粒子7の平均粒子径、重ねる金属粒子7の数、密度を調整して、4次金属粒子74やそれ以上の金属粒子を積み重ねてもよい。金属板6と樹脂3との接着面積をより増やすことができ、またこのように高次の金属粒子7によって形成された複雑な隙間に樹脂3が浸透することにより、高いアンカー効果を得ることができるためである。
さらに、図3(c)に示されるように、2次金属粒子72や3次金属粒子73同士が付着するように電気粗化めっきを行ってもよく、共通する2次金属粒子72や3次金属粒子73を有するように電気粗化めっきを行ってもよい。このように高次の金属粒子7によって形成された複雑な隙間に樹脂3が浸透することにより、高いアンカー効果を得ることができるためである。
さらに、各次金属粒子7の平均粒子径が0.3μm以上5μm以下であることが好ましいことは上述の通りであるが、図3(d)に示されるように、1次金属粒子71の平均粒子径よりも2次金属粒子72の平均粒子径を大きくし、さらに2次金属粒子72の平均粒子径よりも3次金属粒子73の平均粒子径を大きくしてもよい。金属板6の貼り付け面61近傍において大きな隙間が発生し、この隙間に樹脂3が浸透することにより、高いアンカー効果を得ることができるためである。
さらに、図3(e)に示されるように、金属粒子7を付着させた金属板6に対し、前記電気粗化めっきと同様の手法を用いて、平均粒子径が0.2μm以下の微細金属粒子8を付着させてもよい。これにより、金属板6と樹脂3との接着面積をさらに増やすことができ、ひいては基板用金属材料4と樹脂3との接着強度をさらに高めることができる。
また、図3(f)に示されるように、金属板6に金属粒子8を付着させた後の基板用金属材料4に対して防錆処理を行ってもよい。例えば、ニッケルによる防錆が挙げられる。これにより、ニッケル防錆めっき9によって基板用金属材料4が錆びるのを抑制することができ、ひいては金属板6と樹脂3との接着強度の信頼性を高めることができる。
また、防錆処理と同様に、金属板6に金属粒子8を付着させた後の基板用金属材料4に対してシランカップリング処理を行ってもよい。シランカップリング処理に起因する化学的結合により、基板用金属材料4と樹脂3とが貼り合わされる際の接着力を向上させることができるためである。また、前記防錆処理、前記シランカップリング処理の2つの処理を組み合わせて行ってもよい。
本実施形態に係る基板用金属材料は、以下のように粗化処理される。そして、本実施形態に係る片面一層板の大電流通電基板は、以下のように製造される。
まず、長尺のベースメタル2と、絶縁層3をホットプレス接合により貼り合わせる。
その一方で、所定の配線パターンを有する基板用金属材料4を製造するために、金属板
6における貼り合わせ面61に対して電気粗化めっきを行い金属板の表面の一部または全面に金属粒子を付着させ、必要が有れば平滑めっきを行う。これらの粗化処理工程を組み合わせることにより、金属板6の上に金属粒子7を3段以上積み重ねる。
その後、金属板6における貼り合わせ面61において、基板用金属材料4と絶縁層3を、ホットプレス接合により貼り合わせ、基板1を製造する。
最後に、前記基板1から大電流通電基板として所望の部分をエッチングや切り出しなどにより形成し、大電流通電基板を製造する。
なお、本実施形態においては、金属板6の片面のみを粗化処理したが、両面を粗化処理してもよい。
また、本実施形態においては、片面一層板の大電流通電基板を製造したが、両面板の大電流通電基板についても、上述の方法で製造できる。
本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、略球状の金属粒子7が金属板6の表面の一部または全面に3段以上積み重ねられることにより表面粗化されると、前記金属板6と前記金属粒子7とからなる基板用金属材料4と絶縁層3とを貼り合わせるとき、前記絶縁層の一部が、前記基板用金属材料4に対して立体的に食い込むことになる。その結果、前記基板用金属材料4と前記絶縁層3とが、極めて強力に接合されることとなる。その結果、前記基板用金属材料4と前記絶縁層3との接合についての高い耐久性や信頼性を維持することが可能となる。
よって、過酷な環境変化を受けても、樹脂との接着強度を維持することが可能となる。
なお、本実施形態に係る基板用金属材料は、車輌のエンジンルーム、大型電気機器などの大電流通電基板に好適である。
次に、本実施例について説明する。
(実施例1〜6)
