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JP2009279839A - 積層体と該積層体より得られる保護フィルム層付き硬化塗膜層の製造方法 - Google Patents

積層体と該積層体より得られる保護フィルム層付き硬化塗膜層の製造方法 Download PDF

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JP2009279839A JP2008134404A JP2008134404A JP2009279839A JP 2009279839 A JP2009279839 A JP 2009279839A JP 2008134404 A JP2008134404 A JP 2008134404A JP 2008134404 A JP2008134404 A JP 2008134404A JP 2009279839 A JP2009279839 A JP 2009279839A
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Jun Kaneko
純 金子
Teruhiro Takayanagi
彰宏 高柳
Naoki Fujino
直樹 藤野
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Abstract

【課題】硬化塗膜層を支持フィルム層と保護フィルム層との間に形成した積層体であって、支持フィルム層を剥離した際に反りが発生しにくい積層体と、該積層体より得られる保護フィルム層付き硬化塗膜層の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明の積層体は、支持フィルム層と硬化塗膜層と保護フィルム層とを有し、硬化塗膜層が支持フィルム層と保護フィルム層の間に配置され、硬化塗膜層が放射線硬化性塗料の硬化塗膜から形成されており、保護フィルム層が、引張破断強度220MPa以下である樹脂フィルムで形成されていることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、積層体と該積層体より得られる保護フィルム層付き硬化塗膜層の製造方法に関する。
放射線硬化性塗料を硬化させた硬化塗膜は、建材等の表面に耐擦傷性を付与するハードコート、建材の表面に意匠性を付与する化粧シートのベースフィルム等として用いられている。
硬化塗膜は、支持フィルムと保護フィルムに挟まれた積層体の状態で建材メーカー等に供給され、建材メーカーにおいて支持フィルムを剥離し、剥離面に接着剤層を形成した後、建材などの基材に貼付される。
このような積層体は、例えば下記のようにして製造される(特許文献1参照)。
支持フィルム上に、必要に応じて、プライマー層、印刷層等を形成した後、その表面に放射線硬化性塗料を塗布する。放射線硬化性塗料による塗膜の表面を保護フィルムで被覆した後、放射線硬化性塗料に放射線を照射し、放射線硬化性塗料を硬化させ、硬化塗膜を形成する。
特開2005−81764号公報
しかしながら、このような積層体より支持フィルムを剥離すると、支持フィルム剥離後の保護フィルム付き硬化塗膜が反ってしまうという問題がある。この理由は下記の通りである。
前記支持フィルム及び保護フィルムとしては、強靭性、耐熱性に優れた2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、2軸延伸PETフィルムとする)が用いられる。放射線硬化性塗料による硬化塗膜には、硬化する際に収縮しようとする性質がある。ところが、強靭な2軸延伸PETフィルムに挟まれているため、硬化塗膜形成の際、放射線硬化性塗料による硬化塗膜は収縮することができない。そのため、硬化塗膜には放射線硬化性塗料が硬化する際に発生した収縮応力が残留している。従って、支持フィルムを剥離すると該収縮応力が解放され、硬化塗膜が収縮する傾向にあり、支持フィルム剥離後の保護フィルム付き硬化塗膜が反ってしまう。
支持フィルム剥離後の保護フィルム付き硬化塗膜が反ってしまうと、接着剤層の形成が困難になったり、反り応力によって、硬化塗膜が建材等の基材から経時的に剥離したりする。
