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JP2010135399A - ヘテロ接合電界効果トランジスタおよびその製造方法 - Google Patents

ヘテロ接合電界効果トランジスタおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ソース電極およびドレイン電極のn+層領域と2DEGチャネルとの接触抵抗を低減したヘテロ接合電界効果トランジスタを提供する。
【解決手段】基板上に設けられた電子走行層と、電子走行層の上に設けられた電子供給層と、ソース電極およびドレイン電極のそれぞれに対応して電子供給層に設けられたトレンチと、を有し、トレンチの底面が電子走行層と電子供給層の界面であるヘテロ接合から所定の距離だけ離れている構成である。
【選択図】図2

Description

本発明は、半導体装置、特に、ヘテロ接合電界効果トランジスタ(High Electron Mobility Transistor: HEMT)およびその製造方法に関する。
GaN系のヘテロ接合電界効果トランジスタでは、オン抵抗やアクセス抵抗低減のために、オーミック電極下の半導体(AlGaN/GaNなど)にSiを代表とするドーパントをイオン注入して選択的にn+層を形成することが試みられている。以下では、イオン注入による方法に限らず、n型導電性不純物拡散層を単に「n+層」または「n+導電層」と称する。
図11はヘテロ接合電界効果トランジスタの構造の一例を示す断面図である。図11は、AlGaN/GaNヘテロ接合電界効果トランジスタの場合である。
図11に示すように、基板となるBuffer Layer100上に、電子走行層となるGaN層102と、電子供給層となるAlGaN層104とが順に積層して形成されている。AlGaN層104の上面には、ゲート電極116と、オーミック電極のソース電極112およびドレイン電極114とが形成されている。ソース電極112およびドレイン電極114のそれぞれの領域におけるGaN層102の上面近傍には、イオン注入により形成された注入n+層106が設けられている。また、GaN層102の上面近傍に2DEG(two Dimensional Electron Gas)チャネル105が形成される。
図11に示すように、GaN系ヘテロ接合電界効果トランジスタは、オン抵抗やアクセス抵抗の低減のために、オーミック電極下の半導体(AlGaN/GaNなど)にSiを代表とするドーパントをイオン注入し、選択的にn+層を形成することが試みられている。
特許文献1には、n+層を形成する方法の一例が開示されている。
特開2006−86354号公報
しかし、図11に示す楕円で囲む部位では、形成されたn+層と2DEGとの接続抵抗が高く、その結果、素子のアクセス抵抗を十分に低減できないという問題があることを、本発明の発明者等が明らかにした。このことは、[発明を実施するための最良の形態]で詳細に説明する。その問題は、イオン注入を用いてn+層を形成すると、半導体ヘテロ界面の結晶格子配列がそこに注入されたイオンによって損傷を受け、ヘテロ界面の2DEGチャネルのキャリヤ濃度が著しく低下することが原因であると考えられる。
一方、イオン注入によらず、拡散技術によってn+層を選択的に形成する方法も知られている。ドーパントを拡散によって試料中に導入してn+層を形成する方法では、半導体ヘテロ界面の結晶格子配列は拡散してきたイオンによってほとんど錯乱を受けないメリットがあり、形成されたn+層と2DEGとの接続抵抗はほとんど無視できるレベルになると期待されている。ただし、GaNに代表される窒化物系半導体中の各種ドーパントの拡散係数は、シリコン中やGaAs系中に比較して小さく、ドーパントは試料中にあまり深く拡散できないという欠点がある。
この欠点についての対策を行った方法の一例が特許文献1に開示されている。その文献に開示された方法を図12および図13を用いて簡単に説明する。
基板101の上にGaN層102およびAlGaN層104を順に積層した試料を準備する。その試料に、半導体ヘテロ接合における2DEGチャネル105よりも深い位置に達するトレンチ(溝)構造を形成し、トレンチにポリシリコン膜(アモルファスシリコン膜でもよい)120などの拡散源を堆積する。
続いて、拡散アニールを施してポリシリコン膜120からドーパントを拡散することにより、図12に示すように、n+層122を形成する。その後、図12に示すソース領域124およびドレイン領域126のトレンチ部のそれぞれにソース電極132およびドレイン電極134のそれぞれを形成する(図13)。その際、AlGaN層104の上にゲート電極136を同時に形成してもよい。この方法によれば、窒化物半導体中でドーパントの拡散が遅いことを技術的にカバーできる。
しかし、トレンチを掘った後、拡散によってn+層を形成する上記方法に欠点のあることが、本発明の発明者等が実験を行うことで明らかにした。欠点とは、ドライエッチングなどの方法を用いて、半導体ヘテロ接合における2DEGチャネルよりも深い位置に達するトレンチ構造を形成すると、エッチング・ダメージによって、半導体ヘテロ接合界面のトレンチ端付近(トレンチ端を含め、そこから試料内部に向かって少なくとも数100Åの領域)の結晶配列が乱され、結晶配列が乱れた部位では2DEGチャネルのキャリヤが枯渇し、形成されたn+層と2DEGとの接続抵抗が期待通りには低下しにくいことである。1Å=0.1nmである。
この場合、その接続抵抗を低減するには、ドーパントが深さ方向に拡散する距離を、ダメージを受けたヘテロ界面の距離より大きくする必要があり、拡散アニール温度を高くする、またはアニール時間を長くする、というプロセスの変更が必要になってしまう。このことは、本デバイスの特性を制御性よく製造する上でも、量産化においても不利をもたらすことは明らかである。
