[go: up one dir, main page]

JP2010075075A - スピニングリールのマスターギア、及び回転伝達機構 - Google Patents

スピニングリールのマスターギア、及び回転伝達機構 Download PDF

Info

Publication number
JP2010075075A
JP2010075075A JP2008245184A JP2008245184A JP2010075075A JP 2010075075 A JP2010075075 A JP 2010075075A JP 2008245184 A JP2008245184 A JP 2008245184A JP 2008245184 A JP2008245184 A JP 2008245184A JP 2010075075 A JP2010075075 A JP 2010075075A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gear
tooth
width
teeth
spinning reel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008245184A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5270283B2 (ja
Inventor
Tetsuo Inoue
徹夫 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimano Inc
Original Assignee
Shimano Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimano Inc filed Critical Shimano Inc
Priority to JP2008245184A priority Critical patent/JP5270283B2/ja
Publication of JP2010075075A publication Critical patent/JP2010075075A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5270283B2 publication Critical patent/JP5270283B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】スピニングリールのマスターギアにおいて、フェースギア部に潤滑油を保持する条痕を形成することなく潤滑油を歯面に確実に供給できるようにする。
【解決手段】マスターギア11は、スピニングリールのリール本体に回転自在に装着されたハンドルの回転をピニオンギア12に伝達するギアであって、円板部と、フェースギア部11bと、を有している。円板部は、ハンドル軸と一体回転可能なものである。フェースギア部11bは、円板部の一側面の外周側に周方向に間隔を隔てて形成された複数のギア歯11cと、複数のギア歯11cの歯底部11dに歯底部11dの幅W2より広い幅W1で形成された潤滑用の溝部11eと、を有している。
【選択図】図6

