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JP2009529356A - 組織接着剤およびシーラント、ならびにそれらの使用方法 - Google Patents

組織接着剤およびシーラント、ならびにそれらの使用方法 Download PDF

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タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ
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Abstract

ビオチン含有成分とアビジン含有成分とを混合して得られる組成物は、医療および/または手術用の接着剤またはシーラントとして有効である。本発明は特に、生体適合性組成物であって、生体適合性ビオチン含有成分と、生体適合性アビジン含有成分とを含み、前記組成物が組織とインビボで接触させるのに適している生体適合性組成物を提供する。ある実施形態では、ビオチン含有成分はビオチンにより官能基化したポリマー(例えば、ポリエチレングリコールなど)でよく、アビジン含有成分はアビジンにより官能基化したポリマー(例えば、ポリエチレングリコールなど)でよい。

Description

関連出願への相互参照
本願は、2006年2月28日に出願された、米国仮特許出願第60/777,297号の利益および優先権を主張する。米国仮特許出願第60/777,297号は、その全体が本明細書中に援用される。
技術分野
本発明はマトリックスを形成しうるマクロマー含有組成物および手術用接着剤またはシーラントとしてこれらのマクロマーを含む組成物の使用に関する。
関連技術の説明
近年、接着結合による縫合糸の置換または強化に対する関心が高まっている。接着結合に関する関心が高まる理由には、(1)接着結合を用いると修復が行われる可能性がある潜在的な速度、(2)完全な閉鎖を生じ、したがって、流体の漏出を防止する結合物質の能力、および(3)組織の過度な変形なしに結合を形成する可能性がある、ことが挙げられる。
しかし、この分野における研究により、手術用接着剤が外科医により受け入れられるようにするためには、これらの接着剤は多数の特性を持たねばならないことが明らかになった。これらの接着剤は、高い初期タックおよび生体組織へ迅速に結合する能力を持たねばならず、この結合の強度は結合が破壊する前に組織の破壊が生じるほど十分高くする必要があり、これらの接着剤は橋、好ましくは透過性の柔軟な橋を形成する必要があり、接着剤の橋および/またはその代謝生成物は局所的な組織毒性効果または発癌効果を生じてはならない。
組織接着剤または組織シーラントとして有用な物質は、現在、数種類入手できる。現在入手できる一種の組織シーラントは、シアノアクリレート接着剤である。しかし、シアノアクリレート接着剤は、曲げ弾性率が高く、これがこれらの接着剤の実用性を限定するおそれがある。現在入手できる別の型の組織シーラントは、ウシおよび/またはヒトから導かれた成分を利用している。例えば、フィブリン・シーラントは入手できる。しかし、あらゆる天然物の場合と同様に、この物質では品質等のばらつきが頻繁に認められる。
完全合成であり、したがって、ウイルス伝播の懸念はなく、その特性が高度に一貫している生物学的接着剤および/またはシーラントを提供することは望ましいであろう。この種の組成物は、柔軟で生体適合性があり、且つ接着剤またはシーラントとして使用するのに適しているはずである。
概要
ビオチン含有成分とアビジン含有成分とを両方含む組成物は、医療および/または手術用の接着剤および/またはシーラントとして有用である。ある実施形態では、ビオチン含有成分はビオチンにより官能基化したポリマー(例えば、ポリエチレングリコールなど)でよく、アビジン含有成分はアビジンにより官能基化したポリマー(例えば、ポリエチレングリコールなど)でよい。ビオチン含有成分とアビジン含有成分とは別々に保存され、使用する直前に混合するのがよい。一旦単一組成物に合わさると、ビオチン含有成分のビオチン基およびアビジン含有成分のアビジン基は結合してゲル・マトリックスを形成し、このマトリックスは組織と組織との接着または組織または医療用具を組織に接着あるいは組織内の孔を密封するのに有効である。
他の実施形態では、組織を組織に接着させる方法は、本明細書では、ビオチン含有成分とアビジン含有成分とを両方含む組成物を接近した組織に塗布する方法により提供する。他の実施形態では、医療用具を組織に接着させる方法は、本明細書では、ビオチン含有成分とアビジン含有成分とを両方含む組成物を医療用具または組織に塗布して提供する。他の実施形態では、組織内の孔を密封する方法は、本明細書では、ビオチン含有成分とアビジン含有成分とを両方含む組成物を組織の欠陥に塗布して提供する。
さらに他の実施形態では、固形化した医療用具が、ビオチン含有成分とアビジン含有成分とを両方含む組成物から形成される。
