JP2010144088A - ポリオレフィン系組成物及びそれを用いた電線並びにケーブル - Google Patents
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Abstract
【課題】燃焼時にハロゲン系ガスを発生せず、かつ優れた難燃性と耐寒性を有するポリオレフィン系組成物及びそれを用いた電線・ケーブルを提供する。
【解決手段】(A)エチレン・プロピレン共重合体60〜90質量部、(B)ポリオレフィン、ポリジオレフィン及びエチレン・プロピレン共重合体以外のエチレン共重合体から成る群から選択される一つ以上の重合体が10〜40質量部〔ただし、(A)+(B)=100質量部〕に対し、(C)金属水和物30〜50質量部及び(D)リン系難燃剤をリン元素含有量に換算して3〜10質量部含有してなるポリオレフィン系組成物。
【選択図】図1
【解決手段】(A)エチレン・プロピレン共重合体60〜90質量部、(B)ポリオレフィン、ポリジオレフィン及びエチレン・プロピレン共重合体以外のエチレン共重合体から成る群から選択される一つ以上の重合体が10〜40質量部〔ただし、(A)+(B)=100質量部〕に対し、(C)金属水和物30〜50質量部及び(D)リン系難燃剤をリン元素含有量に換算して3〜10質量部含有してなるポリオレフィン系組成物。
【選択図】図1
Description
本発明は、燃焼時にハロゲン系ガスを発生せず、優れた難燃性及び低温特性を有するポリオレフィン系組成物及びそれを用いた電線、ケーブルに関する。
電気・電子機器等に使用される電線やケーブルの被覆材料には、ハロゲン含有樹脂や分子中に臭素原子や塩素原子を含有するハロゲン系難燃剤を配合したオレフィン系組成物を主成分とした被覆材がよく使用される。しかし、これらのハロゲン系材料は、燃焼時多量の煙を発生し、機器への腐食性、人体への有害性等が問題となっている。特に最近は、安全面からこのようなハロゲン系ガスを発生しないことが強く要望されるようになってきた。このようなことを踏まえ、発煙性、有毒性の非常に少ない金属水和物系難燃剤が注目されてきた。しかし高度の難燃性を付与するためには、金属水和物を多量に配合する必要があり、それによって耐寒性は大幅に低下するという問題がある。
特許文献1にはEVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体)とEPDM(エチレン・プロピレン・ジエン共重合体)からなる組成物に、有機過酸化物の架橋剤、金属水和物を添加したノンハロゲン組成物に、トリアリルイソシアネートおよび、N,N´−m−フェニレンビスマレイミドを添加することで難燃性および耐寒性を向上させているが、さらなる耐寒性が望まれる場合がある。
一方、低温特性を保持するためシリコーンゴムやブタジエンゴムを使用する技術が提案されているが、シリコーンゴムは引き裂き強度が低く、また低分子量成分の揮発による接点障害の問題があり、電線被覆材に適さない。またブタジエンゴムは耐熱性、耐候性、耐オゾン性が低く、ポリマーとして40質量%を超えて使用することは電線被覆材として適当ではない。
特開2003−192865号公報
本発明の目的は、燃焼時にハロゲン系ガスを発生せず、かつ優れた難燃性と耐寒性を有するポリオレフィン系組成物及びそれを用いた電線並びにケーブルを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、エチレン・プロピレン共重合体に、ポリオレフィン、ポリジオレフィン及びエチレン・プロピレン共重合体を除くエチレン共重合体からなる群から選択される一つ以上の重合体を特定の割合で組み合わせ、また、難燃剤として、金属水和物およびリン系難燃剤を採用することにより、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)(A)エチレン・プロピレン共重合体60〜90質量部、(B)ポリオレフィン、ポリジオレフィン及びエチレン・プロピレン共重合体以外のエチレン共重合体から成る群から選択される一つ以上の重合体が10〜40質量部〔ただし、(A)+(B)=100質量部〕、(C)金属水和物30〜50質量部及び(D)リン系難燃剤をリン元素含有量に換算して3〜10質量部含有してなることを特徴とするポリオレフィン系組成物。
(2)(B)成分が、ブタジエンゴムであることを特徴とする(1)に記載のポリオレフィン系組成物。
