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JP2010140705A - 有機エレクトロルミネッセンスパネル及びその製造方法、該有機エレクトロルミネッセンスパネルを用いた照明装置、表示装置 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンスパネル及びその製造方法、該有機エレクトロルミネッセンスパネルを用いた照明装置、表示装置 Download PDF

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JP2010140705A JP2008314317A JP2008314317A JP2010140705A JP 2010140705 A JP2010140705 A JP 2010140705A JP 2008314317 A JP2008314317 A JP 2008314317A JP 2008314317 A JP2008314317 A JP 2008314317A JP 2010140705 A JP2010140705 A JP 2010140705A
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Atsuo Nozaki
敦夫 野崎
Kiyoshi Endo
喜芳 遠藤
Kiyohiko Takahashi
清彦 高橋
Seiichi Tanahashi
清一 棚橋
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Abstract

【課題】有機層面へのゴミの付着が少なく、発光不良が改善された有機ELパネル及びその製造方法、その有機ELパネルを用いた照明装置や表示装置を提供することにある。
【解決手段】ロール状プラスチックフィルムを連続搬送して、その上に有機層を形成する有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法において、該有機層を形成する前にロール状プラスチックフィルム端部のゴミ除去を行うことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンスパネル及びその製造方法、該有機エレクトロルミネッセンスパネルを用いた照明装置、表示装置に関する。
有機エレクトロルミナッセンス(EL)素子は、電極と電極の間を厚さ僅か0.1μm程度の有機材料の膜で構成する全固体素子であり、かつその発光が2〜20V程度の比較的低い電圧で達成できることから、次世代の平面ディスプレイ照明装置として期待されている技術である。
さらに、最近発見されたリン光発光を利用する有機EL素子では、以前の蛍光発光を利用するものに比べ原理的に約4倍の発光効率が実現可能であることから、その材料開発を始め、発光素子の層構成や電極の研究開発が世界中で行われている。また、有機EL素子の構成は、透明電極と対向電極に有機層が挟まれただけの単純なものであり、平面ディスプレイの代表である液晶ディスプレイに比べ、部品点数が圧倒的に少ないため、製造コストも低く抑えられるはずであるが、現状では必ずしもそうではなく、性能的にもコスト的にも液晶ディスプレイに大きく水をあけられている。特にコストに対しては、生産性の悪さがその要因として考えられる。
現在商品化されている有機EL素子のほとんどが、低分子材料を蒸着して成膜する、所謂蒸着法で製造されている。この蒸着法は精製が容易な低分子化合物を有機EL材料として用いることができる(高純度材料が得やすい)こと、さらに積層構造を作るのが容易なことから、効率、寿命という面で非常に優れているが、反面、10−4Pa以下という高真空条件下で蒸着を行うため、成膜する装置に制約が加わり、実際には小さい面積の基板にしか適用できず、さらに複数層積層するとなると成膜に時間がかかりスループットが低いことが欠点である。特に照明用途や大面積の電子ディスプレイに適用する場合には問題となり、有機EL素子がそのような用途において実用されていない一つの原因となっている。
それに対し、高分子材料を用いると、有機EL素子における有機化合物層をスピンコート、インクジェット、印刷、スプレーといった塗布プロセスにより製造することができる。これは、大気圧下で製造することができるため、低コスト化が可能であると同時に、有機EL素子の有機層を成膜する際には、必要な材料(高分子材料及び/または低分子材料)を溶液調製して薄膜塗布するので、複数の有機材料を精密に混合できる(例えば発光ホスト材料に対するドーパント等の調製がしやすい等)ことから、素子を大面積化しても発光ムラができにくいという特徴があり、製造コストの面でも非常に有利である。このため、特に基板にロール状プラスチックフィルムを用いるとロールツーロール方式での連続生産が可能になり、生産性が向上する。
有機ELパネルの品質面では、有機層を形成した面への微少なゴミの付着、汚染がダークスポットとなり、発光不良をもたらす。ロールツーロール方式での生産では、有機層を形成した面側にもローラーが必要な場合があるが、有機ELパネルでは、有機層を形成した面への微少なゴミの付着、汚染がダークスポットとなり、発光不良をもたらすため、ロールツーロール方式での生産では、有機層を形成した面と搬送ローラーの接触は避けたい。有機層を形成した面にローラーを接触させない方法としては、有機ELパネルの生産ではないが、(1)エアー浮上ローラーによる搬送(例えば、特許文献1、2参照)、(2)段付きローラーによるフィルム端部のみの支持搬送(例えば、特許文献3参照)が知られている。また、有機ELパネルの生産ではないが、巻き取り時のタッキング防止のために(3)精密に凹凸加工された金属ローラーに通すことで、フィルム端部に凹凸形状を形成するエンボス加工、あるいは(4)巻き取り直前にフィルム端部にテープをラミネートするサイドテープ付与等が知られている。
(1)のエアー浮上ローラーによる搬送方法は、搬送機構の複雑さや加工工数の増加によるコストアップ、(2)の段付きローラーによる搬送方法は、フィルム搬送ラインが蛇行した時のサポート部からのフィルム脱落を考慮して、フィルム幅を狭くせざるを得なかったり、蛇行防止のための機構追加や搬送精度向上によるコストアップがある。また(3)のエンボス加工による搬送方法は、コストアップの他、剛性のない薄膜フィルムの場合、そこから発塵の恐れもある。(4)のサイドテープ付与による搬送方法は、巻き取り直前にサイドテープ付与を行い、次工程の巻き出し直後にサイドテープを剥離回収するのが一般的であり、フィルム端面は発塵防止されていないため、フィルム端面からの発塵の可能性があり、フィルム搬送中にこれが有機層を形成した面に付着する懸念がある。
特開平8−245028号公報 特開2002−29651号公報 特開2007−153519号公報
本発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、その目的は、有機層面へのゴミの付着が少なく、発光不良が改善された有機ELパネル及びその製造方法、その有機ELパネルを用いた照明装置や表示装置を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
1.ロール状プラスチックフィルムを連続搬送して、その上に有機層を形成する有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法において、該有機層を形成する前にロール状プラスチックフィルム端部のゴミ除去を行うことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
2.前記ゴミ除去を行った後、さらに前記ロール状プラスチックフィルム端部を覆うようにカバーリング処理を行うことを特徴とする前記1に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
3.前記カバーリング処理において、前記ロール状プラスチックフィルム端部の有機層形成面側にガイド部を設けることを特徴とする前記2に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
4.前記ガイド部とは別に段付きローラーを設け、該ガイド部及び段付きローラーによって搬送することを特徴とする前記3に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
5.前記段付きローラーの芯部分からフィルム面に向かってエアーを吹き出しながら搬送することを特徴とする前記4に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
6.前記ガイド部がロール状プラスチックフィルムの長さ方向に不連続部分を有し、該ロール状プラスチックフィルムが巻かれたロールの側面からエアーを導入することを特徴とする前記4または5に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
7.前記ロール状プラスチックフィルムが、柔軟性のある樹脂支持体であることを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
8.前記1〜7のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法によって製造されたことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネル。
9.前記8に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルを備えることを特徴とする照明装置。
10.前記8に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルを備えることを特徴とする表示装置。