さらに他の実施形態では、ビオチン含有成分を含む第1組成物を入れた第1チェンバー、アビジン含有成分を含む第2組成物を入れた第2チェンバー、および第1および第2の組成物を同時に分注するための1つ以上の出口を備えている装置を提供する。
詳細な説明
本発明は、生体適合性で非免疫原性である組織接着剤またはシーラントとして使用する組成物に関する。この組成物は、組織のへりとへりを接着させ、組織内の空気および/または流体の漏れを密封し、医療用具を組織に接着させ、さらに、組織内の空隙または欠陥の密封または充填などの組織の拡大に用いることができる。この組成物は、ヒトを含む動物の生体組織および/または肉に塗布することができる。
科学界では用語「肉」と「組織」との間に区別をつけることができるが、これらの用語は、一般的な基質について言及しているので本明細書では相互互換的に使用され、基質について当業者はこの接着剤が患者の処置のための医療分野内で利用されると理解するであろう。本明細書で使われている「組織」には、皮膚、骨、神経細胞、軸索、軟骨、血管、角膜、筋肉、筋膜、脳、前立腺、胸部、子宮内膜、肺、膵臓、小腸、血液、肝臓、睾丸、卵巣、頚部、結腸、胃、食道、脾臓、リンパ節、骨髄、腎臓、末梢血、胚組織または腹水組織があるが、これらに限定されない。
本発明の組成物は、少なくとも1つのビオチン基またはその誘導体を有する成分および少なくとも1つのアビジン基またはその誘導体を有する成分を含む。1つの成分のビオチン部分および他の成分のアビジン基が互いに結合して、それによりこれらの組成物が得られる。これら2つの成分を混合すると、この組成物は3次元ゲル状接着剤マトリックスを迅速に形成する。実施形態では、この組成物は接着剤またはシーラントとして利用される。この組成物は、薬剤の放出を制御することを可能にする薬物担体としても作用することができ、動物、特にヒトの特定の部位に薬剤を直接供給することができる。各成分は、被験者の組織の免疫反応を低減または排除するように合成することが好ましい。
ビオチン(ビタミンH、補酵素Rとも呼ばれる)は、血液および組織内に低濃度で存在する水溶性物質である。ビオチンは、活性化COの担体として作用し、自由エネルギーを追加しなくても受容体へのCOの移動を可能にする。活性化カルボキシビオチンは、通常、カルボキシビオチンの形成に必要な酵素に結びついている。例えば、ビオチンはアセチルCoAの存在下で、カルボキシビオチンの形成を触媒する、ピルベート・カルボキシラーゼに結合することができ、次いで、活性化カルボキシル基をピルベートに移動させ、オキサロアセテートを形成する。
ビオチン含有成分は1つ以上のビオチン部分を含む生体適合性化合物であればよい。この化合物は、官能基化できる小分子またはポリマーであればよい。ビオチン含有成分は、生物吸収性または非生物吸収性である。一部の実施形態では、ビオチン含有成分は多糖類から導かれる。適切な多糖類には、例えば、ソルビトール、マニトール、スクロース、デキストラン、シクロデキストリン、これらの組み合わせなどがある。他の実施形態では、ビオチン含有成分は、ポリアルキレン・オキサイド(PAO)から導かれる。適切なPAOには、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレン・オキサイド(PEO)、ポリプロピレン・オキサイド(PPO)、ラクチド・リンケージを有するポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール(PPG)、コポリエチレン・オキサイド・ロックまたはランダムコポリマー、およびニュージャージー州Mt.OliveのBASF CorporationからPLURONICS(登録商標)として商業的に入手できるトリブロックPEO−PPOコポリマーなどのポリプロピレン・オキサイド(PPO)とのポリエチレン・オキサイド(PEO)コポリマーなどのポロキサマーがあるが、これらに限定されない。官能基化PEGを含む種々の形のPAOも、アラバマ州HuntsvilleのShearwater Polymers,Inc.,およびテキサス州ヒューストンのTexaco Chemical Companyを含む供給者から商業的に入手できる。実施形態では、前述のPAOの組み合わせが利用される。
