JP2010006139A - ハイブリッド駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高速走行時における第1モータジェネレータMG1の力行制御を回避しつつ一層燃費が向上させられるとともに、車両への搭載性が良好であるハイブリッド駆動装置10を提供する。
【解決手段】ハイブリッド駆動装置10は、4要素複合スプリットタイプの電気式差動部50と、第1入力要素RM3から動力が入力されたときは変速比が1の低速側ギヤ段Lを成立させ、第2出力要素RM4から動力が入力されたときは変速比が1より小さいの高速側ギヤ段Hを成立させる遊星歯車式自動変速機20と、低速走行モードでは遊星歯車式自動変速機20を低速側ギヤ段Lとする第1クラッチC1と、高速走行モードでは遊星歯車式自動変速機20を高速側ギヤ段Hとする第2クラッチC2とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】ハイブリッド駆動装置10は、4要素複合スプリットタイプの電気式差動部50と、第1入力要素RM3から動力が入力されたときは変速比が1の低速側ギヤ段Lを成立させ、第2出力要素RM4から動力が入力されたときは変速比が1より小さいの高速側ギヤ段Hを成立させる遊星歯車式自動変速機20と、低速走行モードでは遊星歯車式自動変速機20を低速側ギヤ段Lとする第1クラッチC1と、高速走行モードでは遊星歯車式自動変速機20を高速側ギヤ段Hとする第2クラッチC2とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、2モータ機械分配式のハイブリッド駆動装置に関するものであり、特に、高速走行時における燃費の向上を図る技術に関するものである。
原動機に連結された入力要素と、第1電動機に連結された反力要素と、駆動輪に動力伝達可能に連結された出力要素とを備え、その第1電動機の運転状態が制御されることにより、上記入力要素の回転速度と上記出力要素の回転速度との差動状態が制御される電気式差動部と、電気式差動部の出力要素から駆動輪までの動力伝達経路に、変速比の異なる複数の変速段を有する遊星歯車式自動変速機構を介して動力伝達可能に連結された第2電動機とを有するハイブリッド駆動装置が知られている。例えば特許文献1に記載されたハイブリッド駆動装置がそれである。
国際公開第2005/000620号パンフレット
このような2モータ機械分配式のハイブリッド駆動装置においては、第2電動機を力行制御して車両を走行させるEV運転モードや、第1電動機を発電制御するとともに、その発電制御で得られた電気エネルギーで第2電動機を力行制御して車両を走行させるアシスト運転モードの他、第1電動機を逆回転方向へ力行制御することにより、エンジン回転速度を燃費等に応じて定められた所定の低回転に維持しつつ、ハイブリッド駆動装置の出力軸回転速度を大幅に上昇させて車両を高速走行させるオーバードライブ運転モード等の複数の運転モードを有する。
ところで、前記オーバードライブ運転モードでは、前述のように、前記電気式差動部の出力要素に連結されたハイブリッド駆動装置の出力軸の回転速度を高回転とするために、前記電気式差動部の反力要素に連結された第1電動機を逆回転方向に力行制御すなわち逆転力行させる必要がある。この第1電動機の力行制御のためのエネルギーは、例えば第2電動機による発電制御により得られた電気エネルギーあるいは予めバッテリーに蓄えられた電気エネルギーが用いられるので、エネルギー循環あるいはエネルギーの持ち出しとなり、エネルギー効率すなわち伝達効率が悪くなって燃費が悪化する。
かかる燃費の悪化に対し、従来の前進走行時における運転モードに相当する第1モードと、高速域においてその第1モードから切り換えられ、上記第1電動機を力行制御させずに車両を高速走行させるための第2モードとを含む運転モードが備えられたハイブリッド駆動装置が提案されている。例えば特許文献2に記載されたハイブリッド駆動装置がそれである。これによれば、高速走行域において第1電動機を逆転力行させることがないので、その逆転力行に起因して伝達効率が悪化することがない。
特開2000−150627号公報
ところが、上記特許文献2に記載されたハイブリッド駆動装置において、前記遊星歯車式自動変速機構は、前記電気式差動部からの動力を減速して出力軸へ伝達するか、あるいは上記動力を直結状態で出力軸へ伝達する設定であるので、さらなる燃費向上のためには、動力伝達経路においてハイブリッド駆動装置の下流に位置する終減速機のファイナルギヤ比(終減速比)をよりハイギヤに設定(ギヤ比を小さく設定)する必要がある。しかし、これによれば、車両を駆動させるために必要な出力が増大することから、第1電動機および第2電動機が大型化し、車両への搭載性の悪化や重量増大となるので好ましくない。また、上記ファイナルギヤ比のハイギヤ化は、一般的に、強度低下を防ぐために、ファイナルギヤ対のうちのドリブンギヤ(例えばデフリング)径を維持したままドライブギヤ(例えばドライブピニオン)径を大径化させることにより行われるため、そのドライブギヤによる引き摺り損失や噛み合い摩擦損失が増加し、ハイギヤ化したことによる燃費向上効果が十分にでないという問題がある。
本発明は以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、高速走行時における電動機の力行制御を回避しつつ一層燃費が向上させられるとともに、車両への搭載性が良好であるハイブリッド駆動装置を提供することにある。
本発明は以上の事情を背景として為されたものであり、請求項1にかかる発明の要旨とするところは、(a) 原動機に連結された入力要素と、第1電動機に連結された反力要素と、第2電動機に連結された第1出力要素と、第2出力要素とを備え、該第1電動機の運転状態が制御されることにより、該入力要素の回転速度と該第1出力要素および第2出力要素の回転速度との差動状態が制御される電気式差動部と、(b) 該電気式差動部の第1出力要素および第2出力要素と駆動輪との間に設けられ、該第1出力要素から動力が入力されたときは第1変速比の低速側ギヤ段を成立させ、該第2出力要素から動力が入力されたときは該第1変速比より小さい第2変速比の高速側ギヤ段を成立させる2段の変速段を有する遊星歯車式自動変速機と、(c) 前記電気式差動部の第1出力要素から前記遊星歯車式自動変速機への第1入力経路に設けられ、低速走行モードでは該第1出力要素からの動力を該遊星歯車式自動変速機へ入力させて該遊星歯車式自動変速機を低速側ギヤ段とする第1クラッチと、(d) 前記電気式差動部の第2出力要素から前記遊星歯車式自動変速機への第2入力経路に設けられ、高速走行モードでは該第2出力要素からの動力を該遊星歯車式自動変速機へ入力させて該遊星歯車式自動変速機を高速側ギヤ段とする第2クラッチとを、含むことにある。
また、請求項2に係る発明の要旨とするところは、請求項1に係る発明において、前記電気式差動部は、前記第1電動機に連結された第1サンギヤと、前記原動機に連結された第1キャリヤと、前記第2電動機および第1入力経路に連結された第1リングギヤとを有するシングルピニオン型の第1遊星歯車装置と、前記第2入力経路に連結された第2サンギヤと、前記第1入力経路に連結された第2キャリヤと、前記第1キャリヤおよび原動機に連結された第2リングギヤとを有するダブルピニオン型の第2遊星歯車装置とを、備え、前記低速走行モードでは、前記第1リングギヤおよび第2キャリヤから前記第1入力経路へ動力を伝達し、前記高速走行モードでは、前記第2サンギヤから前記第2入力経路へ動力を伝達するものであることにある。
