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JP2010132559A - 水溶性金属フタロシアニン錯体、センサー素子およびそれらを用いたセンサー、ならびにセンサー素子の製造方法 - Google Patents

水溶性金属フタロシアニン錯体、センサー素子およびそれらを用いたセンサー、ならびにセンサー素子の製造方法 Download PDF

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JP2010132559A
JP2010132559A JP2007251368A JP2007251368A JP2010132559A JP 2010132559 A JP2010132559 A JP 2010132559A JP 2007251368 A JP2007251368 A JP 2007251368A JP 2007251368 A JP2007251368 A JP 2007251368A JP 2010132559 A JP2010132559 A JP 2010132559A
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substrate
water
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polymer brush
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JP2007251368A
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Mutsumi Kimura
睦 木村
Megumi Sugawara
恵 菅原
Toshihiro Hirai
利博 平井
Midori Takasaki
緑 高崎
Takashi Mihara
孝士 三原
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Shinshu University NUC
Olympus Corp
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Shinshu University NUC
Olympus Corp
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
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Abstract

【課題】水溶性金属フタロシアニン錯体、センサー素子、センサー及びセンサー素子の製造方法の提供。
【解決手段】水溶性金属フタロシアニン錯体。
Figure 2010132559

ここで、Aはイオン性親水性基、Mは金属元素、nは1〜8から選択される整数を表す。
【選択図】図1

Description

本発明は、新規な水溶性金属フタロシアニン錯体、センサー素子およびそれらを用いたセンサー、ならびにセンサー素子の製造方法に関する。
化学センサーの分野では、酸化物半導体を利用したMOS(Metal Oxide Sensor)型センサーなどが一般的に利用されている。
MOS型センサーは、半導体化した金属酸化物の比較的小さな微粒子結晶体や焼結体をベースとし、通常はPt等の電極ワイヤを内部に持ったセラミックス構造体からなる。MOS型センサーは、300℃程度の高温で利用する。金属酸化物表面での高温における触媒反応によって、アルコール等のガス分子が表面で還元され、電子が空乏化した金属酸化物内に取り込まれて中和される。これによって粒界のポテンシャルバリアーが低下して抵抗が低下する原理を利用するものである。このMOS型センサーは、アルコールやプロパンガスのセンサーとして利用されているが、感度が不十分であることや、ガスに対する選択性がないこと、集積化が困難であること、高温でのセンシングが必要などの問題がある。
近年、ガス、におい、揮発性有機化合物などの化学物質を検出する化学センサーの感度を高める研究や、検出対象となる化学物質に合わせた化学センサーについての研究がなされており、化学センサーの感応材料についてもいろいろな提案がなされている。
例えば、特許文献1には、圧電振動子の表面に二重結合をもつゴム系材料により感応膜を形成したセンサーについて記載がある。特許文献2には、ポリフィリン感応膜を形成し、水素イオン、フッ酸、金属イオン濃度などを測定するイオン濃度測定用イオンセンサーについて記載がある。特許文献3には、水晶振動子上に薄膜状のクラウンエーテル縮合フタロシアニン系化合物を含有する化学ガスセンサ用材料を形成し、NOxやSOxなどのガスを検出することが記載される。
しかしながら、化学センサーの検出対象を「におい」とする場合、高感度な感応材料は見出されていないのが、現状である。検出対象を「におい」とする場合、におい分子として、硫化水素、チオール、ジスルフィド、アミン、アンモニア、インドール、スカトール、アルデヒド類など、様々な種類があるため、感応材料には特定の分子を選択的に認識する選択性が求められるが、そのような感応材料は、見出されていない。
特開平11−108818号公報 特開2004−37430号公報 特開平7−43285号公報
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、におい分子などの特定のターゲット物質を選択的に捕捉する新規な水溶性金属フタロシアニン錯体を提供することを目的とする。また、本発明にかかる水溶性金属フタロシアニン錯体にも好適な、高い感度を有するセンサー素子ならびにセンサーをも提供することを目的とする。さらに、新規なセンサー素子の製造方法についても提案する。
かかる目的のもと、本発明者らは、水溶性フタロシアニンの高い触媒活性に着目して鋭意検討を行った結果、水溶性フタロシアニンの周辺を剛直で嵩高な置換基で修飾することにより、フタロシアニン環のスタッキングを妨げ、ナノスペースを構築することにより、ターゲット物質を選択的に捕捉できることを見出した。
すなわち、本発明は、一般式[化1]で表される水溶性金属フタロシアニン錯体である。
Figure 2010132559
上記一般式[化1]中、R1、R2、R3、R4は、ポリフェニレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリピリジンから選択される置換基を表す。
Aは、R1、R2、R3、R4の少なくとも一部を置換するイオン性親水性基を表す。
Mは、Co、Zn、Fe、Ni、Cu、Mn、Al、Mo、V=O、Ru、Ga、Os、Rh、Pd、Ptから選択される1種または2種以上の金属元素を表す。
nは、1〜8から選択される整数を表す。
