JP2009284668A - 電源システムおよびそれを備えた車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】過大な電流が通過するのを確実に抑制しつつ、全体的なエネルギー効率を向上可能な電源システムおよびそれを備えた車両を提供する。
【解決手段】コンバータECU2は、コンバータ8−1,8−2の制御モードを、各々が電圧変換動作を停止する非昇圧モードと、少なくとも1つが電圧変換動作を行なう昇圧モードの間で切換える。昇圧モードから非昇圧モードへの切換え要求が発生すると、コンバータECU2は、蓄電部間の充放電電圧の差が基準電圧よりも大きいことに応じて、充放電電圧が高い方の蓄電部に対応のコンバータを停止させるとともに、充放電電圧が低い方の蓄電部に対応のコンバータを降圧動作させる。降圧動作においてコンバータECU2は上アームのオンデューティーを増加させる一方で、オンデューティーがデッドタイムの影響を受けないオンデューティーの最大値に到達すると、キャリア周波数を低下させる。
【選択図】図1
【解決手段】コンバータECU2は、コンバータ8−1,8−2の制御モードを、各々が電圧変換動作を停止する非昇圧モードと、少なくとも1つが電圧変換動作を行なう昇圧モードの間で切換える。昇圧モードから非昇圧モードへの切換え要求が発生すると、コンバータECU2は、蓄電部間の充放電電圧の差が基準電圧よりも大きいことに応じて、充放電電圧が高い方の蓄電部に対応のコンバータを停止させるとともに、充放電電圧が低い方の蓄電部に対応のコンバータを降圧動作させる。降圧動作においてコンバータECU2は上アームのオンデューティーを増加させる一方で、オンデューティーがデッドタイムの影響を受けないオンデューティーの最大値に到達すると、キャリア周波数を低下させる。
【選択図】図1
Description
この発明は、電源システムおよびそれを備えた車両に関し、より特定的には、複数の蓄電部を備えた電源システムおよびそれを備えた車両に関する。
近年、環境問題を考慮して、電気自動車、ハイブリッド自動車、燃料電池車などのように、電動機を駆動力源とする車両が注目されている。このような車両には、電動機に電力を供給したり、回生制動時に運動エネルギーを電気エネルギーに変換して蓄電したりするために、二次電池や電気二重層キャパシタなどからなる蓄電部が搭載されている。
このような電動機を駆動力源とする車両においては、加速性能や走行持続距離などの走行性能を高めるために、蓄電部の充放電容量を大きくすることが望ましい。蓄電部の充放電容量を大きくするための方法として、複数の蓄電部を搭載する構成が提案されている。
たとえば、特開平9−233710号公報(特許文献1)には、蓄電池を化成する際の充放電に使用する蓄電池化成用充放電装置が開示される。この充放電装置は、交流電源を整流する充電用整流回路と、この充電用整流回路と逆並列に接続され、かつ複数に分割された蓄電池の電気量を上記交流電源に回生する回生用整流回路と、上記充電用整流回路と上記分割された蓄電池との間に設けられた複数の昇降圧コンバータとを具備している。
特開平9−233710号公報
特開2006−187186号公報
ここで、昇降圧コンバータとしては、特開平9−233710号公報(特許文献1)に開示されるように、電源ラインとアースラインとの間に直列に接続された2つのスイッチング素子と、一方端が2つのスイッチング素子の中間点に接続され、他方端が電源の電源ラインに接続されたリアクトルとからなるチョッパ回路を含む構成が一般的である。本構成では、2つのスイッチング素子を所定のデューティー比でオン・オフさせることにより、放電時には電源からの直流電圧を昇圧する一方で、充電時には電源ラインおよびアースラインから受けた直流電力を降圧することができる。
その反面、電源システムに要求される電力によっては、その要求電力を実現するために昇降圧コンバータを動作させた際の昇降圧コンバータの損失を無視できなくなる状況が生じ得る。つまり、要求電力が小さいほど、昇降圧コンバータの損失が相対的に大きくなりやすい。
この昇降圧コンバータの損失は、たとえば要求電力が小さいときには昇降圧コンバータを停止させることで効果的に抑制することができる。しかしながら、特開平9−233710号公報(特許文献1)に開示される充放電装置では、各蓄電池の充放電が対応する昇降圧コンバータによって個別に制御されるために、蓄電池間には充放電電圧に差が生じ得る。そのため、複数の昇降圧コンバータを全て停止させた場合には、この差に応じて、相対的に充放電電圧が高い蓄電部から相対的に充放電電圧が低い蓄電部に向かって過大な電流が流れる可能性がある。これにより、蓄電池の電池特性が劣化する、あるいは、昇降圧コンバータを構成するスイッチング素子などが損傷するといった不具合が生じることから、車両の走行性能が制約されるという問題に発展し得る。
それゆえ、この発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、その目的は、過大な電流が通過するのを確実に抑制しつつ、全体的なエネルギー効率を向上可能な電源システムおよびそれを備えた車両を提供することである。
この発明のある局面によれば、電源システムは、各々が充放電可能に構成された複数の蓄電部を備える。電源システムは、負荷装置と電源システムとの間で電力を授受可能に構成された電力線対と、複数の蓄電部と電力線対との間にそれぞれ設けられ、各々が対応の蓄電部と電力線対との間で電圧変換動作を行なう複数の電圧変換部と、複数の電圧変換部における電圧変換動作を制御する制御装置とを備える。複数の電圧変換部の各々は、電力線対の間に直列接続される第1および第2のスイッチング素子を含み、第1および第2のスイッチング素子のスイッチング動作により電圧変換動作を行なう。制御装置は、複数の電圧変換部を、複数の電圧変換部の各々が電圧変換動作を停止するように制御する第1の制御モード、および複数の電圧変換部の少なくとも1つが電圧変換動作を行なうように制御する第2の制御モードのいずれかに設定するためのモード設定手段と、モード設定手段によって、第2の制御モードに設定された複数の電圧変換部が第1の制御モードに切換えられた場合に、複数の蓄電部の間で充放電電圧の電圧差が所定の基準値を下回ったことに応じて、複数の電圧変換部における電圧変換動作を停止する電圧変換制御手段とを含む。電圧変換制御手段は、電圧差が所定の基準値以上となる場合には、複数の蓄電部のうち相対的に充放電電圧が高い第1の蓄電部からの電圧が直接的に電力線対に出力されるように対応の電圧変換部における電圧変換動作を停止させるとともに、複数の蓄電部のうち相対的に充放電電圧が低い第2の蓄電部が第1の蓄電部からの電圧で充電されるように対応の電圧変換部における降圧動作を制御する電圧差低減手段を含む。電圧差低減手段は、第2の蓄電部に対応する電圧変換部において、第1および第2のスイッチング素子のスイッチング動作を制御するためのキャリア周波数を第1の周波数に設定するとともに、第1の周波数によって決まる制御周期長と第1のスイッチング素子のオン期間長との比である第1のオンデューティーを増加させる第1のスイッチング指令生成手段と、制御周期長から第1および第2のスイッチング素子がともにオフ状態となるデッドタイムを減算した実効制御周期長を制御周期長で除算した値を最大オンデューティーとして予め設定するとともに、第1のスイッチング指令生成手段において第1のオンデューティーが最大オンデューティーに達した場合には、キャリア周波数を第1の周波数から低下させる第2のスイッチング指令生成手段とを含む。
好ましくは、複数の電圧変換部の各々は、第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子との接続点に接続されるインダクタをさらに含む。第2のスイッチング指令生成手段は、第1の周波数よりも低い第2の周波数を下限周波数としてキャリア周波数を低下させる。第2の周波数は、インダクタを流れる電流が、インダクタのコアを磁化不飽和に維持可能な電流値となるように設定される。
