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JP2010118621A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

半導体装置及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】結晶歪技術を使用した高性能なFETを提供する。
【解決手段】半導体装置1は、チャネル方向に沿って延在する立体構造と、この立体構造の第1の側面に作用する残留応力を有するストレス膜16Saと、この立体構造の第2の側面に形成されたゲート絶縁膜19aと、立体構造をゲート絶縁膜19aを介して被覆するとともに第1および第2の側面が対向する方向に沿って延在するゲート電極10Pと、を備える。立体構造はソース電極13Saとドレイン電極13Daとの間にチャネル領域13Qaを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電界効果トランジスタ(FET:Field-Effect Transistor)を含む半導体装置およびその製造方法に関し、特に、チャネル領域に結晶歪みを付与するMIS(Metal-Insulator-Semiconductor)構造を有するFETを含む半導体装置およびその製造方法に関する。
MIS構造を有するFETの典型的な構造の1つにプレーナー型構造が知られている。プレーナー型構造は、ソース領域、ドレイン領域およびチャネル領域が略平面的に配置された構造である。近年の素子の微細化の進行に伴い、従来のプレーナー型構造には、不純物濃度の高濃度化による移動度の低下や、サリサイドプロセスによる浅接合化に伴う接合リーク電流の増加が問題となっている。これらの問題への対策として、いくつかの素子構造が提案されており、その1つがフィン(Fin)構造である。
フィン構造を有するFET(以下「フィン型FET」と呼ぶ。)は、半導体基板をエッチングしてフィン状の立体構造に加工し、この立体構造の側面をMIS型FETにおけるチャネルとして用いる構造を有する。フィン型FETの構造は、近年ではダブル・ゲート構造やトライ・ゲート構造といった素子構造の総称である。なお、ダブル・ゲート構造は、ゲート電極が立体構造の両側の2側面にそれぞれ形成された構造を意味し、トライ・ゲート構造は、ゲート電極が立体構造の両側の2側面および上面にそれぞれ形成された構造を意味する。
フィン型FETは、非特許文献1に示されるように、チャネル領域を薄くすることで浅接合化による短チャネル効果の抑制を可能とするものである。また、フィン型FETは、チャネル領域の不純物濃度を低濃度化できる構造を有するのでキャリアの移動度を容易に制御でき、さらに、半導体基板中の空乏層幅の増加を抑制できるため、サブスレショルド特性が改善するといった特徴を有する。このような特徴により、スタンバイ消費電力が低下し、かつ、スイッチング速度を向上させることができる。
さらに、チャネル領域を構成する結晶基板に外部から歪みを導入することで、キャリアの移動度が向上し、素子の電流駆動能力を高められるといった、いわゆる結晶歪技術が報告されている。この種の結晶歪技術に関する先行技術文献としては、たとえば、特許文献1(特開2005−019970号公報)や特許文献2(特開2007−294757号公報)が挙げられる。特許文献1は、p型のフィン型FETでは、SiC結晶からなる立体構造(シードFin)が形成され、n型のフィン型FETでは、SiGe結晶からなる立体構造(シードFin)が形成されることを開示している。このシードFinの表面にSi結晶をエピタキシャル成長することでチャネル領域を形成することで、チャネル領域のシリコン結晶にそれぞれ圧縮、引張りの結晶歪を与え、性能を向上させる技術が提案されている。一方、特許文献2は、ゲート電極によりチャネル領域のシリコン結晶に歪みが与えられる技術を提案している。
D. Hisamoto, et al., IEEE Transactions on Electron Devices, Vol. 47, No. 12, pp. 2320-2325 (2000). 特開2005−019970号公報 特開2007−294757号公報
しかしながら、先行技術文献に開示されている構造は、CMOS(相補型金属酸化膜半導体素子)に結晶歪技術を適用する点で適した構造とはいえない。CMOSを製造するには、少なくともn型とp型のフィン型FETを集積化する必要がある。n型のフィン型FETはソース電極からドレイン電極間を流れる電流の担い手、いわゆるキャリアは電子である。p型フィン型FETでは、その担い手は正孔である。
結晶歪技術によりシリコン結晶に結晶歪みを導入した場合、キャリアの移動度を向上させる結晶歪みの方向は、電子と正孔とで異なる。たとえば、チャネル平面に対し、電子については引張歪みの1軸方向の応力を与え、正孔については圧縮歪みの2軸方向の応力を与えることで、移動度はそれぞれ向上する。あるいは、少なくとも、電流が流れる一軸方向に、引張歪みまたは圧縮歪みの応力を与える必要がある。よって、CMOSにおいて十分な性能の向上を達成するには、異なる結晶歪みを同一基板上に集積化する必要がある。
特許文献1に開示されている技術では、CMOSを製造するために、SiC結晶とSiGe結晶とが同一基板上に形成される。しかしながら、SiC結晶とSiGe結晶とでは結晶格子のミスマッチが大きいので、たとえエピタキシャル技術を用いたとしても、同一基板上にSiC結晶とSiGe結晶とを結晶成長させて高性能のCMOSを作製することは困難であった。
一方、特許文献2に開示されている技術では、CMOSを製造するために、n型のMIS型FETとp型のMIS型FETとでそれぞれ歪みの異なる2種類のゲート電極を形成する必要がある。また、これらゲート電極をそれぞれ形成するための2回の製造工程が必要である。ところが、1回目の製造工程で一方のゲート電極を形成すると、2回目の製造工程で他方のゲート電極を形成すべき領域の半導体基板は、1回目の製造工程の際にエッチングダメージを受けている可能性が高い。それ故、ゲート絶縁膜の信頼性の低下といった不具合が生じるおそれがある。また、製造工程が複雑となる点も問題といえる。
本発明によれば、基板と、前記基板の主面上に形成されており、前記基板の面内方向と並行なチャネル方向と交差する方向に互いに対向する第1および第2の側面を有し前記チャネル方向に沿って延在する立体構造と、前記第1の側面に形成され、当該第1の側面に作用する残留応力を有するストレス膜と、前記第2の側面に形成されたゲート絶縁膜と、前記立体構造のうち少なくとも前記第2の側面を前記ゲート絶縁膜を介して被覆するとともに前記第1および第2の側面が対向する方向に沿って延在するゲート電極と、を備えた半導体装置が提供される。前記立体構造は、前記ゲート電極の前記チャネル方向における両側でそれぞれソース電極およびドレイン電極を有するとともに前記ソース電極と前記ドレイン電極との間にチャネル領域を有するものである。
また、半導体層を上部に有する基板の当該半導体層をエッチングして第1の側面を有する段差構造を形成する工程と、前記段差構造の上面と前記第1の側面とにパターニングされたストレス膜を形成する工程と、前記段差構造に対して前記ストレス膜をエッチングマスクとしたエッチングを実行して前記第1の側面と対向する第2の側面を形成することにより、前記第1および第2の側面を有するとともに前記基板の面内方向と並行なチャネル方向に沿って延在する立体構造を形成する工程と、前記第2の側面にゲート絶縁膜を形成する工程と、前記立体構造のうち少なくとも前記第2の側面を前記ゲート絶縁膜を介して被覆するとともに前記第1および第2の側面が対向する方向に沿って延在するゲート電極を形成する工程と、を備えた半導体装置の製造方法(第1の製造方法)が提供される。この製造方法においては、前記ストレス膜は、前記第1の側面に作用する残留応力を有しており、前記立体構造は、前記ゲート電極の前記チャネル方向における両側でそれぞれソース電極およびドレイン電極を有するとともに前記ソース電極と前記ドレイン電極との間にチャネル領域を有するものである。
さらに、半導体層を上部に有する基板の当該半導体層上にパターニングされたマスク層を形成する工程と、前記半導体層に対して前記マスク層をエッチングマスクとしたエッチングを実行して第1の側面を有する段差構造を形成する工程と、前記第1の側面にストレス膜を形成する工程と、前記第1の側面を被覆するようにパターニングされたレジスト膜を形成する工程と、前記段差構造と前記マスク層とからなる積層体に対して前記レジスト膜をエッチングマスクとしたエッチングを実行して前記第1の側面と対向する第2の側面を形成することにより、前記第1および第2の側面を有するとともに前記基板の面内方向と並行なチャネル方向に沿って延在する立体構造を形成する工程と、前記第2の側面にゲート絶縁膜を形成する工程と、前記立体構造のうち少なくとも前記第2の側面を前記ゲート絶縁膜を介して被覆するとともに前記第1および第2の側面が対向する方向に沿って延在するゲート電極を形成する工程と、を備えた半導体装置の製造方法(第2の製造方法)が提供される。この製造方法においては、前記ストレス膜は、前記第1の側面に作用する残留応力を有しており、前記立体構造は、前記ゲート電極の前記チャネル方向における両側でそれぞれソース電極およびドレイン電極を有するとともに前記ソース電極と前記ドレイン電極との間にチャネル領域を有するものである。
