JP2009256574A - イオン液体含有エポキシ樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】硬化体からのイオン液体の溶出が防止されたイオン液体含有エポキシ樹脂組成物を提供する。
【解決手段】イオン液体、エポキシ基を2個有するエポキシ樹脂、エポキシ基を3個以上有するエポキシ樹脂及び硬化剤を含有するイオン液体含有エポキシ樹脂組成物。さらに該組成物を成形して製造したフィルム。イオン液体の含有量は5〜80重量%であり、エポキシ基を2個有するエポキシ樹脂とエポキシ基を3個以上有するエポキシ樹脂の重量比は1:100〜100:1である。
【選択図】なし
【解決手段】イオン液体、エポキシ基を2個有するエポキシ樹脂、エポキシ基を3個以上有するエポキシ樹脂及び硬化剤を含有するイオン液体含有エポキシ樹脂組成物。さらに該組成物を成形して製造したフィルム。イオン液体の含有量は5〜80重量%であり、エポキシ基を2個有するエポキシ樹脂とエポキシ基を3個以上有するエポキシ樹脂の重量比は1:100〜100:1である。
【選択図】なし
Description
本発明は、イオン液体を含有するエポキシ樹脂組成物及び該エポキシ樹脂組成物により成形されたフィルムに関する。
イオン液体は常温で液体状の溶融塩で、不揮発性、不燃性でイオン電導を示すことから、さまざまな電気化学デバイスへの応用が期待されている。しかし、イオン液体は、液体であることがその材料としての利便性を著しく損なう。そこで、電解質としての特性を保持したまま固形化すべく、種々の高分子材料にイオン液体を封入する試みがなされている(非特許文献1〜7、特許文献1及び2)。
一方、エポキシ樹脂は、優れた接着性、強靭性、耐熱性、電気絶縁性、耐食性等を有する熱硬化性樹脂であることから、塗料や接着剤以外に、土木、建築分野及びコンポジット分野以外に、電気機器、通信機等の精密機器に装着されている電気部品に広く使用されている。
熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂においてもイオン液体を封入する試みがされている(特許文献2)が、得られた硬化体では、硬化体の加工工程や使用中にイオン液体の溶出による劣化が避けられず、問題となっていた。
特開2007-70420号公報
WO 2007/018239 A1.
P. Snedden, A. I. Cooper, K. Scott, and N. Winterton, Macromolecules, 36, 4549-4556 (2003).
M. A. B. H. Susan, T. Kaneko, A. Noda, and M. Watanabe, J. Am. Chem. Soc., 127, 4976-4983 (2005).
S. Yeon, K. Kim, S. Choi, J. Cha, H. Lee, J. Phys. Chem. B, 109, 17928-17935 (2005).
B. Singh and S. S. Sekhon, Chem. Phys. Lett., 414, 34-39 (2005).
B. Singh and S. S. Sekhon, J. Phys. Chem. B, 109, 16539-16543 (2005).
M. A. Neouze, J. L. Bideau, P. Gaveau, S. Bellayer, and A. Vioux, Chem. Mater., , 18, 3931-3936 (2006).
D. M. Tigelaar, M. A. B. Meador, and W. R. Bennett, Macromolecules, 40, 4159-4164 (2007).
本発明の課題は、イオン液体の溶出が防止されたイオン液体含有エポキシ樹脂組成物を提供することにある。
そこで、本発明者らは、硬化体からのイオン液体の溶出防止手段について検討した結果、エポキシ基を2個有するエポキシ樹脂とエポキシ基を3個以上有するエポキシ樹脂とを併用し、これに硬化剤及びイオン液体を含有させたイオン液体含有エポキシ樹脂組成物を用いて硬化させて得られた硬化体は、イオン液体の溶出が防止されており、イオン液体の電解質としての特性を保持した固形物であり、種々の用途に有用であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、第1に、イオン液体、エポキシ基を2個有するエポキシ樹脂、エポキシ基を3個以上有するエポキシ樹脂及び硬化剤を含有することを特徴とするイオン液体含有エポキシ樹脂組成物を提供するものである。
本発明は、第2に、上記イオン液体含有エポキシ樹脂組成物を用いて成形されたフィルムを提供するものである。
本発明のエポキシ樹脂組成物を用いれば、イオン液体の溶出が防止された、イオン液体含有エポキシ樹脂フィルムを成形できる。
以下、本発明について詳細に説明する。
(A)イオン液体
イオン液体は、カチオン成分とアニオン成分とから構成される室温で液体の溶融塩であり、イオン液体の融点としては、-100℃〜200℃が好ましく、-100℃〜160℃がより好ましく、-85℃〜100℃がさらに好ましい。
イオン液体は、カチオン成分とアニオン成分とから構成される室温で液体の溶融塩であり、イオン液体の融点としては、-100℃〜200℃が好ましく、-100℃〜160℃がより好ましく、-85℃〜100℃がさらに好ましい。
