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JP2009258517A - 定着装置およびそれを備える画像形成装置 - Google Patents

定着装置およびそれを備える画像形成装置 Download PDF

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JP2009258517A
JP2009258517A JP2008109605A JP2008109605A JP2009258517A JP 2009258517 A JP2009258517 A JP 2009258517A JP 2008109605 A JP2008109605 A JP 2008109605A JP 2008109605 A JP2008109605 A JP 2008109605A JP 2009258517 A JP2009258517 A JP 2009258517A
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fixing belt
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high thermal
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Toshiaki Kagawa
敏章 香川
Hiroyuki Kageyama
洋行 景山
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Sharp Corp
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Abstract

【課題】 簡易な構成で非通紙部の異常昇温を抑制でき、ウォームアップ時間が短く高速化を実現可能な定着装置およびこの定着装置を備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】 定着装置15は、未定着トナー像を記録媒体に定着させる定着ベルト113と、定着ベルト113を加熱する面状加熱部材203と、加圧ローラ15bとを備え、加熱部材203は、PTC特性を有するセラミック発熱体200と高熱伝導性熱拡散部材166とを含み、定着ベルト113は、無端状に形成され、少なくとも高熱伝導性熱拡散部材203に懸架されることで加熱され、前記発熱体100は、高熱伝導性熱拡散部材166を介して定着ベルト113の幅方向全体に当接し、高熱伝導性熱拡散部材166は、定着ベルト113の幅方向全体に当接して、前記発熱体200で発生した熱を定着ベルト113の進行方向に拡散させる。このような定着装置15を備えて画像形成装置が実現される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、定着装置およびそれを備える画像形成装置に関するものである。
電子写真法に基づいて画像を形成する電子写真方式の画像形成装置は、良好な画質品位を有する画像を容易に形成できることから、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置、複合機などに広く利用される。
電子写真方式の画像形成装置(以下、単に「画像形成装置」という)は、たとえば感光体と、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを含む。画像形成装置は、感光体およびこれらの手段を用いて帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程および定着工程を行い、記録媒体に画像を形成する装置である。
定着工程を行う定着手段として、たとえば熱ローラ定着方式の定着装置を用いる。熱ローラ定着方式の定着装置は、定着ローラと、加圧ローラとを含む。定着ローラおよび加圧ローラは、互いに圧接するローラ対である。定着ローラおよび加圧ローラの少なくともいずれか一方の内部には、加熱手段としてハロゲンヒータなどの熱源を含む。
定着工程において、熱源が定着に必要な所定の温度(以下「定着温度」という)までローラ対を加熱した後、未定着トナー像が形成された記録媒体が定着ローラと加圧ローラとの圧接部である定着ニップ部に供給される。定着ニップ部を通過する未定着トナー像は、定着ローラおよび加圧ローラの少なくともいずれか一方から伝わる熱と、定着ローラおよび加圧ローラの圧力とによって、紙などの記録媒体に定着される。定着ニップ部において、記録媒体が通過した部分(以下「通紙部」という)は温度が低下するが、加熱源によって定着温度まで加熱される。
フルカラー印刷の可能な画像形成装置に備えられる定着装置では、たとえばシリコーンゴムなどからなる弾性層を表面に設けた定着ローラ(以下「弾性ローラ」という)を用いる。弾性ローラを用いると、定着ニップ部において弾性ローラ表面の弾性層が未定着トナー像の凹凸に対応して弾性変形し、未定着トナー像を覆い包むようにして弾性ローラと未定着トナー像とが接触するので、単色画像に比べてトナー量の多いカラーの未定着トナー像に対して、定着性を良好にすることができる。また、弾性ローラ表面の弾性層の歪み解放効果によって、単色画像に比べてオフセットしやすいカラートナーの離型性を向上させることができる。具体的には、定着ニップ部で圧縮され、歪の生じた弾性層は、定着ニップ部の出口で、その歪が解放されるので、定着ニップ部の出口では、弾性層とトナー像との間にずれが生じ、その結果、弾性層のトナー像に対する付着力が低減され、離型性が向上する。また、定着ニップ部における定着ローラおよび加圧ローラの形状であるニップ形状が、定着ローラ側に凸(逆ニップ形状)となるので、定着ローラと記録媒体との剥離性能を向上させることができる。したがって、定着ローラと記録媒体とを剥離する剥離手段としてたとえば剥離爪を用いることなく記録媒体と定着ローラとの剥離が可能なセルフストリッピングを実現することができるので、剥離手段に起因する画像欠陥を解消することができる。
このようなフルカラー印刷の可能な画像形成装置に備えられる定着装置において、高速化に対応するためには定着ニップ部の幅(以下「定着ニップ幅」という)を広くする必要がある。定着ニップ幅を広くする手段として、弾性ローラの弾性層を厚くする、弾性ローラ径を大きくするという2つの方法が挙げられる。しかし、弾性ローラの弾性層の熱伝導性は非常に低いので、弾性ローラの弾性層を厚くすると、従来の弾性ローラのように弾性ローラ内部に加熱手段があると、ウォームアップ時間が長くなり、またプロセス速度を高速化すると、定着ローラの温度が定着温度に追従しなくなる問題がある。また、弾性ローラ径を大きくすると、加熱手段の消費電力が増大する問題がある。
このような問題を解決するために、定着ローラと加圧ローラと加熱ローラと定着ベルトとを含み、定着ローラと加熱用ヒータを内部に含む加熱ローラとの間に定着ベルトを掛け渡し、定着ベルトを介して定着ローラと加圧ローラとを圧接させるベルト定着方式の定着装置が特許文献1に開示されている。特許文献1に開示の定着装置では、加熱手段である加熱ローラによって熱容量の小さい定着ベルトを加熱し、熱容量の大きい弾性層を加熱しないので、ウォームアップ時間を短くすることができ、また加熱手段を定着ローラに内蔵する必要がなく、スポンジゴムなどからなる低硬度の弾性層を厚く設けることができるので、広い定着ニップ幅を確保することができる。
