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JP2010103311A - 積層基板 - Google Patents

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JP2010103311A
JP2010103311A JP2008273419A JP2008273419A JP2010103311A JP 2010103311 A JP2010103311 A JP 2010103311A JP 2008273419 A JP2008273419 A JP 2008273419A JP 2008273419 A JP2008273419 A JP 2008273419A JP 2010103311 A JP2010103311 A JP 2010103311A
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insulating layer
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stress
copper
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JP2008273419A
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Yuji Yagi
雄二 八木
Kensuke Wada
賢介 和田
Yasushi Yamada
靖 山田
Takashi Atsumi
貴司 渥美
Ikuro Nakagawa
郁朗 中川
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Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
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    • HELECTRICITY
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Abstract

【課題】 窒化アルミニウムと銅が積層された積層基板において、加熱・冷却の繰り返しの熱負荷が何回加えられても、絶縁層に亀裂が生じない技術を提供する。
【解決手段】 積層基板2は、窒化アルミニウムの絶縁層6と、絶縁層6上に形成されている銅の導電層4を備えている。導電層4は、厚肉部4aと薄肉部4bを有している。厚肉部4aの一部は、半導体装置を接合する接合領域を形成している。薄肉部4bは、接合領域外側に設けられているとともに接合領域よりも薄く形成されている。薄肉部4bは、導電層4の外周から少なくとも1.2mmの範囲内で厚みが0.05mm以下に形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体装置を接合する積層基板に関する。
半導体装置の高出力化に伴って半導体装置の発熱量が増大しており、その発熱に対策するための技術が望まれている。例えば、IGBT、MOSFETのような半導体装置は、その発熱量が大きいことから、発熱に対する対策が特に必要とされている。このため、この種の半導体装置は、例えば、水冷式のヒートシンクのような冷却器上に設けられていることが多い。
冷却器と半導体装置の間には、伝熱性と絶縁性を確保しなければならない。さらに、この種の積層基板には、加熱・冷却に伴って積層基板内に発生する内部応力に抗して破壊されない特性も望まれている。例えば、特許文献1に開示される積層基板は、窒化アルミニウムの絶縁層と、その絶縁層上に形成されている銅の導電層を備えている。熱伝導の観点から、絶縁層の材料の材料としては窒化アルミニウムが好ましい。熱伝導や電気伝導の観点から、導電層の材料としては銅が好ましい。また、特許文献1の積層基板では、導電層の厚みが、半導体装置が接合される接合領域では厚く、接合領域の外側では薄く形成されている。この形態によると、絶縁層に発生する内部応力を減少させることができ、絶縁層に亀裂が生じることを抑制することができる。
特開平1−59986号公報
