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JP2010092003A - 反射防止フィルム - Google Patents

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JP2010092003A
JP2010092003A JP2009073568A JP2009073568A JP2010092003A JP 2010092003 A JP2010092003 A JP 2010092003A JP 2009073568 A JP2009073568 A JP 2009073568A JP 2009073568 A JP2009073568 A JP 2009073568A JP 2010092003 A JP2010092003 A JP 2010092003A
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antireflection film
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Yuki Watanabe
祐樹 渡邉
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

【課題】高い透明性を有し、かつ機械特性に優れた反射防止フィルムを提供する。
【解決手段】透明基材フィルム1上に、ハードコート層2と反射防止層4とを積層し、反
射防止層4が、高屈折材料層と低屈折率層を交互に積層させた4層以上の積層体からなり
、(1)透明基材フィルム:厚みが、70μm以上200μm以下、ヘイズが0.5%以
下、全光線透過率が88%以上であるPETフィルムを用いる;(2)ハードコート層:
厚みが3μm以上20μm以下の光硬化性樹脂を使用する。ヘイズが0.4%以下、全光
線透過率が89%以上である。鉛筆硬度試験において3Hの鉛筆にて500g過重で5回
試験を行った時に2本以上傷がつかない;(3)反射防止層:総厚が100〜300nm
である;(4)反射防止フィルム:ヘイズが0.4%以下、全光線透過率が92%以上、
視感反射率が0.9%以下である;を満たす。
【選択図】図1

Description

本発明は、後加工性が良く、透明性が高い反射防止フィルムに関する。
LCDやCRT、プラズマデイスプレイパネル等の光学表示装置においては、太陽光や蛍光灯等の外光の写り込みを防止する反射防止フィルムが使用されることが多い。特に、外光の写り込みが大きい屋外の使用においては、限りなくゼロに近い反射率を有する反射防止フィルムすなわちARフィルムが求められている。
一般的に、ARフィルムは、数nmレベルの薄膜の多層成膜が可能なドライコーティング技術が用いられる。中でも、スパッタリング法は、蒸着法やイオンプレーティング法、CVD法などの他のドライコーティング方法に比べて、膜厚均一性が高く、ピンホール等の欠陥が少ないため、より視認性に優れた薄膜の形成が可能である。また、緻密な膜の形成が可能であることから、機械特性に非常に優れた薄膜の形成が可能である。
反射防止フィルムは、LCD用途で使用されることが多く、偏光板の保護フィルムに積層した構成の反射防止層構成が、一般的である。トリアセチルセルロース(TAC)フィルムが、吸湿性の良さおよび非常に透明性が高いことから、この偏光板の保護フィルムすなわち反射防止フィルムの基材として、使用されている。しかし、このTACフィルムを、LCD用途以外で使用する場合、透明性の高さという大きな利点はあるものの、(1)加水分解などによる、変色、腐食等の外観不良が発生しやすく、環境耐久性が悪い。(2)後工程での加工性が悪い。(3)LCD用途以外での供給が難しいと言う問題がある。そのため、LCD用途で使用する場合において、TAC以外の基材を使用した、透明性を持った反射防止フィルムの開発が望まれている。
もちろん、TAC以外の基材、特にポリエチレンテレフタレート(PET)を用いた反射防止フィルムは以前より提案されている。例えば、PETフィルムを用いた技術としては、特許文献1および2などがある。一般的に、ドライコーティング法、特にスパッタリング法では、前記したように、膜厚の均一性が高いため、複数の層を重ねたち密な光学設計に基づいた極めて低い反射率の性能を持った反射防止フィルムを作ることができる。その代償に、プロセスコストが高くなるという欠点がある。そのため、ウェット法で作成した反射防止膜よりも、高性能で高額な価格設定になる。そのため、TAC等に比べ、光学性能で劣るPETフィルム等を基材に使用しても、需要がないのが現状である。