また、請求項3に係る発明の要旨とするところは、請求項1または2に係る発明において、前記遊星歯車式自動変速機は、非回転部材に連結された第3サンギヤと、前記駆動輪および第1クラッチに連結された第3キャリヤと、前記第2クラッチに連結された第3リングギヤとを有するダブルピニオン型遊星歯車装置を備え、前記低速走行モードでは、該第3キャリヤに動力が入力されて該第3キャリヤから出力する変速比が1の低速側ギヤ段を成立させ、前記高速走行モードでは、前記第3リングギヤに動力が入力されて該第3キャリヤから出力する変速比が1より小さい高速側ギヤ段を成立させるものであることにある。
また、請求項4に係る発明の要旨とするところは、請求項1乃至3に係る発明において、前記電気式差動部および遊星歯車式自動変速機は、前記低速走行モードにおいて前記電気式差動部の第1出力要素から動力が入力される前記遊星歯車式自動変速機の第1入力部材と該第1出力要素との回転、および前記高速走行モードにおいて前記電気式差動部の第2出力要素から動力が入力される前記遊星歯車式自動変速機の第2入力部材と該第2出力要素との回転が、前記第1電動機の零回転またはその零回転付近において同時にそれぞれ同期状態となるように設定されていることにある。
また、請求項5に係る発明の要旨とするところは、請求項4に係る発明において、前記低速走行モードと高速走行モードとの切り換えは、前記第1入力部材と第1出力要素との回転、および前記第2入力部材と第2出力要素との回転がそれぞれ同期状態であるときに、前記第1クラッチおよび第2クラッチの係合状態が相互に切り換えられることにより行われることにある。
また、請求項6に係る発明の要旨とするところは、請求項1乃至5に係る発明において、前記第1クラッチおよび第2クラッチは、噛合クラッチであることにある。
また、請求項7に係る発明の要旨とするところは、請求項1乃至6に係る発明において、前記第1電動機、電気式差動部、第2電動機、および遊星歯車式自動変速機は、円筒状のハウジング内において共通の一軸心方向に沿って順に直列に配設されていることにある。
請求項1に係る発明のハイブリッド駆動装置によれば、そのハイブリッド駆動装置は、原動機に連結された入力要素と、第1電動機に連結された反力要素と、第2電動機に連結された第1出力要素と、第2出力要素とを備え、該第1電動機の運転状態が制御されることにより、該入力要素の回転速度と該第1出力要素および第2出力要素の回転速度との差動状態が制御される電気式差動部と、該電気式差動部の第1出力要素および第2出力要素と駆動輪との間に設けられ、該第1出力要素から動力が入力されたときは第1変速比の低速側ギヤ段を成立させ、該第2出力要素から動力が入力されたときは該第1変速比より小さい第2変速比の高速側ギヤ段を成立させる2段の変速段を有する遊星歯車式自動変速機と、前記電気式差動部の第1出力要素から前記遊星歯車式自動変速機への第1入力経路に設けられ、低速走行モードでは該第1出力要素からの動力を該遊星歯車式自動変速機へ入力させて該遊星歯車式自動変速機を低速側ギヤ段とする第1クラッチと、前記電気式差動部の第2出力要素から前記遊星歯車式自動変速機への第2入力経路に設けられ、高速走行モードでは該第2出力要素からの動力を該遊星歯車式自動変速機へ入力させて該遊星歯車式自動変速機を高速側ギヤ段とする第2クラッチとを、含む。このことから、上記ハイブリッド駆動装置を備える車両において、低速走行モードで走行している車両の走行速度が第1電動機の発電制御や原動機の出力制御等により低速側から高速側へ移行する際、上記第1電動機が逆転力行(力行制御)させられる前に第1クラッチおよび第2クラッチの係合状態を切り換えることにより、上記低速走行モードにて成立している低速側ギヤ段よりも変速比が小さい高速側ギヤ段が成立させられる高速走行モードへ切り換えて走行できるので、高速走行時における電動機の力行制御を回避しつつ一層燃費が向上させられる。また、燃費向上のために終減速機のファイナルギヤ比をよりハイギヤに設定する必要がないので、車両への搭載性が損なわれることがない。
また、請求項2に係る発明のハイブリッド駆動装置によれば、前記電気式差動部は、前記第1電動機に連結された第1サンギヤと、前記原動機に連結された第1キャリヤと、前記第2電動機および第1入力経路に連結された第1リングギヤとを有するシングルピニオン型の第1遊星歯車装置と、前記第2入力経路に連結された第2サンギヤと、前記第1入力経路に連結された第2キャリヤと、前記第1キャリヤおよび原動機に連結された第2リングギヤとを有するダブルピニオン型の第2遊星歯車装置とを、備え、前記低速走行モードでは、前記第1リングギヤおよび第2キャリヤから前記第1入力経路へ動力を伝達し、前記高速走行モードでは、前記第2サンギヤから前記第2入力経路へ動力を伝達するものである。このことから、上記ハイブリッド駆動装置を備える車両において、低速走行モードで走行している車両の走行速度が第1電動機の発電制御御等により低速側から高速側へ移行する際、上記第1電動機が逆転力行させられる前に第1クラッチおよび第2クラッチの係合状態を切り換えることにより、前記高速側ギヤ段が成立させられる高速走行モードへ切り換えられ、その後、第1電動機の回転速度を発電制御等により正回転方向に増速させることにより、走行速度をさらに高めて走行できるので、高速走行時における電動機の力行制御を回避しつつ一層燃費が向上させられる。また、燃費向上のために終減速機のファイナルギヤ比をよりハイギヤに設定する必要がないので、車両への搭載性が損なわれることがない。
また、請求項3に係る発明のハイブリッド駆動装置によれば、前記遊星歯車式自動変速機は、非回転部材に連結された第3サンギヤと、前記駆動輪および第1クラッチに連結された第3キャリヤと、前記第2クラッチに連結された第3リングギヤとを有するダブルピニオン型遊星歯車装置を備え、前記低速走行モードでは、該第3キャリヤに動力が入力されて該第3キャリヤから出力する変速比が1の低速側ギヤ段を成立させ、前記高速走行モードでは、前記第3リングギヤに動力が入力されて該第3キャリヤから出力する変速比が1より小さい高速側ギヤ段を成立させるものである。このことから、上記ハイブリッド駆動装置を備える車両において、変速比が1の低速側ギヤ段が成立させられている低速走行モードで走行している車両の走行速度が第1電動機の発電制御等により低速側から高速側へ移行する際、上記第1電動機が逆転力行させられる前に第1クラッチおよび第2クラッチの係合状態を切り換えることにより、変速比が1よりも小さい高速側ギヤ段が成立させられる高速走行モードへ切り換えて走行できるので、高速走行時における電動機の力行制御を回避しつつ一層燃費が向上させられる。また、上記ハイブリッド駆動装置は、2つの電動機、2つのクラッチ、および3つの遊星歯車装置を主体とする比較的少ない部品からコンパクトに構成されるので、車両への搭載性が損なわれることなく且つ安価に製造可能である。
