JP2009188209A - 不純物活性化熱処理方法及び熱処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ミリセカンドアニールにおいて、SiGeなどの熱的耐性の小さい材料に対しても、不純物拡散長を増大させることなく、活性化率をさらに向上させる。
【解決手段】第1の設定温度T1から第2の設定温度T2まで1.0×107 (℃/秒)以下の昇温速度で昇温した後、第2の設定温度T2で50m秒以下保持し、その後、第2の設定温度T2から第1の設定温度T1まで降温する熱サイクルを連続して複数回繰り返し実施する。
【選択図】図2
【解決手段】第1の設定温度T1から第2の設定温度T2まで1.0×107 (℃/秒)以下の昇温速度で昇温した後、第2の設定温度T2で50m秒以下保持し、その後、第2の設定温度T2から第1の設定温度T1まで降温する熱サイクルを連続して複数回繰り返し実施する。
【選択図】図2
Description
本発明は、半導体分野における熱処理方法に関し、特に、不純物導入後の不純物活性化熱処理方法に関するものである。
近年、半導体集積回路装置の高集積化、高機能化及び高速化に伴って、素子の微細化が進んでいる。そのため、トランジスタのゲート長の微細化などの横方向の微細化のみならず、ゲート絶縁膜の極薄膜化などの縦方向の微細化も進んでいる。特に、トランジスタにおいては、ソース・ドレイン領域及びエクステンション領域からチャネル領域への横方向(チャネル方向)の不純物拡散と、深さ方向の不純物拡散とが厳しく制限される。その理由は、トランジスタにおけるチャネル方向及び深さ方向への不純物の拡散長及び拡散深さが増大すると、短チャネル特性が悪化するためである。一方、これらのエクステンション領域及びソース・ドレイン領域に対しては、不純物の拡散長及び拡散深さを抑制した上で、さらなる低抵抗化が求められる。その理由は、エクステンション領域の抵抗が減少すれば、ソース・ドレイン領域からチャネル領域までの寄生抵抗が減少し、それによって高い駆動力が得られるためである。
すなわち、エクステンション領域については、不純物の拡散長を抑制しつつ、低抵抗化することが求められている。低抵抗を得るためには、不純物の濃度を増大させたり、熱処理を十分に加えることが有効である一方、これらの対応は、不純物の拡散長の増大を引き起こすため、エクステンション領域の低拡散長化と低抵抗化との両立は相反する課題である。
この課題を解決するため、まず、不純物導入工程においては、従来から用いられているイオン注入法による不純物導入に際し、イオン注入エネルギーを1keV以下の超低エネルギーとして不純物の導入深さを抑制する方法が採用されている。また、熱処理工程(不純物活性化熱処理工程)においては活性化率を向上させ且つ拡散長を抑制する方法として、従来の電気炉による長時間アニールに代わり、RTP(Rapid Thermal Processing)による高温の短時間アニールが採用されている。特に、近年、不純物活性化熱処理工程においては、Spike RTA と呼ばれる、昇降温速度(Δt)を100〜250℃/秒程度(但し500℃/秒以下)、熱処理を行う温度(到達温度:実際には1000〜1200℃)での保持時間(熱処理時間t)を0秒(実際には50m秒〜1秒)とした高温の超短時間アニールが行われている。図13(a)は、Spike RTA の温度シーケンスの一例を示している。Spike RTA においては、到達温度を高温にすることによって不純物の活性化率を向上させて抵抗値を下げていると共に、熱処理時間を1秒以下の超短時間とすることによって不純物の拡散を抑制している。
しかしながら、近年の超微細化デバイスにおいては、もはやSpike RTA によっても活性化率の上昇と不純物拡散の抑制とを両立することが困難になってきている。すなわち、より活性化率を向上させるためには、より高温の熱処理が要求されるが、Spike RTA における数十〜数百m秒の熱処理時間によって不純物拡散を十分に抑制することができないためである。
