JP2009252993A - 較正方法、移動体駆動方法及び装置、露光方法及び装置、パターン形成方法及び装置、並びにデバイス製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】計測方向が同じで設置位置の異なる2つの位置計測系を用いて移動体の位置を比較計測し、該計測結果に基づいて2つの位置計測系の少なくとも一方を較正する。
【解決手段】ステージWSTを駆動しつつ、X軸方向を計測方向とするXヘッド665,660を用いてステージWST上に設けられたXスケール39X1,39X2を走査して、ステージWSTのX位置を比較計測する。その計測結果に基づいて、ステージWSTのXY位置に対して、Xヘッド665,660の計測結果を一致させる較正データを作成する。この較正データを用いて較正することにより、ステージWSTのY位置に応じてXヘッド661〜664と665〜668を切り換えて使用する場合にも、スケールの相違による計測誤差の発生を防止することが可能となる。
【選択図】図10
【解決手段】ステージWSTを駆動しつつ、X軸方向を計測方向とするXヘッド665,660を用いてステージWST上に設けられたXスケール39X1,39X2を走査して、ステージWSTのX位置を比較計測する。その計測結果に基づいて、ステージWSTのXY位置に対して、Xヘッド665,660の計測結果を一致させる較正データを作成する。この較正データを用いて較正することにより、ステージWSTのY位置に応じてXヘッド661〜664と665〜668を切り換えて使用する場合にも、スケールの相違による計測誤差の発生を防止することが可能となる。
【選択図】図10
Description
本発明は、較正方法、移動体駆動方法及び装置、露光方法及び装置、パターン形成方法及び装置、並びにデバイス製造方法に係り、さらに詳しくは、所定平面に沿って移動体を駆動する精度を較正するための較正方法、該較正方法により得られる較正データを用いて移動体を駆動する移動体駆動方法及び装置、前記移動体駆動方法を利用する露光方法及び前記移動体駆動装置を備える露光装置、前記移動体駆動方法を利用するパターン形成方法及び前記移動体駆動装置を備えるパターン形成装置、並びに前記パターン形成方法を利用するデバイス製造方法に関する。
従来、半導体素子(集積回路等)、液晶表示素子等の電子デバイス(マイクロデバイス)を製造するリソグラフィ工程では、ステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(いわゆるステッパ)、あるいはステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ(スキャナとも呼ばれる))などが、主として用いられている。
この種の露光装置では、ウエハ又はガラスプレート等の基板(以下、ウエハと総称する)上の複数のショット領域にレチクル(又はマスク)のパターンを転写するために、ウエハを保持するウエハステージが、例えばリニアモータ等により2次元方向に駆動される。ウエハステージの位置は、一般的に、長期に渡って高い安定性を有するレーザ干渉計を用いて、計測されていた。
しかし、近年、半導体素子の高集積化に伴うパターンの微細化に伴い、重ね合わせ精度の要求が厳しくなり、レーザ干渉計のビーム路上の雰囲気の温度変化や温度勾配の影響で発生する空気揺らぎに起因する計測値の短期的な変動がオーバレイバジェット中の大きなウエイトを占めるようになった。
そこで、レーザ干渉計と同程度以上の計測分解能を有し、一般的に干渉計に比べて空気揺らぎの影響を受けにくいエンコーダを、ウエハステージの位置計測装置として採用する露光装置が、先に提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかるに、特許文献1に開示されている露光装置では、投影光学系の光軸とアライメント系の検出中心を結ぶ直線に平行な方向(Y軸方向)に関する、ウエハステージの上面の一側と他側に、一対のXスケール(回折格子)を設け、これに対応してエンコーダの一対のXヘッドユニットをY軸方向に離間して配置している。従って、特許文献1に開示されている露光装置などでは、ウエハステージのY軸方向の位置に応じて、Xヘッドユニット(ヘッド)を切り換えて使用することになるが、どちらのXヘッドユニットを用いても、使用するスケールの違いなどによらず、同じ計測結果が得られるようにする必要がある。
本発明は、第1の観点からすると、互いに直交する第1軸及び第2軸を含む所定平面に沿って移動体を駆動する精度を較正するための較正方法であって、前記移動体を駆動して、該移動体の前記所定平面に実質的に平行な一面に前記第1軸に平行な第1方向に離間して設けられた前記第2軸に平行な第2方向を周期方向とする第1、第2グレーティングに、それぞれ対向し得る複数の第1、第2エンコーダヘッドを用いて、前記第2方向に関する前記移動体の位置を計測するとともに、前記移動体の前記一面に前記第2方向に離間して設けられた前記第1方向を周期方向とする第3、第4グレーティングに、それぞれ対向する一対のエンコーダヘッドを用いて、前記第1方向に関する前記移動体の位置を計測する工程と;前記第1、第2エンコーダヘッドと前記一対のエンコーダヘッドとの計測結果を用いて、該一対のエンコーダヘッドの少なくとも一方の計測値を較正するための較正データを作成する工程と;を含む較正方法である。
これによれば、一対のエンコーダヘッドにより同時に計測された第3、第4グレーティングの複数の第1方向に関する位置情報と、この計測時の移動体の所定平面内の位置情報(面内回転を含む)が得られる。そして、この得られた情報(第1、第2エンコーダヘッドと一対のエンコーダヘッドとの計測結果)を用いて、一対のエンコーダヘッドの少なくとも一方の計測値を較正するための較正データを作成する。従って、この較正データを用いて、第3、第4グレーティングの少なくとも一方に対向するエンコーダヘッドの計測値を較正することにより、第3グレーティングに対向するエンコーダヘッドの計測精度と、第4グレーティングに対向するエンコーダヘッドの計測精度とを一致させることが可能になる。
本発明は、第2の観点からすると、互いに直交する第1軸及び第2軸を含む所定平面に沿って移動体を駆動する移動体駆動方法であって、前記所定平面に実質的に平行な前記移動体の一面に前記第1軸に平行な第1方向に離間して設けられた前記第2軸に平行な第2方向を周期方向とする第1、第2グレーティングに、それぞれ対向し得る複数の第1、第2エンコーダヘッドを備える第1、第2ヘッドユニットを用いて、前記第2方向に関する前記移動体の位置を計測するとともに、さらに、前記移動体の前記一面に前記第2方向に離間して設けられた前記第1方向を周期方向とする第3、第4グレーティングに、それぞれ対向し得る複数の第3、第4エンコーダヘッドを備える第3、第4ヘッドユニットの少なくとも一方を用いて、前記第1方向に関する前記移動体の位置を計測する工程と;前記計測する工程の計測結果と、本発明の較正方法を用いて作成される較正データと、に基づいて、前記移動体を駆動する工程と;を含む移動体駆動方法である。
これによれば、第1、第2ヘッドユニットを用いて計測される第2方向に関する移動体の位置の計測結果と、第3、第4ヘッドユニットの少なくとも一方を用いて計測される第1方向に関する移動体の位置の計測結果と、本発明の較正方法を用いて作成される較正データと、に基づいて、移動体が駆動される。そのため、較正データを用いて、第3、第4ヘッドユニットの少なくとも一方の、グレーティングに起因する計測誤差を含んだ計測結果を較正することができる。これにより、第3グレーティングに対向する第3エンコーダヘッドから構成される第3ヘッドユニットを用いた場合と、第4グレーティングに対向する第4エンコーダヘッドから構成される第4ヘッドユニットを用いた場合とで、移動体の位置計測の計測精度を一致させることができる。従って、第3、第4ヘッドユニットの間でエンコーダヘッドを切り換えて使用する場合でも、常に、等しい移動体の駆動精度を維持することが可能になる。
本発明は、第3の観点からすると、エネルギビームを照射して物体上にパターンを形成する露光方法であって、前記パターンを形成するために、本発明の移動体駆動方法を用いて、前記物体を保持する移動体を駆動する工程を含む露光方法である。
これによれば、エネルギビームを照射して物体上にパターンを形成するために、本発明の移動体駆動方法を用いて、物体を保持する移動体を駆動する。そのため、精度良く、物体上にパターンを形成することが可能になる。
本発明は、第4の観点からすると、物体上にパターンを形成するパターン形成方法であって、前記パターンを形成するために、本発明の移動体駆動方法を用いて、前記物体を保持する移動体を所定平面に沿って駆動する工程を含むパターン形成方法である。
これによれば、物体上にパターンを形成するために、本発明の移動体駆動方法を用いて、物体を保持する移動体を駆動する。それにより、精度良く、物体上にパターンを形成することが可能になる。
本発明は、第5の観点からすると、本発明のパターン形成方法を用いて、物体上にパターンを形成する工程と;前記パターンが形成された前記物体に処理を施す工程と;を含むデバイス製造方法である。
本発明は、第6の観点からすると、互いに直交する第1軸及び第2軸を含む所定平面に沿って移動体を駆動する移動体駆動装置であって、前記所定平面に実質的に平行な前記移動体の一面に前記第1軸に平行な第1方向に離間して設けられた前記第2軸に平行な第2方向を周期方向とする第1、第2グレーティングに、それぞれ対向し得る複数の第1、第2エンコーダヘッドを有し、前記第2方向に関する前記移動体の位置を計測する第1、第2ヘッドユニットと;前記移動体の前記一面に前記第2方向に離間して設けられた前記第1方向を周期方向とする第3、第4グレーティングに、それぞれ対向し得る複数の第3、第4エンコーダヘッドを有し、前記第1方向に関する前記移動体の位置を計測する第3、第4ヘッドユニットと;本発明の較正方法を用いて作成される較正データを記憶する記憶装置と;前記第1、第2ヘッドユニットと前記第3、第4エンコーダユニットの少なくとも一方との計測結果と、前記較正データと、に基づいて前記移動体を駆動する駆動装置と;を備える移動体駆動装置である。
これによれば、駆動装置により、第1、第2ヘッドユニットを用いて計測される第2方向に関する移動体の位置の計測結果と、第3、第4ヘッドユニットの少なくとも一方を用いて計測される第1方向に関する移動体の位置の計測結果と、本発明の較正方法を用いて作成される較正データと、に基づいて、移動体が駆動される。この場合、較正データを用いて、第3、第4ヘッドユニットの少なくとも一方の、グレーティングに起因する計測誤差を含んだ計測結果を較正することができる。これにより、第3グレーティングに対向する第3エンコーダヘッドから構成される第3ヘッドユニットを用いた場合と、第4グレーティングに対向する第4エンコーダヘッドから構成される第4ヘッドユニットを用いた場合とで、移動体の位置計測の計測精度が一致させることができる。従って、第3、第4ヘッドユニットの間でエンコーダヘッドを切り換えて使用する場合でも、常に、等しい移動体の駆動精度を維持することが可能になる。
本発明は、第7の観点からすると、エネルギビームを照射して物体上にパターンを形成する露光装置であって、前記パターンを形成するために、前記物体を保持する移動体を所定平面に沿って駆動する、本発明の移動体駆動装置を備える露光装置である。
これによれば、エネルギビームを照射して物体上にパターンを形成するために、本発明の移動体駆動装置により、物体を保持する移動体が所定平面に沿って駆動される。これにより、精度良く、物体上にパターンを形成することが可能になる。
本発明は、第8の観点からすると、物体にパターンを形成するパターン形成装置であって、前記物体を保持して移動可能な移動体と;前記物体上にパターンを形成するパターン生成装置と;前記移動体を所定平面に沿って駆動する、本発明の移動体駆動装置と;を備えるパターン形成装置である。
これによれば、物体上にパターンを形成するために、本発明の移動体駆動装置により、物体を保持する移動体が所定平面に沿って駆動される。これにより、精度良く、物体上にパターンを形成することが可能になる。
以下、本発明の一実施形態について、図1〜図11に基づいて説明する。