また、請求項4に係る発明のハイブリッド駆動装置によれば、前記電気式差動部および遊星歯車式自動変速機は、前記低速走行モードにおいて前記電気式差動部の第1出力要素から動力が入力される前記遊星歯車式自動変速機の第1入力部材と該第1出力要素との回転、および前記高速走行モードにおいて前記電気式差動部の第2出力要素から動力が入力される前記遊星歯車式自動変速機の第2入力部材と該第2出力要素との回転が、前記第1電動機の零回転またはその零回転付近において同時にそれぞれ同期状態となるように設定されている。このことから、上記ハイブリッド駆動装置を備える車両において、低速走行モードで走行している車両の走行速度が第1電動機の発電制御等により低速側から高速側へ移行する際、上記第1電動機が逆転力行させられる前であって、上記第1入力部材と第1出力要素との回転、および上記第2入力部材と第2出力要素との回転がそれぞれ同期状態であるときに第1クラッチおよび第2クラッチの係合状態を切り換えることにより、変速比が1よりも小さい高速側ギヤ段が成立させられる高速走行モードへ切り換えて走行できるので、高速走行時における電動機の力行制御を回避しつつ一層燃費が向上させられる。また、燃費向上のために終減速機のファイナルギヤ比をよりハイギヤに設定する必要がないので、車両への搭載性が損なわれることがない。また、上記低速走行モードから高速走行モードへの切り換えは、上記同期状態である時に切り換えられるので、その切り換えに伴う変速ショックが発生しないという利点がある。
また、請求項5に係る発明のハイブリッド駆動装置によれば、前記低速走行モードと高速走行モードとの切り換えは、前記第1入力部材と第1出力要素との回転、および前記第2入力部材と第2出力要素との回転がそれぞれ同期状態であるときに、前記第1クラッチおよび第2クラッチの係合状態が相互に切り換えられることにより行われることから、上記切り換えは、所謂同期切換であるので、その切り換えに伴って変速ショックが発生しない。
また、請求項6に係る発明のハイブリッド駆動装置によれば、前記第1クラッチおよび第2クラッチは、噛合クラッチであることから、電気式差動部から遊星歯車式自動変速機への動力伝達に際して、例えば摩擦係合装置等を用いたときに発生する摩擦損失等が発生しないので、さらに伝達効率を向上することができる。
また、請求項7に係る発明のハイブリッド駆動装置によれば、前記第1電動機、電気式差動部、第2電動機、および遊星歯車式自動変速機は、円筒状のハウジング内において共通の一軸心方向に沿って順に直列に配設されていることから、第1電動機および第2電動機をそのハウジング内に収納することが可能となる。このため、部品点数を減らしてコストを低減することができるとともに、剛性が向上し、騒音あるいは振動の発生を低減することができる。
以下、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明の一実施例のハイブリッド駆動装置10の骨子図を含む、車両の動力伝達装置12の概略を説明する図である。この動力伝達装置12は、FR(フロントエンジン・リアドライブ)型の駆動方式の車両に好適に採用されるものである。図1において、上記動力伝達装置12では、ハイブリッド駆動装置10で発生させられたトルク(動力)が、ハイブリッド駆動装置10の出力部材としての出力軸14から差動歯車装置16等を介して左右一対の駆動輪17に伝達されるようになっている。なお、ハイブリッド駆動装置10は、出力軸14に対して略対称的に構成されているため、図1ではそれらの下半分が省略されて示されている。
上記ハイブリッド駆動装置10は、主動力源である第1駆動力発生源18と、その第1駆動力発生源18と出力軸14との間に設けられた遊星歯車式自動変速機20とを備えている。このハイブリッド駆動装置10では、上記第1駆動力発生源18において発生させられたトルクが、2つの動力伝達経路すなわち第1入力経路RT1および第2入力経路RT2のうちの1つを介して、遊星歯車式自動変速機20へ伝達されるようになっている。また、ハイブリッド駆動装置10は、第1駆動力発生源18と遊星歯車式自動変速機20との間の上記第1入力経路RT1に設けられ、走行のための駆動力を出力する力行制御およびエネルギーを回収するための発電制御を選択的に実行可能である第2駆動力発生源としての第2モータジェネレータMG2(第2電動機)を備えている。この第2モータジェネレータMG2は、第1駆動力発生源18とともに、遊星歯車式自動変速機20を介して出力軸14に連結されている。したがって、上記第1駆動力発生源18および第2モータジェネレータMG2から出力軸14へ出力されるトルク容量が、遊星歯車式自動変速機20で設定される変速比(=遊星歯車式自動変速機20の入力部材の回転速度/出力軸14の回転速度(出力軸回転速度NOUT))に応じて増減させられる。なお、上記第2モータジェネレータMG2および後述の第1モータジェネレータ(第1電動機)MG1は、何れも発電機としても電動モータとしても機能するものである。
第1駆動力発生源18は、主動力源としてのエンジン(原動機)26と、第1モータジェネレータMG1と、これらエンジン26と第1モータジェネレータMG1との間でトルクを合成もしくは分配するための動力分配機構としての遊星歯車装置28とを主体として構成されている。上記エンジン26は、燃料を燃焼させて動力を出力するガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの公知の内燃機関であって、マイクロコンピュータを主体とするエンジン制御用の電子制御装置(E−ECU)30によって、スロットル弁開度や吸入空気量、燃料供給量、点火時期などの運転状態が要求駆動力を満足させつつ高効率となるように電気的に制御されるように構成されている。この電子制御装置30には、アクセルペダル31のアクセル操作量Accを検出するアクセル操作量センサ32、ブレーキペダル33の操作の有無を検出するためのブレーキセンサ34、エンジン26のエンジン回転速度NEを検出するエンジン回転速度センサ35等から検出信号が供給される。
前記第1モータジェネレータMG1および第2モータモジュレータMG2は、駆動トルクを発生させる電動モータとしての機能と発電機としての機能とが選択的に得られるように構成され、インバータ36および37を介してバッテリー、コンデンサなどの蓄電装置38に接続されている。そして、マイクロコンピュータを主体とするモータジェネレータ制御用の電子制御装置(MG−ECU)40によってそのインバータ36および37が制御されることにより、第1モータジェネレータMG1および第2モータジェネレータMG2の出力トルクあるいは発電トルク(回生トルク)が調整或いは設定されるようになっている。この電子制御装置40には、シフトレバー41の操作位置を検出する操作位置センサ42、第1モータジェネレータMG1の回転速度NMG1を検出するMG1回転速度センサ44、および第2モータジェネレータMG2の回転速度NMG2を検出するMG2回転速度センサ45等から検出信号が供給される。
前記遊星歯車装置28は、シングルピニオン型の第1遊星歯車装置46とダブルピニオン型の第2遊星歯車装置48とを備えており、エンジン26や遊星歯車式自動変速機20と同心に設けられている。第1遊星歯車装置46は、第1モータジェネレータMG1に連結された第1サンギヤS1と、その第1サンギヤS1に対して略同心に配置され、第2モータジェネレータMG2および第1入力経路RT1に連結された第1リングギヤR1と、これら第1サンギヤS1および第1リングギヤR1に噛み合う複数の第1ピニオンギヤを自転可能かつ第1サンギヤS1まわりの公転可能に支持するとともに、エンジン26の出力部材に連結された第1キャリアCA1とを有している。また、第2遊星歯車装置48は、第2入力経路RT2に連結された第2サンギヤS2と、複数の互いに噛み合う一対の第2ピニオンギヤを自転可能および第2サンギヤS2まわりの公転可能に支持するとともに、第1リングギヤR1および第1入力経路RT1に連結された第2キャリヤCA2と、その第2ピニオンギヤを介して第2サンギヤS2と噛み合うとともに第2サンギヤS2に対して同心に配置され、第1キャリヤCA1およびエンジン26の出力部材に連結された第2リングギヤR2とを有している。なお、本実施例では、上記第1キャリヤCA1および第2リングギヤR2は、エンジン26の出力部材に対して直接的に連結されているが、脈動吸収ダンパー(振動減衰装置)やトルクコンバータ等を介して間接的に連結されてもよい。
