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JP2010015960A - 燃料電池用電解質膜 - Google Patents

燃料電池用電解質膜 Download PDF

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JP2010015960A
JP2010015960A JP2008195476A JP2008195476A JP2010015960A JP 2010015960 A JP2010015960 A JP 2010015960A JP 2008195476 A JP2008195476 A JP 2008195476A JP 2008195476 A JP2008195476 A JP 2008195476A JP 2010015960 A JP2010015960 A JP 2010015960A
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Tetsuya Samura
徹也 佐村
Hiroshi Tabata
洋 田畑
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KYC SOLUTIONS CO Ltd
Kansai Research Institute KRI Inc
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KYC SOLUTIONS CO Ltd
Kansai Research Institute KRI Inc
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Abstract

【課題】 燃料電池用に適した電解質膜として、優れたプロトン伝導度及び優れた機械的強度を有する高分子膜を提供する。
【解決手段】
ポリイソシアネート(a)、一般式(1)で示される30〜120のアミン価を有する芳香環含有ポリアミン(b)及びスルホン化剤(c)を含む原料成分から製造されるスルホン酸基含有芳香族ポリウレア樹脂から構成される燃料電池用電解質膜である。
Figure 2010015960

式中、Rはポリアルキレンポリエーテル、ポリアルキレンポリエステル又はポリアルキレンを表し、Aは酸素原子またはイミノ基を表す。またmは1〜3の整数を表す。
【選択図】なし

Description

本発明は、燃料電池用電解質膜に関する。詳しくはスルホン酸基を有するポリウレア樹脂からなる燃料電池用イオン伝導性高分子膜に関する。
最近の環境問題の点から、クリーンエネルギーの普及・開発が全世界的に大きな課題となっている。低公害、高効率という観点から、燃料電池がその1つとして注目されている。燃料電池とは、水素やメタノール等の燃料を酸素または空気を用いて電気化学的に酸化することにより、燃料の化学エネルギーを電気エネルギーに変換して取り出すものである。燃料電池には、電解液の種類によって、アルカリ形、リン酸形、溶融炭酸塩形、固体電解質形、固体高分子形等、いろいろなタイプの燃料電池があるが、低温で稼動でき、扱い易く、且つ出力密度の高い固体高分子形が電気自動車や家庭等のエネルギー源として注目を集めている。これらの固体高分子形の燃料電池の電解質膜としてはプロトン伝導膜が用いられる。このようなプロトン伝導性高分子電解質膜としては、超強酸基含有フッ素系高分子及び炭化水素系高分子が知られている。これらの高分子電解質膜は出来るだけ薄くすることによって、燃料電池内の内部抵抗を低減できるため高電流で操作でき、そのため燃料電池の小型化が可能である。しかし、前記超強酸基含有フッ素系高分子からなる電解質膜は、膜の強度、特に引き裂き強度が弱いために薄膜化に限界があった。また、炭化水素系高分子からなる電解質膜は比較的安価ではあるが、伝導性や強度、特に引き裂き強度に問題があった。最近では、スルホン酸基を有するポリアミド膜(特許文献1参照)や、スルホン酸基を有するポリイミド膜(特許文献2参照)なども提案されている。しかし、これらの電解質膜であってもやはり強度、特に引き裂き強度に難点があり、従来の電解質膜よりも薄くすることは出来なかった。
特開2002−280019号公報 特開2002−358978号公報
本発明の目的は、燃料電池用に適した電解質膜として、優れたプロトン伝導性及び引き裂き強度を有する高分子膜を提供することである。
本発明者らは、上記問題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち本発明は、ポリイソシアネート(a)、一般式(1)で示される30〜120のアミン価を有する芳香環含有ポリアミン(b)[以下において、芳香環含有ポリアミン(b)又は単に(b)と表記することがある]及びスルホン化剤(c)を含む原料成分から製造されるスルホン酸基含有芳香族ポリウレア樹脂から構成される燃料電池用電解質膜である。