本発明は、上述したような技術が有する問題点を解決するためになされたものであり、ソース電極およびドレイン電極のn+層領域と2DEGチャネルとの接触抵抗を低減したヘテロ接合電界効果トランジスタを提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明のヘテロ接合電界効果トランジスタは、
基板上に設けられた電子走行層と、
前記電子走行層の上に設けられた電子供給層と、
ソース電極およびドレイン電極のそれぞれに対応して前記電子供給層に設けられたトレンチと、を有し、
前記トレンチの底面が、前記電子走行層と前記電子供給層の界面であるヘテロ接合から所定の距離だけ離れている構成である。
また、本発明のヘテロ接合電界効果トランジスタの製造方法は、
基板上に電子走行層および電子供給層を順に形成し、
ソース電極およびドレイン電極のそれぞれに対応する領域の前記電子供給層に、底面が前記電子走行層の上面よりも所定の距離に位置するトレンチを形成し、
前記トレンチの少なくとも底面から不純物を拡散するための拡散源を該トレンチ内に形成し、
前記拡散源から前記不純物を前記電子走行層と前記電子供給層の界面であるヘテロ接合に達するまで拡散させる熱処理を行うものである。
本発明によれば、ソース電極およびドレイン電極のn+層領域とヘテロ接合における2DEGチャネルとの接触抵抗を低減することができる。
本発明のヘテロ接合電界効果トランジスタ(HEMT)を作製するためのGaN系材料による多層エピタキシャル膜は、AlGaN/GaNヘテロ接合構造が最も代表的である。この構造では、AlGaN/GaNヘテロ界面には窒化物半導体材料の特徴である分極効果によって、対応するGaAs系のAlGaAs/GaAsヘテロ接合界面の約5倍の1013cm-2台の高いシート電荷濃度Nsのキャリヤが形成され、これを用いたHEMTデバイスは、高い電流値、高い出力電力などの優れた特性が得られる。
上記のHEMT構造にイオン注入して選択的にn+導電層を形成するためには、さまざまなドーパント種が報告されているが、最も有効なものは28Siである。AlGaN層の厚さは通常15〜45nmであり、Al組成は0.15〜0.20が通常用いられる。このプロファイルのAlGaN/GaN- HEMT構造に28Siをイオン注入する場合、通常スルー膜を介してイオン注入するスルー注入が用いられる。注入条件としては、加速エネルギー30〜120keV、ドーズ量1×1014〜3×1015cm-2がデバイスに応用されている通常の値である。イオン注入後は、ドーピングしたイオンを活性化するために、およそ1200℃の活性化アニールを行う。
Al0.15Ga0.85N(45nm厚)/GaNヘテロ接合エピに、膜厚80nmの窒化膜SiNをスルー膜として堆積し、加速エネルギー100keV、ドーズ量1×1015cm-228Siをイオン注入し、1200℃、3分の活性化アニールを行った場合を例にして、イオン注入を用いてn+層を形成した際の問題点を説明する。
この構造にTiAlNbAuのメタライズのオーミック電極を形成し、電気特性をホール測定やTLM(Transmission Line Model)法で測定した。その結果、n+層領域でのコンタクト抵抗はRc=0.5Ωmm、シート抵抗は50Ω/□などの特性が得られるが、問題は、n+層領域と2DEGとの接続抵抗であり、測定によると4.0Ωmmと大きくなることがわかった。この接続抵抗は、コンタクト抵抗として加算され、デバイスのアクセス抵抗やオン抵抗を増加させるため、低減することが急務となっている。
課題の欄で述べたように、イオン注入によらず、拡散技術によってn+層を選択的に形成する方法も知られている。その方法の一例が特許文献1に開示されているが、トレンチを掘った後に拡散技術によってn+層を形成する方法にも欠点があることは既に述べたとおりである。以下に、本実施形態のヘテロ接合電界効果トランジスタを説明する。同様な構成については同一の符号を付している。
(第1の実施形態)
本実施形態のヘテロ接合電界効果トランジスタの製造方法を説明する。図1は本実施形態のヘテロ接合電界効果トランジスタの製造過程を示す断面図であり、図2は製造後のヘテロ接合電界効果トランジスタを示す断面図である。
図1に示すように、基板101の上にGaN層102およびAlGaN層104を順に積層した試料を準備する。続いて、その試料に、半導体ヘテロ接合における2DEGチャネル105に達しないように浅く、チャネルの近くまで掘ったトレンチを、ソース領域14およびドレイン領域16に形成する。トレンチ底面と2DEGチャネル105との距離は、その後の熱処理による拡散を考慮して、50Å以上300Å未満が望ましい。トレンチに、拡散源としてポリシリコン膜120を堆積する。なお、拡散源としては、ポリシリコン膜120に限らず、アモルファスシリコン膜でもその他の膜でもよい。このことは、以下に説明する第2から第5の実施形態についても同様である。
ポリシリコン膜120を形成した後、図1に示すように、拡散アニールを施してポリシリコン膜120からドーパントをAlGaN層104およびGaN層102に拡散してn+層12を形成する。n+層12の厚さは、トレンチ底面と2DEGチャネル105との距離(50Å以上300Å未満)に対応して、100Å以上あるのが望ましい。また、課題の欄で述べた数100Åの場合を考えると1000Åあればよい。その後、図2に示すように、トレンチ部にオーミック電極のソース電極22およびドレイン電極24を形成し、AlGaN層104の上にゲート電極26を形成する。