(3)(B)成分が、エチレン・酢酸ビニル共重合体であることを特徴とする(1)に記載のポリオレフィン系組成物。
(4)(C)成分が、水酸化マグネシウム及び/または水酸化アルミニウムであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のポリオレフィン系組成物。
(5)(1)〜(4)のいずれか1項に記載のポリオレフィン系組成物を絶縁被覆層またはシース被覆層として被覆してなることを特徴とする電線又はケーブル。
(6)絶縁被覆層又はシース被覆層が架橋処理されていることを特徴とする(5)に記載の電線又はケーブル。
(1)(A)エチレン・プロピレン共重合体60〜90質量部、(B)ポリオレフィン、ポリジオレフィン及びエチレン・プロピレン共重合体以外のエチレン共重合体から成る群から選択される一つ以上の重合体が10〜40質量部〔ただし、(A)+(B)=100質量部〕、(C)金属水和物30〜50質量部及び(D)リン系難燃剤をリン元素含有量に換算して3〜10質量部含有してなることを特徴とするポリオレフィン系組成物。
(2)(B)成分が、ブタジエンゴムであることを特徴とする(1)に記載のポリオレフィン系組成物。
(3)(B)成分が、エチレン・酢酸ビニル共重合体であることを特徴とする(1)に記載のポリオレフィン系組成物。
(4)(C)成分が、水酸化マグネシウム及び/または水酸化アルミニウムであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のポリオレフィン系組成物。
(5)(1)〜(4)のいずれか1項に記載のポリオレフィン系組成物を絶縁被覆層またはシース被覆層として被覆してなることを特徴とする電線又はケーブル。
(6)絶縁被覆層又はシース被覆層が架橋処理されていることを特徴とする(5)に記載の電線又はケーブル。
本発明のポリオレフィン系組成物は、環境に優しいノンハロゲン材料で、しかも難燃剤として金属水和物と赤リンを使用しても、優れた難燃性及び低温特性を満足できる。従って、難燃性、耐寒性、熱老化特性、耐油性が要求される電線、ケーブルの被覆材料として好適である。
さらにこれを用いることで、難燃性、耐寒性、熱老化特性、耐油性のバランスに優れた電線並びにケーブルを供給することができる。
さらにこれを用いることで、難燃性、耐寒性、熱老化特性、耐油性のバランスに優れた電線並びにケーブルを供給することができる。
以下、本発明のポリオレフィン系組成物について、詳細に説明する。
本発明のポリオレフィン系組成物の主成分である(A)エチレン・プロピレン共重合体としては、エチレンとプロピレンの共重合体であるEPM及びエチレンとプロピレン及び非共役ジエンの3元共重合体であるEPDMが挙げられ、非共役ジエンとしては、1,4−ヘキサジエン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネンおよびジシクロペンタジエンなどが挙げられる。
(B)ポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂が挙げられる。ポリジオレフィンとしては、ブタジエンゴム、イソプレンゴムなどの合成ゴム、天然ゴムなどが挙げられる。エチレン・プロピレン共重合体以外のエチレン共重合体としては、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、エチレン・メタクリル酸エステル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・ブチレン共重合体などの熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーまたはアイオノマーが挙げられる。また、不飽和カルボン酸および/またはその誘導体で変性されたハロゲンを含有しない、ポリオレフィン、ポリジオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体以外のエチレン共重合体、を用いることもできる。これらのハロゲンを含有しない、ポリオレフィン、ポリジオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体以外のエチレン共重合体、不飽和カルボン酸および/またはその誘導体で変性されたハロゲンを含有しない、ポリオレフィン、ポリジオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体以外のエチレン共重合体は、単独でも2種類以上の併用でもよい。上記(B)成分を(A)成分とともに存在させることにより(A)成分単体よりも、電線やケーブルの被覆材料としての基本的な特性を損なわず、低い衝撃ぜい化限界温度を保持したまま、耐油性を向上することができる。(A)成分60〜90質量部に対し(B)成分は10〜40質量部((A)+(B)=100質量部)であり、好ましくは(A)成分70〜80質量部、(B)成分20〜30質量部である。(B)成分が多すぎると、耐寒性を損なう場合や、(A)成分の熱老化特性や柔軟性を損なう場合がある。
