JP2009247079A - 固定子鉄心及び電動機の固定子及び電動機 - Google Patents
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Abstract
【課題】固定子鉄心の材料取りを向上させるために固定子鉄心の外周部を切欠く場合でも、コアバックの磁路が確保でき効率を向上することができる固定子鉄心を提供することを目的とする。
【解決手段】この発明に係る固定子鉄心10は、略リング状のコアバック3と、コアバック3の内側に略等間隔に配置される複数のスロット1と、コアバック3の外周部をカットして形成される断面が直線状の複数の切欠き部4a、4bとを備え、隣り合う切欠き部4a、4bの固定子鉄心10の中心を通る中心線のなす角度をθ1、スロットの数をSとし、θ1/(360/S)≠自然数(正の整数)のとき、切欠き部4a、4bとスロット1との距離が最小となる位置より、切欠き部4a、4bに対してスロット1を所定角度θ2回転した配置とすることを特徴とする。
【選択図】図2
【解決手段】この発明に係る固定子鉄心10は、略リング状のコアバック3と、コアバック3の内側に略等間隔に配置される複数のスロット1と、コアバック3の外周部をカットして形成される断面が直線状の複数の切欠き部4a、4bとを備え、隣り合う切欠き部4a、4bの固定子鉄心10の中心を通る中心線のなす角度をθ1、スロットの数をSとし、θ1/(360/S)≠自然数(正の整数)のとき、切欠き部4a、4bとスロット1との距離が最小となる位置より、切欠き部4a、4bに対してスロット1を所定角度θ2回転した配置とすることを特徴とする。
【選択図】図2
Description
この発明は、固定子鉄心及びそれを用いた電動機の固定子及び電動機に関する。さらに詳しくは、固定子鉄心外周の直線状の切欠とスロットとの位置関係に関する。
従来の巻線方法では、スロット数が多くなって、極当たりの巻線数が多くなり、生産性が悪くなってしまう。また、少ないスロットを選択して極当たりの巻線数を少なくすると、起磁力高調波分、特に、第3次高調波分が大きくなり、音、振動が増加する傾向にあった。そこで、極数P(P=2、4、6、・・・)に対して、固定子コアのスロット数を3P(3P=6、12、18、・・・)で形成し、主巻線を2スロットまたがりで分布させ、補助巻線を3スロットまたがりで分布させる。さらに、補助巻線が納められるスロットの形状を小さくし、固定子コアの外周を多角形状に形成した単相誘導電動機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−252841号公報
しかしながら、上記特許文献1の単相誘導電動機は、固定子コアの外周面をカットすることにより、フープ材の幅を短縮して材料の節減を図るものであるが、バックヨークを通る磁路を確保するためには固定子コアの外周面をカットした箇所のスロット面積が小さくなる。スロット面積が小さくなると、巻線の銅量が減少してモータ効率が低下するという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、固定子鉄心の材料取りを向上させるために固定子鉄心の外周部を切欠く場合でも、コアバックの磁路が確保でき効率を向上することができる固定子鉄心及び電動機の固定子及び電動機を提供することを目的とする。
この発明に係る電動機の固定子鉄心は、
略リング状のコアバックと、
コアバックの内側に略等間隔に配置される複数のスロットと、
コアバックの外周部をカットして形成される断面が直線状の複数の切欠き部とを備え、
隣り合う切欠き部の固定子鉄心の中心を通る中心線のなす角度をθ1、スロットの数をSとし、θ1/(360/S)≠自然数(正の整数)のとき、切欠き部とスロットとの距離が最小となる位置より、切欠き部に対してスロットを所定角度θ2回転した配置とすることを特徴とする。
略リング状のコアバックと、
コアバックの内側に略等間隔に配置される複数のスロットと、
コアバックの外周部をカットして形成される断面が直線状の複数の切欠き部とを備え、
隣り合う切欠き部の固定子鉄心の中心を通る中心線のなす角度をθ1、スロットの数をSとし、θ1/(360/S)≠自然数(正の整数)のとき、切欠き部とスロットとの距離が最小となる位置より、切欠き部に対してスロットを所定角度θ2回転した配置とすることを特徴とする。
この発明に係る電動機の固定子鉄心は、θ1/(360/S)≠自然数(正の整数)のとき、切欠き部とスロットとの距離が最小となる位置より、切欠き部に対してスロットを所定角度θ2回転した配置とすることにより、最小のコアバック寸法が大きくなり、効率を向上させることができる。
実施の形態1.