上述の通り、本発明による半導体装置は、チャネル領域を含む立体構造の第1の側面に作用する残留応力を有するストレス膜と、この立体構造において第1の側面と対向する第2の側面にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極とを有する。これにより、チャネル領域に結晶歪みが導入されるので、チャネル領域を流れるキャリアの移動度の向上が可能となる。また、n型FETとp型FETに関わりなく、MIS構造のチャネル領域に結晶歪みを容易に導入することが可能である。したがって、高い電流駆動能力を有するMIS構造を作製できるとともに、高い電流駆動能力を有するCMOS構造の作製が可能となる。
本発明による半導体装置の第1の製造方法は、段差構造の上面と第1の側面とにパターニングされたストレス膜を形成した後、この段差構造に対してストレス膜をエッチングマスクとしたエッチングを実行して第1の側面と対向する第2の側面を形成し、これにより、前記第1および第2の側面を有するとともにチャネル方向に沿って延在する立体構造を形成する。この立体構造の第2の側面にゲート絶縁膜とゲート電極とが形成される。それ故、立体構造の一部としてのチャネル領域を自己整合的(セルフアライン)に形成できるので、チャネル領域を高精度に位置決めすることができる。したがって、微細構造を有するように上記半導体装置を製造することが可能である。
本発明による半導体装置の第2の製造方法は、段差構造の側面にストレス膜を形成した後、パターニングされたレジスト膜(レジストパターン)を用いたエッチングにより段差構造を加工して立体構造を形成する。この立体構造の他の側面にゲート絶縁膜とゲート電極とが形成される。したがって、少ない工程数で上記半導体装置を製造することが可能である。
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
(第1の実施形態)
図1(A)は、本発明に係る第1の実施形態の半導体装置1の断面構造の一部を概略的に示す図であり、図1(B)は、この半導体装置1の主要構造の上面図を概略的に示す図である。図1(A)は、図1(B)の半導体装置1のN1−N2線に沿った断面を表している。ただし、説明の便宜上、図1(B)には、絶縁膜22は示されていない。
図1(A)の断面図に示されるように、半導体装置1は、支持基板11と、この支持基板11の主面上に酸化膜12Qを介して形成されたチャネル領域13Qa,13Qbを有する。これらチャネル領域13Qa,13Qbの各々はフィン状の立体構造を構成しており、各立体構造は、チャネル方向(図面に垂直な方向)に沿って延在している。一方のチャネル領域13Qaを構成する立体構造は、支持基板11の面内方向に並行なチャネル方向(図面に垂直な方向)と交差する方向に互いに対向する2つの側面を有しており、一方の側面にはストレス膜16Saが形成され、他方の側面にはゲート酸化膜19aが形成されている。他方のチャネル領域13Qbを構成する立体構造も、支持基板11の面内方向に並行なチャネル方向(図面に垂直な方向)と交差する方向に互いに対向する2つの側面を有しており、一方の側面にはストレス膜16Sbが形成され、他方の側面にはゲート酸化膜19bが形成されている。また、チャネル領域13Qa,13Qbの上面にも、それぞれ、ストレス膜16Ua,16Ubが形成されている。
ストレス膜16Sa,16Sbは、それぞれ、立体構造の側面に作用する残留応力を有している。ストレス膜16Sa,16Sbと同様に、ストレス膜16Ua,16Ubも、それぞれ立体構造の上面に作用する残留応力を有する。ストレス膜16Sa,16Sb,16Ua,16Ubの残留応力は、立体構造の表面に対して当該表面の面内方向への引張歪み、あるいは圧縮歪みを付与してチャネル領域13Qa,13Qbに結晶歪みを生じさせる。この結晶歪みにより、チャネル領域13Qa,13Qbにおけるキャリアの移動度を向上させることができる。n型FETの半導体装置1を構成する場合、ストレス膜16Sa,16Sb,16Ua,16Ubは、立体構造の表面に引張歪みを生じさせるように成膜され、p型FETの半導体装置1を構成する場合は、ストレス膜16Sa,16Sb,16Ua,16Ubは、立体構造の表面に圧縮歪みを生じさせるように成膜される。
ゲート電極10Pは、図1(A),(B)に示されるように立体構造の両側面が互いに対向する方向に沿って延在するように連続的に形成されている。図1(A)に示されるように、ゲート電極10Pは、ゲート酸化膜19aを介してチャネル領域13Qaを被覆するとともにゲート酸化膜19bを介してチャネル領域13Qbを被覆している。
図1(A)に示されるようにゲート電極10Pの下方にチャネル領域13Qa,13Qbが形成されており、このゲート電極10Pのチャネル方向における両側の一方には、図1(B)に示されるようにソース電極13Sa,13Sbが形成され、当該両側の他方にはドレイン電極13Da,13Dbが形成されている。チャネル領域13Qa、ソース電極13Saおよびドレイン電極13Daは一方の立体構造を構成しており、チャネル領域13Qb、ソース電極13Sbおよびドレイン電極13Dbは他方の立体構造を構成する。
図1(B)に示されるように、ストレス膜16Uaは、ソース電極13Saとドレイン電極13Daとを構成する一方の立体構造の上面に延在し、ストレス膜16Ubは、ソース電極13Sbとドレイン電極13Dbとを構成する他方の立体構造の上面に延在している。また、ストレス膜16Saは、ソース電極13Saとドレイン電極13Daとを構成する一方の立体構造の側面に延在し、ストレス膜16Sbは、ソース電極13Sbとドレイン電極13Dbとを構成する他方の立体構造の側面に延在している。よって、ストレス膜16Ua,16Saは、キャリアが移動し得る領域全体に亘って一方の立体構造に結晶歪みを起こすように成膜され、ストレス膜16Ub,16Sbは、キャリアが移動し得る領域全体に亘って他方の立体構造に結晶歪みを起こすように成膜されている。
ストレス膜16Sa,16Ua,16Sb,16Ubとしては、たとえば、シリコン窒化膜やシリコン酸化膜が挙げられる。成膜条件を変えることでストレス膜16Sa,16Ua,16Sb,16Ubの残留応力を制御することが可能である。シリコン結晶の立体構造に引張歪みを与えるストレス膜としては、たとえば、減圧化学気相成長法(LPCVD法)を用いて、700℃乃至800℃の範囲内の温度で、シランガスとアンモニアガスの雰囲気下で成膜されたシリコン窒化膜を使用できる。一方、当該立体構造に圧縮歪みを与えるストレス膜としては、熱酸化法によるシリコン酸化膜、または、LPCVD法を用いて850℃乃至900℃の範囲内の温度でジシランガスと一酸化二窒素ガスの雰囲気で成膜されたシリコン酸化膜を使用することができる。あるいは、プラズマ化学気相成長法(PECVD法)や原子層堆積法(ALD法)を用いて、たとえば600℃以下の温度条件で成膜された、水素の含有濃度が15atom%以上、好適には20atom%〜25atom%のシリコン窒化膜を使用してもよい。
そして、上記した素子構造を被覆する絶縁膜22が形成されている。この絶縁膜22を貫通するスルーホールに、ゲート電極10Pに達するコンタクトプラグ25が埋め込まれている。また、図1(B)に示されるように、ソース電極13Saに接続されたコンタクトプラグ23Sが、ドレイン電極13Daに接続されたコンタクトプラグ23Dが、ソース電極13Sbに接続されたコンタクトプラグ24Sが、ドレイン電極13Dbに接続されたコンタクトプラグ24Dが、それぞれ、絶縁膜22に埋め込まれている。
上記構造を有する半導体装置1の好適な製造方法を以下に説明する。図2(A)〜図14(B)は、図1(A)のストレス膜16Sa,16Ua,16Sb,16Ubとして、LPCVD法で成膜されたシリコン窒化膜を有する半導体装置1の製造工程を概略的に示す図である。ストレス膜16Sa,16Ua,16Sb,16Ubは、チャネル領域13Qa,13Qbに引張歪みを与える残留応力を有する。この製造工程では、n型FETの製造が想定されている。図2(A)は、図2(B)の上面図に示される構造のA1−A2線に沿った断面図を、図3(A)は、図3(B)の上面図に示される構造のB1−B2線に沿った断面図を、図4(A)は、図4(B)の上面図に示される構造のC1−C2線に沿った断面図を、図5(A)は、図5(B)の上面図に示される構造のD1−D2線に沿った断面図を、図6(A)は、図6(B)の上面図に示される構造のE1−E2線に沿った断面図を、図7(A)は、図7(B)の上面図に示される構造のF1−F2線に沿った断面図を、図8(A)は、図8(B)の上面図に示される構造のG1−G2線に沿った断面図を、図9(A)は、図9(B)の上面図に示される構造のH1−H2線に沿った断面図を、図10(A)は、図10(B)の上面図に示される構造のI1−I2線に沿った断面図を、図11(A)は、図11(B)の上面図に示される構造のJ1−J2線に沿った断面図を、図12(A)は、図12(B)の上面図に示される構造のK1−K2線に沿った断面図を、図13(A)は、図13(B)の上面図に示される構造のL1−L2線に沿った断面図を、図14(A)は、図14(B)の上面図に示される構造のM1−M2線に沿った断面図を、それぞれ表す図である。
