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JP2010044981A - 表示装置 - Google Patents

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JP2010044981A
JP2010044981A JP2008209375A JP2008209375A JP2010044981A JP 2010044981 A JP2010044981 A JP 2010044981A JP 2008209375 A JP2008209375 A JP 2008209375A JP 2008209375 A JP2008209375 A JP 2008209375A JP 2010044981 A JP2010044981 A JP 2010044981A
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成一 鈴木
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圭右 松本
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Abstract

【課題】有機EL発光素子とカラーフィルタを備えてなる、高い透過率を有し、色再現性が良好な表示装置を提供する。
【解決手段】(A)着色剤、(B)光重合性化合物、(C)光重合開始剤、(D)溶剤、(E)バインダーポリマー、及び、(F)一般式(I)で表される構造単位と一般式(II)で表される構造単位を共重合成分として含む界面活性剤を、0.02〜10質量%含有するカラーフィルタ用着色硬化性組成物。式中、R01は水素原子またはアルキル基を示し、R1は単結合、又は、酸素原子、窒素原子及びイオウ原子から選択される原子を含む連結基を示す。nは1〜10、mは2〜14、lは0〜10の整数を示し、pは0〜20、qは0〜20、rは0〜20の整数を示し、p,q,rは同時に0となることはない。
【選択図】なし

Description

本発明は、有機EL発光素子とカラーフィルタ層とを具備する表示装置に関する。
有機EL(Electro−luminescence)素子は有機LED(Light−emitting Diode)素子とも呼ばれ、陽極と陰極とで発光材料を含む有機層を挟持する構成を備え、両電極間に通電することにより発光する。具体的には、対向する電極から注入されたホールおよび電子が発光層内で結合し、そのエネルギーで発光層中の発光材料を励起させ、発光材料に応じた色の発光を行う。このような有機EL素子を有する有機EL表示装置は、自己発光表示装置であるため、視野角が広く、応答速度が速い。また、バックライトが不要であるため、薄型軽量化が可能である。これらの理由から、近年、有機EL表示装置は、液晶表示装置に代わる表示装置として注目されており、例えば携帯電話、車載、PDA(Personal Digital Assistant)等の広い分野で使用され始めている。中小型表示装置が主流であるが、大型テレビへの応用に向けても研究開発が続けられている(例えば、非特許文献1参照)。
近年、有機ELディスプレイは、色純度を向上させたり、鮮明な色を出したりするために発光層より発光された光をカラーフィルタ介して表示する方法も検討されている。
有機ELディスプレイをフルカラータイプのものとする方法としては、例えば「月刊ディスプレイ」、2000年9月号、33〜37ページに記載されているように、色の3原色(青色(B)、緑色(G)、赤色(R))に対応する光をそれぞれ発光する有機EL素子を基板上に配置する3色発光法、白色発光用の有機EL素子による白色発光をカラーフィルタを通して3原色に分ける白色法、青色発光用の有機EL素子による青色発光を蛍光色素層を通して赤色(R)及び緑色(G)に変換する色変換法などが知られている。
NTSC比を大きくするためには、それぞれのフィルタセグメントの色純度を高くする必要があるが、色純度を高くするとバックライトの光の利用効率(明度Y値で表す。)が低くなるため、消費電力が高くなる問題点があった。
上記のような要求に対しては1次粒径を微細化した顔料を用いることが有効である。顔料の1次粒径を微細化する方法として、例えば、顔料を、室温で固体かつ水不溶性の合成樹脂、食塩等の水溶性無機塩、及び前記合成樹脂を少なくとも一部溶解する水溶性有機溶剤と共に、ニーダー等で機械的に混練した後(以下、顔料、水溶性無機塩、及び水溶性有機溶剤を含む混合物を混練することをソルトミリングと呼ぶ)、水洗により、水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去する方法がある(例えば、特許文献1、2参照。)。この方法では、顔料の一次粒子の粉砕と結晶成長が並行して起こるため、最終的に粒度分布が狭く、平均粒径が小さいわりに表面積の小さい顔料が得られ、カラーフィルタのように微細な粒径の顔料を高濃度に分散する必要のある用途に適した方法である。
しかしながら、このようにして作られた顔料は、ソルトミリングでの結晶成長が強い場合には、顔料の一次粒子がむしろ大きくなったり、脱塩後の乾燥過程で激しい凝集を引き起こしたりするため、求める微粒子を形成することは、困難であった。このような顔料を使用すると表示装置において、遮光性が強く透過率の低い表示装置として光の利用効率(明度Y値で表す)が低下する問題が生じやすい。
このように、フルカラーディスプレイにおいては従来、表示装置の色再現性の向上と輝度の向上とは、互いにトレードオフの関係にあり、これら表示装置における主要性能である2つの性能の両立について長らく改善が望まれていた。
有機EL素子をカラーフィルタと組み合わせる技術を用いれば、高色再現性と高輝度を両立することが可能となる。しかしながら、このような光源を用いた有機EL表示装置には、斜め方向から観察した画像が、法線方向から観察した画像と比較して著しく暗いという問題がある。加えて、画像を法線方向から観察し、次いで、斜め方向から観察すると、色相が変化することも指摘されており、改善が望まれている。この観察方向依存性の改善については、デバイスの構造面からの改善提案がされており(特許文献3参照)、その効果が示されているが、これらの方法はいずれも装置の複雑化を招き、結果として高コスト化につながるものであり、さらに簡便な方法での改善が望まれていた。
一方カラーフィルタ方式の有機EL表示装置には、液晶ディスプレイ用に開発されたカラーフィルタ材料を応用することが可能である。青色(B)、緑色(G)、赤色(R)の3原色の画素の中で、緑色(G)の画素に用いる顔料としてはC.I.ピグメントグリーン36が多用されている。この顔料は微細化によって、透過率を向上させ、高輝度を得る点で有利と考えられていたが、有機EL表示装置における高色再現性と高輝度との両立に対しては、十分なレベルではないことがわかった。このため有機EL表示装置の高色再現性と高輝度とを両立するカラーフィルタの出現が待ち望まれていた。
特開2004−258586号公報 特開2004−265752号公報 特開2007−27042号公報
そこで、本発明は前記従来技術における問題点に鑑みてなされたものであり、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明の目的は、有機EL発光素子とカラーフィルタを備えてなる、高い透過率を有し、色再現性が良好な表示装置を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討の結果、特定の発光素子を具備する表示装置において、特定の顔料を選択すること、さらに、好ましい態様においては、顔料のソルトミリングを行う際、特定の顔料誘導体を添加することによって微細な処理顔料を得ることができ、これを特定の分散剤で分散することによりその効果が著しいこと、を見出して本発明を完成した。
前記課題を解決するための手段は以下の通りである。
<1> 有機発光素子と、Red、Green、Blueのカラーフィルタ層とを有する表示装置であって、該カラーフィルタ層が、少なくとも顔料、顔料誘導体、及び、分散剤を含み、Greenカラーフィルタ層を構成する着色パターンに含まれる顔料が、アルミニウムフタロシアニン及びピグメントグリーン7の少なくとも1種と、ピグメントイエロー185とを含み、フィルター層における顔料濃度が60%以下である表示装置。
<2> 前記有機発光素子が、430nm〜480nmの範囲に発光強度が最大となるピーク波長(λ1)を有する発光素子または、430nm〜480nmの範囲に第1の発光強度のピーク波長(λ1’)を有し、500nm〜550nmの範囲に第2の発光強度のピーク波長(λ2)を有し、600nm〜650nmの範囲に第3の発光強度のピーク波長(λ3)を有する発光素子である分光特性をもつ<1>記載の表示装置。
<3> ピグメントイエロー185の一次粒子径の平均粒径が10nm〜40nmである<1>又は<2>に記載の表示装置。
<4> 前記顔料誘導体として、下記一般式(1)で表される化合物を含有する<1>〜<3>のいずれか1項に記載の表示装置。
(一般式(1)中、Aは、X−Yとともにアゾ色素を形成しうる成分を表す。Xは、単結合、又は下記構造式で表される二価の連結基から選択される基を表す。Yは、下記一般式(2)で表される基を表す。)


(一般式(2)中、Zは、炭素数1〜5のアルキレン基を表す。−NRは、炭素数1〜4のアルキルアミノ基、又は窒素原子を含む5乃至6員飽和ヘテロ環を表す。aは、1又は2を表す。)
<5> 前記分散剤が、下記一般式(3)で表される高分子化合物である<1>〜<4>のいずれか1項に記載の表示装置。
(一般式(3)中、Rは、(m+n)価の有機連結基を表し、Rは単結合あるいは2価の有機連結基を表す。Aは有機色素構造、複素環構造、酸性基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、炭素数4以上の炭化水素基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基、および水酸基から選択される部位を少なくとも1種含む1価の有機基を表す。n個のA、Rは、それぞれ独立に、同一であっても、異なっていてもよい。mは1〜8、nは2〜9を表し、m+nは3〜10を満たす。Pは高分子骨格を表す。m個のPは、同一であっても、異なっていてもよい。)
本発明の表示装置は、Greenのカラーフィルタ層の着色パターンにピグメントイエロー185顔料とアルミニウムフタロシアニン及びピグメントグリーン7の少なくとも1種とを組み合わせて用いることを特徴とする。なお、好ましい態様では、これらの顔料のうちピグメントイエロー185顔料を特定の顔料誘導体の存在下において水溶性無機塩、及び水溶性有機溶剤の存在下で機械的に混練した後、得られた混練物から前記水溶性無機塩、及び前記水溶性有機溶剤を除去してなる、一次粒子径の平均粒径が10nm〜40nmである顔料を用いることで、特に優れた効果を発揮する。
上述した如き、本発明に使用しうる好ましい顔料は、従来のソルトミリング法で微細化された顔料と比べ、同じ粒径であっても、表面の活性が保持されており、その表面に顔料誘導体が吸着し易くなり、微細な粒子を形成しやすい。
この作用機構は不明であるが以下のように推測される。
大きな粒子径のピグメントイエロー185顔料を高温で粉砕して微粒子化すると、顔料の表面では、化学結合が解裂する、又は、結晶構造が変化する等の化学的変化が起こり、本来、顔料を構成する色素分子の持つ水素結合等の強い相互作用が残る高活性な表面を保持することが難しくなるものと推測される。これに対し、本願の好ましい態様のように、特定の顔料誘導体を用い、水溶性無機塩と水溶性溶媒の存在下で機械的に混練することで、微細された顔料の表面において上記のような化学的変化が起こる前に顔料誘導体が吸着し、結晶成長を防止することができると推測される。このため、本発明においては、ピグメントイエロー185顔料の一次粒子径の平均粒径を10nm〜40nmのごとき、微細なものにすることができるために、このような顔料を分散してなる着色パターンを有するGreenカラーフィルタは、優れた透過率と色再現性とを両立するものと考えられる
本発明によれば、有機EL発光素子とカラーフィルタを備えてなる、高い透過率を有し、色再現性が良好な表示装置を提供することができる。
以下、本発明の表示装置について詳細に説明する。
本発明の表示装置は、有機発光素子と、Red、Green、Blueのカラーフィルタ層とを有する表示装置であって、該カラーフィルタ層が、少なくとも顔料、顔料誘導体、及び、分散剤を含み、Greenカラーフィルタ層を構成する着色パターンに含まれる顔料が、アルミニウムフタロシアニン及びピグメントグリーン7の少なくとも1種と、ピグメントイエロー185とからなり、フィルター層における顔料濃度が60%以下であることを特徴とする。以下、表示装置の構成について順次説明する。
<<Greenカラーフィルタ層>>
まず、本発明の表示装置の特徴的な構成要件であるGreenカラーフィルタ層について述べる。
Greenカラーフィルタ層は、少なくとも顔料、顔料誘導体、及び、分散剤を含み、ここで、顔料はアルミニウムフタロシアニン及びピグメントグリーン7の少なくとも1種と、ピグメントイエロー185とからなり、着色パターンを構成する硬化膜における顔料濃度は60%以下である。
〔顔料〕
本発明におけるGreenカラーフィルタ層には、顔料として、アルミニウムフタロシアニン及びピグメントグリーン7の少なくとも1種である緑色顔料と、ピグメントイエロー185である黄色顔料とを組み合わせて用いることを特徴とする。
本発明では緑色画素の着色剤として、アルミニウムフタロシアニン顔料及びピグメントグリーン7の少なくとも1種である緑色顔料と、ピグメントイエロー185(黄色顔料)とを併用することにより、顔料の総量を低減して60質量%以下とした場合でも、高い色度、色濃度が得られ、光透過性にも優れることになる。
アルミニウムフタロシアニン顔料としては、下記構造式(I)で表される化合物が好ましい。
構造式(I)中、Xは、OH、ClまたはBrを表す。R、R、R、およびRは、各々独立にハロゲン原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、互いに同一でも異なっていてもよい。Yは0〜4の整数を表す。
前記アルミニウムフタロシアニン顔料としては、構造式(I)で表される化合物が好適である。また、この化合物の2分子が結合した二量体であってもよい。
上記構造式(I)で表されるアルミニウムフタロシアニン顔料の中でも、下記構造式(II)で表される化合物が特に好ましい。また、この化合物の2分子がOH基の酸素原子を介して結合された二量体も好適である。
本発明では緑色顔料として、前記アルミニウムフタロシアニン顔料及びC.I.ピグメントグリーン7から選択される1種以上を用いるが、さらに従来公知の緑色顔料を併用してもよく、この場合の緑色顔料は無機または有機顔料のいずれでもよく、例えば、C.I.ピグメントグリーン36,37などのハロゲン化フタロシアニン系顔料等が挙げられる。これらは一種のみならず二種以上を併用してもよい。ただし、これらの顔料の使用量としては、アルミニウムフタロシアニン顔料とC.I.ピグメントグリーン7との総使用量の50質量%以下で使用可能である。
また黄色顔料として、C.I.ピグメントイエロー185を用いるが、さらに従来公知の黄色顔料を併用してもよく、この場合の黄色顔料は無機または有機顔料のいずれでもよく、例えば、C.I.ピグメントイエロー138、139、150、などの顔料等が挙げられる。これらは一種のみならず二種以上を併用してもよい。ただし、これらの顔料の使用量としては、C.I.ピグメントイエロー185の使用量の50質量%以下で使用可能である。
本発明の緑色画素に用いるアルミニウムフタロシアニン顔料、及び、ピグメントグリーン7のうち少なくとも1種である緑色顔料と、ピグメントイエロー185である黄色顔料との比率は、緑色顔料100質量部に対し、黄色顔料5〜200質量部の範囲が好ましく、更に好ましくは、10〜170質量部の範囲である。この範囲であると色再現性と透過率が良好となり、好ましい。
前記アルミニウムフタロシアニン顔料、C.I.ピグメントグリーン7、及びC.I.ピグメントイエロー158の1次平均粒子径は、色ムラやコントラストの観点から、それぞれ10nm〜100nmであることが好ましく、10nm〜70nmであることがより好ましく、10nm〜50nmであることが更に好ましく、10nm〜40nmが最も好ましい。当該粒径範囲とすることで明度が良好な光硬化性組成物を提供することができる。粒径が10nm〜40nmという微細顔料を、顔料同士の凝集がなく、良好な分散性を維持するため、本発明におけるGreenカラーフィルタ層の形成には、以下に詳述するような顔料誘導体及び特定の分散剤を併用することが好ましい。
なお、ここで、平均一次粒子径は、SEMあるいはTEMで観察し、粒子が凝集していない部分で粒子サイズを100個計測し、平均値を算出することによって求める。
本発明のカラーフィルター層を形成するための着色感光性組成物に含まれる顔料としては、上記の顔料以外に本発明の効果を損なわない範囲で、従来公知の種々の顔料を混合して用いることができる。種々の顔料を混合して用いる場合には、顔料全量100質量部に対する上記アルミニウムフタロシアニン、C.I.ピグメントグリーン7の少なくとも1種と、C.I.ピグメントイエロー185との総含有量は、色濃度の理由から、30質量部以上であり、50質量部以上であることが好ましく、99質量部以下であることが特に好ましい。
本発明においては、上記顔料及び上記以外に添加可能な他の顔料は、あらかじめ種々の樹脂で処理しておくことが好ましい。すなわち、顔料は一般に合成後、種々の方法で乾燥が行なわれ、通常は水媒体から乾燥させて粉末体として供給されるが、水が乾燥するには大きな蒸発潜熱を必要とし、乾燥粉末とするには大きな熱エネルギーを与える。そのため、顔料は一次粒子が集合した凝集体(二次粒子)を形成しているのが普通であり、かかる凝集体を形成している顔料を微粒子に分散するのは容易ではないため、あらかじめ樹脂で処理しておくことが分散容易となり望ましい。ここでの樹脂としては、後述のアルカリ可溶性樹脂を挙げることができる。
前記分散処理の方法としては、フラッシング処理やニーダー、エクストルーダー、ボールミル、2本または3本ロールミル等による混練方法がある。このうち、フラッシング処理や2本または3本ロールミルによる混練法が微粒子化に好適である。
前記フラッシング処理は、通常顔料の水分散液と水と混和しない溶媒に溶解した樹脂溶液を混合し、水媒体中から有機媒体中に顔料を抽出し、顔料を樹脂で処理する方法である。この方法によれば、顔料の乾燥を経ることがないので、顔料の凝集を防ぐことができ、分散が容易となる。また、上記の2本または3本ロールミルによる混練では、顔料と樹脂または樹脂の溶液とを混合した後、高いシェア(せん断力)をかけながら、顔料と樹脂を混練することによって顔料表面に樹脂をコーティングすることにより顔料を処理する方法である。この過程で凝集していた顔料粒子はより低次の凝集体から一次粒子にまで分散される。
本発明においては、あらかじめアクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、マレイン酸樹脂、エチルセルロース樹脂、ニトロセルロース樹脂等で処理した加工顔料として用いることもできる。この加工顔料の形態としては、樹脂と顔料が均一に分散している粉末、ペースト状、ペレット状、ペースト状が好ましい。また、樹脂がゲル化した不均一な塊状のものは好ましくない。
<<Red、Blueカラーフィルタ層>>
本発明の緑色画素以外の赤色画素および青色画素に用いる顔料としては
高透過率、高色再現性を考慮して任意に選択できる。
赤色画素に用いる顔料は赤色顔料単独、赤色顔料と黄色顔料との組合せ、赤色顔料2種以上の組合せ等を任意に選ぶことができる。3種以上の併用も可能である。
赤色顔料としては例えば、C.I.Pigment Red 1、2、3、4、5、6、7、9、10、14、17、22、23、31、38、41、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、52:1、52:2、53:1、57:1、60:1、63:1、66、67、81:1、81:2、81:3、83、88、90、105、112、119、122、123、144、146、149、150、155、166、168、169、170、171、172、175、176、177、178、179、184、185、187、188、190、200、202、206、207、208、209、210、216、220、224、226、242、246、254、255、264、270、272、279などである。
また黄色顔料としては、C.I.Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、11、12、13、14、15、16、17、18、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、86、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、125、126、127、128、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、199、213、214
C.I.Pigment Orange 2、5、13、16、17:1、31、34、36、38、43、46、48、49、51、52、55、59、60、61、62、64、71、73などである。
青色画素に用いる顔料は青色顔料単独、青色顔料と紫色顔料との組合せ、青色顔料2種以上の組合せ等を任意に選ぶことができる。3種以上の併用も可能である。
青色顔料としては例えば、C.I.Pigment Blue 1、2、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、66、79、79のCl置換基をOHに変更したもの、80などである。
紫色顔料としては例えば、C.I.Pigment Violet 1、19、23、27、32、37、42などである。
上記以外にサブフタロシアニン系顔料も使用できる。
<顔料の微細化処理>
本発明においては、各カラーフィルタ層の形成に際して、必要に応じて、微細でかつ整粒化された顔料を用いることが好ましい。
有機顔料の微細化には、有機顔料を、水溶性有機溶剤及び水溶性無機塩類と共に高粘度な液状組成物として、摩砕する工程を含む方法を用いることが好ましい。
本発明においては、有機顔料の微細化には、以下の方法を用いることがより好ましい。
即ち、まず、有機顔料、水溶性有機溶剤、及び水溶性無機塩類の混合物(液状組成物)に対し、二本ロール、三本ロール、ボールミル、トロンミル、ディスパー、ニーダー、コニーダー、ホモジナイザー、ブレンダー、単軸若しくは2軸の押出機等の混練機を用いて、強い剪断力を与えることで、混合物中の有機顔料を摩砕した後、この混合物を水中に投入し、攪拌機等でスラリー状とする。次いで、このスラリーをろ過、水洗し、水溶性有機溶剤及び水溶性無機塩を除去した後、乾燥することで、微細化された上記の顔料を得る方法である。
前記の微細化方法に用いられる水溶性有機溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、イソブタノール、n−ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテール、ジエチレングリコールモノエチルエーテール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレンゴリコールモノメチルエーテルアセテート等を挙げることができる。
また、少量用いることで顔料に吸着して、廃水中に流失しないならば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン、アニリン、ピリジン、キノリン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘササン、ハロゲン化炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等を用いてもよい。また、必要に応じて2種類以上の溶剤を混合して使用してもよい。
これら水溶性有機溶剤の使用量は、上記有機顔料に対して、50質量%〜300質量%の範囲が好ましく、より好ましくは100質量%〜200質量%の範囲である。
また、本発明において水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化バリウム、硫酸ナトリウム等が用いられる。
水溶性無機塩の使用量は、顔料の1倍質量〜50倍質量が好ましく、多い方が摩砕効果はあるが、生産性の点から、より好ましい量は1倍質量〜10倍質量である。
また、水溶性無機塩の溶解を防ぐため、摩砕される液状組成物中の水分が1質量%以下であることが好ましい。
本発明において、顔料、水溶性有機溶剤、及び水溶性無機塩を含む液状組成物を摩砕する際には、前述の混練機などの湿式粉砕装置を用いればよい。この湿式粉砕装置の運転条件については特に制限はないが、粉砕メディア(水溶性無機塩)による磨砕を効果的に進行させるため、装置がニーダーの場合の運転条件は、装置内のブレードの回転数は、10rpm〜200rpmが好ましく、また2軸の回転比が相対的に大きいほうが、摩砕効果が大きく好ましい。また、運転時間は、乾式粉砕時間と併せて1時間〜8時間が好ましく、装置の内温は50℃〜150℃が好ましい。また、粉砕メディアである水溶性無機塩は粉砕粒度が5μm〜50μmで粒子径の分布がシャープで、且つ、球形が好ましい。
上記のような摩砕後の混合物を、80℃の温水と混合することで、水溶性有機溶剤と水溶性無機塩類とを溶解させ、その後、ろ過、水洗し、オーブンで乾燥して、微細な有機顔料を得ることができる。
<顔料分散組成物>
このようにして得られた顔料を用いてカラーフィルタ層を形成するには、このような顔料を含む着色感光性組成物を調整し、露光により硬化し、現像により未露光部を除去すればよい。
カラーフィルタ層に顔料を均一に存在させるため、着色感光性組成物の調製前に、通常、顔料の分散性を向上させるために顔料分散組成物(顔料分散液ともいう)を調整し、その形態で顔料を着色硬化性組成物に配合することが好ましい。
顔料の顔料分散組成物中における含有量としては、該組成物の全固形分(質量)に対して、10〜80質量%が好ましく、20〜70質量%がより好ましい。顔料の含有量が前記範囲内であると、色濃度が充分で優れた色特性を確保するのに有効である。
このような顔料分散組成物を調整するには、顔料に顔料分散剤(単に、分散剤と称することがある)と顔料誘導体とを適切な溶媒中に配合すればよい。本発明において、顔料分散組成物の調製には、顔料誘導体として以下に詳述する一般式(1)で表される化合物を、分散剤として下記一般式(3)で表される化合物を用いることが好ましい。
〔顔料誘導体〕
本発明のカラーフィルタ層調整に有用な顔料分散剤は、顔料誘導体として下記一般式(1)で表される化合物を含有し、必要に応じて適宜選択したその他の成分を含有する。
(一般式(1)で表される化合物)