本発明により、有機層面へのゴミの付着が少なく、発光不良が改善された有機ELパネル及びその製造方法、その有機ELパネルを用いた照明装置や表示装置を提供することができた。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
有機ELパネルは、電極間に単数または複数の有機層を積層した構造であり、例えば、陽極/正孔注入・輸送層/発光層/電子注入・輸送層/陰極等、最も単純には、陽極/発光層/陰極からなる構造である。これ以外にも電子阻止層、また正孔阻止層、またバッファー層等適宜必要な層が所定の層順で積層されているものもあり、両極から注入された正孔及び電子等のキャリア移動がスムーズに行われるよう構成されている。これら有機ELパネルにおける各有機層、各薄膜の膜厚は、1nm〜数μmの範囲に亘る。
次いで、本発明の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法について説明する。
〔ゴミ除去〕
本発明は、ロール状プラスチックフィルムを連続搬送して、その上に有機層を形成する有機ELパネルの製造方法において、該有機層を形成する前にロール状プラスチックフィルム端部のゴミ除去を行うことを特徴とする。
前述のように、有機ELパネルでは、有機層を形成した面への微少なゴミの付着、汚染が原因でダークスポットとなり、発光不良をもたらす。そのため、ゴミ発生源の一つである基板となるロール状プラスチックフィルムの製膜後の洗浄等の配慮が必要であるが、洗浄した後、有機ELパネル製造のためにロール状プラスチックフィルムを搬送すると、その端部(ロール状プラスチックフィルムの製膜後、裁断時の切り屑等が付着している)からゴミが発生することがある。そこで、本発明では、有機層を形成する直前にロール状プラスチックフィルム端部のゴミ除去を行う。
ゴミ除去の方法としては、ドライ洗浄法(UV照射、プラズマ照射、コロナ放電、粘着ローラー、掻き落とし法、吸引法、超音波吸引法、ガス吹き飛ばし吸引法)、ウエット洗浄法(超純水洗浄、アルカリ水洗浄、機能水(オゾン水、水素水)洗浄)が挙げられる。有機ELパネルは水分があると急激に劣化するので、ドライ洗浄法が好ましく、中でも掻き落とし法、吸引法、超音波吸引法、ガス吹き飛ばし吸引法が好ましい。
ガス吹き飛ばし吸引法の具体的な方法は、窒素やアルゴン等の不活性ガスをロール状プラスチックフィルムに吹き付けて切り屑等を吹き飛ばし、吹き飛ばした切り屑等を、真空吸引により吸い取る。その一例を図1に示す。ロール状プラスチックフィルム1の端部にフィルムの中央部側から不活性ガスを吹き付け、ロール状プラスチックフィルムの裁断時に端部に生じた切り屑を吹き飛ばし、それをフィルムの両端で真空吸引して吸い取ることにより、ロール状プラスチックフィルムの端部の切り屑等のゴミを残さないようにすることができる。不活性ガスの吹き付けと真空吸引と併用することが好ましい。
〔カバーリング処理〕
上記方法でロール状プラスチックフィルムの端部の切り屑等のゴミはほとんど除去できるが、さらにロール状プラスチックフィルムの端部を覆うようにカバーリング処理を行うことが好ましい。カバーリング処理とは、ロール状プラスチックフィルムの両端部の端面、両端部の端面と有機層形成面、または両端部の端面と有機層形成面とその裏面を、樹脂材料または無機材料で覆う処理で、カバーリング処理されたロール状プラスチックフィルム断面を図2に示す。2がカバーリング処理部である。
(樹脂材料カバーリング処理)
樹脂材料で覆うカバーリング処理に用いる樹脂材料は柔軟性のある樹脂が好ましく、ロール状プラスチックフィルムと同じ材質が好ましい。
また、有機層形成後は、樹脂材料カバーリング処理用フィルムは巻き取り工程直前で剥離する。図3はロール状プラスチックフィルム1及びカバーリング処理用フィルム3を連続して繰り出して貼り付け、塗布により有機層を形成し、カバーリング処理用フィルム3を剥離・除去し、巻き取る工程を示す図である。
カバーリング処理では、連続して繰り出されるロール状プラスチックフィルムの両端部の端面、または両端部の端面と有機層形成面を、細幅のロール状プラスチックフィルム(カバーリング処理用フィルム)を連続して繰り出して貼り付ける。貼り付け法は、片面に容易に剥離可能な微粘着材料を有するカバーリング処理用フィルムによる粘着、片面に微少凹凸面を有するカバーリング処理用フィルムを用いた真空吸着、カバーリング処理用フィルムと静電気を使った静電吸着等が挙げられる。
〈微粘着材料〉
剥離可能な微粘着材料としては、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤、紫外線硬化型粘着剤等を挙げることができる。
アクリル系粘着剤としては、(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体または他の共重合性モノマーとの共重合体が用いられる。さらに、これらの共重合体を構成するモノマーもしくは共重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸のアルキルエステル(例えば、メチルエステル、エチルエステル、ブチルエステル、2−エチルヘキシルエステル、オクチルエステル、イソノニルエステル等)、(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル(例えば、ヒドロキシエチルエステル、ヒドロキシブチルエステル、ヒドロキシヘキシルエステル)、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、(メタ)アクリル酸アミド、(メタ)アクリル酸N−ヒドロキシメチルアミド、(メタ)アクリル酸アルキルアミノアルキルエステル(例えば、ジメチルアミノエチルメタクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート等)、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル等が挙げられる。主要成分のモノマーとしては、通常、ホモポリマーのガラス転移点が−50℃以下のアクリル酸アルキルエステルが使用される。
上記アクリル系重合体は、通常のラジカル重合で合成される。合成方法には制限はなく、溶液重合、塊状重合、乳化重合等の公知の重合法で行うことができるが、反応のコントロールが容易であることや直接次の操作に移れることから溶液重合が好ましい。この場合、重合時の溶媒としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、セロソルブ、酢酸エチル、酢酸ブチル等、重合によって生成するアクリル系樹脂を溶解し得るものであれば何でもよく、単独でも、複数の溶媒を混合してもよい。また、重合反応の際に使用される重合開始剤もベンゾイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系開始剤等公知のものであれば何でもよく、特に制限はない。
アクリル系粘着剤の硬化剤としては、イソシアネート系、エポキシ系、アリジリン系硬化剤が利用できる。例えば、イソシアネート系硬化剤では、経時後も安定した粘着力を得ることと、より硬い粘着層とする目的で、トルイレンジイソシアネート(TDI)等の芳香族系のタイプを好ましく用いることができる。
また、再剥離性を持たせるため、もしくは、粘着力を低く安定に維持するために、それらの成分がロール状プラスチックフィルムに移行しない程度に、ワックス等の有機樹脂、シリコーン、フッ素等の低表面エネルギーを有する成分を添加してもよい。例えば、ワックス等の有機樹脂では、高級脂肪酸エステルや低分子のフタル酸エステルを用いてもよい。
ゴム系粘着剤としては、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴムとこれらの混合物、あるいは、これらゴム系粘着剤にアビエチン酸ロジンエステル、テルペン・フェノール共重合体、テルペン・インデン共重合体等の粘着付与剤を配合したものが用いられる。
ゴム系粘着剤のベースポリマーとしては、例えば、天然ゴム、イソプレン系ゴム、スチレン−ブタジエン系ゴム、再生ゴム、ポリイソブチレン系ゴム、さらにはスチレン−イソプレン−スチレン系ゴム、スチレン−ブタジエン−スチレン系ゴム等が挙げられる。
中でも、ブロックゴム系粘着剤は、一般式A−B−Aで表されるブロック共重合体や一般式A−Bで表されるブロック共重合体(但し、Aはスチレン系重合体ブロック、Bはブタジエン重合体ブロック、イソプレン重合体ブロック、またはそれらを水素添加して得られるオレフィン重合体ブロックであり、以下、スチレン系熱可塑性エラストマーともいう)を主体に、粘着付与樹脂、軟化剤等が配合された組成物が挙げられる。上記ブロックゴム系粘着剤において、スチレン系重合体ブロックAは平均分子量が4,000〜120,000程度のものが好ましく、さらに10,000〜60,000程度のものがより好ましい。そのガラス転移温度は15℃以上のものが好ましい。また、ブタジエン重合体ブロック、イソプレン重合体ブロックまたはこれらを水素添加して得られるオレフィン重合体ブロックBは、平均分子量が30,000〜400,000程度のものが好ましく、さらに60,000〜200,000程度のものがより好ましい。そのガラス転移温度は−15℃以下のものが好ましい。上記A成分とB成分との好ましい質量比はA/B=5/95〜50/50であり、さらに好ましくはA/B=10/90〜30/70である。A/Bの値が、50/50を超えると常温においてポリマーのゴム弾性が小さくなり、粘着性が発現しにくくなり、5/95未満ではスチレンドメインが疎になり、凝集力が不足し、所望の接着力が得られないばかりか、剥離時に接着層がちぎれてしまう等の不具合が見られる。