支持フィルム剥離後の保護フィルム付き硬化塗膜の反りは、硬化塗膜が高硬度、厚膜であるほど顕著であり、放射線硬化性塗料の架橋密度や硬化塗膜の厚さなどを考慮する必要があり、硬化塗膜の高機能化に限界があるという問題もある。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、硬化塗膜層を支持フィルム層と保護フィルム層との間に形成した積層体であって、支持フィルム層を剥離した際に反りが発生しにくい積層体と、該積層体より得られる保護フィルム層付き硬化塗膜層の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の積層体は、支持フィルム層と硬化塗膜層と保護フィルム層とを有し、硬化塗膜層が支持フィルム層と保護フィルム層の間に配置され、硬化塗膜層が放射線硬化性塗料の硬化塗膜から形成されており、保護フィルム層が、引張破断強度220MPa以下である樹脂フィルムで形成されていることを特徴とする。
本発明の積層体を形成する前記樹脂フィルムの150℃で30分保持した際の熱収縮率は0.4〜3%であると好ましい。
更に、前記支持フィルム層、及び前記保護フィルム層の厚さが12〜100μmであると好ましい。
本発明の保護フィルム層付き硬化塗膜層の製造方法は、前記積層体より、支持フィルム層を剥離する方法であることを特徴とする。
本発明の積層体によれば、支持フィルム剥離後の保護フィルム層付き硬化塗膜層の反り返りを防ぐことができ、放射線硬化性塗料の種類や厚さ等の選択幅を広げることが可能となる。
図1は本発明の積層体の一例を示す断面図である。積層体10は、支持フィルム層11と硬化塗膜層12と保護フィルム層13とを有し、該硬化塗膜層12が支持フィルム層11と保護フィルム層13の間に配置され、該硬化塗膜層12が放射線硬化性塗料の硬化塗膜から形成されており、保護フィルム層13が、引張破断強度220MPa以下である樹脂フィルムで形成されていることを特徴とする。
〔支持フィルム層〕
支持フィルム層11は、例えば、本発明の積層体10を建材等の基材に貼付する際に接着剤層等を付与するため等、必要に応じて剥離する。
支持フィルム層11として用いられるフィルムは、硬化塗膜層12から容易に剥離できるものであれば制限されず、例えば2軸延伸PETフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のほか、シリコーン等の剥離材で被覆された紙などが挙げられる。
支持フィルム層11の厚さは、取扱性やコスト等の点から、12〜100μmであることが好ましく、25〜50μmであると更に好ましい。支持フィルム層11の厚さが12μm以上であれば、取扱性に問題がなく、しわになりにくい。100μm以下であれば、コシが強すぎず、放射線を照射し塗膜を硬化させて硬化塗膜層12を形成する際に発生する収縮応力に追従できる。
〔保護フィルム層〕
保護フィルム層13は、硬化塗膜層12から剥離可能とされ、硬化塗膜層12の表面を保護するものである。従って、支持フィルム層11剥離後の保護フィルム層13付き硬化塗膜層12を貼付した製品の使用直前までそのまま残しておいてよい。
保護フィルム層13は、引張破断強度が220MPa以下、好ましくは50〜200MPa、特に好ましくは50〜100MPaの樹脂フィルムで形成されている。ここで、引張破断強度はJIS C−2318に記載の測定方法によって求めたものとする。
保護フィルム層13を形成する樹脂フィルムの引張破断強度が220MPa以下であれば、保護フィルム層13は柔軟性を得る。従って、支持フィルム層11を剥離した後解放される硬化塗膜層12の収縮応力に保護フィルム層13が追従する傾向にあり、保護フィルム層13付き硬化塗膜層12が反り返りにくい。対して、保護フィルム層13を形成する樹脂フィルムの引張破断強度が220MPaを超えると、保護フィルム層13の柔軟性が失われる。従って、支持フィルム層11を剥離した後、保護フィルム層13は硬化塗膜層12の解放される収縮応力に追従し難く、支持フィルム層11剥離後の保護フィルム層13付き硬化塗膜層12が反る傾向にある。
また、該樹脂の引張破断強度が50MPa以上であれば、保護フィルム層13が柔らかすぎることなく、支持フィルム層11を剥離した後、硬化塗膜層12の解放される収縮応力によって保護フィルム層13にしわができる等のことが起こりにくい。
