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JP2009528845A - 低分子量rnaの精製方法 - Google Patents

低分子量rnaの精製方法 Download PDF

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JP2009528845A
JP2009528845A JP2008558391A JP2008558391A JP2009528845A JP 2009528845 A JP2009528845 A JP 2009528845A JP 2008558391 A JP2008558391 A JP 2008558391A JP 2008558391 A JP2008558391 A JP 2008558391A JP 2009528845 A JP2009528845 A JP 2009528845A
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Abstract

本発明は、低分子量RNA分子を精製するための方法、キット、および組成物に関する。特に、本発明は、コンパクション剤およびRNA結合マトリックスを用いて低分子量RNA分子およびより高分子量のRNA分子の両方を含む試料から低分子量RNA分子を精製するための方法、ならびにそのような方法を実施するための組成物およびキットも提供する。ある態様において、コンパクション剤は複数の金属-アミン-ハライド分子を含む。

Description

本出願は、参照により本明細書に組み入れられる、2006年3月8日に出願された米国特許仮出願第60/780,089号に対する優先権を主張する。
発明の分野
本発明は、低分子量RNA分子を精製するための方法、キット、および組成物に関する。特に、本発明は、コンパクション剤およびRNA結合マトリックスを用いて低分子量RNA分子およびより高分子量の(larger)RNA分子の両方を含む試料から低分子量RNA分子を精製するための方法、ならびにそのような方法を実施するための組成物およびキットも提供する。ある態様において、コンパクション剤は複数の金属-アミン-ハライド分子を含む。
発明の背景
低分子量RNAの同定、検出、および使用への関心は、特にその両方が遺伝子の発現に対する強い影響を有するマイクロRNAおよび低分子干渉RNA(siRNA)に関する最近の発見と共に、ここ数年で急速に広がった。通常短い二本鎖RNAであるsiRNA分子は、RNA干渉(RNAi)として公知の経路によって転写後レベルで特異的な遺伝子の発現を抑制するのに用いられる。低分子量の調節性RNA分子であるマイクロRNAは、様々な生物における標的遺伝子発現を調節することが示されている。siRNAおよびマイクロRNA分子は通常、約15から30ヌクレオチド長の範囲に及ぶ。その他の種類の低分子量RNAには、その両方がmRNAおよびrRNAプロセッシングに関与する核内低分子RNA(snRNA)および低分子核小体RNA(snoRNA)だけでなく、両方ともタンパク質翻訳に関与するtRNA(約70〜90塩基)および5S rRNA(約120塩基)も含まれる。
歴史的に、RNA分子を単離するのに2つの基本的な方法が用いられてきた。第一は、通例フェノールまたはフェノールクロロホルムと組み合わせて濃縮カオトロピック塩を用いる化学的抽出である。この方法は、タンパク質を溶かすかまたは沈殿させるのに用いられ、タンパク質を含まない相を遠心分離によって分離することを可能にする。この種の方法は、通常非常に精製されたRNAを回収する一方で、低分子量RNA分子の定量的回収を妨げるアルコール沈殿工程による脱塩および濃縮を典型的に必要とする。
第二の方法は、タンパク質および破片を洗い流し且つRNAを水性溶液中で溶出することができるようにRNAを固体表面(通常ガラス)の上に選択的に固定化することに頼っている。この固相タイプの方法は、水に対するRNAの親和性を低下させることおよび使用される固体支持体に対するその親和性を増大させることを高塩または塩およびアルコールに頼っている。固体支持体としてのガラス(シリカ)の使用は、高分子量RNAについてうまく作用することが示されているが、AMBIONのmirVana(商標)miRNA単離キットに記載されているような、溶解物精製と2つの別々のRNA結合および溶出工程の使用の両方を伴う特別な手順を利用しない限り、低分子量RNAを単離するのに有用であるとは通常考えられていない(参照により本明細書に組み入れられる、Conradeらに対する米国特許出願公開第2005/0059024号(特許文献1)も参照されたい)。mirVana(商標)miRNA単離手順は、RNA精製前のフェノール-クロロホルム溶解物精製工程に頼っている。この方法はまた、2つのシリカ結合膜の使用に頼っており、第一の膜は(低分子量RNA分子に膜を素通りさせて)高分子量RNA分子を結合するのに用いられ、および第二の膜は低分子量RNA分子を結合するのに用いられる。
したがって、必要とされるのは、多数の結合膜の使用を要求せずおよび/または結合膜と接触させる前に細胞溶解物を精製する必要なく、簡単な低分子量RNA精製を可能にする方法および組成物である。
米国特許出願公開第2005/0059024号
発明の概要
本発明は、低分子量RNA分子を精製するための方法、キット、および組成物に関する。特に、本発明は、コンパクション剤およびRNA結合マトリックスを用いて低分子量RNA分子およびより高分子量のRNA分子の両方を含む試料から低分子量RNA分子を精製するための方法、ならびにそのような方法を実施するためのキットおよび組成物も提供する。ある態様において、コンパクション剤は複数の金属-アミン-ハライド分子を含む。その他の態様において、コンパクション剤は複数の金属-アミン-塩分子(例えば、金属アミドサルフェート分子)を含む。
ある態様において、本発明は、a)コンパクション剤が、i)金属原子、ハライド原子、および少なくとも1つのアミン基(例えば、2、3、4、5...10個または15個またはそれより多くのアミン基)を含む複数の金属-アミン-ハライド分子、ならびに/またはii)金属原子、塩分子、および少なくとも1つのアミン基を含む複数の金属-アミン-塩分子を含み、試料が、長さ1000塩基未満の低分子量RNA分子および低分子量RNA分子よりも長いより高分子量のRNA分子を含む、試料をコンパクション剤と混合する工程;ならびにb)RNAを結合した結合マトリックスが生成されるように、低分子量RNA分子およびより高分子量のRNA分子を含む試料を、結合マトリックスに接触させる工程を含む、低分子量RNA分子を精製するための方法を提供する。幾つかの態様において、本発明は、a)コンパクション剤が、i)金属原子、ハライド原子、および少なくとも1つのアミン基(例えば、2、3、4、5...10個または15個またはそれより多くのアミン基)を含む複数の金属-アミン-ハライド分子、ならびに/またはii)金属原子、塩分子、および少なくとも1つのアミン基を含む複数の金属-アミン-塩分子を含み、試料が、長さ1000塩基未満の低分子量RNA分子および低分子量RNA分子よりも長いより高分子量のRNA分子を含む、試料をコンパクション剤と混合する工程;b)RNAを結合した結合マトリックスが生成されるように、低分子量RNA分子およびより高分子量のRNA分子を含む試料を、結合マトリックスに接触させる工程;ならびにc)複数の溶出低分子量RNA分子を含み且つより高分子量のRNA分子を実質的に含まない精製低分子量RNA調製物が生成されるように、RNAを結合した結合マトリックスから低分子量RNA分子を溶出する工程を含む、低分子量RNA分子を精製するための方法を提供する。ある態様において、本方法は、工程(b)におけるRNAを結合した結合マトリックスを洗浄溶液で洗浄する工程をさらに含む。
特定の態様において、ハライド原子は、以下の種類の原子のうちの1つである:塩素、フッ素、臭素、ヨウ素、またはアスタチン。ある態様において、低分子量RNA調製物中の溶出低分子量RNA分子の量は、結合マトリックスと接触させる前に試料中に元々存在する低分子量RNA分子の少なくとも5%、または少なくとも10%(例えば、10%、15%、25%、40%、50%、70%、80%、または90%)である。さらなる態様において、精製低分子量RNA調製物は、より高分子量のRNA分子を本質的に含まない。幾つかの態様において、精製低分子量RNA調製物は、約60未満、または50未満、または40未満の別個のより高分子量のRNA分子を含む。特定の態様においては、精製低分子量RNA調製物を生成するために、工程(b)の接触させる工程を一度のみ実行する。
その他の態様において、工程a)における試料はDNA分子をさらに含み、精製低分子量RNA調製物はDNA分子を実質的に含まない。幾つかの態様において、DNA分子の少なくとも一部は長さが約100塩基対未満の低分子量DNA分子であり、精製低分子量RNA調製物は結合した低分子量DNA分子を実質的に含まない。
その他の態様において、本方法は、試料を塩溶液と混合する工程をさらに含む。特定の態様において、工程(b)の前の試料中の塩の濃度は、約1.0mMから約400mMの間である。幾つかの態様において、試料中の塩の濃度は、約35mMを下回り、および低分子量RNA分子は、長さが25から200塩基の間、または長さが80〜120塩基の間である。異なる態様において、試料中の塩の濃度は、35mMから70mMの間であり、および低分子量RNA分子は、長さが200から500塩基の間、または長さが300〜400塩基の間である。さらなる態様において、試料中の塩の濃度は、70mMから400mMの間であり、および低分子量RNA分子は、長さが500から1000塩基の間、または長さが600〜800塩基の間である。
幾つかの態様において、低分子量RNA分子は950塩基またはそれより短い長さである。ある態様において、低分子量RNA分子は750塩基またはそれより短い長さである。その他の態様において、低分子量RNA分子は500塩基またはそれより短い長さである。幾つかの態様において、低分子量RNA分子は200塩基またはそれより短い長さである。特定の態様において、低分子量RNA分子は100塩基またはそれより短い長さである。本発明は、それらが1000塩基未満(例えば、15...22...35...47...69...88...100...125...150...175...250...333...410...500...685...750...820...910...950...もしくは999未満、または15...22...35...47...69...88...100...125...150...175...250...333...410...500...685...750...820...910...950...もしくは999の間)の長さである限り、低分子量RNA分子のサイズによって限定されないということが留意および意図される。
その他の態様において、工程b)において産生されるRNAを結合した結合マトリックスを洗浄溶液で洗浄する。ある態様において、洗浄溶液はアルコールを含む。さらなる態様において、アルコールは、エタノール、メタノール、イソプロパノール、およびプロパノールからなる群より選択される。追加の態様において、洗浄溶液はエタノールを含む。ある態様において、エタノールは、約20〜40パーセントの間の濃度で溶液中に存在する。
本発明は、コンパクション剤の種類によって限定されず、ならびにその代わり(1)RNA結合マトリックスがより高分子量のRNA分子よりも低分子量RNA分子に優先的に結合することおよび/または(2)RNAを結合したマトリックスからより高分子量のRNA分子よりも低分子量RNA分子が優先的に溶出することを可能にするように構成されている任意のコンパクション剤を企図している。ある態様において、コンパクション剤には、塩基性ポリペプチド、ポリリジン、ポリアミン、プロタミン、スペルミジン、スペルミン、プトレシン、カダベリン、三価金属イオン、四価金属イオン、ヘキサアンミンコバルトクロリド、クロロペンタアンミンコバルト、クロム、ネトロプシン、モノメチルアンミンペンタアンミンコバルトクロリド、ジスタマイシン、レキシトロパンズ(lexitropans)、ヘキサメチルアンミンコバルトクロリド、DAPI(4',6ジアミノ2-フェニルインドール)、ベレニル(berenil)、ペンタミジン、および塩化マンガンが含まれるが、これらに限定されない。その他の態様において、コンパクション剤はコバルトを含む。さらなる態様において、コンパクション剤はヘキサアンミンコバルトクロリドを含む。特定の態様において、コンパクション剤は複数の金属-アミン-ハライド分子を含む。幾つかの態様において、コンパクション剤は、以下からなる群より選択される:ニッケルヘキサアンミンクロリド、ルテニウムヘキサアンミンクロリド、ヘキサアンミンコバルトクロリド、およびクロロペンタアンミンコバルトクロリド。その他の態様において、コンパクション剤は、以下からなる群より選択される:コバルトヘキサエタノールアミンクロリド、コバルトモノエタノールアミンペンタエチルアミンクロリド、コバルトジエタノールアミンテトラエチルアミンクロリド、コバルトトリエタノールアミントリエチルアミンクロリド、コバルトテトラエタノールアミンジエチルアミンクロリド、コバルトペンタエタノールアミンモノエチルアミンクロリド、コバルトヘキサエチルアミンクロリド、コバルトヘキサエタノールアミンサルフェート、コバルトモノエタノールアミンペンタエチルアミンサルフェート、コバルトジエタノールアミンテトラエチルアミンサルフェート、コバルトトリエタノールアミントリエチルアミンサルフェート、コバルトテトラエタノールアミンジエチルアミンサルフェート、コバルトペンタエタノールアミンモノエチルアミンサルフェート、コバルトヘキサエチルアミンサルフェート、またはそれらの混合物。その他の態様において、コンパクション剤は、以下からなる群より選択される:ニッケルヘキサエタノールアミンクロリド、ニッケルモノエタノールアミンペンタエチルアミンクロリド、ニッケルジエタノールアミンテトラエチルアミンクロリド、ニッケルトリエタノールアミントリエチルアミンクロリド、ニッケルテトラエタノールアミンジエチルアミンクロリド、ニッケルペンタエタノールアミンモノエチルアミンクロリド、ニッケルヘキサエチルアミンクロリド、ニッケルヘキサエタノールアミンサルフェート、ニッケルモノエタノールアミンペンタエチルアミンサルフェート、ニッケルジエタノールアミンテトラエチルアミンサルフェート、ニッケルトリエタノールアミントリエチルアミンサルフェート、ニッケルテトラエタノールアミンジエチルアミンサルフェート、ニッケルペンタエタノールアミンモノエチルアミンサルフェート、ニッケルヘキサエチルアミンサルフェート、またはそれらの混合物。
ある態様において、工程(b)の前の試料中のコンパクション剤の濃度は、約2.0mMから約8.0mMの間(例えば、約2.0mM、約4.0mM、約6.0mM、または約8.0mM;ただし、本発明はこれらの濃度範囲に限定されされない)である。ある態様において、組成物は緩衝剤をさらに含む。幾つかの態様において、緩衝剤は、HEPES、MES、およびTRISからなる群より選択される。特定の態様において、緩衝剤は、約5.5から約9.0の間(例えば、5.5、6.5、7.5、8.5、または9.0)のpHを有する。
幾つかの態様において、本方法は、アミドを含むカオトロピック剤に試料を接触させる工程をさらに含む。その他の態様において、カオトロピック剤は、尿素、チオ尿素、およびアセトアミドからなる群より選択される。特定の態様において、本方法は、ウレタン基を含むカオトロピック剤に試料を接触させる工程をさらに含む。さらなる態様において、カオトロピック剤はウレタンを含む。その他の方法において、本方法は、尿素様の分子を含むカオトロピック剤に試料を接触させる工程さらに含む。特定の態様において、試料は、工程(b)の間、カオトロピック剤を含まない。
ある態様において、試料は、溶解した細胞を含む、細胞溶解物を含む。幾つかの態様において、試料は、接触させる工程の間、細胞溶解物を含む(例えば、結合マトリックスとの接触の前に、細胞溶解物を試料から取り出して精製することはない)。ある態様において、結合マトリックスは膜(例えば、シリカ膜、セルロースアセテート膜、ナイロン膜)である。特定の態様において、結合マトリックスは固体支持体を含む。幾つかの態様において、結合マトリックスはシリカを含む。さらなる態様において、結合マトリックスは、磁性粒子を含む。幾つかの態様において、結合マトリックスは、シリカおよびFe3O4、またはシリカおよびFe2O3を含む。
ある態様において、尿素、チオ尿素、アセトアミド、およびウレタンなどのカオトロピック剤を用いて、溶解の影響を受け易い細胞(例えば、ヒト、マウス、大腸菌(E. coli)など)から細胞溶解物を生成する。その他の態様において、植物細胞、酵母細胞、真菌細胞、およびあるグラム陽性細菌細胞などの、特別な細胞壁構造のために前処置を必要とし得る細胞から細胞溶解物を生成する。これらの種類の細胞を前処置(例えば、プロトプラスト化)し、その後本発明の方法および組成物によって処理してもよい。
ある態様において、精製低分子量RNA調製物は、元の試料と比較して低分子量RNA分子について濃縮される。例えば、試料中の低分子量RNAは(例えば、UV吸収で測定した場合)、結合マトリックスと元の試料とを接触させる前の総RNA分子の濃度もしくは質量に対する低分子量RNA分子の濃度(例えば、ug/ml)もしくは質量によって決定されるように、結合マトリックスから低分子量RNA分子を溶出した後と比較しておよそまたは少なくとも2倍、3.5倍、5倍、10倍、50倍、100倍、150倍、200倍、500倍、800倍、1000倍、2000倍、およびその中の全ての範囲に濃縮されてもよい。また、元の試料中に存在する総RNA分子の数に対する低分子量RNA分子の数によって、濃縮および/または精製を測定してもよい。結合マトリックスと元の試料とを接触させる前のRNA分子の総数に対する低分子量RNA分子の数によって決定されるように、結合マトリックスから低分子量RNA分子を溶出した後と比較しておよそまたは少なくとも2倍、3.5倍、5倍、10倍、50倍、100倍、150倍、200倍、500倍、800倍、1000倍、2000倍、およびその中の全ての範囲の低分子量RNA分子に(例えば、UV吸収で測定して)試料が濃縮されるように、低分子量RNA分子を単離することができる。また、総RNA分子の数に対する低分子量RNA分子の増大によって、低分子量RNAの濃縮および/または精製を測定してもよい。低分子量RNA分子の量が単離の前および後の試料中のRNAの総量に対しておよそまたは少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、もしくはそれを上回って増大するように、低分子量RNA分子を単離することができる。ある態様において、結合マトリックスからRNAを溶出した後の試料中に存在するより高分子量のRNA分子の不在によって、低分子量RNA分子の濃縮および/または精製を定量化することができる。結合マトリックスからRNAを溶出した後の低分子量RNA調製物中のより高分子量のRNA分子の質量での数が、結合マトリックスから溶出されたRNAの約30%、25%、20%、15%、10%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0%、またはその中の任意の範囲を超えないように低分子量RNA分子を濃縮することができる。幾つかの態様において、低分子量RNA分子が結合マトリックスから溶出された後、元の試料中の低分子量RNA分子の少なくとも約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%が単離される。