前述のようなベルト定着方式の定着装置において、加熱手段を面状発熱体とする面状発熱ベルト定着方式の定着装置が特許文献2に開示されている。特許文献2に開示の定着装置は、面状発熱体の熱容量が加熱用ヒータの熱容量より小さいので、特許文献1に開示の定着装置に含まれる加熱手段と比べて、加熱手段の熱容量を小さくすることができる。また、加熱手段である面状発熱体は、定着ベルトに当接し、定着ベルトを加熱するので、加熱用ヒータで間接的に加熱ローラを加熱する特許文献1に開示の定着装置に比べて熱応答性を向上させることができ、ウォームアップ時間の更なる短縮および更なる省エネ化を達成できる。
また、特許文献1に開示の定着装置は、定着工程において、定着装置の最大通紙幅に対して小さいサイズの記録媒体(以下「小サイズ紙」という)を連続で通紙すると、定着ニップ部において、小サイズ紙が通紙する通紙部は、熱が奪われた分だけ加熱手段によって加熱されて温度が回復するのに対して、小サイズ紙の外側の非通紙部では熱が奪われないにもかかわらず加熱手段によって加熱されるので、非通紙部の温度が異常に上昇する現象が起る。この現象が起こると、その直後に普通サイズ紙を通紙した場合、異常な昇温部分による高温オフセットの発生や紙しわなどの原因となる。そのため、特許文献2に開示の定着装置では、抵抗発熱層を中央のみ発熱する系統と両端部だけが発熱する系統とに分けることで対応している。しかしながら、この場合、分割した系統の数だけ、サーミスタなどの温度センサおよびサーモスタットなどの安全スイッチが必要となり、システムが非常に複雑化してしまうという問題がある。
定着装置としては、熱ローラ定着方式の定着装置の他に、フィルム定着方式の定着装置がある。フィルム定着方式の定着装置は、定着ベルトよりも薄い定着フィルムを用い、定着ニップ部に定着フィルムを介して加熱手段を配置し、たとえばフルカラー印刷の可能な画像形成装置に備えられる定着装置として使用される。特許文献3には、前述のような問題を解決するために、加熱手段に正温度係数(Positive Temperature Coefficient;PTC)特性を有する発熱パターンを形成し、定着フィルムの移動方向に電流が流れるように電極を形成したフィルム定着方式の定着装置が開示されている。特許文献3に開示の定着装置によれば、システムが非常に複雑化することなく、非通紙部の異常昇温を防止することができる。
特開平10−307496号公報 特開2002−333788号公報 特開2000−223244号公報
しかしながら、特許文献3に開示されているような、定着するのに必要な200℃程度の温度で電気抵抗が上昇する正温度係数特性を有する発熱体は、チタン酸バリウムなどのセラミック系材料の発熱体しかなく、通常、特許文献2のように、曲率を持つ面状発熱体のような形状にセラミック発熱体を加工することは困難である。したがって、正温度係数特性を有するセラミック発熱体を用いる場合は、定着ベルトまたは定着フィルムの移動方向に関して、前記発熱体が接触する幅である加熱ニップ幅が狭くなり、前記発熱体が定着ベルトまたは定着フィルムを充分に加熱することができないので、定着装置の高速化を実現できない。
本発明の目的は、簡易な構成で非通紙部の異常昇温を抑制でき、ウォームアップ時間が短く高速化を実現可能な定着装置およびこの定着装置を備えた画像形成装置を提供することである。
本発明は、未定着トナー像を記録媒体に定着させる定着ベルトと、
定着ベルトを加熱する面状の加熱部材と、
定着ベルトを加圧して定着を補助する加圧部材とを備え、
加熱部材は、正温度係数特性を有するセラミック発熱体と、高熱伝導性熱拡散部材とを含み、
定着ベルトは、無端状に形成され、少なくとも前記高熱伝導性熱拡散部材に懸架されることで加熱され、
前記発熱体は、前記高熱伝導性熱拡散部材を介して定着ベルトの幅方向全体に当接し、
前記高熱伝導性熱拡散部材は、定着ベルトの幅方向全体に当接し、前記発熱体で発生した熱を定着ベルトの進行方向に拡散させることを特徴とする定着装置である。
また本発明は、未定着トナー像を記録媒体に定着させる定着部材と、
定着部材を加熱する定着ベルトと、
定着ベルトを加熱する面状の加熱部材と、
定着部材を加圧して定着を補助する加圧部材とを備え、
加熱部材は、正温度係数特性を有するセラミック発熱体と、高熱伝導性熱拡散部材とを含み、
定着ベルトは、無端状に形成され、少なくとも前記高熱伝導性熱拡散部材に懸架されることで加熱され、定着部材の幅方向全体に当接して定着部材を加熱し、
前記発熱体は、前記高熱伝導性熱拡散部材を介して定着ベルトの幅方向全体に当接し、
前記高熱伝導性熱拡散部材は、定着ベルトの幅方向全体に当接し、前記発熱体で発生した熱を定着ベルトの進行方向に拡散させることを特徴とする定着装置である。
また本発明は、正温度係数特性を有するセラミック発熱体は、前記発熱体で発生した熱が定着ベルトの進行方向の上流側と下流側との両方向に拡散されるよう高熱伝導性熱拡散部材に当接されることを特徴とする。
また本発明は、高熱伝導性熱拡散部材は、アルミニウム製であることを特徴とする。
また本発明は、高熱伝導性熱拡散部材は、銅製であることを特徴とする。
また本発明は、高熱伝導性熱拡散部材は、自励振動式ヒートパイプで構成されることを特徴とする。
また本発明は、高熱伝導性熱拡散部材は、その厚さが熱拡散方向に向かって薄くなる形状であることを特徴とする。
また本発明は、記録媒体にトナー像を形成するトナー像形成手段と、
トナー像形成手段によって形成されたトナー像を記録媒体に定着する前記定着装置とを備えることを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、定着装置は、未定着トナー像を記録媒体に定着させる定着ベルトと、定着ベルトを加熱する面状の加熱部材と、定着ベルトを加圧して定着を補助する加圧部材とを備え、加熱部材は、定着ベルトの幅方向全体を加熱でき、正温度係数(Positive
Temperature Coefficient;PTC)特性を有するセラミック発熱体と、高熱伝導性熱拡散部材とを含む。定着ベルトは、無端状に形成され、少なくとも前記高熱伝導性熱拡散部材に懸架されることで加熱される。前記発熱体は、高熱伝導性熱拡散部材を介して定着ベルトの幅方向全体に当接し、高熱伝導性熱拡散部材は、定着ベルトの幅方向全体に当接して、前記発熱体で発生した熱を定着ベルトの進行方向に拡散させ、前記発熱体で発生した熱を定着ベルトに伝える。
正温度係数(以下「PTC」ともいう)特性を有するセラミック発熱体(以下単に「セラミック発熱体」または「発熱体」ともいう)は、200℃程度以上の温度になると、電気抵抗が上昇し、発熱が抑制されるという特性を有する。このような発熱体が高熱伝導性熱拡散部材を介して定着ベルトの幅方向全体に当接して定着ベルトを加熱すると、定着ベルトにおいて小サイズ紙を連続で通紙する場合に記録媒体と接触しない部分(以下「定着ベルト非通紙部」という)と高熱伝導性熱拡散部材を介して接する前記発熱体の部分は、200℃程度以上の温度になると電気抵抗が上昇し、その部分の発熱が抑制されるので、加熱する必要のない定着ベルト非通紙部への加熱を抑制することができる。これによって、従来の定着装置の構成より簡単な構成で定着ベルト非通紙部の異常昇温を抑制することができる。