この遊星歯車装置28では、一部が互いに連結されることによって4つの回転要素が構成されている。具体的には、エンジン26に連結された第1キャリヤCA1および第2リングギヤR2が互いに一体的に連結されて成る入力要素RM1と、第1モータジェネレータMG1に連結された第1サンギヤS1から成る反力要素RM2と、第2モータジェネレータMG2に連結された第1リングギヤR1および第2キャリヤCA2が互いに一体的に連結されて成る第1出力要素RM3と、第2入力経路RT2に連結された第2サンギヤS2から成る第2出力要素RM4とが構成されている。なお、第1遊星歯車装置46および第2遊星歯車装置48は、それらの各部材の連結関係を適宜変更可能であり、また、シングルピニオン型あるいはダブルピニオン型の遊星歯車装置を適宜選択して用いることも可能である。
本実施例では、遊星歯車装置28および第1モータジェネレータMG1によって電気式差動部50が構成されている。この電気式差動部50は、エンジン26に連結された入力要素RM1と、第1モータジェネレータMG1に連結された反力要素RM2と、第1入力経路RT1および第2モータジェネレータMG2に連結された第1出力要素RM3と、第2入力経路RT2に連結された第2出力要素RM4とを備え、第1モータジェネレータMG1の運転状態が制御されるすなわち力行制御あるいは発電制御が実行されることにより、上記入力要素RM1の回転速度と第1出力要素RM3および第2出力要素RM4の回転速度との差動状態が制御されるものである。
図2は、トルク合成分配機構として機能する遊星歯車装置28の各回転要素RM1〜RM4の回転速度の相対関係を示す共線図である。図2において、縦軸RM1、縦軸RM2、縦軸RM3、および縦軸RM4は、入力要素RM1(第1キャリヤCA1、第2リングギヤR2)の回転速度、反力要素RM2(第1サンギヤ)の回転速度、第1出力要素(第1リングギヤR1、第2キャリヤCA2)の回転速度、および第2出力要素(第2サンギヤS2)の回転速度をそれぞれ表す軸である。また、図2において、縦軸RM2、縦軸RM1、縦軸RM3の相互の間隔は、縦軸RM2と縦軸RM1との間隔をaとした場合、縦軸RM1と縦軸RM3との間隔がa*ρ1(ρ1=第1サンギヤS1の歯数/第1リングギヤR1の歯数)となるように設定されており、縦軸RM4、縦軸RM1、縦軸RM3の相互の間隔は、縦軸RM4と縦軸RM3との間隔をbとした場合、縦軸RM1と縦軸RM3との間隔がb*ρ2(ρ2=第2サンギヤS2の歯数/第2リングギヤR2の歯数)となるように設定されている。
遊星歯車装置28において、入力要素RM1に入力されるエンジン26の出力トルクに対して、第1モータジェネレータMG1による反力トルクが反力要素RM2に入力されると、第1出力要素RM3および第2出力要素RM4には、その反力トルクの大きさに応じて、その出力トルクより大きいトルクまたは小さいトルクが現れる。また、第1出力要素RM3または第2出力要素RM4の回転速度が一定であるとき、第1モータジェネレータMG1の回転速度NMG1を上下に変化させることにより、エンジン回転速度NEを連続的に(無段階に)変化させることができる。すなわち、第1出力要素RM3および第2出力要素RM4の回転速度(遊星歯車式自動変速機20の入力部材の回転速度)に対するエンジン回転速度NEの変速比を、第1モータジェネレータMG1の回転速度NMG1を制御することにより無段階で変更することができるのである。図2の破線は、第1モータジェネレータMG1の回転速度NMG1を実線で示す値から下げたときに、エンジン回転速度NEが低下する状態を示している。これにより、エンジン回転速度NEを例えば燃費が最もよい回転速度に設定する制御を、第1モータジェネレータMG1を制御することによって実行することができる。この種のハイブリッド形式は、機械分配式あるいはスプリットタイプと称される。特に、本実施例の場合は、2つの電動機を有し且つトルク合成分配機構として機能する遊星歯車装置28が4つの回転要素から成る、2モータ型4要素複合スプリットタイプである。
図1に戻って、前記遊星歯車式自動変速機20は、電気式差動部50の第1出力要素RM3および第2出力要素RM4と出力軸14との間に設けられ、電気式差動部50の第1出力要素RM3から動力が入力されたときは、変速比(第1変速比)が1の低速側ギヤ段Lを成立させ、電気式差動部50の第2出力要素RM4から動力が入力されたときは、変速比(第2変速比)が1より小さい高速側ギヤ段Hを成立させる2段の変速段を有するものである。具体的には、遊星歯車式自動変速機20は、出力軸14と同心に設けられ、非回転部材であるハウジング52に位置固定に連結された第3サンギヤS3と、複数の互いに噛み合う一対の第3ピニオンギヤを自転可能および第3サンギヤS3まわりの公転可能に支持するとともに、出力軸14に連結され且つ第1入力経路RT1に第1クラッチC1を介して間接的に連結された第3キャリヤCA3と、その第3ピニオンギヤを介して第3サンギヤS3と噛み合うとともに第3サンギヤS3に対して同心に配置され、第2入力経路RT2に第2クラッチを介して間接的に連結された第3リングギヤR1とを、有するダブルピニオン型遊星歯車装置53を備えている。そして、第1クラッチC1が係合させられ且つ第2クラッチC2が解放させられたときは、電気式差動部50の第1出力要素RM3から第1入力経路RT1および第1クラッチC1を介して第3キャリアCA3に動力が入力されて、その第3キャリヤCA3から動力を出力する低速側ギヤ段Lが成立させられ、第1クラッチC1が解放させられ且つ第2クラッチC2が係合させられたときは、電気式差動部50の第2出力要素RM4から第2入力経路RT2および第2クラッチC2を介して第3リングギヤR3に動力が入力されて、その第3キャリアCA3から動力を出力する高速側ギヤ段Hが成立させられる。なお、上記第1クラッチC1および第2クラッチC2は、複数の互いに噛み合うドグ歯を有し、そのドグ歯の噛み合いによりトルク(動力)を伝達するドグ歯型噛合クラッチである。これらの第1クラッチC1および第2クラッチC2は、図示しない油圧アクチュエータ等により噛み合い状態が切り換えられるように構成されており、油圧制御装置55(図5参照)を介して係合、解放制御される。また、低速側ギヤ段Lおよび高速側ギヤ段Hの間での変速すなわち変速制御は、後述の運転モード切換手段60により行われる。