先ず、図2(A)の断面図に示されるように、半導体材料からなる支持基板11、埋め込み酸化膜(BOX膜:Buried-OXide film)12およびSOI(Silicon On Insulator)層13が積層された構造を有するSOI基板を用意する。
次に、図3(A)の断面図に示されるように、SOI層13上にLPCVD法を用いてシリコン酸化膜からなるマスク層14を堆積する。BOX膜12の厚みは、たとえば500nm、SOI層13の厚みは、たとえば200nm、マスク層14の厚みは、たとえば、100nmとすればよい。
次に、SOI層13上にレジスト膜を塗布し、リソグラフィ技術を用いて、このレジスト膜のうち立体構造(フィン)と立体構造との間の対応する領域を加工する。この結果、図4(A)に示されるように、開口部15aを有しパターンニングされたレジスト膜15が形成される。続いて、マスク層14およびSOI層13に対し、レジスト膜15をエッチングマスクとしたドライエッチングを実行してマスク層14およびSOI層13を加工して溝を形成する。その後、レジスト膜15を除去する。この結果、図5(A)に示されるような2つの段差構造を有するシリコン層13Pa,13Pbとマスク層14Pとが形成される。溝の幅は、たとえば約150nmに調整される。
続いて、希弗酸(DHF)を用いて図5のマスク層14Pを選択的にたとえば20nm程度エッチングし、溝の側壁近傍のシリコン層13Pa,13Pbの一部表面を露出させる(図6(A),(B))。露出した一部表面の幅(横方向の幅)は、DHFでマスク層14Pをエッチングした量とほぼ同じ20nmとなる。同時に、BOX膜12もエッチングされて図6(A)の凹部を有するシリコン層12Pが形成されるが、BOX膜12は十分厚いため、エッチングの結果、支持基板11は露出しない。
続いて、LPCVD技術を用いて、図6の素子上にストレス膜16をコンフォーマルに堆積する(図7(A),(B))。ここで、ストレス膜16の厚みは、前述のDHFを用いたマスク層14Pのエッチング量の20nmより厚い、たとえば、50nm程度に調整すればよい。ストレス膜16としては、チャネル領域に引張応力を付与するように、高温で成膜されたシリコン窒化膜を使用すればよい。ストレス膜16の厚みを、図5のマスク層14Pに対するエッチング量である20nmよりも厚くする理由は、後の製造工程(図11(A))でストレス膜をエッチングマスクとしたエッチングが実行される際に、ストレス膜が後退して立体構造(フィン)の上面が露出することを確実に避けるためである。
その後、ドライエッチング技術を用いてストレス膜16を垂直方向にエッチングして、シリコン層13Paとマスク層14Qの側面にストレス膜16Saを残留させるとともに、シリコン層13Pa,13Pbの露出した上面にそれぞれストレス膜16Ta,16Tbを残留させる(図8(A),(B))。
続いて、図8(A)の構造上に素子分離形成のためのレジスト膜を塗布し、リソグラフィ技術を用いて素子領域のレジスト膜をパターンニングする。この結果、図9(A),(B)に示されるようにパターニングされたレジスト膜17が形成される。その後、素子領域外におけるシリコン層13Pa,13Pb上のストレス膜16をエッチングしてシリコン層13Pa,13Pbの一部上面を露出させた後、レジスト膜17を剥離する。このエッチング工程では、素子領域外の領域において、シリコン層13Pa,13Pbの側面にあるストレス膜16Sa,16Sbの一部がエッチングされているが、素子領域内は、そのエッチング工程の影響を受けない。その後、DHF溶液を用いて、シリコン酸化膜からなるマスク層14Qを選択的にエッチングすることで図10(A),(B)の構造が得られる。なお、エッチング工程の際、酸化膜12Pの一部がエッチングされて図10(A)の凹部を有する酸化膜12Qが得られるが、酸化膜12Pが厚いため支持基板11は露出しない。
続いて、シリコン層13Pa,13Pbに対して、ストレス膜16Ua,16Ubをエッチングマスクとしたドライエッチングを実行して、図11(A)のチャネル領域(フィンチャネル)13Qa,13Qbを有する立体構造(フィン)を形成する。このフィンの幅はおよそ20nmである。チャネル領域13Qaには、側面のストレス膜16Saと上面のストレス膜16Uaとにより2軸の引張応力が発生することとなる。同様に、チャネル領域13Qbには、側面のストレス膜16Sbと上面のストレス膜16Ubとにより2軸の引張応力が発生する。これら引張応力により、キャリア(電子)の移動度の向上が可能となる。
その後、必要に応じて、イオン注入技術によりチャネル領域13Qa,13Qbにボロンなどの3族元素を導入し、熱処理により活性化させる。
続いて、図12(A)に示すように、チャネル領域13Qa,13Qbの表面にそれぞれゲート酸化膜19a,19bを形成し、その後、素子全面上に電極層10を成膜する。ゲート酸化膜19a,19bとしては、たとえば、熱酸化法とプラズマ窒化法とで成膜されたシリコン酸窒化膜を用いればよい。電極層10には、たとえば、LPCVD法により成膜された多結晶シリコン膜を用いる。
続いて、図12(A)の構造上にレジスト膜を堆積し、リソグラフィ技術を用いてレジスト膜を加工することによりパターニングされたレジスト膜21(図13(A),(B))を形成する。その後、電極層10に対してレジスト膜21をマスクとしたドライエッチングを実行して図14(A),(B)のゲート電極10Pを形成する。その後、レジスト膜21は剥離される。なお、チャネル領域13Qa,13Qbは、窒化膜からなるストレス膜16Ua,16Ub,16Sa,16Sbによって保護されているためエッチングされない。
その後、図14(A)に示されるように、ゲート電極10Pをマスクとし、イオン注入技術を用いてゲート電極10Pのチャネル方向における両側の領域に砒素やリンなどの5族の元素を注入し、不純物を活性化するため熱処理を施してソース電極13Sa,13Sbおよびドレイン電極13Da,13Dbを形成する(図1(B))。
以後は、必要に応じて、外部回路と電気的に接続するための配線が形成される。具体的には、図14(A)の構造上に絶縁膜を堆積し、CMP技術を用いてこの絶縁膜を平坦化する。その後、リソグラフィ技術を用いて、絶縁膜上にレジスト膜を塗布し、このレジスタ膜にコンタクトホールパターンを転写する。さらに、ドライエッチング技術を用いて、この絶縁膜をエッチング加工するとともに、ソース電極13Sa,13Sbおよびドレイン電極13Da,13Db(図1)上のストレス膜16Ua,16Ub(図14(B))の一部領域をエッチング加工することで、コンタクトホールを形成する。次いで、レジスト膜を剥離した後、形成されたコンタクトホールに、タングステンなどの金属を埋め込んでコンタクトプラグ23S,23D,24S,24D,25(図1(A),(B))を形成する。
上記第1の実施形態の半導体装置1およびその製造方法が奏する効果は以下の通りである。
上述の通り、半導体装置1では、チャネル領域13Qa,13Qbを含む立体構造の側面および上面にストレス膜16Sa,16Sb,16Ua,16Ubが形成されている。これにより、チャネル領域13Qa,13Qbに結晶歪みが導入されるので、チャネル領域13Qa,13Qbを流れるキャリアの移動度の向上が可能となる。したがって、高い電流駆動能力を有するFETを作製できる。
上記半導体装置1の製造方法によれば、段差構造をなすシリコン層13Pa,13Pbが形成され(図6(A),(B))、この段差構造の上面と側面とにパターニングされたストレス膜16Ua,16Ub,16Sa,16Sbが形成される(図10(A),(B))。そして、この段差構造に対してストレス膜16Ua,16Ub,16Sa,16Sbをエッチングマスクとしたエッチングを実行することにより、チャネル領域13Qa,13Qbを含む立体構造が形成される(図11)。これにより、立体構造の一部としてのチャネル領域13Qa,13Qbを自己整合的(セルフアライン)に形成できるので、チャネル領域13Qa,13Qbを高精度に位置決めすることができる。よって、リソグラフィ技術のマスク合わせの限界を超えた微細なフィンを形成することが可能である。したがって、結晶歪技術によりドレイン電流の向上を可能とし、微細構造を有する半導体装置1を製造することができる。
また、本実施形態の製造方法では、チャネル領域13Qa,13Qbを含むフィンを2個、同一の製造プロセスで形成する。すなわち、図11に示されるように、溝を挟んで一対のチャネル領域13Qa,13Qbが形成されている。このような形成を「対形成」あるいは「孤立形成」と呼ぶこととする。これらフィンは自己整合的に形成されるので、フィンの間隔は、リソグラフィ技術で解像可能な最小ライン間隔と最小スペース間隔よりも狭くすることが可能である。
(第2の実施形態)
次に、本発明に係る第2の実施形態について説明する。図15(A)は、第2の実施形態の半導体装置2の断面構造の一部を概略的に示す図であり、図15(B)は、この半導体装置2の主要構造の上面図を概略的に示す図である。図15(A)は、図15(B)の半導体装置2のP1−P2線に沿った断面を表している。
