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JP2010095396A - レーザーマーキング用酸化ビスマス系添加剤およびその製造方法 - Google Patents

レーザーマーキング用酸化ビスマス系添加剤およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】樹脂成形物の望ましくない着色を起こさず、且つ黒さとコントラストに優れたマーキングを可能にするレーザーマーキング用添加剤を提供することにある。
【解決手段】a)ビスマスの酸化物と、b)ガドリウムおよびネオジムから選択される少なくとも1つの金属の酸化物とを含有することを特徴とするレーザーマーキング用添加剤。好ましい金属酸化物は下記一般式で表される。Bi(1−x)(式中、Mはガドリウムおよびネオジムから選択される少なくとも1つの金属、xおよびyはそれぞれ0.001<x<0.5、1<y<2.5の関係を有する値である。)

【選択図】 なし

Description

本発明はレーザー光を利用して樹脂成形物等に管理情報等をマーキングする、即ちレーザーマーキングに使用することのできる添加剤とその製造方法に関し、より詳細には、樹脂成形物の種類や形状に関わらず好適なマーキングを施すことを可能にし、且つ樹脂成形物への添加による同成形物の着色等といった望ましくない作用を極小化しうるレーザーマーキング用添加剤とその製造方法に関する。
レーザーマーキングは、レーザー光を利用して基材に直接、文字、数字、商標、バーコード等の印字や、或いは画像を施すマーキング方法である。
レーザー光によるマーキングシステムには、
(1)非接触のマーキング方法であるため、任意の形状の基材に高速でマーキングを行うことができる、
(2)インクを使用しないため、マーキングが耐摩耗性に優れ、改ざんが困難であり、また有機溶剤等の揮発がないため低環境負荷である、
という大きな特徴がある。
そのため、現在多くの産業において、従来のインクシステムがレーザーマーキングシステムに移行している。
レーザーマーキングにはCOレーザー、Nd:YAGレーザー等が使用されるが、精細な印字を可能にするため、主にはNd:YAGレーザーが好適に使用される。
しかしながら、Nd:YAGレーザーにより樹脂成形材料へレーザーマーキングを施した場合、ほとんど全ての主要な樹脂成形材料において、視認性や精細度において十分な品質のマーキングが得られない場合が多く、全く印字できない樹脂も少なくない。
そのため、樹脂成形材料にレーザーマーキングの視認性を改善させることのできる添加剤が求められ、幾つかのレーザーマーキング用添加剤が提案されている。
例えば、特許文献1には、粒径10〜70nmの錫およびアンチモンの混合酸化物の粒子をレーザーマーキング用添加剤として成形材料(基材)に添加することが開示されている。
特許文献2には、雲母薄片やSiOフレーク等の薄片状基質に、アンチモン、砒素、ビスマス、銅、ガリウム、ゲルマニウまたはそれらの酸化物をドープした酸化錫を被覆した顔料をレーザーマーキング用の添加剤として含む熱可塑性プラスチックが、レーザーマーキング可能であると記載されている。
特許文献3には、酸化ビスマスを含有する樹脂組成物がレーザー光の照射により黒色にマーキング可能であると記載されている。
特許文献4には、ビスマスと、Zn,Ti,Fe,Cu,Al,Zr,P,Sn,Sr,Si,Y,Nb.La,Ta,Pr,Ca,Mg,Mo,W,Sb,Cr,BaおよびCeから選択される少なくとも1つの付加的な金属との酸化物を含有するレーザーマーキング可能な化合物が開示されている。
しかしながら、これら特許文献に記載の添加剤を含む樹脂成形物にレーザーマーキングを適用した場合、視認性改善の効果はある程度認められるものの、マーキングの黒さやコントラストといったマーキング性は、なお満足されるものではない。
一方、発明者らは、特許文献5において、銅とモリブデンからなる複合酸化物がレーザー光の照射により黒度の高い色調に変色することを見出した。該複合酸化物はほとんど全ての樹脂成形物に、優れたレーザーマーキング性を与える。しかしながら該複合酸化物は酸化物自体が黄色に着色しているため、樹脂成形物そのものを若干着色してしまうという、望ましくない問題点を抱える。
特表2007−512215号公報 特表平10−500149号公報 特許第2873249号公報 特開2002−206062号公報 特開2005−75674号公報