好ましくは、モード設定手段は、負荷装置の電源システムに対する要求電力が所定の閾値を下回るときには、複数の電圧変換部を第1の制御モードに設定する。
好ましくは、負荷装置は、電源システムから電力線対を介して供給される電力を受けて車両の駆動力を発生する駆動力発生部を含む。モード設定手段は、車両が停止状態のときには、複数の電圧変換部を第1の制御モードに設定する。
この発明の別の局面によれば、車両は、各々が充放電可能に構成された複数の蓄電部を備えた電源システムと、電源システムから供給される電力を受けて駆動力を発生する駆動力発生部とを備える。電源システムは、駆動力発生部と電源システムとの間で電力を授受可能に構成された電力線対と、複数の蓄電部と電力線対との間にそれぞれ設けられ、各々が対応の蓄電部と電力線対との間で電圧変換動作を行なう複数の電圧変換部と、複数の電圧変換部における電圧変換動作を制御する制御装置とを備える。複数の電圧変換部の各々は、電力線対の間に直列接続される第1および第2のスイッチング素子を含み、第1および第2のスイッチング素子のスイッチング動作により電圧変換動作を行なう。制御装置は、複数の電圧変換部を、複数の電圧変換部の各々が電圧変換動作を停止するように制御する第1の制御モード、および複数の電圧変換部の少なくとも1つが電圧変換動作を行なうように制御する第2の制御モードのいずれかに設定するためのモード設定手段と、モード設定手段によって、第2の制御モードに設定された複数の電圧変換部が第1の制御モードに切換えられた場合に、複数の蓄電部の間で充放電電圧の電圧差が所定の基準値を下回ったことに応じて、複数の電圧変換部における電圧変換動作を停止する電圧変換制御手段とを含む。電圧変換制御手段は、電圧差が所定の基準値以上となる場合には、複数の蓄電部のうち相対的に充放電電圧が高い第1の蓄電部からの電圧が直接的に電力線対に出力されるように対応の電圧変換部における電圧変換動作を停止させるとともに、複数の蓄電部のうち相対的に充放電電圧が低い第2の蓄電部が第1の蓄電部からの電圧で充電されるように対応の電圧変換部における降圧動作を制御する電圧差低減手段を含む。電圧差低減手段は、第2の蓄電部に対応する電圧変換部において、第1および第2のスイッチング素子のスイッチング動作を制御するためのキャリア周波数を第1の周波数に設定するとともに、第1の周波数によって決まる制御周期長と第1のスイッチング素子のオン期間長との比である第1のオンデューティーを増加させる第1のスイッチング指令生成手段と、制御周期長から第1および第2のスイッチング素子がともにオフ状態となるデッドタイムを減算した実効制御周期長を制御周期長で除算した値を最大オンデューティーとして予め設定するとともに、第1のスイッチング指令生成手段において第1のオンデューティーが最大オンデューティーに達した場合には、キャリア周波数を第1の周波数から低下させる第2のスイッチング指令生成手段とを含む。
この発明によれば、過大な電流が通過するのを確実に抑制しつつ、全体的なエネルギー効率を向上可能な電源システムおよびそれを備えた車両を実現できる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一符号は同一または相当部分を示す。
図1は、この発明の実施の形態に従う電源システム1を備える車両100の要部を示す概略構成図である。
図1を参照して、本実施の形態においては、車両100の駆動力を発生する駆動力発生部3を負荷装置とする場合について例示する。そして、車両100は、電源システム1から駆動力発生部3へ供給される電力により生じる駆動力を車輪(図示せず)に伝達することで走行する。また、車両100は、回生時において、駆動力発生部3によって運動エネルギーから電力を生じさせて電源システム1に回収する。
本実施の形態においては、複数の蓄電部として、2つの蓄電部を備える電源システム1について説明する。電源システム1は、主正母線MPLおよび主負母線MNLを介して、駆動力発生部3との間で直流電力の授受を行なう。なお、以下の説明においては、電源システム1から駆動力発生部3へ供給される電力を「駆動電力」とも称し、駆動力発生部3から電源システム1へ供給される電力を「回生電力」とも称す。
駆動力発生部3は、第1インバータ(INV1)30−1と、第2インバータ(INV2)30−2と、第1モータジェネレータ(MG1)34−1と、第2モータジェネレータ(MG2)34−2と、駆動ECU(Electrical Control Unit)32とを備える。
インバータ30−1,30−2は、主正母線MPLおよび主負母線MNLに並列接続され、それぞれ電源システム1との間で電力の授受を行なう。すなわち、インバータ30−1,30−2は、それぞれ主正母線MPLおよび主負母線MNLを介して受ける駆動電力(直流電力)を交流電力に変換してモータジェネレータ34−1,34−2へ供給する一方、モータジェネレータ34−1,34−2が発電する交流電力を直流電力に変換して回生電力として電源システム1へ供給する。なお、インバータ30−1,30−2は、一例として、三相分のスイッチング素子を含むブリッジ回路で構成され、それぞれ駆動ECU32から受けたスイッチング指令PWM1,PWM2に応じて、スイッチング(回路開閉)動作を行なうことで、三相交流電力を発生する。
モータジェネレータ34−1,34−2は、それぞれインバータ30−1,30−2から供給される交流電力を受けて回転駆動力を発生可能であるとともに、外部からの回転駆動力を受けて発電可能に構成される。一例として、モータジェネレータ34−1,34−2は、永久磁石が埋設されたロータを備える三相交流回転電機である。そして、モータジェネレータ34−1,34−2は、それぞれ動力伝達機構36と連結され、発生した駆動力を駆動軸38によって車輪(図示せず)へ伝達する。
なお、駆動力発生部3がハイブリッド車両に適用される場合には、モータジェネレータ34−1,34−2は、動力伝達機構36または駆動軸38を介して図示しないエンジンとも連結される。そして、駆動ECU32によって、エンジンの発生する駆動力とモータジェネレータ34−1,34−2の発生する駆動力とが最適な比率となるように制御が実行される。このようなハイブリッド車両に適用される場合には、モータジェネレータ34−1を専ら発電機として機能させ、モータジェネレータ34−2を専ら電動機として機能させることもできる。
駆動ECU32は、予め格納されたプログラムを実行することで、図示しない各センサから送信された信号、走行状況、アクセル開度の変化率、および格納しているマップなどに基づいて、モータジェネレータ34−1,34−2のトルク目標値TR1,TR2および回転数目標値MRN1,MRN2を算出する。そして、駆動ECU32は、モータジェネレータ34−1,34−2の発生トルクおよび回転数がそれぞれトルク目標値TR1,TR2および回転数目標値MRN1,MRN2となるように、スイッチング指令PWM1,PWM2を生成してインバータ30−1,30−2を制御する。また、駆動ECU32は、算出したトルク目標値TR1,TR2および回転数目標値MRN1,MRN2を電源システム1へ出力する。なお、モータジェネレータ34−1,34−2が回転駆動力を発生する場合のトルク目標値TR1,TR2を正値とすると、回生制動時には、トルク目標値TR1,TR2が負値となる。
(電源システムの構成)
電源システム1は、平滑コンデンサCと、入出力電流検出部16と、入出力電圧検出部18と、第1コンバータ(CONV1)8−1と、第2コンバータ(CONV2)8−2と、第1蓄電部6−1と、第2蓄電部6−2と、充放電電流検出部10−1,10−2と、充放電電圧検出部12−1,12−2と、温度検出部14−1,14−2と、コンバータECU2と、電池ECU4とを備える。