Description

本発明は、マスターギア、特に、スピニングリールのリール本体に回転自在に装着されたハンドルの回転をピニオンギアに伝達するマスターギア、及びそれを備えた回転伝達機構に関する。
一般にスピニングリールは、ハンドルを有するリール本体と、リール本体に回転自在に支持されたロータと、ロータの前方に設けられ外周に釣り糸が巻き付けられるスプールとを有している。ロータには、回転伝達機構によりハンドルの回転が伝達される。回転伝達機構は、ハンドルと一体回転するマスターギアと、マスターギアと食い違う軸回りに回転するピニオンギアと、を有している。ピニオンギアは、マスターギアに噛み合い、ハンドルの回転に連動して回転する。ピニオンギアはスプール軸回りに回転し、その先端部にロータが一体回転可能に連結されている。
マスターギアは、通常、ハンドル軸と一体回転可能なマスターギア軸に一体又は別体で形成されている。マスターギアに比べてピニオンギアは高速回転するため、通常は、マスターギアのフェースギア部の歯面はピニオンギアの歯面より硬度が低くなっている。
2つのギアの噛み合いにおいて、硬度が低い歯面に切削加工により条痕を設け、グリース等の潤滑油の油だまりとする技術が従来知れている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1では、ウォームギアに噛み合うウォームホイールの歯面に条痕が形成されている。このように油だまりを形成して潤滑油を保持すると、硬度が低い歯面の磨耗や2つの歯面の焼き付きを抑制することができる。
一方、スピニングリールのマスターギアは、マスターギア軸と一体又は別体で構成された円板部と、円板部と一体又は別体で構成されたフェースギア部と、を有している(例えば、特許文献2参照)。特許文献2では、マスターギアのフェースギア部の歯面に条痕が形成されている。これにより、特許文献1の技術と同様に潤滑油の歯面での保持を行いやすくしている。
フェースギア部は機械加工が難しいため、機械加工で直接マスターギアを製作するだけでなく、金型を用いて製作されることもある。金型は、機械加工で作られたマスターから、例えば放電加工等により作成される。この作成された金型を用いて鍛造やダイカスト等の成形加工によりフェースギア部が形成される。このような場合でも、マスターに残った条痕が、製品となるマスターギアのフェースギア部の歯面に転写されることがある。
実公昭61−8278号公報 特許4014024号明細書
スピニングリールの場合、ハンドルを手で操作しているので、回転の感触がリールの重要な訴求要因となる。前記従来の構成では、歯面に条痕を形成して潤滑油を保持している。このような条痕をフェースギア部の歯面に形成すると、騒音の発生や回転の感触の悪化を招き、リールの訴求力が低下する。また、通常の機械加工では潤滑油の保持を目的としなくしても、条痕は必然的に残るものであるが、潤滑油の保持をしようとして条痕の間隔を広くすると、特にその傾向が強くなる。
本発明の課題は、スピニングリールのマスターギアにおいて、フェースギア部に潤滑油を保持するための条痕を形成することなく潤滑油を歯面に確実に供給できるようにすることにある。
発明1に係るスピニングリールのマスターギアは、スピニングリールのリール本体に回転自在に装着されたハンドルの回転をピニオンギアに伝達するギアであって、円板部と、フェースギア部と、を有している。円板部は、ハンドルの回転軸と一体回転可能なものである。フェースギア部は、円板部の一側面の外周側に周方向に間隔を隔てて形成されピニオンギアに噛み合う複数のギア歯と、複数のギア歯の歯底部に歯底部の幅より広い幅で形成された潤滑用の溝部と、を有している。
このマスターギアでは、複数のギア歯の歯底部に歯底部の幅より拡げて形成された溝部が形成されている。ギア歯の歯面にグリース等の潤滑油を塗布すると、塗布された潤滑油は、高荷重回転時には、歯面同士の衝突及び摺接により歯底部又は歯先部に向けて押し出され、歯底部に形成された溝部に溜まる。一方、低荷重時には、潤滑油の流動性、マスターギアの回転による遠心力、及び歯面の傾斜によって、潤滑油はフェースギア部の歯面に戻る。また、ピニオンギアの歯先部は溝部に貯められた潤滑油を掻き上げてフェースギア部の歯面に付着させる。ここでは、フェースギア部の歯底部に歯底部の幅より広い幅の滑用の溝部を形成して潤滑油を貯留できるようにしている。このため、フェースギア部に潤滑油を保持するための条痕を形成することなく潤滑油を歯面に確実に供給できるようになる。