図1には、一実施形態の露光装置100の構成が概略的に示されている。露光装置100は、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置、いわゆるスキャナである。後述するように、本実施形態では投影光学系PLとプライマリアライメント系AL1(図4、図5等参照)が設けられている。以下においては、投影光学系PLの光軸AXと平行な方向をZ軸方向、これに直交する面内で光軸AXとプライマリアライメント系AL1の検出中心を結ぶ直線と平行な方向をY軸方向、Z軸及びY軸に直交する方向をX軸方向とし、X軸、Y軸、及びZ軸回りの回転(傾斜)方向をそれぞれθx、θy、及びθz方向として説明を行う。
露光装置100は、図1に示されるように、照明系10、レチクルステージRST、投影ユニットPU、局所液浸装置8、ウエハステージWST及び計測ステージMSTを有するステージ装置50、並びに及びこれらの制御系、等を備えている。露光装置100は、一部を除いて、国際公開第2007/097379号パンフレットの実施形態として開示されている露光装置と同様に構成されている。図1において、ウエハステージWST上には、ウエハWが載置されている。
照明系10は、例えば米国特許出願公開第2003/0025890号明細書などに開示されるように、光源と、オプティカルインテグレータ等を含む照度均一化光学系、及びレチクルブラインド等(いずれも不図示)を有する照明光学系と、を含む。照明系10は、レチクルブラインド(マスキングシステム)で規定されたレチクルR上のスリット状の照明領域IARを、照明光(露光光)ILによりほぼ均一な照度で照明する。ここで、照明光ILとして、一例として、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)が用いられる。
レチクルステージRST上には、そのパターン面(図1における下面)に回路パターンなどが形成されたレチクルRが、例えば真空吸着により固定されている。レチクルステージRSTは、例えばリニアモータ等を含むレチクルステージ駆動系11(図1では不図示、図7参照)によって、XY平面内で微小駆動可能であるとともに、走査方向(図1における紙面内左右方向であるY軸方向)に所定の走査速度で駆動可能となっている。
レチクルステージRSTのXY平面内の位置情報(θz方向の回転情報を含む)は、レチクルレーザ干渉計(以下、「レチクル干渉計」という)116によって、移動鏡15(実際には、Y軸方向に直交する反射面を有するY移動鏡(あるいは、レトロリフレクタ)とX軸方向に直交する反射面を有するX移動鏡とが設けられている)を介して、例えば0.25nm程度の分解能で常時検出される。レチクル干渉計116の計測値は、主制御装置20(図1では不図示、図7参照)に送られる。
投影ユニットPUは、レチクルステージRSTの図1における下方に配置されている。投影ユニットPUは、鏡筒40と、鏡筒40内に保持された投影光学系PLと、を含む。投影光学系PLとしては、例えば、Z軸方向と平行な光軸AXに沿って配列される複数の光学素子(レンズエレメント)から成る屈折光学系が用いられる。投影光学系PLは、例えば両側テレセントリックで、所定の投影倍率(例えば1/4倍、1/5倍又は1/8倍など)を有する。このため、照明系10によってレチクルR上の照明領域IARが照明されると、投影光学系PLの第1面(物体面)とパターン面がほぼ一致して配置されるレチクルRを通過した照明光ILにより、投影光学系PL(投影ユニットPU)を介してその照明領域IAR内のレチクルRの回路パターンの縮小像(回路パターンの一部の縮小像)が、その第2面(像面)側に配置される、表面にレジスト(感応剤)が塗布されたウエハW上の前記照明領域IARに共役な領域(以下、露光領域とも呼ぶ)IAに形成される。そして、レチクルステージRSTとウエハステージWSTとの同期駆動によって、照明領域IAR(照明光IL)に対してレチクルRを走査方向(Y軸方向)に相対移動させるとともに、露光領域IA(照明光IL)に対してウエハWを走査方向(Y軸方向)に相対移動させることで、ウエハW上の1つのショット領域(区画領域)の走査露光が行われ、そのショット領域にレチクルのパターンが転写される。すなわち、本実施形態では照明系10、レチクルR及び投影光学系PLによってウエハW上にパターンが生成され、照明光ILによるウエハW上の感応層(レジスト層)の露光によってウエハW上にそのパターンが形成される。
本実施形態の露光装置100には、液浸方式の露光を行うために、前述の如く、局所液浸装置8が設けられている。局所液浸装置8は、液体供給装置5、液体回収装置6(いずれも図1では不図示、図7参照)、液体供給管31A、液体回収管31B、及びノズルユニット32等を含む。ノズルユニット32は、図1に示されるように、投影光学系PLを構成する最も像面側(ウエハW側)の光学素子、ここではレンズ(以下、「先端レンズ」ともいう)191を保持する鏡筒40の下端部周囲を取り囲むように、投影ユニットPUを保持する不図示のメインフレームに吊り下げ支持されている。本実施形態では、ノズルユニット32は、図1に示されるように、その下端面が先端レンズ191の下端面とほぼ同一面に設定されている。また、ノズルユニット32は、液体Lqの供給口及び回収口と、ウエハWが対向して配置され、かつ回収口が設けられる下面と、液体供給管31A及び液体回収管31Bとそれぞれ接続される供給流路及び回収流路とを備えている。液体供給管31Aと液体回収管31Bとは、図4に示されるように、平面視(上方から見て)でX軸方向及びY軸方向に対してほぼ45°傾斜し、投影光学系PLの光軸AXとプライマリアライメント系AL1の検出中心とを結ぶY軸に平行な直線(以下、基準軸と呼ぶ)LVに関して対称な配置となっている。図4において、符号UPはウエハステージWST上のウエハのアンロード時にウエハステージWSTの中心が位置するアンローディングポジションを示し、符号LPはウエハステージWST上へのウエハのロード時にウエハステージWSTの中心が位置するローディングポジションを示す。
液体供給管31Aは液体供給装置5(図1では不図示、図7参照)に、液体回収管31Bは液体回収装置6(図1では不図示、図7参照)に接続されている。ここで、液体供給装置5には、液体を貯蔵するタンク、加圧ポンプ、温度制御装置、液体の流量を制御するためのバルブ等が備えられている。液体回収装置6には、回収した液体を貯蔵するタンク、吸引ポンプ、液体の流量を制御するためのバルブ等が備えられている。
主制御装置20は、液体供給装置5(図7参照)を制御して、液体供給管31Aを介して先端レンズ191とウエハWとの間に液体を供給する。そして、液体回収装置6(図7参照)を制御して、液体回収管31Bを介して先端レンズ191とウエハWとの間から液体を回収する。このとき、主制御装置20は、供給される液体の量と回収される液体の量とが常に等しくなるように、液体供給装置5と液体回収装置6を制御する。従って、先端レンズ191とウエハWとの間には、一定量の液体Lq(図1参照)が常に入れ替わって保持され、それにより液浸領域14が形成される。なお、投影ユニットPUの下方に後述する計測ステージMSTが位置する場合にも、同様に先端レンズ191と計測テーブルとの間に液浸領域14を形成することができる。
本実施形態では、上記の液体として、ArFエキシマレーザ光(波長193nmの光)が透過する純水(以下、特に必要な場合を除いて、単に「水」と記述する)を用いるものとする。なお、ArFエキシマレーザ光に対する水の屈折率nは、ほぼ1.44であり、水の中では、照明光ILの波長は、193nm×1/n=約134nmに短波長化される。
ステージ装置50は、図1に示されるように、ベース盤12の上方に配置されたウエハステージWST及び計測ステージMST、両ステージWST,MSTの位置情報を計測する計測システム200(図7参照)、及び両ステージWST,MSTを駆動するステージ駆動系124(図7参照)等を備えている。計測システム200は、図7に示されるように、干渉計システム118、エンコーダシステム150、及び面位置計測システム180などを含む。
ウエハステージWST及び計測ステージMSTは、不図示の非接触軸受、例えばエアベアリングなどにより、数μm程度のクリアランスを介して、ベース盤12の上方に支持されている。また、両ステージWST,MSTは、リニアモータ等を含むステージ駆動系124(図7参照)によって、独立して駆動可能である。
ウエハステージWSTは、図1に示されるように、ステージ本体91と、該ステージ本体91上に搭載されたウエハテーブルWTBとを含む。このウエハテーブルWTB及びステージ本体91は、リニアモータ及びZ・レベリング機構(ボイスコイルモータなどを含む)を含む駆動系によって、ベース盤12に対し、6自由度方向(X,Y,Z,θx,θy,θz)に駆動可能に構成されている。
ウエハテーブルWTBの上面の中央には、ウエハWを真空吸着等によって保持するウエハホルダ(不図示)が設けられている。ウエハホルダ(ウエハの載置領域)の外側には、図2(A)に示されるように、ウエハW(ウエハホルダ)よりも一回り大きな円形の開口が中央に形成され、かつ矩形状の外形(輪郭)を有するプレート(撥液板)28が設けられている。プレート28の表面は、液体Lqに対して撥液化処理されている(撥液面が形成されている)。なお、プレート28は、その表面の全部(あるいは一部)がウエハWの表面と同一面となるようにウエハテーブルWTB上面に固定されている。
プレート28は、中央に上述の円形の開口が形成された矩形の外形(輪郭)を有する第1撥液領域(第1撥液板)28aと、その周囲に配置された矩形枠状(環状)の第2撥液領域(第2撥液板)28bと、を有する。
第1撥液板28aの+Y側の端部には、計測プレート30が設けられている。計測プレート30には、中央に基準マークFMが設けられ、基準マークFMのX軸方向の両側に一対の空間像計測スリットパターン(スリット状の計測用パターン)SLが、設けられている。そして、各空間像計測スリットパターンSLに対応して、それらを透過する照明光ILを、ウエハステージWST外部(後述する計測ステージMSTに設けられる受光系)に導く送光系(不図示)が設けられている。
第2撥液板28bには、後述するエンコーダシステムで用いられるスケールが形成されている。詳述すると、第2撥液板28bのX軸方向(図2(A)における紙面内左右方向)の一側と他側の領域には、それぞれYスケール39Y1,39Y2が形成されている。Yスケール39Y1,39Y2は、例えば、X軸方向を長手方向とする格子線38が所定ピッチでY軸方向に配列された、Y軸方向を周期方向とする反射型の格子(例えば回折格子)によって構成されている。
同様に、第2撥液板28bのY軸方向(図2(A)における紙面内上下両側)の一側と他側の領域には、Yスケール39Y1及び39Y2に挟まれた状態で、Xスケール39X1,39X2がそれぞれ形成されている。Xスケール39X1,39X2は、例えば、Y軸方向を長手方向とする格子線37が所定ピッチでX軸方向に配列された、X軸方向を周期方向とする反射型の格子(例えば回折格子)によって構成されている。
なお、格子線37,38のピッチは、例えば1μmと設定される。図2(A)及びその他の図において、図示の便宜のため、格子のピッチを実際のピッチよりも大きく図示している。
また、回折格子を保護するために、撥液性をそなえた低熱膨張率のガラス板でカバーすることも有効である。ここで、ガラス板としては、厚さがウエハと同程度、例えば厚さ1mmのものを用いることができ、そのガラス板の表面がウエハ面と同じ高さ(面一)になるよう、ウエハテーブルWST上面に設置される。
また、ウエハテーブルWTBの−Y端面,−X端面には、図2(A)に示されるように、後述する干渉計システムで用いられる反射面17a,反射面17bが形成されている。
計測ステージMSTは、不図示のリニアモータ等によってXY平面内で駆動されるステージ本体92と、ステージ本体92上に搭載された計測テーブルMTBとを含んでいる。計測ステージMSTも、ウエハステージWSTと同様に、不図示の駆動系によりベース盤12に対し、6自由度方向(X,Y,Z,θx,θy,θz)に駆動可能に構成されている。
なお、図7では、ウエハステージWSTの駆動系と計測ステージMSTの駆動系とを含んで、ステージ駆動系124として示されている。
計測テーブルMTB(及びステージ本体92)には、各種計測用部材が設けられている。この計測用部材としては、例えば、図2(B)に示されるように、照度むらセンサ94、空間像計測器96、波面収差計測器98、照度モニタ(不図示)などが設けられている。また、ステージ本体92には、前述の一対の送光系(不図示)に対向する配置で、一対の受光系(不図示)が設けられている。本実施形態では、ウエハステージWSTと計測ステージMSTとがY軸方向に関して所定距離以内に近接した状態(接触状態を含む)において、ウエハステージWST上の計測プレート30の各空間像計測スリットパターンSLを透過した照明光ILを各送光系(不図示)で案内し、計測ステージMST内の各受光系(不図示)の受光素子で受光する、空間像計測装置45(図7参照)が構成される。
