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JP2009541550A - アルコキシシリル官能性オリゴマーおよび表面改質粒子 - Google Patents

アルコキシシリル官能性オリゴマーおよび表面改質粒子 Download PDF

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JP2009541550A JP2009517124A JP2009517124A JP2009541550A JP 2009541550 A JP2009541550 A JP 2009541550A JP 2009517124 A JP2009517124 A JP 2009517124A JP 2009517124 A JP2009517124 A JP 2009517124A JP 2009541550 A JP2009541550 A JP 2009541550A
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ウァッカー ケミー アーゲー
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Abstract

本発明は、エチレン不飽和アルコキシシリル官能性シラン(S)100重量部とエチレン不飽和コモノマー(C)0〜100重量部の重合によって得られるアルコキシル官能性オリゴマー(A)とその加水分解物および縮合物と、表面にオリゴマー(A)を有するコア・シェル粒子(PA)と、複合材料(K)を生成するための粒子(PA)の使用に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、アルコキシシリル官能性オリゴマー、表面にオリゴマー(A)を有するコア・シェル粒子(PA)、および複合材料(K)を生成するための粒子(PA)の使用に関する。
フィラーは細分化された固体であり、これを基質に添加した結果、基質の特性が変化する。フィラーは現在、化学産業において様々な目的で使用されている。フィラーはプラスチックの機械的特性、例えば硬度、引張り強さ、耐薬品性、電気または熱伝導率、接着性、または温度変化による収縮等を変化させ得る。さらに、フィラーはとりわけポリマーメルトの流動学的挙動に影響を及ぼす効果を有しており、コーティングの引っかき抵抗性を改善する。
概して無機粒子である粒子、特にナノ粒子が有機系で使用される際に頻繁に生じる問題は、通常粒子と基質との間の相溶性が不十分であることである。このような相溶性の欠如により、有機基質において粒子が十分に分散できなくなる可能性がある。さらに、放置または貯蔵期間が長期にわたる場合、十分に分散された粒子も沈降し、比較的大きな凝集体および/または凝集塊を形成し、再分散時に元の粒子へ分離することは不可能ではないが、困難である。このような不均一系の加工は、どのような場合でも極めて困難であり、実際のところ不可能であることが多い。そのため、例えば、塗布され、硬化したあとに滑らかな表面を有するコーティングは、概してこのような方法やより高価な方法のみでは生成できない。
そのため、好ましくは、その表面に周囲の基質との相溶性が改善するような有機基を有する粒子を使用する。この方法では、無機粒子は有機シェルにより被覆される。さらに、粒子表面が基質に対する適切な反応性を有し、そのため配合物の特定の硬化条件下で結合剤系と反応し得る場合、硬化の過程で粒子を基質に化学的に組み込むことが可能であるため、しばしば特に優れた機械的特性が得られるだけでなく、耐薬品性も改善される。この意味において、好ましくは、例えばポリエステル、ポリウレタン、またはポリアクリレートと反応し得るアミン基またはカルビノール基等である。このような系は、例えば特許文献1に記載されている。
表面改質のため、先行技術は、例えば粒子表面と反応し、粒子と反応する際に粒子コアを被覆するシロキサン・シェルを形成するγ-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、およびγ-メタクリレートプロピルトリメトキシシラン等の加水分解性シランを優先的に使用する。このような生成工程は、例えば特許文献2に記載されている。有機官能性遊離基により、これらの粒子と有機基質との相溶性は極めて良好である。しかし、これらの系で経験した問題とは、加水分解および縮合反応性の低いシランを使用する際、形成されたシロキサン・シェルが依然として大量のアルコキシル基およびシラノール基を有することである。そのため、調製条件、特に溶媒交換条件および貯蔵条件により、このような粒子の安定性は限定される。シロキサン・シェルを被覆したにもかかわらず、粒子の凝塊および/または凝集が生じ得る。上記の理由から、固形状の粒子を分離し、溶媒または母材で再分散させることは、概して不可能である。粒子において、このような再分散性は複合材料の生成を大幅に簡素化させることから、特に望ましいものである。
表面にアルコキシシリル基およびシラノール基がないため凝集の傾向が比較的弱いコア・シェル粒子の調製は、特許文献3および特許文献4により示される。このため、第1段階では、様々なシランおよびシロキサン、メタクリル酸基を有する少なくとも1個のシランまたはシロキサンの共縮合によりシロキサン粒子が生成され、次の段階では、メタクリル酸メチルとの反応によりメタクリル酸ポリメチル・シェルが前述のシロキサン粒子にグラフトされる。得られた粒子は、例えばメタクリル酸ポリメチルおよびPVC等、有機ポリマーにおいて顕著な相溶性を呈する。これらのシロキサングラフトポリマーは、グラフトされたシェルの組成および厚みが適切であれば、再分散可能であるというさらなる利点を有する。しかし、このようなポリマーは、調製法が比較的複雑であるため、費用が高くなるという欠点もある。
欧州特許第832947(A)号明細書 欧州特許第505737(A)号明細書
"Handobook of Free Radical Initiators",E.T.Denisov,T.G.Denisova,T.S.Pokidovam 2003,Willey K.Matyjaszewski,J.Xia,Chem.Rev.2001,101,2921‐2990 Atlas of Zeolite Framework Types,5th edition,Ch.Bearlocher,W.M.Meier,D.H.Olson,Amsterdam:Elsevier 2001 Ullman’s Enzykloaedie der Technischen Chemie 4th edition,Volume 21,page 464 Thin Solid Films 1999,351,198‐203
そのため、本発明の基盤である目的は、コア・シェル粒子の生成を可能にし、さらに先行技術に一致する欠点を克服する表面改質剤を提供することである。
本発明は、エチレン不飽和アルコキシシリル官能性シラン(S)100重量部とエチレン不飽和コモノマー(C)0〜100重量部の重合によって得られるアルコキシシリル官能性オリゴマー(A)とその加水分解物および縮合物を提供する。