電源システム1は、平滑コンデンサCと、入出力電流検出部16と、入出力電圧検出部18と、第1コンバータ(CONV1)8−1と、第2コンバータ(CONV2)8−2と、第1蓄電部6−1と、第2蓄電部6−2と、充放電電流検出部10−1,10−2と、充放電電圧検出部12−1,12−2と、温度検出部14−1,14−2と、コンバータECU2と、電池ECU4とを備える。
平滑コンデンサCは、主正母線MPLと主負母線MNLとの間に接続され、コンバータ8−1,8−2から出力される駆動電力および駆動力発生部3から供給される回生電力に含まれる変動成分を低減する。
入出力電流検出部16は、主正母線MPLおよび主負母線MNLのいずれか一方に介挿され、駆動力発生部3との間で授受される駆動電力および回生電力の入出力電流値Ihを検出し、その検出結果をコンバータECU2へ出力する。
入出力電圧検出部18は、主正母線MPLと主負母線MNLとの間に接続され、駆動力発生部3との間で授受される駆動電力および回生電力の入出力電圧値Vhを検出し、その検出結果をコンバータECU2へ出力する。
コンバータ8−1,8−2は、それぞれ主正母線MPLおよび主負母線MNLと、蓄電部6−1,6−2との間に設けられ、蓄電部6−1,6−2と主正母線MPLおよび主負母線MNLとの間で電力変換動作を行なう。具体的には、コンバータ8−1,8−2は、蓄電部6−1,6−2からの放電電力を所定の電圧に昇圧して駆動電力として供給する一方、駆動力発生部3から供給される回生電力を所定の電圧に降圧して蓄電部6−1,6−2を充電する。一例として、コンバータ8−1,8−2は、昇降圧チョッパ回路により構成される。
蓄電部6−1,6−2は、それぞれコンバータ8−1,8−2を介して、主正母線MPLおよび主負母線MNLに並列接続される。一例として、蓄電部6−1,6−2は、ニッケル水素やリチウムイオン電池などの充放電可能に構成された二次電池、もしくは電気二重層キャパシタからなる。本実施の形態において、蓄電部6−1と蓄電部6−2とは、電源電圧が同じとなるように構成される。
充放電電流検出部10−1,10−2は、それぞれ蓄電部6−1,6−2とコンバータ8−1,8−2とを接続する一方の電力線に介挿され、蓄電部6−1,6−2の充放電に用いられる充放電電流値Ib1,Ib2を検出し、その検出結果を電池ECU4へ出力する。
充放電電圧検出部12−1,12−2は、それぞれ蓄電部6−1,6−2とコンバータ8−1,8−2とを接続する電力線間に接続され、蓄電部6−1,6−2の充放電電圧値Vb1,Vb2を検出し、その検出結果を電池ECU4へ出力する。
温度検出部14−1,14−2は、それぞれ蓄電部6−1,6−2を構成する電池セルなどに近接して配置され、蓄電部6−1,6−2の内部温度である蓄電部温度Tb1,Tb2を検出し、その検出結果を電池ECU4へ出力する。なお、温度検出部14−1,14−2は、それぞれ蓄電部6−1,6−2を構成する複数の電池セルに対応付けて配置された複数の検出素子の検出結果に基づいて、平均化処理などにより代表値を出力するように構成することもできる。
電池ECU4は、充放電電流検出部10−1,10−2から受けた充放電電流値Ib1,Ib2、充放電電圧検出部12−1,12−2から受けた充放電電圧値Vb1,Vb2、および温度検出部14−1,14−2から受けた蓄電部温度Tb1,Tb2に基づいて、蓄電部6−1,6−2のそれぞれにおける充電状態SOC1,SOC2(SOC:State Of Charge)を算出する。蓄電部6−1,6−2のSOCを算出する構成については、様々な周知技術を用いることができるので詳細な説明は省略する。
さらに、電池ECU4は、導出した蓄電部6−1,6−2のSOC1,SOC2に基づいて、許容電力(充電許容電力Win1,Win2および放電許容電力Wout1,Wout2)を導出する。充電許容電力Win1,Win2および放電許容電力Wout1,Wout2は、その化学反応的な限界で規定される、各時点における充電電力および放電電力の短時間の制限値である。
そして、電池ECU4は、導出した蓄電部6−1,6−2のSOC1,SOC2、充電許容電力Win1,Win2および放電許容電力Wout1,Wout2をコンバータECU2へ出力する。
コンバータECU2は、入出力電流検出部16から受けた入出力電流値Ihと、入出力電圧検出部18から受けた入出力電圧値Vhと、充放電電流検出部10−1,10−2から受けた充放電電流値Ib1,Ib2と、充放電電圧検出部12−1,12−2から受けた充放電電圧値Vb1,Vb2と、電池ECU4から受けたWin1,Win2、Wout1,Wout2と、駆動ECU32から受けたトルク目標値TR1,TR2および回転数目標値MRN1,MRN2とに基づいて、後述する制御構造に従ってそれぞれスイッチング指令PWC1,PWC2を生成し、コンバータ8−1,8−2を制御する。
図2は、本発明の実施の形態に従うコンバータ8−1,8−2の概略構成図である。
図2を参照して、コンバータ8−1は、チョッパ回路40−1と、平滑コンデンサC1とからなる。
図2を参照して、コンバータ8−1は、チョッパ回路40−1と、平滑コンデンサC1とからなる。
チョッパ回路40−1は、コンバータECU2(図1)からのスイッチング指令PWC1に応じて、放電時には蓄電部6−1から受けた直流電力(駆動電力)を昇圧する一方、充電時には主正母線MPLおよび主負母線MNLから受けた直流電力(回生電力)を降圧する。そして、チョッパ回路40−1は、それぞれ正母線LN1Aと、負母線LN1Cと、配線LN1Bと、スイッチング素子であるトランジスタQ1A,Q1Bと、ダイオードD1A,D1Bと、インダクタL1とを含む。
正母線LN1Aは、その一方端がトランジスタQ1Bのコレクタに接続され、他方端が主正母線MPLに接続される。また、負母線LN1Cは、その一方端が蓄電部6−1の負側に接続され、他方端が主負母線MNLに接続される。
トランジスタQ1AおよびQ1Bは、負母線LN1Cと正母線LN1Aとの間に直列に接続される。そして、トランジスタQ1Aのエミッタは負母線LN1Cに接続され、トランジスタQ1Bのコレクタは正母線LN1Aに接続される。また、各トランジスタQ1A,Q1Bのコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD1A,D1Bがそれぞれ接続されている。さらに、インダクタL1は、トランジスタQ1AとトランジスタQ1Bとの接続点に接続される。
配線LN1Bは、一方端が蓄電部6−1の正側に接続され、他方端がインダクタL1に接続される。
平滑コンデンサC1は、配線LN1Bと負母線LN1Cとの間に接続され、配線LN1Bと負母線LN1Cとの間の直流電圧に含まれる交流成分を低減する。
以下、コンバータ8−1の電圧変換動作(昇圧動作および降圧動作)について説明する。
昇圧動作時において、コンバータECU2(図1)は、トランジスタQ1AとトランジスタQ1Bとを所定のデューティー比でオン・オフさせる。トランジスタQ1Aのオン期間においては、蓄電部6−1から配線LN1B、インダクタL1、ダイオードD1B、および正母線LN1Aを順に介して、放電電流が主正母線MPLへ流れる。同時に、蓄電部6−1から配線LN1B、インダクタL1、トランジスタQ1A、および負母線LN1Cを順に介して、ポンプ電流が流れる。インダクタL1は、このポンプ電流により電磁エネルギーを蓄積する。続いて、トランジスタQ1Aがオン状態からオフ状態に遷移すると、インダクタL1は、蓄積した電磁エネルギーを放電電流に重畳する。その結果、コンバータ8−1から主正母線MPLおよび主負母線MNLへ供給される直流電力の平均値は、トランジスタQ1Aのオンデューティー(トランジスタQ1Aがオンされている期間を意味する)に応じてインダクタL1に蓄積される電磁エネルギーに相当する電圧だけ昇圧される。