引張破断強度が220MPa以下の樹脂フィルムとして具体的には、2軸延伸ポリプロピレンフィルム(以下OPPフィルムとする)、ポリエチレンフィルム(以下PEフィルムとする)、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム(以下EVAフィルムとする)、ポリブチレンテレフタレートフィルム(以下PBTフィルムとする)、易成形ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下易成形PETフィルムとする)、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下PET−Gフィルムとする)、エチレン・メチルメタアクリレート共重合体フィルム(以下EMMAフィルムとする)等が挙げられる。
なお、易成形PETとは、ポリエチレンテレフタレートの一種で、ポリエチレンテレフタレートのジカルボン酸成分がテレフタル酸であるのに対し、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸の他、イソフタル酸及び/又はフタル酸が含まれているものである。易成形PETは通常の2軸延伸ポリエチレンテレフタレートと比較すると、分子配列に隙間が多く、その結晶性が制御される。従って、フィルムとして形成した後、ポリエチレンテレフタレートフィルムに特有な、強靭性、耐熱性を有しながらも、220MPa以下の引張破断強度を有している。
また、PET−Gもポリエチレンテレフタレートの一種であり、ポリエチレンテレフタレートのグリコール成分がエチレングリコールであるのに対し、グリコール成分として、エチレングリコールの他、ジオールが含まれている非結晶性ポリエステルである。従って、フィルムとして形成した後、ポリエチレンテレフタレートに特有な、強靭性、耐熱性を有しながらも、220MPa以下の引張破断強度を有している。
また、保護フィルム層13は、最終製品の硬化塗膜の表面状態を左右することがある。これは、硬化塗膜層12が保護フィルム層13で塗膜を被覆した後に形成されるもので、硬化塗膜層12の表面状態は保護フィルム層13の表面状態によるものである為である。従って、より平滑な塗膜表面を得るためには、鏡面性にすぐれている易成形PETによるフィルムを保護フィルム層に使用すると好ましい。なお、塗膜の表面に凹凸をつけ、艶消しされた硬化塗膜層12を得るには、保護フィルム層13としてOPPフィルムやPBTフィルムを用いると好ましい。
更に、保護フィルム層13に用いる樹脂フィルムの熱収縮率(測定条件:150℃、30分)は0.4〜3.0%であると好ましく、1.5〜2.5%であると更に好ましい。熱収縮率が0.4%以上であれば保護フィルム層付き硬化塗膜層の反りが発生しにくくなり、熱収縮率が3.0%以下であれば充分な追従性が得られる。
保護フィルム層13の厚さは12〜100μmであると好ましく、20〜50μmであると更に好ましい。
保護フィルム層13の厚さが12μm以上であれば、放射線硬化性塗料を硬化させる際に、保護フィルム層13にしわができる等のことが起こりにくく、100μm以下であれば、硬化塗膜層12の解放される収縮応力に追従できる。
〔硬化塗膜層〕
硬化塗膜層12は、放射線硬化性塗料の硬化塗膜から形成されている。本発明における放射線とは紫外線あるいは電子線を意味する。
放射線硬化性塗料としては、硬化塗膜層を形成する際の塗工性や、貼付する際の柔軟性、耐磨耗性に優れることから、重合性オリゴマー及び重合性モノマーを含有するものを用いると好ましい。
なお、硬化塗膜層12が紫外線により硬化された場合は光開始剤などが含まれる。しかし、放射線硬化性塗料が、電子線により硬化される電子線硬化塗料の場合は、光重合開始剤は不要である。
重合性オリゴマーとしては、例えば、ウレタンアクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマー、エポキシアクリレートオリゴマー、アクリル樹脂アクリレート等のアクリル系オリゴマー;アリルエーテル系オリゴマー、ビニルエーテル系オリゴマー、アリルウレタン系オリゴマーなどが挙げられる。
これら重合性オリゴマーの中でも、高分子量イソシアネートと、ヒドロキシル基を有するアクリレートからなるウレタンアクリレートオリゴマーが、硬化時の収縮が少ない点で好ましい。高分子量イソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネートなどの芳香族イソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネートなどの脂肪族、脂環族イソシアネート等が挙げられる。ヒドロキシル基を有するアクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ペンタエリスリトールアクリレートなどが挙げられる。ウレタンアクリレートオリゴマーの質量平均分子量は、通常、400〜7000程度が好ましい。質量平均分子量が400〜7000のウレタンアクリレートオリゴマーを用いると、耐候性、可撓性に優れた硬化塗膜層となる。