このため、最近、Spike RTA に代わり、ミリセカンドアニールが注目されている。図13(b)は、ミリセカンドアニールの温度シーケンスの一例を示している。図13(b)に示すように、ミリセカンドアニールにおいては、Spike RTA (熱処理時間tは50m秒〜1秒)と比較して熱処理時間tを1μ秒から100m秒までと大幅に短縮することによって不純物拡散を抑制していると共に、1×106 ℃/秒程度という極めて高い昇降温速度Δt(但し1×107 ℃/秒以下)によって高温(実際には1000〜1400℃)での超短時間処理を可能としている。このようなミリセカンドアニールを行うことにより、より高温での短時間熱処理が可能となり、活性化率の向上と同時に不純物拡散長の低減が図られる。ミリセカンドアニールとしては大きく3つの方法が提案されている。1番目はフラッシュランプやアークランプを光源(熱源)として比較的可視光に近い短波長の光によって直接シリコンウェーハ全表面を一括して加熱する方法である。2番目はエキシマレーザーなどの短波長パルスレーザーを用いてウェーハ上の限られた区画を加熱すると共にステップアンドリピートによって加熱区画を変えながらウェーハ全面を加熱していく方法である。3番目は近赤外から赤外までのレーザービームを用い、レーザービームとウェーハとを相対的にスキャンすることによりウェーハ全面を加熱する方法である。これらのミリセカンドアニール方法は不純物活性化熱処理方法として単独で用いられることもあるが、前述のようにミリセカンドアニールによって不純物拡散が抑制されすぎて所望の拡散プロファイルを形成しにくい場合もあるので、Spike RTA や通常のRTAをミリセカンドアニールの前又は後に連続して実施する方法も提案されている(特許文献1参照)。
特許第3699946号公報
しかしながら、これらのミリセカンドアニールについても活性化率をさらに向上させるためには、熱処理温度をさらに高温化する必要がある。ところが、ミリセカンドアニールでは、その処理時間の短さのために、Spike RTA や通常のRTAと比べて熱処理温度は既に高温化されており、少なくとも1250〜1350℃程度の高温が通常用いられる。その理由は、Spike RTA と同程度の1100℃程度の温度でミリセカンドアニールを行っても、熱処理時間が短いために効果がないためである。そのため、ミリセカンドアニールにおいては、熱処理温度が1300〜1350℃程度の、シリコンの溶融温度(1412℃)に近いサブメルト領域の温度での熱処理が行われる場合もある。すなわち、ミリセカンドアニールにおいて既にこのような高温処理が行われているということは、もはやこれ以上の高温化は原理的に無理であり、従って、活性化率の向上には限界がある。
また、一方、このような高温においては熱処理時間が短いミリセカンドアニールにおいても、熱による損傷を受ける材料が少なくない。例えば、歪み材料として広く使用されているSiGe(シリコンゲルマニウム)はゲルマニウム(Ge)含有量が多いが、Geはシリコンと比較して熱的にはるかに弱いことが知られている。その理由は、シリコンの融点が1412℃であるのに対して、Geの融点は952℃に過ぎないからである。従って、SiGeを含むデバイスに対してはミリセカンドアニールであっても、熱処理温度を非常に高い温度に設定することはできず、それゆえ高い活性化率を実現することは困難である。また、通常、各種デバイスにおいては多結晶シリコンゲートがトランジスタに使用されているが、この多結晶シリコンに対しては導電性を与えるために不純物がドープされており、その結果、この不純物がドープされた多結晶シリコンがミリセカンドアニールの1350℃程度の熱処理に曝されると、溶融して損傷を受ける可能性が高い。その理由は、不純物がドープされた多結晶シリコンにおいては当該不純物に起因するフリーキャリア吸収の度合いが高いため、不純物がドープされていないシリコンと比較して局所的に温度が高温になりやすいためである。このようにミリセカンドアニールにおいては熱処理温度を高温化することによって活性化率を向上させる必要があるにもかかわらず、前述のように、高温化を阻害する要因があるため、現状以上に活性化率を向上させることには限界がある。
以上に述べた様々な課題に鑑み、本発明は、ミリセカンドアニールにおいて、SiGeなどの熱的耐性の小さい材料に対しても、不純物拡散長を増大させることなく、活性化率をさらに向上させることを目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明に係る不純物活性化熱処理方法は、被処理体に対して不純物導入工程を実施した後の不純物の活性化熱処理において、初期温度から第1の設定温度T1(℃)まで任意の第1の昇温速度R1(℃/秒)で昇温した後、前記第1の設定温度T1(℃)で任意の第1の保持時間t1(秒)保持し、その後、前記第1の設定温度T1(℃)から第2の設定温度T2(℃)まで1.0×107 (℃/秒)以下の第2の昇温速度R2(℃/秒)で昇温した後、前記第2の設定温度T2(℃)で50m秒以下の第2の保持時間t2(秒)保持し、その後、前記第2の設定温度T2(℃)から前記第1の設定温度T1(℃)まで1.0×107 (℃/秒)以下の第1の降温速度R1’(℃/秒)で降温した後、前記第1の設定温度T1(℃)で任意の第3の保持時間t3(秒)保持し、その後、前記第1の設定温度T1(℃)から最終温度まで任意の第2の降温速度R2’(℃/秒)で降温する熱サイクルを1サイクルとして、前記熱サイクルを連続して複数回繰り返し実施する。尚、第3の保持時間t3を0秒としてもよい。言い換えると、降温過程中において第1の設定温度T1で温度を保持することなく、最終温度まで降温させてもよい。