図1は比較のために示す一般的な固定子鉄心10を示す平面図である。固定子鉄心10は、板厚が0.1〜1.0mmの複数枚の電磁鋼板を所定の形状に打ち抜き後、かしめ又は溶接等により積層して形成される。
図1は比較のために示す一般的な固定子鉄心10を示す平面図である。固定子鉄心10は、板厚が0.1〜1.0mmの複数枚の電磁鋼板を所定の形状に打ち抜き後、かしめ又は溶接等により積層して形成される。
固定子鉄心10は、その内周側縁部に沿って、略等間隔に配置される複数のスロット1を備える。図1の例は、スロット1の数が18である。スロット1は、略等間隔に配置されているため、スロット1は略20°ごとに配置されている。スロット1は、空間であり、その内周側が開口している。この開口している部分を、スロットオープニング1bと呼ぶ。スロット1には、固定子を製作する際に、巻線(コイル)が絶縁部材を介してスロットオープニング1bを利用して巻回される。
隣接するスロット1の間は、ティース2になっている。ティース2は、磁束が通る磁路の一部を構成する。ティース2の数は、スロット1の数と同数である。ティース2の周方向の幅をTとする。図1の例では、ティース2の数は18である。
固定子鉄心10は、スロット1の外側が略リング状の鉄心部になっている。この略リング状の鉄心部を、コアバック3とする。
固定子鉄心10の円形の外周部を数箇所カットして、図1の例では、断面が直線状の切欠き部4a、切欠き部4bを夫々二箇所、計四箇所に設ける。
隣合う切欠き部4aと切欠き部4bとの間は、円弧部5になっている。円弧部5も、四箇所に形成される。四箇所の円弧部5は、一つの円の一部分であり、同じ大きさの切欠き部を等間隔に配置している。
固定子鉄心10の中心を通り、切欠き部4aと垂直に交わる中心線4a−1と、固定子鉄心10の中心を通り、切欠き部4bと垂直に交わる中心線4b−1(固定子鉄心10の中心を通る)のなす角度θ1は、略90°である。
固定子鉄心10の中心は、固定子鉄心10の内周面を形成する円の中心であり、且つ固定子鉄心10の外周面を形成する四箇所の円弧部5を含む円の中心でもある。
図1の固定子鉄心10は、切欠き部4aの中心線4a−1が、ティース2の中心線2aと一致する。また、切欠き部4bの中心線4b−1が、スロット1の中心線1aと一致する。
コアバック3における切欠き部4aとスロット1との最短距離をAとする(図1参照)。
コアバック3における切欠き部4bとスロット1との最短距離をBとする(図1参照)。
切欠き部4aの中心線4a−1がティース2の中心線2aと一致し、切欠き部4bの中心線4b−1がスロット1の中心線1aと一致する図1の場合は、A>Bとなる。
従って、切欠き部4bのコアバック3におけるB部の磁路の面積が、切欠き部4aのコアバック3におけるA部の磁路の面積に比べて小さくなる。コアバック全体でも、B部の磁路面積が最も小さくなる。
磁路面積が小さくなると、その部分(B部)の磁束密度が大きくなり、モータ効率が悪化する。
本実施の形態は、上記のような課題を解決する具体的な方法について述べる。
図2乃至図6は実施の形態1を示す図で、図2は図1に対してスロット1を所定角度回転させた固定子鉄心10の平面図、図3はスロット1を1/2スロットピッチの範囲で回転させた時の、図1のA部とB部の寸法(コアバック3寸法)と角度θ2との関係を示す図、図4はコアバック3の磁束密度と角度θ2との関係を示す図、図5は外周部の切欠き部が五箇所存在する固定子鉄心10の平面図、図6は図5の固定子鉄心10のスロット1を所定角度回転させた固定子鉄心10の平面図である。
図2に示す固定子鉄心10は、コアバック3を固定して、スロット1(ティース2)を反時計方向に、角度θ2[°]回転させたものである。
図3はコアバック3を固定してスロット1(ティース2)を反時計方向に角度θ2[°]回転したときのA及びB(コアバック寸法)の変化を示している。Aを実線、Bを破線で示す。