一部の実施形態では、ビオチン含有成分には生物吸収性ポリマーが含まれる。生物吸収性ポリマーは、体内で分解され、次第に吸収されるか、あるいは加水分解、代謝プロセス、あるいはバルクまたは表面の浸食により身体から排除される。ビオチン含有成分の調製に適した生物吸収性物質の例には、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ−D,L−乳酸(DL−PLA),ポリ−L−乳酸(L−PLA)、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)、ポリ(ヒドロキシブチレート)、ポリ(ヒドロキシブチレート−co−バレレート)、ポリジオキサノン、ポリオルトエステル、ポリ無水物、ポリ(グリコール酸)、ポリ(グリコール酸−コトリメチレン・カーボネート)、ポリホスホエステル、ポリホスホエステル・ウレタン、ポリアミノ酸(ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸、およびミズーリ州セントルイスのSigma−Aldrichから商業的に入手できるものを含むペンダント酸性基を有する合成アミノ酸を含むが、これらに限定されない)、吸収性シアノアクリレート、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(イミノカーボネート)、コポリ(エーテル−エステル)、ポリアルキレンオキサレート、ポリホスファゼン、ポリイミノカーボネート、および脂肪族ポリカーボネートがあるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、前述の生物吸収性物質の組み合わせが利用できる。例えば、1つ以上の前述の生物吸収性ポリマーはPAOと反応させて親水性を有する分解性ポリマーを得、このポリマーはビオチンにより官能基化し、ビオチン含有成分を得ることができる。
一部の実施形態では、ビオチン含有成分は修飾して、多官能性物質、即ち分岐または星状構造を有する物質を作ることができる。分岐を実現する方法は当業者が理解しうる範囲にある方法であり、例えば、ビオチンにより官能基化する前または後に、ビオチン含有成分の形成に用いる化合物を多官能性分岐剤と反応させる方法がある。適切な多官能性分岐剤には、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオールとも呼ばれる)、エンテロジオール、シクロデキストリン、多糖類(例えば、ソルビトール、マニトール、スクロース、デキストラン、シクロデキストリンなど)、ポリオール、ポリビニルアルコール、これらの組み合わせなどがあるが、これらに限定されない。
実施形態では、ビオチン含有成分の分子量は、約200〜約50,000の範囲にあり、約500〜約5,000の範囲にある場合もある。
ポリマーおよび他の化合物(例えば、小分子)は、ビオチンで官能基化する、即ち当業者が理解しうる範囲にあるいずれかの方法によりビオチニル化することができる。例えば、Poly(ethylene Glycol)Chemistry:Biotechnical and Biomedical Applications,J.Milton Harris,ed.,Plenum Press,NY(1992)の22章で開示された方法を用いてPEGに官能基化することができる。
アビジン含有成分は、アビジン、ストレプトアビジンまたはこれらの誘導体により官能基化された生体適合性化合物であればよい。したがって、本明細書で使われているアビジン含有成分は、アビジン、ストレプトアビジンまたはこれらの誘導体から導かれた1つ以上の部分を含むことができる。化合物は、官能基化することができる小分子またはポリマーであればよい。アビジン含有成分は、生物吸収性または非生物吸収性である。
アビジン(鶏卵の白身からの糖たんぱく質)およびストレプトアビジン(ストランドミセス・アビジニから得られる)は2つの関連したたんぱく質であり、約10−15Mの類似の解離定数を有するビオチンと結合する。アビジンは、4つの同一のサブユニットを有するテトラマーとして天然に存在し、サブユニットは各々が約128個のアミノ酸残基、6個のマノース残基、および3個のグルコサミン残基を有し、総分子量は約68,000である。アビジンおよびストレプトアビジンは、ビオチンへの結合能力に加えて、多くの物理特性がよく類似している。例えば、両方が非共有結合した4つの同一のサブユニットから構成され、これらのサブユニットの各々は単一のビオチン結合部位を有する。サブユニットのMr値はよく似ている。その上、2つのたんぱく質の配列内のいくつかの短いストレッチ、特にほぼ同じ位置に存在する2つのTrp−Lysストレッチが維持される。
アビジン、ストレプトアビジンおよびこれらの誘導体、並びにこれらを取得する方法は、当業者の理解しうる範囲にある。例えば、修飾アビジンは、N−アシルアビジン、例えば、N−ホルミルアビジン、N−アセチルアビジンおよびN−スクシニルアビジンなどが調製された。これらのアビジン誘導体は、たんぱく質の荷電を下げるが、これらはすべて利用可能なアビジンのリジン類への共有結合を介して作られる。リジン修飾の代替法は、アビジン上のアルギニンの修飾である。この場合、リジン類はなおもその後の反応に利用できる。このようにして修飾されるアビジンの2種類の誘導体は、商業的に入手できる。第1のExtrAvidin(登録商標)は、ミズーリ州セントルイスのSigma Chemical Companyから種々の官能基化された誘導体形または共役形として得られる。第2のNeutraLite Avidin(商標)(ベルギー,BastogneのBelovo Chemicalsの製品)は、酵素を用いて得られた脱グリコシル化形のアビジンであり、これはpHは中性であり、さらに、誘導体化するためのフリーリジン基を有する。他のアビジン誘導体には、米国特許第6,638,508および6,632,929号で開示されたものがあり、これらの特許の各々の開示内容は、引用により全体が本明細書に組み込まれている。
