JP2010117833A - インレイ及びその製造方法並びに非接触型情報媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】静電気の侵入を防止することができ、且つ外表面の平坦性の要求を満たすことができるインレイの構造、及び該インレイを備える非接触型情報媒体IC並びにインレイの製造方法を提供するものとした。
【解決手段】少なくとも、カバー材、第一の基材、リードフレームを介してICモジュールと接続する該ICモジュールを搭載するアンテナ基材、及び第2の基材 を積層したインレイであって、前記ICモジュールのICを被覆する樹脂封止部が前記アンテナ基材をエンボス成型した凹部に収容され、且つ該凹部が第2の基材に形成された開口部に嵌合するように収容されていることを特徴とするインレイとしたものである。
【選択図】図5
【解決手段】少なくとも、カバー材、第一の基材、リードフレームを介してICモジュールと接続する該ICモジュールを搭載するアンテナ基材、及び第2の基材 を積層したインレイであって、前記ICモジュールのICを被覆する樹脂封止部が前記アンテナ基材をエンボス成型した凹部に収容され、且つ該凹部が第2の基材に形成された開口部に嵌合するように収容されていることを特徴とするインレイとしたものである。
【選択図】図5
Description
この発明は、ICカード等に内蔵するインレイの構造と該インレイの製造方法、及び該インレイを用いる非接触型情報媒体に関するものである。
従来から、基板上に巻線アンテナコイルを敷設しICモジュールと接続して外部の読み書き装置とデータ通信を行う非接触型情報媒体を形成する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この非接触型の情報媒体も電子パスポートに内蔵するためには、インレイの形態で電子パスポートの製造メーカに納入することが期待されている。インレイについては、言うまでもなくできるだけ軽く薄い構造が望ましく、搭載するICモジュールの厚みと支持基材の厚みを薄くする必要がある。
非接触型情報媒体をICカード分野へ展開するについても、種々の機能を有し種々の形態のICモジュールをインレイ化してカードに内蔵するには、インレイ自体の厚み以外にも強度の維持、柔軟性の確保、静電気対策等の工夫が必要で、それにともなって製造上、構造上で複雑な問題が発生する。
特許第3721520号公報
USP7059535号公報
例えば、従来の技術においては、アンテナコイルを備えたアンテナ基材にICモジュールを実装したインレットに、絶縁性の基材等を貼り合せてインレイとして用いると、ICチップが封止された樹脂封止部等の厚さにより、貼り合せた基材が膨らんでしまう。そのため、図7に示すように、従来のインレイ400では、アンテナ基材1にICモジュール20を実装したインレット30に、樹脂封止部23に対応する開口部42hを備えた基材42を貼り合せて、樹脂封止部23を基材42の開口部42hに収容して露出させている。
このとき、樹脂封止部23と開口部42hの内側面との間に隙間Dが生じると、開口部42hによりインレット30の配線の一部等が露出されて静電気が侵入するという問題がある。インレット30の配線の一部に静電気が侵入すると、ICモジュール20に悪影響を及ぼす虞がある。
そこで、このような隙間Dが形成されるのを防止するために、基材42として可撓性及び柔軟性を有する材料を用い、開口部42hの外形を樹脂封止部23の外形よりも小さくして、樹脂封止部23を開口部42hに押し込んでプレスすることが考えられる。
そこで、このような隙間Dが形成されるのを防止するために、基材42として可撓性及び柔軟性を有する材料を用い、開口部42hの外形を樹脂封止部23の外形よりも小さくして、樹脂封止部23を開口部42hに押し込んでプレスすることが考えられる。
しかし、このような場合には隙間Dの発生は防止できるものの、樹脂封止部23を開口部42hに押し込む際に外力が作用してICモジュール20が破壊される虞がある。また、樹脂封止部23を開口部42hに押し込むことで、樹脂封止部23上に基材42の一部が乗り上げたような状態となり、スタンプ試験等による外力によってICモジュール20が破壊される虞がある。
したがって、ICモジュール20の樹脂封止部23を開口部42hに収容して露出させるためには、開口部42hの外形を樹脂封止部23の外形よりも大きくせざるを得ず、隙間Dの発生を防止するのは困難である。これについては隙間Dを絶縁性の樹脂で埋設する技
術が開示されているが(特願2008−041134)、工程が煩雑になるという問題がある。
したがって、ICモジュール20の樹脂封止部23を開口部42hに収容して露出させるためには、開口部42hの外形を樹脂封止部23の外形よりも大きくせざるを得ず、隙間Dの発生を防止するのは困難である。これについては隙間Dを絶縁性の樹脂で埋設する技
術が開示されているが(特願2008−041134)、工程が煩雑になるという問題がある。
隙間Dを樹脂で埋設せずにICモジュールを開口部42hに押し込む別の技術としては、アンテナ基材1を開口部42hを塞ぐように敷設し、その上部にICモジュール20を樹脂封止部23がアンテナ基材1に当接するように載置して基材42の上から加圧して押し込む技術が開示されている(特許文献2)。この場合には、矩型状に凹んだアンテナ基材1により隙間Dが埋設されることで、静電気対策はなされるが、加圧によりICモジュール20が破損する虞は依然として残っている。
また、インレイ400には外表面の平坦性が要求されるため、ボールペン試験等の平坦性試験が適用される。この場合、隙間Dにおいて引っ掛かりが生じたり、基材42の外表面42aとICモジュール20の外表面20aとの間に微妙な段差gが生じたりすることで、合格基準を満足できない場合がある。
そこで、この発明の課題を、静電気の侵入を防止することができ、さらに外表面の平坦性の要求を満たすことができるインレイの構造、及び該インレイを備える非接触型情報媒体並びにインレイの製造方法を提供するものとした。