また加熱部材が定着ベルトの幅方向全体に当接して前記発熱体で発生した熱を定着ベルトの進行方向に拡散させる高熱伝導性拡散部材を含み、前記発熱体が高熱伝導性熱拡散部材を介して定着ベルトの幅方向全体に当接して定着ベルトを加熱することによって、前記発熱体で発生した熱が定着ベルトの進行方向に拡散され、高熱伝導性熱拡散部材を介さないで定着ベルトを加熱する場合より定着ベルトが加熱される範囲を広くできる。これによって、定着ベルトへの熱供給量を増加させることができるので、ウォームアップ時に定着ベルトの温度をすばやく上昇させることができ、また普通サイズ紙を通紙するときに温度追従性を確保することができる。したがって、簡単な構成で定着ベルト非通紙部の異常昇温を抑制でき、高速化を実現可能な定着装置を実現することができる。
また本発明によれば、定着装置は、未定着トナー像を記録媒体に定着させる定着部材と、定着部材を加熱する定着ベルトと、定着ベルトを加熱する面状の加熱部材と、定着部材を加圧して定着を補助する加圧部材とを備え、加熱部材は、定着ベルトの幅方向全体を加熱でき、PTC特性を有するセラミック発熱体と、高熱伝導性熱拡散部材とを含む。定着ベルトは、無端状に形成され、少なくとも高熱伝導性熱拡散部材に懸架されることで加熱され、定着部材の幅方向全体に当接して定着部材を加熱する。前記発熱体は、高熱伝導性熱拡散部材を介して定着ベルトの幅方向全体に当接し、高熱伝導性熱拡散部材は、定着ベルトの幅方向全体に当接して、前記発熱体で発生した熱を定着ベルトの進行方向に拡散させ、前記発熱体で発生した熱を定着ベルトに伝える。
セラミック発熱体は、200℃程度以上の温度になると、電気抵抗が上昇し、発熱が抑制されるという特性を有する。このような発熱体で定着ベルトを加熱し、さらにその定着ベルトで定着部材を加熱すると、定着部材において小サイズ紙を連続で通紙する場合に記録媒体と接触しない部分(以下「定着部材非通紙部」という)と定着ベルトおよび高熱伝導性熱拡散部材を介して接する前記発熱体の部分は、200℃程度以上の温度になると電気抵抗が上昇し、その部分の発熱が抑制されるので、加熱する必要のない定着部材非通紙部への加熱を抑制することができる。これによって、従来の定着装置の構成より簡単な構成で定着部材非通紙部の異常昇温を抑制することができる。
また加熱部材が定着ベルトの幅方向全体に当接して前記セラミック発熱体で発生した熱を定着ベルトの進行方向に拡散させる高熱伝導性拡散部材を含み、前記発熱体が高熱伝導性熱拡散部材を介して定着ベルトの幅方向全体に当接して定着ベルトを加熱し、その定着ベルトが定着部材の幅方向全体に当接して定着部材を加熱することによって、前記発熱体で発生した熱が定着ベルトの進行方向に拡散され、高熱伝導性熱拡散部材を介さないで定着ベルトを加熱する場合より定着ベルトが加熱される範囲を広くできる。これによって、定着ベルトおよび定着部材への熱供給量を増加させることができるので、ウォームアップ時に定着ベルトおよび定着部材の温度をすばやく上昇させることができ、また普通サイズ紙を通紙するときに温度追従性を確保することができる。したがって、簡単な構成で定着部材非通紙部の異常昇温を抑制でき、高速化を実現可能な定着装置を実現することができる。
また本発明によれば、正温度係数特性を有するセラミック発熱体は、前記発熱体で発生した熱が定着ベルトの進行方向の上流側と下流側との両方向に拡散するよう高熱伝導性熱拡散部材に当接される。これによって、セラミック発熱体で発生した熱が定着ベルトの進行方向の一方向にのみ拡散するようにセラミック発熱体を高熱伝導性熱拡散部材に当接させて定着ベルトを加熱する場合より、拡散する熱エネルギーを多くすることができるので、定着ベルトにおける加熱範囲を広くすることができ、定着ベルトへの熱供給量を増加させることができる。したがって、加熱部材の加熱性能を向上させることができるので、より高速の定着装置とすることができる。
また本発明によれば、高熱伝導性熱拡散部材は、アルミニウム製である。アルミニウムは、金属の中でも熱伝導性に優れ、また加工性および経済性にも優れるので、高熱伝導性熱拡散部材がアルミニウム製であることによって、加工性および経済性に優れ、定着ベルトにおける加熱範囲をより広くすることができ、定着ベルトの熱供給量をより増加させることができる高熱伝導性熱拡散部材を実現することができる。したがって、加熱部材の加熱性能を一層向上させることができるので、より一層高速の定着装置とすることができる。
また本発明によれば、高熱伝導性熱拡散部材は、銅製である。銅は、金属の中でも熱伝導性に優れ、また加工性および経済性にも優れるので、高熱伝導性熱拡散部材がアルミ製であることによって、加工性および経済性に優れ、定着ベルトにおける加熱範囲をより広くすることができ、定着ベルトの熱供給量をより増加させることができる高熱伝導性熱拡散部材を実現することができる。したがって、加熱部材の加熱性能を一層向上させることができるので、より一層高速の定着装置とすることができる。
また本発明によれば、高熱伝導性熱拡散部材は、自励振動式ヒートパイプ(商標名:ヒートレーン)で構成される。自励振動式ヒートパイプは、金属の中でも熱伝導性に優れるアルミニウムおよび銅よりさらに熱抵抗が低く、熱拡散性に優れるので、高熱伝導性熱拡散部材が自励振動式ヒートパイプで構成されることによって、定着ベルトにおける加熱範囲をより一層広くすることができ、定着ベルトの熱供給量をより一層増加させることができる高熱伝導性熱拡散部材を実現することができる。したがって、加熱部材の加熱性能をより一層向上させることができるので、より一層高速の定着装置とすることができる。
また本発明によれば、高熱伝導性熱拡散部材は、その厚さが熱拡散方向に向かって薄くなるような形状である。高熱伝導性熱拡散部材において、セラミック発熱体から遠ざかるほど、前記発熱体から拡散する熱エネルギーは徐々に少なくなる。熱拡散部材において、セラミック発熱体の近くでは熱拡散部材の厚さを厚くし、セラミック発熱体から遠くになるにつれて熱拡散部材の厚さを薄くすることで、熱拡散部材の熱容量を増やすことなく、拡散する熱エネルギーを増加させることができる。したがって、加熱部材の加熱性能をより一層向上させることができるので、より一層高速の定着装置とすることができる。
また本発明によれば、前述のような優れた本発明の定着装置と、トナー像形成手段とを備えて画像形成装置が構成される。本発明の定着装置は、高速化に対応しつつ、小サイズ紙を連続通紙するときの定着ベルト非通紙部または定着部材非通紙部の異常昇温を簡単な構成で抑制することができ、本発明の定着装置を備えて画像形成装置が構成されることによって、ウォームアップ時間が短く、高品位な画像形成できる画像形成装置とすることができる。
1、定着装置
本発明の第1の実施形態である定着装置は、未定着トナー像を記録媒体に定着させる定着ベルトと、定着ベルトを加熱する面状の加熱部材と、定着ベルトを加圧して定着を補助する加圧部材とを備える。前記加熱部材は、正温度係数特性を有するセラミック発熱体と、高熱伝導性熱拡散部材とを含む。定着ベルトは、無端状に形成され、少なくとも前記高熱伝導性熱拡散部材に懸架されることで加熱される。正温度係数特性を有するセラミック発熱体は、高熱伝導性熱拡散部材を介して定着ベルトの幅方向全体に当接し、高熱伝導性熱拡散部材は、定着ベルトの幅方向全体に当接して、前記発熱体で発生した熱を定着ベルトの進行方向に拡散させる。