特許第3141129号公報 特開平9−193328号公報
以上のことを鑑みて、本発明は、基材に、ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いても、極めて高い透明性を有し、かつ機械特性に優れた高付加価値な性能を有した反射防止フィルムを提供することを課題とした。
請求項1に記載の発明は、透明基材フィルムの少なくとも一方の面上に、少なくともハードコート層と反射防止層とを順次積層してなる反射防止フィルムであって、前記反射防止層が、高屈折材料層と低屈折率層を交互に積層させた4層以上の積層体からなり、前記反射防止層の最外層が低屈折率層であり、かつ、下記(1)〜(4)の条件をすべて満たすことを特徴とする反射防止フィルムである。
(1)透明基材フィルム:厚みが70μm以上200μm以下、ヘイズが0.5%以下であるポリエチレンテレフタレートフィルムを用いる。
(2)ハードコート層:厚みが3μm以上20μm以下の光硬化性樹脂を使用する。
(3)反射防止層:総厚が、100〜300nmである。
(4)反射防止フィルム:ヘイズが0.4%以下、全光線透過率が92%以上であり、視感反射率が、0.9%以下である。
請求項2に記載の発明は、前記(1)透明基材フィルムの全光線透過率が88%以上であることを特徴とする請求項1の反射防止フィルムである。
請求項3に記載の発明は、前記(2)ハードコート層のヘイズが0.4%以下であり、全光線透過率が89%以上であり、且つ、鉛筆硬度試験(JIS K5400−1990)により3Hの鉛筆にて500g荷重でハードコート層表面を5回試験をおこなったときに、2本以上傷がつかないことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の反射防止フィルムである。
請求項4に記載の発明は、前記反射防止層の、低屈折率層が酸化珪素であり、高屈折率層が酸化ニオブであり、スパッタリング法を用いたドライコーティング法により積層されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の反射防止フィルムである。なお、ここでいう酸化珪素(SiOx)とは、主に二酸化珪素(SiO)を示すものである。ただし、酸素が欠乏・増加することにより、SiOxのxは1.8〜2.2の範囲で推移するものである。
請求項5に記載の発明は、前記スパッタリング法による、反射防止層の積層時の圧力が、0.1〜0.6Paであることを特徴とする請求項4記載の反射防止フィルムである。
請求項6に記載の発明は、前記ハードコート層と反射防止層との間に、金属、または、2種類以上の金属からなる合金、または、金属化合物、または、それらの混合物よりなり、1層以上からなるプライマー層を設けたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の反射防止フィルムである。
請求項7に記載の発明は、前記反射防止層の上に、防汚層を設けたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の反射防止フィルムである。
請求項8に記載の発明は、前記防汚層が、真空蒸着法により成膜したフッ素化合物であることを特徴とする請求項7記載の反射防止フィルムである。
請求項9に記載の発明は、前記防汚層側表面の水滴接触角が100°以上であり、ヘイズが0.3%以下であることを特徴とする請求項7または8に記載の反射防止フィルムである。
請求項10に記載の発明は、スチールウール#0000を使用し、荷重1.5kg/cmで、温度25℃、湿度55%Rhの環境下で、10往復擦っても前記防汚層に傷が付かないことを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の反射防止フィルムである。
本発明で作成した反射防止フィルムによれば、高透明性を有し、耐擦傷性試験、鉛筆硬度試験などの機械特性に優れた反射防止フィルムの作製が可能である。