一部の実施形態では、アビジン含有成分は多糖類から導かれる。適切な多糖類には、例えば、ソルビトール、マニトール、スクロース、デキストラン、シクロデキストリン、これらの組み合わせなどがある。他の実施形態では、アビジン含有成分は、ポリアルキレン・オキサイド(PAO)から導かれる。適切なPAOには、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレン・オキサイド(PEO)、ポリプロピレン・オキサイド(PPO)、ラクチド・リンケージを有するポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール(PPG)、コポリエチレン・オキサイド・ロックまたはランダムコポリマー、およびニュージャージー州Mt.OliveのBASF CorporationからPLURONICS(登録商標)として商業的に入手できるトリブロックPEO−PPOコポリマーなどのポリプロピレン・オキサイド(PPO)とのポリエチレン・オキサイド(PEO)コポリマーなどのポロキサマーがあるが、これらに限定されない。官能基化PEGを含む種々の形のPAOも、アラバマ州HuntsvilleのShearwater Polymers,Inc.,およびテキサス州ヒューストンのTexaco Chemical Companyを含む供給者から商業的に入手できる。実施形態では、前述のPAOの組み合わせが利用される。
一部の実施形態では、アビジン含有成分の調製に生物吸収性ポリマーが使われる。生物吸収性ポリマーは、体内で分解され、次第に吸収されるか、あるいは加水分解、代謝プロセス、あるいはバルクまたは表面の浸食により身体から排除される。アビジン含有成分の調製に適した生物吸収性物質の例には、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ−D,L−乳酸(DL−PLA),ポリ−L−乳酸(L−PLA)、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)、ポリ(ヒドロキシブチレート)、ポリ(ヒドロキシブチレート−co−バレレート)、ポリジオキサノン、ポリオルトエステル、ポリ無水物、ポリ(グリコール酸)、ポリ(グリコール酸−コトリメチレン・カーボネート)、ポリホスホエステル、ポリホスホエステル・ウレタン、ポリアミノ酸(ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸、およびミズーリ州セントルイスのSigma−Aldrichから商業的に入手できるものを含むペンダント酸性基を有する合成アミノ酸を含むがこれらに限定されない)、吸収性シアノアクリレート、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(イミノカーボネート)、コポリ(エーテル−エステル)、ポリアルキレンオキサレート、ポリホスファゼン、ポリイミノカーボネート、および脂肪族ポリカーボネートがあるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、前述の生物吸収性物質の組み合わせが利用できる。例えば、1つ以上の前述の生物吸収性ポリマーはPAOと反応させて親水性を有する分解性ポリマーを得、このポリマーはアビジンにより官能基化し、アビジン含有成分を得ることができる。
一部の実施形態では、アビジン含有成分は修飾して、多官能性物質、即ち分岐または星状構造を有する物質を作ることができる。分岐を実現する方法は当業者が理解しうる範囲にある方法であり、例えば、アビジンにより官能基化する前または後に、アビジン含有成分の形成に用いる化合物を多官能性分岐剤と反応させる方法がある。適切な多官能性分岐剤には、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオールとも呼ばれる)、エンテロジオール、多糖類(例えば、ソルビトール、マニトール、スクロース、デキストラン、シクロデキストリンなど)、ポリオール、ポリビニルアルコール、これらの組み合わせなどがあるが、これらに限定されない。
実施形態では、ビオチン含有成分の分子量は、約200〜約50,000の範囲にあり、約500〜約5,000の範囲にある場合もある。
ポリマーおよび他の化合物(例えば、小分子)は、当業者が理解しうる範囲にあるいずれかの方法によりアビジンで官能基化することができる。例えば、Poly(ethylene Glycol)Chemistry:Biotechnical and Biomedical Applications,J.Milton Harris,ed.,Plenum Press,NY(1992)の22章で開示された方法を用いてPEGに官能基化することができる。