本実施形態のヘテロ接合電界効果トランジスタの構造を、図2を参照して説明する。図2に示すように、本実施形態のヘテロ接合電界効果トランジスタは、トレンチの底面がGaN層102の上面より所定の距離だけ離れている。拡散源からのドーパントの拡散により形成されるn+層12は2DEGチャネル105およびGaN層102に達している。
本実施形態のヘテロ接合電界効果トランジスタは、ドライエッチングなどの方法を用いてトレンチ構造を形成しても、半導体ヘテロ接合界面のトレンチ底面直下の結晶配列は乱されることがない。そのため、ドーパントの拡散アニール後も2DEGチャネルのキャリヤ密度は保たれ、形成されたn+層と2DEGチャネルとの接続抵抗はほとんど無視できるレベルになる。本実施形態では、拡散技術を改良して活用することで、n+層領域と2DEGチャネルとの接続抵抗を低減できる。
(第2の実施形態)
本実施形態のヘテロ接合電界効果トランジスタの製造方法を説明する。図3は本実施形態のヘテロ接合電界効果トランジスタの製造過程を示す断面図であり、図4は製造後のヘテロ接合電界効果トランジスタを示す断面図である。
第1の実施形態と同様にして試料にトレンチを形成した後、図3に示すように、AlGaN層104の上面と、トレンチの側面と、トレンチの底面のうち一部を除く部位とに、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜などの拡散ストッパ層20を形成する。トレンチの底面はAlGaN層104であり、少なくともその一部が露出していればよく、底面の全部が露出してもよい。拡散ストッパ層20は、ドーパントの拡散を防ぐ膜である。図3に示すように、トレンチ部に拡散源となるポリシリコン膜120を堆積し、拡散アニールによって試料にn+層18を形成する。拡散アニールの際、ドーパントは拡散ストッパ層20によりAlGaN層104には拡散せず、基板主面に垂直下方のGaN層102に拡散する。その後、図4に示すように、トレンチ部にオーミック電極のソース電極23およびドレイン電極25を形成し、AlGaN層104の上にゲート電極27を形成する。
本実施形態のヘテロ接合電界効果トランジスタの構造を、図4を参照して説明する。図4に示すように、本実施形態のヘテロ接合電界効果トランジスタは、トレンチの底面がGaN層102の上面より所定の距離だけ離れている。拡散源からのドーパントの拡散により形成されるn+層18は2DEGチャネル105およびGaN層102に達している。
本実施形態のヘテロ接合電界効果トランジスタは、ドライエッチングなどの方法を用いてトレンチ構造を形成しても、半導体ヘテロ接合界面のトレンチ底面直下の結晶配列は乱されることがない。そのため、ドーパントの拡散アニール後も2DEGチャネルのキャリヤ密度は保たれ、第1の実施形態と同様に、形成されたn+層と2DEGチャネルとの接続抵抗はほとんど無視できるレベルになる。
また、本実施形態においては、トレンチ側壁方向にドーパントが拡散する効果を極力抑えることができるため、素子が高集積あるいは微細化するに伴って生じるショートチャネル効果を抑えることができる。
(第3の実施形態)
本実施形態のヘテロ接合電界効果トランジスタの製造方法を説明する。図5および図6は本実施形態のヘテロ接合電界効果トランジスタの製造過程を示す断面図であり、図7は製造後のヘテロ接合電界効果トランジスタを示す断面図である。
第1の実施形態と同様にして試料にトレンチを形成した後、図5に示すように、試料においてソース領域14およびドレイン領域16のn+導電層を形成する部位にイオン注入を行い、その後、活性化アニールを行うことによって、注入n+層30を形成する。続いて、基板主面に平行な面で、注入n+層30のパターンの面積よりも広いパターンで、第1の実施形態と同様に、半導体ヘテロ接合における2DEGチャネル105に達しないように浅く、チャネルの近くまで掘ったトレンチを形成する。トレンチ底面と2DEGチャネル105との距離は、50Å以上300Å未満が望ましい。そして、トレンチに、拡散源となるポリシリコン膜120を堆積する(図6)。
ポリシリコン膜120を形成した後、図6に示すように、拡散アニールを施してポリシリコン膜120からドーパントをAlGaN層104およびGaN層102に拡散してn+層12を形成する。その後、図7に示すように、トレンチ部にオーミック電極のソース電極22およびドレイン電極24を形成し、AlGaN層104の上にゲート電極26を形成する。
本実施形態のヘテロ接合電界効果トランジスタの構造を、図7を参照して説明する。図7に示すように、本実施形態のヘテロ接合電界効果トランジスタは、トレンチの底面がGaN層102の上面より所定の距離だけ離れている。拡散源からのドーパントの拡散により形成されるn+層12は2DEGチャネル105およびGaN層102に達している。
本実施形態のヘテロ接合電界効果トランジスタは、ドライエッチングなどの方法を用いてトレンチ構造を形成しても、半導体ヘテロ接合界面のトレンチ底面直下の結晶配列は乱されることがない。そのため、ドーパントの拡散アニール後も2DEGチャネルのキャリヤ密度は保たれ、第1の実施形態と同様に、形成されたn+層と2DEGチャネルとの接続抵抗はほとんど無視できるレベルになる。
また、本実施形態においては、イオン注入によってn+層を深くまで形成できるメリットがあり、縦型デバイスなどの電極形成が容易になる。
(第4の実施形態)
本実施形態のヘテロ接合電界効果トランジスタの製造方法を説明する。図5、図8および図9は本実施形態のヘテロ接合電界効果トランジスタの製造手順を示す断面図である。