Figure 2010015960
式中、Rはポリアルキレン、ポリアルキレンポリエーテル又はポリアルキレンポリエステルを表し、Aは酸素原子またはイミノ基を表す。またmは1〜3の整数を表す。
本発明の燃料電池用電解質膜は、従来よりも機械的強度に優れており、従来よりも薄い膜厚の電解質膜を形成できるので、優れたプロトン伝導性を示し、燃料電池の小型化に貢献する。
本発明におけるスルホン酸基含有芳香族ポリウレア樹脂の原料成分であるポリイソシアネート(a)としては、通常のものが使用でき、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート及び芳香脂肪族ポリイソシアネートが挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、1,3−及び/又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−及び/又は2,6−トリレンジイソシアネート(以下、TDIと略記する)、4,4’−及び/又は2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIと略記する)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート並びにこれらの誘導体が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、テトラメチレンジイソシアネート及びヘキサメチレンジイソシアネート等;脂環式ポリイソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート(以下、IPDIと略記する)、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート及びメチルシクロヘキシレンジイソシアネート等;芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、m−及び/又はp−キシリレンジイソシアネート並びにα,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等;が挙げられる。
ポリイソシアネート(a)のうち好ましいのは芳香族ポリイソシアネート、さらに好ましいのはMDI及びその誘導体である。
原料成分の一つである芳香環含有ポリアミン(b)を表す一般式(1)において、Rで表される基のうちのポリアルキレンポリエーテルとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド及び/又はテトラヒドロフラン等の開環重合によって得られるポリプロピレンエーテルグリコール、テトラメチレンエーテルグリコール等のポリアルキレンエーテルグリコールから水酸基を除いた残基が挙げられる。
で表される基のうちのポリアルキレンポリエステルとしては、脂肪族グリコールをジカルボン酸と縮合し、鎖延長させて得られるポリエチレンアジペート及びポリプロピレンアジペート等の脂肪族ポリエステルグリコール、並びにε−カプロラクトンの開環重合によって得られるポリエステルグリコール等から水酸基を除いた残基が挙げられる。Rで表される基のうちのポリアルキレンとしては、ポリブタジエングリコールから末端水酸基を除いた残基等が挙げられる。
一般式(1)におけるAのうち好ましいのは酸素原子である。mは1〜3の整数であり、好ましくは1である。
芳香環含有ポリアミン(b)は、30〜120のアミン価、好ましくは40〜90のアミン価を有する。アミン価が30未満では機械的強度が不十分であり、120を超えると引張強度が低下する。
芳香環含有ポリアミン(b)の具体例としては、ポリエチレングリコールビス(4−アミノベンゾエート)、ポリエチレングリコールビス(2−アミノベンゾエート)、ポリエチレングリコールビス(3−アミノベンゾエート)、ポリテトラメチレングリコールビス(4−アミノベンゾエート)、ポリテトラメチレングリコールビス(2−アミノベンゾエート)、ポリプロピレングリコールビス(4−アミノベンゾエート)、ポリプロピレングリコールビス(2−アミノベンゾエート)、ポリ(オキシエチレン−オキシプロピレン)グリコールビス(4−アミノベンゾエート)、ポリオキシブチレングリコールビス(4−アミノベンゾエート)、ポリテトラメチレングリコールビス(3,5−ジアミノベンゾエート)、ポリプロピレンエーテルグリセロールトリス(4−アミノベンゾエート)、ポリプロピレンエーテルペンタエリスリトールテトラキス(4−アミノベンゾエート)、ポリオキシエチレンビス(4−アミノベンズアミド)、ポリオキシプロピレンビス(4−アミノベンズアミド)、ポリオキシプロピレンビス(3,5−ジアミノベンズアミド)、ポリオキシプロピレンエーテルグリセロールトリス(4−アミノベンズアミド)等を例示することができる。これらのうち好ましいのはポリテトラメチレングリコールビス(4−アミノベンゾエート)であり、市販品としては、「エラストマー1000」(イハラケミカル(株)製)がある。
