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JP2009215374A - オレフィン−極性モノマーランダム共重合体、およびその製造方法 - Google Patents

オレフィン−極性モノマーランダム共重合体、およびその製造方法 Download PDF

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JP2009215374A
JP2009215374A JP2008058303A JP2008058303A JP2009215374A JP 2009215374 A JP2009215374 A JP 2009215374A JP 2008058303 A JP2008058303 A JP 2008058303A JP 2008058303 A JP2008058303 A JP 2008058303A JP 2009215374 A JP2009215374 A JP 2009215374A
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olefin
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mol
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Makoto Uemura
真 植村
Masayuki Fujita
正行 藤田
Shinyo Tamura
森葉 田村
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】極性モノマー−オレフィン共重合体およびオレフィン系重合体それぞれが有する諸特性をバランスさせたオレフィン−極性モノマーランダム共重合体、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】ランダム共重合体中の繰り返し単位の合計を100モルとした場合、ランダム共重合体中における極性モノマーに由来する繰り返し単位が0.01モル以上で且つ50モル未満であり、かつ、ランダム共重合体中におけるオレフィンに由来する繰り返し単位が50モル以上で且つ99.99モル未満であって、ランダム共重合体の端部にハロゲン原子を有することを特徴とする、オレフィン−極性モノマーランダム共重合体、並びにその製造方法を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、オレフィンと極性モノマーを共重合させて得られるオレフィン−極性モノマーランダム共重合体、およびそのオレフィン−極性モノマーランダム共重合体の製造方法に関するものである。
オレフィンと極性モノマーを共重合させて得られる極性モノマー−オレフィン共重合体は、オレフィン系重合体が有する耐水性や機械的特性と、メタクリル系重合体に代表される極性モノマー重合体が有する相溶性、および塗装性といった特性とを兼ね備えた重合体として、知られている。
たとえば、特許文献1には、極性モノマーおよびオレフィンを共重合させて得られる極性モノマー−オレフィン共重合体であって、その共重合体中のオレフィン由来のモノマー単位の含有量が25〜50モル%(ただし、共重合体中の全モノマー単位を100モル%とする。)であり、かつ、共重合体中のオレフィン由来のモノマー単位が2以上の連鎖を構成する構造を含有する極性モノマー−オレフィン共重合体が記載されており、また、ラジカル重合方法を用いる該共重合体の製造方法、および、周期律表第8族の遷移金属原子を含む化合物を用いる該共重合体の製造方法が記載されている。
また、特許文献2には、メチレン基1000個当たり約80〜約150個の分岐鎖を含有し、かつメチルである分岐鎖100個につき、約30〜約90個のエチル分岐鎖、約4〜約20個のプロピル分岐鎖、約15〜約50個のブチル分岐鎖、約3〜約15個のアミル分岐鎖、および約30〜約140個のヘキシル分岐鎖またはそれより長い分岐鎖を含有することを特徴とするポリオレフィン等が記載されており、そして、周期律表第10族の遷移金属原子を含む化合物を用いて製造した、ヘキシル分岐鎖以上の長い分岐鎖を有する重合体が記載されている。
特開2006−282739号公報 特表平10−513489号公報
しかしながら、特許文献1に記載の重合体は、オレフィンと極性モノマーとの共重合体であって、そこに記載の製造方法では、エチレン含有量が50モル%を超える重合体を製造することが極めて困難であると言う問題があった。一般に共重合体に含まれるメチル基なる側鎖は結晶の成長を阻害して、共重合体の耐熱性を低下させることが知られており、特許文献1に記載の共重合体は、メチル基である側鎖を多く含むものであって、融点を示さないことから耐熱性が低いものであった。
また、特許文献2に記載のオレフィン系重合体は、エチレン含有量が50モル%を超える重合体であるものの、重合体中の総分岐鎖数が50個以上にもおよぶ多分岐構造を有しているため、剛性および耐熱性が良好でないという問題があった。
このため、オレフィンと極性モノマーとの共重合体が有する特性を具備し、また、分岐構造を有し、分子量分布が狭く、耐熱性等の諸物性が良好な重合体が求められていた。
本発明の目的は、かかる状況下における問題点を解決して、オレフィンと極性モノマーとの共重合体が有する特性を具備し、また、分岐構造を有し、分子量分布が狭く、耐熱性等の諸物性が良好なオレフィン−極性モノマーランダム共重合体、およびその製造方法を提供することにある。
本発明の第一の側面は、オレフィンと極性モノマーを共重合させて得られるオレフィン−極性モノマーランダム共重合体であって、そのランダム共重合体中の繰り返し単位の合計を100モルとした場合、ランダム共重合体中における極性モノマーに由来する繰り返し単位が0.01モル以上で且つ50モル未満であり、かつ、ランダム共重合体中におけるオレフィンに由来する繰り返し単位が50モル以上で且つ99.99モル未満であって、ランダム共重合体の端部にハロゲン原子を有することを特徴とする、オレフィン−極性モノマーランダム共重合体を提供することにある。
本発明の第二の側面は、オレフィンと極性モノマーを共重合させて得られるオレフィン−極性モノマーランダム共重合体の製造方法であって、遷移金属化合物の群から選択される少なくとも一種を含む重合開始剤を用いて、そのランダム共重合体中の繰り返し単位の合計を100モルとした場合、ランダム共重合体中における極性モノマーに由来する繰り返し単位が0.01モル以上で且つ50モル未満であり、かつ、ランダム共重合体中におけるオレフィンに由来する繰り返し単位が50モル以上で且つ99.99モル未満であって、ランダム共重合体の端部にハロゲン原子を有するランダム共重合体を製造することを特徴とする、オレフィン−極性モノマーランダム共重合体の製造方法を提供することにある。
本発明によれば、オレフィンと極性モノマーとの共重合体が有する特性を具備し、また、分岐構造を有し、分子量分布が狭く、耐熱性等の諸物性が良好なオレフィン−極性モノマーランダム共重合体、およびその製造方法が提供される。
以下、本発明について詳細に説明する。
上記した本発明の第一の側面では、オレフィンと極性モノマーを共重合させて得られるオレフィン−極性モノマーランダム共重合体において、そのランダム共重合体中の繰り返し単位の合計を100モルとした場合、ランダム共重合体中における極性モノマーに由来する繰り返し単位が0.01モル以上で且つ50モル未満であり、かつ、ランダム共重合体中におけるオレフィンに由来する繰り返し単位が50モル以上で且つ99.99モル未満であって、ランダム共重合体の端部にハロゲン原子を有するものとすることによって、極性基を有しながら、長鎖分岐構造を有して、かつ分子量分布が狭く、諸物性のバランスに優れたオレフィン−極性モノマーランダム共重合体が得られる。
本発明の第一の側面の好ましい1つの態様として、そのランダム共重合体の炭素原子数1000当りで、炭化水素基から成る側鎖の数の合計が0.001〜50であり、かつ、その炭化水素基のうちで炭素原子数が6以上の側鎖の数の合計が0.001〜20である、オレフィン−極性モノマーランダム共重合体が提供され得る。このような構成を採用することによって、極性基を有しながら、長鎖分岐構造を有して、かつ分子量分布が狭く、諸物性のバランスに優れたオレフィン−極性モノマーランダム共重合体が得られる。