図5を参照して第3の実施形態で説明したのと同様にして、試料においてn+導電層を形成する部位にイオン注入および活性化アニールを行うことで、注入n+層30を形成する。続いて、基板主面の垂直上方から見て、注入n+層30のパターンよりも広いパターンで、第1の実施形態と同様にトレンチを形成する。
試料にトレンチを形成した後、図8に示すように、AlGaN層104の上面と、トレンチの側面と、トレンチの底面のうち一部を除く部位とに、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜などの拡散ストッパ層20を形成する。トレンチの底面はAlGaN層104であり、少なくともその一部が露出していればよく、底面の全部が露出してもよい。
その後、トレンチ部に拡散源となるポリシリコン膜120を堆積し、拡散アニールによって試料にn+層18を形成する。拡散アニールの際、ドーパントは拡散ストッパ層20によりAlGaN層104には拡散せず、基板主面に垂直下方のGaN層102に拡散する。さらに、図9に示すように、トレンチ部にオーミック電極のソース電極23およびドレイン電極25を形成し、AlGaN層104の上にゲート電極27を形成する。
本実施形態のヘテロ接合電界効果トランジスタの構造を、図9を参照して説明する。図9に示すように、本実施形態のヘテロ接合電界効果トランジスタは、トレンチの底面がGaN層102の上面より所定の距離だけ離れている。拡散源からのドーパントの拡散により形成されるn+層18は2DEGチャネル105およびGaN層102に達している。
本実施形態のヘテロ接合電界効果トランジスタは、ドライエッチングなどの方法を用いてトレンチ構造を形成しても、半導体ヘテロ接合界面のトレンチ底面直下の結晶配列は乱されることがない。そのため、ドーパントの拡散アニール後も2DEGチャネルのキャリヤ密度は保たれ、第1の実施形態と同様に、形成されたn+層と2DEGチャネルとの接続抵抗はほとんど無視できるレベルになる。
また、本実施形態においては、トレンチ側壁方向にドーパントが拡散する効果を極力抑えることができるため、素子が高集積あるいは微細化するに伴って生じるショートチャネル効果を抑えることができる。さらに、本実施形態においては、イオン注入によってn+層を深くまで形成できるメリットがあり、縦型デバイスなどの電極形成で効果を発揮する。
(第5の実施形態)
本実施形態は、第1から第4の実施形態で説明したヘテロ接合電界効果トランジスタをさらに改良するものである。本実施形態の構成を説明する前に、オーミックコンタクト用の金属電極と半導体界面との接触抵抗について説明する。
一般に、オーミックコンタクト用の金属電極と半導体界面のコンタクト抵抗率は、次の3つのパラメータで決定される。
(a)ショットキー障壁高さφB
(b)半導体表面層の電気的に活性なドナーあるいはアクセプタなどの不純物(ドーパント)濃度Nd
(c)半導体試料表面の自然酸化膜など汚染物質の量
試料である窒化物系半導体の表面の清浄性が保たれている(酸化膜等がない)場合には、ショットキー障壁高さφBをパラメータとしてオーミックコンタクト抵抗率ρcのドーパント濃度依存性を見積もることができる。通常、金属-半導体接合では、障壁を電子が越える熱電子放出過程がその電流-電圧特性を決定する。しかし、ドーパント濃度が1019cm-3以上になると不純物原子間の距離が短いために電子分布が縮退し、ショットキー障壁に起因する空乏層が狭まり電界放出トンネリング機構による伝導が支配的になる。コンタクト抵抗率ρcは、次式(1)のごとく不純物濃度Ndとショットキー障壁高さφBに対する依存性を示す。
Figure 2010135399
式(1)において、εsは半導体の誘電率、m*は半導体中の電子の有効質量、qは電子の電荷、hはプランク定数、Aは比例係数である。
窒化物系半導体に拡散によって選択的に導電性層を形成した場合には、28Siなどのドーパントの拡散速度が遅いために、試料表面には極端に大量のドーパントが存在し、ドーパント濃度は自然に1019cm-3以上、容易に1021cm-3以上にも達する。したがって、拡散によってn+層を形成し、その上にオーミック電極を形成する方法には、式(1)により、コンタクト抵抗に関しては容易に極めて低い値を達成できる特長がある。半導体デバイスのプロセス上は、熱処理を施さないノン・アロイのオーミック接合が望ましいが、本件の拡散を活用したn+層形成によって、その実現は原理的に可能である。
本実施形態のヘテロ接合電界効果トランジスタの構成について説明する。本実施形態を第1から第4の実施形態のいずれにも適用することが可能だが、ここでは、第1の実施形態に適用した場合で説明する。図10は本実施形態のヘテロ接合電界効果トランジスタの構成例を示す断面図である。
第1の実施形態において、拡散に用いた後の拡散源のSiの一部または全部を残存させ、その上にオーミック用金属材料を形成し、熱処理を施すことによって、ソース電極32およびドレイン電極34にオーミック電極38を形成する(図10)。図10に示すオーミック電極38は、TiSi2膜、Ti膜およびAu膜がポリシリコン膜120の上に順に積層された構造である。オーミック電極38の最下層部にシリサイド電極となるTiSi2膜が形成されている。このような構造にすれば、安定なコンタクト抵抗値を有するオーミック電極38を作製することができる。
不純物としてSiを半導体表面に対して固溶限界の近く(あるいはそれ以上)の密度にまで拡散した試料、または拡散に用いた後の拡散源となるSiを表面に残存させた試料にオーミック電極を形成した場合には、過剰のSiとオーミック金属(M)が反応して容易にシリサイドMxSiyが形成される。