幾つかの態様において、低分子量RNA調製物中の溶出低分子量RNA分子の量は、結合マトリックスと接触させる前の試料中に元々存在した低分子量RNA分子の少なくとも5%である。その他の態様において、低分子量RNA調製物中の溶出低分子量RNA分子の量は、結合マトリックスと接触させる前の試料中に元々存在した低分子量RNA分子の少なくとも15%である(例えば、少なくとも15%...25%...40%...50%...65%、または少なくとも75%)。さらなる態様において、低分子量RNA調製物中の溶出低分子量RNA分子の量は、結合マトリックスと接触させる前の試料中に元々存在した低分子量RNA分子の5〜50%の間である(例えば、10〜30%の間または15〜20%の間)。
ある態様において、本方法は、精製低分子量RNA調製物中の低分子量RNA分子を使用するかまたは特徴付ける工程をさらに含む。RNAを溶出した後、個々のもしくは特異的な低分子量RNA分子および/または低分子量RNA分子の調製物(だけでなく単離された低分子量RNA分子の集団全体)を追加の反応および/またはアッセイに供することができる。幾つかの場合において、これらの反応および/またはアッセイは、低分子量RNA分子の増幅を伴う。例えば、RT-PCRを利用して、特徴付けすることができる分子を生成してもよい。幾つかの態様において、特定の低分子量RNA分子または低分子量RNA調製物を定量化または特徴付けしてもよい。定量化には、1つまたは複数の増幅反応またはヌクレアーゼ保護アッセイを伴う手順などの当業者に公知の任意の手順が含まれ、前記アッセイは、Ambion製のmirVana miRNA検出キットに統合されているように、リボヌクレアーゼを用いて、特異的なmiRNA標的にハイブリダイズしているプローブまたはハイブリダイズしていないプローブを識別する。これらの手順には、定量的逆転写酵素-PCR(Applied BiosystemのTaqManマイクロRNAアッセイなどの、qRT-PCR)も含まれる。幾つかの態様において、単離された低分子量RNAの特徴付けを行う。その他の特徴付けおよび定量化アッセイが本発明の一部として企図される。アレイで使用するためのcDNAを生成するために、またはアレイによって検出されるべき標的として、または放射性タグ、蛍光タグ、もしくは発光タグによって標識された後で、低分子量RNA分子をアレイと共に用いることもできる。その他のアッセイには、分光光度法、電気泳動、およびシークエンシングの使用が含まれる。ある態様において、低分子量RNA分子を研究、診断、または治療に用いる。
特定の態様においては、尿素を含むカオトロピック剤を用いる。ある態様において、カオトロピック剤は遊離した尿素分子を含む。その他の態様において、カオトロピック剤は尿素を含む化合物を含む。
幾つかの態様において、本発明は、a)コンパクション剤が、複数の金属-アミン-ハライド分子または金属アミン塩分子(例えば、金属-アミン-サルフェート)を含み、前記金属-アミン-ハライド分子が、金属原子、ハライド原子、および少なくとも1つのアミン基を含み、かつ前記金属アミン塩分子が、金属原子、塩分子、および少なくとも1つのアミン基を含む、コンパクション剤を含む容器と、b)RNA分子を結合するように構成されている結合マトリックスとを含む、低分子量RNA分子を精製するためのキットを提供する。
ある態様において、キットは、アミドを含むカオトロピック剤をさらに含む。その他の態様において、カオトロピック剤は、尿素、チオ尿素、およびアセトアミドからなる群より選択される。幾つかの態様において、キットは、ウレタン基を含むカオトロピック剤をさらに含む。
その他の態様において、キットは結合カラムをさらに含む。幾つかの態様において、キットは、コンパクション剤を用いて、1000塩基未満の長さの低分子量RNA分子および低分子量RNA分子よりも長いより高分子量のRNA分子を含む試料から、低分子量RNA分子を精製するための、取扱説明書を含む書面の挿入物構成要素をさらに含む。
特定の態様において、本発明は、尿素、チオ尿素、アセトアミド、およびウレタンから選択されるカオトロピック剤と、i)金属原子、ハライド原子、および複数のアミン基を含む複数の金属-アミン-ハライド分子、ならびに/またはii)金属原子、塩分子、および少なくとも1つのアミン基を含む複数の金属-アミン-塩分子を含むコンパクション剤とを含む組成物を提供する。ある態様において、組成物は緩衝剤をさらに含む。その他の態様において、緩衝剤は、HEPES、MES、およびTRISからなる群より選択される。幾つかの態様において、緩衝剤は、約5.5から約9.0の間のpHを有する。ある態様において、コンパクション剤はヘキサミンコバルトクロリドを含む。その他の態様において、組成物は、低分子量RNA分子およびより高分子量のRNA分子を含む試料をさらに含み、低分子量RNA分子は長さが1000塩基未満であり、より高分子量のRNA分子は低分子量RNA分子よりも長い。
幾つかの態様において、本発明は、入れ物、結合マトリックス、および精製低分子量RNA調製物を含むシステムを提供し、結合マトリックスおよび精製低分子量RNA調製物は入れ物の中に置かれ、結合マトリックスは、結合したより高分子量のRNA分子を含み、精製低分子量RNA調製物は、複数の低分子量RNA分子を含み且つより高分子量のRNA分子を実質的に含まず、低分子量RNA分子は長さが1000塩基未満であり、より高分子量のRNA分子は低分子量RNA分子よりも長い。
ある態様において、入れ物は、複数のウェルを有するプレートを含む。その他の態様において、プレートのウェルの少なくとも一部は、真空システムに搭載されるのに適合した底部を有する。その他の態様において、プレートのウェルは完全に閉じられている(例えば、真空システムに接続されるように構成されていない)。特定の態様において、入れ物はチューブまたはカラムを含む。
ある態様において、本発明は、複数の低分子量RNA分子を含む精製低分子量RNA調製物およびコンパクション剤を提供し、前記コンパクション剤は、i)金属原子、ハライド原子、および少なくとも1つのアミン基を含む複数の金属-アミン-ハライド分子、ならびに/またはii)金属原子、塩分子、および少なくとも1つのアミン基を含む複数の金属-アミン-塩分子を含み、前記精製低分子量RNA調製物は、より高分子量のRNA分子を実質的に含まず、低分子量RNA分子は長さが1000塩基未満であり、より高分子量のRNA分子は低分子量RNA分子よりも長い。
ある態様において、本発明は、RNAを含む試料を、カオトロピック剤、コンパクション剤、およびそれらの混合物からなる群より選択される化合物に接触させる工程を含むRNアーゼによる試料中のRNAの分解を減少させる方法を提供する。幾つかの態様において、カオトロピック剤は、尿素、ウレタン、およびアセトアミドからなる群より選択される。特定の態様において、試料は細胞溶解物である。
幾つかの態様において、本発明は、a)i)金属原子、ハライド原子、および少なくとも1つのアミン基を含む複数の金属-アミン-ハライド分子、ならびに/またはii)金属原子、塩分子、および少なくとも1つのアミン基を含む複数の金属-アミン-塩分子を含む、コンパクション剤と、b)少なくともその一部にコンパクション剤が含浸されているか、コーティングされているか、または含浸およびコーティングされている結合マトリックスとを含む、修飾された結合マトリックスを提供する。ある態様において、修飾された結合マトリックスは、試料から低分子量RNA分子を精製するように構成されている。
特定の態様において、本発明は、a)i)A)金属原子、ハライド原子、および少なくとも1つのアミン基を含む複数の金属-アミン-ハライド分子、ならびに/またはB)金属原子、塩分子、および少なくとも1つのアミン基を含む複数の金属-アミン-塩分子を含む、コンパクション剤と、ii)少なくともその一部にコンパクション剤が含浸されているか、コーティングされているか、または含浸およびコーティングされている結合マトリックスとを含む、修飾された結合マトリックスを提供する工程;b)RNAを結合した結合マトリックスが生成されるように、1000塩基未満の長さの低分子量RNA分子および低分子量RNA分子よりも長いより高分子量のRNA分子を含む試料を、修飾された結合マトリックスに接触させる工程;ならびにc)複数の溶出低分子量RNA分子を含み且つより高分子量のRNA分子を実質的に含まない精製低分子量RNA調製物が生成されるように、RNAを結合した結合マトリックスから低分子量RNA分子を溶出する工程を含む、低分子量RNA分子を精製するための方法を提供する。
ある態様において、高分子量RNA分子はマトリックスに結合し、および低分子量RNA分子は長さが1000塩基未満であり且つマトリックスに実質的に結合しない。特定の態様において、低分子量RNA調製物は、長さが1000塩基よりも長い高分子量RNA分子を実質的に含まない。
ある態様において、本発明は、例えば結合マトリックスと試料との接触の前に結合マトリックス表面上にコンパクション剤を堆積させることによって、結合マトリックス表面上へのコンパクション剤の沈殿などの手段によって、またはコンパクション剤が結合マトリックス表面上に堆積するのを結果としてもたらす条件下でコンパクション剤を含む溶液を通すことによって、結合マトリックス表面に結合したコンパクション剤を含む結合マトリックスに試料を接触させる工程を含む、低分子量RNA分子を精製するための方法を提供する。
定義
本発明の理解を容易にするために、多数の用語を以下で定義する。
本明細書において用いられる場合、「低分子量RNA分子およびより高分子量のRNA分子を含む試料」という語句は、長さが1000塩基未満である低分子量RNA分子および低分子量RNA分子よりも長いより高分子量のRNA分子に関して用いられる時、所与のサイズの低分子量RNA分子(例えば、500塩基)について低分子量RNA分子およびより高分子量のRNA分子の両方の検出可能な量が含まれる、生物学的試料または環境試料などの、任意の種類の試料を指す。例えば、長さが400塩基および600塩基であるRNA分子を含む試料は、それが低分子量RNA分子(結合マトリックスに結合する400塩基配列)およびより高分子量のRNA分子(実質的に結合しない600塩基配列)の両方を含むので、400塩基配列が本発明に従って処理された後で結合マトリックスに結合し、且つ600塩基である配列が結合マトリックスに実質的に結合しない場合、例示的な試料である。それらがこれら2つの種のRNA分子を有する限り、そのような試料の源の具体的な例として、細胞溶解物、あらかじめ精製されたRNA試料、RNA対照試料、薬学的な薬物調製物、タンパク質調製物、脂質調製物だけでなく、血液、血漿、血清、または精液などの動物体液試料も含まれる。
本明細書において用いられる場合、「結合マトリックス」という語句は、多孔性であれまたは非多孔性であれ、低分子量RNA分子をそこから優先的に溶出して、より高分子量のRNA分子を実質的に含まない精製低分子量RNA調製物を生成することができるようにコンパクション剤の存在下でRNA分子を結合する、任意の種類の基板を指す。そのような結合マトリックスの例として、ナイロン膜または粒子、シリカ膜または粒子、セルロースアセテート膜または粒子、シリカおよびFe3O4から構成された膜または粒子、ならびにその他の同様の膜、繊維、コーティングされたプレート、固体支持体、および粒子が含まれるが、これらに限定されない。特定の材料が本発明の方法における結合マトリックスとしての役割を果たす能力は、例えば、下の実施例1〜30における候補材料に代用し、結果として得られるゲルを精査して候補材料が結合マトリックスとしての役割を果たすことができるかどうかを決定することによって、決定することができる。
本明細書において用いられる場合、精製低分子量RNA試料または精製低分子量RNA調製物は、試料中に存在する全てのRNAに関して、総RNAの5.0%未満がより高分子量のRNAである(すなわち、存在する総RNAの少なくとも95.1%が低分子量RNAである)時、「より高分子量のRNA分子を実質的に含まない」と考えられる。存在するRNAの量は、UV吸収法またはRNA分子を定量するために用いられるその他の方法によって決定されてもよい。
本明細書において用いられる場合、精製低分子量RNA試料または精製低分子量RNA調製物は、試料中に存在する全てのRNAに関して、総RNAの1.0%未満がより高分子量のRNAである(すなわち、存在する総RNAの少なくとも99.1%が低分子量RNAである)時、「より高分子量のRNA分子を実質的に含まない」と考えられる。存在するRNAの量は、UV吸収法またはRNA分子を定量するために用いられるその他の方法によって決定されてもよい。
本明細書において用いられる場合、「アミン基」という用語は、以下の式
Figure 2009528845
の構造を指し、式中R''は独立に水素またはR'であり、且つR'は、置換されたまたは置換されていないアルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、およびアリールである。
本明細書において用いられる場合、「アンミン」という用語は、複数のアンモニウム基と金属原子の配位を含むアミンの種を指す。少なくとも1つのアンモニウム基における少なくとも1つの水素は、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、およびアリールで置換されてもよい。
本明細書において用いられる場合、「金属-アミン-ハライド分子」という語句は、金属原子、ハライド原子、および少なくとも1つのアミン基を含む任意の分子を指す。そのような分子の例として、ヘキサアンミンコバルトクロリド、モノメチルアンミンペンタアンミンコバルトクロリド、モノエチルアンミンペンタアンミンコバルトクロリド、ジメチルアンミンテトラアンミンコバルトクロリド、トリメチルアンミントリアンミンコバルトクロリド、ヘキサメチルアンミンコバルトクロリド、ヘキサエチルアンミンコバルトクロリド、ヘキサアンミンニッケルクロリド、モノメチルアンミンペンタアンミンニッケルクロリド、トリメチルアンミントリアンミンニッケルクロリド、ルテニウムヘキサアンミントリクロリド、ルテニウムジメチルアンミンテトラアンミントリクロリド、およびイリジウムが配位金属原子である同様に置換された化合物が含まれるが、これらに限定されない。文献において、これらの化合物のうちの幾つかは時に、「ヘキサミンコバルトクロリド」で例示されるように、「アンミン」ではなく、「アミン」という用語を用いて称される。
本明細書において用いられる場合、「金属アミン塩分子」という語句は、金属原子、塩分子、および少なくとも1つのアミン基を含む任意の分子を指す。そのような分子の例として、コバルトヘキサエタノールアミンクロリド、コバルトモノエタノールアミンペンタエチルアミンクロリド、コバルトジエタノールアミンテトラエチルアミンクロリド、コバルトトリエタノールアミントリエチルアミンクロリド、コバルトテトラエタノールアミンジエチルアンミンクロリド、コバルトペンタエタノールアミンモノエチルアミンクロリド、コバルトヘキサエチルアミンクロリド、コバルトヘキサエタノールアミンサルフェート、コバルトモノエタノールアミンペンタエチルアミンサルフェート、コバルトジエタノールアミンテトラエチルアミンサルフェート、コバルトトリエタノールアミントリエチルアミンサルフェート、コバルトテトラエタノールアミンジエチルアンミンサルフェート、コバルトペンタエタノールアミンモノエチルアミンサルフェート、コバルトヘキサエチルアミンサルフェート、ニッケルヘキサエタノールアミンクロリド、ニッケルモノエタノールアミンペンタエチルアミンクロリド、ニッケルジエタノールアミンテトラエチルアミンクロリド、ニッケルトリエタノールアミントリエチルアミンクロリド、ニッケルテトラエタノールアミンジエチルアンミンクロリド、ニッケルペンタエタノールアミンモノエチルアミンクロリド、ニッケルヘキサエチルアミンクロリド、ニッケルヘキサエタノールアミンサルフェート、ニッケルモノエタノールアミンペンタエチルアミンサルフェート、ニッケルジエタノールアミンテトラエチルアミンサルフェート、ニッケルトリエタノールアミントリエチルアミンサルフェート、ニッケルテトラエタノールアミンジエチルアンミンサルフェート、ニッケルペンタエタノールアミンモノエチルアミンサルフェート、およびニッケルヘキサエチルアミンサルフェートが含まれるが、これらに限定されない。
発明の説明
本発明は、低分子量RNA分子を精製するための方法、キット、および組成物に関する。特に、本発明は、コンパクション剤およびRNA結合マトリックスを用いて低分子量RNA分子およびより高分子量のRNA分子の両方を含む試料から低分子量RNA分子を精製するための方法、ならびにそのような方法を実施するための組成物およびキットも提供する。ある態様において、コンパクション剤は、複数の金属-アミン-ハライド分子を含む。
本発明の組成物および方法は、低分子量RNA分子およびより高分子量のRNA分子の両方を含む試料から低分子量RNA分子を精製することを可能にする。実施例に示すように、本発明の方法は、RNAが結合マトリックスから溶出される時に、精製低分子量RNA調製物(より高分子量のRNA分子を実質的に含まない)が生成されるように、そのような試料を、シリカ膜などの結合マトリックス、およびコンパクション剤に接触させることを可能にする。結合膜および溶出を利用した当技術分野における手順はより高分子量のRNA分子を含むRNA試料の生成をもたらすので、より高分子量のRNA分子に対して低分子量RNA分子を優先的に溶させることによってそのような精製低分子量RNA調製物を生成することは意外なことである。実際、当技術分野は、溶解物精製と2つの別々のRNA結合および溶出工程の使用の両方を伴うより高分子量のRNA分子の優先的な精製に対処するための広範囲にわたる手順を提案している(AMBIONのmirVana(商標)miRNA単離キット、および参照により本明細書に組み入れられる、Conradeらに属する米国特許出願公開第2005/0059024号を参照されたい)。驚くべきことに、本発明は、2つまたはそれより多くの別々のRNA結合および溶出工程の必要性を回避することだけでなく、結合マトリックス(例えば、シリカ膜)との接触の前に溶解物を精製するための必要条件を取り除くことも可能にする。したがって、時間がかかり過ぎ且つ広範囲にわたる試料の処理の必要性を回避する本発明は、低分子量RNA分子を精製するための簡単で且つ効果的な方法に対する当技術分野における必要性を満たすものである。精製低分子量RNAによって利益を得る当技術分野における手順の例としては、マイクロRNAおよび低分子干渉RNA(siRNA)に基づく技術、または精製低分子量RNAによって利益を得るその他の手順が含まれる。
I. 低分子量RNA精製