一般式(1)中、Aは、X−Yとともにアゾ色素を形成しうる成分を表す。前記Aは、ジアゾニウム化合物とカップリングしてアゾ色素を形成しうる化合物であれば、任意に選択することができる。以下に、前記Aの具体例を示すが、本発明はこれらの具体例に何ら限定されるものではない。

前記一般式(1)中、Xは、単結合(Yが−N=N−に直結していることを意味する。)、又は下記構造式で表される二価の連結基から選択される基を表す。

前記一般式(1)中、Yは、下記一般式(2)で表される基を表す。

一般式(2)中、Zは、炭素数1〜5のアルキレン基を表す。Zは、−(CH−と表されるが、該bは1〜5の整数を表し、好ましくは2又は3を表す。一般式(2)中、−NRは、炭素数1〜4のアルキルアミノ基、又は窒素原子を含む5乃至6員飽和ヘテロ環を表す。該−NRは、低級アルキルアミノ基を表す場合、−N(C2n+1と表され、nは1〜4の整数を表し、好ましくは1又は2を表す。一方、該−NRは、窒素原子を含む5乃至6員飽和ヘテロ環を表す場合、下記構造式で表されるヘテロ環が好ましい。
前記一般式(2)における、Z及び−NRは、それぞれ、低級アルキル基、アルコキシ基を置換基として有していてもよい。前記一般式(2)中、aは、1又は2を表し、好ましくは2を表す。
以下に、前記一般式(1)で表される化合物の具体例〔例示化合物1〜例示化合物22〕を示すが、本発明はこれらの具体例に何ら限定されるものではない。