また、計測テーブルMTBの+Y端面、−X端面には、干渉計用の反射面19a,19bが形成されている。
計測テーブルMTBの−Y側の面には、図2(B)に示されるように、X軸方向に延びるフィデューシャルバー(以下、「FDバー」と略述する)46が取り付けられている。FDバー46の長手方向の一側と他側の端部近傍には、センターラインCLに関して対称な配置で、Y軸方向を周期方向とする基準格子(例えば回折格子)52がそれぞれ形成されている。また、FDバー46の上面には、複数の基準マークMが形成されている。各基準マークMとしては、後述するアライメント系によって検出可能な寸法の2次元マークが用いられている。なお、FDバー46の表面及び計測テーブルMTBの表面も撥液膜で覆われている。
本実施形態の露光装置100では、図4及び図5に示されるように、前述の基準軸LV上で、投影光学系PLの光軸AXから−Y側に所定距離隔てた位置に検出中心を有するプライマリアライメント系AL1が配置されている。プライマリアライメント系AL1は、不図示のメインフレームの下面に固定されている。図5に示されるように、プライマリアライメント系AL1を挟んで、X軸方向の一側と他側には、基準軸LVに関してほぼ対称に検出中心が配置されるセカンダリアライメント系AL21,AL22と、AL23,AL24とがそれぞれ設けられている。セカンダリアライメント系AL21〜AL24は、可動式の支持部材を介してメインフレーム(不図示)の下面に固定されており、駆動機構601〜604(図7参照)を用いて、X軸方向に関してそれらの検出領域の相対位置が調整可能となっている。
本実施形態では、アライメント系AL1,AL21〜AL24のそれぞれとして、例えば画像処理方式のFIA(Field Image Alignment)系が用いられている。アライメント系AL1,AL21〜AL24のそれぞれからの撮像信号は、不図示の信号処理系を介して主制御装置20に供給される。
干渉計システム118は、図3に示されるように、反射面17a又は17bにそれぞれ干渉計ビーム(測長ビーム)を投射し、その反射光を受光して、ウエハステージWSTの位置を計測するY干渉計16、及び3つのX干渉計126〜128、並びに計測ステージMSTの位置を計測するY干渉計18、及びX干渉計130を備えている。詳述すると、Y干渉計16は、基準軸LVに関して対称な一対の測長ビームB41,B42を含む少なくとも3つのY軸に平行な測長ビームを反射面17a、及び後述する移動鏡41に投射する。また、X干渉計126は、図3に示されるように、光軸AXと基準軸LVとに直交するX軸に平行な直線(以下、基準軸と呼ぶ)LHに関して対称な一対の測長ビームB51,B52を含む少なくとも3つのX軸に平行な測長ビームを反射面17bに投射する。また、X干渉計127は、アライメント系AL1の検出中心にて基準軸LVと直交するX軸に平行な直線(以下、基準軸と呼ぶ)LAを測長軸とする測長ビームB6を含む少なくとも2つのY軸に平行な測長ビームを反射面17bに投射する。また、X干渉計128は、Y軸に平行な測長ビームB7を反射面17bに投射する。
干渉計システム118の各干渉計からの位置情報は、主制御装置20に供給される。主制御装置20は、Y干渉計16及びX干渉計126又は127の計測結果に基づいて、ウエハテーブルWTB(ウエハステージWST)のX,Y位置に加え、θx方向の回転情報(すなわちピッチング情報)、θy方向の回転情報(すなわちローリング情報)、及びθz方向の回転情報(すなわちヨーイング情報)も求めることができる。
また、図1に示されるように、ステージ本体91の−Y側の側面に、凹形状の反射面を有する移動鏡41が取り付けられている。移動鏡41は、図2(A)からわかるように、X軸方向の長さがウエハテーブルWTBの反射面17aよりも、長く設計されている。
移動鏡41に対向して、干渉計システム118(図7参照)の一部を構成する一対のZ干渉計43A,43Bが設けられている(図1及び図3参照)。Z干渉計43A,43Bは、移動鏡41を介して、例えば投影ユニットPUを支持するフレーム(不図示)に固定された固定鏡47A,47Bにそれぞれ2つの測長ビームB1,B2を投射する。そして、それぞれの反射光を受光して、測長ビームB1,B2の光路長を計測する。その結果より、主制御装置20は、ウエハステージWSTの4自由度(Y,Z,θy,θz)方向の位置を算出する。
本実施形態では、ウエハステージWST(ウエハテーブルWTB)のXY平面内の位置情報(θz方向の回転情報を含む)は、主として、後述するエンコーダシステム150を用いて計測される。干渉計システム118は、ウエハステージWSTがエンコーダシステム150の計測領域外(例えば、アンローディングポジション又はローディングポジション付近)に位置する際に、使用される。また、干渉計システム118はエンコーダシステム150の計測結果の長期的変動(例えばスケールの経時的な変形などによる)を補正(較正)する場合などに補助的に使用される。勿論、干渉計システム118とエンコーダシステム150とを併用して、ウエハステージWST(ウエハテーブルWTB)の全位置情報を計測することとしても良い。
干渉計システム118のY干渉計18、及びX干渉計130は、図3に示されるように、反射面19a,19bに、干渉計ビーム(測長ビーム)を投射して、それぞれの反射光を受光することにより、計測ステージMSTの位置情報(例えば、少なくともX軸及びY軸方向の位置情報とθz方向の回転情報とを含む)を計測し、その計測結果を、主制御装置20に供給する。
本実施形態の露光装置100には、干渉計システム118とは独立に、ウエハステージWSTのXY平面内での位置(X,Y,θz)を計測するために、エンコーダシステム150を構成する複数のヘッドユニットが設けられている。
図4に示されるように、ノズルユニット32の+X側、+Y側、−X側、及びプライマリアライメント系AL1の−Y側に、4つのヘッドユニット62A、62B、62C、及び62Dが、それぞれ配置されている。また、アライメント系AL1、AL21〜AL24のX軸方向の両外側にヘッドユニット62E、62Fが、それぞれ配置されている。これらのヘッドユニット62A〜62Dは、支持部材を介して、投影ユニットPUを保持するメインフレーム(不図示)に吊り下げ状態で固定されている。
ヘッドユニット62A及び62Cは、図5に示されるように、それぞれ複数(ここでは5個)のYヘッド651〜655及びYヘッド641〜645を備えている。ここで、Yヘッド652〜655及びYヘッド641〜644は、基準軸LH上に間隔WDで配置されている。Yヘッド651及びYヘッド645は、基準軸LHから−Y方向に所定距離離れたノズルユニット32の−Y側の位置に配置されている。Yヘッド651,652間、及びYヘッド644,645間のX軸方向の間隔もWDに設定されている。なお、Yヘッド651〜655とYヘッド645〜641は、基準軸LVに関して対称に配置されている。以下では、必要に応じて、Yヘッド651〜655及びYヘッド641〜645を、それぞれ、Yヘッド65及びYヘッド64とも記述する。
ヘッドユニット62Aは、Yスケール39Y1を用いて、ウエハステージWST(ウエハテーブルWTB)のY軸方向の位置(Y位置)を計測する多眼(ここでは5眼)のYリニアエンコーダ70A(図7参照)を構成する。同様に、ヘッドユニット62Cは、Yスケール39Y2を用いて、ウエハステージWST(ウエハテーブルWTB)のY位置を計測する多眼(ここでは5眼)のYリニアエンコーダ70C(図7参照)を構成する。なお、以下では、Yリニアエンコーダを、適宜、「Yエンコーダ」又は「エンコーダ」と略述する。
ここで、ヘッドユニット62A,62Cがそれぞれ備える5個のYヘッド65,64(より正確には、Yヘッド65,64が発する計測ビームのスケール上の投射点)のX軸方向の間隔WDは、Yスケール39Y1,39Y2のX軸方向の幅(より正確には、格子線38の長さ)より僅かに狭く設定されている。従って、例えば、露光の際などにはそれぞれ5個のYヘッド65,64のうち、少なくとも1つのヘッドが、常に、対応するYスケール39Y1,39Y2に対向する(計測ビームを投射する)。
ヘッドユニット62Bは、図5に示されるように、ノズルユニット32(投影ユニットPU)の+Y側に配置され、基準軸LV上に間隔WDで配置された複数(ここでは4個)のXヘッド665〜668を備えている。また、ヘッドユニット62Dは、プライマリアライメント系AL1の−Y側に配置され、基準軸LV上に間隔WDで配置された複数(ここでは4個)のXヘッド661〜664を備えている。以下では、必要に応じて、Xヘッド665〜668及びXヘッド661〜664をXヘッド66とも記述する。
ヘッドユニット62Bは、Xスケール39X1を用いて、ウエハステージWST(ウエハテーブルWTB)のX軸方向の位置(X位置)を計測する、多眼(ここでは4眼)のXリニアエンコーダ70B(図7参照)を構成する。また、ヘッドユニット62Dは、Xスケール39X2を用いて、ウエハステージWST(ウエハテーブルWTB)のX位置を計測する多眼(ここでは4眼)のXリニアエンコーダ70D(図7参照)を構成する。なお、以下では、Xリニアエンコーダを、適宜、「Xエンコーダ」又は「エンコーダ」と略述する。
ここで、ヘッドユニット62B,62Dがそれぞれ備える隣接するXヘッド66(より正確には、Xヘッド66が発する計測ビームのスケール上の投射点)のY軸方向の間隔WDは、Xスケール39X1,39X2のY軸方向の幅(より正確には、格子線37の長さ)よりも狭く設定されている。従って、例えば、露光の際などには、ヘッドユニット62B,62Dがそれぞれ備えるXヘッド66のうち少なくとも1つのヘッドが、常に、対応するXスケール39X1,39X2に対向する(計測ビームを投射する)。
なお、ヘッドユニット62Bの最も−Y側のXヘッド665とヘッドユニット62Dの最も+Y側のXヘッド664との間隔は、ウエハステージWSTのY軸方向の移動により、その2つのXヘッド間で切り換え(つなぎ)が可能となるように、ウエハテーブルWTBのY軸方向の幅よりも僅かに狭く設定されている。
ヘッドユニット62Eは、図5に示されるように、複数(ここでは4個)のYヘッド671〜674を備えている。ここで、3個のYヘッド671〜673は、セカンダリアライメント系AL21の−X側に、基準軸LA上に間隔WDとほぼ同一間隔で配置されている。Yヘッド674は、基準軸LAから+Y方向に所定距離離れたセカンダリアライメント系AL21の+Y側に配置されている。なお、Yヘッド673,674間のX軸方向の間隔もWDと設定されている。
ヘッドユニット62Fは、複数(ここでは4個)のYヘッド681〜684を備えている。これらのYヘッド681〜684は、基準軸LVに関して、Yヘッド674〜671と対称な位置に配置されている。以下では、必要に応じて、Yヘッド671〜674及びYヘッド681〜684を、それぞれYヘッド67及びYヘッド68とも記述する。
アライメント計測の際には、少なくとも各1つのYヘッド67,68が、それぞれYスケール39Y2,39Y1に対向する。このYヘッド67,68(すなわち、これらYヘッド67,68によって構成されるYエンコーダ70E,70F)によってウエハステージWSTのY位置(及びθz回転)が計測される。
また、本実施形態では、セカンダリアライメント系のベースライン計測時などに、セカンダリアライメント系AL21,AL24にX軸方向で隣接するYヘッド673,682が、FDバー46の一対の基準格子52とそれぞれ対向し、その一対の基準格子52と対向するYヘッド673,682によって、FDバー46のY位置が、それぞれの基準格子52の位置で計測される。以下では、一対の基準格子52にそれぞれ対向するYヘッド673,682によって構成されるエンコーダをYリニアエンコーダ70E2,70F2(図7参照)と呼ぶ。また、識別のため、Yスケール39Y2,39Y1に対向するYヘッド67,68によって構成されるYエンコーダを、Yエンコーダ70E1、70F1と呼ぶ。
上述した6つのリニアエンコーダ70A〜70Fの計測値は、主制御装置20に供給され、主制御装置20は、リニアエンコーダ70A〜70Dのうちの3つ又はリニアエンコーダ70E1,7F1,70B及び70Dのうちの3つの計測値に基づいて、ウエハテーブルWTBのXY平面内の位置を制御するとともに、リニアエンコーダ70E2,70F2の計測値に基づいて、FDバー46(計測ステージMST)のθz方向の回転を制御する。