<第1Aの実施形態の定着装置>
図1は、本発明の第1Aの実施形態の定着装置15の構成を模式的に示す断面図である。図1に示すように、定着装置15は、定着ローラ15aと、加圧ローラ15bと、無端状の定着ベルト113と、定着ベルト113を懸架し、加熱するための面状加熱部材203と、加圧ローラ15bを加熱するための熱源であるヒータランプ120と、定着ベルト113および加圧ローラ15bなどの温度を検出する温度検出手段を構成する温度センサとして第1および第2サーミスタ118,119とを備える。
定着装置15は、記録媒体の表面に形成された未定着のトナー画像を、熱および圧力によって記録媒体に定着させる。定着は、定着ベルト113と加圧ローラ15bとが圧接する定着ニップ部138において、所定の定着速度および複写速度で未定着トナー像を担持した記録媒体が搬送され、熱と圧力とによって行われる。定着速度とは所謂プロセス速度のことである。また、複写速度とは1分あたりのコピー枚数のことである。これらの速度は特に限定されるものではなく、本実施形態では、定着速度は173mm/secである。
未定着のトナー画像は、たとえば、非磁性トナーを含む非磁性1成分現像剤、非磁性トナーおよびキャリアを含む非磁性2成分現像剤、磁性トナーを含む磁性現像剤などの現像剤に含まれるトナーで形成される。
(1)定着ローラ
定着ローラ15aは、回転可能に設けられ、図示しない駆動モータ(駆動手段)によって回転駆動するローラ状部材である。定着ローラ15aは、定着ベルト113を介して加圧ローラ15bに圧接することで定着ニップ部138を形成すると同時に、回転駆動することによって定着ベルト113を搬送する目的のものである。定着ローラ15aは直径が30mmで、その内側から順に芯金153、弾性層154が形成された2層構造からなり、芯金153には、たとえば、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、銅等の金属あるいはそれらの合金等が用いられる。また、弾性層154にはシリコンゴム、フッ素ゴム等の耐熱性を有するゴム材料が適している。なお本実施形態では、芯金153に直径15mmのステンレス鋼、弾性層154に厚さ7.5mmのシリコンスポンジゴムを用いている。
(2)加圧ローラ
加圧部材である加圧ローラ15bは、定着ベルト113を介して定着ローラ15aに圧接可能に設けられるローラ状部材である。加圧ローラ15bは、定着ローラ15aの回転に従動して回転する。したがって、加圧ローラ15bは、矢符137の方向に定着ローラ15aとは逆の方向に回転する。
加圧ローラ15bの内部には、加圧ローラ15bを加熱するヒータランプ120が配置される。図示しない制御回路が図示しない電源回路からヒータランプ120に電力を供給(通電)させることによって、ヒータランプ120が発光し、ヒータランプ120から赤外線が放射される。これによって、加圧ローラ15bの内周面が赤外線を吸収して加熱され、加圧ローラ15b全体が加熱される。本実施形態では、定格電力400Wのヒータランプ120を使用する。
加圧ローラ15bは、その内側から順に芯金151、弾性層152、離型層155が形成された3層構造からなる。芯金151には、たとえば、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、銅などの金属またはそれらの合金等など用いられる。弾性層152にはシリコンゴム、フッ素ゴム等の耐熱性を有するゴム材料、また離型層155にはPFA(テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体)やPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂が適している。本実施形態では、加圧ローラ15bの直径は30mmで、芯金151に直径24mm、肉厚2mmの鉄(STKM)、弾性層152に厚さ3mmのシリコンソリッドゴム、離型層155に厚さ30μmのPFAチューブを用いる。
定着ローラ15aおよび加圧ローラ15bは、所定の荷重、たとえば、本実施形態では216Nで互いに圧接されて、定着ベルト113を介して、定着ローラ15aと加圧ローラ15bとが互いに当接する部分(以下「定着ニップ部138」という)を形成する。本実施形態では、定着ニップ部138の記録紙搬送方向の幅(以下「ニップ幅」という)は7mmである。この定着ニップ部138に未定着トナー画像を担持した記録媒体を給紙し、定着ニップ部138を通過させることで、記録媒体にトナー画像が定着される。記録媒体が定着ニップ部138を通過する際、定着ベルト113は記録紙のトナー画像形成面に当接し、加圧ローラ15bは記録媒体におけるトナー画像形成面とは反対側の面に当接する。
(3)定着ベルト
定着ベルト113は、面状加熱部材203によって所定の温度に加熱されて、定着ニップ部138を通過する未定着トナー画像が形成された記録媒体を加熱するためのものである。定着ベルト113は、直径45mmで面状加熱部材203と定着ローラ15aとによって懸架され、定着ローラ15aに所定の角度θ1で巻きかかっている。本実施形態においては、θ1=185°である。定着ベルト113は、定着ローラ15aの回転時には、定着ローラ15aに従動して矢符136の方向に回転する。前述のように加圧ローラ15bが矢符137の方向に回転し、定着ベルト113が矢符136の方向に回転することによって、記録媒体が定着ニップ部138を通過する。
定着ベルト113は、ポリイミドなどの耐熱樹脂、またはステンレスおよびニッケルなどの金属材料からなる中空円筒状の基材の表面に弾性層として耐熱性および弾性に優れたエラストマー材料(例えばシリコンゴム)が形成され、更にその表面に離型層として耐熱性および離型性に優れた合成樹脂材料(例えばPFAやPTFE等のフッ素樹脂)が形成された3層構成となっている。基材のポリイミドには、フッ素樹脂を内添してもよい。こうすることで、面状加熱部材203との摺動負荷を更に低減することができる。本実施形態の定着ベルト113は、基材に厚さ70μmのポリイミド、弾性層に厚さ150μmのシリコンゴム、離型層に厚さ30μmのPFAチューブを用いる。
(4)面状加熱部材
加熱部材である面状加熱部材203は、回転しないように固定され、定着ベルト113の幅方向全体に接して定着ベルト113を所定の温度に加熱するものである。図2は、図1に示す面状加熱部材203周辺の構成を拡大して示す断面図である。図3は、図1に示す面状加熱部材203の正面図である。以下、図2および図3を用いて、面状加熱部材203の詳細な構成を説明する。
図2および図3に示すように、面状加熱部材203は、半円弧状の断面形状からなる熱拡散部材166と正温度係数(Positive Temperature Coefficient;PTC)特性を有するセラミック発熱体200と給電電極201とを含む。本実施形態では、熱拡散部材166として熱伝導性に優れる高熱伝導性熱拡散部材166を用いる。正温度係数(以下「PTC」という)特性を有するセラミック発熱体200において高熱伝導性熱拡散部材166と接着する面と反対側の面には、アルミニウム製の板金からなる給電電極201がシリコン系接着剤で貼り付けられる。給電電極201と高熱伝導性熱拡散部材166との間には電源202が接続され、セラミック発熱体200に給電される。