上記の課題を解決するために、本発明のインレイは、少なくとも、カバー材と、第一の基材と、リードフレームを介してICモジュールと接続する該ICモジュールを搭載するアンテナ基材と、及び第2の基材と、をこの順に積層したインレイであって、前記アンテナ基材の一方の面に、他方の面に突出する凹部が設けられ、前記ICモジュールのICを被覆する樹脂封止部が前記アンテナ基材の凹部に収容され、且つ前記アンテナ基材の他方の面の突出した凹部が第2の基材に形成された開口部に嵌合するように収容されていることを特徴とするインレイとしたものである。
かかる構成とすることで、ICモジュールが、アンテナ基材に丸ごと収容された状態で、第2の基材の開口部に隙間なく嵌合される。
また、前記リードフレームも前記第一の基材に形成された開口部に収容されていることを特徴とする請求項1記載のインレイとしたものである。
かかる構成とすることで、より薄くなり微妙な平滑性が一段と向上する。また第一の基材中に空隙があると、製造時にICモジュールに加わる外力が低減する。
また、本発明のインレイは、請求項1又は請求項2に記載のインレイを具備することを特徴とする非接触型情報媒体としたものである。
かかる構成とすることで、非接触型情報媒体の外表面を略平坦かつ略面一にすることができる。
また、本発明のインレイは、少なくとも、アンテナ基材上に、少なくともアンテナパターン及び配線パターンをエッチング法により形成する工程と、前記アンテナ基材の一方の面に該アンテナ基材の他方の面から突出する凹部を形成する工程と、前記凹部にICモジュールを収容するように接着する工程と、第一の基材の一方の面に前記アンテナ基材の凹部側を貼り付ける工程と、前記アンテナ基材から突出する凹部が第2の基材に形成された開口部に嵌合するようにアンテナ基材と第一の基材とを積層する工程と、第一の基材の他方の面にカバー材を積層する工程と、前記積層されたカバー材、第一の基材、アンテナ基材及び第2の基材を加圧して熱ラミネートにより一体化する工程と、を有することを特徴とする請求項1に記載のインレイの製造方法としたものである。
このように製造することで、第2の基材に形成された開口部に、アンテナ基材から突出したアンテナ基材からなる凸部が隙間なく完全に嵌合され、且つ平滑平坦な構造とすることができる。
本発明によれば、インレイ製造時にICモジュールに加えられる外力が低減するのでICモジュールの破損及びアンテナコイルの変形等アンテナ基板に係わるトラブル発生が少ない。またICモジュールが絶縁性のアンテナ基材により被覆保護され、且つ第2の基材とICモジュールの隙間がアンテナ基材で充填されているので、外部で発生した静電気がその隙間から侵入してICが外部静電気の影響を受け破損に至ることがない。さらに、高温環境下や薬品用液にさらされても外気や水分等、外部の物質の侵入を防ぐことができ、ICモジュールが水分等の外部の物質により悪影響を受けることがない。
加えて、インレイの外表面を略平坦かつ略面一にすることができるので、これを用いて製造される非接触型情報媒体の外表面を略平坦かつ略面一にすることができ、ボールペン試験等の平坦性試験の合格基準を満足させることができる。
加えて、インレイの外表面を略平坦かつ略面一にすることができるので、これを用いて製造される非接触型情報媒体の外表面を略平坦かつ略面一にすることができ、ボールペン試験等の平坦性試験の合格基準を満足させることができる。
以下、本発明を図面に基づいて詳しく説明する。
(アンテナ基材)
(アンテナ基材)
図1(a)は本実施形態のアンテナ基材1の平面図であり、図1(b)は底面図である。図1(a)に示すように、アンテナ基材1は、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)またはPEN(ポリエチレンナフタレート)により形成された可撓性を有する基板(第一の基材)2を備えている。基板2の厚さは、例えば、約0.02mm〜約0.10mmの範囲から適宜選択される。基板2の表面には、アンテナ回路3が形成されている。
アンテナ回路3は、基板2の形状に対応する略矩形のらせん状に形成されたアンテナコイル4を備えている。アンテナコイル4は、例えば、基板2の表面に形成されたアルミニウムの薄膜をエッチング等によりパターニングすることで、厚さが約0.02mm〜0.05mm程度の薄膜状に形成されている。アンテナコイル4の内側の端部は略円形状に面積が拡大され、端子部5が形成されている。また、アンテナコイル4が屈曲される部分(矩形の角部)は、略円弧状に形成されている。
アンテナコイル4の外側の端部6は、基板2の一角に向けて引き出されている。基板2の一角のややアンテナコイル4側には、略矩形の凹部7が形成されている。凹部7はアンテナコイル等をエッチング加工で形成した後、後述するICモジュールを収容するようにエンボス加工で形成され設けられている。
基板2の一角に向けて引き出されたアンテナコイル4の外側の端部6は、凹部7の一辺7aに向けて引き回され、その一辺7aに沿って形成されたアンテナ接続ランド8(接続部)に接続されている。アンテナ接続ランド8は、アンテナコイル4の幅W1が拡大されて形成された略矩形の端子部である。
基板2の一角に向けて引き出されたアンテナコイル4の外側の端部6は、凹部7の一辺7aに向けて引き回され、その一辺7aに沿って形成されたアンテナ接続ランド8(接続部)に接続されている。アンテナ接続ランド8は、アンテナコイル4の幅W1が拡大されて形成された略矩形の端子部である。
アンテナ接続ランド8が形成された凹部7の一辺7aに対向する一辺7bには、アン
テナ接続ランド9(接続部)が形成されている。アンテナ接続ランド8に対向して形成されたアンテナ接続ランド9には、アンテナコイル4の一部である配線10が接続されている。アンテナ接続ランド9は、この配線10の幅W2が拡大されることにより、対向する
アンテナ接続ランド8と同様に凹部7の一辺7bに沿って略矩形に形成されている。一端がアンテナ接続ランド9に接続された配線10の他端側は略円形状に面積が拡大され、端子部11が形成されている。
テナ接続ランド9(接続部)が形成されている。アンテナ接続ランド8に対向して形成されたアンテナ接続ランド9には、アンテナコイル4の一部である配線10が接続されている。アンテナ接続ランド9は、この配線10の幅W2が拡大されることにより、対向する
