JP2009290154A - 電磁弁の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】プランジャの吸引力特性を悪化させることなくヨーク部およびコア部の同軸度を小さくし得る電磁弁の製造方法を提供する。
【解決手段】磁性部材23aに機械加工を施してヨーク部30およびコア部40とこれらヨーク部30およびコア部40の双方にそれぞれヨーク側薄肉部33およびコア側薄肉部42aを介して連結される環状凸部50aとを形成する。そして、この環状凸部50aを非磁性化するための非磁性化材料であるニッケルメッキ50bを当該環状凸部50aの頂部の外周面に施し、このニッケルメッキ50bを加熱溶融して環状凸部50aに含有させ非磁性化して磁気抵抗部50を形成することにより、ヨーク部30とコア部40とを磁気抵抗部50によって磁気的に分離するようにステータコア23を製造する。
【選択図】図3
【解決手段】磁性部材23aに機械加工を施してヨーク部30およびコア部40とこれらヨーク部30およびコア部40の双方にそれぞれヨーク側薄肉部33およびコア側薄肉部42aを介して連結される環状凸部50aとを形成する。そして、この環状凸部50aを非磁性化するための非磁性化材料であるニッケルメッキ50bを当該環状凸部50aの頂部の外周面に施し、このニッケルメッキ50bを加熱溶融して環状凸部50aに含有させ非磁性化して磁気抵抗部50を形成することにより、ヨーク部30とコア部40とを磁気抵抗部50によって磁気的に分離するようにステータコア23を製造する。
【選択図】図3
Description
本発明は、コイルに供給される電流に応じたプランジャの移動によりスプールを作動させる電磁弁の製造方法に関するものである。
従来より、コイルに供給される電流に応じたプランジャの移動によりスプールを作動させる電磁弁として、下記特許文献1に示す電磁弁装置が知られている。この電磁弁装置の一体型ヨーク(ステータコア)は、磁性材料を機械加工等により所定の形状に加工した後、この磁性材料のエアーギャップ部と対向する部位にレーザービームを照射することにより磁性材料の一部を溶融、改質して非磁性化することで非磁性化部(磁気抵抗部)を形成し、当該磁性材料にプランジャの案内路を機械加工により形成して製造されている。これにより、プランジャとこのプランジャへの当接により流路を開閉する弁座との同軸精度の管理を容易にして、同軸精度の低下(同軸度の増大)を抑制している。
特開平07−042862号公報
しかしながら、上述のごとくレーザービームの照射により、磁性材料からなるステータコアのヨーク部およびコア部の軸方向間部位を非磁性化してヨーク部およびコア部を磁気的に分離する磁気抵抗部を形成する場合、熱拡散により磁性領域と非磁性領域とが混在して両領域の境界面が不明瞭となる。このため、コア部とプランジャとの間に発生する磁気吸引力がばらついて不安定になることから、プランジャの吸引力特性が悪化してしまうという問題がある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、プランジャの吸引力特性を悪化させることなくヨーク部およびコア部の同軸度を小さくし得る電磁弁の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、特許請求の範囲に記載の請求項1の電磁弁の製造方法では、互いに同軸的に配置された磁性材料からなるヨーク部(30)およびコア部(40)とこれらヨーク部およびコア部の軸方向間にて双方を磁気的に分離する磁気抵抗部(50)とを有するステータコア(23)と、前記ステータコア内に摺動自在に支持されて前記コア部との間に生じる磁気吸引力により軸方向に移動するプランジャ(24)と、前記ステータコアを励磁して前記磁気吸引力を発生させるコイル(22)と、を備える電磁弁(10)の製造方法において、磁性材料からなる磁性部材(23a)を用意しこの磁性部材に機械加工を施して前記ヨーク部およびコア部を形成するとともにこれらヨーク部およびコア部の双方にそれぞれ第1の薄肉部(33)および第2の薄肉部(42a)を介して連結される環状凸部(50a,50c)を形成する第1工程と、前記環状凸部を非磁性化するための非磁性化材料(50b,50d)を当該環状凸部の表面の一部に配置する第2工程と、前記非磁性化材料を加熱して前記環状凸部に含有させることにより当該環状凸部を非磁性化して前記磁気抵抗部を形成する第3工程と、を備えることを技術的特徴とする。
