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JP2010031118A - 空気透過防止部材用ゴム組成物 - Google Patents

空気透過防止部材用ゴム組成物 Download PDF

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JP2010031118A JP2008193771A JP2008193771A JP2010031118A JP 2010031118 A JP2010031118 A JP 2010031118A JP 2008193771 A JP2008193771 A JP 2008193771A JP 2008193771 A JP2008193771 A JP 2008193771A JP 2010031118 A JP2010031118 A JP 2010031118A
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JP2008193771A
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Hiroyuki Saito
宏之 斎藤
Kazuyuki Umeda
和幸 梅田
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Abstract

【課題】軽量化による低燃費化と空気透過防止性及び耐久性とを両立可能にした空気透過防止部材用ゴム組成物を提供する。
【解決手段】ブチル系ゴムを主成分として含むジエン系ゴム100重量部に対し、アスペクト比4〜100の短繊維状の有機充填材を3〜15重量部配合したゴム組成物であり、前記有機充填材が熱可塑性樹脂とエラストマーとをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物からなると共に、前記熱可塑性樹脂が連続相、エラストマーが分散相をそれぞれ形成したことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、空気透過防止部材用ゴム組成物に関し、さらに詳しくは、軽量化による低燃費化と空気透過防止性及び耐久性とを両立可能にした空気透過防止部材用ゴム組成物に関する。
空気入りタイヤの燃費を向上するための方法として、インナーライナーなどのゴム部材の厚さを薄くして軽量化することが考えられる。しかし、インナーライナー等の空気透過防止部材の厚さを薄くすると、空気が漏れ易くなり空気透過防止性能が悪化すると共に、耐久性が低下するという問題がある。
この対策として、特許文献1はブチル系ゴムに熱可塑性樹脂を配合することにより空気透過防止性を向上したインナーライナー用ゴム組成物にし、これを用いることにより、インナーライナーのゲージ厚を薄くすることを提案している。しかし、このインナーライナー用ゴム組成物は、ブチル系ゴムと熱可塑性樹脂とは弾性率の差が大きいため、繰り返し与えられる曲げ負荷に対して破損しやすいという欠点があり、タイヤ耐久性が劣るという問題があった。
したがって、空気透過防止部材の軽量化による低燃費化と空気透過防止性及び耐久性とを両立することは非常に困難な課題であった。
特開平7−70372号公報
本発明の目的は、軽量化による低燃費化と空気透過防止性及び耐久性とを両立可能にした空気透過防止部材用ゴム組成物を提供することにある。
上記目的を達成する本発明の空気透過防止部材用ゴム組成物は、ブチル系ゴムを主成分として含むジエン系ゴム100重量部に対し、アスペクト比4〜100の短繊維状の有機充填材を3〜15重量部配合したゴム組成物であり、前記有機充填材が熱可塑性樹脂を連続相にすると共にエラストマーを分散相としてブレンドした熱可塑性エラストマー組成物からなることを特徴とする。
前記有機充填材は鱗片状に形成することもできる。前記有機充填材は、接着剤で被覆してから配合するとよい。また、前記ジエン系ゴムにおけるブチル系ゴムの含有量は60重量%以上にするとよい。
この空気透過防止部材用ゴム組成物は、チューブレス空気入りタイヤのインナーライナー又はチューブ付き空気入りタイヤのチューブを構成するのに好適である。
本発明の空気透過防止部材用ゴム組成物によれば、ブチル系ゴムを主成分として含むジエン系ゴム100重量部に対し、アスペクト比4〜100の短繊維状の有機充填材を3〜15重量部配合したゴム組成物であり、この有機充填材は熱可塑性樹脂とエラストマーとをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物から、熱可塑性樹脂が連続相、エラストマーが分散相になるように形成されるので、ゴム組成物の空気透過防止性を向上し、インナーライナーやチューブなどの空気透過防止部の厚さを薄くしても優れた空気透過防止性を確保する。同時に、ジエン系ゴムと有機充填材との弾性率等の機械的物性の差が小さいのでタイヤ耐久性を低下させることがないため、空気透過防止性及び耐久性を維持しながら、タイヤ重量を軽量化し燃費を向上することができる。