図3は、遊星歯車式自動変速機20を構成している前記ダブルピニオン型遊星歯車装置53における各回転要素の回転速度の相対関係を示す共線図である。図3において、縦軸S3、縦軸CA3、および縦軸R3は、第3サンギヤS3の回転速度、第3キャリヤCA3の回転速度、および第3リングギヤR3の回転速度をそれぞれ表す軸である。また、図3において、縦軸S3、縦軸CA3、および縦軸R3の相互の間隔は、縦軸S3と縦軸CA3との間隔をcとした場合、縦軸CA3と縦軸R3との間隔がc*ρ3(ρ3=第3サンギヤS3の歯数/第3リングギヤR3の歯数)となるように設定されている。図3における実線および一点鎖線は、高速側ギヤ段Hおよび低速側ギヤ段Lが成立している場合をそれぞれ示すものであり、その際に入力部材として機能する第3キャリヤCA3および第3リングギヤの回転速度を、それぞれ同じ所定値N1にして比較したものである。図3に示すように、遊星歯車式自動変速機20において高速側ギヤ段Hが成立させらた場合、出力軸14の出力軸回転速度NOUT2は、低速側ギヤ段Lが成立させらた場合の出力軸回転速度NOUT1に対して(1/(1−ρ3))倍になり、入力の回転速度N1に対して増速されることになる。ここで、本実施例における遊星歯車装置28およびダブルピニオン型遊星歯車装置53は、後述の図7に示すように、第1出力要素RM3の回転速度に対応する第2モータジェネレータMG2の回転速度NMG2および第3キャリヤCA3の回転速度NCA3、第2出力要素RM4の回転速度NRM4および第3リングギヤR3の回転速度NR3が、第1モータジェネレータMG1の零回転またはその付近において同時にそれぞれ同期状態となるように機械的に設定されている。
図1に戻って、本実施例では、前記変速制御を行うためにマイクロコンピュータを主体とした変速制御用の電子制御装置(T−ECU)54が設けられており、前記油圧制御装置を介して第1クラッチC1およびC2が係合、解放制御される。この電子制御装置54には、車速Vに対応する出力軸14の回転速度NOUTを検出する出力軸回転速度センサ56、第2出力要素RM4の回転速度NRM4を検出するRM4回転速度センサ57、後述の第1入力部材の回転速度に相当する第3キャリヤCA3の回転速度NCA3を検出するCA3回転速度センサ58、および後述の第2入力部材の回転速度に相当する第3リングギヤR3の回転速度NR3を検出するR3回転速度センサ59から検出信号が供給される他、第1出力部材RM3の回転速度に対応する前記第2モータジェネレータMG2の回転速度NMG2やアクセル操作量Acc等の各種の信号が直接あるいは前記電子制御装置30および40を介して読み込まれる。
なお、第1モータジェネレータMG1、電気式差動部50、第2モータジェネレータMG2、および遊星歯車式自動変速機20は、円筒状のハウジング52内において共通の一軸心すなわち出力軸14の軸心方向に沿って順に直列に配設されている。
以上のように構成されるハイブリッド駆動装置10では、上記第1クラッチC1および第2クラッチC2の係合状態が切り換えられることにより、第1駆動力発生源18および第2モータモジュレータMG2において発生させられたトルクが2つの動力伝達経路のうちの1つを介して出力軸14へ伝達される2つのモード、すなわち図4に示す低速走行モードと高速走行モードとが成立させられるようになっている。図4は、ハイブリッド駆動装置10において各ギヤ段を成立させる際の係合要素すなわち第1クラッチC1および第2クラッチC2の作動状態を説明する作動表である。図4に示すように、第1クラッチC1が係合させられ且つ第2クラッチC2が解放させられることにより、低速走行モードが成立する。この低速走行モードでは、電気式差動部50は第1出力要素RM3から第1入力経路RT1へ動力を伝達し、遊星歯車式自動変速機20は低速側ギヤ段Lを成立させるようになっている。また、図4に示すように、第1クラッチC1が解放させられ且つ第2クラッチC2が係合させられることにより、高速走行モードが成立する。この高速走行モードでは、電気式差動部50は第2出力要素RM4から第2入力経路RT2へ動力を伝達し、遊星歯車式自動変速機20は高速側ギヤ段Hを成立させるようになっている。ここで、第1クラッチC1は、電気式差動部50の第1出力要素RM3から遊星歯車式自動変速機20への第1入力経路RT1に設けられ、低速走行モードでは該第1出力要素RM3からの動力を遊星歯車式自動変速機20へ入力させてその遊星歯車式自動変速機20を低速側ギヤ段Lとするものとして機能している。また、第2クラッチC2は、電気式差動部50の第2出力要素RM4から遊星歯車式自動変速機20への第2入力経路RT2に設けられ、高速走行モードでは第2出力要素RM4からの動力を遊星歯車式自動変速機20へ入力させてその遊星歯車式自動変速機20を高速側ギヤ段Hとするものとして機能している。
本実施例の前記電子制御装置30、40、および54は、全体として機能的に図5に示すような運転モード切換制御手段60を備えている。ここで、前述のように、遊星歯車装置28およびダブルピニオン型遊星歯車装置53は、回転速度NMG2および回転速度NCA3、回転速度NRM4および回転速度NR3が、第1モータジェネレータMG1の零回転またはその付近でそれぞれ同じとなるように設定されている。そして、運転モード切換手段60は、例えば実際の第1モータジェネレータMG1の回転速度NMG1が零回転またはその零回転付近に設定された判定値となったときに一方のモードから他方のモードへ切り換えるようになっている。この運転モード切換制御手段60は、上記運転モードの変更に際して実行する、低速走行モード実行手段62および高速走行モード実行手段64を備えている。
上記低速走行モード実行手段62は、車両を前記低速走行モードで走行させるためのものであって、図4に示すように第1クラッチC1を係合させ且つ第2クラッチC2を解放させることにより遊星歯車式自動変速機20を低速側ギヤ段Lにする。そして、第2モータジェネレータMG2を力行制御して第3キャリアCA3を介して出力軸14にアシスト駆動力を加える一方、その第2モータジェネレータMG2を力行制御するための電気エネルギーを、主として第1モータジェネレータMG1の発電制御によって賄い、蓄電装置38の残容量の過不足等により必要に応じて蓄電装置38から電気エネルギーを持ち出したり蓄電装置38を充電したりする。この低速走行モードは、比較的低車速で実行され、第1モータジェネレータMG1は、エンジン26と同じ正回転方向へ回転させられた状態で発電制御(回生制動)が行われる。
上記高速走行モード実行手段64は、車両を高速走行モードで走行させるためのものであって、図4に示すように第1クラッチC1を解放させ且つ第2クラッチC2を係合させることにより遊星歯車式自動変速機20を高速側ギヤ段Hにする。そして、前記低速走行モードと同様に、第2モータジェネレータMG2を力行制御して出力軸14にアシスト駆動力を加える一方、その第2モータジェネレータMG2を力行制御するための電気エネルギーを、主として第1モータジェネレータMG1の発電制御によって賄い、蓄電装置38の残容量の過不足等により必要に応じて蓄電装置38から電気エネルギーを持ち出したり蓄電装置38を充電したりする。この高速走行モードは、低速走行モードよりも高車速側で実行される。
図6は、上記低速走行モードにおける遊星歯車装置28および遊星歯車式自動変速機20の各回転要素の関係の一例を表す共線図である。図6における各縦軸は、図2に示した遊星歯車装置28の共線図および図3に示した遊星歯車式自動変速機20の共線図と共通の縦軸によって表されている。図6において、破線で示す部分は、第1出力要素RM3と第3キャリヤCA3すなわち出力軸14とが第1クラッチC1の係合により連結されていることを示している。ここで、エンジン26のエンジン回転速度NEは、例えば車両の走行状態に応じて燃費が最もよいエンジン回転速度NE1に制御されている。この場合、出力軸回転速度NOUTに相当する第3キャリアCA3の回転速度NCA3は、第2モータジェネレータMG2が力行制御されるか、あるいは第1モータジェネレータMG1が発電制御されることにより、実線で示す状態から一点鎖線で示す状態にまで変動させられる。すなわち、一定のエンジン回転速度NE1に対して、第2モータジェネレータMG2が力行制御させられる、または第1モータジェネレータMG1が発電制御させられることにより、第3キャリアCA3の回転速度NCA3が停止状態からエンジン回転速度NE1の(1+ρ1)倍にまで増速させられるようになっている。
