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JP2010065339A - カーボンナノチューブ連続繊維の製造方法および製造装置 - Google Patents

カーボンナノチューブ連続繊維の製造方法および製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】CNT生成工程と連続繊維化工程とを直結した、CNT連続繊維を連続的に製造することができる実用的な方法および装置を提供することを目的とする
【解決手段】反応炉内に炭素源と触媒とキャリアガスとを投入し、流動気相CVD法によって連続的にカーボンナノチューブを生成してカーボンナノチューブ連続繊維を得るにあたり、前記反応炉から、ガスおよび粉塵を、前記カーボンナノチューブとは分離して排出するとともに、生成された前記カーボンナノチューブを大気雰囲気へと引き出してカーボンナノチューブ連続繊維を得る。
【選択図】 図1

Description

本発明は、現在工業生産されている炭素繊維の機械強度・電気特性を超える工業材料に成り得る、主にカーボンナノチューブ(以下CNT)からなる連続繊維を製造する方法および装置に関するものである。
CNTは21世紀の新素材として脚光をあびているが、大量に連続生産する技術や、CNTからなる連続繊維を連続して安全に加工する実用的な製造技術は、まだ確立されていない。なお、CNTからなる連続繊維とは、六員環ネットワーク(グラフェンシート)が単層あるいは多層の同軸管状になったCNT単糸(1本の直径が約0.6nm程度〜数10nmでアスペクト比が1000以上)を糸状に集束させた実用に供する連続した繊維をいう。
CNTからなる連続繊維を大量・安価に製造するには、CNTを生成する工程から吟味する必要がある。CNTの合成方法には、大別してアーク放電法、レーザー蒸発法、化学的気相成長法(以下、CVD法という)の3種類があり、CVD法も、触媒が気流に乗って反応系内に投入される流動気相CVD法と、触媒が反応系内の基板等に固定されている基板CVD法との2つに大きく分けられる。
これらのCNT法の中で、流動気相CVD法は、CNTを連続生産するのに最も適した方法である。一方、基板CVD法、アーク放電法、レーザー蒸発法は、バッチごとの生成となるため、連続生産には不向きである
特許文献1では、基板CVD法を用いたCNT繊維の製造方法、すなわち平滑基板に微小粒子の触媒を担持させこれを起点にCNTを成長させた後、バッチ方式にて別の工程でその基板からCNT繊維を剥がしながら糸にする方法が示されている。しかしながら、糸加工工程を直結させて連続した糸を大量に生産することはできず、連続繊維の製造方法としては実用的でない。
次に、特許文献2には、大量生産に適した流動気相CVD法が開示されている。具体的には、前駆体若しくは粒径のきわめて小さい触媒を含む炭素原料をスプレー等で霧状にして反応炉の高温部に導入することによってその触媒を起点にCNTを成長させ、反応炉内で螺子棒に一定量を巻きつけてCNT繊維を系外に取り出すバッチ式製造方法や、同様にCNTを成長させた後、反応炉の下端の細い管から真空吸引力でCNT糸を取り出す方法が開示されている。しかしながら、これらの方法では、可燃ガスや人体に影響する数μmオーダーの微小粉塵を、CNT糸と共に取り出すことになるため、可燃ガスが作業室内に充満して爆発したり微小粉塵が人体に吸引されたりする虞がある。加えて、炉内で巻き取る前者の方法ではCNT糸を連続的に生産することができない。
また特許文献3には、流動気相CVD法で比較的直径が揃った不純物の少ないCNTを製造する方法が開示されている。しかしながら、この方法も、高温炉の下部に設けられた密閉容器内に設置されたフィルター上に生成されたCNTを不織布状態で捕捉し、運転を止めて容器外に取り出す方式であり、CNT連続繊維を連続して生産することはできない。
さらに、CNTを含む連続繊維を得る方法として、特許文献4に、CNTのスライバーをバッチ方式でつくり、次に多くの工程を重ねて木綿糸を紡績する方式でCNTの連続紡績糸を得る方法が記述されている。しかしながら、この方式も、CNT連続繊維を連続して生産することはできない。
また、CNTを含む連続繊維を得る方法として、特許文献5に、CNTを高分子材料である母材に分散させて糸条に紡糸する方法が開示されている。しかしながら、この方法は、母材の材料特性を改良することができるものの、カーボンナノチューブそのものによる連続繊維を製造することはできず、現状のPAN系やピッチ系の炭素繊維の機械強度や電気特性を越える連続繊維は得られない。
このように、CNT連続繊維を連続的に製造するための実用的な方法は、未だ見出されていない。
特表2008−517182号公報 特表2007−536434号公報 特開2006−213590号公報 特開2001−115348号公報 特表2002−544356号公報
本発明は、CNT生成工程と連続繊維化工程とを直結した、CNT連続繊維を連続的に製造することができる実用的な方法および装置を提供することを目的とし、さらには工程に必要な可燃性ガスによる火災を防止し、工程で発生する人体に有害な微小粉塵の拡散を防止するCNT連続繊維の製造方法および製造装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、実用に供するCNTの連続繊維を大量かつ安価に製造するため以下の発明に到達した。
(1)反応炉内に炭素源と触媒とキャリアガスとを投入し、流動気相CVD法によって連続的にカーボンナノチューブを生成してカーボンナノチューブ連続繊維を得るにあたり、前記反応炉から、ガスおよび粉塵を、前記カーボンナノチューブとは分離して排出するとともに、生成された前記カーボンナノチューブを大気雰囲気へと引き出してカーボンナノチューブ連続繊維を得ることを特徴とするカーボンナノチューブ連続繊維の製造方法。
(2)前記反応炉から前記カーボンナノチューブを大気雰囲気へと引き出す際に、該反応炉と該カーボンナノチューブとの間を気密に保つ、前記(1)に記載のカーボンナノチューブ連続繊維の製造方法。
