JP2010094679A - エンボス圧延加工用ロールおよび銅条・銅箔の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エンボス凹型穴15が無限軌条状のベルト材の外周面に形成され、かつエンボス凹型穴15に連なりベルト材の厚さ方向を貫通するように伸びてその方向へと余剰な圧延油を逃がすように設定された圧延油逃し孔3が形成された金型本体ベルト1と、金型本体ベルト1の内周面に外周面が接触してその外周面の回転運動を金型本体ベルト1の内周面に伝達することで、金型本体ベルト1を無限軌条的に運動させるためのロール軸体2と、ロール軸体2と共に金型本体ベルト1に対して所定のテンションを掛け、エンボス圧延加工用ロール10を用いて、凸状の立体パターンを被加工物である銅条材の表面に形成する。
【選択図】図1
Description
エンボス圧延加工は一般に、その主要な治工具であるエンボス圧延加工用ロールと呼ばれるロール金型の加工面に形成された凹凸からなる立体的パターンを、被加工物の金属箔や金属板条に対してエンボス圧延プロセスによって転写させる加工方法である。そのプロセスに用いられるエンボス圧延加工用ロールの表面には、凹凸の立体的パターンが形成されており、そのエンボス圧延加工用ロールを圧延機に取り付けて、エンボス圧延加工が行われる。
また、圧延機は、ワークロールの直径や、中間ロール、バックアップロールの本数などの違いによって、4段圧延機、6段圧延機、12段圧延機、20段圧延機など、様々な形式があり、具体的な用途や仕様に適したものが選択される。
このようなエンボス圧延加工においては、平圧延の場合と同様に、加工を行う際に不可避的に伴う発熱に起因して高温化するロール金型および金属箔材を冷却する必要性、およびロール金型からの金属箔材の離型を円滑なものとする必要性、ならびに異物等の洗い流しなどの必要性から、圧延油が一般に用いられている(特許文献3)。
この知見によれば、圧延油を過剰に塗布することを回避すれば、上記のようなエンボスパターンの形成不良の問題は克服できるようにも考えられる。ところが、例えば高さ100μm以下のような極めて微細な突起状のエンボスパターンを銅箔材や銅条材の表面に形成する場合、圧延油のかけ流し量や塗布量に極めて微少な量の誤差や不均一が生じただけでも、それに因って圧延油がロール金型における例えば局所的な領域内の凹型穴の中に充満し、その領域内上記のようなエンボスパターンの形成不良がやはり発生することとなる。また、斯様に微少な誤差や不均一が発生しないようにするためには、圧延油のかけ流し量や塗布量を極めて厳密に制御・管理しなければならないが、これは実際上、極めて困難ないしは実質的に不可能なことである。
すなわち、圧延油は一般に、潤滑油および冷却油としての役割を有している。ロール金型は高速回転しながら被加工物である銅条やその他の金属板材等に対して大きな荷重を印加しつつ塑性加工を行っている。このため、ロール金型は、圧延プロセスにおいては高温になる。そして高温になると、サーマルクラウンと呼ばれる熱膨張が生じやすくなる。このため、圧延油のかけ流しを行わない場合には、圧延油による冷却効果は見込めないことになるから、ロール金型や被加工物が高温にならないようにすることが必要となる。そして、そのためには、圧延速度を抑えなければならなくなる。従って、生産能率が低下してしまう。
また、圧延油は(特にかけ流しの圧延油は)、外部から進入する異物を洗い流すという役割も有している。一般に、圧延中には異物が混入しやすいが、斯様な異物を洗い流して除去することができないと、被加工物にロールマークと呼ばれる異物起因の凹みや異物押し込みなどが発生する虞が極めて高くなる。ロールマークが発生すると、製品出荷時にそのロールマークの発生部位を除去しなければならなくなるので、歩留まりが低下してしまうこととなる。