本発明におけるスルホン化剤(c)は、ポリウレア樹脂中にスルホン酸基を導入することができる化合物であり、例えばクロルスルホン酸(c1)、サルトン(c2)、アミノスルホン酸(c3)及びスルホン酸基含有ポリアミン(c4)等が挙げられるが、これらについては後述の製造方法において詳述する。
本発明におけるスルホン酸基含有芳香族ポリウレア樹脂の製造法としては、以下の製造法(1)及び製造法(2)が挙げられる。
製造法(1):
ポリイソシアネート(a)、芳香環含有ポリアミン(b)及び必要により鎖延長剤を用いてワンショット法又はプレポリマー法により、芳香族ポリウレア樹脂を製造し、その後スルホン酸基を導入する方法。
前記製造法(1)としては、以下の3種の製造法が挙げられる。
(1−1)芳香族ポリウレア樹脂中の芳香環をクロルスルホン酸(c1)でスルホン化する方法。
(1−2)芳香族ポリウレア樹脂中の活性水素原子をサルトン(c2)でスルホン化する方法。
(1−3)芳香族ポリウレア樹脂中の活性水素原子とアミノスルホン酸(c3)をジイソシアネートでジョイントさせて末端にスルホン酸基を導入する方法。
製造法(2):
ポリイソシアネート(a)及び芳香環含有ポリアミン(b)を用いてプレポリマーを製造し、鎖延長剤としてスルホン酸基含有ポリアミン(c4)を使用してスルホン酸基を導入する方法。
前記製造法のうち好ましいのは、スルホン酸基当量(スルホン酸基1個当たりの分子量、以下EWと略記する)の観点から製造法(1)のうちの(1−1)及び(1−3)並びに製造法(2)であり、さらに好ましいのは膜の引き裂き強度の観点から製造法(2)である。
製造法(1)のうちのワンショット法は、芳香環含有ポリアミン(b)を予め有機溶媒に溶解しておき、ポリイソシアネート(a)を加えて、室温〜80℃で、1〜10時間反応させて行うことができる。必要によりウレタン化触媒を使用してもよく、触媒としては有機錫化合物又は第3級アミン等が使用できる。有機溶媒としては、イソシアネート基と実質的に非反応性の有機溶剤が挙げられ、ジメチルフォルムアミド(以下、DMFと略記する)、ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン(以下、THFと略記する)、ジオキサン、N−メチルピロリドン、トルエン及び酢酸アルキルエステル等が挙げられる。
製造法(1)のうちのプレポリマー法におけるプレポリマーは、ポリイソシアネート(a)と芳香環含有ポリアミン(b)を、イソシアネート基/アミノ基の当量比が通常2.01〜2.5、好ましくは2.02〜2.1となる割合で反応させることにより製造される。プレポリマーの製造は、通常20℃〜80℃、好ましくは20℃〜60℃の反応で行われ、反応時間は通常2〜10時間である。プレポリマーの製造はイソシアネート基と実質的に非反応性の前記有機溶剤の存在下又は非存在下で行うことができる。プレポリマーは通常1〜10重量%の遊離イソシアネート基含量を有する。
プレポリマー法における鎖延長剤としては、分子中に2個のアミノ基又は水酸基を含有する化合物、例えば、前記一般式(1)と同様の式で表される芳香環含有ポリアミンのうちのアミン価が200〜300のもの{例えば、アミン価が200〜300のポリテトラメチレングリコールビス(4−アミノベンゾエート)等}、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(以下、MOCAと略記する)、トリメチレン−ビス(4−アミノベンゾエート)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(以下、BAPPと略記する)、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン及び9,9’−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン等が挙げられる。鎖延長剤のうち、引き裂き強度の観点から好ましいのは、アミン価が200〜300のポリテトラメチレングリコールビス(4−アミノベンゾエート)、MOCA及びBAPPである。
鎖延長反応は、プレポリマーのイソシアネート基/アミノ基の当量比が通常0.8〜1.3、好ましくは0.9〜1.2、反応温度は通常20℃〜80℃、好ましくは20℃〜60℃の反応で行われ、反応時間は通常2〜10時間である。
前記製造法(1−1)のスルホン化反応は、ポリウレア樹脂の有機溶媒溶液に、0〜50℃で、クロルスルホン酸(c1)を徐々に滴下して行うことができる。クロルスルホン酸(c1)の仕込みモル数は、ポリウレア樹脂中の芳香環のモル数1に対して好ましくは0.5〜2である。
