JP2010022141A - 電力制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車載バッテリを商用電源からの電力で充電する場合において、商用電源側の充電電流に高調波電流が含まれることを抑制する。
【解決手段】バッテリ10を直流電源とする各々のインバータ14,15で制御される2個のモータ16,17の中性点に商用電源18を接続し、インバータ14,15で零相電圧を発生させてモータ16,17の中性点間電圧を制御し、商用電源18からバッテリ10に充電する。電圧指令値にインバータ直流電圧の変動に起因する歪み電圧が生じるが、これを抑制するために予め作成された歪み電圧テーブルから補正電圧値を読み出して電圧指令値に印加する。歪み電圧テーブルは適応フィルタで最適化される。
【選択図】図1
【解決手段】バッテリ10を直流電源とする各々のインバータ14,15で制御される2個のモータ16,17の中性点に商用電源18を接続し、インバータ14,15で零相電圧を発生させてモータ16,17の中性点間電圧を制御し、商用電源18からバッテリ10に充電する。電圧指令値にインバータ直流電圧の変動に起因する歪み電圧が生じるが、これを抑制するために予め作成された歪み電圧テーブルから補正電圧値を読み出して電圧指令値に印加する。歪み電圧テーブルは適応フィルタで最適化される。
【選択図】図1
Description
本発明は電力制御装置に関し、特に商用電源と車両に搭載された直流電源(バッテリ)との間で電力を授受する技術に関する。
従来より、車両外部の交流電源と車両に搭載されたバッテリとの間で電力を授受可能なモータ駆動装置が提案されている。
図9に、この種の電力制御装置の構成ブロック図を示す。バッテリを直流電源とする各々のインバータで制御される2個のモータの中性点に商用電源を接続し、インバータで零相電圧を発生させてモータの中性点間電圧を制御し、商用電源からバッテリに充電する構成である。
図において、直流電源としてのバッテリ10にはコンバータ(昇圧コンバータ)12を介して2つのインバータ14,15が接続される。インバータ14には三相モータ(機能的にはモータ/ジェネレータであるが簡略化してモータと称する)16が接続され、インバータ15には三相モータ(機能的にはモータ/ジェネレータであるが簡略化してモータと称する)17が接続される。インバータ14でモータ16の動作を制御し、インバータ15でモータ17の動作を制御する。モータ16とモータ17の固定子巻線中性点間に商用電源18が接続される。また、これらの構成に加え、充電制御系20が設けられる。充電制御系20は、電源電圧Vsを検出する電圧センサ及び電源電流(中性点電流)iを検出する電流センサ、電流指令生成器24、比例補償器28、正弦波内部モデル補償器30、外乱電圧補償器32、及びPWM制御器38を有する。モータの漏れリアクトルをフィルタリアクトルとして活用し、漏れリアクトルとフィルタコンデンサCfで構成される交流フィルタ22は中性点電流iのスイッチングリップル電流の商用電源18側への流出を抑制する。検出された電源電圧Vsは電流指令生成器24に供給される。電流指令生成器24は、電源電圧Vsに対し、力率1で正弦波の充電電流指令値i*を生成する。モータ16,17をそれぞれ制御するインバータ14,15を協調動作させ、モータ中性点の電流iが指令値i*に追従するようにインバータ14,15をスイッチング制御(PWM制御)して商用電源18からバッテリ10への充電電力を制御する。具体的には、電流指令生成器24で電源電圧Vsに応じて演算された指令値i*と検出された中性点電流iとの差分が誤差として差分器26で演算され、比例補償器28及び正弦波内部モデル補償器30に供給される。比例補償器28及び正弦波内部モデル補償器30は、それぞれ誤差を解消するような補償信号を生成する。これらの補償信号は加算器34で加算され、さらに外乱電圧補償器32からの補償信号と加算器36で加算されてPWM制御器38に供給され、インバータ14,15の各スイッチをオンオフ制御する。インバータ損失の低減のため、インバータ14のみPWM制御し、インバータ15は動作停止して充電電流を制御することができる。外乱電圧補償器32は、後述するように、動作停止するインバータ15の出力電圧を補償するための補償信号と、デッドタイム(インバータの上下アームがともにオフである期間)における出力電圧を補償するための補償信号をそれぞれ演算する。