図15(A)に示されるように、この半導体装置2は、ストレス膜16Sa,16Ua,16Sb,16Ubがシリコン酸化膜である点を除いて、第1の実施形態の半導体装置1(図1)の構造とほぼ同じ構造を有している。シリコン酸化膜からなるストレス膜16Sa,16Ua,16Sb,16Ubの影響により、チャネル領域(フィンチャネル)13Qa,13Qbに圧縮応力が与えられるので、半導体装置2のFET構造は、p型FETの性能向上に好適なものである。
この半導体装置2の好適な製造方法を以下に説明する。図16(A)〜(D)および図17(A)〜(D)は、p型FETを有する半導体装置2の製造工程の一部を概略的に示す断面図である。
先ず、図16(A)に示されるように、支持基板11、BOX膜12およびSOI層13が積層された構造を有するSOI基板を用意する。
次に、図16(B)に示されるように、SOI層13上に、シリコン酸化膜からなる薄いマスク表面酸化膜30と、シリコン窒化膜からなるマスク層14とを順次成膜する。酸化膜30は、熱酸化法を用いて、たとえば2nm程度の厚みを持つように形成され、マスク層14は、LPCVD法を用いて、たとえば100nm程度の厚みを持つように形成されればよい。
続いて、第1の実施形態の製造工程(図4(A),(B)と図5(A),(B))と同様の製造工程により、リソグラフィ技術を用いて、マスク層14上にパターニングされたレジスト膜を形成する。次いで、マスク層14、酸化膜30およびSOI層13に対し、このレジスト膜をエッチングマスクとしたドライエッチングを実行して、段差構造をなす溝を形成する。その後、レジスト膜を剥離する。この結果露出したSOI層13の側壁を選択的に熱酸化する。この結果、図16(C)に示されるように、シリコン層13Pa,13Pb、酸化膜30Ta,30Tb,30Sa,30Sbおよびマスク層14Pが形成される。シリコン層13Pa,13Pbの側面にそれぞれ形成されている酸化膜30Sa,30Sbは、厚み2nm程度のシリコン酸化膜である。
続いて、燐酸を用いてマスク層14Pを20nm程度エッチングし、溝の側壁近傍の酸化膜30Ta,30Tbの一部上面を露出させる。このとき、マスク層14Pのエッチングは溝の側壁から進行し、溝近傍のマスク層14Pは後退する。ただし、燐酸を用いた場合、シリコン結晶に対するエッチングレートに比べて、シリコン酸化膜に対するエッチングレートが非常に低いので、シリコン酸化膜が保護膜となり、シリコン層13Pa,13Pbの燐酸によるエッチングは免れる。この結果、図17(A)に示されるようにマスク層14Qa,14Qbで被覆された酸化膜30Ua,30Ubが残留する。
続いて、LPCVD法を用いて、シリコン酸化膜からなるストレス膜16をコンフォーマルに堆積する(図17(A))。ストレス膜16の厚みは、前述の燐酸を用いたマスク層14のエッチング量より厚い、たとえば50nmとする。
次に、垂直性の高いドライエッチング技術を用いてストレス膜16をエッチングする。この結果、図17(B)に示されるように、シリコン層13Pa,13Pbの側面にそれぞれストレス膜16Sa,16Sbが形成されるとともに、シリコン層13Pa,13Pbの上面にそれぞれストレス膜16Ta,16Tbが形成される。その後、燐酸を用いてマスク層14Qa,14Qb(シリコン窒化膜)をエッチングして除去する。このとき、シリコン層13Pa,13Pbは、酸化膜30Ua,30Ubで被覆され、保護されているので、燐酸によりエッチングされない。
その後、第1の実施形態の製造工程(図9(A),(B)、図10(A),(B)および図11(A),(B))と同様の製造工程により、リソグラフィ技術を用いて、素子領域にパターニングされたレジスト膜を形成し、シリコン層13Pa,13Pb上のストレス膜16Ta,16Tbに対し、レジスト膜をエッチングマスクとしたドライエッチングを実行する。この結果、素子領域のみにストレス膜16Ua,16Ubが残留する(図17(C))。続いて、レジスト膜を剥離する。
その後、垂直性の高いドライエッチング技術を用いて、シリコン層13Pa,13Pb上に残るマスク表面酸化膜30(シリコン酸化膜)の2nm程度エッチングする。続いて、シリコン層13Pa,13Pb上のストレス膜16Ua,16Ub(シリコン酸化膜)をマスクとして選択的に垂直にドライエッチングする。この結果、図17(D)に示されるようにチャネル領域(フィンチャネル)13Qa,13Qbを有する立体構造(フィン)が形成される。フィンの幅はおよそ20nmである。チャネル領域13Qaには、側面のストレス膜16Saと上面のストレス膜16Uaとにより2軸の圧縮応力が発生することとなる。同様に、チャネル領域13Qbには、側面のストレス膜16Sbと上面のストレス膜16Ubとにより2軸の圧縮応力が発生する。これら圧縮応力により、キャリア(正孔)の移動度の向上が可能となる。
以後の工程は、第1の実施形態の製造工程と同様の工程である。すなわち、必要に応じて、チャネル領域13Qa,13Qbに対し砒素やリンなどの5族の不純物をイオン注入した後、不純物の活性化のために熱処理を施す。続いて、図15のゲート酸化膜19a,19bおよびゲート電極10P(図15(A))を形成する。その後、ゲート電極10Pをマスクとし、イオン注入技術を用いてゲート電極10Pのチャネル方向における両側の領域にBやBFなどの3族の元素を注入し、不純物を活性化するため熱処理を施してソース電極13Sa,13Sbおよびドレイン電極13Da,13Dbを形成する(図15(B))。そして、コンタクトプラグ23S,23D,24S,24D,25(図15(A),(B))が埋設された絶縁膜22を形成する。
上記第2の実施形態の半導体装置2よびその製造方法が奏する効果は以下の通りである。
上述の通り、本実施形態の半導体装置2は、上記第1の実施形態とほぼ同じ構造を有しているので、チャネル領域13Qa,13Qbを流れるキャリアの移動度の向上が可能となる。p型FETのチャネル領域13Qa,13Qbに結晶歪みを容易に導入することができるので、半導体装置2の構造を利用すれば、高い電流駆動能力を有するp型FETの作製が容易に可能となる。その他の効果として、第1の実施形態の半導体装置1およびその製造方法の効果とほぼ同様の効果が得られる。
(第3および第4の実施形態)
次に、本発明に係る第3および第4の実施形態について説明する。図18(A)は、第3の実施形態の半導体装置3の断面構造の一部を概略的に示す図であり、図18(B)は、この半導体装置3の主要構造の上面図を概略的に示す図である。図18(A)は、図18(B)の半導体装置1のQ1−Q2線に沿った断面を表している。ただし、説明の便宜上、図18(B)には、絶縁膜22Rは示されていない。
上記第1および第2の実施形態の半導体装置1,2は、同一の製造プロセスで形成された一対のフィンを有する。これらフィンは1つのゲート電極10Pを共有するものである。これに対し、第3の実施形態の半導体装置3は、孤立したフィンを有し、ゲート電極10Rを共有していない。後述する第4の実施形態の半導体装置4(図20(A))も同様に、孤立したフィンを有している。
第3の実施形態の半導体装置3の構造は、上記第1の実施形態の半導体装置1の一対の構造のうち左側のフィンの構造とほぼ同じである。すなわち、半導体装置3は、支持基板11と、この支持基板11の主面上に酸化膜12Rを介して形成されたチャネル領域13Rを有する。このチャネル領域13Rはフィン状の立体構造(フィン)を構成しており、この立体構造は、チャネル方向(図面に垂直な方向)に沿って延在している。またこの立体構造は、チャネル方向(図面に垂直な方向)と交差する方向に互いに対向する2つの側面を有しており、一方の側面にはストレス膜16Srが形成され、他方の側面にはゲート酸化膜19rが形成されている。また、チャネル領域13Rの上面にも、ストレス膜16Urが形成されている。
ストレス膜16Sr,16Urは、それぞれ、立体構造の側面に作用する残留応力を有している。ストレス膜16Sr,16Urの残留応力は、立体構造の表面に対して当該表面の面内方向への引張歪み、あるいは圧縮歪みを付与してチャネル領域に結晶歪みを生じさせる。n型FETの半導体装置3を構成する場合、ストレス膜16Srは、立体構造の表面に引張歪みを生じさせるように成膜され、p型FETの半導体装置3を構成する場合は、ストレス膜16Srは、立体構造の表面に圧縮歪みを生じさせるように成膜される。
この半導体装置3の製造方法を以下に簡単に説明する。
先ず、第1の実施形態の製造工程(図2(A),(B))と同様にSOI基板を用意する。次に、このSOI層13上にLPCVD法を用いてシリコン酸化膜からなるマスク層14を堆積する。次に、SOI層13上にレジスト膜を塗布し、リソグラフィ技術を用いてこのレジスト膜を加工する。この結果、段差を有するレジスト膜(図示せず)が形成される。続いて、マスク層14およびSOI層13に対し、このレジスト膜をエッチングマスクとしたドライエッチングを実行してマスク層14およびSOI層13を加工して段差構造を形成する。その後、レジスト膜は除去される。
この結果、図19に示されるように、段差を有するシリコン層(チャネル領域)13Rとマスク層14Rとが形成される。これ以後の製造工程は、第1の実施形態の製造工程(図6(A),(B)〜図14(A),(B))とほぼ同じ工程を使用するので、その詳細な説明を省略する。最終的に、コンタクトプラグ24S,24D,25が埋め込まれた絶縁膜22Rを形成することで、図18(A),(B)に示す半導体装置3が製造される。