さらに、本実施形態では、Xエンコーダ70B,70Dを較正するために使用するXヘッド660が、Xヘッド664の+Y側に間隔WD隔てて設けられている。後述するように、Xヘッド660は、Xヘッド665がXスケール39X1に対向するとともに、Xスケール39X2に対向する位置に設置されている。ここで、Xヘッド660,665のY軸方向の離間距離は、Xスケール39X1,39X2のY軸方向の離間距離にほぼ等しく設定されている。
本実施形態の露光装置100には、図6に示されるように、ウエハステージWSTに載置されるウエハWの全面の面位置を計測するための多点焦点位置検出系(90a,90b)と、ウエハステージWSTのZ軸方向と傾斜方向の位置を計測するための面位置計測システム180を構成する複数のZヘッド(72a〜72d,741〜745,761〜765)が設けられている。Zヘッドは、図7に示されるように、面位置計測システム180を構成する信号処理・選択装置170を介して主制御装置20に接続される。なお、多点焦点位置検出系と面位置計測システム180の詳細については、国際公開第2007/097379号パンフレットにおいて開示されているので詳細説明は省略する。また、図6などでは、それぞれ検出ビームが照射される複数の検出点が、個別に図示されず、照射系90a及び受光系90bの間でX軸方向に延びる細長い検出領域(ビーム領域)AFとして示されている。
図7には、露光装置100の制御系の主要な構成が示されている。この制御系は、装置全体を統括的に制御するマイクロコンピュータ(又はワークステーション)から成る主制御装置20を中心として構成されている。なお、図7においては、前述した照度むらセンサ94、空間像計測器96、及び波面収差計測器98など、計測ステージMSTに設けられた各種センサが、纏めてセンサ群99として示されている。
本実施形態では、主制御装置20は、エンコーダシステム150(図7参照)を用いることにより、ウエハステージWSTの有効ストローク領域、すなわちアライメント及び露光動作のためにウエハステージWSTが移動する領域において、少なくともその3自由度(X,Y,θz)方向の位置座標を計測することができる。
各エンコーダヘッドとしては、例えば、国際公開第2007/097379号パンフレットに開示されている干渉型のエンコーダヘッドが用いられている。この種のエンコーダヘッドでは、2つの計測光を対応するスケールに投射し、それぞれの戻り光を1つの干渉光に合成して受光し、その強度を光検出器を用いて計測する。
本実施形態では、前述のようなエンコーダヘッドの配置を採用したことにより、常時、Xスケール39X1又は39X2に少なくとも1つのXヘッド66が、Yスケール39Y1に少なくとも1つのYヘッド65(又は68)が、Yスケール39Y2に少なくとも1つのYヘッド64(又は67)が、それぞれ対向する。スケールに対向しているエンコーダヘッドは、ヘッドの位置(より正確には計測ビームの投射点の位置)を基準とする、それぞれの計測方向についてのウエハステージWSTの位置(より正確には計測ビームを投射するスケールの位置)を計測する。その計測結果は、上述のエンコーダ70A、70C及び70B又は70D(又はエンコーダ70E1,70F1及び70B又は70D)の計測結果として、主制御装置20に供給される。
主制御装置20は、エンコーダ70A、70C及び70B又は70D(又はエンコーダ70E1,70F1及び70B又は70D)の計測結果に基づいて、ウエハステージWSTのXY平面内での位置(X,Y,θz)を算出する。ここで、Xヘッド66,Yヘッド65,64(又は68,67)の計測値(それぞれCX,CY1,CY2と表記する)は、ウエハステージWSTの位置(X,Y,θz)に対して、次式(1)〜(3)のように依存する。
CX= (pX−X)cosθz+(qX−Y)sinθz …(1)
CY1=−(pY1−X)sinθz+(qY1−Y)cosθz …(2)
CY2=−(pY2−X)sinθz+(qY2−Y)cosθz …(3)
ただし、(pX,qX),(pY1,qY1),(pY2,qY2)は、それぞれXヘッド66,Yヘッド65(又は68),Yヘッド64(又は67)のX,Y設置位置(より正確には計測ビームの投射点のX,Y位置)である。そこで、主制御装置20は、3つのヘッドの計測値CX,CY1,CY2を連立方程式(1)〜(3)に代入し、それらを解くことにより、ウエハステージWSTのXY平面内での位置(X,Y,θz)を算出する。この算出結果に従って、ウエハステージWSTを駆動制御する。
CY1=−(pY1−X)sinθz+(qY1−Y)cosθz …(2)
CY2=−(pY2−X)sinθz+(qY2−Y)cosθz …(3)
ただし、(pX,qX),(pY1,qY1),(pY2,qY2)は、それぞれXヘッド66,Yヘッド65(又は68),Yヘッド64(又は67)のX,Y設置位置(より正確には計測ビームの投射点のX,Y位置)である。そこで、主制御装置20は、3つのヘッドの計測値CX,CY1,CY2を連立方程式(1)〜(3)に代入し、それらを解くことにより、ウエハステージWSTのXY平面内での位置(X,Y,θz)を算出する。この算出結果に従って、ウエハステージWSTを駆動制御する。
また、主制御装置20は、リニアエンコーダ70E2,70F2の計測値に基づいて、FDバー46(計測ステージMST)のθz方向の回転を制御する。ここで、リニアエンコーダ70E2,70F2の計測値(それぞれCY1,CY2と表記する)は、FDバー46の(X,Y,θz)位置に対し、式(2)(3)のように依存する。従って、FDバー46のθz位置は、計測値CY1,CY2より、次式(4)のように求められる。
sinθz=−(CY1−CY2)/(pY1−pY2) …(4)
ただし、簡単のため、qY1=qY2を仮定した。
ただし、簡単のため、qY1=qY2を仮定した。
主制御装置20は、スケールに対向している少なくとも3つのエンコーダヘッドの計測値より、ウエハステージWSTのXY位置を算出する。ここで、本実施形態において採用したエンコーダヘッドの配置により、ウエハステージWSTの移動に伴い、スケールに対向するヘッドが、順次、隣接ヘッドと入れ換わる。そこで、主制御装置20は、ステージ位置を算出するために計測値を監視するエンコーダヘッドを、ウエハステージWSTの移動に従って、順次、隣接ヘッドに切り換える。
例えば、図8(A)に示されるように、ウエハステージWSTが+X方向に移動したとする。この場合、矢印e1で示されるように、ウエハステージWSTのY位置を計測するYヘッド64が、Yヘッド643からYヘッド644へと、切り換えられる。また、図8(B)に示されるように、ウエハステージWSTが+Y方向に移動したとする。この場合、矢印e2で示されるように、ウエハステージWSTのX位置を計測するXヘッド66が、Xヘッド665からXヘッド666へと、切り換えられる。このように、Yヘッド64(及び65)は、ウエハステージWSTのX軸方向への移動に伴い、順次、隣のヘッドに切り換えられる。また、Xヘッド66も、ウエハステージWSTのY軸方向への移動に伴い、順次、隣のヘッドに切り換えられる。
なお、エンコーダでは相対変位が検出されるので、絶対変位(すなわち位置)を算出するために、基準位置を定めなくてはならない。そこで、ヘッドの切り換え時には、切り換え後に使用されるヘッドの計測値、すなわち基準位置がリセットされる。このヘッドの切り換え時に行う計測値のリセット処理は、つなぎ処理とも呼ばれる。
前述した如く、ウエハステージWSTの(X,Y,θz)位置を算出するためには、少なくとも3つのヘッドの計測値が必要となる。従って、主制御装置20は、ヘッドの切り換え処理では、3つのヘッド(第1のヘッド組と呼ぶ)を用いる位置計測から、別のヘッドを含む3つのヘッド(第2のヘッド組と呼ぶ)を用いる位置計測へ切り換える。その際、主制御装置20は、まず、第1のヘッド組に属する3つのエンコーダヘッドの計測値を用いて連立方程式(1)〜(3)を解き、ウエハステージWSTの(X,Y,θz)位置を算出する。次に、ここで算出された(X,Y,θz)位置を用いて、新たに使用するヘッドの計測値が従う式(1)〜(3)と同様の理論式より、その新たに使用するヘッドが示すべき予測値を求める。そして、主制御装置20は、その予測値を新たに使用するヘッドの計測値(初期値)として設定する。
以上のつなぎ処理により、ウエハステージWSTの位置計測の結果(X,Y,θz)を維持したまま、ヘッドの切り換え処理が完了する。それ以降は、切り換え後に使用する3つのヘッドの計測値を用いて、前述と同様の連立方程式を解いて、ウエハステージWSTの(X,Y,θz)位置を算出する。そして、その結果に基づいて、ウエハステージWSTが駆動制御される。
次に、本実施形態の露光装置100で行われるXエンコーダ70B,70Dの較正方法について説明するが、その較正方法の説明に先立って、較正が必要な理由について説明する。
本実施形態の露光装置100では、ウエハステージWSTのY軸方向の移動ストロークが長いため、ウエハステージWSTのY軸方向の位置(Y位置)に応じて、ウエハステージWSTのX軸方向の位置(X位置)の計測に使用されるエンコーダが使い分けられる。すなわち、主制御装置20は、ウエハステージWSTがY軸方向の移動ストローク領域の+Y側半部の領域に位置するとき、すなわち投影ユニットPUの下方に位置するときには、Xスケール39X1に対向する(計測ビームを投射する)ヘッドを有するヘッドユニット62B(Xエンコーダ70B)を用いて、ウエハステージWSTのX位置を計測する。一方、主制御装置20は、ウエハステージWSTがY軸方向の移動ストローク領域の−Y側半部に位置するとき、すなわちアライメント系AL1、AL21〜AL24の下方に位置するときには、Xスケール39X2に対向する(計測ビームを投射する)ヘッドを有するヘッドユニット62D(Xエンコーダ70D)を用いて、ウエハステージWSTのX位置を計測する。
例えば、図9に示されるように、ウエハステージWSTが、Xエンコーダ70Bを構成するXヘッド665がXスケール39X1に対向する位置から−Y方向に移動すると、Xヘッド665がXスケール39X1から外れ、Xエンコーダ70Dを構成するXヘッド664がXスケール39X2に対向するようになる。このとき、主制御装置20により、Xエンコーダ70Bから70Dへの切り換え、すなわち、異なるXスケールを走査するXヘッド665からXヘッド664への切り換えが行われる。
Xエンコーダ70B,70Dは、ともにウエハステージWSTのX位置を計測するために設けられている。そのため、いずれのXエンコーダ70B,70Dを用いて計測した場合でも、ウエハステージWSTが同一のX位置にあるときには、等しい計測値を出力しなくてはならない。すなわち、図9に示されるXヘッド665,664の間の切り換え時は勿論、この切り換えの前後においても、ウエハステージWSTのθz回転が零であるとき、Xスケール39X1及びXスケール39X2に、それぞれ対向するXヘッド66(665〜668のいずれか)及びXヘッド66(661〜664のいずれか)の計測値は一致していることが重要である。ここで、ウエハステージWSTのヨーイングθzは、Yエンコーダ70A,70C(Yヘッド65,64)の計測値から算出することができる。Yエンコーダ70A,70Cを構成するYヘッド65,64の離間距離は、Xヘッド665,664の離間距離にほぼ等しい。従って、ウエハステージWSTのθz回転は十分な精度で計測することができ、これにより、例えば上述のXヘッド665,664の計測値の不一致に対するウエハステージWSTのθz回転の影響は排除できる。
しかるに、Xスケール39X1,39X2の格子部(グレーティング)を完全に同一に製造することは実現が困難であり、また、ウエハテーブルWTBに取り付ける際に取り付け誤差なく2つのXスケール39X1,39X2を取り付けることも難しい。従って、仮に、全てのXヘッド66のX位置が一致しており、かつウエハステージWSTのθz回転が零である場合であっても、Xスケール39X1及びXスケール39X2の同一のX位置に計測ビームを照射するXヘッド66同士の計測値は一致しないものと考えられる。現実には、ヘッドユニット62Bとヘッドユニット62Dとの離間距離は長いので、長期に渡って全てのXヘッド66のX位置が一致している状態を維持することは困難である。さらに、本実施形態の露光装置100では液浸露光方式を採用しているため、液浸領域14が頻繁に一方のXスケール39X1上を往来する。ここで、液浸領域14を形成する液体Lqが完全に回収されず、わずかでもスケール上に残ってしまうと、液体とスケール間の温度差により発生する熱応力、又は液体が気化することによって発生する気化熱、によりXスケール39X1が歪む。そのため、Xスケール39X2に対して、Xスケール39X1の歪みは特に大きく、さらに装置の使用とともに拡大することが予想される。従って、Xヘッド665,664の計測値の一致を、長期にわたって保証することは困難である。