本発明の空気透過防止部材用ゴム組成物において、ゴム成分はブチル系ゴムを主成分として含有する。ブチル系ゴムは、ブチルゴム又はハロゲン化ブチルゴムである。ハロゲン化ブチルゴムとしては、臭素化ブチルゴム、塩素化ブチルゴムが好ましい。ジエン系ゴム中のブチル系ゴムの含有量は、好ましくは60重量%以上、より好ましくは65〜100重量%にするとよい。ブチル系ゴムが60重量%未満の場合には、空気透過防止性能が十分に得られない。
ブチル系ゴム以外のゴム成分はジエン系ゴムにする。ジエン系ゴムは、インナーライナー等の空気透過防止部材用ゴムに配合可能なゴムであればよく、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム等が挙げられる。なかでも、天然ゴム、イソプレンゴム等が好ましい。これらジエン系ゴムは、単独で使用してもよいし又は複数の種類を共に使用してもよい。
本発明の空気透過防止部材用ゴム組成物は、上述したブチル系ゴムを主成分にするジエン系ゴムに熱可塑性エラストマー組成物からなる短繊維状の有機充填材が配合される。この短繊維状の有機充填材の配合によりゴム組成物の耐久性を悪化させることなく、空気透過防止性を向上することができる。このため空気透過防止部材の厚さを薄くしても、タイヤ走行時にかかる繰り返し与えられる曲げ負荷に対する耐久性を悪化させずに、空気透過防止性を確保することができる。
本発明において、有機充填材を短繊維状に構成することにより、空気透過防止性が向上する。有機充填材のアスペクト比は4〜100、好ましくは20〜60であるとよい。有機充填材のアスペクト比が4未満であると、空気透過防止性を十分に向上することができない。また、有機充填材のアスペクト比が100を超えると、伸び特性が低下し耐久性に悪影響を及ぼす虞がある。なお、有機充填材のアスペクト比とは、短繊維の直径(d)に対する短繊維の長さ(L)の比(L/d)とする。また、直径(d)は、短繊維の断面形状が円形のときはその直径とし、短繊維の断面形状が円形以外であるときはその等価直径とする。等価直径とは、短繊維の長手方向に対し直交する断面の面積と同じ面積を有する円の直径をいう。
また、短繊維状の有機充填材の直径は、特に制限されるものではないが、好ましくは1〜50μm、より好ましくは10〜30μmであるとよい。有機充填材の直径が1μm未満のときは、空気透過防止性を十分に向上することができない。また、有機充填材の直径が50μmを超えると、ゴム組成物の物性に悪影響を及ぼす虞がある。
有機充填材の配合量はジエン系ゴム100重量部に対し、3〜15重量部、好ましくは5〜15重量部である。有機充填材の配合量が3重量部未満であると、ゴム組成物の空気透過防止性を十分に向上することができない。また、有機充填材の配合量が15重量部を超えると、ゴム組成物の引張り特性が低下するため高速耐久性が悪化する。
短繊維状の有機充填材は、熱可塑性エラストマー組成物を溶融紡糸し長繊維を成形し、得られた長繊維を細断することにより成形することができる。紡糸時の繊維直径及び細断長さを調整することにより所望のアスペクト比を有する短繊維を得ることができる。
また、有機充填材は、鱗片状に形成することもできる。ここで鱗片状の有機充填材とは、短繊維状の有機充填材を、長手方向と直交する方向に圧縮し扁平化したものをいう。鱗片状の有機充填材は、熱可塑性エラストマー組成物を溶融紡糸し長繊維を成形し、長繊維の扁平化処理を施した後、これを細断することにより成形することができる。或いは短繊維状の有機充填材を配合した空気透過防止部材用ゴム組成物を押出成形し、得られた押出成形体を圧延することにより、押出成形体中の短繊維状の有機充填材を鱗片状に扁平化してもよい。有機充填材を鱗片状に扁平化することにより、ゴム組成物の空気透過防止性能をより向上することができる。
本発明において、熱可塑性エラストマー組成物からなる有機充填材は、ゴム組成物に配合する前に、予め接着剤により被覆しておくとよい。これによりジエン系ゴムと有機充填材との界面を強化し、ゴム組成物の耐疲労性をより高くすることができる。接着剤としては、例えばエポキシ変性スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体などを例示することができる。
本発明で使用する熱可塑性エラストマー組成物は、熱可塑性樹脂とエラストマーとをブレンドして構成する。熱可塑性エラストマー組成物は、熱可塑性樹脂が連続相(マトリックス)を形成し、エラストマーが分散相(ドメイン)を形成する。このように熱可塑性樹脂を連続相、エラストマーを分散相にすることにより、成型加工性が向上すると共に、ゴム組成物に対する補強効果を高くすることができる。熱可塑性エラストマー組成物中のエラストマーの分散径は、特に制限されるものではないが、好ましくは1〜50μm、より好ましくは10〜30μmにするとよい。エラストマーの分散径が1μmより小さいと空気透過防止性を十分に向上することができない。また、エラストマーの分散径が50μmより大きいと熱可塑性エラストマー組成物の柔軟性を適正化することができず、タイヤ耐久性に悪影響を及ぼす虞がある。
