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JP2009215682A - 立体模様を有する不織布シート - Google Patents

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Abstract

【課題】高い液体透過性を有し、人体からの排出液のより効率的な処理が可能で、また、排出液の逆戻りを改良し、皮膚への接触面積を低下させることにより、皮膚への快適性を改良した、生理用品、生理ナプキン、おりものシート、紙おむつおよびその他の吸収性物品に使用される表面シートを提供する。
【解決手段】熱接着性合成繊維を含む目付けが15〜150g/mであるエアレイド不織布からなり、片面に複数の陥没部を有し、陥没部と非陥没部の繊維密度の比が1/0.8〜1.2であり、陥没部と非陥没部の目付けの比が1/1.2〜20であり、陥没部と非陥没部の表面積の比が1/1.5〜10である、立体模様を有する不織布シート。
【選択図】なし

Description

本発明は、生理用品、生理ナプキン、おりものシート、紙オムツおよびその他の吸収性物品などに使用される不織布シートに関する。
人体から排出される液体、例えば尿、経血などを吸収する多種の吸収性物品が知られている。一般に、吸収性物品は、液透過性のトップシート、液不透過性のバックシート、そしてトップシートとバックシートとの間に配置された吸収体を備えている。このような吸収性物品は、使い捨ての紙おむつや生理用ナプキンに代表されるものであり、人体からの排出物、つまり尿や経血やおりものといったものをできるだけ多く、速やかに横漏れなく吸収、保持し得ること、さらにその形態は薄く、かつ軽いといった性能が要求される。
これらの性能を満足させるためには、着用者から排出された液体がトップシートを通過して吸収層に吸収保持される過程の迅速な液体の搬送と拡散性の改良が不可欠である。なぜなら、一般的な吸収性物品において、人体からの排出物、つまり尿や経血といったものは液透過性のトップシートのほぼ同じ部分に滴下、または流入が繰り返される。このため、吸収層の一定部分に吸収が集中してしまうことになり、その部分の吸収が飽和しやすくなる。また、滴下された液体は、縦横比がほぼ同一であり、長手方向に拡散する前に横方向からの飽和が認められる。このように、吸収層の一部分しか使用されない状態にもかかわらず、トップシートからオーバーフロー、すなわち横漏れを起こしやすい状態になってしまい、結果として吸収層を厚くしたり、幅方向を広げたりするなどしないと吸収量を確保できない吸収性物品となる。
上記のように、吸収が一定の部分に集中することを避けるために、特許文献1(特開2003−235894号公報)には、熱融着繊維およびパルプからなるエアレイド不織布に熱圧エンボスをかけて、複数の線状(筋状)の高密度領域を有する液拡散シートが提案されている。この液拡散シートによれば、迅速な液体の透過(高い液体透過性)と拡散性の改良することができ、特にタテ筋状は長手方向の縁部分で横漏れするのを防ぐことができる。しかしながら、このシートは、局部的な高密度化によって、シートが硬くなりやすく、結果として肌触りが良くない。
また、特許文献2(特開2003−38567号公報)には、繊維ウェブを形成するマット形成車輪にパターンを付与し、形成された凸部のウェブを削って繊維ウェブの分離体を形成し、これを衛生ナプキン、失禁製品、おむつまたはそれらの類似物品の如き吸収物品に使用することが提案されている。しかしながら、この繊維ウェブは、切削された部位が極めて薄くなるか、あるいは空隙を生じ(図5参照)、強度が弱く、取り扱いが難しい。また、後記する本発明のような効果を得るには、凹部(陥没部)の大きさを小さくし、かつ密に存在させる必要があるが、それには装置を極めて複雑にせざるを得ず、実用的ではないという問題点がある。
さらに、特許文献3(特開2002−30561号公報)には、流体透過性織物に熱圧賦形を加えて凹凸パターン化し、それを使って、湿式不織布法、発泡成形法、エアレイド法、スパンレース法などで、トイレットペーパー、ハンドワイプ、産業用ワイプ、おむつ、ナプキンなどのような吸収性物品に用いられる繊維ウェブを形成する方法が提案されている。この繊維ウェブは、両面に凹凸パターンが付与されているが、該繊維ウェブにどのような品質上の特徴、効果があるか、特に記載がない。しかも、特許文献3の繊維ウェブは、両面に凹凸があり、繊維ウェブの肌に接触する側の反対面にも凹凸が存在するので、吸収層への液体の移行が遅くなる。