本発明に係る不純物活性化熱処理方法において、活性化熱処理の実施前に、以下の工程が実施されていてもよい。すなわち、前記被処理体としてのシリコン基板上に分離領域を形成した後、前記シリコン基板に対して閾値制御のための不純物導入を実施し、その後、前記シリコン基板上にゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成した後、前記ゲート電極の側壁にオフセットスペーサを形成し、その後、前記ゲート電極及び前記オフセットスペーサをマスクとして前記シリコン基板に対して不純物のイオン注入を行ってエクステンション領域を形成した後、前記エクステンション領域中の不純物を活性化するための1回目の活性化熱処理を実施し、その後、前記ゲート電極の側壁に前記オフセットスペーサを介してサイドウォールスペーサを形成した後、前記ゲート電極、前記オフセットスペーサ及び前記サイドウォールスペーサをマスクとして前記シリコン基板に対して不純物のイオン注入を行ってソース・ドレイン領域を形成してもよい。
本発明に係る不純物活性化熱処理方法において、前記第1の設定温度T1(℃)は400℃以上で且つ800℃以下であり、前記第2の設定温度T2(℃)は1100℃以上で且つ1400℃以下であることが好ましい。すなわち、前記第1の設定温度T1(℃)は、不純物がドープされたシリコンにおいてフリーキャリア吸収が発生する温度であることが好ましく、前記第2の設定温度T2(℃)は、シリコンの溶融温度以下であることが好ましい。
本発明に係る不純物活性化熱処理方法において、前記熱サイクルの1回目の実施において、降温過程を前記第1の設定温度T1(℃)で終了し、前記熱サイクルの最終回を除く2回目以降の実施において、昇温過程を前記第1の設定温度T1(℃)から開始すると共に降温過程を前記第1の設定温度T1(℃)で終了し、前記熱サイクルの最終回の実施において、昇温過程を前記第1の設定温度T1(℃)から開始すると共に降温過程を前記最終温度で終了してもよい。
本発明に係る不純物活性化熱処理方法において、前記熱サイクルの繰り返し回数は2回以上で且つ5回以下であってもよい。
本発明に係る不純物活性化熱処理方法において、前記活性化熱処理の実施前及び実施後の少なくとも一方において、前記第2の設定温度T2(℃)よりも低い第3の設定温度T3(℃)で前記第2の保持時間t2(秒)よりも長い第3の保持時間t3(秒)保持する他の熱処理を行ってもよい。この場合、前記活性化熱処理の実施前及び実施後の両方において前記他の熱処理を行い、前記活性化熱処理の実施前の前記他の熱処理における前記第3の設定温度T3(℃)及び前記第3の保持時間t3(秒)は、前記活性化熱処理の実施後の前記他の熱処理における前記第3の設定温度T3(℃)及び前記第3の保持時間t3(秒)と異なっていてもよい。また、この場合、前記他の熱処理における前記第3の設定温度T3(℃)までの昇温速度及び前記第3の設定温度T3(℃)からの降温速度は500℃/秒以下であり、前記第3の保持時間t3(秒)は50m秒以上で且つ1秒以下であってもよい。さらに、この場合、前記第2の設定温度T2(℃)は1100℃以上で且つ1400℃以下であり、前記第3の設定温度T3(℃)は650℃以上で且つ1150℃以下であってもよい。すなわち、前記第2の設定温度T2(℃)は、シリコンの溶融温度以下であることが好ましい。
本発明に係る不純物活性化熱処理方法において、前記活性化熱処理においてフラッシュランプ、アークランプ又は一括照射タイプのパルスレーザーを熱源として使用し、前記熱サイクルの1回目の実施における昇温過程で前記第1の設定温度T1(℃)まで昇温した後、前記フラッシュランプ、前記アークランプ又は前記一括照射タイプのパルスレーザーによって前記第2の設定温度T2(℃)での熱処理を連続して複数回繰り返し実施してもよい。
本発明に係る不純物活性化熱処理方法において、前記活性化熱処理においてビームスキャンタイプのレーザーを熱源として使用し、前記レーザーのビームスキャンによって前記熱サイクルを複数回実施することに代えて、前記レーザーのビームオーバーラップを増加させることによって、前記被処理体における同一箇所でのビームスキャン回数を増加させてもよい。このようにすると、熱処理を複数回実施した場合と同等の効果を得ることができる。