シリサイドを形成しやすい金属としては、例えば、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、チタン(Ti)、ニオブ(Nb)、あるいは、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)などがある。一般にn型半導体とシリサイドMxSiyとのショットキー障壁高さφ’Bnは、n型半導体と元の対応するメタルMとのショットキー障壁高さφBnとあまり変わりないことが経験的に知られている(S. M. Sze and Kwok K. Ng :Physics of Semiconductor Devices, (Third Edition), Wiley-Interscience, pp.179-180, 2006. )。オーミック電極としては低抵抗の方が望ましいので、オーミック電極のシリサイド化は、電極の抵抗が高くなり、一見メリットがないように見える。
しかし、オーミック金属をシリサイド化(オーミック金属が各種金属の積層構造になっている場合には、主としてその最下層の金属をシリサイド化)すると、オーミック金属が酸化膜(あるいは窒化膜)と界面反応することや酸素と反応して酸化されることを防ぐことができるだけでなく、制御して作成した場合には材料の純度の安定性、プロセスでの安定性(耐高温性、耐薬品性、応力が発生しないこと)などの点でメリットがある。
本実施形態では、オーミック電極のシリサイド化を活用することによって、安定なコンタクト抵抗値を有するオーミック電極を作製することができる。
以下では、実施例において、上記実施形態のそれぞれに対応する作製プロセスおよび製造後のデバイスの電気特性を説明する。ここではHEMT構造としてシングル・ヘテロの場合を詳述するが、ダブル・ヘテロの場合もシングル・ヘテロの場合と同様に構造とプロセスを設計することが可能であるため、ダブル・ヘテロの場合の詳細な説明を省略する。
第1の実施形態に対応する実施例のヘテロ接合電界効果トランジスタの製造方法を、図1および図2を参照して説明する。
3インチSi基板上に、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法にて、i-AlGaN(45nm厚)/i-GaNヘテロ接合エピタキシャル膜を成長した。引き続く工程の目合わせマークを形成するため、本試料にレジストでパターニングした後、ドライエッチングによって試料表面にメサ段差を形成した。
レジストでパターニングした後、レジスト開口部からエッチングガスBCl3とCl2でドライエッチングすることにより、深さ35nmのトレンチを形成した。これにより、トレンチ底面からAlGaN/GaNヘテロ接合までの距離は10nmとなる。
さらに、リフトオフ法を用いて、トレンチ表面にアモルファスシリコンを蒸着によって30nm堆積した。そのまま950℃、6時間の拡散アニールを行うことによって、トレンチ表面内にSiを拡散によってドーピングした(図1)。アモルファスシリコンは950℃に昇温すると、瞬時に多結晶のSiであるポリシリコンに変化する。ドーパントとしてのSiは、上記の拡散アニールによって30nm以上の深さまで拡散するので、AlGaN/GaNヘテロ接合と選択的導電層が接続されたことになる。拡散アニール後、ポリシリコンは、過酸化水素を添加したフッ酸にて除去した。
次に、試料にレジストでパターニングした後、塩酸で表面処理を行い、さらに、オーミック金属Ti/Al/Nb/Auを蒸着した。その後、試料にリフトオフ処理を施し、続いて、850℃、30秒のRTA(Rapid Thermal Annealing)にてアロイ化を行った。このアロイによって、オーミック電極最下層メタルのTiでは、半導体との接合部においてシリサイド(TiSi2)が形成されていると考えられる。このシリサイドはオーミックコンタクト抵抗値の安定化をもたらす。
さらに、試料にレジストでパターニングし、14Nイオンを注入(1回目の注入条件:100keV、1E14cm-2、2回目の注入条件:20keV、1E14cm-2の2段注入)することによってアイソレーションを形成した。リフトオフ法にてゲート電極を形成し(図2)、ホール測定やTLMパターンによる電気測定にて、試料の特性を評価した。
n+層領域でのコンタクト抵抗はRc=0.1Ωmm、シート抵抗は約100Ω/□と良好な値が得られた。従来問題であった、n+層領域と2DEGとの接続抵抗は、0.01Ωmmと無視できるレベルの良好な値を得た。
第2の実施形態に対応する実施例のヘテロ接合電界効果トランジスタの製造方法を、図3および図4を参照して説明する。
3インチSi基板上に、MOCVD法にて、i-AlGaN(45nm厚)/i-GaNヘテロ接合エピタキシャル膜を成長した。引き続く工程の目合わせマークを形成するため、本試料にレジストでパターニングした後、ドライエッチングによって試料表面にメサ段差を形成した。
レジストでパターニングした後、レジスト開口部からエッチングガスBCl3とCl2でドライエッチングすることにより、深さ35nmのトレンチを形成した。これにより、トレンチ底面からAlGaN/GaNヘテロ接合までの距離は10nmとなる。
リフトオフ法を用いて、トレンチ底面を除く部分に拡散ストッパ層としてSiO2を40nm堆積した。
さらに、リフトオフ法を用いて、トレンチ表面にアモルファスSiを蒸着によって30nm堆積した。そのまま950℃、6時間の拡散アニールを行うことによって、トレンチ表面内にSiを拡散によってドーピングした(図3)。アモルファスSiは950℃に昇温すると、瞬時に多結晶のSiであるポリシリコンに変化する。ドーパントとしてのSiは、上記の拡散アニールによって30nm以上の深さまで拡散するので、AlGaN/GaNヘテロ接合と選択的導電層が接続されたことになる。本実施例の場合には、トレンチ側壁には拡散ストッパ層が堆積されているので、拡散は主として試料の下方へのみ進行する。エッジ部は横方向にも拡散が進行するが、フリンジングとして無視できる程度である。拡散アニール後、ポリシリコンは、過酸化水素を添加したフッ酸にて除去した。
