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JP2010020832A - 磁気記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の保護層では、水分が記録媒体内部に浸透、または摩擦係数が大きい等良好な保護層が得られなかった。
【解決手段】非磁性支持体上に強磁性金属材料からなる磁性層が形成され、当該磁性層上にダイヤモンドライクカーボン(DLC)からなる保護層が形成されてなる薄膜型の磁気記録媒体であって、上記磁性層表面に形成される保護層表面を覆うためにドライプロセスに用いるフッ素化合物のフッ素原子数が炭素原子数に対して0.35〜1.2倍で厚さ2nm以上である。
【選択図】なし

Description

本発明は、本発明は、高精度な潤滑性が要求される精密機械や精密部品の潤滑層、防錆層などに有用な含フッ素化合物とそれを有する次世代高密度磁気記録媒体に関する。
機械装置、部品の小型化、高精度化に伴いそれらの摺動部における潤滑形態も流体潤滑から境界潤滑へと移行してきている。とりわけ、VTR、磁気ディスクなどの電子機器、電子部品においては、記録精度の向上を目的とした強磁性金属薄膜の採用により、磁気テープや磁気ディスクと磁気ヘッドとの摺動には高精度の潤滑が必要となってきた。例えば、蒸着テープやハードディスクでは耐久性と信頼性を確保しながら磁気記録媒体と磁気ヘッドとのスペーシングロスを極力小さくして高出力化を図るために、磁性層表面の潤滑剤層はわずか数10Åの厚さとなるように形成される。したがって、この潤滑剤層を形成する材料として潤滑性の優れた有機化合物の開発が重要な課題となっている。
金属薄膜型磁気記録媒体用の潤滑剤としては、フロロアルキルエーテル基カルボン酸が金属薄膜との適合性に優れているため、例えば特許文献1〜3等の多数の提案がなされている。
特許文献1と特許文献2は、フルオロ基による撥水撥油成分の向上と、カルボニル基による磁性層または保護層表面への潤滑剤の付着力の向上を高めるものであるが、化学構造内に、カルボン酸1に対してフルオロ基の長鎖が1である場合、撥水撥油成分を増加するために該長鎖を長くし、また、カルボン酸の末端をフルオロ基の長鎖で置換することで更に撥水撥油成分を増やすジエステルの潤滑剤を提案している。
特許文献2ではカルボン酸を化学構造内に残したままフルオロ基を有するエステルを該化学構造内に1、及びフルオロ基を1有した潤滑剤を提案している。
しかし、いずれの提案も潤滑剤の浮遊層は活性基同士が集合した潤滑剤の集合体として記録媒体表面から脱離し易く、記録再生面とバック面が接する状態では、記録再生面よりも表面凸凹形状が大きいバック層の凸部分へ記録再生面の潤滑剤が転写してしまう。バック層の表面形状はドライブ内のポストなどに接する面積を小さくすることで優れた走行を満足するために設けられているため、バック層の凸部分へ転写した潤滑剤はドライブ内のポスト表面へ転写し堆積し易い。堆積した潤滑剤の転写物は粉落ち不良の要因となる。
特許文献3では、表面に金属薄膜磁性層及びダイアモンドライクカーボンからなる保護膜を順次形成した磁気記録媒体において、前記ダイアモンドライクカーボン保護膜の内部または表面に、融点が40℃〜120℃の分子内にカルボキシル基を持った吸着型潤滑剤と、融点が40℃〜120℃のカルボキシル基を持たない非吸着型潤滑剤を有することにより、これらの潤滑剤は常温で固体であるため、摺動開始時に磁気ヘッドと磁気記録媒体とのメニスカス力スによる貼り付き現象が抑制され、摩擦係数を小さくすることができる。また摺動中は摩擦熱により潤滑剤が部分的に液化するため剪断力が小さくなり、優れた耐久性を示す磁気記録媒体を提案しているが、該固体の潤滑剤は少なくとも数分子が凝集した凝集物であり特にDLC表面への付着力を向上するものではないので、接するものに対して用意に転写してしまう。堆積した潤滑剤の転写物は粉落ち不良の要因となる。