R1、R2、R3、R4は、ポリフェニレンであることが好ましい。
Aは、−SO 基であることが好ましい。
Mは、Coであることが好ましい。
また、本発明者らは、ターゲット物質としてのにおい分子には、アンモニア、硫化水素、酢酸に代表される有機酸などのイオン性のにおい分子が多いことに着目し、イオン性のにおい分子を高感度に捕捉するためには、ポリマーブラシに荷電性モノマーを修飾基として導入することにより、ポリマーブラシ周辺ににおい分子を引き付けることが有効であることを見出した。また、荷電性モノマーを修飾基として有するポリマーブラシに、本発明の水溶性金属フタロシアニン錯体を担持させることにより、ポリマーブラシ周辺でのにおい分子の濃度が高まり、水溶性金属フタロシアニン錯体によってより確実に、におい分子を捕捉することができることを見出した。
すなわち、本発明のセンサー素子は、基板と、基板上に形成された自己組織化単分子膜と、自己組織化単分子膜上に形成されたポリマーブラシからなるポリマー膜と、を有するセンサー素子であって、ポリマーブラシが荷電性モノマーを修飾基として有するポリマーブラシであることを特徴とする。
また、本発明のセンサー素子においては、荷電性モノマーを修飾基として有するポリマーブラシに、下記一般式[化2]で表される水溶性金属フタロシアニン錯体が担持されることが好ましい。
Figure 2010132559
上記一般式[化2]中、R1、R2、R3、R4は、ポリフェニレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリピリジンから選択される置換基を表す。
Aは、R1、R2、R3、R4の少なくとも一部を置換するイオン性親水性基を表す。
Mは、Co、Zn、Fe、Ni、Cu、Mn、Al、Mo、V=O、Ru、Ga、Os、Rh、Pd、Ptから選択される1種または2種以上の金属元素を表す。
nは、1〜8から選択される整数を表す。
また、荷電性モノマーは、2−(ジメチルアミノ)−アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、スチレンから選ばれる1種以上であることが好ましい。
本発明のセンサー素子においては、基板が、金からなる基板またはSi系材料の表面に金薄膜を形成した基板であることが好ましい。
また、自己組織化単分子膜は、チオール基を含有することが好ましい。
さらに、本発明のセンサーは、基板と、基板上に形成された自己組織化単分子膜と、自己組織化単分子膜上に形成され、荷電性モノマーを修飾基として有するポリマーブラシからなるポリマー膜と、ポリマーブラシに担持される下記一般式[化3]で表される水溶性金属フタロシアニン錯体と、
Figure 2010132559
(上記一般式[化3]中、R1、R2、R3、R4は、ポリフェニレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリピリジンから選択される置換基を表す。
Aは、R1、R2、R3、R4の少なくとも一部を置換するイオン性親水性基を表す。
Mは、Co、Zn、Fe、Ni、Cu、Mn、Al、Mo、V=O、Ru、Ga、Os、Rh、Pd、Ptから選択される1種または2種以上の金属元素を表す。
nは、1〜8から選択される整数を表す。)
からなるセンサー素子と、水溶性金属フタロシアニン錯体によりターゲット物質を捕捉し、捕捉したターゲット物質によるセンサー素子の物理的な変化を検出する検出手段と、を有することを特徴とする。
本発明のセンサーにおいては、検出手段が、センサー素子に捕捉されたターゲット物質による質量変化を振動型質量検出センサーの周波数変化として検出する検出手段であることが好ましい。
またさらに本発明は、基板に、予め重合開始点を導入した自己組織化単分子膜を固定化する工程と、重合開始点を基点として、荷電性モノマーを修飾基として有するポリマーブラシを伸長する工程と、を含むセンサー素子の製造方法である。
以上説明したように、本発明によれば、水溶性金属フタロシアニン錯体によって、におい分子などの特定のターゲット物質を選択的に捕捉することができる。また、本発明の水溶性金属フタロシアニン錯体にも好適な、高い感度を有するセンサー素子ならびにセンサーが得られる。さらに、本発明のセンサー素子の製造方法によって、基板と、自己組織化単分子膜と、ポリマーブラシを化学的に結合したセンサー素子を得ることができる。
以下、本発明をより詳細に説明する。
<水溶性金属フタロシアニン錯体>
本発明の水溶性金属フタロシアニン錯体は、[化1][化2][化3]の構造からなり、ターゲット物質を選択的に捕捉できるという特徴を有する。この理由について、本発明者は、次のように推察している。図1(A)(B)を用いて説明する。図1(A)は[化5]に示す従来の水溶性フタロシアニンのフタロシアニン環のスタッキングについて模式的に表す図であり、図1(B)は、[化4]に示す本発明の水溶性金属フタロシアニン錯体について模式的に表す図である。図1(A)に示すように水溶性フタロシアニン1は平面的な構造を有するため、錯体間でスタッキングが起こりやすい。一方、本発明の水溶性金属フタロシアニン錯体は、図1(B)に示すように、フタロシアニン環2の周辺を剛直で嵩高な置換基3で修飾することにより、フタロシアニン環2のスタッキングを妨げることができる。また、フタロシアニン環2と剛直で嵩高な置換基3との間にナノスペース4を構築することができ、このナノスペース4に選択的にターゲット物質を捕捉することができると考えられる。
本発明の水溶性金属フタロシアニン錯体は、選択的にターゲット物質を捕捉することが可能であるため、化学センサーの分子認識膜として用いることができる。
なお、本発明において、ターゲット物質の捕捉とは、水溶性金属フタロシアニン錯体へのターゲット物質の物理的、化学的な吸着を意味する。
Figure 2010132559
Figure 2010132559
本発明にかかる水溶性金属フタロシアニン錯体の置換基について説明する。
R1、R2、R3、R4は、フタロシアニン環の周辺を修飾する置換基であり、ポリフェニレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリピリジンから選択される。これらの置換基は、剛直で嵩高な構造を有しているので、フタロシアニン環のスタッキングを防ぐ効果が得られる。
R1、R2、R3、R4は、捕捉したいターゲット物質に合わせてナノスペースを構築するよう、それぞれ独立に置換基を選定することもできるし、すべて同一の置換基とすることもできる。
R1、R2、R3、R4としては、ポリフェニレンが好ましい。ポリフェニレンの剛直な構造は高効率な電子導電性や光伝導性といった物理的性質を本発明の水溶性金属フタロシアニン錯体に与える。
ポリフェニレンとしては、ペンタフェニルベンゼンやトリフェニレンが好ましい。