また、圧延油のかけ流しを行なわないようにすると、エンボスパターンの高さや形状の不良や欠陥の発生は抑止ないしは解消されるが、圧延油の塗布量が不足したり、あるいは予め圧延油を塗布したとしてもその塗布量が不均一になるなどして、サーマルクラウンやロールマークが発生し、延いては生産能率や歩留まりの低下を引き起こしてしまうという問題があった。
本発明は、このような問題に鑑みて成されたもので、その目的は、生産能率や製造歩留まりの低下を引き起こすことなく、被加工物の銅条材や銅箔材の表面に所望の寸法の微細な凸状の立体パターンを常に正確・均一(あるいは確実)に形成することが可能なエンボス圧延加工用ロールおよび銅条・銅箔の製造方法を提供することにある。
本発明の銅条・銅箔の製造方法は、所望の凸状の立体パターンを被加工物の表面に形成するためのエンボス凹型穴が無限軌条状のベルト材の外周面に形成され、かつ前記エンボス凹型穴に連なり前記ベルト材の厚さ方向を貫通するように伸びて当該方向へと余剰な圧延油を逃がすように設定された圧延油逃し孔が形成された金型本体ベルトと、前記金型本体ベルトの内周面に外周面が接触して、当該外周面の回転運動を前記金型本体ベルトの内周面に前記接触を介して伝達することで、前記金型本体ベルトを無限軌条的に運動させるためのロール軸体と、前記ロール軸体と共に前記金型本体ベルトに対して所定のテンションを掛けつつ前記金型本体ベルトを支持しながら、前記金型本体ベルトを無限軌条的に運動させるためのガイドロールとを備えたエンボス圧延加工用ロールを用いて、圧延油をかけ流しで用いつつ、前記金型本体ベルトの外周面を前記ロール軸体と共に回転させながら前記被加工物である銅材の表面に押圧させることで、前記エンボス凹型穴における余剰の圧延油を前記圧延油逃し孔によって前記エンボス凹型穴からその外部へと排出しつつ前記被加工物である銅材の表面に前記凸状の立体パターンを形成する工程を含むことを特徴としている。
図1は、本発明の実施の形態に係るエンボス圧延加工用ロールの主要な構成を示す図、図2は、図1に示したエンボス圧延加工用ロールを用いた4段圧延機の概要構成を模式的に示す図、図3は、本発明の実施の形態に係るエンボス圧延加工用ロールおよびそれを用いた圧延銅箔の製造方法における主要な作用(図3(a))について、従来のエンボス加
工方法の場合(図3(b))と比較して模式的に示す図である。
但し、エンボス凹型穴15および圧延油逃し孔3は、このような態様のもののみには限定されないことは勿論である。この他にも、例えば図3(a)に示したように、エンボス凹型穴15についてはその直径および断面形状を、所望の凸状の立体パターン9に則した大きさおよび形状のものとし、それに連なる圧延油逃し孔3については、余剰な圧延油8b、8cをエンボス凹型穴15の外へと有効に排出させることができる程度の直径を有する直管的(直線的)な貫通孔とするようにしてもよい。図3(a)に示した一例では、エンボス凹型穴15の方が圧延油逃し孔3よりも直径が大きく、かつそのエンボス凹型穴15の立体的な形状も直管的ではなく、所望の凸状の立体パターン9の形状に則した切頭円錐状(立断面台形状)となっている。
あるいは、図示は省略するが、エンボス凹型穴15の平面視における形状についても、円形のみには限定されず、その他にも、例えば楕円形、矩形、菱形、多角形など、形成したい所望の凸状の立体パターン9に則した種々のパターン形状とすることも可能であることは勿論である。
また、エンボス凹型穴15および圧延油逃し孔3の形成方法は、上記のようなレーザ加工のみには限定されないことは勿論である。この他にも、例えば機械的切削加工などによっても形成することが可能である。
