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JP2009218179A - 色素増感型太陽電池 - Google Patents

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JP2009218179A
JP2009218179A JP2008063287A JP2008063287A JP2009218179A JP 2009218179 A JP2009218179 A JP 2009218179A JP 2008063287 A JP2008063287 A JP 2008063287A JP 2008063287 A JP2008063287 A JP 2008063287A JP 2009218179 A JP2009218179 A JP 2009218179A
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Atsuya Takashima
淳矢 高島
Takuya Fujii
拓也 藤井
Hiroya Ishikawa
浩也 石川
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Niterra Co Ltd
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NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

【課題】正極側を十分な触媒作用と集電作用とを併せて有するものとすることができ、光電変換効率の高い色素増感型太陽電池を提供する。
【解決手段】本発明の色素増感型太陽電池100は、透光性基板1(ガラス基板等)と、その一面に設けられた透光性導電層11(FTO等からなる)と、その表面に設けられ、且つ増感色素を有する半導体電極3(多孔質チタニア等からなる)と、透光性基板1の一面に対向して配置された対極基板2(樹脂基板等)と、その一面に設けられたカーボン含有導電層42(グラファイトを含有する。)と、その表面に設けられたカーボン含有触媒層41(活性炭を含有する。)と、半導体電極3とカーボン含有触媒層41との間に充填された電解液5と、を備え、カーボン含有導電層42の抵抗率が0.001〜0.1Ω・cmであり、カーボン含有触媒層41の比表面積が500〜3000m/gである。
【選択図】図1

Description

本発明は、光エネルギーを電気エネルギーに直接変換する色素増感型太陽電池に関する。更に詳しくは、本発明は、対極基板の一面にカーボン含有導電層を形成し、このカーボン含有導電層の表面に更にカーボン含有触媒層を形成することにより、正極側を十分な触媒作用と集電作用とを併せて有するものとすることができ、光電変換効率の高い色素増感型太陽電池に関する。
現在、太陽光発電では、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン及びこれらを組み合わせたHIT(Heterojunction with Intrinsic Thin−layer)等を用いた太陽電池が実用化され、主力技術となっている。このシリコン系太陽電池では光電変換効率も20%に近く優れている。
また、Gratzel等により提案された色素増感型太陽電池が安価な太陽電池として注目されている(例えば、特許文献1及び非特許文献1参照。)。この太陽電池は、増感色素を担持させたチタニア多孔質電極と触媒電極との間に電解液を介在させた構造を有し、現行のシリコン系太陽電池に比べて光電変換効率は低いものの、材料、製法等の面でコストダウンが可能である。
色素増感型太陽電池では、触媒電極として、優れた触媒作用と耐腐食性とを併せて有する白金が用いられることが多いが、白金は極めて高価である。そのため、白金からなる触媒電極を可能な限り薄層とし、低コスト化が図られているが、薄層とした場合は集電電極が必須となる。また、活性炭等を含有する触媒電極も知られているが(例えば、特許文献2及び特許文献3参照。)、この場合も、通常、集電電極が付設される。この集電電極は、銀ペースト等の導電ペーストを対極基板の一面に塗布し焼き付けることにより形成されることが多い。
特開平1−220380号公報 Nature誌(第353巻、pp.736−740、1991年) 特開2003−297446号公報 特開2006−302618号公報
しかし、電解液は揮発性及び腐食性が高いため、例えば、銀等からなる集電電極の場合、電解液との接触を防止するため、通常、集電電極の全面を樹脂又はガラスにより十分に覆って保護する必要がある。このように基板表面に集電電極と保護層とが形成された場合、基板表面のうちの触媒電極を形成することができる面積が減少し、これによって発電効率が低下し、問題である。また、活性炭等のカーボン類は十分な耐腐食性を有するため、腐食の面では問題ない。しかし、活性炭では十分に低抵抗とすることができず、グラファイト等を用いたときは十分に低抵抗にすることができるものの、触媒作用が不足し、電池性能が低下するという問題がある。
本発明は、上記の状況に鑑みてなされたものであり、対極基板の一面に低抵抗のカーボン含有導電層を形成し、このカーボン含有導電層の表面に更に十分な触媒作用を有するカーボン含有触媒層を形成することにより、正極側が十分な触媒作用と集電作用、及び優れた耐腐食性を併せて有し、光電変換効率の高い色素増感型太陽電池を提供することを目的とする。
本発明は以下のとおりである。
1.透光性基板1と、該透光性基板1の一面に設けられた透光性導電層11と、該透光性導電層11の表面に設けられ、且つ増感色素を有する半導体電極3と、該透光性基板1の該一面に対向して配置された対極基板2と、該対極基板2の一面に設けられたカーボン含有導電層42と、該カーボン含有導電層42の表面に該半導体電極3に対向して設けられたカーボン含有触媒層41と、該半導体電極3と該カーボン含有触媒層41との間に充填された電解液7と、を備え、上記カーボン含有導電層42の抵抗率が0.001〜0.1Ω・cmであり、上記カーボン含有触媒層41の比表面積が500〜3000m/gであることを特徴とする色素増感型太陽電池。
2.上記カーボン含有導電層42は、導電性カーボン及び樹脂を含有するペーストが上記対極基板2の上記一面に塗布され、乾燥されてなる上記1.に記載の色素増感型太陽電池。
3.上記導電性カーボンがグラファイト、ケッチェンブラック及びカーボンナノチューブのうちの少なくとも1種である上記2.に記載の色素増感型太陽電池。
4.上記カーボン含有触媒層41は、触媒作用を有するカーボン412が保持された多孔質樹脂シート411が、上記カーボン含有導電層42の上記表面に接合されてなる上記1.乃至3.のうちのいずれか1項に記載の色素増感型太陽電池。
5.上記触媒作用を有するカーボン412が活性炭である上記4.に記載の色素増感型太陽電池。
6.上記多孔質樹脂シート411がフッ素樹脂からなる上記4.又は5.に記載の色素増感型太陽電池。
7.上記対極基板2は、少なくとも一部が該対極基板2の内部に設けられた負極側集電電極31及び正極側集電電極43を備える上記1.乃至6.のうちのいずれか1項に記載の色素増感型太陽電池。