(C)金属水和物としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水和珪酸アルミニウム、水和珪酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、オルト珪酸アルミニウム、ハイドロタルサイトなどの水酸基あるいは結晶水を有する金属化合物があげられ、これらは単独でも、2種以上を組み合わせてもよい。
これらの金属水和物においては、0.3〜1.5μmの範囲の結晶粒径を有し、凝集がほとんどないものが好ましく、樹脂との相溶性が向上することから、シラン系、チタネート系カップリング剤や脂肪酸などで表面処理されていても、未処理でもよい。例えば、「ハイジライト」(昭和電工社製)、「キスマ」(協和化学社製)(いずれも商品名)などがある。金属水和物の配合量は、(A)+(B)100質量部に対して、30〜50質量部、好ましくは35〜45質量部である。少なすぎると目的とする難燃性が得られないことがあり、多すぎると耐寒性が低下してしまうことがある。
(D)リン系難燃剤としては、赤リン、非ハロゲンリン酸エステル、非ハロゲン縮合リン酸エステル、反応型リン酸エステル、リン酸塩系化合物などが挙げられる。
本発明のポリオレフィン系組成物は、一般的に使用されている各種の樹脂やゴム、さらに、添加剤(難燃剤、酸化防止剤、金属不活性剤、紫外線吸収剤、分散剤、架橋助剤、架橋剤、カーボンやシリカ等の補強剤、顔料など)を本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じ適宜配合することができる。
さらに、本発明の組成物は押出し被覆の後架橋することが必要であり、ポリオレフィン組成物が架橋剤を含有するのが好ましい。
架橋剤としては、有機過酸化物が好ましく、例えば、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシド)ヘキシン、1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1,−ジ−t−ブチルパーオキシ−シクロヘキサン等が挙げられる。その配合量は、ベース樹脂100質量部に対して、2〜5質量部が適当である。
押出し被覆後の架橋処理は、水蒸気架橋方式、溶融塩架橋方式、電子線照射架橋法、化学架橋法を使用できるが、特に限定するものではない。
架橋剤としては、有機過酸化物が好ましく、例えば、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシド)ヘキシン、1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1,−ジ−t−ブチルパーオキシ−シクロヘキサン等が挙げられる。その配合量は、ベース樹脂100質量部に対して、2〜5質量部が適当である。
押出し被覆後の架橋処理は、水蒸気架橋方式、溶融塩架橋方式、電子線照射架橋法、化学架橋法を使用できるが、特に限定するものではない。
本発明のポリオレフィン系組成物を被覆後架橋処理してなる電線並びにケーブルは、被覆層の組成物が架橋されているために耐熱性の点で優れたものとなる。被覆層の架橋方法としては、導体の外側に本発明のポリオレフィン系組成物を押出成形した後、160〜200℃で加熱して架橋するのが一般的である。
本発明の電線は、前記ポリオレフィン系組成物を被覆層に用いていればよく、被覆層は絶縁層であってもシース層であってもよい。この電線・ケーブルは、上記ポリオレフィン化合物を用いていることにより、難燃性、耐寒性に優れ、燃焼時にハロゲン系ガスを発生しない。