以下に、前記一般式(1)で表される化合物の合成例を示す。
[合成例1]
−例示化合物5の合成−
(1)5−ニトロイソフタル酸ジメチル50部とN,N−ジエチル−1,3−プロパンジアミン130部とを、弱く減圧しながら80〜100℃で約4時間反応させた。原料の5−ニトロイソフタル酸ジメチル及びモノアミド化合物の消失を確認したのち、過剰のN,N−ジエチル−1,3−プロパンジアミンを減圧除去し、92部の5−ニトロイソフタル酸ビス−3−ジエチルアミノプロピルアミドを得た。
(2)得られた5−ニトロイソフタル酸ビス−3−ジエチルアミノプロピルアミド92部を、還元鉄112部及び塩化アンモニウム12部とともにイソプロパノール200部、水35部中で還流、還元し、5−アミノ−イソフタル酸ビス−3−ジエチルアミノプロピルアミド86部を得た。
(3)得られた5−アミノ−イソフタル酸ビス−3−ジエチルアミノプロピルアミド18.3部をメタノール250部に加え、氷冷下、塩酸32部を加えた。混合液を更に−15℃まで冷却した。これにNaNO3.4部の水溶液(水35部)を滴下し、ジアゾ化した(ジアゾ液の調製)。
別に5−0アセトアセチルアミノ−ベンズイミダゾロン9.3部、メタノール400部、水800部、及びNaCO19部からなるカップリング成分溶液を調製し、10℃以下に冷却した。これに上記で得られたジアゾ液を滴下し、ジアゾカップリングさせた。KCOを加えて系を塩基性にし、析出した黄色生成物を濾取した。これをクロロホルムとアセトニトリルとにより再結晶して、前記に示した例示化合物5を19部得た。得られた化合物の最大吸収波長は、λmax380nm(CHCl中)であった。
[合成例2]
−例示化合物7の合成−
(1)合成例1の(2)で得た5−ニトロイソフタル酸ビス−3−ジエチルアミノプロピルアミド18.5部、及びトリエチルアミン5.1部をDMF60部に溶かし、氷冷した。これに4−ニトロベンゾイルクロライド9.3部のアセトン60部溶液を加えアミド化した。反応後、水800部を加えて結晶を濾取し、酢酸エチルにより再結晶して、4−ニトロベンゾイル−4−[3,5−ビス(3−ジエチルアミノプロピルカルバモイル)]フェニルアミド14部を得た。
(2)得られた化合物を、合成例1の(2)と同様に還元してアニリン誘導体13.2部を得た。
(3)得られたアニリン誘導体13.2部をメタノール120部に加え、氷冷下、塩酸18部を加えた。混合液を更に−15℃まで冷却した。
これにNaNO1.8部の水溶液(水20部)を滴下し、ジアゾ化した(ジアゾ液の調製)。別に5−アセトアセチルアミノベンズイミダゾロン5.9部、メタノール260部、水530部、及びNaCO10.8部からなるカップリング成分溶液を調製し、10℃以下に冷却した。これに上記で得られたジアゾ液を、10℃を超えないように滴下し、反応させた。KCOを加えて系を塩基性にし、析出した黄色生成物を濾取し、DMFとアセトニトリルとにより再結晶して、前記に示した例示化合物7を19部得た。得られた化合物の最大吸収波長は、λmax391nm(CHCl中)であった。
[合成例3]
−例示化合物22の合成−
(1)合成例2の(3)と同様にしてアニリン誘導体22.9部を用いてメタノール180部、塩酸31部、NaNO3.1部、及び水30部からなるジアゾ液を調製した。
(2)バルビツール酸5.6部、メタノール600部、水1100部、及びNaCO19部からなるカップリング成分液を調製した。
これに(1)で得られたジアゾ液を滴下し、反応させた。反応後、KCOを加えて系を塩基性にし、析出した結晶を濾取し、DMFとアセトニトリルとにより再結晶して、前記に示した例示化合物22を16.3部得た。得られた化合物の最大吸収波長は、λmax378nm(CHCl中)であった。
(分散)
次に、本発明の顔料分散剤による顔料の分散について説明する。本発明の顔料分散剤を用いた場合、該顔料分散剤が、顔料粒子の表面に吸着する。このとき、顔料粒子の表面には、前記顔料分散剤における窒素原子が吸着する。顔料粒子は、前記一般式(1)で表される化合物で覆われた状態になる。個々の顔料粒子の表面に前記一般式(1)で表される化合物が吸着しているので、顔料粒子同士は、互いに吸着し凝集することがなく、微細化した状態のまま、前記一般式(1)で表される化合物により均一に分散され、流動し易い状態になる。
通常の顔料分散剤を着色感光性組成物に用いた場合には、該着色感光性組成物に含まれる、酸性基を有するバインダーポリマーにおける該酸性基と、前記顔料分散剤における窒素原子とが、塩を形成したり、強い分子間力で結合したりすることが多いが、本発明の顔料分散剤の場合には、顔料母核を有していることから、顔料との親和性の方が高いため、このような挙動を抑制する一方、分散後の安定性を向上させ、窒素原子による分散性向上の効果も高め得る。また、前記一般式(1)で表される化合物によると、有機顔料を分散する際、増粘を伴うことがなく、有機顔料の分散性が良好であり、特に酸性の有機顔料に対する分散性が良好である。
本発明における顔料分散剤による分散とは、二次粒子の状態で一般に存在する顔料粒子をほぐして一次粒子の状態にし、再凝集を防止することを意味する。本発明の顔料分散剤は、顔料への吸着部位を有し、該顔料が一次粒子の形態に分散された後での再凝集を防ぐために、酸性基を有するバインダーを共存させることにより、立体反発性を付与することができる。本発明の顔料分散剤による顔料の分散は、該顔料分散剤と、顔料との直接の混合により効果的に達成され、顔料以外に分散され得る粒子ができるだけ存在しない状態で行なうのが好ましい。このような状態で顔料の分散を行なうと、本発明の顔料分散剤が該顔料粒子の周囲に瞬時に吸着し、該顔料粒子が良好に分散し、良好に流動し、該顔料粒子同士の凝集が効果的に抑制される。一方、顔料粒子以外に分散され得る粒子が存在した状態で顔料の分散を行なうと、本発明の顔料分散剤が、目的とする顔料粒子の表面に吸着せず、他の粒子表面に吸着し、該顔料分散剤の顔料分散効果が損なわれることがある。したがって、例えば、感光材料等を製造する場合等において、顔料を良好に分散させた状態で該感光材料等中に含有させるには、該顔料と本発明の顔料分散剤とを早い時期に混合し、分散前、又は分散中に、酸性基を有するバインダーポリマーを添加することが好ましく、感光層用塗布液等の調製時等の遅い時期に本発明の顔料分散剤を添加・混合するのは好ましくない。
本発明の顔料分散剤は、公知の顔料の分散に好適に使用することができ、後述する本発明の顔料分散組成物及び着色感光性組成物に特に好適に使用することができる。
<高分子化合物>
前記分散剤は、下記一般式(1)で表される高分子化合物である。下記一般式(3)で表される高分子化合物は、ポリマーの末端に、有機色素構造、複素環構造、酸性基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、炭素数4以上の炭化水素基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基、および水酸基から選択される部位を少なくとも1種含む1価の有機基を複数有するので、固体表面に対する吸着性に優れていたり、ミセル形成能に優れていたり、界面活性性を有していたり、様々な特徴を有する。例えば顔料分散剤として好適に用いることができる。
前記一般式(3)中、Aは、有機色素構造、複素環構造、酸性基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、炭素数4以上の炭化水素基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基、および水酸基から選択される部位を少なくとも1種含む1価の有機基を表す。n個のAは同一であっても、異なっていてもよい。
つまり、前記Aは、有機色素構造、複素環構造のような顔料に対する吸着能を有する構造や、酸性基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、炭素数4以上の炭化水素基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基、および水酸基のように、顔料に対する吸着能を有する官能基を少なくとも1種含む1価の有機基を表す。
なお、以下、この顔料に対する吸着能を有する部位(上記構造及び官能基)を、適宜、「吸着部位」と総称して、説明する。
前記吸着部位は、1つのAの中に、少なくとも1種含まれていればよく、2種以上を含んでいてもよい。
また、本発明において、「吸着部位を少なくとも1種含む1価の有機基」は、前述の吸着部位と、1から200個までの炭素原子、0個から20個までの窒素原子、0個から100個までの酸素原子、1個から400個までの水素原子、および0個から40個までの硫黄原子から成り立つ有機連結基と、が結合してなる1価の有機基である。なお、吸着部位自体が1価の有機基を構成しうる場合には、吸着部位そのものがAで表される一価の有機基であってもよい。
まず、前記Aを構成する吸着部位について以下に説明する。
前記「有機色素構造」としては、例えば、フタロシアニン系、不溶性アゾ系、アゾレーキ系、アントラキノン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、ジケトピロロピロール系、アントラピリジン系、アンサンスロン系、インダンスロン系、フラバンスロン系、ペリノン系、ペリレン系、チオインジゴ系の色素構造が好ましい例として挙げられ、フタロシアニン系、アゾレーキ系、アントラキノン系、ジオキサジン系、ジケトピロロピロール系の色素構造がより好ましく、フタロシアニン系、アントラキノン系、ジケトピロロピロール系の色素構造が特に好ましい。
また、前記「複素環構造」としては、例えば、チオフェン、フラン、キサンテン、ピロール、ピロリン、ピロリジン、ジオキソラン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、チアジアゾール、ピラン、ピリジン、ピペリジン、ジオキサン、モルホリン、ピリダジン、ピリミジン、ピペラジン、トリアジン、トリチアン、イソインドリン、イソインドリノン、ベンズイミダゾロン、ベンゾチアゾール、コハクイミド、フタルイミド、ナフタルイミド、ヒダントイン、インドール、キノリン、カルバゾール、アクリジン、アクリドン、アントラキノンが好ましい例として挙げられ、ピロリン、ピロリジン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、イミダゾール、トリアゾール、ピリジン、ピペリジン、モルホリン、ピリダジン、ピリミジン、ピペラジン、トリアジン、イソインドリン、イソインドリノン、ベンズイミダゾロン、ベンゾチアゾール、コハクイミド、フタルイミド、ナフタルイミド、ヒダントイン、カルバゾール、アクリジン、アクリドン、アントラキノンがより好ましい。
なお、前記「有機色素構造」または「複素環構造」は、さらに置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、メチル基、エチル基等の炭素数1から20までのアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6から16までのアリール基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシ基等の炭素数1から6までのアシルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1から20までのアルコキシ基、塩素、臭素等のハロゲン原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2から7までのアルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネート等の炭酸エステル基、等が挙げられる。ここで、これらの置換基は、下記の構造単位または該構造単位が組み合わさって構成される連結基を介して有機色素構造または複素環と結合していてもよい。
前記「酸性基」として、例えば、カルボン酸基、スルホン酸基、モノ硫酸エステル基、リン酸基、モノリン酸エステル基、ホウ酸基が好ましい例として挙げられ、カルボン酸基、スルホン酸基、モノ硫酸エステル基、リン酸基、モノリン酸エステル基がより好ましく、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基が特に好ましい。
また、前記「塩基性窒素原子を有する基」として、例えば、アミノ基(−NH)、置換イミノ基(−NHR、−NR10、ここで、R、R、およびR10 は各々独立に、炭素数1から20までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基を表す。)、下記式(a1)で表されるグアニジル基、下記式(a2)で表されるアミジニル基などが好ましい例として挙げられる。
式(a1)中、R11 およびR12 は各々独立に、炭素数1から20までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基を表す。
式(a2)中、R13 およびR14 は各々独立に、炭素数1から20までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基を表す。
これらの中でも、アミノ基(−NH)、置換イミノ基(−NHR、−NR、ここで、R、R、およびR10 は各々独立に、炭素数1から10までのアルキル基、フェニル基、ベンジル基を表す。)、前記式(a1)で表されるグアニジル基〔式(a1)中、R11 およびR12 は各々独立に、炭素数1から10までのアルキル基、フェニル基、ベンジル基を表す。〕、前記式(a2)で表されるアミジニル基〔式(a2)中、R13 およびR14 は各々独立に、炭素数1から10までのアルキル基、フェニル基、ベンジル基を表す。〕などがより好ましい。
特に、アミノ基(−NH)、置換イミノ基(−NHR、−NR10、ここで、R、R、およびR10は各々独立に、炭素数1から5までのアルキル基、フェニル基、ベンジル基を表す。)、前記式(a1)で表されるグアニジル基〔式(a1)中、R11 およびR12 は各々独立に、炭素数1から5までのアルキル基、フェニル基、ベンジル基を表す。〕、前記式(a2)で表されるアミジニル基〔式(a2)中、R13 およびR14 は各々独立に、炭素数1から5までのアルキル基、フェニル基、ベンジル基を表す。〕などが好ましく用いられる。
前記「ウレア基」として、例えば、−NR15 CONR16 17 (ここで、R15 、R16 、およびR17 は各々独立に、水素原子あるいは、炭素数1から20までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基を表す。)が好ましい例として挙げられ、−NR15 CONHR17 (ここで、R15 およびR17 は各々独立に、水素原子あるいは、炭素数1から10までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基を表す。)がより好ましく、−NHCONHR17 (ここで、R17 は水素原子あるいは、炭素数1から10までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基を表す。)が特に好ましい。
前記「ウレタン基」として、例えば、−NHCOOR18 、−NR19 COOR20 、−OCONHR21 、−OCONR22 23 (ここで、R18 、R19 、R20 、R21 、R22 およびR23 は各々独立に、炭素数1から20までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基を表す。)などが好ましい例として挙げられ、−NHCOOR18 、−OCONHR21 (ここで、R18 、R21 は各々独立に、炭素数1から20までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基を表す。)などがより好ましく、−NHCOOR18 、−OCONHR21 (ここで、R18 、R21 は各々独立に、炭素数1から10までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基を表す。)などが特に好ましい。
前記「配位性酸素原子を有する基」としては、例えば、アセチルアセトナト基、クラウンエーテルなどが挙げられる。
前記「炭素数4以上の炭化水素基」としては、炭素数4以上のアルキル基、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基などが好ましい例として挙げられ、炭素数4〜20アルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基などがより好ましく、炭素数4〜15アルキル基(例えば、オクチル基、ドデシル基など)、炭素数6〜15のアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基など)、炭素数7〜15のアラルキル基(例えばベンジル基など)などが特に好ましい。
前記「アルコキシシリル基」としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基などが挙げられる。
前記吸着部位と結合する有機連結基としては、単結合あるいは、1から100個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から50個までの酸素原子、1個から200個までの水素原子、および0個から20個までの硫黄原子から成り立つ有機連結基が好ましく、この有機連結基は、無置換でも置換基を更に有していてもよい。
この有機連結基の具体的な例として、下記の構造単位または該構造単位が組み合わさって構成される基を挙げることができる。
前記有機連結基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、メチル基、エチル基等の炭素数1から20までのアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6から16までのアリール基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシ基等の炭素数1から6までのアシルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1から6までのアルコキシ基、塩素、臭素等のハロゲン原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2から7までのアルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネート等の炭酸エステル基、等が挙げられる。
上記の中では、前記Aとして、有機色素構造、複素環構造、酸性基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、および炭素数4以上の炭化水素基から選択される部位を少なくとも1種含む1価の有機基であることが好ましい。
前記Aとしては、下記一般式(b)で表される1価の有機基であることがより好ましい。
前記一般式(b)中、Bは前記吸着部位(即ち、有機色素構造、複素環構造、酸性基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、炭素数4以上の炭化水素基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基、および水酸基から選択される部位)を表し、R24 は単結合あるいは(a+1)価の有機連結基を表す。aは、1〜10の整数を表し、a個のBは同一であっても、異なっていてもよい。
前記Bで表される吸着部位としては、前述の一般式(3)のAを構成する吸着部位と同様のものが挙げられ、好ましい例も同様である。
中でも、有機色素構造、複素環構造、酸性基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、および炭素数4以上の炭化水素基から選択される部位が好ましい。
24 は、単結合または(a+1)価の有機連結基を表し、aは1〜10を表す。好ましくは、aは1〜7であり、より好ましくは、aは1〜5であり、特に好ましくは、aは1〜3である。
(a+1)価の有機連結基としては、1から100個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から50個までの酸素原子、1個から200個までの水素原子、および0個から20個までの硫黄原子から成り立つ基が含まれ、無置換でも置換基を更に有していてもよい。
前記(a+1)価の有機連結基は、具体的な例として、下記の構造単位または該構造単位が組み合わさって構成される基(環構造を形成していてもよい)を挙げることができる。
24 としては、単結合、または、1から50個までの炭素原子、0個から8個までの窒素原子、0個から25個までの酸素原子、1個から100個までの水素原子、および0個から10個までの硫黄原子から成り立つ(a+1)価の有機連結基が好ましく、単結合、または、1から30個までの炭素原子、0個から6個までの窒素原子、0個から15個までの酸素原子、1個から50個までの水素原子、および0個から7個までの硫黄原子から成り立つ(a+1)価の有機連結基がより好ましく、単結合、または、1から10個までの炭素原子、0個から5個までの窒素原子、0個から10個までの酸素原子、1個から30個までの水素原子、および0個から5個までの硫黄原子から成り立つ(a+1)価の有機連結基が特に好ましい。
上記のうち、(a+1)価の有機連結基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、メチル基、エチル基等の炭素数1から20までのアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6から16までのアリール基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシ基等の炭素数1から6までのアシルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1から6までのアルコキシ基、塩素、臭素等のハロゲン原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2から7までのアルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネート等の炭酸エステル基、等が挙げられる。
前記一般式(3)中、Rは単結合あるいは2価の有機連結基を表す。n個のRは、同一であっても、異なっていてもよい。
2価の有機連結基としては、1から100個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から50個までの酸素原子、1個から200個までの水素原子、および0個から20個までの硫黄原子から成り立つ基が含まれ、無置換でも置換基を更に有していてもよい。
前記2価の有機連結基は、具体的な例として、下記の構造単位または該構造単位が組み合わさって構成される基を挙げることができる。
としては、単結合、あるいは、1から50個までの炭素原子、0個から8個までの窒素原子、0個から25個までの酸素原子、1個から100個までの水素原子、および0個から10個までの硫黄原子から成り立つ2価の有機連結基が好ましく、単結合、あるいは、1から30個までの炭素原子、0個から6個までの窒素原子、0個から15個までの酸素原子、1個から50個までの水素原子、および0個から7個までの硫黄原子から成り立つ2価の有機連結基がより好ましく、単結合、あるいは、1から10個までの炭素原子、0個から5個までの窒素原子、0個から10個までの酸素原子、1個から30個までの水素原子、および0個から5個までの硫黄原子から成り立つ2価の有機連結基が特に好ましい。
上記のうち、2価の有機連結基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、メチル基、エチル基等の炭素数1から20までのアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6から16までのアリール基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシ基等の炭素数1から6までのアシルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1から6までのアルコキシ基、塩素、臭素等のハロゲン原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2から7までのアルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネート等の炭酸エステル基、等が挙げられる。
前記一般式(3)中、Rは、(m+n)価の有機連結基を表す。m+nは3〜10を満たす。
前記Rで表される(m+n)価の有機連結基としては、1から100個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から50個までの酸素原子、1個から200個までの水素原子、および0個から20個までの硫黄原子から成り立つ基が含まれ、無置換でも置換基を更に有していてもよい。
前記(m+n)価の有機連結基は、具体的な例として、下記の構造単位または該構造単位が組み合わさって構成される基(環構造を形成していてもよい)を挙げることができる。
(m+n)価の有機連結基としては、1から60個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から40個までの酸素原子、1個から120個までの水素原子、および0個から10個までの硫黄原子から成り立つ基が好ましく、1から50個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から30個までの酸素原子、1個から100個までの水素原子、および0個から7個までの硫黄原子から成り立つ基がより好ましく、1から40個までの炭素原子、0個から8個までの窒素原子、0個から20個までの酸素原子、1個から80個までの水素原子、および0個から5個までの硫黄原子から成り立つ基が特に好ましい。
上記のうち、(m+n)価の有機連結基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、メチル基、エチル基等の炭素数1から20までのアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6から16までのアリール基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシ基等の炭素数1から6までのアシルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1から6までのアルコキシ基、塩素、臭素等のハロゲン原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2から7までのアルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネート等の炭酸エステル基、等が挙げられる。