8.上記対極基板2は、該対極基板2の上記一面の側を構成する第1樹脂層、並びに第1金属層、第2樹脂層及び第2金属層が積層されてなり、該第1金属層が上記負極側集電電極31であって、該負極側集電電極31は、該第1樹脂層に設けられた第1有底孔に配設されたインターコネクタ5により上記透光性導電層11に接続され、且つ該第2金属層が上記正極側集電電極43であって、該正極側集電電極43と上記カーボン含有導電層42とは、該第1樹脂層に設けられた第2有底孔の内部に形成された該カーボン含有導電層42の一部により接続されている上記7.に記載の色素増感型太陽電池。
9.上記第1樹脂層及び上記第2樹脂層はポリイミド層であり、上記負極側集電電極31及び上記正極側集電電極43が銅層からなる上記8.に記載の色素増感型太陽電池。
本発明の色素増感型太陽電池では、対極基板2の一面に十分な導電性を有するカーボン含有導電層42が設けられ、且つこのカーボン含有導電層42の表面に十分な触媒作用を有するカーボン含有触媒層41が設けられているため、優れた耐腐食性を有し、且つ光電変換効率が高い。
また、カーボン含有導電層42が、導電性カーボン及び樹脂を含有するペーストが対極基板2の一面に塗布され、乾燥されてなる場合は、正極側の集電抵抗を十分に低下させることができ、光電変換効率が高い色素増感型太陽電池とすることができる。
更に、導電性カーボンがグラファイト、ケッチェンブラック及びカーボンナノチューブのうちの少なくとも1種である場合は、集電抵抗をより十分に低下させることができ、より光電変換効率が高い色素増感型太陽電池とすることができる。
また、カーボン含有触媒層41が、活性炭412が保持された多孔質樹脂シート411が、カーボン含有導電層42の表面に接合されてなる場合は、十分な触媒作用を有する触媒電極とすることができ、優れた光電変換効率を有する色素増感型太陽電池とすることができる。
更に、触媒作用を有するカーボン412が活性炭である場合は、十分な触媒作用を有するカーボン含有触媒層41とすることができ、優れた光電変換効率を有する色素増感型太陽電池とすることができる。
また、多孔質樹脂シート411がフッ素樹脂からなる場合は、耐久性の高い色素増感型太陽電池とすることができる。
更に、対極基板2が、少なくとも一部が対極基板2の内部に設けられた負極側集電電極31及び正極側集電電極43を備える場合は、集電電極の配設が容易であり、簡易な構造であって、且つ優れた光電変換効率と高い耐久性とを併せて有する色素増感型太陽電池とすることができる。
また、対極基板2が、対極基板2の一面の側に配設された第1樹脂層、並びに第1金属層、第2樹脂層及び第2金属層が積層されてなり、第1金属層が負極側集電電極31であって、負極側集電電極31は、第1樹脂層に設けられた第1有底孔に配設されたインターコネクタ5により透光性導電層11に接続され、且つ第2金属層が正極側集電電極43であって、正極側集電電極43とカーボン含有導電層42とは、第1樹脂層に設けられた第2有底孔の内部に形成されたカーボン含有導電層42の一部により接続されている場合は、抵抗が低く、優れた集電効率を有する集電電極とすることが容易であり、且つカーボン含有導電層42により正極側集電電極43を電解液による腐食から十分に保護することができ、耐久性の高い色素増感型太陽電池とすることができる。
更に、第1樹脂層及び第2樹脂層はポリイミド層であり、負極側集電電極31及び正極側集電電極43が銅層からなる場合は、より抵抗が低く、優れた集電効率を有する集電電極とすることができ、且つ負極側及び正極側の各々の集電電極31、43が電解液7による腐食から十分に保護される色素増感型太陽電池とすることができる。
以下、例えば、図1〜7を用いて本発明を詳細に説明する。
本発明の色素増感型太陽電池は、透光性基板1と、その一面に設けられた透光性導電層11と、その表面に設けられ、且つ増感色素を有する半導体電極3と、透光性基板1の一面に対向して配置された対極基板2と、その一面に設けられたカーボン含有導電層42と、その表面に半導体電極3に対向して設けられたカーボン含有触媒層41と、半導体電極3とカーボン含有触媒層41との間に充填された電解液7と、を備え(図1参照)、カーボン含有導電層42の抵抗率が0.001〜0.1Ω・cmであり、カーボン含有触媒層41の比表面積が500〜3000m/gである。
[1]透光性基板
上記「透光性基板1」としては、ガラス板、樹脂シート等からなる基板が挙げられる。この樹脂シートは特に限定されず、ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリカーボネート、ポリスルフォン、ポリエチリデンノルボルネン等を用いて作製された樹脂シートが挙げられる。
この透光性基板1の「透光性」とは、下記式により表される可視光透過率が10%以上であることを意味する。
可視光透過率(%)=(透光性基板を透過した光量/透光性基板に入射した光量)×100
この可視光透過率は60%以上、特に85%以上であることが好ましい。
透光性基板1の厚さは材質によっても異なり、特に限定されないが、上記の可視光透過率が60〜99%、特に85〜99%となる厚さであることが好ましい。
[2]透光性導電層
上記「透光性導電層11」は透光性基板1の一面に設けられる。この透光性導電層11は、透光性及び導電性を有しておればよく、その材質は特に限定されない。この透光性導電層11としては、導電性酸化物からなる薄膜、炭素薄膜等が挙げられる。導電性酸化物としては、酸化インジウム、スズドープ酸化インジウム、酸化スズ、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)等が挙げられる。この透光性導電層11の厚さは材質によっても異なり、特に限定されないが、表面抵抗が100Ω/cm以下、特に1〜10Ω/cmとなる厚さであることが好ましい。
この透光性導電層11の透光性の意味及び好ましい可視光透過率は、透光性基板1の場合と同様である。
[3]半導体電極
上記「半導体電極3」は、透光性導電層11の表面に設けられ、且つ増感色素を有する。この半導体電極3は、多孔質電極基体と、この多孔質電極基体に付着した増感色素とを有する。多孔質電極基体は、チタニア、酸化スズ、酸化亜鉛等の金属酸化物、及び硫化亜鉛、硫化鉛等の金属硫化物等により形成することができる。多孔質電極基体の作製方法は特に限定されず、例えば、金属酸化物、金属硫化物等の微粒子を含有するペーストを、透光性基板1の一面に設けられた透光性導電層11の表面に、スクリーン印刷法、ドクターブレード法等により塗布し、焼成することにより作製することができる。
焼成の条件は特に限定されないが、焼成温度は400〜600℃、特に450〜550℃とすることができ、焼成時間は10〜300分、特に20〜40分とすることができる。焼成雰囲気は、大気雰囲気等の酸化雰囲気又はアルゴン等の希ガス雰囲気及び窒素ガス雰囲気等の不活性雰囲気とすることができる。
半導体電極3の厚さは特に限定されないが、0.1〜100μmとすることができ、1〜30μm、特に2〜25μmとすることが好ましい。半導体電極3の厚さが0.1〜100μmであれば、光電変換効率が向上する。
上記「増感色素」は、光電変換効率を向上させる作用を有する。この増感色素としては、錯体色素及び有機色素を用いることができる。錯体色素としては金属錯体色素が挙げられる。この金属錯体色素としてはルテニウム錯体色素及びオスミウム錯体色素等が挙げられ、ルテニウム錯体色素が特に好ましい。また、有機色素としてはポリメチン色素、メロシアニン色素等が挙げられる。更に、光電変換がなされる波長域を拡大し、変換効率を向上させるため、光電変換がなされる波長域の異なる2種以上の増感色素を併用することもできる。多孔質電極基体に増感色素を付着させる方法は特に限定されず、例えば、増感色素を有機溶媒に溶解させた溶液に多孔質電極基体を浸漬して溶液を含侵させ、その後、有機溶媒を除去することにより付着させることができる。また、この溶液を、ワイヤーバー法、スライドホッパー法等により多孔質電極基体に塗布して含浸させ、その後、有機溶媒を除去することにより付着させることもできる。