本実施形態において、面状加熱部材203は、定着ベルト113の内側に接し、定着ローラ15aとともに定着ベルト113を懸架する。面状加熱部材203が、定着ベルト113を加熱し、また懸架する部材として用いられることによって、定着ベルト113を懸架するための部材を別に用いる必要がなく、定着装置の構成を簡略化することができる。
(PTC特性を有するセラミック発熱体)
PTC特性を有するセラミック発熱体(以下単に「セラミック発熱体」ともいう)200は、チタン酸バリウムからなるセラミック製の発熱体で、素子温度がある温度より上昇すると急激に電気抵抗値が変化する特性を有する。本実施形態は、220℃以上で電気抵抗が上昇する仕様のセラミック発熱体200を用いる。
1個のセラミック発熱体200の素子のサイズ(幅W、長さL、高さH)はW=10mm、L=20mm、H=2mmであり、セラミック発熱体200は、定着装置15の長手方向に複数並べられ、高熱伝導性熱拡散部材166の内面にシリコン系接着剤で固定される。長さが適度に短い、たとえば長さ20mm程度のセラミック発熱体は、長さの長い、たとえば定着ベルトの幅方向全体の長さのセラミック発熱体より、その作製が容易なので、前述のように複数のセラミック発熱体200を並べて用いることによって、セラミック発熱体200の作製に掛かるコストを抑えることができる。本実施形態では、定着装置15の長手方向に15個のセラミック発熱体200が並べられ、高熱伝導性熱拡散部材166を介して定着ベルト113の幅方向全体に接する。1個のセラミック発熱体200の電気抵抗は150Ω、15個のセラミック発熱体200をトータルした電気抵抗は10Ωである。電源202によって100Vの交流電流(AC)が印加されることで、15個のセラミック発熱体200からは、トータルで約1000Wの熱エネルギーが発生する。
上述したように、面状加熱部材203は、15個のPTCセラミック発熱体200で発生した熱を定着ベルト113に供給し、定着ベルト113の幅方向全体を加熱する。第1サーミスタ118は、定着装置15の長手方向に関して中央部分に設置されており、この中央部の定着ベルト113表面温度が180℃になるように、電源202からセラミック発熱体200への電力の供給が制御される。本実施形態において、セラミック発熱体200の温度とは、210〜220℃となる。
普通サイズ(ここではA4サイズ)の用紙を連続で通紙する場合、セラミック発熱体200で発生した熱は、用紙に均一に伝わる。これによって、定着ベルト113は、その長手方向に関して、ほぼ180℃前後で均一な温度分布となる。
小サイズ紙(ここではA5サイズ)を連続で通紙する場合、両サイドの定着ベルト非通紙部において、セラミック発熱体200で発生した熱が用紙へ伝わらず、180℃以上の温度に上昇する。定着ベルト非通紙部の熱によって温度が220℃を超えたセラミック発熱体200は、電気抵抗が上昇し、その結果、そのセラミック発熱体200に流れる電流が抑制され、そのセラミック発熱体200の発熱が停止することから、定着ベルト非通紙部の温度上昇が抑制される。
以上のことから、本実施形態において、セラミック発熱体200で定着ベルト113を加熱すると、定着ベルト113において小サイズ紙を連続で通紙する場合に記録媒体と接触しない部分と高熱伝導性熱拡散部材166を介して接する前記発熱体200の部分は、220℃以上の温度になると電気抵抗が上昇し、その部分の発熱が抑制されるので、加熱する必要のない定着ベルト非通紙部への加熱を抑制することができる。これによって、従来の定着装置15の構成より簡単な構成で定着ベルト非通紙部の異常昇温を抑制することができる。
(高熱伝導性熱拡散部材)
高熱伝導性熱拡散部材166は、定着ベルト113の幅方向全体に当接し、前記セラミック発熱体200で発生した熱を定着ベルト113の進行方向に拡散させる部材である。本実施形態において、高熱伝導性熱拡散部材166と定着ベルト113とが接触する部分の定着ベルト113の回転方向の幅(以下「加熱ニップ幅」という)は44mmである。
高熱伝導性熱拡散部材166は、銅製またはアルミニウム製であり、または自励振動式ヒートパイプ(商標名:ヒートレーン)で構成される。高熱伝導性熱拡散部材166の外周面には絶縁性のコート層(本実施形態では厚さ20μmのPTFEコート)が形成される。高熱伝導性熱拡散部材166の外周面にはフッ素樹脂がコーティングされ、定着ベルト113の基層(PI製)にはフッ素樹脂が内添されることによって、面状加熱部材203と定着ベルト113間の摩擦係数が抑制され、定着ベルト113がスムーズに摺動できる。本実施形態において高熱伝導性熱拡散部材166は直径が28mm、肉厚1mmの金属製パイプから作製される。
セラミック発熱体200が高熱伝導性熱拡散部材166を介して定着ベルト113を加熱することによって、前記発熱体200で発生した熱が図3の矢印で示すように定着ベルト113の進行方向の上流側と下流側との両方向に拡散されるので、高熱伝導性熱拡散部材166を介さないで定着ベルト113を加熱する場合より定着ベルト113の加熱される範囲を広くできる。これによって、曲率を持ち、定着ベルト113を加熱する幅の広いPTC特性を有する面状発熱体200を実現することができる。PTC特性を有する面状発熱体200を用いると、定着ベルト113への熱供給量を増加させることができるので、ウォームアップ時に定着ベルト113の温度をすばやく上昇させることができ、また普通サイズ紙を通紙するときに温度追従性を確保することができる。したがって、簡単な構成で定着ベルト非通紙部の異常昇温を抑制でき、高速化を実現可能な定着装置15を実現することができる。
前述のように、高熱伝導性熱拡散部材166は、銅製またはアルミニウム製であり、または自励振動式ヒートパイプ(商標名:ヒートレーン)で構成される。高熱伝導性熱拡散部材166がアルミニウム製である場合、アルミニウムは、金属の中でも熱伝導性に優れ、また加工性および経済性にも優れるので、高熱伝導性熱拡散部材166がアルミニウム製であることによって、加工性および経済性に優れ、定着ベルト113における加熱範囲をより広くすることができ、定着ベルト113の熱供給量をより増加させることができる高熱伝導性熱拡散部材166を実現することができる。したがって、PTC特性を有するセラミック発熱体200の加熱性能を一層向上させることができるので、より一層高速の定着装置15とすることができる。
また、高熱伝導性熱拡散部材166が銅製である場合、銅は、金属の中でも熱伝導性に優れ、また加工性および経済性にも優れるので、高熱伝導性熱拡散部材166が銅製であることによって、加工性および経済性に優れ、定着ベルト113における加熱範囲をより広くすることができ、定着ベルト113の熱供給量をより増加させることができる高熱伝導性熱拡散部材166を実現することができる。したがって、PTC特性を有するセラミック発熱体200の加熱性能を一層向上させることができるので、より一層高速の定着装置15とすることができる。