次に、試料にレジストでパターニングした後、塩酸で表面処理を行い、さらに、オーミック金属Ti/Al/Nb/Auを蒸着した。その後、試料にリフトオフ処理を施し、続いて、850℃、30秒のRTAにてアロイ化を行った。このアロイによって、オーミック電極最下層メタルのTiでは、半導体との接合部においてシリサイド(TiSi2)が形成されていると考えられる。このシリサイドはオーミックコンタクト抵抗値の安定化をもたらす。
さらに、試料にレジストでパターニングし、14Nイオンを注入(1回目の注入条件:100keV、1E14cm-2、2回目の注入条件:20keV、1E14cm-2の2段注入)することによってアイソレーションを形成した。リフトオフ法にてゲート電極を形成し(図4)、ホール測定やTLMパターンによる電気測定にて、試料の特性を評価した。
n+層領域でのコンタクト抵抗はRc=0.1Ωmm、シート抵抗は約100Ω/□と良好な値が得られた。従来問題であった、n+層領域と2DEGとの接続抵抗は、0.01Ωmmと無視できるレベルの良好な値を得た。
第3の実施形態に対応する実施例のヘテロ接合電界効果トランジスタの製造方法を、図5および図7を参照して説明する。
3インチSi基板上に、MOCVD法にて、i-AlGaN(45nm厚)/i-GaNヘテロ接合エピタキシャル膜を成長した。引き続く工程の目合わせマークを形成するため、本試料にレジストでパターニングした後、ドライエッチングによって試料表面にメサ段差を形成した。
試料を有機洗浄した後、30nmの窒化膜SiNをスルー膜として堆積し、後の工程で形成予定のトレンチ部に選択的にイオン注入にてn+層を形成するため、レジストで試料にパターニングした後、28Siのイオン注入(加速エネルギー80keV、ドーズ量3.0E15cm-2)を行った。スルー膜は、この後、フッ酸で除去した。
このままでは注入したドーパント28Siは活性化していないので、活性化アニールを行う必要がある。まずアニール保護膜の形成のため、試料のレジストを除去した後、試料のトップ面、裏面、および側壁にシリコン酸窒化膜Si2OxNy(x、yの範囲はおよそ0<x≦1.0, 1<y<4)をプラズマCVD法で1200Å堆積した。
次に、温度1200℃、窒素雰囲気中で試料に活性化アニール(保持時間:例えば5分)を施した。次に、保護膜を除去するため、試料を濃厚なフッ酸に浸し、その後水洗した(図5)。
イオン注入した部分が開口するようにレジストでパターニングした後、レジスト開口部からエッチングガスBCl3とCl2でドライエッチングすることにより、深さ35nmのトレンチを形成した。これにより、トレンチ底面からAlGaN/GaNヘテロ接合までの距離は10nmとなる。リフトオフ法を用いて、トレンチ底面を除く部分に拡散ストッパ層としてSiO2を40nm堆積した。
さらに、リフトオフ法を用いて、トレンチ表面にアモルファスSiを蒸着によって30nm堆積した。そのまま950℃、6時間の拡散アニールを行うことによって、トレンチ表面内にSiを拡散によってドーピングした(図6)。アモルファスSiは950℃に昇温すると、瞬時に多結晶のSiであるポリシリコンに変化する。ドーパントとしてのSiは、上記の拡散アニールによって30nm以上の深さまで拡散するので、AlGaN/GaNヘテロ接合と選択的導電層が接続されたことになる。本実施例の場合には、トレンチ側壁には拡散ストッパ層が堆積されているので、拡散は主として試料の下方へのみ進行する。エッジ部は横方向にも拡散が進行するが、フリンジングとして無視できる程度である。拡散アニール後、SiO2とポリシリコンは、過酸化水素を添加したフッ酸にて除去した。
次に、試料にレジストでパターニングした後、塩酸で表面処理を行い、さらに、オーミック金属Ti/Al/Nb/Auを蒸着した。その後、試料にリフトオフ処理を施し、続いて、850℃、30秒のRTAにてアロイ化を行った。このアロイによって、オーミック電極最下層メタルのTiでは、半導体との接合部においてシリサイド(TiSi2)が形成されていると考えられる。このシリサイドはオーミックコンタクト抵抗値の安定化をもたらす。
さらに、試料にレジストでパターニングし、14Nイオンを注入(1回目の注入条件:100keV、1E14cm-2、2回目の注入条件:20keV、1E14cm-2の2段注入)することによってアイソレーションを形成した。リフトオフ法にてゲート電極を形成し(図7)、ホール測定やTLMパターンによる電気測定にて、試料の特性を評価した。
n+層領域でのコンタクト抵抗はRc=0.1Ωmm、シート抵抗は78Ω/□と良好な値が得られた。従来問題であった、n+層領域と2DEGとの接続抵抗は、0.01Ωmmと無視できるレベルの良好な値を得た。
第4の実施形態に対応する実施例のヘテロ接合電界効果トランジスタの製造方法を、図5、図8および図9を参照して説明する。
3インチSi基板上に、MOCVD法にて、i-AlGaN(45nm厚)/i-GaNヘテロ接合エピタキシャル膜を成長した。引き続く工程の目合わせマークを形成するため、本試料にレジストでパターニングした後、ドライエッチングによって試料表面にメサ段差を形成した。
試料を有機洗浄した後、30nmの窒化膜SiNをスルー膜として堆積し、後の工程で形成予定のトレンチ部に選択的にイオン注入にてn+層を形成するため、レジストで試料にパターニングした後、28Siのイオン注入(加速エネルギー80keV、ドーズ量3.0E15cm-2)を行った。スルー膜は、この後、フッ酸で除去した。