各アビジンまたはストレプトアビジンは、1分子のビオチンに結合する。この結合のユニークな特徴は、アビジンービオチン錯体の形成の強度および選択性である。得られる親和定数は、アビジンでは1.6×1015−1、ストレプトアビジンでは2.5×1013−1と推定され、たんぱく質およびリガンドでは最高であると言われている。親和性が強いので、高濃度の変性剤、例えば、6Mのグアニジニウム塩化水素、3Mのグアニジニウム・チオシアネート、8Mの尿素、10%β−メルカプトエタノールまたは10%ドデシル硫酸ナトリウムなどの強烈な薬剤に室温でさらした場合でさえも、結合部位からビオチンを遊離させることができない。変性剤または洗浄剤の存在下で低pH(1.5)または加熱(>70℃)してグアニジニウム塩化水素により複合処理すると、たんぱく質は変性され、ビオチンは崩壊結合部位から取り外すことができる。
ビオチン含有成分とアビジン含有成分とは、調製し、次いで、使用するまで別々に貯蔵する。ビオチン含有成分および/またはアビジン含有成分は、きちんと貯蔵することができる。あるいは、ビオチン含有成分および/またはアビジン含有成分は、乾燥粉末として貯蔵し、使用直前に(例えば、水または他の生体適合性溶媒と混合することにより)もどすことができる。あるいは、ビオチン含有成分および/またはアビジン含有成分は、水または他の生体適合性溶媒を含む組成物として処方し、塗布するまで別々に貯蔵することができる。例えば、これらの製剤は溶液、エマルジョン、分散体でよい。この種の製剤におけるビオチン含有成分およびアビジン含有成分の濃度は、用いた特定のポリマーのタイプと分子量とを含む多数の要因および望ましい最終用途、即ち接着剤またはシーラントにより変動するであろう。実施形態では、ビオチン含有成分および/またはアビジン含有成分は、この種の製剤において、組成物の重量で約5〜約95%、好ましくは組成物の重量で約20〜約80%の量にて存在する。
一部の実施形態では、これらの組成物は、1つ以上の生物活性剤を含むことができる。生物活性剤は、ビオチン含有成分、アビジン含有成分、または両方を含む製剤に含まれる。あるいは、生物活性剤は、使用する直前に、ビオチン含有成分および/またはアビジン含有成分と混合することができる。本明細書で使われる用語「生物活性剤」は、その最も広い意味で使われ、臨床用途を有するあらゆる物質またはその混合物を含む。その結果として、生物活性剤は、薬理活性、それ自体、例えば、染料、を有するものと有しないものがある。あるいは、生物活性剤は、治療効果または予防効果を与える薬剤、即ち、組織の増殖、細胞の増殖または細胞分化に影響を及ぼすか、または関与する化合物、即ち、免疫反応などの生物学的作用を引き起こすか、または1つ以上の生物プロセスにおいて他の何らかの役割を果たしうる化合物であることもありうる。
本発明により利用することができる種類の生物活性剤の例には、抗菌剤、鎮痛薬、解熱剤、麻酔剤、抗てんかん薬、抗ヒスタミン薬、抗炎症薬、心血管治療薬、診断薬、交感神経作動薬、コリン作用薬、抗ムスカリン薬、抗鎮痙薬、ホルモン、増幅因子、筋弛緩薬、アドレナリン作動性ニューロン遮断薬、抗新生物薬、免疫原薬、免疫抑制剤、胃腸薬、利尿薬、ステロイド、脂質、リポ多糖類、多糖類、および酵素がある。これらの組成物では、生物活性剤の組み合わせが使用できることも意味している。
本発明の組成物において生物活性剤として含まれる適切な抗菌剤には、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテルとも呼ばれる、トリクロサン、クロルヘキシジン・アセテート、クロルヘキシジン・グルコネート、クロルヘキシジン塩化水素、およびクロルヘキシジン・サルフェートを含むクロルヘキシジンおよびその塩類;酢酸銀、安息香酸銀、炭酸銀、クエン酸銀、ヨウ素酸銀、ヨウ化銀、乳酸銀、ラウリン酸銀、硝酸銀、酸化銀、パルミチン酸銀、銀たんぱく質および銀スルファジアジンを含む銀およびその塩類;ポリミキシン;テトラサイクリン;トブラマイシンおよびゲンタマイシンなどのアミノグリコシド類;リファンピシン;バシトラシン;ネオマイシン;クロラムフェニコール;マイコナゾール;オキソリン酸、ノルフロキサシン、ナリシクス酸、ペフロキサシン、エノキサシン、およびシプロフロキサシンなどのキノロン類;オキサシリンおよびピプラシルなどのペニシリン類;ノノキシノール9;フシジン酸;セファロスポリンおよびこれらの組み合わせがある。さらに、抗菌性たんぱく質ならびにラクトフェリンおよびラクトフェリシンBなどのペプチドは、本発明の組成物の生物活性剤として含まれる。