アンテナ接続ランド8と同様に凹部7の一辺7bに沿って略矩形に形成されている。一端がアンテナ接続ランド9に接続された配線10の他端側は略円形状に面積が拡大され、端子部11が形成されている。
また、基板2のアンテナ回路3が形成された面の反対側の面には、図1(b)に示すように、アンテナ接続ランド8,9の形成領域に対応して、アンテナ接続ランド8,9を補強する補強用パターン12,13(補強部)が形成されている。補強用パターン12,13は、例えば、アンテナ回路3と同様に金属薄膜のエッチング等または同様の方法で形成され、平面視でアンテナ接続ランド8,9の外形線に沿って、アンテナ接続ランド8,9の形状に対応した矩形状に形成されている。
また、基板2のアンテナ回路3が形成された面の裏面には、アンテナコイル4の端子部5と端子部11とを接続するジャンパー配線14が形成されている。ジャンパー配線14は、例えば、アンテナ回路3と同様の方法で形成されている。ジャンパー配線14の両端は、略円形状に面積が拡大されて端子部15,16が設けられている。ジャンパー配線14の各端子部15,16は、それぞれアンテナコイル4の端子部5と端子部11の形成領域に対応して設けられている。ジャンパー配線14の各端子部15,16と、アンテナコイル4の端子部5及び端子部11とは、各端子部15,16の形成領域に複数の点状に形成された導通部17において電気的に接続されている。
導通部17は、例えば、図2(a)に示すように、ジャンパー配線14の端子部15(端子部16)と、アンテナコイル4の端子部5(端子部11)とを両側から挟むように圧力を加えてかしめるクリンピング加工により、基板2を破って端子部5,15(端子部11,16)同士を物理的に接触させて形成されている。
また、導通部17は、上記のクリンピング加工による接続以外にも、例えば、図2(b
)に示すように、端子部5,15(端子部11,16)の形成領域に基板2を貫通するスルーホール19Aを形成し、そのスルーホール19Aに、銀ペースト等の導電ペースト19を充填し、ジャンパー配線14の端子部15(端子部16)とアンテナコイル4の端子部5(端子部11)とを電気的に接続するようにしてもよい。
(ICモジュール)
また、導通部17は、上記のクリンピング加工による接続以外にも、例えば、図2(b
)に示すように、端子部5,15(端子部11,16)の形成領域に基板2を貫通するスルーホール19Aを形成し、そのスルーホール19Aに、銀ペースト等の導電ペースト19を充填し、ジャンパー配線14の端子部15(端子部16)とアンテナコイル4の端子部5(端子部11)とを電気的に接続するようにしてもよい。
(ICモジュール)
次に、上述のアンテナ基材1のアンテナ回路3に接続され、凹部7にすっぽりと収容されるICモジュール20について説明する。
図3(a)は本実施形態のICモジュール20の平面図であり、図3(b)は図3(a)のA−A’線に沿う断面図である。図3(a)及び図3(b)に示すように、ICモジュール20は、リードフレーム21と、リードフレーム21上に実装されたICチップ22と、ICチップ22を封止する樹脂封止部23とにより形成されている。
リードフレーム21は、平面視で角部が円弧状に丸められた略長方形に形成されている。リードフレーム21は、例えば、銅糸を編んでフィルム状に形成し、銀メッキを施した銅糸金属フィルム等により形成されている。
リードフレーム21は、ICチップ22を支持固定するダイパッド24と、ICチップ
22の入出力パッドに接続されるアンテナランド25、25とを備えている。
リードフレーム21は、ICチップ22を支持固定するダイパッド24と、ICチップ
22の入出力パッドに接続されるアンテナランド25、25とを備えている。
ダイパッド24は、ICチップ22の外形よりも一回り大きく形成され、ICチップ22の底部に固定されている。ダイパッド24とアンテナランド25との間には間隙Sが形成され、電気的に絶縁されている。
アンテナランド25は、例えば、金(Au)等のボンディングワイヤ26を介してIC
チップ22の入出力パッドに接続されている。アンテナランド25は、外部の回路に接続
されるICモジュール20の端子部として用いるために、ICモジュール20の長手方向(長さL方向)に延在して形成されている。
アンテナランド25は、例えば、金(Au)等のボンディングワイヤ26を介してIC
チップ22の入出力パッドに接続されている。アンテナランド25は、外部の回路に接続
されるICモジュール20の端子部として用いるために、ICモジュール20の長手方向(長さL方向)に延在して形成されている。
樹脂封止部23は平面視で角部が円弧状に丸められた略正方形に形成されている。封止樹脂部23は、例えば、エポキシ樹脂等の樹脂材料により形成され、ICチップ22、ICチップ22の入出力パッド、ボンディングワイヤ26、及び、アンテナランド25とボンディングワイヤ26の接続部等を覆うように形成されている。
(インレット)
(インレット)
図4(a)及び図4(b)に示すように、ICモジュール20のアンテナランド25,25と、アンテナ基材1のアンテナ接続ランド8,9とを電気的に接続して、ICモジュール20をアンテナ基材1に実装することで、アンテナ基材1とICモジュール20を備えたインレット30が形成される。
ここでアンテナ基材1に形成される凹部7はリードフレーム21から出っ張るように形成されている略正方形の樹脂封止部23が収容される大きさである。例えば、インフィニオン社から販売されているMCC8を内蔵するICモジュールの樹脂封止部23の外形サイズは5.0mm(縦)×5.1mm(横)×0.25mm(厚み)であるが、凹部7の内寸は一回り大きく5.2mm(縦)×5.3mm(横)×0.25mm(厚み)となるようにエンボス加工を施して形成されている。
ここでアンテナ基材1に形成される凹部7はリードフレーム21から出っ張るように形成されている略正方形の樹脂封止部23が収容される大きさである。例えば、インフィニオン社から販売されているMCC8を内蔵するICモジュールの樹脂封止部23の外形サイズは5.0mm(縦)×5.1mm(横)×0.25mm(厚み)であるが、凹部7の内寸は一回り大きく5.2mm(縦)×5.3mm(横)×0.25mm(厚み)となるようにエンボス加工を施して形成されている。