この意味における「オリゴマー」とは、少なくとも2個(重合度:2)の、しかし100個以下(重合度:100)のモノマー単位からなる比較的分子量が大きい分子である。この意味において、好ましくは、重合度は2〜50、特に好ましくは重合度2〜20である。重合度は、例えばGPCまたはNMRにより測定される数平均分子量Mnを、使用するモノマーの全分子量の分子重量平均にて除すことにより計算する。オリゴマー(A)におけるシランブロック(S)および適宜、コモノマー(C)の配列は、重合の種類、ランダム、ブロック、交互、または勾配重合によって異なる。特に好ましくは、ランダムおよびブロック配列である。
シラン(S)としての適性は、重合に適する、より詳細にはフリーラジカル重合に適するエチレン不飽和結合を有するすべてのシランとその加水分解物および縮合物が有している。そのような重合可能なシランの例には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、またはビニルトリアセトキシシラン等のビニルシラン、アクリロシラン、およびメタクリロシラン、例えばWacker Chemie AG(ドイツ、ミュンヘン)が販売しているGENIOSIL(登録商標) GF‐31、XL‐33、XL‐32、XL‐34、およびXL‐36シランなどである。特に好適なシラン(S)は、一般式[1]
(R11O)3‐nSi‐L‐O‐CO‐CR21=CH[1]
のシランであり、その場合、
、R11、およびR21はC〜Cのアルキル基であり、
nは0、1、または2であり、
LはC〜Cのアルキレン基である。
遊離基R、R11、およびR21は直鎖状、分枝鎖状、または環状と考えられる。好ましくは、R11およびR21はメチル基、エチル基、n‐プロピル基、またはイソプロピル基である。より詳細には、R、R11、およびR21はメチルである。詳細には、nは0である。好ましくは、Lはメチレン基またはプロピレン基である。さらに好適なシラン(S)は化合物メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、アクリルアミドプロピルトリメトキシシラン、メタクリルアミドプロピルトリメトキシシラン、アクリルアミドメチルトリメトキシシラン、メタクリルアミドメチルトリメトキシシランである。さらに適切なのは、上記のエチレン不飽和シラン(S)の対応するジ-およびモノアルコキシシランである。好ましくは、シラン(S)の少なくとも10モル%、より好ましくは少なくとも30モル%、より詳細には少なくとも50モル%であり、その加水分解物および縮合物はアルコキシ基を有する。
適切なコモノマー(C)は、ビニルエステル、(メタ)アクリル酸エステル、ビニル芳香族、オレフィン、1,3‐ジエン、ビニルエーテル、およびハロゲン化ビニルを包括する群の化合物である。特に適切なビニルエステルは、1〜15個の炭素原子を有するカルボン酸のビニルエステルである。好ましくは、9〜11個の炭素原子を有するα分枝鎖状のモノカルボン酸の酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、2‐エチルヘキサン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、1‐酢酸メチルビニル、ピバル酸ビニル、およびビニルエステル、例えばVeoVa9(登録商標)またはVeoVa10(登録商標)(商品名Resolution)である。特に好ましくは、酢酸ビニルである。
適切なモノマーは、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル、例えば1〜15個の炭素原子を有する枝なし状または分枝鎖状アルコールの群由来である。好適なメタクリル酸エステルまたはアクリル酸エステルはアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸‐n‐ブチル、メタクリル酸‐n‐ブチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸‐t‐ブチル、メタクリル酸‐t‐ブチル、アクリル酸-2-エチルヘキシル、およびアクリル酸ノルボニルである。特に好ましくは、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸‐n‐ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸‐t‐ブチル、アクリル酸-2-エチルヘキシル、およびアクリル酸ノルボニルである。
好適なビニル芳香族はスチレン、アルファ‐メチル‐スチレン、異性体ビニルトルエンおよびビニルキシレン、ならびにジビニルベンゼンである。スチレンは、特に好適である。ビニルハロゲン化合物のなかでは、塩化ビニル、塩化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ジフルオロエチレン、ヘキシルパーフルオロエチレン、3,3,3‐トリフルオロプロペン、パーフルオロプロピルビニルエーテル、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、およびフッ化ビニルが挙げられる。塩化ビニルは、特に好適である。
好適なビニルエーテルの例は、メチルビニルエーテルである。
好適なオレフィンはエチレン、プロペン、1‐アルキルエチレン、およびポリ不飽和アルケンであり、好適なジエンは1,3‐ブタジエンおよびイソプレンである。特に好適は、エチレンおよび1,3‐ブタジエンである。さらなるコモノマー(C)は、エチレン不飽和モノカルボン酸およびジカルボン酸、好ましくはアクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、およびマレイン酸、エチレン不飽和カルボキシアミドおよびカルボニトリル、好ましくはアクリルアミドおよびアクリロニトリル、フマル酸およびマレイン酸のモノエステルおよびジエステル(ジエチルおよびジイソプロピルエステル等)ならびに無水マレイン酸、エチレン不飽和スルホン酸および/またはその塩、好ましくはビニルスルホン酸、2‐アクリルアミド‐2‐メチルプロパンスルホン酸である。さらなる例は、ポリエチレン化不飽和コモノマー等の前架橋コモノマー、例えばアジピン酸ジビニル、マレイン酸ジアリル、メタクリル酸アリル、またはシアヌル酸トリアリル、あるいは後架橋コモノマー、例えばアクリルアミドグリコール酸(AGA)、メチルアクリルアミドグリコール酸メチルエステル(MAGME)、N‐メチロールアクリルアミド(NMA)、N‐メチロールメタクリルアミド、N‐メチロールアリルカルバメート、またはN‐メチロールアクリルアミド、N‐メチロールメタクリルアミド、およびN‐メチロールアリルカルバメートのイソブトキシエーテルまたはエステル等のアルキルエーテルである。さらに適切なのは、メタクリル酸グリシジルおよびアクリル酸グリシジル等のエポキシド官能性コモノマーである。ヒドロキシル基またはCO基を有するモノマー、例えばヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、またはアクリル酸あるいはメタクリル酸ヒドロキシルブチル等のメタクリル酸およびアクリル酸ヒドロキシルアルキルエステル、およびジアセトンアクリルアミドならびにアセチルアセトキシエチルアクリレートまたはメタクリレート等の化合物が挙げられる。
コモノマー(C)として特に好ましくは酢酸ビニル、9〜11個の炭素原子を有するα‐分枝鎖状モノカルボン酸、塩化ビニル、エチレン、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸‐n‐ブチル、メタクリル酸‐n‐ブチル、アクリル酸-2-エチルヘキシル、スチレン、1,3‐ブチレンからなる群の1つ以上のモノマーである。