(3)前記反応炉から前記カーボンナノチューブを大気雰囲気へと引き出す際に加撚する、前記(1)または(2)に記載のカーボンナノチューブ連続繊維の製造方法。
(4)前記反応炉から前記カーボンナノチューブを大気雰囲気へと引き出す際に液体を塗布する、前記(1)〜(3)のいずれかに記載のカーボンナノチューブ連続繊維の製造方法。
(5)前記カーボンナノチューブ連続繊維を連続して巻き取るとともに、前記反応炉から引き出して巻き取るまでの間の前記カーボンナノチューブ連続繊維に対して油剤塗布、延伸、および加撚の少なくとも一つの処理を施す、前記(1)〜(4)のいずれかに記載のカーボンナノチューブ連続繊維の製造方法。
(6)流動気相CVD法によって炭素源と触媒とキャリアガスとからカーボンナノチューブを連続的に生成する反応炉を有し、該反応炉は、下部に、ガスおよび粉塵の排出口と、生成される前記カーボンナノチューブを連続繊維として引き出す引出口とを有していることを特徴するカーボンナノチューブ連続繊維の製造装置。
(7)前記引出口は、前記カーボンナノチューブを引き出す際の該引出口と該カーボンナノチューブとの間を気密に保つためのシール手段を有している、前記(6)に記載のカーボンナノチューブ連続繊維の製造装置。
(8)前記シール手段が、前記カーボンナノチューブを引き出す際に該カーボンナノチューブに接する弾性部材である、前記(7)に記載のカーボンナノチューブ連続繊維の製造装置。
(9)前記弾性部材がチョークシールである、前記(8)に記載のカーボンナノチューブ連続繊維の製造装置。
(10)前記弾性部材を、引き出される前記連続繊維の軸回りに回転させる機構を有している、前記(8)または(9)に記載のカーボンナノチューブ連続繊維の製造装置。
(11)前記シール手段が、ラビリンスシール手段である、前記(7)に記載のカーボンナノチューブ連続繊維の製造装置。
(12)前記シール手段が、前記反応炉の内側よりも高い圧力の気体を前記引出口に供給する機構を有している、前記(7)に記載のカーボンナノチューブ連続繊維の製造装置。
(13)前記排出口に吸引ポンプが接続されてなり、前記シール手段が、前記反応炉の内側と外側の圧力差を検知するセンサーと、該センサーに応じて前記吸引ポンプの運転能力を調整する制御手段とを有している、前記(6)〜(12)のいずれかに記載のカーボンナノチューブ連続繊維の製造装置。
(14)前記シール手段が、前記引出口の内側に液体を供給し、該液体と引き出される前記連続繊維との間の気密性を保つ液体シール手段である、前記(7)に記載のカーボンナノチューブ連続繊維の製造装置。
(15)前記(1)〜(5)のいずれかの方法または前記(6)〜(14)のいずれかの装置で製造したカーボンナノチューブ連続繊維。
本発明によれば、反応炉内に炭素源と触媒とキャリアガスとを投入し、流動気相CVD法によって連続的にカーボンナノチューブを生成してカーボンナノチューブ連続繊維を得るにあたり、反応炉から、ガス(可燃性のキャリアガスや未反応ガス等)および粉塵を、カーボンナノチューブとは分離して排出するとともに、生成されたカーボンナノチューブを大気雰囲気へと引き出すことで、可燃性のガスや微小な粉塵の大気雰囲気への拡散を防ぎつつ、カーボンナノチューブ連続繊維を連続的に生産することができる。そして、可燃性のガスや微小粉塵が後工程雰囲気へ漏れることを防ぐことができるので、爆発や火災の災害や人体吸引の危惧を回避できる。またカーボンナノチューブの生成から繊維化、すなわちカーボンナノチューブ連続繊維の巻取りまでを連続的に行えることから、工程分割の弊害である時間ロス、スペースロス、設備ロス、要因ロスを低減でき、CNT連続繊維を効率的に得ることができる。
1)装置構成の説明
本発明にかかる連続繊維の製造装置は、例えば図1に示すように、炭素源と触媒とキャリアガスとからカーボンナノチューブを生成する反応管2などを備えた反応炉200(CNT生成部)を有し、反応炉200が、下部に、ガスと粉塵の排出口301と、生成されるカーボンナノチューブの引出口300とを有している。また、反応炉200の下流側には、反応炉200によって生成されたCNTを連続的に引き出して連続繊維を得るための、CNT連続繊維の引取部400を備えている。
以下、図に沿って本発明の最良の実施形態を具体的に説明する。なお、以下の説明は、本発明の理解を容易にするためのものであり、これらの具体例に制限されるものではない。
また、本発明において、反応炉200から引き出されるCNTは、反応炉200内で生成された最小単位のCNT1本1本がファンデルワールス力によりストローを束ねたような状態で集合しているCNTの束(直径が約0.1μm以下、長さが少なくとも数10μm以上)が集合したものであって、この束の集合体を連続的に引き出すことで、カーボンナノチューブが実質的につながった状態の連続繊維を得る。
(1)CNT生成部の全体構成
図1に示す装置において、CNT生成部は、投入された炭素源と触媒とキャリアガスとからカーボンナノチューブを生成する反応管2や、かかる反応管2を600〜1200℃に加熱するための電気炉1などを有する反応炉200からなる。反応炉200には、炭素源と触媒等を予め混合した混合溶液4が、マイクロフィーダー5で定量供給され、スプレーノズル3から反応炉2に投入される。このときキャリアガス流量計6で計量されたキャリアガス7も、混合溶液4とともにスプレーノズル3から反応炉2に噴射される。
反応炉200は、下部にシール箱90を有しており、反応炉200と該反応炉200から引き出されるカーボンナノチューブ401との間の気密性を保っている。シール箱90は、側面に、内部が目視確認できる透明な窓がついた、ドア97を備えている。また、下面にはCNTの引出口300があり、引出口300は、漏斗形に開いた受皿93と、その下流のシール手段(後述)などから構成されている。受皿93は、CNTの束の集積体は捕捉するが、キャリアガスや微小粒子は通過するよう、部分的に網状の形状で構成されている。