本発明の第一の側面の好ましいもう1つの態様として、オレフィンが炭素原子数2〜8のオレフィンである、オレフィン−極性モノマーランダム共重合体が提供され得る。かかる態様のより好ましいものとして、オレフィンがエチレンおよび/またはプロピレンである、オレフィン−極性モノマーランダム共重合体が提供され得る。このように、炭素原子数が2〜8、好ましくは2〜6のオレフィン、特に好ましくはエチレンおよび/またはプロピレンを用いることによって、極性基を有しながら、長鎖分岐構造を有して、かつ分子量分布が狭く、諸物性のバランスに優れたオレフィン−極性モノマーランダム共重合体が得られる。
本発明の第一の側面の好ましいもう1つの態様として、ランダム共重合体中における該極性モノマーに由来する繰り返し単位が0.01モル以上で且つ40モル未満、より好ましくは0.01モル以上で且つ35モル未満であり、ランダム共重合体中におけるオレフィンに由来する繰り返し単位が60モル以上で且つ99.99モル未満、より好ましくは65モル以上で且つ99.99モル未満である、オレフィン−極性モノマーランダム共重合体が提供され得る。このような構成を採用することによって、極性基を有し相溶性に優れ、および、長鎖分岐構造を有し、成形性に優れたオレフィン−極性モノマーランダム共重合体が得られる。
本発明の第一の側面の好ましいもう1つの態様として、融点が50℃以上である、オレフィン−極性モノマーランダム共重合体が提供され得る。オレフィンに由来する繰り返し単位が、そのランダム共重合体中の繰り返し単位の合計を100モルとした場合に60モル以上で且つ99.99モル未満である、上記のランダム共重合体の示差走査熱量(DSC)を測定した場合、50℃以上の温度領域に吸熱シグナルが観測されることが好ましく、50℃以上の温度領域に融点が観測されることがより好ましい。このように、50℃以上の融点を有するものとすることによって、耐熱性に優れたオレフィン−極性モノマーランダム共重合体が得られる。即ち、かかる態様のモノマーランダム共重合体は、極性基を有することと、長鎖分岐構造を有すること、分子量分布が狭いこと、および、耐熱性が高いことをバランスさせたものである。
また、上記した本発明の第二の側面では、オレフィンと極性モノマーを共重合させて得られるオレフィン−極性モノマーランダム共重合体の製造方法において、遷移金属化合物の群から選択される少なくとも一種を含む重合開始剤を用いることによって、そのランダム共重合体中の繰り返し単位の合計を100モルとした場合、ランダム共重合体中における極性モノマーに由来する繰り返し単位が0.01モル以上で且つ50モル未満であり、かつ、ランダム共重合体中におけるオレフィンに由来する繰り返し単位が50モル以上で且つ99.99モル未満であって、ランダム共重合体の端部にハロゲン原子を有するランダム共重合体を有利に製造することが可能になる。
本発明の第二の側面の好ましい1つの態様として、その重合開始剤が、遷移金属化合物の群から選択される少なくとも一種とハロゲン化合物の群から選択される少なくとも一種からなるリビングラジカル重合開始剤である、オレフィン−極性モノマーランダム共重合体の製造方法が提供され得る。かかる態様のより好ましいものとして、遷移金属化合物が鉄原子を含む化合物であり、ハロゲン化合物が有機ヨウ素化合物である、リビングラジカル重合開始剤を使用する、オレフィン−極性モノマーランダム共重合体の製造方法が提供され得る。このように、特有のリビングラジカル重合開始剤を用いることによって、生産性に優れたオレフィン−極性モノマーランダム共重合体が有利に得られる。
本発明の第二の側面の好ましいもう1つの態様として、ランダム共重合体を脱灰することをさらに含む、オレフィン−極性モノマーランダム共重合体の製造方法が提供され得る。このように、製造されたランダム共重合体をさらに脱灰することによって、触媒残渣等の不純物の含有が抑制され汎用性に優れたオレフィン−極性モノマーランダム共重合体が有利に得られる。
本発明でいうオレフィンとは、炭素−炭素二重結合部位を有する、炭素原子数2〜8のオレフィンである。上記オレフィンは、π電子を有する他の官能基と共役せず、なおかつビニルエーテルのように酸素、窒素、硫黄などのヘテロ原子と直接結合した炭素−炭素二重結合を有さない。本条件を満たす限りにおいて、環状および鎖状に関わらず、炭化水素化合物に限らず、カルボニル基、シアノ基、アミノ基、水酸基、およびハロゲノ基などの置換基やエーテル結合などを1つ以上含む化合物であってもよい。上記オレフィンは単独で用いても、或いはそれらの複数を組み合わせて用いてもよい。
上記のオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、ビニルシクロヘキサン、イソブテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル、−1−ペンテン、2−メチル−1−ペンテン、2,4,4−トリメチル−1−ペンテン、メチリデンシクロヘキサン、エチリデンシクロヘキサン、シクロヘキセン、ノルボルネン等が挙げられ、これらの中でも好ましいオレフィンは、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、ビニルシクロヘキサンである。上記オレフィンは単独で用いても複数を組み合わせて用いてもよい。
本発明でいう極性モノマーとは、下記式(1)で表される化合物であって、下記の条件を満たす限りにおいて、環状および鎖状に関わらず、カルボニル基、シアノ基、アミノ基、水酸基、およびハロゲノ基などの置換基を1つ以上含んでいてもよい。
1(R2)C=C(R3)R4 (1)
但し、上式(1)において、R1、R2、R3およびR4の少なくとも一つは、独立に、ハロゲン原子、アルデヒド基、エステル基、ケトン基、シロキシ基、アセチルオキシ基、アセチルアミド基、アルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アミド基、イミド基などの極性官能基を表し、それ以外のR1、R2、R3およびR4は、独立に、水素原子、炭化水素基、またはアリール基を表す。R1、R2、R3およびR4はそれぞれ互いに結合していてもよい。
上記の極性モノマーとしては、例えば、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−アルキル置換−アクリルアミド、N−アルキル置換−メタクリルアミド、N,N−ジアルキル置換−アクリルアミド、N,N−ジアルキル置換−メタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクロレイン、メタクロレイン、メチルビニルケトン、塩化ビニル等が挙げられ、好ましくは、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリロニトリルであり、より好ましくはアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルである。それらの極性モノマーは単独で用いても複数を組み合わせて用いてもよい。
上記のアクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−sec−ブチル、アクリル酸−tert−ブチル、アクリル酸−n−ペンチル、アクリル酸イソペンチル、アクリル酸−sec−ペンチル、アクリル酸−tert−ペンチル、アクリル酸ネオペンチル、アクリル酸シクロペンチル、アクリル酸−n−ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸−n−ヘプチル、アクリル酸−n−オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸ジシクロペンチル、アクリル酸メンチル、アクリル酸ノルアダマンチル、アクリル酸アダマンチル等のアクリル酸アルキルエステル、および、アクリル酸フェニル、アクリル酸トルイル、アクリル酸ベンジル等のアクリル酸アリールエステル、および、アクリル酸−2−メトキシエチル、アクリル酸−3−メトキシブチル、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸2−アミノエチル、γ−(アクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−(アクリロイルオキシプロピル)ジメトキシメチルシラン、アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、アクリル酸トリフルオロメチルメチル、アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、アクリル酸2−パーフルオロエチル、アクリル酸パーフルオロメチル、アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチル等が挙げられる。かかるアクリル酸エステルは、好ましくはアクリル酸アルキルエステルであり、より好ましくはアクリル酸メチルである。