さらに、上記粘着剤に、ポリオレフィン系樹脂を添加することにより、ロール状プラスチックフィルムからの離型性を向上することができる。このポリオレフィン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、プロピレン−αオレフィン共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−n−ブチルアクリレート共重合体及びこれらの混合物が挙げられる。
このポリオレフィン系樹脂は、低分子量分が少ないことが好ましく、具体的には、n−ペンタンによる沸点乾留で抽出される低分子量分が1.0質量%未満であることが好ましい。低分子量分が1.0質量%を超えて存在すると、この低分子量分が温度変化や経時変化に応じて、粘着特性に悪影響を及ぼし、粘着力を低下させるからである。
また、その配合量は、上記ポリイソブチレン系エラストマー乃至スチレン系熱可塑性エラストマー100質量部に対し、100質量部以下程度が好ましく、より好ましくは10〜50質量部である。配合量が50質量部を超えると粘着剤の粘着性の発現を阻害する。
上記粘着剤には、シリコーンオイルを添加することにより、ポリビニルアルコールを主成分とする塗膜が設けられた自背面との親和性をさらに低下せしめることができる。このシリコーンオイルはポリアルコキシシロキサン鎖を主鎖に持つ高分子化合物で、カバーリング層の疎水性を高め、さらに接着界面、即ち、カバーリング層表面にブリードするため、粘着剤の接着力を抑制し、接着昂進現象が起き難くする働きがある。シリコーンオイルの分子量は、1,000〜100,000程度が好ましく、さらに好ましくは、10,000〜50,000である。分子量が100,000を超えると、ポリイソブチレン系エラストマー乃至スチレン系熱可塑性エラストマーとの相溶性が不足し、分離もしくは白濁を起こし、粘着力に許容しがたいムラが生じる、1,000未満では、接着界面への低分子量成分のブリードが多くなり、粘着力が大幅に低下する。また、その配合量は、上記ポリイソブチレン系エラストマー乃至スチレン系熱可塑性エラストマー100質量部に対し、2質量部以下程度が好ましく、より好ましくは1質量部以下である。配合量が2質量部を超えると粘着剤の所望の粘着力が得られない。
また、上記粘着剤には、上記シリコーンオイルに替えて、高級アルキル基を導入したポリエチレンイミンを用いても同様の効果が得られる。上記高級アルキル基を導入したポリエチレンイミンは、高級アルキル基の導入によって、疎水性となったポリマーであり、その分子量は、1,000〜40,000程度のものが好ましい。また、アルキル基は、ポリエチレンイミンのイミノ基に対し、0.5〜1.0当量、好ましくは、0.7〜1.0当量結合しているものが好ましく、高級アルキル基としては、炭素数12以上のアルキル基が好ましく、特に、オクタデシル基が好適に使用される。ポリエチレンイミンに高級アルキル基を導入するには、例えば、ポリエチレンイミンに過剰の高級アルキルイソシアネートを加え、加熱、攪拌下に、付加反応を行う方法が採られる。
高級アルキル基を導入したポリエチレンイミンの配合量は、上記ポリイソブチレン系エラストマー乃至スチレン系熱可塑性エラストマー100質量部に対し、5質量部以下程度であり、好ましくは3質量部以下である。高級アルキル基を導入したポリエチレンイミンの配合量が5質量部を超えると、粘着剤層の表面に多量にブリードアウトして、被搬送物が汚染される。
本発明で使用される粘着付与樹脂は、上記ポリイソブチレン系エラストマー乃至スチレン系熱可塑性エラストマーと選択的に相溶するものであれば任意に選ばれる。例えば、脂肪族系石油樹脂、テルペン樹脂、クマロン・インデン樹脂、芳香族系石油樹脂、ロジン樹脂、脂環族系石油樹脂等が好適に用いられる。粘着付与樹脂の配合量は、上記ポリイソブチレン系エラストマー乃至スチレン系熱可塑性エラストマー100質量部に対し、10〜200質量部であり、好ましくは、20〜150質量部であり、さらに好ましくは、30〜100質量部である。その配合量が10質量部未満では、粘着性が発現され難く、逆に、200質量部を超えると、凝集力が小さくなり、被搬送物に糊残りする。
本発明における粘着剤には、上記の他、必要に応じて、酸化防止剤等の安定剤が添加されてもよく、例えば、酸化防止剤である「イルガノクス1010」(チバガイギー社製)は熱劣化に対して効果がある。
上記ゴム系粘着剤に、架橋剤を添加し架橋することでカバーリング層とする。架橋剤としては、例えば、天然ゴム系粘着剤の架橋には、イオウと加硫助剤及び加硫促進剤(代表的なものとして、ジブチルチオカーバメイト亜鉛等)が使用される。天然ゴム及びカルボン酸共重合ポリイソプレンを原料とした粘着剤を室温で架橋可能な架橋剤として、ポリイソシアネート類が使用される。ブチルゴム及び天然ゴム等の架橋剤に耐熱性と非汚染性の特色がある架橋剤として、ポリアルキルフェノール樹脂類が使用される。ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム及び天然ゴムを原料とした粘着剤の架橋に有機過酸化物、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等があり、非汚染性の粘着剤が得られる。架橋助剤として、多官能メタクリルエステル類を使用する。その他紫外線架橋、電子線架橋等の架橋による粘着剤の形成がある。
シリコーン系粘着剤としては付加反応硬化型シリコーン粘着剤と縮重合硬化型シリコーン粘着剤があるが、本発明では付加反応硬化型が好ましく用いられる。
付加反応硬化型シリコーン粘着剤組成物の組成としては、次のものが好適に用いられる。
(A)1分子中に2個以上のアルケニル基を有するポリジオルガノシロキサン
(B)SiH基を含有するポリオルガノシロキサン
(C)制御剤
(D)白金触媒
(E)導電性微粒子
ここで、(A)成分は、1分子中に2個以上のアルケニル基を有するポリジオルガノシロキサンであり、このようなアルケニル基含有ポリジオルガノシロキサンとしては、下記一般式(1)で示されるものが例示できる。
一般式(1)
(3−a)SiO−(RXSiO)−(RSiO)−(RXSiO)−R(3−a)XaSiO
一般式(1)において、Rは炭素数1〜10の1価炭化水素基であり、Xはアルケニル基含有の有機基である。aは0〜3の整数で1が好ましく、mは0以上であるが、a=0の場合、mは2以上であり、m及びnは、それぞれ100≦m+n≦20,000を満足する数であり、pは2以上である。
Rは炭素数1〜10の1価炭化水素基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基等が挙げられるが、特にメチル基、フェニル基が好ましい。
Xはアルケニル基含有有機基で炭素数2から10のものが好ましく、具体的にはビニル基、アリル基、ヘキセニル基、オクテニル基、アクリロイルプロピル基、アクリロイルメチル基、メタクリロイルプロピル基、シクロヘキセニルエチル基、ビニルオキシプロピル基、等があげられるが、特にビニル基、ヘキセニル基等が好ましい。
このポリジオルガノシロキサンの性状は、オイル状、生ゴム状であればよく、(A)成分の粘度は、25℃において100mPa・s以上、特に1,000mPa・s以上が好ましい。なお、上限としては、特に限定されないが、他成分との混合の容易さから、重合度が20,000以下となるように選定することが好ましい。また、(A)成分は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(B)成分は架橋剤で、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個、好ましくは3個以上有するオルガノヒドロポリシロキサンで、直鎖状、分岐状、環状のもの等を使用することができる。
(B)成分としては、下記一般式(2)で表される化合物を挙げることができるが、これらのものには限定されない。
一般式(2)
(3−b)SiO−(HRSiO)−(R SiO)−SiR (3−b)
一般式(2)において、Rは炭素数1〜6の脂肪族不飽和結合を含有しない1価炭化水素基である。bは0〜3の整数、x、yはそれぞれ整数であり、このオルガノヒドロポリシロキサンの25℃における粘度が1〜5000mPa・sとなる数を示す。
このオルガノヒドロポリシロキサンの25℃における粘度は、1〜5000mPa・s、特に5〜1000mPa・sであることが好ましく、また2種以上の混合物でもよい。
付加反応による架橋は(A)成分と架橋剤の(B)成分の間に発生し、硬化後の粘着剤層のゲル分率は架橋成分の割合によって決まる。
(B)成分の使用量は、(A)成分中のアルケニル基に対する(B)成分中のSiH基のモル比が0.5〜20、特に0.8〜15の範囲となるように配合することが好ましい。0.5未満では架橋密度が低くなり、これにともない保持力が低くなることがある。一方で、20を越えると粘着力及びタックが低下したり、処理液の使用可能時間が短くなる場合がある。
(C)成分は付加反応制御剤であり、シリコーン粘着剤組成物を調合し、基材に塗工する際、加熱硬化の以前に処理液が増粘やゲル化を起こさないようにするために添加するものである。
(C)成分の具体例としては、
3−メチル−1−ブチン−3−オール、
3−メチル−1−ペンチン−3−オール、
3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、
1−エチニルシクロヘキサノール、
3−メチル−3−トリメチルシロキシ−1−ブチン、
3−メチル−3−トリメチルシロキシ−1−ペンチン、
3,5−ジメチル−3−トリメチルシロキシ−1−ヘキシン、
1−エチニル−1−トリメチルシロキシシクロヘキサン、
ビス(2,2−ジメチル−3−ブチノキシ)ジメチルシラン、
1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン、
1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサン
等が挙げられる。
