JP2010215938A - 燃料電池型反応装置及びそれを用いた化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アノード膜3、カソード膜5、及び電解質膜4を一体化させたユニット膜によりアノード室1、カソード室2に区画され、両極間を電子伝導体11で外部短絡した構造である燃料電池型反応装置であって、アノード膜3の一部が気相部に露出した状態でアノード室1に水又は電解質水溶液を存在させ、カソード膜5が、含窒素有機化合物を配位させた金属錯体と導電性炭素材料を含む混合物を熱処理して得られた触媒電極である、燃料電池型反応装置。
【選択図】図1
Description
従来の過酸化水素の製造方法としては、例えば、(I)アルキルアントラキノンを用いた自動酸化法(非特許文献1参照)、(II)アルカリ金属水酸化物中で酸素を陰極還元する電解法(特許文献1参照)、(III)硫酸又は塩酸水溶液中に懸濁もしくは溶解した白金族系の触媒を用いて水素と酸素を触媒的に反応させる方法(特許文献2参照)等が知られており、工業的には主に上記(I)の方法が用いられている。
また、上記(II)の方法においては、高価な電力エネルギーを必要とする問題点がある。
さらに、上記(III)の方法においては、同一反応器内において水素と酸素を混合させる必要があり、爆発危険性等の安全上の問題を有し、工業的製造法としては難点がある。
このような燃料電池を有機合成の立場から化学反応器とみると、原理的には電力と共に有用な化合物の製造が可能である。
1)活性種の分離や特殊反応場を形成させることができるため、通常の触媒反応では困難な選択反応を可能にする。
2)反応速度や選択性を電気的に容易に制御することができる。
3)外部回路に負荷を置けば、目的とした化合物と共に電力を得ることができる。
4)酸素等の酸化性物質と水素等の還元性物質が隔膜で分離されているので爆発の危険性を低減できる。
また、特許文献3〜5に開示された上記(VII)の方法においては、過酸化水素の生成速度が向上するものの、過酸化水素の蓄積濃度の点において必ずしも満足できるものではなく、また得られた過酸化水素に電解質が必然的に含まれてしまうという問題点があった。
[1]
アノード膜、カソード膜、及び電解質膜を一体化させたユニット膜によりアノード室、カソード室に区画され、両極間を電子伝導体で外部短絡した構造である燃料電池型反応装置であって、
前記アノード膜の一部が気相部に露出した状態でアノード室に水又は電解質水溶液を存在させ、
前記カソード膜が、含窒素有機化合物を配位させた金属錯体と導電性炭素材料を含む混合物を熱処理して得られた触媒電極である、燃料電池型反応装置。
[2]
前記アノード室に還元性物質を供給して、前記カソード室に酸化性物質を供給して、前記カソード膜中に反応生成物を発生させる、上記[1]に記載の燃料電池型反応装置。
[3]
前記カソード膜が、導電性炭素材料を含む支持体に、前記金属錯体及び前記導電性炭素材料を含むカソード活物質を塗布して得られた触媒電極である、上記[1]又は[2]に記載の燃料電池型反応装置。
[4]
前記金属錯体が、金属アミン類、金属ピリジン類、金属フェナントロリン類、及び金属ポルフィリン類からなる群から選ばれる1種又は2種以上である、上記[1]〜[3]のいずれか1項に記載の燃料電池型反応装置。
[5]
前記導電性炭素材料が、活性炭、カーボンファイバー、グラファイト、カーボンウィスカー、カーボンブラック、カーボンペーパー、及びアセチレンブラックからなる群より選ばれる1種又は2種以上の炭素材料である、上記[1]〜[4]のいずれか1項に記載の燃料電池型反応装置。
[6]
酸化還元反応による化合物の製造方法であって、上記[1]〜[5]のいずれか1項に記載の燃料電池型反応装置を用い、前記アノード室に還元性物質を導入し、前記カソード室に酸化性物質を導入して、カソード膜において該還元性物質と該酸化性物質から化合物を製造する、化合物の製造方法。
[7]