本発明の反射防止フィルムの一実施形態を示した断面図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の反射防止フィルムの一実施形態を示した断面図である。図1において、本発明の反射防止フィルム100は、透明基材フィルム1上に、ハードコート層2、プライマー層3、反射防止層4が順次積層されている。さらに反射防止層4上に防汚層5が積層されている。
本発明における透明基材フィルム1としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いる。透明基材フィルム1の厚さは、目的の用途に応じて、適宜選択すればよいが、通常70μm以上200μm以下のものを使用する。厚さが70μm未満では、ハードコート層を形成しても機械特性が弱くなるため好ましくなく、200μmを超えると加工性が良くなく材料費が高くなるため好ましくない。
また、本発明においては、透明基材フィルム1であるPETフィルムには、可塑剤や紫外線吸収剤、劣化防止剤の添加物が含まれてもいてもよいが、高透明なフィルムを選択する必要があるため、粒子形状をした添加物等は光の透過性および光の直進性を低くしてしまい、透明性を下げる原因となるため、あまり好ましくない。できる限り、内部への粒子状の添加物は避ける必要がある。ハンドリング上、易接着層などは、必要となるが、PETの外側に、なるべく表面粗さを抑えた状態で、コーティングする必要がある。また、フィルムの透明度に関しては、ヘイズや光線透過率の値で、決めることが出来る。本発明においては、PETフィルムのヘイズが0.5%以下のものを使用する。このようなPETフィルムを使用することにより、PETフィルム上にハードコート層及び反射防止層を形成した場合にあっても高透明性を有する反射防止フィルムとすることができる。また、本発明においてはPETフィルムの全光線透過率が88%以上であるものを使用することが好ましい。このようなPETフィルムを使用することにより、PETフィルム上にハードコート層及び反射防止層を形成した場合にあってもさらに高透明性を有する反射防止フィルムとすることができる。本発明でいうヘイズおよび全光線透過率は、ともにJIS K7136−2000により測定される。
透明基材フィルム1上に、反射防止層4の機械強度を十分に発揮させるためのハードコート層2を設ける。本発明におけるハードコート層2としては、電離線や紫外線硬化型の樹脂が使用され、紫外線硬化型のアクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリル酸エステル類、メタクリルアミド等のアクリル系樹脂や有機珪素系樹脂やポリシロキサン樹脂が最適である。これらの材料の中には、硬化性を向上させるために、重合開始剤を添加してもよい。PETフィルムの片面に易接着層を有する場合は、易接着面側にハードコート層2を塗工することが好ましい。ヘイズを下げ、更に、ハードコートとPETフィルムの密着性を上げる効果がある。ハードコート層2の厚みとしては、物理膜厚3μm以上20μm以下とすることが好ましい。ハードコート層2の厚みが3μm未満であると、機械強度が弱く、厚みに関しては、性能的には特に問題ないが、20μmを超えると、フィルムの反りが大きくなり、後加工性が悪くなる。
本発明における反射防止フィルムにおいては、反射防止層が極めて薄いため、反射防止フィルム層全体の固さは、下地層であるハードコートの固さの影響を受けやすい。そのため、できるだけ機械強度が高いハードコート層を選択する必要がある。本発明においては、鉛筆硬度試験(JIS K5400−1990)により3Hの鉛筆にて500g荷重でハードコート層表面を5回試験をおこなったときに、2本以上傷がつかないハードコート層を使用することが好ましい。このようなハードコート層を使用することにより、ハードコート層上に反射防止層を形成した場合にあっても、反射防止フィルム表面が十分な耐擦傷性を備える反射防止フィルムとすることができる。
また本発明においては、ハードコート層は、ヘイズが0.4%以下、全光線透過率が89%以上であるものを採用することが好ましい。このようなハードコート層を使用することにより、ハードコート層上に反射防止層を形成した場合にあっても、高透明性を有する反射防止フィルムとすることができる。
透明基材フィルム1と接する面とは反対側のハードコート層2に表面処理を施しても良い。このとき、表面処理方法としては、コロナ放電処理や電子ビーム処理、火炎処理、グロー放電処理、大気圧プラズマ処理等の処理が挙げられる。本発明では、低温プラズマ表面処理を施すのが特に好ましい。低温プラズマ処理を行うことで、親水性の向上や、適度に表面を荒らすことにより、その後に積層する薄膜との密着性を向上させる。