このままでは注入したドーパント28Siは活性化していないので、活性化アニールを行う必要がある。まずアニール保護膜の形成のため、試料のレジストを除去した後、試料のトップ面、裏面、および側壁にシリコン酸窒化膜Si2OxNy(x、yの範囲はおよそ0<x≦1.0, 1<y<4)をプラズマCVD法で1200Å堆積した。
次に、温度1200℃、窒素雰囲気中で試料に活性化アニール(保持時間:例えば5分)を施した。次に、保護膜を除去するため、試料を濃厚なフッ酸に浸し、その後水洗した(図5)。
イオン注入した部分が開口するようにレジストでパターニングした後、レジスト開口部からエッチングガスBCl3とCl2でドライエッチングすることにより、深さ35nmのトレンチを形成した。これにより、トレンチ底面からAlGaN/GaNヘテロ接合までの距離は10nmとなる。
さらにリフトオフ法を用いて、トレンチ表面にアモルファスシリコンを蒸着によって30nm堆積した。そのまま950℃、6時間の拡散アニールを行うことによって、トレンチ表面内にSiを拡散によってドーピングした(図8)。アモルファスシリコンは950℃に昇温すると、瞬時に多結晶のSiであるポリシリコンに変化する。ドーパントとしてのSiは、上記の拡散アニールによって30nm以上の深さまで拡散するので、AlGaN/GaNヘテロ接合と選択的導電層が接続されたことになる。本実施例の場合には、トレンチ側壁には拡散ストッパ層が堆積されているので、拡散は主として試料の下方へのみ進行する。エッジ部は横方向にも拡散が進行するが、フリンジングとして無視できる程度である。拡散アニール後、SiO2とポリシリコンは、過酸化水素を添加したフッ酸にて除去した。
次に、試料にレジストでパターニングした後、塩酸で表面処理を行い、さらに、オーミック金属Ti/Al/Nb/Auを蒸着した。その後、試料にリフトオフ処理を施し、続いて、850℃、30秒のRTAにてアロイ化を行った。このアロイによって、オーミック電極最下層メタルのTiでは、半導体との接合部においてシリサイド(TiSi2)が形成されていると考えられる。このシリサイドはオーミックコンタクト抵抗値の安定化をもたらす。
さらに、試料にレジストでパターニングし、14Nイオンを注入(1回目の注入条件:100keV、1E14cm-2、2回目の注入条件:20keV、1E14cm-2の2段注入)することによってアイソレーションを形成した。リフトオフ法にてゲート電極を形成し(図9)、ホール測定やTLMパターンによる電気測定にて、試料の特性を評価した。
n+層領域でのコンタクト抵抗はRc=0.1Ωmm、シート抵抗は78Ω/□と良好な値が得られた。従来問題であった、n+層領域と2DEGとの接続抵抗は、0.01Ωmmと無視できるレベルの良好な値を得た。
第5の実施形態に対応する実施例のヘテロ接合電界効果トランジスタの製造方法を、図1および図10を参照して説明する。
3インチSi基板上に、MOCVD法にて、i-AlGaN(45nm厚)/i-GaNヘテロ接合エピタキシャル膜を成長した。引き続く工程の目合わせマークを形成するため、本試料にレジストでパターニングした後、ドライエッチングによって試料表面にメサ段差を形成した。
レジストでパターニングした後、レジスト開口部からエッチングガスBCl3とCl2でドライエッチングすることにより、深さ35nmのトレンチを形成した。これにより、トレンチ底面からAlGaN/GaNヘテロ接合までの距離は10nmとなる。
さらにリフトオフ法を用いて、トレンチ表面にアモルファスSiを蒸着によって10nm堆積した。そのまま950℃、6時間の拡散アニールを行うことによって、トレンチ表面内にSiを拡散によってドーピングした(図1)。アモルファスSiは950℃に昇温すると、瞬時に多結晶のSiであるポリシリコンに変化する。ドーパントとしてのSiは、上記の拡散アニールによって30nm以上の深さまで拡散するので、AlGaN/GaNヘテロ接合と選択的導電層が接続されたことになる。本実施例の場合には、拡散アニール後もポリシリコンを残存させたままにした。
次に、試料にレジストでパターニングした後、塩酸で表面処理を行い、さらに、オーミック金属Ti/Auを蒸着した。その後、試料にリフトオフ処理を施し、続いて、850℃、30秒のRTAにてアロイ化を行った。このアロイによって、オーミック電極最下層メタルのTiでは、ポリシリコンとの接合部においてシリサイド(TiSi2)が形成されていると考えられる。このシリサイドはオーミックコンタクト抵抗値の安定化をもたらすメリットがある。
さらに、試料にレジストでパターニングし、14Nイオンを注入(1回目の注入条件:100keV、1E14cm-2、2回目の注入条件:20keV、1E14cm-2の2段注入)することによってアイソレーションを形成した。リフトオフ法にてゲート電極を形成し(図10)、ホール測定やTLMパターンによる電気測定にて、試料の特性を評価した。
n+層領域でのコンタクト抵抗はRc=0.15Ωmm、シート抵抗は約100Ω/□と良好な値が得られた。従来問題であった、n+層領域と2DEGとの接続抵抗は、0.01Ωmmと無視できるレベルの良好な値を得た。
上記では、オーミック金属として、TiAuを用いた場合について記述したが、最下層金属層として、Tiのほかに、Mo、W、Nb、Ni、Pt、Alなどを用いても同様の効果が得られる。
さらにこれらの金属(M1)の上層に堆積する金属あるいは多種金属積層膜(M2)として、上記ではM2=Auの例を挙げたが、M1=Tiに対するM2の例としては、例えばPt/Au、Al/Mo/Au、Al/Nb/Auなど、およそオーミック金属として利用されている組み合わせが全て有効である。