本発明に係る不純物活性化熱処理方法において、前記初期温度及び前記最終温度の少なくとも一方は室温又はその近傍の温度であってもよい。
本発明に係る第1の熱処理装置は、本発明に係る不純物活性化熱処理方法においてフラッシュランプを用いる場合に当該不純物活性化熱処理方法を行うための熱処理装置であって、前記熱サイクルの繰り返し回数をN(Nは2以上の自然数)回として、互いに並列に接続されたN個の蓄電器のそれぞれを含む互いに独立したN個の充電回路を有し、前記熱サイクルを連続して実施するときに、前記N個の蓄電器を充電した後、当該充電後の前記N個の蓄電器を連続して順次前記フラッシュランプに接続する。
本発明に係る第2の熱処理装置は、被処理体を加熱するためのランプと、互いに並列に接続された複数の蓄電器のそれぞれを含む互いに独立した複数の充電回路とを備え、前記複数の蓄電器を充電した後、当該充電後の前記複数の蓄電器を連続して順次前記ランプに接続する。
本発明によると、SiGeなどの熱的耐性がシリコンと比べて低い材料に対してミリセカンドアニールを行う場合にも、不純物の拡散長を増大させることなく、不純物の活性化率を高く維持することが可能となる。また、シリコン材料に対しては、熱処理温度をシリコンの溶融温度に近い温度まで高くすることなく、当該高い温度で熱処理を行った場合と同等以上の不純物の活性化率を結晶欠陥なしに実現することができる。
すなわち、本発明によると、シリコン基板又は当該シリコン基板上に形成されたパターンに熱的な損傷を及ぼすことなく、また、不純物の拡散長を増大させることなく、不純物の活性化率を高めることが可能となる。従って、トランジスタ構造におけるソース・ドレイン領域及びエクステンション領域のそれぞれの抵抗を拡散長や拡散深さの増大なしに低減することが可能となるので、ショートチャネルを抑制しながら、トランジスタ性能を向上させることができる。
また、本発明によると、SiGeなどの熱的耐性がシリコンと比べて低い材料を含むデバイスにおいても、熱ストレスや熱溶融によるデバイスへの損傷を抑制することが可能となると共に不純物の拡散長を増大させることなく不純物の活性化率を向上させることができるので、トランジスタ性能を向上させることができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る不純物活性化熱処理方法について、図面を参照しながら説明する。
以下、本発明の第1の実施形態に係る不純物活性化熱処理方法について、図面を参照しながら説明する。
図1(a)〜(c)は、本実施形態に係る不純物活性化熱処理方法を用いた半導体装置の製造方法、具体的には、不純物活性化のためにミリセカンドアニールを用いたMOS(metal-oxide-semiconductor )トランジスタの形成方法の各工程を示す断面図である。
まず、図1(a)に示すように、 シリコン基板1上に分離領域2を形成した後、シリコン基板1に対して閾値制御のための不純物導入を実施し、その後、シリコン基板1上にゲート絶縁膜3を介してゲート電極4を形成する。次に、ゲート電極4の側壁にオフセットスペーサ5を形成した後、ゲート電極4及びオフセットスペーサ5をマスクとして、シリコン基板1に対して不純物のイオン注入6を行ってエクステンション領域7を形成する。ここで、オフセットスペーサ5によって、エクステンション領域7からゲート電極4の端部までの距離が調整される。その後、エクステンション領域7中の不純物を活性化するための1回目の活性化熱処理を実施する。
次に、図1(b)に示すように、ゲート電極4の側壁にオフセットスペーサ5を介してサイドウォールスペーサ8を形成した後、ゲート電極4、オフセットスペーサ5及びサイドウォールスペーサ8をマスクとして、シリコン基板1に対して不純物のイオン注入9を行ってソース・ドレイン領域10を形成する。
次に、図1(c)に示すように、MOSトランジスタが形成されたシリコン基板1に対して、熱処理11、つまり本実施形態に係る不純物活性化熱処理方法を実施する。以下、本実施形態に係る不純物活性化熱処理方法について詳述する。図2は、本実施形態に係る不純物活性化熱処理方法における温度シーケンスの一例を示す図である。