このロール軸体2の外周面には、金型本体ベルト1の圧延油逃し孔3と連なって、エンボス凹型穴15における余剰な圧延油8b、8cを圧延油逃し孔3からさらにその外部へと逃すための圧延油逃し溝4が形成されている。圧延油逃し溝4は、ロール軸体2の中心軸と平行方向に直線的に伸びるように、そのロール軸体2の外周面に、例えば機械的切削加工またはレーザ加工などによって形成されている。
従って、金型本体ベルト1のエンボス凹型穴15における余剰な圧延油8b、8cは、そのエンボス凹型穴15と連なるように設けられた圧延油逃し孔3を通り、さらにその圧
延油逃し孔3に連なるようにロール軸体2の外周面に設けられた圧延油逃し溝4を通って、エンボス圧延加工用ロールの軸方向に沿って流動し、もしくは吸引されて行き、最終的には、このエンボス圧延加工用ロール10の外部へと排出されるように設定されている。
また、圧延油逃し溝4は、ロール軸体2の外周面に設けることのみには限定されず、金型本体ベルト1の内周面に設けることも可能である。
また、上記のような圧延油逃し溝4に対して直交または斜交する補助逃し溝(図示省略)を、さらに設けるようにしてもよい。このようにすることにより、エンボス凹型穴15における余剰な圧延油8b、8cを、さらに効果的に排出することが可能となる。
また、金型本体ベルト1をロール軸体2の軸方向に直列に複数個連結的に配置して、より幅広の被加工物にエンボス圧延加工を施すことに対応できるようにすることなども可能である。
2は、この場合を示している)、エンボス圧延加工用ロール10の下方でそのエンボス圧延加工用ロール10および銅条材5を単に機械的に支持するためのワークロール12を配置するようにしてもよい。つまり、ワークロール12は、銅条材5を挟んでエンボス圧延加工用ロール10と対面配置されて、図2に示した一例では上方からエンボス圧延加工用ロール10によって銅条材5へと印加される圧延荷重を下方で支えることで、このワークロール12とエンボス圧延加工用ロール10との間に挟まれた銅条材5に対して所定の圧延荷重でエンボス圧延加工が行われるようにするためのものであって、エンボス形成には関与しないものであり、このようなワークロール12を用いて銅条材5の片面のみにエンボスパターンを形成することなども可能である。
被加工物の銅条材5を、図2に示したような圧延機に投入すると、そこに装備されているエンボス圧延加工用ロール10によって、本発明の実施の形態に係るエンボス圧延加工が、被加工物である銅条材5に施される。そのエンボス圧延加工用ロール10によるエンボス圧延加工プロセスが行われている間、圧延油8aをかけ流し続ける。あるいは、さらにそれに加えて、被加工物の銅条材5がエンボス圧延加工用ロール10に到達する以前の段階で(図2では領域7として示してある領域内で)、圧延油8aを塗布する。
このエンボス圧延加工プロセスで圧延油8aをかけ流し続けるようにする場合、一般に、図3(b)に示したように、エンボス凹型穴15の空間内に余剰な圧延油8cが残留して溜まりやすくなり、延いてはエンボス圧延不良が発生する虞があった。
しかし、本実施の形態に係るエンボス圧延加工用ロールおよびそれを用いた銅条・銅箔の製造方法では、図3(a)に示したように、エンボス凹型穴15における余剰の圧延油8b、8cは、圧延油逃し孔3および圧延油逃し溝4によって、金型本体ベルト1の外へと排出される。ここで、図3(a)では、金型本体ベルト1が顕著に湾曲している状態に描いてあるが、これはエンボス圧延加工が行われる部分を簡明に表現するために、敢えてやや不自然なほど誇張した形に描いてあるのであって、実際には、金型本体ベルト1は斯様にまで湾曲した状態で銅条材5の表面に押し付けられるわけではないことは言うまでもない。