図3に示すように、コアバック寸法Aは、図1のように切欠き部4aの中心線4a−1がティース2の中心線2aと一致するとき(θ2=0[°])に最大となる。
コアバック3を固定してスロット1(ティース2)を反時計方向に回転すると、コアバック寸法Aは徐々に小さくなる。
そして、θ2=10[°](1/2スロットピッチ)のときに、コアバック寸法Aは最小となる。この状態は、切欠き部4aの中心線4a−1がスロット1の中心線1aと一致する場合である。
一方、図3に示すように、コアバック寸法Bは、図1のように切欠き部4bの中心線4b−1がスロット1の中心線1aと一致するとき(θ2=0[°])に最小となる。
コアバック3を固定してスロット1(ティース2)を反時計方向に回転すると、コアバック寸法Bは徐々に大きくなる。
そして、θ2=10[°]のときに、コアバック寸法Bは最小となる。この状態は、切欠き部4bの中心線4b−1がティース2の中心線2aと一致する場合である。
図4はコアバック3を固定してスロット1(ティース2)を反時計方向に角度θ2[°]回転したときのA及びBのコアバック部分の磁束密度変化を示している。Aを実線、Bを破線で示す。
スロット1(ティース2)を反時計方向に回転すると、図3に示すようにコアバック寸法が変化する。図3に示すようにコアバック寸法が変化するため、コアバック寸法が大きくなれば、図4に示すように磁束密度は低下する。また、コアバック3が磁気飽和している状態であると、図4に示すようにコアバック寸法を広くしても磁束密度の低下が小さい。図4に示す磁気飽和点以下になると磁束密度がコアバック寸法に略反比例して低下する。
コアバック3が一部でも磁気飽和状態でモータを使用すると、電流、鉄損が増加し、効率が低下する。磁気飽和状態で使用しないためには、磁気飽和点よりも磁束密度が低下するようにコアバック寸法を広げる必要がある。また、磁気飽和点よりも磁束密度が小さくても、磁束密度は小さい方が鉄損低減を見込めるため、コアバック3は広い方がよい。
θ2=5[°](1/4スロットピッチ)のときに、A=Bとなる。このとき、コアバック3の最小寸法が最も大きくなる。磁束密度が緩和され、効率を向上させることができる。
θ2=0[°]及びθ2=10[°]のとき、コアバック3の最小寸法が最も小さくなり、磁束密度が高く、効率が悪化する。
従って、θ2を0〜10[°](0〜1/2スロットピッチ)の範囲で変化させることにより、コアバック3の最小寸法が最も小さくなる状態を回避できる。それにより、コアバック3の最小寸法が最も小さくなる場合(θ2=0[°]及びθ2=10[°])よりも、磁束密度が緩和され、効率を向上させることができる。
また、図3に示すように、切欠き部4bに対してスロット1をθ2回転させた時のBのコアバック寸法は、比例で大きくならず、0[°]近傍では、コアバック寸法があまり大きくならない。そのため、例えば、1/8スロットピッチ≦θ2≦3/8スロットピッチの間で使用すれば、0[°]近傍よりもコアバック寸法の変化量が大きく、より効率を向上させる事が可能である。
切欠き部4aと切欠き部4bとの大きさが同じ場合は、コアバック寸法の最小値が最も大きくなる角度は、1/4スロットピッチである。しかし、切欠き部4aと切欠き部4bとの大きさが異なる場合は、コアバック寸法の最小値が最も大きくなる角度は1/4スロットピッチではなく、1/4スロットピッチからずれた角度になる。
その場合は、コアバック寸法の最小値が最も大きくなる角度をαとした時、α/2≦θ2≦α×3/2の範囲で使用するとよい。
また、コアバック3に通る磁束は、回転子(図示せず)からティース2、コアバック3と磁路を形成する。コアバック3は略リング状であり、ティース2からの磁束は二分割されてコアバック3を通るため、ティース2の磁束量の1/2がコアバック3を通る磁束量となる。