[4]対極基板
上記「対極基板2」は、透光性を有していてもよく、有していなくてもよい。透光性を有している対極基板2としては、ガラス、樹脂シート等からなる基板が挙げられる。対極基板2がガラス基板であれば、より高い信頼性を有する色素増感型太陽電池とすることができる。また、透光性基板1及び対極基板2が樹脂シートからなる基板であれば、軽量であり、且つ可撓性のある色素増感型太陽電池とすることができる。この透光性を有している対極基板2の厚さは特に限定されないが、ガラス基板では1〜4mm、樹脂基板では30〜500μmとすることができる。
更に、樹脂シートを用いた対極基板2であれば、後記の負極側集電電極31及び正極側集電電極43の各々の少なくとも一部を対極基板2の内部に容易に設けることができる。この場合、負極側集電電極31及び正極側集電電極43の他部は、対極基板2の内部に設けられていてもよいし、対極基板2の他面に設けられていてもよい。この対極基板2は、例えば、複数の樹脂フィルムと正極側及び負極側のそれぞれの集電電極となる金属箔とを積層して形成することができる。また、樹脂フィルムの接着性が十分であれば樹脂フィルムと金属箔とを直接接合させてもよく、接着性が十分でないときは樹脂フィルムと金属箔との間に接着剤層を介在させてもよい。
また、樹脂シート(樹脂フィルム)の材質は特に限定されないが、耐腐食性の高い樹脂製であることが好ましく、ポリイミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、ポリビニリデンフルオライド、ポリテトラフルオロエチレン等を用いてなる樹脂シート(樹脂フィルム)であることが好ましい。更に、上記のような積層基板である場合、接着剤層の形成に用いる接着剤も特に限定されず、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミドイミド等の他、オレフィン系樹脂などの熱可塑性樹脂、及びポリイミド等の熱硬化性樹脂などを用いることができる。
透光性を有していない対極基板2は特に限定されず、セラミック及び金属等からなる基板が挙げられる。このセラミック基板を作製するためのセラミックとしては、酸化物系セラミック、窒化物系セラミック、炭化物系セラミック等の各種のセラミックを用いることができる。酸化物系セラミックとしては、アルミナ、ムライト、ジルコニア等が挙げられる。また、窒化物系セラミックとしては、窒化ケイ素、サイアロン、窒化チタン、窒化アルミニウム等が挙げられる。更に、炭化物系セラミックとしては、炭化ケイ素、炭化チタン、炭化アルミニウム等が挙げられる。このセラミック基板の場合も、前記の樹脂基板のときと同様に、負極側集電電極31及び正極側集電電極43の少なくとも一部を、対極基板2の内部に設けることができる。
セラミックとしては、アルミナ、窒化ケイ素、ジルコニア等が好ましく、アルミナが特に好ましい。アルミナは耐食性が高く、強度が大きく、電気絶縁性にも優れ、このアルミナからなる基板とすることで、より優れた耐久性を有する色素増感型太陽電池とすることができる。尚、アルミナを含有するセラミック基板の場合、この基板に含まれるセラミックの全量を100質量%とした場合に、アルミナが80質量%以上、特に90質量%以上、更に95質量%以上(100質量%であってもよい。)であることが好ましい。
このセラミック基板は緻密化されていることが好ましく、例えば、アルミナの場合、その相対密度が90%以上、特に93%以上、更に95%以上であることが好ましい。このように緻密度が高く、強度の大きいセラミック基板であれば、信頼性の高い色素増感型太陽電池とすることができる。また、セラミック基板の厚さは特に限定されないが、100μm〜5mm、特に500μm〜5mm、更に1〜5mmとすることができ、300μm〜3mmとすることが好ましい。セラミック基板の厚さが100μm〜5mm、特に300μm〜3mmであれば、支持層として十分な強度を有し、優れた信頼性を有する色素増感型太陽電池とすることができる。
対極基板2がセラミック基板である場合、このセラミック基板の作製方法は特に限定されない。セラミック基板は、通常、セラミック粉末、焼結助剤、バインダ、溶媒及び可塑剤等を含有するスラリーを調製し、このスラリーを用いてドクターブレード法等により未焼成シートを成形し、この未焼成シートを各々のセラミックに応じて所定温度で、所要時間、保持し、焼成して作製することができる。
この色素増感型太陽電池では、負極側集電電極31及び正極側集電電極43の少なくとも一部を、対極基板2の内部に設けた場合、樹脂層又はセラミック層により、負極側及び正極側の各々の集電電極31、43と電解液7との接触が防止され、耐久性が高められる。更に、負極側集電電極31及び正極側集電電極43の材質が限定されず、耐腐食性の高い材質である必要がないため、銅、アルミニウム、銀等の電気抵抗の低い金属からなる集電効率の高い集電電極とすることができる。
[5]カーボン含有導電層及びカーボン含有触媒層
(1)カーボン含有導電層
対極基板2の一面に設けられた上記「カーボン含有導電層42」は、樹脂層421と、この樹脂層421に含有された導電性カーボン422とを有する(図1、図2参照)。
樹脂層421を構成する樹脂は特に限定されず、熱硬化性樹脂でもよく、熱可塑性樹脂でもよい。熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂及びポリウレタン樹脂等を用いることができる。また、熱可塑性樹脂としては、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等の各種の合成樹脂を用いることができる。フッ素樹脂としては、テトラフルオロエチレン、フッ化エチレン−プロピレンコポリマー、ポリフッ化ビニリデン等が挙げられる。ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等が挙げられる。ポリアミド樹脂としては、ポリアミド6、ポリアミド66,ポリアミド12等が挙げられる。
導電性カーボン422も特に限定されず、各種の導電性カーボンを用いることができる。この導電性カーボン422としては、例えば、(i)グラファイト、(ii)ケッチェンブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック等の各種のカーボンブラック、及び(iii)カーボンナノチューブなどを用いることができる。この導電性カーボン422としては、より導電性の高いカーボンを用いることが好ましく、この高導電性カーボンとしては、グラファイト、ケッチェンブラック及びカーボンナノチューブが挙げられ、安価で且つ高い導電性を有するグラファイトが特に好ましい。