カチオン成分としては、正電荷を帯びていれば特に限定されないが、下記式(1−1)で表されるカチオン、非環状のテトラアルキルアンモニウムイオン、オニウムイオン、ホスホニウムイオン、スルホニウムイオン、金属イオン等が挙げられ、下記式(1−1)で表されるカチオン、金属イオンがより好ましい。
(式中、R1は、炭素数1〜20の窒素原子を有していてもよい炭化水素基を示し、R2及びR3は、それぞれ独立して水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又はアラルキル基を示す。また、R1と式中のNとの結合部位は単結合又は二重結合であり、R1と式中のNとの結合部位が二重結合を含む場合、R3は存在しない。)
R2及びR3で示されるアルキル基としては、炭素数1〜20のアルキル基が好ましくメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、へプチル基、オクチル基等がより好ましく、メチル基、エチル基、n-ブチル基、n−ヘキシル基等の炭素数1〜12のアルキル基がさらに好ましく、エチル基、n-ブチル基、n−ヘキシル基が特に好ましい。ここで、アルキル基は、ハロゲン原子が置換していてもよい。
R2及びR3で示されるアラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基等のフェニルC1−8アルキル基が好ましい。ここで、アラルキル基にはハロゲン原子が置換していてもよい。
すなわち、式(1−1)で表わされるカチオンの構造としては、下記式(1−2)〜(1−4)が好ましく、式(1−4)がより好ましい。
(式中、R2及びR3は前記と同じ。R5〜R26は、水素原子、アルキル基又はアラルキル基を示す。)
R5〜R26で示されるアルキル基としては、炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜12のアルキル基がさらに好ましい。
すなわち、式(1−1)で表わされるカチオンの具体例としては、下記式(1−7)〜(1−37)が挙げられ、(1−7)〜(1−9)が好ましい。
金属イオンとしては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等が挙げられ、リチウムイオン、ナトリウムイオンが好ましく、リチウムイオンが特に好ましい。
アニオン成分としては、負電荷を帯びていれば特に限定されないが、例えば、カルボン酸、スルホン酸、ジスルホニルアミノアニオン、無機酸アニオン、ルイス酸アニオン等が挙げられる。
アニオン成分の具体例としては、Br-、AlCl4 -、Al2Cl7 -、NO3 -、BF4 -、PF6 -、CH3COO-、CF3COO-、CF3SO3 -、(CF3SO2)2N-、(CF3SO2)3C-、AsF6 -、SbF6 -、F(HF)n -、CF3CF2CF2CF2SO3 -、(CF3CF2SO2)2N-、CF3CF2CF2COO-等が挙げられ、融点が低く、耐熱性が高い点でBF4 -、PF6 -、(CF3SO2)2N-が好ましく、PF6 -、(CF3SO2)2N-がより好ましい。
アニオン成分の具体例としては、Br-、AlCl4 -、Al2Cl7 -、NO3 -、BF4 -、PF6 -、CH3COO-、CF3COO-、CF3SO3 -、(CF3SO2)2N-、(CF3SO2)3C-、AsF6 -、SbF6 -、F(HF)n -、CF3CF2CF2CF2SO3 -、(CF3CF2SO2)2N-、CF3CF2CF2COO-等が挙げられ、融点が低く、耐熱性が高い点でBF4 -、PF6 -、(CF3SO2)2N-が好ましく、PF6 -、(CF3SO2)2N-がより好ましい。
すなわち、本発明において、以下の式(2−1)〜(2−5)で表されるイオン液体が好ましい。これらのイオン液体に単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明のイオン液体含有エポキシ樹脂組成物中の(A)イオン液体の含有量は、エポキシ樹脂に電解質としての作用を発揮させる点及び溶出防止の点から、5〜80質量%、さらに、10〜70質量%、特に、20〜50質量%であるのが好ましい。
(B)エポキシ基を2個有するエポキシ樹脂
エポキシ基を2個有するエポキシ樹脂としては、エポキシ基、グリシジル基、グリシジルオキシ基、グリシジルアミノ基等のエポキシ官能基を2個有するエポキシ樹脂であれば特に限定されないが、具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、スピロ環型エポキシ樹脂、ビスフェノールアルカン類型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、臭素化クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂、アルコール型エポキシ樹脂、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−へキサンジオールジグリシジルエーテル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエーテル、脂肪酸変性エポキシ樹脂、トルイジン型エポキシ樹脂、アニリン型エポキシ樹脂、アミノフェノール型エポキシ樹脂、ヒンダトイン型エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ダイマー酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエーテル、シリコーン変性エポキシ樹脂、ケイ素含有エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、NBR変性エポキシ樹脂、CTBN変性エポキシ樹脂、エポキシ化ポリブタジエンなどが挙げられる。