また、C−F結合のみからなるパーフルオロ化合物をDLC表面にドライプロセス形成した場合、表面エネルギーを低減することができた結果、撥水撥油性が向上したが、ヘッドとの摩擦係数が増大し媒体の走行性が劣化し、目詰り不良を発生した。また、該表面は表面エネルギーの低減により、潤滑剤を塗布形成することが困難であった。
特開2002−153530号公報 特開2002−92858号公報 特開2003−67912号公報
DLC表面をC−F基で覆った磁気記録媒体表面は表面エネルギーを低減できる結果、撥水撥油性が向上して水分が記録媒体内部へ浸透することを防ぐが、優れた撥水撥油性のために塗布工法にて成膜する潤滑剤の溶液及び溶媒を被覆表面に均一拡散困難である。また、C−F基で覆った磁気記録媒体表面は軟質化するため摩擦係数が大きくなる。
一方、C−N基をDLC表面へ導入すると表面エネルギーが増大する結果、水分が記録媒体内部へ浸透するのでDLCの保護層としての機能を損なうが、膜が硬質化するためヘッドとの摩擦係数は低減できた。
本発明は、水分が記録媒体内部へ浸透せず、摩擦係数が小さい保護層を備える磁気記録媒体の提供を目的とする。
上述した深刻な課題を解決する本発明にかかる磁気記録媒体の保護層の表面は、撥水撥油性が高い保護層表面に炭素環上にカルボン酸基を有するフッ素化合物を潤滑剤として用いることで得られる。
また、撥水撥油性が高い保護層を第一の保護層として表面エネルギーの大きい第二の保護層を第一の保護層表面に形成することで該炭素環上にカルボン酸基を有するフッ素化合物を用いないでも水分が記録媒体内部へ浸透しない磁気記録媒体を得ることができる。
このような第一の保護層表面の特性は、保護層表面または保護層をドライプロセスにて形成されるフッ素含有の有機化合物にて覆うことで得られ、該有機物のフッ素原子数は炭素原子数に対して0.35〜1.2倍であり、膜厚は2nm以上必要である。
尚、ドライプロセスにて形成される保護層の元素組成にフッ素を導入すると、フッ素と同原子数の水素からなる保護層よりも柔らかくなる。逆に、水素またはフッ素原子を炭素原子や窒素原子や硼素原子と置換すると、これら原子は結合手を3以上持つため膜は化学結合によるネットワーク化により硬くなる。
保護層が柔らかい場合、ヘッドなど接触物に対する接触面積が大きくなるため、同じ表面形状である場合は柔らかい方が摩擦応力を大きくする。柔らかすぎるとスティクション発生するが、摩擦応力が大きくなる理由はヘッドとの接触面積が大きくなることであり、スペーシングロスは低減される。対して硬質膜は保護層の形状維持特性が接触部への反発力を発生するため接触面積は小さくなり、摩擦応力は低減するがスペーシングロスが大きくなる。
本発明によれば、磁気記録媒体表面に撥水撥油性が高く水分等に対して耐浸透性が高い保護層を、表面処理などの特別なプロセスを必要としないで形成することができ、かつ撥水撥油性に優れた保護層にも関わらず潤滑特性に優れた潤滑層を形成できる磁気記録媒体を得ることができる。
以下、本発明の潤滑剤について、磁気記録媒体の構造および製造工程など具体的な例を挙げて説明するが、本発明は、以下に示す例に限定されるものではない。
本発明の磁気記録媒体は複層から構成され、表面の潤滑層から、保護層、磁性層、支持体、バックコート層の順である。保護層はダイヤモンド状硬質炭素膜等の薄膜、磁性層は蒸着で形成されるCo−OやCo−Ni−Oなどの単層または多層構成の強磁性金属薄膜、支持体はポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の高分子フィルムでSiO2,ZnO等の無機超微粒子やイミド等の有機超微粒子等を分散塗布したいわゆる微粒子塗布層を配したものが用いられることが多い。バックコート層は平滑性の良好な、特に薄い磁気テープに良くみられるバックコート層である。
以上のような構成の磁気記録媒体において磁性層の形成は、回転キャンや回転ベルトに沿って移動する、別工程にて溶液塗布法で微粒子塗布層を形成された高分子からなる非磁性支持体上に酸素雰囲気でCo等の磁性材料をある範囲の入射角で電子ビーム蒸着することによる場合が多い。保護層の硬質炭素膜は主にディスク状媒体において活発に利用されていて、製造に当たっては磁気テープに於いても磁気ディスクに於いて開示されている技術を、そのままか若干の修正を加える程度で当てはめることが可能である。