カーボン含有導電層42は十分な導電性を有していなければならず、カーボン含有導電層42の抵抗率は0.001〜0.1Ω・cmであり、0.005〜0.1Ω・cm、特に0.01〜0.05Ω・cmであることが好ましい。カーボン含有導電層42の抵抗率が0.001〜0.1Ω・cm、特に0.01〜0.05Ω・cmであれば、集電抵抗を十分に低くすることができ、より光電変換効率の高い色素増感型太陽電池とすることができる。また、この抵抗率の低いカーボン含有導電層42は、内部に電解液7が浸透しない程度に緻密であり、低抵抗が長期に渡って維持される。この緻密の程度は比表面積により表すことができ、カーボン含有導電層42の比表面積は100m/g以下であることが好ましく、0.1〜〜100m/g、特に0.1〜50m/gであることがより好ましい。この比表面積は気体吸着法(BET法)等により測定することができる。
カーボン含有導電層42における導電性カーボン422の含有量は、特に限定されないが、樹脂層421と導電性カーボン422との合計を100質量%とした場合に、30〜95質量%、特に50〜95質量%とすることができる。この導電性カーボン422の含有量が30〜95質量%、特に50〜95質量%であれば、上記の抵抗率を有し、導電性の高いカーボン含有導電層42とすることができ、集電抵抗を十分に低くすることができるため、光電変換効率をより向上させることができる。
カーボン含有導電層42の厚さも特に限定されず、10〜300μmとすることができ、50〜180μm、特に50〜150μmとすることが好ましい。この厚さが10〜300μm、特に50〜150μmであれば、集電抵抗を十分に低くすることができ、光電変換効率をより向上させることができるため好ましい。
カーボン含有導電層42は、導電性カーボン及び樹脂を含有するスラリーを、対極基板2の一面に塗布し、乾燥させて作製することができる。即ち、塗膜を乾燥させることにより対極基板2の一面に皮膜が形成され、この皮膜がカーボン含有導電層42となる。皮膜の作製方法は特に限定されず、例えば、導電性カーボン及び樹脂を含有するペーストを、ドクターブレード法、スキージ法、スピンコート法等の各種の方法により対極基板2の一面に塗布して塗膜を形成し、その後、乾燥して溶媒を除去し、必要に応じて更に加熱して作製することができる。ペーストにおける導電性カーボンの含有量は、カーボン含有導電層42における導電性カーボン422の質量割合が前記の範囲となるようにすることが好ましい。
カーボン含有導電層42には、その導電性をより向上させるため導電性カーボン422の他に種々の導電性物質を含有させることができる。この他の導電性物質としては、金属、導電性酸化物及び導電性高分子等を用いることができる。金属としては、白金、ロジウム、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム等が挙げられる。導電性酸化物としては、透光性導電層11の形成に用いられる導電性酸化物等が挙げられる。導電性高分子としては、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン等が挙げられる。カーボン含有導電層42に含有される導電性物質は電解液7と接触しないため、耐腐食性にかかわりなく、いずれの導電性物質も用いることができる。これらの導電性物質の含有量は、導電性カーボン422と他の導電性物質との合計を100質量%とした場合に、20質量%以下、特に10質量%以下とすることが好ましい。
カーボン含有導電層42には取り出し電極を連設することもでき、この取り出し電極から電力を取り出すことができる。この取り出し電極は、カーボン含有導電層42の形成時に同時に一体に形成することができる。
(2)カーボン含有触媒層
カーボン含有導電層42の表面に設けられた上記「カーボン含有触媒層41」は、多孔質樹脂シート411と、この多孔質樹脂シート411に保持された触媒作用を有するカーボン(以下、「触媒用カーボン」という。)412とを備える(図1、図2参照)。
尚、上記「保持された」とは、多孔質樹脂シート411が有する連通孔の壁面に触媒用カーボン412が付着していることを意味し、触媒用カーボン412の一部が多孔質樹脂シート411に含有されていてもよい。触媒用カーボン412が多孔質樹脂シート411に含有されておれば、多孔質樹脂シート411の導電性をより向上させることができる。
多孔質樹脂シート411を構成する樹脂は特に限定されず、熱可塑性樹脂でもよく、熱硬化性樹脂でもよい。熱可塑性樹脂としては、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等の各種の合成樹脂を用いることができる。フッ素樹脂としては、テトラフルオロエチレン、フッ化エチレン−プロピレンコポリマー、ポリフッ化ビニリデン等が挙げられる。ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等が挙げられる。ポリアミド樹脂としては、ポリアミド6、ポリアミド66,ポリアミド12等が挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂及びポリウレタン樹脂等を用いることができる。これらの樹脂のうちでは、耐久性が高いフッ素樹脂が好ましい。
多孔質樹脂シート411は連通孔を有し、この連通孔の壁面に触媒用カーボン412が保持されている。従って、多孔質樹脂シート411の連通孔の平均孔径及び空孔率は、触媒用カーボン412の平均粒径等を勘案して所定量の触媒用カーボン412が保持されるように適宜設定することが好ましい。連通孔の平均孔径及び空孔率は特に限定されないが、平均孔径は0.001〜10μm、特に0.01〜1μm、空孔率は1〜99%、特に10〜90%とすることができる。連通孔の平均孔径が0.01〜1μmであり、且つ空孔率が10〜90%であれば、所要量の触媒用カーボン412を保持させることができ、且つ触媒用カーボン412の多孔質樹脂シート411からの脱落を抑えることができるため好ましい。
この連通孔の平均孔径は、例えば、多孔質樹脂シート411の断面を電子顕微鏡により観察し、積算孔径を孔数で除して算出することができる。また、多孔質樹脂シート411の空孔率は、例えば、BET法により測定することができる。
触媒用カーボン412は、触媒作用と導電性とを併せて有しておればよく、特に限定されない。この触媒用カーボン412としては、活性炭412が用いられることが多い。活性炭412は特に限定されず、各種の活性炭412を用いることができる。この活性炭412としては、例えば、ヤシガラ及びオガクズ等の木質材、並びに褐炭、泥炭、樹脂及び石油ピッチ等の多くの炭素を含有する有機物質に、塩化亜鉛及びリン酸等を用いた通常の賦活処理を施し、その後、乾留する等の方法によって製造されたものを用いることができる。この活性炭412としては、原料として樹脂を用いて製造された純度の高いものが好ましい。この原料樹脂は特に限定されないが、活性炭412の製造が容易であるフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂が好ましい。
カーボン含有触媒層41は、導電性とともに十分な多孔性を有していなければならず、カーボン含有触媒層41の比表面積は500〜3000m/gであり、700〜2500m/g、特に1000〜2500m/gであることが好ましい。カーボン含有触媒層41の比表面積が500〜3000m/g、特に1000〜2500m/gであれば、十分な触媒作用を有するカーボン含有触媒層41とすることができ、より光電変換効率の高い色素増感型太陽電池とすることができる。この比表面積は気体吸着法(BET法)等により測定することができる。また、このカーボン含有触媒層41は、カーボン含有導電層42ほどの導電性は必要としないが、低抵抗であることが好ましく、カーボン含有触媒層41の抵抗率は0.001〜0.1Ω・cm、特に0.005〜0.1Ω・cm、更に0.01〜0.05Ω・cmであることが好ましい。