請求項1の発明では、磁性部材に機械加工を施してヨーク部およびコア部とこれらヨーク部およびコア部の双方にそれぞれ第1の薄肉部および第2の薄肉部を介して連結される環状凸部とを形成し、この環状凸部を非磁性化するための非磁性化材料、例えば、ニッケルメッキを当該環状凸部の表面の一部に配置し、この非磁性化材料を加熱して環状凸部に含有させ非磁性化して磁気抵抗部を形成することにより、ヨーク部とコア部とを磁気抵抗部によって磁気的に分離するようにステータコアを製造する。
このように、環状凸部は、第1の薄肉部および第2の薄肉部を介してヨーク部およびコア部に連結されているので、環状凸部の表面の一部に配置された非磁性化材料を加熱して当該環状凸部に含有させる際、非磁性化材料が環状凸部のみに含有されることとなりヨーク部およびコア部への非磁性化材料の含有が防止される。これにより、磁性領域と非磁性領域との混在によるプランジャの吸引力特性の悪化を防止することができる。また、磁性部材に機械加工を施すことによりヨーク部およびコア部が磁気的に分離するよう同軸的に形成されるので、ヨーク部とコア部とを個別に加工して組み付ける場合と比較して、ヨーク部とコア部との同軸度が小さくなる。
したがって、プランジャの吸引力特性を悪化させることなくヨーク部およびコア部の同軸度を小さくすることができる。
したがって、プランジャの吸引力特性を悪化させることなくヨーク部およびコア部の同軸度を小さくすることができる。
請求項2の発明では、第2の薄肉部は、プランジャの吸引力特性に応じて形成されている。コア部と磁気抵抗部とを連結する第2の薄肉部の形状は、コア部とプランジャとの間に生じる磁気吸引力に影響する部位である。そこで、プランジャの吸引力特性に応じて第2の薄肉部を形成することにより、プランジャの吸引力特性を向上させることができる。
請求項3の発明では、上記第1工程は、磁性部材に機械加工を施してヨーク部およびコア部と環状凸部とを形成する際に、当該磁性部材の内周面であって環状凸部の内周側に第1の環状凹部を形成する。
上記第3工程により非磁性化材料を加熱して環状凸部に含有させる際にこの加熱により環状凸部が内周側に膨張する場合がある。そうすると、この膨張部がヨーク部およびコア部の内周面よりも内周側に突出することとなり、当該膨張部を排除するための磁性部材の内径加工工程を新たに実施する必要がある。
そこで、上述のように磁性部材の内周面であって環状凸部の内周側に第1の環状凹部を形成することにより、環状凸部が第1の環状凹部内に膨張して突出する場合であっても、この膨張部がヨーク部およびコア部の内周面よりも内周側に突出することを防止することができる。これにより、上記第3工程後の内径加工工程をなくすことができ、この内径加工工程による製造コストの増大を抑制することができる。
請求項4の発明では、上記第1工程は、磁性部材に機械加工を施してヨーク部およびコア部と環状凸部とを形成する際に、環状凸部の外周面の一部に第2の環状凹部を形成する。そして、上記第2工程は、この第2の環状凹部内に非磁性化材料を充填する。これにより、環状凸部の表面の一部への非磁性化材料の配置を容易にすることができる。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について図1〜図3を参照して説明する。図1は、本第1実施形態に係る電磁弁10の構成概要を示す断面図である。図2は、図1のステータコア23の詳細形状を説明するための詳細断面図である。図3(A)〜(C)は、本第1実施形態におけるステータコア23の製造方法の工程を示す説明図である。なお、図2および図3(A)〜(C)においては、説明のために一部を拡大して誇張して示している。
以下、本発明の第1実施形態について図1〜図3を参照して説明する。図1は、本第1実施形態に係る電磁弁10の構成概要を示す断面図である。図2は、図1のステータコア23の詳細形状を説明するための詳細断面図である。図3(A)〜(C)は、本第1実施形態におけるステータコア23の製造方法の工程を示す説明図である。なお、図2および図3(A)〜(C)においては、説明のために一部を拡大して誇張して示している。