また、アンテナ基材1の凹部7の両側に対向して設けられた一対のアンテナ接続ランド8,9の幅W3は、ICモジュール20のアンテナランド25,25の幅W4と略同
等か、またはやや小さくなるように形成されている。
また、アンテナ基材1のアンテナ接続ランド8,9の長さL3は、ICモジュール20のアンテナランド25,25とアンテナ接続ランド8,9が重なる部分の長さL4よりも大きく形成されている。本実施形態では、アンテナ接続ランド8,9の長さL3は、アンテナランド25,25とアンテナ接続ランド8,9とが重なった部分の長さL4の略二倍に形成されている。
(インレイ)
等か、またはやや小さくなるように形成されている。
また、アンテナ基材1のアンテナ接続ランド8,9の長さL3は、ICモジュール20のアンテナランド25,25とアンテナ接続ランド8,9が重なる部分の長さL4よりも大きく形成されている。本実施形態では、アンテナ接続ランド8,9の長さL3は、アンテナランド25,25とアンテナ接続ランド8,9とが重なった部分の長さL4の略二倍に形成されている。
(インレイ)
次に、上述のインレット30を備えたインレイ40について、図5(a)及び図5(b)を用いて説明する。
図5(a)及び図5(b)に示すように、本実施形態のインレイ40は、インレット30と、インレット30を挟持する第一の基材41及び第二の基材42を備えている。
先ず、ICモジュールのリードフレーム21(アンテナランド25,25)と同一かわずかに大きい開口部45を形成した第一の基材41とアンテナ基材1とをリードフレーム21が開口部に収容されるように認識マークを利用して貼り付ける。この場合、開口部45に収容するようにしたことで位置精度は±0.2mmを確保することができる。
先ず、ICモジュールのリードフレーム21(アンテナランド25,25)と同一かわずかに大きい開口部45を形成した第一の基材41とアンテナ基材1とをリードフレーム21が開口部に収容されるように認識マークを利用して貼り付ける。この場合、開口部45に収容するようにしたことで位置精度は±0.2mmを確保することができる。
次に、位置決め用基準ピンを利用して上記第一の基材41と、アンテナ基材1からエンボス形成により突出した凸部(樹脂封止部23を内蔵)を収容するように開口部43が形成された第二の基材42とを基準ピンに合わせて丁合いし、一対の基材41,42の間にインレット30を挟みこみ、さらに必要でれば第一の基材41の上方からカバー材44を積層する。最後に全体を加圧して熱ラミネート接合して一体化された積層体としての所望の厚さのインレイ40を形成する。
第一の基材41及び第2の基材42に必要な開口部は打ち抜き加工等により形成することができる。
第一の基材41及び第2の基材42に必要な開口部は打ち抜き加工等により形成することができる。
基材41,42としては、例えば、絶縁性のプラスティックフィルム(PET-G:非結晶
コポリエステル、PVC:塩化ビニル樹脂等)、あるいは絶縁性の合成紙(PPG社製のポリオ
レフィン系合成紙 商品名「Teslin」(登録商標)、あるいはユポ・コーポレーション製のポリプロピレン系合成紙 商品名「YUPO」(登録商標))等が用いられる。ここで、上述のプラスティックフィルムは、可撓性プラスティックフィルムであることが好ましい。また、基材41,42の厚さは、例えば、約100μm〜約1000μm程度のものを用いることができる。また、基材41,42の厚さは、約100μm〜約500μmの範囲であることがより好ましい。これにより、強度等、基材としての機能を十分に発揮することができるだけでなく、基材41,42に十分な柔軟性を具備させて冊子形状の用途にも応用することができる。
コポリエステル、PVC:塩化ビニル樹脂等)、あるいは絶縁性の合成紙(PPG社製のポリオ
レフィン系合成紙 商品名「Teslin」(登録商標)、あるいはユポ・コーポレーション製のポリプロピレン系合成紙 商品名「YUPO」(登録商標))等が用いられる。ここで、上述のプラスティックフィルムは、可撓性プラスティックフィルムであることが好ましい。また、基材41,42の厚さは、例えば、約100μm〜約1000μm程度のものを用いることができる。また、基材41,42の厚さは、約100μm〜約500μmの範囲であることがより好ましい。これにより、強度等、基材としての機能を十分に発揮することができるだけでなく、基材41,42に十分な柔軟性を具備させて冊子形状の用途にも応用することができる。
図5(b)に示すように、基材42には、樹脂封止部23を収容してその外表面を露出させる開口部42hが形成されている。開口部の外形は、樹脂封止部23の外形よりも一回り大きく形成され、開口部42hの内側面と樹脂封止部23との間の隙間Dはアンテナ基材1が占めるようになっている。すなわち、開口部42h内では、開口部42hにより露出された樹脂封止部23の外表面は絶縁性のアンテナ基材1により完全に覆われており、内側のICモジュールの配線部分が隙間Dから露呈することがないようになっている。
次に、この実施の形態の作用について説明する。
本実施形態のインレイ40では、図5(b)に示すように、開口部42hの外形が封止樹脂部23の外形よりも一回り大きく形成され、開口部42hの内側面と樹脂封止部23との間に隙間Dが形成されているが、その隙間Dは電気絶縁性を有するアンテナ基材1が占めている。そのため、外部の静電気が隙間Dから侵入することがないため、ICモジュール20に静電気が悪影響を及ぼすことを防止できる。 また、アンテナ基材1は、隙間Dにより曝されたICモジュール20の導電部であるリードフレーム21を密着して覆うことにより、高い絶縁効果を得ることができる。
本実施形態のインレイ40では、図5(b)に示すように、開口部42hの外形が封止樹脂部23の外形よりも一回り大きく形成され、開口部42hの内側面と樹脂封止部23との間に隙間Dが形成されているが、その隙間Dは電気絶縁性を有するアンテナ基材1が占めている。そのため、外部の静電気が隙間Dから侵入することがないため、ICモジュール20に静電気が悪影響を及ぼすことを防止できる。 また、アンテナ基材1は、隙間Dにより曝されたICモジュール20の導電部であるリードフレーム21を密着して覆うことにより、高い絶縁効果を得ることができる。