また、シール箱90の下面には、ガス等の排出口301も設けられており、キャリアガスや炭素源として投入された物質から生じる未反応ガスと、連続繊維とならなかったCNT単糸などを含む微小粉塵等を、排出することができるように構成されている。排出口301は排気管99、バブラー98に接続されており、キャリアガス等の気体はここを通り、その後微細粉塵用フィルター102を経て系外へ排出される。ここで、バブラー98で空気が反応炉に逆流しないようにしているが、念のため、反応炉内には微量の酸素でも検出できるセンサーを設置することが望ましい。
このように、本発明にかかる図1の装置は、反応炉200の下部(すなわち、CNTの単繊維が生成される反応管よりも、CNT移動方向に関して下流側)に、ガスおよび粉塵の排出口301と、CNTの引出口300とを有している。
なお、図1に示す装置においては、CNT生成部に、図示しないが、システム制御器やシステムモニター器なども設けている。
(2)CNTの引出口300におけるシール手段
CNTの引出口300におけるシール手段には、以下に詳述するような弾性部材によるシール、ラビリンスシール、ガスシール、同圧シール、液体シール等を採用することができる。これらの中でも、CNT連続繊維の生産条件に応じて、最適なシール手段を選択することが好ましい。
・弾性部材によるシール
シール箱の出口部構造(CNTの引出口300)の一例を図2にて更に詳しく説明する。図2において、シール部は、中央にCNTが通過する穴の開いた弾性リング92(弾性部材)により構成されている。弾性リング92の穴は、炭素繊維に軽く当接する程度の小さな穴もしくは扁平な穴であり、かかる弾性リングにより、反応炉と引き出されるCNTとの間を気密に保って気体等が反応炉外に漏れ出すのを防ぐ効果とともに、得られるCNT連続繊維の太さむらを少なくするしごき効果が得られる。
弾性リング92は、耐磨耗性のある表皮を持ち、内部材料が比重0.1以下の発砲プラスチックであるものが好ましく、かかる構成により腰の柔らかい弾性シール機能を付与することが好ましい。
弾性リング92は、CNT連続繊維の走行方向に関して断面が一定してo型であるものでもよいが、CNT連続繊維の走行方向に関して少なくとも一部が二重環状になっているものが好ましい。具体的には、たとえば図2に示すように下流側を二重環状とし、かかる二重環状部の内側の環状部193をA−A断面に示すように薄肉扁平状にすることが好ましい。このとき、かかる内側環状部193と外側環状部192との間には、内側環状部193が引き出されるCNTに軽く接触するように、弾性リング92の底面より低比重の発泡ポリウレタンのパイプ58を挿入し、CNTの束が素抜けせず安定してシール箱から取り出せるようにパイプ58の圧入寸法を調整することが好ましい。そのため、パイプ58は、弾性リングの外側環状部192の内径に対しテーパ嵌合とし、試行錯誤で適度の長さ、圧入することが好ましい。
また、図3に示すように、二重環状部の内側環状部193Aと外側環状部192Aとの間の空洞194Aを気密に保ったチョークシール92Aを採用することも好ましい。チョークシール92Aは、例えば図3のA−A断面に示すように、二重環状部の内側の環状部193Aを薄肉扁平状にし、CNT連続繊維401を内側環状部193Aの内側に形成される長穴から連続的に引き出すときに、かかる内側環状部193Aが引き出されるCNT連続繊維401に軽く接触させ、ガスの流れを遮断するように変形させるべく、内側環状部193Aと外側環状部192Aとの間の空洞194Aの内圧を調整する。こうすることで、反応炉と引き出されるCNTとの間の気密性を維持するとともに、素抜けを防ぎより微妙なしごき効果を得ることができる。空洞194Aの内圧を調整するにあたっては、空洞194Aに空気圧精密調整機構92Bを接続するとともにシール出口近傍に接触式張力計(図示せず)を設け、CNTの引き出し張力が一定になるように制御する。
チョークシールの材質としては、耐摩耗性のあるポリウレタン樹脂でJISゴム硬度が40〜90度のものが好ましく、形状としてはCNT連続繊維の太さが変化しても挟持する接触圧力が変化しないような形状が好ましい。このようなチョークシールは引き出されるCNT連続繊維401との接触圧力をより低く保てるため、部品寿命を延ばすことができる。また太さの違うロットを生産するときでも、幅広く対応でき、チョークシール部品の交換頻度が少なくて済む。
また、例えば図4に示すように、引き出すCNT連続繊維の軸回りに弾性リングを回転させることも好ましい(以下、このシール機構を回転弾性シールという)。反応炉からCNT連続繊維を大気雰囲気へと引き出す際に弾性リングを回転させることで、弾性リングの上記効果に加え、CNTを撚りながら捕捉することができるので、強度のある連続繊維に集束することができ、安定生産も可能となる。以下、図4にて、反応炉からCNTをシールかつ加撚しながら引取る回転弾性シール機構の詳細を説明する。
図4において、シール箱90にはハウジング51がボルトで固定されている。ハウジング51の内部においては、中空軸52が軸受55にて回転可能に支持されており、可変速モータ56によって回転する構成となっている。また、ギヤ潤滑グリースの飛散防止用に透明カバー53も設けられている。中空軸52の上端にはCNTの受皿93がねじ込まれるとともに、Oリング54で反応炉からキャリアガス等の可燃性ガスと微少粉塵が後工程作業室内に漏れないようシールされている。また、中空軸52の下端には、弾性リング57が中空軸52に対して同心を確保するように圧入され、ホースバンド(図示せず)で固定されている。
弾性リング57の形状は、回転しながら内部の空気圧が調整可能なガス導入孔が設けられている点以外は、図3に示したチョークシール92Aと同じである。すなわち、中空軸に対しては、回転自在なロータリージョイント59を介して加圧空気供給手段92Cが接続されており、加圧空気が中空軸52に導かれた後、弾性リング57の中空部に供給される構成となっている。弾性リング57におけるシール構成や方法および制御手段は、図3で説明したチョークシールと同じであり、弾性リングが回転することによりCNTを加撚する機能が加えられている。