ケーブルについては、特に限定されるものではないが、前記電線を複数本使用するものであればよく、一例を図1に示した。図1は絶縁ケーブルの一実施例を断面図で示す説明図である。図1のケーブルは導体1の外周にセパレータ2と絶縁体3を設けている。これを複数本撚り合せ、これにシース4を一括被覆した構成のものである。この例では電線を撚り合わせているが、電線を撚り合わせずに電線どうしの間に介在層を、必要に応じ設けてもよい。セパレータは口出し性を向上させるために用いるものであり、通常紙やPET(ポリエチレンテレフタレート)テープを用いられるが、特に必要としない場合は用いない。
本発明の電線は、前記ポリオレフィン系組成物を被覆層に用いていればよく、被覆層は絶縁層であってもシース層であってもよい。この電線・ケーブルは、上記ポリオレフィン化合物を用いていることにより、難燃性、耐寒性に優れ、燃焼時にハロゲン系ガスを発生しない。
ケーブルについては、特に限定されるものではないが、前記電線を複数本使用するものであればよく、一例を図1に示した。図1は絶縁ケーブルの一実施例を断面図で示す説明図である。図1のケーブルは導体1の外周にセパレータ2と絶縁体3を設けている。これを複数本撚り合せ、これにシース4を一括被覆した構成のものである。この例では電線を撚り合わせているが、電線を撚り合わせずに電線どうしの間に介在層を、必要に応じ設けてもよい。セパレータは口出し性を向上させるために用いるものであり、通常紙やPET(ポリエチレンテレフタレート)テープを用いられるが、特に必要としない場合は用いない。
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
「シートの作製」
表1に示した各成分を100〜180℃の1.7Lバンバリー及び50〜80℃の8インチロール機により約10〜20分間混練して調製した。得られたポリオレフィン系組成物をシート状に成形した後、160℃で30分間プレス加工して架橋処理し、以下の各種試験の試験シートを作製した。
なお、表1中、EPDMはエチレン・プロピレン・ジエン共重合体、BRはブタジエンゴム、EVAはエチレン・酢酸ビニル共重合体、LDPEは低密度ポリエチレンを示す。
表1に示した各成分を100〜180℃の1.7Lバンバリー及び50〜80℃の8インチロール機により約10〜20分間混練して調製した。得られたポリオレフィン系組成物をシート状に成形した後、160℃で30分間プレス加工して架橋処理し、以下の各種試験の試験シートを作製した。
なお、表1中、EPDMはエチレン・プロピレン・ジエン共重合体、BRはブタジエンゴム、EVAはエチレン・酢酸ビニル共重合体、LDPEは低密度ポリエチレンを示す。
「電線の作製」
難燃試験を実施するため、公称断面積5mm2の銅素線を7本撚り合わせた銅導体に、上記ポリオレフィン系組成物を被覆し、金型を用いて160℃30分間プレスして電線サンプルを作製した。
難燃試験を実施するため、公称断面積5mm2の銅素線を7本撚り合わせた銅導体に、上記ポリオレフィン系組成物を被覆し、金型を用いて160℃30分間プレスして電線サンプルを作製した。
1)衝撃ぜい化限界温度
厚さ2mmの試験シートを用いて、JIS K 6261(加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−低温特性の求め方)に準拠して衝撃ぜい化限界温度を測定した。衝撃ぜい化限界温度−65℃以下を合格(○とする。×は不合格。)とした。
厚さ2mmの試験シートを用いて、JIS K 6261(加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−低温特性の求め方)に準拠して衝撃ぜい化限界温度を測定した。衝撃ぜい化限界温度−65℃以下を合格(○とする。×は不合格。)とした。
2)難燃性
外径13mmの電線サンプルを用いて、JIS C 3005(ゴム・プラスチック絶縁電線試験方法)の28.難燃における傾斜試験に準拠して行った。炎を取り去った後、30秒以内に自然に炎が消えた場合を合格(○とする。×は不合格。)とした。
外径13mmの電線サンプルを用いて、JIS C 3005(ゴム・プラスチック絶縁電線試験方法)の28.難燃における傾斜試験に準拠して行った。炎を取り去った後、30秒以内に自然に炎が消えた場合を合格(○とする。×は不合格。)とした。
3)熱老化特性(伸び残率)
厚さ2mmの試験シートを用いて、JIS K 6257(加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−熱老化特性の求め方)のA−2法に準拠して100℃96時間サンプルを加熱し、引張伸びの残率を算出した。80%以上を合格(○とする。×は不合格。)とした。