特開2003−235894号公報 特開2003−38567号公報 特開2002−30561号公報
本発明は、高い液体透過性を有し、人体からの排出液のより効率的な処理が可能で、また、排出液の逆戻りを改良し、皮膚への接触面積を低下させることにより、皮膚への快適性を改良した、生理用品、生理ナプキン、紙おむつおよびその他の吸収性物品に使用される表面シートを提供することを目的とする。
本発明は、熱接着性合成繊維を主成分とし、目付けが15〜150g/mであるエアレイド不織布からなり、片面に複数の陥没部を有し、陥没部と非陥没部の繊維密度の比が1/0.8〜1.2であり、陥没部と非陥没部の目付けの比が1/1.2〜20であり、陥没部と非陥没部の表面積の比が1/1.5〜10である、立体模様を有する不織布シートに関する。
ここで、不織布シートの構成成分としては、熱接着性合成繊維のみからなるものが好ましい。
また、上記陥没部は、好ましくは、ほぼ球状、または楕円球状であり、球状の場合は直径、楕円状の場合は短径もしくは長径が1〜8mmで、深さが0.5〜5mmである。
次に、本発明は、所定量の解繊された熱接着性合成繊維を主成分とする繊維を空気流に均一分散させながら搬送し、吐出部に設けた細孔から吹き出した該繊維を、下部に設置された金属またはプラスチックの繊維捕集用ネットであって、該ネット上には、局部的に合成樹脂による突起を設けた繊維捕集用ネット上に落とし、該ネット下部で空気をサクションしながら、上記繊維を該ネット上に堆積させ、必要に応じて、この操作を複数回繰り返す、上記立体模様を有する不織布シートの製造方法に関する。
本発明の不織布シートは、陥没部の面が皮膚との接触面積が小さいので、肌への刺激が小さく、排出された液体によるウエット感が小さく、ムレ感が小さい。しかも、肌と不織布シートの間には微小空間が多数存在するので、排出液体がもたらす高湿度感、ムレ感が改良されて快適性が高い。一方、陥没部を有する面とは反対側の陥没部なしの面は、フラットなので、吸収層への液体の移行がスムースである。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明の不織布シートは、熱接着性合成繊維を主成分とし、目付が15〜150g/mのエアレイド不織布から構成されている。
ここで、「主成分とする」とは、熱接着性合成繊維が70重量%以上、好ましくは85重量%以上であることを指称し、30重量%以下程度、後記する他の繊維やパルプが含まれていてもよい。
なお、本発明の不織布シートは、熱接着性合成繊維を主成分とするものであり、該熱接着性合成繊維100重量%使いのもののほか、例えば熱接着性合成繊維+パルプ繊維、あるいは、熱接着性合成繊維+パルプ繊維+ケミカルバインダーなどからなる一層以上のエアレイド不織布から構成されていてもよい。
特に、陥没部を有する面は、熱接着性合成繊維のみからなることが好ましく、また、非陥没部の面にはパルプ繊維が混合されていてもよい。
ここで、本発明における熱接着性合成繊維としては、熱で溶融し相互に結合するものであればどのようなものでもよく、この繊維間結合による網目状構造で不織布自体が固定される。このような熱接着性合成繊維としては、例えばポリオレフィン類、不飽和カルボン酸類でグラフト化されたポリオレフィン類や、ポリエステル類、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。
このうち、ポリオレフィン系熱接着性合成繊維としては、芯鞘型や偏芯サイドバイサイド型の複合繊維が好適である。鞘あるいは繊維外周部を構成するポリオレフィンとしては、ポリエチレンやポリプロピレンが挙げられる。芯成分あるいは繊維内層部を構成するポリマーとしては、鞘より高融点であり、加熱接着処理温度で変化しないポリマーが好ましい。このような組み合わせとして、例えば、ポリエチレン/ポリプロピレン、ポリエチレン/ポリエステル、ポリプロピレン/ポリエステルなどが挙げられる。これらのポリマーは、本発明の作用・効果を阻害しない範囲で変性されていても差し支えがない。さらに、フィブリル状繊維であっても良い。例えば、三井化学株式会社のSWPなどが挙げられる。