また、他の好ましいアクリル系オリゴマーとしては、アクリル樹脂アクリレートを挙げることができる。アクリル樹脂アクリレートとは、ポリメチルメタクリレートを主成分とするアクリル共重合樹脂中に、あらかじめカルボキシル基、エポキシ基、ヒドロキシル基などの官能基を持つ(メタ)アクリレートモノマーを共重合せしめ、各々の官能基に対応して付加反応する官能基を持つアクリレート系モノマーと付加反応させて二重結合が導入されたものである。
重合性モノマーとしては、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、イソオクチルアクリレート等の単官能アクリレート;1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等の2官能アクリレート;トリメチロールプロパントリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の多官能アクリレートなどが挙げられる。
放射線硬化性塗料中の重合性オリゴマーの含有量は特に限定しないが、45〜100質量%の範囲であると好ましく、55〜95質量%の範囲であるとさらに好ましい。一方、重合性モノマーの含有量は特に限定しないが、0〜55質量%の範囲であると好ましく、5〜45質量%の範囲であるとさらに好ましい。
重合性オリゴマーの含有量が45質量%以上(重合性モノマーの含有量が55質量%以下)であれば、得られる硬化塗膜層12は柔軟性に優れる。また、重合性オリゴマーの含有量が100質量%以下(重合性モノマーの含有量が0質量%以上)であれば得られる硬化塗膜層12は表面硬度が優れる。
光開始剤としては紫外線によりラジカルを発生するものであれば制限されないが、例えば、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、エチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィネート、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドなどが好ましい。
これら光開始剤は単独で用いてもよいし、2種類以上を混合してもよい。2種類以上混合する場合には、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトンと2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オンとの併用、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドと2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オンとの併用が好ましい。
さらに、光開始剤とともに、光開始助剤を添加することにより、紫外線によるラジカル発生効率を高めることもできる。
また、硬化塗膜層12には、必要に応じて、その他の添加剤として、紫外線吸収剤(例えばベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤)、光安定剤(例えばヒンダードアミン系光安定剤)、酸化防止剤、老化防止剤、レベリング剤、帯電防止剤、保存安定剤、可塑剤、滑剤、無機系充填剤、有機系充填剤、紫外線吸収能や近赤外線吸収能を有する酸化チタン、酸化亜鉛、ITOなどの金属(複合)酸化物微粒子、着色顔料等を添加することもできる。
硬化塗膜層12の厚さは、5〜300μmが好ましく、80〜150μmの範囲であると更に好ましい。硬化塗膜層12の厚さが5μm以上であると、耐候性に優れ、化粧シートとしての意匠性が発揮される。300μm以下であると、化粧シートの可撓性が良好で、取扱性が好ましい。
〔その他の層〕
また、本発明の積層体10には、支持フィルム層11と硬化塗膜層12との間に、積層体10に絵柄や模様を付与する印刷層やプライマー層等の層を設けることも可能である。
〔積層体の形成〕
次に本発明の積層体10の製造方法の一例を示す。