ここで、従来のハイブリッド駆動装置において、車両が高速で走行する場合においては、遊星歯車装置28の第1サンギヤS1すなわち反力要素RM2を逆方向に回転させる必要があり、これは、図6において二点差線で示すように、その第1サンギヤS1に連結された第1モータジェネレータMG1を逆回転に力行する必要があることを意味する。そのため、第1モータジェネレータMG1は電気エネルギーを消費するが、第2モータジェネレータMG2が力行している場合や、あるいは発電している場合であってもその発電量を超える電気エネルギーを必要とする場合には、蓄電装置38からのエネルギーの持ち出しとなるため、燃費の悪化を招くことになる。
これに対して、本実施例においては、高速走行時における電動機の力行制御を回避するための高速走行モードへの切り換えが行われる。図7は、前記低速走行モードと上記高速走行モードとが切り換えられるときの遊星歯車装置28および遊星歯車式自動変速機20の各回転要素の関係の一例を表す共線図である。図7における各縦軸は、図6に示したものと同じ縦軸によって表されている。図7において、破線で示す部分は、第1出力要素RM3と第3キャリヤCA3すなわち出力軸14とが第1クラッチC1の係合により連結されているかあるいは連結される直前の状態であることを示している。また、長破線で示す部分は、第2出力要素RM4と第3リングギヤR3とが第2クラッチC2の係合により連結されているかあるいは連結される直前の状態であることを示している。図7において、実線に示す状態は、低速走行モードあるいは高速走行モードにおいて、一定のエンジン回転速度NE1に対して第2モータジェネレータMG2が力行制御されるか、あるいは第1モータジェネレータMG1が発電制御されることにより、第2回転要素RM2が停止状態にさせられたときを示している。このとき、第1出力要素RM1と第3キャリヤCA3との回転、および第2出力要素RM2と第3リングギヤR3との回転が同期状態となっている。すなわち、すなわち、ハイブリッド駆動装置10の電気式差動部50および遊星歯車式自動変速機20は、第1出力要素RM3の回転速度に対応する第2モータジェネレータMG2の回転速度NMG2および第3キャリヤCA3の回転速度NCA3、第2出力要素RM4の回転速度NRM4および第3リングギヤR3の回転速度NR3が、第1モータジェネレータMG1の零回転またはその付近でそれぞれ同じとなるように設定されている。そして、上記低速走行モードと高速走行モードとの切り換えは、上記同期状態であるときに、第1クラッチC1および第2クラッチC2の係合状態が相互に切り換えられることにより行われるようになっている。なお、上記第3キャリヤCA3は、第1クラッチC1が係合された場合に電気式差動部50の第1出力要素RM3から動力が入力される遊星歯車式自動変速機20の第1入力部材に相当し、また、第3リングギヤR3は、第2クラッチC2が係合された場合に電気式差動部50の第2出力要素RM4から動力が入力される遊星歯車式自動変速機20の第2入力部材に相当する。
図8は、上記高速走行モードにおける遊星歯車装置28および遊星歯車式自動変速機20の各回転要素の関係の一例を表す共線図である。図8における各縦軸は、図6に示したものと同じ縦軸によって表されている。図8において、長破線で示す部分は、第2出力要素RM4と第3リングギヤR3とが第2クラッチC2の係合により連結されていることを示している。ここで、出力軸回転速度NOUTに相当する第3キャリアCA3の回転速度NCA3は、第2モータジェネレータMG2が力行制御あるいは発電制御されるか、または第1モータジェネレータMG1が発電制御されることにより、実線で示す状態から一点鎖線で示す状態にまで変動させられる。すなわち、一定のエンジン回転速度NE1に対して、第2モータジェネレータMG2が力行制御あるいは発電制御されるか、または第1モータジェネレータMG1が発電制御されることにより、第3キャリアCA3の回転速度NCA3がエンジン回転速度NE1の(1+ρ1)倍から(1/ρ2)/(1−ρ3)倍にまで増速させられるようになっている。
上述のように、本実施例のハイブリッド駆動装置10によれば、そのハイブリッド駆動装置10は、エンジン26に連結された入力要素RM1と、第1モータジェネレータMG1に連結された反力要素RM2と、第2モータジェネレータMG2および第1入力経路RT1に連結された第1出力要素RM3と、第2入力経路RT2に連結された第2出力要素RM4とを備え、その第1モータジェネレータMG1の運転状態が制御されることにより、入力要素RM1の回転速度と第1出力要素RM3および第2出力要素RM4の回転速度との差動状態が制御される電気式差動部50と、その電気式差動部50の第1出力要素RM3および第2出力要素RM4と駆動輪17との間に設けられ、第1入力要素RM3から動力が入力されたときは変速比が1の低速側ギヤ段Lを成立させ、第2出力要素RM4から動力が入力されたときは変速比が1より小さいの高速側ギヤ段Hを成立させる2段の変速段を有する遊星歯車式自動変速機20と、電気式差動部50の第1出力要素RM3から遊星歯車式自動変速機20への第1入力経路RT1に設けられ、低速走行モードでは第1出力要素RM3からの動力を遊星歯車式自動変速機20へ入力させてその遊星歯車式自動変速機20を低速側ギヤ段Lとする第1クラッチC1と、電気式差動部50の第2出力要素RM4から遊星歯車式自動変速機20への第2入力経路RT2に設けられ、高速走行モードでは第2出力要素RM4からの動力を遊星歯車式自動変速機20へ入力させてその遊星歯車式自動変速機20を高速側ギヤ段Hとする第2クラッチC2とを、含む。このことから、上記ハイブリッド駆動装置10を備える車両において、低速走行モードで走行している車両の走行速度が第1モータジェネレータMG1の発電制御やエンジン26の出力制御等により低速側から高速側へ移行する際、上記第1モータジェネレータMG1が逆転力行(力行制御)させられる前に第1クラッチC1および第2クラッチC2の係合状態を切り換えることにより、上記低速走行モードにて成立している低速側ギヤ段Lよりも変速比が小さい高速側ギヤ段Hが成立させられる高速走行モードへ切り換えて走行できるので、高速走行時における第1モータジェネレータMG1の力行制御を回避しつつ一層燃費が向上させられる。また、燃費向上のために終減速機のファイナルギヤ比をよりハイギヤに設定する必要がないので、車両への搭載性が損なわれることがない。
また、本実施例のハイブリッド駆動装置10によれば、電気式差動部50は、第1モータジェネレータMG1に連結された第1サンギヤS1と、エンジン26に連結された第1キャリヤCA1と、第2モータジェネレータMG2および第1入力経路RT1に連結された第1リングギヤR1とを有するシングルピニオン型の第1遊星歯車装置46と、第2入力経路RT2に連結された第2サンギヤS2と、第1入力経路RT1に連結された第2キャリヤCA2と、第1キャリヤCA1およびエンジン26に連結された第2リングギヤR2とを有するダブルピニオン型の第2遊星歯車装置48とを、備え、前記低速走行モードでは、第1リングギヤR1および第2キャリヤCA2から第1入力経路RT1へ動力を伝達し、前記高速走行モードでは、第2サンギヤS2から第2入力経路RT2へ動力を伝達するものである。このことから、上記ハイブリッド駆動装置10を備える車両において、低速走行モードで走行している車両の走行速度が第1モータジェネレータMG1の発電制御御等により低速側から高速側へ移行する際、上記第1モータジェネレータMG1が逆転力行させられる前に第1クラッチC1および第2クラッチC2の係合状態を切り換えることにより、高速側ギヤ段Hが成立させられる高速走行モードへ切り換えられ、その後、第1モータジェネレータMG1の回転速度を発電制御等により正回転方向に増速させることにより、走行速度をさらに高めて走行できるので、高速走行時における第1モータジェネレータMG1の力行制御を回避しつつ一層燃費が向上させられる。また、燃費向上のために終減速機のファイナルギヤ比をよりハイギヤに設定する必要がないので、車両への搭載性が損なわれることがない。