発明2に係るスピニングリールのピニオンギアは、発明1に記載のギアにおいて、モジュールの2.35倍以上2.55倍以下の全歯たけを有する高歯である。この場合には、ギアは、モジュールの2.35倍から3.25倍の全歯たけを有しているので、JIS B 1701で規定される並歯の全歯たけ(モジュールの2.25倍)よりギア歯の全歯たけが大きくなり高歯となる。このように高歯にすることにより、ギア歯の噛み合い率を向上させて滑らかな回転が得られるようになる。また、ギア歯の歯元部の幅(長さ)が長くなるので、ギア歯の歯元部の剛性が高くなる。
発明3に係るマスターギアは、発明1又は2に記載のギアにおいて、溝部の幅は、歯底部の幅の2倍以上3倍以下の範囲である。この場合には、歯底部の幅より2倍以上の幅を溝部が有しているので、歯先部との干渉を防止しつつ潤滑油を貯留できる。また、3倍以下の幅であるので、歯底部の近傍にだけに溝部が形成される。このため、ピニオンギアとの接触部分がほとんど減少せず、噛み合い率を維持できる。
発明4に係るスピニングリールの回転伝達機構は、発明1から3のいずれか1項に記載のマスターギアと、ピニオンギアと、を備えている。ピニオンギアは、リール本体に回転自在に装着可能な筒状のギア本体と、ギア本体の外周面に形成されギア歯に噛み合いかつギア歯と同じ全歯たけの複数のはす歯を有するギア部と、を含む。
本発明によれば、フェースギア部の歯底部に歯底部の幅より広い幅の滑用の溝部を形成して潤滑油を貯留できるようにしている。このため、フェースギア部に潤滑油を保持するための条痕を形成することなく潤滑油を歯面に確実に供給できるようになる。
本発明の一実施形態を採用したスピニングリールは、図1に示すように、ハンドル1と、ハンドル1を回転自在に支持するリール本体2と、ロータ3と、スプール4とを備えている。ロータ3は、リール本体2の前部に回転自在に支持されている。スプール4は、釣り糸を外周面に巻き取るものであり、ロータ3の前部に前後移動自在に配置されている。なお、ハンドル1はリール本体2の左右いずれにも装着可能である。
ハンドル1は、図1及び図2に示すように、ハンドル軸1aと、ハンドル軸1aから径方向に延びるハンドルアーム1bと、ハンドルアーム1bの先端に回転自在に設けられたハンドル把手1cと、を有している。
リール本体2は、図2及び図3に示すように、側部が開口する収納空間を内部に有するリールボディ2aと、リールボディ2aの収納空間RAを塞ぐためにリールボディ2aに着脱自在に装着される蓋部材2b(図3)と、を有している。また、リール本体2は、リールボディ2a及び蓋部材2bの後部を覆う本体ガード26と、を有している。
リールボディ2aは、たとえば、マグネシウム合金やアルミニウム合金等の軽合金製のものであり、上部に前後に延びるT字形の竿取付脚2cが一体形成されている。リールボディ2aの収納空間内には、図2に示すように、回転伝達機構5と、オシレーティング機構6とが設けられている。
回転伝達機構5は、ハンドル1の回転をロータ3に伝達するものであり、ハンドル1の回転に連動してロータ3を回転させる。回転伝達機構5は、図2及び図3に示すように、ハンドル1のハンドル軸1aが一体回転可能に連結されたマスターギア軸10とともに回転するマスターギア11と、このマスターギア11に噛み合うピニオンギア12とを有している。
図3及び図4に示すように、マスターギア11は、マスターギア軸10と一体又は別体(この実施形態では一体)に形成されている。マスターギア軸10の両端外周面には、ハンドル1のハンドル軸1aの外周側に配置された軸つば部材1dを印ろう結合するための結合雄部10aが他の部分より小径に形成されている。また、軸つば部材1dの端部内周面には、結合雄部10aの外周面に嵌合する結合雌部1eが形成されている。これにより、軸つば部材1dがマスターギア軸10と同芯に配置され、軸つば部材1dのがたつきが生じにくくなる。
マスターギア軸10はねじ結合又は非円形係合(この実施形態ではねじ結合)により一体回転可能に、ハンドル軸(ハンドルの回転軸)1aに連結されている。マスターギア軸10は、蓋部材2bに装着された軸受27a及びリールボディ2aに装着された軸受27bにより、リール本体2に回転自在に装着されている。マスターギア軸10の両端の内周面には、ハンドル軸1aに螺合する雌ねじ部10b,10cが形成されている。ここで、マスターギア11に近い側の雌ねじ部10bは左ねじであり、マスターギア11から離れた側の雌ねじ部10cは、右ねじである。したがって、ハンドル軸1aは、右ねじ用と左ねじ用の2種類のものが用意されている。