多孔質樹脂シート411の連通孔の壁面に保持された活性炭412等の触媒用カーボン412の保持量は、特に限定されないが、多孔質樹脂シート411を100質量部とした場合に、1〜99質量部、特に10〜90質量部とすることができる。この触媒用カーボン412の保持量が1〜90質量部、特に10〜90質量部であれば、十分な触媒作用を有するカーボン含有触媒層41とすることができ、光電変換効率の高い色素増感型太陽電池とすることができる。
多孔質樹脂シート411の厚さも特に限定されず、1〜200μm、特に10〜100μm、更に10〜50μmとすることが好ましい。この厚さが1〜200μm、特に10〜100μmであれば、抵抗の低いカーボン含有触媒層41とすることができ、光電変換効率をより向上させることができるため好ましい。
多孔質樹脂シート411の作製方法は特に限定されず、例えば、樹脂組成物を押出成形等によりシートとし、この樹脂シートを冷延伸することで、多数の空隙を有する多孔質樹脂シート411とすることができる。このような多孔質樹脂シート411としては、特に、ポリテトラフルオロエチレンを延伸加工したフィルムとポリウレタン樹脂とを複合化して製造される製品(WLゴア&アソシエイツ社製、商品名「ゴアテックス」)が好ましい。また、多孔質樹脂シート411は、発泡剤を含有する樹脂組成物を押出成形してシートとし、このシートを加熱して発泡させることによって作製することもできる。樹脂としては、前記の各種の樹脂のうちの熱可塑性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、前記のように、フッ素樹脂等が好ましい。
多孔質樹脂シート411に活性炭412等の触媒用カーボン412を保持させる方法も特に限定されず、触媒用カーボン412を水又はメタノール、エタノール等の有機溶媒などの媒体に分散させた分散液に、多孔質樹脂シート411を浸漬し、触媒用カーボン412を含浸させ、その後、加熱する等の方法により媒体を除去して保持させることができる。また、触媒用カーボン412を水又は有機溶媒等の媒体に分散させた分散液を、スプレーガン等によって多孔質樹脂シート411に吹き付けて含浸させ、その後、加熱する等の方法により媒体を除去して保持させることもできる。これらの方法のうちでは、多孔質樹脂シート411を分散液に浸漬して含浸させ、その後、媒体を除去して触媒用カーボン412を保持させる方法が、多孔質樹脂シート411の全体により均一に触媒用カーボン412を保持させることができるため好ましい。媒体は水でも有機溶媒でもよいが、取り扱い易く、且つ環境の面でも問題のない水が特に好ましい。
尚、前記の樹脂組成物に触媒用カーボン412を配合しておけば、多孔質樹脂シート411に触媒用カーボン412を含有させることもできる。
カーボン含有触媒層41とカーボン含有導電層42とを接合する方法は特に限定されない。例えば、カーボン含有導電層42を形成させるための乾燥前の塗膜に、触媒用カーボン412が保持された多孔質樹脂シート411を積層し、その後、塗膜を乾燥させることにより、カーボン含有導電層42を作製すると同時に、接合させることができる。また、両部材を各種の接着剤により接合することもできる。この接着剤としては、カーボン含有導電層42を構成する樹脂の種類、及び多孔質樹脂シート411の材質によって最適なものを選択することが好ましい。この接着剤としては、アクリル系接着剤、ポリウレタン系接着剤、セルロース系接着剤等の各種の接着剤を用いることができる。また、両部材を接合させ難い場合は、カーボン含有触媒層41及びカーボン含有導電層42の各々の接合される面を、コロナ放電処理、火炎処理等により処理することで、接合性を向上させることが好ましい。
半導体電極3とカーボン含有触媒層41の間隔と、電解液7が充填される空間の厚さとはほぼ等しく、この間隔及び厚さは特に限定されないが、200μm以下、特に50μm以下(通常、1μm以上)とすることができる。この厚さが200μm以下であれば、十分に高い光電変換効率を有する色素増感型太陽電池とすることができる。
[6]積層基板並びに少なくとも一部が積層基板の内部に設けられた負極側集電電極及び正極側集電電極
対極基板2は、少なくとも一部が対極基板2の内部に設けられ、カーボン含有触媒層41と離間し、且つ透光性導電層11を介して半導体電極3に接続された負極側集電電極31、及び少なくとも一部が対極基板2の内部に設けられ、且つカーボン含有導電層42を介してカーボン含有触媒層41に接続された正極側集電電極43が設けられた積層基板とすることができる。この場合、負極側集電電極31及び正極側集電電極43の各々の他部は、対極基板2の内部に設けられていてもよく、他面に設けられていてもよい。
より具体的には、図4のように、対極基板2は、この対極基板2の一面の側を構成する第1樹脂層21、並びに第1金属層、第2樹脂層22及び第2金属層が積層されてなり、第1金属層が銅箔等からなる負極側集電電極31となり、この負極側集電電極31は、第1樹脂層21に設けられた第1有底孔211に配設されたインターコネクタ5により透光性導電層11に接続され、且つ第2金属層が銅箔等からなる正極側集電電極43となり、この正極側集電電極43とカーボン含有導電層42とが、第1樹脂層21に設けられた第2有底孔212の内部に形成されたカーボン含有導電層42の一部により接続されている態様とすることができる。
上記のように、負極側及び正極側の各々の集電電極31、43を対極基板2の内部等に設けた場合、これらの集電電極は電解液7と接触しないため材質は特に限定されず、タングステン、チタン等の耐腐食性の高い金属を用いて形成してもよく、銅、アルミニウム、銀、ニッケル等の耐腐食性の低い金属を用いて形成してもよい。これらの金属のうちでは、抵抗の低い銅、アルミニウム、銀が好ましく、価格の面では銅、アルミニウムがより好ましい。
また、負極側及び正極側の各々の集電電極31、43を対極基板2の内部等に設けることで、負極側集電電極31を透光性導電層11の表面等に設けることによる半導体電極3の面積の減少、及び正極側集電電極43を対極基板2の表面に設けることによるカーボン含有触媒層(触媒電極)41の面積の減少が抑えられ、より小型、且つ光電変換効率の高い色素増感型太陽電池とすることができる。
尚、負極側集電電極31及び正極側集電電極43の他部が対極基板2の他面に設けられた場合は、対極基板2からの剥離及び他部材等との接触による傷付き及び漏電などを防止するため、負極側又は正極側の集電電極31、43を樹脂、ガラス等で覆って保護することが好ましい(図5、7参照)。
(a)負極側集電電極
負極側集電電極31は、対極基板2の内部又は他面の平面方向の広範囲な領域に設けてもよいし、所定部分のみに設けてもよい。負極側集電電極31を対極基板2の内部又は他面の広範囲な領域に設ける場合は、樹脂フィルムに金属箔を貼合する、及び樹脂フィルムに金属粉末等を含有する導電ペーストをスクリーン印刷等により塗布し、焼き付けて形成するなどの方法により設けることができる。また、所定部分のみに設ける場合は、金属箔を貼合し、エッチング処理、メッキ処理等により所定のパターンを形成する、及び所定のパターンが形成されたマスクを用いてスクリーン印刷する等の方法により形成することができる。負極側集電電極31の形成に用いる金属箔は特に限定されず、銅箔、アルミニウム箔、銀箔等を用いることができる。更に、樹脂フィルムの材質も特に限定されず、前記[4]に記載された各種の樹脂を用いてなるフィルムであることが好ましい。また、この金属箔と樹脂フィルムは、銅箔とポリイミドフィルムとの組み合わせ、ポリエチレンテレフタレートフィルム又はポリエチレンナフタレートフィルムとアルミニウム箔との組み合わせ、であることが好ましい。