エンボス圧延加工プロセスでは一般に、主要な治工具であるエンボス圧延加工用ロール10の冷却や、異物の洗い流しなどを目的として、圧延油8aのかけ流しをしながら、エンボス圧延プロセスを行っている。
そのエンボス圧延プロセスでは、エンボス圧延加工用ロール10の表面に形成されているエンボス凹型穴15の空間内に、圧延荷重によって銅条材5の表面付近が塑性変形して入り込むことにより、その銅条材5の表面に凸状の立体パターン9が形成される。
このようにすることにより、エンボス圧延加工プロセスを行っている間ずっと、エンボス圧延加工用ロール10の冷却や異物等の洗い流しなどを目的として圧延油8aのかけ流しを継続しても、エンボス凹型穴15における余剰な圧延油8b、8cは圧延油逃し孔3および圧延油逃し溝4によってエンボス凹型穴15の外部へと排出されるので、余剰の圧延油8cがエンボス凹型穴15の空間内に充満することを回避することが可能となる。その結果、凸状の立体パターン9の高さをはじめとする各種寸法や形状の不良や欠陥の発生を懼れることなく十分な量の圧延油8aのかけ流しを行って、圧延油8aのかけ流しを行わない場合に生じる虞のあったサーマルクラウンやロールマークやエンボスパターン形状不良などの発生に起因した生産能率や製造歩留まりの低下を引き起こすことなしに、被加工物の銅条材5の表面に所望の寸法の微細な凸状の立体パターン9を常に正確かつ均一に形成することが可能となる。
また、金型本体ベルト1は、ロール軸体2や従来のエンボス圧延用ロールの表面積よりも明確に広い面積を有するものであるから、銅条材5に直接的に接触してその表面へのエンボス圧延加工に関与する領域の面積よりも、左様なエンボス圧延プロセスには全く関与せずに室内の空気中を移動して行く領域の面積の方が極めて大きい。従って、金型本体ベルト1は、自然冷却効果の極めて高いエンボス圧延加工用金型である。しかも、同様の理由から、金型本体ベルト1の外周面や内周面における塗油や掃油(残留する余分な圧延油の拭き取り)を簡易に行うことができるというメリットも有している。
また、このような本実施の形態に係る銅条・銅箔の製造方法によって加工される銅条材5は、エンボス凹型穴15の直径や奥行等の寸法を所望の微細な寸法に設定すると共にその分布密度等を所望の設定にすることにより、被加工物の圧延仕上がりでの表面粗度を高精度に設定するこが可能となるため、各種アプリケーションに対する設計の自由度が大幅に向上する。従って、本実施の形態に係る銅条・銅箔の製造方法は、高性能な金属素材の
製品特性の向上等にも寄与することができる。
この実施例では、金型本体ベルト1としては、厚さ1mm、幅100mm、長さ1000mmの帯状のSUS板を無限軌条状に形成してなるものを用いた。そしてエンボス凹型穴15および圧延油逃し孔3は、レーザ加工により、金型本体ベルト1をその厚さ方向(肉厚方向)に直管的に貫通する一連の孔として形成した。
凸状の立体パターン9を形成するためのエンボス凹型穴15は、図4に示したように、平面視で長軸方向の外寸20が22μm、短軸方向の外寸21が12μmの、小判型のものとした。
また、その隣り合う複数のエンボス凹型穴15同士のピッチは、横方向ピッチ22を25μm、縦方向ピッチ23を20μmとした。
圧延機としては、図2に示したような構造の4段圧延機を用いた。
供試材としては、一般的な圧延銅箔TPC材である、厚さ33μm、幅40mm、長さ100mの帯状の、C1100コイル材を用意した。
また、上記の実施例との比較のために、比較例1のエンボス圧延加工として、圧延油逃し孔3および圧延油逃し溝4を備えた金型本体ベルト1を備えたエンボス圧延ロール10を用いるが、圧延油8aのかけ流しは全く止めて、潤滑油および冷却油として適量と推定される圧延油を事前に(図2の領域7辺りを通過する段階で)銅条材5の表面に塗布するものとし、他の条件は実施例と同様にして、エンボス圧延加工を行った(試料2)。