熱接着性合成繊維は、細いと構成繊維の本数が多くなるので、脱落繊維が少なくなり、風合いや肌触りも柔らかくなる。太い場合は、繊維間の空隙が大きくなり、嵩高い不織布となるうえ、通気性もアップするので皮膚近傍の湿度アップが抑制されてムレ感が小さくなる効果もより期待できる。したがって、繊維の太さは用途に応じて選択すればよいが、好ましい繊度は、0.5dt〜50dtであり、さらに、好ましくは、0.8dt〜30dtである。50dtを超えると、得られる不織布シートが硬くなり、肌触りが悪くなったり、皮膚への刺激が大きくなって好ましくない。一方、0.5dt未満では不織布の生産性に欠けるので実用的でない。
また、熱接着性合成繊維の長さは、1〜15mmが好ましい。繊維が短いと開繊性がよくなり、より均一な不織布となりやすいが、1mm未満になると粉末状に近づき、繊維間結合による網目構造が作りにくくなるばかりか、不織布としての強力が低くなり、実用性に欠けるので好ましくない。一方、15mmより長くなると不織布の強力は上がるが、不織布製造時の繊維の空気輸送において繊維どうしが絡まりやすくなり、繊維塊状欠点を増大させるので好ましくない。特に、好ましいのは、3〜10mmである。
本発明の不織布シートには、上記の熱接着性合成繊維のほかに、レーヨンなどの再生繊維、アセテートなどの半合成繊維、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミド、ビニロンなどの合成繊維、SWPなどのフィブリル状繊維、パルプ、コットン、麻などの天然繊維などの他の繊維を含んでいてもよい。この場合、不織布シートにおける熱接着性合成繊維の割合は70〜100重量%が好ましく、さらに好ましくは85〜100重量%である。70重量%未満の場合は上記の他の繊維の脱落が生じる可能性が多くなるうえ、湿潤強力も低くなる場合があり、実用上の問題を生じる。
本発明の不織布シートを形成するこれらの繊維は、熱接着されており、この繊維間結合による網目状構造で該不織布シートが固定される。
本発明の不織布シートは、総目付が、15〜150g/m、好ましくは20〜100g/mである。15g/m未満では、不織布強力が低下して、不織布製造工程性や商品としての取扱い性など実用上の問題を生じやすい。一方、150g/mを超えると、シートが硬くなり、肌触りも悪化してやはり実用上の問題を生じる。
本発明のこのような不織布シートは、エアレイド法によって製造される。エアレイド法で製造された不織布は、不織布を形成している繊維が、不織布の長手方向、幅方向および厚み方向にランダムに3次元配向されているので好ましい。
ここで、本発明に係るエアレイド法による不織布は、以下のようにして得ることができる。
すなわち、所定量の解繊された熱接着性合成繊維を主成分とする繊維を空気流に均一分散させながら搬送し、吐出部に設けた細孔から吹き出した該繊維を、下部に設置された金属またはプラスチックの繊維捕集用ネットであって、該ネット上には、局部的に合成樹脂による突起を設けた繊維捕集用ネット上に落とし、該ネット下部で空気をサクションしながら、上記繊維を該ネット上に堆積させ、必要に応じて、この操作を複数回繰り返す。
例えば、第2回以降のウェブの堆積は、同様にして、上記堆積シートの上に堆積させる。
次に、この熱接着性合成繊維が充分その接着効果を発揮する温度に全体を加熱処理して、本発明の不織布を得ることができる。接着効果を十分発揮させるには、熱接着性合成繊維の接着成分の融点より15〜40℃高い温度での加熱処理が必要である。
なお、ケミカルバインダー樹脂を用いる場合には、堆積されたウェブ上に、各ウェブ形成ごとに、ホットメルト接着剤、ラテックス系接着剤、エマルジョン系接着剤、樹脂パウダー接着剤などのケミカルバインダー樹脂を散布、もしくは塗布すればよい。
ここで、これらのケミカルバインダー樹脂の成分としては、ポリオレフィン系、ポリ酢酸ビニル系、ポリアクリル酸エステル系、合成ゴム系、ポリウレタン系、エポキシ樹脂系、熱硬化型樹脂系などを挙げることができる。
これらのケミカルバインダー樹脂の使用量は、通常、固形分換算で、2〜20g/m、好ましくは4〜10g/mであり、合成繊維やパルプ繊維の結合や各層の剥離を生じない範囲で決められる。