さらに特に好適は、有機官能価をポリマーのバックボーンに導入するコモノマー(C)、例えば(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、(メタ)アクリル酸アミノアルキル、およびN‐メチロールアクリルアミドである。
オリゴマー(A)を調製する重合法として、好ましくは、様々な形態でフリーラジカル法およびイオン法を採用する。
したがって、フリーラジカル重合によりバルクまたは適切な溶媒において調製してもよい。この場合、重合は、ポリマー化学では一般的である開始剤または酸化還元開始剤混合液、あるいはこれらの混合物により開始する。適切な開始剤の選択にとって極めて重要な要因となるのは、使用される溶媒/モノマー混合物における溶解性であり、この溶解性は必ずゼロ以外とする。適切な開始剤の概要は、非特許文献1に記載されている。開始剤の例はペルオキソ二硫酸のナトリウム、カリウム、およびアンモニウムの塩、過酸化水素、t‐ブチルペルオキシド、t‐ブチルヒドロペルオキシド、ペルオキソ二硫酸カリウム、t‐ブチルペルオキソピバレート、クメンヒドロペルオキシド、イソプロピルベンゼンモノヒドロペルオキシド、過酸化ジベンゾイル、またはアゾビスイソブチロニトリルである。上述の開始剤は、モノマーの総重量を基準として、好ましくは0.01重量%〜4.0重量%の量で使用する。
酸化還元開始剤混合液として、上述の開始剤は還元剤と併用される。適切な還元剤は二価陽イオンの亜硫酸塩または重亜硫酸塩、例えば亜硫酸ナトリウム、亜鉛またはアルカリ金属ホルムアルデヒドスルホキシレート等のスルホキシル酸誘導体、例えばヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウム、およびアスコルビン酸である。還元剤の量は、使用されるモノマーの量の、好ましくは0.15重量%〜3重量%である。さらに、重合媒質に溶解可能かつその金属成分が重合条件下で酸化還元活性する、たとえば鉄またはバナジウムをベースとする少量の金属化合物を導入することも可能である。
代替方法として、フリーラジカル重合は、例えばATRP(原子移動ラジカル重合)法、NMP(ニトロキシ重合)法、またはRAFT(急速付加断片化移動)重合により実施してもよい。ATRP重合の場合、触媒としての役割が既知であるCu(I)‐窒素錯体存在下で作業することが適切である。しかし、その他の遷移金属錯体触媒も使用してもよい。考え得る遷移金属錯体は、非特許文献2により提供される。銅(I)中心および2,2‐ビピリジンからなる錯体は好適である。この錯体は事前に形成され得る、あるいは例えば酸化および還元の工程の結果として触媒作用により活性する種を形成する銅(0)または銅(II)前駆体化合物から単にその都度生じ得る。適切な開始剤はエステル、アミド、またはチオエステル等のα-ハロゲンカルボン酸などである。同様に、適切なのは、α-ハロゲン化フルオレンユニットを含む化合物である。また、予想されるのは、クロロホルム、HCCl、または四塩化炭素CCl等のポリハロゲン化化合物である。スルホニルハリドおよびハロゲンイミドも、同様に予想される開始剤である。しかし、もっとも好適なのはα‐ハロゲンカルボン酸誘導体、例えばエチル2‐クロロ/ブロモプロピオン酸またはエチル2‐クロロ/ブロモイソ酪酸である。好適な溶媒はトルエンである。
NMP反応の場合、特に好適な可逆性停止試薬はTEMPO(2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン1‐オキシル)とその誘導体である。特に好ましくは4‐ヒドロキシ‐TEMPO、4‐アセトアミド‐TEMPO、および例えばシリカまたはポリスチレンに結合したポリマー結合TEMPOである。この場合、好ましくは、<1重量%の無水酢酸または酢酸存在下で重合することである。すでに検討したすべてのフリーラジカル開始剤は、適切な開始剤である。反応は、好ましくは有機溶液にて>100°Cで実施する。好適な溶媒は、オリゴマーが引き続き使用される溶媒である。
RAFT重合の場合、特に好適な可逆性停止試薬はキサントゲン酸およびジチオカルバミド酸、特に好ましくはO‐アルキルキサンタン酸とその塩である。特に好ましくは、O‐エチルキサンタン酸のナトリウム塩である。すでに検討したすべてのフリーラジカル開始剤は適切な開始剤である。反応は、好ましくは有機溶液にて<100°Cで実施する。好適な溶媒は、オリゴマーが引き続き使用される溶媒である。
重合は、好ましくはフリーまたはコントロールドフリーラジカルあるいはイオン重合の形態で実施する。好ましくは、ATRP法による重合およびフリーラジカル重合による重合である。重合は、好ましくは溶媒中で実行する。好適な溶媒は、オリゴマーが引き続き使用される溶媒である。
代替方法として、重合は例えば陽イオンまたは陰イオン重合等のイオン法を用いて実施してもよい。
重合は、初期に反応混合物のすべてまたは個々の成分を投入して、初期チャージに含まれる一部の成分および引き続き計量しながら供給される一部の成分を用いて、あるいは初期チャージを使用せずに計量しながら供給することにより、バッチモード、セミバッチモード、または連続モードで実行し得る。いずれも計量しながら、好ましくは各成分が消費される速度で添加する。コントロールド重合の場合、ブロック構造ができない限り、重合は好ましくはバッチモードで実施し、その場合はセミバッチモードが好適である。フリーラジカル重合の場合、セミバッチモードが好適である。
本発明により、表面にオリゴマー(A)またはその加水分解物および縮合物を有するコア・シェル粒子(PA)がさらに提供される。
本発明の粒子(PA)は、比表面積が好ましくは0.1〜1000 m/g、より好ましくは10〜500 m/g(DIN EN ISO 9277/DIN66132に従ってBET法により測定)である。一次粒子の平均サイズは、好ましくは10 μM未満、より好ましくは1000 nm未満であり、外部のせん断荷重(例えば、計測条件により課される)の関数である凝集体(DIN53206にて定義)および凝集塊(DIN53206にて定義)として存在し得る一次粒子は、サイズが1〜1000 μMと考えられる。
コア・シェル粒子(PA)では、オリゴマー(A)はイオン相互作用またはファンデルワールスを介して粒子表面と共有結合し得る。オリゴマー(A)は、好ましくは共有結合する。
オリゴマー(A)は、官能化粒子(P)に極めて適している。結果生じる粒子(PA)は通常の有機溶媒にて再分散可能であり、多様な基質系と極めてよく相溶する。
オリゴマー(A)は、対応する不飽和シラン(S)より比較的低コストで調製し得る。さらに、再分散可能かつ相溶性を有する粒子は、通常2成分の単純混合によって粒子(P)およびオリゴマー(A)から調製可能であり、極めて容易である。したがって、このようにして得られる本発明のオリゴマー(A)および粒子(PA)は、先行技術より格段に有利である。
本発明は、粒子(P)がオリゴマー(A)と反応することを特徴とする、粒子(PA)の生成工程をさらに提供する。
好適な粒子(PA)の生成工程は、金属‐OH、金属‐O‐金属、Si‐OH、Si‐O‐Si、Si‐O‐金属、Si‐X、金属‐X、金属‐OR、Si‐ORから選択される基を有する粒子と、オリゴマー(A)またはその加水分解物、アルコール分解物、および縮合物とを反応させることであり、その場合、