上記のメタクリル酸エステルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸−n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−sec−ブチル、メタクリル酸−tert−ブチル、メタクリル酸−n−ペンチル、メタクリル酸イソペンチル、メタクリル酸−sec−ペンチル、メタクリル酸−tert−ペンチル、メタクリル酸ネオペンチル、メタクリル酸シクロペンチル、メタクリル酸−n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸−n−ヘプチル、メタクリル酸−n−オクチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸ジシクロペンチル、メタクリル酸メンチル、メタクリル酸ノルアダマンチル、メタクリル酸アダマンチル等のメタクリル酸アルキルエステル、および、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸トルイル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸アリールエステル、および、メタクリル酸−2−メトキシエチル、メタクリル酸−3−メトキシブチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸2−アミノエチル、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)ジメトキシメチルシラン、メタクリル酸のエチレンオキサイド付加物、メタクリル酸トリフルオロメチルメチル、メタクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、メタクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、メタクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、メタクリル酸2−パーフルオロエチル、メタクリル酸パーフルオロメチル、メタクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、メタクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、メタクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、メタクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、メタクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチル等が挙げられる。上記メタクリル酸エステルは、単独で用いても複数を組み合わせて用いてもよい。
上記のN−アルキル置換−アクリルアミドとしては、例えば、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド等が挙げられる。上記のN,N−ジアルキル置換−アクリルアミドとしては、例えば、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジフェニルアクリルアミド等が挙げられる。上記のN−アルキル置換−メタクリルアミドとしては、例えば、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド等が挙げられる。上記のN,N−ジアルキル置換−メタクリルアミドとしては、例えば、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N,N−ジフェニルメタクリルアミド等が挙げられる。上記のN−アルキル置換−アクリルアミド、N−アルキル置換−メタクリルアミド、N,N−ジアルキル置換−アクリルアミドおよびN,N−ジアルキル置換−メタクリルアミドは、それぞれ単独で用いても複数を組み合わせて用いてもよい。
本発明におけるオレフィン−極性モノマーランダム共重合体中のオレフィン由来の繰り返し単位の含有量は、ランダム共重合体中の繰り返し単位の合計を100モルとした場合、本発明の効果が得られる限りにおいて、50〜99.99モルの範囲内であれば特に限定されないが、好ましくは60〜99.9モルであり、特に好ましくは80〜99モルである。
本発明のオレフィン−極性モノマーランダム共重合体において、炭素13核磁気共鳴分光法によって求められる、重合体の炭素原子数1000当りでの、炭化水素基である側鎖の数の合計が0.001〜50、好ましくは0.1〜40であり、かつ、その炭化水素基のうち炭素原子数6以上の側鎖の数の合計が0.001〜20、好ましくは0.1〜10である。また、そこでの炭素原子数4の側鎖の数が、炭素原子数6以上の側鎖の数の合計よりも多い。
本発明のオレフィン−極性モノマーランダム共重合体において、炭素13核磁気共鳴分光法によって求められる、ランダム共重合体の炭素原子数1000当りでの炭素原子数6以上の側鎖の数の合計の中に含まれる、炭素原子数8以上の側鎖の数の合計が、好ましくは0.001〜10の範囲であり、より好ましくは0.01〜5の範囲であり、特に好ましくは0.2〜3の範囲である。
本発明のオレフィン−極性モノマーランダム共重合体において、示差走査熱量分析(DSC)による融点は、50℃以上であり、好ましくは50〜170℃の範囲であり、特に好ましくは50〜140℃の範囲である。
本発明におけるオレフィン−極性モノマーランダム共重合体の分子量は特に限定されないが、数平均分子量(Mn)で、好ましくは5,000〜10,000,000であり、特に好ましくは10,000〜1,000,000である。
本発明のオレフィン−極性モノマーランダム共重合体において、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で表される分子量分布は、好ましくは1.0〜10.0であり、特に好ましくは1.3〜5.0である。
本発明のオレフィン−極性モノマーランダム共重合体は、重合体の端部においてハロゲン原子が結合しており、かかるハロゲン原子の数はポリマー鎖当りで、好ましくは0.001〜100個であり、より好ましくは0.01〜10個であり、特に好ましくは0.1〜3個である。かかるランダム共重合体の端部、即ち生長末端におけるハロゲン原子は、その共重合体と、本発明で用いられるオレフィンや極性モノマーとの更なる重合反応を可能にし、本発明のオレフィン−極性モノマーランダム共重合体からなるブロック部分と、それと異なるランダム共重合体からなるブロック部分(B)とを有するブロック共重合体を生成させることができるものである。
本発明のオレフィン−極性モノマーランダム共重合体の製造方法としては、遷移金属化合物を用いた重合方法であれば特に限定されないが、例えば、配位重合法、アニオン重合法、カチオン重合法、ラジカルリビング重合法などが挙げられる。
上記の製造方法で用いる遷移金属化合物としては、例えば、元素周期律表(IUPAC1985年)の第8〜12族の金属原子を含む金属化合物のうち少なくともいずれか一つの金属錯体(以下、成分(A)と称する。)を用いることができる。なお、成分(A)の金属錯体は単独で用いてもよいが、複数の錯体を同時に使用してもよい。その場合にも、それぞれ単独で使用した場合と同様の効果が期待できる。