電磁弁10は、例えば、車両用自動変速機のオイルパン内部において油圧制御に用いられるもので、図1に示すように、ソレノイド部20と、そのソレノイド部20の一端に設けられたスプール部60とによって構成されている。ソレノイド部20は、主に、磁性材料により有底円筒状に形成されるカバー21、コイル22、ステータコア23、プランジャ24等を備えており、スプール部60は弁スリーブ70とスプール80等を備えている。
ステータコア23は、磁性材料からなるヨーク部30およびコア部40を備えており、ヨーク部30およびコア部40は、非磁性の磁気抵抗部50により磁気的に分離された状態にて、互いに同軸的に配置されている。ステータコア23は、樹脂製のボビン22aに巻回されたコイル22を、ヨーク部30、コア部40および磁気抵抗部50と、ヨーク部30の反スプール側の外周に嵌合される溝部31とでもって覆うようにして構成されている。当該ステータコア23は、ヨーク部30に嵌合された溝部31の外周がカバー21の底部に嵌合し、コア部40の外周がカバー21の開口端に嵌合することで、カバー21内に収容されている。
ヨーク部30には、プランジャ24の外径より僅かに大きく形成されて当該プランジャ24を摺動自在に支持するための中心穴32が形成されている。また、図2に示すように、ヨーク部30は、所定の勾配を有するように薄肉状に形成されるヨーク側薄肉部33を介して磁気抵抗部50の内周側部位に連結されている。
図2に示すように、コア部40は、環状のフランジ部41の中央から吸引部42が突出するように形成されている。吸引部42は、プランジャ24に対して磁気吸引力を発揮する役割を果たすもので、この吸引部42の先端部には、要求されるプランジャ24の吸引力特性等に応じて所定の勾配を有するようにコア側薄肉部42aが形成されている。コア部40は、このコア側薄肉部42aを介して磁気抵抗部50の内周側部位に連結されている。
また、コア部40には、同軸であって径の異なる2つの中心穴43,44が形成されている。中心穴43は、その内径がヨーク部30の中心穴32の内径に等しくあるいはそれ以上になるように形成されており、その深さがプランジャ24に必要なストロークより僅かに大きくなるように設定されている。
磁気抵抗部50は、後述するように、磁性材料にて構成される環状凸部の外周面に施されたニッケルメッキを加熱溶融させることにより当該環状凸部を非磁性化して形成されている。この磁気抵抗部50の内周面とヨーク側薄肉部33およびコア側薄肉部42aの磁気抵抗部近傍部位の内周面とには、ヨーク部30の中心穴32およびコア部40の中心穴43よりも内径が大きくなるような環状凹部25が形成されている(図2参照)。当該磁気抵抗部50は、後述する磁気回路において、ヨーク部30とコア部40との間の磁束の漏れを低減してコア部40とプランジャ24との間の磁気吸引力を増加させる役割を果たす。
ヨーク部30の中心穴32およびコア部40の中心穴43には、磁性材料からなる略円柱状のプランジャ24が同軸的であって摺動可能に挿入されており、このプランジャ24は、吸引部42との間に生じる磁気吸引力により当該吸引部42に近接する軸方向に移動可能に支持されている。
このようにソレノイド部20が構成されることにより、コイル22への通電に応じて、カバー21、ステータコア23およびプランジャ24とでもって磁気回路が構成されることとなる。
カバー21の開口端側に位置するコア部40の外側面には、スプール80を摺動可能に嵌装する弁スリーブ70が配設されている。そして、カバー21の開口側筒状端部21aを、弁スリーブ70に形成されたフランジ部71とコア部40のフランジ部41とを接合させた状態でかしめることにより、ソレノイド部20とスプール部60とが一体結合されている。
弁スリーブ70には、径の異なる第1弁孔72と第2弁孔73が形成されるとともに、この第2弁孔73に接続するばね収容孔74が形成されている。これら各弁孔72、73およびばね収容孔74は、ステータコア23およびプランジャ24と同軸上に延びるように形成されている。
スプール80には、第1弁孔72に嵌合可能な第1ランド部81および第2ランド部82と、第2弁孔73に嵌合可能な第3ランド部83が設けられている。
第1ランド部81および第2ランド部82は軸方向に所定量離間して設けられ、小径部84によって互いに連結されている。第1弁孔72には小径部84に対応して環状溝72aが形成されており、この環状溝72aには、制御圧としての作動油を出力する出力ポート75が連通されている。