次に、図20(A)は、第4の実施形態の半導体装置4の断面構造の一部を概略的に示す図であり、図20(B)は、この半導体装置4の主要構造の上面図を概略的に示す図である。図20(A)は、図20(B)の半導体装置4のR1−R2線に沿った断面を表している。ただし、説明の便宜上、図20(B)には、絶縁膜22Rは示されていない。
第4の実施形態の半導体装置4の構造は、酸化膜12の上面が平坦である点を除いて、第3の実施形態の半導体装置3(図18)の構造とほぼ同じ構造を有しているので、その構造の詳細な説明は省略する。また、この半導体装置4の構造は、上記第2の実施形態の半導体装置2の一対の構造のうち左側のフィンの構造とほぼ同じである。
この半導体装置4の製造方法を以下に簡単に説明する。
先ず、第2の実施形態の製造工程(図16(A))と同様にSOI基板を用意する。次に、図16(B)の製造工程と同様に、このSOI層13上に、シリコン酸化膜からなる薄いマスク表面酸化膜30と、シリコン窒化膜からなるマスク層14とを順次成膜する。次に、SOI層13上にレジスト膜を塗布し、リソグラフィ技術を用いてこのレジスト膜を加工する。この結果、段差を有するレジスト膜(図示せず)が形成される。続いて、マスク層14、酸化膜30およびSOI層13に対し、レジスト膜をエッチングマスクとしたドライエッチングを実行してマスク層14、酸化膜30およびSOI層13を加工して段差構造を形成する。その後、レジスト膜は除去される。その結果露出したSOI層13の側壁を選択的に熱酸化する。
この結果、図21に示されるように、段差を有するシリコン層(チャネル領域)13Rとマスク層14Rとが形成される。このシリコン層13Rの上面には酸化膜30Tが形成されており、シリコン層13Rの側面には酸化膜30Sが形成されている。この以後の製造工程は、第2の実施形態の製造工程(図16(D)〜図17(D))とほぼ同じ工程を使用するので、その詳細な説明を省略する。最終的に、コンタクトプラグ24S,24D,25が埋め込まれた絶縁膜22Rを形成することで、図20(A),(B)に示す半導体装置4が製造される。
第3の実施形態の半導体装置3の効果は、上記第1の実施形態の半導体装置1の効果とほぼ同じである。また、第4の実施形態の半導体装置4の効果も、上記第2の実施形態の半導体装置2の効果とほぼ同じである。
(第5の実施形態)
次に、本発明に係る第5の実施形態について説明する。図22(A)は、第5の実施形態の半導体装置5の断面構造の一部を概略的に示す図であり、図22(B)は、この半導体装置5の主要構造の上面図を概略的に示す図である。図22(A)は、図22(B)の半導体装置5のX1−X2線に沿った断面を表している。ただし、説明の便宜上、図22(B)には、図22(A)の絶縁膜22R,22Kは示されていない。
本実施形態の半導体装置5は、CMOS半導体装置であり、n型FETとp型FETとを同一の支持基板11上に集積したものである。
n型FETは、支持基板11の主面上に酸化膜12を介して形成されたチャネル領域13Kを有する。このチャネル領域13Kはフィン状の立体構造(フィン)を構成しており、この立体構造は、チャネル方向(図面に垂直な方向)に沿って延在している。また、この立体構造は、チャネル方向(図面に垂直な方向)と交差する方向に互いに対向する2つの側面を有しており、一方の側面にはストレス膜16Skが形成され、他方の側面にはゲート酸化膜19kが形成されている。また、チャネル領域13Kの上面にも、ストレス膜16Tkが形成されている。
ストレス膜16Sk,16Tkは、それぞれ、立体構造の側面に作用する残留応力を有している。これら残留応力は、立体構造の表面に対して当該表面の面内方向への引張歪みを付与してチャネル領域13Kに結晶歪みを生じさせる。これにより、キャリアである電子の移動度の向上が可能となる。
一方、p型FETは、支持基板11の主面上に酸化膜12を介して形成されたチャネル領域13Rを有する。このチャネル領域13Rはフィン状の立体構造(フィン)を構成しており、この立体構造は、チャネル方向(図面に垂直な方向)に沿って延在している。また、この立体構造は、チャネル方向(図面に垂直な方向)と交差する方向に互いに対向する2つの側面を有しており、一方の側面にはストレス膜16Srが形成され、他方の側面にはゲート酸化膜19rが形成されている。また、チャネル領域13Rの上面にも、ストレス膜16Trが形成されている。
ストレス膜16Sr,16Trは、それぞれ、立体構造の側面に作用する残留応力を有している。これら残留応力は、立体構造の表面に対して当該表面の面内方向への圧縮歪みを付与してチャネル領域13Rに結晶歪みを生じさせる。これにより、キャリアである正孔の移動度の向上が可能となる。
上記n型FETとp型FETは、それぞれ、上記第3の実施形態または第4の実施形態の製造方法を使用して個別に作製することができる。
上記の通り、本実施形態の半導体装置5では、同一の支持基板11上にn型FETとp型FETとが集積されている。よって、半導体装置5は、高い電流駆動能力を有するCMOS構造を提供するものである。
(第6の実施形態)
次に、本発明に係る第6の実施形態について説明する。図23(A)は、第6の実施形態の半導体装置6の断面構造の一部を概略的に示す図であり、図23(B)は、この半導体装置6の主要構造の上面図を概略的に示す図である。図23(A)は、図23(B)の半導体装置6のW1−W2線に沿った断面を表している。
本実施形態の半導体装置6では、リソグラフィ技術を用いてチャネル領域(フィンチャネル)が形成される。リソグラフィ技術を用いるので、上記第1〜第5の実施形態で述べたフィンのセルフアライン形成法を用いた場合よりも、製造工程数が少ないという利点がある。
図23(A)の断面図に示されるように、半導体装置6は、支持基板11と、この支持基板11の主面上に酸化膜12を介して形成されたチャネル領域13Rを有する。このチャネル領域13Rはフィン状の立体構造(フィン)を構成しており、この立体構造は、チャネル方向(図面に垂直な方向)に沿って延在している。またこの立体構造は、支持基板11の面内方向に並行なチャネル方向(図面に垂直な方向)と交差する方向に互いに対向する2つの側面を有しており、一方の側面にはストレス膜16Rが形成され、他方の側面にはゲート酸化膜19sが形成されている。チャネル領域13Rの上面には、マスク層14Sが形成されている。
ストレス膜16Rは、立体構造の側面に作用する残留応力を有している。このストレス膜16Rの残留応力は、当該側面に対して当該側面の面内方向への引張歪み、あるいは圧縮歪みを付与してチャネル領域に結晶歪みを生じさせる。この結晶歪みにより、チャネル領域におけるキャリアの移動度を向上させることができる。n型FETの半導体装置6を構成する場合、ストレス膜16Rは、立体構造の側面に引張歪みを生じさせるように成膜され、p型FETの半導体装置6を構成する場合は、ストレス膜16Rは、立体構造の側面に圧縮歪みを生じさせるように成膜される。
ゲート電極10Sは、図23(A),(B)に示されるように立体構造の両側面が互いに対向する方向に沿って延在するように連続的に形成されている。図23(A)に示されるように、ゲート電極10Sは、ゲート酸化膜19sを介してチャネル領域13Rを被覆する。
図23(A)に示されるようにゲート電極10Sの下方にチャネル領域13Rが形成されており、このゲート電極10Sのチャネル方向における両側の一方には、図23(B)に示されるようにソース電極13Ssが形成され、当該両側の他方にはドレイン電極13Dsが形成されている。チャネル領域13R、ソース電極13Ssおよびドレイン電極13Dsは立体構造を構成する。また、図23(B)に示されるように、ストレス膜16Rは立体構造(フィン)のソース電極13Ssの側面とドレイン電極13Dsの側面にそれぞれ延在している。よって、ストレス膜16Rは、キャリアが移動し得る領域全体に亘って立体構造に結晶歪みを起こすように成膜されている。ストレス膜16Rは、上記第1の実施形態のストレス膜16Uaと同じ材料・成膜条件を用いて成膜されればよい。
そして、上記した素子構造を被覆する絶縁膜22Rが形成されている。この絶縁膜22Rを貫通するスルーホールに、ゲート電極10Sに達するコンタクトプラグ25が埋め込まれている。また、図23(B)に示されるように、ソース電極13Ssに接続されたコンタクトプラグ24Sが、ドレイン電極13Dsに接続されたコンタクトプラグ24Dが、それぞれ、絶縁膜22Rに埋め込まれている。
上記構造を有する半導体装置6の好適な製造方法を以下に説明する。図24(A)〜図26(B)は、n型FETまたはp型FETを有する半導体装置6の製造工程を概略的に示す図である。図25(A)は、図25(B)の上面図に示される構造のS1−S2線に沿った断面図を、図26(A)は、図26(B)の上面図に示される構造のT1−T2線に沿った断面図を、それぞれ表している。
先ず、第1の実施形態の製造工程と同様に、半導体材料からなる支持基板11、埋め込み酸化膜12およびSOI層13からなるSOI基板(図2(A))を用意する。次に、第1の実施形態の製造工程と同様に、SOI層13上にLPCVD法を用いて厚み100nm程度のマスク層14を堆積する。その後、リソグラフィ工程とドライエッチング工程を用いて、マスク層14とSOI層13をエッチングして段差構造を形成する。マスク層14としては、たとえばシリコン窒化膜を用いる。図24(A)は、段差構造を形成するシリコン層(チャネル領域)13Rとマスク層14Rとを示す図である。