また、高熱伝導性熱拡散部材166が自励振動式ヒートパイプ(商標名:ヒートレーン)で構成される場合、自励振動式ヒートパイプは、金属の中でも熱伝導性に優れるアルミニウムおよび銅よりさらに熱抵抗が低く、熱拡散性に優れるので、高熱伝導性熱拡散部材166が自励振動式ヒートパイプで構成されることによって、定着ベルト113における加熱範囲をより一層広くすることができ、定着ベルト113の熱供給量をより一層増加させることができる高熱伝導性熱拡散部材166を実現することができる。したがって、PTC特性を有するセラミック発熱体200の加熱性能をより一層向上させることができるので、より一層高速の定着装置15とすることができる。
高熱伝導性熱拡散部材166において、定着ベルト113と当接する面の反対側の面には、セラミック発熱体200が当接される。本実施形態において、セラミック発熱体200は、PTC特性を有するセラミック発熱体200で発生した熱が定着ベルト113の進行方向の上流側と下流側との両方向に拡散するように高熱伝導性熱拡散部材166と当接させる。そのため、本実施形態において、PTCセラミック発熱体200は高熱伝導性熱拡散部材166の内面において取り付け角度θ2=90°の位置に取り付ける。これによって、セラミック発熱体200で発生した熱が定着ベルト113の進行方向の一方向にのみ拡散するようにセラミック発熱体200を高熱伝導性熱拡散部材166に当接させて定着ベルト113を加熱する場合より、拡散する熱エネルギーを多くすることができるので、定着ベルト113における加熱範囲を広くすることができ、定着ベルト113の熱供給量を増加させることができる。したがって、前記発熱体200の加熱性能を向上させることができるので、より高速の定着装置15とすることができる。
(5)第1および第2サーミスタ
図1に戻って、定着ベルト113,加圧ローラ15bの各々の周面には、温度検知手段としての第1および第2サーミスタ118,119が配設され、それぞれの表面温度を検出する。第1および第2サーミスタ118,119は、定着装置15の長手方向の中央の位置に配置される。各サーミスタ118,119によって検出される温度データに基づき、温度制御手段としての図示しない制御回路が、定着ベルト113,加圧ローラ15bの表面温度を所定の温度にするように、セラミック発熱体200およびヒータランプ120への供給電力(通電)を制御する。本実施形態では第1サーミスタAは非接触式のサーミスタ、第2サーミスタBは接触式のサーミスタを用いる。
<第1Bの実施形態の定着装置>
次に本発明の第1Bの実施形態の定着装置215について説明する。本実施形態の定着装置215は、面状加熱部材204の構成を除いては、第1の実施形態の定着装置215と全く同じであることから、面状加熱部材204以外の定着装置215の構成の説明は省略する。図4を用いて、本実施形態の面状加熱部材204の構成を説明する。図4は、本実施形態の定着装置215に備わる面状加熱部材204周辺の断面図である。
図4に示すように、本実施形態の面状加熱部材204は、第1の実施形態の面状加熱部材204と本実施形態の面状加熱部材204に含まれる高熱伝導性熱拡散部材266bの形状が唯一異なる。高熱伝導性熱拡散部材266bの形状は、その厚さが熱拡散方向(熱移動方向)に向かって徐々に小さくなる形状である。具体的には、第1の実施形態の高熱伝導性熱拡散部材266の厚みが1mmで均一であるのに対し、本実施形態の高熱伝導性熱拡散部材266bではセラミック発熱体200に最も近い高熱伝導性熱拡散部材266bの中央部の厚さが2mmであり、セラミック発熱体200から最も遠い高熱伝導性熱拡散部材266bの端部の厚さが0.4mmである。本実施形態の高熱伝導性熱拡散部材266bの熱容量は、第1の実施形態の高熱伝導性熱拡散部材266の熱容量と同じである。
高熱伝導性熱拡散部材266bは、その厚さが熱拡散方向に向かって薄くなるような形状である。高熱伝導性熱拡散部材266bにおいて、セラミック発熱体200から遠ざかるほど、前記発熱体200から拡散する熱エネルギーは徐々に少なくなる。高熱伝導性熱拡散部材266bにおいて、セラミック発熱体200の近くでは高熱伝導性熱拡散部材266bの厚さを厚くし、セラミック発熱体200から遠くになるにつれて高熱伝導性熱拡散部材266bの厚さを薄くすることで、高熱伝導性熱拡散部材266bの熱容量を増やすことなく、拡散する熱エネルギーを増加させることができる。したがって、PTC特性を有するセラミック発熱体200の加熱性能をより一層向上させることができるので、より一層高速の定着装置215とすることができる。
<その他の実施形態の定着装置>
以上、本発明の定着装置が面状発熱体と定着ベルトとを含む面状発熱ベルト定着方式の定着装置に適用される場合について説明したが、本発明の定着装置は、面状発熱ベルト定着方式の定着装置に限定されず、たとえば図5に示すようなフィルム定着方式における定着装置216および図6に示すような外部加熱ベルト定着方式における定着装置217にも適用することができる。
図5は、本発明の第1Cの実施形態のフィルム定着方式における定着装置216の構成を示す断面図である。第1Cの実施形態の定着装置216は、定着ローラ15aを含まず、定着ベルト113の代わりに定着フィルム207を用い、定着フィルム207を介して固定された面状発熱体205と加圧ローラ15bとが圧接することで、定着ニップ部208を形成することが第1Aの実施形態の定着装置15と異なる。定着フィルム207は、固定された面状発熱体205と、2つの懸架ローラ214a,214bとで懸架される。
本発明の第1Dの実施形態である定着装置は、未定着トナー像を記録媒体に定着させる定着部材と、定着部材を加熱する定着ベルトと、定着ベルトを加熱する面状の加熱部材と、定着部材を加圧して定着を補助する加圧部材とを備える。加熱部材は、正温度係数特性を有するセラミック発熱体と、高熱伝導性熱拡散部材とを含み、定着ベルトは、無端状に形成され、少なくとも前記高熱伝導性熱拡散部材に懸架されることで加熱され、定着部材の幅方向全体に当接して定着部材を加熱する。前記発熱体は、前記高熱伝導性熱拡散部材を介して定着ベルトの幅方向全体に当接し、前記高熱伝導性熱拡散部材は、定着ベルトの幅方向全体に当接し、前記発熱体で発生した熱を定着ベルトの進行方向に拡散させる。
図6は、本発明の第1Dの実施形態の外部加熱ベルト定着方式における定着装置217の構成を示す断面図である。第1Dの実施形態の定着装置217は、定着部材である定着ローラ15aと加圧部材である加圧ローラ15bとが直接圧接することで、定着ニップ部138を形成し、固定された面状発熱体206が定着ベルト113を介して定着ローラ15aに圧接して定着ローラ15aを加熱し、定着ローラ15aが未定着トナー像を記録媒体に定着させることが第1Aの実施形態の定着装置15と異なる。また、本実施形態の定着ローラ15aは、内部にヒートランプ208を含み、定着ニップ幅を広くするため芯金209の表面に弾性層210を含み、定着ニップ部138に搬送される記録媒体との離型性を良くするため離型層211が設けられる。
本実施形態において、セラミック発熱体200は、200℃程度以上の温度になると、電気抵抗が上昇し、発熱が抑制されるという特性を有する。このような発熱体200で定着ベルト113bを加熱し、さらにその定着ベルト113bで定着ローラ15aを加熱すると、定着ローラ15aにおいて小サイズ紙を連続で通紙する場合に記録媒体と接触しない部分(以下「定着部材非通紙部」という)と定着ベルト113bおよび高熱伝導性熱拡散部材166を介して接する前記発熱体200の部分は、200℃程度以上の温度になると電気抵抗が上昇し、その部分の発熱が抑制されるので、加熱する必要のない定着部材非通紙部への加熱を抑制することができる。これによって、従来の定着装置の構成より簡単な構成で定着部材非通紙部の異常昇温を抑制することができる。