(磁性層)
この下地層を成膜した支持体を冷却回転支持体上で走行させながら、表面に酸素を導入する斜方真空蒸着法によりCoから成る厚さ約50nmの強磁性金属薄膜を磁性層として形成した。
(保護層)
支持体上に下地層、磁性層を順次積層形成した磁性層側へ、炭素を主成分とする硬質炭素の保護層を形成した。保護層はプラズマCVD法によって成膜した。プラズマCVD法による保護層の成膜は真空槽内に請求項1または実施例で示すフッ素含有材料ガスまたは請求項3で示したフッ素を含有しない材料ガスを導入し、トータルガス圧を4.0×10Pa(0.3Torr)に保ちながら、周波数20KHz、電圧1500Vの交流と1000Vの直流を重畳し、これを放電管内の電極に印加してプラズマを形成し、導入材料ガスをプラズマのエネルギーにより一度分解し、カーボンを再結合させることにより厚さ約2nm以上のDLC膜を形成した。この際に、保護層の膜質を改善する目的でN2、H2などの添加ガスを導入しても構わない。真空槽内には冷却装置が配置された冷却キャンロールにより、支持体の磁性膜上への保護膜形成時の温度上昇による支持体の熱変形等を防止している。
尚、フッ素含有ガス材料を用いると保護層が優れた撥水撥油性を示し磁気記録媒体内への水分浸透を防ぐ効果が高いが、該保護層表面に潤滑剤を保持することが困難という課題があったが請求項2の潤滑剤はカルボン酸の活性をケクレ環により増大しているため潤滑剤と保護層の密着力を向上し、保護層表面に潤滑剤を保持できる。尚、該カルボン酸は記録媒体内部へ浸透すると錆などの腐食を発生するので、潤滑剤として記録媒体表面に形成すると優れた潤滑効果を得るが、決して記録媒体内部へ浸透させてはならない潤滑剤である。
該撥水撥油性保護層表面に潤滑剤を保持するため、該保護層の表面エネルギーを大きくする目的で窒素などの添加ガスを導入しても構わない。表面エネルギーを大きくした保護層表面はカルボン酸を含まない潤滑剤であっても使用することが可能であるが、カルボン酸を含む優れた潤滑性能をもつ潤滑剤を用いる場合は、第一の保護層は撥水撥油性に優れた層を厚さ2nm以上で形成する必要があることを見出した。
(バックコート層)
次に、バックコート層は、通常、カーボンブラックや、その他の無機粒子よりなる非磁性顔料と、結合剤樹脂とを有機溶媒とともに分散、混練することで調製した塗料を、磁性層形成側とは反対側の面に、塗布、乾燥することにより形成した。この塗布方法により形成されるバックコート層の厚さは、規格で求められる磁気記録媒体の透過率を満足しかつ安定した表面性が得られる厚みとして、約0.3から0.6μm程度とした。バックコート層を形成する塗料は、少なくとも非磁性顔料であるカーボンブラックと、結合剤とを含有してなり、カーボンブラックの平均粒径は20〜50nmであり、結合剤には、スルホン酸金属塩を含有するポリウレタン樹脂が含まれているものとする。上記主成分の他、防錆剤、帯電防止剤等、分散剤、などの添加剤を加えてもよい。
(潤滑層)
次に、本発明の潤滑層材料は、イソプロピルアルコールとフッ素系溶媒とを混合した混合有機溶媒に溶解し、塗布液を、23±5度、70±10%RH環境下で、リバースロールコータを用いて湿式塗布法で塗布した後、乾燥した。表面エネルギーが小さい保護層表面に用いる潤滑剤はカルボン酸を含むフッ素化合物であり、保護層表面処理または保護層材料ガスにより表面エネルギーを大きくした保護層表面に用いる潤滑剤はカルボン酸を含むフッ素化合物であってもカルボン酸を含まないフッ素化合物であっても構わない。
以下、本発明実施例の第一の保護層について具体的に説明する。
本実施例の第一の保護層は上述のDLCに限らず、表面エネルギーが低く請求項の条件を満足する有機化合物をプラズマ処理により表面へ設けた層である。