この後、ハードコート層2に、プライマー層3を設けてもよい。プライマー層3の材料としては、例えば、シリコン、ニッケル、クロム、錫、金、銀、白金、亜鉛、チタン、タングステン、アルミニウム、ジルコニウム、パラジウム等の金属、または、これら金属の2種類以上からなる合金、または、これらの酸化物、弗化物、硫化物、窒化物などが挙げられ、これは混合物であってもよい。また、プライマー層3は2層以上の構成であってもよい。
プライマー層3は、密着性を向上させるために用いる。その厚みは、透明基材フィルム1の透明性を損なわない程度あればよく、好ましくは、物理膜厚で、1nm以上10nm以下程度である。これらのプライマー層は、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法、化学蒸着(CVD)法などのドライコーティング方法を用いることが好ましい。特に、スパッタリング法が好ましい。
反射防止層4としては、波長550nmにおける光の屈折率が1.6未満でかつ波長550nmにおける光の消衰係数が0.5以下の低屈折率透明薄膜層単層からなるものや、波長550nmにおける光の屈折率が1.9以上の高屈折率透明薄膜層、光の屈折率1.6未満の低屈折率透明薄膜層、光の屈折率1.6〜1.9程度の中屈折率透明薄膜層などの屈折率の異なる光学薄膜を積層した複数層からなるものなどが挙げられるが、複数層からなる反射防止層は反射率がきわめて低く、反射防止性能が高いため、特に好ましい。本発明の反射防止層4は、高屈折材料層と低屈折率層を交互に積層させた4層以上の積層体からなり、最外層が低屈折率層である。具体的には、反射防止層4としては、基材側より順番に、高屈折率透明薄膜層、低屈折率透明薄膜層、高屈折率透明薄膜層、低屈折率透明薄膜層とを積層した構成のものが挙げられる。
これらの光学薄膜層からなる反射防止層4は、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法、化学蒸着(CVD)法などのドライコーティング方法で形成できる。膜厚均一性が高く、ピンホール等の欠陥が少ないため、視認性に優れ、緻密であり、耐擦傷性などの機械特性に優れた薄膜の形成が可能であるスパッタリング法を用いることが好ましい。中でも、より高い成膜速度と高い放電安定性により高生産性を得ることができることから、中周波領域の電圧印加により成膜を行うデュアル・マグネトロン・スパッタリング(DMS)法が最適である。
なお、スパッタリング法を採用した場合、反射防止層の積層時の圧力は、0.1〜0.6Paであることが好ましい。その理由は、十分なスパッタリング率および膜密度を得ることができることによる。
高屈折率透明薄膜層の材料としては、インジウム、錫、チタン、亜鉛、ジルコニウム、ニオブ、マグネシウム、ビスマス、セリウム、タンタル、アルミニウム、ゲルマニウム、カリウム、アンチモン、ネオジウム、ランタン、トリウム、ハフニウム等の金属、あるいは、これら金属の2種類以上からなる合金、これらの酸化物、弗化物、硫化物、窒化物などが挙げられる。具体的には、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化セリウム等が挙げられるがこれに限られるものではない。また、複数積層する場合、必ずしも同じ材料を選択する必要はなく、目的にあわせて、適宜選択すればよい。中でも、スパッタリング法を用いる場合は、作成した薄膜のピンホールの少なさから、酸化ニオブが適している。
低屈折率透明薄膜層の材料としては、例えば、酸化珪素、弗化マグネシウム、弗化バリウム、弗化カルシウム、弗化ハフニウム、弗化ランタン等の材料が、挙げられるがこれに限られるものでなく、更に、複数積層する場合、必ずしも同じ材料を選択する必要なく、目的にあわせて、適宜選択すればよい。特に、光学特性、機械強度、コスト、成膜適正などの面などから、酸化珪素が最適な材料である。なお、ここでいう酸化珪素(SiOx)とは、主に二酸化珪素(SiO)を示すものである。ただし、酸素が欠乏・増加することにより、SiOxのxは1.8〜2.2の範囲で推移するものである。
反射防止層の総厚は、100〜300nmである。100nm未満では、十分な反射性能は得られず好ましくなく、300nmを超えると生産性が悪いため好ましくない。