マスターギア11は、図3及び図4に示すように、マスターギア軸10と一体で形成された円板部11aと、円板部11aの一側面の外周側に形成されたフェースギア部11bと、を有している。フェースギア部11bは、図5及び図6に示すように、円板部の一側面の外周側に周方向に間隔を隔てて形成された複数のギア歯11cと、複数のギア歯11cの間の歯底部11dに形成された潤滑用の溝部11eと、を有している。マスターギア11は、マスターギア軸10とともに、例えばアルミニウム合金を鍛造して形成されている。ギア歯11cの歯面には、潤滑油として例えばグリースが塗布されている。ギア歯11cは、モジュールの2.55倍の全歯たけH1を有する、いわゆる高歯となっている。全歯たけは、歯底部11dから歯先部11fまでの距離である。また、ギア歯11cの歯先部11fとピニオンギア12の歯底部12hまでの距離である頂げきT1は、モジュールの0.25倍である。
潤滑用の溝部11eは、図6に示すように、たとえば、歯底部11dの幅W2より広い幅W1で歯底部11dと同じ深さで歯底部11dに形成されている。具体的には、この実施形態では、溝部11eの幅W1は、歯底部11dの幅W2の2.5倍で形成されている。溝部11eは、歯底部11dの全長にわたって形成してもよいが、ピニオンギア12に噛み合う部分を含むように歯底部11dに部分的に設けてもよい。
ピニオンギア12は、図2及び図4に示すように、筒状のギア本体12aと、ギア本体12aの外周面に形成されたはす歯12cを有するギア部12bと、を有している。ギア本体12aは、ハンドル軸1aと食い違う軸回り(スプール軸15回り)にリールボディ2aに回転自在に装着されている。ギア本体12aは、ギア部12bの前後で軸受14a,14bによりリールボディ2aに回転自在に支持されている。ギア本体12aの中心には、スプール軸15が貫通可能な貫通孔12dが形成されている。ギア本体12aの前端外周面には、ロータ3を固定するためのナット13が螺合する雄ねじ部12eが形成され、前部外周面には、ロータ3を一体回転可能に連結するための平行な回り止め平面12fが形成されている。
はす歯12cは、図6に示すように、ギアは11bと同じ、モジュールの2.55倍の全歯たけH2を有する、いわゆる高歯である。はす歯12cの歯先部12gとギア歯11cの歯底部11dとの隙間である頂げきT2は、モジュールの0.25倍である。
オシレーティング機構6は、図2に示すように、スプール4の中心部にドラグ機構60を介して連結されたスプール軸15を前後方向に移動させてスプール4を同方向に移動させるための機構である。オシレーティング機構6は、スプール軸15の下方に平行に配置された螺軸21と、螺軸21に沿って前後方向にリールボディ2aに案内されるスライダ22と、螺軸21の先端に固定された中間ギア23とを有している。スライダ22にはスプール軸15の後端が回転不能に固定されている。中間ギア23はピニオンギア12に噛み合っている。
ロータ3は、図2に示すように、リール本体2に対して前後方向の第1軸X回りに回転自在なロータ本体7と、ロータ本体7の後部を覆う後カバー部材33と、第1及び第2ロータアーム31,32の外側面を各別に覆う1対の外側カバー部材34a,34bと、を有している。
ロータ本体7は、たとえばマグネシウム合金やアルミニウム合金製等の軽合金製であり、ピニオンギア12に回転不能に連結され、リール本体2に対して回転自在である。ロータ本体7は、リール本体2の筒状の前部を内部に配置可能に後部に形成された凹陥部30aを有する筒部30と、筒部30の後部の対向する位置に接続され筒部30と間隔を隔てて前方に延びる第1及び第2ロータアーム31,32と、を有している。
筒部30は、前部内周側に円板状の壁部30dを有し、壁部30dの中心部には、ピニオンギア12と一体回転可能に連結される環状ボス部30eが形成されている。このボス部30eの内周部をピニオンギア12の前部が貫通し、ピニオンギア12の前部にある回り止め平面12fがボス部30eの内周面に一体回転可能に係止される。この状態でピニオンギア12の雄ねじ部12eにナット13をねじ込むことにより、ロータ本体7がピニオンギア12に固定される。
第1ロータアーム31の先端の外周側には、第1ベール支持部材40が揺動自在に装着されている。第1ベール支持部材40の先端には、釣り糸をスプール4に案内するためのラインローラ41が装着されている。また、第2ロータアーム32の先端内周側には、第2ベール支持部材42が揺動自在に装着されている。