熱可塑性エラストマー組成物において、特定の熱可塑性樹脂とエラストマーとの組成比は、特に限定されるものではないが、熱可塑性樹脂/エラストマーの重量比が、好ましくは30/70〜70/30、より好ましくは35/65〜55/45である。熱可塑性樹脂/エラストマーの重量比をこのような範囲内にすることにより、熱可塑性エラストマー組成物からなる有機充填材とジエン系ゴムとの弾性率の差を小さくし耐久性を向上すると共に、ジエン系ゴムに対する補強効果を高くすることができる。
有機充填材を形成する熱可塑性エラストマー組成物を構成する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド系樹脂〔例えば、ナイロン6(N6)、ナイロン66(N66)、ナイロン46(N46)、ナイロン11(N11)、ナイロン12(N12)、ナイロン610(N610)、ナイロン612(N612)、ナイロン6/66共重合体(N6/66)、ナイロン6/66/610共重合体(N6/66/610)、ナイロンMXD6(MXD6)、ナイロン6T、ナイロン6/6T共重合体、ナイロン66/PP共重合体、ナイロン66/PPS共重合体〕及びそれらのN−アルコキシアルキル化物、例えば、ナイロン6のメトキシメチル化物、ナイロン6/610共重合体のメトキシメチル化物、ナイロン612のメトキシメチル化物、ポリエステル系樹脂〔例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、PET/PEI共重合体、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、液晶ポリエステル、ポリオキシアルキレンジイミドジ酸/ポリブチレンテレフタレート共重合体などの芳香族ポリエステル〕、ポリニトリル系樹脂〔例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS)、(メタ)アクリロニトリル/スチレン共重合体、(メタ)アクリロニトリル/スチレン/ブタジエン共重合体〕、ポリメタクリレート系樹脂〔例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸エチル〕、ポリビニル系樹脂〔例えば、酢酸ビニル、ポリビニルアルコール(PVA)、ビニルアルコール/エチレン共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PDVC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニリデン/メチルアクリレート共重合体、塩化ビニリデン/アクリロニトリル共重合体〕、セルロース系樹脂〔例えば、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース〕、フッ素系樹脂〔例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリクロルフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフロロエチレン/エチレン共重合体〕、イミド系樹脂〔例えば、芳香族ポリイミド(PI)〕等を好ましく用いることができる。
有機充填材を形成する熱可塑性エラストマー組成物を構成するエラストマーとしては、例えば、ジエン系ゴム及びその水添物〔例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、エポキシ化天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR、高シスBR及び低シスBR)、ニトリルゴム(NBR)、水素化NBR、水素化SBR〕、オレフィン系ゴム〔例えば、エチレンプロピレンゴム(EPDM、EPM)、マレイン酸変性エチレンプロピレンゴム(M−EPM)、ブチルゴム(IIR)、イソブチレンと芳香族ビニル又はジエン系モノマー共重合体、アクリルゴム(ACM)、アイオノマー〕、含ハロゲンゴム〔例えば、Br−IIR、CI−IIR、イソブチレンパラメチルスチレン共重合体の臭素化物(Br−IPMS)、クロロプレンゴム(CR)、ヒドリンゴム(CHR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、塩素化ポリエチレンゴム(CM)、マレイン酸変性塩素化ポリエチレンゴム(M−CM)〕、シリコンゴム〔例えば、メチルビニルシリコンゴム、ジメチルシリコンゴム、メチルフェニルビニルシリコンゴム〕、含イオウゴム〔例えば、ポリスルフィドゴム〕、フッ素ゴム〔例えば、ビニリデンフルオライド系ゴム、含フッ素ビニルエーテル系ゴム、テトラフルオロエチレン−プロピレン系ゴム、含フッ素シリコン系ゴム、含フッ素ホスファゼン系ゴム〕、熱可塑性エラストマー〔例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、エステル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ボリアミド系エラストマー〕等を好ましく使用することができる。