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、樹脂成形物の望ましくない着色を起こさず、且つ黒さとコントラストに優れたマーキングを可能にするレーザーマーキング用添加剤を提供することにある。
本発明の別の目的は、樹脂成形物の望ましくない着色を起こさず、且つ黒さとコントラストに優れたマーキングを可能にするレーザーマーキング用添加剤の製造方法を提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、樹脂成形物の望ましくない着色を起こさず、且つ黒さとコントラストに優れたマーキングを可能にするレーザーマーキング用添加剤を含む樹脂成形物を提供することである。
本発明によるレーザーマーキング用添加剤は、
a)ビスマスの酸化物と、
b)ガドリウムおよびネオジムから選択される少なくとも1つの金属の酸化物とを
含有することを特徴とするものである。
上記金属酸化物は、好ましくは下記一般式で表されるものである。
Bi(1−x)
(式中、Mはガドリウムおよびネオジムから選択される少なくとも1つの金属、xおよびyはそれぞれ0.001<x<0.5、1<y<2.5の関係を有する値である。)
本発明によるレーザーマーキング用添加剤は、上記添加剤を構成する元素の酸化物、あるいは熱を加えることにより酸化物となる化合物を、所定の割合で配合した原料配合物を粉砕機で乾式処理することにより、メカノケミカル反応を起こすに充分なエネルギーをその原料配合物に与える工程と、それを300℃以上の温度で焼成すること工程を含む方法により好適に製造することができる。
本発明はまた、上記レーザーマーキング用添加剤を含むレーザーマーキング可能な成形物を提供する。
この成形物にレーザーマーキングを施すのに用いるレーザーとしては、たとえば固体パルス・レーザー、エキシマ・レーザー、YAG:Ndレーザー、およびCOレーザー等が挙げられ、YAG:Ndレーザーが好ましく使用できる。
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
本発明による、a)ビスマスの酸化物と、b)ガドリウムおよびネオジムから選択される少なくとも1つの金属の酸化物とを含有するレーザーマーキング用添加剤は、後述の実施例によって実証されているように、酸化ビスマス単独、ないしは、ビスマスと、Zn,Ti,Fe,Cu,Al,Zr,P,Sn,Sr,Si,Y,Nb,La,Ta,Pr,Ca,Mg,Mo,W,Sb,Cr,BaおよびCeから選択される少なくとも1つの付加的な金属の酸化物を含有するものに比べ、明らかに黒度に優れたマーキングを可能にする。更にこの化合物の色はいずれも白色か、非常に淡い黄色であり、従って成形物をほとんど着色することなく添加可能である。
一般式、Bi(1−x)(式中、Mはガドリウムおよびネオジムから選択される少なくとも1つの金属、xおよびyはそれぞれ0.001<x<0.5、1<y<2.5の関係を有する値である。)で表される好ましい金属酸化物において、式中のxおよびyが上記範囲を下回っても上回ってもマーキング性は低下する。
本発明によるレーザーマーキング用添加剤は、その粒子径が小さい程、より高精細なマーキングを可能にする。該添加剤の粒子径は、平均粒子径D50が好ましくは10μm以下、より好ましくはD50が1μm以下である。
次に、本発明によるレーザーマーキング用添加剤の製造法について、説明をする。
この添加剤を製造する好ましい製造方法は、上記添加剤を構成する元素の酸化物、あるいは熱を加えることにより酸化物となる化合物を、所定の割合で配合した原料配合物を粉砕機で乾式粉砕することにより、メカノケミカル反応を起こすに充分なエネルギーをその原料配合物に与える工程と、それを300℃以上の温度で焼成すること工程を含むことである。ここで、「所定の割合」とは、例えば一般式、Bi(1−x)(式中、Mはガドリウムおよびネオジムから選択される少なくとも1つの金属、xおよびyはそれぞれ0.001<x<0.5、1<y<2.5の関係を有する値である。)で表される金属酸化物を得るのに必要な原料化合物の割合である。