一方、降圧動作時において、コンバータECU2は、トランジスタQ1AとトランジスタQ1Bとを所定のデューティー比でオン・オフさせる。トランジスタQ1Bのオン期間においては、主正母線MPLから正母線LN1A、トランジスタQ1B、インダクタL1、および配線LN1Bを順に介して、充電電流が蓄電部6−1へ流れる。続いて、トランジスタQ1Bをオン状態からオフ状態に遷移すると、インダクタL1が電流変化を妨げるように磁束を発生するので、充電電流は、ダイオードD1A、インダクタL1、および配線LN1Bを順に介して流れ続ける。一方で、電磁エネルギー的に見ると、主正母線MPLおよび主負母線MNLを介して直流電力が供給されるのはトランジスタQ1Bのオン期間だけであるので、充電電流が一定に保たれるとすると(インダクタL1のインダクタンスが十分に大きいとすると)、コンバータ8−1から蓄電部6−1へ供給される直流電力の平均電圧は、主正母線MPL−主負母線MNL間の直流電圧にトランジスタQ1Bのオンデューティー(トランジスタQ1Bがオンされている期間を意味する)を乗じた値となる。
このようなコンバータ8−1の電圧変換動作を制御するため、コンバータECU2は、トランジスタQ1Aのオン・オフを制御するスイッチング指令PWC1A、およびトランジスタQ1Bのオン・オフを制御するスイッチング指令PWC1Bからなるスイッチング指令PWC1を生成する。
なお、トランジスタQ1AとトランジスタQ1Bとは、負母線LN1Cと正母線LN1Aとの間に直列に接続されているため、トランジスタQ1AおよびトランジスタQ1Bを同時にオンすることを防止する必要がある。そのため、コンバータECU2は、スイッチング指令PWC1A,PWC1Bに、トランジスタQ1A,Q1Bが同時にオンされるのを防止するためのデッドタイムを設けている。このデッドタイムは、トランジスタQ1A、Q1Bの素子特性などに基づいて、予め所定の時間に設定されている。
コンバータ8−2についても上述したコンバータ8−1と同様の構成および動作であるので、詳細な説明は繰り返さない。
以下、コンバータECU2における制御構造について詳細に説明を行なう。なお、コンバータECU2は、駆動電力および回生電力のいずれに対しても同様の制御を実行するが、理解を容易にするため、本実施の形態においては、駆動電力についての制御構造を例示して説明する。
図3は、コンバータECU2におけるスイッチング指令(昇圧動作)の生成を実現するためのブロック図である。
図3を参照して、コンバータECU2は、モード決定部20と、制御部22と、第1スイッチング指令生成部24と、第2スイッチング指令生成部26とを含む。
モード決定部20は、駆動力発生部3(図1)が電源システム1に対して要求する駆動電力(以下、要求電力とも称す)PRおよび車速Vなどに基づいて、コンバータ8−1,8−2における制御モードを決定する。なお、要求電力PRおよび車速Vは、車両100の走行状態を表わす信号として、上位ECUまたは各種センサから送出されるものである。
具体的には、コンバータ8−1,8−2における制御モードとしては、「昇圧モード」および「非昇圧モード」が予め設定されている。「昇圧モード」とは、コンバータ8−1,8−2の少なくとも一方が昇圧動作を行なうモードである。すなわち、昇圧モードには、コンバータ8−1,8−2の一方が昇圧動作を行ない、かつ、他方が停止状態となる1コンバータ昇圧モードと、コンバータ8−1,8−2の双方が昇圧動作を行なう2コンバータ昇圧モードとが含まれている。これに対して、「非昇圧モード」とは、コンバータ8−1,8−2のいずれもが昇圧動作を停止するモードである。
モード決定部20は、車両100の走行状態に基づいて、コンバータ8−1,8−2における制御モードを決定すると、その決定した制御モードを表わす信号MDを制御部22へ出力する。
制御部22は、モード決定部20から信号MDを受けると、決定された制御モードに応じて、後述する制御構造に従ってコンバータ8−1の動作状態および停止状態を制御するための信号CTL1を生成し、その生成した信号CTL1を第1スイッチング指令生成部24へ出力する。
また、制御部22は、決定された制御モードに応じて、後述する制御構造に従ってコンバータ8−2の動作状態および停止状態を制御するための信号CTL2を生成し、その生成した信号CTL2を第2スイッチング指令生成部26へ出力する。
第1スイッチング指令生成部24は、制御部22からの信号CTL1に従って、後述する制御構造に従って、トランジスタQ1Aのオン・オフを制御するスイッチング指令PWC1A、およびトランジスタQ1Bのオン・オフを制御するスイッチング指令PWC1Bからなるスイッチング指令PWC1を生成する。
第2スイッチング指令生成部26は、制御部22からの信号CTL2に従って、後述する制御構造に従って、トランジスタQ2Aのオン・オフを制御するスイッチング指令PWC2A、およびトランジスタQ2Bのオン・オフを制御するスイッチング指令PWC2Bからなるスイッチング指令PWC2を生成する。
上記のように、本実施の形態においては、コンバータECU2は、車両100の走行状態に応じて、コンバータ8−1,8−2に対する制御モードを、昇圧モードおよび非昇圧モードの間で切換える。これにより、コンバータ8−1,8−2にそれぞれ対応する蓄電部6−1,6−2から取り出される電力の大きさが制御される。
図4は、コンバータECU2におけるコンバータの制御モードの決定動作を説明するためのフローチャートである。
図4を参照して、処理が開始されると、モード決定部20は、車速センサから受けた車速Vに基づいて、車両100が停止状態であるか否かを判断する(ステップS01)。
車両100が停止状態である場合(ステップS01においてYESの場合)には、モード決定部20は、コンバータ8−1,8−2の制御モードを非昇圧モードに決定する(ステップS04)。
一方、車両100が停止状態でない場合(ステップS01においてNOの場合)には、モード決定部20はさらに、要求電力PRが第1の閾値Pth1よりも小さいか否かを判断する(ステップS02)。なお、第1の閾値Pth1は、蓄電部6−1,6−2からの出力電圧を昇圧せずに駆動力発生部3を駆動させるときに電源システム1から供給可能な最大電力に設定される。この第1の閾値Pth1は、予め実験によって求められてモード決定部20に記憶されている。
要求電力PRが第1の閾値Pth1よりも小さい場合(ステップS02においてYESの場合)には、モード決定部20は、コンバータ8−1,8−2の制御モードを非昇圧モードに決定する(ステップS04)。
これに対して、要求電力PRが第1の閾値Pth1以上である場合(ステップS02にてNOの場合)には、モード決定部20は、コンバータ8−1,8−2の制御モードを昇圧モードに決定する(ステップS03)。
なお、図示は省略するが、ステップS03以降では、コンバータ8−1,8−2は、要求電力PRの大きさに応じて、一方のみが昇圧動作を行なう1コンバータ昇圧モードおよび双方が昇圧動作を行なう2コンバータ昇圧モードのいずれかに制御される。
具体的には、要求電力PRが第1の閾値Pth1よりも高い第2の閾値Pth2以上である場合には、蓄電部6−1,6−2から駆動力発生部3に供給される電力の合計値が要求電力PRとなるように、コンバータ8−1,8−2が制御される(2コンバータ昇圧モード)。なお、第2の閾値Pth2は、蓄電部6−1,6−2のうち放電許容電力Woutの絶対値が小さい蓄電部の放電許容電力Woutに設定される。
また、要求電力PRが第1の閾値Pth以上であり、かつ第2の閾値Pth2よりも小さい場合には、コンバータ8−1,8−2を切換えて動作させることで、コンバータ8−1,8−2の一方に昇圧動作を行なわせ、他方を停止させる(1コンバータ昇圧モード)。このとき、一方のコンバータは、対応する蓄電部から駆動力発生部3に供給される電力が要求電力PRとなるように、その昇圧動作が制御される。