前記Rで表される(m+n)価の有機連結基の具体的な例〔具体例(1)〜(17)〕を以下に示す。但し、本発明においては、これらに制限されるものではない。
上記の具体例の中でも、原料の入手性、合成の容易さ、各種溶媒への溶解性の観点から、最も好ましい(m+n)価の有機連結基は下記の基である。
前記一般式(3)中、mは1〜8を表す。mとしては、1〜5が好ましく、1〜4がより好ましく、1〜3が特に好ましい。
また、前記一般式(3)中、nは2〜9を表す。nとしては、2〜8が好ましく、2〜7がより好ましく、3〜6が特に好ましい。
一般式(3)中、Pは高分子骨格を表し、公知のポリマーなどから目的等に応じて選択することができる。m個のPは、同一であっても、異なっていてもよい。
ポリマーの中でも、高分子骨格を構成するには、ビニルモノマーの重合体もしくは共重合体、エステル系ポリマー、エーテル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、アミド系ポリマー、エポキシ系ポリマー、シリコーン系ポリマー、およびこれらの変性物、または共重合体〔例えば、ポリエーテル/ポリウレタン共重合体、ポリエーテル/ビニルモノマーの重合体の共重合体など(ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよい。)を含む。〕からなる群より選択される少なくとも一種が好ましく、ビニルモノマーの重合体もしくは共重合体、エステル系ポリマー、エーテル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、およびこれらの変性物または共重合体からなる群より選択される少なくとも一種がより好ましく、ビニルモノマーの重合体もしくは共重合体が特に好ましい。
更には、前記ポリマーは有機溶媒に可溶であることが好ましい。有機溶媒との親和性が低いと、例えば、顔料分散剤として使用した場合、分散媒との親和性が弱まり、分散安定化に十分な吸着層を確保できなくなることがある。
前記ビニルモノマーとしては、特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、スチレン類、ビニルエーテル類、ビニルケトン類、オレフィン類、マレイミド類、(メタ)アクリロニトリル、酸性基を有するビニルモノマーなどが好ましい。
以下、これらのビニルモノマーの好ましい例について説明する。
(メタ)アクリル酸エステル類の例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸t−オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸アセトキシエチル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸―2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸―3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸―4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−(2−メトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−2−クロロエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸ビニル、(メタ)アクリル酸―2−フェニルビニル、(メタ)アクリル酸―1−プロペニル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸―2−アリロキシエチル、(メタ)アクリル酸プロパルギル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸β−フェノキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸ノニルフェノキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸トリフロロエチル、(メタ)アクリル酸オクタフロロペンチル、(メタ)アクリル酸パーフロロオクチルエチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸−γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
クロトン酸エステル類の例としては、クロトン酸ブチル、およびクロトン酸ヘキシル等が挙げられる。
ビニルエステル類の例としては、ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、および安息香酸ビニルなどが挙げられる。
マレイン酸ジエステル類の例としては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、およびマレイン酸ジブチルなどが挙げられる。
フマル酸ジエステル類の例としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、およびフマル酸ジブチルなどが挙げられる。
イタコン酸ジエステル類の例としては、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、およびイタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
(メタ)アクリルアミド類としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチルアクリル(メタ)アミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、ビニル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアリル(メタ)アクリルアミド、N−アリル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
スチレン類の例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、酸性物質により脱保護可能な基(例えばt−Bocなど)で保護されたヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸メチル、およびα−メチルスチレンなどが挙げられる。
ビニルエーテル類の例としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテルおよびフェニルビニルエーテルなどが挙げられる。
ビニルケトン類の例としては、メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトンなどが挙げられる。
オレフィン類の例としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレンなどが挙げられる。
マレイミド類の例としては、マレイミド、ブチルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミドなどが挙げられる。
(メタ)アクリロニトリル、ビニル基が置換した複素環式基(例えば、ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、ビニルカルバゾールなど)、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルイミダゾール、ビニルカプロラクトン等も使用できる。
上記の化合物以外にも、例えば、ウレタン基、ウレア基、スルホンアミド基、フェノール基、イミド基などの官能基を有するビニルモノマーも用いることができる。このようなウレタン基、またはウレア基を有する単量体としては、例えば、イソシアナート基と水酸基、またはアミノ基の付加反応を利用して、適宜合成することが可能である。具体的には、イソシアナート基含有モノマーと水酸基を1個含有する化合物または1級あるいは2級アミノ基を1個含有する化合物との付加反応、または水酸基含有モノマーまたは1級あるいは2級アミノ基含有モノマーとモノイソシアネートとの付加反応等により適宜合成することができる。
前記酸性基を有するビニルモノマーの例としては、カルボキシル基を有するビニルモノマーやスルホン酸基を有するビニルモノマーが挙げられる。
カルボキシル基を有するビニルモノマーとして、(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸、アクリル酸ダイマーなどが挙げられる。また、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基を有する単量体と無水マレイン酸や無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物のような環状無水物との付加反応物、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートなども利用できる。また、カルボキシル基の前駆体として無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などの無水物含有モノマーを用いてもよい。なおこれらの内では、共重合性やコスト、溶解性などの観点から(メタ)アクリル酸が特に好ましい。
また、スルホン酸基を有するビニルモノマーとして、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などが挙げられ、リン酸基を有するビニルモノマーとして、リン酸モノ(2−アクリロイルオキシエチルエステル)、リン酸モノ(1−メチル−2−アクリロイルオキシエチルエステル)などが挙げられる。
更に、酸性基を有するビニルモノマーとして、フェノール性ヒドロキシル基を含有するビニルモノマーやスルホンアミド基を含有するビニルモノマーなども利用することができる。
前記一般式(3)で表される高分子化合物の中でも、下記一般式(3−2)で表される高分子化合物が好ましい。
前記一般式(3−2)において、Aは、有機色素構造、複素環構造、酸性基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、炭素数4以上の炭化水素基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基、および水酸基から選択される部位を少なくとも1種含む1価の有機基を表す。n個のAは同一であっても、異なっていてもよい。
なお、Aは、前記一般式(3)における前記Aと同義であり、好ましい態様も同様である。
前記一般式(3−2)において、R、Rは各々独立に単結合あるいは2価の有機連結基を表す。n個のRは、同一であっても、異なっていてもよい。また、m個のRは、同一であっても、異なっていてもよい。
、Rで表される2価の有機連結基としては、前記一般式(3)のRで表される2価の有機連結基として挙げられたものと同一のものが用いられ、好ましい態様も同様である。
前記一般式(3−2)において、Rは、(m+n)価の有機連結基を表す。m+nは3〜10を満たす。
前記Rで表される(m+n)価の有機連結基としては、1から60個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から50個までの酸素原子、1個から100個までの水素原子、および0個から20個までの硫黄原子から成り立つ基が含まれ、無置換でも置換基を更に有していてもよい。
前記Rで表される(m+n)価の有機連結基として、具体的には、前記一般式(1)のRで表される(m+n)価の有機連結基として挙げられたものと同一のものが用いられ、好ましい態様も同様である。
前記一般式(3−2)中、mは1〜8を表す。mとしては、1〜5が好ましく、1〜4がより好ましく、1〜3が特に好ましい。
また、前記一般式(3−2)中、nは2〜9を表す。nとしては、2〜8が好ましく、2〜7がより好ましく、3〜6が特に好ましい。
また、一般式(3−2)中のPは、高分子骨格を表し、公知のポリマーなどから目的等に応じて選択することができる。m個のPは、同一であっても、異なっていてもよい。ポリマーの好ましい態様については、前記一般式(3)におけるPと同様である。
前記一般式(3−2)で表される高分子化合物のうち、以下に示すR、R、R、P、m、及びnを全て満たすものが最も好ましい。
:前記具体例(1)、(2)、(10)、(11)、(16)、または(17)
:単結合あるいは、下記の構造単位または該構造単位が組み合わさって構成される「1から10個までの炭素原子、0個から5個までの窒素原子、0個から10個までの酸素原子、1個から30個までの水素原子、および0個から5個までの硫黄原子」から成り立つ2価の有機連結基(置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、メチル基、エチル基等の炭素数1から20までのアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6から16までのアリール基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシ基等の炭素数1から6までのアシルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1から6までのアルコキシ基、塩素、臭素等のハロゲン原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2から7までのアルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネート等の炭酸エステル基、等が挙げられる。)
:単結合、エチレン基、プロピレン基、下記基(a)、または下記基(b)
なお、下記基中、R25 は水素原子またはメチル基を表し、lは1または2を表す。
:ビニルモノマーの重合体若しくは共重合体、エステル系ポリマー、エーテル系ポリマー、ウレタン系ポリマー及びこれらの変性物
m:1〜3
n:3〜6
高分子化合物の酸価は特に限定されないが、顔料分散剤として用いるため、酸価が200(mgKOH/g)以下であることが好ましく、160(mgKOH/g)以下がより好ましく、120(mgKOH/g)以下が特に好ましい。酸価が200(mgKOH/g)を超えると、顔料の分散性、分散安定性が悪化する場合がある。
また、該高分子化合物を顔料と共にアルカリ現像処理が必要な光硬化性組成物に用いる場合、その酸価は、30〜200(mgKOH/g)であることが好ましく、40〜160(mgKOH/g)がより好ましく、50〜120(mgKOH/g)が特に好ましい。酸価が30(mgKOH/g)未満の場合、光硬化性組成物のアルカリ現像性が不十分となる場合があり、酸価が200(mgKOH/g)を超えると、顔料の分散性、分散安定性が悪化する場合がある。
このような高分子化合物の分子量としては、重量平均分子量で、3000〜100000が好ましく、5000〜80000がより好ましく、7000〜60000が特に好ましい。重量平均分子量が前記範囲内であると、ポリマーの末端に導入された複数の前記吸着部位の効果が十分に発揮され、固体表面への吸着性、ミセル形成能、界面活性性に優れた性能を発揮する。特に本発明に係る高分子化合物を顔料分散剤として用いた場合に、良好な分散性と分散安定性を達成することができる。
(合成方法)
前記一般式(3)で表される高分子化合物(一般式(3−2)で表されるものを含む)は、特に制限されないが、下記方法などにより合成することができる。
1.カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基等から選択される官能基を末端に導入したポリマーと、複数の前記吸着部位を有する酸ハライド、複数の前記吸着部位を有するアルキルハライド、あるいは複数の前記吸着部位を有するイソシアネート等と、を高分子反応させる方法。
2.末端に炭素−炭素二重結合を導入したポリマーと、複数の前記吸着部位を有するメルカプタンと、をマイケル付加反応させる方法。
3.末端に炭素−炭素二重結合を導入したポリマーと、前記吸着部位を有するメルカプタンと、をラジカル発生剤存在下で反応させる方法。
4.末端に複数のメルカプタンを導入したポリマーと、炭素−炭素二重結合と前記吸着部位を有する化合物と、をラジカル発生剤存在下で反応させる方法。
5.複数の前記吸着部位を有するメルカプタン化合物存在下で、ビニルモノマーをラジカル重合する方法。
上記のうち、分散剤として用いうる該高分子化合物は、合成上の容易さから、2、3、4、5の合成方法が好ましく、3、4、5の合成方法がより好ましい。特に、高分子化合物が一般式(3−2)で表される構造を有する場合、合成上の容易さから、5の合成方法で合成することが最も好ましい。
前記5の合成方法として、より具体的には、下記一般式(3−3)で表される化合物存在下で、ビニルモノマーをラジカル重合させる方法が好ましい。
前記一般式(3−3)において、R、R、A、m、およびnは、それぞれ前記一般式(3−2)におけるR、R、A、m、およびnと同義であり、その好ましい態様も同様である。
前記一般式(3−3)で表される化合物は、以下の方法等で合成することができるが、合成上の容易さから、下記7の方法がより好ましい。
6.複数の前記吸着部位を有するハライド化合物からメルカプタン化合物に変換する方法(チオ尿素と反応させ、加水分解する方法、NaSHと直接反応させる方法、CH COSNaと反応させ、加水分解させる方法などが挙げられる)
7.一分子中に3〜10個のメルカプト基を有する化合物と、前記吸着部位を有し、かつメルカプト基と反応可能な官能基を有する化合物、とを付加反応させる方法
前記合成方法7における「メルカプト基と反応可能な官能基」としては、酸ハライド、アルキルハライド、イソシアネート、炭素−炭素二重結合などが好適に挙げられる。
「メルカプト基と反応可能な官能基」が炭素−炭素二重結合であり、付加反応がラジカル付加反応であることが特に好ましい。なお、炭素−炭素二重結合としては、メルカプト基との反応性の点で、1置換もしくは2置換のビニル基がより好ましい。
一分子中に3〜10個のメルカプト基を有する化合物の具体的な例〔具体例(18)〜(34)〕としては、以下の化合物が挙げられる。
上記の中でも、原料の入手性、合成の容易さ、各種溶媒への溶解性の観点から、特に好ましい化合物は、以下の化合物である。
前記吸着部位を有し、かつ、炭素−炭素二重結合を有する化合物(具体的には、有機色素構造、複素環構造、酸性基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、炭素数4以上の炭化水素基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基、および水酸基から選択される部位を少なくとも1種有し、かつ、炭素−炭素二重結合を有する化合物)としては、特に制限されないが、以下のようなものが挙げられる。
前記「一分子中に3〜10個のメルカプト基を有する化合物」と、「前記吸着部位を有し、かつ、炭素−炭素二重結合を有する化合物」とのラジカル付加反応生成物は、例えば、上記の「一分子中に3〜10個のメルカプト基を有する化合物」および「前記吸着部位を有し、かつ、炭素−炭素二重結合を有する化合物」を適当な溶媒中に溶解し、ここにラジカル発生剤を添加して、約50℃〜100℃で、付加させる方法(チオール−エン反応法)を利用して得られる。
前記チオール−エン反応法で用いられる適当な溶媒の例としては、用いる「一分子中に3〜10個のメルカプト基を有する化合物」、「前記吸着部位を有し、かつ、炭素−炭素二重結合を有する化合物」、および「生成するラジカル付加反応生成物」の溶解性に応じて任意に選択できる。
例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メトキシプロピルアセテート、乳酸エチル、酢酸エチル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、トルエンが挙げられる。これらの溶媒は、二種以上を混合して使用してもよい。
また、ラジカル発生剤としては、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、2,2’−アゾビス−(2,4’−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチルのようなアゾ化合物、ベンゾイルパーオキシドのような過酸化物、および過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムのような過硫酸塩などなどが利用できる。
前記5の合成方法で用いられるビニルモノマーとしては、特に制限されないが、例えば、前記一般式(3)のPで表される高分子骨格を得る際に用いられるビニルモノマーと同様のものが用いられる。
上記のビニルモノマーは一種のみで重合させてもよいし、二種以上を併用して共重合させてもよい。
また、アルカリ現像処理が必要な光硬化性組成物に適用する場合、本発明の高分子化合物は、1種以上の酸性基を有するビニルモノマーと、1種以上の酸性基を有さないビニルモノマーと、を共重合させることがより好ましい。
該高分子化合物としては、これらのビニルモノマーと前記一般式(3−3)で表される化合物とを用いて、公知の方法で常法に従って重合させることで得られるものが好ましい。なお、本発明における前記一般式(3−3)で表される化合物は、連鎖移動剤として機能するものであり、以下、単に「連鎖移動剤」と称することがある。
例えば、これらのビニルモノマー、および前記連鎖移動剤を適当な溶媒中に溶解し、ここにラジカル重合開始剤を添加して、約50℃〜220℃で、溶液中で重合させる方法(溶液重合法)を利用して得られる。
溶液重合法で用いられる適当な溶媒の例としては、用いる単量体、および生成する共重合体の溶解性に応じて任意に選択できる。例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メトキシプロピルアセテート、乳酸エチル、酢酸エチル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、トルエンが挙げられる。これらの溶媒は、二種以上を混合して使用してもよい。
また、ラジカル重合開始剤としては、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、2,2’−アゾビス−(2,4’−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチルのようなアゾ化合物、ベンゾイルパーオキシドのような過酸化物、および過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムのような過硫酸塩などが利用できる。
顔料分散組成物の調製に際しては、顔料を分散する顔料分散剤として、既述の高分子化合物を含有し、さらに、既述の顔料誘導体を含有してなるものであり、その他に、顔料の分散性をより向上させる目的で、従来から公知の他の顔料分散剤や界面活性剤等の分散剤、その他成分を加えることもできる。
公知の分散剤(顔料分散剤)としては、高分子分散剤〔例えば、ポリアミドアミンとその塩、ポリカルボン酸とその塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリエステル、変性ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル系共重合体、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物〕、および、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルカノールアミン、顔料誘導体等を挙げることができる。
高分子分散剤は、その構造からさらに直鎖状高分子、末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子に分類することができる。
高分子分散剤は顔料の表面に吸着し、再凝集を防止する様に作用する。そのため、顔料表面へのアンカー部位を有する末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子が好ましい構造として挙げることができる。一方で、顔料誘導体は顔料表面を改質することで、高分子分散剤の吸着を促進させる効果を有する。
本発明に用いうる公知の分散剤(顔料分散剤)の具体例としては、BYK Chemie社製「Disperbyk−101(ポリアミドアミン燐酸塩)、107(カルボン酸エステル)、110(酸基を含む共重合物)、130(ポリアミド)、161、162、163、164、165、166、170(高分子共重合物)」、「BYK−P104、P105(高分子量不飽和ポリカルボン酸)、EFKA社製「EFKA4047、4050、4010、4165(ポリウレタン系)、EFKA4330、4340(ブロック共重合体)、4400、4402(変性ポリアクリレート)、5010(ポリエステルアミド)、5765(高分子量ポリカルボン酸塩)、6220(脂肪酸ポリエステル)、6745(フタロシアニン誘導体)、6750(アゾ顔料誘導体)」、味の素ファンテクノ社製「アジスパーPB821、PB822」、共栄社化学社製「フローレンTG−710(ウレタンオリゴマー)」、「ポリフローNo.50E、No.300(アクリル系共重合体)」、楠本化成社製「ディスパロンKS−860、873SN、874、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル)、DA−703−50、DA−705、DA−725」、花王社製「デモールRN、N(ナフタレンスルホン酸ホルマリン重縮合物)、MS、C、SN−B(芳香族スルホン酸ホルマリン重縮合物)」、「ホモゲノールL−18(高分子ポリカルボン酸)」、「エマルゲン920、930、935、985(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)」、「アセタミン86(ステアリルアミンアセテート)」、ルーブリゾール社製「ソルスパース5000(フタロシアニン誘導体)、22000(アゾ顔料誘導体)、13240(ポリエステルアミン)、3000、17000、27000(末端部に機能部を有する高分子)、24000、28000、32000、38500(グラフト型高分子)」、日光ケミカル社製「ニッコールT106(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)、MYS−IEX(ポリオキシエチレンモノステアレート)」等が挙げられる。
(その他の成分)
顔料分散組成物は、前記顔料誘導体、分散剤の他、必要に応じて適宜選択したその他の成分を更に含んでいてもよい。前記その他の成分としては、既述の公知の分散剤が挙げられる。
また、更に、下記一般式(4)又は(5)で表されるアミン化合物を含有していてもよい。