続いて、LPCVD法を用いて、n型FETを形成する場合はストレス膜としてたとえばシリコン窒化膜を、p型FETを形成する場合はストレス膜としてたとえばシリコン酸化膜を、コンフォーマルにたとえば50nmの厚みで成膜する。その後、ドライエッチング技術を用いてこのストレス膜を垂直にエッチングすることで、図24(B)に示されるように、シリコン層13Rの側面に厚み50nmのストレス膜16Rが形成される。
続いて、図25(A)に示されるように、フィンを形成すべき領域とストレス膜16Rとを被覆するようにパターニングされたレジスト膜23を形成する。このレジスト膜23をエッチングマスクとし、シリコン層13Rとマスク層(シリコン窒化膜)14Rに対して選択性の良い垂直方向のドライエッチングを実行する。その後、レジスト膜23を剥離する。この結果、図26(A)に示されるようにチャネル領域13Rとフィンが形成される。チャネル領域13Rの幅はたとえば80nmとすればよい。
ここで、マスク層14Rとしてシリコン窒化膜の代わりにシリコン酸化膜を使用してもよい。この場合、図25(A)のマスク層14Rとシリコン層13Rのエッチングの際、素子領域外の埋め込み酸化膜12がエッチングされて支持基板11が露出する可能性がある。これを回避するために、埋め込み酸化膜12の厚みを十分厚くすれば、ソース電極やドレイン電極が支持基板11にショートした場合の不良を回避することができる。マスク層14Rにシリコン酸化膜以外の酸化膜を用いることも可能である。
その後、必要に応じて、イオン注入技術によりチャネル領域13Rに不純物元素を導入し、熱処理により活性化させる。以後の工程は、第1の実施形態の製造工程(図12(A),(B)〜図13(A),(B))とほぼ同じ工程を使用するので、その詳細な説明を省略する。最終的に、コンタクトプラグ24S,24D,25が埋め込まれた絶縁膜22Rを形成することで、図23(A),(B)に示す半導体装置6が製造される。フィン型FETがn型かp型かに応じて、チャネル領域13R、ソース電極13Ssおよびドレイン電極13Dsに注入する不純物を選択する。
上記第6の実施形態の半導体装置6およびその製造方法が奏する効果は以下の通りである。
上述の通り、半導体装置6では、段差構造の側面にストレス膜16R(図24(B))を形成した後、パターニングされたレジスト膜(レジストパターン)を用いたエッチングにより段差構造を加工して立体構造を形成する(図25(A),(B)と図26(A),(B))。この立体構造の第2の側面にゲート酸化膜19sとゲート電極10Sとが形成される。よって、少ない工程数で高性能なフィン型FETを形成することができる。ストレス膜16Rによりチャネル領域13Rに結晶歪みが付与されるので、ドレイン電流の向上が可能である。
以上、孤立したフィンを有する半導体装置6の製造方法を説明したが、一対のフィンを持つ構造も、本実施形態の製造方法を用いて形成(対形成)することができる。すなわち、パターニングされたレジスト膜を用いてSOI層13およびマスク層14をエッチングする際に溝を形成し、この溝を構成する2つの段差構造にそれぞれフィンを形成すればよい。
(第7の実施形態)
次に、本発明に係る第7の実施形態について説明する。図27は、第7の実施形態の半導体装置7の断面構造の一部を概略的に示す図である。以下、上記したp型のフィン型FETとn型のフィン型FETとを同一基板上に集積化するための製造方法について説明する。この製造方法により、微細構造を有する高性能なCMOSを実現することができる。後述するように、フィンは、ストレス膜をマスクとしたセルフアラインで形成されるため、リソグラフィ技術のマスク合わせ限界に影響されない微細な素子を実現可能である。
図28(A)〜図32(B)は、半導体装置7の製造工程を概略的に示す図である。
先ず、図28(A)に示されるように、半導体材料からなる支持基板11、埋め込み酸化膜12およびSOI層13からなるSOI基板を用意する。埋め込み酸化膜12の厚みは、たとえば500nmとし、SOI層13の厚みは、たとえば200nmとすればよい。
続いて、図28(B)に示されるように、SOI層13の上面に熱酸化を用いてシリコン酸化膜からなるマスク表面酸化膜30を成膜し、LPCVD法を用いてシリコン窒化膜からなるマスク層14を堆積する。マスク表面酸化膜30の厚みは、たとえば2nmとし、マスク層14の厚みは、たとえば100nmとすればよい。
続いて、リソグラフィ技術を用いて、マスク層14上にパターニングされたレジスト膜(図示せず)を形成する。このレジスト膜をマスクとし、マスク層14とマスク表面酸化膜30とシリコン層13とを垂直方向にエッチングして溝を形成した後、レジスト膜を剥離する。ここで、溝の幅は、たとえば150nmとする。その後、熱酸化法により、エッチングにより露出したシリコン層13Pの側面を酸化することにより、シリコン酸化膜からなるマスク側面酸化膜30S(図28(C))を、たとえば2nm程度の厚みで成膜する。このとき、シリコンのみが選択的に酸化され、窒化膜上には酸化膜は成膜されない。結果として、図28(C)に示すように溝14aが形成された構造が得られる。後述するようにこの溝14aをなす2つの段差構造にそれぞれp型FETが形成される。
次に、リソグラフィ技術を用いて、マスク層14上にパターニングされたレジスト膜(図示せず)を形成する。このレジスト膜をマスクとし、図28(C)のマスク層14Pを垂直方向にドライエッチングし、その後、レジスト膜を剥離する。この結果、図29(A)に示されるような溝14bを有するマスク層14Qが形成される。後述するように、この溝14bの周辺にn型FETが形成される。
続いて、マスク層14Qを燐酸処理して等方的にたとえば20nmエッチングする(図29(B))。このとき、マスク層14Qの溝の側面からエッチングが進むため、20nmの幅だけシリコン層13P上のマスク層14Qが後退する。なお、燐酸処理の際、シリコン層13Pはマスク表面酸化膜30Tとマスク側面酸化膜30Sとで保護されているので、エッチングされない。この結果、図29(B)に示されるように、エッチングされたマスク層14Qa,14Qb,14Qcが形成される。
次に、図29(C)に示されるように、LPCVD法を用いて高温処理でシリコン酸化膜からなるストレス膜16をコンフォーマルに成膜する。ストレス膜16の厚みは、たとえば50nmとすればよい。
その後、第1のストレス膜16を垂直方向にドライエッチングする。この結果、図30(A)に示されるように、p型FETを構成するフィンとなるべき段差構造の側面と上面とにそれぞれストレス膜16Sa,16Sbとストレス膜16Ta,16Tbとが形成される。なお、側面に形成されたストレス膜16Sa,16Sbは、以後の工程でフィンをセルフアラインで形成する際の保護マスクとなる。
続いて、図30(A)のマスク層14Qa,14Qcとストレス膜16Tc,16Tdとをエッチングマスクとしてシリコン層13Pを垂直方向にかつ選択的にドライエッチングする。この結果、図30(B)に示されるように、酸化膜12に達する溝13aを有するシリコン層13Qが形成される。
その後、図31(A)に示されるように、図30(B)の構造上に、LPCVD法を用いて高温処理でシリコン窒化膜からなる第2のストレス膜36をコンフォーマルに成膜する。このストレス膜36の厚みは、たとえば50nmとすればよい。
そして、図31(B)に示されるように、ストレス膜36を垂直方向にドライエッチング加工する。この結果、n型FETを構成するフィンとなるべき段差構造の側面にストレス膜36Sが形成される。
続いて、上記第1の実施形態の製造工程と同様に、リソグラフィ技術を用いて素子領域にパターニングされたレジスト膜(図示せず)を形成する。次いで、上記第1の実施形態の製造工程と同様に、素子領域外のストレス膜16Ta,16Tb,16Tc,16Td,36S、マスク層14Qa,14Qb,14Qcおよびマスク表面酸化膜30Ua,30Ub,30Ucをドライエッチング加工してシリコン層13Qを露出させる。その後、レジスト膜を剥離する。さらに、素子領域内のマスク層14Qa,14Qb,14Qc(シリコン窒化膜)とマスク表面酸化膜30Ua,30Ub,30Ucをそれぞれ選択的に垂直方向にドライエッチング加工する。この結果、図32(A)に示されるようにn型FETを構成するべきフィンとなる段差構造の側面にストレス膜36Sc,36Sdが残る。また、p型FETを構成するべきフィンとなる段差構造の側面にストレス膜16Sa,16Sbが残るとともに、当該段差構造の上面にストレス膜16Ua,16Ubが残る。
続いて、これらストレス膜16Ua,16Ub,36Sc,36Sd(シリコン酸化膜)をエッチングマスクとして、シリコン層13Qを選択的に垂直方向にドライエッチングすることで、図32(B)に示されるように、p型FETを構成する一対のチャネル領域13Qa,13Qbと、n型FETを構成する一対のチャネル領域13Qc,13Qdとが形成される。