弁スリーブ70には、第1弁孔72に作動油を供給するための供給ポート76が形成されており、この供給ポート76は、その開口度が第2ランド部82の軸方向の移動により制御されるように構成されている。また、弁スリーブ70には、第1弁孔72から作動油を排出するための排出ポート77が形成されており、この排出ポート77は、その開口度が第1ランド部81の軸方向の移動により制御されるように構成されている。
第2ランド部82と第3ランド部83との間には段差部85が設けられており、この段差部85に連通するフィードバックポート78が弁スリーブ70に形成されている。このフィードバックポート78は、図略の連通路を介して出力ポート75に連通されている。
また、弁スリーブ70には、ばね収容孔74に開口するドレンポート79が形成されている。なお、スプール80の一端には、プランジャ24のスプール側端面に当接するシャフト部86が突設されている。
ばね収容孔74の開口端はその内周面に形成されたねじ孔に螺合するプラグ90によって閉塞され、このプラグ90とスプール80の間にばね91が設けられている。スプール80は、ばね91の付勢力によってプランジャ24に向けて押圧され、これにより、スプール80のシャフト部86を介してプランジャ24が、通常カバー21の底面に当接する初期位置に保持されている。かかるプランジャ24の初期位置において、プランジャ24のスプール側端縁は、コア部40の吸引部42の端部に軸方向にてほぼ一致するように配置されている(図1参照)。
次に、本第1実施形態に係るステータコア23の製造方法の工程の一例を、図3(A)〜(C)を参照して説明する。
まず、図3(A)に示すように、磁性部材23aを用意し、この磁性部材23aに切削加工等の機械加工を施して、ヨーク部30およびコア部40を形成するとともにこれらヨーク部30およびコア部40の双方にそれぞれヨーク側薄肉部33およびコア側薄肉部42aを介して連結される環状凸部50aを形成する。
まず、図3(A)に示すように、磁性部材23aを用意し、この磁性部材23aに切削加工等の機械加工を施して、ヨーク部30およびコア部40を形成するとともにこれらヨーク部30およびコア部40の双方にそれぞれヨーク側薄肉部33およびコア側薄肉部42aを介して連結される環状凸部50aを形成する。
このとき、コア側薄肉部42aは、要求されるプランジャ24の吸引力特性等に応じて所定の勾配を有するように形成される。また、磁性部材23aの内周面に機械加工を施すことにより環状凹部25が形成される。なお、図3(A)に示す工程は、特許請求の範囲に記載の「第1工程」に相当し得るものである。
次に、図3(B)に示すように、環状凸部50aを非磁性化するための非磁性化材料となるニッケルメッキ50bを、環状凸部50aの頂部の外周面に施す。なお、図3(B)に示す工程は、特許請求の範囲に記載の「第2工程」に相当し得るものである。
そして、図3(C)に示すように、図略のレーザー照射装置からのレーザー光αをニッケルメッキ50bに所定の条件にて照射することにより、ニッケルを加熱溶融させて環状凸部50aに含有させる。これにより環状凸部50aのみをステンレス化、すなわち非磁性化して、磁気抵抗部50が形成される。なお、図3(C)に示す工程は、特許請求の範囲に記載の「第3工程」に相当し得るものである。
こうして、図2に示すステータコア23が完成する。
こうして、図2に示すステータコア23が完成する。
上述のように形成されるステータコア23の磁気抵抗部50は、ニッケルが環状凸部50aのみに含有されることとなり、ヨーク部30およびコア部40へのニッケルの含有が防止されるので、磁性領域と非磁性領域とが混在して両領域の境界面が不明瞭になることもない。また、このように磁性部材23aに機械加工を施すことによりヨーク部30およびコア部40が同軸的に形成されるので、ヨーク部30とコア部40とを個別に加工して組み付ける場合と比較して、ヨーク部30とコア部40との同軸度が小さくなる。
このように構成される本第1実施形態に係る電磁弁10の作用について、以下に説明する。コイル22が非励磁状態の場合には、スプール80は、ばね91の付勢力によりプランジャ24を反スプール方向に押圧し、プランジャ24をカバー21の底面に当接する初期位置に保持している。この非励磁状態においては、出力ポート75は、供給ポート76との連通が遮断されているとともに、排出ポート77に連通され、これによって出力ポート75は低圧に保持されている。