本発明の方法および組成物を用いて、低分子量RNA分子およびより高分子量のRNA分子の両方を含む試料から低分子量RNA分子を精製することができる。 例えば、好ましい態様において、その後RNAを結合する結合マトリックスと接触させる試料に、複数の金属-アミン-ハライド分子を含むコンパクション剤を添加する。その後、結合マトリックスから低分子量RNA分子を優先的に溶出させ、より高分子量のRNA分子を実質的に含まない精製低分子量RNA試料を生成してもよい。ある態様においては、尿素、チオ尿素、アセトアミド、およびウレタンなどのカオトロピック剤を用いる。
所望の低分子量RNA分子および所望しないより高分子量のRNA分子の両方を含む任意の種類の核酸調製物、生物学的試料、細胞溶解物、組織ホモジェネート、または任意のその他の種類の試料から、本発明に従って低分子量RNA分子を単離および精製してもよい。例示的な試料には、血液、尿、内分泌液、組織、細胞、および組織または細胞の溶解物が含まれるが、これらに限定されない。ある好ましい態様において、試料は細胞溶解物を含む。
例えば、当技術分野において公知の方法によって、細胞溶解物を調製してもよい。通常、細胞を破裂させるためにカオトロピック塩を含む溶解緩衝剤と細胞懸濁物、組織、器官、植物の葉、またはその他の細胞の源とを混合する。例えば、ワーリングブレンダー、ポリトロン組織ホモジェナイザーなどの、手持ち式ホモジェナイザーまたは自動ホモジェナイザーを用いて、混合物を速やかにホモジェナイズする。細胞(元の試料が細胞を含む場合)を溶解した後、低分子量RNA分子およびより高分子量のRNA分子の両方を含む試料を、コンパクション剤、ならびに幾つかの態様では、尿素、チオ尿素、アセトアミド、またはウレタンなどのカオトロープに接触させる。
コンパクション剤に関して、本発明が任意の特定のコンパクション剤に限定されるということは意図されない。ある態様において、コンパクション剤は、塩基性ポリペプチド、ポリリジン、ポリアミン、プロタミン、スペルミジン、スペルミン、プトレシン、カダベリン、三価金属イオン、四価金属イオン、ヘキサアンミンコバルト、クロロペンタアンミンコバルト、クロム、ネトロプシン、ジスタマイシン、レキシトロパンズ、DAPI(4',6ジアミノ2-フェニルインドール)、ベレニル、ペンタミジン、および塩化マンガンからなる群より選択される。特定の態様において、コンパクション剤は、複数の金属-アミン-ハライド分子を含む。幾つかの態様において、コンパクション剤は、ニッケルヘキサミンクロリド、ルテニウムヘキサミンクロリド、ヘキサミンコバルトクロリド、およびクロロペンタアンミンコバルトクロリドからなる群より選択される。
特定のコンパクション剤が本発明の態様において有用なコンパクション剤としての役割を果たし得るかどうかを決定するために、例えば、候補コンパクション剤とこれらの実施例で用いられたコンパクション剤を取り替えて、候補コンパクション剤が低分子量RNAの選択を可能にするよう機能する程度を決定することにより、実施例1〜30に記載されたものと同じ手順を用いて、そのような化合物をスクリーニングすることができる。例えば、実施例1〜30におけるプロトコルに従って、化合物が、より高分子量のRNA分子ではなく、より低分子量のRNA分子を結合マトリックスから優先的に溶出させる程度を決定することができる。
上述のように、ある態様において、試料を、尿素、チオ尿素、アセトアミド、もしくはその他のアミドなどのカオトロピック剤、またはウレタンもしくはウレタン基を含む化合物などのカオトロピック剤とも接触させる。尿素を含むカオトロピック剤に関して、そのような組成物は、例えば、遊離した尿素分子または置換基として尿素を含む分子を含んでもよい。ある態様においては、尿素様分子、尿素関連分子、または尿素含有分子を含む組成物が用いられる。そのような化合物の例として、例えば、尿素、1,1-ジエチル尿素、1,3-ジメチル尿素、およびn-メチル尿素、チオ尿素、ならびにウレタンが含まれる。追加の尿素様化合物または尿素関連化合物を米国特許第6,670,332号、およびMcElroy et al., J. Med. Chem. 46(6), 1066-1080, 2003(348個の尿素様化合物を考察している)に見出し得る。例えば、候補カオトロピック剤と特定の実施例で記載されたカオトロピック剤を取り替えることにより、実施例1〜30と同じ手順を用いて、本発明での使用に好適なカオトロピック剤をスクリーニングしてもよい。例えば、実施例1〜30におけるプロトコルに従って、コンパクション剤と組み合わせた時に化合物がより低分子量のRNA分子を結合マトリックスから優先的に溶出させる程度を決定することができる。
ある態様においては、アルコール溶液も試料に添加する。特定の態様において、約15〜35%(例えば、25%エタノール)の濃度でアルコールを試料に添加する。アルコール溶液は、およそ、少なくともおよそ、または多くてもおよそ5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、または99%アルコール、またはその中の任意の範囲でありうる。ある態様においては、試料が、およそ、少なくともおよそ、または多くてもおよそ5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、または90%、またはその中の任意の範囲のアルコールの濃度を有するようになるよう、アルコールを試料に添加する。具体的な態様において、溶解物に添加されるアルコールの量は、溶解物が約15%〜約50%のアルコール濃度を有するようにする。具体的な態様において、試料に添加されるアルコール溶液の量は、試料に約25%のアルコール濃度を与える。アルコールには、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、およびメタノールが含まれるが、これらに限定されない。
ある態様において、結合マトリックスは、結合カラム(例えば、シリカ膜を含む)を含む。そのような結合カラムの説明は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる、米国特許第6,218,531号に提供されている。ある態様においては、RNAを結合した結合マトリックスを洗浄溶液で洗浄して塩およびその他の破片を取り除く。標準的な方法を用いてRNAを結合した結合マトリックスから低分子量RNAを溶出させることができる。例えば、ヌクレアーゼを含まない水を用いて、精製低分子量RNA調製物が生成されるように、結合したRNA分子を溶出させてもよい。
II. 低分子量RNAの定量化
例えば、任意の方法によって、低分子量RNAを定量し、存在する低分子量RNA分子の量または濃度を決定してもよい。好ましくは、低分子量RNAを定量し、(例えば、接触させる工程の後に)RNA結合マトリックスに結合している量もしくは濃度、または精製低分子量RNA調製物の中に溶出される量を決定する(例えば、精製低分子量RNA調製物中のRNAのどの程度がより高分子量のRNA分子に対する低分子量RNA分子であるのかを決定する、または元の試料由来の低分子量RNA分子の何パーセントが精製低分子量RNA調製物中に存在するかを決定する)。例示的な定量法は、米国特許出願公開第2005/0059024号(その全体が参照により本明細書に組み入れられる)および以下の考察に提供されている。
UV吸収を用いてRNAを定量してもよい。例えば、TE(10mM Tris-HCl pH8、1mM EDTA)または調製物のアリコートを水に希釈し(例えば、1:50〜1:100希釈)、ならびに260nmおよび280nmでの分光光度計における吸収を読み取ることによって、RNAの濃度および純度を決定することができる。A260の1は、約40ug RNA/mlと同等である。したがって、A260×希釈係数×40ug/mlを乗じることによって、RNAの濃度(ug/ml)を算出してもよい。
また、変性ゲルシステムを用いたゲル電気泳動によって、試料から単離された低分子量RNA分子を定量してもよい。高濃度(約4%)の修飾アガロースゲルを用いることもできるが、アクリルアミドゲルがこのサイズの分離に好適なゲルである。任意の異常な結果がゲルに関する問題または解析されているRNAに関する問題に起因すると考えることができるように、陽性対照をゲル上に通常含めるべきである。RNA分子量マーカー、インタクトであることが公知のRNA試料、または両方をこの目的のために用いることができる。濃縮手順で用いられた出発RNAの試料を含めることも良い考えである。例えば、同じゲル上の対照バンドとの比較によって、任意の所与のバンド中に存在する低分子量RNA分子の量を定量することができる。
追加の定量法には、あるRNA配列の優勢をRNA試料内でおよび異なるRNA試料間で比較することができる定量的RT-PCR法が含まれる。さらに、あるRNAサイズを定量化および比較するために、Agilent Bioanalyzerなどのシステムを用いて生成されたピーク高さの比較も内部標準と共に用いることができる。
III. 低分子干渉RNA(siRNA)およびマイクロRNA(miRNA)の精製
ある好ましい態様において、本発明の方法および組成物を用いて、低分子干渉RNA分子(siRNA)分子およびマイクロRNA(miRNA)を精製する。好ましくは、それらを用いてRNA干渉(RNAi)および関連経路を実行または研究し得るようにsiRNAおよびmiRNA分子を精製する。
RNAiはヒトを含む、多くの真核生物における外来遺伝子の発現を制御するための進化的に保存された細胞性防御を表す。RNAiは二本鎖RNA(dsRNA)によって誘発され、およびdsRNAに応答した一本鎖標的RNAホモログの配列特異的なmRNA分解を引き起こす。mRNA分解の仲介因子は、通例細胞内での酵素的切断によって長いdsRNAから産生される低分子干渉RNA二重鎖(siRNA)である。siRNAは通常、およそ21ヌクレオチドの長さ(例えば、21〜23ヌクレオチドの長さ)であり、2つのヌクレオチドの3'突出によって特徴付けられる塩基が対を成した構造を有する。細胞内への低分子量RNAの導入の後、配列はRISC(RNA誘導型サイレンシング複合体)と呼ばれる酵素複合体に送達されると考えられている。RISC は標的を認識し、およびそれをエンドヌクレアーゼで切断する。より大型のRNA配列が細胞に送達された場合、RNアーゼIII酵素(Dicer)がより長いdsRNAを21〜23ntのds siRNA断片に変換するということに留意する。
精製siRNA分子は、培養体細胞における哺乳動物遺伝子機能のゲノム規模の解析のための強力な試薬になる。遺伝子機能のバリデーションについてのそれらの価値を超えて、siRNAは遺伝子特異的治療薬剤としての高い潜在能力も保持する(参照により本明細書に組み入れられる、Tuschl and Borkhardt, Molecular Intervent. 2002;2(3):158-67)。動物細胞内へのsiRNAのトランスフェクションは、強大で長く持続する特異的遺伝子の転写後サイレンシングを結果としてもたらす(その全てが参照により本明細書に組み入れられる、Caplen et al, Proc Natl Acad Sci. U.S.A. 2001;98:9742-7;Elbashir et al., Nature. 2001;411:494-8;Elbashir et al., Genes Dev. 2001;15:188-200;およびElbashir et al., EMBO J. 2001;20:6877-88)。siRNAを用いてRNAiを実行するための方法および組成物は、例えば、参照により本明細書に組み入れられる、米国特許第6,506,559号に記載されている。siRNAは、標的されたRNAひいてはタンパク質の量を多くの場合検出不可能なレベルまで低下させるのに並外れて効果的である。サイレンシング効果は、数か月持続することがあり、且つ標的RNAとsiRNAの中心領域との間の1ヌクレオチドミスマッチが多くの場合サイレンシングを妨げるのに十分であるため、並外れて特異的である(両方が参照により本明細書に組み入れられる、Brummelkamp et al, Science 2002;296:550-3;およびHolen et al, Nucleic Acids Res. 2002;30:1757-66)。
マイクロRNA(miRNA)は、3'UTRに結合する低分子量細胞性RNAであり、哺乳動物細胞において、標的されたメッセージの翻訳を阻害すると考えられている(中には切断を仲介し得るものもある)。それらは通常、それらの標的配列に対する少なくとも1つのミスマッチを含む。これは、mRNAの切断を促進すると考えられ且つ通常それらの標的配列に対するミスマッチを含まないsiRNAとは対照的である。miRNAは、発生細胞および神経細胞に関係がある遺伝子だけでなく多種多様な遺伝子の発現を非常にうまく調節するように思われるが、メカニズムの理解は本発明を実施するために必須ではなく、および本発明は任意の特定のメカニズムに限定されない。miRNAは100〜500bpの前駆体RNA(プレmiRNA)として細胞内で発現され、それがプロセシングされて〜70bpのプリmiRNAを形成し、それがプロセシングされて成熟した〜17から22塩基のmiRNAを形成する。miRNAによる遺伝子の調節を理解するために、研究者らは長いプレmiRNAまたは成熟miRNAのいずれかを発現させる。
したがって、好ましい態様においては、本発明の方法および組成物を用いて、siRNAまたはmiRNA分子を精製する。例えば、約200塩基未満または100塩基未満の低分子量RNAがより高分子量のRNAから精製されるように本方法を実行する(例えば、試料中の塩の濃度を変化させることによって)。ある態様において、元の試料は、所望のsiRNAまたはmiRNA分子を発現するベクターで形質転換されている細胞を含む。
実験
以下の実施例は、本発明のある好ましい態様および局面を明示しさらに例証するために提供され、その範囲を限定するものとみなされるべきではない。
以下に続く実験の開示において、以下の略語が適用される:N(規定);M(モル濃度);mM(ミリモル濃度);μM(マイクロモル濃度);mol(モル);mmol(ミリモル);μmol(マイクロモル);nmol(ナノモル);pmol(ピコモル);g(グラム);×g(〜倍の重力);mg(ミリグラム);μg(マイクログラム);ng(ナノグラム);lまたはL(リットル);ml(ミリリットル);μl(マイクロリットル);およびC(摂氏温度)。
実施例1
コンパクション剤ならびに異なる比率のGITCおよび尿素を用いたRNA精製
この実施例は、別々の溶解物精製工程を用いずコンパクション剤ならびに異なる比率のGITCおよび尿素を用いた、細胞溶解物からのRNAの精製を記載する。1×106培養293Tヒト細胞を各々含む5本のチーブを8,000×gで遠心分離し、および500μlの1×PBS(リン酸緩衝生理食塩水)pH6.8で2回すすぎ、細胞培養培地を取り除いた。細胞の遠心分離後にPBS上清を取り除いた。洗浄した細胞を含む5本のチーブ(チューブA〜E)の各々に、4M GITC(グアニジンチオシアネート)、10mM TRIS(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンヒドロクロリド)pH7.5、および/または8M尿素、20mM TRIS pH7.5を以下の比率で添加した:チューブA. GITC 175μl + 尿素0μl、チューブB. GITC 130μl + 尿素45μl、チューブC. GITC 85μl + 尿素90μl、チューブD. GITC 45μl + 尿素130μl、チューブE. GITC 0μl + 尿素175μl。チューブをボルテックスで撹拌して細胞を懸濁させた。各チューブに、(1)水中の5M NaCl 2.5μlおよび(2)1×TE pH8.0(10mM TRIS、1mM EDTA(エチレンジアミン四酢酸))中の250mMヘキサアンミンコバルト(III)クロリド(Sigma Aldrich、St. Louis、MO)20μlを添加した。
チューブをボルテックスで撹拌し、および21℃で5分間インキュベートした。その後、これら5つの溶解物を一連のSVミニカラム(Promega Corporation、Madison、WI カタログ番号Z3111)に直接添加した。第一のカラム(#1)を2,00O×gで2分間回転させた。カラム#1からのフロースルーに、100%エタノール(AAPER Alcohol and Chemical Co.、Shelbyville、KY)65μlを添加し、および徹底的にボルテックスで撹拌した。25%エタノールのこの溶解物をSVミニカラム#2に直接添加し、2,00O×gで2分間回転させた。カラム#2からのフロースルーに、100%エタノール260μlを添加し、徹底的にボルテックスで撹拌した。50%エタノールのこの溶解物をSVミニカラム#3に直接添加し、2,00O×gで2分間回転させた。全てのSVミニカラム膜を80%エタノール(v/v 水を用いて)の500μlアリコートで2回すすぎおよび2,00O×gで回転させた。8,000×gで5分間の最後の回転によってカラム膜から微量のエタノールを取り除いた。ナノ純水の50μlアリコートを各カラムの膜に直接添加し、21℃で5分間インキュベートした。カラムを8,000×gで2分間回転させることによって、溶出物を新しいチューブに捕集した。
各カラムからの溶出物の試料5μlを5μlの2×ホルムアミドローディング色素(Ambion、Austin、TX)と混合し、80℃で3分間加熱した。その後、この混合物を1×TBE pH8.3(89mM Tris、89mMホウ酸、20mM EDTA)/8M尿素、15%ポリアクリルアミドゲル(Invitrogen、Carlsbad、CA)に充填した。マーカーレーンは100b〜500bマーカー(Ambion カタログ番号7140)を含む。電気泳動を100ボルト(一定)で2時間、21℃で実行した。ゲルをプラスチックカセットから取り出し、Sybr Gold(Invitrogen)の5μlアリコートを加えた1×TBE pH8.3緩衝剤50mlの溶液中に置き、時折混合して5分間染色した。(1)ex 488/em 526、(2)PMT 450というセッティングでAmersham(Piscataway、NJ)Typhoonプラットフォームを用いてゲルをデジタル画像撮影した。
ゲルのデジタル画像を図1A〜1Cに示す。各ゲルについて、各レーンについてのGITC 対 尿素比は以下の通りである:レーンA:175/0;レーンB:130/45;レーンC:85/90;レーンD:45/130;およびレーンE:0/175。図1Aは、SVミニカラムに通された時に0%エタノール中にあった試料由来のRNAを示し;図1Bは、SVミニカラムに通された時に25%エタノール中にあった試料由来のRNAを示し;および図1Cは、SVミニカラムに通された時に50%エタノール中にあった試料由来のRNAを示す。これらの図は、意外なことに、GITCを用いることなく、約25%エタノール中のカオトロピック剤としての尿素の使用により、図1B中のレーンEで示されるように、高分子量RNAも精製することなく、低分子量RNAを精製することが可能になるということを示す。
実施例2
様々な濃度のNaClを用いた、1つの膜による低分子量RNA精製