例えば、自動車に搭載される半導体装置用の積層基板には、−40℃〜200℃の冷熱サイクルにおいても破壊されない特性が必要とされている。特許文献1は、絶縁層に発生する内部応力を減少させる技術を教示するものの、上記の過酷な冷熱サイクルにおいて破壊されない条件まで教示するものではない。冷熱サイクルにおいて確実に破壊されないという臨界的条件を見出すことは、極めて有用な意味を持つ。
本発明は、窒化アルミニウムと銅が積層された積層基板において、−40℃〜200℃の冷熱サイクルが何回加えられても、絶縁層に亀裂が生じない技術を提供することを目的とする。
本発明者らは、積層基板の加熱・冷却を繰り返すと、導電層(銅)が硬化し、その硬化に伴って絶縁層(窒化アルミニウム)に発生する内部応力が増大していくことに着目した。また、導電層(銅)の硬化は飽和することに着目した。本明細書でいう「導電層の硬化が飽和する」とは、導電層の硬化が進行しなくなる状態のことをいう。換言すると、導電層の硬度が最も高い状態のことをいう。導電層(銅)が飽和している状態で−40℃〜200℃の冷熱サイクルを実施したときに、絶縁層(窒化アルミニウム)に亀裂が生じない条件を見出せば、その条件は積層基板が冷熱サイクルにおいて確実に破壊されない臨界的条件となる。本発明者らは、金属硬化を指標とした新たな思想に基づいて臨界的条件を見出し、絶縁層に亀裂が生じない積層基板を完成させた。
本明細書で開示する積層基板は、窒化アルミニウムの絶縁層と、その絶縁層上に形成されている銅の導電層を備えている。導電層は、半導体装置を接合する接合領域と、その接合領域の厚みよりも薄く形成されている薄肉部を有している。薄肉部は、接合領域の外側に設けられている。その薄肉部は、導電層の外周から少なくとも1.2mmの範囲内で厚みが0.05mm以下に形成されている。なお、「薄肉部が接合領域の外側に設けられている」とは、薄肉部が接合領域の外周から外側に向けて伸びている形態の他、接合領域の外周に接合領域よりも厚い領域が設けられており、その厚い領域の外側に薄肉部が設けられている形態、接合領域と薄肉部の間の厚みが連続的に変化している形態等も含む。
本明細書で開示する積層基板では、接合領域の厚みが0.3mm以上であることが好ましい。積層基板の導電層に、大きな電流を流すことができる。大電流が流れるタイプの半導体装置を積層基板に接合することができる。
本発明の技術によると、窒化アルミニウムと銅が積層された積層基板において、加熱・冷却の繰り返しの熱負荷が何回加えられても、絶縁層に亀裂が生じない積層基板を得ることができる。
以下に説明する実施例の特徴について記載する。
(第1特徴)導電層の接合領域に、縦型の半導体装置が接合される。
(第2特徴)絶縁層の両面に導電層が設けられており、一方の導電層に半導体装置が接合されており、他方の導電層に放熱板が接合されている。
(第1実施例)
図1に、積層基板2の要部断面図を示す。
積層基板2は、絶縁層6と、絶縁層6の表裏面に形成されている導電層4を備えている。絶縁層6の材料は、窒化アルミニウム(AlN)である。導電層4の材料は、純度99.96%以上の無酸素銅である。導電層4は、900℃で絶縁層6にろう付けされている。導電層4は、厚肉部4aと薄肉部4bを有している。厚肉部4aの厚みT4aは0.3mm以上である。薄肉部4bの厚みT4bは0.05mm以下であり、薄肉部4bの導電層4の外周からの距離L4bは1.2mm以上である。図示は省略するが、積層基板2を平面視すると、薄肉部4bは、厚肉部4aを取り囲むように設けられている。
図2に、積層基板2の使用例を示す。
導電層4の一方に、半導体装置8の裏面電極(図示省略)がはんだ接合されている。半導体装置8は、導電層4の接合領域4cに接合されている。接合領域4cは、厚肉部4aの一部である。半導体装置8内を流れる電流は、導電層4の一方を流れることができる。導電層4の他方(半導体装置8が接合されている側とは反対側)に、放熱板12がはんだ接合されている。放熱板12は冷却部13によって冷却されており、積層基板2を介して、半導体装置8を冷却する。そのため、積層基板2は、半導体装置8の発熱により加熱され、冷却部13によって冷却される。
上記したように、積層基板2では、導電層4が厚肉部4aと薄肉部4bを有しており、薄肉部4bの厚みT4bは0.05mm以下であり、薄肉部4bの導電層4の外周からの距離L4bは1.2mm以上である。そのため、積層基板2は、−40℃〜200℃の冷却・加熱の熱負荷が何回加えられても、破壊等の不具合が生じることがない。