図4から明らかなように、本実施の形態において、コンバータECU2は、車両100が停止状態にあるとき、あるいは要求電力PRが第1の閾値Pth1よりも小さいときには、コンバータ8−1,8−2における昇圧動作を停止させる。図5は、非昇圧モードにおけるコンバータ8−1,8−2の状態を説明するための図である。
図5を参照して、非昇圧モードにおいては、コンバータECU2は、コンバータ8−1のトランジスタQ1Aをオフに維持する一方で、トランジスタQ1Bをオンに維持する(すなわち、トランジスタQ1Bのオンデューティーを「1」とすることを意味する)。
さらに、コンバータECU2は、コンバータ8−2のトランジスタQ2Aをオフに維持する一方で、トランジスタQ2Bをオンに維持する(すなわち、トランジスタQ2Bのオンデューティーを「1」とすることを意味する)。
これにより、コンバータ8−1,8−2は、蓄電部6−1,6−2と主正母線MPLおよび主負母線MNLとをそれぞれ電気的に接続するための単なる配線として機能することとなる。すなわち、蓄電部6−1および蓄電部6−2は、主正母線MPLおよび主負母線MNLに対して完全に並列接続された状態(以下、単に「完全並列状態」とも称する)と等価となる。そのため、コンバータ8−1,8−2の各々で発生する損失は、トランジスタQ1A,Q1B(またはQ2A,Q2B)のスイッチング動作時に発生する損失分(スイッチング損失)が抑制されて、ダイオードD1B(またはD2B)およびトランジスタQ1B(またはQ2B)の導通損失のみとなる。この結果、コンバータ8−1,8−2における変換損失を抑制することができるため、全体のエネルギー効率を高めることができる。
したがって、本実施の形態においては、図4で述べたように、要求電力PRが相対的に小さいときや車両100が停止状態であるときには、積極的にコンバータ8−1,8−2を昇圧モードから非昇圧モードに切換えることにより、全体のエネルギー効率を向上させることができる。
また、車両100が停止状態であるときにコンバータ8−1,8−2を非昇圧モードとすることによって、車両走行時に比べて車両停止時により顕著となる、トランジスタのスイッチング動作により発生する騒音を抑制することができる。これにより、車両100の静粛性を高めることができる。
しかしながら、コンバータ8−1,8−2を昇圧モードから非昇圧モードへ切換える場面においては、車両100の走行状態に応じて直ちにコンバータ8−1,8−2における昇圧動作を停止して蓄電部6−1,6−2を完全並列状態とすると、蓄電部6−1,6−2間の充放電電圧の電圧差に応じて、蓄電部6−1と蓄電部6−2との間を瞬間的に過大な電流が流れるという問題が生じ得る。
詳細には、昇圧モードの実行中においては、コンバータ8−1,8−2における昇圧動作が個別に制御されることから、蓄電部6−1の充放電電圧Vb1と蓄電部6−2の充放電電圧Vb2との間には電圧差ΔVb(=|Vb1−Vb2|)が少なからず生じている。そのため、車両100が停止状態となったことに応じて直ちに昇圧モードから非昇圧モードへの切換えを行なうと、その切換えタイミングにおいて、充放電電圧が相対的に高い蓄電部から充放電電圧が相対的に低い蓄電部に向かって、この電圧差ΔVbに応じた過大な電流が通過することになる。これにより、蓄電部6−1,6−2が過熱されて電池性能が劣化する、あるいは内部のヒューズが溶断するなどの損傷を受ける可能性がある。また、主正母線MPL,主負母線MNL〜コンバータ8−1,8−2〜蓄電部6−1,6−2の間を結ぶ電力線やコンバータ8−1,8−2を構成するトランジスタなどが熱破壊に至るおそれがある。
そのため、本実施の形態に従う電源システム1においては、昇圧モードの実行中に非昇圧モードへの切換えを行なう場合には、蓄電部6−1,6−2の充放電電圧の電圧差ΔVbを低減するようにコンバータ8−1,8−2における電圧変換動作を制御する、電圧差低減制御を実行する構成とする。そして、電圧差低減制御によって充放電電圧の電圧差ΔVbが過電流を抑制可能なレベルまで低減したことに応じて、コンバータ8−1,8−2を非昇圧モードに切換えるものとする。
以下、コンバータ8−1,8−2における電圧差低減制御について説明する。
図6は、電圧差低減制御におけるコンバータ8−1,8−2の状態を説明するための図である。
図6は、電圧差低減制御におけるコンバータ8−1,8−2の状態を説明するための図である。
図6を参照して、蓄電部6−2の充放電電圧Vb2が蓄電部6−1の充放電電圧Vb1よりも高い場合においては、コンバータECU2は、トランジスタQ2Bをオンに維持することにより、コンバータ8−2における昇圧動作を停止させる。その一方で、コンバータECU2は、コンバータ8−1については、降圧動作を制御するためのスイッチング指令PWC1を生成する。これにより、蓄電部6−2の充放電電圧Vb2は、コンバータ8−2のダイオードD2Bを介して主正母線MPLおよび主負母線MNLへ供給される。そして、供給された蓄電部6−2の充放電電圧Vb2は、コンバータ8−1のトランジスタQ1Bのオンデューティーに応じて降圧されて蓄電部6−1へ供給される。
このとき、コンバータ8−1から蓄電部6−1へ供給される直流電力の平均電圧は、主正母線MPL−主負母線MNL間の直流電圧Vb2にトランジスタQ1Bのオンデューティーを乗じた値となることから、蓄電部6−1および蓄電部6−2間の充放電電圧の電圧差ΔVbが低減する。したがって、トランジスタQ1Bのオンデューティーを徐々に増加させていくことで、電圧差ΔVbを過電流を抑制可能なレベルまで低減させることができる。
図7は、コンバータECU2における電圧差低減制御を実現するための制御構造を示すフローチャートである。
図7を参照して、処理が開始されると、制御部22(図3)は、モード決定部20(図3)からの信号MDに基づいて、昇圧モードから非昇圧モードへ切換えるための切換え要求が発生したか否かを判断する(ステップS11)。
非昇圧モードへの切換え要求が発生している場合(ステップS11においてYESの場合)には、制御部22は、充放電電圧検出部12−1,12−2(図1)からの蓄電部6−1、6−2の充放電電圧値Vb1,Vb2に基づいて、充放電電圧値の電圧差ΔVb(=|Vb1−Vb2|)が所定の基準電圧Vthよりも大きいか否かを判断する(ステップS12)。なお、この所定の基準電圧Vthは、蓄電部6−1,6−2を主正母線MPLおよび主負母線MNLに対して完全に並列接続させた状態(図5)で過電流が通過するのを抑制可能な電圧レベルに予め設定されている。
充放電電圧値の電圧差ΔVbが所定の基準電圧Vth以下の場合(ステップS12においてNOの場合)には、制御部22は、コンバータ8−1,8−2を非昇圧モードに制御する(ステップS14)。この場合、スイッチング指令生成部24,26(図3)は、制御部22からの信号CTL1,CTL2に応じて、コンバータ8−1,8−2のトランジスタQ1B,Q2Bをそれぞれオンに維持する。
これに対して、充放電電圧値の電圧差ΔVbが所定の基準電圧Vthよりも大きい場合(ステップS12においてYESの場合)には、制御部22は、さらに、蓄電部6−1の充放電電圧値Vb1が蓄電部6−2の充放電電圧値Vb2よりも大きいか否かを判断する(ステップS13)。
充放電電圧値Vb1が充放電電圧値Vb2以下の場合(ステップS13においてNOの場合)には、制御部22は、スイッチング指令生成部26に対して、コンバータ8−2のトランジスタQ2Bをオンに維持するための信号CTL2を出力する。その一方で、制御部22は、スイッチング指令生成部24に対しては、コンバータ8−1の降圧動作を制御するための信号CTL1を出力する(ステップS15)。