また、カバー材44、第一の基材41、アンテナ基材1及び厚みが適切に設定された第2の基材42を加圧しながら適切な温度で熱ラミネートすることにより基材42の外表面42aとアンテナ基材1の外表面43aを略面一にすることができる。すなわち、インレイ40の外表面の平坦性、平滑性を向上させることができる。隙間Dも完全に埋設される結果、ボールペン試験等の平坦性試験時に隙間Dにより引っ掛かりが生じることがなく、ボールペン試験等の平坦性試験の合格基準を十分に満足させることができる。
以上説明したように、本実施形態のインレイ40によれば、静電気の侵入を防止することができ、さらに外表面の平坦性の要求を満たすことができる。
また、本実施形態では、図4(a)及び図4(b)に示すインレット30に繰り返し曲げが加わると、ICモジュール20のアンテナランド25,25とアンテナ基材1のアンテナ接続ランド8,9とが接続された部分に繰り返し曲げによる応力が加わる。このとき、アンテナコイル4は基板2上に形成されたアルミニウムの薄膜をパターニングすることにより形成されているため、従来の巻線により形成されたアンテナコイルと比較して可撓性が向上し、特定の部位に応力が集中することが防止される。ここで基板2は、アンテナ基材1の支持基板を示し、実質的に同じものである。以下、同様である。
また、ICモジュール20のアンテナランド25,25に接続されるアンテナコイル4のアンテナ接続ランド8,9の幅W3は、アンテナコイル4の幅W1,W2よりも拡大され、ICモジュール20のアンテナランド25,25の幅W4と略同等か、またはやや小さくなるように形成されている。これにより、応力を幅W3方向に分散させ、応力の集中を防止できる。また、アンテナ接続ランド8,9をアンテナランド25,25の幅W4方向の全幅に亘って接続することができ、アンテナ接続ランド8,9をアンテナランド25
,25により確実に接続させ、アンテナコイル4及びインレット30の信頼性を向上させることができる。
,25により確実に接続させ、アンテナコイル4及びインレット30の信頼性を向上させることができる。
また、アンテナ基材1のアンテナ接続ランド8,9の長さL3は、ICモジュール20のアンテナランド25,25とアンテナ接続ランド8,9とが重なる部分の長さL4よりも大きく形成されている。また、本実施形態では、アンテナ接続ランド8,9の長さL3は、アンテナランド25,25とアンテナ接続ランド8,9が重なる部分の長さL4の略二倍に形成されている。これにより、アンテナランド25のエッジ25eは、アンテナ接続ランド8,9のアンテナコイル4側の端部よりも内側の略中央部に位置するように接続される。このため、アンテナランド25のエッジ25eは、アンテナコイル4の幅W1,W2よりも幅W3が拡大されたアンテナ接続ランド8,9の略中央部に当接する。
したがって、ICモジュール20のアンテナランド25,25とアンテナコイル4のアンテナ接続ランド8,9とが接続された部分に繰り返し曲げが加わった場合に、アンテナランド25のエッジ25eを幅W3が拡大されたアンテナ接続ランド8,9の略中央部によって受けることができる。これにより、アンテナコイル4への応力の集中を防止して、アンテナコイル4の断線を防止することができる。
加えて、アンテナコイル4及びアンテナ接続ランド8,9は基板2上に形成されているので、基板2がこれらの補強材として機能する。これにより、幅W1,W2の小さいアンテナコイル4がICモジュール20のアンテナランド25のエッジ25eに当たることを防止し、アンテナコイル4の断線を防止することができる。
また、基板2のアンテナ回路3が形成された面とは反対側の面には、アンテナ接続ランド8,9の形成領域に対応して、アンテナ接続ランド8,9を補強する補強用パターン12,13が形成されている。これにより、アンテナ接続ランド8,9を基板2とその裏面に形成された補強用パターン12,13との双方によって支持し、アンテナ接続ランド8,9を補強することができる。
したがって、アンテナ接続ランド8,9の曲げに対する強度が上昇し、ICモジュール20のアンテナランド25,25とアンテナコイル4のアンテナ接続ランド8,9とが接続された部分に繰り返し曲げが加わった場合であっても、アンテナ接続ランド8,9の破断を防止し、アンテナコイル4の断線を防止することができる。
また、応力により基板2が破壊された場合であっても、例えば、補強用パターン12,13をアンテナ接続ランド8,9に接触させて、補強用パターン12,13によりアンテナ接続ランド8,9を補助し、アンテナコイル4が断線することを防止できる。
また、本実施形態の薄膜状のアンテナコイル4は、例えば、エッチング等により一括して製造することができるので、製造過程において巻線のアンテナコイルを個々に配線していく場合と比較して、アンテナ基材1の生産性を著しく向上させることができる。
また、基板2にICモジュール20を固定する際に、アンテナ基材1にICモジュー
ル20の樹脂封止部23を収容可能な凹部7が形成されていることで、ICモジュール
20の樹脂封止部23の厚さを基板2の凹部7に収容することによって吸収し、インレ
ット30を薄型化することができる。
ル20の樹脂封止部23を収容可能な凹部7が形成されていることで、ICモジュール
20の樹脂封止部23の厚さを基板2の凹部7に収容することによって吸収し、インレ
ット30を薄型化することができる。
また、アンテナ接続ランド8,9の長さL3は、長さL方向に延伸して設けられたアンテナランド25,25の長さよりも大きく形成されているので、アンテナ接続ランド8,9によるICモジュール20及び基板2の支持面積を拡大することができる。これにより
、応力に対する耐久性を向上させ、アンテナ接続ランド8,9に曲げが作用した場合であっても、アンテナコイル4の断線を防止できる。
、応力に対する耐久性を向上させ、アンテナ接続ランド8,9に曲げが作用した場合であっても、アンテナコイル4の断線を防止できる。