上記実施例では、厚肉部4aの厚みは0.3mm以上で均一であり、厚肉部4aの一部に接合領域4cが形成されている。換言すると、接合領域4cの外周から接合領域4cの外側に向けて、接合領域4cと同じ厚みの導電層が伸びている。しかしながら、接合領域4cの厚みが0.3mm以上であれば、接合領域4cと薄肉部4bの間の厚みは任意である。例えば、接合領域4cの厚みが0.3mm以上であり、接合領域4cから薄肉部4bに向けて導電層4の厚みが連続的に変化していてもよい。また、接合領域4cと薄肉部4bの間の導電層4の厚みが、接合領域4cよりも厚くてもよい。なお、接合領域4cの厚みは、薄肉部4bの厚みよりも厚く形成されてさえいれば、0.3mm未満で形成されていてもよい。
上記したように、積層基板2は、−40℃〜200℃の冷却・加熱の熱負荷が何回加えられても、破壊等の不具合が生じない。すなわち、−40℃〜200℃の冷熱サイクルが何回加えられても、絶縁層6(窒化アルミニウム)に亀裂が生じない。以下の実験により、その理由を説明する。
(実験例1)
まず、積層基板の絶縁層に亀裂が生じる原因を解明するための実験を行った。
図3に示す積層基板22を複数作成し、積層基板22を−40℃まで冷却し、200℃まで加熱する繰り返しを1サイクルとする冷熱サイクル試験を実施した。ここで、積層基板22について説明する。積層基板22は、絶縁層26と、絶縁層26の表裏面に形成されている導電層24を備えている。絶縁層26の材料は窒化アルミニウムであり、導電層4の材料は純度99.96%以上の無酸素銅である。なお、本実験では、導電層24の厚みT24が0.05mm,0.1mm,0.15mm,0.3mmの4種類の積層基板22を作成した。それらの積層基板22について、絶縁層26に亀裂が生じるまで冷熱サイクル試験を実施した。なお、亀裂は、導電層24の外周と絶縁層26の接合部25から、絶縁層26の内部に向けて生じた。冷却サイクル試験の結果を表1に示す。
表1の○は、亀裂が生じていないことを示している。表1の×は、亀裂が生じたことを示している。表1に示すように、導電層24の厚みT24を0.05mmにすれば、冷熱サイクル試験を3000サイクル行っても絶縁層26に亀裂が生じなかった。すなわち、導電層24の厚みT24を0.05mmで形成すれば、加熱・冷却の熱負荷が3000回加えられても、絶縁層26に亀裂が生じないことが判明した。
図4に、冷熱サイクル試験を3000サイクル行ったときの、絶縁層26の超音波画像を示している。(a)は導電層24の厚みT24が0.05mmの画像を示し、(b)は導電層24の厚みT24が0.1mmの画像を示し、(c)は導電層24の厚みT24が0.15mmの画像を示している。画像の白い四角で囲われている部分は、導電層24と絶縁層26の境界を示している。白い四角で囲われている部分の内側の白い部分は、絶縁層26に生じた亀裂を示している。図4の画像からも、導電層24の厚みT24を0.05mmにすれば、冷熱サイクル試験を3000サイクル行っても絶縁層26に亀裂が生じないことが確認できる。
また、表1に示すように、導電層24の厚みT4が0.1mm、0.15mmの場合、冷熱サイクル試験500サイクルまでは絶縁層26に亀裂が生じないものの、冷熱サイクル試験1000サイクルで亀裂が確認された。材料(銅、窒化アルミニウム)の熱膨張係数は、冷熱サイクル試験を繰り返しても変化しない。そのため、所定温度における銅と窒化アルミニウムの膨張差は、冷熱サイクル試験を繰り返しても変化しない。材料の応力−ひずみの関係が常に一定であれば、所定温度における銅と窒化アルミニウムの間に生じる応力も一定である。しかしながら、実際には、冷熱サイクル試験500サイクルまでは絶縁層26に亀裂が生じないものの、冷熱サイクル試験1000サイクルで亀裂が生じる。これは、冷熱サイクル試験を繰り返すに従って、銅と窒化アルミニウムの間に生じる応力が増大していることを示している。
そこで、銅の加工硬化に着目した。加工硬化とは、金属が膨張・収縮を繰り返すことにより硬化する現象のことをいう。金属のひずみ量を同じにしても、硬化が進行した金属に加えられる応力は、硬化が進行していない金属に加えられる応力よりも大きい。