また、本発明の不織布シートには、消臭剤、抗菌剤、芳香剤、保湿剤、着色剤、親水剤、撥水剤などの機能加工を付与することもできる。加工法としては、あらかじめそれらの機能を付与した繊維を混合したり、粉体状の剤を混合したり、液体状の剤をスプレーや含浸したりする方法が挙げられる。
このように、エアレイド法で製造された不織布は、不織布の流れ方向、幅方向および厚み方向へ繊維をランダムに3次元配向させることが可能である。そして、これらが熱接着するので、層間剥離を起こすことがない。また、エアレイド法で製造した不織布は、均一性が良好なので、性能のバラツキも少なくなる。
ここで、本発明に用いられる繊維捕集用ネットとしては、図1〜2にみられるように、通常のプラスチック製、または金属製の捕集用ネット上に、一定間隔(例えば5mm)で、例えば紫外線硬化性樹脂をスクリーン印刷で印刷するか、あるいは、塗布し、次いで、紫外線を照射することにより、該樹脂を硬化させ、合成樹脂塊(例えば、φ2mm、高さ1mm)の突起を形成させる。合成樹脂塊の形成は、以上のような手段に限定されるものではなく、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂、ポリエステルエラストマー樹脂、ナイロン樹脂、熱可塑性または硬化性のポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ゴム系樹脂などを溶融状態で、または硬化剤を混合した液体状態で、直接、捕集用ネット上の所定の位置に吐出し、冷却固化、あるいは加熱硬化させたりしても良い。ポリ塩化ビニル系樹脂などのスラリー状の合成樹脂を用いることもできる。さらに、発泡剤をあらかじめ混ぜておいて発泡体として形成しても良い。
エアレイドウェブの繊維間結合を付与する熱処理において、熱接着性合成繊維の接着成分の融点よりも15〜40℃高い温度を加える必要があるので、これらの合成樹脂塊を形成する樹脂は、この温度よりも高い耐熱温度のものが必要となる。耐熱温度は、140℃以上であり、好ましくは160℃以上である。
また、合成樹脂塊の形成は、図2に示すようなほぼ球状のほか、図3に示すように、楕円状であってもよい。なお、図3に示す楕円状のものは、短径が2mm、長径が5mm、高さが1.5mmのエポキシ樹脂塊であり、各楕円状の、長手方向のピッチは3mm、幅方向のピッチは3mmである。
さらに、突起(陥没部に相当する)の大きさは、得られる不織布シートの陥没部に対応する大きさにより、適宜、設定される。本発明の不織布シートは、熱接着性合成繊維の接着成分の融点より15〜40℃高い温度でこの繊維ウェブを全体に加熱処理して得られるが、上記熱接着性合成繊維はやや熱収縮を生じることが多いので、陥没部は加熱処理によってやや小さくなる傾向がある。従って、陥没部の深さや大きさを所望のものにするには、捕集用ネット上に形成するべき樹脂塊(突起)の高さや大きさをあらかじめやや大きめに設定することが好ましい。例えば、好ましくは陥没部のサイズと樹脂塊(突起)のサイズの比は1/1.05〜1.5の範囲である。これは、使用する熱接着性合成繊維の熱特性、加熱処理の方法、条件によって異なる。
なお、合成樹脂塊などの突起の形状は、ほぼ球状や楕円状のほか、直線状、曲線状、格子状、網目状、あるいは文字や何らかのマーク、ロゴを表すものであってもよい。
このような突起を有する繊維捕集用ネットを用いて、エアレイド法により、繊維ウェブを堆積させると、例えば図1に示すように、合成樹脂塊の部分は、空気流が非透過であるので、繊維ウェブが透過性のネット側の上に流れて、堆積する繊維ウェブの上部が面一で、合成樹脂塊の突起に対応する陥没部が形成され、かつ繊維ウェブの密度としてはどの部分をとってもほぼ均一の密度を有する、平面状の繊維ウェブが得られる。
さらに、例えば、この上に、1層あるいは2層の上記したような繊維ウェブを形成すれば、二層、あるいは三層の繊維ウェブが得られる。
次に、熱接着性合成繊維の接着成分の融点より15〜40℃高い温度でこの繊維ウェブを全体に加熱処理して、本発明の不織布シートを得ることができる。
以上のようにして得られる本発明の不織布シートは、陥没部(合成樹脂塊の突起に相当する)と非陥没部(合成樹脂塊が形成されていない部分に堆積されたウェブ)の繊維密度の比が1/0.8〜1.2であり、陥没部と非陥没部の目付けの比が1/1.2〜20であり、陥没部と非陥没部の表面積の比が1/1.5〜10である。