原料化合物は、上記添加剤を構成する元素の酸化物、あるいは熱を加えることにより酸化物となる化合物であれば特に限定されない。例えば、ビスマス源として、酸化ビスマス、オキシ塩化ビスマス、硝酸ビスマス、水酸化ビスマス等が挙げられる。後の焼成工程において有害なガスが発生しない酸化ビスマスや水酸化ビスマス等が好ましい。ガドリウム源およびネオジム源もこれらの酸化物か、あるいは熱を加えることにより酸化物となる化合物を使用可能である。例えばこれら金属の酸化物、水酸化物、硝酸塩、塩化物、硫酸塩等が使用でき、焼成工程における排ガス発生の観点から酸化物、水酸化物の使用が好ましい。
これらの原料化合物を所定の割合で混合し、この混合物を粉砕機で乾式粉砕に付す。乾式による粉砕処理を続けることで原料粉体に、粉砕に必要なエネルギー以上のエネルギーが付加される。それによりメカノケミカル反応として知られる、原料粒子表面からの非晶質化(無定形化)や原料粒子同士の強固な接合、複合化を原料粉体に付加せしめることが、本発明の製造方法の大きな特徴である。該粉砕工程におけるメカノケミカル反応の進行は、粉砕工程前後のX線回折パターンによる非晶質化の進行、TG−DTA、DSCなどの熱分析での発熱、吸熱ピークの消滅やシフト、走査電子顕微鏡とそれに付随するエネルギー分散型X線分析装置による元素マッピング等の手法により観察、管理することが可能である。従って該粉砕工程においてメカノケミカル反応を起こすに充分なエネルギーをその原料配合物に与える為に必要な粉砕時間は、用いる粉砕機によって大きく異なる為に一概には規定できないが、上述の手法のいずれか、ないしは複数の手法の組み合わせを用いて決定することが出来る。該粉砕工程と後述の焼成工程を経ることにより、レーザーマーキング性能が顕著に優れた添加剤を得ることができる。
用いる粉砕機は汎用のものでよく、例えば転動ボールミル、振動ミル、石臼型ミル、ジスクミル、ピンミル、媒体攪拌型ミル、遊星ボールミルなどが使用可能である。これらの粉砕機による乾式粉砕の際に、エタノール、プロパノール等のアルコール、エチレングリコール等の多価アルコール類、およびジエタノールアミン等のアルコール系アミン類等の液体を粉砕助剤として少量添加しても良い。
このようにして調製した粉砕物を300℃以上、好ましくは600℃〜820℃の温度で焼成することでレーザーマーキング添加剤としての性能を顕著に向上させることができる。焼成の雰囲気は大気中であって良い。300℃以下では得られる添加剤の性能は十分でなく、820℃以上ではビスマス原料が溶解してしまうため、好ましくない。即ち、300℃〜820℃の温度範囲は、レーザーマーキング用添加剤として十分な性能が得られ、且つ下記する焼成後の粉砕により微粉化が可能な焼成温度範囲である。
焼成後、焼成物は汎用の粉砕機により粉砕される。粉砕方法は特に限定をされないが、添加剤の粒子径を小さくするためには湿式粉砕が好適に適用される。粉砕後、乾燥、解砕工程を経ることで、本発明のレーザーマーキング用添加剤が得られる。
次に、本発明によるレーザーマーキング用添加剤を含むレーザーマーキング可能な成形物について、説明をする。
成形物の基材の代表的な例は合成樹脂製のものであるが、基材は劣化を生じるほどの高い加工温度を必要としないガラスやセラミックからなるものでもよい。
合成樹脂の種類は特に限定されず、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもよい。
熱可塑性樹脂の例としては、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリアクリルメタクリレート、ポリアミド、ナイロン、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルファイド、ポリスルホン、ポリイミド、ポリアミド、およびこれらの混合物およびこれらをベースとした共重合体等が挙げられる。
熱硬化性樹脂の例としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、熱硬化性ポリイミドおよびこれらの混合物等が挙げられる。
本発明によるレーザーマーキング用添加剤は、シリコーン等の珪素骨格ポリマーにも適用することが可能である。
基材の形状および大きさは、任意であってよい。例えば部材や容器、包装品、電子部品、カードおよびコーティング組成物等が一例として挙げられる。