(C)成分の配合量は、(A)、(B)成分の合計100質量部に対して0〜5.0質量部の範囲であることが好ましく、特に0.05〜2.0質量部が好ましい。5.0質量部を越えると硬化性が低下することがある。
(D)成分は白金系触媒であり、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、塩化白金酸とアルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン化合物との反応物、塩化白金酸とビニル基含有シロキサンとの反応物等が挙げられる。
(D)成分の添加量は、(A)、(B)成分の合計に対し、白金分として1〜5,000ppm、特に5〜2,000ppmとすることが好ましい。1ppm未満では硬化性が低下し、架橋密度が低くなり、保持力が低下することがあり、5,000ppmを越えると処理浴の使用可能時間が短くなる場合がある。
上記の付加反応硬化型シリコーン粘着剤に、帯電防止等の目的で(E)成分の導電性微粒子を添加してもよい。具体的には、銀粉、銅粉、金粉、ニッケル粉、アルミニウム粉、鉄粉、はんだ粉等の金属粉、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、フラーレン、ポリアセチレン等の導電性樹脂、さらに中空ガラスビーズ、シリカ、酸化チタン等の無機粒子やポリアクリレート、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の樹脂粒子の表面を金属メッキした銀メッキシリカ、金メッキシリカ、金メッキガラスビーズ、銀メッキポリアクリレート微粒子等の導電化粒子が挙げられる。その中でも銀粉、銅粉、カーボンブラック、金メッキシリカ、銀メッキシリカが好ましい。
(E)成分の導電性微粒子の形状は、球状、樹枝状、針状等特に制限はない。また、粒径は特に制限はないが、最大粒径が粘着剤の塗工厚みの1.5倍を越えないことが好ましく、これを越えると粘着剤塗工表面に導電性微粒子の突出が大きくなり過ぎて、この部分を起点に被搬送体からの浮き等が発生しやすくなる。
導電性シリコーン粘着剤組成物に使用する導電性粒子が銀粉の場合、平均粒径は0.1〜150μm、好ましくは0.15〜80μmである。平均粒径が0.1μm未満の場合は、導電性が極端に低下するため好ましくなく、150μmを超える場合には、良好な接着性が得られないために好ましくない。
(E)成分の添加量は(A)、(B)成分の合計/(E)成分の比が、97/3〜50/50とすることが好ましい。(E)成分の配合割合が97/3より少ないと十分な導電性が得られない。50/50より多いと粘着力が小さくなる等粘着特性が低下することがある。
シリコーン粘着剤組成物には、上記各成分以外に任意成分を添加することができる。例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリジメチルジフェニルシロキサン等の非反応性のポリオルガノシロキサン、塗工の際の粘度を下げるためのトルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、ヘキサン、オクタン、イソパラフィン等の脂肪族系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸イソブチル等のエステル系溶剤、ジイソプロピルエーテル、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶剤、またはこれらの混合溶剤、酸化防止剤、染料、顔料等が挙げられる。なお、通常、組成物の粘度を下げ、塗工を容易にするために溶剤が使用される。
上記のように配合されたシリコーン粘着剤組成物を、種々の基材に塗工し、所定の条件にて硬化させることにより、粘着層を有するカバーリング材料を得ることができる。
ウレタン粘着剤として好ましくは、ウレタン系粘着剤をポリイソシアネート系架橋剤で架橋させた2液硬化型ウレタン系粘着剤が用いられる。
ウレタン系粘着剤としては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオールと、ポリイソシアネート系架橋剤とを触媒を用いて反応させた分子量10,000〜300,000のポリウレタンポリオールに、ポリイソシアネート系架橋剤を配合した溶剤型ウレタン系粘着剤が好ましく用いられる。この粘着剤は、さらにポリイソシアネート系架橋剤によって架橋されて粘着剤層を形成する。
また、ポリイソシアネート系架橋剤としては、公知の芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、及び脂環族ポリイソシアネート等が挙げられる。これらの架橋剤はウレタン系粘着剤の架橋密度を適切にコントロールすることができ、安定した剥離性を得られることが望ましい。
ポリイソシアネート系架橋剤の中でも、架橋反応の早いイソシアヌレート環を有する多官能ポリイソシアネート化合物を架橋剤として用いて、ウレタン系粘着剤を架橋して形成することも好ましく、例えば、多官能ポリイソシアネート化合物の三量体からなるイソシアヌレート環を少なくとも1個有するポリイソシアネート系架橋剤が好ましく用いられる。
ウレタン系粘着剤に対するポリイソシアネート架橋剤の添加量は、ウレタン系粘着剤固形分100質量部に対して固形分1.5〜11質量部が好ましく、より好ましくは2〜10質量部である。ちなみに、1.5質量部未満では、架橋度が不十分で、凝集力が弱く、剥離時に粘着層がちぎれてしまう。一方、11質量部より多いと、架橋度が高くなり過ぎ、粘着力が低下する、もしくは、架橋剤が飽和状態となり、架橋を密度が低下することで凝集力が低下し、剥離時の粘着層のちぎれが発生することがある。
紫外線硬化型粘着剤としては、例えば、前記した(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体または共重合性モノマーとの共重合体(アクリル系ポリマー)と、紫外線硬化成分(前記アクリル系ポリマーの側鎖に炭素−炭素二重結合を付加させる成分)及び光重合開始剤と、必要に応じて架橋剤、粘着付与剤、充填剤、老化防止剤、着色剤等の慣用の添加剤を加えたものが用いられる。
前記紫外線硬化成分としては、分子中に炭素−炭素二重結合を有し、ラジカル重合により硬化可能なモノマー、ダイマー、オリゴマー、ポリマーであればよく、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1、6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と多価アルコールとのエステル;エステルアクリレートオリゴマー、2−プロペニルジ−3−ブテニルシアヌレート、2−ヒドロキシエチルビス(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−メタクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−メタクリロキシエチル)イソシアヌレート等のイソシアヌレートまたはイソシアヌレート化合物等が挙げられる。
前記の重合開始剤としては、その重合反応のきっかけとなり得る適当な波長の紫外線を照射することにより開裂し、ラジカルを生成する物質であればよく、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル類;ベンジル、ベンゾイル、ベンゾフェン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等の芳香族ケトン類、ベンジルジメチルケタール等の芳香族ケタール類;ポリビニルベンゾフェノン;クロロチオキサントン、ドデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン等のチオキサントン類等を挙げることができる。なお、前記架橋剤には、例えば、ポリイソシアネート化合物、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリアミン、カルボキシル基含有ポリマー等が含まれる。
以上の粘着剤の形態としては、溶剤型、エマルジョン型、ホットメルト型等が使用され、一般的には溶剤型、エマルジョン型のものが利用される。また、必要に応じて他の助剤を添加混合し、塗工液として作製することができる。他の助剤としては、減粘剤、増粘剤、pH調整剤、消泡剤、防腐防黴、顔料、無機充填剤、安定剤、濡れ剤、湿潤剤等を挙げることができる。
本発明に用いられるカバーリング用材料(粘着テープ)の市販品として例を挙げると、Adhesives Research社製 ARclear8932、ARclad7876、株式会社寺岡製作所製 No.7470等が、基材なしアクリル粘着テープとしては、日東電工株式会社製No.591、LA−50、LA−100、No.5915、HJ−9210、No.5919M、HJ−9150W、CS9621、No.595B、Adhesives Research社製 ARclear8154、ARclear8796、ARclear8957、株式会社寺岡製作所製 No.7021等が挙げられる。
(無機材料カバーリング処理)
無機材料で覆うカバーリング処理では、大気圧プラズマ処理法による無機材料付着が好ましい。大気圧プラズマ処理法による無機材料層は、有機層の塗布後、剥離して除去しない。
例えば、珪素化合物を原料化合物として用い、分解ガスに酸素を用いることにより、珪素酸化物を得ることができ、また、分解ガスに二酸化炭素を用いることにより、珪素炭酸化物が生成する。これはプラズマ空間内では非常に活性な荷電粒子・活性ラジカルが高密度で存在するため、プラズマ空間内では多段階の化学反応が非常に高速に促進され、プラズマ空間内に存在する元素は熱力学的に安定な化合物へと非常な短時間で変換されるためである。