一方、コイル22に通電して励磁すると、カバー21、ステータコア23およびプランジャ24でもって磁気回路が構成されて、ステータコア23のコア部40とプランジャ24との間に磁気吸引力が発生する。この磁気吸引力により、プランジャ24がコア部40側へ引き寄せられて、スプール80がばね91の付勢力に抗して反プランジャ方向に移動する。この移動により、第2ランド部82が供給ポート76を開口し始めるとともに、第1ランド部81が排出ポート77の開口面積を制限し始めるので、出力ポート75の制御圧は次第に上昇する。
また、出力ポート75から出力される制御圧に応じた作動油は、上記連通路を介してフィードバックポート78に供給される。このようにフィードバックポート78に供給された作動油が段差部85に作用することにより、第1ランド部81と段差部85の面積差を乗じたフィードバック力がばね91の付勢力と同方向にスプール80に作用する。
このように本第1実施形態に係る電磁弁10では、コイル22に通電される電流値に応じてステータコア23のコア部40とプランジャ24との間で発生する磁気吸引力と、ばね91の付勢力と、段差部85に作用するフィードバック力とがバランスする位置にスプール80が保持され、これによって上記制御圧はコイル22に通電された電流値に応じた圧力に制御される。
以上説明したように、本第1実施形態に係る電磁弁10の製造方法では、磁性部材23aに機械加工を施してヨーク部30およびコア部40とこれらヨーク部30およびコア部40の双方にそれぞれヨーク側薄肉部33およびコア側薄肉部42aを介して連結される環状凸部50aとを形成する。そして、この環状凸部50aを非磁性化するための非磁性化材料であるニッケルメッキ50bを当該環状凸部50aの頂部の外周面に施し、このニッケルメッキ50bを加熱溶融して環状凸部50aに含有させ非磁性化して磁気抵抗部50を形成することにより、ヨーク部30とコア部40とを磁気抵抗部50によって磁気的に分離するようにステータコア23を製造する。
このように、環状凸部50aは、ヨーク側薄肉部33およびコア側薄肉部42aを介してヨーク部30およびコア部40に連結されているので、環状凸部50aの外周面に施されたニッケルメッキ50bを加熱溶融して当該環状凸部50aに含有させる際、ニッケルが環状凸部50aのみに含有されることとなりヨーク部30およびコア部40へのニッケルの含有が防止される。これにより、磁性領域と非磁性領域との混在によるプランジャ24の吸引力特性の悪化を防止することができる。また、磁性部材23aに機械加工を施すことによりヨーク部30およびコア部40が磁気的に分離するよう同軸的に形成されるので、ヨーク部30とコア部40とを個別に加工して組み付ける場合と比較して、ヨーク部30とコア部40との同軸度が小さくなる。
したがって、プランジャ24の吸引力特性を悪化させることなくヨーク部30およびコア部40の同軸度を小さくすることができる。
したがって、プランジャ24の吸引力特性を悪化させることなくヨーク部30およびコア部40の同軸度を小さくすることができる。
また、本第1実施形態に係る電磁弁10の製造方法では、コア側薄肉部42aは、プランジャ24の吸引力特性に応じて形成されている。これにより、プランジャ24の吸引力特性を向上させることができる。
さらに、本第1実施形態に係る電磁弁10の製造方法では、図3(A)に示す工程により、磁性部材23aに機械加工を施してヨーク部30およびコア部40と環状凸部50aとを形成する際に、当該磁性部材23aの内周面であって環状凸部50aの内周側に環状凹部25を形成する。
このため、図3(C)に示す工程によりニッケルメッキ50bを加熱溶融して環状凸部50aに含有させる際にこの加熱溶融により環状凸部50aが環状凹部25内に膨張して突出する場合であっても、この膨張部がヨーク部30の内周面(中心穴32)およびコア部の内周面(中心穴43)よりも内周側に突出することを防止することができる。これにより、図3(C)に示す工程の後の内径加工工程をなくすことができ、この内径加工工程による製造コストの増大を抑制することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について図4を参照して説明する。図4は、本発明の第2実施形態に係る電磁弁10の要部を示す断面図である。