図5に、銅片の引張・圧縮を繰り返したときの、応力とひずみの関係を示す。グラフの横軸は銅片のひずみ(%)を示し、縦軸は銅片に加える応力(MPa)を示している。グラフの曲線は、銅片に±0.5%のひずみを与えたときの応力を示している。破線で示している曲線は、繰り返し1〜3回までの結果を示し、実線で示している曲線は、引張・圧縮を635回繰り返したときの結果を示している。また、図6に、引張・圧縮の繰り返し回数(サイクル数)と、各々のサイクル数における応力の最大値,最小値との関係を示す。グラフの横軸は引張・圧縮の繰り返し回数(サイクル)を示し、縦軸は応力(MPa)を示している。実線で示している曲線は応力の最大値を示し、破線で示している曲線は応力の最小値を示している。
図5,6から明らかなように、引張・圧縮のサイクル数が増加するに従って、銅片に加えられる応力が増加している。これは、引張・圧縮を繰り返すに従って、銅片が硬化していることを示している。なお、図6に示すように、銅片の応力の増加は無限大ではない。銅片に±0.5%のひずみを繰り返し与える加える場合、引張・圧縮を635回繰り返すと、応力の増加がみられなくなり銅片が破断する。すなわち、銅片に±0.5%のひずみを繰り返し与える加える場合、引張・圧縮を635回繰り返すと、銅片の硬化が飽和する。
図3に示す積層基板22において、導電層24と絶縁層26の接合部25にかかる応力は、導電層(銅)24の硬化が飽和しているときに最大となる。すなわち、導電層24の硬化が飽和している状態で積層基板22を加熱・冷却し、接合部25に亀裂が生じなければ、その後、積層基板22の加熱・冷却を繰り返しても、接合部25に亀裂が生じない。導電層24の硬化が飽和している状態で−40℃〜200℃の冷熱サイクルを実施したときに接合部25に亀裂が生じない条件は、積層基板22が確実に破壊されない臨界的条件である。
上記したように、導電層24の厚みT4が0.05mmの場合、冷熱サイクル試験を3000サイクル行っても、接合部25に亀裂が生じない。冷熱サイクル試験を3000サイクル行ったときの導電層24の硬化が飽和していれば、その後、冷熱サイクル試験を繰り返しても、接合部25に亀裂が生じない。
図7に、銅片に±0.1%のひずみを与えながら引張・圧縮を繰り返したときの、引張・圧縮の繰り返し回数(サイクル数)と、各々のサイクル数における応力の最大値,最小値との関係を示す。グラフの横軸は引張・圧縮の繰り返し回数(サイクル)を示し、縦軸は応力(MPa)を示している。実線で示している曲線は応力の最大値を示し、破線で示している曲線は応力の最小値を示している。
ここで、銅のCTE(線膨張係数)は17ppm/Kであり、窒化アルミニウムのCTEは3.7ppm/Kである。そのため、積層基板22を200℃と−40℃の間で繰り返し加熱・冷却すると、導電層24に、±0.12%のひずみが生じる。
図7に示すように、銅片に±0.1%のひずみを与えながら引張・圧縮を繰り返すと、銅片の硬化は、およそ3000サイクルで飽和する。この結果より、銅片に±0.12%のひずみを与えながら引張・圧縮を繰り返すと、3000サイクルよりも短いサイクルで、銅片の硬化は飽和する。すなわち、積層基板22の冷熱サイクル試験を3000サイクル行ったときの導電層24の硬化は飽和しており、その後、冷熱サイクル試験を継続しても、接合部25に亀裂が生じることはない。導電層24の厚みT24が0.05mm以下の場合、冷熱サイクル試験を何サイクル繰り返しても、接合部25に亀裂が生じないことが判明した。
次に、図8に示すモデル32を作成し、導電層(銅)34の硬化が飽和している状態における、導電層34から絶縁層36に加えられる応力を、導電層34の厚みT34毎に計算した。ここでは、導電層34の外周と絶縁層36の接合部35に加えられる応力を、FEM(有限要素法)を利用してシミュレーションした。接合部35に加えられる応力として、積層基板32が−40℃に冷却されているときの応力を採用した。積層基板32が−40℃に冷却されているときに、導電層34から絶縁層36の接合部35に最大の応力が加えられる。シミュレーション結果を図9に示す。
図9のグラフの横軸は導電層34の厚みT34(mm)を示し、縦軸は導電層34から接合部35に加えられる応力(MPa)を示す。曲線31は、導電層34の硬化が飽和している状態における、導電層34から絶縁層36に加えられる応力を示している。曲線33は、冷熱サイクル試験を1サイクル実施した状態における、導電層34から絶縁層36に加えられる応力を示している。