は置換または非置換アルキル基であり、
Xはハロゲン原子である。
は、好ましくは1〜10個、より詳細には1〜6個の炭素原子を有するアルキル基である。特に好ましくはメチル基、エチル基、n‐プロピル基、イソプロピル基である。Xは、好ましくは塩素である。
金属‐OH、Si‐OH、Si‐X、金属‐X、金属‐OR、Si‐ORから選択される基を有する粒子(P)を用いて粒子(PA)を生成する場合、オリゴマー(A)は、好ましくは加水分解および/または縮合により結合する。粒子(P)に金属‐O‐金属、金属‐O‐Si、またはSi‐O‐Si基しか存在しない場合、オリゴマー(A)は平衡反応を用いて共有結合させ得る。平衡反応に必要な手順および触媒は当業者には周知であり、文献にて多数記載されている。
技術的取扱いが容易であるという理由から、適切な粒子(P)は金属‐酸素結合に共有結合成分を有する酸化物、好ましくは酸化ホウ素、アルミニウム、ガリウム、またはインジウム等の主族元素3、酸化ケイ素、二酸化ゲルマニウム、酸化スズ、二酸化スズ、酸化鉛、二酸化鉛等の主族元素4の酸化物、あるいは酸化チタン、酸化ジルコニウム、および酸化ハフニウム等の遷移族元素4の酸化物である。さらなる例はニッケル、コバルト、鉄、マンガン、クロム、およびバナジウムの酸化物である。
さらに、酸化表面、ゼオライト(適切なゼオライトの一覧は、非特許文献3に記載されている)、ケイ酸、アルミン酸、アルミノリン酸、チタン酸、および層状珪酸塩(ベントナイト、モンモリロナイト、スメクタイト、ヘクトライト等)を有する金属は適性を有しており、粒子(P)は、比表面積が好ましくは0.1〜1000 m/g、より好ましくは10〜500 m/g(DIN66131および66132に従ってBET法により測定)である。平均径が、好ましくは10 μm未満、より好ましくは1000 nm未満であり、外部のせん断荷重(例えば、計測条件により課される)の関数である粒子(P)は、凝集体(DIN53206にて定義)および凝集塊(DIN53206にて定義)の形態をとってもよく、サイズが1〜1000 μmと考えられる。
特に好適な粒子(P)は、単独または炭化水素との混合物において、炎色反応にて有機ケイ素化合物(四塩化ケイ素またはメチルジクロロシラン、あるいは例えばヒドロトリクロロシランまたはヒドロメチルジクロロシラン、あるいはその他のメチルクロロシランまたはアルキルクロロシラン等)から作製されるヒュームドシリカ、あるいは例えば酸素‐水素炎またはその他の一酸化炭素‐酸素炎において上述のように有機ケイ素化合物の任意の揮発性または噴霧性の混合物および水素から作製されるヒュームドシリカである。シリカは、任意選択的に水の添加の有無によらず調製され得るものであり、例えば精製工程では、好ましくは水を添加しない。
ヒュームドまたは熱分解により作製されたシリカまたは二酸化ケイ素は、例えば非特許文献4より周知である。未改質のヒュームドシリカは、DIN EN ISO 9277/DIN66132に従って測定したBET比表面積が10 m/g〜600 m/g、好ましくは50 m/g〜400 m/gである。未改質のヒュームドシリカは、DIN EN ISO 787‐11に従って測定したタップ密度が10 g/l〜500 g/l、好ましくは20 g/l〜200 g/l、より好ましくは30 g/l〜100 g/lである。
熱分解ケイ酸は、好ましくはフラクタル表面の寸法が、好ましくは2.3以下、より好ましくは2.1以下、特に好ましくは1.95〜2.05であり、フラクタル表面の寸法Dsは、本明細書では、粒子の表面積Aは、粒子径RとDsの指数との比率に比例すると定義される。
本発明のさらに好適な実施形態では、酸化コロイドケイ酸または酸化金属は粒子(P)として使用され、これらの酸化物は、水性または有機溶媒中で、概して対応するサブミクロンの大きさの酸化物粒子の分散物の形態をとる。この意味で使用され得る酸化物はアルミニウム、チタン、ジルコニウム、タンタル、タングステン、ハフニウム、およびスズなどの金属酸化物または対応する混合酸化物である。特に好ましくは、シリカゾルである。粒子(PA)生成に適する市販のシリカゾルの例は、シリカゾルの製品シリーズLudox(登録商標)(Grace Davison)、Snowtex(登録商標)(Nissan Chemical)、Klebosol(登録商標)(Clariant)、およびLevasil(登録商標)(H.C.Starck)であり、有機溶媒中のシリカゾルは、例えばIPA‐ST(Nissan Chemical)またはStoeber工程により調製可能なシリカゾル等である。
本発明のさらに好適な実施形態は、粒子(P)として一般式[2]
[R SiO1/2[R SiO2/2[RSiO3/2[SiO4/2[2]
のオルガノポリシロキサンを使用し、その場合、
はOH基、任意選択的にはハロゲン‐、ヒドロキシル‐、アミノ‐、エポキシ‐、ホスホネート‐、チオール‐、(メタ)アクリロイル‐、カルバメート‐、または1〜18個の炭素原子を有するその他のNCO‐置換炭化水素基であり、炭素鎖は隣接しない酸素基、硫黄基、またはアミン基により遮断することが可能であり、
i、j、k、およびlは0以上の数値を示し、
i+j+k+lは3以上、より詳細には少なくとも10である。
本発明の粒子(PA)は、粒子(P)とオリゴマー(A)を好ましくは0°C〜150°Cで、より好ましくは20°C〜80°Cで反応させることにより生成する。工程は、溶媒使用または溶媒なしのいずれでも実行可能である。溶媒を使用する場合、プロトン性および非プロトン性の溶媒および様々なプロトン性および非プロトン性の溶媒の混合物が適切である。例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のプロトン性溶媒またはTHF、DMF、NMP、ジエチルエーテル、またはメチルエチルケトン等の極性非プロトン性溶媒の使用が好適である。同様に、好適なのは、沸点または沸点範囲がそれぞれ0.1 MPaで最大120°Cの溶媒または溶媒混合物である。特に好適なのは、イソプロパノール/トルエン混合物の使用である。
粒子(P)の改質に使用されるオリゴマー(A)は、好ましくは1重量%超(粒子(P)を基準として)、より好ましくは5重量%超、特に好ましくは8重量%で使用される。
オリゴマー(A)を有する粒子(P)の反応では、真空下、過圧下、または大気圧下(0.1 MPa)で操作し得る。反応の過程で形成され得るアルコール等の脱離生成物は、例えば、生成物に残留するおよび/または真空の適用および/または温度上昇により反応混合物から除去されることもある。
オリゴマー(A)を有する粒子(P)の反応では、触媒を添加し得る。
この意味において、このような目的で一般的に使用されるすべての触媒、例えば有機スズ化合物(例えばジブチルスズジラウラート、ジオクチルスズジラウラート、ジブチルスズジアセチルアセトネート、ジブチルスズジアセテート、またはジブチルスズジオクトエート等)、有機チタン酸(例えばチタン(IV)イソプロポキシド)、鉄(III)化合物(例えば鉄(III)アセチルアセトネート)、その他のアミン(例えばトリエチルアミン、トリブチルアミン、1,4‐ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8‐ジアザビシクロ[5.4.0]‐ウンデク‐7‐エン、1,5‐ジアザビシクロ[4.3.0]ノン‐5‐エン、N,N‐ビス(N,N‐ジメチル‐2‐アミノエチル)メチルアミン、N,N‐ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N‐ジメチルフェニルアミン、N‐エチルモルフォリン等)を使用し得る。酢酸、トリフルオロ酢酸、塩酸、リン酸およびそれらのモノエステルおよび/またはジエステル(リン酸ブチル、リン酸イソプロピル、リン酸ジブチル等)等の有機または無機ブレンステッド酸ならびに例えば触媒として酸塩化物(塩化ベンゾイル等)も適切である。触媒は、好ましくは0.01〜10重量%の濃度で使用する。様々な触媒は、純粋な形態および様々な触媒の混合物としても使用してもよい。