本第2実施形態に係る電磁弁10は、上記第1実施形態にて述べた磁気抵抗部50の外周面の形状、および、この磁気抵抗部50を非磁性化する非磁性化材料の配置方法が、上記第1実施形態に係る電磁弁と異なる。したがって、第1実施形態の電磁弁と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
次に、本発明の第2実施形態について図4を参照して説明する。図4は、本発明の第2実施形態に係る電磁弁10の要部を示す断面図である。
本第2実施形態に係る電磁弁10は、上記第1実施形態にて述べた磁気抵抗部50の外周面の形状、および、この磁気抵抗部50を非磁性化する非磁性化材料の配置方法が、上記第1実施形態に係る電磁弁と異なる。したがって、第1実施形態の電磁弁と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
図4に示すように、磁気抵抗部50の頂部の外周面には、当該磁気抵抗部50を非磁性化する非磁性化材料を充填するための充填用環状凹部53が形成されている。
次に、本第2実施形態に係るステータコア23の製造方法の工程の一例を、図5(A)〜(C)を参照して説明する。
まず、図5(A)に示すように、上記第1実施形態と同様に、磁性部材23aを用意し、この磁性部材23aに切削加工等の機械加工を施して、ヨーク部30およびコア部40を形成するとともにこれらヨーク部30およびコア部40の双方にそれぞれヨーク側薄肉部33およびコア側薄肉部42aを介して連結される環状凸部50cを形成する。このとき、環状凸部50cの頂部の外周面には充填用環状凹部53が形成される。
まず、図5(A)に示すように、上記第1実施形態と同様に、磁性部材23aを用意し、この磁性部材23aに切削加工等の機械加工を施して、ヨーク部30およびコア部40を形成するとともにこれらヨーク部30およびコア部40の双方にそれぞれヨーク側薄肉部33およびコア側薄肉部42aを介して連結される環状凸部50cを形成する。このとき、環状凸部50cの頂部の外周面には充填用環状凹部53が形成される。
次に、図5(B)に示すように、粉末状のニッケル50dを充填用環状凹部53内に所定の圧力をかけて充填する。
そして、図5(C)に示すように、図略のレーザー照射装置からのレーザー光αを粉末状ニッケル50dに所定の条件にて照射することにより、ニッケルを加熱溶融させて環状凸部50cに含有させる。これにより環状凸部50cのみをステンレス化、すなわち非磁性化して、磁気抵抗部50が形成される。
こうして、図4に示すステータコア23が完成する。
こうして、図4に示すステータコア23が完成する。
以上説明したように、本第2実施形態に係る電磁弁10の製造方法では、図5(A)に示す工程は、磁性部材23aに機械加工を施してヨーク部30およびコア部40と環状凸部50cとを形成する際に、環状凸部50cの外周面の一部に充填用環状凹部53を形成する。そして、図5(B)に示す工程は、この充填用環状凹部53内に非磁性化材料である粉末状ニッケル50dを充填する。これにより、環状凸部50cの外周面への非磁性化材料の配置を容易にすることができる。
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよく、その場合でも、上記各実施形態と同等の作用・効果が得られる。
(1)図3(B)に示す工程(第2工程)において、ニッケルメッキ50bを環状凸部50aの頂部の外周面に施すことに限らず、環状凸部50aを非磁性化可能な非磁性化材料を環状凸部50aの外周面等に施してもよい。
(1)図3(B)に示す工程(第2工程)において、ニッケルメッキ50bを環状凸部50aの頂部の外周面に施すことに限らず、環状凸部50aを非磁性化可能な非磁性化材料を環状凸部50aの外周面等に施してもよい。
(2)図3(B)に示す工程(第2工程)において、環状凸部50aの頂部の外周面にニッケルメッキ50bを施すことに限らず、磁性部材23aの内周面を除く他の表面にもニッケルメッキ50bを施してもよい。
(3)図3(B)に示す工程(第2工程)において、環状凸部50aの頂部の外周面にニッケルメッキ50bを施すことに限らず、例えば、リング状に形成されたニッケルを環状凸部50aの外周面に嵌合させることにより、非磁性化材料を環状凸部50aの表面に配置してもよい。