本発明の組成物の生物活性剤として含まれる他の生物活性剤には、局所麻酔剤;非ステロイド系避妊薬;副交感神経興奮薬;精神治療薬;精神安定剤;充血除去剤;催眠沈静薬;ステロイド;スルホンアミド;交感神経様作用薬;ワクチン;ビタミン類;抗マラリア薬;抗片頭痛薬;L−ドーパなどの抗パーキンソン病薬;抗鎮痙薬;抗コリン薬(例えば、オキシブチニン);咳止め薬;気管支拡張薬;冠拡張薬およびニトログリセリンなどの心・血管作動薬;アルカロイド;鎮痛薬;コデイン、ジヒドロコデイノン、メペリジン、モルフィンなどの麻酔剤;サリシレート、アスピリン、アセトアミノフェン、d−プロポキシフェンなどの非麻酔剤;ナルトレキソンおよびナロキソンなどのオピオイド受容体拮抗薬;抗癌剤;抗けいれん剤;制吐薬;抗ヒスタミン剤;ホルモン剤、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、非ホルモン剤、アロプリノール、インドメタシン、フェニルブタゾンなどの抗炎症薬;プロスタグランジンおよび細胞毒性薬;エストロゲン;抗菌剤;抗生物質;抗真菌薬;抗ウイルス薬;抗凝固剤;抗けいれん剤;抗うつ薬;抗ヒスタミン薬;および免疫薬がある。
本発明の組成物に含まれる適切な生物活性剤の例には、他に、ウイルスおよび細胞、ペプチド、ポリペプチドおよびたんぱく質、類似体、突然変異たんぱく質、および免疫グロブリン、抗体、サイトカイン(例えば、リンフォカイン、モノカイン、ケモカイン)、血液凝固因子、造血因子、インターロイキン(IL−2、IL−3、IL−4、IL−6)、インターフェロン(β−IFN、(α−IFNおよびγ−IFN)、エリスロポイエチン、ヌクレアーゼ、腫瘍壊死因子、コロニー刺激因子(例えば、GCSF、GM−CSF、MCSF)、インスリン、抗腫瘍剤および腫瘍抑制剤、血液たんぱく質、ゴナドトロピン(例えば、FSH、LH、CGなど)、ホルモンおよびホルモン類似体(例えば、増殖ホルモン)、ワクチン(例えば、腫瘍性抗原、細菌性抗原およびウイルス性抗原)などこれらの活性フラグメント;ソマトスタチン、抗原;血液凝固因子;増殖因子(例えば、神経増殖因子、インスリン様増殖因子);たんぱく質阻害剤、たんぱく質拮抗薬、およびたんぱく質作用薬;アンチセンス分子、DNAおよびRNAなどの核酸類;オリゴヌクレオチド類;およびリポザイム類;グリコノサミノグリカン類などの天然に存在する種々の多糖類の誘導体およびコラーゲンなどのたんぱく質を含む天然に存在するポリマー;エラスターゼ、カテプシンG、カテプシンE、カテプシンB、カテプシンH、カテプシンL、トリプシン、ペプシン、キモトリプシン、γ−グルタミル転移酵素(γ−GTP)などのペプチド加水分解酵素;ホスホリラーゼ、ノイラミダーゼ、デキストラナーゼ、アミラーゼ、リゾチーム、オリゴサッカラーゼなどの糖鎖加水分解酵素;アルカリ性ホスファターゼ、エンドリボヌクレアーゼ、エンドデオキシリボヌクレアーゼなどのオリゴヌクレオチド加水分解酵素がある。酵素が添加される一部の実施形態では、酵素はリポソームまたはミクロスフェア内に含まれ、酵素の放出速度を調節し、それにより本発明の組成物の崩壊速度を調節する。リポソームおよび/またはミクロスフェア内に酵素を組み込む方法は、当業者の理解しうる範囲にある。
本発明の組成物では単一の生物活性剤を使用してもよいし、別の実施形態では、複数の生物活性剤の混合物を使用してもよい。
多種多様な任意の成分を本発明の組成物に添加してもよい。安定した抗菌剤特性を与え、これらの組成物に他の物質を分注するのに役立つリン脂質界面活性剤を、本発明の組成物に添加してもよい。ヨウ素または硫酸バリウムなどの造影剤、あるいはフッ素は、本発明の組成物と混合し、X線、MRI、およびCATスキャンを含む撮像装置の使用により手術部位を視覚化することもできる。
一旦得られると、ビオチン含有成分とアビジン含有成分とを混合して本発明の組成物を形成し、この組成物は、実施形態において、生体適合性接着剤またはシーラントとして利用できる。実施形態では、ビオチン含有成分とアビジン含有成分とは、組織表面に直接塗布し、アビジン基とビオチン基との間の反応の結果として3次元架橋マトリックスを形成することができる。
本発明の組成物を他の添加剤と共に、または添加剤なしに塗布することは、普通の手段により行うことができる。これらには、ドリッピング、はけ塗り、または組織表面へのこの組成物の他の直接的操作、即ち表面への生体適合性組成物の噴霧がある。開放性手術では、手、かん子などによる塗布が考えられる。内視鏡手術では、生体適合性組成物は、トロカールのカニューレにより供給し、当業者の理解しうる範囲にある装置によりこの部位に広げて薄く塗ることができる。
生体適合性組成物は、普通の接着剤ディスペンサーから分注することもでき、ディスペンサーは分注する前にビオチン含有成分とアビジン含有成分とを混合することができる。この種のディスペンサーは、例えば、米国特許第4,978,336、4,361,055、4,979,942、4,359,049、4,874,368、5,368,563、および6,527,749号で開示され、各々の開示内容は、引用により全体が本明細書に組み込まれている。したがって、実施形態では、本発明は、ビオチン含有成分を含む第1組成物を入れた第1チェンバー、アビジン含有成分を含む第2組成物を入れた第2チェンバー、および第1および第2の組成物を同時に分注するための1つ以上の出口を備えている装置にも関する。