このような無機物の原料としては、典型または遷移金属元素を有していれば、常温常圧下で気体、液体、固体いずれの状態であっても構わない。気体の場合にはそのまま放電空間に導入できるが、液体、固体の場合は、加熱、バブリング、減圧、超音波照射等の手段により気化させて使用する。また、溶媒によって希釈して使用してもよく、溶媒は、メタノール、エタノール、n−ヘキサン等の有機溶媒及びこれらの混合溶媒が使用できる。なお、これらの希釈溶媒は、プラズマ放電処理中において、分子状、原子状に分解されるため、影響はほとんど無視することができる。
このような酸化珪素膜である下地層を形成する珪素化合物としては、例えば、シラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、テトラt−ブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、ビス(ジメチルアミノ)ジメチルシラン、ビス(ジメチルアミノ)メチルビニルシラン、ビス(エチルアミノ)ジメチルシラン、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド、ジエチルアミノトリメチルシラン、ジメチルアミノジメチルシラン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチルシクロトリシラザン、ヘプタメチルジシラザン、ノナメチルトリシラザン、オクタメチルシクロテトラシラザン、テトラキスジメチルアミノシラン、テトライソシアナートシラン、テトラメチルジシラザン、トリス(ジメチルアミノ)シラン、トリエトキシフルオロシラン、アリルジメチルシラン、アリルトリメチルシラン、ベンジルトリメチルシラン、ビス(トリメチルシリル)アセチレン、1,4−ビストリメチルシリル−1,3−ブタジイン、ジ−t−ブチルシラン、1,3−ジシラブタン、ビス(トリメチルシリル)メタン、シクロペンタジエニルトリメチルシラン、フェニルジメチルシラン、フェニルトリメチルシラン、プロパルギルトリメチルシラン、テトラメチルシラン、トリメチルシリルアセチレン、1−(トリメチルシリル)−1−プロピン、トリス(トリメチルシリル)メタン、トリス(トリメチルシリル)シラン、ビニルトリメチルシラン、ヘキサメチルジシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、テトラメチルシクロテトラシロキサン、ヘキサメチルシクロテトラシロキサン、Mシリケート51等が挙げられる。
また、これらの珪素原子を含む原料ガスを分解して酸化珪素膜を得るための分解ガスとしては、例えば、水素ガス、メタンガス、アセチレンガス、一酸化炭素ガス、二酸化炭素ガス、窒素ガス、アンモニアガス、亜酸化窒素ガス、酸化窒素ガス、二酸化窒素ガス、酸素ガス、水蒸気、フッ素ガス、フッ化水素、トリフルオロアルコール、トリフルオロトルエン、硫化水素、二酸化硫黄、二硫化炭素、塩素ガス等が挙げられる。
珪素元素を含む原料ガスと、分解ガスを適宜選択することで、各種の珪素炭化物、珪素窒化物、珪素酸化物、珪素ハロゲン化物、珪素硫化物を得ることができる。
これらの反応性ガスに対して、主にプラズマ状態になりやすい放電ガスを混合し、プラズマ放電発生装置にガスを送りこむ。このような放電ガスとしては、窒素ガス及び/または周期表の第18属原子、具体的には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン等が用いられる。これらの中でも特に、窒素、ヘリウム、アルゴンが好ましく用いられる。
上記放電ガスと反応性ガスを混合し、混合ガスとしてプラズマ放電発生装置(プラズマ発生装置)に供給することで膜形成を行う。放電ガスと反応性ガスの割合は、得ようとする膜の性質によって異なるが、混合ガス全体に対し、放電ガスの割合を50%以上として反応性ガスを供給する。
次いで、大気圧プラズマ法(大気圧プラズマCVD法)について、さらに詳細に説明する。
従来より知られているプラズマCVD法は、プラズマ助成式化学的気相成長法、PECVD法とも称され、各種の無機物を、立体的な形状でも被覆性、密着性がよく、かつ基材温度をあまり高くすることなしに製膜することができる手法である。
通常のCVD法(化学的気相成長法)では、揮発・昇華した有機金属化合物が高温の基材表面に付着し、熱により分解反応が起き、熱的に安定な無機物の薄膜が生成されるというものである。このような通常のCVD法(熱CVD法とも称する)では、通常500℃以上の基板温度が必要であるため、樹脂基材への製膜には使用することができない。
一方、プラズマCVD法は、基材近傍の空間に電界を印加し、プラズマ状態となった気体が存在する空間(プラズマ空間)を発生させ、揮発・昇華した有機金属化合物がこのプラズマ空間に導入されて分解反応が起きた後に基材上に吹き付けられることにより、無機物の薄膜を形成するというものである。プラズマ空間内では、数%の高い割合の気体がイオンと電子に電離しており、ガス温度は低く保たれるものの、電子温度は非常な高温のため、この高温の電子、あるいは低温ではあるがイオン・ラジカル等の励起状態のガスと接するために無機膜の原料である有機金属化合物は低温でも分解することができる。従って、無機物を製膜する基材についても低温化することができ、プラスチック基材上へも十分製膜することが可能な製膜方法である。
しかしながら、プラズマCVD法においては、ガスに電界を印加して電離させ、プラズマ状態とする必要があるため、通常は、0.1kPa〜10kPa程度の減圧空間で製膜するため、大面積のフィルムを製膜する際には設備が大きく操作が複雑であり、生産性の課題を抱えている方法である。
これに対し、本発明に好適に用いることができる大気圧近傍でのプラズマCVD法(以下、大気圧プラズマCVD法あるいは大気圧プラズマ法という)は、真空下のプラズマCVD法に比べ、減圧にする必要がなく生産性が高いだけでなく、プラズマ密度が高密度であるために製膜速度が速く、さらにはCVD法の通常の条件に比較して、大気圧下という高圧力条件では、ガスの平均自由工程が非常に短いため、極めて平坦な膜が得られる。以上のことから、本発明においては、大気圧プラズマCVD法を適用することが、真空下のプラズマCVD法よりも好ましい。
(片面に微少凹凸面を有するカバーリング処理用フィルム)
片面に微少凹凸面を有するカバーリング処理用フィルムの作製(表面の粗面化)は、ボールグレイン、ワイヤーグレイン、ブラシグレイン等の機械的な粗面化方法と電気化学的な粗面化方法に大別される。
〈機械的な粗面化方法〉
上記機械的な粗面化処理は、ナイロンブラシを用いたスラリーブラッシング、ワイヤーブラシを用いたドライブラッシング、サンドブラスト、ボールグレイン、圧延ロール等を用いたプレス加工によるエンボス処理等の方法で行う。プレスを行う圧延ロールの表面に凹凸をつける方法として、サンドブラスト処理、グリッドブラスト処理、ショットブラスト処理、化学的エッチング処理、エキシマレーザー、COレーザー等のレーザー照射による金属の溶解処理、フォトレジストを用いたパターンエッチング処理等を用いることができる。
本発明に適用できる機械的な粗面化のうち、1例としてブラスト処理を具体的に説明する。
ブラスト剤として、例えばメラミン樹脂、ポリアミド樹脂、あるいはポリプロピレン樹脂等の、なるべく球形に近い形状を有し、モース硬度3〜5程度の硬質樹脂微粒子、アルミナ質グレーンのように硬度が高く粒子形状が角張った金属微粒子等が用いられる。ブラスト剤の粒径は50〜2000μm、より好ましくは100〜1500μmのものが、ブラストによって得られる凹凸の深さ、形状、ブラスト剤の飛散防止の観点で好ましく用いられる。
粗面化具合の精度は、ブラスト剤のメッシュサイズ、ブラスト距離(ブラスト剤を吹き付けるためのノズル先端から被ブラスト面までの距離)や空気圧力、あるいは処理時間等の調整により容易に制御される。
なお、上記したような球形に近い形状の樹脂微粒子からなるブラスト剤は、被ブラスト面を削り取るというよりはむしろ、叩き付けられて被ブラスト面に比較的規則的で単純で浅い凹凸を形成する。一方、例えばアルミナ質グレーンのように硬度が高く粒子形状が角張ったブラスト剤は局部的に深い凹凸を形成する。よって、得たい形状によってブラスト剤を選択することが好ましい。
また電気化学的な粗面化方法としては、電解液中に粗面化したいカバーリング処理用フィルムを浸漬し、通電することで粗面化する。具体的には以下のようにして行われる。
まず、電解槽に陽極及び陰極を配置する。本発明で使用する電解槽は、実公昭63−42141号公報等で開示されているようなラジアル型電解槽を用いてもよいし、特開平1−141094号公報で開示されているようなフラット型の電解処理槽を用いてもよい。フラット型の電解処理槽は縦置きでも、横置きでも、斜め置きでもよい。
電解槽には、酸性水溶液を供給する給液口及び酸性水溶液を排出する廃液口が設けられている。この給液口及び廃液口は電解槽の任意の位置に設けられ、また、特開平2−240300号公報で開示されているように、必要により複数設けることもできる。
陽極及び陰極の配置方法は、1つ以上の電解槽に全てまたは複数の陽極及び陰極を配置しても、陽極と陰極の対の数だけ電解槽を設け、各電解槽に一対の陽極と陰極とを配置しても、陽極と陰極の対の数の2倍の電解槽を設け、各電解槽に陽極及び陰極をそれぞれ別個に配置してもよい。
また、1つの電解槽に少なくとも一対の陽極及び陰極を配置する場合は、粗面化するローラーを介さずに、陽極から陰極へ直接流れるバイパス電流を抑止する目的で陽極と陰極との間にパーテーションウォールを設けることができる。このパーテーションウォールは、高さがローラーとこれに対向する陽極または陰極との間隔の20〜80%程度が好ましく、また、陽極と陰極との間隙の全面に設けることが好ましい。このパーテーションウォールとしては、電気絶縁性があり、なおかつ耐薬品性があることが好ましく、塩化ビニル、FRP、ゴム、テフロン(登録商標)等を用いることが可能である。また、前記バイパス電流を抑止する目的だけでなく、電極とローラー間の電位分布の拡がりを小さくする目的で、電極の両側にパーテーションウォールを設けてもよい。