以後の工程は、上記第1の実施形態や第2の実施形態の製造工程と同じであるので、その詳細な説明は省略する。図27に示されるように、p型FETにおいては、チャネル領域13Qa,13Qbの側面には、それぞれ、ゲート酸化膜19a,19bが形成されている。これらゲート酸化膜19a,19bを被覆するようにゲート電極10a,10bが形成される。一方、n型FETにおいては、チャネル領域13Qc,13Qdの側面には、それぞれ、ゲート酸化膜19c,19dが形成されている。これらゲート酸化膜19c,19bを被覆するようにゲート電極10c,10dが形成される。そして、絶縁膜22が形成され、この絶縁膜22には、コンタクトプラグ25,26A,26B,27,28C,28Dが埋設されている。
なお、p型のフィン型FETを構成する立体構造と、n型のフィン型FETを構成する立体構造とでは、フィンチャネル、ゲート電極、ソース・ドレイン電極に注入する不純物が異なる。それ故、リソグラフィ技術を用いてレジスト膜(図示せず)をマスクとして、n型領域とp型領域とを別々に選択しイオン注入する手法を用いればよい。
上記第7の実施形態の製造方法により、p型のフィン型FETとn型のフィン型FETとを同一基板上に集積することができる。p型のフィン型FETとn型のフィン型FETとのチャネル領域にそれぞれに最適な方向の結晶歪みを印加することができる。したがって、キャリア(正孔と電子)の移動度が向上したフィン型FETによるCMOSを実現することが可能である。また、フィンチャネルをセルフアラインで形成することでリソグラフィ技術のマスク合わせ精度に依らずに、微細なCMOS構造を実現できる。
なお、本実施形態では、n型FETとp型FETとでそれぞれフィンが対形成されているが、n型FETとp型FETとでそれぞれ孤立したフィンを形成してもよい。
以上、図面を参照して本発明に係る種々の実施形態について述べた。
上記実施形態の半導体装置1〜7の構造は、いずれも、ゲート電極がフィン(立体構造)の側面と上面にゲート酸化膜を介して形成されるという、所謂モノ・ゲート構造に分類される。一方、ダブル・ゲート構造やトライ・ゲート構造のようなフィンの2面(両側面)もしくは3面(両側面および上面)にゲート酸化膜を介してゲート電極を形成した構造や、ゲート電極をピラー状の立体構造の側壁全周にわたって形成した構造(ゲート・オール・アラウンド構造)も存在する。これら構造は、モノ・ゲート構造よりも、電流が流れる領域の幅となる素子の幅Wを実効的に広げて、ドレイン電流量を向上させ得るものである。しかしながら、フィンの幅が20nm以下のナノ領域では、前述の構造の電気特性は、反転層の量子の影響を受けて実効的な幅Wの差を解消させてしまうので、モノ・ゲート構造の電気特性とほぼ同等となり得る。微細化された素子構造において、素子の駆動能力の向上を図るにはキャリア輸送特性の改善が重要である。よって、本発明の構造のように、積極的に結晶歪技術を採用した構造こそが、ナノ領域の微細な素子の性能向上に有益といえる。
上記フィンチャネル表面の結晶方位としては、代表的な例としてシリコン結晶を用いた場合、たとえば、(100)面、(110)面、(111)面が挙げられる。チャネル電流が流れる方向の結晶方位も、たとえば、<100>方向、<110>方向、<111>方向を用いる。ただし、これら結晶方位に限定されるものではない。
上記実施形態は本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。たとえば、上記実施形態では、チャネル領域を含む立体構造は、支持基板上で上方に突起したフィン形状を有するが、これに限定されるものではない。フィン形状の立体構造の代わりに、円柱のピラー形状や、ナノオーダー・サイズのワイヤー形状を有する結晶からなる立体構造を使用してもよい。
上記実施形態の半導体装置1〜7においては、フィン状立体構造の幅は、特に制限されるものではないが、約20nm以下であることが好ましい。立体構造のチャネル領域の幅が小さいことで、半導体装置1〜7の微細化が可能となるとともに、ストレス膜からチャネル領域の結晶に与える歪みを強めることができる。
上記実施形態の半導体装置1〜7においては、素子分離の容易性からSOI基板が使用されているが、これに限定されるものではない。SOI基板の代わりに、半導体基板を使用しても、実施形態の効果とほぼ同様の効果を得ることができる。
上記実施形態の半導体装置1〜7においては、ソース電極13Sa,13Sb,13Sr,13Ssおよびドレイン電極13Da,13Db,13Dr,13Dsは、イオン注入技術を用いて立体構造(フィン)内にpn接合を形成することにより得られるが、これに限定されるものではない。たとえば、ショットキ障壁接合を立体構造(フィン)に形成することにより、ソース電極13Sa,13Sb,13Sr,13Ssおよびドレイン電極13Da,13Db,13Dr,13Dsが形成されてもよい。
本発明に係る第1の実施形態の半導体装置の構造の一部を概略的に示す図である。 第1の実施形態の半導体装置の製造工程の一部を概略的に示す図である。 第1の実施形態の半導体装置の製造工程の一部を概略的に示す図である。 第1の実施形態の半導体装置の製造工程の一部を概略的に示す図である。 第1の実施形態の半導体装置の製造工程の一部を概略的に示す図である。 第1の実施形態の半導体装置の製造工程の一部を概略的に示す図である。 第1の実施形態の半導体装置の製造工程の一部を概略的に示す図である。 第1の実施形態の半導体装置の製造工程の一部を概略的に示す図である。 第1の実施形態の半導体装置の製造工程の一部を概略的に示す図である。 第1の実施形態の半導体装置の製造工程の一部を概略的に示す図である。 第1の実施形態の半導体装置の製造工程の一部を概略的に示す図である。 第1の実施形態の半導体装置の製造工程の一部を概略的に示す図である。 第1の実施形態の半導体装置の製造工程の一部を概略的に示す図である。 第1の実施形態の半導体装置の製造工程の一部を概略的に示す図である。 本発明に係る第2の実施形態の半導体装置の構造の一部を概略的に示す図である。 第2の実施形態の半導体装置の製造工程の一部を概略的に示す図である。 第2の実施形態の半導体装置の製造工程の一部を概略的に示す図である。 本発明に係る第3の実施形態の半導体装置の構造の一部を概略的に示す図である。 第3の実施形態の半導体装置の製造工程の一部を概略的に示す図である。 本発明に係る第4の実施形態の半導体装置の構造の一部を概略的に示す図である。 第4の実施形態の半導体装置の製造工程の一部を概略的に示す図である。 本発明に係る第5の実施形態の半導体装置の構造の一部を概略的に示す図である。 本発明に係る第6の実施形態の半導体装置の構造の一部を概略的に示す図である。 第6の実施形態の半導体装置の製造工程の一部を概略的に示す図である。 第6の実施形態の半導体装置の製造工程の一部を概略的に示す図である。 第6の実施形態の半導体装置の製造工程の一部を概略的に示す図である。 本発明に係る第7の実施形態の半導体装置の構造の一部を概略的に示す図である。 第7の実施形態の半導体装置の製造工程の一部を概略的に示す図である。 第7の実施形態の半導体装置の製造工程の一部を概略的に示す図である。 第7の実施形態の半導体装置の製造工程の一部を概略的に示す図である。 第7の実施形態の半導体装置の製造工程の一部を概略的に示す図である。 第7の実施形態の半導体装置の製造工程の一部を概略的に示す図である。
符号の説明
1〜7 半導体装置(MIS型FET)
10,電極層
10P,10R,10S ゲート電極
10a〜10d ゲート電極
11 支持基板
12,12P,12Q,12R 埋め込み酸化膜(BOX膜)
13 SOI層
13Sa,13Sb,13Sr,13Ss ソース電極
13Da,13Db,13Dr,13Ds ドレイン電極
13Qa〜13Qd,13R チャネル領域
14,14S マスク層
16,16R,16Sa,16Sb,ストレス膜
16Ua,16Ub,16Ur ストレス膜
17 レジスト膜
19a〜19d,19r ゲート酸化膜
21 レジスト膜
22,22R 絶縁膜
23 レジスト膜
24S,24D,23S,23D,25,26A,26B コンタクトプラグ
30 酸化膜

Claims (22)

  1. 基板と、
    前記基板の主面上に形成されており、前記基板の面内方向と並行なチャネル方向と交差する方向に互いに対向する第1および第2の側面を有し前記チャネル方向に沿って延在する立体構造と、
    前記第1の側面に形成され、当該第1の側面に作用する残留応力を有するストレス膜と、
    前記第2の側面に形成されたゲート絶縁膜と、
    前記立体構造のうち少なくとも前記第2の側面を前記ゲート絶縁膜を介して被覆するとともに前記第1および第2の側面が対向する方向に沿って延在するゲート電極と、
    を備え、
    前記立体構造は、前記ゲート電極の前記チャネル方向における両側でそれぞれソース電極およびドレイン電極を有するとともに前記ソース電極と前記ドレイン電極との間にチャネル領域を有する、半導体装置。
  2. 請求項1に記載の半導体装置であって、前記ストレス膜は、前記ソース電極の側面に延在するとともに前記ドレイン電極の側面に延在している、半導体装置。
  3. 請求項1または2に記載の半導体装置であって、前記ストレス膜は、前記ソース電極の上面に延在するとともに前記ドレイン電極の上面に延在している、半導体装置。
  4. 請求項1から3のうちのいずれか1項に記載の半導体装置であって、前記ストレス膜の残留応力は、前記第1の側面に対して当該第1の側面の面内方向への引張歪みを付与する、半導体装置。