このうち、イオン液体の溶出防止の点で、ビスフェノールA型の2官能型グリシジルエーテルエポキシ樹脂(以下、ビスフェノールAジグリシジルエーテルともいう。)が特に好ましい。これらの成分(B)は単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
エポキシ基を2個有するエポキシ樹脂としては、エポキシ基、グリシジル基、グリシジルオキシ基、グリシジルアミノ基等のエポキシ官能基を2個有するエポキシ樹脂であれば特に限定されないが、具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、スピロ環型エポキシ樹脂、ビスフェノールアルカン類型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、臭素化クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂、アルコール型エポキシ樹脂、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−へキサンジオールジグリシジルエーテル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエーテル、脂肪酸変性エポキシ樹脂、トルイジン型エポキシ樹脂、アニリン型エポキシ樹脂、アミノフェノール型エポキシ樹脂、ヒンダトイン型エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ダイマー酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエーテル、シリコーン変性エポキシ樹脂、ケイ素含有エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、NBR変性エポキシ樹脂、CTBN変性エポキシ樹脂、エポキシ化ポリブタジエンなどが挙げられる。
このうち、イオン液体の溶出防止の点で、ビスフェノールA型の2官能型グリシジルエーテルエポキシ樹脂(以下、ビスフェノールAジグリシジルエーテルともいう。)が特に好ましい。これらの成分(B)は単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明のイオン液体含有エポキシ樹脂組成物中の(B)エポキシ基を2個有するエポキシ樹脂の含有量は、イオン液体の溶出防止の点から、20〜90質量%、さらに30〜90質量%、特に50〜90質量%であるのが好ましい。
(C)エポキシ基を3個以上有するエポキシ樹脂
エポキシ基を3個以上有するエポキシ樹脂としては、グリシジル基、グリシジルオキシ基等のエポキシ官能基を3個以上有するエポキシ樹脂が挙げられ、3〜4個有するエポキシ樹脂が好ましい。具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、スピロ環型エポキシ樹脂、ビスフェノールアルカン類型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、臭素化クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂、アルコール型エポキシ樹脂、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−へキサンジオールジグリシジルエーテル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエーテル、脂肪酸変性エポキシ樹脂、トルイジン型エポキシ樹脂、アニリン型エポキシ樹脂、アミノフェノール型エポキシ樹脂、ヒンダトイン型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、テトラグリシジルキシレンジアミン、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ダイマー酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエーテル、シリコーン変性エポキシ樹脂、ケイ素含有エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、NBR変性エポキシ樹脂、CTBN変性エポキシ樹脂、エポキシ化ポリブタジエンなどが挙げられる。このうち、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、テトラグリシジルm-キシレンジアミンが好ましい。これらの成分(C)は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