まず、一定方向に移動する支持フィルム層11の表面に、放射線硬化性塗料を連続的に塗布し、塗膜を形成する。次いで、塗膜上を保護フィルム層13により連続的に被覆し、この保護フィルム層13上から、塗膜に窒素ガス雰囲気下で適切な条件の放射線を照射し、塗膜を硬化させて硬化塗膜層12を形成する。
このとき、保護フィルム層13として、片面に凹凸を有するエンボスフィルムを用いると、硬化塗膜層12の表面に硬化と同時にエンボス加工を施すことができる。
なお、塗膜の硬化後、得られた積層体10より支持フィルム層11を剥離し、保護フィルム層13付き硬化塗膜層12を得る。支持フィルム層11を剥離した後、接着剤等を塗布しても良い。
以上説明した積層体10では、保護フィルム層13として引張破断強度が220MPa以下の柔軟な樹脂フィルムを用いている。従って、積層体10より支持フィルム層11を剥離しても、保護フィルム層13付き硬化塗膜層12に反りが生じにくい。この理由は以下の通りである。
従来の積層体では、保護フィルムとして2軸延伸PETフィルムを用いていた。しかし、2軸延伸PETフィルムは強靭であるため、硬化塗膜層12において硬化時に発生する収縮応力が残留する傾向にあり、保護フィルムを剥離し、硬化塗膜層12の収縮応力が解放されたとき、反りが生じる。
本発明の積層体10では、保護フィルム層13に引張破断強度が220MPa以下の樹脂フィルムを用いた。この保護フィルム層13は、柔軟であるので、支持フィルムを剥離した際に解放される硬化塗膜層12の解放された収縮応力に追従して縮む傾向にあり、保護フィルム層13付き硬化塗膜層12の反り返りを防ぐことができる。
つまり、本発明の積層体によれば、支持フィルム剥離後の保護フィルム層付き硬化塗膜層の反りを防ぐことができる。従って、ハードコートや化粧シートのベースフィルム等として貼付に好ましい平らで、経時的に剥離しにくい硬化塗膜を製造することができる。更には、放射線硬化性塗料の種類や厚さ等の選択幅を広げることが可能となる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
また、本発明の実施例、比較例で用いた放射線硬化性塗料を以下に示す。
〔放射線硬化性塗料〕
放射線硬化性塗料(A):
重合性オリゴマー(ウレタンアクリレート(ダイセル・サイテック製、EBECRYL 5129)):80質量%
重合性モノマー(アクリレートモノマー(ダイセル・サイテック製、TPGDA)):20質量%
これらを配合したウレタンアクリレート系の放射線硬化性塗料。
放射線硬化性塗料(B):
重合性オリゴマー(ウレタンアクリレート(ダイセルUCB製、EBECRYL4866)):60質量%
重合性モノマー(イソボニルアクリレート(共栄社化学製、ライトアクリレートIB−XA));40質量%
これらを配合したウレタンアクリレート系の放射線硬化性塗料。
〔実施例1〕
支持フィルム層として厚さ50μm、引張破断強度206MPa、熱収縮率0.5%の2軸延伸PETフィルム(ユニチカ(株)製、S−50)を用意した。次に、放射線硬化性塗料(A)を該支持フィルム層の片側の全面に50μm塗工し塗膜を形成した。その後、保護フィルム層として、厚さ50μm、引張破断強度100MPa、熱収縮率2.3%の易成形PETフィルム(帝人デュポン(株)製、テフレックスFT−3)を用いて塗膜を被覆した。
次いで、保護フィルム層の上より、窒素ガス雰囲気中、加速電圧200kV、線量70kGyの条件で電子線照射を行い、塗膜を硬化させて硬化塗膜層とし、積層体を形成した。
〔実施例2〕
硬化塗膜層を、放射線硬化性塗料(B)を50μm塗工して形成し、保護フィルム層として、厚さ50μm、引張破断強度10MPa、熱収縮率2.0%の易成形PETフィルム(帝人デュポン(株)製、テフレックスFT−7)を用いた他は、実施例1と同様にして積層体を形成した。
〔実施例3〕
保護フィルム層として、厚さ40μm、引張破断強度150MPa、熱収縮率1.9%のOPPフィルム(東洋紡績(株)製、パイレンフィルムP2002)を用いた他は、実施例1と同様にして積層体を形成した。
〔実施例4〕
支持フィルム層として、厚さ40μmのOPPフィルム(東洋紡績(株)製、パイレンフィルムP2002)を用い、保護フィルム層として厚さ40μm、引張破断強度150MPa、熱収縮率1.9%のOPPフィルム(東洋紡績(株)製、パイレンフィルムP2002)を用いた他は実施例1と同様にして積層体を形成した。
〔実施例5〕
保護フィルム層として、厚さ55μm、引張破断強度25MPa、熱収縮率2.5%のPBTフィルム(東レ(株)製、トレコン1401X06)を用いた他は実施例1と同様にして積層体を形成した。