固定子鉄心10の磁束の磁路は、複数のティース2からコアバック3を通る磁路を形成する。そのため、極数がP、スロット数がSの固定子鉄心10の1極当たりの磁束が通るティース2の本数は、(スロット数S/極数P)本になる。
固定子鉄心10のティース2の周方向幅をT、極数をP、スロット1の数をSとし、T×S/(2P)が、切欠き部4a,4bに対してスロット1を所定角度θ2回転したときの切欠き部4a,4bとスロット1との最短距離の最小値と最大値との間にあるとする。
固定子鉄心10は、巻線が分布巻方式で施される固定子に用いられるものであるとする。
既に述べたように、コアバック3の磁束量はティース2を流れる磁束量の1/2となるため、ティース幅T×スロット数S/(極数P×2)よりも大きくなるように、コアバック3を固定して切欠き部4a,4bに対してスロット1(ティース2)を回転することにより、ティース2よりも磁束密度を低くできる。そのため、鉄損を低減でき、高効率化が可能となる。
例えば、図1の例で示すと、巻線を分布巻線方式とし、スロット数S=18、極数P=6のとき、ティース幅T×18/(6×2)=ティース幅T×3/2が、切欠き部4a,4bに対してスロット1を所定角度θ2回転したときの切欠き部4a,4bとスロット1との最短距離の最小値と最大値との間にあり、
ティース幅T×18/(6×2)=ティース幅T×3/2
よりもAとBが大きくなるようにコアバック3を固定してスロット1(ティース2)を回転することにより、ティース2よりも磁束密度を低くでき、鉄損の低減が可能であるため、高効率化が可能である。
ティース幅T×18/(6×2)=ティース幅T×3/2
よりもAとBが大きくなるようにコアバック3を固定してスロット1(ティース2)を回転することにより、ティース2よりも磁束密度を低くでき、鉄損の低減が可能であるため、高効率化が可能である。
ティース2に巻かれる巻線に、集中巻方式を用いた固定子に用いられる固定子鉄心10の場合、2極3スロット系列(例えば4極6スロット)や4極3スロット系列(例えば8極6スロット)などが存在する。固定子鉄心10のティース2の周方向幅をTとし、T/2が、切欠き部4a,4bに対してスロット1を所定角度θ2回転したときの切欠き部4a,4bとスロット1との最短距離の最小値と最大値との間にあるとする。磁束の磁路は回転子(図示せず)からティース2、コアバック3へ磁路を形成する。集中巻方式の場合、ティース2のうち1つのティース2に磁路が集中する状態が存在する。既に述べたように、コアバック3の磁束量はティース2を流れる磁束量の1/2となるため、AとBをT/2よりも大きくなるように、コアバック3を固定してスロット1(ティース2)を回転することにより、ティース2よりも磁束密度を低くできる。それのより、鉄損が低減でき高効率化が可能となる。
上記の関係を満たす固定子鉄心10を用いることにより、ティース2が磁気飽和状態でなければ、コアバック3も磁気飽和状態でないため、鉄損、銅損の低減が可能であり、高効率化が可能である。
以上は、スロット数が18で、切欠き部4aと切欠き部4bとが夫々二箇所、計四箇所あり、切欠き部4aと切欠き部4bとを交互に略等間隔に配置した固定子鉄心10のケースである。
また、例えば、切欠き部4aの中心線4a−1がティース2の中心線2aと一致し、切欠き部4bの中心線4b−1もティース2の中心線2aと一致するケース(例えば、図1、図2で、スロット数が12)では、常に(コアバック3を固定してスロット1(ティース2)を回転しても)、A=Bであるようなケースは、本実施の形態からは除外される。