ビオチン含有成分とアビジン含有成分との混合物から得られる生体適合性組成物は、創傷縫合(手術による切開および他の創傷を含む)、医療用具(インプラントを含む)、接着剤、シーラントおよび空隙充填剤、並びに塞栓剤を含むが、これらに限定されないヒトおよび動物の医療に使うことができる。これらの生体適合性組成物は、縫合糸、ステープル、止め具などの代わり、またはこれらと併用して医療および/または手術で使用することができる。本発明の組成物を使用すると、現在の実務の間に通常必要な縫合糸の数をかなり低減するか、または縫合糸を排除することができ、さらに、ステープルおよび特定のタイプの縫合糸を除去する必要がなくなり、したがって、縫合糸、留め具または他の普通の組織縫合機構が、さらに組織を損傷させるおそれのある繊細な組織に使われる場合に特に有効になる。
一部の実施形態では、この生体適合性組成物は、機械的応力を生じるおそれのある普通のツールの代わりに肺組織などの繊細な組織を一緒に密封または接着するのに使用することができる。
この生体適合性組成物の用途には、他に、縫合線またはステープル線における血液、または他の流体の漏れを防止または調節する密封組織がある。別の実施形態では、この生体適合性組成物は、再建手術の間に、皮膚を移植片に接着させ、組織フラップを配置するのに使用することができる。さらに別の実施形態では、この生体適合性組成物は、歯根膜の手術において組織フラップの閉鎖に使用することができる。得られる生体適合性組成物は、組織内の空気および/または流体の漏れを密封し、手術後の癒着の予防および組織内の空隙および/または欠陥の充填にも使用することができる。あるいは、これらの組成物は硬化させると、例えば、抗癒着バリア、ステープル・バトレス(staple buttress)、縫合糸綿撒糸、組織バルキング装置などの有用な固形製品にすることができる。これらの組成物は、望ましい医療用具への生体適合性コーティングとして塗布することもできる。
2つの組織のへりを連結させるために、これら2つのへりを接近させ、ビオチン含有成分とアビジン含有成分とを混合し、接近させたへりに塗布し、これら2つの成分を互いに架橋させ、それにより本発明の生体適合性組成物を形成する。他の実施形態では、ビオチン含有成分を1つの組織のへりに塗布し、アビジン含有成分を第2の組織のへりに塗布し、これら2つの組織のへりを接近させるとビオチン含有成分はアビジン含有成分と混合し、これら2つの成分を互いに架橋させ、それにより本発明の生体適合性組成物を形成する。架橋反応は、一般に、1分以内で終わるほど速い。この場合本発明の組成物は外科的切開を含む創傷を閉じる接着剤として使用することができる。このような場合、本発明の組成物は、創傷に塗布され、硬化し、それにより創傷を閉じることができる。
別の実施形態では、本発明の生体適合性組成物は、組織の2つのへりを固定するよりむしろ、医療用具を組織に接着させるために使われる。一部の場合には、医療用具は、ビオチン含有成分、アビジン含有成分、または両方のコーティングを含む。一部の態様では、医療用具はインプラントを含む。他の医療用具には、ペースメーカー、ステント、シャントなどが含まれるが、これらに限定されない。動物組織の表面に用具を接着させる実施形態では、本発明の組成物、またはその個々の成分は、用具、組織表面または両方に塗布することができる。用具、生体適合性組成物(またはその成分)、および組織表面は、互いに接触させ、この組成物を硬化させ、それにより用具と表面とを互いに接着させることができる。
この生体適合性組成物は、手術後の癒着の防止にも使用することができる。この種の用途では、生体適合性組成物は、塗布され、治癒プロセスの間に手術部位における癒着の形成を予防するために内部組織の表面上に層として硬化させられる。
シーラントとして用いた場合、本発明の生体適合性組成物は、手術中および手術後に出血または流体の漏れを防止または抑制するために手術で使用することができる。この組成物は、肺の手術に付随する空気漏れの防止にも適用することもできる。生体適合性組成物は、少なくとも組織内の欠陥を封鎖し、流体運動または空中移動を封鎖するのに必要な量で望ましい部位に直接塗布することができる。
この生体適合性組成物は多数の有利な特性を有する。得られる本発明の生体適合性組成物は、安全且つ生体適合性であり、組織に対して高い接着力を有し、生分解性であり、潜在的に高い止血能力を有し、低コストであり、調製および使用するのに容易である。ポリマー成分の選択を変えることにより、ゲル時間を調節できるように、生体適合性組成物の強度および弾力性を調節することができる。