また加熱部材206が定着ベルト113bの幅方向全体に当接して前記セラミック発熱体200で発生した熱を定着ベルト113bの進行方向に拡散させる高熱伝導性熱拡散部材166を含み、前記発熱体200が高熱伝導性熱拡散部材166を介して定着ベルト113bの幅方向全体に当接して定着ベルト113bを加熱し、その定着ベルト113bが定着ローラ15aの幅方向全体に当接して定着ローラ15aを加熱することによって、前記発熱体200で発生した熱が定着ベルト113bの進行方向に拡散され、高熱伝導性熱拡散部材166を介さないで定着ベルト113bを加熱する場合より定着ベルト113bが加熱される範囲を広くできる。これによって、定着ベルト113bおよび定着ローラ15aへの熱供給量を増加させることができるので、ウォームアップ時に定着ベルト113bおよび定着ローラ15aの温度をすばやく上昇させることができ、また普通サイズ紙を通紙するときに温度追従性を確保することができる。したがって、簡単な構成で定着部材非通紙部の異常昇温を抑制でき、高速化を実現可能な定着装置217を実現することができる。
2、画像形成装置
本発明の第2の実施形態である画像形成装置100は、上述の本発明の定着装置を備えて実現される。図7は、本発明の第2の実施形態である画像形成装置100の構成を模式的に示す概略図である。ここでは、本実施形態の画像形成装置をカラー複合機に適用した場合を記載する。
図7に示すように、本実施の形態に係るカラー複合機100は、第1〜第4可視像形成ユニットpa、pb、pc、pd、中間転写ベルト11、2次転写ユニット14、定着ユニット15、内部給紙ユニット16および手差し給紙ユニット17を備える。第1〜第4可視像形成ユニットpa、pb、pc、pd、中間転写ベルト11および2次転写ユニット14は、トナー像形成手段を構成する。
(1)可視像形成ユニット
第1可視画像形成ユニットpaは、感光体101aと、帯電ユニット103aと、光学系ユニット133と、現像ユニット102aと、1次転写ユニット13aとを含み、これらのユニットで感光体101aにトナー像を形成し、それを中間転写ベルト11に転写する。第1可視画像形成ユニットpaは、像担持体となる感光体101aの周囲に、帯電ユニット103a、現像ユニット102aおよびクリーニングユニット104aを配置する。光学系ユニット133は、光源4からのデータが4組の感光体101a、101b、101c、101dに届くように配置される。1次転写ユニット13aは、中間転写ベルト11を介して第1可視画像形成ユニットpaと圧接して配置される。
他の第2〜第4の可視像形成ユニットpb、pc、pdは、第1可視画像形成ユニットpaと同様の構成であるので、それらの記載は省略する。各ユニットの現像ユニットにはイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(B)の各色のトナーが収容される。
(2)中間転写ベルト
中間転写ベルト11には、上述の各色のトナー像が転写されて、カラートナー像が形成される。中間転写ベルト11は、テンションローラ11a、11bによってたわむことなく配置され、テンションローラ11b側に廃トナーBOX12が当接して配置される。
(3)2次転写ユニット
2次転写ユニット14は、中間転写ベルト11に形成されたカラートナー像を記録媒体に転写する。テンションローラ11a側に2次転写ユニット14が当接して配置される。
(4)定着ユニット
定着ユニット15は、本発明の定着装置15である。定着ユニット15は定着部材15a、加圧部材15bから構成され、図示していない加圧手段により所定の圧力で圧接されており、2次転写ユニット14の下流に配置されている。
(画像形成工程)
以下に、本実施形態の画像形成装置100を用いた画像形成の工程を記載する。
感光体101a表面を帯電ユニット103aで一様に帯電した後、光学系ユニット133により感光体101a表面を画像情報に応じてレーザー露光し静電潜像を形成する。帯電ユニット103aとしては、感光体101a表面を一様に、またオゾンを極力発生させることなく帯電するために、帯電ローラ方式を採用している。その後現像ユニット102aにより感光体101a上の静電潜像に対しトナー像を現像し、この顕像化されたトナー像をトナーとは逆極性のバイアス電圧が印加された1時転写ユニット13aにより中間転写ベルト11上に転写する。他の3組の第2〜第4可視像形成ユニットpb、pc、pdも同様に動作し順次中間転写ベルト11上に転写するようになっている。
中間転写ベルト11上のトナー像は2次転写ユニット14まで搬送され、別途、内部給紙ユニット16の給紙ローラ16aまたは手差し給紙ユニット17の給紙ローラ17aから給紙された記録媒体に、トナーとは逆極性のバイアス電圧が印加されて転写される。
転写されたトナー像を担持する記録媒体は、定着ユニットに搬送され、定着ローラおよび加圧ローラによって充分に加熱されて、トナー像が記録媒体に融着し、外部へ排出される。
以上のようにして、本実施形態の画像形成装置100が実現される。本実施形態の定着装置100は、前述のような優れた本発明の定着装置15を備えて構成される。本発明の定着装置は高速化に対応しつつ、小サイズ紙を連続通紙するときの定着ベルト非通紙部または定着部材非通紙部の異常昇温を簡単な構成で抑制することができ、本発明の定着装置を備えて画像形成装置が構成されることによって、ウォームアップ時間が短く、高品位な画像を提供する画像形成装置とすることができる。
以下に、伝熱シミュレーションによる高熱伝導性熱拡散部材の熱拡散効果について記載する。伝熱シミュレーション条件としては、(1)熱拡散部材へPTCセラミック発熱体を取り付ける位置、(2)熱拡散部材の材質、および(3)熱拡散部材の断面形状の3つであり、これらをパラメータとし、面状加熱部材から定着ベルトへ伝達した熱エネルギーを求めることで、高熱伝導性熱拡散部材の熱拡散性能および伝熱性能を評価した。
(1)PTCセラミック発熱体の取り付け位置
第1Aの実施形態の定着装置を用い、PTCセラミック発熱体の取り付け角度θ2=25°,90°,155°とした3つの場合でそれぞれ定着動作を行い、定着ベルトの加熱性能をシミュレーション解析することで、高熱伝導性熱拡散部材へPTCセラミック発熱体を取り付ける位置における高熱伝導性熱拡散部材の熱拡散効果を評価した。加熱性能のシミュレーション方法としては、熱拡散部材および定着ベルトを個別要素に分割し、差分法を用いて各要素の温度変化を計算することで、熱拡散部材から定着ベルトへ伝達する熱エネルギー(すなわち定着ベルトの加熱性能)を求めた。表1に、定着ベルトの加熱性能を計算した値を示す。
Figure 2009258517
表1の結果から、θ2=90°の場合、定着ベルトの加熱性能が最も優れることがわかる。この理由としては、θ2=25°およびθ2=155°の場合では、セラミック発熱体を取り付ける位置が高熱伝導性熱拡散部材の端部に位置するので、熱拡散方向が定着ベルトの進行方向の上流側または下流側の一方向になるのに対し、θ2=90°の場合では、セラミック発熱体を取り付ける位置が高熱伝導性熱拡散部材の中央部に位置するので、熱拡散方向が定着ベルトの進行方向の上流側と下流側との両方向となり、その結果、一方向に拡散するように構成した場合より拡散できる熱エネルギーが多くなるので、定着ベルトの加熱性能が向上するからである。