エポキシ基を3個以上有するエポキシ樹脂としては、グリシジル基、グリシジルオキシ基等のエポキシ官能基を3個以上有するエポキシ樹脂が挙げられ、3〜4個有するエポキシ樹脂が好ましい。具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、スピロ環型エポキシ樹脂、ビスフェノールアルカン類型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、臭素化クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂、アルコール型エポキシ樹脂、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−へキサンジオールジグリシジルエーテル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエーテル、脂肪酸変性エポキシ樹脂、トルイジン型エポキシ樹脂、アニリン型エポキシ樹脂、アミノフェノール型エポキシ樹脂、ヒンダトイン型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、テトラグリシジルキシレンジアミン、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ダイマー酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエーテル、シリコーン変性エポキシ樹脂、ケイ素含有エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、NBR変性エポキシ樹脂、CTBN変性エポキシ樹脂、エポキシ化ポリブタジエンなどが挙げられる。このうち、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、テトラグリシジルm-キシレンジアミンが好ましい。これらの成分(C)は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明において、(B)エポキシ基を2個有するエポキシ樹脂とエポキシ基を3個以上有するエポキシ樹脂を併用する点に特徴があり、どちらか一方だけを含有する組成物から得られる硬化体ではイオン液体の溶出を防止できない。
本発明のイオン液体含有エポキシ樹脂組成物中の(C)エポキシ基を3個以上有するエポキシ樹脂の含有量は、イオン液体の溶出防止の点から、1〜90質量%、さらに3〜80質量%、特に10〜60質量%があるのが好ましい。
また、成分(B)と成分(C)との含有質量比は、イオン液体の溶出防止の点から、1:100〜100:1、さらに、3:100〜100:3、特に20:100〜100:20が好ましい。
また、成分(B)と成分(C)との含有質量比は、イオン液体の溶出防止の点から、1:100〜100:1、さらに、3:100〜100:3、特に20:100〜100:20が好ましい。
(D)硬化剤
本発明で用いられる硬化剤(D)は、樹脂中のエポキシ基と硬化反応を起こすものであれば特に制限されないがアミン類、フェノール類、酸無水物等が挙げられる。
本発明で用いられる硬化剤(D)は、樹脂中のエポキシ基と硬化反応を起こすものであれば特に制限されないがアミン類、フェノール類、酸無水物等が挙げられる。
アミン類としては、ジエチルアミン、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン(TEPA)、1,6-ヘキサメチレンジアミン、ジプロピレントリアミン(DPTA)、1,2-ビス(2-アミノエトキシ)エタン、ジエチルアミノプロピルアミン、アミノエチルピペラジン、メンセンジアミン、メタキシリレンジアミン、ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、メチレンジアニリン、メタフェニレンジアミン、イソホロンジアミン、m-キシレンジアミン、4,4'-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)等が挙げられる。
フェノール類としては、フェノール性水酸基を有するものであれば特に限定されないが、ビフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ビスフェノールAノボラック、キシレン−ノボラック、メラミン−ノボラック、p−ヒドロキシスチレン(共)重合物及びこれらのハロゲン化物、アルキル基置換体等が挙げられる。
酸無水物としては、無水ヘキサヒドロフタル酸(HPA)、無水テトラヒドロフタル酸(THPA)、無水ピロメリット酸(PMDA)、無水クロレンド酸(HET)、無水ナディック酸(NA)、無水メチルナディック酸(MNA)、無水ドデシニルコハク酸(DDSA)、無水フタル酸(PA)、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(MeHPA)、無水マレイン酸等がある。
これらの硬化剤は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの硬化剤は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
硬化剤(D)は、前記エポキシ樹脂(B)及び(C)の合計量100重量部に対して、1〜100重量部、好ましくは10〜70重量部の量を添加することが好ましい。