この実施例は、尿素、コンパクション剤、および様々な濃度のNaClを用いた、細胞溶解物からの低分子量RNA精製を記載する。別々の溶解物精製工程を用いることなくただ1つの結合カラム膜を用いて精製を遂行した。1×106培養293Tヒト細胞を各々含む9本のチーブを8,000×gで遠心分離し、1×PBS pH6.8 500μlで2回すすぎ、細胞培養培地を取り除いた。細胞の各遠心分離後にPBS上清を取り除いた。各チューブに以下を添加した:(1)360μlの8M尿素、20mM TRIS pH7.5、および(2)1×TE pH8.0中の250mMヘキサアンミンコバルト(III)クロリド(Sigma #H-7891)60μl 。5M NaClおよび2OmM TRIS pH7.5をチューブ0〜8に以下のような一定でない量で添加した:チューブ0:NaCl 0μl + 125μl、チューブ1:NaCl 3.5μl + TRIS 121.5μl 、チューブ2:NaCl 5μl + 120μl、チューブ3:NaCl 10μl + TRIS 115μl、チューブ4:NaCl 25μl + TRIS 100μl、チューブ5:NaCl 50μl + TRIS 75μl、チューブ6:NaCl 75μl + TRIS 50μl、チューブ7:NaCl 100μl + TRIS 25μl、チューブ8:NaCl 125μl + TRIS 0μl。
全てのチューブに1:100希釈のT7 RNA合成反応物の1μlアリコートを播種し、T7 Ribomax発現システム(Promega カタログ番号P 1700)ならびに制限酵素で消化されたプラスミド(pGEM-3zf(+) カタログ番号P2271、およびpGEM-5zf(+) カタログ番号P2241、Promega)を用いて低分子量T7プラスミドランオフssRNA断片(25b、45b、および70b)を産生した。チューブを徹底的にボルテックスで撹拌し、21℃で5分間インキュベートした。180μlの100%エタノールを725μlの最終容量になるように各チューブに添加した。結合溶液中のNaClの最終濃度は一定でなく、すなわち、チューブ0:0mM、チューブ1 : 24mM、チューブ2:34mM、チューブ3:69mM、チューブ4:172mM、チューブ5:345mM、チューブ6:517mM、チューブ7:690mM、およびチューブ8:862mMであった。
25%エタノールおよび一定でない濃度のNaClでのこれらの溶解物を個々のSVミニカラム(Promega)に直接添加し且つ2,00O×gで2分間回転させた。フロースルーは捨てた。全てのSVミニカラム膜を80%エタノール(v/v 水を用いて)の500μlアリコートで2回すすぎおよび2,00O×gで回転させた。8,000×gで5分間の最後の回転によってカラム膜から微量のエタノールを取り除いた。ナノ純水の50μlアリコートを各カラムの膜に直接添加し、21℃で5分間インキュベートした。カラムを8,000×gで2分間回転させることによって、溶出物を新しいチューブに捕集した。各カラムからの溶出物の試料5μlを5μlの2×ホルムアミドローディング色素(Ambion)と混合し、80℃で3分間加熱した。その後、この混合物を1×TBE pH8.3/8M尿素、15%ポリアクリルアミドゲル(Invitrogen)に充填した。1つのマーカーレーンは100b〜500bマーカー(Ambion)を含んだ。追加のマーカーレーン(25b、45b、および70b)は、制限酵素で消化されたプラスミド(pGEM-3zf(+) カタログ番号P2271、およびpGEM-5zf(+) カタログ番号P2241)から産生された低分子量T7ランオフ転写物を含んだ。電気泳動を100ボルト(一定)で2時間、21℃で実行した。ゲルをプラスチックカセットから取り出し、Sybr Gold(Invitrogen)の5μlアリコートを加えた1×TBE pH8.3緩衝剤50mlの溶液中に置き、時折混合して5分間染色した。(1)ex 488/em 526、(2)PMT 450というセッティングでAmersham Typhoonプラットフォームを用いてゲルをデジタル画像撮影した。
ゲルのデジタル画像を図2に示す。各レーンについてのNaCl濃度をゲルの下部に示す。この図で見ることができるように、1)添加されるNaClの不在によって(例えば、約100塩基未満の)低分子量RNAの膜への結合のレベルの減少が示され;2)結合溶液中で、約24から345mMまでNaClのレベルを増大させることによって低分子量RNA(例えば、25塩基、45塩基、および約100塩基未満)の結合が産生され;ならびに3)結合溶液中で345mMを超えてNaClのレベルを増大させることによってより高分子量のRNA分子およびより少ない量の低分子量RNA分子が産出された。
実施例3
様々な濃度のヘキサアンミンコバルト(III)クロリドを用いた、1つの膜による低分子量RNA精製
この実施例は、尿素および様々な濃度のコンパクション剤であるヘキサアンミンコバルト(III)クロリドを用いた、細胞溶解物からの低分子量RNA精製を記載する。別々の溶解物精製工程を用いることなくただ1つの結合カラム膜を用いて精製を遂行した。1×106培養293Tヒト細胞を各々含む9本のチーブを1×PBS pH6.8 500μlで2回すすぎ、細胞培養培地を取り除いた。細胞の遠心分離後にPBS上清を取り除いた。各チューブに、(1)175μlの8M尿素、20mM TRIS pH7.5、および(2)5μlの5M NaCl、(1×TE pH8.0中の)300mMヘキサアンミンコバルト(III)クロリド(HACC)を添加し、且つ20mM TRIS pH7.5を一定でない濃度でチューブ0〜8に以下のように添加した:チューブ0:HACC 0μl + TRIS 95μl、チューブ1:HACC 2.5μl + TRIS 93.5μl、チューブ2:HACC 5μl + TRIS 90μl、チューブ3:HACC 7.5μl + TRIS 87.5μl、チューブ4:HACC 10μl + TRIS 85μl、チューブ5:HACC 12.5μl + TRIS 82.5μl、チューブ6:HACC 15μl + TRIS 80μl、チューブ7:HACC 17.5μl + TRIS 77.5μl。全てのチューブに1:100希釈のT7 RNA合成反応物3μlを播種した。T7 Ribomax発現システム(Promega)ならびに制限酵素で消化されたプラスミド(pGEM-3zf(+) カタログ番号P2271、およびpGEM-5zf(+) カタログ番号P2241)を用いて低分子量T7プラスミドランオフssRNA断片(25b、45b、および70b)が産生された。チューブを徹底的にボルテックスで撹拌し、21℃で5分間インキュベートした。100μlの100%エタノールを375μlの最終容量になるように各チューブに添加した。結合溶液中のヘキサアンミンコバルト(III)クロリドの最終濃度は、0mM、2mM、4mM、6mM、8mM、10mM、12mM、および14mMで様々であった。
27%エタノールおよび一定でない濃度のヘキサアンミンコバルト(III)クロリドのこれらの溶解物を個々のSVミニカラム(Promega)に直接添加し且つ2,00O×gで2分間回転させた。フロースルーは捨てた。全てのSVミニカラム膜を80%エタノール(v/v 水を用いて)の500μlアリコートで2回すすぎおよび2,00O×gで回転させた。8,000×gで5分間の最後の回転によってカラム膜から微量のエタノールを取り除いた。ナノ純水の50μlアリコートを各カラムの膜に直接添加し、21℃で5分間インキュベートした。カラムを8,000×gで2分間回転させることによって、溶出物を新しいチューブに捕集した。各カラムからの溶出物の試料5μlを5μlの2×ホルムアミドローディング色素(Ambion)と混合し、80℃で3分間加熱した。その後、この混合物を1×TBE pH8.3/8M尿素、15%ポリアクリルアミドゲル(Invitrogen)に充填した。1つのマーカーレーンは100b〜500bマーカー(Ambion)を含んだ。追加のマーカーレーン(25b、45b、および70b)は、制限酵素で消化されたプラスミド(pGEM-3zf(+) カタログ番号P2271、およびpGEM-5zf(+) カタログ番号P2241)から産生された低分子量T7ランオフ転写物を含んだ。電気泳動を100ボルト(一定)で2時間、21℃で実行した。ゲルをプラスチックカセットから取り出し、Sybr Gold(Invitrogen)の5μlアリコートを加えた1×TBE pH8.3緩衝剤50mlの溶液中に置き、時折混合して5分間染色した。(1)ex 488/em 526、(2)PMT 450というセッティングでAmersham Typhoonプラットフォームを用いてゲルをデジタル画像撮影した。
ゲルのデジタル画像を図3に示す。各レーンについてのHACC濃度をゲルの下部に示す。この図で見ることができるように、1)添加されるHACCの不在によって非常にわずかな低分子量RNA結合が示され;2)2mMから8mMのHACCの濃度によって高レベルの低分子量RNA結合が示され;および3)8mMを超えるHACCの濃度によって低分子量RNA分子の結合のレベルの減少が示された。
実施例4
1つの膜による酵母細胞からの低分子量RNA精製
この実施例は、酵母細胞溶解物からの低分子量RNA精製を記載する。別々の溶解物精製工程を用いることなくただ1つの結合カラム膜を用いて精製を遂行した。酵母細胞(ATCC 200528)をYPD培地5mlを含む15mlプラスチック培養チューブの中で30℃で、250rpmで振盪させて、終夜培養した。600nmで吸収を測定した。酵母細胞を1×TE pH8.0で2回すすぎ、細胞培養培地を取り除いた。0.6、1.2、1.7、および2.3の600nm光学密度の酵母細胞を別々のチューブに添加し、且つ8,000×gで5分間回転させた。TE上清をチューブから取り除いた。細胞を48.7% BME(ベータベルカプトエタノール)3μlを加えた1×TE pH8.0 20μl中の50ユニットlyticase(Sigma)と共に2時間、30℃でインキュベートした。各チューブに、8M尿素、20mM TRIS pH7.5、125mM NaCl、および25mMヘキサアンミンコバルト(III)クロリドを含む混合物200μlを添加した。チューブを徹底的にボルテックスで撹拌し、21℃で5分間インキュベートした。75%エタノール(v/v 水)530μlを750μlの最終容量になるように各チューブに添加した。
この溶解物を個々のSVミニカラム(Promega)に直接添加し、2,00O×gで2分間回転させた。フロースルーは捨てた。全てのSVミニカラム膜を80%エタノール(v/v 水を用いて)の500μlアリコートで2回すすぎおよび2,00O×gで回転させた。8,000×gで5分間の最後の回転によってカラム膜から微量のエタノールを取り除いた。ナノ純水の50μlアリコートを各カラムの膜に直接添加し、21℃で5分間インキュベートした。カラムを8,000×gで2分間回転させることによって、溶出物を新しいチューブに捕集した。
各カラムからの溶出物の試料5μlを5μlの2×ホルムアミドローディング色素(Ambion)と混合し、80℃で3分間加熱した。その後、この混合物を1×TBE pH8.3/8M尿素、15%ポリアクリルアミドゲル(Invitrogen)に充填した。1つのマーカーレーンは100b〜500bマーカー(Ambion)を含んだ。追加のマーカーレーン(25b、45b、および70b)は、制限酵素で消化されたプラスミド(pGEM-3zf(+) カタログ番号P2271、およびpGEM-5zf(+) カタログ番号P2241)から産生された低分子量T7ランオフ転写物を含んだ。電気泳動を100ボルト(一定)で2時間、21℃で実行した。ゲルをプラスチックカセットから取り出し、Sybr Gold(Invitrogen)の5μlアリコートを加えた1×TBE pH8.3緩衝剤50mlの溶液中に置き、時折混合しながら5分間染色した。(1)ex 488/em 526、(2)PMT 450というセッティングでAmersham Typhoonプラットフォームを用いてゲルをデジタル画像撮影した。
ゲルのデジタル画像を図4に示す。各レーンについての酵母細胞の光学密度をゲルの下部に示す。この図で見ることができるように、この実施例に記載した方法を用いて酵母細胞から低分子量RNA分子を精製することができた。
実施例5
1つの膜による大腸菌細胞からの低分子量RNA精製
この実施例は、別々の溶解物精製工程を用いずただ1つの結合カラム膜を用いた、大腸菌細胞の細胞溶解物からの低分子量RNA精製を記載する。大腸菌株JM l09またはJM 109(pUC18)の培養物50mlをLB培地中で37 ℃で250rpmで振盪させて終夜培養した。25μl、50μl、100μl、250μl、および500μlの大腸菌培養容量を別々のチューブに添加し、8,000×gで5分間回転させた。大腸菌細胞を1×TE pH8.0で2回すすぎ、細胞培養培地を取り除いた。TE上清を取り除いた。各チューブに8M尿素、20mM TRIS pH7.5、125mM NaCl、および25mMヘキサアンミンコバルト(III)クロリドを含む混合物200μlを添加した。チューブを徹底的にボルテックスで撹拌し、21 ℃で5分間インキュベートした。75%エタノール(v/v 水)530μlを730μlの最終容量になるように各チューブに添加した。この溶解物を個々のSVミニカラム(Promega)に直接添加し、2,00O×gで2分間回転させた。フロースルーは捨てた。全てのSVミニカラム膜を80%エタノール(v/v 水を用いて)の500μlアリコートで2回すすぎおよび2,00O×gで回転させた。8,000×gで5分間の最後の回転によってカラム膜から微量のエタノールを取り除いた。ナノ純水の50μlアリコートを各カラムの膜に直接添加し、21℃で5分間インキュベートした。カラムを8,000×gで2分間回転させることによって、溶出物を新しいチューブに捕集した。各カラムからの溶出物の試料5μlを5μlの2×ホルムアミドローディング色素(Ambion)と混合し、80℃で3分間加熱した。その後、この混合物を1×TBE pH8.3/8M尿素、15%ポリアクリルアミドゲル(Invitrogen)に充填した。1つのマーカーレーンは100b〜500bマーカー(Ambion)を含んだ。追加のマーカーレーン(25b、45b、および70b)は、制限酵素で消化されたプラスミド(pGEM-3zf(+) カタログ番号P2271、およびpGEM-5zf(+) カタログ番号P2241)から産生された低分子量T7ランオフ転写物を含んだ。電気泳動を100ボルト(一定)で2時間、21℃で実行した。ゲルをプラスチックカセットから取り出し、Sybr Gold(Invitrogen)の5μlアリコートを加えた1×TBE pH8.3緩衝剤50mlの溶液中に置き、時折混合しながら5分間染色した。1. ex 488/em 526、2. PMT 450というセッティングでAmersham Typhoonプラットフォームを用いてゲルをデジタル画像撮影した。
ゲルのデジタル画像を図5に示す。この図で見ることができるように、1)25〜50ulの培養容量は大腸菌細胞についてのRNAの低い収量を示し、および2)100ulまたはそれより多くの培養容量は低分子量RNA分子(例えば、約100塩基未満のRNA分子)の良好な収量を示す。
実施例6
様々なpHの様々な緩衝剤を用いた、1つの膜による低分子量RNA精製
この実施例は、尿素、コンパクション剤、および様々なpHの様々な緩衝剤を用いた、ヒト細胞溶解物からの低分子量RNA精製を記載する。別々の溶解物精製工程を用いることなくただ1つの結合カラム膜を用いて精製を遂行した。1×106培養293Tヒト細胞を1×PBS pH6.8 500μlで2回すすぎ、細胞培養培地を取り除いた。細胞の遠心分離後にPBS上清を取り除いた。8M尿素の別々の溶液を20mM MES(2-モルフォリノエタンスルホン酸)pH5.5、20mM MES pH6.0、20mM TRIS pH8.3、20mM TRIS pH9.0、20mMクエン酸ナトリウム pH5.5、20mMクエン酸ナトリウム pH6.0、20mM HEPES(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-l-エタンスルホン酸)pH7.5、および20mM HEPES pH8.0で調製した。各チューブに以下を添加した:(1)上記のような、異なるpHおよび緩衝剤を含む8M尿素 175μl;ならびに(2)5M NaCl 5μl(3)1×TE pH8.0中の300mMヘキサアンミンコバルト(III)クロリド20μl。全てのチューブに1:100希釈のT7 RNA合成反応物3μlを播種した。T7 Ribomax発現システム(Promega)ならびに制限酵素で消化されたプラスミド(pGEM-3zf(+) カタログ番号P2271、およびpGEM-5zf(+) カタログ番号P2241)を用いて低分子量T7プラスミドランオフssRNA断片(25b、45b、および70b)が産生された。チューブを徹底的にボルテックスで撹拌し、21℃で5分間インキュベートした。200μlの100%エタノールを400μlの最終容量になるように各チューブに添加した。異なるpHレベルのこれらの溶解物を個々のSVミニカラム(Promega)に直接添加し、2,00O×gで2分間回転させた。フロースルーは捨てた。全てのSVミニカラム膜を80%エタノール(v/v 水を用いて)の500μlアリコートで2回すすぎおよび2,00O×gで回転させた。8,000×gで5分間の最後の回転によってカラム膜から微量のエタノールを取り除いた。ナノ純水の50μlアリコートを各カラムの膜に直接添加し、21℃で5分間インキュベートした。カラムを8,000×gで2分間回転させることによって、溶出物を新しいチューブに捕集した。各カラムからの溶出物の試料5μlを5μlの2×ホルムアミドローディング色素(Ambion)と混合し、80℃で3分間加熱した。その後、この混合物を1×TBE pH8.3/8M尿素、15%ポリアクリルアミドゲル(Invitrogen)に充填した。1つのマーカーレーンは100b〜500bマーカー(Ambion)を含んだ。追加のマーカーレーン(25b、45b、および70b)は、制限酵素で消化されたプラスミド(pGEM-3zf(+) カタログ番号P2271、およびpGEM-5zf(+) カタログ番号P2241)から産生された低分子量T7ランオフ転写物を含んだ。電気泳動を100ボルト(一定)で2時間、21℃で実行した。ゲルをプラスチックカセットから取り出し、Sybr Gold(Invitrogen)の5μlアリコートを加えた1×TBE pH8.3緩衝剤50mlの溶液中に置き、時折混合しながら5分間染色した。(1)ex 488/em 526、(2)PMT 450というセッティングでAmersham Typhoonプラットフォームを用いてゲルをデジタル画像撮影した。
ゲルのデジタル画像を図6に示す。この図で見ることができるように、1)HEPES、MES、およびTRIS緩衝剤は、SV膜が低分子量RNA断片(例えば、約200塩基未満)を捕集するのを可能にし;且つ2)5.5〜9.0のpH範囲は同様の収量の低分子量RNA分子を産生した。
実施例7
様々なカオトロープを用いた、培養ヒト細胞からの1つの膜による低分子量RNA精製
