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JP2009283291A - リチウム電池用正極の製造方法およびリチウム電池用正極 - Google Patents

リチウム電池用正極の製造方法およびリチウム電池用正極 Download PDF

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Hiroji Maeda
廣二 前田
Takayuki Hattori
高幸 服部
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Abstract

【課題】リチウム電池の正極を製造する際に、二酸化マンガンに添加物を添加した後に高温の熱処理工程を行わなくても、リチウム電池の長期保存時における内部抵抗上昇を抑え、且つ、リチウム電池から大電流が取り出したときの特性を長期にわたって良好に保つ。
【解決手段】酸化ホウ素を水に溶解して酸化ホウ素水溶液を作製する(S1)。二酸化マンガンに上記酸化ホウ素水溶液を混合して十分含浸させる(S2)。混合後、乾燥することによって、ホウ素含有二酸化マンガンを作製する(S3)。上記ホウ素含有二酸化マンガン、導電剤としての炭素粉末、テトラフルオロエチレンの各原料と、水とを加えて混練する(S4)。この混練合剤をシートに仕上げ(S5)、ラス芯体に圧着して、乾燥・圧延を行うことによって正極板に仕上げる。(S6)。
【選択図】図2

Description

本発明は、リチウム一次電池に関するものであり、特に活物質に二酸化マンガンを用いたリチウム電池用正極の製造方法に関する。
リチウム電池には、さまざまな形状のものが存在し、カメラに使われる円筒形、腕時計、電卓、電子手帳などに使われるコイン形などがあり、電子機器のメモリのバックアップにも使用されている。
リチウム電池は、負極材料としてリチウム金属やリチウムアルミ合金が使用され、正極材料として二酸化マンガンが使用され、電解液に有機溶媒が用いられている。そして、3Vまでの起電力を持ち、非水溶媒を電解液として使用している関係から、低温特性と保存特性に優れている。
一方、リチウム電池は、長期保存時に内部抵抗が上昇する傾向がある。
内部抵抗が上昇すると電池特性が低下するので、リチウム電池の内部抵抗上昇を抑制し、電池の長期保存特性を良好にする技術が開発されている。
例えば、特許文献1には、リチウム電池において、二酸化マンガンに、リン酸、ホウ酸、炭酸、硫酸もしくはこれらの塩から選択されたものを添加して、その二酸化マンガンを300℃〜400℃で熱処理したものを正極活物質として用いることによって、二酸化マンガンの結晶再配列効果が得られ、高い電池電圧が得られることが開示されている。
特許文献2には、リチウム電池において、ホウ素を二酸化マンガンに原子比 0.02〜0.1の割合で添加し、350℃〜480℃で熱処理をして用いることによって、サイクル可逆性、貯蔵性を向上できることが開示されている。
特許文献3には、ホウ素あるいはアルミウムを二酸化マンガンに0.1重量%〜1.0重量%添加し、350℃〜480℃で熱処理をして正極活物質として用いることによって、内部抵抗の上昇を抑えて良好な電池性能が得られることが開示されている。
特許文献4には、二酸化マンガンに、リンを0.2〜2%含有させ、ホウ素を0.1〜2%含有させ、熱処理することによって電池の保存特性を向上できることが開示されている。
特開平2−253560号公報 特開平3−297058号公報 特開平11−339794号公報 特開平2003−217579号公報
このような技術を用いることよって、リチウム電池の長期保存時における内部抵抗上昇が抑えられ、長期保存特性が良好となるが、上記従来技術においてはいずれも、正極を作製する上で、正極活物質としての二酸化マンガンに、ホウ素やリンやアルミニウムなどの添加剤を固体状態で添加混合しているので、添加混合した添加物を二酸化マンガンと反応させるための熱処理工程が欠かせない。従って、より簡単な製造工程で、リチウム電池の長期保存特性を良好にする技術が望まれる。
また従来、リチウム電池は主に小電流が使用されていたが、近年は煙感知器用、緊急車載用、AED(自動対外式除細動機)など、低温下で大電流を要求する用途が増える傾向にあり、特にこのような用途では、長時間保存後においても電池から大電流を取り出して機器を作動できるようにする必要もある。