本発明には、硬化触媒を用いることができ、例えば、アミン類、カルボン酸類、酸無水物、ジシアンジアミド、二塩基酸ジヒドラジド、イミダゾール類、有機ボロン、有機ホスフィン、グアニジン類およびこれらの塩などが挙げられ、これらは1種単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
硬化触媒は、前記エポキシ樹脂(A)、(B)及び(C)の合計量100重量部に対して、0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部の量を添加することが好ましい。また、必要に応じて硬化触媒とともに、硬化反応を促進する目的で硬化促進剤を併用することもできる。
硬化触媒は、前記エポキシ樹脂(A)、(B)及び(C)の合計量100重量部に対して、0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部の量を添加することが好ましい。また、必要に応じて硬化触媒とともに、硬化反応を促進する目的で硬化促進剤を併用することもできる。
本発明に係るイオン液体含有エポキシ樹脂組成物は、必要に応じて、無機フィラー、密着助剤、高分子添加剤、反応性希釈剤、レベリング剤、濡れ性改良剤、界面活性剤、可塑剤、帯電防止剤、無機充填剤、防カビ剤、調湿剤、難燃剤などが含まれていてもよい。これらの添加剤は本発明の効果を損なわない範囲で使用することができる。
本発明のイオン液体含有エポキシ樹脂組成物を調製するには、例えば、成分(A)、(B)、(C)及び(D)の各成分と、必要に応じて溶剤その他の成分とを混合することによって製造することができる。エポキシ樹脂組成物の製造方法としては、従来公知の方法を適宜使用することができ、各成分を一度に、あるいは任意の順序で加えて撹拌・混合・分散すればよい。
本発明のイオン液体含有エポキシ樹脂組成物は、熱硬化させることによって、イオン液体が封入され、且つイオン液体の溶出が防止された硬化体を得ることができる。また、得られた硬化体は、エポキシ樹脂特有の機械的特性、電気特性、絶縁性、接着性、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性等の特性を有し、かつイオン液体による電解質としての特性も有する。特に熱硬化性フィルムの形態にすることが好ましく、フィルムの形態とすることにより、帯電防止フィルム、耐熱フィルム、難燃フィルム、接着フィルム、イオン伝導性フィルム、導電性フィルム等に特に有用である。
以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態をさらに具体的に説明する。但し、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
本実施例に用いた試薬は以下の通りである。
Bisphenol A diglycidyl ether (以下、BisAともいう。 170 g/eq):東京化成製
1-Ethyl-3-methylimidazolium bis(trifluoromethanesulfonyl)imide (以下、EMImTFSIともいう。):既報(文献2)に従い合成
Tetraethylenepentamine (以下、TEPAともいう。純度95%):東京化成製
N,N,N',N'-tetraglycidyl-4,4'-diaminodiphenylmethane (Araldite(登録商標) MY721, 109-116 g/eq)
N,N,N',N'-tetraglycidyl -m-xylenediamine (Tetrad-X, 95-105 g/eq):三菱ガス化学製
N,N-Diglycidyl-4-glycidyloxyaniline (以下、DGGOAともいう):Aldrich製
1-Hexyl-3-methylimidazolium bis(trifluoromethanesulfonyl)imide (以下、HMImTFSIともいう):関東化学製
1-Benzyl-3-methylimidazolium bis(trifluoromethanesulfonyl)imide (以下、BMImTFSIともいう。):既報(Y. Chu, H. Deng, and J. Cheng, J. Org. Chem., 72, 7790-7793 (2007).)に従い合成
1-Ethyl-3-methylimidazolium Hexafluorophosphate (以下、EMImPF6ともいう。):東京化成製
Lithium bis(trifluoromethanesulfonyl)imide (以下、LiTFSIともいう。):和光純薬製
Bisphenol A diglycidyl ether (以下、BisAともいう。 170 g/eq):東京化成製
1-Ethyl-3-methylimidazolium bis(trifluoromethanesulfonyl)imide (以下、EMImTFSIともいう。):既報(文献2)に従い合成
Tetraethylenepentamine (以下、TEPAともいう。純度95%):東京化成製
N,N,N',N'-tetraglycidyl-4,4'-diaminodiphenylmethane (Araldite(登録商標) MY721, 109-116 g/eq)
N,N,N',N'-tetraglycidyl -m-xylenediamine (Tetrad-X, 95-105 g/eq):三菱ガス化学製