CNTは、通常反応炉内では弱い分子間力で、工業的に役立つような規則性とはいえない状態で集束している。そのため、炉内のプロセス条件(温度・圧力・濃度など)の変動や炉内汚れ等の不安定要因のためにCNTを安定して反応炉から引取ることが難しく、連続生産を継続出来ないおそれもある。しかしながら、上記したような回転弾性シール手段を活用すれば受皿に降下してくるCNTを撚りながら捕捉し、工程を通過できる強度のある連続繊維に集束することができる。したがって、前述の問題を回避することが出来、より安定してCNT連続繊維を生産できる。
ここで、引取り速度に対する弾性リング57の回転数で撚角度が決まるが、反応炉から引出されたときの角度を5〜30度程度とし、直結した後工程でさらに延伸・加撚・巻取を行い、所望の太さで45度前後の撚り角度にすることが望ましい。
なお、キャリアガス等として好適に用いられる水素は、空気に対し4〜75体積%で燃焼もしくは爆発の可能性があるため、より安全性を高めるために、局所吸引設備を弾性リング92、92A、57の出口側に設置することも望ましい。
・ラビリンスシールおよびガスシール
図5に、弾性部材によるシールの代わりにラビリンスシール61を設けたシール箱90を示す。ラビリンスシールとは、CNT連続繊維の走行方向に関して複数の狭幅部と複数の拡幅部とを有するもので、引き出されるCNTに随伴するガスが狭幅部を通過した後に拡幅部で膨脹することで圧力低下が生じ、それを繰り返すことにより漏れ出すガスを減少させるシール部材である。ラビリンスシールは、シール抵抗が少なく、特に素抜けしやすいCNTを連続的に取り出す際に好適に用いることができる。
ラビリンスシールにおけるCNT連続繊維の走行路は、壁面が鏡面仕上げされていることが好ましく、また、狭幅部の角は電解研磨法にてシャープエッジが除去されていることが好ましい。
反応炉内の圧力と大気圧の差に応じて狭幅部および拡幅部の繰り返し段数を増やし、かかるラビリンスシール61の入口圧力に対して出口と入口の差圧が5%以上とすることが好ましい。
ここで、弾性リングによるシールの場合と同様に、より安全性を高めるために、局所吸引設備をラビリンスシール61の出口側に設置することも望ましい。
また、ガスや粉塵の漏れだしをより確実に防ぐためには、ラビリンスシール管67の、CNT連続繊維の走行方向に関して中央部の拡幅部に、ガスを積極的に導入することが好ましい(ガスシール)。このとき用いるガス(以下、このガスをシールガスという)としては、不活性ガス、水蒸気、炭酸ガスなど、酸化剤ではなく一般作業空間に存在しても安全で問題のないガスを挙げることができる。
シールガスは、ガス投入管100を経由して投入することが望ましく、また、反応炉の内側よりも高い圧力であればよいが、拡幅部66における随伴ガス圧の1.05倍以上かつ大気圧以上の圧力であることが好ましい。これにより大気(酸素)の反応炉への逆流も防ぐことができ、より安全な操業が担保される。
なお、生産する連続繊維の太さが一定で設備費を抑える必要があるときは、ラビリンスシールを採用せず、シール管によるガスシールだけでも使用することができる。すなわち、内側面にガスの吹き出し孔を有する、内径が一定のシール管を採用し、かかる吹き出し孔から前述のシールガスを投入するだけでガスや粉塵の漏れだしを防いでもよい。その場合、シールガスの消費量はシール管と連続繊維の隙間面積に比例しシール管長さに反比例するので、生産する連続繊維の太さに応じてシール管の太さを変更することが好ましい。さらにシール管の内面は、ビッカース硬度Hv>400で、鏡面仕上げがなされていることが好ましい。
なお、ラビリンスシールもしくはガスシールにかかわらず、後述する同圧シール機構を併用することにより、投入ガスの消費量を少なくすることもできる。また、図5において、受皿93は弾性材料であるOリング54でシール箱下部に保持されており、粉塵がラビリンス入り口に集中しやすい。そこで、バイパス通路66を設け、反応炉からのガスおよび粉塵ならびに投入した不活性ガスを合流させて排気孔99に導くことで、粉塵の作業室への拡散を防ぐことも好ましい。
・同圧シール
図6に、シール箱に同圧シール機構を設けた態様を示す。
同圧シール機構は、受皿93の下流側に接続された円筒61Aや、当該円筒61Aの内部(反応炉内部)と反応炉外部との圧力差を検知する差圧センサー62、および、ガス等の排出口301、排気管99に接続された吸引ポンプ63に信号を送る演算手段64などから構成される。このような同圧シール機構において、差圧センサー62は反応炉の内側と外側の差圧を検出し、演算手段64が差圧センサー62の結果に応じてポンプ63の吸引能力を調整して、該差圧が最小、好ましくはゼロになるように運転制御する。この結果、反応炉内のガスが大気雰囲気へと漏れ出すことを防ぐことができると同時に、反応炉外の大気が炉内への流入することを防ぐことができる。
ここで、円筒61Aはラビリンスシールの形状であることが望ましい。ラビリンスシールの形状とすることで、より確実に、ガスや粉塵の漏れだしを防ぐことができる。また、より安全性を高めるために、弾性リングによるシールやラビリンスシールの場合と同様に、局所吸引装置(図示しない)を円筒61Aの出口側に設置することも望ましい。
さらに、前述のガスシール手段と同様に、円筒61Aの途中に、ガス投入管100を設け、ここから適正な量のシールガスを導入することも望ましい。同圧シール機構とガスシール機構とを併用することで、差圧調整しないときに比べ、反応炉の内外の差圧を極力ゼロに保つことが可能になるうえに、消費されるシールガスの量を大幅に低減することができ、さらに太さの異なるCNT連続繊維の生産条件に対する許容度が増し、品種変更時の部品交換の頻度を低減することもできる。さらに、通過するCNTと接触する弾性リング等のシール手段に比べ、シール抵抗が少なく、特に素抜けしやすいCNT連続繊維を取り出す際に有効である。
・液体シール