Aは、R1、R2、R3、R4の一部を置換するイオン性親水性基であって、本発明の水溶性金属フタロシアニン錯体に水溶性を付与する。イオン性親水性基としては、−SO 基、−COO、−NH 、−O、−CN、−N(CH3+が好ましい。イオン性親水基は、中和して塩としてもよい。
Aの置換数を表すnは、1〜8の整数から選択される数であって、R1、R2、R3、R4の置換基にあわせ、水溶性金属フタロシアニン錯体が水溶性となるよう適宜選択すればよい。
例えば、R1〜R4としてペンタフェニルベンゼン、Aとして−SO 基を用いた場合、nを5とすることにより、水溶性金属フタロシアニン錯体が得られる。
本発明の水溶性金属フタロシアニン錯体は、ナノスペースによりターゲット物質に対する選択性を有するが、Mもターゲット物質に対する選択性に寄与する。
Mは、Co、Zn、Fe、Ni、Cu、Mn、Al、Mo、V=O、Ru、Ga、Os、Rh、Pd、Ptから選択される1種または2種以上の金属元素であって、フタロシアニンと金属とで錯体を構成する。V=Oは、VとOとの二重結合を表す。Mの中でも、Co(II)は、2−メルカプトエタノールなどのチオールの酸化反応において高い触媒能を有する。
次に、本発明の水溶性金属フタロシアニン錯体の合成について説明する。
ポリフェニレンなどの置換基とN,N−ジメチルアミノエタノールを反応容器に入れ、15〜30分間脱気した後、金属塩化物を加え、15〜30分間脱気を行う。その後、反応温度150〜170℃で、反応時間24〜48時間で攪拌還流し、反応を進行させる。得られた反応溶液を減圧濃縮し、例えば、アルミナのカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン)等により、単離、精製することにより、金属フタロシアニン錯体を合成することができる。なお、反応は窒素気流下で行うことが好ましい。
続いて、得られた金属フタロシアニン錯体のポリフェニレンなどの置換基の一部をイオン性親水性基で置換し、水溶性金属フタロシアニン錯体を得る。得られた水溶性金属フタロシアニン錯体を固体として取り出すためには、イオン性親水性基を中和した塩とし、透析を行えばよい。
例えば、イオン性親水性基による置換が、濃硫酸(HSO)を用いるスルホン化である場合、その後、NaOHで中和することにより、スルホン酸ナトリウム塩となる。このスルホン酸ナトリウム塩を置換基として有する水溶性金属フタロシアニン錯体を固体として取り出すためには、透析を行えばよい。
なお、錯体を構成する金属は、金属塩化物として添加することが好ましく、塩化コバルト、塩化鉄、塩化ニッケル、塩化銅などを用いることが好ましい。
<センサー素子>
本発明のセンサー素子について説明する。
本発明のセンサー素子は、ポリマーブラシに荷電性モノマーを有する修飾基を導入することにより、ターゲット物質の官能基をポリマーブラシ周辺に引き付けて濃縮し、センサー素子としての感度を向上する。
また、荷電性モノマーを導入したポリマーブラシに水溶性金属フタロシアニン錯体を担持することにより、ポリマーブラシに引き付けられたターゲット物質をより確実に水溶性金属フタロシアニン錯体によって捕捉することが可能となる。
さらに、荷電性モノマーの選定によってはポリマーブラシ自身がターゲット物質を捕捉することが可能であるため、その場合は水溶性金属フタロシアニン錯体を担持せずに、センサーの感応材料として用いることができる。
図2(A)は、荷電性モノマーを導入したポリマーブラシを伸長した基板の模式図であり、金(Au)基板10上に荷電性モノマー12を導入したポリマーブラシ11を伸長させてある。図2(B)は、図2(A)に水溶性金属フタロシアニン錯体13を担持させた状態を表す模式図である。図2(B)に示すように、ターゲット分子14とその他の分子15が混在する場合であっても、荷電性モノマー12がターゲット分子14を引き付け、水溶性金属フタロシアニン錯体13への捕捉を促す。
なお、ポリマーブラシとは、高分子の片端が材料や基板の表面に結合して、もう片端が自由端である分子をいう。基板表面に構築されたポリマーブラシはやわらかい構造をしており、自身の荷電反発により伸長し、表面に3次元の官能基場を形成することができる。さらに、ブラシの長さを制御することで固定させる分子や集合体の構造にあわせた表面の設計が可能となり、分子レベルで機能性材料を作製することができる。
本発明において、担持とは、ポリマーブラシの荷電基と錯体側鎖の水溶性基とがイオン結合することをいう。また、ポリマーブラシの側鎖とのイオン結合、配位結合、水素結合等によって、錯体がポリマーブラシ内に固定化されることをも含む。
センサー素子は、水晶振動子の電極基板や光ファイバーの基板に配置して用いられるので、本発明では、ポリマーブラシを基板に固定化する方法についても提案する。
基板としては、金(Au)からなる基板またはSi系材料の表面に金(Au)薄膜を形成した基板が好ましい。金表面を有する基板は、水晶振動子等の振動型質量検出センサーの電極として用いることができる。
基板表面に、自己組織化単分子膜(以下、SAMsと記す)を形成する。SAMsを基板表面に形成することにより、基板とSAMs、SAMsとポリマーブラシ、それぞれが化学的に結合する。
SAMsは、チオール基(−SH)を持つチオール分子が金と結合して形成される。チオール基を持つ分子としては、2−Mercaptoethanol(2−メルカプトエタノール)、3−Mercapto−1−propanol(3−メルカプト−1−プロパノール)、11−Mercapto−1−undecanol(11−メルカプト−1−ウンデカノール)、Cystine(シスチン)、3,3’−Dithiodipropionic Acid(3,3’−ジチオジプロピオン酸),4,4’−Dithiodibutyric Acid(4,4’−ジチオ二酪酸)などが好ましい。
次に、SAMsを形成した金基板にポリマーブラシを伸張させるため、まずポリマーブラシの重合開始点を導入し、その後ポリマーブラシを伸長する。
重合開始点は、チオール分子鎖のチオールと結合している端とは反対の末端に、2−bromo−2−metyhl propionyl bromide(2−ブロモプロピニル臭素化物)などを結合する。