成形物中のレーザーマーキング用添加剤の最適な量は、樹脂の種類や基材の形状により異なる。その為、最適な添加量は使用条件によりその都度決定されるが、本発明のレーザーマーキング用添加剤の場合、最小で0.01重量%程度の添加量から十分なレーザーマーキング性能が得られる。よりマーキングの黒度を向上させたい場合、ないしは基材の形状がフィルムや塗料のような薄膜の形状である場合、十分なレーザーマーキング性能を付与する為には、本発明のレーザーマーキング用添加剤の添加量を増やすことで必要なレーザーマーキング性能を確保することができる。目安としては、添加量は最大でも30重量%程度まで添加すれば良く、成形性等のその他の諸物性に影響がでない範囲で添加量を増やしても良い。
本発明によるレーザーマーキング用添加剤は、基材への着色を目的として、無機ないしは有機顔料および染料との併用の形態で基材に添加することができる。
無機顔料の例としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アンチモン、硫化亜鉛等の白色顔料;酸化マグネシウム、酸化カルシウム等の体質顔料;酸化鉄、群青、紺青、カーボンブラック;チタンイエローやコバルトブルー等の複合酸化物顔料等の着色顔料;オキシ塩化ビスマス、酸化チタン等で被覆された雲母顔料のような高輝性顔料が挙げられる。
有機顔料の例としては、アゾ、アゾメチン、メチン、アントラキノン、フタロシアニン、ペリレン、チオインジゴ、キナクリドン、およびキノフタロン顔料等が挙げられる。
染料の例としては、アントラキノン系、アゾ染料の金属錯体、更にクマリン、ナフタルイミド、キサンテン、チアジン等の蛍光染料が挙げられる。
また、光安定剤や酸化防止剤、難燃化剤、ガラス繊維など樹脂の加工に汎用されている添加剤を用途に応じ併用しても良い。さらに紫外線吸収剤、帯電防止剤、電磁波遮断用添加剤等の既知の添加剤との併用も可能である。
発明のレーザーマーキング用添加剤を用いることで、樹脂成形物の望ましくない着色を起こさず、且つ黒さとコントラストに優れたマーキングを可能にする樹脂成形物を提供することができる。
つぎに、本発明を具体的に説明するために、本発明の実施例およびこれとの比較を示すための比較例をいくつか挙げる。
実施例1
三酸化ビスマス198.6gと三酸化ガドリウム1.4gを、直径15mmのアルミナボール2kgの入った内容積2リットルの転動ボールミルに入れ、12時間粉砕混合を行った。この混合物をるつぼに詰め、電気炉に入れて800℃で3時間焼成した。得られた焼成物を転動ボールミルで平均粒子径が2〜3μmになるまで湿式粉砕し、乾燥して淡黄色のレーザーマーキング用添加剤を得た。
実施例2
原料を、三酸化ビスマス199.3gと三酸化ネオジム0.7gに変えた以外、実施例1と同様の操作を行い、淡黄色のレーザーマーキング用添加剤を得た。
比較例1
市販の三酸化ビスマス(平均粒径2.9μm)を用意した。
比較例2
特許文献4に記載の方法に従ってジルコン酸ビスマス化合物267−024aを製造した。すなわち、三酸化ビスマス95.7gと酸化ジルコニウム4.3gを混合し、且つ1000℃で10分間るつぼ中で溶融させ、得られた溶融物をついで水浴中に注いだ。その後、乾燥、粉砕を経て黄色のレーザーマーキング用添加剤を得た。
比較例3
特許文献4に記載の方法に従ってニオブ酸ビスマス化合物267−059aを製造した。すなわち、三酸化ビスマス98.8gと五酸化ニオブ1.2gを混合し、且つ1000℃で10分間、1093℃で10分間、るつぼ中で加熱し、ついでこの混合物を水浴中に注いだ。その後、乾燥、粉砕を経て淡黄色のレーザーマーキング用添加剤を得た。
比較例4
特許文献4に記載の方法に従ってビスマス亜鉛酸化物化合物174−115eを製造した。すなわち、三酸化ビスマス97.7gと酸化亜鉛2.3gを混合し、且つ749℃で65時間、コージエライト・サガー中で加熱した。その後、この混合物を粉砕することにより淡黄色のレーザーマーキング用添加剤を得た。
比較例5
特許文献4に記載の方法に従ってチタン酸ビスマス化合物174−013aを製造した。すなわち、三酸化ビスマス97.2gと酸化チタン2.8gを混合し、且つ1000℃で10分間、るつぼ中で溶融させ、得られた溶融物をついで水浴中に注いだ。その後、乾燥、粉砕を経て淡黄色のレーザーマーキング用添加剤を得た。
比較例6
特許文献4に記載の方法に従ってストロンチウムビスマス酸化物化合物267−047aを製造した。すなわち、三酸化ビスマス87.1gと炭酸ストロンチウム12.9gを混合し、且つ1000℃で10分間、1093℃で10分間、1149℃で1分間、るつぼ中で溶融させ、得られた溶融物をついで水浴中に注いだ。その後、乾燥、粉砕を経て黄色のレーザーマーキング用添加剤を得た。