この実施例は、コンパクション剤および様々なカオトロピック剤を用いた、ヒト細胞溶解物からの低分子量RNA精製を記載する。別々の溶解物精製工程を用いることなくただ1つの結合カラム膜を用いて精製を遂行した。1×106培養293Tヒト細胞を1×PBS pH6.8 200μlで2回洗浄し、細胞培養培地を取り除いた。細胞の遠心分離後にPBS上清を取り除いた。2Mチオ尿素 2OmM TRIS pH7.5、4Mウレタン 115mM TRIS pH7.5、9Mアセトアミド 115mM TRIS pH7.5の別々の溶液を調製した。各チューブに以下を添加した:1) TRIS緩衝剤を含むカオトロープ175μl 2) 5M NaCl 5μl 3) TE緩衝剤中の25OmMヘキサアンミンコバルト(III)クロリド20μl。
全てのチューブに1:100希釈のT7 RNA合成反応物1μlを播種した。T7 Ribomax発現システム(Promega)ならびに切断されたプラスミド(pGEM-3zf+、およびpGEM-5zf+)を用いて低分子量T7プラスミドランオフssRNA断片(25b、45b、および70b)が産生された。チューブを十分にボルテックスで撹拌し、室温で5分間静置した。550μlの75%エタノールを750μlの最終容量になるように各チューブに添加した。異なるカオトロープを含むこれらの溶解物を個々のSVミニカラム(Promega)に直接添加し、2,00O×gで2分間遠心分離した。フロースルーは捨てた。全てのSVミニカラム膜を75%エタノールの別々の500μlアリコートで2回洗浄し、2,00O×gで遠心分離した。8,000×gで5分間の最後の回転によってカラム膜から微量のエタノールを取り除いた。ナノ純水の35μlアリコートを各カラムの膜に直接添加し、室温で5分間静置した。カラムを8,000×gで2分間回転させることによって、溶出物を新しいチューブに捕集した。各カラムからの溶出物の5μl部分を5μlの2×ホルムアミドローディング色素(Ambion)と混合し、80℃で3分間加熱した。
その後、この混合物を1×TBE/8M尿素、15%ポリアクリルアミドゲル(Invitrogen)に充填した。1つのマーカーレーンは100〜500bマーカー(Ambion)を含んだ。追加のマーカーレーン(25、45、および70b)は、切断されたプラスミド(pGEM-3zf+、およびpGEM-5zf+)から産生された低分子量T7ランオフ転写物を含んだ。電気泳動を100ボルト(一定)で2時間室温で実行した。ゲルをプラスチックカセットから取り出し、Sybr Gold(Invitrogen)の5μlアリコートを加えた1×TBE緩衝剤50mlの溶液中に置き、時折混合しながら5分間染色した。1. ex 488/em 526、2. PMT 450というセッティングでAmersham Typhoonプラットフォームを用いてゲルをデジタル画像撮影した。図7で示されるように、チオ尿素、アセトアミド、ウレタン、および尿素などのカオトロープは、このシステムを用いた培養細胞からの低分子量RNAの単離に好適であった。
実施例8
様々なカオトロープを用いた、組織からの1つの膜による低分子量RNA精製
この実施例は、コンパクション剤および様々なカオトロピック剤を用いた、肉牛組織からの低分子量RNA精製を記載する。別々の溶解物精製工程を用いることなくただ1つの結合カラム膜を用いて精製を遂行した。あらかじめ-70℃で凍結した肉牛肝臓を計量し、別々の50mlコニカルチューブの中に入れた。チューブ当たり30mgの組織がチューブ当たり175μlのカオトロピック溶液で覆われるように、2Mチオ尿素 2OmM TRIS pH7.5、4Mウレタン 115mM TRIS pH7.5、9Mアセトアミド 115mM TRIS pH7.5、または8M尿素 20mM TRIS pH7.5の溶液を5本の別々のチューブの各々に添加した。4×30秒バースト、次いで冷却させるために氷上で15秒、組織を2分間機械的にホモジェナイズした。組織ホモジェネートを14000×gで15分間遠心分離した。上清を新しいチューブへと移した。各チューブに以下を添加した:1) 組織ホモジェネート上清1Oulまたは25ul 2) TRIS緩衝剤を含む対応するカオトロープ165μlまたは150μl 3) 5M NaCl 5μl 4) TE緩衝剤中の25OmMヘキサアンミンコバルト(III)クロリド20μl。チューブをボルテックスで撹拌し、室温で5分間静置した。550μlの75%エタノールを750μlの最終容量になるように各チューブに添加した。異なるカオトロープを含む各溶解物を個々のSVミニカラム(Promega)に直接添加し、2,000×gで2分間遠心分離した。フロースルーは捨てた。全てのSVミニカラム膜を75%エタノール(v/v 水を用いて)の別々の500μlアリコートで2回洗浄し、2,00O×gで遠心分離した。8,000×gで5分間の最後の回転によってカラム膜から微量のエタノールを取り除いた。ナノ純水の35μlアリコートを各カラムの膜に直接添加し、室温で5分間静置した。カラムを8,000×gで2分間回転させることによって、溶出物を新しいチューブに捕集した。
各カラムからの溶出物の5μl部分を5μlの2×ホルムアミドローディング色素(Ambion)と混合し、80℃で3分間加熱した。その後、この混合物を1×TBE/8M尿素、15%ポリアクリルアミドゲル(Invitrogen)に充填した。1つのマーカーレーンは100〜500bマーカー(Ambion)を含んだ。追加のマーカーレーン(25、45、および70b)は、切断されたプラスミド(pGEM-3zf+、およびpGEM-5zf+)から産生された低分子量T7ランオフ転写物を含んだ。電気泳動を100ボルト(一定)で2時間室温で実行した。ゲルをプラスチックカセットから取り出し、Sybr Gold(Invitrogen)の5μlアリコートを加えた1×TBE緩衝剤50mlの溶液中に置き、時折混合しながら5分間染色した。1. ex 488/em 526、2. PMT 450というセッティングでAmersham Typhoonプラットフォームを用いてゲルをデジタル画像撮影した。図8で示されるように、チオ尿素、アセトアミド、ウレタン、および尿素などのカオトロープは、この方法を用いたウシ肝臓組織からの低分子量RNAの単離に好適であった。
実施例9
尿素およびイソプロパノールを用いた、ヒト細胞からの1つの膜による低分子量RNA精製
この実施例は、尿素、コンパクション剤、およびイソプロパノールを用いた、ヒト細胞からの低分子量RNA精製を記載する。別々の溶解物精製工程を用いることなくただ1つの結合カラム膜を用いて精製を遂行した。1×106培養293Tヒト細胞を1×PBS pH6.8 200μlで2回洗浄し、細胞培養培地を取り除いた。細胞の遠心分離後にPBS上清を取り除いた。9本のチューブの各々に、8M尿素、2OmM TRIS pH7.5、125mM NaCl、および25mMヘキサアンミンコバルト(III)クロリドを含む混合物200μlを添加した。チューブを十分にボルテックスで撹拌し、室温で5分間静置した。全てのチューブに1:100希釈のT7 RNA合成反応物1μlを播種した。T7 Ribomax発現システム(Promega)ならびに切断されたプラスミド(pGEM-3zf+、およびpGEM-5zf+)を用いて低分子量T7プラスミドランオフssRNA断片(25、45、および70b)が産生された。チューブを十分にボルテックスで撹拌し、室温で5分間静置した。100、200、300、400、500、600、700、800、または900μlのいずれかの100%イソプロパノールを各々の別々のチューブに添加した。異なるイソプロパノール濃度のこれらの溶解物を個々のSVミニカラム(Promega)に直接添加し、2,000×gで2分間遠心分離した。フロースルーは捨てた。全てのSVミニカラム膜を75%エタノール(v/v 水を用いて)の別々の500μlアリコートで2回洗浄し、および2,00O×gで遠心分離した。8,000×gで5分間の最後の回転によってカラム膜から微量のエタノールを取り除いた。ナノ純水の50μlアリコートを各カラムの膜に直接添加し、室温で5分間静置した。カラムを8,000×gで2分間回転させることによって、溶出物を新しいチューブに捕集した。
各カラムからの溶出物の5μl部分を5μlの2×ホルムアミドローディング色素(Ambion)と混合し、80℃で3分間加熱した。その後、この混合物を1×TBE/8M尿素、15%ポリアクリルアミドゲル(Invitrogen)に充填した。1つのマーカーレーンは100〜500bマーカー(Ambion)を含んだ。追加のマーカーレーン(25、45、および70b)は、切断されたプラスミド(pGEM-3zf+、およびpGEM-5zf+)から産生された低分子量T7ランオフ転写物を含んだ。電気泳動を100ボルト(一定)で2時間室温で実行した。ゲルをプラスチックカセットから取り出し、Sybr Gold(Invitrogen)の5μlアリコートを加えた1×TBE緩衝剤50mlの溶液中に置き、時折混合しながら5分間染色した。1. ex 488/em 526、2. PMT 450というセッティングでAmersham Typhoonプラットフォームを用いてゲルをデジタル画像撮影した。図9で示されるように、イソプロパノールの存在下で低分子量RNAを精製することができ、より多い容量のイソプロパノールはより多くの精製RNA試料(あまり大型ではないRNA配列)を産出した。
実施例10
尿素およびメタノールを用いた、ヒト細胞からの1つの膜による低分子量RNA精製
この実施例は、尿素、コンパクション剤、およびメタノールを用いた、ヒト細胞からの低分子量RNA精製を記載する。別々の溶解物精製工程を用いることなくただ1つの結合カラム膜を用いて精製を遂行した。1×106培養293Tヒト細胞を1×PBS pH6.8 200μlで2回洗浄し、細胞培養培地を取り除いた。細胞の遠心分離後にPBS上清を取り除いた。9本のチューブの各々に、8M尿素、2OmM TRIS pH7.5、125mM NaCl、および25mMヘキサアンミンコバルト(III)クロリドを含む混合物200μlを添加した。チューブを十分にボルテックスで撹拌し、室温で5分間静置した。全てのチューブに1:100希釈のT7 RNA合成反応物1μlを播種した。T7 Ribomax発現システム(Promega)ならびに切断されたプラスミド(pGEM-3zf+、およびpGEM-5zf+)を用いて低分子量T7プラスミドランオフssRNA断片(25、45、および70b)が産生された。チューブを十分にボルテックスで撹拌し、室温で5分間静置した。別々のチューブの各々に、100、200、300、400、500、600、700、800、または900μlの100%メタノールを添加した。異なるメタノール濃度の各溶解物を個々のSVミニカラム(Promega)に直接添加し、2,000×gで2分間遠心分離した。フロースルーは捨てた。全てのSVミニカラム膜を75%エタノール(v/v 水を用いて)の別々の500μlアリコートで2回洗浄し、2,00O×gで遠心分離した。8,000×gで5分間の最後の回転によってカラム膜から微量のエタノールを取り除いた。ナノ純水の50μlアリコートを各カラムの膜に直接添加し、室温で5分間静置した。カラムを8,000×gで2分間回転させることによって、溶出物を新しいチューブに捕集した。
各カラムからの溶出物の5μl部分を5μlの2×ホルムアミドローディング色素(Ambion)と混合し、80℃で3分間加熱した。その後、この混合物を1×TBE/8M尿素、15%ポリアクリルアミドゲル(Invitrogen)に充填した。1つのマーカーレーンは100〜500bマーカー(Ambion)を含んだ。追加のマーカーレーン(25、45、および70b)は、切断されたプラスミド(pGEM-3zf+、およびpGEM-5zf+)から産生された低分子量T7ランオフ転写物を含んだ。電気泳動を100ボルト(一定)で2時間室温で実行した。ゲルをプラスチックカセットから取り出し、Sybr Gold(Invitrogen)の5μlアリコートを加えた1×TBE緩衝剤50mlの溶液中に置き、時折混合しながら5分間染色した。1. ex 488/em 526、2. PMT 450というセッティングでAmersham Typhoonプラットフォームを用いてゲルをデジタル画像撮影した。図10で示されるように、メタノールの存在下で低分子量RNAを精製することができ、より多い容量のメタノールはより多くの精製RNA試料(あまり大型ではないRNA配列)を産出した。
実施例11
様々なカオトロープを用いた、植物組織からの1つの膜による低分子量RNA精製
この実施例は、コンパクション剤および様々なカオトロピック剤を用いた、植物組織からの低分子量RNA精製を記載する。別々の溶解物精製工程を用いることなくただ1つの結合カラム膜を用いて精製を遂行した。キャノーラを1日当たり12時間の光および12時間の暗闇で蛍光テーブルトップライトの下で35日間生育させた。チューブ当たり30mgの組織がチューブ当たり1mlのカオトロピック溶液で覆われるように、1:8M尿素 2OmM TRIS pH7.5 125mM NaCl 25mMヘキサアンミンコバルト(III)クロリド 2:4Mウレタン 115mM TRIS pH7.5 125mM NaCl 25mMヘキサアンミンコバルト(III)クロリドおよび3:9Mアセトアミド 115mM TRIS pH7.5 125mM NaCl 25mMヘキサアンミンコバルト(III)クロリドという別々の溶液を3本の別々のチューブの各々に添加した。48.7% β-メルカプトエタノール(Promegaカタログ番号Z5231)の10μlアリコートを各チューブに添加した。3×30秒バースト、次いで冷却させるために氷上で15秒、組織を1.5分間機械的にホモジェナイズした。組織ホモジェネートを14,000×gで5分間遠心分離した。上清を新しいチューブへと移した。各チューブに以下を添加した:1) 組織ホモジェネート上清1Oμl、25μl、または50μl 2) TRIS緩衝剤、NaCl、およびヘキサアンミンコバルト(III)クロリドを含む対応するカオトロープ190μl、175μl、または150μl。チューブをボルテックスで撹拌し、21℃で5分間静置した。その後、550μlの75%エタノールを750μlの最終容量になるように各チューブに添加した。異なるカオトロープを含む各溶解物を個々のSVミニカラム(Promega)に直接添加し、2,000×gで2分間遠心分離した。フロースルーは捨てた。全てのSVミニカラム膜を75%エタノール(v/v 水を用いて)の500μlアリコートで2回洗浄し、2,00O×gで遠心分離した。8,000×gで5分間の最後の回転によってカラム膜から微量のエタノールを取り除いた。ナノ純水の35μlアリコートを各カラムの膜に直接添加し、21℃で5分間静置した。カラムを8,000×gで2分間回転させることによって、溶出物を新しいチューブに捕集した。
各カラムからの溶出物の5μl部分を5μlの2×ホルムアミドローディング色素(Ambion)と混合し、80℃で3分間加熱した。その後、この混合物を1×TBE/8M尿素、15%ポリアクリルアミドゲル(Invitrogen)に充填した。1つのマーカーレーンは、25、60、および70塩基のランオフ転写物が、添加した100〜500bマーカー(Ambion)を含んだ。電気泳動を100ボルト(一定)で2時間室温で実行した。ゲルをプラスチックカセットから取り出し、Sybr Gold(Invitrogen)の5μlアリコートを加えた1×TBE緩衝剤50mlの溶液中に置き、時折混合しながら5分間染色した。1. ex 488/em 526、2. PMT 450というセッティングでAmersham Typhoonプラットフォームを用いてゲルをデジタル画像撮影した。図11で示されるように、尿素、アセトアミド、ウレタン、および尿素などのカオトロープは、植物組織からの低分子量RNAの単離に好適であった。
実施例12
アルコールなしかまたは様々な濃度のアルコールのいずれかとアセトアミドとによる低分子量RNAの精製
この実施例では、アルコールなしかまたは様々な濃度のアルコールのいずれかとアセトアミドとを用いた、RNAの混合物からの低分子量RNAの精製が記載されている。プラスチックチューブの中で、1ml当たり1μgウシtRNA(Promega パーツ番号Y209)5μlおよび50bp DNAステップラダー(Promega カタログ番号G4521)lOOμlを組み合わせた。この混合物に以下を添加した:(1)5M NaCl 50μl、(2)TE緩衝剤中の25OmMヘキサアンミンコバルト(III)クロリド200μl、および(3)1.75mlの9Mアセトアミド 115mM TRIS pH7.5。チューブを十分にボルテックスで撹拌し、21℃で5分間静置した。その後、試料200μlを10本の滅菌した1.5mlプラスチックチューブの各々の中に置いた。1本のチューブにはエタノールを添加しなかった。その他の9本のチューブには、以下の量の95%エタノール/水を添加した:チューブ当たり30μl、50μl、65μl、80μl、90μl、lOOμl、125μl、150μl、および200μlの95%エタノール/水。チューブをボルテックスで撹拌した。各試料の添加容量の約45%を、1.5mlチューブ中に入れ子になったSVカラム(Promega)に添加し、および各試料の添加容量の約45%を、1.5mlチューブの中で入れ子になったナイロンカラム(Corning Costar Spin-X カタログ番号8169)に添加した。アルコール-水混合物の実際の最終容量はこれらの条件下では添加容量量未満であったことに留意されたい。これらの試料を上述の混合物の各々について適切に標識されたカラム/チューブに添加した。全てのカラム/チューブを8,00O×gで2分間遠心分離した。全てのSVカラムを新しいチューブに移し、各々を、膜に直接添加されたヌクレアーゼを含まない水25μlで溶出した。同様に、ナイロンカラム/チューブをヌクレアーゼを含まない水15μlで溶出した。チューブを8,000×gで2分間回転させることによって、溶出物を捕集した。
各試料からの溶出物の10μl部分を1×TBE/8M尿素、15%ポリアクリルアミドゲル(Invitrogen)に充填した。1つのマーカーレーンは、50bp DNAステップラダー0.5μlを含み、および別のレーンはウシtRNA 0.5μlを含んだ。電気泳動を120ボルト(一定)で2時間室温で実行した。ゲルをプラスチックカセットから取り出し、Sybr Gold(Invitrogen)の5μlアリコートを加えた1×TBE緩衝剤50mlの溶液中に置き、時折混合しながら15分間染色した。1. ex 488/em 526、2. PMT 450というセッティングでAmersham Typhoonプラットフォームを用いてゲルをデジタル画像撮影した。
図12A(SV膜)および図12B(ナイロン膜)で示されるように、この方法は、この精製法のための結合マトリックスとしてのそれらの有用性についてマトリックス材料を評価するのに好適であった。さらに、本方法は、低分子量RNA分子の好ましい精製を提供するために、添加されるべきアルコールの好ましい量のおおよその決定についても可能にした。アルコールの使用はRNAおよびDNA分子の混合物から低分子量RNA分子を精製するために検査されたどちらのマトリックス(図12Aのレーン1および図12Bのレーン3参照)にも必要とされなかったということに留意されたい。本検査法は、RNAがRNAおよびDNAの混合物から、50塩基対DNA分子などの低分子量DNA分子からさえも優先的に精製されるということも示した。