前記製造法(1−2)のスルホン化反応は、ポリウレア樹脂の有機溶媒溶液に水素化ナトリウム等を加えて、−10〜10℃で活性水素原子をナトリウムに置換した後、サルトン(c2)と−5〜70℃で1〜5時間反応させてスルホン化し、スルホン化ナトリウム塩を得て、さらに酸(塩酸等)を加えてスルホン酸を得ることができる。ポリウレア樹脂中の活性水素原子としては、ウレア基及びウレタン基等の活性水素原子が挙げられる。サルトン(c2)としては1,3−プロパンサルトン等が挙げられる。
前記製造法(1−3)のスルホン化反応に使用できるアミノスルホン酸(c3)としては、アルキレン基の炭素数1〜6のアミノアルキレンスルホン酸、例えばアミノメチレンスルホン酸(以下、AMSと略記する)、アミノエチレンスルホン酸(タウリン)及びアミノプロピレンスルホン酸等が挙げられ、AMSが好ましい。これらは使用前に予め第3級アミンで中和して塩にして使用するのが好ましい。第3級アミンとしては1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(以下、DBUと略記する)や1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−7等が挙げられる。また、ジイソシアネートとしては、前記ポリイソシアネート(a)として例示したもののうちのジイソシアネートが挙げられ、好ましいのは脂肪族又は脂環式ジイソシアネートである。スルホン化反応は、ポリウレア樹脂の有機溶媒溶液中にアミノスルホン酸塩とジイソシアネートを加えて、50〜130℃で1〜10時間反応させ、さらに酸(塩酸等)を加えてスルホン酸を得ることができる。ポリウレア樹脂中の活性水素原子の当量数/ジイソシアネートのNCO基の当量数/アミノスルホン酸のNH基の当量数は、好ましくは1/0.5〜1/0.5〜1である。必要によりウレタン化触媒を使用してもよく、触媒としては有機錫化合物又は第3級アミン等が使用できる。
前記製造法(2)は、前記製造法(1)におけるプレポリマーの製造法と同様にして得られたプレポリマーと、鎖延長剤としてのスルホン酸基含有ポリアミン(c4)を反応させる方法である。スルホン酸基含有ポリアミン(c4)としては、2,2’−ベンジジンジスルホン酸(以下、BDSと略記する)等が挙げられる。これらは使用前に予め第3級アミンで中和して塩にして使用するのが好ましい。第3級アミンとしてはDBUや1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−7等が挙げられる。鎖延長反応は、プレポリマーのイソシアネート基/アミノ基の当量比が通常0.8〜1.3、好ましくは0.9〜1.2、反応温度は通常20℃〜80℃、好ましくは20℃〜60℃の反応で行われ、反応時間は通常2〜10時間、さらに酸(塩酸等)を加えてスルホン酸を得ることができる。
本発明におけるスルホン酸基含有芳香族ポリウレア樹脂のスルホン酸基当量(スルホン酸基1個当たりの分子量、以下、EWと略記する)は、好ましくは300〜1300、さらに好ましくは400〜1200である。EWがこの範囲内であると膜の強度とプロトン伝導性を両立し易くなる。EWはスルホン酸基含有芳香族ポリウレア樹脂中の硫黄の元素分析から求められる。
本発明の電解質膜は、前記のようにして得られたスルホン酸基含有ポリウレア樹脂を洗浄及び必要により精製して得られる粉末状樹脂を、更にシート状に成形して得られるものである。洗浄は、イオン交換水、メタノール、アセトン等で行われ、精製はDMFに溶解後、大量のメタノールに投入し、濾過、乾燥することにより行われる。シート状への成形は、粉末状樹脂を溶媒(例えばDMF)に溶解し、バーコーターやスピンコートし30〜80℃で乾燥した後、シートを剥がすことにより得ることができる。
本発明の電解質膜は、その構成成分であるスルホン酸基含有ポリウレア樹脂の物理的強度、特に引張強度が優れているため、膜厚を薄くすることができ、膜厚は通常3〜50ミクロン、好ましくは5〜40ミクロンである。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
スルホン酸基当量(EW)の測定法:
試料中の硫黄原子含有量を元素分析(燃焼法)で測定し、スルホン酸基に換算して算出した。
プロトン伝導度の測定法:
短冊状の電解質膜の表面に5mm間隔で白金線(直径0.2mm)を押しあてて電極とし、交流(1kHz)を印加した時の抵抗をインピーダンスアナライザーで測定した。電極間隔と抵抗の傾き(R)、電解質膜の厚さ(t)、電解質膜の幅(D)から1/(R×T×D)によりプロトン伝導度を求めた。測定は80℃、湿度95%で行った。
引張強度の測定法:
オートグラフ(島津製作所製「AG−X型」)で室温で測定した。
実施例1