粒子(P)とオリゴマー(A)との反応後、使用した触媒を好ましくはいわゆる抗触媒または触媒毒添加により失活させると、Si‐O‐Si基が切断され得る。このような二次反応は使用される触媒により異なり、必ずしも生じる必要はないため、失活化は適宜省略してもよい。触媒毒の例は酸である。例えば塩基と塩基を使用するときに酸を使用すると、これらの酸および塩基は使用した塩基および酸をそれぞれ中和する。中和反応により形成された生成物は、適宜、濾過または抽出により分離され得る。反応生成物は、好ましくは生成物中に残留する。
該当する場合、水の添加は粒子(P)とオリゴマー(A)の反応に好適である。
粒子(P)から粒子(PA)を生成する場合、オリゴマー(A)のほかにシラン(S1)、シラザン(S2)、シロキサン(S3)、またはその他の化合物(L)も使用し得る。好ましくは、シラン(S1)、シラザン(S2)、シロキサン(S3)、またはその他の化合物(L)は、粒子(P)表面の官能基に反応する。シラン(S1)およびシロキサン(S3)は、シラノール基または加水分解性シリレンのいずれかを有しており、好適は加水分解性シリレンである。シラン(S1)、シラザン(S2)、およびシロキサン(S3)は有機基を有し得るが、代替方法として、有機基のないシラン(S1)、シラザン(S2)、およびシロキサン(S3)を使用することも可能である。オリゴマー(A)は、シラン(S1)、シラザン(S2)、またはシロキサン(S3)との混合物として使用し得る。さらに、粒子はオリゴマー(A)および様々な種類のシランにより連続的に機能化され得る。適切な化合物(L)の例は、チタン(IV)イソプロポキサイドまたはアルミニウム(III)ブトキシド等の金属アルコキシド、例えば保護コロイド(ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、またはビニルピロリドンポリマー等)、および例えばエトキシ化アルコールおよびフェノール(アルキル基C〜C18、EO度3〜100)、アルキル硫酸(C〜C18)のアルカリ金属塩およびアンモニウム塩、硫酸またはリン酸エステル、スルホン酸アルキル等の乳化剤である。特に好ましくは、スルホコハク酸エステル、アルカリ金属スルホン酸アルキル、およびポリビニルアルコールである。2種類以上のコロイドおよび/または乳化剤を混合物の形態で使用することも可能である。
この意味で特に好ましくは、オリゴマー(A)と一般式[3]
(RO)4‐a‐b(Z)Si(R14[3]
のシラン(S1)の混合物であり、その場合
Zはハロゲン原子、擬ハロゲン基、Si‐N‐結合アミン基、アミド基、オキシム基、アミンオキシ基、またはアシルオキシ基を示し、
aは0、1、2、または3であり、
bは0、1、2、または3であり、
はR11の定義を有し、R14はRの定義を有し、a+bは4以下である。
その場合、aは好ましくは0、1、または2であり、bは好ましくは0または1である。Rは好ましくはR11の定義を有する。
特に好ましくは、使用されるシラザン(S2)およびシロキサン(S3)はヘキサメチルジシラザンおよびヘキサメチルジシロキサンまたは有機官能基の鎖末端を有する直鎖状シロキサンである。
粒子(P)の改質に使用されるシラン(S1)、シラザン(S2)、シロキサン(S3)、またはその他の化合物(L)は、好ましくは>1重量%(粒子(P)を基準として)で使用される。
粒子(P)から得られた改質粒子(PA)は、例えば使用溶媒の蒸発または噴霧乾燥等の一般的方法により分離し、粉末化し得る。代替方法として、粒子(PA)を分離しなくても良い。
さらに、粒子(PA)生成後の好適な手順では、ピンディスクミルまたはピンディスクミル等、微粉砕または分類用の装置、ハンマーミル、対流ジェットミル、ビーズミル、ボールミル、インパクトミル、または微粉砕/分類用装置等、粒子を解凝集する方法を使用し得る。
本発明は、粒子(P)合成時にオリゴマー(A)が結合することを特徴とする、粒子(PA)の生成工程をさらに提供する。本工程によれば、粒子(P)は好ましくはオリゴマー(A)と一般式[3]のアルコキシシラン(S1)、シラザン(S2)、またはシロキサン(S3)との共加水分解により調製し得る。
本発明は、本発明の粒子(PA)をさらに使用し、複合材料(K)を生成する。
複合材料(K)の生成に使用される基質材料(M)は、有機および無機ポリマーの両方である。このようなポリマー基質(M)の例はポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン(PSU)、ポリフェニルスルホン(PPSU)、ポリウレタン、ポリビニルクロリド、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリスチレン(PS)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエーテルグリコール(PEG)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリアリルエーテルケトン、エポキシ樹脂、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、およびシリコン樹脂である。
同様に基質(M)として適切なポリマーは、通常のゾル‐ゲル法により入手可能な、当業者には周知の酸化物材料である。ゾル‐ゲル法に従って、加水分解可能および縮合可能なシランおよび/または有機金属試薬は、水を用いて、もしくは任意選択的に触媒存在下で加水分解し、適切な方法により硬化させ、ケイ酸化または酸化物材料を形成させる。
シランまたは有機金属試薬が、架橋に使用され得る有機官能基(例えばエポキシ基、メタクリロイル基、アミン基)を有する場合、改質されたこれらのゾル‐ゲル材料は、有機成分を用いて追加的に硬化させ得る。この場合、有機成分は―適宜さらなる反応性有機成分添加後―とりわけ熱的またはUV照射により硬化させる。このように、エポキシ基性アルコキシシランとエポキシ樹脂の反応により、または任意選択的にはアミン硬化剤存在下で入手可能なゾル‐ゲル材料は、基質(M)としての適性を有している。このような有機‐無機ポリマーのさらなる例は、アミノ基性アルコキシシランおよびエポキシ樹脂より調製可能なゾル‐ゲル材料である。有機成分の導入により、例えばゾル‐ゲル膜の弾性を強化し得る。このような有機‐無機ポリマーは、例えば非特許文献5に記載されている。
さらに適切な基質材料(M)は、様々な基質ポリマーおよび/または対応するコポリマーの混合物である。
さらに、基質材料(M)として反応性樹脂を使用することもできる。この意味で反応性樹脂が意味するのは、1種類以上の反応性基を有する化合物である。例を挙げて本明細書に示す反応性基はヒドロキシル基、アミノ基、イソシアネート基、エポキシドキ、エチレン不飽和基、および湿分架橋性アルコキシル基などである。適切な阻害剤および/または硬化剤存在下では、反応性樹脂は熱処理または化学線により重合され得る。