熱可塑性エラストマー組成物の製造方法は、予め熱可塑性樹脂とエラストマーとを2軸混練押出機等で溶融混練し、連続相(マトリックス)を形成する熱可塑性樹脂中に分散相(ドメイン)としてエラストマーを分散させることによる。エラストマーを加硫する場合には、混練下で加硫剤を添加し、エラストマーを動的加硫させてもよい。また、熱可塑性樹脂又はエラストマーへの各種配合剤(加硫剤を除く)は、上記混練中に添加してもよいが、混練の前に予め混合しておくことが好ましい。熱可塑性樹脂とエラストマーの混練に使用する混練機としては、特に限定はなく、スクリュー押出機、ニーダ、バンバリミキサー、2軸混練押出機等が使用できる。中でも熱可塑性樹脂とエラストマーの混練およびエラストマーの動的加硫には、2軸混練押出機を使用するのが好ましい。
本発明の空気透過防止部材用ゴム組成物は、カーボンブラックを配合することによりゴム組成物の補強性能を向上することができる。カーボンブラックの性状は、特に制限されるものではないが、窒素吸着比表面積が、好ましくは20〜90m/gであり、より好ましくは25〜50m/gにするとよい。カーボンブラックのNSAが20m/g未満の場合、補強効果が不十分になる。NSAが90m/gを超える場合、転がり抵抗と加工性が悪化する。
カーボンブラックの配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対し、好ましくは30〜90重量部であり、より好ましくは40〜60重量部にするとよい。カーボンブラックの配合量が30重量部未満の場合、ゴム組成物の補強効果が不十分になる。カーボンブラック配合量が90重量部を超えると、転がり抵抗が悪化し燃費を向上することができない。
本発明のゴム組成物において、シリカ、クレー、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム等の他の充填剤を配合することができる。また、加硫又は架橋剤、老化防止剤、可塑剤、軟化剤、加工助剤、カップリング剤などのゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練してゴム組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量は、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
本発明により得られた空気透過防止部材用ゴム組成物は、空気入りタイヤのインナーライナー、チューブなどの空気透過防止部材に使用するのが好ましい。本発明の空気透過防止部材用ゴム組成物からなるインナーライナーを備えたチューブレス空気入りタイヤ又は空気透過防止部材用ゴム組成物からなるチューブを備えたチューブ付き空気入りタイヤは、空気透過防止性と耐久性を維持しながら燃費を向上することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を説明するが、これにより本発明の範囲が制限を受けるものではない。
熱可塑性エラストマー組成物の調製及び有機充填材の成形
ナイロン6/66共重合体(東レ社製アラミンCM6001)を40重量部、イソブチレンパラメチルスチレン共重合体の臭素化物(エクソンモービルケミカル社製MDX90−10)を60重量部、亜鉛華(正同化学工業社製酸化亜鉛3種)を1重量部、ステアリン酸(日油社製ビーズステアリン酸)を1重量部を秤量した混合物を溶融混練しペレット状の熱可塑性エラストマー組成物を調製した。
得られた熱可塑性エラストマー組成物を溶融紡糸し、直径15μmの長繊維を成形した。この長繊維を所定の長さに細断することにより短繊維状の有機充填材1及び有機充填材2を得た。得られた有機充填材1のアスペクト比は54、有機充填材2のアスペクト比は127であった。
実施例1〜4、比較例1〜5
表1に示す配合からなる9種類のゴム組成物(実施例1〜4、比較例1〜5)を、それぞれ硫黄、加硫促進剤、加硫遅延剤を除く配合成分を秤量し、1.7Lのバンバリーミキサーで4分間混練し、155±5℃に達したときにマスターバッチを放出し室温冷却した。このマスターバッチを1.7Lのバンバリーミキサーに供し、硫黄、加硫促進剤、加硫遅延剤を加え混合し、空気透過防止部材用ゴム組成物を調製した。
得られた9種類のゴム組成物(実施例1〜4、比較例1〜5)を使用し、所定の厚さの未加硫ゴムシートを成形した。得られた未加硫ゴムシートを所定形状の金型中で170℃、10分間の条件で加硫し、加硫ゴムシートの弾性率及び空気透過係数を下記の試験方法により測定した。
また、9種類の未加硫ゴムシート(厚さ1mm)でインナーライナーをそれぞれ構成したタイヤサイズ195/65R15のチューブレス空気入りタイヤを加硫成形した。得られた9種類の空気入りタイヤの高速耐久性を下記の試験方法により評価した。
弾性率
得られた加硫ゴムシートの弾性率として、東洋精機製作所社製粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪み10%、振幅±2%、周波数20Hzで測定し、温度20℃における貯蔵弾性率E′を測定した。得られた結果は、それぞれ比較例1の値を100とする指数で表わし表1に示した。この指数が大きいほど弾性率が高いことを意味する。
空気透過係数