また、本実施例のハイブリッド駆動装置10によれば、遊星歯車式自動変速機20は、非回転部材としてのハウジング52に連結された第3サンギヤS3と、出力軸14および第1クラッチC2に連結された第3キャリヤCA3と、第2クラッチC2に連結された第3リングギヤR3とを有するダブルピニオン型遊星歯車装置53を備え、前記低速走行モードでは、第3キャリヤCA3に動力が入力されてその第3キャリヤCA3から出力する変速比が1の低速側ギヤ段Lを成立させ、前記高速走行モードでは、第3リングギヤR3に動力が入力されて第3キャリヤCA3から出力する変速比が1より小さい高速側ギヤ段Lを成立させるものである。このことから、上記ハイブリッド駆動装置10を備える車両において、変速比が1の低速側ギヤ段Lが成立させられている低速走行モードで走行している車両の走行速度が第1モータジェネレータMG1の発電制御等により低速側から高速側へ移行する際、上記第1モータジェネレータMG1が逆転力行させられる前に第1クラッチC1および第2クラッチC2の係合状態を切り換えることにより、変速比が1よりも小さい高速側ギヤ段Hが成立させられる高速走行モードへ切り換えて走行できるので、高速走行時における第1モータジェネレータMG1の力行制御を回避しつつ一層燃費が向上させられる。また、上記ハイブリッド駆動装置10は、2つの電動機、2つのクラッチ、および3つの遊星歯車装置を主体とする比較的少ない部品からコンパクトに構成されるので、車両への搭載性が損なわれることなく且つ安価に製造可能である。
また、本実施例のハイブリッド駆動装置10によれば、電気式差動部50および遊星歯車式自動変速機20は、前記低速走行モードにおいて電気式差動部50の第1出力要素RM3から動力が入力される遊星歯車式自動変速機20の第3キャリヤCA3(第1入力部材)とその第1出力要素RM3との回転、および前記高速走行モードにおいて電気式差動部50の第2出力要素RM4から動力が入力される遊星歯車式自動変速機20の第3リングギヤR3(第2入力部材)とその第2出力要素RM4との回転が、第1モータジェネレータMG1の正回転中または回転停止中に同時にそれぞれ同期状態となるように設定されている。このことから、上記ハイブリッド駆動装置10を備える車両において、低速走行モードで走行している車両の走行速度が第1モータジェネレータMG1の発電制御等により低速側から高速側へ移行する際、上記第1モータジェネレータMG1が逆転力行させられる前であって、第3キャリヤCA3と第1出力要素RM3との回転、および第3リングギヤR3と第2出力要素RM4との回転がそれぞれ同期状態であるときに第1クラッチC1および第2クラッチC2の係合状態を切り換えることにより、変速比が1よりも小さい高速側ギヤ段Hが成立させられる高速走行モードへ切り換えて走行できるので、高速走行時における第1モータジェネレータMG1の力行制御を回避しつつ一層燃費が向上させられる。また、燃費向上のために終減速機のファイナルギヤ比をよりハイギヤに設定する必要がないので、車両への搭載性が損なわれることがない。また、上記低速走行モードから高速走行モードへの切り換えは、上記同期状態である時に切り換えられるので、その切り換えに伴う変速ショックが発生しないという利点がある。
また、本実施例のハイブリッド駆動装置10によれば、前記低速走行モードと高速走行モードとの切り換えは、第3キャリヤCA3(第1入力部材)と第1出力要素RM3との回転、および第3リングギヤR3(第2入力部材)と第2出力要素RM4との回転が同期状態であるときに、第1クラッチC1および第2クラッチC2の係合状態が相互に切り換えられることにより行われることから、上記切り換えは、所謂同期切換であるので、その切り換えに伴って変速ショックが発生しない。
また、本実施例のハイブリッド駆動装置10によれば、第1クラッチC1および第2クラッチC2は、ドグ歯型噛合クラッチであることから、電気式差動部50から遊星歯車式自動変速機20への動力伝達に際して、例えば摩擦係合装置等を用いたときに発生する摩擦損失等が発生しないので、さらに伝達効率を向上することができる。
また、本実施例のハイブリッド駆動装置10によれば、第1モータジェネレータMG1、電気式差動部50、第2モータジェネレータMG2、および遊星歯車式自動変速機20は、円筒状のハウジング52内において共通の一軸心すなわち出力軸14の軸心方向に沿って順に直列に配設されていることから、第1モータジェネレータMG1および第2モータジェネレータMG2をそのハウジング52内に収納することが可能となる。このため、部品点数を減らしてコストを低減することができるとともに、剛性が向上し、騒音あるいは振動の発生を低減することができる。
以上、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、別の態様でも実施され得る。
例えば、前述の実施例において、第1駆動力発生源18は主動力源としてのエンジン26を備えるものであったが、このエンジン26はガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関であればその種類を問わず適用することができる。また、それ以外の主動力源として電動モータやモータジェネレータ等の内燃機関以外の駆動力源を採用することもできる。
また、前述の実施例において、本発明の一実施例が適用された車両はFR型であったが、これに限られない。たとえば、FF型あるいはその他の駆動形式の車両にも適用されうる。
また、前述の実施例において、電気式差動部50は、シングルピニオン型の遊星歯車装置46およびダブルピニオン型の遊星歯車装置48を用いて構成されていたが、これに限られない。例えば、シングルピニオン型の遊星歯車装置、ダブルピニオン型の遊星歯車装置、あるいは傘歯車式の差動歯車装置のいずれか1を複数組み合わせることにより、4つの回転要素を備えて構成されてもよい。
また、前述の実施例においては、第1モータジェネレータMG1および第2モータジェネレータMG2は、電動モータおよび発電機の機能が選択的に得られるモータジェネレータが好適に用いられたが、これに限られず、運転の態様によっては何れか一方が電動モータ或いは発電機のどちらかを用いることも可能であり、また、電動モータおよび発電機の両方を用いて第1モータジェネレータMG1および第2モータジェネレータMG2をそれぞれ構成することもできる。
また、前述の実施例において、上記第1クラッチC1および第2クラッチC2は、ドグ歯型噛合クラッチから成るものであったが、これに限られず、例えば、摩擦力によって係合力が生じる油圧式等の摩擦係合装置などであってもよい。要するに、2つの回転要素を連結できる係合装置であればよい。