このような理由により、本実施形態では、以下に説明する較正方法に従って、Xエンコーダ70B,70Dを較正するための較正データを作成し、作成された較正データを用いてXエンコーダ70B,70Dの少なくとも一方を較正する。なお、本実施形態では、大きな歪みが予想されるXスケール39X1を使用するXエンコーダ70Bの計測値を、Xエンコーダ70Dの計測値を基準にして較正するものとする。
この較正に際し、較正用に設けた前述のXヘッド660が使用される。Xヘッド660は隣接するXヘッド664と間隔WD隔てて設置されているため、例えば図9に示されるように、Xヘッド660,664は同時に共通のXスケール39X2に対向し得る。また、Xヘッド664,665は、当該両者間の切り換えができるように、同時にかつ個別に、Xスケール39X2,39X1に対向する位置に設置されている。従って、図9に示されるように、Xヘッド660,664がXスケール39X2に対向すると共に、Xヘッド665がXスケール39X1に対向し得る。(また、Xヘッド660がXスケール39X2に対向すると共に、Xヘッド665,666がXスケール39X1に対向し得る。)
また、Xヘッド660は、図9に示されるように、Xヘッド665がXスケール39X1に対向するときに、Xスケール39X2に対向する位置に設置されている。ここで、Xヘッド660,665のY軸方向の離間距離は、Xスケール39X2,39X1のY軸方向の離間距離にほぼ等しく設定されている。
また、Xヘッド660は、図9に示されるように、Xヘッド665がXスケール39X1に対向するときに、Xスケール39X2に対向する位置に設置されている。ここで、Xヘッド660,665のY軸方向の離間距離は、Xスケール39X2,39X1のY軸方向の離間距離にほぼ等しく設定されている。
《較正データの第1の作成方法》
主制御装置20は、次のようにして、Xエンコーダ70B,70Dを較正するための較正データを作成する。ここでは、図10及び図11に示されるように、Xスケール39X1,39X2上に、符号y1,y2,y3,y4で示される対応する各4本の計測ラインを設定し、これらの計測ライン上のN個のサンプリング点において、Xヘッド665、660の計測値のサンプリングを行う。ここで、Xスケール39X1上に設定された符号yj(j=1〜4)で示されている計測ラインと、同じjの値を有するXスケール39X2上に設定された符号yjで示されている計測ラインとは、Xヘッド665、660の計測ビームが同時に、走査されるラインを示す。これらの計測ラインは、Xスケール39X1,39X2それぞれの中心を原点とするxy2次元座標系を仮定すると、それぞれのxy2次元座標系上で同じy座標値yjを有するように設定されている。勿論、ウエハステージWSTのθz回転が零に調整されていることが前提である。また、j番目とj+1番目の計測ライン同士の間隔は、δyであるとする。δyは、本実施形態の露光装置100では、Xスケール39X1,39X2の有効幅(格子線37の長さ)を基準に、Y軸方向にサンプリング点(計測点)が等間隔に4つ取れるように定めれば良い。
主制御装置20は、次のようにして、Xエンコーダ70B,70Dを較正するための較正データを作成する。ここでは、図10及び図11に示されるように、Xスケール39X1,39X2上に、符号y1,y2,y3,y4で示される対応する各4本の計測ラインを設定し、これらの計測ライン上のN個のサンプリング点において、Xヘッド665、660の計測値のサンプリングを行う。ここで、Xスケール39X1上に設定された符号yj(j=1〜4)で示されている計測ラインと、同じjの値を有するXスケール39X2上に設定された符号yjで示されている計測ラインとは、Xヘッド665、660の計測ビームが同時に、走査されるラインを示す。これらの計測ラインは、Xスケール39X1,39X2それぞれの中心を原点とするxy2次元座標系を仮定すると、それぞれのxy2次元座標系上で同じy座標値yjを有するように設定されている。勿論、ウエハステージWSTのθz回転が零に調整されていることが前提である。また、j番目とj+1番目の計測ライン同士の間隔は、δyであるとする。δyは、本実施形態の露光装置100では、Xスケール39X1,39X2の有効幅(格子線37の長さ)を基準に、Y軸方向にサンプリング点(計測点)が等間隔に4つ取れるように定めれば良い。
a.まず、主制御装置20は、ウエハステージWSTを移動させて、図10に示されるように、Xスケール39X1上面の計測点P(x1、y1)にXヘッド665(計測ビーム)を対向させ、それと同時に、Xスケール39X2上面の計測点Q(x1、y1)にXヘッド660(計測ビーム)を対向させる。このとき、主制御装置20は、ウエハステージWSTを基準状態に設定している。すなわち、主制御装置20は、Z干渉計43A,43Bを用いてウエハステージWSTのZ位置及びθy方向の位置(回転)を計測し、Y干渉計16を用いてウエハステージWSTのθx方向及びθz方向の位置(回転)を計測することで、ウエハステージWSTを、4自由度(Z,θx,θy,θz)方向についての基準位置に位置決めしている。
b.次に、主制御装置20は、上記のウエハステージWSTの基準状態を維持し、かつYエンコーダ70A,70Cの計測値に基づいてウエハステージWSTのY位置を維持しつつ、Xスケール39X2に対向するXヘッド660(エンコーダ70D)の計測値に基づいて、ウエハステージWSTを一定の速度で、図10及び図11中に白抜き矢印で示されるように−X方向に走査駆動する。このとき、ヨーイング(θz方向の回転)については高い制御精度が要求されるので、Y干渉計16に代えて、上記のYエンコーダ70A,70Cの計測値に基づいて制御することとしている。すなわち、図10に示される走査駆動の開始位置にウエハステージWSTがある時には、Yスケール39Y2,39Y1にそれぞれ対向するYヘッド645,655の計測値に基づいてウエハステージWSTのヨーイング及びY位置が制御され、ウエハステージWSTの−Y方向への移動に伴い、隣接するYヘッド64相互間、及び65相互間で、順次、前述のつなぎ処理が行われる。例えば、図11に示される位置にウエハステージWSTが移動したときには、Yスケール39Y2,39Y1にそれぞれ対向するYヘッド643、653の計測値に基づいてウエハステージWSTのヨーイング及びY位置が制御される。
上記のウエハステージWSTの走査駆動により、図10及び図11中に示されるように、Xヘッド665の計測ビームがXスケール39X1上をy座標値y1を有するX軸に平行な計測ラインに沿って走査されると同時に、Xヘッド660の計測ビームがXスケール39X2上をy座標値y1を有するX軸に平行な計測ラインに沿って走査される。この両計測ビームの走査中、すなわちウエハステージWSTの等速移動中に、主制御装置20は、所定のサンプリング間隔で(又はウエハステージWSTが一定距離δx移動する毎に)、Xヘッド660及びXヘッド665の計測値E1(xi,yj)及びE2(xi,yj)(i=1〜N、j=1)を同時にサンプリングする。
c.以後、主制御装置20は、上記a.及びb.と同様の手順を交互に繰り返すことで、同時にサンプリングした、Xヘッド660及びXヘッド665の計測値E1(xi,yj)及びE2(xi,yj)(i=1〜N、j=2,3,4)を取得する。
d.上記のデータサンプリングが終了すると、主制御装置20は、各サンプリング点で得られた2つのXヘッド665,660の計測値E1(xi,yj),E2(xi,yj)の差ΔEij(i=1〜N、j=1〜4)を、次式(5)に基づいて、それぞれ算出する。
d.上記のデータサンプリングが終了すると、主制御装置20は、各サンプリング点で得られた2つのXヘッド665,660の計測値E1(xi,yj),E2(xi,yj)の差ΔEij(i=1〜N、j=1〜4)を、次式(5)に基づいて、それぞれ算出する。
ΔEij=ΔE(xi,yj)=E1(xi,yj)−E2(xi,yj) …(5)
d.次に、主制御装置20は、得られた離散データΔEijに適当な補間公式を適用して、連続関数としての較正データ(較正関数)ΔE(x、y)を作成する。
d.次に、主制御装置20は、得られた離散データΔEijに適当な補間公式を適用して、連続関数としての較正データ(較正関数)ΔE(x、y)を作成する。
なお、前述の式(5)の計算は、上述の如く、全てのデータのサンプリングが終了した段階で行っても良いし、各サンプリング点でのデータの取得直後、又は各計測ラインについてのデータの計測終了毎に、行うようにしても良い。
また、主制御装置20は、Xスケール39X2に対向するXヘッド660(エンコーダ70D)ではなく、他の計測装置、例えばX干渉計126の計測値に基づいて、ウエハステージWSTをX軸方向に等速移動させても良い。また、前述のサンプリングのためにウエハステージWSTをX軸方向に移動させる際の、ウエハステージWSTのヨーイング及びY位置の一方、例えばY位置を、Y干渉計16の計測値に基づいて制御しても良い。この場合には、空気揺らぎの影響を受けない程度の低速でウエハステージWSTを走査駆動することが望ましい。また、ウエハステージWSTのZ,θy位置を、面位置計測システム180を用いて計測することとしても良い。
上述の第1の作成方法では、ウエハステージWSTのヨーイングθzをその基準位置に固定して、較正データを作成するための計測を実行した。ここで、ヨーイングθzの基準位置とは、Xスケール39X1,39X2が有する回折格子の周期方向と、Xエンコーダ70B,70Dの計測方向であるX軸方向とが、平行になる、ウエハステージWSTのヨーイングθzである。しかし、計測中、十分なウエハステージWSTの駆動精度を保障できないこともあり得る。そのような場合には、次に説明する、較正データの第2の作成方法を採用すれば良い。
《較正データの第2の作成方法》
この第2の作成方法は、エンコーダ70A,70B,70Cの計測結果から求められるウエハステージWSTのX,Y,θz位置と、エンコーダ70A,70C,70Dの計測結果から求められるX,Y,θz位置と、が一致するように、Xエンコーダ70B,70Dの少なくとも一方の計測値を較正するためのデータを作成する方法である。この第2の作成方法においても、前述と同様の手順でデータのサンプリングが行われるので、以下では、第1の作成方法と異なる点、すなわち較正データを作成するためのサンプリング結果の処理方法を中心として説明する。
この第2の作成方法は、エンコーダ70A,70B,70Cの計測結果から求められるウエハステージWSTのX,Y,θz位置と、エンコーダ70A,70C,70Dの計測結果から求められるX,Y,θz位置と、が一致するように、Xエンコーダ70B,70Dの少なくとも一方の計測値を較正するためのデータを作成する方法である。この第2の作成方法においても、前述と同様の手順でデータのサンプリングが行われるので、以下では、第1の作成方法と異なる点、すなわち較正データを作成するためのサンプリング結果の処理方法を中心として説明する。
まず、エンコーダ70A,70B,70Cの計測結果から求められるウエハステージWSTのX,Y,θz位置が、エンコーダ70A,70C,70Dの計測結果から求められるX,Y,θz位置に、一致するように、Xエンコーダ70Bを較正する場合について説明する。(同様の手順に従って、逆にXエンコーダ70Dを較正することも可能である。)
主制御装置20は、前述の方法と同様の手順に従って、Xヘッド665,660を用いて、それぞれの計測ビームの投射点を基準とするXスケール39X1,39X2のX位置を計測する。計測点(xi,yj)にて得られるXヘッド665,660の計測値を、それぞれ、EX1ij=E1(xi,yj),EX2ij=E2(xi,yj)と表記する。この時、同時に、Yエンコーダ70A,70C(Yヘッド65,64)を用いて、それぞれの計測ビームの投射点を基準とするYスケール39Y1,39Y2のY位置を計測する。Yヘッド65,64の計測値を、それぞれ、EY1ij,EY2ijと表記する。