一方、充放電電圧値Vb1が充放電電圧値Vb2よりも大きい場合(ステップS13においてYESの場合)には、制御部22は、スイッチング指令生成部24に対して、コンバータ8−1のトランジスタQ1Bをオンに維持するための信号CTL1を出力する。その一方で、制御部22は、スイッチング指令生成部26に対しては、コンバータ8−2の降圧動作を制御するための信号CTL2を出力する(ステップS16)。
図8は、コンバータECU2におけるスイッチング指令の生成を実現するための制御構造を示すブロック図である。なお、図3に示すスイッチング指令生成部24とスイッチング指令生成部26とは同様の構成および動作であることから、図8では、スイッチング指令生成部24の制御構造について例示して説明する。
図8を参照して、スイッチング指令生成部24は、電圧指令演算部240と、減算部242,246と、比例制御部(PI)244と、選択部248と、PWM信号変換部250とを含む。
電圧指令演算部240は、蓄電部6−1の充放電電圧Vb1の目標値(電圧目標値)Vb1*を決定する。具体的には、電圧指令演算部240は、充放電電圧検出部12−1,12−2(図1)から充放電電圧値Vb1,Vb2を受けると、これらの電圧差ΔVb(=|Vb1−Vb2|)に基づいて電圧目標値Vb1*を決定する。このとき、電圧指令演算部240は、蓄電部8−2の充放電電圧Vb2を最終値として、電圧目標値Vb1*を徐々に増加させる。
減算部242は、電圧目標値Vb1*と蓄電部6−1の充放電電圧Vb1との差から電圧偏差を演算し、比例制御部(PI)244へ出力する。比例制御部244は、少なくとも比例要素(P:proportional element)および積分要素(I:integral element)を含んで構成され、入力された電圧偏差に応じた操作信号を減算部246へ出力する。
減算部246は、比例制御部244から出力された操作信号の符号を反転させ、入出力電圧値Vh/電圧目標値Vb1*(コンバータ8−1における理論降圧比の逆数)を加算して、デューティー指令#Ton1Bを出力する。このデューティー指令#Ton1Bは、降圧動作におけるコンバータ8−1のトランジスタQ1B(図2)のオンデューティーを規定する制御指令である。
選択部248は、デューティー指令#Ton1Bおよび値「1」を受け、制御部22(図3)からの信号CTL1に基づいていずれか1つを選択し、デューティー指令Ton1BとしてPWM信号変換部250へ出力する。なお、値「1」は、コンバータ8−1が制御停止状態に選択された場合に、デューティー指令Ton1Bを「1」、すなわちコンバータ8−1のトランジスタQ1Bをオンに維持するために用いられる。
具体的には、選択部248は、制御部22からトランジスタQ1Bをオンに維持するための信号CTL1を受けたときには値「1」を選択し、制御部22からコンバータ8−1の降圧動作を制御するための信号CTL1を受けたときにはデューティー指令#Ton1Bを選択する。
PWM信号変換部250は、図示しない発振部が発生する搬送波(キャリア波)とデューティー指令Ton1Bとを比較して、スイッチング指令PWC1Bを生成する。
さらに、PWM信号変換部250は、デューティー指令Ton1Bを用いて、コンバータ8−1のトランジスタQ1Aのオンデューティーを規定するためのデューティー指令Ton1A(=1−Ton1B)を演算する。そして、搬送波(キャリア波)とデューティー指令Ton1Aとを比較して、スイッチング指令PWC1Aを生成する。
上述したように、コンバータ8−1について、コンバータECU2は、蓄電部6−1の充放電電圧Vb1についての電圧制御ループ、および「1」(制御停止)のいずれかを選択して、降圧動作を制御するためのスイッチング指令PWC1を生成する。
なお、図3および図8に示すブロック図の機能は、各ブロックに相当する回路を含むようにコンバータECU2を構成してもよいが、多くの場合、コンバータECU2が予め設定されたプログラムに従って処理ルーチンを実行することで実現される。
このようにして、蓄電部6−1の充放電電圧Vb1が蓄電部6−2の充放電電圧Vb2よりも低い場合には、コンバータ8−1における降圧動作を制御することによって充放電電圧の電圧差ΔVbを低減することができる。この降圧動作において、電圧目標値Vb1*は、蓄電部6−2の充放電電圧Vb2を最終値として、蓄電部6−1の充放電電圧Vb1から上昇し始める。
しかしながら、電圧目標値Vb1*が蓄電部6−2の充放電電圧Vb2に非常に近くなると、コンバータ8−1のトランジスタQ1Bのオンデューティーが、たとえば0.98と非常に大きくなる。そうすると、この0.98のオンデューティーは、トランジスタQ1A、Q1Bが同時にオンされるのを防止するためのデッドタイムにより侵食されるため、トランジスタQ1Bをオンすべき期間を確保することができない。すなわち、トランジスタQ1Bのオンデューティーにおいて、1.0に非常に近い領域では、デッドタイムによって本来のオンデューティーを確保できないという不具合が生じる。
そのため、蓄電部6−1,6−2間では充放電電圧の電圧差ΔVbが依然として残る。したがって、降圧動作が停止されたタイミングにおいてトランジスタQ1Bのオンデューティーが1.0に急に変化すると、蓄電部6−1の充放電電圧Vb1が急激に増加することによって、蓄電部およびコンバータを過大な電流が通過するおそれがある。
そこで、本実施の形態では、降圧動作における電圧目標値Vb1*に基づいて演算されたトランジスタQ1Bのオンデューティーがデッドタイムの影響を受ける場合には、図9に示す関係に従って、スイッチング指令PWC1A,PWC1Bの生成に用いる搬送波(キャリア波)の周波数(以下、単に「キャリア周波数」とも称す)fcを低下させる構成とする。本構成によれば、キャリア周波数fcを低下させることで、キャリア周波数fcによって決定される制御周期長が長くなることから、該制御周期長に占めるデッドタイムの割合を小さくして、本来のオンデューティーを確保することが可能となる。
図9は、コンバータ8−1のトランジスタQ1Bのオンデューティーとキャリア周波数fcとの関係を示す図である。
図9を参照して、キャリア周波数fcが所定の周波数f1であるときに、デッドタイムの影響を受けないトランジスタQ1Bのオンデューティーの最大値(以下、最大オンデューティーとも称す)D_max1は、キャリア周波数fc(=f1)によって決定される制御周期長TおよびトランジスタQ1A,Q1BのデッドタイムDtを用いて、式(1)により演算することができる。
D_max1=(T−Dt)/T (1)
なお、式(1)において、T−Dtは、制御周期長TからデッドタイムDtを減算した実効制御周期長を表わす。
なお、式(1)において、T−Dtは、制御周期長TからデッドタイムDtを減算した実効制御周期長を表わす。
すなわち、電圧目標値Vb1*に基づいて演算されたトランジスタQ1Bのオンデューティーが、最大オンデューティーD_max1を上回る場合には、当該オンデューティーがデッドタイムの影響を受けることから、本来のオンデューティーを確保することが不可能となる。
これに対しては、オンデューティーが最大オンデューティーD_max1を上回る領域において、オンデューティーの増加に伴なってキャリア周波数fcが低くなるようにキャリア周波数fcを変化させるものとする。この結果、上記式(1)における制御周期長Tが長くなることから、実質的に最大オンデューティーを大きくして、より1.0に近づけることができる。