また、比較例2のエンボス圧延加工として、エンボス凹型穴15は有するが圧延油逃し孔3および圧延油逃し溝4は有さない、従来の一般的な鍛鋼ロール(図示省略)を用い、その他の条件は実施例の設定と同様にして、毎分3L(リットル)の流量で圧延油をかけ流しながら、エンボス圧延加工を行った(試料3)。
その結果は、表1に纏めて示したようなものとなった。
また、凸状の立体パターン9の形状についても、種々のバリエーションが可能であることは言うまでもない。
また、本発明に係るエンボス圧延加工用ロールおよびそれを用いた銅条・銅箔の製造方法は、上記に説明したエンボス加工を行うためのものであれば、圧延機の構造、ワークロールの材質、圧延油の種類などのような、各種仕様上の制限等はないことは言うまでもない。
また、圧延油逃し溝4は、ロール軸体2の中心軸に対して斜め方向に、例えば螺旋状に形成することなども可能である。
また、圧延油逃し溝4は省略し、圧延油逃し孔3のみを用いるようにすることも可能である。但し、その場合には、エンボス圧延加工を長く続けて行くうちに、圧延油逃し孔3に余剰な圧延油8bが残留しそれが蓄積されて行き、遂にはエンボス凹型穴15にも余剰な圧延油8cが充満することになることなども想定される。このような場合には、例えば、金型本体ベルト1の領域11の部分、あるいは領域7の部分などに、ブレードやスキージ等のような箆状の治工具(図示省略)を配置して、エンボス形成直後から次回のエンボス形成プロセスに再突入するまでの間に、金型本体ベルト1の表面に残っている余剰な圧延油8b、8cを拭き取るようにすることなどが有効である。
ット孔(図示省略)を設けると共に、ロール軸体2の軸方向左右両端には、金型本体ベルト1のスプロケット孔に適合するスプロケット(図示省略)を配置することで、上記のような圧延油逃し孔3と圧延油逃し溝4との位置ずれの発生を回避するようにすればよい。あるいは、圧延油逃し孔3の外形寸法と比較して、圧延油逃し溝4の幅寸法を、数倍以上のように大きなものとすることで、多少の位置ずれが生じても圧延油逃し孔3から圧延油逃し溝4への余剰な圧延油8b等の流れが妨げられないようにすることなども有効である。
また、本発明に係るエンボス圧延加工用ロールの適用は、上記の実施の形態および実施例で説明したような、圧延油8aをかけ流しながらエンボス圧延加工を行う場合のみには限定されない。それ以外にも、例えば、1連の銅条材5の先頭から末尾までエンボス圧延加工を施しても圧延油8aが不足することのないような多量の圧延油8aを、金型本体ベルト1や銅条材5の表面に予め塗布しておいてから、銅条材5に対してエンボス圧延加工を行う、といった場合などにも適用可能である。
また、本発明によって製造される銅条・銅箔は、FPC(フレキシブルプリント配線板)用や、放熱板用、各種二次電池における集電体用など、種々のアプリケーションに対応した表面粗度を有するものとすることができる。
2 ロール軸体
3 圧延油逃し孔
4 圧延油逃し溝
5 銅条材
8 圧延油
9 凸状の立体パターン
10 エンボス圧延加工用ロール
15 エンボス凹型穴
16 ガイドロール
Claims (8)
- 所望の凸状の立体パターンを被加工物の表面に形成するためのエンボス凹型穴が無限軌条状のベルト材の外周面に形成され、かつ前記エンボス凹型穴に連なり前記ベルト材の厚さ方向を貫通するように伸びて当該方向へと余剰な圧延油を逃がすように設定された圧延油逃し孔が形成された金型本体ベルトと、
前記金型本体ベルトの内周面に外周面が接触して、当該外周面の回転運動を前記金型本体ベルトの内周面に伝達することで、前記金型本体ベルトを無限軌条的に運動させるためのロール軸体と、