そして、主制御装置20は、Xヘッド660の計測値EX2ijとYヘッド65,64の計測値EY1ij,EY2ijを、それぞれ、式(1)〜(3)の左辺のCX,CY1,CY2に代入し、連立方程式(1)〜(3)を解くことにより、ウエハステージWSTのX,Y,θz位置を求める。次に、主制御装置20は、求めたX,Y,θzを、式(1)に代入するとともに、Xヘッド665のX,Y設置位置(より正確には計測ビームの投射点のX,Y位置)を、(pX,qX)に代入してXヘッド665の計測値を予測する。この予測値をEX1ij’と表記する。この予測値EX1ij’は、Xヘッド665とYヘッド65,64(エンコーダ70A,70B,70C)の計測値から求められるウエハステージWSTのX,Y,θz位置が、Xヘッド660とYヘッド65,64(エンコーダ70A,70C,70D)の計測値から求められるX,Y,θz位置に一致するXヘッド665の計測値である。従って、主制御装置20は、式(5)の代わりに、ΔEij=EX1ij−EX1ij’から、差ΔEijを求める。
主制御装置20は、上述の方法と同様にして、すべてのサンプリング点について差ΔEijを求め、すべてのサンプリング点で得られた差ΔEijの離散データに適当な補間公式を適用して、2次元の連続関数としての較正データ(較正関数)ΔE(x,y)を作成する。
なお、前述のΔEij=EX1ij−EX1ij’の計算は、全てのデータのサンプリングが終了した段階で行っても良いし、各サンプリング点でのデータの取得直後、又は各計測ラインについてのデータの計測終了毎に、行うようにしても良い。
なお、上述のデータサンプリングに際し、ウエハステージWSTの移動中に2つのXヘッド665,660の計測値をサンプリングする代わりに、ウエハステージWSTを、所定ステップ距離間隔でステップ移動(この場合には、必ずしも等速移動でなくても良い)し、ステップ位置(停止位置)毎に、上記のサンプリングを行っても良い。
本実施形態の露光装置100では、主制御装置20により、例えば露光装置100の起動時、ロット先頭のウエハの処理開始時、若しくは露光装置100のアイドル中等に、上述の手順に従ってXエンコーダ70B,70Dの較正データが作成される。
そして、本実施形態では、前述の国際公開第2007/097379号パンフレットの実施形態中に開示されている手順と同様の手順に従って、ウエハステージWSTと計測ステージMSTとを用いた以下のような一連の処理動作が行われる。すなわち、
a) 図4に示されるアンローディングポジションUPにウエハステージWSTがあるときに、ウエハWがアンロードされ、図4に示されるローディングポジションLPに移動したときに、新たなウエハWがウエハテーブルWTB上にロードされる。アンローディングポジションUP、ローディングポジションLP近傍では、ウエハステージWSTの6自由度の位置は、干渉計システム118の計測値に基づいて制御されている。このとき、X干渉計128が用いられる。
a) 図4に示されるアンローディングポジションUPにウエハステージWSTがあるときに、ウエハWがアンロードされ、図4に示されるローディングポジションLPに移動したときに、新たなウエハWがウエハテーブルWTB上にロードされる。アンローディングポジションUP、ローディングポジションLP近傍では、ウエハステージWSTの6自由度の位置は、干渉計システム118の計測値に基づいて制御されている。このとき、X干渉計128が用いられる。
上述のウエハ交換が行われるのと並行して、セカンダリアライメント系AL21〜AL24のベースライン計測が行われる。このベースライン計測は、上記国際公開パンフレットに開示される方法と同様に、前述のエンコーダ70E2,70F2の計測値に基づいて、FDバー46(計測ステージMST)のθz回転を調整した状態で、アライメント系AL1、AL21〜AL24を用いて、それぞれの視野内にあるFDバー46上の基準マークMを同時に計測することで行われる。
b) ウエハ交換及びセカンダリアライメント系AL21〜AL24のベースライン計測終了後、ウエハステージWSTを移動して、計測プレート30の基準マークFMをプライマリアライメント系AL1で検出するプライメリアライメント系AL1のベースラインチェック前半の処理が行われる。これと前後して、エンコーダシステム150及び干渉計システム118の原点の再設定(リセット)が行われる。
c) その後、エンコーダシステム118及びZヘッド72a〜72dを用いてウエハステージWSTの6自由度方向の位置を計測しつつ、アライメント系AL1、AL21〜AL24を用いて、ウエハW上の複数のサンプルショット領域のアライメントマークを検出するアライメント計測が実行され、これと並行して多点AF系(90a、90b)を用いてフォーカスマッピング(Zヘッド72a〜72dの計測値を基準とする、ウエハWの面位置(Z位置)情報の計測)が行われる。ここで、アライメント計測開始後、フォーカスマッピングが開始される前に、ウエハステージWSTと計測ステージMSTとがスクラム状態となり、これらアライメント計測及びフォーカスマッピングのためのウエハステージWSTの+Y方向への移動により、液浸領域14が計測ステージMST上からウエハステージWST上へ受け渡される。そして、計測プレート30が投影光学系PLの直下に達したとき、空間像計測装置45を用いてレチクルR上の一対のアライメントマークをスリットスキャン方式で計測する、プライマリアライメント系AL1のベースラインチェック後半の処理が行われる。
d) その後、アライメント計測及びフォーカスマッピングが続行される。
e) そして、アライメント計測及びフォーカスマッピングが終了すると、アライメント計測の結果求められるウエハ上の各ショット領域の位置情報と、最新のアライメント系のベースラインとに基づいて、ステップ・アンド・スキャン方式でウエハW上の複数のショット領域が露光され、レチクルのパターンが転写される。露光動作中、フォーカスマッピングにより得られた情報に基づいて、ウエハWのフォーカスレベリング制御が行われる。なお、露光中のウエハのZ、θyは、Zヘッド74,76の計測値に基づいて制御されるが、θxは、Y干渉計16の計測値に基づいて制御される。
b) ウエハ交換及びセカンダリアライメント系AL21〜AL24のベースライン計測終了後、ウエハステージWSTを移動して、計測プレート30の基準マークFMをプライマリアライメント系AL1で検出するプライメリアライメント系AL1のベースラインチェック前半の処理が行われる。これと前後して、エンコーダシステム150及び干渉計システム118の原点の再設定(リセット)が行われる。
c) その後、エンコーダシステム118及びZヘッド72a〜72dを用いてウエハステージWSTの6自由度方向の位置を計測しつつ、アライメント系AL1、AL21〜AL24を用いて、ウエハW上の複数のサンプルショット領域のアライメントマークを検出するアライメント計測が実行され、これと並行して多点AF系(90a、90b)を用いてフォーカスマッピング(Zヘッド72a〜72dの計測値を基準とする、ウエハWの面位置(Z位置)情報の計測)が行われる。ここで、アライメント計測開始後、フォーカスマッピングが開始される前に、ウエハステージWSTと計測ステージMSTとがスクラム状態となり、これらアライメント計測及びフォーカスマッピングのためのウエハステージWSTの+Y方向への移動により、液浸領域14が計測ステージMST上からウエハステージWST上へ受け渡される。そして、計測プレート30が投影光学系PLの直下に達したとき、空間像計測装置45を用いてレチクルR上の一対のアライメントマークをスリットスキャン方式で計測する、プライマリアライメント系AL1のベースラインチェック後半の処理が行われる。
d) その後、アライメント計測及びフォーカスマッピングが続行される。
e) そして、アライメント計測及びフォーカスマッピングが終了すると、アライメント計測の結果求められるウエハ上の各ショット領域の位置情報と、最新のアライメント系のベースラインとに基づいて、ステップ・アンド・スキャン方式でウエハW上の複数のショット領域が露光され、レチクルのパターンが転写される。露光動作中、フォーカスマッピングにより得られた情報に基づいて、ウエハWのフォーカスレベリング制御が行われる。なお、露光中のウエハのZ、θyは、Zヘッド74,76の計測値に基づいて制御されるが、θxは、Y干渉計16の計測値に基づいて制御される。
本実施形態では、上述の一連の動作に際し、主制御装置20は、Xエンコーダ70B又は70Dの計測値に基づいて、ウエハステージWSTを駆動する際に、事前に作成した較正データ、例えば最新の較正データ、すなわち較正関数ΔE(x,y)を用いてXエンコーダ70B,70Dの少なくとも一方、ここではXエンコーダ70Bの計測値を較正する。すなわち、主制御装置20は、次式(6)に従って、補正値Xを求め、較正後の計測値に従ってウエハステージWSTを駆動制御する。
X=X0−ΔE(x,y) …(6)
ここで、X0は、Xエンコーダ70Bを構成するXヘッド665〜668のいずれかからXスケール39X1上の点(x,y)に計測ビームを投射した際に得られるX位置の実測値である。なお、計測ビームの投射点の(x,y)位置は、ウエハステージWSTの(X,Y,θz)位置から算出される。
ここで、X0は、Xエンコーダ70Bを構成するXヘッド665〜668のいずれかからXスケール39X1上の点(x,y)に計測ビームを投射した際に得られるX位置の実測値である。なお、計測ビームの投射点の(x,y)位置は、ウエハステージWSTの(X,Y,θz)位置から算出される。
なお、主制御装置20は、ウエハアライメント計測時、露光中など、別の動作の実行中に、これと並行して較正データの作成のためのデータサンプリングを実行することとしても良い。ただし、この場合、一度には部分的なサンプリングデータしか得られないので、全てのデータが蓄えられてから、あるいは一定期間、得られるデータを蓄えてから、較正データの少なくとも一部を更新する。また、古いデータは適宜削除し、新しいデータのみを用いて、較正データを更新することとする。それにより、較正に要する時間を大幅に短縮することが可能になる。
この場合、加減速によるウエハテーブルWTB(ウエハステージWST)の変形に影響されないよう、加速度がゼロ(停止中又は等速移動中)の時間帯にだけ、データをサンプリングして蓄積すると良い。等速移動時にも、データをサンプリング及び蓄積するようにすることで、スキャン露光中にもキャリブレーションデータを収集することが可能になる。
以上詳細に説明したように、本実施形態の露光装置100によると、主制御装置20により、ヘッドユニット62A,62C(エンコーダ70A,70C)を用いて計測されるY軸方向及びθz方向に関するウエハステージWSTの位置の計測結果と、ヘッドユニット62B,62D(エンコーダ70B,70D)の少なくとも一方を用いて計測されるX軸方向に関するウエハステージWSTの位置の計測結果と、前述の較正データと、に基づいて、ステージ駆動系124を介してウエハステージWSTが駆動される。この場合、例えば、ヘッドユニット62Bを用いてX軸方向に関するウエハステージWSTの位置を計測する場合、その計測データを較正データを用いて較正することができ、Xスケール39X1(グレーティング)に起因する計測誤差を含んだ計測結果を較正することができる。これにより、Xスケール39X1に対向するXヘッド665〜668から構成されるヘッドユニット62Bを用いた場合と、Xスケール39X2に対向するXヘッド661〜664から構成されるヘッドユニット62Dとを用いた場合とで、ウエハステージWSTの位置計測の計測精度を一致させることができる。従って、ヘッドユニット62B、62Dの間でエンコーダヘッドを切り換えて使用する場合でも、長期に渡って、等しいウエハステージWSTの駆動精度を維持することが可能になる。
また、本実施形態では、上記の較正データの作成は、次のようにして行われる。すなわち、ウエハステージWSTを駆動し、Yスケール39Y1,39Y2に、それぞれ対向し得る複数のYヘッド65,64を用いて、Y軸方向(及びθz方向)に関するウエハステージWSTの位置を計測するとともに、Xスケール39X1,39X2にそれぞれ対向するX軸方向を計測方向とするXヘッド660とXヘッド665とを用いて、X軸方向に関するウエハステージWSTの位置を計測する。これにより、Xヘッド660とXヘッド665とにより同時に計測(取得)されたXスケール39X1,39X2のX軸方向に関する複数の位置情報(すなわち、Xスケール39X1,39X2上の複数の計測点におけるX位置情報)と、この計測時のウエハステージWSTの所定平面内の位置情報(面内回転を含む)が得られる。そして、この得られた情報(Yスケール39Y1,39Y2に、それぞれ対向するYヘッド65,64と、Xスケール39X1,39X2にそれぞれ対向するXヘッド665及びXヘッド660との計測結果)を用いて、Xヘッド660及びXヘッド665の少なくとも一方、本実施形態ではXヘッド665の計測値を較正するための較正データを作成する。ここで、Xヘッド665の計測値は、Xスケール39X1の起因する誤差成分を含む。従って、較正データを用いて、Xスケール39X1に対向するXヘッド66の計測値を較正することにより、Xスケール39X1に対向するXヘッド66(エンコーダ66B)の計測精度と、Xスケール39X2に対向するXヘッド66(エンコーダ66D)の計測精度とを一致させることが可能になる。従って、ウエハステージWSTのY位置に応じてXエンコーダ70B,70D(Xヘッド661〜664,665〜668)を切り換えて使用する場合にも、長期に渡って、等しい計測精度を維持することが可能となる。