かかるオレフィン−極性モノマーランダム共重合体の製造方法において用いることのできる、成分(A)の元素の周期表(IUPAC1985年)第8族の遷移金属原子を中心金属とする単核金属錯体としては、好ましくは、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリブチルホスフィン)ルテニウム、ジクロロ(シクロオクタジエン)ルテニウム、ジクロロベンゼンルテニウム、ジクロロ−p−シメンルテニウム、ジクロロ(ノルボルナジエン)ルテニウム、シス−ジクロロビス(2,2’−ビピリジン)ルテニウム、ジクロロトリス(1,10−フェナントロリン)ルテニウム、カルボニルクロロヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロシクロペンタジエニルビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロペンタメチルシクロペンタジエニルビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロインデニルビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロ(2−N,N−ジメチルアミノインデニル)ビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、エチレンインデニルビストリフェニルホスフィンルテニウム(ペンタフルオロフェニル)ボレート、エチレンインデニルビストリフェニルホスフィンルテニウムテトラキス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート のようなルテニウムを中心金属に有する単核金属錯体を挙げることができる。
単核金属錯体として、更に、フェロセン、アセチルフェロセン、1,1’−ビス(ジフェニルフォスフィノ)フェロセン、1,1’−ビス(ジ−イソプロピルフォスフィノ)フェロセン、ビス(エチルシクロペンタジエニル)アイロン、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)アイロン、ビス(イソプロピルシクロペンタジエニル)アイロン、ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)アイロン、n−ブチルフェロセン、tert−ブチルフェロセン、シクロヘキサジエンアイロントリカルボニル、シクロオクタテトラエンアイロントリカルボニル、α−(N,N−ジメチルアミノ)エチルフェロセン、N,N−ジメチルアミノメチルフェロセン、1,1’−ジメチルフェロセン、エチルフェロセン、α−ヒドロキシエチルフェロセン、ヒドロキシメチルフェロセン、アイロン(II)アセテート、アイロン(III)アセチルアセトナート、アイロン(II)ブロマイド、アイロン(II)クロライド、アイロン(II)ヨード、アイロン(III)ブロマイド、アイロン(III)クロライド、アイロン(II)フタロシアニン、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)アイロン、ブロモジカルボニルシクロペンタジエニルアイロン、ブロモジカルボニル(ペンタメチルシクロペンタジエニル)アイロン、ジカルボニルシクロペンタジエニルヨードアイロン、ジカルボニル(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ヨードアイロン、1,1’−ジアセチルフェロセンのような鉄を中心金属に有する単核金属錯体などを挙げることができる。
また、成分(A)の元素の周期表(IUPAC1985年)第8族の遷移金属原子を中心金属とする複核金属錯体としては、例えば、下記式(2)で表される遷移金属化合物を挙げることができる。
(CpR1 m)M1(CO)42(CpR2 n) (2)
ただし、上記式(2)において、Cpはシクロペンタジエニル環を表し、R1およびR2はそれぞれ独立に炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、少なくとも1つのR1および少なくとも1つのR2は炭素原子数5〜20の炭化水素基であり、mおよびnはそれぞれ独立に1〜5の整数を表す。M1およびM2はそれぞれ独立に元素の周期表第8族の遷移金属原子を表す。(CO)はM1とM2を架橋して配位するか、またはM1、M2のそれぞれに配位するカルボニル基を表す。
上記式(2)の遷移金属化合物のM1およびM2は、それぞれ独立に元素の周期表(IUPAC1985年)第8族の遷移金属原子である。第8族の遷移金属原子としては、例えば、鉄原子、ルテニウム原子、オスミウム原子が挙げられる。第8族の遷移金属原子M1およびM2の組み合わせは特に限定されないが、例えば、鉄原子と鉄原子、鉄原子とルテニウム原子、鉄原子とオスミウム原子、ルテニウム原子とルテニウム原子、ルテニウム原子とオスミウム原子、オスミウム原子とオスミウム原子等の組み合わせが挙げられる。なかでも経済性の観点から、M1およびM2がいずれも鉄原子である組み合わせが好ましい。
上記式(2)の遷移金属化合物の(CO)は、M1とM2を架橋して配位するか、またはM1、M2のそれぞれに配位するカルボニル基である。
上記式(2)の遷移金属化合物の遷移金属原子M1およびM2と、カルボニル基(CO)との結合状態としては、例えば、
[1]互いに結合された遷移金属原子M1とM2のそれぞれに、1個のカルボニル基(CO)が配位し、さらに2個の(CO)がM1とM2を架橋して配位する結合状態、
[2]互いに結合を有しない遷移金属原子M1とM2のそれぞれに、1個のカルボニル基(CO)が配位し、さらに2個の(CO)がM1とM2を架橋して配位する結合状態、および
[3]互いに結合された遷移金属原子M1とM2のそれぞれに、2個のカルボニル基(CO)が配位する結合状態、
等の結合状態を取りうる。
上記式(2)の遷移金属化合物のCpはシクロペンタジエニル環であり、R1およびR2はそれぞれ独立に炭素原子数1〜20の炭化水素基である。(CpR1 m)は、遷移金属原子M1に配位する置換シクロペンタジエニル環であり、(CpR2 n)は、遷移金属原子M2に配位する置換シクロペンタジエニル環であり、mおよびnはそれぞれ独立に1〜5の整数である。M1に配位する置換シクロペンタジエニル環(CpR1 m)は、下記式(2)で表されるシクロペンタジエニル環であり、M2に配位する置換シクロペンタジエニル環(CpR2 n)も、下記式(3)のすべてのR1をR2に置き換えた式で表される。
Figure 2009215374
上記式(2)の遷移金属化合物のR1およびR2における炭素原子数1〜20の炭化水素基としては、例えば、直鎖型飽和炭化水素基、分岐構造を有する飽和炭化水素基、環状構造を有する飽和炭化水素、直鎖型不飽和炭化水素基、分岐構造を有する不飽和炭化水素基、環状構造を有する不飽和炭化水素基が挙げられる。
上記式(2)の遷移金属化合物のR1およびR2は、少なくとも1つのR1および少なくとも1つのR2はいずれも炭素原子数5〜20の炭化水素基であり、炭化水素溶媒に対する溶解性に優れる等の観点から好ましくは、少なくとも1つのR1および少なくとも1つのR2がいずれも炭素原子数8〜20の飽和炭化水素基であり、より好ましくは少なくとも1つのR1および少なくとも1つのR2がいずれも炭素原子数8〜20の直鎖型飽和炭化水素基である。
上記式(2)の遷移金属化合物として好ましくは、安定性と原料調達の容易さの観点から、mが5であり、nが5であり、1つのR1および1つのR2がいずれも炭素原子数5〜20の炭化水素基であり、他のR1および他のR2がいずれもメチル基である遷移金属化合物である。