まず、MOSトランジスタが形成されたシリコン基板1(以下、シリコンウェーハという)を、初期温度である室温(その近傍の温度を含む:以下同じ)T0(℃)から第1の設定温度であるT1(℃)まで任意の第1の昇温速度R1(℃/秒)で昇温する。ここで、第1の設定温度T1(℃)は、シリコンウェーハにフリーキャリアが発生し、当該フリーキャリアがランプ光やレーザー光を効率的に吸収し、それによりシリコンウェーハの温度を容易に上昇できる温度であって、且つ既にシリコンウェーハ中に導入した不純物に対してその拡散長の増大や不活性化を起こさせない温度、つまり400〜800℃の温度範囲から選択され、本実施形態では第1の設定温度T1(℃)を例えば400℃に、その温度での保持時間(第1の保持時間t1(秒))を例えば30秒に設定した。尚、第1の設定温度T1(℃)までの昇温は、その後、第1の設定温度T1(℃)から非常な高温まで短時間で昇温する際の温度差による熱ストレスを緩和する役割も持つ。また、第1の保持時間t1(秒)は、フリーキャリアが安定して発生する時間であればよく、加熱方法により異なるものの、例えば1秒程度から1分程度までの時間に設定することができる。具体的には、第1の設定温度T1(℃)までの加熱にランプ等による光放射を用いる場合には、第1の保持時間t1(秒)は1秒程度でよいが、当該加熱を抵抗加熱ヒーター(いわゆるホットプレート)のステージ上にシリコンウェーハを設置して行う場合には、温度の安定のために第1の保持時間t1(秒)は30秒程度から60秒程度までの時間である必要がある。但し、いずれの場合であっても、シリコンウェーハの温度が正確に第1の設定温度T1(℃)になっていれば、第1の保持時間t1(秒)は1秒以上あれば十分である。また、第1の設定温度T1(℃)が高温になるに従って、第1の保持時間t1(秒)が拡散長の増大に及ぼす影響が大きくなるので、この場合には、第1の設定温度T1(℃)を数秒程度以下に設定しておくことが好ましい。尚、第1の設定温度T1(℃)を800℃程度の高温に設定するために抵抗加熱ヒーターを熱源として用いると、シリコンウェーハを所定の温度に加熱するのに30〜60秒程度の時間を要するため、シリコンウェーハが余分な熱処理を受けることとなり、好ましくない。一方、第1の設定温度T1(℃)を400℃程度の低温に設定するために抵抗加熱ヒーターを熱源として用いた場合、シリコンウェーハを所定の温度に加熱するのに時間を要したとしても、特に問題はない。
次に、シリコンウェーハを、第1の設定温度T1(℃)である400℃から第2の設定温度T2(℃)である1310℃まで最大速度r2(例えば1.0×106 (℃/秒))以下の第2の昇温速度R2(℃/秒)で昇温した後、第2の設定温度T2(℃)である1310℃で第2の保持時間t2(秒)である1m秒保持する。その後、シリコンウェーハを、第2の設定温度T2(℃)である1310℃から第1の設定温度T1(℃)である400℃まで最大速度r1’(例えば1.0×106 (℃/秒))以下の第1の降温速度R1’(℃/秒)で降温する。
続いて、本実施形態に係る不純物活性化熱処理方法においては、シリコンウェーハを室温まで冷却することなく、引き続き2回目の熱サイクルを、前述の1回目の熱サイクルと同様に実施する。すなわち、まず、シリコンウェーハを、第1の設定温度T1(℃)である400℃から第2の設定温度T2(℃)である1310℃まで最大速度r2(例えば1.0×106 (℃/秒))以下の第2の昇温速度R2(℃/秒)で昇温した後、第2の設定温度T2(℃)である1310℃で第2の保持時間t2(秒)である1m秒保持する。その後、シリコンウェーハを、第2の設定温度T2(℃)である1310℃から第1の設定温度T1(℃)である400℃まで最大速度r1’(例えば1.0×106 (℃/秒))以下の第1の降温速度R1’(℃/秒)で降温する。
続いて、本実施形態に係る不純物活性化熱処理方法においては、シリコンウェーハを室温まで冷却することなく、引き続き3回目の熱サイクル(本実施形態では最終回の熱サイクル)を、前述の2回目の熱サイクルと同様に実施する。但し、3回目の熱サイクルにおいては、シリコンウェーハを第2の設定温度T2(℃)である1310℃から第1の設定温度T1(℃)である400℃まで降温した後、第1の設定温度T1(℃)である400℃から最終温度である室温T0まで任意の第2の降温速度R2’(℃/秒)で降温する。
尚、各熱サイクルの降温過程においてはフリーキャリアによる赤外線吸収効果は不要であるため、第1の設定温度T1(℃)での保持時間(第3の保持時間t3(秒))は基本的には必要ないので、第3の保持時間t3(秒)は1秒以下の時間でよい。但し、熱サイクルの繰り返し(連続ミリセカンドアニール)に後述するフラッシュランプ照射を行う場合には、昇温過程の前に一旦、第1の設定温度T1(℃)で温度を安定させる必要があると共にランプアニール装置の蓄電器を充電する時間も必要となることから、第3の保持時間t3(秒)として1〜10秒程度の時間が必要になる。