図7に、シール箱に液体シール機構を設けた態様を例示する。図7において、液体シール機構は、受皿93に適量の液体95(水、潤滑剤もしくは後述の分散剤でもよい)を注入する流量調整弁96と、引き出されるCNTに沿って流れる余剰な液体95を回収する吸引装置101などから構成される。このような液体シール機構においては、液体95が流量調整弁96を経由して点滴注入されることにより、受け皿の中心穴と引き出されるCNTとの隙間を塞ぎ、ガスや粉塵等の流出を防ぐことができる。このようなシール機構は、特に配向性の悪いCNTが受皿93に降下するとき有効な手段であり、液体95として分散剤を用いることでシール効果とは別に配向性を高めることができ、連続繊維として引き出すときの強度を高めるとともに毛玉の発生を防ぐこともできる。
ここで、液体95とCNT連続繊維とが合体して受皿93から自由落下する速度が実生産時の引出速度より速くなるように、液体95の粘度や受皿93の形状を選定し、CNT連続繊維の引出抵抗を小さくすることが好ましい。そのため、漏斗形に開いた受皿93は、シール箱の出口までなめらかに続いていることが好ましい。
また、受皿93の外周には、シール性を高めるため、弾性部材93Bが配置されていることが好ましい。さらに、液体95は、受皿93に溜まる液体の液面下に注入することが好ましい。
なお、CNTに随伴してシール箱90から流出する用済み後の液体は、少なくとも2個のしごきガイド101Aにてしごかれ、このガイド間で、走行糸条に対向するように設けた吸引装置101にて吸引処理される。
(3)CNT連続繊維の引取部400の装置構成
図1における引取部400は、例えば、反応炉200から引き出したCNT連続繊維に界面活性剤等の油剤を付与する油剤付与器10と、CNT連続繊維を延伸するための延伸ペアロール11と、単錘駆動のリングツイスタ12と、ボビン13等の巻き取り装置などで構成されている。
このような装置において、シール箱から引き出されたCNT連続繊維が後工程を安定して通過できる引張強度を有している場合、当該CNT連続繊維にはまず油剤付与器10により界面活性剤等の油剤が付与される。油剤を付与することで、CNT連続繊維は、直結した延伸、加撚、巻取工程や編織およびCNT連続繊維を含んだ複合素材製作の後工程を円滑に通過することができる。
油剤が付与されたCNT連続繊維は、次に延伸ペアロール11により一定速度で送られながら、ローラ間で所定の繊度に引き伸ばされる。延伸手段としては、延伸仮撚機に使用されるエプロンニップローラやゴムロールによるニップローラ方式の組み合わせでもよく、ニップ圧はローラに対して糸すべりが発生しない力以上が望ましく、延伸倍率はたとえば0.95〜10倍とする。反応炉の生産条件だけで所望する繊度のCNT連続繊維が得られるのであればシングルロールでもよいが、引き出し張力を安定させ、かつ、必要繊度に微調整するためにはペアロールが望ましい。
次に、綿紡績用の単錘駆動のリングツイスタ12で撚り角度が20度から70度程度、望ましくは40〜50度となるようにCNT連続繊維の引張強度を確保しながら加撚して、連続的にボビン13に巻取る。このとき、ボビンの必要巻形状に応じてリングレール14の昇降範囲を変更する。なお、撚り角度は、繊維長手方向とCNT束の方向の交わる角度を言う。また、加撚巻取装置としてはリングツイスタが実績もあり好ましいが、加撚装置と巻取装置を別々に設置しても良い。
ボビン13等の巻取手段までの糸道には、糸ありセンサー15を設置し、何らかの異常で糸切れやローラ巻き付きが発生したことを検知することが好ましい。異常が発生したときは、シール箱出口でCNTを吸引して一時貯留し、反応炉での生成工程の定常運転が確保されるようにすることが好ましい。
一方シール箱から引き出されたCNT連続繊維が後工程を安定して通過できる引張強度を有していない場合には、引取部400に図8に示すような加撚巻取装置を設けることが望ましい。
加撚巻取装置500の構成を説明する。ベース502に回転自在に支持された回転台503は加撚用可変速モータM1で回される。回転台503に対しねじで往復運動するように支持されたボビンホルダー504は正逆かつ可変速モータM2で駆動される。ボビンホルダー504はボビン505を脱着可能に保持し、可変速モータM3にて巻取速度一定になるように巻径の増大に応じて回転数を漸減させるように制御装置506で回転制御する。ここで巻径はモータM1の軸線上に設けられた糸道中心ガイド507の近傍に取り付けた非接触巻厚計508で計測した値を用いる。また巻径に応じて可変速モータM2のトラバース幅を制御して巻取形状を変えることも出来る。さらに回転台503にある各モータやセンサーの動力や信号情報はベース502内に設けたスリップリング509を通じて制御装置506と結ばれている。
そして、この加撚巻取部500のモータM1の回転軸心とシール箱90の引出口300の軸心をほぼ同芯に設置することにより、CNT連続繊維401はモータM1で加撚される。このとき、シール機能のある引出口300の上流には撚りが遡及し、受皿93に降下しているCNTは分子間力だけでなく撚締効果により引張強度が高められ、撚糸として引出口300から引き出され、ボビン505に巻き取られる。なお、油剤塗布や糸切れの検知などについては上述した態様に準ずる。
2)カーボンナノチューブ連続繊維の製造方法
本発明においては、反応炉内に炭素源と触媒とキャリアガスとを投入し、流動気相CVD法によって連続的にカーボンナノチューブを生成し、反応炉から、キャリアガスおよび粉塵を、カーボンナノチューブとは分離して排出するとともに、生成されたカーボンナノチューブを大気雰囲気へと連続的に引き出すことでカーボンナノチューブ連続繊維を得る。以下に、図1図2に示す装置によりCNT連続繊維を生成する方法を例示的に説明する。
まず、反応炉内に投入する炭素源を触媒と添加物(詳細は後述)と予め混合し、溶液4に調整しておく。なお、複数種の炭素源を用いることで、極細の単層CNTを高純度で生成することもできる。
また、運転開始前にシール箱90の透明ドア97を開いて、図2、図9に示すようなブラシ状の糸掛具91(詳細は後述)を弾性リング92と受皿93に貫通させ、糸掛具91で降下してくるCNTを捕捉できるように糸掛の準備をしておく。