前記一般式(4)において、R31及びR32は、水素原子、又は、置換基を有していてもよいアルキル基若しくはアラルキル基を表し、これらは互いに結合して窒素原子を含む5員乃至6員の飽和環を形成してもよい。この飽和環は、更に酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選択される1〜3個の原子を含んでもよい。R33は、アルキレン基、又はエーテル結合を含むアルキレン基を表す。Xは、−CON(Y31)(Y32)、−OCON(Y31)(Y32)、−N(Y33)CO(Y34)、又は、−N(Y33)CON(Y31)(Y32)を表す。Y31、Y32、Y33及びY34は、水素原子、又は、置換基を有してもよいアルキル基、アラルキル基若しくはアリール基を表す。
前記一般式(5)において、R41、R42、R46及びR47は、水素原子、又は、置換基を有していてもよいアルキル基若しくはアラルキル基を表し、これらは互いに結合して窒素原子を含む5員乃至6員の飽和環を形成してもよい。この飽和環は、更に酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選択される1〜3個の原子を含んでもよい。R44及びR45は、アルキレン基、又はエーテル結合を含むアルキレン基を表す。Zは、−CON(Y41)−、−OCON(Y41)−又は−N(Y42)CON(Y43)−、を表す。Y41、Y42及びY43は、前記一般式(4)におけるY31、Y32及びY33と順に同義である。
前記一般式(4)又は(5)で表されるアミン化合物の具体例としては、ビス(2−(1−モルホリノ)エチル)テレフタルアミド、等が好適に挙げられる。
また、顔料分散組成物には、各種界面活性剤を含有していてもよく、該界面活性剤を含有していると分散安定性の向上に有効である。該界面活性剤としては、例えば、アルキルナフタレンスルホン酸塩、燐酸エステル塩に代表されるアニオン系界面活性剤、アミン塩に代表されるカチオン系界面活性剤、アミノカルボン酸、ベタイン型に代表される両性界面活性剤、等が挙げられる。
本発明においてカラーフィルタ層の調製に用いる顔料分散組成物は、有機溶媒中に顔料の少なくとも一種と既述の本発明の顔料分散剤とを含んでなるものであり、必要に応じて樹脂成分などの他の成分を用いて構成することができる。この顔料分散組成物は、既述の高分子化合物の少なくとも一種を顔料分散剤として含むので、有機溶媒中の顔料の分散状態が良好になり、良好な色特性が得られることができる。特に、有機顔料に優れた分散効果を発揮する。
<着色感光性組成物>
本発明の表示装置におけるカラーフィルタ層の形成には、前記顔料分散組成物を含有する着色感光性組成物を用いる。
着色感光性組成物には、着色剤としての顔料を含む顔料分散組成物、重合性化合物、光重合開始剤、及び、所望により種々の化合物を含有する。
着色感光性組成物中への顔料分散組成物の添加量は、硬化性組成物中の顔料濃度が10〜60質量%となる範囲であり、顔料濃度が15〜50質量%の範囲となる量であることがより好ましい。この範囲において、残渣のないような効果を発現するものである。
〔光重合性化合物〕
カラーフィルタ層の調製に用いる着色感光性組成物は、上記顔料分散組成物に加え、少なくとも1種の光重合性化合物を含有する。
本発明に用いることができる光重合性化合物は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。光重合性化合物は、例えば、モノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物並びにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。
モノマー及びその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能イソシアネート類或いはエポキシ類との付加反応物、及び単官能若しくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更にハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー、イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート等がある。
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。
クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。
その他のエステルの例として、例えば、特公昭51−47334、特開昭57−196231記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240、特開昭59−5241、特開平2−226149記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。更に、前述のエステルモノマーは混合物としても使用することができる。
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記一般式(a)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
一般式(a)
CH=C(R)COOCHCH(R’)OH
(ただし、R及びR’は、それぞれ、H又はCHを示す。)
また、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417号、特公昭62−39418号記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。更に、特開昭63−277653号、特開昭63−260909号、特開平1−105238号に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによっては、非常に感光スピードに優れた光重合性組成物を得ることができる。
その他の例としては、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号、各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号、特公平1−40337号、特公平1−40336号記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。更に日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
これらの付加重合性化合物について、その構造、単独使用か併用か、添加量等の使用方法の詳細は、最終的な着色感光性組成物の性能設計にあわせて任意に設定できる。
例えば、次のような観点から選択される。感度の点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものがよく、更に、異なる官能数・異なる重合性基(例えば、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。
また、着色感光性組成物得中の他の成分(例えば、アルカリ可溶性樹脂などのバインダーポリマー、光重合開始剤、着色剤(顔料)との相溶性、分散性に対しても、付加重合化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の併用により相溶性を向上させうることがある。
また、基板等との密着性を向上せしめる目的で特定の構造を選択することもあり得る。付加重合性化合物は、着色感光性組成物中の不揮発性成分に対して、好ましくは5質量%70質量%、更に好ましくは10質量%〜60質量%の範囲で使用される。また、これらは単独で用いても2種以上併用してもよい。その他、付加重合性化合物の使用法は、酸素に対する重合阻害の大小、解像度、かぶり性、屈折率変化、表面粘着性等の観点から適切な構造、配合、添加量を任意に選択できる。
〔光重合開始剤〕
着色感光性組成物には、光重合開始剤を用いることが好ましい。
ここで用いうる光重合開始剤としては、例えば、特開平57−6096号公報に記載のハロメチルオキサジアゾール、特公昭59−1281号公報、特開昭53−133428号公報等に記載のハロメチル−s−トリアジン等活性ハロゲン化合物、米国特許第4318791号、欧州特許出願公開第88050等の各明細書に記載のケタール、アセタール、又はベンゾインアルキルエーテル類等の芳香族カルボニル化合物、米国特許第4199420号明細書に記載のベンゾフェノン類等の芳香族ケトン化合物、仏国特許発明第2456741号明細書に記載の(チオ)キサントン類又はアクリジン類化合物、特開平10−62986号公報に記載のクマリン類又はロフィンダイマー類等の化合物、特開平8−015521号公報等のスルホニウム有機硼素錯体等、等を挙げることができる。
本発明における光重合開始剤としては、アセトフェノン系、ケタール系、ベンゾフェノン系、ベンゾイン系、ベンゾイル系、キサントン系、活性ハロゲン化合物(トリアジン系、オキサジアゾール系、クマリン系)、アクリジン系、ビイミダゾール系、オキシムエステル系等が好ましい。
前記アセトフェノン系光重合開始剤としては、例えば、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、4’−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン,1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−トリル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1などを好適に挙げることができる。
前記ケタール系光重合開始剤としては、例えば、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルアセタールなどを好適に挙げることができる。
前記ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、4,4’−(ビスジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−(ビスジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノンを好適に挙げることができる。
前記ベンゾイン系又はベンゾイル系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインイソプロピルエーテル、ゼンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインメチルエーテル、メチルo−ベンゾイルベゾエート等を好適に挙げることができる。
前記キサントン系光重合開始剤としては、例えば、ジエチルチオキサントン、ジイソプロピルチオキサントン、モノイソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントン等を好適に挙げることができる。
前記活性ハロゲン化合物(トリアジン系,オキサジアゾール系,クマリン系)としては、例えば、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−p−メトキシフェニル−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−p−メトキシスチリル−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(1−p−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ビフェニル−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(p−メチルビフェニル)−s−トリアジン、p−ヒドロキシエトキシスチリル−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、メトキシスチリル−2,6−ジ(トリクロロメチル−s−トリアジン、3,4−ジメトキシスチリル−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−ベンズオキソラン−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−ブロモ−p−N,N−(ジエトキシカルボニルアミノ)−フェニル)−2,6−ジ(クロロメチル)−s−トリアジン、4−(p−N,N−(ジエトキシカルボニルアミノ)−フェニル)−2,6−ジ(クロロメチル)−s−トリアジン,2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(シアノスチリル)−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(ナフト−1−イル)−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−スチリル)スチリル−1,3,4−オキソジアゾール,3−メチル−5−アミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン、3−クロロ−5−ジエチルアミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン、3−ブチル−5−ジメチルアミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン等を好適に挙げることができる。
前記アクリジン系光重合開始剤としては、例えば、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタン等を好適に挙げることができる。
前記ビイミダゾール系光重合開始剤としては、例えば、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体等を好適に挙げることができる。
上記以外に、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、O−ベンゾイル−4’−(ベンズメルカプト)ベンゾイル−ヘキシル−ケトキシム、2,4,6−トリメチルフェニルカルボニル−ジフェニルフォスフォニルオキサイド、ヘキサフルオロフォスフォロ−トリアルキルフェニルホスホニウム塩等が挙げられる。
本発明では、以上の光重合開始剤に限定されるものではなく、他の公知のものも使用することができる。例えば、米国特許第2,367,660号明細書に記載のビシナールポリケトルアルドニル化合物、米国特許第2,367,661号及び第2,367,670号明細書に記載のα−カルボニル化合物、米国特許第2,448,828号明細書に記載のアシロインエーテル、米国特許第2,722,512号明細書に記載のα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3,046,127号及び第2,951,758号明細書に記載の多核キノン化合物、米国特許第3,549,367号明細書に記載のトリアリルイミダゾールダイマー/p−アミノフェニルケトンの組合せ、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール系化合物/トリハロメチール−s−トリアジン系化合物、J.C.S.Perkin II(1979)1653−1660、J.C.S.PerkinII(1979)156−162、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995)202−232、特開2000−66385号公報記載のオキシムエステル化合物等が挙げられる。
また、これらの光重合開始剤を併用することもできる。
光重合開始剤の着色感光性組成物中における含有量としては、該組成物の全固形分に対して、0.1質量%〜10.0質量%が好ましく、より好ましくは0.5質量%〜5.0質量%である。光重合開始剤の含有量がこの範囲内であると、重合反応を良好に進行させて強度の良好な膜形成が可能である。
〔アルカリ可溶性樹脂〕
本発明におけるカラーフィルタ層形成に用いられる着色感光性組成物は、アルカリ可溶性樹脂を含有することが好ましい。着色感光性組成物にアルカリ可溶性樹脂を含有することで、該着色感光性組成物をフォトリソ法によるパターン形成に適用した際において、パターン形成性をより向上させることができる。
アルカリ可溶性樹脂としては、線状有機高分子重合体であって、分子(好ましくは、アクリル系共重合体、スチレン系共重合体を主鎖とする分子)中に少なくとも1つのアルカリ可溶性を促進する基(例えば、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基など)を有するアルカリ可溶性樹脂の中から適宜選択することができる。このうち、更に好ましくは、有機溶剤に可溶で弱アルカリ水溶液により現像可能なものである。
アルカリ可溶性樹脂の製造には、例えば、公知のラジカル重合法による方法を適用することができる。ラジカル重合法でアルカリ可溶性樹脂を製造する際の温度、圧力、ラジカル開始剤の種類及びその量、溶媒の種類等々の重合条件は、当業者において容易に設定可能であり、実験的に条件を定めるようにすることもできる。
線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸を有するポリマーが好ましい。例えば、特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号の各公報に記載されているような、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等、並びに側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの等であり、更に側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する高分子重合体も好ましいものとして挙げられる。
これらの中では、特に、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体やベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/他のモノマーからなる多元共重合体が好適である。
この他、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを共重合したもの等も有用なものとして挙げられる。
上記以外に、特開平7−140654号公報に記載の、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクレート/メタクリル酸共重合体などが挙げられる。
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂の好適なものとしては、特に、(メタ)アクリル酸と、これと共重合可能な他の単量体との共重合体が挙げられる。ここで(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸とメタクリル酸とを合わせた総称であり、以下も同様に(メタ)アクリレートはアクリレートとメタクリレートの総称である。
(メタ)アクリル酸と共重合可能な他の単量体としては、アルキル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート、ビニル化合物などが挙げられる。ここで、アルキル基及びアリール基の水素原子は、置換基で置換されていてもよい。
前記アルキル(メタ)アクリレート及びアリール(メタ)アクリレートの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
また、前記ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、グリシジルメタクリレート、アクリロニトリル、ビニルアセテート、N−ビニルピロリドン、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー、CH=CR、CH=C(R)(COOR)〔ここで、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、Rは炭素数6〜10の芳香族炭化水素環を表し、Rは炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数6〜12のアラルキル基を表す。〕等を挙げることができる。
これら共重合可能な他の単量体は、1種単独で或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。
好ましい共重合可能な他の単量体は、CH=CR、CH=C(R)(COOR)、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、及びスチレンから選択される少なくとも1種であり、特に好ましくは、CH=CR、及び/又は、CH=C(R)(COOR)である。
アルカリ可溶性樹脂の着色感光性組成物中における含有量としては、該組成物の全固形分に対して、1質量%〜20質量%が好ましく、より好ましくは、2質量%〜15質量%であり、特に好ましくは、3質量%〜12質量%である。
〔溶剤〕
カラーフィルタ層形成用の着色感光性組成物は、一般に、前述の各成分と共に溶剤を用いることで、好適に調製することができる。
用いられる溶剤としては、エステル類、例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル;3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチルなどの3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等;エーテル類、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート等;ケトン類、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等;芳香族炭化水素類、例えば、トルエン、キシレン;等が挙げられる。
これらのうち、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等が好適である。
溶剤は、単独で用いる以外に2種以上を組み合わせて用いてもよい。
〔その他の成分〕
カラーフィルタ層形成用の着色感光性組成物には、必要に応じて、増感色素、エポキシ樹脂、フッ素系有機化合物、熱重合開始剤、熱重合成分、熱重合防止剤、充填剤、上記アルカリ可溶性樹脂以外の高分子化合物、界面活性剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤などの各種添加物を含有することができる。
(増感色素)
カラーフィルタ層形成用の着色感光性組成物は、必要に応じて増感色素を添加してもよい。増感色素は、この増感色素が吸収しうる波長の露光により上記光重合開始剤のラジカル発生反応等や、それによる前記光重合性化合物の重合反応が促進させることができる。
このような増感色素としては、公知の分光増感色素又は染料、又は光を吸収して光重合開始剤と相互作用する染料又は顔料が挙げられる。
−分光増感色素又は染料−
本発明に用いられる増感色素として好ましい分光増感色素又は染料は、多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えば、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、フタロシアニン類(例えば、フタロシアニン、メタルフタロシアニン)、ポルフィリン類(例えば、テトラフェニルポルフィリン、中心金属置換ポルフィリン)、クロロフィル類(例えば、クロロフィル、クロロフィリン、中心金属置換クロロフィル)、金属錯体(例えば、下記化合物)、アントラキノン類、(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、等が挙げられる。