インバータ損失の低減のため、インバータ15の動作を停止し、インバータ14のみでPWM制御する場合、図8の回路は単相混合ブリッジ整流回路と等価な回路となる。
図10及び図11に、等価回路における動作を示す。図10はi>0の場合、図11はi<0の場合である。図10(a)及び図11(a)はインバータの上下アームのうち下側アームがオンした場合であり(図中丸印でオンしたことを示す)、図10(b)及び図11(b)は上側アームがオンした場合である。交流出力電圧をVac、インバータ14の零相出力電圧をV1、インバータ15の零相出力電圧をV2、インバータ直流電圧をVhとすると、インバータ15は動作を停止しているため、出力電圧Vacは以下の式となる。
図10及び図11に、等価回路における動作を示す。図10はi>0の場合、図11はi<0の場合である。図10(a)及び図11(a)はインバータの上下アームのうち下側アームがオンした場合であり(図中丸印でオンしたことを示す)、図10(b)及び図11(b)は上側アームがオンした場合である。交流出力電圧をVac、インバータ14の零相出力電圧をV1、インバータ15の零相出力電圧をV2、インバータ直流電圧をVhとすると、インバータ15は動作を停止しているため、出力電圧Vacは以下の式となる。
Vac=V1−V2=V1+Vh/2(i>0)
=V1−Vh/2(i<0)
したがって、出力電圧をVacにするインバータ14の電圧は、
V1=Vac−Vh/2(i>0)
=Vac+Vh/2(i<0)
となる。よって、インバータ14の電圧指令値には電流指令値に追従させる制御指令に加えて、インバータ15の出力電圧を補償するために、出力電流の向きに応じてVh/2の電圧を加える必要がある。
=V1−Vh/2(i<0)
したがって、出力電圧をVacにするインバータ14の電圧は、
V1=Vac−Vh/2(i>0)
=Vac+Vh/2(i<0)
となる。よって、インバータ14の電圧指令値には電流指令値に追従させる制御指令に加えて、インバータ15の出力電圧を補償するために、出力電流の向きに応じてVh/2の電圧を加える必要がある。
図12に、制御ブロック図を示す。外乱電圧補償器32は、インバータ15の出力電圧を補償する加算器を有し、出力電流の向きに応じて補償信号にVh/2あるいは−Vh/2を加算する。さらに、電源電圧(系統電圧)Vsを補償する加算器を有し、補償信号にVsを加算する。また、変調率演算器37は、補償信号(補償電圧信号)をVh/2で除算して変調率を演算する。変調率は変調器に供給され、PWMキャリア信号を変調してPWM電圧指令としてインバータ14に供給される。
このような制御系において、外乱電圧補償器32での演算や変調率演算器37での演算に誤差が生じると、電圧指令値に歪み電圧が発生する。より特定的には、これらの演算ではインバータ出力電圧Vhを用いて演算するため、インバータ出力電圧vhに誤差が生じていると演算にも誤差が生じることになる。
図13に、充電時の動作波形を示す。インバータ直流側電圧は電源周波数の2倍で変動する単相交流電源の瞬時電力の影響で電源周波数の2倍で変動している。その結果、図に示すように、PWM制御側のインバータ出力電圧、PWM制御していない側のインバータ出力電圧ともにその振幅が電源周波数の2倍で変動する。一方、外乱電圧補償演算に用いるインバータ直流電圧検出値と、PWM変調率の演算に用いるインバータ直流側電圧検出値は、ノイズ除去のためフィルタ処理され平均化されている。その結果、外乱電圧補償値とPWM変調率の演算結果に誤差が生じ、電圧指令値に歪み電圧が生じてしまう。
図14及び図15に、インバータ直流電圧変動の外乱電圧補償値に対する影響を示す。図14は振幅誤差vdeが0(V)の場合、図15は振幅誤差vdeが25(V)の場合である。外乱電圧補償値の演算に用いるインバータ直流電圧検出値は、フィルタ処理され平均化されるため振幅がvh0で一定の矩形波であるのに対し、実際の振幅は電源周期の2倍で変動する振幅vhであるため変動する歪み電圧が発生する。さらに、デッドタイムや検出誤差により、その振幅値に誤差vdeがあると外乱電圧補償演算で発生する歪み電圧vmeは以下の式となる。