表1を参照して説明したように、導電層34の厚みT34が0.05mm以下の場合、冷熱サイクル試験を何サイクル繰り返しても、絶縁層36に亀裂が生じない。図9の曲線より、導電層34から絶縁層36に加えられる応力が217MPa以下であれば、その応力が絶縁層36に何回加えられても、絶縁層36に亀裂が生じない。なお、曲線33に示すように、冷熱サイクル試験を1サイクル実施した時点では、導電層34の厚みT34が0.3mmであっても、導電層34から絶縁層36に加えられる応力が217Mpaに達しない。これは、導電層34の硬化が飽和していないからである。
図10に、冷熱サイクル試験のサイクル数と、接合部35における導電層34から絶縁層36に加えられる応力の関係を示す。グラフの横軸は冷熱サイクル試験のサイクル数を示し、縦軸は導電層34から絶縁層36の接合部35に加えられる応力(MPa)を示す。曲線30は、導電層34の厚みT34が0.05mmの結果を示している。曲線37は、導電層34の厚みT34が0.1mmの結果を示している。曲線38は、導電層34の厚みT34が0.15mmの結果を示している。曲線39は、導電層34の厚みT34が0.3mmの結果を示している。なお、曲線30,37,38,39は、図7の実験結果に基づいて、FEMを利用してシミュレーションした結果である。
曲線30,37,38,39に示すように、導電層34の厚みT34に係わらず、およそ3000サイクルまでは、導電層34から絶縁層36に加えられる応力が増加している。そして、3000サイクル以降は、導電層34から絶縁層36に加えられる応力はほぼ一定である。このシミュレーション結果からも、冷熱サイクル試験を3000サイクル繰り返したときに絶縁層36に亀裂が生じなければ、それ以降冷熱サイクル試験を継続しても、絶縁層36に亀裂が生じないことがわかる。
曲線30に示すように、導電層34の厚みT34が0.05mmの場合、およそ3000サイクルで応力が217MPaに達し、その後応力は増加しない。曲線37に示すように、導電層34の厚みT34が0.1mmの場合、およそ200サイクルで応力が217MPaに達している。曲線38に示すように、導電層34の厚みT34が0.15mmの場合、およそ90サイクルで応力が217MPaに達している。曲線39に示すように、導電層34の厚みT34が0.3mmの場合、およそ40サイクルで応力が217MPaに達している。表1で説明したように、導電層34の厚みT34が0.1mm,0.15mmの場合、500サイクルまでは絶縁層36に亀裂は生じない。すなわち、導電層34から絶縁層36に加えられる応力が217MPaに達すると直ちに、絶縁層36に亀裂が生じるわけではない。換言すると、導電層34から絶縁層36に加えられる応力が217MPaを超えない限り、絶縁層36に亀裂が生じることはない。
図2の半導体装置8を接合する接合領域4cでは、導電層4の厚みを厚く形成し、導電層4に大電流を流す必要がある。そこで、図11に示すモデル42を作成し、導電層(銅)44の硬化が飽和している状態における、導電層44から絶縁層46に加えられる応力を、厚肉部44aの厚みT44a毎に計算した。ここでは、導電層44の外周と絶縁層46の接合部45に加えられる応力と、厚肉部44aと薄肉部44bの境界部と絶縁層46の接合部47に加えられる応力とを、FEMを利用してシミュレーションした。接合部45,47に加えられる応力として、積層基板42が−40℃に冷却されているときの応力を採用した。また、薄肉部44bの厚みは0.05mmとした。
図12に接合部45に加えられる応力のシミュレーション結果を示し、図13に接合部47に加えられる応力のシミュレーション結果を示す。グラフの横軸は薄肉部44bの外周からの距離L44b(mm)を示し、縦軸は導電層44から接合部45,47に加えられる応力(MPa)を示す。
図12の曲線41は厚肉部44aの厚みT44aが0.3mmのときの応力を示し、曲線43は厚肉部44aの厚みT44aが0.5mmのときの応力を示し、曲線49は厚肉部44aの厚みT44aが0.7mmのときの応力を示している。
図10のグラフを参照して説明したように、導電層44から絶縁層46に加えられる応力が217MPa以下であれば、その応力が絶縁層46に何回加えられても、絶縁層46に亀裂が生じない。図12の曲線41,43,49より、薄肉部44bの導電層44の外周からの距離L44bが1.2mm以上であれば、接合部45に217MPaよりも大きな応力が加わらない。そのため、薄肉部44bの導電層44の外周からの距離L44bが1.2mm以上であれば、絶縁層46の接合部45に亀裂が生じない。この結果は、薄肉部44bの導電層44の外周からの距離L44bが1.2mm以上であれば、厚肉部44aの厚みを0.05mmよりも厚くすることができることを示している。