なお、図9に示す関係において、キャリア周波数fcには下限周波数f2(<f1)が予め設定されている。これは、キャリア周波数fcが低いほどデッドタイムの影響を低減するのに有効であるが、一方で、トランジスタQ1Aのオン期間の増加に伴なってインダクタL1に印加される電流が増加すると、インダクタL1のコア中に発生する磁束が飽和し、インダクタL1のインダクタンスが低下するという問題が発生するためである。インダクタL1のインダクタンスが低下すると、過大な電流がコンバータ8−1を通過するため、電圧差低減制御を行なう本来の意義(過電流防止)が損なわれることになる。そのため、この下限周波数f2は、インダクタL1を流れる電流が、インダクタL1のコアを磁化不飽和に維持可能な電流値となるように設定される。
図10は、コンバータ8−1のトランジスタQ1A,Q1Bを制御するスイッチング指令PWC1のタイミングチャートである。
図10を参照して、タイミングt0でコンバータ8−1における降圧動作が開始されると、トランジスタQ1A,Q1Bは、キャリア周波数fc(=f1)で決まる制御周期長Tにおいて所定のデューティー比でオン・オフされる。各制御周期長Tにおいては、トランジスタQ1A,Q1Bが同時にオンされるのを防止するためのデッドタイムが設けられている。
タイミングt0以降において、コンバータ8−1の電圧目標値Vb1*が蓄電部6−1の充放電電圧Vb1から上昇し始めると、トランジスタQ1Bのオンデューティーも増加し始める。そして、タイミングt1においてトランジスタQ1Bのオンデューティーが最大オンデューティーD_max1に到達すると、コンバータECU2は、図9に示すトランジスタQ1Bのオンデューティーとキャリア周波数との関係に従って、キャリア周波数fcを所定の周波数f1から低下させる。これにより、タイミングt1以降において、制御周期長は、タイミングt0からタイミングt1までの制御周期長Tから増加し始める。
やがて、キャリア周波数fcが図9の下限周波数f2に到達すると、タイミングt2において、トランジスタQ1Bのオンデューティーは1.0に固定される。
図11は、コンバータ8−1のトランジスタQ1Bのオンデューティーおよび蓄電部6−1,6−2の充放電電圧の電圧差ΔVb(=|Vb1−Vb2|)のタイミングチャートである。
図11を参照して、タイミングt0でコンバータ8−1の降圧動作が開始されると、トランジスタQ1Bのオンデューティーは、図中のラインk1で示すように、電圧目標値Vb1*の上昇に伴なって増加する。これにより、図中のラインk3で示すように、蓄電部6−1,6−2間の電圧差ΔVbが減少し始める。そして、タイミングt1においてトランジスタQ1Bのオンデューティーが最大オンデューティーD_max1に到達すると、キャリア周波数fcが所定周波数f1から低下し始める。したがって、トランジスタQ1Bのオンデューティーは、最大オンデューティーD_max1からさらに増加し、1.0に近付いていく。そして、タイミングt2において、キャリア周波数fcが下限周波数f2に到達すると、トランジスタQ1Bのオンデューティーは、1.0に固定される。このとき、蓄電部6−1の充放電電圧Vb1は、下限周波数f2での最大オンデューティーD_max2で決まる電圧レベルまで上昇しているため、蓄電部6−1,6−2間の電圧差ΔVbは、タイミングt1での電圧差ΔVbよりも小さくなっている。その結果、タイミングt2で降圧動作を停止して非昇圧モードに移行したときに過大な電流が通過するのを確実に抑制することができる。
なお、図11には、比較のために、タイミングt1において、トランジスタQ1Bのオンデューティーを1.0に固定した場合の蓄電部6−1,6−2間の電圧差ΔVbの変化が示されている(図中のラインk3,k4参照)。これによれば、蓄電部6−1,6−2間の電圧差ΔVbが大きいことから、蓄電部6−1の充放電電圧Vb1の急激な増加によって過大な電流が流れることが明らかである。
このように、本実施の形態に従う電源システム1によれば、コンバータ8−1,8−2を昇圧モードから非昇圧モードに切換える際に、蓄電部6−1,6−2間の充放電電圧の差ΔVbに起因してシステム内部に過大な電流が通過するのを抑制することができる。その結果、過大な電流に対する電源システムの保護を厚くできるため、全体的なエネルギー効率をより一層向上させることが可能となる。
図12は、コンバータECU2におけるスイッチング指令の生成を実現するための制御構造を示すフローチャートである。なお、図12に示す各ステップの処理は、スイッチング指令生成部24(図3)が図8に示す各制御ブロックとして機能することで実現される。
図12を参照して、処理が開始されると、スイッチング指令生成部24は、蓄電部6−1の充放電電圧Vb1の電圧目標値Vb1*を設定する(ステップS21)。さらに、第1スイッチング指令生成部24は、設定した電圧目標値Vb1*に基づいて、コンバータ8−1のトランジスタQ1Bのデューティー指令#Ton1Bを演算する(ステップS22)。
次に、スイッチング指令生成部24は、制御部22からコンバータ8−1の降圧動作を制御するための信号CTL1を受けているか否かを判断する(ステップS23)。
制御部22からコンバータ8−1の降圧動作を制御するための信号CTL1を受けている場合(ステップS23においてYESの場合)には、スイッチング指令生成部24は、トランジスタQ1Bのデューティー指令Ton1Bとして、デューティー指令#Ton1Bを選択する(ステップS24)。
一方、制御部22からコンバータ8−1の降圧動作を制御するための信号CTL1を受けていない場合、すなわち、制御部22からトランジスタQ1Bをオンに維持するための信号CTL1を受けている場合(ステップS23においてNOの場合)には、スイッチング指令生成部24は、トランジスタQ1Bのデューティー指令Ton1Bとして、値「1」を選択する(ステップS25)。
そして、スイッチング指令生成部24は、デューティー指令Ton1Bに基づいてキャリア周波数fcを設定する(ステップS26)。具体的には、スイッチング指令生成部24は、図9のトランジスタQ1Bのオンデューティーとキャリア周波数fcとの関係を予めキャリア周波数設定用マップとして格納しておき、デューティー指令Ton1Bが設定されると、該キャリア周波数設定用マップから対応するキャリア周波数fcを抽出する。
最後に、スイッチング指令生成部24は、設定されたキャリア周波数fcを有するキャリア波とデューティー指令Ton1Bとを比較して、スイッチング指令PWC1Bを生成する。また、スイッチング指令生成部24は、デューティー指令Ton1Bを用いて、コンバータ8−1のトランジスタQ1Aのオンデューティーを規定するためのデューティー指令Ton1A(=1−Ton1B)を演算する。そして、キャリア波とデューティー指令Ton1Aとを比較して、スイッチング指令PWC1Aを生成する(ステップS27)。
なお、スイッチング指令生成部26(図3)についても、上述したスイッチング指令生成部24と同様の制御構造に従ってスイッチング指令PWC2A,PWC2Bが生成される。したがって、その詳細な説明は繰り返さない。
本発明の実施の形態においては、駆動力発生部3が「負荷装置」に相当し、主正母線MPLおよび主負母線MNLが「電力線対」に相当し、コンバータ8−1,8−2が「複数の電圧変換部」に相当する。そして、コンバータECU2が「制御装置」を実現する。
なお、本発明の実施の形態においては、電源システムを、2台のコンバータおよび蓄電部を有する構成としたが、3台以上のコンバータおよび蓄電部から構成される場合であっても、非昇圧モードへの切換え要求を受けたことに応じて、相対的に充放電電圧が高い蓄電部に対応するコンバータを制御停止する一方で、相対的に充放電電圧が低い蓄電部に対応するコンバータに降圧動作を実行させることにより、上述した効果と同様の効果を発揮させることができる。すなわち、電源システムを構成する複数の蓄電部およびコンバータに過大な電流が通過するのを抑制しつつ、全体的なエネルギー効率を向上させることが可能となる。