(2)熱拡散部材の材質
第1Aの実施形態の定着装置を用いて、高熱伝導性熱拡散部材の材料として、鉄、アルミニウム、銅、自励振動式ヒートパイプ(商標名:ヒートレーン、ティーエスヒートロニクス株式会社製)をそれぞれ用い、これらの4つの場合で定着動作を行い、定着ベルトの加熱性能をシミュレーション解析することで、高熱伝導性熱拡散部材の材質による高熱伝導性熱拡散部材の熱拡散効果を評価した。なお、シミュレーション方法としては、前述の(1)のシミュレーション方法と同じであるため、ここでは説明を省略する。各材料の熱伝導率および定着ベルトの加熱性能を計算した値を表2に示す。
Figure 2009258517
表2の結果から、熱拡散部材の熱伝導率が高くなるほど、定着ベルトの加熱性能が優れることがわかる。この理由としては、熱拡散部材の熱伝導率が高くなるほど、拡散できる熱エネルギーが多くなるからである。
ここで、一般的なカラー定着装置に必要な電力について記載する。
低速機クラス(20枚/分):300W程度
中速機クラス(30枚/分):500W程度
高速機クラス(40枚/分):700W程度
上記の一般的なカラー定着装置に必要な電力についての記載および表2に示す結果から、上記3つのカラー定着装置の中で必要な電力が最も少ない低速機クラスのカラー定着装置に必要な電力より鉄の加熱性能(W)は小さいので、熱拡散部材として鉄を使用するのは困難であることがわかる。熱拡散部材の材質は、熱伝導率が少なくともアルミニウム以上である必要があり、より熱伝導率の高い熱拡散部材を使うほど、定着装置の高速化に対応することができる。
(3)熱拡散部材の断面形状
第1Aの実施形態の定着装置を用いた場合と、第1Bの実施形態の定着装置を用いた場合とで定着動作を行い、定着ベルトの加熱性能をシミュレーション解析し、熱拡散部材の断面の形状による熱拡散部材の熱拡散効果を評価した。なお、シミュレーション方法としては、前述の(1)のシミュレーション方法と同じであるため、ここでは説明を省略する。熱拡散部材の材料には、銅を用いた。表3に、定着ベルトの加熱性能を計算した値を示す。
Figure 2009258517
表3に示す結果から、熱拡散部材の厚さが1mmで均一な第1Aの実施形態の定着装置は、定着ベルトの加熱性能が500Wとなるのに対し、熱拡散部材の厚さが中央部では2mmであるが、端部では0.4mmと連続的に徐々に薄くなる形状の熱拡散部材を含む第1Bの実施形態の定着装置は、定着ベルトの加熱性能が630Wとなったので、熱拡散部材は、熱拡散部材の厚さが熱拡散方向に向かって薄くなる形状であると定着ベルトの加熱性能が向上することがわかる。
この理由としては、熱拡散部材において、熱源であるセラミック発熱体から遠ざかるにつれて拡散する熱エネルギーが徐々に少なくなるが、第1Bの実施形態の熱拡散部材のように、熱拡散部材の厚さをセラミック発熱体の近くでは厚く、セラミック発熱体から遠くになるにつれて薄くすることで、熱拡散部材の熱容量を増やすことなく、拡散する熱エネルギーを増加させることができるからである。
本発明の第1Aの実施形態の定着装置15の構成を模式的に示す断面図である。 図1に示す面状加熱部材203周辺の構成を拡大して示す断面図である。 図1に示す面状加熱部材203の正面図である。 本実施形態の定着装置215に備わる面状加熱部材204周辺の断面図である。 本発明の第1Cの実施形態のフィルム定着方式における定着装置216の構成を示す断面図である。 本発明の第1Dの実施形態の外部加熱ベルト定着方式における定着装置217の構成を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態である画像形成装置100の構成を模式的に示す概略図である。
符号の説明
15 定着装置
15a 定着ローラ
15b 加圧ローラ
18 第1サーミスタ
19 第2サーミスタ
113 定着ベルト
166 高熱伝導性熱拡散部材
200 PTC特性を有するセラミック発熱体
201 給電電極
203 面状加熱部材

Claims (8)

  1. 未定着トナー像を記録媒体に定着させる定着ベルトと、
    定着ベルトを加熱する面状の加熱部材と、
    定着ベルトを加圧して定着を補助する加圧部材とを備え、
    加熱部材は、正温度係数特性を有するセラミック発熱体と、高熱伝導性熱拡散部材とを含み、
    定着ベルトは、無端状に形成され、少なくとも前記高熱伝導性熱拡散部材に懸架されることで加熱され、
    前記発熱体は、前記高熱伝導性熱拡散部材を介して定着ベルトの幅方向全体に当接し、
    前記高熱伝導性熱拡散部材は、定着ベルトの幅方向全体に当接し、前記発熱体で発生した熱を定着ベルトの進行方向に拡散させることを特徴とする定着装置。
  2. 未定着トナー像を記録媒体に定着させる定着部材と、
    定着部材を加熱する定着ベルトと、
    定着ベルトを加熱する面状の加熱部材と、
    定着部材を加圧して定着を補助する加圧部材とを備え、
    加熱部材は、正温度係数特性を有するセラミック発熱体と、高熱伝導性熱拡散部材とを含み、
    定着ベルトは、無端状に形成され、少なくとも前記高熱伝導性熱拡散部材に懸架されることで加熱され、定着部材の幅方向全体に当接して定着部材を加熱し、
    前記発熱体は、前記高熱伝導性熱拡散部材を介して定着ベルトの幅方向全体に当接し、
    前記高熱伝導性熱拡散部材は、定着ベルトの幅方向全体に当接し、前記発熱体で発生した熱を定着ベルトの進行方向に拡散させることを特徴とする定着装置。
  3. 正温度係数特性を有するセラミック発熱体は、前記発熱体で発生した熱が定着ベルトの進行方向の上流側と下流側との両方向に拡散されるよう高熱伝導性熱拡散部材に当接されることを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
  4. 高熱伝導性熱拡散部材は、アルミニウム製であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の定着装置。
  5. 高熱伝導性熱拡散部材は、銅製であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の定着装置。
  6. 高熱伝導性熱拡散部材は、自励振動式ヒートパイプで構成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の定着装置。
  7. 高熱伝導性熱拡散部材は、その厚さが熱拡散方向に向かって薄くなる形状であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の定着装置。
  8. 記録媒体にトナー像を形成するトナー像形成手段と、
    トナー像形成手段によって形成されたトナー像を記録媒体に定着する請求項1〜7のいずれか1つに記載の定着装置とを備えることを特徴とする画像形成装置。
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