生体適合性組成物は迅速に弾性ゲル・マトリックスを形成し、このマトリックスが、組織のへりまたはインプラントされた医療用具の固定された位置を望ましい位置に確保し、手術および/または塗布に必要な全体の時間を短縮する。生体適合性組成物は、ゲル・マトリックスを形成するときには膨潤はほとんど、または全く示さず、したがって、位置合わせした組織のへりの位置に関わる完全性および/または医療用具の位置を保持する。生体適合性組成物は、一部は、アビジンおよび/またはストレプトアビジンに対するビオチンの強い親和性に基づいて強い凝集結合を形成する。この組成物は、生体組織に接着するのに必要なしなやかさを保持しながら、優れた機械的性能および強度を示す。このような強度およびしなやかさにより、手術組織のへりをシフトさせなくとも組織の移動度を高めることが可能になる。さらに、生体適合性組成物は生分解性であり、このため分解成分は被験者の体内を安全に通過することができる。
本明細書で開示された実施形態をいろいろ変更できることが分かるであろう。したがって、上の説明は限定するものと解釈すべきではなく、単に好ましい実施形態の例示であると解釈すべきである。当業者は、本明細書に添付した特許請求の範囲の意図および範囲の中で他に変更することを想像するであろう。

Claims (23)

  1. 生体適合性組成物であって、
    生体適合性ビオチン含有成分と、
    生体適合性アビジン含有成分と
    を含み、前記組成物が組織とインビボで接触させるのに適している生体適合性組成物。
  2. 前記生体適合性ビオチン含有成分がポリマーを含む、請求項1に記載の生体適合性組成物。
  3. 前記生体適合性ビオチン含有成分が、ポリエチレングリコールおよび吸収性ポリマーからなる群から選択されたポリマーを含む、請求項1に記載の生体適合性組成物。
  4. 前記生体適合性ビオチン含有成分が、分子量が約1000未満のポリエチレングリコールを含む、請求項1に記載の生体適合性組成物。
  5. 前記生体適合性アビジン含有成分が、アビジンにより官能基化したポリマーを含む、請求項1に記載の生体適合性組成物。
  6. 前記生体適合性アビジン含有成分が、ストレプトアビジンにより官能基化したポリマーを含む、請求項1に記載の生体適合性組成物。
  7. 前記生体適合性アビジン含有成分が、ポリエチレングリコールおよび吸収性ポリマーからなる群から選択されたポリマーを含む、請求項1に記載の生体適合性組成物。
  8. 前記生体適合性アビジン含有成分が、分子量が約1000未満のポリエチレングリコールを含む、請求項1に記載の生体適合性組成物。
  9. 前記生体適合性組成物がさらに生物活性剤を含む、請求項1に記載の生体適合性組成物。
  10. 組織を接着する方法であって、
    第1組織表面と第2組織表面とを接近させ、
    接近させられた前記第1および第2の組織表面に、請求項1に記載の生体適合性組成物を塗布して前記第1組織表面を前記第2組織表面に接着させること
    を含む方法。
  11. 医療用具を組織表面に接着させる方法であって、前記方法が、
    医療用具と組織表面とを接近させ、
    請求項1に記載の生体適合性組成物を前記医療用具、前記組織表面、またはこの両方に塗布すること
    を含み、前記生体適合性組成物の塗布が前記医療用具を前記組織表面に接着させる方法。
  12. ビオチン含有成分とアビジン含有成分とを別々に保持し、
    前記ビオチン含有成分と前記アビジン含有成分とを組織に直接同時に塗布する、
    ことを含む方法。
  13. 前記ビオチン含有成分がビオチンを用いて官能基化したポリマーを含む、請求項12に記載の方法。
  14. 前記ビオチン含有成分がビオチンを用いて官能基化した分岐ポリマーを含む、請求項12に記載の方法。
  15. 前記ビオチン含有成分が、ポリエチレングリコールおよび吸収性ポリマーからなる群から選択されたポリマーを含む、請求項12に記載の方法。
  16. 前記ビオチン含有成分が、分子量が1000未満のポリエチレングリコールを含む、請求項12に記載の方法。
  17. 前記アビジン含有成分が、アビジンを用いて官能基化したポリマーを含む、請求項12に記載の方法。
  18. 前記アビジン含有成分が、ストレプトアビジンを用いて官能基化したポリマーを含む、請求項12に記載の方法。
  19. 前記アビジン含有成分が分岐ポリマーを含む、請求項12に記載の方法。
  20. 前記アビジン含有成分が、ポリエチレングリコールおよび吸収性ポリマーからなる群から選択されたポリマーを含む、請求項12に記載の方法。
  21. 前記アビジン含有成分が、分子量が1000未満のポリエチレングリコールを含む、請求項12に記載の方法。
  22. 前記生体適合性組成物がさらに生物活性剤を含む、請求項12に記載の方法。
  23. ビオチン含有成分を含む第1組成物を収容する第1チェンバー、
    アビジン含有成分を含む第2組成物を収容する第2チェンバー、および
    前記第1および第2の組成物を同時に分注するための1つ以上の出口、
    を含む装置。
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