vme=vm−vm0
=sign(vh−vh0―vde)/2
sign=−1(i>0)
sign=1(i<0)
=sign(vh−vh0―vde)/2
sign=−1(i>0)
sign=1(i<0)
図16及び図17に、インバータ直流電圧変動のPWM変調率に対する影響を示す。変調率の演算においてもインバータ電圧指令値をフィルタで平均化されたインバータ直流電圧で除算してPWM変調率を求めるため、その演算誤差による歪み電圧が発生する。インバータ指令電圧をVr、直流電圧をvh0一定としたときの変調率をk0、実際の直流電圧vhを用いた場合の変調率をkとすると、変調率の誤差keは以下の式となる。
ke=k−k0
=2・vr(1/vh−1/vh0)
したがって、変調率の誤差電圧vkeは以下の式となる。
vke=(vh/2)・ke
=vr(1−vh/vh0)
トータルの歪み電圧は、vmeとvkeを加算した値(vme+vke)となる。
=2・vr(1/vh−1/vh0)
したがって、変調率の誤差電圧vkeは以下の式となる。
vke=(vh/2)・ke
=vr(1−vh/vh0)
トータルの歪み電圧は、vmeとvkeを加算した値(vme+vke)となる。
図18に、歪み電圧(vme+vke)の出力電流波形に対する影響を示す。図18(a)は振幅誤差vdeが0(V)の場合であり、図18(b)は振幅誤差vdeが25(V)の場合である。
以下の特許文献1には、2つの交流モータの中性点を介して商用電源と電力を授受する電力制御装置であって、効率的かつモータの駆動制御に対して非干渉に電力を授受可能な電力制御装置及びそれを備えた車両が開示されている。制御装置は、電圧センサからの電圧に基づいて商用電源の電圧の実効値及び位相を検出し、検出した実効値及び位相並びにバッテリに対する充放電電力指令値に基づいて、電力ラインに流す電流の指令値であって商用電源の電圧と同相の電流指令を生成し、生成した電流指令に基づいてインバータの零相電圧を制御することが開示されている。特許文献1の図19の電流制御部におけるPI制御部202が比例補償器28に対応し、内部モデル補償部204が正弦波内部モデル補償器30に対応する。
このように、従来装置では、外乱電圧補償演算で発生する歪み電圧vme及びPWM変調率の演算で発生する歪み電圧vkeに起因して電圧指令値に歪みが生じてしまい、電流を指令値通りに制御することが困難となる。この結果、商用電源側の充電電流に多量の高調波電流が含まれることとなり、商用電力系統の高調波目標レベルとして予め設定されている規制値を満たすことが困難となる。
本発明の目的は、外乱電圧補償演算及びPWM変調率演算で生じる歪み電圧を抑制し、高精度に充電制御できる装置を提供することにある。
本発明は、バッテリを直流電源とする第1及び第2のインバータで駆動される第1及び第2のモータの中性点に商用電源を接続し、前記商用電源から前記バッテリに充電する電力制御装置であって、充電電流指令値を生成する電流指令生成手段と、前記充電電流指令値に基づき、前記第1及び第2のインバータの少なくともいずれかで零相電圧を発生させる電圧指令値を生成して前記モータの中性点間電圧を制御するインバータ制御手段と、前記電圧指令値に、前記インバータの直流側電圧の変動に起因する歪み電圧を補正する補正電圧値を印加する補正手段とを有する。
本発明の1つの実施形態では、前記補正手段は、予め作成された、充電電力毎に前記補正電圧値が規定された歪み電圧補正テーブルを含む。前記歪み電圧補正テーブルの前記補正電圧値は、適応フィルタにより最適化されることが好適である。また、前記適応フィルタはFIRフィルタであり、前記充電電流指令値と実際に検出された電流値との偏差を学習に用いる誤差とし、誤差が零となるように前記適応フィルタの係数を調整することで前記補正電圧値を最適化することが好適である。