より好ましい分光増感色素又は染料の例を以下に例示する。
特公平37−13034号公報に記載のスチリル系色素;特開昭62−143044号公報に記載の陽イオン染料;特公昭59−24147号公報記載のキノキサリニウム塩;特開昭64−33104号公報記載の新メチレンブルー化合物;特開昭64−56767号公報記載のアントラキノン類;特開平2−1714号公報記載のベンゾキサンテン染料;特開平2−226148号公報及び特開平2−226149号公報記載のアクリジン類;特公昭40−28499号公報記載のピリリウム塩類;特公昭46−42363号公報記載のシアニン類;特開平2−63053号記載のベンゾフラン色素;特開平2−85858号公報、特開平2−216154号公報の共役ケトン色素;特開昭57−10605号公報記載の色素;特公平2−30321号公報記載のアゾシンナミリデン誘導体;特開平1−287105号公報記載のシアニン系色素;特開昭62−31844号公報、特開昭62−31848号公報、特開昭62−143043号公報記載のキサンテン系色素;特公昭59−28325号公報記載のアミノスチリルケトン;特開平2−179643号公報記載の色素;特開平2−244050号公報記載のメロシアニン色素;特公昭59−28326号公報記載のメロシアニン色素;特開昭59−89303号公報記載のメロシアニン色素;特開平8−129257号公報記載のメロシアニン色素;特開平8−334897号公報記載のベンゾピラン系色素が挙げられる。
−350nm〜450nmに極大吸収波長を有する色素−
増感色素の他の好ましい態様として、以下の化合物群に属しており、且つ、350nm〜450nmに極大吸収波長を有する色素が挙げられる。
例えば、多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)が挙げられる。
より好ましい増感剤の例としては、下記一般式(i)〜(v)で表される化合物が挙げられる。
(式(i)中、Aは硫黄原子またはNR50を表し、R50はアルキル基またはアリール基を表し、Lは隣接するA及び隣接炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R51、R52はそれぞれ独立に水素原子または一価の非金属原子団を表し、R51、R52は互いに結合して、色素の酸性核を形成してもよい。Wは酸素原子または硫黄原子を表す。)
(式(ii)中、Ar及びArはそれぞれ独立にアリール基を表し、−L−による結合を介して連結している。ここでLは−O−または−S−を表す。また、Wは一般式(i)に示したものと同義である。)
(式(iii)中、Aは硫黄原子またはNR59を表し、Lは隣接するA及び炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R53、R54、R55、R56、R57及びR58はそれぞれ独立に一価の非金属原子団の基を表し、R59はアルキル基またはアリール基を表す。)
(式(iv)中、A、Aはそれぞれ独立に−S−または−NR62−または−NR63−を表し、R63、R64はそれぞれ独立に置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基を表し、L、Lはそれぞれ独立に、隣接するA、A及び隣接炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R60、R61はそれぞれ独立に一価の非金属原子団であるか又は互いに結合して脂肪族性または芳香族性の環を形成することができる。)
(式(v)中、R66は置換基を有してもよい芳香族環またはヘテロ環を表し、Aは酸素原子、硫黄原子または−NR67−を表す。R64、R65及びR67はそれぞれ独立に水素原子または一価の非金属原子団を表し、R67とR64、及びR65とR67はそれぞれ互いに脂肪族性または芳香族性の環を形成するため結合することができる。)
一般式(i)〜(v)で表される化合物の好ましい具体例としては、以下に示すものが挙げられる。
上記の増感色素に関しては、本発明の着色感光性組成物の特性を改良する目的で、以下のような種々の化学修飾を行うことが可能である。例えば、増感色素と、付加重合性化合物構造(例えば、アクリロイル基やメタクリロイル基)とを、共有結合、イオン結合、水素結合等の方法により結合させることで、架橋硬化膜の高強度化や、架橋硬化膜からの色素の不要な析出抑制効果向上を得ることができる。
増感色素の含有量は、着色感光性組成物の全固形分に対し、0.01〜20質量%が好ましく、より好ましくは、0.01〜10質量%であり、更に好ましくは0.1〜5質量%である。
増感色素の含有量がこの範囲であることで、超高圧水銀灯の露光波長に対して高感度であり、膜深部硬化性が得られると共に、現像マージン、パターン形成性の点で好ましい。
(エポキシ樹脂)
本発明の着色硬化性組成物は、形成された塗膜の強度を上げるために、熱重合成分として、エポキシ樹脂を用いることができる。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型、クレゾールノボラック型、ビフェニル型、脂環式エポキシ化合物などのエポキシ環を分子中に2個以上有する化合物である。
例えば、ビスフェノールA型としては、エポトートYD−115、YD−118T、YD−127、YD−128、YD−134、YD−8125、YD−7011R、ZX−1059、YDF−8170、YDF−170など(以上東都化成製)、デナコールEX−1101、EX−1102、EX−1103など(以上ナガセ化成製)、プラクセルGL−61、GL−62、G101、G102(以上ダイセル化学製)の他に、これらの類似のビスフェノールF型、ビスフェノールS型も挙げることができる。また、Ebecryl 3700、3701、600(以上ダイセルユーシービー製)などのエポキシアクリレートも使用可能である。
クレゾールノボラック型としては、エポトートYDPN−638、YDPN−701、YDPN−702、YDPN−703、YDPN−704など(以上東都化成製)、デナコールEM−125など(以上ナガセ化成製)、ビフェニル型としては、3,5,3’,5’−テトラメチル−4,4’−ジグリシジルビフェニルなど、脂環式エポキシ化合物としては、セロキサイド2021、2081、2083、2085、エポリードGT−301、GT−302、GT−401、GT−403、EHPE−3150(以上ダイセル化学製)、サントートST−3000、ST−4000、ST−5080、ST−5100など(以上東都化成製)、Epiclon430、同673、同695、同850S、同4032(以上大日本インキ製)などを挙げることができる。
また、1,1,2,2−テトラキス(p−グリシジルオキシフェニル)エタン、トリス(p−グリシジルオキシフェニル)メタン、トリグリシジルトリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、o−フタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、他にアミン型エポキシ樹脂であるエポトートYH−434、YH−434L、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の骨格中にダイマー酸を変性したグリシジルエステル等も使用できる。
この中で好ましいのは「分子量/エポキシ環の数」が100以上であり、より好ましいものは130〜500である。「分子量/エポキシ環の数」が小さいと硬化性が高く、硬化時の収縮が大きく、また、大きすぎると硬化性が不足し、信頼性に欠けたり、平坦性が悪くなったりする。
具体的な好ましい化合物としては、エポトートYD−115、118T、127、YDF−170、YDPN−638、YDPN−701、プラクセルGL−61、GL−62、3,5,3’,5’−テトラメチル−4,4’ジグリシジルビフェニル、セロキサイド2021、2081、エポリードGT−302、GT−403、EHPE−3150などが挙げられる。
(フッ素系有機化合物)
本発明の着色感光性組成物は、フッ素系有機化合物を含有することで、塗布液としたときの液特性(特に、流動性)を向上させ、塗布厚の均一性や省液性を改善することができる。
すなわち、フッ素系有機化合物を含有する着色感光性組成物は、被塗布面と塗布液との界面張力を低下させて被塗布面への濡れ性が改善され、被塗布面への塗布性が向上するため、少量の液量で数μm程度の薄膜を形成した場合であっても、厚みムラの小さい均一厚の膜形成が可能である点で有効である。
フッ素系有機化合物中のフッ素含有率は3〜40質量%が好適であり、より好ましくは5〜30質量%であり、特に好ましくは7〜25質量%である。フッ素含有率がこの範囲内であると、塗布厚均一性や省液性の点で効果的であり、組成物中への溶解性も良好である。
フッ素系有機化合物としては、例えば、メガファックF171、同F172、同F173、同F177、同F141、同F142、同F143、同F144、同R30、同F437(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC430、同FC431、同FC171(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC1068、同SC−381、同SC−383、同S393、同KH−40(以上、旭硝子(株)製)等が挙げられる。
フッ素系有機化合物は、特に、本発明の着色感光性組成物を用い、薄い塗膜を形成する際、塗布ムラや厚みムラの防止に効果的である。また、更には、液切れを起こしやすいスリット塗布に本発明の着色感光性組成物を適用する際も効果的である。
フッ素系有機化合物の添加量は、着色感光性組成物の全質量に対して、0.001〜2.0質量%が好ましく、より好ましくは0.005〜1.0質量%である。
(熱重合開始剤)
本発明の着色感光性組成物には、熱重合開始剤を含有させることも有効である。
熱重合開始剤としては、例えば、各種のアゾ系化合物、過酸化物系化合物が挙げられる。
前記アゾ系化合物としては、アゾビス系化合物を挙げることができ、前記過酸化物系化合物としては、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネートなどを挙げることができる。
(界面活性剤)
本発明の着色感光性組成物には、塗布性を改良する観点から、各種の界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、前述のフッ素系界面活性剤の他に、ノニオン系、カチオン系、アニオン系の各種界面活性剤を使用できる。
中でも、前記のノニオン系界面活性剤でパーフルオロアルキル基を有するフッ素系界面活性剤や、ノニオン系界面活性剤が好ましい。
フッ素系界面活性剤の具体例としては、大日本インキ化学工業(株)製のメガファック(登録商標)シリーズ、3M社製のフロラード(登録商標)シリーズなどが挙げられる。
また、カチオン系界面活性剤として具体的には、フタロシアニン誘導体(市販品EFKA−745(森下産業社製))、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業社製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(共栄社油脂化学工業社製)、W001(裕商社製)等が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤として具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル(BASF社製のプルロニックL10、L31、L61、L62、10R5、17R2、25R2、テトロニック304、701、704、901、904、150R1等が挙げられる。
更に、アニオン系界面活性剤として具体的には、W004、W005、W017(裕商社製)等が挙げられる。
(その他の添加剤)
上記以外に、カラーフィルタ層形成用の着色感光性組成物には各種の添加物を添加することができる。
添加物の具体例としては、ガラス、アルミナ等の充填剤;イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体、酸性セルロース誘導体、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの、アルコール可溶性ナイロン、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとから形成されたフェノキシ樹脂などのアルカリ可溶の樹脂;EFKA−46、EFKA−47、EFKA−47EA、EFKAポリマー100、EFKAポリマー400、EFKAポリマー401、EFKAポリマー450(以上森下産業社製)、ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100(サンノプコ社製)等の高分子分散剤;ソルスパース3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、24000、26000、28000などの各種ソルスパース分散剤(ゼネカ社製);アデカプルロニックL31,F38,L42,L44,L61,L64,F68,L72,P95,F77,P84,F87、P94,L101,P103,F108、L121、P−123(旭電化社製)及びイソネットS−20(三洋化成社製);2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤;及びポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤等がある。
また、未硬化部のアルカリ溶解性を促進し、着色感光性組成物の現像性の更なる向上を図る場合には、カラーフィルタ層形成用の着色感光性組成物に、有機カルボン酸、好ましくは分子量1000以下の低分子量有機カルボン酸を添加することが好ましい。
具体的には、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、ジエチル酢酸、エナント酸、カプリル酸等の脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、メチルコハク酸、テトラメチルコハク酸、シトラコン酸等の脂肪族ジカルボン酸;トリカルバリル酸、アコニット酸、カンホロン酸等の脂肪族トリカルボン酸;安息香酸、トルイル酸、クミン酸、ヘメリト酸、メシチレン酸等の芳香族モノカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリト酸、トリメシン酸、メロファン酸、ピロメリト酸等の芳香族ポリカルボン酸;フェニル酢酸、ヒドロアトロパ酸、ヒドロケイ皮酸、マンデル酸、フェニルコハク酸、アトロパ酸、ケイ皮酸、ケイ皮酸メチル、ケイ皮酸ベンジル、シンナミリデン酢酸、クマル酸、ウンベル酸等のその他のカルボン酸が挙げられる。
更に、カラーフィルタ層形成用の着色感光性組成物には、熱重合防止剤を添加してもよい。
熱重合防止剤としては、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンゾイミダゾール等が有用である。
カラーフィルタ層形成用の着色光硬化性組成物は、既述の顔料分散組成物に対し、光重合性化合物、及び光重合開始剤、更には、必要に応じて、アルカリ可溶性樹脂や溶剤、界面活性剤等の添加剤を加えることで、調製することができる。
そのため、良好な色特性が求められるカラーフィルタの着色領域を形成するために用いられることが好ましい。
<<カラーフィルタ層、及びその製造方法>>
本発明におけるカラーフィルタ層は、以下に詳述する有機発光素子表面に、Red、Green、Blueのカラーフィルタ層を前述の着色感光性組成物を用いて形成される。
カラーフィルタ層の製造方法は、有機発光素子上に、前述の着色感光性組成物を付与して着色感光性組成物層を形成する工程(着色感光性組成物層形成工程)と、該着色感光性組成物層にパターン露光を行う工程(露光工程)と、露光後の前記着色感光性組成物層を現像して着色パターンを形成する工程(現像工程)と、を有する。
以下、カラーフィルタ層の製造方法について詳細に説明する。
カラーフィルタ層の製造は、前述の着色感光性組成物層形成工程、露光工程、及び現像工程を、所望の回数経ることで、各色(3色或いは4色)の画素からなる着色パターンが形成され、カラーフィルタを得ることができる。
このような方法により、液晶表示素子や固体撮像素子に用いられるカラーフィルタをプロセス上の困難性が少なく、高品質で、かつ、低コストに作製することができる。
以下、各工程について詳細に説明する。
〔着色感光性組成物層形成工程〕
−塗布−
着色感光性組成物層形成工程では、まず、基板上に、本発明の着色感光性組成物を塗布して塗膜を形成する。
本発明のカラーフィルタに用いられる基板としては、例えば、液晶表示素子等に用いられる無アルカリガラス、ソーダガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラス、及びこれらに透明導電膜を付着させたものや、固体撮像素子等に用いられる光電変換素子基板、例えば、シリコーン基板や、プラスチック基板が挙げられる。
これらの基板上には、各画素を隔離するブラックマトリクスが形成されていたり、密着促進等のために透明樹脂層が設けられたりしていてもよい。
また、プラスチック基板は、その表面に、ガスバリヤー層及び/又は耐溶剤性層を有していることが好ましい。
この他に、薄膜トランジスター(TFT)方式カラー液晶表示装置の薄膜トランジスター(TFT)が配置された駆動用基板(以下、「TFT方式液晶駆動用基板」という。)を用い、この駆動用基板上にも、本発明の着色感光性組成物を用いてなる着色パターンを形成し、カラーフィルタを作製することができる。
TFT方式液晶駆動用基板における基板としては、例えば、ガラス、シリコーン、ポリカーボネート、ポリエステル、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド等を挙げることができる。これらの基板には、所望により、シランカップリング剤等による薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着等の適宜の前処理を施しておくこともできる。例えば、TFT方式液晶駆動用基板の表面に、窒化ケイ素膜等のパッシベーション膜を形成した基板を用いることができる。
塗布工程において、本発明の着色感光性組成物を基板に塗布する方法としては、スリット塗布、流延塗布、ロール塗布、バー塗布等、特に限定されるものではないが、スリット・アンド・スピン法、スピンレス塗布法等のスリットノズルを用いる方法(以下、スリットノズル塗布法という)が好ましい。
スリットノズル塗布法において、スリット・アンド・スピン塗布法とスピンレス塗布法は、塗布基板の大きさによって条件は異なるが、例えば、スピンレス塗布法により第五世代のガラス基板(1100mm×1250mm)を塗布する場合、スリットノズルからの着色感光性組成物の吐出量は、通常、500〜2000マイクロリットル/秒、好ましくは800〜1500マイクロリットル/秒であり、また、塗工速度は、通常、50〜300mm/秒、好ましくは100〜200mm/秒である。
また、塗布工程で用いられる着色感光性組成物の固形分としては、通常、10〜20%、好ましくは13〜18%である。
基板上に本発明の着色感光性組成物による塗膜を形成する場合、該塗膜の厚み(プリベーク処理後)としては、一般に0.3〜5.0μmであり、望ましくは0.5〜4.0μm、最も望ましくは0.5〜3.0μmである。
また、固体撮像素子用のカラーフィルタの場合であれば、塗膜の厚み(プリベーク処理後)は、0.5〜5.0μmの範囲が好ましい。
前述のようにして形成された塗膜に対しては、通常は、プリベーク処理を施す。必要によっては、プリベーク前に真空処理を施すこともできる。
真空乾燥の条件は、真空度が、通常、0.1〜1.0torr、好ましくは0.2〜0.5torr程度である。
また、プリベーク処理は、ホットプレート、オーブン等を用いて50〜140℃の温度範囲で、好ましくは70〜110℃程度であり、10〜300秒の条件にて行なうことができる。なお、プリベーク処理には、高周波処理などを併用してもよい。高周波処理は単独でも使用可能である。
このプリベーク処理により、着色感光性組成物層が形成される。
〔露光工程〕
露光工程では、前述のようにして形成された着色感光性組成物層に対し、所定のマスクパターンを介して露光を行う。
露光の際に使用される放射線としては、特に、g線、h線、i線、j線等の紫外線が好ましい。
本発明では、表示装置用のカラーフィルタを製造するため、プロキシミテイ露光機、ミラープロジェクション露光機により、主として、h線、i線を使用した露光が好ましく用いられる。
なお、TFT方式液晶駆動用基板を用いてカラーフィルタを製造する際には、用いられるフォトマスクは、画素(着色パターン)を形成するためのパターンの他、スルーホール或いはコの字型の窪みを形成するためのパターンが設けられているものが使用される。
〔現像工程〕
現像工程では、露光後の着色感光性組成物層の未硬化部を現像液に溶出させ、硬化分のみを基板上に残存させる。
現像温度としては、通常20〜30℃であり、現像時間としては20〜90秒である。
現像液としては、未硬化部における着色感光性組成物層を溶解する一方、硬化部を溶解しないものであれば、いずれのものも用いることができる。
具体的には、種々の有機溶剤の組合せやアルカリ性の水溶液を用いることができる。
現像に用いられる有機溶剤としては、本発明の着色感光性組成物を調製する際に使用できる既述の溶剤が挙げられる。
また、アルカリ性の水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−7−ウンデセン等のアルカリ性化合物を、濃度が0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜1質量%となるように溶解したアルカリ性水溶液が挙げられる。
アルカリ性水溶液には、例えば、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤等を適量添加することもできる。
現像方式は、デイップ方式、シャワー方式、スプレー方式などいずれでもよく、これにスウィング方式、スピン方式、超音波方式などを組み合わせてもよい。現像液に触れる前に、被現像面を予め水等で湿しておいて、現像むらを防ぐこともできる。また、基板を傾斜させて現像することもできる。
現像処理後は、余剰の現像液を洗浄除去するリンス処理を経て、乾燥を施した後、硬化を完全なものとするために、加熱処理(ポストベーク)が施される。
リンス工処理は通常は純水で行うが、省液のために、最終洗浄で純水を用い、洗浄初期は使用済の純水を使用したり、また、基板を傾斜させて洗浄したり、超音波照射を併用したりする方法を用いてもよい。
リンス処理後、水切り、乾燥をした後に、通常、100℃〜250℃の加熱処理を行なう。このポストベークは、硬化を完全なものとするための現像後の加熱であり、200℃〜250℃の加熱(ハードベーク)で行われることが好ましい。
この加熱処理(ポストベーク)は、現像後の塗膜を、上記条件になるようにホットプレートやコンベクションオーブン(熱風循環式乾燥機)、高周波加熱機等の加熱手段を用いて、連続式或いはバッチ式で行なうことができる。
以上の各工程を、所望の色相数に合わせて各色毎に順次繰り返し行なうことにより、複数色の着色された硬化膜(着色パターン)が形成されてなるカラーフィルタ層を作製することができる。
<<有機発光素子>>
本発明に用いられる有機発光素子は、430nm〜480nmの範囲に発光強度が最大となるピーク波長(λ1)を有する発光素子、または、430nm〜480nmの範囲に第1の発光強度のピーク波長(λ1’)を有し、500nm〜550nmの範囲に第2の発光強度のピーク波長(λ2)を有し、600nm〜650nmの範囲に第3の発光強度のピーク波長(λ3)を有する発光素子である分光特性をもち、さらにカラーフィルターを具備する表示装置において、色特性に優れかつ透過率の高い表示装置である。
本発明に用いうる発光素子は、支持基板上に設けた少なくとも陽極、発光層を含む有機化合物層および陰極からなる発光素子において、発光波長ピーク400〜500nmの青色発光材、500〜570nmの緑色発光材および580〜670nmの赤色発光材を該発光層に含む発光素子である。
本発明の表示素子は、例えば、透明基板上に、カラーフィルタ層、TFT回路、有機EL層、共通電極を、この順に積層して構成されることができる。
透明基板としては、ガラス或いはプラスチックを用いることができる。例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリイミド(PI)などが使用できる。透明基板がプラスチックの場合、SiO、SiON、Al、Y等のバリア膜を設けて、水分や酸素の透過を防止することが望ましい。
カラーフィルタ層は、少なくともRGBを含み、そのうちGreenカラーフィルタ層が、前記した特徴的な顔料を含んで構成される。
カラーフィルタ層の構成は、これに限定されず、例えば、RGBだけでなく、RGGBでもよいし、RGBWでもよい。ここで、Wは白を示し、有機EL層が白色発光の場合のみ使用できる。
また、RGBカラーフィルタ層は通常の透過帯域制限型でもよいし、青色光を受けて赤や緑に変換する色変換型でもよい。透過帯域制限型のカラーフィルタは、顔料を分散したレジストであり、色変換型のカラーフィルタは、蛍光色素を混合したレジストである。これらは、通常のネガ型レジストのように、露光・現像・焼成によって形成することができる。この詳細は前述の通りである。
ここで用いられるTFT回路は、例えば、少なくとも2個以上のTFTと1個以上のキャパシタを有するものであり、電圧駆動であっても、電流駆動であってもよい。あるいは、その他、公知のTFT回路構造を用いてもよい。
また、本発明ではTFTの半導体層として酸化物半導体を用いることができる。酸化物半導体は透明なので、電極や絶縁層にも透明材料を用いれば透明なTFTとすることができ、開口率の悪化を防止できる。また、従来のアモルファスSiやポリSiの成膜には200℃以上の高温プロセスが必要なのに対し、酸化物半導体には室温〜200℃以下の低温成膜でも良好に動作するものが多く、以降の他の工程(フォトリソグラフィや有機EL層、共通電極の形成)も全て200℃以下で行うことができるため、カラーフィルタ層を熱により損傷する可能性が少ないという利点がある。さらには、カラーフィルタ層の作製をも200℃以下で行えば、基板としてプラスチックを用いることが可能になり、フレキシブルなELディスプレイとすることもできる。