前記還元性物質が水素供与体であり、前記酸化性物質が酸素であり、製造される化合物が過酸化水素である、上記[6]に記載の化合物の製造方法。
また、該燃料電池型反応装置を用いた、より効率的に有用な化合物を製造することのできる製造方法を提供することができる。
本実施の形態の化合物の製造方法は、酸化還元反応による化合物の製造方法であって、本実施の形態の燃料電池型反応装置を用い、前記アノード室に還元性物質を導入し、前記カソード室に酸化性物質を導入して、カソード膜において該還元性物質と該酸化性物質から化合物を製造する方法である。
本実施の形態の燃料電池型反応装置の一例として、実施例で用いた燃料電池型反応装置及び本実施の形態の製造方法により還元性物質(水素)と酸化性物質(酸素)から過酸化水素を製造するための反応の原理を示す概略図を図1に示す。
アノード膜3とカソード膜5の外側表面には集電用の金属メッシュ(例えば金製メッシュ)(図示せず)が取り付けられ、アノード膜3とカソード膜5の外側表面には電子伝導体であるリード線11を備え、リード線11によってアノード膜3とカソード膜5とは互いに接続されている。所望により、アノード膜3とカソード膜5の両極間に定電圧発生装置を設けて電圧を印加することで反応を促進させることもできる。また、所望により、外部回路に負荷をかけることにより、作動中の燃料電池型反応装置から電力を取り出すこともできる。
アノード活物質として用いる金属としては、好ましくは周期律表の1〜16族から選ばれる金属である。これらの金属は1種又は2種以上の混合物として用いてもよい。
アノード活物質として用いる金属化合物としては、これら金属の無機金属化合物及び有機金属化合物等の金属化合物を使用することができ、好ましくは金属ハロゲン化物、金属酸化物、金属水酸化物、金属硝酸塩、金属硫酸塩、金属酢酸塩、金属リン酸塩、金属カルボニル、及び金属アセチルアセトナト等を使用することができる。これらの金属化合物は1種又は2種以上の混合物として用いてもよい。
アノード活物質として用いる導電性炭素材料としては、電気伝導性を有する種々の炭素材料を使用することができ、好ましくは活性炭、カーボンブラック、アセチレンブラック、グラファイト、カーボンファイバー、カーボンペーパー、及びカーボンウィスカー等の炭素材料を使用することができる。これらの炭素材料は1種又は2種以上の混合物として用いてもよい。
金属錯体の錯形成をする金属原子としては、マンガン、ニッケル、錫、亜鉛、コバルト、銅、カドニウム、鉄、又はバナジウム等を使用することができ、好ましくはコバルトである。これらの金属原子は1種又は2種以上の混合物として用いてもよい。
上記混合方法における溶媒としては、ジメチルホルムアミド、キノリン、アセトン、ジクロロメタン、エタノール及び水等を使用することができる。金属錯体と導電性炭素材料の混合方法としては、金属錯体を導電性炭素材料にスパッタ法又は蒸着法により付与することもできる。
熱処理温度は、好ましくは100〜1000℃、より好ましくは400〜1000℃、さらに好ましくは500〜900℃である。
後述の実施例で示されるように本実施の形態の方法によって水素と酸素から過酸化水素を製造する場合には、アノード膜として、白金黒及びカーボンファイバーを含む電極が好ましく用いられる(この場合、カーボンファイバーは、活物質としてではなく、導電性を上げる目的で添加されている)。一般に燃料電池で使用されている入手しやすい電極を用いてもよい。
撥水剤を用いる場合の使用量は、使用する電極活物質の1〜250質量%とすることが好ましく、25〜100質量%とすることがより好ましい。
導電性炭素材料を含む支持体としては、特に限定されないが、例えば、円形等の形状のものが挙げられ、導電性炭素材料を含む材料を、ホットプレスなどの方法により成型することにより製造することができる。
該支持体に用いられる導電性炭素材料と、カソード活物質に用いられる導電性炭素材料とは、同じであってもよく、異なっていてもよい。
導電性炭素材料を含む支持体としては、厚さは、好ましくは0.001〜5.0mm、より好ましくは0.01〜2.0mm、さらに好ましくは0.1〜1.0mmである。