また、本発明は、バッテリを直流電源とする第1及び第2のインバータで駆動される第1及び第2のモータの中性点に商用電源を接続し、前記商用電源から前記バッテリに充電する電力制御装置であって、充電電流指令値を生成する電流指令生成手段と、前記充電電流指令値に基づき、前記第1及び第2のインバータの少なくともいずれかで零相電圧を発生させる電圧指令値を生成して前記モータの中性点間電圧を制御するインバータ制御手段とを有し、前記インバータ制御手段は、前記充電電流指令値と実際に検出された電流値との偏差に応じて補償信号を生成する補償器と、インバータ側直流電圧に応じて外乱電圧補償信号を演算する外乱電圧補償器と、前記補償信号に前記外乱電圧補償信号を印加する印加手段と、前記外乱電圧補償信号が印加された補償信号とインバータ側直流電圧とからPWM変調率を演算する変調率演算器とを有し、さらに、充電電力の平均値とインバータ直流電圧実効値から前記インバータ直流電圧を推定する演算手段を有する。
本発明によれば、歪み電圧を補正するための補正電圧値を電圧指令値に印加することで、簡易かつ高精度に歪み電圧を補正して商用電源側への影響を最小化することができる。また、本発明によれば、インバータ直流電圧を推定し、この推定値を用いて電圧指令値を補正することで、簡易かつ高精度に歪み電圧を補正して商用電源側への影響を最小化することができる。
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
図1に、本実施形態における電力制御装置の構成ブロック図を示す。図9に示す構成ブロック図とほぼ同一である。直流電源としてのバッテリ10にはコンバータ12を介して2つのインバータ14,15が接続される。インバータ14にはモータ16が接続され、インバータ15にはモータ17が接続される。モータ16とモータ17の固定子巻線中性点間に商用電源18が接続される。また、充電制御系21が設けられる。充電制御系21は、具体的には内部メモリを有するコントローラで実現される。充電制御系21は、図9に示す充電制御系20と同様に、電源電圧Vsを検出する電圧センサ及び電源電流(中性点電流)iを検出する電流センサ、電流指令生成器24、比例補償器28、正弦波内部モデル補償器30、外乱電圧補償器32、及びPWM制御器38を有する。モータの漏れリアクトルをフィルタリアクトルとして活用し、漏れリアクトルとフィルタコンデンサCで構成される交流フィルタ22は中性点電流iのスイッチングリップル電流の商用電源18側への流出を抑制する。
図2に、充電制御系21の制御ブロック図を示す。検出された電源電圧Vsは電流指令生成器24に供給される。電流指令生成器24は、電源電圧Vsに対し、力率1で正弦波の充電電流指令値i*を生成する。モータ16,17のインバータ14,15を協調動作させ、モータ中性点の電流iが指令値i*に追従するようにインバータ14,15をスイッチング制御して充電電力を制御する。すなわち、指令値i*と検出された中性点電流iとの差分が差分器26で演算され、その差分信号ieが比例補償器28及び正弦波内部モデル補償器30に供給される。比例補償器28からの補償信号及び正弦波内部モデル補償器30からの補償信号は加算器34で加算され、さらに加算器35で外乱電圧補償器32からの補償信号と加算される。比例補償器28は、電流指令生成器24からの電流指令と電流センサからの電流値との偏差を入力信号として比例積分演算を行う。正弦波内部モデル補償器30は、電流指令が正弦波関数であることに対応して、正弦波伝達関数ks・s/(s2+ω0 2)を含む。ω0は電流指令の周波数であり、ksは比例定数である。そして、この正弦波伝達関数を用いて補償信号を生成する。
従来においては、加算器35からの補償信号は変調率演算器37に供給され、この変調率演算器37においてインバータ側直流電圧で除算する演算を行って変調率を算出しているが、本実施形態では加算器35からの補償信号はさらに加算器39に供給される。加算器39は、加算器35から供給された補償信号に、歪み電圧テーブル40を参照することで出力された歪み電圧を補正する補正信号を加算して変調率演算器37に供給する。変調率演算器37で演算された変調率はPWM制御器38に供給され、インバータ14,15の各スイッチをオンオフ制御する。歪み電圧テーブル40は、歪み電圧を補正するための電圧値が規定されたテーブル(あるいはマップ)であり、予めコントローラの内部メモリ、例えばROMあるいは書き換え可能なメモリに記憶され、コントローラがこの歪み電圧テーブルを参照することで歪み電圧を補正する補正信号を読み出して加算器39に供給する。