重合開始点を基点として、荷電性モノマーを修飾基として導入することにより荷電性モノマー自身の荷電反発でポリマーが伸長し、(CHCHX)(ここで、Xは官能基を表し、mは重合度を表す)などのポリマーからなるポリマーブラシが得られる。荷電性モノマーは、ターゲット物質の官能基とは、反対の電荷を有するものを選択することにより、ターゲット物質を引き付ける効果が得られる。荷電性モノマーとしては、2−(ジメチルアミノ)−アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、スチレン、トリメチルビニルアンモニウム臭化物、ビニルスルホン酸ナトリウム塩、ナトリウムアリルスルホン酸塩、2−Hydroxyethyl Acrylate(2−ヒドロキシエチルアクリレート)、4−Hydroxybutyl Acrylate(4−ヒドロキシブチルアクリレート)、2−Cyanoethyl Acrylate(2−シアノエチルアクリレート)、Methacroylcholine Chloride(メタクロイルコリンクロライド)、3−Sulfopropyl Methacrylate Potassium Salt(3−スルホプロピルメタクリレートカリウム塩)、4−ビニルピリジン、1,2,2,6,6−Pentametyl−4−piperidyl Methacrylate(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート)が好ましい。また、荷電性モノマーとしてスチレンを用いた場合、ポリマーブラシでターゲット物質を捕捉することができる。
ポリマーブラシの重合度は、所望するポリマーブラシの長さに合わせて、適宜設定すればよい。
本発明にかかるセンサー素子の製造方法について、図6、図7に示すフローチャートを用いて説明する。
図6に示すセンサー素子の製造方法は、基板に、SAMsを固定化する工程(S11)と、重合開始点を導入する工程(S12)と、ポリマーブラシを伸長する工程(S13)とからなる。
一方、図7に示すセンサー素子の製造方法は、基板に、予め重合開始点を導入した前記自己組織化単分子膜(SAMs)を固定化する工程(S21)と、重合開始点を基点として、荷電性モノマーを修飾基として有するポリマーブラシを伸長する工程(S22)とからなる。
いずれの方法でも本発明のセンサー素子を製造することができるが、本発明では図7に示す製造方法を用いることが好ましい。各々の工程の操作を行うにあたって、基板を清浄に保って操作を行うことが重要であるため、工程ごとに基板の洗浄を行う。図6に示す方法は工程が3つであるが、図7に示す方法では工程が2つと工程数が少なく、基板洗浄の回数を減らすことができ、安定して製造することが可能となる。
基板の洗浄は、基板全体またはSAMsを固定化する表面に、piranha溶液をのせ、15分静置した後、蒸留水ですすぎ、Nもしくはclean airで乾燥する。また、洗浄後およびSAMs固定化後は、放置せずに次の工程を行うことが好ましい。
ポリマーブラシへの水溶性金属フタロシアニン錯体の担持は、水溶性金属フタロシアニン錯体水溶液に、ポリマーブラシを伸長した基板を10分〜24時間浸漬した後、蒸留水で洗浄し、乾燥することにより得られる。このときの水溶性金属フタロシアニン錯体水溶液の濃度は、1mMとすることが好ましい。
<センサー>
本発明にかかるセンサーは、本発明のセンサー素子にターゲット物質が吸着した場合のセンサー素子の物理的な変化を検出する検出手段を有することが好ましい。検出手段としては、電気的検出、光学的検出、化学的検出、電気化学的検出等の方法が適用できる。本発明にかかるセンサーに適用する検出手段としては、振動型質量検出センサーを用いて、ターゲット物質の吸脱着による質量変化を周波数変化として検出することが好ましい。振動型質量検出センサー上の電極を基板として本発明のセンサー素子を配設することにより、高感度なセンサーとなる。振動型質量検出センサーとしては水晶振動子を用いたものが好ましい。またMEMS(Micro Mechanical Electrical System)技術を用いた小型振動子を用いた振動型質量検出センサーを用いることもできる。この場合、QCMに比較して、集積化や回路との集積が容易である。
例えば、水晶振動子微量天秤(QCM)では、水晶発振子の表面に物質が吸着すると、以下のSauerbrey式(1)に従い、吸着した物質の質量に比例して、水晶発振子の基本振動数が変化する。ここで、ΔFは、基本振動数の変化、Δmは重量変化、Kは定数である。
ΔF=−K×Δm・・・(1)
本発明にかかる水溶性金属フタロシアニン錯体として、[化4]で表されるβテトラキス〔2,3,4,5−ペンタ(2,3,4,5,6−スルホニル)ベンゼン〕フタロシアネートコバルト(II)を合成した。
スルホン化βテトラキス(2,3,4,5−ペンタフェニルベンゼン)フタロシアネートコバルト(II)の合成は、まず(1)3,4−ジシアノヘキサフェニルベンゼンを合成し、(2)得られた3,4−ジシアノヘキサフェニルベンゼンを原料として、βテトラキス(2,3,4,5−ペンタフェニルベンゼン)フタロシアネートコバルト(II)を合成し、(3)スルホン化および透析を行った。
得られたβテトラキス〔2,3,4,5−ペンタ(2,3,4,5,6−スルホニル)ベンゼン〕フタロシアネートコバルト(II)について、(4)評価を行った。
以下、順次、合成方法(1)〜(3)、評価(4)について説明する。
(1)3,4−ジシアノヘキサフェニルベンゼンの合成
3,4−ジシアノジフェニルアセチレン0.19g(8.19×10−4mol)、テトラフェニルシクロペンタジエノン0.38g(9.83×10−4mol)、ジフェニルエーテル4mlをフラスコに入れ、210℃で20時間攪拌還流した。室温に戻ってから反応溶液をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(石油エーテル→石油エーテル/ジクロロメタン=1)で精製を行い、減圧乾燥して、3,4−ジシアノヘキサフェニルベンゼンを得た。
なお、3,4−ジシアノヘキサフェニルベンゼンの合成は、窒素気流下で行った。
(2)βテトラキス(2,3,4,5−ペンタフェニルベンゼン)フタロシアネートコバルト(II)の合成
次に3,4−ジシアノヘキサフェニルベンゼンを原料として、βテトラキス(2,3,4,5−ペンタフェニルベンゼン)フタロシアネートコバルト(II)を合成した。
3,4−ジシアノヘキサフェニルベンゼン0.30g(5.13×10−4mol)と、N,N―ジメチルアミノエタノール3mlをフラスコに入れ、30分間脱気した後、無水塩化コバルト(II)0.033g(2.57×10−4mol)を加え、再び30分間脱気を行った。その後、170℃で48時間攪拌還流した。反応溶液を減圧濃縮した後、アルミナのカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン)を2回かけて精製を行い、減圧乾燥して、βテトラキス(2,3,4,5−ペンタフェニルベンゼン)フタロシアネートコバルト(II)を合成した。
なお、βテトラキス(2,3,4,5−ペンタフェニルベンゼン)フタロシアネートコバルト(II)の合成は、窒素気流下で行った。
(3)βテトラキス(2,3,4,5−ペンタフェニルベンゼン)フタロシアネートコバルト(II)のスルホン化および透析