実施例13
様々な膜を用いた、アルコールなしかまたは様々な濃度のアルコールのいずれかとアセトアミドとによる低分子量RNAの精製
この実施例では、アルコールなしかまたは様々な濃度のアルコールのいずれかと、アセトアミドと、様々な膜とを用いた、RNAの混合物からの低分子量RNAの精製が記載されている。プラスチックチューブの中で、1ml当たり1μgウシtRNA(Promega パーツ番号Y209)5μl、ヌクレアーゼを含まない水3Oμl、およびRNAマーカー(Promega カタログ番号G3191)30μlを組み合わせた。試料2μlをゲルマーカーとしての使用のために(3つのゲルレーンでの使用のために、下記参照)移した。この混合物63μlに以下を添加した:(1)5M NaCl 75μl、(2)TE緩衝剤中の25OmMヘキサアンミンコバルト(III)クロリド300μl、および(3)2.63mlの9Mアセトアミド 115mM TRIS pH7.5。チューブを十分にボルテックスで撹拌し、21℃で5分間静置した。その後、試料300μlを9本の滅菌した1.5mlプラスチックチューブの各々の中に置いた。1本のチューブにはエタノールを添加しなかった。その他の8本のチューブには、以下の量の95%エタノール/水を添加した:チューブ当たり30μl、50μl、65μl、80μl、90μl、lOOμl、125μl、および150μlの95%エタノール/水。チューブをボルテックスで撹拌した。各試料の添加容量の約30%を、1.5mlチューブ中に入れ子になったSVカラム(Promega)に添加し、および各試料の添加容量の約45%を、1.5mlチューブ中に入れ子になったナイロンカラム(Corning Costar Spin-X カタログ番号8169)に添加した。使用された容量は、カラム/チューブ当たり(Oμl)91μl、(30μl)lOOμl、(50μl)105μl、(65μl) 11Oμl、(80μl)115μl、(90μl)120μl、(lOOμl)120μl、(125μl)128μl、および(15Oμl)135μlであったことに留意されたい。これらの試料を上述の混合物の各々について適切に標識されたカラム/チューブ(SV、ナイロン、またはセルロースアセテート)に添加した。全てのカラム/チューブを8,00O×gで2分間遠心分離した。全てのSVカラムを新しいチューブに移し、各々を、膜に直接添加されたヌクレアーゼを含まない水25μlで溶出した。同様に、ナイロンカラム/チューブをヌクレアーゼを含まない水15μlで溶出した。チューブを8,000×gで2分間回転させることによって、溶出物を捕集した。各試料からの溶出物の10μl部分を1×TBE/8M尿素、15%ポリアクリルアミドゲル(Invitrogen)に充填した。1つのマーカーレーンは、RNAマーカーラダー0.5ulを含み、別のレーンは使用されたtRNA/RNAマーカー混合物1ulを含み、および別のレーンはウシtRNA 0.5μlを含んだ。「SV 150μlエタノール」という試料は泳動しなかった。電気泳動を120ボルト(一定)で2時間、21℃で実行した。ゲルをプラスチックカセットから取り出し、Sybr Gold(Invitrogen)の5μlアリコートを加えた1×TBE緩衝剤50mlの溶液中に置き、時折混合しながら15分間染色した。1. ex 488/em 526、2. PMT 450というセッティングでAmersham Typhoonプラットフォームを用いてゲルをデジタル画像撮影した。
図13A(SV膜)、図13B(ナイロン膜)、および図13C(セルロースアセテート膜)で示されるように、この方法は、この精製法のための結合マトリックスとしてのそれらの有用性についてマトリックス材料を評価するのに好適であった。さらに、本方法は、低分子量RNA分子の好ましい精製を提供するために、添加されるべきアルコールの好ましい量のおおよその決定についても可能にした。アルコールの使用は、SVマトリックス、ナイロンマトリックス、またはセルロースアセテートマトリックスを用いた低分子量RNA分子(例えば、200塩基未満)の精製に必要とされなかったということに留意されたい。SVの使用について(図13A)、30μlまたは50μlのエタノールの添加によって、低分子量RNAの精製は示されたが、RNAマーカーラダーからのより高分子量のRNA分子の精製は示されなかった。ナイロンについて(図13B)、RNAマーカーラダーからのより高分子量のRNA分子は、添加した任意のエタノール量について目で見えるようには精製されず、低分子量RNAのバンド強度の点から、添加した90μlが、添加した任意のその他の量とほぼ同じくらい良好、または添加した任意のその他の量よりも良好であるように思われた。セルロースアセテートについて(図13C)、RNAマーカーラダーからの高分子量RNA分子は、添加した任意の量のエタノールを用いて精製されるようには見えず、および低分子量RNAのバンド強度は、添加したエタノールを増大させるのに伴って増大した。添加したエタノール90μlまたは100μlを用いることにより、任意のその他のエタノール添加量と同等のまたは任意のその他のエタノール添加量よりも大きいバンド強度が提供された。3つのマトリックスは全て、より高分子量のRNA分子(例えば、200塩基よりも高分子量の)よりも低分子量RNA分子(例えば、200塩基未満のRNA分子)の優先的な精製を可能にする結合条件を示した。
実施例14
アルコールなしかまたは様々な濃度のアルコールのいずれかとカオトロープなしとによる低分子量RNAの精製
この実施例では、アルコールなしかまたは様々な濃度のアルコールのいずれかとカオトロープなしとを用いた、RNAの混合物からの低分子量RNAの精製が記載されている。プラスチックチューブの中で、1ml当たり1μgウシtRNA(Promega パーツ番号Y209)20μl、ヌクレアーゼを含まない水14Oμl、およびRNAマーカー(Promega カタログ番号G3191)40μlを組み合わせた。試料2μlをゲルマーカーとしての使用(2つのゲルで、下記参照)のために移した。この混合物198μlに以下を添加した:(1)5M NaCl 75μl、(2)水の中の25OmMヘキサアンミンコバルト(III)クロリド300μl。カオトロープは添加しなかった。チューブを十分にボルテックスで撹拌し、21℃で5分間静置した。その後、試料20μlを8本のチューブの各々の中に置いた。8本のチューブに、最終的な(容量/容量)エタノールパーセンテージが、チューブ当たり0%、20%、40%、50%、60%、70%、80%、90%エタノールとなるように100%エタノールおよびヌクレアーゼを含まない水を添加し、且つチューブをボルテックスで撹拌した。90μlの各試料混合物を、1.5mlチューブ中に入れ子になったナイロンカラム(Corning Costar Spin-X カタログ番号8169)に添加した。その後、90μlの各試料混合物を、1.5mlチューブ中に入れ子になったセルロースアセテートカラム(Corning Costar Spin-X カタログ番号8160)に添加した。全てのカラム/チューブを8,00O×gで2分間遠心分離した。全てのナイロンカラム/チューブおよび全てのセルロースアセテートカラムを、ヌクレアーゼを含まない水20μlで溶出した。チューブを8,000×gで2分間回転させることによって、溶出物を捕集した。各試料からの溶出物の10μl部分を1×TBE/8M尿素、15%ポリアクリルアミドゲル(Invitrogen)に充填した。1つのマーカーレーンは、RNAマーカーラダー0.5μlを含み、別のレーンは使用されたtRNA/RNAマーカー混合物1μlを含み、および別のレーンはウシtRNA 0.5μlを含んだ。電気泳動を120ボルト(一定)で2時間室温で実行した。ゲルをプラスチックカセットから取り出し、Sybr Gold(Invitrogen)の5μlアリコートを加えた1×TBE緩衝剤50mlの溶液中に置き、時折混合しながら15分間染色した。1. ex 488/em 526、2. PMT 450というセッティングでAmersham Typhoonプラットフォームを用いてゲルをデジタル画像撮影した。
図14A(ナイロン膜)、および図14B(セルロースアセテート膜)で示されるように、この方法は、低分子量RNA分子を精製し、結合マトリックスとしてのそれらの有用性についてマトリックス材料を評価するのに好適であった。さらに、本方法は、低分子量RNA分子の好ましい精製を提供するために添加されるべきアルコールの好ましい量のおおよその決定についても可能にした。ナイロン(図14A)またはセルロースアセテート(図14B)について、RNAマーカーラダーからのより高分子量のRNA分子は、添加した任意のエタノール量について目で見えるようには精製されなかった。ナイロンおよびセルロースアセテートマトリックスの両方により、より高分子量のRNA分子(例えば、200塩基よりも高分子量の)よりも低分子量RNA分子(例えば、200塩基未満のRNA分子)の優先的な精製を可能にする条件が示された。
実施例15
異なるエタノール洗浄濃度を用いた低分子量RNA精製
この実施例では、洗浄工程なしかまたは異なるエタノール濃度による洗浄工程のいずれかを用いた低分子量RNA精製が記載されている。プラスチックチューブの中で、1ml当たり1μgウシtRNA(Promega パーツ番号Y209)5μl、ヌクレアーゼを含まない水3Oμl、およびRNAマーカー(Promega カタログ番号G3191)30μlを組み合わせた。試料1μlをゲルマーカーとしての使用のために(3つのゲルでの使用のために、下記参照)移した。この混合物64μlに以下を添加した:(1)5M NaCl 75μl、(2)TE緩衝剤中の25OmMヘキサアンミンコバルト(III)クロリド300μl、および(3)2.63mlの9Mアセトアミド 115mM TRIS pH7.5。チューブを十分にボルテックスで撹拌し、21℃で5分間静置した。その後、95%エタノール2.0mlを添加し、およびチューブをボルテックスで撹拌した。400μlを11本のチューブの各々に添加した。1本のチューブはエタノールで洗浄せず、残りの10本のチューブは10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、および100%エタノール300μlで洗浄した。全てのカラム/チューブを8,00O×gで2分間遠心分離した。全てのSVカラムを新しいチューブに移し、各々を、膜に直接添加されたヌクレアーゼを含まない水30μlで溶出した。チューブを8,000×gで2分間回転させることによって、溶出物を捕集した。
各試料からの溶出物の10μl部分を1×TBE/8M尿素、15%ポリアクリルアミドゲル(Invitrogen)に充填した。1つのマーカーレーンは、使用されたtRNA/RNAマーカー混合物1ulを含んだ。電気泳動を120ボルト(一定)で2時間、21℃で実行した。ゲルをプラスチックカセットから取り出し、Sybr Gold(Invitrogen)の5μlアリコートを加えた1×TBE緩衝剤50mlの溶液中に置き、時折混合しながら15分間染色した。1. ex 488/em 526、2. PMT 450というセッティングでAmersham Typhoonプラットフォームを用いてゲルをデジタル画像撮影した。
図15A(ナイロン膜)で示されるように、より低い%エタノール洗浄は、様々な程度までRNAを保持し、および20%エタノール洗浄は、50%エタノールなどのより高いパーセンテージよりも好ましい精製を提供し、その場合RNAは目で見えるようには精製されなかった。図15B(セルロースアセテート膜)で示されるように、20%および40%エタノール洗浄は、70%または80%エタノール洗浄などの、より高いパーセンテージよりもより好ましい精製を提供した。図15C(SV膜)で示されるように、20%エタノール洗浄がより好ましかった。これは驚くべきことであり且つ約80%エタノールが決まって用いられる様々な市販のキットにおけるエタノール洗浄とは全く異なっている。
実施例16
常磁性粒子および様々なカオトロープによる低分子量RNA精製
この実施例では、磁性粒子および様々なカオトロープによる低分子量RNA精製が記載されている。9本のチューブの各々に、(2連で)5μl、10μl、または15μlのMagneSil(登録商標)ブルー常磁性粒子(Promega カタログ番号A220)を添加した。チューブを超磁石の上に置きおよび30秒間静置した。上清を取り除いた。MagneSil(登録商標)ブルーを以下のいずれかの500μlアリコートで2回すすいだ:(a)1.8M尿素、20mM TRIS pH7.5、125mM NaCl、25mMヘキサアンミンコバルト(III)クロリド(b)9Mアセトアミド、115mM TRIS pH7.5、125mM NaCl、25mMヘキサアンミンコバルト(III)クロリド、または(c)2Mチオ尿素、20mM TRIS pH7.5、125mM NaCl、25mMヘキサアンミンコバルト(III)クロリド。
各々のすすぎによってMagneSil(登録商標)ブルーを再懸濁し、5分間21℃で静置した。チューブを超磁石の上に置きおよび30秒間静置した。その後、上清を取り除いた。1×106培養293Tヒト細胞を1×PBS pH6.8 200μlで2回洗浄した。細胞の遠心分離後にPBS上清を取り除いた。(a)1.8M尿素、20mM TRIS pH7.5、125mM NaCl、25mMヘキサアンミンコバルト(III)クロリド、(b)9Mアセトアミド、115mM TRIS pH7.5、125mM NaCl、25mMヘキサアンミンコバルト(III)クロリド、または(c)2Mチオ尿素、20mM TRIS pH7.5、125mM NaCl、25mMヘキサアンミンコバルト(III)クロリドのいずれかの200μlアリコートを、洗浄された培養細胞を含む3本の別々のチューブの各々に添加した。チューブをボルテックスで撹拌し、5分間21℃で静置した。その後、細胞溶解物の混合物を、あらかじめすすいだMagneSil(登録商標)ブルー5μl、10μl、または15μlのいずれかを含む3本のチューブの各々へと移した。75%エタノールの530μlアリコートを各チューブに添加し、MagneSil(登録商標)ブルーを再懸濁した。30秒毎に混合しながら21℃で5分静置した後、チューブを超磁石の上に30秒間置いた。上清を取り除いた。MagneSil(登録商標)ブルーを75%エタノールの500ulアリコートで2回すすいだ。最後のすすぎを取り除いた後、MagneSil(登録商標)ブルーを超磁石の上で10分間乾燥させた。ナノ純水の50μlアリコートをMagneSil(登録商標)ブルーを含む各チューブに添加し、21℃で5分間静置した。MagneSil(登録商標)ブルーを超磁石の上に置いた後、溶出物を取り出した。各チューブからの溶出物の5μl部分を5μlの2×ホルムアミドローディング色素(Ambion)と混合し、80℃で3分間加熱した。その後、この混合物を1×TBE/8M尿素、15%ポリアクリルアミドゲル(Invitrogen)に充填した。1つのマーカーレーンは100〜500bマーカー(Ambion)を含んだ。追加のマーカーレーン(25、45、および70b)は、切断されたプラスミド(pGEM-3zf+、およびpGEM-5zf+)から産生された低分子量T7ランオフ転写物を含んだ。電気泳動を100ボルト(一定)で2時間、21℃で実行した。ゲルをプラスチックカセットから取り出し、Sybr Gold(Invitrogen)の5μlアリコートを加えた1×TBE緩衝剤50mlの溶液中に置き、時折混合しながら5分間染色した。1. ex 488/em 526、2. PMT 450というセッティングでAmersham Typhoonプラットフォームを用いてゲルをデジタル画像撮影した。
図16で示されるように、MagneSil(登録商標)ブルーなどの磁性シリカマトリックスを用いて、培養細胞から低分子量RNAを精製することができる。
実施例17
SV96結合プレートおよび様々なカオトロープを用いた低分子量RNA精製
この実施例では、SV96結合プレートおよび様々なカオトロープを用いた低分子量RNAの精製が記載されている。1×106培養293Tヒト細胞を1×PBS pH6.8 200μlで2回洗浄し、細胞培養培地を取り除いた。細胞の遠心分離後にPBS上清を取り除いた。2Mチオ尿素 2OmM TRIS pH7.5 125mM NaCl 25mMヘキサアンミンコバルト(III)クロリド、9Mアセトアミド 115mM TRIS pH7.5 125mM NaCl 25mMヘキサアンミンコバルト(III)クロリド、または8M尿素 2OmM TRIS pH7.5 125mM NaCl 25mMヘキサアンミンコバルト(III)クロリドのいずれかの200ulアリコートを2本の別々のチューブの各々に添加した。チューブをボルテックスで撹拌し、21℃で5分間静置した。その後、530μlの75%エタノールを各チューブに添加し、ボルテックスで撹拌し、および21℃で5分間静置した。異なるカオトロープを含む各溶解物をSV96プレート(Promega カタログ番号A227)の個々のウェルに直接添加した。真空を適用して、膜を通して溶解物を汲み出した。真空を適用しながらSV96ウェル膜を75%エタノールの別々の500μlアリコートで2回洗浄した。膜を乾燥させるための最後のすすぎの後、プレートを真空下で5分間静置した。ナノ純水の80μlアリコートを各ウェルの膜に直接添加し、21℃で5分間静置した。溶出物を真空下で96ウェルポリプロピレンプレートに捕集した。各カラムからの溶出物の5μl部分を2×ホルムアミドローディング色素(Ambion)5μlと混合し、80℃で3分間加熱した。
その後、この混合物を1×TBE/8M尿素、15%ポリアクリルアミドゲル(Invitrogen)に充填した。1つのマーカーレーンは100〜500bマーカー(Ambion)を含んだ。追加のマーカーレーン(25、45、および70b)は、切断されたプラスミド(pGEM-3zf+、およびpGEM-5zf+)から産生された低分子量T7ランオフ転写物を含んだ。電気泳動を100ボルト(一定)で2時間室温で実行した。ゲルをプラスチックカセットから取り出し、Sybr Gold(Invitrogen)の5μlアリコートを加えた1×TBE緩衝剤50mlの溶液中に置き、時折混合しながら5分間染色した。1. ex 488/em 526、2. PMT 450というセッティングでAmersham Typhoonプラットフォームを用いてゲルをデジタル画像撮影した。
図17で示されるように、SV96などのシリカマトリックスを含む96ウェルプレートを用いて、培養細胞から低分子量RNAを精製することができる。
実施例18
ヘキサミンニッケル(II)による低分子量RNA精製
この実施例では、ヘキサアンミンニッケル(II)およびアセトアミドを用いた低分子量RNAの精製が記載されている。5.0gのニッケル(II)クロリド六水和物(Aldrich カタログ番号223387-500G)を250mlガラスビーカー中のナノ純水10mlに溶かした。氷冷した水性の14.8N水酸化アンモニウム(Fisher カタログ番号A669-212)40mlを添加した。この混合物を、時折混合しながら氷上に30分間置いた。ブフナー漏斗中のWhatman #4濾紙ディスクを用いて真空濾過を用いてヘキサアンミンニッケル(II)クロリド結晶を捕集した。氷冷した水性の水酸化アンモニウム10mlで結晶を1回洗浄した。その後、結晶を4つの別々の容量の95%エタノール25mlですすいだ。最後のすすぎの後、濾紙の上の結晶を真空下で5分間静置した。