厚さ2mmの試験シートを用いて、JIS K 6257(加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−熱老化特性の求め方)のA−2法に準拠して100℃96時間サンプルを加熱し、引張伸びの残率を算出した。80%以上を合格(○とする。×は不合格。)とした。
4)耐油性
厚さ2mmの試験シートを用いて、JIS C 3005に準拠し、IRM902試験油を用い70℃、4時間漬せき試験による引張強さの残率を算出した。50%以上を合格(○とする。×は不合格。)とした。
作製した各シートおよび電線について、衝撃ぜい化限界温度、難燃性、熱老化特性、耐油性を上記方法に基づいて評価した。結果を配合組成と共に表1に示す。
厚さ2mmの試験シートを用いて、JIS C 3005に準拠し、IRM902試験油を用い70℃、4時間漬せき試験による引張強さの残率を算出した。50%以上を合格(○とする。×は不合格。)とした。
作製した各シートおよび電線について、衝撃ぜい化限界温度、難燃性、熱老化特性、耐油性を上記方法に基づいて評価した。結果を配合組成と共に表1に示す。
表1に示すように、本発明の実施例1〜6の樹脂組成物は、傾斜燃焼試験に合格しながら、衝撃ぜい化限界温度が−65℃以下で、更に熱老化後の引張伸び残率が80%以上を示し、更に耐油浸せき後の引張強さが50%以上を示していることが分かる。それに対し比較例1はポリマーをEPDMだけ使用し、かつ金属水和物が多いので、衝撃ぜい化限界温度が−65℃よりもかなり高い。また、比較例2はポリマーをEPDMだけ使用し、金属水和物が少なすぎるため耐油試験後の引張強さが低い。また、比較例3,4は赤リンを使用していないため金属水和物だけは60度傾斜難燃に不合格である。また比較例5は、金属水和物が多すぎるため衝撃ぜい化限界温度が−65℃よりも高い。また比較例6はブタジエンゴムを50質量部以上使用しているため、衝撃ぜい化限界温度は−65℃よりも低温だが、熱老化特性が悪いことが分かる。
1 導体
2 セパレータ
3 絶縁体
4 シース層
2 セパレータ
3 絶縁体
4 シース層
Claims (6)
- (A)エチレン・プロピレン共重合体60〜90質量部、(B)ポリオレフィン、ポリジオレフィン及びエチレン・プロピレン共重合体以外のエチレン共重合体から成る群から選択される一つ以上の重合体が10〜40質量部〔ただし、(A)+(B)=100質量部〕に対し、(C)金属水和物30〜50質量部及び(D)リン系難燃剤をリン元素含有量に換算して3〜10質量部含有してなることを特徴とするポリオレフィン系組成物。
- (B)成分が、ブタジエンゴムであることを特徴とする請求項1に記載のポリオレフィン系組成物。
- (B)成分が、エチレン・酢酸ビニル共重合体であることを特徴とする請求項1に記載のポリオレフィン系組成物。
- (C)成分が、水酸化マグネシウム及び/または水酸化アルミニウムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリオレフィン系組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリオレフィン系組成物を絶縁被覆層またはシース被覆層として被覆してなることを特徴とする電線又はケーブル。
- 絶縁被覆層又はシース被覆層が架橋処理されていることを特徴とする請求項5に記載の電線又はケーブル。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008324200A JP2010144088A (ja) | 2008-12-19 | 2008-12-19 | ポリオレフィン系組成物及びそれを用いた電線並びにケーブル |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020152863A (ja) * | 2019-03-22 | 2020-09-24 | 三井化学株式会社 | ゴム組成物およびその架橋体 |
-
2008
- 2008-12-19 JP JP2008324200A patent/JP2010144088A/ja active Pending
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