必要に応じて、反射防止層4の上、最表面層に防汚層5を設けても良い。防汚層5は、真空蒸着法により成膜したフッ素化合物であることができ、反応性官能基と結合している珪素原子を2つ以上有するフッ素含有珪素化合物から得られた層であるのが好ましい。本発明における反応性官能基とは、反射防止層4の最上層と反応し、結合しうる基を意味する。また、フッ素含有珪素化合物の反応性官能基同士を反応させることにより形成される層である。これにより、表面に汚れが付きにくく、更に、汚れが付いた場合でも拭き取り性能を上げることができる。ここで、防汚層の成膜方法は特に限らないが、真空蒸着法による成膜方法が好適である。この方法によれば、連続的に成膜した場合、膜厚の均一性良く、成膜することが可能である。
この際、十分な防汚性能を有するためには、少なくとも、水滴接触角が100°以上であるのがよい。これにより、表面の汚れのふき取り性が上がる。更に、摩擦係数も下がるため、より耐擦傷性能も向上させることもできる。また、本発明の防汚層は、スチールウール#0000を使用し、荷重1.5kg/cmで、温度25℃、湿度55%Rhの環境下で、10往復擦っても傷が付かないことが耐傷性の点からとくに好ましい。
このようにして得られる本発明の反射防止フィルムは、ヘイズが0.4%以下、全光線透過率が92%以上であり、視感反射率(JIS Z8701−1982)が、0.9%以下であるのが好ましい。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
図1に示すように、透明基材フィルム1に厚さ100μmのPETフィルムを用い、紫外線硬化型アクリル系樹脂を塗布し、乾燥・紫外線硬化させて任意の厚みのハードコート層2を設けた。グロープラズマ処理を施し、プライマー層3として、スパッタリング法にて、SiO層を、膜厚3nmで成膜した後、反射防止層4をスパッタリング法にて、任意の成膜圧力条件にて、層構成をハードコート側からNb/SiO/Nb/SiO、各層の膜厚は、それぞれ15nm/25nm/105nm/85nmとなるように成膜を実施した。
[実施例1]
透明基材フィルムに、ヘイズ0.34%、全光線透過率93.4%のPETフィルムを使用した。ハードコート層は、厚みが5μm、ヘイズが0.35%、全光線透過率が94.2%、鉛筆硬度試験が、3H、500g荷重で、5/5である。反射防止層の成膜圧力条件を、0.3Paとして、反射防止層の成膜を実施した。
[実施例2]
透明基材フィルムに、ヘイズ0.27%、全光線透過率90.4%のPETフィルムを使用した。ハードコート層は、厚みが4μm、ヘイズが0.2%、全光線透過率が89.9%、鉛筆硬度が、3H、500g過重で、4/5である。反射防止層の成膜圧力条件を、0.3Paとして、反射防止層の成膜を実施した。
[比較例1]
透明基材フィルムに、ヘイズ1.0%、全光線透過率89%のPETフィルムを使用した。ハードコート層は、厚みが5μm、ヘイズが0.95%、全光線透過率が89.5%、鉛筆硬度試験が、3H、500g荷重で、5/5である。成膜圧力条件を、0.3Paとして、反射防止層の成膜を実施した。
[比較例2]
透明基材フィルムに、ヘイズ0.27%、全光線透過率90.4%のPETフィルムを使用した。ハードコート層は、厚みが3μm、ヘイズが0.18%、全光線透過率が90.3%、鉛筆硬度試験が、2H、500g荷重で、2/5である。成膜圧力条件を、0.3Paとして、反射防止層の成膜を実施した。
その後、真空蒸着にて、防汚層の成膜を行った。
[評価]
実施例、比較例で得られたサンプルを以下の方法で評価した。結果は表1に示す。
(光学特性評価)
(1)視感反射率測定
日立製作所製U4000型の分光光度計を用いて、測定を実施した。サンプルの裏面側は艶消し黒塗りスプレーにより裏面からの反射をカットする処理を施し、測定の際には、正反射5°ユニットを使用した。
視感反射率は、JIS Z8701−1982に則して行った。
(2)ヘイズおよび全光線透過率測定
日本電飾社製NDH−2000を用いて、測定を実施した。この際、入射光は、防汚層(反射防止層)側より入射させた。
ヘイズおよび全光線透過率は、ともにJIS K7136−2000に則して行った。
(機械特性評価)
(3)耐擦傷性試験
スチールウール#0000を擦傷試験機に固定し、500,1000gfの荷重をかけて、10往復の擦傷試験を各サンプルの反射防止層に対して行い、サンプルの磨耗状態(傷本数)を目視で観測した。判定基準を以下に示す。