この状態で反応管2の温度を600〜1200°Cに維持し、前述の炭素源と触媒と添加物の混合溶液4をマイクロフィーダー5で送り、キャリアガス7とともに、スプレーノズル3にて反応管2内に噴霧注入する。このときキャリアガス7は流量計6で計量され、2重管になっているスプレーノズル3の外管から噴射され、内管からの混合溶液4を霧状にする働きをしている。この結果、反応管2内に注入された炭素源はガス化され、微量混入している微粒子触媒を起点に成長してCNTの単繊維になる。このCNTの単繊維は、キャリアガスとともにガス空間中を移動しながら分子間力で集結してCNTの束に成長し、やがて反応管2の壁面に付着、さらには受皿93や糸掛具周りに降下堆積する。このように束になって降下してきたCNTが糸掛具91に密着したことを確認してから、糸掛具91を、綿菓子を作る要領でCNTの束を捕捉して素抜けしないように撚りながらシール箱90から引き出し、束が連続して繋がった状態のCNT(CNT連続繊維)を取り出す。このときの撚角度は10度程度以上が望ましく、反応炉より引き出す速度と後工程の糸かけ時間を考慮し、あらかじめ多めの撚りを与えておくとよい。
シール箱90から取り出したCNT連続繊維は、その後、投入材料の量などで決まる生産速度に適した速さで延伸ペアロール11とリングツイスタ12に糸掛けし、ボビン13に巻きつける。引き出したCNTを一旦ボビンに巻きつけた後は、ボビンを回転し続けることで、CNTを連続的に反応炉200から引き出すことができ、CNT連続繊維を連続的に得ることができる。
ここで、CNTを反応炉200から引き出すにあたっては、CNT生成の過程で生じる粉塵やキャリアガス、炭素源として投入された物質から生じる未反応ガス等を、カーボンナノチューブとは分離して排出する必要がある。そのため、粉塵とガスを、CNTの引出口300とは別に設けられた排出口301から排出し、排気管99、バブラー98、粉塵微細用フィルター102を経て系外へ排出する。なお、バブラー98は空気の反応炉への逆流を防いでいる。
また、反応炉200からカーボンナノチューブを大気雰囲気へと引き出す際には、上記したようなシール機構により、反応炉200と該カーボンナノチューブとの間を気密に保つことが好ましい。各シール機構における作用効果は上述したとおりであるが、図4に示すような回転弾性シール方式を採用するときは、CNTが糸掛具91に補足された時を見計らい、モータ56を回転させ、シール箱内のCNTに撚りを遡及させながら、シール箱からCNTを取り出し、次の工程に糸掛けすることが好ましい。必要回転数は可変速設定でき、撚角は10度以上とし、後の撚り工程で要求される性能見合いの撚角に追撚することが好ましい。
そして、ボビンが所望サイズになれば、連続的に生産される糸をサクションガンなどに一旦預け、新しいボビンに糸掛けする。
なお、本発明におけるCNT連続繊維には、CNTがつながった状態を維持できるのであれば他の成分(例えばCNTに成長しなかった触媒微粒子やフラーレンなど)が混在していてもよいが、現実的には70重量%以上がCNTで構成されることが好ましい。
3)糸掛具の説明
図9に糸掛具の模式図を示す。糸掛具91は、反応管2の下方に気密的に係合しているシール箱90から、生成したCNTを、最初に捕捉し、外に引き出し、巻取工程に糸掛けするものである。糸掛具91は、柄部91Aの先端に芯線91Bがあり、その芯線91Bから複数の小径線91Cが突き出た形となっている。この小径線91Cに生成したCNTが引っ掛かることで、効果的にCNTを捕捉することができる。
小径線91Cには、微粒子状のセラミックを溶射し、表面に微小な鋭い突起面を形成させ、CNTをより確実に捕捉できるようにすることが好ましい。ただしこの微小な突起は、小径線91Cがシール部を通過する際にシール部に当接する外周部にはない方がより好ましい。
また、すくなくとも小径線91Cの表面を絶縁材料で構成することも好ましい。絶縁材料で構成すると、摩擦やコロナ放電等の作用により、表面に電荷を帯電させることができ、その結果、導電体であるCNTに誘導電荷を発生させ、静電気力によりCNTを小径線91Cに吸着させやすくすることができる。このとき、芯線91B、および柄部91Aは導電体で構成し、これを接地しておけば、CNTの束の一部が芯線91Bに触れることで、CNTの束全体を接地させることができ、小径線91Cの電荷に対応したCNTの電荷の誘導が確実なものとなり、更に好ましい。
このように絶縁材料の表面に付着させた電荷によりCNTをひきつける方法を用いる場合、CNTを捕捉する能力が十分あるならば、小径線91Cは必ずしも必要でなく、導電体である芯線91Bの周りに、先端部を残して絶縁材を被服したものを用いても良い。
さらに糸掛具91のつまみ94には、生産速度に見合った回転を与えるバッテリとモータを組み込み、作業性を改善することも好ましい。
4)反応炉に投入する材料
(1)炭素源
炭素源としては炭化水素を使用することが好ましく、炭化水素は、後述する触媒や反応促進剤を溶解させる液体が好ましい。このような炭化水素としては、芳香族炭化水素、脂環式炭化水素、長鎖脂肪族炭化水素などが挙げられ、特に、ベンゼン、トルエンが好ましく用いられる。
一方、所望する特性のCNTを生成しやすいように、複数種の炭素源を用いることもできる。複数種の炭素源(上記液体の炭素源に加え、その他の炭素源としてはたとえばエチレン)を使用するときは、図示しないが、上述の主炭素源とは独立して設定可能な計量ラインと投入のためのキャリアガスラインを準備する。
(2)触媒
触媒としては、金属の種類やその形態の違いに特に制限されるものではないが、遷移金属化合物又は遷移金属超微粒子(例えば1nm程度の金属クラスター)が好ましく用いられる。遷移金属化合物は、反応管内で分解することにより、触媒としての遷移金属粒子を発生することができるものである。
これら遷移金属化合物や遷移金属原子は、反応管内における800〜1200°Cの温度に維持された反応領域に、気体の状態で供給されるのが好ましく、所定の反応温度にまで昇温される前に、完全に気化することができるものが好適である。
遷移金属原子としては、鉄、ニッケル、コバルト、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン等を挙げることができ、中でもより好ましいのは鉄、ニッケル、コバルトである。