また、アンテナ基材1の基板2のアンテナ接続ランド8,9が形成された面とは反対側の面のアンテナ接続ランド8,9の形成領域に補強用パターン12,13が形成されている。このため、抵抗溶接時の熱を補強用パターン12,13に伝熱させ、外部に放出することができる。これにより、基板2が過熱して溶融することを防止できる。したがって、抵抗溶接装置や製品に汚れが付着することを防止できるだけでなく、アンテナ基材1の曲げ強度が低下することを防止できる。
また、インレット30は上述のアンテナ基材1を備えているので、アンテナ基材1によりアンテナコイル4の断線を防止することができ、データ通信の信頼性を向上させ、さらにインレット30の生産性を向上させることができる。したがって、アンテナコイル4の断線が防止され、データ通信の信頼性が高く、かつ生産性の高いインレット30を提供することができる。
また、インレイ40は、上述のアンテナ基材1を備えたインレット30を有している
ので、アンテナ基材1によってアンテナコイル4の断線を防止することができ、データ
通信の信頼性を向上させ、さらに生産性を向上させることができる。また、基材41,42によりアンテナ基材1のアンテナ接続ランド8,9とICモジュール20のアンテナランド25,25との接続箇所を補強することができる。
したがって、アンテナコイル4の断線が防止され、データ通信の信頼性が高く、かつ生産性の高いインレイ40を提供することができる。
(インレイの製造方法)
ので、アンテナ基材1によってアンテナコイル4の断線を防止することができ、データ
通信の信頼性を向上させ、さらに生産性を向上させることができる。また、基材41,42によりアンテナ基材1のアンテナ接続ランド8,9とICモジュール20のアンテナランド25,25との接続箇所を補強することができる。
したがって、アンテナコイル4の断線が防止され、データ通信の信頼性が高く、かつ生産性の高いインレイ40を提供することができる。
(インレイの製造方法)
次に、本実施形態のインレイ40の製造方法について説明する。
まず、第1の基材41にインレット30のリードフレーム21と同一かわずかに大きい開口部45を形成する。この開口部にリードフレーム21が収容されるように、認識マーク(図示せず)を利用してインレット30と基材41を仮接合する。一方、第2の基材42には予めインレット30が備えるICモジュール20の樹脂封止部23に対応する位置に、樹脂封止部23の外形よりも一回り大きい開口部42hを形成しておく。以下、第一、第二を省略し、単に基材と記す場合がある。
次に、この基材42の開口部42hにICモジュール20の樹脂封止部23が収容されるように基準ピンを利用して基材41を積層する。最後に基材41の上にカバー材44を積層する。
次に、上記の積層体を加熱したまま外側から押圧して互いに押し付けて圧縮するプレス工程を行う。このプレス工程により、基材41,42及び開口部42h内のアンテナ基材1が圧縮されるとともに、基材42の外表面42aと封止材34の外表面34aとが略平坦かつ略面一に形成される。
また、基材41,42として上述の合成紙を用いる場合には、インレット30と基材41,42との接合方法として、接着剤をインレット30のアンテナ基材1、あるいは基
材41,42のアンテナ基材1に接する面に塗布しておき、例えば、約70℃−140
℃程度の比較的低温度で接合する接着ラミネート法を用いる。
材41,42のアンテナ基材1に接する面に塗布しておき、例えば、約70℃−140
℃程度の比較的低温度で接合する接着ラミネート法を用いる。
接着剤としては、例えば、EVA(エチレンビニルアセテート樹脂)系、EAA(エチレンアクリル酸共重合樹脂)系、ポリエステル系、ポリウレンタン系等を用いることがで
きる。
また、接着剤を塗布する代わりに、上記の接着剤に用いられる樹脂を使用した接着シートをアンテナ基材1と基材41,42との間に挟んで使用することもできる。
きる。
また、接着剤を塗布する代わりに、上記の接着剤に用いられる樹脂を使用した接着シートをアンテナ基材1と基材41,42との間に挟んで使用することもできる。
基材41,42として上記の熱可塑性のプラスティックフィルムを用いる場合には、インレット30と基材41,42との接合方法として、両者を加圧しながら基材41,42の軟化温度を超える温度、例えば、約130℃〜170℃程度に加熱することにより溶融接合する熱ラミネート法を用いる。また、熱ラミネート法を用いる場合も、溶融接合を確実にするために上述の接着剤を併用してもよい。
インレット30が基材41,42及びカバー材とが接合された後、一体化された基材41,42とインレット30とを所望の形状に外形加工する。
以上により、図5(a)及び図5(b)に示すインレイ40を製造することができる。
ここで、基材41,42の軟化温度は、PET−Gは約100℃〜150℃、PVCは約80℃〜100℃程度である。
一方、アンテナ基材1の基板2は、上述の実施形態で説明したように、PENまたはPETにより形成されている。PENの軟化温度は約269℃程度であり、PETの軟化温度は約258℃程度となっている。すなわち、従来アンテナ基材の基板として用いられていたPET−G等の低軟化点の熱可塑性材料と比較して、基板2の耐熱温度を上昇させることができる。
一方、アンテナ基材1の基板2は、上述の実施形態で説明したように、PENまたはPETにより形成されている。PENの軟化温度は約269℃程度であり、PETの軟化温度は約258℃程度となっている。すなわち、従来アンテナ基材の基板として用いられていたPET−G等の低軟化点の熱可塑性材料と比較して、基板2の耐熱温度を上昇させることができる。
このため、基材41,42とインレット30とを約130℃〜170℃程度に加熱すると、基材41,42は軟化するが、アンテナ基材1の基板2はわずかしか軟化しない。これにより、アンテナ基材1を備えたインレット30と基材41,42とを積層して熱ラミネート法により接合する際に、アンテナ基材1の基板2に熱が加わった場合であっても、基板2が可塑化して流動することはないが、隙間Dを完全に埋設する程度に軟化させることができる。