以下、歪み電圧テーブル40について説明する。
図1において、Ec(t)をインバータ直流側コンデンサのエネルギ、pac(t)を入力電力、pcl(t)をバッテリへの充電電力とし、また、Vcrmsをインバータ直流電圧の実効値、pcl(t)の平均値をPclとする。インバータ直流側コンデンサの電力Pc(t)は、
となる。この式より、インバータ直流側コンデンサのエネルギEc(t)は、
となる。定常状態ではpac(t)の平均値はPclとなるため、
pcl(t)=vc(t)il(t)
である。電源電流が力率1で正弦波とすると、
pac(t)=vs(t)i(t)=Vs・I(1−cos(2ωt))
ここで、ωは電源電圧の各周波数、Vs、Iはそれぞれ電源電圧vs(t)、電源電流i(t)の実効値である。
pcl(t)=vc(t)il(t)
である。電源電流が力率1で正弦波とすると、
pac(t)=vs(t)i(t)=Vs・I(1−cos(2ωt))
ここで、ωは電源電圧の各周波数、Vs、Iはそれぞれ電源電圧vs(t)、電源電流i(t)の実効値である。
定常状態ではpac(t)の平均値はPclとなるため、
pac(t)=Pcl(1−cos(2ωt))
である。したがって、(2)式は、
となる。したがって、歪み電圧の要因である変動するインバータ直流電圧vc(t)は、
となる。定常状態では、vc(0)はvc(t)の実効値Vcrmsとなるため、
となる。このように、変動するインバータ直流電圧は、負荷となる充電電力の平均値Pclとインバータ直流電圧実効値から算出することができる。このことは、充電電力に応じて歪み電圧テーブル40を予め用意し、充電電力を引数として歪み電圧テーブル40から対応する歪み電圧、すなわちvme+vkeを補正するための電圧(補正電圧)を読み出し、この補正電圧信号を加算器39で補償信号に加算することで、歪み電圧vme+vkeを補償(フィードフォワード補償)できることを意味する。
pac(t)=Pcl(1−cos(2ωt))
である。したがって、(2)式は、
図3に、歪み電圧テーブル40から読み出した歪み電圧補正信号の波形の一例を示す。横軸は時間であり、縦軸は電圧である。また、図4に、歪み電圧補正時の動作波形を示す。電源電流と歪み電圧補正値とを対比して示す。ある時間から歪み電圧補正信号を印加することでvme+vkeに起因する歪み電圧を補償する。
なお、
であるから、インバータ直流電圧vc(t)は、
となる。すなわち、インバータ直流電圧vc(t)はインバータ直流電圧の実効値vcrms、インバータ直流コンデンサ容量C、入力電力pcl(t)に依存する。このことからも、充電電力に応じて歪み電圧の補正値を用意して波形の歪みをフィードフォワード補償できる。
一方、歪み電圧は、デッドタイムTd、キャリア周波数fc、インバータ直流電圧の平均値vh0、入力電圧pac、充電電力pch、系統電圧vsに依存する。そして、これらのパラメータは運転状態、系統条件によっても変化するため、正確な歪み電圧テーブル40を得ることが困難である。実際の歪み電圧と歪み電圧テーブルの値が異なると充電性能が劣化してしまう。そこで、歪み電圧を適応フィルタを用いて同定し、補償することが好適である。
図5に、歪み電圧を適応フィルタを用いて補償する制御ブロック図を示す。基本構成は図2と同様であるが、歪み電圧テーブル40内に適応フィルタ41が組み込まれており、歪み電圧テーブル40を学習により最適化する。
図6に、適応フィルタ41の一例としてのFIRフィルタの構成ブロック図を示す。FIRフィルタの式は、入力をx(i)、出力をy(i)、フィルタ係数をhkとすると、
で与えられる。適応フィルタ41は、係数を自動的に学習し、ある時間経過すると理想出力とフィルタ出力との差が最小となる最適なフィルタ係数を探索する。適応フィルタ41の学習アルゴリズムの一つであるLMSアルゴリズムによる係数hkの学習の式は、
である。ここに、μは学習係数、e(n)は学習に用いる誤差である。適応フィルタ41を用いて歪み電圧を同定するために、電流指令値を入力して電流指令値と実電流との偏差ieを学習に用いる誤差とし、ieが零となるように適応フィルタ41を学習させることにより歪み電圧のパラメータが適応フィルタ41の係数として現れる。