切欠き部4aと切欠き部4bとが夫々二箇所、計四箇所あり、切欠き部4aと切欠き部4bとを交互に略等間隔に配置した固定子鉄心10のケース、即ち、切欠き部4aと切欠き部4bとが90°間隔(θ1)で配置される場合、スロット数をSとすると、90(θ1)/(360/S)≠自然数(正の整数)のときに、コアバック3を固定してスロット1(ティース2)を、0〜180/S[°]の範囲で回転することにより、コアバック3の最小寸法が最も小さくなる状態を回避でき、効率を向上させる事が可能である。
90(θ1)/(360/S)=自然数(正の整数)のときは、切欠き部4aの中心線4a−1及び切欠き部4bの中心線4b−1をともに、ティース2の中心線2aと一致させることができる(このケースは、A=Bである)。この状態で、コアバック3の最小寸法が最も大きくなる。この状態から、コアバック3を固定してスロット1(ティース2)を回転すると、コアバック3の最小寸法は小さくなり、スロット1(ティース2)を回転する効果はない。
図5は外周部の切欠き部が五箇所存在する固定子鉄心10を示す。切欠き部は、一箇所の切欠き部4aと、二箇所の切欠き部4bと、二箇所の切欠き部4cとで構成される。
図5の切欠き部4aと切欠き部4bは、図1、図2の切欠き部4aと切欠き部4bと同様である。
二箇所の切欠き部4cは、一箇所の切欠き部4aに対向する対辺で、一箇所の切欠き部4aの略中心と固定子鉄心10の略中心を通る縦中心線の両側に設けられる。ここでは、縦中心線は、ティース2の中心線2aと一致している。
二箇所の切欠き部4cは、縦中心線の通るティース2(図5の上側)を基準にすると、時計方向及び反時計方向の3番目のティース2の中心線2aに対して直角に設けられる。
切欠き部4cの中心線4c−1(固定子鉄心10の中心を通る)と、切欠き部4cに隣接する切欠き部4bの中心線4b−1(固定子鉄心10の中心を通る)のなす角度θ1は、略50°である。
コアバック3における切欠き部4cとスロット1との最短距離をAとする(図5参照)。
コアバック3における切欠き部4bとスロット1との最短距離をBとする(図5参照)。
尚、図6の切欠き部4aについては、図1、図2と同様であるので、説明は省略する。
図6に示す固定子鉄心10は、コアバック3を固定して、スロット1(ティース2)を反時計方向に、角度θ2[°]回転させたものである。
図5に示す固定子鉄心10も、図3に示すように、θ2を0〜10[°](0〜1/2スロットピッチ)の範囲で変化させることにより、コアバック3の最小寸法が最も小さくなる状態を回避できる。それにより、コアバック3の最小寸法が最も小さくなる場合(θ2=0[°]及びθ2=10[°])よりも、磁束密度が緩和され、効率を向上させることができる。
一箇所の切欠き部4aと、二箇所の切欠き部4bと、二箇所の切欠き部4cとが配置された図5の固定子鉄心10のケース、即ち切欠き部4bと隣接する切欠き部4cとが、50°間隔(θ1)で配置される場合も、スロット数をSとすると、50(θ1)/(360/S)≠自然数(正の整数)のときに、コアバック3を固定してスロット1(ティース2)を、0〜180/S[°]の範囲で回転することにより、コアバック3の最小寸法が最も小さくなる状態を回避できる。
ここで、図2及び図6に示す固定子鉄心10の結果をまとめると、以下のとおりである。即ち、隣り合う切欠き部と切欠き部との角度θ1に対して、スロット1の数をSとすると、θ1/(360/S)≠自然数(正の整数)のとき、コアバック3における切欠き部とスロット1との距離が最小となる位置を基準にして、コアバック3を固定してスロット1(ティース2)を0〜180/S[°]の範囲の角度θ2で回転することにより、コアバック3の最小寸法が最も小さくなる状態を回避できる。
0〜180/S[°]の範囲の中でも、最も好ましいのは、コアバック寸法の最小値が最も大きくなる状態である。
また、磁束密度低下による効率向上の効果が大きく現れるのはθ2=0[°]近傍以外の角度であり、図2で示すと、1/8スロットピッチ≦θ2≦3/8スロットピッチの間である。これは、切欠き部4aと切欠き部4bとの大きさが同じ場合に適用される。