本発明は、このような背景のもとで、リチウム電池の正極を製造する際に、二酸化マンガンに添加物を添加した後に高温で熱処理する工程を行わなくても、リチウム電池の長期保存時における内部抵抗上昇を抑え、且つ、リチウム電池から大電流が取り出したときの特性を長期にわたって良好にすることを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するため、リチウム電池用正極の製造方法において、ホウ素化合物を水溶液の状態で二酸化マンガンと混合してホウ素含有二酸化マンガンを製造する第1ステップと、第1ステップで製造したホウ素含有二酸化マンガンを芯材に保持させる第2ステップとを設けた。
ホウ素化合物としては、ホウ酸(H3BO3),酸化ホウ素(B23),ホウ素塩(例えばLiBO3)などが挙げられる。
ここで、第1ステップにおいて、二酸化マンガン(MnO2)に対するホウ素(B)の添加混合量が0.05〜2重量%となるようにホウ素化合物の水溶液を二酸化マンガンと混合することが望ましい。
第1ステップで用いる二酸化マンガンは、比表面積が15〜40m2/gの範囲内にあることが好ましい。
第2ステップでは、第1ステップで製造したホウ素含有二酸化マンガンに、導電材と、バインダとを混合して合剤とし、これを芯体に圧着することにより、ホウ素含有二酸化マンガンを芯材に保持させることが好ましい。
本発明のリチウム電池の製造方法では、上記製造方法で製造したリチウム電池用正極と、リチウムを含む負極とを用いてリチウム電池を製造することとした。
本発明のリチウム電池用正極の製造方法では、第1ステップでホウ素化合物と二酸化マンガンをと混合してホウ素含有二酸化マンガンを製造する際に、ホウ素化合物を水溶液の状態で混合するので、ホウ素化合物水溶液が、二酸化マンガン粒子の表面に付着するのはもちろん、二酸化マンガン粒子の微細孔内にも容易に浸入する。従って、二酸化マンガンにホウ素化合物を添加した後に熱処理を行わなくても、二酸化マンガン粒子の表面や、微細孔内の表面にホウ素化合物が付着して、マンガン−ホウ素酸化物の薄い皮膜が形成される。
よって、第2ステップで、このホウ素含有二酸化マンガンを芯材に保持してリチウム電池用正極を作製し、当該リチウム電池用正極と、リチウムを含む負極とを用いてリチウム電池を製造すれば、リチウム電池の長期保存時における内部抵抗上昇が抑えられ、且つ、低温下でも良好な大電流放電特性が得られる。
なお、上記従来技術のようにホウ素化合物の固体を二酸化マンガンに添加し混合した後、高温で熱処理をする方法であれば、二酸化マンガン粒子の表面にはホウ素化合部が付着してマンガン−ホウ素酸化物皮膜が生じるが、二酸化マンガンの微細孔にはホウ素化合物が浸入しにくいので、当該微細孔内にマンガン−ホウ素酸化物皮膜を形成するのは困難と考えられる。
比表面積が15〜40m2/gの範囲にある二酸化マンガンには、30〜3000オングストロームの微細孔が0.04〜0.08cc/g存在するが、このような二酸化マンガンを用いれば、リチウム電池の長期保存時における内部抵抗上昇を抑える効果と、リチウム電池から大電流を取り出したときの特性を長期にわたって良好に保つことができる。
特に、比表面積の大きな二酸化マンガンを用いた場合、低温下での大電流放電特性が良好になる。これは、用いる二酸化マンガンの比表面積が大きいほど、正極における化学反応面積が大きくなるからである。
[リチウム電池の構成]
図1は、本発明の実施形態にかかる円筒型リチウム電池の構成を示す図である。
このリチウム電池は、正極12および負極13がセパレータを介して重ねられスパイラル状に捲回されてなる電極群が、金属ケース8内に収納され、金属ケース8の開口部が封口体5で封口されて構成されている。当該電極群には非水電解液が含浸されており、金属ケース8の開口縁と封口体5とは、レーザ溶接部4で溶接されて封止されている。
電極群と封口体5との間には上部絶縁板7が介挿され、金属ケース8の底と電極群との間には、下部絶縁板9が介挿されている。
金属ケース8側面と正極リード6とはスポット溶接され、金属ケース8は正極端子を兼ねている。一方、封口体5には、負極端子2がパッキング3で絶縁された状態で装着されている。この負極端子2に負極リード1がスポット溶接されている。
なお、金属ケース8の底部には排気弁10が設けられている。
正極12は、二酸化マンガン粉末にホウ素化合物が含浸されたホウ素含有二酸化マンガンに、導電材と、フッ素樹脂バインダとを混合して、芯体に圧着して形成されたものである。
負極13は、リチウム金属もしくはリチウムーアルミニウム合金を成形したものである。
[リチウム電池の製造方法]