ラインローラ41と第2ベール支持部材42との間には線材を略U状に湾曲させた形状のベール43が固定されている。これらの第1ベール支持部材40、第2ベール支持部材42、ラインローラ41及びベール43により釣り糸をスプール4に案内するベールアーム44が構成される。ベールアーム44は、図2に示す糸案内姿勢とそれから反転した糸開放姿勢との間で揺動自在である。
ロータ3の筒部30の内部には、図2に示すように、ロータ3の逆転を禁止・解除するための逆転防止機構50が配置されている。逆転防止機構50は、内輪が遊転するローラ型のワンウェイクラッチ51と、ワンウェイクラッチ51を作動状態(逆転禁止状態)と非作動状態(逆転許可状態)とに切り換える切換レバー52とを有している。切換レバー52は、リールボディ2aに揺動自在に装着されている。切換レバー52の先端には図示しないカムが設けられており、切換レバー52を揺動させると、カムによりワンウェイクラッチ51が作動状態と非作動状態とに切り換わる。
スプール4は、図1に示すように、ロータ3の第1ロータアーム31と第2ロータアーム32との間に配置されており、スプール軸15の先端にドラグ機構60(図2)を介して装着されている。スプール4は、外周に釣り糸が巻かれる糸巻き胴部4aと、糸巻き胴部4aの後方に糸巻き胴部4aと一体形成された筒状のスカート部4bと、糸巻き胴部4aの前端に設けられた大径のフランジ部4cとを有している。
ドラグ機構60は、スプール4の回転を制動するものであり、スプール軸15の先端に螺合するドラグ調整つまみ61と、ドラグ調整つまみ61により押圧されてスプール4を制動する制動部62とを有している。
このように構成されたスピニングリールでは、ベールアーム4が糸案内姿勢の状態で釣り人がハンドル1を糸巻取方向に回転させると、その回転でマスターギア11が回転し、マスターギア11に噛み合うピニオンギア12が回転する。これにより、ロータ3が糸巻取方向に回転し、繰り出された釣り糸がスプール4に巻き付けられる。このとき、マスターギア11に塗布されたグリースは、高荷重回転時には、マスターギア11の歯面とピニオンギア12の歯面との衝突及び摺接により歯底部11d又は歯先部11fに向けて押し出される。歯底部11dに向けて押し出されたグリースは歯底部11dに形成された溝部11eに溜まる。
一方、低荷重回転時には、グリースの流動性、マスターギア11の回転による遠心力、及び歯面の傾斜によって、グリースはフェースギア部11bの歯面に戻る。また、ピニオンギア12の歯先部12gは溝部11eに貯められたグリースを掻き上げてフェースギア部11bの歯面に付着させる。
ここでは、フェースギア部11bの歯底部11dに潤滑用の溝部11eを形成し、潤滑油としてのグリースを貯留できるようにしている。このため、フェースギア部11bの歯面にグリースを保持するための条痕を形成することなくグリースを歯面に確実に供給できるようになる。
また、この実施形態では、マスターギア11のギア歯11c及びマスターギア11に噛み合うピニオンギア12のはす歯12cの全歯たけH1,H2をJIS B 1701で規定される並歯の全歯たけ(モジュールの2.25倍)より大きくした高歯としている。このため、全歯たけH1,H2を大きくすることにより、噛み合い率を向上させて滑らかな回転が得られるようになる。また、ギア歯の歯元部の幅(長さ)が長くなるので、ギア歯の歯元部の剛性が高くなる。
さらに、並歯より歯底部の幅が狭くなる高歯にしたときに歯底部11eの幅W2より幅W1が広い溝部11eを形成することにより、高歯を形成する際に歯底部より直径の大きなエンドミル等の工具を使用できる。このため、高歯のギア歯11cの機械加工が容易になる。このことは、金型を用いてマスターギア11を形成する際の金型製作用のマスターを機械加工により製作するときにも、マスターを機械加工しやすくなる。さらに成形加工の際には、溝部11eの幅W1が歯底部11dの幅W2より広いので、溝部11eを形成しやすくなる。
<他の実施形態>
(a)前記実施形態では、マスターギア11がマスターギア軸10と同じ材質で一体形成されているが、両者を同じ材質又は別の材質により別体で形成してもよい。たとえば、マスターギア軸10をステンレス合金製又はアルミニウム合金製とし、フェースギア部をステンレス合金又は亜鉛合金製にしてもよい。