本実施形態においては、ミリセカンドアニールの光源として、例えば波長10.6μmの炭酸ガスレーザーを用いた。このレーザービームは、長辺の長さが5.5mm、短辺の長さが110μmであり、ガウシアン分布のエネルギー強度を有する。また、シリコンウェーハに対するレーザービームの照射に際しては、ビームオーバラップを2mm、スキャン速度を110mm/秒としてX−Yスキャン(正確にはXスキャン、Yステップ)を行う方式を用いた。ここで、レーザービームの短辺方向がXスキャン方向であり、レーザービームの長辺方向がYステップを行う方向である。これにより、レーザービームの長辺の長さよりもYステップ幅が小さければ、ビームオーバラップが生じる。本実施形態の場合、レーザービームの長辺の長さが5.5mmであるので、Yステップ幅が3.5mmであれば、2mmのビームオーバラップが生じる。以上の設定によれば、1回の熱サイクルに要する熱処理時間は、ビーム短辺長さ110μm/ビームスキャン速度110mm/秒=1m秒である。本実施形態では、前述のスキャン条件でウェーハ全面をスキャンして1回目の熱サイクルを実施した後、引き続き1回目の熱サイクルと同様に2回目及び3回目の熱サイクルのためのスキャンを行った。その際、各回の熱サイクルにおけるウェーハ上でのスキャン方向を、前回の熱サイクルにおけるウェーハ上でのスキャン方向から(360°/N回)(Nは熱処理の回数)変化させることによって、ウェーハ上の同じ場所をスキャンすることによるビームスティッチングの問題をより軽減することができるが、本実施形態では1回目から3回目までの熱サイクルにおけるウェーハ上でのスキャン方向を全てノッチ方向に対して垂直な方向に設定してスキャンを行った。
尚、本実施形態において、第2の昇温速度R2の最大速度r2及び第1の降温速度R1’の最大速度r1’をそれぞれ1.0×106 (℃/秒)に設定したが、これに限られず、最大速度r2及び最大速度r1’をそれぞれ1.0×107 (℃/秒)以下の任意の値に設定してもよい。
また、本実施形態において、熱サイクルの繰り返し回数を3回に設定したが、これに限られず、2回以上で且つ5回以下の任意の回数に設定してもよい。
また、本実施形態において、第2の設定温度T2を1310℃に設定したが、これに限られず、1100℃以上で且つ1400℃以下(つまりシリコンの溶融温度以下)の任意の温度に設定してもよい。
また、本実施形態において、1回目から3回目までの熱サイクルにおける熱処理温度(つまり第2の設定温度T2)を全て同じ温度に設定したが、これに代えて、各回の熱サイクルの熱処理温度の一部又は全てが異なっていてもよい。
また、本実施形態において、1回目から3回目までの熱サイクルにおける第1の設定温度T1を全て同じ温度に設定したが、これに代えて、各回の熱サイクルにおける第1の設定温度T1の一部又は全てが異なっていてもよい。但し、第1の設定温度T1での熱処理は、フリーキャリアを発生させるための熱処理であるので、拡散長を増大させないためには、第1の設定温度T1を、フリーキャリアが発生する最低温度である400℃付近に設定することが好ましい。また、第1の設定温度T1を熱サイクル毎に変化させると、フリーキャリアの発生量も熱サイクル毎に大きく変化することになる。フリーキャリア濃度は赤外線吸収に指数的に影響を及ぼすため、第1の設定温度T1を熱サイクル毎に変化させると、高温熱処理における温度制御が困難になるので、1回目から3回目までの熱サイクルにおける第1の設定温度T1については全て同じ温度に設定することが好ましい。
また、本実施形態において、ミリセカンドアニールの光源(熱源)として、ビームスキャンタイプのレーザー(炭酸ガスレーザー)を用いたが、これに代えて、フラッシュランプ、アークランプ又は一括照射タイプのパルスレーザーを用いてもよい。この場合、本実施形態と同様に、熱サイクルの1回目の実施における昇温過程で第1の設定温度T1(℃)まで昇温した後、フラッシュランプ、アークランプ又は一括照射タイプのパルスレーザーによって第2の設定温度T2(℃)での熱処理を連続して複数回繰り返し実施してもよい。
また、本実施形態において、ビームスキャンタイプのレーザーのビームスキャンにおけるビームオーバラップを例えば36%に設定している。この場合、シリコンウェーハ上において2回スキャンされる部分と3回スキャンされる部分とが存在するが、これは主としてビーム形状によって決まるものであり、スキャン回数に依らず、ウェーハ全面においてほぼ均一なエネルギーが与えられるように設定されている。
また、本実施形態において、処理時間短縮のために、2回目以降の熱サイクルを第1の設定温度T1を起点として実施したが、これに代えて、熱サイクルを実施する都度、ウェーハを第1の設定温度T1から最終温度である室温T0まで降温して熱処理装置から取り出し、その後、次の熱サイクルを初期温度である室温T0を起点として連続して実施してもよい。