このような反応性樹脂は、モノマー、オリゴマー、およびポリマーの形態をとると考えられる。通常の反応性樹脂はヒドロキシ官能性樹脂(例えばイソシアネート官能性硬化剤と架橋するヒドロキシル含有ポリアクリレートまたはポリエステル等)、開始剤添加後に熱的または化学線により硬化するアクリロイルおよびメタクリロイル官能性樹脂、アミン硬化剤と架橋するエポキシ樹脂、反応によりSiH官能性硬化剤と架橋し得るビニル官能性シロキサン、および重縮合により硬化し得るSiOH官能性シロキサンである。
複合材料(K)では、本発明の粒子(PS)は分布勾配を有する、あるいは均一に分布していると考えられる。選択された基質系に基づけば、粒子の均一な分布または不均一な分布は、例えば機械的安定性または耐薬品性を鑑みれば有利と考えられる。
本発明の粒子(PA)は、基質(M)に反応する有機官能性基を有し、分散後の粒子(PA)は基質(M)と共有結合し得る。
複合材料(K)中の粒子(PA)の量は、総重量を基準として好ましくは少なくとも1重量%、好ましくは少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも10重量%、好ましくは90重量%以下である。複合材料(K)は1種類以上の粒子(PA)を含み得る。そのため、例えば本発明は、改質二酸化ケイ素および改質酸化アルミニウム酸化アルミニウムを含む複合材(K)を提供する。
複合材料(K)は、好ましくは2段階工程で生成される。第1段階で、分散物(D)は粒子(PA)を基質材料(M)へ組み入れることにより調製される。第2段階で、分散物(D)は複合材料(K)に変換される。
分散物(D)を調製するには、基質材料(M)および本発明の粒子(PA)を溶媒中、好ましくは極性の非プロトン性またはプロトン性溶媒あるいは溶媒混合物に溶解または分散させる。適切な溶媒はジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N‐メチル‐2‐ピロリドン、水、エタノール、メタノール、プロパノールである。ここで基質(M)を粒子(PA)に添加し得る、あるいは粒子(PA)を基質(M)に添加し得る。粒子(PA)を基質材料(M)に分散させるには、分散で一般的に使用されるさらなる添加剤および補助剤を使用してもよい。これには塩酸、リン酸、硫酸、硝酸、トリフルオロ酢酸、酢酸、メチルスルホン酸等のブレンステッド酸、例えばトリエチルアミンおよびエチルジイソプロピルアミン等のブレンステッド塩基などがある。さらなる補助剤として、さらに通常使用されるすべての乳化剤および/または保護コロイドを使用し得る。保護コロイドの例はポリビニルアルコール、セルロース誘導体、またはビニルピロリドンポリマーである。通例の乳剤は、例えばエトキシ化アルコールおよびフェノール(アルキル基C〜C16、EO度3〜100)、硫酸アルキル(C〜C18)のアルカリ金属塩およびアンモニウム塩、硫酸およびリン酸エステル、ならびにスルホン酸アルキルである。
特に好ましいのは、スルホコハク酸エステルおよびアルカリ金属硫酸アルキルおよびポリビニルアルコールである。混合物として2種類以上の保護コロイドおよび/または乳化剤も使用し得る。
粒子(PA)および基質(M)が固形状で存在する場合、分散物(D)は融解または押出工程を用いて調製してもよい。
代替方法として、分散物(D)は基質材料(M)にて粒子(P)を改質することにより調製し得る。そのような目的で、粒子(P)を基質材料(M)にて分散させ、次にオリゴマー(A)と反応させて粒子(PA)を得る。
分散物(D)が水性または有機溶媒を含む場合、対応する溶媒は分散物(D)調製後に除去する。この場合、溶媒の除去は、好ましくは蒸留により達成する。代替方法として、分散物(D)中に残留する溶媒は、複合材料(K)の生成過程で乾燥により除去し得る。
さらに分散物は、配合物中に通常の溶媒、補助剤、および添加剤を保持することがある。それには、とりわけフロー制御剤、表面活性物質、定着剤、光安定剤(UV吸収剤および/またはフリーラジカルスカベンチャー等)、チキソトロープ剤、およびさらなる固体および充填剤が含まれる。分散物(D)および複合材料(K)の両方とも、それぞれに求められる特定の特性プロファイルを生じさせるには、このようなタイプの補助剤が好適である。
複合材料(K)を生成するため、粒子(PA)および基質(M)を含む分散物(D)は、基質上にナイフコートする。その他の方法は液浸、噴霧、流し込み、および押出工程である。適切な基質はガラス、金属、木材、シリコンウエハ、およびプラスチック(例えば、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、およびPTFE等)などである。
分散物(D)が粒子(PA)と反応性樹脂(M)の混合物である場合、分散物は、化学線または熱エネルギーを用いて、好ましくは硬化剤または開始剤添加後に硬化させる。
代替方法として、複合材料(K)は、基質(M)にて本発明の粒子(PA)を形成することにより生成し得る。このような複合材料(K)を生成するための通常の1つの工程は、例えば加水分解性有機金属化合物または有機ケイ素化合物、およびオリゴマー(A)等が基質(M)にて溶解され、続いて、例えば触媒添加により粒子形成工程が開始されるゾル‐ゲル合成である。この場合、適切な粒子前駆体はテトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン等である。複合材料(K)を生成するため、ゾル‐ゲル混合物を基質に塗布し、溶媒を蒸発させ乾燥させる。
同様に好適な方法では、適切な溶媒を用いて硬化ポリマーを膨張させ、粒子前駆体として、例えば加水分解性有機金属または有機ケイ素化合物、およびオリゴマー(A)を含む溶液に浸漬させる。次に、引き続き上述の方法を用いて、ポリマー基質に蓄積した粒子前駆体からの粒子形成を開始する。
化学的、熱的、および機械的特性が際立っているため、複合材料(K)は詳細には接着剤およびシーラントとして、コーティングとして、シーリング材料および流し込み材料として使用し得る。
本発明のさらなる実施形態では、本発明の粒子(PA)は極性系(無溶媒ポリマーおよび樹脂、または有機樹脂の溶液、懸濁液、乳剤、および分散液等)、水性系、または有機溶媒(ポリエステル、ビニルエステル、エポキシド、ポリウレタン、アルキド樹脂等)にて高増粘作用を有するため、これらの系にとって適切なレオロジー添加物であることを特徴とする。
このような系におけるレオロジー添加剤として、粒子(PA)により必要な粘性(構造的粘性)および必要とされるチキソトロピーが付与され、垂直面に留まり得るのに十分な降伏点が得られる。
本発明のさらなる実施形態では、表面改質粒子(PA)の特徴は、粉末系では例えば湿分の影響による固化および凝塊を防止するだけでなく、再凝塊および望まない分離の傾向も認められないが、その代わり粉末が流体状に保たれるため、頑健で保存安定性のある混合物になり得ることである。概し、粉末系を基準として0.1重量%〜3重量%の粒子を使用する。これを塗布し、詳細には非接触または電子写真印刷/複写工程等にて非磁性または磁性トナー、現像剤、および電荷制御剤において使用する。これらは一成分系およびに二成分系と考えられる。これは塗装系として使用される粉末状の樹脂の場合でも同じである。