また、本発明の実施の形態においては、負荷装置の一例として、2つのモータジェネレータを含む駆動力発生部を用いる構成について説明したが、モータジェネレータの数は制限されない。さらに、負荷装置としては、車両の駆動力を発生する駆動力発生部に限られず、電力を消費する負荷にも適用することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 電源システム、2 コンバータECU、3 駆動力発生部、4 電池ECU、6−1,6−2 蓄電部、8−1,8−2 コンバータ、10−1,10−2 充放電電流検出部、12−1,12−2 充放電電圧検出部、14−1,14−2 温度検出部、16 入出力電流検出部、18 入出力電圧検出部、20 モード決定部、22 制御部、24,26 スイッチング指令生成部、30−1,30−2 インバータ、32 駆動ECU、34−1,34−2 モータジェネレータ、36 動力伝達機構、38 駆動軸、40−1,40−2 チョッパ回路、100 車両、240 電圧指令演算部、242,246 減算部、244 比例制御部、248 選択部、250 PWM信号変換部、C,C1,C2 平滑コンデンサ、D1A,D1B,D2A,D2B ダイオード、L1,L2 インダクタ、LN1A,LN2A 正母線、LN1B,LN2B 配線、LN1C,LN2C 負母線、MNL 主負母線、MPL 主正母線、Q1A,Q1B,Q2A,Q2B トランジスタ。
Claims (5)
- 各々が充放電可能に構成された複数の蓄電部を備えた電源システムであって、
負荷装置と前記電源システムとの間で電力を授受可能に構成された電力線対と、
前記複数の蓄電部と前記電力線対との間にそれぞれ設けられ、各々が対応の前記蓄電部と前記電力線対との間で電圧変換動作を行なう複数の電圧変換部と、
前記複数の電圧変換部における電圧変換動作を制御する制御装置とを備え、
前記複数の電圧変換部の各々は、前記電力線対の間に直列接続される第1および第2のスイッチング素子を含み、前記第1および第2のスイッチング素子のスイッチング動作により電圧変換動作を行ない、
前記制御装置は、
前記複数の電圧変換部を、前記複数の電圧変換部の各々が電圧変換動作を停止するように制御する第1の制御モード、および前記複数の電圧変換部の少なくとも1つが電圧変換動作を行なうように制御する第2の制御モードのいずれかに設定するためのモード設定手段と、
前記モード設定手段によって、前記第2の制御モードに設定された前記複数の電圧変換部が前記第1の制御モードに切換えられた場合に、前記複数の蓄電部の間で充放電電圧の電圧差が所定の基準値を下回ったことに応じて、前記複数の電圧変換部における電圧変換動作を停止する電圧変換制御手段とを含み、
前記電圧変換制御手段は、
前記電圧差が前記所定の基準値以上となる場合には、前記複数の蓄電部のうち相対的に充放電電圧が高い第1の蓄電部からの電圧が直接的に前記電力線対に出力されるように対応の電圧変換部における電圧変換動作を停止させるとともに、前記複数の蓄電部のうち相対的に充放電電圧が低い第2の蓄電部が前記第1の蓄電部からの電圧で充電されるように対応の電圧変換部における降圧動作を制御する電圧差低減手段を含み、
前記電圧差低減手段は、
前記第2の蓄電部に対応する電圧変換部において、前記第1および第2のスイッチング素子のスイッチング動作を制御するためのキャリア周波数を第1の周波数に設定するとともに、前記第1の周波数によって決まる制御周期長と前記第1のスイッチング素子のオン期間長との比である第1のオンデューティーを増加させる第1のスイッチング指令生成手段と、
前記制御周期長から前記第1および第2のスイッチング素子がともにオフ状態となるデッドタイムを減算した実効制御周期長を前記制御周期長で除算した値を最大オンデューティーとして予め設定するとともに、前記第1のスイッチング指令生成手段において前記第1のオンデューティーが前記最大オンデューティーに達した場合には、前記キャリア周波数を前記第1の周波数から低下させる第2のスイッチング指令生成手段とを含む、電源システム。 - 前記複数の電圧変換部の各々は、前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子との接続点に接続されるインダクタをさらに含み、
前記第2のスイッチング指令生成手段は、前記第1の周波数よりも低い第2の周波数を下限周波数として前記キャリア周波数を低下させ、
前記第2の周波数は、前記インダクタを流れる電流が、前記インダクタのコアを磁化不飽和に維持可能な電流値となるように設定される、請求項1に記載の電源システム。 - 前記モード設定手段は、前記負荷装置の前記電源システムに対する要求電力が所定の閾値を下回るときには、前記複数の電圧変換部を前記第1の制御モードに設定する、請求項2に記載の電源システム。
- 前記負荷装置は、前記電源システムから前記電力線対を介して供給される電力を受けて車両の駆動力を発生する駆動力発生部を含み、
前記モード設定手段は、前記車両が停止状態のときには、前記複数の電圧変換部を前記第1の制御モードに設定する、請求項2に記載の電源システム。 - 各々が充放電可能に構成された複数の蓄電部を備えた電源システムと、
前記電源システムから供給される電力を受けて駆動力を発生する駆動力発生部とを備える車両であって、
前記電源システムは、
前記駆動力発生部と前記電源システムとの間で電力を授受可能に構成された電力線対と、
前記複数の蓄電部と前記電力線対との間にそれぞれ設けられ、各々が対応の前記蓄電部と前記電力線対との間で電圧変換動作を行なう複数の電圧変換部と、
前記複数の電圧変換部における電圧変換動作を制御する制御装置とを備え、
前記複数の電圧変換部の各々は、前記電力線対の間に直列接続される第1および第2のスイッチング素子を含み、前記第1および第2のスイッチング素子のスイッチング動作により電圧変換動作を行ない、
前記制御装置は、
前記複数の電圧変換部を、前記複数の電圧変換部の各々が電圧変換動作を停止するように制御する第1の制御モード、および前記複数の電圧変換部の少なくとも1つが電圧変換動作を行なうように制御する第2の制御モードのいずれかに設定するためのモード設定手段と、
前記モード設定手段によって、前記第2の制御モードに設定された前記複数の電圧変換部が前記第1の制御モードに切換えられた場合に、前記複数の蓄電部の間で充放電電圧の電圧差が所定の基準値を下回ったことに応じて、前記複数の電圧変換部における電圧変換動作を停止する電圧変換制御手段とを含み、
前記電圧変換制御手段は、
前記電圧差が前記所定の基準値以上となる場合には、前記複数の蓄電部のうち相対的に充放電電圧が高い第1の蓄電部からの電圧が直接的に前記電力線対に出力されるように対応の電圧変換部における電圧変換動作を停止させるとともに、前記複数の蓄電部のうち相対的に充放電電圧が低い第2の蓄電部が前記第1の蓄電部からの電圧で充電されるように対応の電圧変換部における降圧動作を制御する電圧差低減手段を含み、
前記電圧差低減手段は、
前記第2の蓄電部に対応する電圧変換部において、前記第1および第2のスイッチング素子のスイッチング動作を制御するためのキャリア周波数を第1の周波数に設定するとともに、前記第1の周波数によって決まる制御周期長と前記第1のスイッチング素子のオン期間長との比である第1のオンデューティーを増加させる第1のスイッチング指令生成手段と、
前記制御周期長から前記第1および第2のスイッチング素子がともにオフ状態となるデッドタイムを減算した実効制御周期長を前記制御周期長で除算した値を最大オンデューティーとして予め設定するとともに、前記第1のスイッチング指令生成手段において前記第1のオンデューティーが前記最大オンデューティーに達した場合には、前記キャリア周波数を前記第1の周波数から低下させる第2のスイッチング指令生成手段とを含む、車両。
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