  5. 請求項1から3のうちのいずれか1項に記載の半導体装置であって、前記ストレス膜の残留応力は、前記第1の側面に対して当該第1の側面の面内方向への圧縮歪みを付与する、半導体装置。
  6. 請求項1から5のうちのいずれか1項に記載の半導体装置であって、前記ストレス膜は、シリコン窒化膜およびシリコン酸化膜のうち少なくとも一方を含む絶縁膜である、半導体装置。
  7. 請求項1から6のうちのいずれか1項に記載の半導体装置であって、前記立体構造の上面に形成された上部ストレス膜をさらに備え、
    前記上部ストレス膜は、前記立体構造の当該上面に作用する残留応力を有する、半導体装置。
  8. 請求項7に記載の半導体装置であって、前記上部ストレス膜の残留応力は、前記上面に対して当該上面の面内方向への引張歪みを付与する、半導体装置。
  9. 請求項7に記載の半導体装置であって、前記上部ストレス膜の残留応力は、前記上面に対して当該上面の面内方向への圧縮歪みを付与する、半導体装置。
  10. 請求項1から9のうちのいずれか1項に記載の半導体装置であって、前記上部ストレス膜はシリコン窒化膜およびシリコン酸化膜のうち少なくとも一方を含む絶縁膜である、半導体装置。
  11. 請求項1から10のうちのいずれか1項に記載の半導体装置であって、
    前記基板は、支持基板と、前記支持基板上に形成された酸化膜とを含み、
    前記立体構造は、前記酸化膜上に形成されている、半導体装置。
  12. 半導体層を上部に有する基板の当該半導体層をエッチングして第1の側面を有する段差構造を形成する工程と、
    前記段差構造の上面と前記第1の側面とにパターニングされたストレス膜を形成する工程と、
    前記段差構造に対して前記ストレス膜をエッチングマスクとしたエッチングを実行して前記第1の側面と対向する第2の側面を形成することにより、前記第1および第2の側面を有するとともに前記基板の面内方向と並行なチャネル方向に沿って延在する立体構造を形成する工程と、
    前記第2の側面にゲート絶縁膜を形成する工程と、
    前記立体構造のうち少なくとも前記第2の側面を前記ゲート絶縁膜を介して被覆するとともに前記第1および第2の側面が対向する方向に沿って延在するゲート電極を形成する工程と、
    を備え、
    前記ストレス膜は、前記第1の側面に作用する残留応力を有しており、
    前記立体構造は、前記ゲート電極の前記チャネル方向における両側でそれぞれソース電極およびドレイン電極を有するとともに前記ソース電極と前記ドレイン電極との間にチャネル領域を有する、半導体装置の製造方法。
  13. 請求項12に記載の半導体装置の製造方法であって、前記ストレス膜は、前記ソース電極の側面に延在するとともに前記ドレイン電極の側面に延在している、半導体装置の製造方法。
  14. 請求項12または13に記載の半導体装置の製造方法であって、前記ストレス膜は、前記ソース電極の上面に延在するとともに前記ドレイン電極の上面に延在している、半導体装置の製造方法。
  15. 請求項12から14のうちのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、前記ストレス膜の残留応力は、前記第1の側面に対して当該第1の側面の面内方向への引張歪みを付与する、半導体装置の製造方法。
  16. 請求項12から14のうちのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、前記ストレス膜の残留応力は、前記第1の側面に対して当該第1の側面の面内方向への圧縮歪みを付与する、半導体装置の製造方法。
  17. 請求項12から16のうちのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、前記ストレス膜は、シリコン窒化膜およびシリコン酸化膜のうち少なくとも一方を含む絶縁膜である、半導体装置の製造方法。
  18. 請求項12から17のうちのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記段差構造を形成する工程は、
    前記ストレス膜を構成すべき膜を前記基板上に成膜する工程と、
    当該膜上にパターニングされたマスク層を形成する工程と、
    当該膜に対して前記マスク層をエッチングマスクとしたエッチングを実行して前記段差構造を形成する工程と、
    前記マスク層のうち前記第1の側面の近傍部分をエッチングにより除去して前記段差構造の上面の一部を露出させる工程と、
    を含む、半導体装置の製造方法。
  19. 請求項12から17のうちのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記段差構造を形成する工程は、
    前記基板上に第1の保護膜を形成する工程と、
    前記ストレス膜を構成すべき膜を前記第1の保護膜上に形成する工程と、
    当該膜上にパターニングされたマスク層を形成する工程と、
    当該膜に対して前記マスク層をエッチングマスクとしたエッチングを実行して前記段差構造を形成する工程と、
    を含み、
    前記ストレス膜を形成する工程は、
    前記段差構造を形成する工程が実行された後に、前記第1の側面に第2の保護膜を形成する工程と、
    前記マスク層に対して前記第1および第2の保護膜をエッチングマスクとしたエッチングを実行して前記第1の保護膜の上面の一部を露出させる工程と、
    前記第1の保護膜の露出部分と前記第2の保護膜とを除去して前記第1の側面と前記段差構造の上面の一部とを露出させる工程と、
    を含む、半導体装置の製造方法。
  20. 請求項12から19のうちのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記段差構造を形成する工程は、
    前記半導体層をエッチングして溝を形成することにより、前記第1の側面を有する段差構造と第3の側面を有する段差構造とを同時に形成する工程を含み、
    前記ストレス膜を形成する工程は、
    前記ストレス膜を第1のストレス膜として形成すると同時に、前記第3の側面を有する段差構造の上面と前記第3の側面とにパターニングされた第2のストレス膜を形成する工程を含み、
    前記立体構造を形成する工程は、
    前記第1の側面を有する段差構造と前記第3の側面を有する段差構造とに対して前記第1および第2のストレス膜をエッチングマスクとしたエッチングを実行して、前記第2の側面を形成すると同時に前記第3の側面と対向する第4の側面を形成することにより、前記第1および第2の側面を有する立体構造と、前記第3および第4の側面を有するとともに前記チャネル方向に沿って延在する立体構造とを同時に形成する工程を含み、
    前記ゲート絶縁膜を形成する工程は、
    前記第2の側面に前記ゲート絶縁膜を第1のゲート絶縁膜として形成すると同時に、前記第4の側面に第2のゲート絶縁膜を形成する工程を含み、
    前記ゲート電極は、前記第4の側面を前記第2のゲート絶縁膜を介して被覆するように延在しており、
    前記第2のストレス膜は、前記第3の側面に作用する残留応力を有しており、
    前記第3および第4の側面を有する立体構造は、前記第2のゲート電極の前記チャネル方向における両側でそれぞれソース電極およびドレイン電極を有するとともに前記ソース電極と前記ドレイン電極との間にチャネル領域を有する、半導体装置の製造方法。
  21. 請求項12から20のうちのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、前記基板は、支持基板と、前記支持基板上に形成された埋め込み酸化膜と、前記埋め込み酸化膜上に形成された前記半導体層とを含む、半導体装置の製造方法。
  22. 半導体層を上部に有する基板の当該半導体層上にパターニングされたマスク層を形成する工程と、
    前記半導体層に対して前記マスク層をエッチングマスクとしたエッチングを実行して第1の側面を有する段差構造を形成する工程と、
    前記第1の側面にストレス膜を形成する工程と、
    前記第1の側面を被覆するようにパターニングされたレジスト膜を形成する工程と、
    前記段差構造と前記マスク層とからなる積層体に対して前記レジスト膜をエッチングマスクとしたエッチングを実行して前記第1の側面と対向する第2の側面を形成することにより、前記第1および第2の側面を有するとともに前記基板の面内方向と並行なチャネル方向に沿って延在する立体構造を形成する工程と、
    前記第2の側面にゲート絶縁膜を形成する工程と、
    前記立体構造のうち少なくとも前記第2の側面を前記ゲート絶縁膜を介して被覆するとともに前記第1および第2の側面が対向する方向に沿って延在するゲート電極を形成する工程と、
    を備え、
    前記ストレス膜は、前記第1の側面に作用する残留応力を有しており、
    前記立体構造は、前記ゲート電極の前記チャネル方向における両側でそれぞれソース電極およびドレイン電極を有するとともに前記ソース電極と前記ドレイン電極との間にチャネル領域を有する、半導体装置の製造方法。
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