少なくとも一部が対極基板2の内部に設けられた負極側集電電極31と、透光性導電層11とは、対極基板2に設けられた第1有底孔211に配設されたインターコネクタ5により接続することができる(図3〜7参照)。インターコネクタ5は、その一端面が透光性導電層11に接触し、他端面が負極側集電電極31の表面に接触している(図3の、インターコネクタ5及び防食層6の各々の一端面が、透光性導電層11の表面に当接している当接面51参照)。その材質は特に限定されず、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、インジウムハンダ、タングステン、チタン等の金属、及び導電性フィラーとしてカーボンブラックを含有する導電性接着剤などが挙げられる。インターコネクタ5としてハンダボールを用いることもでき(図6、参照)、このハンダボールは加熱により軟化し、透光性導電層11及び負極側集電電極31に密着させることができる。
また、インターコネクタ5と透光性導電層11との密着性を高め、安定して導通させるため、透光性導電層11とインターコネクタ5の一端面との間に導電性接着剤層を介在させることもできる。この導電性接着剤層の材質は特に限定されないが、例えば、樹脂に導電性フィラーが含有された導電性接着剤を用いることができる。この導電性フィラーは特に限定されず、例えば、カーボンブラック、タングステン等の金属、及びポリアニリン等の導電性ポリマーなどからなる耐腐食性の高いフィラーが挙げられる。導電性接着剤層は電解液7に接触することがあるため、導電性フィラーとしては、より耐腐食性に優れるカーボンフィラー、タングステンフィラー等が好ましい。
導電性接着剤層の形成方法も特に限定されず、例えば、未硬化導電性接着剤層を硬化させて形成することができる。用いられる未硬化導電性接着剤は特に限定されず、上記の導電性フィラーを含有する熱硬化性接着剤及び光硬化性接着剤等を用いることができ、これらの接着剤を加熱、又はレーザー光、紫外線等の照射などにより硬化させて導電性接着剤層を形成することができる。
インターコネクタ5の形状も特に限定されず、横断面が円形、楕円形、三角形及び四角形等の多角形などの柱状体等とすることができる。インターコネクタ5の寸法も特に限定されず、負極側集電電極31と透光性導電層11との十分な導通がとれればよい。このインターコネクタ5の横断面の面積は、0.07〜7.00mm、特に0.7〜3.0mmであり、複数のインターコネクタ5のそれぞれの離間距離(各々のインターコネクタ5の端縁間の最小距離)が4.0〜15.0mm、特に5.0〜14.0mm、更に8.0〜12.0mmであることが好ましい。更に、インターコネクタ5は対極基板2の平面方向に等間隔に設けることがより好ましい。このような断面積及び配置のインターコネクタ5であれば、負極側集電電極31の集電効率を向上させることができ、且つ半導体電極3の面積の低減を十分に抑えることができ、光電変換効率に優れた色素増感型太陽電池とすることができる。
また、インターコネクタ5の、対極基板2の一面から透光性導電層11の表面までの間は電解液7に曝されることになる。そのため、インターコネクタ5がタングステン、チタン等の耐腐食性の高い材質からなるときは問題ないが、銀、銅、アルミニウム等の耐腐食性の低い材質からなるときは、インターコネクタ5の周囲に耐腐食性の高い材質からなる防食層6を配設し(図3〜7参照)、電解液7による腐食から保護する必要がある。この防食層6は、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸により変性したポリエチレン等の熱融着性樹脂、及びエポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、熱硬化性ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂などを用いて形成することができる。
負極側集電電極31の厚さは、その面積にもよるが、5〜100μm、特に10〜80μm、更に15〜60μmとすることができる。負極側集電電極31の厚さが5〜100μmであれば、その面積と厚さとを勘案して設定することにより、抵抗が低く、優れた集電効率を有する負極側集電電極31とすることができる。
負極側集電電極31には取り出し電極を連設することもでき、この取り出し電極から電力を取り出すことができる。この取り出し電極は、負極側集電電極31の形成時に同時に一体に形成することもできる。
(b)正極側集電電極
正極側集電電極43は、対極基板2の内部又は他面の平面方向の広範囲な領域に設けてもよいし、所定部分のみに設けてもよい。この所定部分とは、少なくとも負極側集電電極31及びインターコネクタ5に接触しない部分という意味である。この正極側集電電極43は、樹脂フィルムに、必要に応じて所定のパターンが形成された金属箔を貼合する、及び樹脂フィルムに、必要に応じて所定のパターンが形成されたマスクを用いて金属粉末等を含有する導電ペーストをスクリーン印刷等により塗布し、焼き付けて形成するなどの方法により設けることができる。
正極側集電電極43の形成に用いる金属箔は特に限定されず、銅箔、アルミニウム箔、銀箔等を用いることができる。更に、樹脂フィルムの材質も特に限定されず、前記[4]に記載された各種の樹脂を用いてなるフィルムであることが好ましい。また、樹脂フィルムと金属箔は、ポリイミドフィルムと銅箔との組み合わせ、ポリエチレンテレフタレートフィルム又はポリエチレンナフタレートフィルムとアルミニウム箔との組み合わせ、であることが好ましい。
少なくとも一部が対極基板2の内部に設けられた正極側集電電極43と、カーボン含有触媒層41とは、対極基板2に設けられた第2有底孔212の内部に形成されたカーボン含有導電層42の一部により、このカーボン含有導電層42を介して接続される(図4参照)。このように、正極側集電電極43とカーボン含有触媒層41とは、カーボン含有導電層42の形成と同時に接続することができ、工程を簡略化することができる。更に、カーボン含有導電層42は電解液7が透過し難い程度に緻密であり、これにより、正極側集電電極43を電解液7による腐食から保護することができる。
尚、各々の第2有底孔212の離間距離(端縁間の距離)は、前記のそれぞれの第1有底孔211の離間距離と同様とすることができる。
正極側集電電極43の厚さは、その面積にもよるが、5〜100μm、特に10〜80μm、更に15〜60μmとすることができる。正極側集電電極43の厚さが5〜100μmであれば、その面積と厚さとを勘案して設定することにより、抵抗が低く、優れた集電効率を有する集電電極とすることができる。
正極側集電電極43には取り出し電極を連設することもでき、この取り出し電極から電力を取り出すことができる。この取り出し電極は、正極側集電電極43の形成時に同時に一体に形成することもできる。
(c)有底孔