図7に、適応フィルタ41による補償制御のシミュレーション結果を示す。適応フィルタ41補償開始後は適応フィルタ41が歪み電圧を同定して、その結果、波形歪みが改善されていることが理解される。
上記の実施形態では、歪み電圧テーブル40を用いて歪み電圧を補正する補正電圧信号を補償信号に加算しているが、外乱電圧補償演算及び変調率演算で生じる誤差を直接的に補正することもできる。すなわち、外乱電圧補償演算で用いるインバータ直流電圧検出値はフィルタ処理され平均化されるため振幅がvh0で一定の矩形波であるのに対し、実際の振幅は電源周期の2倍で変動する振幅vhであるため変動する歪み電圧が生じてしまう。
変調率演算においても同様である。そこで、フィルタ処理することなく実際のインバータ直流電圧検出値をそのまま用いることで誤差を解消してもよい。
また、既述したように、インバータ直流電圧vc(t)は、負荷となる充電電力の平均値Pclとインバータ直流電圧実効値とから計算することができる。そこで、充電電力の平均値Pclとインバータ直流電圧実効値とから演算により推定されたインバータ直流電圧vc(t)を用いて外乱電圧補償演算及び変調率演算を行うことで誤差を抑制することができる。
図8に、この場合の制御ブロック図を示す。図2と異なる点は、歪み電圧テーブル40及び加算器39がなく、インバータ直流電圧としてフィルタ処理された平均値ではなく、(5)式で算出されたインバータ直流電圧推定値を外乱電圧補償器32及び変調率演算器37に供給する点である。
10 バッテリ、12 コンバータ、14,15 インバータ、16,17 モータ(モータ/ジェネレータ)、18 商用電源、21 充電制御系(コントローラ)。
Claims (5)
- バッテリを直流電源とする第1及び第2のインバータで駆動される第1及び第2のモータの中性点に商用電源を接続し、前記商用電源から前記バッテリに充電する電力制御装置であって、
充電電流指令値を生成する電流指令生成手段と、
前記充電電流指令値に基づき、前記第1及び第2のインバータの少なくともいずれかで零相電圧を発生させる電圧指令値を生成して前記モータの中性点間電圧を制御するインバータ制御手段と、
前記電圧指令値に、前記インバータの直流側電圧の変動に起因する歪み電圧を補正する補正電圧値を印加する補正手段と、
を有することを特徴とする電力制御装置。 - 請求項1記載の装置において、
前記補正手段は、予め作成された、充電電力毎に前記補正電圧値が規定された歪み電圧補正テーブルを含むことを特徴とする電力制御装置。 - 請求項2記載の装置において、
前記歪み電圧補正テーブルの前記補正電圧値は、適応フィルタにより最適化されることを特徴とする電力制御装置。 - 請求項3記載の装置において、
前記適応フィルタはFIRフィルタであり、
前記充電電流指令値と実際に検出された電流値との偏差を学習に用いる誤差とし、誤差が零となるように前記適応フィルタの係数を調整することで前記補正電圧値を最適化することを特徴とする電力制御装置。 - バッテリを直流電源とする第1及び第2のインバータで駆動される第1及び第2のモータの中性点に商用電源を接続し、前記商用電源から前記バッテリに充電する電力制御装置であって、
充電電流指令値を生成する電流指令生成手段と、
前記充電電流指令値に基づき、前記第1及び第2のインバータの少なくともいずれかで零相電圧を発生させる電圧指令値を生成して前記モータの中性点間電圧を制御するインバータ制御手段と、
を有し、
前記インバータ制御手段は、
前記充電電流指令値と実際に検出された電流値との偏差に応じて補償信号を生成する補償器と、
インバータ側直流電圧に応じて外乱電圧補償信号を演算する外乱電圧補償器と、
前記補償信号に前記外乱電圧補償信号を印加する印加手段と、
前記外乱電圧補償信号が印加された補償信号とインバータ側直流電圧とからPWM変調率を演算する変調率演算器と、
を有し、さらに、
充電電力の平均値とインバータ直流電圧実効値から前記インバータ直流電圧を推定する演算手段を有することを特徴とする電力制御装置。
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