その好ましい遷移金属化合物としては、例えば、n−ペンチル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマー、n−ヘキシル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマー、n−ヘプチル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマー、n−オクチル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマー、n−ノニル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマー、n−デシル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマー、n−ウンデシル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマー、n−ドデシル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマー、n−トリデシル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマー、n−テトラデシル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマー、n−ペンタデシル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマー、n−ヘキサデシル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマー、n−ヘプタデシル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマー、n−オクタデシル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマー、n−ノナデシル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマー、n−イコシル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマー、sec−ペンチル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマー、ネオペンチル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマー、sec−ヘキシル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマー、sec−ヘプチル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマー、sec−オクチル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマー、sec−ノニル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマー、sec−デシル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマー、sec−ウンデシル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマー、sec−ドデシル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマー、sec−トリデシル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマー、sec−テトラデシル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマー、sec−ペンタデシル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマー、sec−ヘキサデシル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマー、sec−ヘプタデシル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマー、sec−オクタデシル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマー、sec−ノナデシル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマー、sec−イコシル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマー、シクロペンチル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマー、シクロヘキシル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマー、シクロヘプチル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマー、シクロオクチル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマー、シクロノニル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマー、シクロデシル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマー、シクロウンデシル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマー、シクロドデシル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマー、シクロトリデシル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマー、シクロテトラデシル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマー、シクロペンタデシル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマー、シクロヘキサデシル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマー、シクロヘプタデシル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマー、シクロオクタデシル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマー、シクロノナデシル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマー、シクロイコシル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマー等の、遷移金属原子M1およびM2の組み合わせが鉄原子と鉄原子である遷移金属化合物、遷移金属化合物の遷移金属原子M1およびM2の組み合わせを鉄原子と鉄原子から、鉄原子とルテニウム原子に置き換えた遷移金属化合物、鉄原子とオスミウム原子に置き換えた遷移金属化合物、ルテニウム原子とルテニウム原子に置き換えた遷移金属化合物、ルテニウム原子とオスミウム原子に置き換えた遷移金属化合物、オスミウム原子とオスミウム原子に置き換えた遷移金属化合物等が挙げられる。
より好ましい上記式(2)の遷移金属化合物としては、経済性の観点から、M1およびM2がいずれも鉄原子である遷移金属化合物である。これらの遷移金属化合物は、異なる2種以上の遷移金属化合物を組み合わせて用いることもできる。
前記成分(A)のコバルトを中心金属とする金属錯体としては、例えばコバルトセンが挙げることができる。
前記成分(A)の銅を中心金属とする金属錯体としては、例えば、銅原子に対して周期律表(IUPAC1985年)の第13〜17族の原子を含む配位子が配位した錯体が挙げることができる。
遷移金属化合物は単独でまたは複数を併用して使用することができる。これらの中でも好ましくは、シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマー、ペンタメチルシクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマー、n−ヘキシル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマー、n−オクチル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマー、n−デシル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマー、n−ドデシル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマーである。