図2は、正極12を作製する工程を示す図である。
酸化ホウ素を水に溶解して酸化ホウ素水溶液を作製する(S1)。
二酸化マンガン粉末と上記酸化ホウ素水溶液を混合して、二酸化マンガン粉末に酸化ホウ素水溶液を十分含浸させる(S2)。ここで、酸化ホウ素水溶液の添加量は、二酸化マンガンMnO2に対するホウ素Bの添加混合量が0.05〜2重量%となるように設定する。
混合後、乾燥することによって、ホウ素含有二酸化マンガンが作製される(S3)。
上記S2の工程で、酸化ホウ素水溶液は、二酸化マンガン粒子の表面並びに微細孔に速やかに浸入するので、二酸化マンガンに酸化ホウ素を添加した後に高温で熱処理しなくても、二酸化マンガン粒子の表面や微細孔の内面にホウ素酸化物が付着して皮膜が形成される。
上記のホウ素含有二酸化マンガン、導電剤としての炭素粉末、テトラフルオロエチレンの各原料と、水とを加えて混練する(S4)。
この混練合剤をシートに仕上げ(S5)、ラス芯体に圧着して、乾燥・圧延を行うことによって正極板に仕上げる。(S6)。この正極板に正極リード6をスポット溶接する。
以上のように作製した正極12と、リチウム金属もしくはリチウムーアルミニウム合金からなる負極13とを、セパレータを介在させてスパイラル状に巻回して電極群を作製する。この電極群を、下部絶縁板9の入った金属ケース8に収納し、ケース側面に正極リード6をスポット溶接する。
電極群上に上部絶縁板7を置き、非水電解液を注入し、パッキング3で絶縁された封口体5の負極端子2に負極リード1をスポット溶接する。
金属ケース8を封口板5で仮封口する。金属ケース8と封口体5とをレーザ溶接して電池を完成させる。
以上の製法によれば、正極活物質である二酸化マンガン粒子の表面および微細孔の内面に、マンガン−ホウ素酸化物の薄い皮膜が形成されるので、製造されたリチウム電池は、長期保存時における内部抵抗上昇が抑えられ、且つ、低温下で大電流放電特性が得られる。
上記S2工程において用いる二酸化マンガン粉末は、比表面積が15〜40m2/gの範囲にあることが好ましい。比表面積がこの範囲にある二酸化マンガンを用いれば、作製したリチウム電池を保存した時に、内部抵抗上昇を抑える効果と、リチウム電池から大電流を取り出すときの特性を維持する効果を、長期にわたって良好に保つことができる。
特に、比表面積の大きな二酸化マンガンを用いると、低温下での大電流放電特性が良好となる。これは、二酸化マンガンの比表面積が大きいほど、正極における化学反応面積が大きくなるからである。
実施例1〜4では、比表面積が40m2/gの二酸化マンガンを用いて正極を作製する。
(実施例1)
酸化ホウ素濃度が2重量%の酸化ホウ素水溶液(水温20℃)を作製した。比表面積が40m2/g、熱処理後の二酸化マンガンに対して、ホウ素含有量が0.05重量%となるように、酸化ホウ素水溶液を加えて十分含浸させ混合した。混合後、120℃で乾燥することによって、ホウ素含有二酸化マンガンを作製した。
上記ホウ素含有二酸化マンガン、導電剤としての炭素粉末、テトラフルオロエチレンの各原料を、重量比が91:4:5となるように秤量しておいて、混錬槽に、二酸化マンガンと、炭素粉末とを入れ、純水30重量%を加え、更に、テトラフルオロエチレンを添加して混練した。
この混練合剤を粉砕して整粒し、120℃に加熱した二対のホットロールのホッパーに入れ、混線合剤を0.18mmの薄いシートに仕上げた。それと同時にSUS316製のラス芯体を中央にして両側よりシートを圧着し、乾燥・圧延工程を行った。圧延により正極板の厚みを0.20mmに仕上げた。
この正極板を長さ 350mm、幅35mmに切断し、正極リード溶接部分を剥離して正極リード6をスポット溶接し、剥離部分に絶縁用のテープを貼り正極12とした。
リチウム金属にアルミニウムを0.5重量%含有したLi−Al合金を、厚み0.15mm、長さ360mm、幅33mmに成形し、電流取り出し用の負極リード1を圧着し、テープを貼り付けて負極13とした。
エチレンカーボネート(EC)とブチレンカーボネート(BC)と1,2-ジメトキシエタン(DME)とが体積比率15:15:70で混合された混合溶媒に、溶質としてトリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)を0.6モル/リットル溶解して非水電解液とした。
上記のように作製した正極12を、250℃減圧下で2時間熱処理を施して水分を除去した後、この正極12と負極13とをセパレータを介してスパイラル状に捲回して電極群を作製した。セバレータにはポリエチレン製の微多孔膜を使用した。