遷移金属化合物としては、例えば、有機遷移金属化合物、無機遷移金属化合物等を挙げることができる。有機遷移金属化合物としては、フェロセン、ニッケロセン、コバルトセン、鉄カルボニル、アセチルアセトナート鉄、オレイン酸鉄等を挙げることができ、より好ましくはフェロセンである。無機遷移金属化合物としては塩化鉄などをあげることが出来る。
(3)キャリアガス
希釈剤となるキャリアガスとしては水素が特に好ましいが、生産コストを考えなければ不活性ガス、炭酸ガスでも良い。またキャリアガスが水素のとき、その投入重量は炭素源の10倍程度が好ましいがこれに限られることはない。
(4)望ましい添加物
本発明の製造方法においては、更に硫黄化合物を添加することが好ましい。硫黄化合物は触媒として好適な遷移金属原子と相互作用して、単層CNTの生成を促進する作用を有する。このような硫黄化合物としては、有機硫黄化合物、無機硫黄化合物を挙げることができる。有機硫黄化合物としては、例えば、チアナフテン、ベンゾチオフェン、チオフェン等の含硫黄複素環式化合物を挙げることができ、より好ましくはチオフェンである。無機硫黄化合物としては、例えば硫化硫黄などを挙げることが出来る。
5)分散剤
上述したように、液体シールにおいては、受皿の中心穴と引き出されるCNTとの隙間を塞いでキャリアガス等の気体や粉塵等の流出を防ぐため、流量調整弁96を介して分散剤を点滴注入することも好ましい。CNTは、反応炉200からの引き出し時や延伸時、巻き取り時に素抜けせず、より強度の高い連続繊維を製造するため、配向性を高めることが好ましいが、分散剤の作用により、CNT間での摩擦係数が下がり、相互にずれやすく、配向し易くなる。その結果、反応炉から引き出し易くなるとともに、太さむらが少なくなるため後工程において加撚しやすく、得られる連続繊維は毛玉の発生が抑えられたものとなる。また、糸が素抜けしたり途中で切れたりすることがないので、工程安定性も高まる。
分散剤としては、CNTの分散剤として公知である材料から適宜選択して用いることができる。例えば、アルキルアミン塩、4級アンモニウム塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、スルホン酸含有ポリマー、果糖、蔗糖、ポリペプチド、あるいは、セルロース、ヘミセルロース、アミロース、アミロペクチンなどの多糖類およびその誘導体などが用いられる。ただし、上記化合物の多くは絶縁性を示す材料なので、CNT連続繊維に対して、できるだけ少量の添加、具体的には10wt%以下で用いることが好ましい。
さらに共役系の発達した化合物も分散剤として用いることができる。例えば、共役系重合体があり、ポリチオフェン、ポリチオエニレンビニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリ−p−フェニレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリカルバゾール、ポリフルオレン、ポリフラン、ポリインドール系の重合体が挙げられる。これらの重合体は複数種類の共重合したものであってもよく、溶媒への可溶性を付与するために側鎖等にアルキル鎖などの置換基を導入した重合体も好ましく用いられる。
共役系の発達している他の化合物として、ピリジン、キノリン、フェナントロリン、オキサゾール、オキサジアゾールなどの含窒素芳香環を構成単位とするポリヘテロアリール類、アントラセン、ピレン、ナフタセン、ペンタセン、ヘキサセン、ルブレンなどの縮合多環芳香族化合物、フラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、ピリジン、キノリン、フェナントロリン、オキサゾール、オキサジアゾールなどが4個以上連結された化合物、4,4’−ビス(N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ)ビフェニルに代表される芳香族アミン誘導体、ビス(N−アリルカルバゾール)またはビス(N−アルキルカルバゾール)などのビスカルバゾール誘導体、ピラゾリン誘導体、スチルベン系化合物、ヒドラゾン系化合物、銅フタロシアニンなどの金属フタロシアニン類、銅ポルフィリンなどの金属ポルフィリン類、ジスチリルベンゼン誘導体、アミノスチリル誘導体、芳香族アセチレン誘導体、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミド、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸ジイミドなどの縮合環テトラカルボン酸ジイミド類、メロシアニン、フェノキサジン、ローダミンなどの有機色素、ポルフィリン系化合物などが挙げられる。
またイオン性液体も用いることができる。さらに共役系の発達した化合物や、イオン性液体を用いる場合、これらの化合物は多少の導電性を示す化合物であるので、CNT連続繊維に対する添加量は特に問わないが、等量以下であることがより好ましい。
上記の材料は溶媒に溶解して用いることもでき、その場合、沸点が50〜250℃の溶媒が好ましく用いられる。
6)油剤
本発明においては、上述したように、CNT生成工程に直結した延伸、加撚、巻取工程や編織およびCNT糸を含んだ複合素材製作の後工程を円滑に進めるため、反応炉200から引き出されたCNT連続繊維に界面活性剤等の油剤を付与することが望ましい。
油剤の種類としては、繊維工業で公知のものを用いることができる。例えば、精製潤滑剤、界面活性剤、鉱物油、ノニオン活性剤、アニオン活性剤、カチオン活性剤、エステル化油、リン酸エステル塩、パラフィンワックス、多価フェノール系樹脂、両性活性剤、シリコーンオイル、アルキルアミド、アミノシリコーン、ウレタン化合物などが挙げられる。
なお、前述したように、分散剤で液体シールしながらCNTを反応炉から引き出す場合には、上述したような油剤付与方法では付着むらなど不都合なことが起こる可能性があるので、これを用いず、綿紡績工業で使用されるワックスで同様の効果を発現させることが好ましい。ワックスを用いる場合には、回転可能に支持される円柱形状のワックスを用い、その端面に連続繊維を接触させながら走行すればよい。