N,N-Diglycidyl-4-glycidyloxyaniline (以下、DGGOAともいう):Aldrich製
1-Hexyl-3-methylimidazolium bis(trifluoromethanesulfonyl)imide (以下、HMImTFSIともいう):関東化学製
1-Benzyl-3-methylimidazolium bis(trifluoromethanesulfonyl)imide (以下、BMImTFSIともいう。):既報(Y. Chu, H. Deng, and J. Cheng, J. Org. Chem., 72, 7790-7793 (2007).)に従い合成
1-Ethyl-3-methylimidazolium Hexafluorophosphate (以下、EMImPF6ともいう。):東京化成製
Lithium bis(trifluoromethanesulfonyl)imide (以下、LiTFSIともいう。):和光純薬製
エポキシ硬化用の型の作成
表面にPTFEテープ(Permacel P422)を貼り付けた2枚のスライドガラスに18 mm x 55 mmの切り込みを入れた凹型のPTFEシート(厚み0.5mm)をスペーサーとして挟みエポキシ硬化フィルム調製用のPTFEの型を作成した。
表面にPTFEテープ(Permacel P422)を貼り付けた2枚のスライドガラスに18 mm x 55 mmの切り込みを入れた凹型のPTFEシート(厚み0.5mm)をスペーサーとして挟みエポキシ硬化フィルム調製用のPTFEの型を作成した。
合成例1−5: EMImTFSI含有BisA/MY721硬化樹脂の合成
表1の仕込み量に従い、BisA、MY721、EMImTFSIの混合物にTEPAを加え、よく練り混ぜた後、混合物をPTFE型に流し込み70℃で5時間加熱した後130℃で10時間加熱した。室温まで放冷後PTFE型をはずして白色のEMImTFSI含有BisA/MY721硬化樹脂(イオン液体含有エポキシ樹脂フィルム)を得た。
表1の仕込み量に従い、BisA、MY721、EMImTFSIの混合物にTEPAを加え、よく練り混ぜた後、混合物をPTFE型に流し込み70℃で5時間加熱した後130℃で10時間加熱した。室温まで放冷後PTFE型をはずして白色のEMImTFSI含有BisA/MY721硬化樹脂(イオン液体含有エポキシ樹脂フィルム)を得た。
比較例1−2:合成樹脂の合成
表1の仕込み量に従い、仕込み量以外は実施例と同様の操作で、合成樹脂を得た。
表1の仕込み量に従い、仕込み量以外は実施例と同様の操作で、合成樹脂を得た。
合成例6−11: EMImTFSI含有BisA/Tetrad-X硬化樹脂の合成
表2の仕込み量に従い、BisA、Tetrad-X 、EMImTFSIの混合物にTEPAを加え、よく練り混ぜた後、混合物をPTFE型に流し込み70℃で5時間加熱した後130℃で10時間加熱した。室温まで放冷後PTFE型をはずして白色のEMImTFSI含有BisA/Tetrad-X硬化樹脂(イオン液体含有エポキシ樹脂フィルム)を得た。
表2の仕込み量に従い、BisA、Tetrad-X 、EMImTFSIの混合物にTEPAを加え、よく練り混ぜた後、混合物をPTFE型に流し込み70℃で5時間加熱した後130℃で10時間加熱した。室温まで放冷後PTFE型をはずして白色のEMImTFSI含有BisA/Tetrad-X硬化樹脂(イオン液体含有エポキシ樹脂フィルム)を得た。
比較例3:合成樹脂の合成
表2の仕込み量に従い、仕込み量以外は実施例と同様の操作で、合成樹脂(イオン液体含有エポキシ樹脂フィルム)を得た。
参考例1:合成樹脂の合成
表2の仕込み量に従い、仕込み量以外は実施例と同様の操作で、合成樹脂を得た。
表2の仕込み量に従い、仕込み量以外は実施例と同様の操作で、合成樹脂(イオン液体含有エポキシ樹脂フィルム)を得た。
参考例1:合成樹脂の合成
表2の仕込み量に従い、仕込み量以外は実施例と同様の操作で、合成樹脂を得た。
合成例12: EMImTFSI含有BisA/DGGOA硬化樹脂の合成(1:1)
BisA (238 mg)、DGGOA (194 mg) 、EMImTFSI (276 mg)の混合物にTEPA (104 mg)を加え、BisA/DGGOAを1/1.0とし、よく練り混ぜた後、混合物をPTFE型に流し込み70℃で5時間加熱した後130℃で10時間加熱した。室温まで放冷後PTFE型をはずして白色のEMImTFSI含有BisA/DGGOA硬化樹脂(イオン液体含有エポキシ樹脂フィルム)を得た。
BisA (238 mg)、DGGOA (194 mg) 、EMImTFSI (276 mg)の混合物にTEPA (104 mg)を加え、BisA/DGGOAを1/1.0とし、よく練り混ぜた後、混合物をPTFE型に流し込み70℃で5時間加熱した後130℃で10時間加熱した。室温まで放冷後PTFE型をはずして白色のEMImTFSI含有BisA/DGGOA硬化樹脂(イオン液体含有エポキシ樹脂フィルム)を得た。
合成例13: HMImTFSI含有BisA/Tetrad-X硬化樹脂の合成
BisA (340 mg)、Tetrad-X (200 mg) 、HMImTFSI (237 mg)の混合物にTEPA (89 mg)を加え、よく練り混ぜた後、混合物をPTFE型に流し込み70℃で5時間加熱した後130℃で10時間加熱した。室温まで放冷後PTFE型をはずして白色のHMImTFSI(34wt%)含有BisA/Tetrad-X硬化樹脂(イオン液体含有エポキシ樹脂フィルム)を得た。