排気弁10を備えた金属ケース8に下部絶縁板9を収納した後、電極群を収納し、金属ケース8の側面に正極リード6をスポット溶接した。
次に、電極群の上に上部絶縁板7を置き、非水電解液を注入し、パッキング3で絶縁された封口体5の負極端子2に負極リード1をスポット溶接し、金属ケース8を封口体5で仮封口した。
密封度を上げ保存特性を向上させるために、レーザ溶接部4で金属ケース8と封口体5とを溶接してリチウム電池(外径17mm、高さ450mm、電池容量1700mAh)を組み立てた。組み立てた電池に対して1000mAで5分間化成処理を施すことによってリチウム電池を完成させた。
(実施例2)
比表面積が40m2/g、熱処理後の二酸化マンガンを用いて、実施例1と同様に正極を製造した。ただし、酸化ホウ素水溶液を二酸化マンガンに添加するときの添加量を、二酸化マンガンに対するホウ素含有量が0.5重量%となるように設定した。
続いて負極の製作並びに電池の製作を実施例1と同様の方法で行った。
(実施例3)
比表面積が40m2/g、熱処理後の二酸化マンガンを用いて、実施例1と同様に正極を製造した。ただし、酸化ホウ素水溶液を二酸化マンガンに添加するときの添加量を、二酸化マンガンに対するホウ素含有量が1重量%となるように設定した。
続いて負極の製作並びに電池の製作を実施例1と同様の方法で行った。
(実施例4)
比表面積が40m2/g、熱処理後の二酸化マンガンを用いて、実施例1と同様に正極を製造した。ただし、酸化ホウ素水溶液を二酸化マンガンに添加するときの添加量を、二酸化マンガンに対するホウ素含有量が2重量%となるように設定した。
続いて負極の製作並びに電池の製作を実施例1と同様の方法で行った。
(比較例1)
二酸化マンガンに酸化ホウ素を添加しないで、その他は実施例1と同様に正極を製造した。
続いて負極の製作並びに電池の製作を実施例1と同様の方法で行った。
以下の実施例5〜8では、比表面積が15m2/gの二酸化マンガンを用いて正極を作製した。
(実施例5)
比表面積が15m2/g、熱処理後の二酸化マンガンを用いる以外は実施例1と同様にして、二酸化マンガンに対するホウ素含有量が0.05重量%となるように正極を製造した。
続いて負極の製作並びに電池の製作を実施例1と同様の方法で行った。
(実施例6)
比表面積が15m2/g、熱処理後の二酸化マンガンを用いる以外は実施例2と同様にして、二酸化マンガンに対するホウ素含有量が0.5重量%となるように正極を製造した。
続いて負極の製作並びに電池の製作を実施例1と同様の方法で行った。
(実施例7)
比表面積が15m2/g、熱処理後の二酸化マンガンを用いる以外は実施例3と同様にして、二酸化マンガンに対するホウ素含有量が1重量%となるように正極を製造した。
続いて負極の製作並びに電池の製作を実施例1と同様の方法で行った。
(実施例8)
比表面積が15m2/g、熱処理後の二酸化マンガンを用いる以外は実施例4と同様にして、二酸化マンガンに対するホウ素含有量が2重量%となるように正極を製造した。
続いて負極の製作並びに電池の製作を実施例1と同様の方法で行った。
(比較例2)
比表面積が15m2/g、熱処理後の二酸化マンガンを用い、二酸化マンガンに酸化ホウ素を添加しないで、その他は実施例1と同様に正極を製造した。
続いて負極の製作並びに電池の製作を実施例1と同様の方法で行った。
[電池の保存特性評価]
上記のように作製した実施例及び比較例の各電池について、製造直後に内部抵抗及び低温下での大電流放電特性を測定した。また、各電池を80℃で30日間保存し、経時的に内部抵抗及び低温下での大電流放電特性を測定した。
電池の内部抵抗は、室温下で測定した。
低温下での大電流放電特性については、−30℃/において1.5Aで5秒間放電を行いながら電池電圧を測定した。そして、その5秒間における最低電圧値を記録した。その結果を表1,2及び図3〜6に示す。
Figure 2009283291
Figure 2009283291
表1は、各電池を放電深度0%で30日保存した後における低温下での大電流放電特性(低温下で5秒間放電したときの最低電圧値)であり、図3,4は、保存日数経過に伴って低温下での大電流放電特性がどのように変化したかを示す特性図である。また表2は、各電池を放電深度0%で30日保存した後における内部抵抗の値であり、図5,6は、保存日数に伴って内部抵抗がどのように変化したかを示す特性図である。