陽極及び陰極は、水平に配置しても、特開平4−268097号公報で開示されているようなアノードケースを用いて垂直に吊り下げた状態で配置してもよい。陽極及び陰極を水平に配置する場合は、ローラーの上面側であっても下面側であってもよい。
陽極及び陰極は、一つの部材で構成しても、複数の電極片を組み合わせて構成してもよく、簡単かつ安価に製作でき、しかも電流分布を均一にできるので、複数の電極片を組み合わせて構成することが好ましい。複数の電極片を組み合わせて製作する場合、例えば、複数の電極片を所定間隔で平行に配置したり、複数の電極片を1〜5mm程度の絶縁体を介して平行に配置したりする。このような電極片の形状は特に限定されず、角棒状であっても、丸棒状であっても、ハニカム状であってもよい。また、絶縁体としては、電気絶縁性と耐薬品性とを兼ね備えた材料が好ましく、塩化ビニル、ゴム、テフロン(登録商標)、FRP等を用いる。
各陽極は同一の長さでも異なる長さでもよく、各陰極も同一の長さでも異なる長さでもよい。陽極と陰極との間隔も、同一の長さでも異なる長さでもよいが、仕上がりの均一性の観点から、50mm以上が好ましく、150mm以上がより好ましい。
また、陽極及び陰極の長さは、アルミニウム板の進行方向に対して段階的に長くしても、段階的に短くしてもよい。さらに、一対の陽極と陰極の長さを異ならせてもよい。また、陽極または陰極とローラーとの間隔は、20〜150mm程度が好ましい。
陽極には、ローラーの素材から適切な素材を選択する必要があるが、ローラーがアルミである場合、チタン、タンタル、ニオブ等のバルブ金属にプラチナ等の白金族系の金属をメッキまたはクラッドした電極やフェライト電極を用いることができる。
陰極においても陽極と同様で、ローラーの素材から適切な素材を選択する必要があるが、ローラーがアルミである場合、ステンレス鋼、カーボンまたは、白金、チタン、タンタル、ニオブ、ジルコニウム、ハフニウムやその合金等を用いることができる。
また、陰極の表面は平滑化のための表面仕上げをすることが好ましい。表面仕上げ方法としては、冷間圧延、ラップ仕上げ、平面研削、正面フライス削り、ペーパー仕上げ、バフ仕上げ、電解研磨、化学研磨、液体ホーニング等によって行うことができる。
また、これら陽極または陰極の芯材には導電性を良好にするため、銅またはアルミニウムを用いる。
酸性水溶液は、交流を用いた電気化学的な粗面化処理に用いるものを使用できるが、塩酸または硝酸を主体とする水溶液が好ましく、硝酸を主体とする水溶液がより好ましい。酸性水溶液中に、アルミニウム、鉄、銅、マンガン、ニッケル、チタン、マグネシウム、シリカ等ローラーの素材に含まれる金属が溶解していてもよい。また、アンモニウムイオン、硫酸イオン等が添加されていてもよい。
上記硝酸を主体とする水溶液(以下、硝酸水溶液という)は、硝酸化合物の濃度が0.1g/lから飽和限界の範囲が好ましく、0.1〜100g/lの範囲がより好ましい。また、硝酸化合物としては、硝酸アルミニウム、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム等が好ましく、これら複数組み合わせて用いてもよい。また、その他の硝酸イオンを含有するほかの化合物を組み合わせて用いることもできる。さらに、1つあるいは複数のアルミニウム塩及びアンモニウム塩を合計量で0.1〜100g/lとなるように混合することがより好ましい。なお、アンモニウムイオンは、硝酸水溶液中で電解処理することにより自動的に増加していく。
通電に伴い、ローラーに含まれる素材の成分は、電解反応とともに増加していく。よって、粗面化を安定に行うため、必要により硝酸化合物の添加、または水と硝酸の添加を行う。
硝酸水溶液の温度は、30〜55℃の範囲が好ましい。また、電解槽内の酸性水溶液の平均流速は、50〜500cm/secの範囲が好ましい。
直流電圧は、極性の変化しない電圧のことをいい、例えば、連続直流電圧、商用交流をダイオード、トランジスタ、サイリスタ、GTO等で整流したもの、矩形のパルス直流電圧がある。リップル率は0〜100%までどの値でも粗面化が可能であるが、リップル率30%以下の連続直流電圧が特に好ましい。
電流密度は、20〜200A/dmであることが好ましく、50〜120A/dmがより好ましい。電流密度は各電極または各電解槽毎に同じでも異なっていてもよい。ローラーに加える電気量は、50〜1000C/dmが好ましく、10〜800C/dmがより好ましい。
直流電圧は、1つの電源装置から複数の陽極及び陰極に供給しても、一対の陽極及び陰極毎に別個に供給してもよい。また、電解槽を複数設け、数回に亘って粗面化処理してもよい。
上記の機械的な粗面化や電気化学的な粗面化で生成した表面の凹凸を滑らかにするために、酸またはアルカリ水溶液中での化学的なデスマット処理及びエッチング処理をすることも好ましい。デスマット処理及びエッチング処理における酸水溶液としは、例えば、弗酸、弗化ジルコン酸、燐酸、硫酸、塩酸、硝酸等の水溶液があり、アルカリ水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、第3燐酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウム、硅酸ナトリウム、炭酸ナトリウム等の水溶液がある。これらの酸またはアルカリ水溶液は、それぞれ1種または2種以上を混合して使用することができる。
〔ガイド部〕
以上の方法により、ロール状プラスチックフィルムの端部の切り屑等のゴミは防止できるが、有機層形成面と搬送ローラー等との接触は、新たなゴミ付着の可能性がありできるだけ避けたい。そこで、前記カバーリング処理において、端部の有機層形成面側にガイド部を設けることが好ましい。ガイド部は、前記カバーリング処理のカバーリング処理層を厚くしたものである。ガイド部厚さは5〜100μm程度である。
有機層形成面にガイド部を設けると、ロールツーロール搬送時に有機層形成面の搬送ローラーへの接触がなく、また段付きローラーのような厳しい搬送速度精度が不要で、しかもコストが低い。ガイド部の一例を図4に示す。4がガイド部である。
さらに端部の有機層形成面の裏面にガイド部を設けると、ロールツーロール搬送時に裏面も搬送ローラーへの接触がなく、巻き取り時の裏面に付着したゴミの有機層形成面への付着がなく、好ましい。
〔ガイド部と段付きローラーによって搬送〕
また、蛇行を防止し、安定して搬送するため、前記ガイド部とは別に段付きローラーを設け、前記ガイド部及び段付きローラーによって搬送することが好ましい。その一例を図5に示す。5は段付きローラーである。
〔ローラーの芯部分からフィルム面に向かってエアー吹き出し〕
有機層を形成した後、フィルムのたわみを防止し、安定して搬送するため、前記段付きローラーの芯部分からフィルム面に向かってエアーを吹き出しながら搬送することが好ましい。その一例を図6に示す。
〔ロールの側面からエアーを導入〕
有機層を形成した後、ロール状に巻き取られた状態を安定に保つため、前記ガイド部がロール状プラスチックフィルムの長さ方向に不連続部分を有し、該ロール状プラスチックフィルムが巻かれたロールの側面からエアーを導入することが好ましい。その一例を図7に示す。6は不連続部分(開口部)である。
〔有機層〕
次いで本発明においてロール状プラスチックフィルム上に形成される有機ELパネルを構成する各有機層について説明する。
(発光層)
有機ELパネルを構成するこれら各有機層の一つである発光層中に含有される有機発光材料としては、4,4′−ジカルバゾリルビフェニル、1,3−ジカルバゾリルベンゼン等のカルバゾール系発光材料、(ジ)アザカルバゾール類、1,3,5−トリピレニルベンゼン等のピレン系発光材料に代表される低分子発光材料、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、ポリアリーレン、芳香族縮合多環化合物、芳香族複素縮合環化合物、金属錯体化合物等、また、ポリフェニレンビニレン類、ポリフルオレン類、ポリビニルカルバゾール類等に代表される高分子発光材料等が挙げられるが、これのみに限られるものではない。
また発光層中には、好ましくは0.1〜20質量%程度のドーパントが含まれる。ドーパントとしては、ペリレン誘導体、ピレン誘導体等公知の蛍光色素等、また、リン光発光方式の発光層の場合、例えば、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム、ビス(2−フェニルピリジン)(アセチルアセトナート)イリジウム、ビス(2,4−ジフルオロフェニルピリジン)(ピコリナート)イリジウム、等に代表されるオルトメタル化イリジウム錯体等の錯体化合物が同様に0.1〜20質量%程度含まれる。
(正孔注入・輸送層)
正孔注入・輸送層材料としては、フタロシアニン誘導体、ヘテロ環アゾール類、芳香族三級アミン類、ポリビニルカルバゾール、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT:PSS)等に代表される導電性高分子等の高分子材料、また、発光層に用いられる、例えば、4,4′−ジカルバゾリルビフェニル、1,3−ジカルバゾリルベンゼン等のカルバゾール系発光材料、(ジ)アザカルバゾール類、1,3,5−トリピレニルベンゼン等のピレン系発光材料に代表される低分子発光材料、ポリフェニレンビニレン類、ポリフルオレン類、ポリビニルカルバゾール類等に代表される高分子発光材料等が挙げられる。
(電子注入・輸送層)