(2)で得られたβテトラキス(2,3,4,5−ペンタフェニルベンゼン)フタロシアネートコバルト(II)0.10g(2.5×10−5mol)と濃硫酸2mlをフラスコに入れ、100℃で1時間攪拌還流した。反応溶液をクエンチし、水酸化ナトリウムで中和した後、0.2ml/cmの透析チューブを用いて透析を行い、減圧乾燥して、βテトラキス〔2,3,4,5−ペンタ(2,3,4,5,6−スルホニル)ベンゼン〕フタロシアネートコバルト(II)を得た。
(4)評価
におい分子を選択的に捕捉しうるかを評価するため、DOメータを用いて、(3)で得られたβテトラキス〔2,3,4,5−ペンタ(2,3,4,5,6−スルホニル)ベンゼン〕フタロシアネートコバルト(II)の濃度6.0×10−6mol/l水溶液に2−メルカプトエタノールを混入し、溶存酸素の測定を行ったところ、最大反応速度Vmaxが1.8×10−4mol/l・min、触媒回転数kが30min−1であった。
また、比較のため、一般式[化6]で表されるβテトラキス(スルホニル)フタロシアネートコバルト(II)の濃度8.8×10−6mol/l水溶液に2−メルカプトエタノールを混入し、溶存酸素の測定を行ったところ、最大反応速度Vmaxが3.75×10−4mol/l・min、触媒回転数kが426min−1であった。
Figure 2010132559
(3)で得られた本発明のβテトラキス〔2,3,4,5−ペンタ(2,3,4,5,6−スルホニル)ベンゼン〕フタロシアネートコバルト(II)が高い触媒能を有することが確認できた。
なお、kは、最大反応速度Vmax(単位はmol/l・min)を錯体の溶液濃度(単位はmol/l)で割った値から求められる。
ここで、2−メルカプトエタノールの酸化反応による触媒能の測定方法について説明する。
PH7.0、25℃における2−メルカプトエタノール(2HOCHCHSH:RSHと記す場合もある)の酸化反応は次のように進行する。
2HOCHCHSH+O→2HOCHCHS−SCHCHOH+HO+1/2O
酸素消費速度からチオール酸化反応における反応速度を算出し、触媒サイクルの回転数を決定した。
(5)ガス吸着評価
(3)で得られた本発明のβテトラキス〔2,3,4,5−ペンタ(2,3,4,5,6−スルホニル)ベンゼン〕フタロシアネートコバルト(II)をキャスト法を用いてセンサー素子上に成膜し、におい分子としてアセトン、エタノール、トルエンを吸着させて水晶振動子マイクロバランスセンサー(以下、QCMセンサーと記す)による周波数変化を計測した。また、比較のため、成膜しないセンサー素子を用いて、アセトン、エタノール、トルエンを吸着させてQCMセンサーによる周波数変化を計測した。
キャスト法による成膜は、水晶素板サイズφ8.7mm、金電極径φ5.0mmのセンサー素子上に、0.05wt%のβテトラキス〔2,3,4,5−ペンタ(2,3,4,5,6−スルホニル)ベンゼン〕フタロシアネートコバルト(II)水溶液8μlを塗布し、真空乾燥することにより行った。
QCMセンサーによる周波数変化の計測は、後述の実施例4と同様に行った。周波数変化を計測した結果を図8、図9、図10に示すが、図8はアセトン4000ppmを導入した場合の周波数変化ΔF、図9はエタノール4000ppmを導入した場合の周波数変化ΔF、図10はトルエン4000ppmを導入した場合の周波数変化ΔFである。図8〜図10において、no filmは成膜しないセンサー素子、Pc−SONaはβテトラキス〔2,3,4,5−ペンタ(2,3,4,5,6−スルホニル)ベンゼン〕フタロシアネートコバルト(II)を成膜したセンサー素子である。
図8、図9、図10を見ると、βテトラキス〔2,3,4,5−ペンタ(2,3,4,5,6−スルホニル)ベンゼン〕フタロシアネートコバルト(II)を用いることにより、アセトン、エタノール、トルエン、いずれのガスを導入した場合も周波数が下がりガスを吸着できること、ガス種によって周波数変化のパターンが異なることが確認できた。
実施例1で得られたβテトラキス〔2,3,4,5−ペンタ(2,3,4,5,6−スルホニル)ベンゼン〕フタロシアネートコバルト(II)をポリマーブラシに担持したセンサー素子を作製した。
センサー素子は、基板としてSi系材料の表面に金(Au)薄膜を形成した基板を用い、金薄膜表面に(1)自己組織化単分子膜(SAMs)形成、(2)原子移動リビングラジカル重合(ATRP)によるポリマーブラシの伸長、(3)ポリマーブラシへの水溶性金属フタロシアニン錯体の担持により、作製し、(4)評価を行った。以下、(1)(2)について、図3を用いて説明する。図3は、基板の金(Au)表面にポリマーブラシを形成するための工程について説明するための図である。
(1)自己組織化単分子膜(SAMs)形成
図3に示すように、金表面を有する基板100に、11−Mercapto−1−undecanol(11−メルカプト−1−ウンデカノール)を反応させ(チノール処理)、SAMsが形成された基板101を得る。
基板100の金表面はあらかじめ清浄化した。清浄化は1%ドデシル硫酸ナトリウム溶液と硫酸:30%過酸化水素水=4:1のPiranha溶液を用いて、金表面を洗浄した後、蒸留水で十分にすすぐことにより行った。
次に、11−Mercapto−1−undecanolの1mM(0.7mg/ml)エタノール溶液を清浄化した基板の金表面にのせ、24時間放置した。エタノールは窒素で脱気した。放置後、金表面を、エタノールにて洗浄し、乾燥させ、SAMsを形成した基板101を得た。
(2)原子移動リビングラジカル重合(ATRP)によるポリマーブラシの伸長
はじめに、ポリマーブラシの重合開始点を導入する処理を行う。図3に示すように、SAMsを形成した金表面を有する基板101にポリマーブラシの重合開始点を導入し、基板102を得る。
氷浴中において、フラスコに、SAMsを形成した基板101、トリエチルアミン(以下、TEAと記す場合もある)0.07ml(5.4×10−4mol)を入れ、テトラヒドロフラン(以下、THFと記す場合もある)1mlで溶解した。フラスコ内を30分間脱気した後、2−ブロモプロピオニルブロミド0.07ml(5.4×10−4mol)をTHF5mlに溶解させ、滴下漏斗を用いてフラスコ内にゆっくり加え、発熱がおさまってから室温に戻し、窒素雰囲気下で12時間放置した。放置後、フラスコから取り出した基板をTHFで洗浄し、乾燥して、重合開始点を導入した基板102を得た。
次に、重合処理を行い、図3に示すように、重合開始点を導入した基板102にポリマーブラシを伸長する。