BisA (340 mg)、Tetrad-X (200 mg) 、HMImTFSI (237 mg)の混合物にTEPA (89 mg)を加え、よく練り混ぜた後、混合物をPTFE型に流し込み70℃で5時間加熱した後130℃で10時間加熱した。室温まで放冷後PTFE型をはずして白色のHMImTFSI(34wt%)含有BisA/Tetrad-X硬化樹脂(イオン液体含有エポキシ樹脂フィルム)を得た。
合成例14: EMImPF6含有BisA/Tetrad-X硬化樹脂の合成
BisA (340 mg)、Tetrad-X (80 mg) 、EMImPF6 (259 mg)の混合物を80℃に加熱しよく練り混ぜて均一混合物とした後放冷し、TEPA (83 mg)を加えてよく練り混ぜた後、混合物をPTFE型に流し込み70℃で5時間加熱した後130℃で10時間加熱した。室温まで放冷後PTFE型をはずして白色のEMImPF6(34wt%)含有BisA/Tetrad-X硬化樹脂(イオン液体含有エポキシ樹脂フィルム)を得た。
BisA (340 mg)、Tetrad-X (80 mg) 、EMImPF6 (259 mg)の混合物を80℃に加熱しよく練り混ぜて均一混合物とした後放冷し、TEPA (83 mg)を加えてよく練り混ぜた後、混合物をPTFE型に流し込み70℃で5時間加熱した後130℃で10時間加熱した。室温まで放冷後PTFE型をはずして白色のEMImPF6(34wt%)含有BisA/Tetrad-X硬化樹脂(イオン液体含有エポキシ樹脂フィルム)を得た。
合成例15: LiTFSI含有BisA/Tetrad-X硬化樹脂の合成
表3の仕込み量に従い、BisA、Tetrad-X、LiTFSIの混合物をよく練り混ぜた後、TEPA を加えてよく練り混ぜ、混合物をPTFE型に流し込み70℃で5時間加熱した後130℃で10時間加熱した。室温まで放冷後PTFE型をはずして白色のLiTFSI含有BisA/Tetrad-X硬化樹脂(イオン液体含有エポキシ樹脂フィルム)を得た。
表3の仕込み量に従い、BisA、Tetrad-X、LiTFSIの混合物をよく練り混ぜた後、TEPA を加えてよく練り混ぜ、混合物をPTFE型に流し込み70℃で5時間加熱した後130℃で10時間加熱した。室温まで放冷後PTFE型をはずして白色のLiTFSI含有BisA/Tetrad-X硬化樹脂(イオン液体含有エポキシ樹脂フィルム)を得た。
合成例16−17: LiTFSIをドープしたEMImTFSI含有BisA/Tetrad-X硬化樹脂の合成
BisA (170 mg)、Tetrad-X (200 mg) 、および表4に示したEMImTFSI、LiTFSIの混合物にTEPA (89 mg)を加え、よく練り混ぜた後、混合物をPTFE型に流し込み70℃で5時間加熱した後130℃で10時間加熱した。室温まで放冷後PTFE型をはずして白色のLiTFSIをドープしたEMImTFSI含有BisA/Tetrad-X硬化樹脂(イオン液体含有エポキシ樹脂フィルム)を得た。
BisA (170 mg)、Tetrad-X (200 mg) 、および表4に示したEMImTFSI、LiTFSIの混合物にTEPA (89 mg)を加え、よく練り混ぜた後、混合物をPTFE型に流し込み70℃で5時間加熱した後130℃で10時間加熱した。室温まで放冷後PTFE型をはずして白色のLiTFSIをドープしたEMImTFSI含有BisA/Tetrad-X硬化樹脂(イオン液体含有エポキシ樹脂フィルム)を得た。
試験例1:イオン液体含有エポキシ硬化樹脂からのイオン液体の溶媒抽出
合成例及び比較例で得たエポキシ硬化樹脂(イオン液体含有エポキシ樹脂フィルム)の小片(約15 mm x 7 mm)を切り出し、重量を測定後(60〜70 mg)、50 mLスクリューキャップ付きサンプル管に入れ溶媒 (40 mL)を加えよく振り混ぜた後室温で静置し一定時間経過後に再びよく振り混ぜて、電導率計(METTLER TOLEDO S30)を用いてサンプル管内の溶液の電導度を測定した。同一溶媒中における濃度既知のイオン液体溶液 (0.050 mmol/L 〜 2.0 mmol/L)のイオン電導度から作成した検量線を用いて、フィルムからのイオン液体の抽出量を見積もった。結果を表5並びに図1〜10に示す。
合成例及び比較例で得たエポキシ硬化樹脂(イオン液体含有エポキシ樹脂フィルム)の小片(約15 mm x 7 mm)を切り出し、重量を測定後(60〜70 mg)、50 mLスクリューキャップ付きサンプル管に入れ溶媒 (40 mL)を加えよく振り混ぜた後室温で静置し一定時間経過後に再びよく振り混ぜて、電導率計(METTLER TOLEDO S30)を用いてサンプル管内の溶液の電導度を測定した。同一溶媒中における濃度既知のイオン液体溶液 (0.050 mmol/L 〜 2.0 mmol/L)のイオン電導度から作成した検量線を用いて、フィルムからのイオン液体の抽出量を見積もった。結果を表5並びに図1〜10に示す。
試験例2:ソックスレー抽出
合成例及び比較例で得たエポキシ硬化樹脂(イオン液体含有エポキシ樹脂フィルム)の小片(約17 mm x 17 mm)を切り出し、重量を測定後(150〜180 mg)、アセトン還流下で192時間ソックスレー抽出を行い、得られたアセトン溶液を濃縮後、80℃で2時間真空乾燥し、残留物の重量を測定してイオン液体の抽出量を求めた。結果を図11に示す。