撹拌機、窒素導入管、滴下ロート付き500cc三つ口フラスコにTHFを136.8g、「エラストマー1000」(イハラケミカル工業(株)製、アミン価89)を12.6g及びMDI(三井化学ポリウレタン(株)製)を2.6gを加え、窒素気流中(以下の実施例及び比較例の全ての反応も窒素気流中)、60℃で3時間反応させポリウレア樹脂を合成した。この溶液にクロルスルホン酸4.6gを滴下し室温で3時間反応した。この溶液をテフロンシャーレに入れ60℃で減圧乾燥し膜を得た。この膜をイオン交換水で洗浄液が中性になるまで洗浄し、60℃で減圧乾燥し電解質膜とした。EWは1132、プロトン伝導度は2.8×10−5S/cm、引張強度は31MPaであった。なお、EWから計算すると芳香環4個当たりスルホン酸基が2個導入されていることになる。
実施例2
撹拌機、窒素導入管付き500cc三つ口フラスコに前記「エラストマー1000」を12.6g、MDIを5.1gを加え、40℃で1時間反応させプレポリマーを合成した。このプレポリマーにDMFを10g加え均一溶液とした(以下、溶液Aと略す)。この溶液AにMOCAを2.7g加え室温で1時間反応した後、更にDMF174g加え均一溶掖とした。この均一溶液にクロルスルホン酸6.9gを滴下し室温で3時間反応した。得られた溶液をテフロンシャーレに入れ60℃で減圧乾燥し膜を得た。この膜をイオン交換水で洗浄液が中性になるまで洗浄し、60℃で減圧乾燥し電解質膜とした。EWは507、プロトン伝導度は1.5×10−3S/cm、引張強度は22MPaであった。なお、EWから計算すると芳香環8個当たりスルホン酸基が6個導入されていることになる。
実施例3
実施例2と同様にして得られた溶液Aに、DBUで中和したBDSを6.48g加え、室温で3時間反応した。この溶液に更にDMFを208g加え均一溶液とした。この溶液をテフロンシャーレに入れ60℃で減圧乾燥し膜を得た。この膜を10%塩酸水溶液に室温で10時間、浸漬し、イオン交換水で洗浄液が中性になるまで洗浄し、60℃で減圧乾燥し電解質膜とした。EWは1007、プロトン伝導度は8.7×10−5S/cm、引張強度は35MPaであった。
実施例4
実施例2と同様にして得られた溶液Aに、IPDIを8.8gとDBUで中和したAMSを10.4g加え、50℃で5時間反応した。この溶液に更にDMFを322g加え均一溶液とした。この溶液をテフロンシャーレに入れ60℃で減圧乾燥し膜を得た。この膜を10%塩酸水溶液に室温で10時間、浸漬し、イオン交換水で洗浄液が中性になるまで洗浄し、60℃で減圧乾燥し電解質膜とした。EWは528、プロトン伝導度は4.2×10−4S/cm、引張強度は25MPaであった。
比較例1
撹拌機、窒素導入管、滴下ロート付き500cc三つ口フラスコに、ジメチルアセトアミド180ml、2,5−ジアミノベンゼンスルホン酸10g、塩化リチウム4.7g及びピリジン12.6gを仕込み、100℃で溶解させた。その後、−5℃に冷却し、テレフタル酸クロライド10.8gを60mlのジメチルアセトアミドに溶解した溶液を徐々に加えて、室温で15時間反応させた。生成物をメタノール中に沈殿させて、ろ過して、洗浄し、60℃で減圧乾燥して比較の電解質膜(ポリアミド樹脂系電解質膜)を得た。EWは337、プロトン伝導度は4.4×10−6S/cm、引張強度は17MPaであった。
本発明の燃料電池用電解質膜は、各種の用途の燃料電池、例えば自動車用、移動通信体用及び家庭用等の燃料電池の電解質膜として利用できる。

Claims (5)

  1. ポリイソシアネート(a)、一般式(1)で示される30〜120のアミン価を有する芳香環含有ポリアミン(b)及びスルホン化剤(c)を含む原料成分から製造されるスルホン酸基含有芳香族ポリウレア樹脂から構成される燃料電池用電解質膜。
    Figure 2010015960
    (式中、Rはポリアルキレンポリエーテル、ポリアルキレンポリエステル又はポリアルキレンを表し、Aは酸素原子またはイミノ基を表す。またmは1〜3の整数を表す。)
  2. 前記スルホン酸基含有芳香族ポリウレア樹脂が、前記ポリウレア樹脂中の芳香環をクロルスルホン酸(c1)でスルホン化して得られるスルホン酸基含有芳香族ポリウレア樹脂である請求項1記載の燃料電池用電解質膜。
  3. 前記スルホン酸基含有芳香族ポリウレア樹脂が、前記ポリウレア樹脂中の活性水素原子とアミノスルホン酸(c3)をジイソシアネートでジョイントさせて末端にスルホン酸基を導入して得られるスルホン酸基含有芳香族ポリウレア樹脂である請求項1記載の燃料電池用電解質膜。
  4. 前記スルホン酸基含有芳香族ポリウレア樹脂が、前記ポリイソシアネート及び前記芳香環含有ポリアミンから製造されるウレタンプレポリマーに、鎖延長剤としてスルホン酸基含有ポリアミン(c4)を加えて鎖延長させて得られたスルホン酸基含有芳香族ポリウレア樹脂である請求項1記載の燃料電池用電解質膜。
  5. スルホン酸基含有芳香族ポリウレア樹脂のスルホン酸基当量(スルホン酸基1個当たりの分子量)が300〜1300である請求項1〜4のいずれか記載の燃料電池用電解質膜。
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