本実施の形態においては、フッ素樹脂系のナフィオン(デュポン社の登録商標)膜等のイオン交換高分子膜が好ましく用いられる。
アノード膜、電解質膜、及びカソード膜から構成されるユニット膜の作製法は、例えば、塗布法やドクターブレード法等、一般的に燃料電池で採用されている方法を用いることができる。
本実施の形態の燃料電池型反応装置は、還元性物質及び酸化性物質をガスとしてアノード膜及びカソード膜に供給するので、前記(IV)〜(VII)に記載の従来の燃料電池型反応装置に比べ、各物質の活量を上げることが可能となり、反応活性及び反応選択性が向上するという効果がある。
気相部に露出している部分としては、アノード膜の面積に対して、5〜95%であることが好ましく、20〜80%であることがより好ましく、40〜60%であることがさらに好ましい。
カソード室には、過酸化水素水溶液として蓄積するために、カソード側中間室を設けることができる。
水又は電解質水溶液としては、1種又は2種以上の混合物として用いてもよい。
電解質水溶液の溶媒として、アルコール、塩化メチレン、クロロホルム、酢酸、アセトニトリル等の非水溶媒又はそれらの混合物を共に用いてもよい。
還元性物質は、窒素、ヘリウム、及びアルゴン等の不活性ガスとの混合ガスとして用いてもよい。
酸化性物質は、必ずしも純粋である必要はなく、窒素、ヘリウム、及びアルゴン等の不活性ガスとの混合物として用いてもよい。また、カソード室に被酸化性基質を供給することにより、カソード膜中に酸化生成物を発生させることもできる。
上記還元性物質及び酸化性物質がアノード室又はカソード室に供給される場合、それぞれの流量は、燃料電池型反応装置のスケールに合わせて適宜選択できるが、それぞれの流量は、好ましくは0.1〜100000mL/分、より好ましくは1〜1000mL/分とすることができる。
本実施の形態の方法においては、反応温度は、好ましくは−20〜200℃、より好ましくは−5〜150℃の範囲から選択される。
反応時の還元性物質及び酸化性物質の圧力は、常圧で行うことができるが、加圧下でも減圧下でも実施することができる。加圧下で行う場合は、常圧を越えて100気圧以下とすることができる。減圧下で行う場合は、常圧未満で10-2Torr以上とすることができる。
反応時間は、反応生成物の選択率や収率の実質的な目標値を定め、適宜選択すればよく、特に限定されないが、好ましくは数秒ないし数時間である。
反応を連続的に行う場合には、適当な装置を併用し、カソード室に形成される反応混合物を連続的に抜き出しながら、水又は電解質水溶液をアノード室に連続的に導入することにより行うことができる。例えば、カソード室に新たに生成物が含まれる液体の排出口を設置して、アノード室に水又は電解質水溶液を連続的に導入してもよい。
反応生成物は、燃料電池型反応装置中の反応混合物から慣用の手段、例えば、蒸留又は抽出等を公知の分離手段によって分離し、所望の純度にすることができる。
H2 → 2H+ + 2e- (1)
O2 + 2H+ + 2e- → H2O2 (2)
図1を参照して説明すると、アノード膜3に供給された水素供与体である水素は、電極上でプロトンと電子を放出し((1)式)、プロトンは電解質膜4を通過してカソード膜5へ移動し、一方、電子は外部回路を経由してカソード膜5に移動する。そして、カソード膜5では供給された酸素が電子及びプロトンと反応して、生成物である過酸化水素が得られる((2)式)。
また、本実施の形態の燃料電池型反応装置を用いて、有用な化合物を穏和な条件で選択性高く、効率的かつ経済的に製造することができる。
特に、該燃料電池型反応装置を用いて、水素と酸素から過酸化水素を製造することにより、従来の製造法における大量の有機溶媒の使用、製造工程の煩雑さ、電力エネルギーの大量消費、水素と酸素の混合による爆発危険性、低い過酸化水素の収率等の問題点を解決することができる。