まず、長尺である厚さ0.2mm、幅600mmの基板用金属材料である無酸素銅条4に対して、ロール・トウ・ロールにより、電解脱脂、酸洗、銅粗化めっき、平滑めっきを連続処理で行い、最後の防錆処理としてニッケルめっきを行った。各工程における液成分、液濃度、液温度については、下記の表1に示す通りである。なお、銅粗化めっきに用いる添加剤には硫酸鉄を用いた。また、電気粗化めっきは電流密度25A/dmにて36秒間行い、平滑めっきは電流密度15A/dmにて8秒間行った。
前記各工程により無酸素銅条4に表面粗化処理を行う際、実施例毎に処理時間、電流密度を変化させた。これにより、下記の表2に示すように、実施例毎に前記無酸素銅条4表面の十点平均粗さ(Rz)及び各次金属粒子の平均粒子径を変化させた。実施例1〜5においては、少なくとも3次金属粒子または4次金属粒子まで作製した。
このように作製した2枚の無酸素銅条4によって、絶縁層としての樹脂基材3(日立化成製GEA−67N)を挟み、ホットプレス接合し、実施例1〜5に係る基板1を得た。
前記実施例1〜6に係る基板1に対して、図4に示される方法で、引き剥がし強度の測定を行った。引き剥がし強度の測定は90度T−ピール法(テスト方法IPC−TM−650参照)によって行った。
さらに、前記実施例1〜6に係る基板に対して、プレッシャークッカー試験(PCT)を行った。PCTの条件は、温度121℃、湿度97%、圧力196kPaを24時間保持するという条件で行った。そして、PCT後の接着強度を測定し、PCT前の接着強度に対する割合として、保持率を求めた。その結果を表2に示す。
(比較例1〜3)
2次金属粒子までしか作製しなかった以外は、実施例1〜6と同様の手法で、金属粒子が表2に示す平均粒子径を有するように無酸素銅条を表面粗化して、比較例1〜3に係る基板を得た。また、実施例1〜6と同様の手法で、引き剥がし強度及び保持率を求めた。その結果を表2に示す。
表2より、実施例1〜6においては、大電流通電基板として実用に耐えうる引き剥がし強度及び保持率が得られた。特に、各次金属粒子の平均粒子径が0.3μm以上5μm以下である実施例1〜5においては、より良好な接着強度および信頼性が得られた。
一方、比較例1〜3においては、引き剥がし強度においても保持率においても実施例1〜6の結果に及ばなかった。
1 基板
2 ベースメタル
3 絶縁層
4 基板用金属材料
5 導体回路
6 金属板
61 貼り合わせ面
7 金属粒子
71 1次金属粒子
72 2次金属粒子
73 3次金属粒子
8 微細金属粒子
9 ニッケル防錆めっき

Claims (8)

  1. 基板用の金属材料であって、
    略球状の金属粒子が金属板の表面の一部または全面に3段以上積み重ねられることにより表面粗化されることを特徴とする基板用金属材料。
  2. 前記金属粒子が銅、ニッケル、亜鉛、コバルト、鉄、モリブデン、タングステンの中の1種類、または2種類以上の合金から形成されることを特徴とする請求項1に記載の基板用金属材料。
  3. 前記金属粒子の平均粒子径が0.3μm以上5μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の基板用金属材料。
  4. 請求項1ないし3のいずれかの基板用金属材料に対し、平均粒子径が0.2μm以下の微細金属粒子を形成させたことを特徴とする基板用金属材料。
  5. 前記表面粗化の後に、さらに防錆処理、シランカップリング処理のいずれか1つまたは2つの処理が組み合わせて行われることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の基板用金属材料。
  6. 前記金属板の厚さが70μm以上であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の基板用金属材料。
  7. 基板用の金属材料の表面粗化処理方法であって、
    電流密度25〜50A/dmにて8〜36秒間、電気粗化めっきにより金属板の表面の一部または全面に金属粒子を付着する工程と、
    電流密度1〜15A/dmにて8〜24秒間、平滑めっきにより前記金属粒子の平均粒子径を0.3μm以上5μm以下とする工程とを組み合わせ、前記金属粒子を3段以上積み重ねることを特徴とする基板用金属材料の表面粗化処理方法。
  8. 基板用の金属材料の製造方法であって、
    電流密度25〜50A/dmにて8〜36秒間、電気粗化めっきにより金属板の表面の一部または全面に金属粒子を付着する工程と、
    電流密度1〜15A/dmにて8〜24秒間、平滑めっきにより前記金属粒子の平均粒子径を0.3μm以上5μm以下とする工程とを組み合わせ、前記金属粒子を3段以上積み重ねることを特徴とする基板用金属材料の製造方法。
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