(b)前記実施形態では、フェースギア部11bを円板部11aと同じ材質で形成したが、別の材質で構成してもよい。たとえば、円板部をステンレス合金製又はアルミニウム合金製として、フェースギア部を亜鉛合金製としてもよい。
(c)前記実施形態では、ピニオンギア12に潤滑用の溝部を形成していないが、ピニオンギア12の歯底部に潤滑用の溝部を形成してもよい。
(d)前記実施形態では、ピニオンギアがハンドル軸と食い違い軸回りに配置されていたが、片持ちのマスターギアの場合には、ハンドル軸と交差する軸回りにスプール軸が配置されたピニオンギアであってもよい。
(e)前記実施形態では、歯底部11dの幅より広い幅でかつ歯底部11dと同じ深さで溝部11eを形成したが、さらに、歯底部11dの深さより溝部の深さを深くしても良い。この場合には、潤滑油の貯留量が多くなる。
(f)前記実施形態では、溝部11eの幅W1を歯底部11dの幅W2の2.5倍に設定したが、本発明はこれに限定されない。溝部11eの幅は、歯底部11dの幅W2の1.5倍以上3.5倍以下の範囲、好ましくは、2倍以上3倍以下の範囲であればよい。幅W1が幅W2の範囲の1.5倍未満であると、特に高歯の場合に、溝部11eの幅が狭くなり加工を行いにくくなる。また、幅W1が幅W2の3.5倍を超えると、溝部が歯底部分から離れた位置にも形成されるおそれがあるため、マスターギア11とピニオンギア12との接触部分が減少して噛み合い率が減少するおそれがある。
なお、図7では、図6と異なる形状部分を、図6の符号に100を足した符号で示している。図7において、マスターギア111の溝部111eの幅W3が図6に示す溝部11eの幅W1より広い点が前記実施形態と異なっている。図7では、溝部111eの幅W3は、歯底部11dの幅W2の、たとえば3倍となっている。溝部111eの幅が広いため、溝部111eのギア歯11cとの境界部分111gは、ピニオンギア12の歯先部12gより歯底部12h側にある。境界部分111g及びピニオンギア12の歯先部12gの両端部分は、歯先部12gと境界部分111gとを干渉しにくくするためのアール面取りされている。
(g)前記実施形態では、マスターギア11のギア歯11b及びピニオンギア12のはす歯12bをともに高歯としたが、本発明はこれに限定されない。両者がモジュール2.25倍の全歯たけを有する並歯であっても良い。この場合を図8に示す。なお、図8では、図6と同じ部材又は部分を、図6の符号に200を足した符号で示している。
図8において、マスターギア211及びピニオンギア212は、並歯であり、ギア歯211c及びはす歯212cの全歯たけH3,H4は、モジュールの2.25倍である。また、ギア歯211c及びはす歯212cの頂げきT3,T4は、モジュールの0.25倍である。
なお、並歯と高歯の関係は、図6及び図8に示す歯の中心線Lを基準として同じ形状であり、図6に示した高歯のギア歯11cは、図8に示した並歯の歯形に対して歯面が歯先部11f側及び歯底部11d側に全歯たけの差の半分ずつ延びた形状になる。この実施形態では、ギア歯11cの全歯たけH1がモジュールの2.55であり、ギア歯211cの全歯たけがモジュールの2.25倍であるので、モジュールの0.15倍ずつ図6に示したギア歯11cは、図8に示したギア歯211cより歯先部11f側及び歯底部11d側に延びている。したがって、図8に示す並歯の歯底部211dの幅W5は、図6に示す高歯の歯底部11dの幅W2より広い。この実施形態では、溝部211eの幅W4は、歯底部111dの幅W5の2倍であり、溝部211eの幅W4は溝部11eの幅W1より広い。このような並歯のギア歯211cにおいても前記実施形態と同様な作用効果を得ることができる。
本発明の一実施形態が採用されるスピニングリールの側面図。 その縦断面図。 図2のIII−III断面図。 本発明の一実施形態により回転伝達機構の分解斜視図。 マスターギアの正面図。 マスターギアとピニオンギアとの噛み合い部分の拡大断面模式図。 他の実施形態の図6に相当する図。 さらに他の実施形態の図6に相当する図。
符号の説明
1 ハンドル
1a ハンドル軸(ハンドルの回転軸の一例)
2 リール本体
3 ロータ
5 回転伝達機構
11 マスターギア
11a 円板部
11b,111b フェースギア部
11c,111c ギア歯
11d,111d 歯底部
11e,111e 溝部
11f,111f 歯先部
12,112 ピニオンギア
12a ギア本体
12b,112b ギア部
12c,112c はす歯
W1,W3,W4 溝部の幅
W2,W5 歯底部の幅
H1,H2,H3.H4 全歯たけ