反応容器に、重合開始点を導入した基板102、2−(Dimethylamino ethyl)Acrylate〔2−(ジメチルアミノ)−アクリル酸エチル〕3.037ml(0.02mol)、Fe(II)Br0.014g(0.067mmol)、Triphenylphosphine(トリフェニルホスフィン)0.05g(0.2mmol)、ethyl−II−Bromoisobutyrate(エチル−2−ブロモイソブチレート)0.009ml(0.067mmol)を入れ、凍結、脱気、溶解を行った後、60℃のオイルバス中で3時間反応させた。反応後、基板の金表面をメタノールで洗浄した後、ジクロロメタン中に24時間浸漬させることで金表面に固定化されていない高分子を取り除き、ポリマーブラシを伸長した基板103を得た。
(3)ポリマーブラシへの水溶性金属フタロシアニン錯体の担持
1mM(4.438mg/ml)の水溶性金属フタロシアニン錯体水溶液に、ポリマーブラシを伸長した基板103を10分間浸漬し、蒸留水で洗浄し、乾燥する。
AFM(原子間力顕微鏡)による観察、QCMによる質量測定、基板103のRASのスペクトルの同定により、ポリマーブラシに水溶性金属フタロシアニン錯体が担持されていることが、確認できた。
(4)評価
正電荷を持つポリマーブラシでは、硫化水素、メチルメルカプタン、酢酸などの酸性ガスを吸着する。これに対し、負電荷を持つポリマーブラシではアンモニア、ジメチルアミン、ピリジンなどの塩基性ガスを吸着する。さらに本発明の水溶性金属フタロシアニン錯体をポリマーブラシ内に担持すると、金属フタロシアニン錯体の中心金属に配位できる硫化水素、メチルメルカプタン、アンモニア、ピリジンなどのガスに対し選択性が向上する。
実施例2では、SAMsを形成した後、重合開始点を導入し、ポリマーブラシを伸長する方法を用いて、ポリマーブラシを形成した基板を得た。実施例3では、あらかじめ重合開始点を導入したSAMsを基板に形成し、ポリマーブラシを伸長する方法について、図4を用いて説明する。図4は、基板の金(Au)表面にポリマーブラシを形成するための工程を説明するための図である。
(1)自己組織化単分子膜(SAMs)形成
図4に示すように、金表面を有する基板200に、13,13’−dithio−bis−(2−bromo−3−tridecanone)〔13,13’−ジチオ−ビス−(2−ブロモ−3−トリデカノン)〕を反応させ、重合開始点を導入したSAMsを形成した金表面を有する基板201を得る。
基板200の金表面はあらかじめ清浄化した。清浄化は1%ドデシル硫酸ナトリウム溶液と硫酸:30%過酸化水素水=4:1のPiranha溶液を用いて、基板200の金表面を洗浄した後、蒸留水で十分にすすぐことにより行った。
次に、13,13’−dithio−bis−(2−bromo−3−tridecanone)の1mM(0.7mg/ml)dryトルエン溶液を作り、基板200をテフロン板に縦に並べて浸し、60℃のオイルバスで24時間静置し、SAMsを固定化した。その後、基板を、トルエン、エタノールですすぎ、窒素を吹き付け乾燥させ、重合開始点を導入したSAMsを形成した基板201を得た。
なお、13,13’−dithio−bis−(2−bromo−3−tridecanone)は、11−Mercapto−1−undecanolを原料として、重合開始点を導入した化合物である。13,13’−dithio−bis−(2−bromo−3−tridecanone)の合成方法を図5に示す。操作は窒素気流下で行う。氷浴中において、フラスコに、11−mercapto−1−undecanol0.5g(2.246×10−3mol)、10%KHCO水溶液2ml、dryCHCl10mlを入れ、十分脱気する。その後、臭素を少しずつ、白くなるまで加えて、水とジクロロメタンで抽出し無水硫酸ナトリウムで脱水し、シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン)により精製した。
(2)原子移動リビングラジカル重合(ATRP)によるポリマーブラシの伸長
重合開始点を導入したSAMsを形成した基板201に、荷電性モノマーとして2−(ジメチルアミノ)−アクリル酸エチルを用いて重合処理を行い、図4に示すポリマーブラシを伸長した基板202を作製した。
反応容器に、重合開始点を導入したSAMsを形成した基板201、2−(Dimethylamino ethyl)Acrylate〔2−(ジメチルアミノ)−アクリル酸エチル〕3.037ml(0.02mol)、Fe(II)Br0.014g(0.067mmol)、Triphenylphosphine(トリフェニルホスフィン)0.05g(0.2mmol)、ethyl−II−Bromoisobutyrate(エチル−2−ブロモイソブチレート)0.009ml(0.067mmol)を入れ、凍結、脱気、溶解を行った後、60℃のオイルバス中で3時間反応させた。反応後、基板の金表面をメタノールで洗浄した後、ジクロロメタン中に24時間浸漬させることで金表面に固定化されていない高分子を取り除き、ポリマーブラシを伸長した基板202を得た。
3種類の荷電性モノマーを用いてポリマーブラシを伸長したセンサー素子を作製し、QCMセンサーによりガス吸着を行い周波数変化を計測した。また、比較のため、SAMs、ポリマーブラシを形成しないセンサー素子についても周波数変化を計測した。
ここで、QCMセンサーについて図11、図12を用いて説明する。図11は、QCMセンサー21の模式図であって、発振器23と、発振器23上に載置されるセンサー素子24とはチャンバー22内に設置され、チャンバー22外の周波数検出カウンタ25と接続される。チャンバー22は、ガス導入バルブ27と窒素導入バルブ30と排気バルブ28を備え、チャンバー22内を所望の雰囲気に制御することができる。また、ガス導入バルブ27にはヒーター29を設け、チャンバー22内に導入するガスを必要に応じて加熱することができる。チャンバー22内には、湿度計(図示せず)を設置してもよい。
チャンバー22内にガス導入バルブ27を通してガスが導入されると、センサー素子24はガスを吸着して質量が変化する。質量変化に伴い周波数が変化するので、この周波数変化を周波数検出カウンタ25によって計測し、周波数検出カウンタ25に接続されるコンピューター26により周波数変化を出力する。周波数検出カウンタ25は、Agilent53131Aユニバーサル周波数カウンタを用いた。
図12に、センサー素子24の拡大模式図を示す。センサー素子24は、基板31と、基板31上に形成された感応膜32とからなり、端子33を備える。基板31としては、周波数9MHz、水晶素板サイズφ8.7mm、金電極径φ5.0mm、AT−Cut水晶板の両面にクロム/金(厚さ500オングストローム)の電極を蒸着したものを用い(多摩デバイス製)、1ngの物質が電極表面に付着すると周波数が1Hz減少する。感応膜32として、本発明の水溶性金属フタトロシアニン錯体やポリマーブラシからなるポリマー膜を形成する。