(4)図3(C)または図5(C)に示す工程(第3工程)において、レーザー照射装置によりニッケルメッキ50bまたは粉末状ニッケル50dを加熱溶融させることに限らず、ニッケルメッキ50bまたは粉末状ニッケル50dに直接接触して加熱する加熱装置等、ニッケルメッキ50bまたは粉末状ニッケル50dを加熱可能な装置を採用してもよい。
(5)図3(C)または図5(C)に示す工程(第3工程)により環状凸部50aまたは環状凸部50cが内側に膨張しない場合には、環状凹部25を形成しなくてもよい。
10…電磁弁
20…ソレノイド部
22…コイル
23…ステータコア
23a…磁性部材
24…プランジャ
25…環状凹部
30…ヨーク部
33…ヨーク側薄肉部(第1の薄肉部)
40…コア部
42…吸引部
42a…コア側薄肉部42a(第2の薄肉部)
50…磁気抵抗部
50a,50c…環状凸部
50b…ニッケルメッキ(非磁性化材料)
50d…粉末状ニッケル(非磁性化材料)
20…ソレノイド部
22…コイル
23…ステータコア
23a…磁性部材
24…プランジャ
25…環状凹部
30…ヨーク部
33…ヨーク側薄肉部(第1の薄肉部)
40…コア部
42…吸引部
42a…コア側薄肉部42a(第2の薄肉部)
50…磁気抵抗部
50a,50c…環状凸部
50b…ニッケルメッキ(非磁性化材料)
50d…粉末状ニッケル(非磁性化材料)
Claims (4)
- 互いに同軸的に配置された磁性材料からなるヨーク部およびコア部とこれらヨーク部およびコア部の軸方向間にて双方を磁気的に分離する磁気抵抗部とを有するステータコアと、
前記ステータコア内に摺動自在に支持されて前記コア部との間に生じる磁気吸引力により軸方向に移動するプランジャと、
前記ステータコアを励磁して前記磁気吸引力を発生させるコイルと、
を備える電磁弁の製造方法において、
磁性材料からなる磁性部材を用意しこの磁性部材に機械加工を施して前記ヨーク部およびコア部を形成するとともにこれらヨーク部およびコア部の双方にそれぞれ第1の薄肉部および第2の薄肉部を介して連結される環状凸部を形成する第1工程と、
前記環状凸部を非磁性化するための非磁性化材料を当該環状凸部の表面の一部に配置する第2工程と、
前記非磁性化材料を加熱して前記環状凸部に含有させることにより当該環状凸部を非磁性化して前記磁気抵抗部を形成する第3工程と、
を備えることを特徴とする電磁弁の製造方法。 - 前記第2の薄肉部は、前記プランジャの吸引力特性に応じて形成されることを特徴とする請求項1に記載の電磁弁の製造方法。
- 前記第1工程は、前記磁性部材に機械加工を施して前記ヨーク部およびコア部と前記環状凸部とを形成する際に、前記磁性部材の内周面であって前記環状凸部の内周側に第1の環状凹部を形成することを特徴とする請求項1または2に記載の電磁弁の製造方法。
- 前記第1工程は、前記磁性部材に機械加工を施して前記ヨーク部およびコア部と前記環状凸部とを形成する際に、前記環状凸部の外周面の一部に第2の環状凹部を形成し、
前記第2工程は、前記第2の環状凹部内に前記非磁性化材料を充填することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電磁弁の製造方法。
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JP2008144152A JP2009290154A (ja) | 2008-06-02 | 2008-06-02 | 電磁弁の製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012032594A1 (ja) * | 2010-09-06 | 2012-03-15 | トヨタ自動車株式会社 | 電磁式リニア弁 |
JP2015195301A (ja) * | 2014-03-31 | 2015-11-05 | アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 | 電磁駆動装置および電磁弁 |
-
2008
- 2008-06-02 JP JP2008144152A patent/JP2009290154A/ja active Pending
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