また、本実施形態において、ビームスキャンタイプのレーザーを用いて、複数回の熱サイクルを実施したが、これに代えて、レーザービームのオーバラップを例えば90%程度に設定することにより、実質的に3回の熱サイクルを実施するのと同様の効果が得られる。すなわち、ビームオーバラップを調整することにより、シリコンウェーハにおける同一箇所でのビームスキャン回数を増加させることができ、それによって熱サイクルの繰り返し回数を増やすのと同様の効果が得られる。但し、ビームオーバラップを調整する場合、ビームの長辺形状(長辺の長さつまり長辺方向のエネルギー分布)とオーバラップ回数(Y方向のYステップ幅で決まるスキャン回数)との妥当性を十分に検討する必要がある。また、ビームオーバラップを増大させる方法と、例えば第1の設定温度T1を起点として熱サイクルを複数回実施する方法との間で、処理時間に大きな違いはない。
図3(a)は、本実施形態のミリセカンドアニールにおける熱サイクルの繰り返し回数に対する不純物拡散長の変化を示したものである。尚、シリコンウェーハに対しては、拡散係数の大きいボロン(B)を導入不純物として、0.5keVでイオン注入を行っている。また、図3(a)においては、イオン注入のみを行った場合(As−implant)、熱処理温度(つまり第2の設定温度T2)を1350℃とする熱サイクルを1回実施した場合、及び、熱処理温度1350℃の熱サイクルを4回実施した場合のそれぞれについて、SIMS(secondary ion mass spectrometry )を用いて測定した不純物プロファイルを示している。図3(a)に示すように、As−implantと比較すると、熱処理温度1350℃の熱サイクルを1回実施した場合には、B濃度1×1018/cm3 での不純物拡散長は18nmから23nmまで5nm程度増大しているが、不純物拡散長は十分に抑制されている。これに対して、熱処理温度1350℃の熱サイクルを4回実施した場合における不純物拡散長は、熱処理温度1350℃の熱サイクルを1回実施した場合と同程度であり、熱サイクルの繰り返し回数の増大による不純物拡散長の増大は見られない。尚、不純物プロファイルについては、熱サイクルを1回実施した場合と比較して、熱サイクルを4回実施した場合の方が、拡散深さが中程度の位置でのボロン濃度が増大しており、接合形状がよりアブラプトになっている。
一方、図3(b)は、本実施形態のミリセカンドアニールにおける熱サイクルの熱処理温度に対する不純物拡散長の変化を示したものである。尚、図3(a)と同様に、シリコンウェーハに対しては、拡散係数の大きいボロン(B)を導入不純物として、0.5keVでイオン注入を行っている。また、図3(b)においては、イオン注入のみを行った場合(As−implant)、熱サイクルの熱処理温度(つまり第2の設定温度T2)が1170℃である場合、及び、熱サイクルの熱処理温度が1350℃である場合のそれぞれについて、SIMSを用いて測定した不純物プロファイルを示している。図3(b)に示すように、As−implantと比較すると、熱サイクルの熱処理温度が1170℃である場合も1350℃である場合も、B濃度1×1018/cm3 での不純物拡散長が5nm程度増大しているが、不純物拡散長は十分に抑制されている。すなわち、熱サイクルの熱処理温度の増大による不純物拡散長の増大は見られない。
以上の図3(a)及び(b)に示す結果は、本実施形態のように複数回の熱サイクルを実施することによりミリセカンドアニールを行っても、不純物拡散長は増大しないことを示しており、また、各熱サイクルの熱処理温度を変化させたとしても、不純物拡散長は変化しないことを示している。すなわち、本実施形態のように複数回の熱サイクルの連続して実施することによりミリセカンドアニールを行っても、不純物拡散長が増大することはない。
図4(a)は、本実施形態のミリセカンドアニールにおける熱サイクルの繰り返し回数に対するシート抵抗の変化を示したものである。尚、図3(a)と同様に、シリコンウェーハに対しては、拡散係数の大きいボロン(B)を導入不純物として、0.5keVでイオン注入を行っている。また、図4(a)においては、熱サイクルの熱処理温度(つまり第2の設定温度T2)を1310℃として、熱サイクルの繰り返し回数が1回から6回までのそれぞれの場合のシート抵抗を示している。図4(a)に示すように、熱サイクルの繰り返し回数が1回のときのシート抵抗は1200Ω/□であるが、熱サイクルの繰り返し回数の増加に従ってシート抵抗は減少し、熱サイクルの繰り返し回数が3回のときにはシート抵抗は800Ω/□と30%程度減少し、熱サイクルの繰り返し回数が5回のときにはシート抵抗は700Ω/□と40%程度減少する。但し、熱サイクルの繰り返し回数が6回のときにはシート抵抗の低下は飽和する。従って、本実施形態では、熱サイクルの繰り返し回数の上限を5回に設定している。尚、熱サイクルの繰り返し回数を6回以上に設定しても大きな問題はないが、そのようにしてもシート抵抗の低下、つまり活性化率の向上は期待できない。