この様なプラズマ処理は第二の保護層と同様にプラズマCVD法によって成膜した。プラズマCVD法による成膜は真空槽内へフロロアルキル、フロロアルケン、フロロベンゼン、フロロトルエン、フロロキシレンなどのCF系のガスを導入し、トータルガス圧を4.0×10Pa(0.3Torr)に保ちながら、周波数20KHz、電圧1500Vの交流と1000Vの直流を重畳し、これを放電管内の電極に印加してプラズマを形成し、導入ガスをプラズマのエネルギーにより一度分解し、再結合させることにより合計厚さ約10nmの膜を形成した。保護層として表面エネルギーが小さい第一の保護層のみを用いる場合は厚さ10nmとした。保護層として表面エネルギーが小さい第一の保護層の表面に表面エネルギーが大きい第二の保護層を用いる場合は、第一の保護層の膜厚は2〜5nmとし、第一と第二の保護層の合計膜厚を10nmとして第二の保護層膜厚を決めた。
導入ガスは30Pa以下150℃以下で気体となる材料を用いた。また、保護層の膜質を改善する目的と同様にN2、H2などの添加ガス及びN原子やO原子含有の有機化合物を導入しても構わない。
(実施例1)
上述製造方法にて真空槽内へ第一の保護層としてm−フロロトルエン(常圧沸点115度)のガスを導入して合計厚さ約10nmの膜を形成した。用いる有機化合物はガスとして真空槽内へ導入するため常圧での融点が200℃以下の化合物を選択した。
第一の保護層を単体で用いる場合は上記材料にて約10nmの保護層を形成し、第二の保護層を用いる場合は第一の保護層厚みを2nm以上とし、2−メチルピラジンを第二の保護層の材料ガスとして導入し、第一の保護層と同じ条件にて合計厚み10nmとなるように保護層を形成した。
(実施例2)
第一の保護層として1,3,5−トリフルオロベンゼン(常圧沸点75度)を用いた以外は実施例1と同様に磁気記録媒体を作製した。
(実施例3)
第一の保護層として1,2,3−トリフルオロベンゼン(常圧沸点94度)を用いた以外は実施例1、実施例2と同様に磁気記録媒体を作製した。
(実施例4)
第一の保護層としてベンジリデントリフルオライド(常圧沸点102度)を用いた以外は実施例1〜実施例3と同様に磁気記録媒体を作製した。
(実施例5)
第一の保護層としてα,α,α,4−テトラフルオロトルエン(常圧沸点103度)を用いた以外は実施例1〜実施例4と同様に磁気記録媒体を作製した。
(実施例6)
第一の保護層として2,3,4,5,6−ペンタフルオロトルエン(常圧沸点117度)を用いた以外は実施例1〜実施例5と同様に磁気記録媒体を作製した。
(実施例7)
第一の保護層としてm−(トリフルオロメチル)アニリン(常圧沸点187度)を用いた以外は実施例1〜実施例6と同様に磁気記録媒体を作製した。
(実施例8)
第一の保護層として2,6−ジフルオロトルエン(沸点112度−987hPa)を用いた以外は実施例1〜実施例7と同様に磁気記録媒体を作製した。
(実施例9)
第一の保護層として2,3,5,6−テトラフルオロベンゾトリフルオライド(常圧沸点111度)を用いた以外は実施例1〜実施例8と同様に磁気記録媒体を作製した。
(実施例10)
第一の保護層としてヘキサフルオロ−m−キシレン(常圧沸点116度)を用いた以外は実施例1〜実施例9と同様に磁気記録媒体を作製した。
(実施例11)
第一の保護層として3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロ−1−デセン(常圧沸点146度)を用いた以外は実施例1〜実施例10と同様に磁気記録媒体を作製した。
次に、比較例について説明する。比較例は従来の製造方法にて得られた第一の保護層のみからなる磁気記録媒体であり、プラズマ処理に用いた有機化合物の材料ガス以外は実施例と同様である。
(比較例1)
ベンゼン(常圧沸点79度)を用いた以外は実施例と同様に磁気記録媒体を作製した。
(比較例2)
トルエン(常圧沸点111度)を用いた以外は比較例1と同様に磁気記録媒体を作製した。
(比較例3)
p−キシレン(常圧沸点138度)を用いた以外は比較例1、比較例2と同様に磁気記録媒体を作製した。
(比較例4)