また、本実施形態の露光装置100によると、照明光ILを照射してウエハW上にパターンを形成するために、上述の如くして、主制御装置20により、エンコーダ70A,70Cと、エンコーダ70B,70Dの少なくとも一方とのウエハステージWSTの位置の計測結果と、前述の較正データと、に基づいて、ステージ駆動系124を介してウエハステージWSTが駆動される。従って、精度良く、ウエハW上にパターン(レチクルパターン)を転写形成することが可能になる。また、本実施形態では、液浸露光が行われるので、微細パターンをウエハ上に精度良く形成することが可能になる。
なお、本実施形態の露光装置100では液浸露光方式を採用しているため、Xスケール39X1の歪みが大きいこと、すなわちXエンコーダ70Bの計測誤差がXエンコーダ70Dのそれよりも大きいことを予想して、Xエンコーダ70Dを基準にしてXエンコーダ70Bを較正することとした。しかし、非液浸方式の露光装置の場合、両エンコーダ70B,70Dの計測精度に大きな差は予想されない。そのような場合には、例えば、2つのXヘッド665,660の計測値の平均値を基準にして、両エンコーダ70B,70Dの計測値の較正データを作成すると良い。
その場合、主制御装置20は、先と同様の手順に従って、Xヘッド665,660を用いて、それぞれの計測ビームの投射点を基準とするXスケール39X1,39X2のX位置を計測し、それぞれの計測値E1(xi,yj),E2(xi,yj)の平均AGVij(E1,E2)={E1(xi,yj)+E2(xi,yj)}/2を求め、それを基準とする各計測値のずれΔE1ij=E1(xi,yj)−AGVij(E1,E2),ΔE2ij=E2(xi,yj)−AGVij(E1,E2)を求める。そして、主制御装置20は、離散データΔE1ij,ΔE2ijに適当な補間公式を適用し、2次元の連続関数としての較正データ(較正関数)を作成する。両エンコーダ70B,70Dそれぞれに対して求められた較正関数をΔE1(x,y),ΔE2(x,y)と表記する。
なお、この場合も、計測中、十分なウエハステージWSTの駆動精度を保障できない場合には、エンコーダ70A,70B,70Cの計測結果から求められるウエハステージWSTのX,Y,θz位置と、エンコーダ70A,70C,70Dの計測結果から求められるX,Y,θz位置と、がそれらの平均値(X0,Y0,θz0と表記する)に一致するように、両Xエンコーダ70B,70Dを較正することとすることができる。
すなわち、主制御装置20は、平均値X0,Y0,θz0を式(1)に代入するとともに、(pX,qX)にXヘッド665のX,Y設置位置(より正確には計測ビームの投射点のX,Y位置)を代入して、Xヘッド665の計測値を予測する。この予測値をEX1ij’と表記する。同様に、主制御装置20は、平均値X0,Y0,θz0を式(1)に代入するとともに、(pX,qX)にXヘッド660のX,Y設置位置(より正確には計測ビームの投射点のX,Y位置)を代入して、Xヘッド660の計測値を予測する。この予測値をEX2ij’と表記する。そして、主制御装置20は、式(5)の代わりに、Xヘッド665に対して差ΔE1ij=EX1ij−EX1ij’を,Xヘッド660に対して差ΔE2ij=EX2ij−EX2ij’を求めた後、離散データΔE1ij,ΔE2ijに適当な補間公式を適用し、2次元の連続関数としての較正データ(較正関数)を作成する。Xヘッド665,660(エンコーダ70B,70D)それぞれに対して求められた較正関数をΔE1(x,y),ΔE2(x,y)と表記する。
そして、前述の一連の動作に際し、主制御装置20は、ウエハステージWSTを駆動する際に、事前に作成した較正関数ΔE1(x,y),ΔE2(x,y)を用いて、Xエンコーダ70B,70Dそれぞれの計測結果を較正する。すなわち、主制御装置20は、X=X01−ΔE1(x,y)、及びX=X02−ΔE2(x,y)のそれぞれから、Xエンコーダ70B、及び70Dの補正値Xを求め、較正後の計測値に従ってウエハステージWSTを駆動制御する。
ここで、X01は、Xエンコーダ70Bを構成するXヘッド665〜668のいずれかからXスケール39X1上の点(x,y)に計測ビームを投射した際に得られるX位置の実測値である。また、X02は、Xエンコーダ70Dを構成するXヘッド661〜664のいずれかから、Xスケール39X2上の点(x,y)に計測ビームを投射した際に得られるX位置の実測値である。なお、計測ビームの投射点の(x,y)位置は、ウエハステージWSTの(X,Y,θz)位置から算出される。
なお、本実施形態の較正方法では、Xエンコーダ70B,70Dを較正するために、較正用のXヘッド660を、ヘッドユニット62Dに属する最も+Y側のヘッド664から、+Y方向に距離WDの位置に設けた。このXヘッド660をヘッドユニット62Dに含め、Xエンコーダ70Dの構成要素として、ステージ位置計測に使用しても良い。その場合、Xヘッド660とXスケール39X2が対向するウエハステージWSTのY座標の区間と、Xヘッド665とXスケール39X1が対向するウエハステージWSTのY座標の区間とが、ほぼ一致するので、Xエンコーダ70B,70D間の切り換え(つなぎ)処理において、十分なつなぎ精度を確保できるという利点もある。
また、較正用のXヘッド660を、ヘッドユニット62Bに属する最も−Y側のヘッド665から、−Y方向に距離WDの位置に設けても良い。ここで、Xヘッド660,664の離間距離を、Xスケール39X1,39X2の離間距離にほぼ等しく選ぶ。Xヘッド660,664を用いて、前述のXヘッド660,665を用いた較正方法と同様の手順に従って、Xエンコーダ70B,70Dを較正することも可能である。なお、このXヘッド660をヘッドユニット62Bに含め、Xエンコーダ70Bの構成要素として、ステージ位置計測に使用しても良い。その場合、上述と同様に、Xヘッド660とXスケール39X1が対向するウエハステージWSTのY座標の区間と、Xヘッド664とXスケール39X2が対向するウエハステージWSTのY座標の区間とが、ほぼ一致するので、Xエンコーダ70B,70D間の切り換え(つなぎ)処理において、十分なつなぎ精度を確保できるという利点もある。
また、較正用のXヘッド660を設ける代わりに、Xエンコーダ70B,70DのY軸方向の配置間隔を、本実施形態におけるXヘッド660,665のY間隔に狭め、そして、Xヘッド660,665の代わりに、Xヘッド664,665を用いてXエンコーダ70B,70Dを較正しても良い。このXヘッドの配置を採用した場合、上述と同様に、Xヘッド664とXスケール39X2が対向するステージWSTのY座標の区間と、Xヘッド665とXスケール39X1が対向するステージWSTのY座標の区間とが、ほぼ一致するので、Xエンコーダ70B,70D間の切り換え(つなぎ)処理において、十分なつなぎ精度を確保できるという利点もある。
また、本実施形態に係る較正方法では、Xヘッド665,660の計測値の関係を求め、その関係から較正データを作成するので、Xスケール39X1,39X2上に必ずしも等間隔に計測点を配列する必要はない。
なお、上記実施形態で説明したエンコーダシステムなどの各計測装置の構成は一例に過ぎず、本発明がこれに限定されないことは勿論である。例えば、上記実施形態では、ウエハテーブル(ウエハステージ)上に格子部(Yスケール、Xスケール)を設け、これに対向してXヘッド、Yヘッドをウエハステージの外部に配置する構成のエンコーダシステムを採用した場合について例示したが、これに限らず、例えば米国特許出願公開第2006/0227309号明細書などに開示されているように、ウエハステージにエンコーダヘッドを設け、これに対向してウエハステージの外部に格子部(例えば2次元格子又は2次元に配置された1次元の格子部)を配置する構成のエンコーダシステムを採用しても良い。この場合において、Zヘッドもウエハステージに設け、その格子部の面を、Zヘッドの計測ビームが照射される反射面としても良い。
また、上記実施形態では、ステップ・アンド・スキャン方式等の走査型露光装置に本発明が適用された場合について説明したが、これに限らず、ステッパなどの静止型露光装置に本発明を適用しても良い。ステッパなどであっても、露光対象の物体が搭載されたステージの位置を上記実施形態と同様に、エンコーダを用いて計測することができるので、同様の効果を得ることができる。また、ショット領域とショット領域とを合成するステップ・アンド・スティッチ方式の縮小投影露光装置、プロキシミティー方式の露光装置、又はミラープロジェクション・アライナーなどにも本発明は適用することができる。また、例えば米国特許第6,590,634号明細書、米国特許第5,969,441号明細書、米国特許第6,208,407号明細書などに開示されているように、複数のウエハステージを備えたマルチステージ型の露光装置にも本発明を適用できる。
また、上記実施形態の露光装置における投影光学系は縮小系のみならず等倍および拡大系のいずれでも良いし、投影光学系PLは屈折系のみならず、反射系及び反射屈折系のいずれでも良いし、その投影像は倒立像及び正立像のいずれでも良い。また、前述の照明領域及び露光領域はその形状が矩形であるものとしたが、これに限らず、例えば円弧、台形、あるいは平行四辺形などでも良い。
なお、上記実施形態の露光装置の光源は、ArFエキシマレーザに限らず、KrFエキシマレーザ(出力波長248nm)、F2レーザ(出力波長157nm)、Ar2レーザ(出力波長126nm)、Kr2レーザ(出力波長146nm)などのパルスレーザ光源、g線(波長436nm)、i線(波長365nm)などの輝線を発する超高圧水銀ランプなどを用いることも可能である。また、YAGレーザの高調波発生装置などを用いることもできる。この他、例えば米国特許第7,023,610号明細書に開示されているように、真空紫外光としてDFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(又はエルビウムとイッテルビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。
また、上記実施形態では、露光装置の照明光ILとしては波長100nm以上の光に限らず、波長100nm未満の光を用いても良いことはいうまでもない。例えば、軟X線領域(例えば5〜15nmの波長域)のEUV(Extreme Ultraviolet)光を露光光とし、オール反射縮小光学系、及び反射型マスクを用いたEUV露光装置にも本発明を好適に適用することができる。この他、電子線又はイオンビームなどの荷電粒子線を用いる露光装置にも、本発明は適用できる。
また、上述の実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスク(レチクル)を用いたが、このレチクルに代えて、例えば米国特許第6,778,257号明細書に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて、透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する電子マスク(可変成形マスク、アクティブマスク、あるいはイメージジェネレータとも呼ばれ、例えば非発光型画像表示素子(空間光変調器)の一種であるDMD(Digital Micro-mirror Device)などを含む)を用いても良い。
また、例えば干渉縞をウエハ上に形成することによって、ウエハ上にライン・アンド・スペースパターンを形成する露光装置(リソグラフィシステム)にも本発明を適用することができる。
さらに、例えば米国特許第6,611,316号明細書に開示されているように、2つのレチクルパターンを投影光学系を介してウエハ上で合成し、1回のスキャン露光によってウエハ上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置にも本発明を適用することができる。