図11に示すQCMセンサー21による周波数変化の計測は、はじめに排気バルブ28を開けてチャンバー22内を真空にした後、排気バルブ28を閉じ、窒素導入バルブ30を開け、装置内を窒素雰囲気にした。窒素導入バルブ30を閉じて周波数が安定した状態をベースラインとした。次に、ガス導入バルブ27を開け、ガスを導入した(図13〜図16において、gas inと記す)。ガスの導入は1分間行った。その後、ガス導入バルブ27を閉じ、装置を密封して周波数変化を計測し、ガス導入に伴う周波数変化が一定になったら、排気バルブ28を開けて(図13〜図16において、openと記す)装置内のガスを排気し、窒素導入バルブ30を開けて窒素に置換することで周波数をベースラインに戻した。周波数変化は室温で計測した。
以下、4種類のセンサー素子の製造方法とそれらを用いたガス吸着評価について説明する。
(1)自己組織化単分子膜(SAMs)形成
水晶素板サイズφ8.7mm、金電極径φ5.0mmのセンサー素子を4つ準備し、洗浄操作を2回繰り返した。洗浄操作は、金電極部分のみにPiranha溶液(濃硫酸:30%過酸化水素水=3:1)をのせ、15分静置した後、蒸留水ですすぎ、Nもしくはclean airで乾燥した。SAMs、ポリマーブラシを形勢しないセンサー素子については、2回の洗浄操作後に周波数変化の計測に供した。
次に、13,13’−dithio−bis−(2−bromo−3−tridecanone)の1mM(0.7mg/ml)dryトルエン溶液を作り、センサー素子をテフロン板に縦に並べて浸し、60℃のオイルバスで24時間静置し、SAMsを固定化した。その後、センサー素子を、トルエン、エタノールですすぎ、窒素を吹き付け乾燥させ、重合開始点を導入したSAMsを形成したセンサー素子を3つ得た。
なお、13,13’−dithio−bis−(2−bromo−3−tridecanone)の合成は、実施例3と同様の方法で行った。
(2)原子移動リビングラジカル重合(ATRP)によるポリマーブラシの伸長
荷電性モノマーとして、2−(ジメチルアミノ)−アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、スチレンの3種類を準備し、それぞれを修飾基として有するポリマーブラシを形成したセンサー素子を作製した。
<2−(ジメチルアミノ)−アクリル酸エチル>
mol比で、2−(ジメチルアミノ)−アクリル酸エチル:Triphenylphosphine:FeBr:ethyl−II−bromoisobutyrate=1:0.01:0.003:0.003の割合で反応容器に入れ、Nに置換しながら溶解した。重合開始点を導入したSAMsを形成したセンサー素子をテフロン板に縦に並べて浸し、凍結、乾燥を3回繰り返した後、60℃のオイルバス中で3時間反応させた。反応後、センサー素子の金電極表面をジクロロメタン、メタノールですすぎ、ジクロロメタン中に室温で24時間静置した後、Nで乾燥し、2−(ジメチルアミノ)−アクリル酸エチルを修飾基として有するポリマーブラシを伸長したセンサー素子を得た。
<メタクリル酸メチル>
mol比で、メタクリル酸メチル:Triphenylphosphine:Fe(II)Br:ethyl−II−Bromoisobutyrate=1:0.01:0.003:0.003の割合で反応容器に入れ、Nに置換しながら溶解した。重合開始点を導入したSAMsを形成したセンサー素子をテフロン板に縦に並べて浸し、凍結、乾燥を3回繰り返した後、60℃のオイルバス中で3時間反応させた。反応後、センサー素子の金電極表面をジクロロメタン、メタノールですすぎ、ジクロロメタン中に室温で24時間静置した後、Nで乾燥し、メタクリル酸メチルを修飾基として有するポリマーブラシを伸長したセンサー素子を得た。
<スチレン>
mol比で、スチレン:Triphenylphosphine:Fe(II)Br:ethyl−II−Bromoisobutyrate=1:0.01:0.003:0.003の割合で反応容器に入れ、Nに置換しながら溶解した。重合開始点を導入したSAMsを形成したセンサー素子をテフロン板に縦に並べて浸し、凍結、乾燥を3回繰り返した後、60℃のオイルバス中で3時間反応させた。反応後、センサー素子の金電極表面をジクロロメタン、メタノールですすぎ、ジクロロメタン中に室温で24時間静置した後、Nで乾燥し、スチレンを修飾基として有するポリマーブラシを伸長したセンサー素子を得た。
(3)ガス吸着評価
(2)で作製した3種類のポリマーブラシを伸長したセンサー素子と、SAMsおよびポリマーブラシを形成しないセンサー素子とを用い、アセトン、エタノール、トルエンをそれぞれ4000ppmずつ導入した場合の周波数変化をQCMセンサーで計測した。アセトンに対する周波数変化ΔFを図13に、エタノールに対する周波数変化ΔFを図14に、トルエンに対する周波数変化ΔFを図15に示す。図13〜図15において、amineは2−(ジメチルアミノ)−アクリル酸エチル、MMAはメタクリル酸メチル、styleneはスチレンを荷電性モノマーとして用いた場合の周波数変化を、no filmは、SAMs、ポリマーブラシを形成しない場合の周波数変化を示す。
図13〜図15を見ると、ガス種毎にそれぞれのセンサー素子が異なる周波数変化を示すことがわかる。また、styleneの周波数変化に着目すると、アセトン、エタノール、トルエンいずれも周波数が下がり、重量が増加していることが確認できる。このことから、スチレンを修飾基として有するポリマーブラシを形成したセンサー素子は、センサー素子の感度向上に加え、ターゲット物質を捕捉する機能も有することがわかる。MMAは、アセトン、エタノール、トルエンに対しては、周波数変化が少なく、これらをターゲット物質とする場合には捕捉する機能はほとんど有しないが、MMAの官能基がターゲット物質を引き付けるのでセンサー素子として感度向上に寄与する。amineは、トルエンを吸着させた場合、周波数が下がり重量が増加しているのに対し、アセトン、エタノールを吸着させた図13、図14を見ると、周波数が上がり重量が減少している。これは、2−(ジメチルアミノ)−アクリル酸エチルの官能基である3級アミンが空気中の水をあらかじめ捕捉しており、アセトンやエタノールなどの親水性ガスが導入された際に、捕捉されていた水分がそのガスと導入されたのではないかと考えられる。
水をガスとして導入し、QCMセンサーよって周波数変化を計測した結果を、QCMセンサーのチャンバー内の湿度変化とともに図16に示す。図16を見ると、湿度の増加と共に周波数が下がり、湿度の減少と共に周波数が上がることから、2−(ジメチルアミノ)−アクリル酸エチルが水に対して敏感なことが確認された。