また、切欠き部4aと切欠き部4bとの大きさが異なる場合は、コアバック寸法の最小値が最も大きくなる角度をαとした時、α/2≦θ2≦α×3/2の範囲で使用するとよい。
固定子鉄心10のティース2の周方向幅をT、極数をP、スロット1の数をSとし、T×S/(2P)が、切欠き部4a,4bに対してスロット1を所定角度θ2回転したときの切欠き部4a,4bとスロット1との最短距離の最小値と最大値との間にあり、固定子鉄心10が、巻線が分布巻方式で施される固定子に用いられるものである場合、ティース幅T×スロット数S/(極数P×2)よりも大きくなるように、コアバック3を固定して切欠き部4a,4bに対してスロット1(ティース2)を回転することにより、ティース2よりも磁束密度を低くできるため、鉄損が低減し、高効率化が可能である。
ティース2に巻かれる巻線に、集中巻方式を用いた固定子に用いられる固定子鉄心10の場合で、固定子鉄心10のティース2の周方向幅をTとし、T/2が、切欠き部4a,4bに対してスロット1を所定角度θ2回転したときの切欠き部4a,4bとスロット1との最短距離の最小値と最大値との間にあり、AとBがT/2よりも大きくなるように、コアバック3を固定してスロット1(ティース2)を回転することにより、ティース2よりも磁束密度を低くできる。それにより、鉄損が低減でき高効率化が可能となる。
実施の形態2.
上記実施の形態1の固定子鉄心10を備える固定子を電動機に用いることにより、高効率で安価な電動機を得ることができる。
上記実施の形態1の固定子鉄心10を備える固定子を電動機に用いることにより、高効率で安価な電動機を得ることができる。
また、回転子に焼結希土類磁石を使用すると、焼結希土類磁石は高磁力であるため、コアバックの磁束密度が高くなり、磁気飽和が発生しやすくなる。そのため、実施の形態1の固定子鉄心10を用いることにより、コアバックの均一化が可能であり、より効果が大きくなる。
また、実施の形態1に示す固定子鉄心10を用いた電動機は、磁束密度が緩和することにより磁気飽和の影響が小さくなり、電流が低減する。そのため、銅損が低減し、巻線の温度上昇が小さくなるため、経年変化が小さくなり、長寿命な電動機を構成することができる。
さらに、切欠き部4a、4b、4cとスロット1との間のコアバック3の磁束密度が均一化される。そのため、磁気回路のバランスがよくなり、振動の低減が可能である。
さらに、振動の低減により巻線の結線部への振動も小さくなるため、巻線結線部の経年変化が小さくなり、長寿命な電動機を構成することが可能である。
また、実施の形態1に示す固定子鉄心10を用いた電動機は、巻線方式が、分布巻、集中巻によらず上記効果を奏する。
また、集中巻は分布巻に比べ磁束がアンバランスであるため、磁束密度が集中する部分が多く、より効果を示すことができる。さらに集中巻は巻線を巻く時の巻線への負荷が小さく、巻線被膜へのダメージが小さく長寿命な電動機となる。
また、実施の形態1に示す固定子鉄心10を用いた電動機を圧縮機や送風機に搭載することにより、高効率、安価、長寿命な圧縮機や送風機が得られる。
1 スロット、1a 中心線、1b スロットオープニング、2 ティース、2a 中心線、3 コアバック、4a 切欠き部、4a−1 中心線、4b 切欠き部、4b−1 中心線、4c 切欠き部、4c−1 中心線、5 円弧部、10 固定子鉄心。
Claims (12)
- 略リング状のコアバックと、
前記コアバックの内側に略等間隔に配置される複数のスロットと、
前記コアバックの外周部をカットして形成される断面が直線状の複数の切欠き部とを備え、