また、従来、TFT回路の全てのTFTの半導体層は単一面に形成されていたが、酸化物半導体を用いることにより、安価なスパッタ法を用いることができるため、2層以上の酸化物半導体を用いることができ、層ごとに異なる条件の酸化物半導体を用いることができて回路設計の自由度が大きくなる。例えば、走査TFTと駆動TFTの半導体を別の層に形成することで、走査TFTではオフ電流が小さいTFT、駆動TFTではオン電流が大きいTFTというように使い分けることができる。あるいは、例えば一方をn型、他方をp型にすることもできる。さらに、回路によっては第一の絶縁層や第二の絶縁層に開口部を形成する必要がなくなり、信頼性を高められるとともに、工程を簡略化できる。
酸化物半導体としては少なくともIn、Ga、Zn、Sn、Mgのいずれか1種の元素を含む酸化物を用いることができる。具体的には酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ZnMg酸化物、InGaZn酸化物、InZn1−x酸化物、InSn1−x酸化物、In(Zn,Sn)1−x酸化物、GaSn酸化物、InGaSn酸化物、InGaZnMg酸化物などが挙げられる。これらは、スパッタ、レーザアブレーション、蒸着等で成膜することができる。
特にInGaZn酸化物は、室温以上200℃以下のいずれの温度でスパッタ成膜しても移動度5cm/Vs以上を容易かつ再現性よく得ることができ、好適な材料である。また、InGaZnMg酸化物はInGaZn酸化物と同等の移動度を有し、さらにバンドギャップが大きいので紫外線に強い(誤動作しにくい)という特徴を有している。ここで、InGaZn酸化物は、組成比がIn:Ga:Zn:O=1:1:1:4に近いものであるが、実際には若干の酸素空孔が存在し、若干の金属組成ずれがあっても特性は変わらないので、組成比はIn:Ga:Zn:O=(0.7〜1.3):(0.7〜1.3):(0.7〜1.3):(3〜4)が許容される。
また、アモルファス状態を基本とするが、一部微結晶構造を含有してもよい。また、InGaZnMg酸化物は、InGaZn酸化物のZnの一部(50%以下)をMgに置き換えたものである。スパッタとしては、RFあるいはDCの反応性スパッタが好適である。
電極としては、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)等が好適に用いられる。
絶縁層としては、酸化シリコンSiOx、窒化シリコンSiNx、酸化アルミニウムAl、酸化タンタルTaOx、酸化イットリウムY、窒素タンタルTaNx等の酸化膜や窒化膜等が好適に用いられる。
これらも、室温以上200℃以下の温度で、スパッタ、レーザアブレーション、蒸着等で成膜できる。特に、反応性スパッタが好適である。製膜後にはポストアニールを行ってもよい。このとき、ポストアニールの温度も、200℃以下であることが好ましい。
本発明では、さらに透明な有機絶縁層を用いることも可能である。例えばフッ素樹脂やポリビニルアルコール、エポキシ、アクリル等を使用できる。感光性樹脂を用いると、パターニングが容易となる。さらには、異種の絶縁層を重ねてもよい。
このように、電極、半導体、絶縁層すべてに透明材料を用いれば、TFT回路全体が透明になり、開口率を上げることが可能である。なお、電極、半導体、絶縁層のパターニングには、フォトリソ+エッチングが用いられるが、フォトリソ工程は通常120℃以下であり、エッチングも数十℃以下である。
画素電極上には、有機EL層が形成される。有機EL層としては、通常、正孔輸送層、発光層等の積層構造が用いられる。
正孔輸送層を構成する材料としては、ポリアニリン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との混合物(PEDOT:PSS)等の導電性高分子材料が挙げられる。
これらの正孔輸送材料は、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、水等の単独または混合溶媒に溶解または分散させ、スピンコート、バーコート、ワイヤーコート、スリットコート等のコーティング法により塗布できる。また、必要に応じてパターニングを行っても良い。
正孔輸送層には必要に応じて、界面活性剤、酸化防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤等を添加してもよい。正孔輸送層の膜厚は、10nmないし200nmの範囲が好ましい。あるいは、TPD(トリフェニルジアミン)、α−NPD(ビス[N−ナフチル−N−フェニル]ベンジディン)などの低分子材料を用いてもよい。
正孔輸送層上には発光層を積層する。発光層は、単層構造に限らず、さらに電荷輸送層等を設けた多層構造であってもよい。発光層としては、例えば、クマリン系、ペリレン系、ピラン系、アンスロン系、ポルフィリン系、キナクリドン系、N,N’−ジアルキル置換キナクリドン系、ナフタルイミド系、N,N’−ジアリール置換ピロロピロール系、イリジウム錯体系等の有機溶剤に可溶な有機発光材料や該有機発光材料をポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール等の高分子中に分散させたものや、ポリアリーレン系、ポリアリーレンビニレン系やポリフルオレン系などの高分子蛍光体を用いることができる。
これらの高分子蛍光体はトルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、水等の単独または混合溶媒に溶解し、スピンコート法、カーテンコート法、バーコート法、ワイヤーコート法、スリットコート法等のコーティング法により塗布できる。また、印刷法により発光層を形成することもできる。
また、高分子蛍光体層には必要に応じて、界面活性剤、酸化防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤等を添加してもよい。
発光層の膜厚は、単層または多層構造いずれの場合にも合わせて1000nm以下が好ましく、より好ましくは合わせて50nmないし150nmの範囲である。
他の材料として、アルミキノリン錯体やジスチリル誘導体等に、キナクリドン、クマリン誘導体、ルブレン、DCM(4−(Dicyanomethylene)−2−methyl−6−(p−dimethylaminostyryl)−4H−pyran)誘導体、ペリレン、イリジウム錯体等をドーピングした低分子蛍光体を用いることができる。
低分子蛍光体では、発光色は材料自体やドーパントで決まり、青色発光としてはジスチルアリーレン誘導体にスチリルアリーレン誘導体やスチリルアミン誘導体をドープしたものなど、緑色発光としてはアルミキノリン錯体など、赤色発光としてはアルミキノリン錯体にDCMをドープしたものなど、白色発光としては青色発光材料と黄〜橙色発光材料を積層した構造などが用いられる。一方、高分子蛍光体では、発光色は側鎖を替えることによって調整が可能であり、RGBとも、同一の基本骨格を持つ高分子を用いることができる。また、それらを混合することで白色発光が得られる。
有機EL層をRGB塗り分け方式とする場合、低分子発光層の場合にはマスク蒸着で行うことになるが、大面積に均一な塗り分けを行うのは困難である。高分子発光層の場合には印刷法を用いることができ、大面積に均一な塗り分けを行うことができる。印刷法としては、インクジェット、反転印刷、フレキソ印刷等を用いることができる。特にフレキソ印刷は、大面積に均一な印刷を短時間に行うことができて、最も好ましい。なお、マスク蒸着でも、インクジェット、反転印刷、フレキソ印刷等の印刷法でも、基板温度は室温でよい。
共通電極としては、有機EL層の発光特性に応じたものを使用でき、例えば、リチウム、マグネシウム、カルシウム、イッテルビウム、アルミニウムなどの金属単体やこれらの合金、あるいはこれらと金、銀などの安定な金属との合金などを用いることができる。これらの材料は、通常の抵抗加熱、EB加熱などの真空蒸着法などで設けることができ、膜厚は特に限定されないが、1nm以上500nm以下の範囲が好ましい。また、フッ化リチウムなどの薄膜を陰極層と発光層との間に設けてもよい。更に、陰極層上に絶縁性の無機物や樹脂などによる保護層を設けてもよい。これらの工程も、基板温度は室温でよい。
次に、本発明のカラーELディスプレイの製造方法について図を参照しながら詳細に述べる。
(カラーフィルタ層の作製)
透明基板10としてガラスを用い、その上に、顔料分散レジスト塗布・露光・現像・焼成によってカラーフィルタ層12を形成した(図1(a))。12(R)は赤、12(G)は緑、12(B)は青のカラーフィルタ層を示し、12OCはオーバーコートを示す。
ただし、オーバーコートでは露光・現像は不要である。焼成温度は220℃であった。
このようにして、カラーフィルタ層12を形成した。
次に、ゲート電極G1・キャパシタ電極Cを含む第一の電極層14としてITOを、ITOをターゲットとしAr+Oガス下での反応性スパッタ(室温、DCスパッタ)によって成膜し、フォトレジスト塗布・露光・現像・塩酸によるウェットエッチング・レジスト剥離によってパターニングした(図1(b))。そして、第一の絶縁層16としてSiONを、SiNをターゲットとしAr+O+Nガス下での反応性スパッタ(室温、RFスパッタ)、第一の半導体層18としてInGaZn酸化物を、InGaZnOをターゲットとしAr+Oガス下での反応性スパッタ(室温、RFスパッタ)によって連続成膜し、第一の半導体層18をフォトレジスト塗布・露光・現像・塩酸によるウェットエッチング・レジスト剥離によってパターニングした(図1(c))。
さらに、あらかじめフォトレジストパターン形成後にソース電極S1、ドレイン電極D1兼ゲート電極G2を含む第二の電極層20としてITOを、第一の電極層14と同様の反応性スパッタによって成膜し、リフトオフによってパターニングした(図1(d))。そして、第二の絶縁層22としてSiONを、第二の半導体層24としてInGaZn酸化物を反応性スパッタによって連続成膜し、第二の半導体層24をフォトレジスト塗布・露光・現像・塩酸によるウェットエッチング・レジスト剥離によってパターニングした(図2(e))。
ただし、第二の半導体層24の成膜時のO2流量を第一の半導体層18の成膜時よりも小さくした。さらに、あらかじめフォトレジストパターン形成後にソース電極S2、ドレイン電極D2を含む第三の電極層26としてITOを反応性スパッタによって成膜し、リフトオフによってパターニングした(図2(f))。
そして、第三の絶縁層28として、まずあらかじめ第三の電極層26のソース電極S2上にフォトレジストパターンを形成後、SiONを反応性スパッタによって成膜し、リフトオフによってソース電極S2に開口を有する形状にパターニングし、さらに感光性アクリル樹脂を塗布・露光・現像して二層絶縁膜とした(図2(g))。さらに、第四の電極層30としてITOを成膜し、フォトレジスト塗布・露光・現像・塩酸によるウェットエッチング・レジスト剥離によってパターニングした(図2(h))。ここでは、第四の電極層が画素電極となる。
その後、有機EL層32を形成する。
まず、全面に正孔輸送層34としてPEDOT:PSSの水溶液をスピンコートし、110℃で焼成した(図3(i))。次に、日亜化学工業(株)製LED−b5をスピンコートし、100℃で焼成した(図3(j))。
さらに、蒸着によって共通電極38としてカルシウムを10nm、銀を300nm、全面に成膜した(図3(k))。最後に全体を封止ガラス40で覆った(図3(l))。
本発明の表示装置では、このような有機発光素子と特定顔料を含有するカラーフィルタ層を備えることで、高い透過率と良好な色再現性を達成したものである。
本発明の表示装置における有機発光素子は、上記の如き発光特性を有する有機EL発光素子であれば、上記態様に制限されるものではなく、例えば、マクロキャビティ構造を有し、500nm〜600nmの範囲に最大発光強度の波長を持つ如き有機EL発光素子と、本発明における特定顔料を含有するカラーフィルタ層を組み合わせて用いた場合でも、本発明の優れた効果を奏するものである。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲は以下の具体例に制限されるものではない。なお、以下において、部及び%は、特に断りの無い限り、すべて、質量基準であるものとする。
まず、カラーフィルタ層の形成に用いる顔料分散組成物の調整方法を示す。
実施例に使用した顔料誘導体及び分散剤を以下に示す。
<Green顔料分散組成物(1)の調整>
分散体組成(1)
・ピグメントグリーン7 13.50部
・顔料誘導体(b)(前記構造) 1.50部
分散剤I(前記構造)のプロピレングリコールモノメチルエーテル
アセテート溶液(固形分:30質量%) 30.00部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 55.00部
上記分散体組成(1)を、3000rpmの条件でホモジナイザーを用いて1時間撹拌した。得られた混合溶液を、0.3mm径のジルコニアビーズを用いたビーズ分散機(商品名:ディスパーマット、GETZMANN社製)にて3時間微分散処理を施し、顔料分散組成物(1)を得た。
<顔料分散組成物(2)>
前記分散体組成1におけるピグメントグリーン7をアルミニウムフタロシアニンに変更した以外は、同様に顔料分散組成物(2)を得た。
<顔料分散組成物(3)>
前記分散体組成1におけるピグメントグリーン7をピグメントグリーン36に変更した以外は、同様に顔料分散組成物(3)を得た。
<顔料分散組成物(4)>
前記分散体組成1におけるピグメントグリーン7をピグメントイエロー150に、顔料誘導体bを顔料誘導体aに変更した以外は、同様にして顔料分散組成物(4)を得た。
<顔料分散組成物(5)>
(ソルトミリングを用いた処理顔料1の製造法)
ピグメントイエロー185(TEM撮像における1次粒径:45nm、以下、適宜、PY185と称する。)98g、塩化ナトリウム(平均粒径10μm)1000g、顔料誘導体(a)2gをニーダー(井上製作所社製)に仕込み、次いで、ジエチレングリコール200gを加え、温度50℃に保ちながら8時間混練した。
得られた混練物を、温水(約12リットル)に投入し、約80度に加熱しながら、ハイスピードミキサーで約1時間撹拌してスラリー状とした後、濾過、水洗して、塩化ナトリウム及び溶剤を除き、80℃の熱風オーブンで約24時間乾燥して、処理顔料1を得た。
(顔料分散組成物の調製)
以下のようにして、顔料分散組成物を調製した。
〔組成(1)〕
・上記の方法で得られた処理顔料1 13.78部
・顔料誘導体(a)(前記構造) 1.22部
・分散剤I(前記構造)のプロピレングリコールモノメチルエーテル
アセテート溶液(固形分:30質量%) 30.00部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 55.00部
上記組成(1)を、3000rpmの条件でホモジナイザーを用いて1時間撹拌した。得られた混合溶液を、0.3mm径のジルコニアビーズを用いたビーズ分散機(商品名:ディスパーマット、GETZMANN社製)にて3時間微分散処理を施し、顔料分散組成物(5)を得た。
<顔料分散組成物(6)>
顔料分散組成物(5)の調整における処理顔料作製において、PY185の含有量を95gとし、顔料誘導体aの含有量を5gに変え、顔料分散組成物の処理顔料を14.21部、顔料誘導体(a)を0.79部に変更した以外は同様にして顔料分散組成物(6)を得た。
<顔料分散組成物(7)>
顔料分散組成物(5)の調整における処理顔料作製において、顔料誘導体aを顔料誘導体cに変えた以外は、同様にして顔料分散組成物(7)を得た。
<顔料分散組成物(8)>
顔料分散組成物(5)の調整における処理顔料作製において、顔料誘導体aを顔料誘導体cに代え、分散剤Iを分散剤IIのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに代えた以外は、同様にして顔料分散組成物(8)を得た。
<顔料分散組成物(9)>
顔料分散組成物(5)の調整においてPY185を処理顔料1とせずに、無処理のPY185を用いた他は、同様にして顔料分散組成物(9)を得た。
<顔料分散組成物(10)>
顔料分散組成物(5)の調整において、分散剤Iを分散剤IIのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに代えた以外は、同様にして顔料分散組成物(10)を得た。
(1)粘度の測定、評価
得られた顔料分散組成物について、E型粘度計を用いて、分散直後の顔料分散組成物の粘度η1及び分散後(室温にて)1週間経過した後の顔料分散組成物の粘度η2を測定し、増粘の程度を評価した。ここで、粘度が低いことは、分散剤に起因する粘度の上昇が抑制されており、顔料の分散性及び分散安定性が良好であることを示す。
顔料分散組成物の粘度結果を下記表3に示す。表3に示すように、特定顔料誘導体と特定分散剤とを用いた顔料分散組成物(1)〜(7)及び(9)において、分散性、分散安定性に優れることがわかる。
〔実施例1〕
以下、本発明の表示装置の作製方法を図1(a)〜図3(l)を参照して説明する。
(カラーフィルタ層の作製)
透明基板10としてガラスを用い、その上に、顔料分散レジスト塗布・露光・現像・焼成によってカラーフィルタ層12を形成した(図1(a))。12(R)は赤、12(G)は緑、12(B)は青のカラーフィルタ層を示し、12OCはオーバーコートを示す。
オーバーコートは、塗布液を塗布した後、露光・現像を行わず、塗膜を乾燥して製膜した。その後、220℃で焼成温度した。このようにして基板10条に、オーバーコートを有するカラーフィルタ層12が形成された。
(Greenカラーフィルタ層)
上記カラーフィルタ層の形成において、Greenカラーフィルタ層12(G)塗布液として、下記着色感光性組成物(G)を用いた。
(塗布液(G)組成)
<実施例1>
顔料分散組成物(1) 30.80部
顔料分散組成物(5) 19.10部
重合性化合物ジペンタエリスリトールペンタ・ヘキサアクリレート
5.30部
アルカリ可溶性樹脂ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体=75/25[質量比]、重量平均分子量Mw:1000)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分:45質量%) 3.50部
光重合開始剤:1,3−ビストリハロメチル−5−ベンゾオキソラン
トリアジン 3.00部
光重合開始剤:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−
(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1 2.00部
光重合開始剤:ジエチルチオキサントン 1.00部
エポキシ樹脂(商品名EHPE3150 ダイセル化学社製) 1.00部
重合禁止剤:p−メトキシフェノール 0.001部
フッソ系界面活性剤(商品名:Megafac R08大日本インキ社製) 0.02部
溶剤 プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 34.80部
なお、実施例2〜8、比較例1〜6においては、実施例1における固形分が変わらぬようにして、表4に記載の顔料比、顔料分となるように顔料分散組成物(1)、顔料分散組成物(5)、アルカリ可溶性樹脂、溶剤を変更した以外は、同様にして着色硬化性組成物を作成した。
〈画素の形成〉
得られた着色感光性組成物(G)をガラス基板に、プリベーク後の膜厚が3.0μmとなるようにスピン塗布し、100℃のホットプレートで80秒間乾燥させた(プリベーク)。その後、マスクを介して塗膜の全面に200mJ/cmにて(照度20mW/cm)露光し、露光後の塗膜をアルカリ現像液CDK−1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の1%水溶液をシャワー状に散布して現像を行った。その後、純水をシャワー状に散布して現像液を洗い流した。そして、上記のように光硬化処理及び現像処理が施された塗膜を220℃のオーブンで30分加熱処理し(ポストベーク)、ガラス基板上にカラーフィルタ層用の着色樹脂被膜を形成し、着色樹脂被膜を有する基板(着色基板)を作製した。
<オーバーコート層の形成>
・重合性不飽和基含有アクリル樹脂(熱硬化性樹脂成分)
〔ブチルメタクリレート/メタクリル酸/メタクリル酸・エポキシ
シクロヘキシルメチルメタクリレート付加体(=20/8/72
[モル比])共重合体、酸価15mgKOH/g、重合性不飽和基
当量=298、重量平均分子量8600〕 7.50部
・エチルエトキシプロピオネート/プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(=40/60[質量比]) 150.00部
・フッソ系界面活性剤(商品名:Megafac R08大日本インキ社製) 0.02部
<着色パターンの評価>
−現像性の評価−
前記のようにして形成された着色パターンを、走査型電子顕微鏡(SEM)の20000倍の撮影画像により非画像部の現像性を確認し、非画像部に残る粒状残渣物の数を計測して下記基準により評価した。
○:確認される粒状残渣物が5個以下
△:確認される粒状残渣物が6個〜10個
×:確認される粒状残渣物が11個以上
ただし、オーバーコートでは露光・現像は不要である。220℃のオーブンで10分加熱処理し(ポストベーク)した。
このようにして、カラーフィルタ層12を形成した。
次に、ゲート電極G1・キャパシタ電極Cを含む第一の電極層14としてITOを、ITOをターゲットとしAr+Oガス下での反応性スパッタ(室温、DCスパッタ)によって成膜し、フォトレジスト塗布・露光・現像・塩酸によるウェットエッチング・レジスト剥離によってパターニングした(図1(b))。そして、第一の絶縁層16としてSiONを、SiNをターゲットとしAr+O+Nガス下での反応性スパッタ(室温、RFスパッタ)、第一の半導体層18としてInGaZn酸化物を、InGaZnOをターゲットとしAr+Oガス下での反応性スパッタ(室温、RFスパッタ)によって連続成膜し、第一の半導体層18をフォトレジスト塗布・露光・現像・塩酸によるウェットエッチング・レジスト剥離によってパターニングした(図1(c))。
さらに、あらかじめフォトレジストパターン形成後にソース電極S1、ドレイン電極D1兼ゲート電極G2を含む第二の電極層20としてITOを、第一の電極層14と同様の反応性スパッタによって成膜し、リフトオフによってパターニングした(図1(d))。さらに、第二の絶縁層22として酸化窒化シリコン(SiON)を、第二の半導体層24としてInGaZn酸化物を反応性スパッタによって連続成膜し、第二の半導体層24をフォトレジスト塗布・露光・現像・塩酸によるウェットエッチング・レジスト剥離によってパターニングした(図2(e))。
ここで、第二の半導体層24の成膜時のO2流量を第一の半導体層18の成膜時よりも小さくした。さらに、あらかじめフォトレジストパターン形成後にソース電極S2、ドレイン電極D2を含む第三の電極層26としてITOを反応性スパッタによって成膜し、リフトオフによってパターニングした(図2(f))。
そして、第三の絶縁層28として、まずあらかじめ第三の電極層26のソース電極S2上にフォトレジストパターンを形成後、SiONを反応性スパッタによって成膜し、リフトオフによってソース電極S2に開口を有する形状にパターニングし、さらに感光性アクリル樹脂を塗布・露光・現像して二層絶縁膜とした(図2(g))。さらに、第四の電極層30としてITOを成膜し、フォトレジスト塗布・露光・現像・塩酸によるウェットエッチング・レジスト剥離によってパターニングした(図2(h))。ここでは、第四の電極層が画素電極となる。
その後、有機EL層32を形成した。
まず、全面に正孔輸送層34としてPEDOT:PSSの水溶液をスピンコートし、110℃で焼成した(図3(i))。次に、日亜化学工業(株)製LED−b5をスピンコートし、100℃で焼成した(図3(j))。
この発光特性スペクトルを図4に示す。図4に明らかなように、この有機EL素子は、430nm〜480nmの範囲に発光強度が最大となるピーク波長(λ1)を有する発光素子である。
さらに、蒸着によって共通電極38としてカルシウムを10nm、銀を300nm、全面に成膜した(図3(k))。最後に全体を封止ガラス40で覆って、表示装置を得た(図3(l))。
以上、TFT回路形成以降のすべての工程は、200℃以下の温度条件下で行われた。
−パネル評価−
前記の如くして得られた表示装置において、色特性や透過率を評価するパネル評価を行い、その結果を下記表4に併記した。
東洋テクニカ製ソースメジャーユニット2400型を用いて、直流電圧を有機EL素子に印加して発光させた。
発光パネルの色度、透過率においては、コニカミノルタ社製SR−3を用いてy値、Y値を測定した。
−色再現性−
ここで、y値が高い方が、色再現性が良好であり、以下の基準で評価した。
○:y=0.68を満たしたもの
×:y=0.68を満たさないもの
−透過率−
ここで、Y値が高い方が、透過率が高いことを示し、以下の基準で評価した。
○:Y=28.5以上
△:Y=28.5未満
(実施例2〜12、比較例1〜2)
実施例1において、用いた顔料分散組成物(G)を表4記載の組成になるように変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜12、比較例1〜2の表示装置を作製し、同様に評価した。結果を下記表4に併記した。
表4に明らかなように、特定顔料の組合せを用いたカラーフィルタ層を有する実施例1〜12の表示装置では、用いた着色感光性組成物のパターン形成性に優れ、形成されたカラーフィルタ層は、顔料濃度が比較的低い場合であっても、色再現性が良好であり、高い透過率を示した。また、顔料の粒径が10〜40nmの場合や、特定顔料誘導体と特定分散剤とを含有する場合、その効果に特に優れることがわかる。
図1(a)〜(d)は、本発明の表示装置の作製方法のうち、基板上に第2の電極層を形成するまでの工程の一態様を、その断面図と平面図により示したモデル図である。 図2(e)〜(h)は、本発明の表示装置の作製方法のうち、第3の半導体層形成から、第4の電極層のパターニングまでの工程の一態様を、その断面図と平面図により示したモデル図である。 図3(i)〜(l)は、本発明の表示装置の作製方法のうち、有機EL層の形成から封紙ガラスを被覆するまでの工程の一態様を、その断面図と平面図により示したモデル図である。 実施例で用いた表示装置における有機EL層の発光特性を示すグラフである。