60mgの合成されたヘキサアンミンニッケル(II)クロリド結晶を微小遠心チューブの中に置いた。675μlのナノ純水を添加し、次いで2M TRIS pH7.5 125μl、および6N HCl 200μlを添加した。7本のチューブの各々に、あらかじめ1×PBS pH6.8 200μlで2回洗浄した1×106培養293Tヒト細胞を添加した。細胞の遠心分離後にPBS上清を取り除いた。175μlの9Mアセトアミド、115mM TRIS pH7.5を、洗浄した培養細胞を含む7本の別々のチューブの各々に添加した。5M NaCl 4μlを各チューブに添加し、次いでヘキサアンミンニッケル(II)クロリド溶液0μl、1μl、2.5μl、5μl、10μl、15μl、または20μlを7本の別々のチューブの各々に添加した。最終容量が200μlとなるように、追加の9Mアセトアミド、115mM TRIS pH7.5を各チューブに添加した。チューブをボルテックスで撹拌し、5分間21℃で静置した。530μlの75%エタノールを各チューブに添加し、ボルテックスで撹拌し、および21℃で5分間静置した。異なる濃度のヘキサアンミンニッケル(II)クロリドを含む各溶解物を7つの別々のSV回転カラム(Promega カタログ番号Z3111)の各々に直接添加し、2,000×gで2分間遠心分離した。各カラム膜を500μlの40%エタノール(v/v ナノ純水を用いて)で2回すすいだ。各SVカラムを最後に8,000×gで5分間遠心分離した。35μlのナノ純水を各カラムの膜に直接添加し、21℃で5分間静置した。8,000×gで2分間の遠心分離によって、溶出物を新しい微小遠心チューブに捕集した。
各カラムからの溶出物の5μl部分を5μlの2×ホルムアミドローディング色素(Ambion)と混合し、80℃で3分間加熱した。その後、この混合物を1×TBE/8M尿素、15%ポリアクリルアミドゲル(Invitrogen)に充填した。1つのマーカーレーンは100〜500bマーカー(Ambion)を含んだ。追加のマーカーレーン(25、45、および70b)は、切断されたプラスミド(pGEM-3zf+、およびpGEM-5zf+)から産生された低分子量T7ランオフ転写物を含んだ。
電気泳動を125ボルト(一定)で2時間、21℃で実行した。ゲルをプラスチックカセットから取り出し、Sybr Gold(Invitrogen)5μlを加えた1×TBE緩衝剤50mlの溶液中に置き、時折混合しながら5分間染色した。1. ex 488/em 526、2. PMT 450というセッティングでAmersham Typhoonプラットフォームを用いてゲルをデジタル画像撮影した。図18で示されるように、ヘキサアンミンニッケル(II)クロリドを合成および使用して、培養ヒト細胞から低分子量RNAを単離することができる。
実施例19
様々なパーセントのエタノールによるすすぎの効果
この実施例は、RNAを結合した膜をすすぐための様々なパーセンテージのエタノールを用いた低分子量RNAの精製を記載する。1×106培養293Tヒト細胞を1×PBS pH6.8 200μlで2回洗浄し、細胞培養培地を取り除いた。細胞の遠心分離後にPBS上清を取り除いた。200μlの9Mアセトアミド、115mM TRIS pH7.5、125mM NaCl、25mMヘキサアンミンコバルト(III)クロリドを9本の別々のチューブの各々に添加した。チューブをボルテックスで撹拌し、21℃で5分間静置した。530μlの75%エタノールを各チューブに添加し、ボルテックスで撹拌し、および21℃で5分間静置した。各溶解物を9つの別々のSVカラムの各々に直接添加し、2,000×gで2分間遠心分離した。各カラム膜を500μlの0%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%のいずれかのエタノール(v/v ナノ純水を用いて)ですすいだ。各SVカラムを最後に8,000×gで5分間遠心分離した。35μlのナノ純水を各カラムの膜に直接添加し、21℃で5分間静置した。8,000×gで2分間の遠心分離によって、溶出物を新しい微小遠心チューブに捕集した。
各カラムからの溶出物の5μl部分を5μlの2×ホルムアミドローディング色素(Ambion)と混合し、80℃で3分間加熱した。その後、この混合物を1×TBE/8M尿素、15%ポリアクリルアミドゲル(Invitrogen)に充填した。1つのマーカーレーンは100〜500bマーカー(Ambion)を含んだ。追加のマーカーレーン(25、45、および70b)は、切断されたプラスミド(pGEM-3zf+、およびpGEM-5zf+)から産生された低分子量T7ランオフ転写物を含んだ。
電気泳動を125ボルト(一定)で2時間、21℃で実行した。ゲルをプラスチックカセットから取り出し、Sybr Gold(Invitrogen)5μlを加えた1×TBE緩衝剤50mlの溶液中に置き、時折混合しながら5分間染色した。1. ex 488/em 526、2. PMT 450というセッティングでAmersham Typhoonプラットフォームを用いてゲルをデジタル画像撮影した。図19で示されるように、30〜50%エタノールですすぐ場合、SV膜を用いた時に、より多くの量の低分子量RNAを単離することができる。
実施例20
ルテニウムヘキサミンクロリドを用いた低分子量RNA精製
この実施例は、ルテニウムヘキサミントリクロリドおよびアセトアミドを用いた低分子量RNAの精製を記載する。250mMルテニウムヘキサアンミントリクロリド(Polysciences Inc.、Warrington、PA、カタログ番号17253-1)溶液を1×TE pH8.0を用いて調製した。7本のチューブの各々に、あらかじめ1×PBS pH6.8 200μlで2回洗浄した1×106培養293Tヒト細胞を添加した。細胞の遠心分離後にPBS上清を取り除いた。175μlの9Mアセトアミド、115mM TRIS pH7.5を、洗浄した培養細胞を含む7本の別々のチューブの各々に添加した。5M NaCl 5μlを各チューブに添加し、次いでルテニウムヘキサアンミントリクロリド溶液0μl、1μl、2.5μl、5μl、10μl、15μl、または20μlを各々の別々のチューブに添加した。最終容量が200μlとなるように、追加の9Mアセトアミド、115mM TRIS pH7.5を各チューブに添加した。チューブをボルテックスで撹拌し、5分間21℃で静置した。530μlの75%エタノールを各チューブに添加し、ボルテックスで撹拌し、および21℃で5分間静置した。異なる濃度のルテニウムヘキサアンミントリクロリドを含む各溶解物を7つの別々のSV回転カラム(Promega カタログ番号Z3111)の各々に直接添加し、2,000×gで2分間遠心分離した。
各カラム膜を500μlの40%エタノール(v/v ナノ純水を用いて)で1回すすいだ。各SVカラムを最後に8,000×gで5分間遠心分離した。ナノ純水の試料35μlを各カラムの膜に直接添加し、21℃で5分間静置した。8,000×gで2分間の遠心分離によって、溶出物を新しい微小遠心チューブに捕集した。
各カラムからの溶出物の5μl部分を5μlの2×ホルムアミドローディング色素(Ambion)と混合し、80℃で3分間加熱した。その後、この混合物を1×TBE/8M尿素、15%ポリアクリルアミドゲル(Invitrogen)に充填した。マーカーレーンは100〜500bマーカー(Ambion)を含んだ。電気泳動を125ボルト(一定)で2時間、21℃で実行した。ゲルをプラスチックカセットから取り出し、Sybr Gold(Invitrogen)5μlを加えた1×TBE緩衝剤50mlの溶液中に置き、時折混合しながら5分間染色した。1. ex 488/em 526、2. PMT 450というセッティングでAmersham Typhoonプラットフォームを用いてゲルをデジタル画像撮影した。図20で示されるように、ルテニウムヘキサミントリクロリドを用いて、培養ヒト細胞から低分子量RNAを単離することができる。
実施例21
ニッケルヘキサメチルアンミンクロリドの作製
この実施例は、ニッケルヘキサメチルアンミンクロリドを生成するのに用いられた方法を記載する。2(2.0)gmのNaOHを10mlの水に溶かした。3.0gmのメチルアミンヒドロクロリド(Sigma カタログ番号M0505)をこの溶液中に溶かした。総容量は約10.5mlであった。イソプロパノール15mlを添加し、混合した。NaClによく似た、白い結晶性沈殿が形成された。溶液は、約8mlの下部相および約15mlの上部相がある二相になった。白い沈殿を取り除かないように注意を払いながら、8mlの下部相をピペットで新しいチューブに取り出した。1.0gmの塩化ニッケル(Sigma カタログ番号223387)を水2mlに添加し、および溶けるまで混合した。この溶液を50mlプラスチックチューブ中の上記8ml溶液に添加し、および混合した。緑色の沈殿が形成された:ニッケルヘキサメチルアンミンクロリド。溶液を1枚のWhatman #4濾紙を含むブフナー漏斗の中に置き、および内容物を真空濾過し、淡緑色の沈殿を残した。これを洗浄当たり10mlの水で3回洗浄した。その後、沈殿を50mlプラスチックチューブに移し、終夜空気乾燥させて水を取り除いた。
実施例22
ニッケルヘキサエチルアンミンクロリドの作製
この実施例は、ニッケルヘキサエチルアンミンクロリドを作製するのに用いられた手順を記載する。2.0gmのNiClを7.5mlの水に添加し、および溶けるまで混合し、その後、50mlプラスチックチューブ中の5.0gmの70%エチルアミン溶液(Sigma カタログ番号E3754)の中にピペッティングし、および混合した。深緑色の沈殿が形成された:ニッケルヘキサエチルアンミンクロリド。ニッケルヘキサメチルアンミンについて実施例21で記載されたように、これを洗浄し、空気乾燥させた。
実施例23
ニッケルヘキサメチルアンミンクロリドによるシリカ表面のコーティング
この実施例は、ニッケルヘキサメチルアンミンクロリドでシリカ表面をコーティングするのに用いられた手順を記載する。2.0gmのNaOHを10mlの水に溶かした。3.0gmのメチルアミンヒドロクロリド(Sigma カタログ番号M0505)をこの溶液中に溶かした。総容量は約10.5mlであった。イソプロパノール15mlを添加し、混合した。NaClによく似た、白い結晶性沈殿が形成された。溶液は、約8mlの下部相および約15mlの上部相がある二相になった。白い沈殿を取り除かないように注意を払いながら、8mlの下部相をピペットで新しいチューブに取り出した。1.0gmの塩化ニッケル(Sigma カタログ番号223387)を水2mlに添加し、および溶けるまで混合した。この溶液をPyrex(登録商標)ガラスビーカー中の上記8ml溶液に添加し、および混合した。緑色の沈殿は、ビーカーのシリカ表面にコーティング(ニッケルヘキサメチルアンミンクロリド)を形成した。このコーティングを滅菌したナノ純水で洗浄し、および乾燥させた。
実施例24
ニッケルヘキサエチルアンミンクロリドによるシリカ表面のコーティング
この実施例は、ニッケルヘキサエチルアンミンクロリドでシリカ表面をコーティングするのに用いられた手順を記載する。2.0gmのNiClを7.5mlの水に添加し、および溶けるまで混合し、その後、Pyrex(登録商標)ガラスビーカー中の5.0gmの70%エチルアミン溶液(Sigma カタログ番号E3754)の中にピペッティングし、および混合した。深緑色の沈殿が形成された:ニッケルヘキサエチルアンミンクロリド。ニッケルヘキサメチルアンミンでコーティングされたシリカについて実施例23で記載されたように、これを洗浄し、乾燥させた。遷移金属錯体は水溶解度が低いので、水による連続的な洗浄の間に遷移金属錯体の表面コーティングは取り除かれなかった。実施例23および24で生成された表面をイミダゾールまたはヒスチジンを含む溶液で洗浄することによって、シリカ表面からの遷移金属錯体の除去が可能になった。
実施例25
ヘキサアンミンコバルトクロリドで前処置されたカラムに結合したRNAの結合および溶出
この実施例では、250mMヘキサアンミンコバルトクロリド35μlを適用し、それを吸収によって入り込ませることにより使用前に処置されたSVカラムに総RNAを結合させた。この35μl容量はカラムマトリックスの死容量の代表的なものであった。さらに、細胞溶解物への規定モル濃度のNaClの添加によって、サイズ選択性を達成することが可能になり、それによってより低分子量のRNAが結合マトリックスから排除された。
175μlの7.4Mアセトアミド、1.4% NP-9、2% β-メルカプトメタノール、pH4.8を、8本の個々の1.5mlエッペンドルフチューブ中の1×106 Hela細胞に相当する細胞ペレットに添加し、ボルテックスで撹拌することによって再懸濁した。21℃での5分の静的なインキュベーションの後、0.0、0.4、0.8、1.0、1.2、1.6、2.0、または4.0Mの調製された水性NaCl溶液25μlを8本の試料チューブにそれぞれ添加し、およびボルテックスで撹拌することによって混合した。結果として得られた混合物は、0、50、100、125、150、200、250、および500mMの最終NaCl濃度であった。ヘキサアンミンコバルトクロリドで前処置されたカラムを分離用に用いた。試料各200μlを1つのカラムの上にピペッティングし、次いで12,000×gで20秒遠心分離した。フロースルー液を回収し、後の解析用に取っておいた(図21A参照)。5mM EDTA、65% EtOH、pH8.0から構成されたカラム洗浄溶液500μlを各カラムに適用し、次いで12,000×gで20秒遠心分離した。フロースルーを捨ておよび洗浄手順を1回繰り返した。12,000×gで2分間の3回目の遠心分離を行って残余のEtOHを除去し、カラムを乾燥させた。最後に、50μlの10mM Tris、0.1mM EDTA、pH8を各カラムに適用し、結合したRNAを溶出させた。12,000×gでの60秒の遠心分離によって、溶出したRNAを回収した(図21B参照)。
2時間125Vを適用した15%アクリルアミド/6M尿素ゲルを用いて、各々の精製RNAまたは取っておいたカラムフロースルーのうちの10%を用いた電気泳動解析を行った。1:10,000希釈のSYBR Gold(Invitrogen カタログ番号S11494)を5分間室温で用いてゲルを染色した。Amersham Typhoonスキャナーならびに励起488nm/放出526nmおよび450のPMTというセッティングを用いたデジタル画像撮影によって結果を得た。
試料シリーズの端から端までNaClのモル濃度を増大させるにつれて、ヘキサアンミンコバルトクロリドで前処置されたSVカラムへの結合からの低分子量RNAの排除の目に見える増大が観察された。
実施例26
コバルトヘキサメチルアンミンクロリドの作製
この実施例は、コバルトヘキサメチルアンミンクロリドを作製するのに用いられた方法を記載する。4.0gmのNaOHを20mlの水に溶かした。6.0gmのメチルアミンヒドロクロリド(Sigma カタログ番号M0505)をこの溶液中に溶かした。イソプロパノール15mlを添加し、混合した。NaClによく似た、白い結晶性沈殿が形成された。溶液は、(水酸化メチルアミンを含む)水性の下部相およびイソプロパノールを含む上部相がある二相になった。白い沈殿を取り除かないように注意を払いながら、下部相をピペットで新しいチューブに取り出した。2.37gmの塩化コバルト(Sigma カタログ番号C8661、1/10thモル)を20mlの水に添加し、および溶けるまで混合した。この溶液を水酸化メチルアミン溶液に添加し、混合した。深緑色の沈殿が形成された:コバルトヘキサメチルアンミンクロリド。溶液を1枚のWhatman #4濾紙を含むブフナー漏斗の中に置き、および内容物を真空濾過し、赤色の沈殿を残した。これを洗浄当たり20mlの水で4回洗浄した。その後、沈殿を50mlプラスチックチューブに移し、終夜空気乾燥させて水を取り除いた。翌朝、チューブを金属のへらでこすって粉末を産生し、およびこれを21℃で2時間真空乾燥させた。
実施例27
コバルトヘキサエチルアンミンクロリドの作製
この実施例は、コバルトヘキサエチルアンミンクロリドを作製するのに用いられた方法を記載する。2.37gmのCoCl六水和物(Sigma カタログ番号C8661、1/10thモル)を50mlプラスチックスクリューキャップチューブ中の水20mlに添加し、および溶けるまで混合し、その後、3.2gmの70%エチルアミン溶液(Sigma カタログ番号E3754)の中にピペッティングし、および混合した。薄緑色の沈殿が形成された:コバルトヘキサエチルアンミンクロリド。コバルトヘキサメチルアンミンについて実施例26で記載されたように、これを洗浄し、空気乾燥させ、および真空乾燥させた。
実施例28
様々なコンパクション剤の作製
この実施例は、コバルトモノエタノールアンミンペンタエチルアンミンクロリド、コバルトジエタノールアンミンテトラエチルアンミンクロリド、コバルトモノエタノールアンミンペンタエチルアンミンサルフェート、およびコバルトジエタノールアンミンテトラエチルアンミンサルフェートを含む、様々なコンパクション剤を作製するのに用いられる方法を記載する。2.38gmの塩化コバルト(CoCl六水和物(Sigma カタログ番号C8661、1/10thモル))を50mlプラスチックチューブ中の20mlの9.0Mアセトアミド/25mM NaOAc、pH5.2に添加し、および10.5gmの硫酸コバルト、7×H2O(Sigma カタログ番号C6768)を50mlプラスチックチューブ中の30mlの9.0Mアセトアミド/25mM NaOAc、pH5.2に添加し、且つ各々を溶けるまで混合した。2つの溶液を50mlプラスチックチューブの中で作製し、(a)「モノエタノールアンミンペンタエチルアンミン」:0.61gmのエタノールアミン(Sigma カタログ番号E9508)を3.86gmのエチルアミン、70%(Sigma カタログ番号E3754)に添加し、徹底的に混合し、且つ溶液(b)「ジエタノールアンミンテトラエチルアンミン」:1.22gmのエタノールアミンを2.57gmのエチルアミン、70%に添加し、および徹底的に混合した。両方の溶液(a)および(b)を50mlプラスチックチューブ中に各々2つの等しい容量に分けた。
10mlのCoCl溶液(上記)を(a)の第一の溶液に添加した。深緑色の沈殿が形成された。沈殿は、コバルトヘキサエチルアミンクロリド、コバルトモノエタノールアンミンペンタエチルアンミンクロリド、コバルトジエタノールアンミンテトラエチルアンミンクロリド、コバルトトリエタノールアンミントリエチルアンミンクロリド、コバルトテトラエタノールアンミンジエチルアンミンクロリド、ペンタエタノールアンミンジエチルアンミンクロリド、コバルトヘキサエタノールアンミンクロリドの混合物であった。(エチルアンミンと比べて)より高い含有量のエタノールアミンを含む遷移金属錯体は、より高い溶解度を示した。混合物のよりよく溶ける成分の寄与を減少させるために、沈殿を10mlの9Mアセトアミド/25mM NaOAc、pH5.2で2回洗浄した。(エチルアンミンと比べて)より低い含有量のエタノールアミンを含むあまり溶けない遷移金属錯体は、沈殿した形態に留まる傾向があった。それゆえ、2回の洗浄の後、コバルトモノエタノールアンミンペンタエチルアンミンクロリドが、分光光度計による走査に基づく、形成された主要な遷移金属錯体であった。