隣り合う前記切欠き部の前記固定子鉄心の中心を通る中心線のなす角度をθ1、前記スロットの数をSとし、θ1/(360/S)≠自然数(正の整数)のとき、前記切欠き部と前記スロットとの距離が最小となる位置より、前記切欠き部に対して前記スロットを所定角度θ2回転した配置とすることを特徴とする固定子鉄心。 - 略リング状のコアバックと、
前記コアバックの内側に略等間隔に配置される複数のスロットと、
前記コアバックの外周部をカットして形成される断面が直線状の周方向に等間隔に配置される複数の切欠き部とを備え、
隣り合う前記切欠き部の前記固定子鉄心の中心を通る中心線のなす角度をθ1、前記スロットの数をSとし、θ1/(360/S)≠自然数(正の整数)のとき、前記切欠き部と前記スロットとの距離が最小となる位置より、前記切欠き部に対して前記スロットを所定角度θ2回転した配置とすることを特徴とする固定子鉄心。 - 略リング状のコアバックと、
前記コアバックの内側に略等間隔に配置される複数のスロットと、
前記コアバックの外周部をカットして形成される断面が直線状の周方向に90°間隔に配置される少なくとも二つの切欠き部とを備え、
隣り合う前記切欠き部の前記固定子鉄心の中心を通る中心線のなす角度をθ1、前記スロットの数をSとし、θ1/(360/S)≠自然数(正の整数)のとき、前記切欠き部と前記スロットとの距離が最小となる位置より、前記切欠き部に対して前記スロットを所定角度θ2回転した配置とすることを特徴とする固定子鉄心。 - 前記切欠き部が四箇所存在することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の固定子鉄心。
- 前記所定角度θ2を、0[°]<θ2<180/S[°]とすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の固定子鉄心。
- 前記所定角度θ2を、前記切欠き部に対して前記スロットを回転したときの前記切欠き部と前記スロットとの最短距離が最大値となる角度とすることを特徴とする請求項5記載の固定子鉄心。
- 巻線が分布巻方式で施される固定子に用いられる固定子鉄心であって、
当該固定子鉄心のティースの周方向幅をT、極数をPとし、T×S/(2P)が前記切欠き部に対して前記スロットを所定角度θ2回転したときの前記切欠き部と前記スロットとの最短距離の最小値と最大値との間にあり、
前記切欠き部に対して前記スロットを回転したときの前記切欠き部と前記スロットとの最短距離が、T×S/(2P)より大きくなるように、前記切欠き部に対して前記スロットを回転した配置とすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の固定子鉄心。 - 巻線が集中巻方式で施される固定子に用いられる固定子鉄心であって、
当該固定子鉄心のティースの周方向幅をTとし、T/2が前記切欠き部に対して前記スロットを所定角度θ2回転したときの前記切欠き部と前記スロットとの最短距離の最小値と最大値との間にあり、
前記切欠き部に対して前記スロットを回転したときの前記切欠き部と前記スロットとの最短距離が、T/2より大きくなるように、前記切欠き部に対して前記スロットを回転した配置とすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の固定子鉄心。 - 請求項1乃至6のいずれかに記載の固定子鉄心を用いる固定子の巻線方法を、分布巻としたことを特徴とする電動機の固定子。
- 請求項1乃至6のいずれかに記載の固定子鉄心を用いる固定子の巻線方法を、集中巻としたことを特徴とする電動機の固定子。
- 請求項9又は請求項10記載の電動機の固定子を備えたことを特徴とする電動機。
- 回転子に焼結希土類磁石を使用したことを特徴とする請求項11記載の電動機。
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