2,2,4−トリメチルペンタン(常圧沸点99度)を用いた以外は比較例1〜比較例3と同様に磁気記録媒体を作製した。
(比較例5)
2−メチルヘプタン(常圧沸点118度)を用いた以外は比較例1〜比較例4と同様に磁気記録媒体を作製した。
(比較例6)
N,N−ジエチルアリルアミン(常圧沸点112度)を用いた以外は比較例1〜比較例5と同様に磁気記録媒体を作製した。
(比較例7)
オクタデカフルオロデカハイドロナフタレン(常圧沸点142度)を用いた以外は比較例1〜比較例6と同様に磁気記録媒体を作製した。
(比較例8)
オクタデカフルオロオクタン(常圧沸点104度)を用いた以外は比較例1〜比較例7と同様に磁気記録媒体を作製した。
つぎに、保護層の特性の評価方法について詳細を述べる。保護層は潤滑機能も備えているので、参考のため潤滑層を形成した磁気記録媒体と潤滑層を形成しない磁気記録媒体の特性を評価した。
<撥水撥油性>
撥水撥油性は表面エネルギーにて確認した。表面エネルギーは協和界面科学株式会社製表面自由エネルギー解析システムEG−25を用い、水、ヨウ化メチレン、α−ブロモナフタレンの3種液体の磁気記録媒体表面との接触角から算出した。
<摩擦特性>
静摩擦係数を確認した。
走行時の保護層面へ1回のみRa=70±10nm、7mmφのAlTiC製のシリンダーが角度180度で接する様に配置し、約20mmの磁気記録媒体を23±2度、45±5%RH環境下で、張力0.64Nで10mm、30mm/minで引っ張ったときの摩擦係数を確認した。
<耐浸透性>
記録媒体の耐浸透性を確認した。
(1)記録媒体を50℃80%RH環境で240時間保管した前後の記録媒体表面を顕微鏡200倍で観察した場合に凸形状が観察される記録媒体は耐浸透性『悪い』とした。
(2)0.75規定の水酸化ナトリウム水溶液中に15分浸漬し、記録媒体表面の磁性層などがひび割れたり剥離する記録媒体であって、(1)では凸形状が観察されなかった記録媒体は耐浸透性『良好』とした。
(3)上記(1)及び(2)ともに変化が観察されない磁気記録媒体は耐浸透性『優秀』とした。
Figure 2010020832
実施例1〜実施例11と比較例1〜比較例6の摩擦係数評価結果より、カルボン酸を含まない潤滑剤は磁気記録媒体の耐浸透性が良好だが摩擦係数が大きい。カルボン酸を含む潤滑剤は耐浸透性の低い磁気記録媒体を得てしまう。
また、耐浸透性に優れる表面エネルギーは潤滑剤の形成を阻害する結果、摩擦係数を増大するが、本発明のカルボン酸を含む潤滑剤は表面エネルギーが低くても潤滑剤を形成できる。
更に表面エネルギーの低い第一の保護層表面に第二の保護層を形成することでカルボン酸を含まない潤滑剤も用いることができる。
磁気記録媒体表面に撥水撥油性が高く水分等に対して耐浸透性が高い保護層を、表面処理などの特別なプロセスを必要としないで形成することができ、かつ撥水撥油性に優れた保護層にも関わらず潤滑特性に優れた潤滑層を形成できる磁気記録媒体を得ることができる。

Claims (3)

  1. 非磁性支持体上に強磁性金属材料からなる磁性層が形成され、当該磁性層上にダイヤモンドライクカーボン(DLC)からなる保護層が形成されてなる薄膜型の磁気記録媒体であって、上記磁性層表面に形成される保護層表面を覆うためにドライプロセスに用いるフッ素化合物のフッ素原子数が炭素原子数に対して0.35〜1.2倍で厚さ2nm以上であることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 炭素環上にカルボン酸基を有するフッ素化合物を潤滑剤として用いることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. フッ素原子を含まない第二の保護層が請求項1に記載の保護層表面を厚さ3nm以上で覆うことを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
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