電子注入・輸送層材料としては、8−ヒドロキシキノリナートリチウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)亜鉛等の金属錯体化合物もしくは以下に挙げられる含窒素五員環誘導体がある。即ち、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾールもしくはトリアゾール誘導体が好ましい。具体的には、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−オキサゾール、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−チアゾール、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−(4′−tert−ブチルフェニル)−5−(4″−ビフェニル)1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、1,4−ビス[2−(5−フェニルオキサジアゾリル)]ベンゼン、1,4−ビス[2−(5−フェニルオキサジアゾリル)−4−tert−ブチルベンゼン]、2−(4′−tert−ブチルフェニル)−5−(4″−ビフェニル)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−チアジアゾール、1,4−ビス[2−(5−フェニルチアジアゾリル)]ベンゼン、2−(4′−tert−ブチルフェニル)−5−(4″−ビフェニル)−1,3,4−トリアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−トリアゾール、1,4−ビス[2−(5−フェニルトリアゾリル)]ベンゼン等が挙げられる。
有機ELパネル、各有機層の膜厚は、0.05〜0.3μm程度必要であり、好ましくは0.1〜0.2μm程度である。
(有機層の形成)
有機層の形成方法としては塗布及び印刷等が好ましい。
塗布は、スピン塗布、転写塗布、イクストリュージョン塗布等が使用できる。材料使用効率を考慮すると、転写塗布、イクストリュージョン塗布のようなパターン塗布できる方法が好ましく、特に転写塗布が好ましい。
また、印刷は、スクリーン印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷等が使用できる。表示素子としては膜が薄く、素子サイズが微小で、RGBのパターンの重ね等を考慮すると、オフセット印刷、インクジェット印刷のような高精度高精細印刷が好ましい。
各有機材料には溶解特性(溶解パラメータやイオン化ポテンシャル、極性)がそれぞれにあり、溶解できる溶媒には限定がある。またその際には材料の溶解度もそれぞれ違うため、一概に濃度も決めることができないが、本発明において用いられる溶媒の種類は、成膜しようとする有機EL材料に応じて、また、重層の場合には下層材料の溶解性等、溶解性条件に適ったものを、公知の溶媒から選択すればよく、例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、テトラクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエン等のハロゲン系炭化水素系溶媒や、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール等のエーテル系溶媒、メタノールや、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール、2−メトキシエタノール、エチレングリコール、グリセリン等のアルコール系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ヘキサン、オクタン、デカン、テトラリン等のパラフィン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル等のエステル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン系溶媒、ピリジン、キノリン、アニリン等のアミン系溶媒、アセトニトリル、バレロニトリル等のニトリル系溶媒、チオフェン、二硫化炭素等の硫黄系溶媒が挙げられる。
なお、使用可能な溶媒は、これらに限るものではなく、これらを二種以上混合して溶媒として用いてもよい。
これらのうち好ましい例としては、各機能層材料によっても異なるものの、大凡について、良溶媒としては、例えば芳香族系溶媒、ハロゲン系溶媒、エーテル系溶媒等であり、好ましくは、芳香族系溶媒、エーテル系溶媒である。また、貧溶媒としては、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、パラフィン系溶媒等が挙げられ、中でもアルコール系溶媒、パラフィン系溶媒である。
電極材料として二つの電極のうち、正孔の注入を行う陽極に使用される導電性材料としては、4eVより大きな仕事関数を持つものが適しており、銀、金、白金、パラジウム等及びそれらの合金、酸化スズ、酸化インジウム、ITO等の酸化金属、さらにはポリチオフェンやポリピロール等の有機導電性樹脂が用いられる。透光性であることが好ましく、透明電極としてはITOが好ましい。ITO透明電極の形成方法としては、マスク蒸着またはフォトリソパターニング等が使用できるが、これに限られるものではない。また、陰極として使用される導電性物質としては、4eVより小さな仕事関数を持つものが適しており、マグネシウム、アルミニウム等。合金としては、マグネシウム/銀、リチウム/アルミニウム等が代表例として挙げられる。また、その形成方法は、マスク蒸着、フォトリソパターニング、メッキ、印刷等が使用できるが、これに限られるものではない。
〔ロール状プラスチックフィルム〕
本発明において用いられる基板(以下、基体、基材、支持体ともいう)としては、ロール状プラスチックフィルムを用いる。ロール状プラスチックフィルムは、柔軟性のある樹脂支持体であることが好ましい。これにより、連続式または間欠式に各工程に供給可能で、ロールツウロールによって有機EL素子形成が可能である。ロール状プラスチックフィルムとしては、透明であっても不透明であってもよい。支持基板側から光を取り出す場合には、透明であることが好ましい。ロール状プラスチックフィルムとしては、下記の各種透明樹脂フィルムを挙げることができる。
好ましい樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートフタレート(TAC)、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類またはそれらの誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン類、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリルあるいはポリアリレート類、アートン(JSR社製)あるいはアペル(三井化学社製)といったシクロオレフィン系樹脂等を挙げられる。
また本発明の有機ELパネルは、有機層のうち発光層をRGBのそれぞれ3色毎にパターニングして構成し、駆動回路を組み込むことでフルカラー表示体とすることもできる。
以下、本発明の有機ELパネルの製造について、好ましい実施の形態により、具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
次に、この発明に係る有機ELパネルを適用可能な機器の具体例について少し説明する。図8は、本発明に係る有機ELパネルを、曲面を持つ建造物、例えば円柱状の柱に照明装置として設置した例の斜視図であるが、このような曲面だけでなく蛍光灯のように平面に埋め込み部を作る必要もなく、あるいは出っ張りもなくレイアウトの自由度が得られる。
なお、この発明に係る有機ELパネルを適用可能な電子機器としては、図8に示した照明装置の他にも、液晶テレビ、カーナビゲーション装置、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、携帯電話、POS端末、デジタルスチルカメラ、工事標識等が挙げられる、特に限定されるものではない。
本発明は、柔軟で接合性良好な特性を利用してロールツーロール製法が可能になることにより、生産性が向上し、その結果、安価な特に様々な照明装置等に適用できる。
実施例
〔有機ELパネル1の作製:比較〕
(陽極側部材の作製)
厚さ188μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、陽極としてITO(インジウムシンオキサイド)を120nmの膜厚で成膜した透明基板を準備した。
この透明基板上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリスチレンスルホン酸(PEDOT・PSS Bayer社製、Baytron P Al 4083)を純水で70%に希釈した溶液をダイコーターで塗布、乾燥し、膜厚30nmの正孔注入層を設けた。
次に、この正孔注入層上に、PVK(ポリビニルカルバゾール)60mgとIr(ppy)の1.5mgをジクロルベンゼンに溶解した溶液をダイコーターで塗布、乾燥し、膜厚30nmの発光層を形成した。
Figure 2010140705
(陰極側部材の作製)
厚さ300μmのポリエーテルスルホン(PES)フィルム上に、陰極としてアルミニウムを120nmの膜厚で、続いて陰極バッファー層としてフッ化リチウムを1nmの膜厚で蒸着形成した基板を準備した。これを窒素雰囲気下に移送し、BCP(20mg)をトルエン10mlに溶解した溶液をダイコーターで塗布、乾燥し、膜厚10nmの電子輸送層を形成した。
次に、この電子輸送層上に、PVK(60mg)と1.5mgのIr(ppy)をジクロロベンゼン6mlに溶解した溶液をダイコーターで塗布、乾燥し、膜厚30nmの発光層を形成した。
なお、ポリエチレンテレフタレートフィルム及びポリエーテルスルホンフィルムは、いずれも柔軟性のある樹脂支持体である。また、塗布以降の搬送用ローラーは段付きではない通常のローラーを用いた。
Figure 2010140705
このように形成した二つの部材は下記の層構成を持つ。
有機EL部材A(陽極部材);
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(膜厚188μm)/ITO(陽極:膜厚120nm)/PEDOT・PSS(正孔注入層:膜厚30nm)/PVK+Ir(ppy)(発光層:膜厚30nm)