本発明のオレフィン−極性モノマーランダム共重合体の製造方法において用いることのできる、ハロゲン化合物(以下、成分(B)と称する)としては、例えば、α−ハロゲノカルボニル化合物、α−ハロゲノカルボン酸エステル、ハロゲン化炭化水素、(1−ハロゲノアルキル)ベンゼン誘導体等が挙げられる。
α−ハロゲノカルボニル化合物としては、例えば、1−クロロ−2−プロパノン、1,1,1−トリクロロ−2−プロパノン、2−クロロアセトフェノン、2,2−ジクロロアセトフェノン、1−ブロモ−2−プロパノン、1,1,1−トリブロモ−2−プロパノン、2−ブロモアセトフェノン、2,2−ジブロモアセトフェノン、1−ヨード−2−プロパノン、1,1,1−トリヨード−2−プロパノン、2−ヨードアセトフェノン、2,2−ジヨードアセトフェノン、1−ブロモ−2−ブタノン、1−ブロモ−2−ペンタノン、3−ブロモ−2−ブタノン、3−ブロモ−2−ペンタノン、2−ブロモ−3−ペンタノン、3−ブロモ−4−ヘプタノン、1−ヨード−2−ブタノン、1−ヨード−2−ペンタノン、3−ヨード−2−ブタノン、3−ヨード−2−ペンタノン、2−ヨード−3−ペンタノン、3−ヨード−4−ヘプタノン、1−クロロ−2−ブタノン、1−クロロ−2−ペンタノン、3−クロロ−2−ブタノン、3−クロロ−2−ペンタノン、2−クロロ−3−ペンタノン、3−クロロ−4−ヘプタノン等が挙げられる。
α−ハロゲノカルボン酸エステルとしては、例えば、2−クロロ酢酸メチル、2−ブロモ酢酸メチル、2−ヨード酢酸メチル、2−クロロ酢酸エチル、2−ブロモ酢酸エチル、2−ヨード酢酸エチル、2−クロロ酢酸プロピル、2−ブロモ酢酸プロピル、2−ヨード酢酸プロピル、2−クロロ酢酸ブチル、2−ブロモ酢酸ブチル、2−ヨード酢酸ブチル、2,2,2−トリクロロ酢酸メチル、2,2−ジクロロ酢酸メチル、2,2,2−トリブロモ酢酸メチル、2,2−ジブロモ酢酸メチル、2,2,2−トリヨード酢酸メチル、2,2−ジヨード酢酸メチル、2,2,2−トリクロロ酢酸エチル、2,2−ジクロロ酢酸エチル、2,2,2−トリブロモ酢酸エチル、2,2−ジブロモ酢酸エチル、2,2,2−トリヨード酢酸エチル、2,2−ジヨード酢酸エチル、2−クロロプロピオン酸メチル、2−ブロモプロピオン酸メチル、2−ヨードプロピオン酸メチル、2−クロロ酪酸メチル、2−ブロモ酪酸メチル、2−ヨード酪酸メチル、2−クロロプロピオン酸エチル、2−ブロモプロピオン酸エチル、2−ヨードプロピオン酸エチル、2−クロロ酪酸エチル、2−ブロモ酪酸エチル、2−ヨード酪酸エチル、2−クロロプロピオン酸プロピル、2−ブロモプロピオン酸プロピル、2−ヨードプロピオン酸プロピル、2−クロロ酪酸プロピル、2−ブロモ酪酸プロピル、2−ヨード酪酸プロピル、2−クロロプロピオン酸ブチル、2−ブロモプロピオン酸ブチル、2−ヨードプロピオン酸ブチル、2−クロロ酪酸ブチル、2−ブロモ酪酸ブチル、2−ヨード酪酸ブチル、2−クロロ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ブロモ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヨード−2−メチルプロピオン酸メチル、2−クロロ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ブロモ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヨード−2−メチルプロピオン酸エチル、2−クロロ−2−メチル酪酸メチル、2−ブロモ−2−メチル酪酸メチル、2−ヨード−2−メチル酪酸メチル、2−クロロ−2−メチル酪酸エチル、2−ブロモ−2−メチル酪酸エチル、2−ヨード−2−メチル酪酸エチル、2−クロロ−2−メチルプロピオン酸プロピル、2−ブロモ−2−メチルプロピオン酸プロピル、2−ヨード−2−メチルプロピオン酸プロピル、2−クロロ−2−メチル酪酸プロピル、2−ブロモ−2−メチル酪酸プロピル、2−ヨード−2−メチル酪酸プロピル、2−クロロ−2−メチルプロピオン酸ブチル、2−ブロモ−2−メチルプロピオン酸ブチル、2−ヨード−2−メチルプロピオン酸ブチル、2−クロロ−2−メチル酪酸ブチル、2−ブロモ−2−メチル酪酸ブチル、2−ヨード−2−メチル酪酸ブチル、2−クロロ−2,4,4−トリメチルグルタル酸ジメチル、2−ブロモ−2,4,4−トリメチルグルタル酸ジメチル、2−ヨード−2,4,4−トリメチルグルタル酸ジメチル、1,2−ビス(2’−ブロモ−2’−メチルプロピオニルオキシ)エタン、1,2−ビス(2’−ヨード−2’−メチルプロピオニルオキシ)エタン、1,2−ビス(2’−ブロモプロピオニルオキシ)エタン、1,2−ビス(2’−ヨードプロピオニルオキシ)エタン、2−(2’−ブロモ−2’−メチルプロピオニルオキシ)エチルアルコール、2−(2’−ヨード−2’−メチルプロピオニルオキシ)エチルアルコール等が挙げられる。
ハロゲン化炭化水素としては、例えば、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、クロロメタン、四臭化炭素、ブロモホルム、ジブロモメタン、ブロモメタン、四ヨウ化炭素、ヨードホルム、ジヨードメタン、ヨードメタン、ヨードエタン、1−ヨードプロパン、2−ヨードプロパン、1−ヨードブタン、2−ヨードブタン、1−ヨードイソブタン、2−ヨードイソブタン、1−ヨードペンタン、2−ヨードペンタン、3−ヨードペンタン、1−ヨードイソペンタン、2−ヨードイソペンタン、3−ヨードイソペンタン、1−ヨードヘキサン、2−ヨードヘキサン、3−ヨードヘキサン、1−ヨードイソヘキサン、2−ヨードイソヘキサン、3−ヨードイソヘキサン、ヨードシクロプロパン、ヨードシクロブタン、ヨードシクロペンタン、ヨードシクロヘキサン、1,1−ジヨードエタン、1,2−ジヨードエタン、1,3−ジヨードプロパン、1,4−ジヨードブタン、1,5−ジヨードペンタン、1,6−ジヨードヘキサン、1,8−ジヨードオクタン、1,10−ジヨードデカン、1,12−ジヨードドデカン、ブロモエタン、1−ブロモプロパン、2−ブロモプロパン、1−ブロモブタン、2−ブロモブタン、1−ブロモイソブタン、2−ブロモイソブタン、1−ブロモペンタン、2−ブロモペンタン、3−ブロモペンタン、1−ブロモイソペンタン、2−ブロモイソペンタン、3−ブロモイソペンタン、1−ブロモヘキサン、2−ブロモヘキサン、3−ブロモヘキサン、1−ブロモイソヘキサン、2−ブロモイソヘキサン、3−ブロモイソヘキサン、ブロモシクロプロパン、ブロモシクロブタン、ブロモシクロペンタン、ブロモシクロヘキサン、1,1−ジブロモエタン、1,2−ジブロモエタン、1,3−ジブロモプロパン、1,4−ジブロモブタン、1,5−ジブロモペンタン、1,6−ジブロモヘキサン、1,8−ジブロモオクタン、1,10−ジブロモデカン、1,12−ジブロモドデカン等が挙げられる。
更にハロゲン化炭化水素として、例えば、クロロエタン、1−クロロプロパン、2−クロロプロパン、1−クロロブタン、2−クロロブタン、1−クロロイソブタン、2−クロロイソブタン、1−クロロペンタン、2−クロロペンタン、3−クロロペンタン、1−クロロイソペンタン、2−クロロイソペンタン、3−クロロイソペンタン、1−クロロヘキサン、2−クロロヘキサン、3−クロロヘキサン、1−クロロイソヘキサン、2−クロロイソヘキサン、3−クロロイソヘキサン、クロロシクロプロパン、クロロシクロブタン、クロロシクロペンタン、クロロシクロヘキサン、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,3−ジクロロプロパン、1,4−ジクロロブタン、1,5−ジクロロペンタン、1,6−ジクロロヘキサン、1,8−ジクロロオクタン、1,10−ジクロロデカン、1,12−ジクロロドデカン、1―クロロ―1−ヨードエタン、1−クロロ−2−ヨードエタン、1−クロロ−3−ヨードプロパン、1−クロロ−4−ヨードブタン、1−クロロ−5−ヨードペンタン、1−クロロ−6−ヨードヘキサン、1−クロロ−8−ヨードオクタン、1−クロロ−10−ヨードデカン、1−クロロ−12−ヨードドデカン、1−ブロモ−1−ヨードエタン、1−ブロモ−2−ヨードエタン、1−ブロモ−3−ヨードプロパン、1−ブロモ−4−ヨードブタン、1−ブロモ−5−ヨードペンタン、1−ブロモ−6−ヨードヘキサン、1−ブロモ−8−ヨードオクタン、1−ブロモ−10−ヨードデカン、1−ブロモ−12−ヨードドデカン、1―ブロモ―1−クロロエタン、1−ブロモ−2−クロロエタン、1−ブロモ−3−クロロプロパン、1−ブロモ−4−クロロブタン、1−ブロモ−5−クロロペンタン、1−ブロモ−6−クロロヘキサン、1−ブロモ−8−クロロオクタン、1−ブロモ−10−クロロデカン、1−ブロモ−12−クロロドデカン等が挙げられる。