前記ロール軸体と共に前記金型本体ベルトに対して所定のテンションを掛けつつ前記金型本体ベルトを支持しながら、前記金型本体ベルトを無限軌条的に運動させるためのガイドロールと
を備えて、圧延油を用いつつ前記金型本体ベルトの外周面を前記ロール軸体と共に回転させながら前記被加工物の表面に押圧させることで、前記凸状の立体パターンを前記被加工物の表面に形成するように設定してなる
ことを特徴とするエンボス圧延加工用ロール。 - 請求項1記載のエンボス圧延加工用ロールにおいて、
前記ロール軸体の外周面に、前記金型本体ベルトの圧延油逃し孔と連なって前記余剰な圧延油を前記圧延油逃し孔からさらにその外部へと逃す圧延油逃し溝を設けた
ことを特徴とするエンボス圧延加工用ロール。 - 請求項1記載のエンボス圧延加工用ロールにおいて、
前記金型本体ベルトの内周面に、当該金型本体ベルトの圧延油逃し孔と連なって前記余剰な圧延油を前記圧延油逃し孔からさらにその外部へと逃す圧延油逃し溝を設けた
ことを特徴とするエンボス圧延加工用ロール。 - 請求項2または3記載のエンボス圧延加工用ロールにおいて、
前記圧延油逃し溝が、前記金型本体ベルトの幅方向と平行方向、または前記ロール軸体の中心軸と平行方向に、直線的に伸びるように形成されたものである
ことを特徴とするエンボス圧延加工用ロール。 - 請求項2ないし4のうちいずれか1つの項に記載のエンボス圧延加工用ロールにおいて、
前記圧延油逃し溝に対して直交または斜交するように設けられた補助逃し溝を、さらに備えた
ことを特徴とするエンボス圧延加工用ロール。 - 請求項1ないし5のうちいずれか1つの項に記載のエンボス圧延加工用ロールにおいて、
前記エンボス凹型穴および前記圧延油逃し孔は、前記金型本体ベルトの厚さ方向に貫通する孔を前記ベルト材にレーザ加工によって設けることで、前記金型本体ベルトの外周面から内周面まで同直径で貫通する一連の貫通孔として設けられたものである
ことを特徴とするエンボス圧延加工用ロール。 - 所望の凸状の立体パターンを被加工物の表面に形成するためのエンボス凹型穴が無限軌条状のベルト材の外周面に形成され、かつ前記エンボス凹型穴に連なり前記ベルト材の厚さ方向を貫通するように伸びて当該方向へと余剰な圧延油を逃がすように設定された圧延油逃し孔が形成された金型本体ベルトと、前記金型本体ベルトの内周面に外周面が接触して、当該外周面の回転運動を前記金型本体ベルトの内周面に伝達することで、前記金型本
体ベルトを無限軌条的に運動させるためのロール軸体と、前記ロール軸体と共に前記金型本体ベルトに対して所定のテンションを掛けつつ前記金型本体ベルトを支持しながら、前記金型本体ベルトを無限軌条的に運動させるためのガイドロールとを備えたエンボス圧延加工用ロールを用いて、前記圧延油をかけ流しで用いつつ、前記金型本体ベルトの外周面を前記ロール軸体と共に回転させながら前記被加工物である銅材の表面に押圧させることで、前記エンボス凹型穴における余剰の圧延油を前記圧延油逃し孔によって前記エンボス凹型穴からその外部へと排出しつつ前記被加工物である銅材の表面に前記凸状の立体パターンを形成する工程を含む
ことを特徴とする銅条・銅箔の製造方法。 - 請求項7記載の銅条・銅箔の製造方法において、
前記ロール軸体の外周面または前記金型本体ベルトの内周面に、前記金型本体ベルトの圧延油逃し孔と連なって前記余剰な圧延油を前記圧延油逃し孔からさらにその外部へと逃す圧延油逃し溝を設けておき、前記エンボス凹型穴における余剰の圧延油を、前記圧延油逃し孔および前記圧延油逃し溝によって前記エンボス凹型穴からその外部へと排出する
ことを特徴とする銅条・銅箔の製造方法。
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