また、前述の実施例において、低速側ギヤ段Lおよび高速側ギヤ段Hの間での変速すなわち変速制御は、実際の第1モータジェネレータMG1の回転速度NMG1が零回転またはその零回転付近に設定された判定値となったときに一方のモードから他方のモードへ切り換える運転モード切換手段60により行われていたが、これに限らない。例えば、上記運転モード切換手段60は、実際の第2出力要素RM4の回転速度NRM4と第3リングギヤR3の回転速度NR3とが略同期状態になったことに基づいて低速走行モードから高速走行モードへ切り換え、また、実際の第1出力要素RM3の回転速度NRM3と第3キャリヤCA3の回転速度NCA3とが略同期状態になったことに基づいて高速走行モードから低速走行モードへ切り換えるものであってもよい。また、上記変速制御は、運転モード切換手段60によらず、たとえば、車速Vやアクセル操作量Acc、あるいは要求駆動力などの車両の走行状態に基づいて実行されてもよい。より具体的には、たとえば、各ギヤ段領域を予めマップ(変速線図)として定めておき、検出された上記走行状態に応じてどちらかのギヤ段を設定するように制御されてもよい。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、その他一々例示はしないが、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:ハイブリッド駆動装置
17:駆動輪
20:遊星歯車式自動変速機
26:エンジン(原動機)
46:第1遊星歯車装置
48:第2遊星歯車装置
50:電気式差動部
52:ハウジング(非回転部材)
53:ダブルピニオン型遊星歯車装置
C1:第1クラッチ
C2:第2クラッチ
CA1:第1キャリヤ
CA2:第2キャリヤ
CA3:第3キャリヤ
MG1:第1モータジェネレータ(第1電動機)
MG2:第2モータジェネレータ(第2電動機)
R1:第1リングギヤ
R2:第2リングギヤ
R3:第3リングギヤ
RM1:入力要素
RM2:反力要素
RM3:第1出力要素
RM4:第2出力要素
RT1:第1入力経路
RT2:第2入力経路
S1:第1サンギヤ
S2:第2サンギヤ
S3:第3サンギヤ
17:駆動輪
20:遊星歯車式自動変速機
26:エンジン(原動機)
46:第1遊星歯車装置
48:第2遊星歯車装置
50:電気式差動部
52:ハウジング(非回転部材)
53:ダブルピニオン型遊星歯車装置
C1:第1クラッチ
C2:第2クラッチ
CA1:第1キャリヤ
CA2:第2キャリヤ
CA3:第3キャリヤ
MG1:第1モータジェネレータ(第1電動機)
MG2:第2モータジェネレータ(第2電動機)
R1:第1リングギヤ
R2:第2リングギヤ
R3:第3リングギヤ
RM1:入力要素
RM2:反力要素
RM3:第1出力要素
RM4:第2出力要素
RT1:第1入力経路
RT2:第2入力経路
S1:第1サンギヤ
S2:第2サンギヤ
S3:第3サンギヤ
Claims (7)
- 原動機に連結された入力要素と、第1電動機に連結された反力要素と、第2電動機に連結された第1出力要素と、第2出力要素とを備え、該第1電動機の運転状態が制御されることにより、該入力要素の回転速度と該第1出力要素および第2出力要素の回転速度との差動状態が制御される電気式差動部と、
該電気式差動部の第1出力要素および第2出力要素と駆動輪との間に設けられ、該第1出力要素から動力が入力されたときは第1変速比の低速側ギヤ段を成立させ、該第2出力要素から動力が入力されたときは該第1変速比より小さい第2変速比の高速側ギヤ段を成立させる2段の変速段を有する遊星歯車式自動変速機と、
前記電気式差動部の第1出力要素から前記遊星歯車式自動変速機への第1入力経路に設けられ、低速走行モードでは該第1出力要素からの動力を該遊星歯車式自動変速機へ入力させて該遊星歯車式自動変速機を低速側ギヤ段とする第1クラッチと、
前記電気式差動部の第2出力要素から前記遊星歯車式自動変速機への第2入力経路に設けられ、高速走行モードでは該第2出力要素からの動力を該遊星歯車式自動変速機へ入力させて該遊星歯車式自動変速機を高速側ギヤ段とする第2クラッチと
を、含むことを特徴とするハイブリッド駆動装置。 - 前記電気式差動部は、
前記第1電動機に連結された第1サンギヤと、前記原動機に連結された第1キャリヤと、前記第2電動機および第1入力経路に連結された第1リングギヤとを有するシングルピニオン型の第1遊星歯車装置と、
前記第2入力経路に連結された第2サンギヤと、前記第1入力経路に連結された第2キャリヤと、前記第1キャリヤおよび原動機に連結された第2リングギヤとを有するダブルピニオン型の第2遊星歯車装置とを、備え、
前記低速走行モードでは、前記第1リングギヤおよび第2キャリヤから前記第1入力経路へ動力を伝達し、前記高速走行モードでは、前記第2サンギヤから前記第2入力経路へ動力を伝達するものである請求項1に記載のハイブリッド駆動装置。 - 前記遊星歯車式自動変速機は、
非回転部材に連結された第3サンギヤと、前記駆動輪および第1クラッチに連結された第3キャリヤと、前記第2クラッチに連結された第3リングギヤとを有するダブルピニオン型遊星歯車装置を備え、
前記低速走行モードでは、該第3キャリヤに動力が入力されて該第3キャリヤから出力する変速比が1の低速側ギヤ段を成立させ、前記高速走行モードでは、前記第3リングギヤに動力が入力されて該第3キャリヤから出力する変速比が1より小さい高速側ギヤ段を成立させるものである請求項1または2に記載のハイブリッド駆動装置。 - 前記電気式差動部および遊星歯車式自動変速機は、前記低速走行モードにおいて前記電気式差動部の第1出力要素から動力が入力される前記遊星歯車式自動変速機の第1入力部材と該第1出力要素との回転、および前記高速走行モードにおいて前記電気式差動部の第2出力要素から動力が入力される前記遊星歯車式自動変速機の第2入力部材と該第2出力要素との回転が、前記第1電動機の零回転または該零回転付近において同時にそれぞれ同期状態となるように設定されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載のハイブリッド駆動装置。
- 前記低速走行モードと高速走行モードとの切り換えは、前記第1入力部材と第1出力要素との回転、および前記第2入力部材と第2出力要素との回転がそれぞれ同期状態であるときに、前記第1クラッチおよび第2クラッチの係合状態が相互に切り換えられることにより行われることを特徴とする請求項4に記載のハイブリッド駆動装置。
- 前記第1クラッチおよび第2クラッチは、噛合クラッチであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1に記載のハイブリッド駆動装置。
- 前記第1電動機、電気式差動部、第2電動機、および遊星歯車式自動変速機は、円筒状のハウジング内において共通の一軸心方向に沿って順に直列に配設されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1に記載のハイブリッド駆動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008165028A JP2010006139A (ja) | 2008-06-24 | 2008-06-24 | ハイブリッド駆動装置 |
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- 2008-06-24 JP JP2008165028A patent/JP2010006139A/ja active Pending
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