Claims (5)

  1. 有機発光素子と、Red、Green、Blueのカラーフィルタ層とを有する表示装置であって、
    該カラーフィルタ層が、少なくとも顔料、顔料誘導体、及び、分散剤を含み、Greenカラーフィルタ層を構成する着色パターンに含まれる顔料が、アルミニウムフタロシアニン及びピグメントグリーン7の少なくとも1種と、ピグメントイエロー185とを含み、フィルター層における顔料濃度が60%以下である表示装置。
  2. 前記有機発光素子が、430nm〜480nmの範囲に発光強度が最大となるピーク波長(λ1)を有する発光素子または、430nm〜480nmの範囲に第1の発光強度のピーク波長(λ1’)を有し、500nm〜550nmの範囲に第2の発光強度のピーク波長(λ2)を有し、600nm〜650nmの範囲に第3の発光強度のピーク波長(λ3)を有する発光素子である分光特性をもつ請求項1記載の表示装置。
  3. ピグメントイエロー185の一次粒子径の平均粒径が10nm〜40nmである請求項1又は請求項2に記載の表示装置。
  4. 前記顔料誘導体として、下記一般式(1)で表される化合物を含有する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の表示装置。

    (一般式(I)中、Aは、X−Yとともにアゾ色素を形成しうる成分を表す。Xは、単結合、又は下記構造式で表される二価の連結基から選択される基を表す。Yは、下記一般式(2)で表される基を表す。)




    (一般式(2)中、Zは、炭素数1〜5のアルキレン基を表す。−NRは、炭素数1〜4のアルキルアミノ基、又は窒素原子を含む5乃至6員飽和ヘテロ環を表す。aは、1又は2を表す。)
  5. 前記分散剤が、下記一般式(3)で表される高分子化合物である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の表示装置。
    (一般式(3)式中、Rは、(m+n)価の有機連結基を表し、Rは単結合あるいは2価の有機連結基を表す。Aは有機色素構造、複素環構造、酸性基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、炭素数4以上の炭化水素基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基、および水酸基から選択される部位を少なくとも1種含む1価の有機基を表す。n個のA、Rは、それぞれ独立に、同一であっても、異なっていてもよい。mは1〜8、nは2〜9を表し、m+nは3〜10を満たす。Pは高分子骨格を表す。m個のPは、同一であっても、異なっていてもよい。)
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