本発明はトナー、現像剤、および電荷制御剤に粒子(PA)をさらに提供する。そのような現像剤およびトナーの例は、磁性の一成分および二成分トナーおよび非磁性トナーである。主成分として、これらのトナーは樹脂(スチレン系およびアクリル系樹脂等)を含み得るものであり、好ましくは粒子分布1〜100 μmまで粉砕させ得る、あるいは分散液、乳剤、溶液、またはバルクにて重合工程で調製される、粒子分布が1〜100 μmの樹脂でもよい。酸化ケイ素および酸化金属は、好ましくは粉流体特性を強化および制御するおよび/またはトナーまたは現像剤の摩擦動的電荷を調節および制御する。このようなトナーおよび現像剤は、電子写真印刷および刷り工程で使用され、直接転写工程でも使用され得る。
上述の公式におけるすべての記号は、互いに独立した定義を有する。すべての公式において、ケイ素原子は四価である。
他に記載がない限り、すべての量および割合に関する数字は重量を基準とし、すべての圧は0.10 MPa(abs.)、すべての温度は20°Cとする。
(発明性のあるオリゴマーAの合成):トルエン10 ml中のメタクリロイルオキシメチルトリエトキシシラン(GENIOSIL(登録商標) XL‐36、Wacker Chemie AG、ドイツ・ミュンヘン)48 mmol、Cu(I)Clを0.6 mmol、および2,2’‐ビピリジン1.32 mmolの混合物を窒素空気下でエトキシブロモイソ酪酸エチル 1.8 mmolと混合する。混合物は、12時間かけて70°Cまで加熱する。粗い(100メッシュ)こし器を介してこれを濾過し、(GPCにより測定したとおり)トルエン中に数平均モル質量4280 g/molおよび重量平均モル質量6670 g/mol、多分散性1.55のオリゴメタクリロシラン56%溶液を得る。H NMRにより測定された転化率は85%である。
(発明性のあるオリゴマーAの合成):トルエン10 ml中メタクリロイルオキシメチル(ジエトキシ)メチルシラン(GENIOSIL(登録商標) XL‐34、Wacker Chemie AG、ドイツ・ミュンヘン)48 mmol、Cu(I)Clを0.6 mmol、および2,2’‐ビピリジン1.32 mmolの混合物を窒素空気下でエトキシブロモイソ酪酸エチル1.8 mmolと混合する。混合物は、12時間かけて70°Cまで加熱する。粗い(100メッシュ)こし器を介してこれを濾過し、(GPCにより測定したとおり)トルエン中に数平均モル質量3860 g/molおよび重量平均モル質量6030 g/mol、多分散性1.57のオリゴメタクリロシラン52%溶液を得る。H NMRにより測定された転化率は75%である。
(発明性のあるオリゴマーAの合成):トルエン10 ml中のメタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(GENIOSIL(登録商標) GF‐31、Wacker Chemie AG、ドイツ・ミュンヘン)48 mmol、Cu(I)Clを0.6 mmol、および2,2’‐ビピリジン1.32 mmolの混合物を窒素空気下でエトキシブロモイソ酪酸エチル1.8 mmolと混合する。混合物は、12時間かけて70°Cまで加熱する。粗い(100メッシュ)こし器を介してこれを濾過し、(GPCにより測定したとおり)トルエン中に数平均モル質量5672 g/molおよび重量平均モル質量10200 g/mol、多分散性1.81のオリゴメタクリロシラン45%溶液を得る。H NMRにより測定された転化率は70%である。分子量分布は、個々のオリゴマー分子間の縮合の程度が低いことを示している。
(発明性のあるオリゴマーAの合成):トルエン10 ml中メタクリロイルオキシメチル(ジメトキシ)メチルシラン(GENIOSIL(登録商標) XL‐32、Wacker Chemie AG、ドイツ・ミュンヘン)48 mmol、Cu(I)Clを0.6 mmol、および2,2’‐ビピリジン1.32 mmolの混合物を窒素空気下でエトキシブロモイソ酪酸エチル1.8 mmol と混合する。混合物は、12時間かけて70°Cまで加熱する。粗い(100メッシュ)こし器を介してこれを濾過し、(GPCにより測定したとおり)トルエン中に数平均モル質量3730 g/molおよび重量平均モル質量6100 g/mol、多分散性1.81のオリゴメタクリロシラン53%溶液を得る。H NMRにより測定された転化率は65%である。
(発明性のあるオリゴマーAの合成):トルエン10 ml中のメタクリロイルオキシメチルトリエトキシシラン(GENIOSIL(登録商標) XL‐33、Wacker Chemie AG、ドイツ・ミュンヘン)48 mmol、Cu(I)Clを0.6 mmol、および2,2’‐ビピリジン1.32 mmolの混合物を窒素空気下でエトキシブロモイソ酪酸エチル 1.8 mmolと混合する。混合物は、15時間かけて70°Cまで加熱する。粗い(100メッシュ)こし器を介してこれを濾過し、(GPCにより測定したとおり)トルエン中に数平均モル質量4730 g/molおよび重量平均モル質量8160 g/mol、多分散性1.72のオリゴメタクリロシラン56%溶液を得る。H NMRにより測定された転化率は>95%である。
(発明性のあるオリゴマーAの合成):トルエン20 ml中のメタクリロイルオキシメチルトリエトキシシラン(GENIOSIL(登録商標) GF‐31、Wacker Chemie AG、ドイツ・ミュンヘン)96 mmol、Cu(I)Clを1.2 mmol、および2,2’‐ビピリジン2.62 mmolの混合物を窒素空気下でエトキシブロモイソ酪酸エチル 7.2 mmolと混合する。混合物は、15時間かけて70°Cまで加熱する。粗い(100メッシュ)こし器を介してこれを濾過し、(GPCにより測定したとおり)トルエン中に数平均モル質量5000 g/molおよび重量平均モル質量7610 g/mol、多分散性1.52のオリゴメタクリロシラン51%溶液を得る。H NMRにより測定された転化率は>95%である。
(発明性のあるオリゴマーAの合成):トルエン20 ml中のメタクリル酸ヒドロキシプロピル10 mmol、メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(GENIOSIL(登録商標) GF‐31、Wacker Chemie AG、ドイツ・ミュンヘン)96 mmol、Cu(I)Clを1.2 mmol、および2,2’‐ビピリジン2.62 mmolの混合物を窒素空気下でエトキシブロモイソ酪酸エチル 7.2 mmolと混合する。混合物は、15時間かけて70°Cまで加熱する。粗い(100メッシュ)こし器を介してこれを濾過し、(GPCにより測定したとおり)トルエン中に数平均モル質量4636 g/molおよび重量平均モル質量7600 g/mol、多分散性1.64のオリゴメタクリロシラン58%溶液を得る。H NMRにより測定された転化率は>80%である。
(発明性のあるオリゴマーAの合成):トルエン20 ml中のメタクリル酸ブチル10 mmol、メタクリロイルオキシメチルトリメトキシシラン(GENIOSIL(登録商標) XL‐33、Wacker Chemie AG、ドイツ・ミュンヘン)96 mmol、Cu(I)Clを1.2 mmol、および2,2’‐ビピリジン2.62 mmolの混合物を窒素空気下でエトキシブロモイソ酪酸エチル 7.2 mmolと混合する。混合物は、15時間かけて70°Cまで加熱する。粗い(100メッシュ)こし器を介してこれを濾過し、(GPCにより測定したとおり)トルエン中に数平均モル質量4820 g/molおよび重量平均モル質量7220 g/mol、多分散性1.50のオリゴメタクリロシラン53%溶液を得る。H NMRにより測定された転化率は>95%である。