Claims (4)

  1. スピニングリールのリール本体に回転自在に装着されるハンドルの回転をピニオンギアに伝達するスピニングリールのマスターギアであって、
    前記ハンドルの回転軸と一体回転可能な円板部と、
    前記円板部の一側面の外周側に周方向に間隔を隔てて形成され前記ピニオンギアに噛み合う複数のギア歯と、前記複数のギア歯の間の歯底部に前記歯底部の幅より広い幅で形成された潤滑用の溝部と、を有するフェースギア部と、
    を備えたスピニングリールのマスターギア。
  2. 前記ギア歯は、モジュールの2.35倍以上3.25倍以下の全歯たけを有する高歯である、請求項1に記載のスピニングリールのマスターギア。
  3. 前記溝部の幅は、前記歯底部の幅の2倍以上3倍以下の範囲である、請求項1又は2に記載のスピニングリールのマスターギア。
  4. スピニングリールのハンドルの回転をロータに伝達するスピニングリールの回転伝達機構であって、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の前記マスターギアと、
    前記ピニオンギアと、を備え、
    前記ピニオンギアは、
    前記リール本体に回転自在に装着可能な筒状のギア本体と、
    前記ギア本体の外周面に形成され前記ギア歯に噛み合いかつ前記ギア歯と同じ全歯たけの複数のはす歯を有するギア部と、
    を含む、スピニングリールの回転伝達機構。
JP2008245184A 2008-09-25 2008-09-25 スピニングリールのマスターギア、及び回転伝達機構 Active JP5270283B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008245184A JP5270283B2 (ja) 2008-09-25 2008-09-25 スピニングリールのマスターギア、及び回転伝達機構