◎:傷無し
○:傷10本未満
×:傷10本以上
(4)鉛筆硬度試験
任意の鉛筆に、500gfの荷重をかけて、5回フィルム上をなぞり、サンプルの磨耗状態(傷本数)を目視で観測した。5回線を引き、傷のない場合は5/5、傷が5本入っている場合は、0/5と表記する。判定基準を以下に示す。鉛筆は、2H〜3Hを使用した。
◎:5/5、4/5
○:3/5
△:2/5
×:1/5、0/5
Figure 2010092003
比較例1から2で作成した反射防止フィルムに関しても、スパッタリング法による成膜のため、緻密な光学設計を可能とし、十分な反射防止性能を得ることは可能である。しかし、それぞれ、何かしらの評価項目において、劣ることがわかる。これに対し、実施例1、2で作成した反射防止フィルムを用いると、光学特性、機械特性、全ての性能において、良い結果を得ることができた。これにより、優れた反射防止機能、優れた機械特性、優れた環境耐久性を有していることが確認できる。
1 透明基材フィルム
2 ハードコート層
3 プライマー層
4 反射防止層
5 防汚層
100 反射防止フィルム

Claims (10)

  1. 透明基材フィルムの少なくとも一方の面上に、少なくともハードコート層と反射防止層とを順次積層してなる反射防止フィルムであって、前記反射防止層が、高屈折材料層と低屈折率層を交互に積層させた4層以上の積層体からなり、前記反射防止層の最外層が低屈折率層であり、かつ、下記(1)〜(4)の条件をすべて満たすことを特徴とする反射防止フィルム。
    (1)透明基材フィルム:厚みが70μm以上200μm以下、ヘイズが0.5%以下であるポリエチレンテレフタレートフィルムを用いる。
    (2)ハードコート層:厚みが3μm以上20μm以下の光硬化性樹脂を使用する。
    (3)反射防止層:総厚が、100〜300nmである。
    (4)反射防止フィルム:ヘイズが0.4%以下、全光線透過率が92%以上であり、視感反射率が、0.9%以下である。
  2. 前記(1)透明基材フィルムの全光線透過率が88%以上であることを特徴とする請求項1の反射防止フィルム。
  3. 前記(2)ハードコート層のヘイズが0.4%以下であり、全光線透過率が89%以上であり、且つ、鉛筆硬度試験(JIS K5400−1990)により3Hの鉛筆にて500g荷重でハードコート層表面を5回試験をおこなったときに、2本以上傷がつかないことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の反射防止フィルム。
  4. 前記反射防止層の、低屈折率層が酸化珪素であり、高屈折率層が酸化ニオブであり、スパッタリング法を用いたドライコーティング法により積層されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の反射防止フィルム。
  5. 前記スパッタリング法による、反射防止層の積層時の圧力が、0.1〜0.6Paであることを特徴とする請求項4記載の反射防止フィルム。
  6. 前記ハードコート層と反射防止層との間に、金属、または、2種類以上の金属からなる合金、または、金属化合物、または、それらの混合物よりなり、1層以上からなるプライマー層を設けたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の反射防止フィルム。
  7. 前記反射防止層の上に、防汚層を設けたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の反射防止フィルム。
  8. 前記防汚層が、真空蒸着法により成膜したフッ素化合物であることを特徴とする請求項7記載の反射防止フィルム。
  9. 前記防汚層側表面の水滴接触角が100°以上であり、ヘイズが0.3%以下であることを特徴とする請求項7または8に記載の反射防止フィルム。
  10. スチールウール#0000を使用し、荷重1.5kg/cmで、温度25℃、湿度55%Rhの環境下で、10往復擦っても前記防汚層に傷が付かないことを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の反射防止フィルム。
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