〔実施例6〕
保護フィルム層として、厚さ100μm、引張破断強度30MPa、熱収縮率1.3%のPEフィルム(タマポリ(株)製、UB−1)を用いた他は実施例1と同様にして積層体を形成した。
〔実施例7〕
保護フィルム層として、厚さ100μm、引張破断強度30MPa、熱収縮率1.4%のEVAフィルム(タマポリ(株)製、SB−5)を用いた他は実施例1と同様にして積層体を形成した。
〔実施例8〕
保護フィルム層として、厚さ100μm、引張破断強度15MPa、熱収縮率1.3%のEMMAフィルム(サンビック(株)製、サンクリアーE)を用いた他は実施例1と同様にして積層体を形成した。
〔実施例9〕
保護フィルム層として、厚さ100μm、引張破断強度50MPa、熱収縮率2.5%のPET−Gフィルム(シーアイ化成(株)製、GSR)を用いた他は実施例1と同様にして積層体を形成した。
〔比較例1〕
保護フィルム層として、厚さ50μm、引張破断強度255〜265MPa、熱収縮率0.4〜1.3%の2軸延伸PETフィルム(帝人デュポン(株)製、S50)を用いた他は実施例1と同様にして積層体を形成した。
〔比較例2〕
硬化塗膜層を、放射線硬化性塗料(B)を50μm塗工して形成し、保護フィルム層として、厚さ75μm、引張破断強度225〜255MPa、熱収縮率0.4〜1.2%の2軸延伸PETフィルム(帝人デュポン(株)製、S75)を用いた他は実施例1と同様にして積層体を形成した。
〔積層体の状態〕
実施例1〜9及び比較例1〜2で得られた積層体より得た、150×150mmの試験片より、支持フィルム層を剥離してから1時間後の保護フィルム層付き硬化塗膜層の状態を目視にて以下の基準で評価した。
○:支持フィルム剥離後の保護フィルム層付き硬化塗膜層が平滑なままであった。
×:支持フィルム剥離後の保護フィルム層付き硬化塗膜層がまるまった。
Figure 2009279839
表中の略号は以下の通りである。
2軸延伸PET:2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム
易成形PET :易成形ポリエチレンテレフタレートフィルム
OPP :2軸延伸ポリプロピレンフィルム
PBT :ポリブチレンテレフタレートフィルム
PE :ポリエチレンフィルム
EVA :エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム
EMMA :エチレン・メチルメタアクリレート共重合体フィルム
PET−G :グリコール変性ポリエチレンテレフタレートフィルム
表1で示したように、実施例1〜9で得られた積層体は、保護フィルム層に引張破断強度が220MPa以下である樹脂フィルムを使用しているので、支持フィルム層剥離後、保護フィルム層が硬化塗膜層の解放された収縮応力に追従し、硬化塗膜層の種類や厚さにかかわらず保護フィルム層付き硬化塗膜層が反り返らず、平滑なままであった。
対して、比較例1及び2で得られた積層体は、保護フィルム層に引張破断強度が220MPa以上である2軸延伸PETフィルムを使用しているので、支持フィルム剥離後の保護フィルム層付き硬化塗膜層が反り、まるまった状態になってしまった。
本発明に係る積層体の断面図である。
符号の説明
10:積層体
11:支持フィルム層
12:硬化塗膜層
13:保護フィルム層

Claims (4)

  1. 支持フィルム層と硬化塗膜層と保護フィルム層とを有し、
    硬化塗膜層が支持フィルム層と保護フィルム層の間に配置され、
    硬化塗膜層が放射線硬化性塗料の硬化塗膜から形成されており、
    保護フィルム層が、引張破断強度220MPa以下である樹脂フィルムで形成されている積層体。
  2. 前記樹脂フィルムの150℃で30分保持した際の熱収縮率が0.4〜3%である請求項1に記載の積層体。
  3. 前記支持フィルム層、及び前記保護フィルム層の厚さが12〜100μmである、請求項1又は2に記載の積層体。
  4. 請求項1〜3いずれか記載の積層体より、支持フィルム層を剥離する保護フィルム層付き硬化塗膜層の製造方法。
JP2008134404A 2008-05-22 2008-05-22 積層体と該積層体より得られる保護フィルム層付き硬化塗膜層の製造方法 Pending JP2009279839A (ja)

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