下記実施例に示すように、本実施の形態の燃料電池型反応装置を用いることで、水素と酸素から過酸化水素を電解質が含まれない中性の水中において、高選択率かつ高効率的に製造することができ、必要により、電気エネルギーを得ることもできる。
実施例1では図1に示す燃料電池型反応装置を用いて、酸素と水素から過酸化水素の製造を行った。
燃料電池型反応装置は、アノード膜3、電解質膜4、及びカソード膜5を一体化させたユニット膜により、アノード室1及びカソード室2に区画された構造を有する。カソード室2には生成した過酸化水素水溶液を蓄積させるためのカソード中間室6を設け、カソード膜3の半分の面積を気相部に露出させた状態でアノード室1にイオン交換水を15mL量導入し、カソード中間室を含むカソード室には、イオン交換水を導入しなかった。電解質膜4としては、ナフィオン117膜(円形、厚さ:0.2mm、直径:約25mm、米国デュポン製)を用いた。
アノード室1に水素ガスを、カソード室2に酸素ガスをそれぞれ常圧下、20mL/分の流量で供給し、反応温度5℃、反応時間2時間として反応を行った。
その結果、カソード室2に設けたカソード側中間室6に過酸化水素の生成が認められ、同時に電流の発生も認められた。この間、アノード膜3とカソード膜5の間の電位差、電流、及び両極間を流れた電気量を、各々電位差計(北斗電工社製 ELECTRON METERHE−104)、無抵抗電流計(北斗電工社製 ZERO SHUNT AMMETER HM−104)及びクーロンメーター(北斗電工社製 COULOMB METER HF−210)を用いて測定した。生成した過酸化水素の濃度は、KMnO4水溶液を用いて分析した。
電流効率=(過酸化水素蓄積量(mol)×2×100/(流れた電気量(C)/96500(C/mol))式中の電気量とは、計測クーロン値(Q)を平均電流値に換算した値である(I(A)=Q(C)・3600(S))。
カソード側中間室6に、カソード膜5の半分の面積を気相部に露出させた状態でイオン交換水を0.5mL量導入した以外は実施例1と同様にして反応を行った。得られた過酸化水素の生成濃度は6.43質量%、生成速度は1.07mmol・h-1、電流効率は43.7%であった。
カソード活物質として、カーボンファイバー粉末(昭和電工社製、VGCF)に代えてカーボンブラック(Cabot社製、XC−72)を用いた以外は実施例1と同様にしてテトラフェニルポルフィリンコバルト/カーボンブラック(テトラフェニルポルフィリンコバルトの担持量は、コバルト金属基準で0.3質量%とした。)を調製し、反応を行った。得られた過酸化水素の生成濃度は13.9質量%、生成速度は2.61mmol・h-1、電流効率は40.9%であった。
カソード活物質として、カーボンファイバー粉末(昭和電工社製、VGCF)に代えてカーボンブラック(Cabot社製、XC−72)を用い、実施例1と同様にしてテトラフェニルポルフィリンコバルト/カーボンブラック(テトラフェニルポルフィリンコバルトの担持量は、コバルト金属基準で0.05質量%とした。)を調製した。得られたテトラフェニルポルフィリンコバルト/カーボンブラック4mgとした以外は実施例1と同様にして反応を行った。得られた過酸化水素の生成濃度は22.9質量%、生成速度は0.80mmol・h-1、電流効率は28.7%であった。
カソード活物質として、1,10−フェナントロリン(アルドリッチ和光純薬製)とカーボンブラック(Cabot社製、XC−72)と塩化コバルト6水和物(和光純薬アルドリッチ製)をエタノール中に溶解、分散させた後、エタノールを留去してカーボンブラック上に含浸担持した混合粉末をヘリウム気流中150℃で1時間乾燥させた後、700℃で2時間熱処理活性化してコバルト−フェナントロリン/カーボンブラック(コバルト−フェナントロリンの担持量は、コバルト金属基準で0.1質量%とした。)を得た。こうして得られたカソード活物質4mgを用い、カソード側中間室6に、カソード膜5の半分の面積を気相部に露出させた状態でイオン交換水を0.5mL量導入した以外は実施例1と同様にして反応を行った。得られた過酸化水素の生成濃度は6.1質量%、生成速度は0.97mmol・h-1、電流効率は31.52%であった。