本発明によれば、CNTを反応炉内で生成させるとともに、可燃性のキャリアガス等や人体に有害とみられる微少粉塵を分離してCNTを引き出すことで、従来の炭素繊維よりも軽量・高強度・高伝導度となる工業材料としてのCNT連続繊維を、安全性を確保して効率的かつ安価に大量生産できる。かかるCNT連続繊維は、例えば軽量導線(軽量モータ、発電機)、軽量導電ケーブル(送電線、深海ケーブル等)に適用することができる。
本発明の一実施形態を示すCNT連続繊維の製造装置の概略図である。 弾性部材によるシール機構の断面図である チョークシールを採用したシール機構の断面図である。 回転弾性シールを採用したシール機構の断面図である。 ラビリンスシールを採用したシール機構の断面図である。 同圧シールを採用したシール機構の断面図である。 液体シールを採用したシール機構の断面図である。 加撚巻取装置の概略図である。 糸掛具の概略図である。
符号の説明
1 電気炉
2 反応管
3 スプレーノズル
4 混合溶液
5 マイクロフィーダー
6 キャリアガス流量計
7 キャリアガス
10 油剤付与器
11 延伸ペアロール
12 リングツイスタ
13 ボビン
14 リングレール
15 糸ありセンサー
51 ハウジング
52 中空軸
53 透明カバー
54 Oリング
55 軸受
56 可変速モータ
57 弾性シール
58 パイプ
59 ロータリージョイント
61 ラビリンスシール
61A 円筒
62 差圧計
63 吸引ポンプ
64 演算手段
66 バイパス通路
67 ラビリンスシール管
90 シール箱
91 糸掛具
92 弾性リング
92A チョークシール
92B 空気圧精密調整機構
92C 加圧空気供給手段
93 受皿
93B 弾性部材
94 つまみ
95 液体(水、潤滑剤もしくは分散剤)
96 流量調整弁
97 透明ドア
98 バブラー
99 排気管
100 ガス投入管
101 吸引装置
101A しごきガイド
102 微細粉塵用フィルター
192、192A 外側環状部
193、193A 内側環状部
194、194A 空洞
200 反応炉
300 引出口
301 排出口
400 カーボンナノチューブ連続繊維の引取部
401 カーボンナノチューブ連続繊維
500 加撚巻取装置
502 ベース
503 回転台
504 ボビンホルダー
505 ボビン
506 制御装置
507 糸道中心ガイド
508 非接触巻厚計
509 スリップリング

Claims (15)

  1. 反応炉内に炭素源と触媒とキャリアガスとを投入し、流動気相CVD法によって連続的にカーボンナノチューブを生成してカーボンナノチューブ連続繊維を得るにあたり、前記反応炉から、ガスおよび粉塵を、前記カーボンナノチューブとは分離して排出するとともに、生成された前記カーボンナノチューブを大気雰囲気へと引き出してカーボンナノチューブ連続繊維を得ることを特徴とするカーボンナノチューブ連続繊維の製造方法。
  2. 前記反応炉から前記カーボンナノチューブを大気雰囲気へと引き出す際に、該反応炉と該カーボンナノチューブとの間を気密に保つ、請求項1に記載のカーボンナノチューブ連続繊維の製造方法。
  3. 前記反応炉から前記カーボンナノチューブを大気雰囲気へと引き出す際に加撚する、請求項1または2に記載のカーボンナノチューブ連続繊維の製造方法。
  4. 前記反応炉から前記カーボンナノチューブを大気雰囲気へと引き出す際に液体を塗布する、請求項1〜3のいずれかに記載のカーボンナノチューブ連続繊維の製造方法。
  5. 前記カーボンナノチューブ連続繊維を連続して巻き取るとともに、前記反応炉から引き出して巻き取るまでの間の前記カーボンナノチューブ連続繊維に対して油剤塗布、延伸、および加撚の少なくとも一つの処理を施す、請求項1〜4のいずれかに記載のカーボンナノチューブ連続繊維の製造方法。
  6. 流動気相CVD法によって炭素源と触媒とキャリアガスとからカーボンナノチューブを連続的に生成する反応炉を有し、該反応炉は、下部に、ガスおよび粉塵の排出口と、生成される前記カーボンナノチューブを連続繊維として引き出す引出口とを有していることを特徴するカーボンナノチューブ連続繊維の製造装置。
  7. 前記引出口は、前記カーボンナノチューブを引き出す際の該引出口と該カーボンナノチューブとの間を気密に保つためのシール手段を有している、請求項6に記載のカーボンナノチューブ連続繊維の製造装置。
  8. 前記シール手段が、前記カーボンナノチューブを引き出す際に該カーボンナノチューブに接する弾性部材である、請求項7に記載のカーボンナノチューブ連続繊維の製造装置。
  9. 前記弾性部材がチョークシールである、請求項8に記載のカーボンナノチューブ連続繊維の製造装置。
  10. 前記弾性部材を、引き出される前記連続繊維の軸回りに回転させる機構を有している、請求項8または9に記載のカーボンナノチューブ連続繊維の製造装置。
  11. 前記シール手段が、ラビリンスシール手段である、請求項7に記載のカーボンナノチューブ連続繊維の製造装置。
  12. 前記シール手段が、前記反応炉の内側よりも高い圧力の気体を前記引出口に供給する機構を有している、請求項7に記載のカーボンナノチューブ連続繊維の製造装置。
  13. 前記排出口に吸引ポンプが接続されてなり、前記シール手段が、前記反応炉の内側と外側の圧力差を検知するセンサーと、該センサーに応じて前記吸引ポンプの運転能力を調整する制御手段とを有している、請求項6〜12のいずれかに記載のカーボンナノチューブ連続繊維の製造装置。
  14. 前記シール手段が、前記引出口の内側に液体を供給し、該液体と引き出される前記連続繊維との間の気密性を保つ液体シール手段である、請求項7に記載のカーボンナノチューブ連続繊維の製造装置。
  15. 請求項1〜5のいずれかの方法または請求項6〜14のいずれかの装置で製造したカーボンナノチューブ連続繊維。
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