本発明の不織布シートは、吸収性物品の表面シートに用いると、陥没部の面にあっては、皮膚との接触面積が小さいので、肌への刺激が小さく、排出された液体によるウエット感が小さく、ムレ感が小さくなる。一方、陥没部なしの面は、吸収層への液体の移行がスムースである。
陥没部と非陥没部の繊維密度は、上記のように、ほぼ均一なため、その密度比は1/0.8〜1.2、好ましくは1/0.9〜1.1となる。密度比をこの範囲内にするには、エアレイドシートを形成するにあたり、紡出風量とネット下部の空気サクション量を適宜適正化すれば良い。
また、本発明の不織布シートは、全体の繊維密度がほぼ均一であることから、陥没部に相当する目付は、結果的に非陥没部に較べて小さいものとなる。その結果、陥没部と非陥没部の目付の比は、1/1.2〜20、好ましくは1/1.5〜10である。この目付の比をこの数値範囲内にするには、陥没部に相当する樹脂塊の高さ、および全体シート目付けを調整することにより達成される。陥没部と非陥没部の目付けは、それぞれ小さいポンチで打抜いて実測すれば良い。
さらに、陥没部と非陥没部の表面積の比は、1/1.5〜10、好ましくは2〜8である。1/10未満では、陥没部により得られる性能上の特徴が得られにくく、一方、1/1.5を超えると、陥没部同士が接近しすぎてシート強力が低下し、実用的でない。
この表面積の比をこの数値範囲にするには、樹脂塊の設計を適正化すればよい。
以上の本発明の不織布シートは、例えば図1に示すように、片面(捕集用ネット側)に複数の陥没部を有し、該陥没部のサイズは、球状の直径、あるいは楕円状の短径もしくは長径が1〜8mm、好ましくは2〜6mm、高さが0.5〜5mm、好ましくは1〜4mmである。陥没部の直径(または短径もしくは直径)が1mm未満では、陥没部によって得られる効果が小さく、一方、8mmを超えると、シート強力が低下し、実用的でない。また、陥没部の深さが、0.5mm未満では、やはり陥没部によって得られる効果が小さく、一方、5mmを超えると、樹脂塊の高さが高くなりすぎるので、つぶれや破損などの問題が生じやすく、生産上の問題を生じる。
上記陥没部のサイズは、上記合成樹脂塊(突起)のサイズを変更したり、繊維ウェブの熱処理条件を変えることにより、容易に調整することができる。
なお、本発明の不織布シートは、本発明の趣旨の範囲であれば、陥没部が穴明き状であっても構わない。また、多数の陥没部が存在するゾーンがシート全面の50面積%以上であれば、シート全面に存在していなくてもよい。例えば、多数の陥没部が存在するゾーンと、全く陥没部が存在しないゾーンとがタテ、ヨコ、斜めなどの交互のストライプ状に共存してもよく、あるいは多数の陥没部が存在するゾーンが円形、角形などのパターン状であってもよい。
さらに、本発明の趣旨の範囲であれば、陥没部が一定形状でなくても構わなく、文字、あるいは何らかのパターンやロゴを表していても良い。
かくて、本発明の不織布シートは、不織布シート上に陥没部が複数形成された立体模様を有し、吸収性物品の表面シートに有用な立体模様を有する不織布シートが得られる。
本発明のシートは、生理用品、生理ナプキン、おりものシート、紙おむつなどのほか、食品から発生する血液などの液体を吸収する食品トレイのドリップ吸収体、あるいは対人、対物などに使用されるドライ状、またはウエット状のワイパーなどにも好適である。
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1
図2に示されているような形状となるよう、ポリエチレンテレフタレート(PET)製の捕集用ネットに、市販の2液混合型エポキシ樹脂(コニシ(株)製、ボンド・クイック5#16123)を用いてドット状の樹脂塊を形成した。この樹脂塊のサイズは、直径が2mm、高さが1mmであった。この上に、鞘PE(ポリエチレン)/芯PETからなる熱接着性複合繊維(帝人ファイバー(株)製、1.7dt×5mm)を12g/mとなるよう、エアレイド法で形成した。さらにこの上に、鞘PE/芯PETの熱接着性複合繊維(帝人ファイバー(株)製、2.2dt×5mm)を12g/mとなるよう、エアレイド法で形成した。次いで、この24g/mのエアレイド2層ウェブを、熱オーブンを用いて145℃で加熱し繊維間結合を生じさせて、陥没部と非陥没部を片面に有し、非陥没部の厚さが1.2mmである、片面に立体模様を有する不織布シートを得た。陥没部と樹脂塊とのサイズの比は、1/1.1であった。