インターコネクタ5を配設するための第1有底孔211、カーボン含有導電層41の一部を充填するための第2有底孔212の形成方法は特に限定されず、これらの有底孔は、例えば、YAGレーザー、炭酸ガスレーザー等のレーザー光の照射、ドリル加工、穴開けパンチを用いたパンチングなど各種の方法により形成することができる。また、これらの有底孔の径は、インターコネクタ5の外側面と第1有底孔211の周面、並びに第2有底孔212の内部に形成されたカーボン含有導電層41の一部の外側面と第2有底孔212の周面、が密着する寸法とすることが好ましい。
また、カーボン含有導電層42の形成時に、第2有底孔212の底面においてカーボン含有導電層42の一部により、カーボン含有導電層42と正極側集電電極43とを接続させることができ、且つ形成方法によっては、カーボン含有触媒層41も同時に形成することができ、簡易な工程でカーボン含有触媒層41と正極側集電電極43とを、カーボン含有導電層42を介して接続させることができる。
[7]電解液
半導体電極3及びカーボン含有触媒層41の各々の少なくとも一部には電解液7が含浸され、且つ半導体電極3とカーボン含有触媒層41との間に電解液7が充填される。また、電解液7は、通常、半導体電極3及びカーボン含有触媒層41のそれぞれの全体に含浸されており、これにより光電変換効率を向上させることができる。電解液7には、電解質の他、通常、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート類などの溶媒及び各種の添加剤等が含有される。電解質は特に限定されず、各種の電解質を用いることができる。この電解質としては、Iと、LiI及びピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイド等の4級アンモニウム化合物のヨウ素塩とを組み合わせてなる電解質7が特に好ましい。電解質は1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
電解液7は、色素増感型太陽電池の周縁を樹脂又はガラスにより封着し、形成される密閉空間に注入することで、半導体電極3及びカーボン含有触媒層41の各々に含浸させ、且つこれらの間に充填させることができる。
密閉空間への電解液7の注入は、透光性基板1の側からでも、対極基板2の側からでもよく、穿孔し易い側に注入口を設け、この注入口から注入することが好ましい。更に、電解液7は、透光性導電層11と対極基板2との間を樹脂又はガラスにより封着することで形成された接合部に設けられた注入口から注入することもできる。注入口は、透光性基板1、対極基板2及び接合部のいずれに設けてもよいが、穿孔が容易な接合部に設けることが好ましい。
尚、注入口は1個でよいが、空気抜きのため更に他の孔を設けることもできる。このように空気抜きのための孔を設けることで、電解液7をより容易に注入することができる。
[8]周縁の封着
色素増感型太陽電池の周縁の封着に用いられる樹脂は特に限定されないが、加熱、加圧により容易に接合させることができ、且つ電解液7に対して優れた耐腐食性を有する樹脂であることが好ましい。このような樹脂としては、(1)低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−α−オレフィン共重合体等のポリエチレン系樹脂、(2)エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体及びエチレン−メタクリル酸共重合体等のアクリル系樹脂、(3)シリコーン樹脂、(4)アイオノマー樹脂の他、(5)ポリスチレン系、ポリジエン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、フッ素樹脂系及びポリアミド系等のエラストマーなどの熱融着性樹脂が挙げられ、これらの樹脂のうちから被着面の材質等に応じて適宜選択して用いることが好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例1
以下のようにして図4に示す色素増感型太陽電池101を製造した。
(1)積層基板(樹脂基板)、負極側集電電極及び正極側集電電極の作製
厚さ50μmのポリイミドフィルム(第1樹脂層21となる。)と、厚さ30μmの銅箔とが積層され、且つ所定のパターンが形成された2枚の積層フィルム(一方の積層フィルムの銅箔が負極側集電電極31となり、他方の積層フィルムの銅箔が正極側集電電極43となる。)を、一方の積層フィルムの銅箔と他方の積層フィルムのポリイミドフィルムとが当接するようにして、接着剤を用いて接合した。その後、一方の積層フィルムのポリイミドフィルム(第1樹脂層21)にレーザー光を照射し、直径1mmの複数の第1有底孔211(負極側集電電極31となる銅箔を底面とする有底孔になる。)、及び直径1mmの複数の第2有底孔212(正極側集電電極43となる銅箔を底面とする有底孔になる。)を設けた。
尚、複数の第1有底孔211は等間隔であり、且つ相互の離間距離(端縁間の最小距離)は10mmである。また、複数の第2有底孔212は等間隔であり、且つ相互の離間距離(端縁間の距離)は10mmである。更に、それぞれ隣り合う第1有底孔211と第2有底孔212との離間距離も一定になるようにした。
(2)防食層及びインターコネクタの形成
上記(1)で作製した積層基板に形成された第1貫通孔211の周縁に、接着性樹脂(デュポン社製、商品名「バイネル4164」)からなり、内径1mm、外径2mm、高さ200μmの円筒形の防食材料を配設し、150℃に加熱して接合させ、防食層6を形成した。その後、防食層6の上端の開口面から、防食層6及び第1有底孔211の内部に銀ペーストを流入させ、乾燥させてインターコネクタ5を形成した。
(3)カーボン含有導電層及びカーボン含有触媒層の作製並びにカーボン含有導電層と正極側集電電極との接続
上記(1)で作製した積層基板の第1樹脂層21の、インターコネクタ5及び防食層6が形成されている部分を除く全面に、グラファイト及び樹脂を含有する導電ペーストを塗布して塗膜を形成し、その後、この塗膜の表面に多孔質樹脂シート411に活性炭412が保持されたカーボン含有触媒層41となる複合シート(WLゴア&アソシエイツ社が電気二重層キャパシタ用シート電極として提供しているシート)を載置し、次いで、150℃で乾燥させ、第2有底孔212の底面で正極側集電電極43と接続され、且つ第1樹脂層21の表面に接合されたカーボン含有導電層42、及びこのカーボン含有導電層42の表面に接合されたカーボン含有触媒層(触媒電極)41を作製した。
(4)半導体電極の形成
表面に透光性導電層11が形成されたガラス基板(透光性基板1、日本板硝子社製)の透光性導電層11の表面のうちの、インターコネクタ5及び防食層6が当接されることになる部分を中心とする直径2mmの円内を除く表面の全面に、市販のチタニアペースト(Solaronix社製、商品名「Ti−Nanoxide D/SP」)を用いてスクリーン印刷法により塗膜を形成した。その後、150℃で30分予備乾燥し、次いで、マッフル炉(モトヤマ社製、型式「SK−2030D」)により500℃で30分保持して焼成し、半導体電極を作製するための厚さ20μmの多孔質電極基体を形成した。一方、ルテニウム有機錯体[Ru2,2−bipyridil−4,4−dicarboxylate(TBA)(NCS)]を、アセトニトリルとtert−ブタノールとの混合溶媒に溶解させ、3×10−4モル/リットル濃度のアセトニトリル/tert−ブタノール溶液を調製した。その後、このルテニウム有機錯体溶液に、多孔質電極基体及びガラス基板を12時間浸漬し、多孔質電極基体に増感色素であるルテニウム有機錯体を付着させて半導体電極3を形成した。