得られたゴム組成物の加硫試験片を用いて、JIS K7126「プラスチックフィルム及びシートの気体透過度試験方法」のA法(差圧式)に準拠して、試験気体を空気相当(窒素:酸素=8:2)とし、試験温度30℃で空気透過係数を測定した。得られた結果は、比較例1を100とする指数として表1に示した。指数が小さいほど、空気透過係数が小さく空気透過防止性能に優れることを意味する。
高速耐久性
得られた空気入りタイヤをリム(15×6J)にリム組みしてドラム径1707mmのドラム試験機に装着し、JIS D4230に準拠する条件で高速耐久試験を行なった後、速度を30分毎に10km/hずつ増速し、タイヤが破壊したときの速度を測定した。得られた結果は、比較例1を100とする指数として表1に示した。この指数が大きいほど高速耐久性が優れることを意味する。
Figure 2010031118
なお、表1において使用した原材料の種類を下記に示す。
IIR:臭素化ブチルゴム、日本ブチル社製ブロモブチル2255
NR:天然ゴム、RSS#3
有機充填材1及び2:上記により得られた短繊維状有機充填材
有機充填材3:ナイロン樹脂からなる有機繊維、繊維径0.3μm、アスペクト比100、大和化学工業社製大和SHP−HA1060
CB:カーボンブラック、新日化カーボン社製ニテロン #55S GPF(窒素吸着比表面積=28m/g)
亜鉛華:正同化学工業社製酸化亜鉛3種
樹脂:芳香族系石油樹脂、エアウォーター社製FR−120
オイル:昭和シェル石油社製エキストラクト4号
硫黄:鶴見化学工業社製油処理イオウ
加硫促進剤:三新化学工業社製サンセラーDM−PO
加硫遅延剤:東レファインケミカル社製リターダー CTP
実施例2,5
上述した実施例2と同じゴム組成物から未加硫ゴムシートを押出成形するときの製造条件を変更することにより、厚さが異なる未加硫ゴムシートを作製した。得られた未加硫ゴムシートでインナーライナーを構成したタイヤサイズ195/65R15のチューブレス空気入りタイヤを、上述した実施例2と同じ条件で加硫成形した。得られた空気入りタイヤ(実施例2,5)の重量、空気透過防止性能を下記の試験方法により評価した。また、高速耐久性を上述の試験方法で測定し、得られた結果を実施例2を100にする指数として表2に示した。
タイヤ重量
実施例2,5の空気入りタイヤの重量を測定し、得られた結果を実施例2を100にする指数として表2に示した。この指数が小さいほど軽いことを意味する。
空気透過防止性能
実施例2,5の空気入りタイヤをリム(15×6J)に装着し、初期圧力250kPa、室温21℃、無負荷条件にて3ヶ月間静置する間、4日毎に内圧を測定した。初期圧力P0(kPa)、測定圧力Pt(kPa)、経過時間t(日)として、下記式(1)により回帰係数αを算出した。
Pt/P0=exp(−αt) (1)
得られた回帰係数αから、t=30(日)として、下記の式(2)により1ヶ月当たりの圧力低下率β(%/月)を算出した。
β=(1−exp(−αt))×100 (2)
得られたβの値を実施例2の値を100とする指数にして、表2に空気透過防止性能として示した。この指数が小さいほど、空気透過防止性能が優れていることを意味する。
Figure 2010031118

Claims (6)

  1. ブチル系ゴムを主成分として含むジエン系ゴム100重量部に対し、アスペクト比4〜100の短繊維状の有機充填材を3〜15重量部配合したゴム組成物であり、前記有機充填材が熱可塑性樹脂を連続相にすると共にエラストマーを分散相としてブレンドした熱可塑性エラストマー組成物からなる空気透過防止部材用ゴム組成物。
  2. 前記有機充填材を鱗片状に形成した請求項1に記載の空気透過防止部材用ゴム組成物。
  3. 前記有機充填材を接着剤で被覆した請求項1又は2に記載の空気透過防止部材用ゴム組成物。
  4. 前記ジエン系ゴムにおけるブチル系ゴムの含有量が60重量%以上である請求項1,2又は3に記載の空気透過防止部材用ゴム組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の空気透過防止部材用ゴム組成物によりインナーライナーを構成したチューブレス空気入りタイヤ。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の空気透過防止部材用ゴム組成物によりチューブを構成したチューブ付き空気入りタイヤ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010241960A (ja) * 2009-04-06 2010-10-28 Sumitomo Rubber Ind Ltd インナーライナー用ゴム組成物及びタイヤ
JP2018012818A (ja) * 2016-07-22 2018-01-25 横浜ゴム株式会社 タイヤ用ゴム組成物
JP2018193490A (ja) * 2017-05-18 2018-12-06 株式会社ブリヂストン ゴム組成物、それを用いたゴム、インナーライナー、及び空気入りタイヤ

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