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008245184A JP5270283B2 (ja) 2008-09-25 2008-09-25 スピニングリールのマスターギア、及び回転伝達機構

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010075075A true JP2010075075A (ja) 2010-04-08
JP5270283B2 JP5270283B2 (ja) 2013-08-21

Family

ID=42206310

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008245184A Active JP5270283B2 (ja) 2008-09-25 2008-09-25 スピニングリールのマスターギア、及び回転伝達機構

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5270283B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2443921A2 (en) 2010-10-21 2012-04-25 Shimano, Inc. Method of deriving path of contact on face gear, method of manufacturing face gear, face gear and spinning reel rotor drive device
WO2013114990A1 (ja) 2012-01-30 2013-08-08 アイシン精機 株式会社 フェースギヤ及びギヤ装置
JP2013169201A (ja) * 2012-02-23 2013-09-02 Globeride Inc 魚釣用リールに組み込まれる歯車

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0592775U (ja) * 1992-05-19 1993-12-17 株式会社精工舎 精密機器用歯車
JP2000075582A (ja) * 1998-08-28 2000-03-14 Canon Inc 駆動伝達装置、現像装置及びこれらを備える画像形成装置
JP2001078630A (ja) * 1999-09-09 2001-03-27 Shimano Inc スピニングリールのロータ駆動装置
JP2006266435A (ja) * 2005-03-25 2006-10-05 Aisin Seiki Co Ltd ウオームギヤ減速機
JP2007292179A (ja) * 2006-04-25 2007-11-08 Kayaba Ind Co Ltd ウォーム、減速機及び電動パワーステアリング装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0592775U (ja) * 1992-05-19 1993-12-17 株式会社精工舎 精密機器用歯車
JP2000075582A (ja) * 1998-08-28 2000-03-14 Canon Inc 駆動伝達装置、現像装置及びこれらを備える画像形成装置
JP2001078630A (ja) * 1999-09-09 2001-03-27 Shimano Inc スピニングリールのロータ駆動装置
JP2006266435A (ja) * 2005-03-25 2006-10-05 Aisin Seiki Co Ltd ウオームギヤ減速機
JP2007292179A (ja) * 2006-04-25 2007-11-08 Kayaba Ind Co Ltd ウォーム、減速機及び電動パワーステアリング装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2443921A2 (en) 2010-10-21 2012-04-25 Shimano, Inc. Method of deriving path of contact on face gear, method of manufacturing face gear, face gear and spinning reel rotor drive device
JP2012087905A (ja) * 2010-10-21 2012-05-10 Shimano Inc フェースギアの噛み合い進行方向線決定方法、フェースギアの製造方法、フェースギア及びスピニングリールのロータ駆動装置
US8888031B2 (en) 2010-10-21 2014-11-18 Shimano Inc. Method of deriving path of contact on face gear, method of manufacturing face gear, face gear and spinning reel rotor drive device
WO2013114990A1 (ja) 2012-01-30 2013-08-08 アイシン精機 株式会社 フェースギヤ及びギヤ装置
US9239094B2 (en) 2012-01-30 2016-01-19 Aisin Seiki Kabushiki Kaisha Face gear and gear device
JP2013169201A (ja) * 2012-02-23 2013-09-02 Globeride Inc 魚釣用リールに組み込まれる歯車

Also Published As

Publication number Publication date
JP5270283B2 (ja) 2013-08-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101293173B1 (ko) 스피닝 릴의 왕복 이동 기구
JP5143757B2 (ja) 釣り用リールの螺軸及びそれを用いた釣り用リールの往復移動機構
JP5236883B2 (ja) スピニングリールのハンドル組立体
KR101201670B1 (ko) 스피닝 릴
JP2010166882A5 (ja)
JP2008193949A5 (ja)
JP2007097576A5 (ja)
KR20060124572A (ko) 스피닝 릴
TW200936043A (en) Spinning reel
TWI294268B (ja)
KR20130111334A (ko) 스피닝 릴의 낚싯줄 안내 기구 및 스피닝 릴
JP5270283B2 (ja) スピニングリールのマスターギア、及び回転伝達機構
JP5777873B2 (ja) 釣り用リールのギア装着構造
JP2012105601A5 (ja)
JP5607315B2 (ja) スピニングリールのドラグつまみ
EP0898884A1 (en) Face gear for spinning reel
KR20110046309A (ko) 스피닝 릴의 낚싯줄 안내 기구
JP3892697B2 (ja) スピニングリールの釣り糸案内機構
KR101998090B1 (ko) 낚시용 릴의 릴 본체, 낚시용 릴 및 낚시용 릴의 릴 본체 제조 방법
JP2003225040A (ja) 釣り用リールの動力伝達装置
EP2387881B1 (en) Spinning reel spool
JP2004121166A (ja) スピニングリールの釣り糸案内機構
EP3180977B1 (en) Spinning reel rotor and spinning reel
JP3566558B2 (ja) 両軸受リールのリール本体
JP2009065933A (ja) スピニングリール

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110915

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120629

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120703

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120824

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130423

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130509

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5270283

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250