有機EL部材B(陰極部材);
ポリエーテルスルホン(PES)フィルム(膜厚300μm)/アルミニウム(陰極:膜厚120nm)/フッ化リチウム(陰極バッファー層:膜厚1nm)/BCP(電子輸送層:膜厚10nm)/PVK(60mg)+Ir(ppy)(発光層:膜厚30nm)
(基板の貼合)
その2枚の平板の所定位置に有機EL部材A(陽極部材)の有機層120形成面側と有機EL部材B(陰極部材)の有機層121形成面側を上向きにして、吸引、吸着させ、有機層の上面に配置したハロゲンヒータ220により、有機層の表面温度がTgとなるように加熱した。
有機EL部材Aの発光層面及び有機EL部材Bの発光層面を、ハロゲンヒータを用いて非接触でTg温度以下の近傍温度に加熱する。有機層の膜表面の温度は、非接触赤外線表面温度計を用いて測定する。非接触赤外線表面温度計は例えば、株式会社キーエンス製、超小型・小スポット赤外放射温度計IT2−50を用いることができる。サーミスタ等を用いた接触タイプの表面温度計でもよいがその場合は、有機層端部の画像領域とならない箇所をサンプリング測定する。PVKを含有する前記の有機層のTgは220℃であり、この近傍温度、本実施例ではTg温度に加熱した。
次に、加熱され軟化した二つの有機層面を重ね、圧力ロールを用い密着させ貼合し、有機ELパネル1を作製した。
圧力ロールを用い密着させる場合は、通常1〜20MPa、好ましくは3〜10MPaの圧力、搬送速度が通常0.1〜200mm/秒、好ましくは0.5〜100mm/秒程度であれば気泡等が混入せず密着が可能である。また、ラミネーター等を用いることができる。ロール表面温度で常温から250℃まで制御できる温度制御機構を有する。速度も0.5から10mm/秒の範囲で調整が可能である。
〔有機ELパネル2の作製:本発明〕
有機ELパネル1の作製において、陽極側の透明基板である、ITO層を有するポリエチレンテレフタレートフィルム(ロール状プラスチックフィルム)、及び陰極極側の基板である、アルミニウム層及びフッ化リチウム層を有するポリエーテルスルホンフィルム(ロール状プラスチックフィルム)の端部のゴミ除去を下記方法で行った後、有機層を形成した以外は同様にして有機ELパネル2を作製した。
ゴミ除去は、窒素ガスをロール状プラスチックフィルムの中央部側から端部に吹き付けてゴミを吹き飛ばし、吹き飛ばしたゴミを真空吸引により吸い取り除去した。
〔有機ELパネル3の作製:本発明〕
有機ELパネル2の作製において、ゴミ除去後の陽極側の透明基板及び陰極極側の基板の両端部を、アクリル系粘着剤を有する厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムで覆い、カバーリング処理を行った後、有機層を形成した以外は同様にして有機ELパネル3を作製した。
〔有機ELパネル4の作製:本発明〕
有機ELパネル3の作製において、カバーリング処理を行う際に、端部の有機層形成面側にガイド部を設けた後、有機層を形成した以外は同様にして有機ELパネル4を作製した。ガイド部材は、アクリル系粘着剤を有する厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。
〔有機ELパネル5の作製:本発明〕
有機ELパネル4の作製において、塗布以降の搬送用ローラーを段付きローラーに代えた以外は同様にして有機ELパネル5を作製した。
この搬送方法は、図5に示すように、基材に固定されたガイド部と段付きローラーの凸部が接触し、有機層が形成された基材の蛇行を防止し、安定して搬送することができる。
〔有機ELパネル6の作製:本発明〕
有機ELパネル5の作製において、段付きローラーをエアー吹き出し型段付きローラーに代え、段付きローラーの芯部分からフィルム面に向かってエアーを吹き出しながら搬送したこと以外は同様にして有機ELパネル6を作製した。
この搬送方法は、図6に示すように、搬送用段付きローラーで支持されない有機層が形成された基材の中央部分をエアーで支持するため、フィルムのたわみが防止され、安定して搬送することができる。
〔有機ELパネル7の作製:本発明〕
有機ELパネル6の作製において、ガイド部をロール状プラスチックフィルムの長さ方向に不連続部分を有するように作製し、有機層が形成された基材が巻かれたロールの側面からエアーを導入すること以外は同様にして有機ELパネル7を作製した。
この方法は、図7に示すように、巻き取り用ローラーで支持されない有機層が形成された基材の中央部分をエアーで支持するため、フィルムのたわみが防止され、安定して巻き取ることができる。
〔有機ELパネルの評価〕
得られた有機ELパネルを評価するに際しては、作製後の各有機ELパネルの非発光面をガラスケースで覆い、厚み300μmのガラス基板を封止用基板として用いて、周囲にシール材としてエポキシ系光硬化型接着剤(東亞合成社製ラックストラックLC0629B)を適用し、これを陰極上に重ねて透明支持基板と密着させ、ガラス基板側からUV光を照射して硬化させ、封止して、図9、図10に示すような照明装置を形成して評価した。
図9は照明装置の概略図を示し、有機ELパネル101はガラスカバー102で覆われている(なお、ガラスカバーでの封止作業は、有機ELパネル101を大気に接触させることなく窒素雰囲気下のグローブボックス(純度99.999%以上の高純度窒素ガスの雰囲気下)で行った)。
図10は照明装置の断面図を示し、図10において、105は陰極、106は有機EL層、107は透明電極付きガラス基板を示す。なお、ガラスカバー102内には窒素ガス108が充填され、捕水剤109が設けられている。
(ダークスポット)
試料を断裁した後、KEITHLEY製ソースメジャーユニット2400型を用いて、直流電圧を有機EL素子に印加し発光させた。200cdで発光させた有機EL素子について、発光部の1画素(50μm×150μm)当たりのダークスポットの数を倍率100倍の顕微鏡を用い目視で計測した。
評価の結果を表1に示す。
Figure 2010140705
表より、本発明の有機ELパネルは比較例に比べダークスポットが少ないことが分かる。
吸引によるゴミ除去処理を示す模式図である。 カバーリング処理を示す模式図である。 ロール状プラスチックフィルム及びカバーリング処理用フィルムを連続して繰り出して貼り付け、塗布により有機層を形成し、カバーリング処理用フィルムを剥離・除去し、巻き取る工程を示す図である。 ガイド部を示す模式図である。 ガイド部と段付きローラーによる連続搬送を示す模式図である。 段付きローラーの芯部分からロール状プラスチックフィルム面に向かってエアーを吹き出す連続搬送を示す模式図である。 ロール状プラスチックフィルムが巻かれたロールの側面からのエアー導入を示す模式図である。 照明装置の応用例である。 照明装置の概略図である。 照明装置の断面図である。
符号の説明
1 ロール状プラスチックフィルム
2 カバーリング処理部
3 カバーリング処理用フィルム
4 ガイド部
5 段付きローラー
6 不連続部分(開口部)
101 有機ELパネル
102 ガラスカバー
105 陰極
106 有機EL層
107 透明電極付きガラス基板
108 窒素ガス
109 捕水剤

Claims (10)

  1. ロール状プラスチックフィルムを連続搬送して、その上に有機層を形成する有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法において、該有機層を形成する前にロール状プラスチックフィルム端部のゴミ除去を行うことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
  2. 前記ゴミ除去を行った後、さらに前記ロール状プラスチックフィルム端部を覆うようにカバーリング処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
  3. 前記カバーリング処理において、前記ロール状プラスチックフィルム端部の有機層形成面側にガイド部を設けることを特徴とする請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
  4. 前記ガイド部とは別に段付きローラーを設け、該ガイド部及び段付きローラーによって搬送することを特徴とする請求項3に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
  5. 前記段付きローラーの芯部分からフィルム面に向かってエアーを吹き出しながら搬送することを特徴とする請求項4に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
  6. 前記ガイド部がロール状プラスチックフィルムの長さ方向に不連続部分を有し、該ロール状プラスチックフィルムが巻かれたロールの側面からエアーを導入することを特徴とする請求項4または5に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
  7. 前記ロール状プラスチックフィルムが、柔軟性のある樹脂支持体であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法によって製造されたことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネル。
  9. 請求項8に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルを備えることを特徴とする照明装置。
  10. 請求項8に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルを備えることを特徴とする表示装置。
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