(1−ハロゲノアルキル)ベンゼン誘導体としては、例えば、1−ブロモ−1−フェニルエタン、4−(1−ブロモエチル)安息香酸、4−(1−ブロモエチル)安息香酸メチル、4−(1−ブロモエチル)安息香酸エチル、1−クロロ−1−フェニルエタン、4−(1−クロロエチル)安息香酸、4−(1−クロロエチル)安息香酸メチル、4−(1−クロロエチル)安息香酸エチル、1−ヨード−1−フェニルエタン、4−(1−ヨードエチル)安息香酸、4−(1−ヨードエチル)安息香酸メチル、4−(1−ヨードエチル)安息香酸エチル等が挙げられる。
ハロゲン化合物は、好ましくは、α−ハロゲノカルボニル化合物、α−ハロゲノカルボン酸エステル、ハロゲン化炭化水素であり、より好ましくは2−ブロモ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヨードプロピオン酸エチル、2−ヨードブタンである。これらのハロゲン化合物は、異なる2種以上のハロゲン化合物を組み合わせて用いることもできる。
本発明のオレフィン−極性モノマーランダム共重合体の製造方法において、オレフィンの使用量は 通常0.01〜1000mol/L、好ましくは0〜100mol/Lであり、極性モノマーの使用量は 通常0.001〜100mol/L、好ましくは0.01〜10mol/Lである。また、オレフィンに対する極性モノマーの使用量のモル比は、好ましくは0.001〜100であり、特に好ましくは0.01〜10である。
本発明のオレフィン−極性モノマーランダム共重合体の製造方法において用いることのできる、成分(A)の遷移金属化合物の濃度は、好ましくは0.0001〜500mmol/L、特に好ましくは0.001〜10mmol/Lである。
本発明のオレフィン−極性モノマーランダム共重合体の製造方法において用いることのできる、成分(B)のハロゲン化合物の濃度は、好ましくは0.0001〜500mmol/L、特に好ましくは0.001〜10mmol/Lである。
本発明のオレフィン−極性モノマーランダム共重合体の製造方法において、成分(A)と成分(B)を任意の順序で個別に添加しても良く、あらかじめ混合してから添加しても良い。この場合の成分(A)の濃度に対する成分(B)の濃度の比は、好ましくは0.01〜100であり、特に好ましくは0.1〜10である。
本発明のオレフィン−極性モノマーランダム共重合体の製造方法においては、本発明の効果が維持される場合においてのみ、添加剤成分として、トリアリールホウ素化合物やトリアルキルアルミニウム化合物のようなルイス酸、または、モノアルキルアミン、ジアルキルアミン、トリアルキルアミンのようなアミン化合物を所望の濃度で調整して使用できるが、好ましくは0.001〜5000mmol/L、特に好ましくは0.01〜100mmol/Lである。
本発明のオレフィン−極性モノマーランダム共重合体の製造方法において、その重合温度は、通常−30〜400℃の範囲に渡って実施することができるが、好ましくは0〜300℃の範囲であり、特に好ましくは130〜250℃である。また、重合圧力としては特に限定されないが、好ましくは常圧〜400MPaであり、特に好ましくは0.5〜300MPaである。このような高い温度および圧力で重合を行うことによって、重合体鎖内のオレフィン連鎖の形成の点で有利となる。重合時間は、一般的に、目的とする重合体の種類、反応装置によって適宜決定されるが、例えば10秒〜40時間の範囲を採りうる。
本発明のオレフィン−極性モノマーランダム共重合体の製造方法において用いることのできる重合器は、連続式反応器、回分式反応器、半回分式反応器のいずれも採用し得るが、好ましくは連続式反応器である。
本発明のオレフィン−極性モノマーランダム共重合体の製造方法においては、溶媒を用いることができ、例えば、プロパン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の不活性炭化水素溶媒を好ましく用いることができる。
本発明のオレフィン−極性モノマーランダム共重合体の製造方法において用いることのできる重合方法として、バルク重合、スラリー重合、溶媒重合、液相重合または気相重合のいずれかを採用することができる。
本発明のオレフィン−極性モノマーランダム共重合体の分子量を調節するために、水素等の連鎖移動剤を重合時に添加することもできる。
本発明においては、上記の製造方法で製造されたランダム共重合体を溶解させた溶液と、酸とアルコールの混合溶液とを混合させることにより、脱灰することができる。
上記の重合体溶液の溶媒としては、ランダム共重合体を溶解するという目的が達せられれば特に限定されないが、n−ブタン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、ベンゼン、トルエン、アニソール、エチルベンゼン、パラキシレン、メタキシレン、オルトキシレン、クロロベンゼン、パラジクロロベンゼン、メタジクロロベンゼン、オルトジクロロベンゼン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、テトラヒドロフラン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、二硫化炭素および超臨界二酸化炭素等が挙げられる。中でも、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、トルエン、キシレン、シクロヘキサンが、重合物との親和性および入手が容易であるという点で好ましい。
上記の酸−アルコール混合溶液に用いる酸としては、塩酸、酢酸、蟻酸、プロピオン酸、酪酸、アスコルビン酸、シュウ酸、安息香酸、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、硫酸、硝酸およびメルドラム酸等が挙げられ、好ましくは塩酸、酢酸、シュウ酸、アスコルビン酸が用いられる。
上記の酸−アルコール混合溶液に用いるアルコールとしては、メタノール、エタノール、2,2,2−トリクロロエタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等が挙げられ、好ましくはメタノールおよびエタノールが用いられる。
上記の酸−アルコール混合溶液における、アルコールに対する酸の体積百分率は、好ましくは0.01〜1.0%である。また、上記の酸−アルコール混合溶液に対する上記の重合体溶液の体積比率は、好ましくは0.01〜10であり、特に好ましくは0.1〜1.0である。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲は実施例のみに限定されるものではない。
なお、実施例中の各項目の測定値は、下記の方法で測定した。
(1)重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって、下記の条件で測定した。また、検量線は標準ポリスチレンを用いて作成した。
測定機 ミリポアウオーターズ社製 150CV型
カラム Shodex M/S 80
測定温度 145℃、溶媒:オルトジクロロベンゼン、
サンプル濃度 5mg/8ml
(2)示差走査熱量(DSC)の測定
Perkin−Elmer社製DSC−VIIを用いて、以下の条件で測定した。
昇温:20℃から200℃(20℃/分) 10分保持
冷却:200℃から−100℃(20℃/分) 10分保持
測定:−100℃から300℃(20℃/分で昇温)