比較例7
特許文献4に記載の方法に従ってアルミン酸ビスマス化合物267−022aを製造した。すなわち、三酸化ビスマス99.1gと酸化アルミニウム0.9gを混合し、且つ1000℃で10分間るつぼ中で溶融させ、得られた溶融物をついで水浴中に注いだ。その後、乾燥、粉砕を経て黄色のレーザーマーキング用添加剤を得た。
比較例8
原料を、三酸化ビスマス198.5gと酸化サマリウム1.6gに変えた以外、実施例1と同様の操作を行い、淡黄色のレーザーマーキング用添加剤を得た。
比較例9
原料を、三酸化ビスマス199.2gと酸化ユウロピウム0.8gに変えた以外、実施例1と同様の操作を行い、淡黄色のレーザーマーキング用添加剤を得た。
比較例10
原料を、三酸化ビスマス199.2gと酸化ジスプロシウム0.8gに変えた以外、実施例1と同様の操作を行い、淡黄色のレーザーマーキング用添加剤を得た。
比較例11
原料を、三酸化ビスマス199.2gと酸化ホルミウム0.8gに変えた以外、実施例1と同様の操作を行い、淡黄色のレーザーマーキング用添加剤を得た。
比較例12
原料を、三酸化ビスマス199.2gと酸化イッテルビウム0.8gに変えた以外、実施例1と同様の操作を行い、淡黄色のレーザーマーキング用添加剤を得た。
比較例13
特許文献5に記載の銅モリブデン系複合酸化物(東罐マテリアル・テクノロジー社製42−903A、平均粒径1.5μm)を用意した。
評価試験
実施例および比較例で得られたレーザーマーキング用添加剤に対し、下記の方法で、樹脂への初期着色性およびレーザーマーキング特性を評価した。得られた結果を表1にまとめて示す。
(1)初期着色性
高密度ポリエチレン樹脂に上記添加剤を0.025PHR(樹脂100重量部に対する添加剤の重量部数)で分散させた。この組成物を70℃で3時間乾燥させた後、射出成形機(日本製鋼所社製、JSW、J505A11)を使用し200℃で板状に成形した。得られた成形板の初期着色性を下記基準で目視にて評価した。
初期着色性:成形板作製時の着色度合い
×濃い着色、
○ほとんど着色なし

(2)レーザーマーキング特性
(1)にて作成した成形板に対して、YAGレーザー(日本電気社製、SL475K)を照射し、成形板を変色させた。レーザー照射条件は、入力電流20A、送り速度500mm/秒、Q―sw周波数5kHzであった。
変色部分を分光光度計(大日精化工業社製、カラコムC)により測色し、その際のL*値より算出した黒度を以下基準で評価した。
印字黒度:レーザーを照射した際の印字黒度(実施例1の黒度を100とする指数で表記した)
×ほぼ印字不可(実施例1の黒度100に対して20未満)、
△黒度不良(実施例1の黒度100に対して20以上80未満)、
○黒度良(実施例1の黒度100に対して80以上90未満)、
◎黒度非常に良(実施例1の黒度100に対して90以上)

印字精細性:レーザーを照射した際の印字繊細性
×ほぼ印字不可、
△印字かすれ、
○印字良、
◎ 繊細な印字
Figure 2010095396
表1から明らかなように、実施例によるレーザーマーキング用添加剤を含む成形物は、初期着色性およびレーザーマーキング特性ともに優れている。

Claims (4)

  1. a)ビスマスの酸化物と、
    b)ガドリウムおよびネオジムから選択される少なくとも1つの金属の酸化物とを
    含有することを特徴とするレーザーマーキング用添加剤。
  2. 上記金属酸化物が下記一般式で表される請求項1記載のレーザーマーキング用添加剤。
    Bi(1−x)
    (式中、Mはガドリウムおよびネオジムから選択される少なくとも1つの金属、xおよびyはそれぞれ0.001<x<0.5、1<y<2.5の関係を有する値である。)
  3. 上記添加剤を構成する元素の酸化物、あるいは熱を加えることにより酸化物となる化合物を、所定の割合で配合した原料配合物を粉砕機で乾式処理することにより、メカノケミカル反応を起こすに充分なエネルギーをその原料配合物に与える工程と、それを300℃以上の温度で焼成する工程を含むことを特徴とする、請求項1または2記載のレーザーマーキング用添加剤の製造方法。
  4. 請求項1または2記載のレーザーマーキング用添加剤を含むレーザーマーキング可能な成形物。
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