得られたシートの陥没部と非陥没部を小さいポンチで打抜いて実測したところ、陥没部と非陥没部の繊維密度の比は1/1.05であり、目付けの比が1/6であった。表面積の比は、陥没部の直径と個数から面積比を計算したところ、1/4.5であった。
さらに、陥没部の数平均の、直径は1.9mm、深さは0.9mmであった。
市販の生理用品の表面シートを剥がしてからこのシートに取替えて用いたところ、経血はすばやく吸収でき、且つ逆戻りしにくいものであった。しかも、肌のサラッとした感じは良好で、肌触りも良く、有用であった。
実施例2
実施例1と同様に形成したエアレイドウェブの上に、さらに熱接着性複合繊維と粉砕パルプを60/40重量%の比で混合したものをエアレイド法で25g/mとなるよう形成し、熱オーブンを用いて、145℃で加熱して、全体目付け49g/m、厚さ2.7mmの3層の積層一体化複合エアレイドシートを形成した。陥没部と樹脂塊とのサイズの比は、1/1.1であった。パルプとの混合層の熱接着性複合繊維としては、鞘が変性PE/芯PP(ポリプロピレン)(チッソポリプロ繊維(株)製、インタック、1.7dt×5mm)を用いた。
得られたシートの陥没部と非陥没部を小さいポンチで打抜いて実測したところ、陥没部と非陥没部の繊維密度の比は1/1であり、目付けの比が1/1.6であった。表面積の比は、陥没部の直径と個数から面積比を計算したところ、1/4.5であった。
さらに、陥没部の数平均の、直径は1.9mm、深さは0.9mmであった。
合繊100%の陥没部を有する面を、肌に接するようにして、おりものシートとして着用したところ、パルプ混合層がおりものの液体吸収体としての役割があるので、すばやい液体吸収性を有し、かつ逆戻りも感じられず、肌触りのよいおりものシートであった。
比較例1
エアレイド捕集用ネットとして、樹脂塊を形成しないものを用い、その他の条件は実施例1に同じとした。両面ともにフラットな、厚さ1.1mmのシートが得られた。
実施例1と同様に市販の生理用品から表面シートを剥がして取り替えて用いたところ、陥没部が無いので肌にまとわりつく感触があって、サラッとした感じは小さかった。
本発明の立体模様を有する不織布シートは、生理用品、生理ナプキン、おりものシート、紙おむつおよびその他の吸収性物品に使用される表面シートとして有用である。また、本発明の不織布シートは、そのほか食品から発生する血液などの液体を吸収する食品トレイのドリップ吸収体、食品包装シート、あるいは対人、対物などに使用されるドライ状、またはウエット状のワイパーなどにも利用することができる。
本発明の不織布シートの製造工程において、捕集用ネット上に堆積された繊維ウェブを示す説明図である。 本発明の不織布シートの製造に用いられる捕集用ネットの平面構成図である。 本発明の不織布シートの製造に用いられる捕集用ネットの平面構成図である。

Claims (4)

  1. 熱接着性合成繊維を主成分とし、目付けが15〜150g/mであるエアレイド不織布からなり、片面に複数の陥没部を有し、陥没部と非陥没部の繊維密度の比が1/0.8〜1.2であり、陥没部と非陥没部の目付けの比が1/1.2〜20であり、陥没部と非陥没部の表面積の比が1/1.5〜10である、立体模様を有する不織布シート。
  2. 不織布シートの構成成分が、熱接着性合成繊維のみからなる請求項1記載の立体模様を有する不織布シート。
  3. 陥没部が、ほぼ球状、または楕円球状であり、球状の場合は直径、楕円状の場合は短径もしくは長径が1〜8mmで、深さが0.5〜5mmである、請求項1または2に記載の立体模様を有する不織布シート。
  4. 所定量の解繊された熱接着性合成繊維を主成分とする繊維を空気流に均一分散させながら搬送し、吐出部に設けた細孔から吹き出した該繊維を、下部に設置された金属またはプラスチックの繊維捕集用ネットであって、該ネット上には、局部的に合成樹脂による突起を設けた繊維捕集用ネット上に落とし、該ネット下部で空気をサクションしながら、上記繊維を該ネット上に堆積させ、必要に応じて、この操作を複数回繰り返す、請求項1〜3いずれかに記載の立体模様を有する不織布シートの製造方法。
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