表1及び図3,4の結果を見ると、いずれの電池も、保存日数の経過に伴って、低温下大電流の放電特性が低下する傾向が見られるが、実施例1〜4では比較例1と比べて、低温下大電流放電特性の低下が少なく、実施例5〜8でも、比較例2と比べて、低温下大電流放電特性の低下が少ない。また、実施例1,2,3,4の順、並びに実施例5,6,7,8の順で低温下大電流放電特性の低下が少なくなっている。
これは、実施例のリチウム電池用正極の製造方法によって製造されたリチウム電池は、二酸化マンガンにホウ素を含有しない比較例のリチウム電池と比べて、電池保存時における低温下大電流放電特性の低下を抑える効果があり、ホウ素の添加量が大きいほどその効果が大きいことを示している。
また表1及び図3,4の結果において、二酸化マンガンの比表面積が40m2/gの場合の方が、15m2/gの場合と比べて、電池保存時における低温下における大電流放電特性の低下が少ない。これは、正極に用いる二酸化マンガンの比表面積が大きい方が、電池保存時における低温下大電流放電特性の低下を抑える効果が大きいことを示している。
一方、表2及び図5,6の結果を見ると、いずれの電池も、保存日数の経過に伴って、電池の内部抵抗が上昇する傾向が見られるが、実施例1〜4では比較例1と比べて内部抵抗の上昇が抑えられ、実施例5〜8でも比較例2と比べて内部抵抗の上昇が抑えられている。また、実施例1,2,3,4の順、並びに実施例5,6,7,8の順で、内部抵抗の上昇が少なくなっている。
これは、実施例のリチウム電池用正極の製造方法によって製造されたリチウム電池は、二酸化マンガンにホウ素を含有しない比較例のリチウム電池と比べて、電池保存時における内部抵抗の上昇を抑える効果があり、ホウ素の添加量が大きいほどその効果が大きいことを示している。
また表2及び図5,6の結果において、二酸化マンガンの比表面積が40m2/gの場合と15m2/gの場合とを比べると、比表面積が15m2/gの場合の方が内部抵抗の上昇が抑えられていることがわかる。これは、正極に用いる二酸化マンガンの比表面積が小さい方が、保存日数の経過に伴う内部抵抗の上昇を抑える効果が大きいことを示している。
以上のように、本発明の製造方法によれば、リチウム電池において、電池保存に伴う内部抵抗の上昇を抑制すると共に低温大電流での初期電圧降下を防ぐ効果があるので、緊急車載用、AED(自動対外式除細動機)など低温下で大電流が要求される機器に適している。
実施の形態にかかる円筒型リチウム電池の構成を示す図である。 正極12を作製する工程を示す図である。 実施例にかかるリチウム電池(二酸化マンガンの比表面積40m2/g)において、保存日数に伴う低温下での大電流放電特性変化を示す特性図である。 実施例にかかるリチウム電池(二酸化マンガンの比表面積15m2/g)において、保存日数に伴う低温下での大電流放電特性変化を示す特性図である。 実施例にかかるリチウム電池(二酸化マンガンの比表面積40m2/g)において、保存日数に伴う内部抵抗の変化を示す特性図である。 実施例にかかるリチウム電池(二酸化マンガンの比表面積15m2/g)において、保存日数に伴う内部抵抗の変化を示す特性図である。
符号の説明
1 負極リード
2 負極端子
4 レーザ溶接部
5 封口体
6 正極リード
8 金属ケース
12 正極
13 負極

Claims (5)

  1. ホウ素化合物を水溶液の状態で二酸化マンガンと混合してホウ素含有二酸化マンガンを製造する第1ステップと、
    前記第1ステップで製造したホウ素含有二酸化マンガンを芯材に保持させる第2ステップとを備えることを特徴とするリチウム電池用正極の製造方法。
  2. 前記第1ステップにおいて、
    二酸化マンガンに対するホウ素の添加混合量が0.05〜2重量%となるようにホウ素化合物の水溶液を二酸化マンガンと混合する請求項1記載のリチウム電池用正極の製造方法。
  3. 前記第1ステップで用いる二酸化マンガンは、比表面積が15〜40m2/gであることを特徴とする請求項1または2記載のリチウム電池用正極の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか記載の製造方法で製造したリチウム電池用正極と、リチウムを含む負極とを用いてリチウム電池を製造することを特徴とするリチウム電池の製造方法。
  5. ホウ素化合物水溶液を二酸化マンガンと混合することによって作製したホウ素含有二酸化マンガンが芯材に保持されてなることを特徴とするリチウム電池用正極。
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