また、物体上にパターンを形成する装置は、前述の露光装置(リソグラフィシステム)に限られず、例えばインクジェット方式にて物体上にパターンを形成する装置にも本発明を適用することができる。
なお、上記実施形態でパターンを形成すべき物体(エネルギビームが照射される露光対象の物体)はウエハに限られるものではなく、ガラスプレート、セラミック基板、フィルム部材、あるいはマスクブランクスなど、他の物体でも良い。
露光装置の用途としては半導体製造用の露光装置に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを転写する液晶用の露光装置、有機EL、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD等)、マイクロマシン及びDNAチップなどを製造するための露光装置にも広く適用できる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクル又はマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。
半導体素子などの電子デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づいたレチクルを製作するステップ、シリコン材料からウエハを製作するステップ、前述した実施形態の露光装置(パターン形成装置)によりマスク(レチクル)のパターンをウエハに転写するリソグラフィステップ、露光されたウエハを現像する現像ステップ、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去るエッチングステップ、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除くレジスト除去ステップ、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、検査ステップ等を経て製造される。この場合、リソグラフィステップで、上記実施形態の露光装置を用いて前述の露光方法が実行され、ウエハ上にデバイスパターンが形成されるので、高集積度のデバイスを生産性良く製造することができる。
本発明の較正方法、該較正方法を適用して前記移動体を駆動する移動体駆動方法及び装置は、移動体を駆動するのに適している。また、本発明の露光方法及び装置は、エネルギビームを照射して物体上にパターンを形成するのに適している。また、本発明のパターン形成方法及び装置は、物体上にパターンを形成するのに適している。また、本発明のデバイス製造方法は、半導体素子又は液晶表示素子などの電子デバイスを製造するのに適している。
20…主制御装置、39X1,39X2…Xスケール、39Y1,39Y2…Yスケール、50…ステージ装置、62A〜62F…ヘッドユニット、64,65…Yヘッド、66…Xヘッド、67,68…Yヘッド、70A,70C…Yエンコーダ、70B,70D…Xエンコーダ、100…露光装置、118…干渉計システム、124…ステージ駆動系、150…エンコーダシステム、200…計測システム、W…ウエハ、WST…ウエハステージ、WTB…ウエハテーブル。
Claims (27)
- 互いに直交する第1軸及び第2軸を含む所定平面に沿って移動体を駆動する精度を較正するための較正方法であって、
前記移動体を駆動して、該移動体の前記所定平面に実質的に平行な一面に前記第1軸に平行な第1方向に離間して設けられた前記第2軸に平行な第2方向を周期方向とする第1、第2グレーティングに、それぞれ対向し得る複数の第1、第2エンコーダヘッドを用いて、前記第2方向に関する前記移動体の位置を計測するとともに、前記移動体の前記一面に前記第2方向に離間して設けられた前記第1方向を周期方向とする第3、第4グレーティングに、それぞれ対向する一対のエンコーダヘッドを用いて、前記第1方向に関する前記移動体の位置を計測する工程と;
前記第1、第2エンコーダヘッドと前記一対のエンコーダヘッドとの計測結果を用いて、該一対のエンコーダヘッドの少なくとも一方の計測値を較正するための較正データを作成する工程と;
を含む較正方法。 - 前記作成する工程では、前記較正データを、前記移動体の前記第1方向と前記第2方向に関する位置、又は前記第3、第4グレーティング上での前記一対のエンコーダヘッドのそれぞれの計測点の前記第1方向と前記第2方向に関する位置、の2次元関数として作成する、請求項1に記載の較正方法。
- 前記作成する工程では、前記第1、第2エンコーダヘッドの計測結果から導かれる前記所定平面に直交する軸周りに関する前記移動体の位置を考慮して、前記較正データを作成する、請求項1又は2に記載の較正方法。
- 前記作成する工程では、前記一対のエンコーダヘッドの一方の計測値を基準にして他方の計測値を較正するための較正データを作成する、請求項3に記載の較正方法。
- 前記作成する工程では、前記一対のエンコーダヘッドの両方の計測値を、該計測値の平均値を基準にして、較正するための較正データを作成する、請求項3に記載の較正方法。
- 前記作成する工程では、前記第1、第2エンコーダヘッドと前記一対のエンコーダヘッドの一方の計測結果から導かれる前記移動体の前記所定平面内での位置の第1の算出結果と、前記第1、第2エンコーダヘッドと前記一対のエンコーダヘッドの他方の計測結果から導かれる前記移動体の前記所定平面内での位置の第2の算出結果と、を用いて、前記較正データを作成する、請求項1又は2に記載の較正方法。
- 前記作成する工程では、前記第1の算出結果と前記第2の算出結果の一方を基準にして他方を較正するための前記較正データを作成する、請求項6に記載の較正方法。
- 前記作成する工程では、前記第1の算出結果と前記第2の算出結果を、該両算出結果の平均値を基準にして、較正するための前記較正データを作成する、請求項6に記載の較正方法。
- 前記計測する工程では、前記一対のエンコーダヘッドの少なくとも一方と、前記第1、第2エンコーダヘッドと、の計測結果に基づいて、前記移動体を駆動する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の較正方法。
- 前記計測する工程では、前記所定平面内での前記移動体の位置を、干渉計を含む計測系を用いて計測し、該計測系の計測結果に基づいて、前記移動体を駆動する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の較正方法。
- 前記作成する工程は、
前記一対のエンコーダヘッドの計測結果が更新されると、該計測結果を用いて前記較正データの一部分に対応する部分データを作成する工程と;
前記部分データ又は前記部分データの集合を用いて前記較正データの少なくとも一部を更新する工程と;
を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の較正方法。 - 互いに直交する第1軸及び第2軸を含む所定平面に沿って移動体を駆動する移動体駆動方法であって、
前記所定平面に実質的に平行な前記移動体の一面に前記第1軸に平行な第1方向に離間して設けられた前記第2軸に平行な第2方向を周期方向とする第1、第2グレーティングに、それぞれ対向し得る複数の第1、第2エンコーダヘッドを備える第1、第2ヘッドユニットを用いて、前記第2方向に関する前記移動体の位置を計測するとともに、前記移動体の前記一面に前記第2方向に離間して設けられた前記第1方向を周期方向とする第3、第4グレーティングに、それぞれ対向し得る複数の第3、第4エンコーダヘッドを備える第3、第4ヘッドユニットの少なくとも一方を用いて、前記第1方向に関する前記移動体の位置を計測する工程と;
前記計測する工程の計測結果と、請求項1〜11のいずれか一項に記載の較正方法を用いて作成される較正データと、に基づいて、前記移動体を駆動する工程と;
を含む移動体駆動方法。 - 前記移動体の位置に応じて、前記第3、第4ヘッドユニットの間で、使用するエンコーダヘッドを切り換える工程をさらに含む、請求項12に記載の移動体駆動方法。
- 前記切り換える工程では、前記移動体が、前記第3エンコーダヘッドが前記第3グレーティングに対向する前記移動体の第1移動領域と、前記第4エンコーダヘッドが前記第4グレーティングに対向する前記移動体の第2移動領域と、の間を、該両移動領域が重複する領域を介して移動する間に、切り換えの前後で前記移動体の位置の計測値が維持されるように、切り換え後に使用する前記エンコーダヘッドの計測値を再設定する、請求項13に記載の移動体駆動方法。
- エネルギビームを照射して物体上にパターンを形成する露光方法であって、
前記パターンを形成するために、請求項12〜14のいずれか一項に記載の移動体駆動方法を用いて、前記物体を保持する移動体を駆動する工程を含む露光方法。 - 物体上にパターンを形成するパターン形成方法であって、
前記パターンを形成するために、請求項12〜14のいずれか一項に記載の移動体駆動方法を用いて、前記物体を保持する移動体を所定平面に沿って駆動する工程を含むパターン形成方法。 - 前記物体は感応層を有し、
前記感応層にエネルギビームを照射して前記パターンを形成する、請求項16に記載のパターン形成方法。 - 前記エネルギビームを、光学系と、該光学系と前記物体の間に供給される液体と、を介して照射する、請求項17に記載のパターン形成方法。
- 請求項16〜18のいずれか一項に記載のパターン形成方法を用いて、物体上にパターンを形成する工程と;
前記パターンが形成された前記物体に処理を施す工程と;
を含むデバイス製造方法。 - 互いに直交する第1軸及び第2軸を含む所定平面に沿って移動体を駆動する移動体駆動装置であって、
前記所定平面に実質的に平行な前記移動体の一面に前記第1軸に平行な第1方向に離間して設けられた前記第2軸に平行な第2方向を周期方向とする第1、第2グレーティングに、それぞれ対向し得る複数の第1、第2エンコーダヘッドを有し、前記第2方向に関する前記移動体の位置を計測する第1、第2ヘッドユニットと;
前記移動体の前記一面に前記第2方向に離間して設けられた前記第1方向を周期方向とする第3、第4グレーティングに、それぞれ対向し得る複数の第3、第4エンコーダヘッドを有し、前記第1方向に関する前記移動体の位置を計測する第3、第4ヘッドユニットと;
請求項1〜11のいずれか一項に記載の較正方法を用いて作成される較正データを記憶する記憶装置と;
前記第1、第2ヘッドユニットと前記第3、第4ヘッドユニットの少なくとも一方との計測結果と、前記較正データと、に基づいて前記移動体を駆動する駆動装置と;
を備える移動体駆動装置。 - 前記複数の第3、第4エンコーダヘッドのうち、少なくとも一対の第3、第4エンコーダヘッドの前記第2方向に関する離間距離は、前記第3、第4グレーティングの前記第2方向の離間距離と、ほぼ等しい、請求項20に記載の移動体駆動装置。
- 前記移動体の位置に応じて、前記第3、第4ヘッドユニットの間で、使用するエンコーダヘッドを切り換える切り換え装置をさらに備える、請求項20又は21に記載の移動体駆動装置。
- 前記切り換え装置は、前記移動体が、前記第3エンコーダヘッドが前記第3グレーティングに対向する前記移動体の第1移動領域と、前記第4エンコーダヘッドが前記第4グレーティングに対向する前記移動体の第2移動領域と、の間を、該両移動領域が重複する領域を介して移動する間に、切り換えの前後で前記移動体の位置の計測値が維持されるように、切り換え後に使用する前記エンコーダヘッドの計測値を再設定する、請求項22に記載の移動体駆動装置。
- エネルギビームを照射して物体上にパターンを形成する露光装置であって、
前記パターンを形成するために、前記物体を保持する移動体を所定平面に沿って駆動する、請求項20〜23のいずれか一項に記載の移動体駆動装置を備える露光装置。 - 物体にパターンを形成するパターン形成装置であって、
前記物体を保持して移動可能な移動体と;
前記物体上にパターンを形成するパターン生成装置と;
前記移動体を所定平面に沿って駆動する、請求項20〜23のいずれか一項に記載の移動体駆動装置と;
を備えるパターン形成装置。 - 前記物体は感応層を有し、
前記パターン生成装置は、前記感応層にエネルギビームを照射することによって、前記パターンを形成する、請求項25に記載のパターン形成装置。 - 前記パターン生成装置は、光学系を含み、
前記光学系と前記物体の間に、液体を供給する液体供給装置をさらに備える、請求項26に記載のパターン形成装置。
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