(A)従来のフタロシアニン錯体、(B)本発明の水溶性金属フタロシアニン錯体によるスタッキング制御について説明するための模式図である。 (A)は、荷電性モノマーを導入したポリマーブラシを伸長した基板の模式図、(B)は(A)に水溶性金属フタロシアニン錯体を担持させた状態を表す模式図である。 本発明にかかるポリマーブラシの作製方法を説明するための図である。 本発明にかかるポリマーブラシの作製方法を説明するための図である。 13,13’−dithio−bis−(2−bromo−3−tridecanone)の合成方法を示す図である。 センサー素子の製造工程を示すフローチャートである。 センサー素子の製造工程を示すフローチャートである。 本発明の水溶性フタロシアニン錯体にアセトンを吸着した場合の周波数変化を表す図である。 本発明の水溶性フタロシアニン錯体にエタノールを吸着した場合の周波数変化を表す図である。 本発明の水溶性フタロシアニン錯体にトルエンを吸着した場合の周波数変化を表す図である。 QCMセンサーの模式図である。 センサー素子の拡大模式図である。 センサー素子にアセトンを吸着した場合の周波数変化を表す図である。 センサー素子にエタノールを吸着した場合の周波数変化を表す図である。 センサー素子にトルエンを吸着した場合の周波数変化を表す図である。 センサー素子に水を吸着した場合の周波数変化と湿度変化を表す図である。
符号の説明
1…水溶性フタロシアニン、2…フタロシアニン環、3…剛直で嵩高な置換基、4…ナノスペース、10…金基板、11…ポリマーブラシ、12…荷電性モノマー、13…水溶性金属フタロシアニン錯体、14…ターゲット分子、15…その他の分子、21…QCMセンサー、23…発振器、24…センサー素子、25…周波数検出カウンタ、100…基板、101…SAMsを形成した基板、102…重合開始点を導入した基板、103…ポリマーブラシを伸長した基板、200…基板、201…重合開始点を導入したSAMsを形成した基板、202…ポリマーブラシを伸長した基板

Claims (12)

  1. 下記一般式[化1]で表されることを特徴とする水溶性金属フタロシアニン錯体。
    Figure 2010132559
    上記一般式[化1]中、R1、R2、R3、R4は、ポリフェニレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリピリジンから選択される置換基を表す。
    Aは、R1、R2、R3、R4の少なくとも一部を置換するイオン性親水性基を表す。
    Mは、Co、Zn、Fe、Ni、Cu、Mn、Al、Mo、V=O、Ru、Ga、Os、Rh、Pd、Ptから選択される1種または2種以上の金属元素を表す。
    nは、1〜8から選択される整数を表す。
  2. R1、R2、R3、R4が、ポリフェニレンであることを特徴とする請求項1に記載の水溶性金属フタロシアニン錯体。
  3. Aが、−SO 基であることを特徴とする請求項1または2に記載の水溶性金属フタロシアニン錯体。
  4. Mが、Coであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の水溶性金属フタロシアニン錯体。
  5. 基板と、
    前記基板上に形成された自己組織化単分子膜と、
    前記自己組織化単分子膜上に形成されたポリマーブラシからなるポリマー膜と、
    を有するセンサー素子であって、
    前記ポリマーブラシが荷電性モノマーを修飾基として有するポリマーブラシであることを特徴とするセンサー素子。
  6. 前記ポリマーブラシに、
    下記一般式[化2]で表される水溶性金属フタロシアニン錯体が担持されることを特徴とする請求項5に記載のセンサー素子。
    Figure 2010132559
    上記一般式[化2]中、R1、R2、R3、R4は、ポリフェニレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリピリジンから選択される置換基を表す。
    Aは、R1、R2、R3、R4の少なくとも一部を置換するイオン性親水性基を表す。
    Mは、Co、Zn、Fe、Ni、Cu、Mn、Al、Mo、V=O、Ru、Ga、Os、Rh、Pd、Ptから選択される1種または2種以上の金属元素を表す。
    nは、1〜8から選択される整数を表す。
  7. 前記荷電性モノマーが、2−(ジメチルアミノ)−アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、スチレンから選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項5または6に記載のセンサー素子。
  8. 前記基板が、金からなる基板またはSi系材料の表面に金薄膜を形成した基板であることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載のセンサー素子。
  9. 前記自己組織化単分子膜が、チオール基を含有することを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載のセンサー素子。
  10. 基板と、
    前記基板上に形成された自己組織化単分子膜と、
    前記自己組織化単分子膜上に形成され、荷電性モノマーを修飾基として有するポリマーブラシからなるポリマー膜と、
    前記ポリマーブラシに担持される下記一般式[化3]で表される水溶性金属フタロシアニン錯体と、
    Figure 2010132559
    (上記一般式[化3]中、R1、R2、R3、R4は、ポリフェニレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリピリジンから選択される置換基を表す。
    Aは、R1、R2、R3、R4の少なくとも一部を置換するイオン性親水性基を表す。
    Mは、Co、Zn、Fe、Ni、Cu、Mn、Al、Mo、V=O、Ru、Ga、Os、Rh、Pd、Ptから選択される1種または2種以上の金属元素を表す。
    nは、1〜8から選択される整数を表す。)
    からなるセンサー素子と、
    前記水溶性金属フタロシアニン錯体によりターゲット物質を捕捉し、捕捉した前記ターゲット物質による前記センサー素子の物理的な変化を検出する検出手段と、
    を有することを特徴とするセンサー。
  11. 前記検出手段が、捕捉された前記ターゲット物質による質量変化を振動型質量検出センサーの周波数変化として検出する検出手段であることを特徴とする請求項10に記載のセンサー。
  12. 基板に、予め重合開始点を導入した自己組織化単分子膜を固定化する工程と、
    前記重合開始点を基点として、荷電性モノマーを修飾基として有するポリマーブラシを伸長する工程と、
    を含むことを特徴とするセンサー素子の製造方法。
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