また、万が一、基板2が軟化温度を超えて過熱され、基板2が熱により可塑化して流動した場合に、上述のようにアンテナコイル4が膜状に形成されているので、従来の巻線アンテナコイルと比較して、アンテナコイル4の基板2との接触面積が増大し、アンテナコイル4の流動抵抗を大きくすることができる。したがって、アンテナコイル4が基板2の流動に伴って移動することを防止し、データ通信の信頼性を向上させることができる。
(電子パスポート)
(電子パスポート)
次に、カバー材付インレイ、非接触型IC付データキャリアの一例として、電子パスポート100について説明する。
図6に示すように、電子パスポート100は、表紙として上述のインレイ40を備えている。インレイ40には、一方の面に電子パスポート100の表紙となるカバー材44が接合されている。
このように、インレイ40にカバー材44を接合することで、インレイ40を備えた電子パスポート100の外観及び質感を従来のパスポートと同等のものとすることができる。また、インレイ40は、静電気の侵入が防止され、外表面の平坦性が向上されているので、データ通信の信頼性が高く、文字の記入性やスタンプの印字性が向上され、外観が良好な電子パスポート100を提供することができる。
尚、この発明は上述した実施の形態に限られるものではなく、例えば、アンテナコイルは特許第3721520号公報に記載されているような針金状の巻線コイルであってもよい。この場合には、アンテナ基材の基板として、上述の実施形態においてインレットを挟持した基材と同様の材料を用いることができ、インレットの外側に貼り合わせる基材の一つを省略することができる。したがって、アンテナ基材の基板の外表面にカバー材を接合する場合と比較して、カバー付インレイを薄型化することができる。
また、アンテナ基材の基板としてカバー材を用い、第二の基材として上述の実施形態において説明した開口部を有する基材と同様の材料を用いることで、カバー材付インレイをさらに薄型化し、より柔軟性を具備させることが可能となる。
また、上述の実施形態では、インレイの製造時にプレス工程を導入したが、プレス工程は行わなくてもよい。プレス工程を行わなくても、ICモジュールと基材の開口部の内側面との間の隙間をアンテナ基材によって埋めることが可能である。プレス工程以外にも、例えば、ローラーやスクレーパー等を用いることにより基材の外表面と封止材の外表面を一定程度平坦に形成することができる。
また、アンテナコイルの形状は矩形でなくてもよい。また、アンテナコイルの巻き数は述の実施形態に限定されない。また、アンテナ回路の材質は、アルミニウム以外にも、例えば、金、銀、銅等の材料により形成してもよい。
また、上述の実施形態では、インレイを備える非接触型ICデータキャリアとして電子パスポートを例に挙げて説明したが、本発明のインレイは、電子パスポート以外にも、例えば、電子身分証明書類、各種活動履歴電子確認書類等に用いることができる。
(性能評価)
(性能評価)
第一の基材41として厚さ178μmのポリオレフィン系合成紙を、第2の基材42(以下、単に基材と記す)として厚さ178μmで、ICモジュールが配置される部分に開口部を有するポリエレフィン系合成紙を、カバー材として「コットン」「紙」用い、Iアンテナ回路を予め形成しICモジュールを搭載した38μmのPETフィルムをアンテナ基材とした。
アンテナ基材1の所定箇所にはエンボス成型によりアンテナ基材1から矩型状に突出した深さ100μmの凹部を形成し、当該部位にICモジュールを位置合わせして収容し接着して固定した。
第一の基材41、基材42にそれぞれ水系エマルジョン接着剤(EAA)を塗布しておき、アンテナ基材1のICモジュール突出部と基材42の開口部の位置が合うように、基材41、アンテナ基材1、基材42の順で貼り合わせ、加圧しつつ熱ラミネートすることにより実施例1のサンプルとした。個片に断裁して30個の評価用インレイサンプルを切り出した。
(静電気試験)
アンテナ基材1の所定箇所にはエンボス成型によりアンテナ基材1から矩型状に突出した深さ100μmの凹部を形成し、当該部位にICモジュールを位置合わせして収容し接着して固定した。
第一の基材41、基材42にそれぞれ水系エマルジョン接着剤(EAA)を塗布しておき、アンテナ基材1のICモジュール突出部と基材42の開口部の位置が合うように、基材41、アンテナ基材1、基材42の順で貼り合わせ、加圧しつつ熱ラミネートすることにより実施例1のサンプルとした。個片に断裁して30個の評価用インレイサンプルを切り出した。
(静電気試験)
ISO10373−7、JIS X6305−7に準拠して静電気試験を行った。
先ず、上記インレイサンプルを、ICモジュールの樹脂封止層側(以下、開口部と記す)が上を向くようにしてインレイの長方形状の長辺方向を左右方向、短辺方向を上下方向として、開口部が平面視で長方形の右上の角に位置するように配置する。そして、開口部が形成された基材の外表面から、+6kV、−6kV、+8kV、−8kVの電圧を順次印加した。このとき、異なる電圧値を印加する度に、ICチップの基本動作を確認し、インレイの通信応答を測定した。
電圧を印加する位置は、アンテナコイルを外周とする横長の長方形の領域を縦方向に4
分割、横方向に5分割した縦×横が4×5の合計20の領域のそれぞれ(位置20)と、ICモジュールの樹脂封止部の中央(位置中央)と、開口部の左側の基材上(位置左)と、開口部の右側の基材上(位置右)と、開口部の上側の基材上(位置上)と、開口部の下側の基材上(位置下)と、の計25箇所として、順次測定を行った。
いずれのインレイサンプルにおいても、動作不良などの異常は検出されなかった。
電圧を印加する位置は、アンテナコイルを外周とする横長の長方形の領域を縦方向に4
分割、横方向に5分割した縦×横が4×5の合計20の領域のそれぞれ(位置20)と、ICモジュールの樹脂封止部の中央(位置中央)と、開口部の左側の基材上(位置左)と、開口部の右側の基材上(位置右)と、開口部の上側の基材上(位置上)と、開口部の下側の基材上(位置下)と、の計25箇所として、順次測定を行った。
いずれのインレイサンプルにおいても、動作不良などの異常は検出されなかった。
これに対しアンテナ基材1に開口部を設け、ICモジュールがアンテナ基材1で被覆されないインレイサンプルの場合には、±6kV以下ですべてのサンプルで異常が検出された。