(発明性のあるオリゴマーAの合成):トルエン20 ml中のメタクリロイルオキシメチルトリメトキシシラン(GENIOSIL(登録商標) XL‐33、Wacker Chemie AG、ドイツ・ミュンヘン)10 g mmol、ラウリルメルカプタン0.3 g mmol、およびt-ブチルパーオキシベンゾエート0.3 g mmolの混合物を窒素空気下で、7時間かけて110°Cまで加熱する。これによりトルエン中にオリゴメタクリロシラン33%が得られる。
(発明性のあるオリゴマーAの合成):トルエン20 ml中のメタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(GENIOSIL(登録商標) GF‐31、Wacker Chemie AG、ドイツ・ミュンヘン)10 g、ラウリルメルカプタン0.3 g、およびt-ブチルパーオキシベンゾエート0.3 gの混合物を窒素空気下で、7時間かけて110°Cまで加熱する。これにより、GPCにより測定したとおり、トルエン中に数平均モル質量約7000 g/molのオリゴメタクリロシラン33%が得られる。
粒子の改質およびその後の溶媒交換
イソプロパノール(IPA‐ST(登録商標)、Nissan Chemical、30.5重量%SiO、平均粒子サイズ12 nm)中のシリカゾル5.00 gを実施例6に記載のオリゴマー51%溶液150 μlに滴加し、反応混合物を室温で12時間撹拌する。酢酸メトキシプロピル15 g添加後、減圧下で反応混合物を固形分10重量%まで濃縮する。これにより、若干のチンダル効果を示し、極微量のイソプロパノールのみを含む改質シリカゾルが得られる。
粒子の改質およびその後の溶媒交換
イソプロパノール(IPA‐ST(登録商標)、Nissan Chemical、30.5重量%SiO、平均粒子サイズ12 nm)中のシリカゾル5.00 gを実施例5に記載のオリゴマー56%溶液75 μlに滴加し、反応混合物を室温で12時間撹拌する。酢酸メトキシプロピル15 g添加後、減圧下で反応混合物を固形分10重量%まで濃縮する。これにより、若干のチンダル効果を示し、極微量のイソプロパノールのみを含む改質シリカゾルが得られる。
粒子の改質およびその後の分離および再分散
イソプロパノール(IPA‐ST(登録商標)、Nissan Chemical、30.5重量%SiO2、平均粒子サイズ12 nm)中のシリカゾル5.00 gを実施例6に記載のオリゴマー51%溶液150 μlに滴加し、反応混合物を室温で12時間撹拌する。続いて溶媒を蒸発させ、結果生じる沈殿物をイソプロパノールにて再分散させる。これにより、未改質シリカゾルと同様に若干のチンダル効果を示す透明な分散液が得られる。
コーティング配合剤の生成およびそれから得られるコーティング剤およびコーティング剤の特徴
コーティング配合物を調製するため、固形分が52.4重量%(溶媒:溶媒ナフサ、酢酸メトキシプロピル(10:1))のアクリル酸をベースとしたペイント多価アルコール、ヒドロキシ基含量1.46 mmol/gの樹脂溶液、および酸価10〜15 mg KOH/gとBayer製のDesmodur(登録商標) BL3175 SN(ブロック化したNCO含量が2.64 mmolのブタンオキシムブロック化ポリイソシアネート)を混合する。使用される各成分の量は、表1より明らかである。続いて合成実施例10または実施例11に従って調製される分散液について表1に記載された量を添加する。その場合、保護されたイソシアネート基とヒドロキシル基のモル比は約1.1:1となる。さらに、イソプロパノール中にジブチルスズジラウラート0.01 gおよびTEGO AG製の溶解力10%のADDID(登録商標) 100溶液0.03 g(ポリジメチルシロキサンをベースとするフロー制御剤)を混合し、固形分約50%のコーティング配合物を得る。当初は依然としてやや混濁しているこれらの混合物を室温で48時間撹拌し、透明なコーティング配合物を得る。
表1:ワニスの配合
Figure 2009541550
*各ワニス配合物の全固形分の割合としての粒子部分
表1に記載されたコーティング材料とその成分は、コーティングナイフ(スロット長120 μm)およびErichsen製のCoatmaster(登録商標) 509 MCフィルム延伸装置を用いてガラス板に塗布する。得られた塗膜は、通風乾燥器にて70°Cで30分、次に150°Cで30分乾燥させる。すべてのワニス配合物により、視認下で完璧な、滑らかなコーティング剤が生じる。
コーティング剤の光沢は、ByK製のMicroglss 20°光沢計を用いて測定すると、すべてのワニス配合物の光沢はグロス単位159〜194となる。このようにして生成される硬化ワニス膜の引っかき抵抗性は、Peter‐Dahn摩耗試験機を用いて測定する。このような目的のため、表面積45 x 45 mmのScotch Brite(登録商標) 2297研磨パッドに500 gの重しをのせる。この研磨パッドを用いて、ワニスサンプルを計50回引っかく。引っかき試験終了前と終了後の両方に、Byk Microgloss 20°光沢計を用いて各コーティングの光沢を測定する。
各コーティング剤の引っかき抵抗性の測定値として測定されたパラメータは、初回値に対するつやびけである。
Figure 2009541550
表2:Peter‐Dahn引っかき試験におけるつやびけ
結果から、適切に改質された粒子により複合材料が顕著に改善されることが示される。

Claims (7)

  1. エチレン不飽和アルコキシ官能性シラン(S)100重量部と
    エチレン不飽和コモノマー(C)0〜100重量部の重合によって得られる、アルコキシリル官能性オリゴマー(A)とその加水分解物および縮合物。
  2. シラン(S)が、一般式[1]
    (R11O)3‐nSi‐L‐O‐CO‐CR21=CH[1]
    の化合物であり、その場合、
    、R11、およびR21がC〜Cのアルキル基であり、
    nが0、1、または2であり、
    LがC〜Cのアルキレン基であることを特徴とする、請求項1に記載のアルコキシシリル官能性オリゴマー(A)。
  3. 表面に請求項1または請求項2に記載のオリゴマー(A)あるいはその加水分解物および縮合物を有する、コア・シェル粒子(PA)。
  4. 粒子(P)と請求項1または請求項2に記載のオリゴマー(A)を反応させることを特徴とする、請求項3に記載の粒子(PA)生成工程。
  5. 金属‐OH、金属‐O‐金属、Si‐OH、Si‐O‐Si、Si‐O‐金属、Si‐X、金属‐X、金属‐OR、Si‐ORから選択される基を有する粒子と、オリゴマー(A)またはその加水分解物、アルコール分解物、および縮合物とを反応させ、
    その場合、Rが置換または非置換アルキル基であり、
    Xがハロゲン原子であることを特徴とする、請求項4に記載の工程。
  6. 粒子(P)合成時にオリゴマー(A)が結合することを特徴とする、請求項3に記載の粒子(PA)の生成工程。
  7. 基質(M)として有機または無機ポリマーを用いて複合材料(K)を生成するための、請求項3に記載の粒子(PA)の使用。
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