(5)色素増感型太陽電池の製造
上記(1)で作製した積層基板の周縁に、カーボン含有触媒層41の外周の寸法に合わせて開口部を設けた厚さ200μmの接着性樹脂シート[上記(2)で用いた接着性樹脂を用いてなるシート]を配設し、その後、上記(4)で形成された半導体電極3を有するガラス基板を、積層基板に形成されたカーボン含有触媒層41と半導体電極3とが対向するように積層した。その後、ホットプレートを用いて接着性樹脂シートを150℃に加熱し、透光性導電層11と積層基板とを接合した。次いで、形成された空間内に、ブチロニトリルに、0.05モルのI、0.1モルのLiI、0.6モルのDimethylpropylimidazolium iodide及び0.5モルの4−tert−butylpyridineを混入させて調製した電解液7を注射器により、透光性導電層11と積層基板とを接合する接合部に設けられた注入口から注入し、注入後、直ちに注入口を紫外線硬化性樹脂により封止し、色素増感型太陽電池102を製造した。
(6)性能評価
上記(5)で製造した色素増感太陽電池に、ソーラーシミュレーターを用いて100mW/cmの光を照射し、スタンダードボルタンメトリーツール(北斗電工社製、型式「HSV−100」)を用いて電流−電圧曲線を測定し、短絡電流密度(JSC)、開放電圧(VOC)、フィルファクター(FF)及び光電変換効率(η)を求めた。その結果、Jscは17.0mA/cm、Vocは0.72V、FFは0.66、ηは8.1%であった。
尚、カーボン含有触媒層41及びカーボン含有導電層42に代えて、白金からなる厚さ0.2μmの触媒電極を設けたことを除いて、実施例1と同様にして色素増感型太陽電池を製造し、上記(6)と同様にして性能評価をした結果、Jscは17.2mA/cm、Vocは0.70V、FFは0.68、ηは8.2%であった。このように、実施例1の色素増感型太陽電池102は、触媒電極として白金を用いた色素増感型太陽電池と同等の性能を有していることが分かる。また、実施例1においてカーボン含有触媒層41のみを有し、カーボン含有導電層42を有さないとき、及びカーボン含有導電層42のみを有し、カーボン含有触媒層41を有さないとき、はいずれも発電しなかった。
本発明では、上記の実施例の記載に限られず、本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。例えば、電解液としては、イオン液体を主成分として含有するものを用いることもできる。イオン液体は、電解液を100質量%とした場合に、50質量%以上、特に90質量%以上(100質量%であってもよい。)含有される。このイオン液体としては、ヨウ化物の常温溶融塩を用いることができる。このヨウ化物の常温溶融塩としては、イミダゾリウム塩、ピリジニウム塩、ピロリジニウム塩、ピラゾリジウム塩、イソチアゾリジニウム塩及びイソオキサゾリジニウム塩等の各種の常温溶融塩が挙げられる。ヨウ化物の常温溶融塩のうちではイミダゾリウム塩が好ましい。これらの常温溶融塩は種類の異なる2種以上を併用することもできる。
対極基板の一面にカーボン含有導電層が設けられ、その表面にカーボン含有触媒層が設けられた色素増感型太陽電池の断面の模式図である。 図1の色素増感型太陽電池のカーボン含有導電層及びカーボン含有触媒層の各々の一部を拡大した断面の模式図である。 透光性基板側と、対極基板側とを分解して斜め上方からみた模式的な斜視図である。 対極基板が積層基板からなり、負極側集電電極及び正極側集電電極が対極基板の内部等に設けられた色素増感型太陽電池の断面の模式図である。 図4の色素増感型太陽電池の負極側集電電極に更に樹脂層が積層された態様の断面の一部を拡大した模式図である。 インターコネクタとしてハンダボールを用いた色素増感型太陽電池の断面の一部を拡大した模式図である。 図6の色素増感型太陽電池の負極側集電電極に更に樹脂層が積層された態様の断面の一部を拡大した模式図である。
符号の説明
101、102;色素増感型太陽電池、1;透光性基板(ガラス基板)、11;透光性導電層、2;対極基板(積層基板)、21;第1樹脂層、211;第1有底孔、212;第2有底孔、22;第2樹脂層、23;第3樹脂層、3;半導体電極、31;負極側集電電極、41;カーボン含有触媒層、411;多孔質樹脂シート、412;触媒作用を有するカーボン(活性炭)、42;カーボン含有導電層、421;樹脂層、422;導電性カーボン(グラファイト)、43;正極側集電電極、5;インターコネクタ、51;当接面、6;防食層、7;電解液。

Claims (9)

  1. 透光性基板1と、
    該透光性基板1の一面に設けられた透光性導電層11と、
    該透光性導電層11の表面に設けられ、且つ増感色素を有する半導体電極3と、
    該透光性基板1の該一面に対向して配置された対極基板2と、
    該対極基板2の一面に設けられたカーボン含有導電層42と、
    該カーボン含有導電層42の表面に該半導体電極3に対向して設けられたカーボン含有触媒層41と、
    該半導体電極3と該カーボン含有触媒層41との間に充填された電解液7と、を備え、
    上記カーボン含有導電層42の抵抗率が0.001〜0.1Ω・cmであり、上記カーボン含有触媒層41の比表面積が500〜3000m/gであることを特徴とする色素増感型太陽電池。
  2. 上記カーボン含有導電層42は、導電性カーボン及び樹脂を含有するペーストが上記対極基板2の上記一面に塗布され、乾燥されてなる請求項1に記載の色素増感型太陽電池。
  3. 上記導電性カーボンがグラファイト、ケッチェンブラック及びカーボンナノチューブのうちの少なくとも1種である請求項2に記載の色素増感型太陽電池。
  4. 上記カーボン含有触媒層41は、触媒作用を有するカーボン412が保持された多孔質樹脂シート411が、上記カーボン含有導電層42の上記表面に接合されてなる請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載の色素増感型太陽電池。
  5. 上記触媒作用を有するカーボン412が活性炭である請求項4に記載の色素増感型太陽電池。
  6. 上記多孔質樹脂シート411がフッ素樹脂からなる請求項4又は5に記載の色素増感型太陽電池。
  7. 上記対極基板2は、少なくとも一部が該対極基板2の内部に設けられた負極側集電電極31及び正極側集電電極43を備える請求項1乃至6のうちのいずれか1項に記載の色素増感型太陽電池。
  8. 上記対極基板2は、該対極基板2の上記一面の側を構成する第1樹脂層、並びに第1金属層、第2樹脂層及び第2金属層が積層されてなり、該第1金属層が上記負極側集電電極31であって、該負極側集電電極31は、該第1樹脂層に設けられた第1有底孔に配設されたインターコネクタ5により上記透光性導電層11に接続され、且つ該第2金属層が上記正極側集電電極43であって、該正極側集電電極43と上記カーボン含有導電層42とは、該第1樹脂層に設けられた第2有底孔の内部に形成された該カーボン含有導電層42の一部により接続されている請求項7に記載の色素増感型太陽電池。
  9. 上記第1樹脂層及び上記第2樹脂層はポリイミド層であり、上記負極側集電電極31及び上記正極側集電電極43が銅層からなる請求項8に記載の色素増感型太陽電池。
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