残りの10mlのCoCl溶液(上記)を第一の溶液(b)に添加した。上記のような遷移金属錯体の混合物である深緑色の沈殿が形成された。混合物のよりよく溶ける成分の寄与を減少させるために、沈殿を10mlの9Mアセトアミド/25mM NaOAc、pH5.2で2回洗浄した。この一連の洗浄の後、コバルトジエタノールアンミンテトラエチルアンミンクロリドが、分光光度計による走査に基づく、溶液中の主要な遷移金属錯体であった。
15mlの上記硫酸コバルト溶液を(a)の第二の溶液に添加した。遷移金属塩化物(transition metal chloride salt)について、上記のような深緑色の沈殿が形成された。9Mアセトアミド/25mM NaOAc、pH5.2中のサルフェートは、対応する塩化物よりもあまり溶けなかった。上記のように10mlの9Mアセトアミド/25mM NaOAc、pH5.2で沈殿を2回洗浄した後、分光光度計による走査に基づく、溶液中の主要な遷移金属錯体は、コバルトモノエタノールアンミンペンタエチルアンミンサルフェートであった。
残りの15mlの上記硫酸コバルト溶液を(b)の第二の溶液に添加した。遷移金属塩化物について、上記のような深緑色の沈殿が形成された。9Mアセトアミド/25mM NaOAc、pH5.2中のサルフェートは、対応する塩化物よりもあまり溶けなかった。上記のように10mlの9Mアセトアミド/25mM NaOAc、pH5.2で沈殿を2回洗浄した後、分光光度計による走査に基づく、溶液中の主要な遷移金属錯体は、コバルトジエタノールアンミンテトラエチルアンミンサルフェートであった。
実施例29
遷移金属錯体のオリゴヌクレオチドの混合物への結合をスクリーニングする方法
この実施例は、RNAおよびDNAオリゴヌクレオチドの混合物に対して様々な遷移金属錯体をスクリーニングするのに用いられた方法を記載する。RNAおよびDNAオリゴヌクレオチドの混合物は、以下を組み合わせることによって作製した:
Figure 2009528845
2つのハイブリダイズした相補的配列から構成されている二本鎖DNAまたは二本鎖RNAに加えて、一本鎖RNA(25塩基)、またはDNA(35塩基)オリゴヌクレオチドのうちの1つが混合物中に存在するように、相補的配列のうちの一方(例えば、RNA2および「RNA2-COMPL」もしくは「RNA2'」と表示される、その相補的配列)または他方のオリゴヌクレオチドのいずれかの超過があった。
上記オリゴヌクレオチド混合物1.5ulを9.0Mアセトアミド/25mM NaOAc、pH5.2中の遷移金属錯体1Oulに添加し、混合し、および21℃で2時間インキュベートした。その後、MagneSil(登録商標)(Promega カタログA2201)常磁性シリカ粒子1.5ulを添加し、混合し、および 21℃で20分間インキュベートした。試料混合物を2分間磁化し、および上清分画をきれいなチューブへと移した。各試料について、上清8ulを6×ブルー/オレンジローディング色素(Promega カタログG1881)5ulに添加し、および試料を下記のゲルのウェルの中に充填した。各試料からの磁性粒子に、ヌクレアーゼを含まない水1Oulを添加し、および6×色素5ulを添加し、溶液を混合し、下記のゲルのウェルの中に(粒子を含め)充填した。
試料を15%アクリルアミドホルムアミドゲルに充填し、および電気泳動で分離した。溶出試料は、TBE緩衝剤中60ボルトで約2時間を必要とし、および9.0Mアセトアミド/25mM NaOAc、pH5.2を含む上清試料は(分離に対する顕著な塩効果のために)TBE緩衝剤中25ボルトで約5時間を必要とした。結果を図22A(上清)および22B(溶出)に示す。
図22Aのレーン3は、コバルトジエタノールアミンテトラエチルアミンクロリド混合物がDS DNAをMagneSil粒子に結合させるということを示し、および図22Bのレーン3は、コバルトジエタノールアミンテトラエチルアミンクロリド混合物がDS DNAをMagneSil粒子から溶出させるということを示した。図22Aのレーン3は、その他の5つのオリゴヌクレオチドバンドの比較的少ない結合を示し、およびその他の5つのオリゴヌクレオチドの図22Bのレーン3における少ない溶出も示した。図22Aのレーン10および11における対応するコバルトヘキサミンクロリド試料は不明瞭である一方で、図22Bのレーン10および11は、コバルトヘキサミンクロリドがMagneSil粒子からの一本鎖RNAの溶出を促進するということを示した。
この実施例は、低分子量RNAおよびDNA分子の結合マトリックスへの結合、ならびにそこからの低分子量RNAおよびDNA分子の溶出を容易にすることについて遷移金属錯体をスクリーニングする簡単な方法を示している。多くの試料における低分子量DNA分子の相対的不在によって、DNAに対する親和性を持つ遷移金属錯体が本発明において有用であることが可能になるが、使用される遷移金属錯体の濃度はそれに応じて調整される必要があり得る。アルコール、ポリエチレングリコール、NaClなどの塩のような、その他の化合物による試料混合物の補充は、その他の所望の結合条件に好適なスクリーニング方法を提供する可能性がある(ゲル充填前のアルコールの蒸発は望ましい可能性が高いと考えられる)。
実施例30
qRT-PCRによるmiR92の定量
この実施例では、CHO、HeLa、3T3、および293T細胞で低分子量RNA精製を実行し、それに続いて溶出物中に存在する成熟miR92のqRT-PCRを実行した。1×106のCHO、HeLa、3T3、または293T培養細胞を2連で4本の別々のチューブの各々の中に置きおよび1×PBS pH6.8 200μlで2回洗浄して細胞培養培地を取り除いた。8,000×gで5分間の細胞の遠心分離後にPBS上清を取り除いた。4本のチューブの各々に8M尿素、20mM TRIS pH7.5、125mM NaCl、および25mMヘキサアンミンコバルト(III)クロリド、または9Mアセトアミド、115mM TRIS pH7.5、125mM NaCl、および25mMヘキサアンミンコバルト(III)クロリドのいずれかを含む混合物200μlを添加した。全てのチューブをボルテックスで撹拌し、21℃で5分間静置した。75%エタノール530μlを各チューブに添加し、ボルテックスで撹拌した。各溶解物を個々のSVミニカラム(Promega)に添加し、2,000×gで2分間遠心分離した。各試料からのフロースルーは捨てた。全てのSVミニカラム膜を75%エタノール(v/v 水を用いて)500μlで2回洗浄し、2,000×gで1分間遠心分離した。8,000×gで5分間の最後の回転によってカラム膜から微量のエタノールを取り除いた。50μlのナノ純水を各カラムの膜に直接添加し、21℃で5分間静置した。カラムを8,000×gで2分間回転させることによって、溶出物を新しい微小遠心チューブに捕集した。各溶出物の5μl部分を調製された逆転写反応物10μlと混合し、Applied Biosystem's(Foster City、CA)TAQMANマイクロRNA逆転写キット(パーツ番号:4366596)プロトコルに従ってインキュベートした。Q-PCR反応物20μlをApplied Biosystem's TAQMANマイクロRNAアッセイヒトmiR-21キット(パーツ番号:4373013)プロトコルに従って調製した。成熟ヒトmiR92に特異的な合成RNAオリゴを反応当たり0、5、502、5017、50167、501667、5016667、および50166667コピーまで希釈することによって、8 log標準曲線を構築した。結果として得られたデータをApplied Biosystems 7500 qPCRプラットフォーム上のソフトウェアを用いて解析し、表1に提示した。
Figure 2009528845
上記の明細書で述べられた全ての刊行物および特許は、参照により本明細書に組み入れられる。本発明の記載された方法およびシステムの様々な修正および変形は、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、当業者に明らかであると考えられる。本発明は、具体的な好ましい態様との関連において記載されているが、特許請求されたような本発明はそのような具体的な態様に過度に限定されるべきではないということが理解されるべきである。実際、関連分野における当業者に明白である本発明を実行するための記載された様式の様々な修正は、添付の特許請求の範囲の範囲内であることが意図される。
別々の溶解物精製工程を用いずコンパクション剤ならびに異なる比率のGITC(グアニジニウムイソチオシアネート)および尿素を用いた、細胞溶解物からのRNAの精製を記載する、実施例1からの結果を示す。図1Aは、SVミニカラムを通した時に0%エタノール中にあった試料由来のRNAを示し;図1Bは、SVミニカラムを通した時に25%エタノール中にあった試料由来のRNAを示し;および図1Cは、SVミニカラムを通した時に50%エタノール中にあった試料由来のRNAを示す。 尿素、コンパクション剤、および様々な濃度のNaClを用いた、細胞溶解物からの低分子量RNA精製を記載する、実施例2からの結果を示す。 尿素および様々な濃度のコンパクション剤であるヘキサアンミンコバルト(III)クロリドを用いた、細胞溶解物からの低分子量RNA精製を記載する、実施例3からの結果を示す。 酵母細胞からの低分子量RNA精製を記載する、実施例4からの結果を示す。 別々の溶解物精製工程を用いずただ1つの結合カラム膜を用いた、大腸菌細胞の細胞溶解物からの低分子量RNA精製を記載する、実施例5からの結果を示す。 尿素、コンパクション剤、および様々なpHの様々な緩衝剤を用いた、ヒト細胞溶解物からの低分子量RNA精製を記載する、実施例6からの結果を示す。 コンパクション剤ならびに尿素、チオ尿素、アセトアミドおよびウレタンを含む様々なカオトロピック剤を用いた、ヒト細胞溶解物からの低分子量RNA精製を記載する、実施例7からの結果を示す。 コンパクション剤ならびに尿素、チオ尿素、アセトアミドおよびウレタンを含む様々なカオトロピック剤を用いた、肉牛組織からの低分子量RNA精製を記載する、実施例8からの結果を示す。 尿素、コンパクション剤、およびイソプロパノールを用いた、ヒト細胞からの低分子量RNA精製を記載する、実施例9からの結果を示す。 尿素、コンパクション剤、およびメタノールを用いた、ヒト細胞からの低分子量RNA精製を記載する、実施例10からの結果を示す。 コンパクション剤および様々なカオトロピック剤を用いた、植物組織からの低分子量RNA精製を記載する、実施例11からの結果を示す。 アルコールなしかまたは様々な濃度のアルコールのいずれかとアセトアミドとを用いた、RNAの混合物からの低分子量RNAの精製が記載されている、実施例12からの結果を示す。図12Aの結果はSV膜を用いる結果でありおよび図12Bの結果はナイロン膜を用いる結果である。 アルコールなしかまたは様々な濃度のアルコールのいずれかと、アセトアミドと、様々な膜とを用いた、RNAの混合物からの低分子量RNAの精製が記載されている、実施例13からの結果を示す。図12AはSV膜を用いた結果を示し、図13Bはナイロン膜を用いた結果を示し、および図13Cはセルロースアセテート膜を用いた結果を示す。 アルコールなしかまたは様々な濃度のアルコールのいずれかとカオトロープなしとを用いた、RNAの混合物からの低分子量RNAの精製が記載されている、実施例14の結果を示す。図14Aはナイロン膜を用いた結果を示し、その一方で図14Bはセルロースアセテート膜を用いた結果を示す。 洗浄工程なしかまたは異なるエタノール濃度による洗浄工程のいずれかを用いた低分子量RNAの精製が記載されている、実施例15の結果を示す。図15Aはナイロン膜を用いた結果を示し、図15Bはセルロースアセテート膜による結果を示し、および図15CはSV膜を用いた結果を示す。 シリカ-磁性粒子および様々なカオトロープを用いた低分子量RNAの精製が記載されている、実施例16の結果を示す。 SV96結合プレートおよび様々なカオトロープを用いた低分子量RNAの精製が記載されている、実施例17の結果を示す。 ヘキサアンミンニッケルクロリドおよびアセトアミドを用いた低分子量RNAの精製が記載されている、実施例18からの結果を示す。 ヘキサアンミンニッケルクロリドおよび様々なパーセンテージのエタノールをすすぎに用いた低分子量RNAの精製を記載する、実施例19の結果を示す。 ルテニウムヘキサアンミントリクロリドおよびアセトアミドを用いた低分子量RNAの精製を記載する、実施例20の結果を示す。 図21Aおよび21Bは、ヘキサアンミンコバルトクロリドで前処置されたカラムに結合したRNAの結合および溶出を記載する、実施例25からの結果を示す。 図22Aおよび22Bは、遷移金属錯体のオリゴヌクレオチドの混合物への結合をスクリーニングの方法を記載する、実施例29からの結果を示す。

Claims (21)

  1. 以下の工程を含む、低分子量RNA分子を精製するための方法:
    a)i)金属原子、ハライド原子、および少なくとも1つのアミン基を含む、複数の金属-アミン-ハライド分子、または
    ii)金属原子、塩分子、および少なくとも1つのアミン基を含む、複数の金属-アミン-塩分子
    を含むコンパクション剤と、
    1000塩基未満の長さの低分子量RNA分子および低分子量RNA分子よりも長いより高分子量の(larger)RNA分子を含む試料とを
    混合する工程;
    b)RNAを結合した結合マトリックスが生成されるように、低分子量RNA分子およびより高分子量のRNA分子を含む試料を、結合マトリックスに接触させる工程;ならびに
    c)複数の溶出低分子量RNA分子を含み且つより高分子量のRNA分子を実質的に含まない精製低分子量RNA調製物が生成されるように、RNAを結合した結合マトリックスから低分子量RNA分子を溶出する工程。
  2. 工程(b)におけるRNAを結合した結合マトリックスを洗浄溶液で洗浄する工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
  3. 工程a)における試料がDNA分子をさらに含み、精製低分子量RNA調製物がDNA分子を実質的に含まない、請求項1記載の方法。
  4. 低分子量RNA分子が500塩基またはそれより短い長さである、請求項1記載の方法。
  5. 低分子量RNA分子が200塩基またはそれより短い長さである、請求項1記載の方法。
  6. コンパクション剤がヘキサアンミンコバルトクロリドを含む、請求項1記載の方法。
  7. アミドを含むカオトロピック剤に試料を接触させる工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
  8. カオトロピック剤が、尿素、チオ尿素、およびアセトアミドから選択される、請求項7記載の方法。
  9. ウレタン基を含むカオトロピック剤に試料を接触させる工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
  10. 工程b)の前の試料中のコンパクション剤の濃度が、約2.0mMから約8.0mMの間である、請求項1記載の方法。
  11. 結合マトリックスが膜を含む、請求項1記載の方法。
  12. 結合マトリックスが磁性粒子を含む、請求項1記載の方法。
  13. 以下を含む、低分子量RNA分子を精製するためのキット:
    a)i)金属原子、ハライド原子、および少なくとも1つのアミン基を含む、複数の金属-アミン-ハライド分子、または
    ii)金属原子、塩分子、および少なくとも1つのアミン基を含む、複数の金属-アミン-塩分子
    を含むコンパクション剤を含む容器;ならびに
    b)RNA分子に結合するように構成されている結合マトリックス。
  14. 入れ物、結合マトリックス、および精製低分子量RNA調製物を含むシステムであって、結合マトリックスおよび精製低分子量RNA調製物が入れ物の内部に置かれ、結合マトリックスがより高分子量のRNA分子を結合し、精製低分子量RNA調製物が、複数の低分子量RNA分子を含み且つより高分子量のRNA分子を実質的に含まず、低分子量RNA分子が1000塩基未満の長さであり、より高分子量のRNA分子が低分子量RNA分子よりも長い、システム。
  15. 入れ物が、複数のウェルを有するプレートを含む、請求項14のシステム。
  16. プレートのウェルの少なくとも一部が、真空システムに搭載されるのに適合した底部を有する、請求項15記載のシステム。
  17. 入れ物がカラムを含む、請求項14記載のシステム。
  18. 精製低分子量RNA調製物がコンパクション剤を含み、該コンパクション剤が、i)金属原子、ハライド原子、および少なくとも1つのアミン基を含む複数の金属-アミン-ハライド分子、またはii)金属原子、塩分子、および少なくとも1つのアミン基を含む複数の金属-アミン-塩分子を含む、請求項14記載のシステム。
  19. カオトロピック剤、コンパクション剤、およびそれらの混合物からなる群より選択される化合物にRNA含有試料を接触させる工程を含む、RNアーゼによる試料中のRNAの分解を減少させる方法。
  20. 以下の工程を含む、低分子量RNA分子を精製するための方法:
    a)i)A)金属原子、ハライド原子、および少なくとも1つのアミン基を含む、複数の金属-アミン-ハライド分子、または
    B)金属原子、塩分子、および少なくとも1つのアミン基を含む、複数の金属-アミン-塩分子
    を含むコンパクション剤、ならびに
    ii)少なくともその一部にコンパクション剤が含浸されているか、コーティングされているか、または含浸およびコーティングされている、結合マトリックス
    を含む修飾された結合マトリックスを提供する工程;
    b)RNAを結合した結合マトリックスが生成されるように、1000塩基未満の長さの低分子量RNA分子および低分子量RNA分子よりも長いより高分子量のRNA分子を含む試料を、修飾された結合マトリックスに接触させる工程;ならびに
    c)複数の溶出低分子量RNA分子を含み且つより高分子量のRNA分子を実質的に含まない精製低分子量RNA調製物が生成されるように、RNAを結合した結合マトリックスから低分子量RNA分子を溶出する工程。
  21. 以下を含む、修飾された結合マトリックス:
    a)i)金属原子、ハライド原子、および少なくとも1つのアミン基を含む、複数の金属-アミン-ハライド分子、または
    ii)金属原子、塩分子、および少なくとも1つのアミン基を含む、複数の金属-アミン-塩分子
    を含むコンパクション剤;ならびに
    b)少なくともその一部にコンパクション剤が含浸されているか、コーティングされているか、または含浸およびコーティングされている、結合マトリックス。
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