1,10−フェナントロリン(和光純薬製)に代えて2,2−ビピリジル(和光純薬製)を用い、熱処理活性化温度を550℃とした以外は実施例5と同様にして反応を行った。得られた過酸化水素の生成濃度は4.0質量%、生成速度は0.46mmol・h-1、電流効率は34.3%であった。
開回路条件(両極間を短絡させない)とした以外は、実施例1と同様にして反応を行った。その結果、反応は進行せず、過酸化水素の生成は認められなかった。
アノード室1に水素と酸素の混合ガスを供給した以外は、実施例1と同様にして反応を行った。その結果、反応は進行するが、過酸化水素は生成せず、得られた生成物は水のみであった。
カソード室2に水素と酸素の混合ガスを供給した以外は、実施例1と同様にして反応を行った。その結果、反応は進行せず、過酸化水素の生成は認められなかった。
比較例1〜3の結果より、本反応は燃料電池型反応によって進行することが明白である。
アノード膜3を気相部に露出させず、完全にイオン交換水で満たした以外は実施例1と同様にして反応を行った。その結果、反応は進行せず、過酸化水素の生成は認められなかった。
アノード室1にイオン交換水を導入せず、カソード側中間室6に、カソード膜5の半分の面積を気相部に露出させた状態でイオン交換水を0.5mL量導入した以外は実施例1と同様にして反応を行った。得られた過酸化水素の生成濃度は4.4質量%、生成速度は0.42mmol・h-1、電流効率は14.3%であった。
2 カソード室
3 アノード膜
4 電解質膜
5 カソード膜
6 カソード側中間室
7 還元性物質の入口
8 酸化性物質の入口
9 還元性物質の排出口
10 酸化性物質の排出口
11 リード線
12 電流計
Claims (7)
- アノード膜、カソード膜、及び電解質膜を一体化させたユニット膜によりアノード室、カソード室に区画され、両極間を電子伝導体で外部短絡した構造である燃料電池型反応装置であって、
前記アノード膜の一部が気相部に露出した状態でアノード室に水又は電解質水溶液を存在させ、
前記カソード膜が、含窒素有機化合物を配位させた金属錯体と導電性炭素材料を含む混合物を熱処理して得られた触媒電極である、燃料電池型反応装置。 - 前記アノード室に還元性物質を供給して、前記カソード室に酸化性物質を供給して、前記カソード膜中に反応生成物を発生させる、請求項1に記載の燃料電池型反応装置。
- 前記カソード膜が、導電性炭素材料を含む支持体に、前記金属錯体及び前記導電性炭素材料を含むカソード活物質を塗布して得られた触媒電極である、請求項1又は2に記載の燃料電池型反応装置。
- 前記金属錯体が、金属アミン類、金属ピリジン類、金属フェナントロリン類、及び金属ポルフィリン類からなる群から選ばれる1種又は2種以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池型反応装置。
- 前記導電性炭素材料が、活性炭、カーボンファイバー、グラファイト、カーボンウィスカー、カーボンブラック、カーボンペーパー、及びアセチレンブラックからなる群より選ばれる1種又は2種以上の炭素材料である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池型反応装置。
- 酸化還元反応による化合物の製造方法であって、請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃料電池型反応装置を用い、前記アノード室に還元性物質を導入し、前記カソード室に酸化性物質を導入して、カソード膜において該還元性物質と該酸化性物質から化合物を製造する、化合物の製造方法。
- 前記還元性物質が水素供与体であり、前記酸化性物質が酸素であり、製造される化合物が過酸化水素である、請求項6に記載の化合物の製造方法。
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