(ボールペン試験)
(ボールペン試験)
基材42の外表面において、ボールペンを用い、アンテナコイルの長辺方向に沿って、ICモジュール上を通過するようにボールペンを走行させた。
使用したボールペンは市販のボール直径が1mmのボールペンであり、荷重600g、速度25mm/secにてボールペンを走行させ、25往復後に、ICチップの基本動作を確認し、インレイの通信応答を測定した。
すべてのインレイサンプルで通信応答上の異常は検出されなかった。
使用したボールペンは市販のボール直径が1mmのボールペンであり、荷重600g、速度25mm/secにてボールペンを走行させ、25往復後に、ICチップの基本動作を確認し、インレイの通信応答を測定した。
すべてのインレイサンプルで通信応答上の異常は検出されなかった。
1・・・アンテナ基材
2・・・基板(第一の基材)
3・・・アンテナ回路
4・・・アンテナコイル
7・・・アンテナ基材に形成した凹部
8,9・・・アンテナ接続ランド
12,13・・・補強用パターン
20・・・ICモジュール
20a・・・外表面
21・・・リードフレーム
22・・・ICチップ
23・・・樹脂封止部
24・・・ダイパッド
25・・・アンテナランド
26・・・ボンディングワイヤ
30・・・インレット
40,40B,40C・・・インレイ
41・・・基材(第一の基材)
42・・・基材(第二の基材)
42a・・・外表面
42h,42H・・・開口部
43・・・封止材
43a・・・外表面
44・・・カバー材
100・・・電子パスポート(カバー付インレイ・非接触型IC付データキャリア)
2・・・基板(第一の基材)
3・・・アンテナ回路
4・・・アンテナコイル
7・・・アンテナ基材に形成した凹部
8,9・・・アンテナ接続ランド
12,13・・・補強用パターン
20・・・ICモジュール
20a・・・外表面
21・・・リードフレーム
22・・・ICチップ
23・・・樹脂封止部
24・・・ダイパッド
25・・・アンテナランド
26・・・ボンディングワイヤ
30・・・インレット
40,40B,40C・・・インレイ
41・・・基材(第一の基材)
42・・・基材(第二の基材)
42a・・・外表面
42h,42H・・・開口部
43・・・封止材
43a・・・外表面
44・・・カバー材
100・・・電子パスポート(カバー付インレイ・非接触型IC付データキャリア)
Claims (4)
- 少なくとも、カバー材と、第一の基材と、リードフレームを介してICモジュールと接続する該ICモジュールを搭載するアンテナ基材と、及び第2の基材と、をこの順に積層したインレイであって、
前記アンテナ基材の一方の面に、他方の面に突出する凹部が設けられ、
前記ICモジュールのICを被覆する樹脂封止部が前記アンテナ基材の凹部に収容され、且つ前記アンテナ基材の他方の面の突出した凹部が第2の基材に形成された開口部に嵌合するように収容されていることを特徴とするインレイ。 - 前記リードフレームも前記第一の基材に形成された開口部に収容されていることを特徴とする請求項1記載のインレイ。
- 請求項1又は請求項2に記載のインレイを備えることを特徴とする非接触型情報媒体。
- 少なくとも、
アンテナ基材上に、少なくともアンテナパターン及び配線パターンをエッチング法により形成する工程と、
前記アンテナ基材の一方の面に該アンテナ基材の他方の面から突出する凹部を形成する工程と、
前記凹部にICモジュールを収容するように接着する工程と、
第一の基材の一方の面に前記アンテナ基材の凹部側を貼り付ける工程と、
前記アンテナ基材から突出する凹部が第2の基材に形成された開口部に嵌合するようにアンテナ基材と第一の基材とを積層する工程と、
第一の基材の他方の面にカバー材を積層する工程と、
前記積層されたカバー材、第一の基材、アンテナ基材及び第2の基材を加圧して熱ラミネートにより一体化する工程と、を有することを特徴とする請求項1に記載のインレイの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008289737A JP2010117833A (ja) | 2008-11-12 | 2008-11-12 | インレイ及びその製造方法並びに非接触型情報媒体 |
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Publications (1)
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ID=42305484
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Country Status (1)
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JP (1) | JP2010117833A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014032510A (ja) * | 2012-08-02 | 2014-02-20 | Dainippon Printing Co Ltd | 非接触及び接触共用icカード、非接触及び接触共用icカードの製造方法 |
JP2015097100A (ja) * | 2014-12-19 | 2015-05-21 | 大日本印刷株式会社 | 非接触及び接触共用icカード |
-
2008
- 2008-11-12 JP JP2008289737A patent/JP2010117833A/ja active Pending
Cited By (2)
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JP2014032510A (ja) * | 2012-08-02 | 2014-02-20 | Dainippon Printing Co Ltd | 非接触及び接触共用icカード、非接触及び接触共用icカードの製造方法 |
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