図13の曲線51は厚肉部44aの厚みT44aが0.3mmのときの応力を示し、曲線53は厚肉部44aの厚みT44aが0.5mmのときの応力を示し、曲線59は厚肉部44aの厚みT44aが0.7mmのときの応力を示している。
図13の曲線51,53,59より、薄肉部44bの導電層44の外周からの距離L44bが1.2mm以上であれば、接合部47に217MPaよりも大きな応力が加わらない。そのため、薄肉部44bの導電層44の外周からの距離L44bが0.5mm以上であれば、接合部45に亀裂が生じない。
図12,13の結果より、薄肉部44b導電層44の外周からの距離L44bが1.2mm以上であれば、絶縁層46に亀裂が生じない。すなわち、図1に示す積層基板2において、薄肉部4bの厚みT4bが0.05mm以下であり、薄肉部4bの導電層4の外周からの距離L4bが1.2mm以上であれば、積層基板2の加熱・冷却が何回繰り返されても、絶縁層6が破壊することはない。
図14に、図8のモデル32と図11のモデル42における、絶縁層36,46に加えられる応力の分布図を示す。(a)はモデル32を示し、(b)はモデル42を示し、(c)は絶縁層36,46の位置毎の応力分布を示している。曲線61は、モデル32の絶縁層36に加えられる応力の分布を示している。曲線63は、モデル42の絶縁層46に加えられる応力の分布を示している。グラフの横軸は絶縁層36,46の位置を示しており、縦軸は絶縁層36,46に加えられる応力を示している。
モデル32のように導電層34の厚みが一定の場合、半導体装置(図示省略)を接合するのに好適な厚みT34(例えば3mm)を確保すると、絶縁層36に217Mpa以上の応力が加えられる。そのため、絶縁層36に亀裂が発生する。モデル42のように導電層44の端部に薄肉部が形成されていると、半導体装置を接合するのに好適な厚みT44を確保しつつ、絶縁層46に加えられる応力を217MPa以下にすることができる。なお、曲線63に示すように、導電層44の端部に薄肉部が形成されていても、導電層44の外周と絶縁層36の接合部に最大の応力が加えられる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数の目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
第1実施例の積層基板を示す。 第1実施例の積層基板の使用例を示す。 冷熱サイクル試験を実施した積層基板を示す。 冷熱サイクル試験後の絶縁層の超音波画像を示す。 銅を繰り返し引張・圧縮したときの、応力とひずみの関係を示す。 銅を繰り返し引張・圧縮したときの、繰り返し回数と応力の最大値,最小値の関係を示す。 銅に±0.1%のひずみを与えながら繰り返し引張・圧縮したときの、繰り返し回数と応力の最大値,最小値の関係を示す。 シミュレーションに用いたモデルを示す。 図8のシミュレーションモデルにおける、導電層の厚みと絶縁層に加えられる応力の関係を示す。 冷熱サイクル試験のサイクル数と、絶縁層に加えられる応力の関係を示す。 シミュレーションに用いたモデルを示す。 図11のシミュレーションモデルにおける、導電層の薄肉部の外周からの距離と絶縁層に加えられる応力の関係を示す。 図11のシミュレーションモデルにおける、導電層の薄肉部の外周からの距離と絶縁層に加えられる応力の関係を示す。 絶縁層に加えられる応力を、絶縁層の位置毎に示す。
符号の説明
2:積層基板
4:導電層
4a:接合領域(厚肉部)
4b:薄肉部
6:絶縁層

Claims (2)

  1. 半導体装置を接合する積層基板であって、
    窒化アルミニウムの絶縁層と、
    その絶縁層上に形成されている銅の導電層を備えており、
    その導電層は、前記半導体装置を接合する接合領域と、その接合領域の外側に設けられているとともにその接合領域の厚みよりも薄く形成されている薄肉部を有しており、
    その薄肉部は、前記導電層の外周から少なくとも1.2mmの範囲内で厚みが0.05mm以下に形成されていることを特徴とする積層基板。
  2. 前記接合領域の厚みが0.3mm以上であることを特徴とする請求項1に記載の積層基板。
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