(3)13C核磁気共鳴スペクトル(NMR)の測定
JEOL社製JNM−AL400を用い、クロロホルム−d溶媒中で20〜25℃の温度範囲内で、またはオルトジクロロベンゼン−d4溶媒中で135℃の温度で、測定した。
(4)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)の測定
JIS K7210に従って測定した。試験荷重は21.18N(2.16kgf)、測定温度は190℃で行った。
(5)融点の測定
融点は上記のDSC測定によって得た。
(6)極性モノマーに由来する繰り返し単位、およびオレフィンに由来する繰り返し単位の測定
極性モノマーに由来する繰り返し単位、およびオレフィンに由来する繰り返し単位は、上記13C−NMR分析によって測定した。
(7)炭化水素基から成る側鎖の数の測定
炭化水素基から成る側鎖の数は、上記13C−NMR分析によって測定した。
実施例1〜3(エチレン−アクリル酸メチルランダム共重合体)
内容積1.94リットルの槽型の撹拌翼付連続式反応器を用い、エチレン−アクリル酸メチル重合を行った。n−ドデシル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマーのヘプタン溶液(3.0重量%)、2−ヨードブタン(東京化成工業社製)のヘプタン溶液(15.0重量%)、およびアクリル酸メチル(東京化成工業社製)をそれぞれ別の容器に準備し、槽内において所定の濃度となるように連続的に供給し、滞留時間2分の条件で、槽内が136〜201℃の範囲でそれぞれ表1に示す温度で、表に示す重合圧力となるようにエチレンを加圧供給した。連続的に得られた生成物を洗浄し、H、13C−NMR測定によって構造分析を行った。実施条件と得られたランダム共重合体について下記の表1に示した。なお、n−ドデシル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマーは特願2006−036164(特開2007−217290号公報参照)に記載の方法により合成し、これを用いた。下記表1に示されるように、得られたエチレン−アクリル酸メチルランダム共重合体は、いずれも長鎖分岐構造を有して、かつ分子量分布の狭い重合体であった。
実施例4(エチレン−メタクリル酸メチルランダム共重合体)
内容積1.94リットルの槽型の撹拌翼付連続式反応器を用い、エチレン−メタクリル酸メチル重合を行った。n−ドデシル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマーのヘプタン溶液(3.0重量%)、2−ヨードブタン(東京化成工業社製)のヘプタン溶液(15.0重量%)、およびメタクリル酸メチル(東京化成工業社製)をそれぞれ別の容器に準備し、槽内において所定の濃度となるように連続的に供給し、滞留時間2分の条件で、槽内が136〜201℃の範囲でそれぞれ表1に示す温度で、表に示す重合圧力となるようにエチレンを加圧供給した。連続的に得られた生成物を洗浄し、H、13C−NMR測定によって構造分析を行った。実施条件と得られたランダム共重合体について下記の表1に示した。なお、n−ドデシル(テトラメチル)シクロペンタジエニル鉄カルボニルダイマーは特願2006−036164(特開2007−217290号公報参照)に記載の方法により合成し、これを用いた。下記表1に示されるように、得られたエチレン−メタアクリル酸メチルランダム共重合体は、長鎖分岐構造を有して、かつ分子量分布の狭い重合体であった。
Figure 2009215374
参考例1(重合の再開始)
実施例2で製造したエチレン−アクリル酸メチルランダム共重合体12gを130℃でオルトキシレンに溶解して調製したポリマーのオルトキシレン溶液96mLに、スチレン92mLを加えて130℃で60分重合した。得られた重合体溶液を1%塩酸−エタノール溶液に滴下して重合体を析出させ、さらに乾燥した結果、得られた重合体は48gであった。得られた重合体のGPCによる数平均分子量Mnは51,000であり、重量平均分子量Mwは96,000であり、分子量分布Mw/Mnは1.9であった。NMRで求めた共重合体中のスチレン含量は39モル%であった。この結果は、重合が再開しうることを示しており、すなわち本発明のランダム共重合体は生長末端にハロゲン原子を有していることを支持するものである。
実施例5
実施例1〜4で製造したランダム共重合体を105℃でトルエンに溶解して得られたトルエン溶液を1%塩酸−エタノール溶液に投入して脱灰して精製したところ、白色のポリマーが析出した。得られたポリマーをトルエンに溶かし、精製前と後とで比較したところ、精製前のポリマー溶液は明らかに着色したものであったが、精製後のポリマー溶液は清明であった。
実施例6
実施例1〜4で製造したランダム共重合体を130℃でキシレンに溶解して得られたキシレン溶液を1%塩酸−エタノール溶液に投入して脱灰して精製したところ、白色のポリマーが析出した。得られたポリマーをトルエンに溶かし、精製前と後とで比較したところ、精製前のポリマー溶液は明らかに着色したものであったが、精製後のポリマー溶液は清明であった。

Claims (10)

  1. オレフィンと極性モノマーを共重合させて得られるオレフィン−極性モノマーランダム共重合体であって、該ランダム共重合体中の繰り返し単位の合計を100モルとした場合、該ランダム共重合体中における該極性モノマーに由来する繰り返し単位が0.01モル以上で且つ50モル未満であり、かつ、該ランダム共重合体中における該オレフィンに由来する繰り返し単位が50モル以上で且つ99.99モル未満であって、該ランダム共重合体の端部にハロゲン原子を有することを特徴とする、オレフィン−極性モノマーランダム共重合体。
  2. 前記ランダム共重合体の炭素原子数1000当りで、炭化水素基から成る側鎖の数の合計が0.001〜50であり、かつ、該炭化水素基のうちで炭素原子数が6以上の側鎖の数の合計が0.001〜20である、請求項1に記載のオレフィン−極性モノマーランダム共重合体。
  3. 前記オレフィンが、炭素原子数2〜8のオレフィンである、請求項1または2に記載のオレフィン−極性モノマーランダム共重合体。
  4. 前記炭素原子数2〜8のオレフィンが、エチレンおよび/またはプロピレンである、請求項3に記載のオレフィン−極性モノマーランダム共重合体。
  5. 前記ランダム共重合体中における該極性モノマーに由来する繰り返し単位が0.01モル以上で且つ40モル未満であり、前記ランダム共重合体中における該オレフィンに由来する繰り返し単位が60モル以上で且つ99.99モル未満である、請求項1〜4のいずれかに記載のオレフィン−極性モノマーランダム共重合体。
  6. 融点が50℃以上である、請求項1〜5のいずれかに記載のオレフィン−極性モノマーランダム共重合体。
  7. オレフィンと極性モノマーを共重合させて得られるオレフィン−極性モノマーランダム共重合体の製造方法であって、遷移金属化合物の群から選択される少なくとも一種を含む重合開始剤を用いて、該ランダム共重合体中の繰り返し単位の合計を100モルとした場合、該ランダム共重合体中における該極性モノマーに由来する繰り返し単位が0.01モル以上で且つ50モル未満であり、かつ、該ランダム共重合体中における該オレフィンに由来する繰り返し単位が50モル以上で且つ99.99モル未満であって、該ランダム共重合体の端部にハロゲン原子を有する該ランダム共重合体を製造することを特徴とする、オレフィン−極性モノマーランダム共重合体の製造方法。
  8. 前記重合開始剤が、遷移金属化合物の群から選択される少なくとも一種とハロゲン化合物の群から選択される少なくとも一種からなるリビングラジカル重合開始剤である、請求項7に記載のオレフィン−極性モノマーランダム共重合体の製造方法。
  9. 前記遷移金属化合物が鉄原子を含む化合物であり、前記ハロゲン化合物が有機ヨウ素化合物である、請求項8に記載のオレフィン−極性モノマーランダム共重合体の製造方法。
  10. 前記ランダム共重合体を脱灰することをさらに含む、請求項7〜9のいずれかに記載のオレフィン−極性モノマーランダム共重合体の製造方法。
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