合成例及び比較例で得たエポキシ硬化樹脂(イオン液体含有エポキシ樹脂フィルム)の小片(約17 mm x 17 mm)を切り出し、重量を測定後(150〜180 mg)、アセトン還流下で192時間ソックスレー抽出を行い、得られたアセトン溶液を濃縮後、80℃で2時間真空乾燥し、残留物の重量を測定してイオン液体の抽出量を求めた。結果を図11に示す。
試験例3:LiTFSIをドープしたイオン液体含有エポキシ硬化樹脂からのイオン性物質の溶媒抽出
同一溶媒中における濃度既知のLiTFSIとEMImTFSIの混合物 ([LiTFSI]/[EMImTFSI] = 0.1/1, 0.2/1)の電導度より作成した検量線を用いて、フィルムに含有される全イオンが抽出された場合の溶液の電導度に対する試料溶液の電導度をもって、イオンの抽出率を見積もった。結果を図12に示す。
同一溶媒中における濃度既知のLiTFSIとEMImTFSIの混合物 ([LiTFSI]/[EMImTFSI] = 0.1/1, 0.2/1)の電導度より作成した検量線を用いて、フィルムに含有される全イオンが抽出された場合の溶液の電導度に対する試料溶液の電導度をもって、イオンの抽出率を見積もった。結果を図12に示す。
試験例4:引張弾性率測定
合成例10及び11で得られたエポキシ硬化樹脂(イオン液体含有エポキシ樹脂フィルム)並びにイオン液体を含有しない参考例1で得られたフィルムを、それぞれ15mm x 5mm x 0.5mmに切り出し、セイコーインスツルメント社製TMA6200を用いて、室温下で10μm/
minで引張り、応力と歪みの関係を測定した。結果を図13に示す。
合成例10及び11で得られたエポキシ硬化樹脂(イオン液体含有エポキシ樹脂フィルム)並びにイオン液体を含有しない参考例1で得られたフィルムを、それぞれ15mm x 5mm x 0.5mmに切り出し、セイコーインスツルメント社製TMA6200を用いて、室温下で10μm/
minで引張り、応力と歪みの関係を測定した。結果を図13に示す。
合成例10及び11で得られたエポキシ硬化樹脂(イオン液体含有エポキシ樹脂フィルム)は、イオン液体を含有しない参考例1で得られたフィルムとほぼ同程度の引張弾性率を有することが分かった。
試験例5:SEM観察結果
合成例10又は11で得られたエポキシ硬化樹脂(イオン液体含有エポキシ樹脂フィルム)の破断面を無処理で、走査型電子顕微鏡 HITACHI SEMEDX-IIIにより、低真空BSEモードにて観察した。走査型電子顕微鏡による観察結果を図14及び図15に示す。
合成例10又は11で得られたエポキシ硬化樹脂(イオン液体含有エポキシ樹脂フィルム)の破断面を無処理で、走査型電子顕微鏡 HITACHI SEMEDX-IIIにより、低真空BSEモードにて観察した。走査型電子顕微鏡による観察結果を図14及び図15に示す。
合成例10で得られたエポキシ硬化樹脂(イオン液体含有エポキシ樹脂フィルム)は微細構造の形成は観察されなかったが、合成例11で得られたエポキシ硬化樹脂(イオン液体含有エポキシ樹脂フィルム)はイオン液体による孤立球状ドメインが形成される様子が観察された。
Claims (4)
- イオン液体、エポキシ基を2個有するエポキシ樹脂、エポキシ基を3個以上有するエポキシ樹脂及び硬化剤を含有することを特徴とするイオン液体含有エポキシ樹脂組成物。
- エポキシ基を2個有するエポキシ樹脂とエポキシ基を3個以上有するエポキシ樹脂との含有質量比が1:100〜100:1である請求項1に記載のイオン液体含有エポキシ樹脂組成物。
- イオン液体の含有量が5〜80質量%である請求項1または2に記載のイオン液体含有エポキシ樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のイオン液体含有エポキシ樹脂組成物を用いて成形されたフィルム。
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JP2008226097A JP2009256574A (ja) | 2008-03-27 | 2008-09-03 | イオン液体含有エポキシ樹脂組成物の製造方法 |
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CN116178677A (zh) * | 2022-12-16 | 2023-05-30 | 浙江博菲电气股份有限公司 | 一种新型羧酸类环氧树脂固化剂及其制备方法与应用 |
WO2023158381A3 (en) * | 2022-02-16 | 2023-11-02 | Agency For Science, Technology And Research | A composition and a composite material |
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JP2007070399A (ja) * | 2005-09-05 | 2007-03-22 | Nitto Denko Corp | 粘着剤組成物および粘着シート類 |
-
2008
- 2008-09-03 JP JP2008226097A patent/JP2009256574A/ja active Pending
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