また上記では、拡散源としてアモルファスSi(拡散アニール後には、ポリシリコンに変化)を蒸着によって堆積したが、ポリシリコン部の抵抗を下げたい場合には、リン(P)をドープしたn+-ポリSi(またはn+-アモルファスSi)をCVDによって堆積する方法が有効である。この場合には、拡散パターンの規定のためには、上記のようなリフトオフ法によるパターン形成の適用は難しい。しかしながら、例えばあらかじめ形成したシリコン窒化膜やシリコン酸化膜のパターンをマスクに用いて、その上に前記のリン(P)をドープしたn+-ポリSiをCVDによって堆積し、これを拡散源として前記マスクの開口部から拡散を行う方法をとることができる。
なお、製造過程において、不純物の拡散工程に対応して熱処理を必要とすることを説明したが、複数の熱処理をまとめて行ってもよい。この場合、熱処理工程の回数を抑制できる。
本発明は、GaN系ヘテロ接合電界効果トランジスタのアクセス抵抗あるいはオン抵抗を低減するために欠かせぬ手法を提供するものであり、今後の通信や電力制御用途のGaNデバイスの発展に大きく寄与する。
第1の実施形態のヘテロ接合電界効果トランジスタの製造過程を示す断面図である。 第1の実施形態のヘテロ接合電界効果トランジスタの一構成例を示す断面図である。 第2の実施形態のヘテロ接合電界効果トランジスタの製造過程を示す断面図である。 第2の実施形態のヘテロ接合電界効果トランジスタの一構成例を示す断面図である。 第3の実施形態のヘテロ接合電界効果トランジスタの製造過程を示す断面図である。 第3の実施形態のヘテロ接合電界効果トランジスタの製造過程を示す断面図である。 第3の実施形態のヘテロ接合電界効果トランジスタの一構成例を示す断面図である。 第4の実施形態のヘテロ接合電界効果トランジスタの製造過程を示す断面図である。 第4の実施形態のヘテロ接合電界効果トランジスタの一構成例を示す断面図である。 第5の実施形態のヘテロ接合電界効果トランジスタの一構成例を示す断面図である。 ヘテロ接合電界効果トランジスタの一構成例を示す断面図である。 拡散技術を用いる方法の一例を説明するための断面図である。 図12で説明した方法により作製されたヘテロ接合電界効果トランジスタの構成例を示す断面図である。
符号の説明
101 基板
102 GaN層
104 AlGaN層
105 2DEGチャネル
120 ポリシリコン膜
12、18 n+層
22、23 ソース電極
24、25 ドレイン電極
26 ゲート電極
30 注入n+層

Claims (11)

  1. 基板上に設けられた電子走行層と、
    前記電子走行層の上に設けられた電子供給層と、
    ソース電極およびドレイン電極のそれぞれに対応して前記電子供給層に設けられたトレンチと、を有し、
    前記トレンチの底面が、前記電子走行層と前記電子供給層の界面であるヘテロ接合から所定の距離だけ離れている、ヘテロ接合電界効果トランジスタ。
  2. 前記トレンチの底面と前記ヘテロ接合との距離が5nmから30nmの範囲である、請求項1項記載のヘテロ接合電界効果トランジスタ。
  3. 前記トレンチの底面に接する第1の拡散層が設けられた請求項1または2記載のヘテロ接合電界効果トランジスタ。
  4. 前記トレンチの底面および側面に接する第1の拡散層が設けられた請求項3記載のヘテロ接合電界効果トランジスタ。
  5. 前記第1の拡散層の厚さが前記トレンチから10nm以上100nm未満である請求項3または4記載のヘテロ接合電界効果トランジスタ。
  6. 前記トレンチの底面から前記基板方向への厚さが前記第1の拡散層よりも厚く、該基板の上面に平行な面におけるパターンの面積が前記拡散層よりも小さい第2の拡散層が設けられた、請求項3から5のいずれか1項記載のヘテロ接合電界効果トランジスタ。
  7. シリコンを含み、前記第1の拡散層を形成するための拡散源が前記トレンチの底面に接して設けられ、該拡散源の上に金属材料が設けられ、
    前記ソース電極および前記ドレイン電極は、前記金属材料および前記シリコンによるシリサイド電極を含むオーミック電極である、請求項3から6のいずれか1項記載のヘテロ接合電界効果トランジスタ。
  8. 基板上に電子走行層および電子供給層を順に形成し、
    ソース電極およびドレイン電極のそれぞれに対応する領域の前記電子供給層に、底面が前記電子走行層の上面よりも所定の距離に位置するトレンチを形成し、
    前記トレンチの少なくとも底面から不純物を拡散するための拡散源を該トレンチ内に形成し、
    前記拡散源から前記不純物を前記電子走行層と前記電子供給層の界面であるヘテロ接合に達するまで拡散させる熱処理を行う、ヘテロ接合電界効果トランジスタの製造方法。
  9. 前記所定の距離が5nmから30nmの範囲である、請求項8記載のヘテロ接合電界効果トランジスタの製造方法。
  10. 前記基板上に前記電子走行層および前記電子供給層を順に形成した後、前記トレンチを形成する前に、前記基板の上面に平行な面において該トレンチの断面よりも小さい面積で前記ソース電極およびドレイン電極のそれぞれに対応する領域の前記電子走行層に達する深さまでイオン注入により不純物を導入し、
    前記イオン注入により導入した不純物を拡散するための熱処理を行う、請求項8または9記載のヘテロ接合電界効果トランジスタの製造方法。
  11. 前記拡散源がシリコンを含み、
    前記トレンチ内の前記拡散源の少なくとも一部の上に金属材料を形成し、
    前記金属材料および前記シリコンによるシリサイド電極を含むオーミック電極を前記ソース電極および前記ドレイン電極として形成するための熱処理を行う、請求項8から10のいずれか1項記載のヘテロ接合電界効果トランジスタの製造方法。
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