図4(b)は、本実施形態のミリセカンドアニールにおける熱サイクルの熱処理温度(つまり第2の設定温度T2)を1270℃、1310℃、1350℃のそれぞれに設定して各熱処理温度での熱サイクルの繰り返し回数を1回から3回まで変化させた場合におけるシート抵抗の変化を示したものである。図4(b)に示すように、熱サイクルの繰り返し回数の増加に従ってシート抵抗は低下しており、活性化率の向上が見られるが、シート抵抗の値については、当然、熱処理温度の影響も大きい。具体的には、熱処理温度1310℃の熱サイクルによって、熱処理温度1350℃の熱サイクルを1回実施したときと同等のシート抵抗を得ようとすれば、熱処理温度1310℃の熱サイクルの繰り返し回数を5回程度に設定する必要がある。また、熱処理温度1270℃の熱サイクルによって、熱処理温度1350℃の熱サイクルを1回実施したときと同等のシート抵抗を得ようとすれば、熱処理温度1270℃の熱サイクルの繰り返し回数を8回程度に設定する必要がある。しかしながら、生産性の観点からは、熱サイクルの繰り返し回数を5回程度までに制限することが好ましく、熱サイクルの繰り返し回数を5回としたときに活性化率が不足する場合には、5回程度の繰り返し回数によって十分な活性化率が得られるように熱処理温度を高くする必要がある。但し、材料上の制限のために熱サイクルの熱処理温度を上げることができない場合には、生産性を犠牲にしても、熱サイクルの繰り返し回数を増加させなければならない。
以上に説明したように、本実施形態のように複数回の熱サイクルを実施することにより、SiGeなどの熱的耐性がシリコンと比べて低い材料に対してミリセカンドアニールを行う場合にも、不純物の拡散長を増大させることなく、不純物の活性化率を高く維持することが可能となる。また、シリコン材料に対しては、熱処理温度をシリコンの溶融温度に近い温度まで高くすることなく、当該高い温度で熱処理を行った場合と同等以上の不純物の活性化率を結晶欠陥なしに実現することができる。
すなわち、本実施形態によると、シリコン基板又は当該シリコン基板上に形成されたパターンに熱的な損傷を及ぼすことなく、また、不純物の拡散長を増大させることなく、不純物の活性化率を高めることが可能となる。従って、トランジスタ構造におけるソース・ドレイン領域及びエクステンション領域のそれぞれの抵抗を拡散長や拡散深さの増大なしに低減することが可能となるので、ショートチャネルを抑制しながら、トランジスタ性能を向上させることができる。
また、本実施形態によると、SiGeなどの熱的耐性がシリコンと比べて低い材料を含むデバイスにおいても、熱ストレスや熱溶融によるデバイスへの損傷を抑制することが可能となると共に不純物の拡散長を増大させることなく不純物の活性化率を向上させることができるので、トランジスタ性能を向上させることができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係る不純物活性化熱処理方法について、図面を参照しながら説明する。尚、本実施形態に係る不純物活性化熱処理方法を用いた半導体装置の製造方法、具体的には、不純物活性化のためにミリセカンドアニールを用いたMOSトランジスタの形成方法の各工程は、図1(a)〜(c)に示す第1の実施形態と同じである。すなわち、シリコン基板1に対して不純物導入を行ってエクステンション領域7及びソース・ドレイン領域10を形成した後、本実施形態に係る不純物活性化熱処理方法を実施する。以下、本実施形態に係る不純物活性化熱処理方法について詳述する。図5は、本実施形態に係る不純物活性化熱処理方法における温度シーケンスの一例を示す図である。
以下、本発明の第2の実施形態に係る不純物活性化熱処理方法について、図面を参照しながら説明する。尚、本実施形態に係る不純物活性化熱処理方法を用いた半導体装置の製造方法、具体的には、不純物活性化のためにミリセカンドアニールを用いたMOSトランジスタの形成方法の各工程は、図1(a)〜(c)に示す第1の実施形態と同じである。すなわち、シリコン基板1に対して不純物導入を行ってエクステンション領域7及びソース・ドレイン領域10を形成した後、本実施形態に係る不純物活性化熱処理方法を実施する。以下、本実施形態に係る不純物活性化熱処理方法について詳述する。図5は、本実施形態に係る不純物活性化熱処理方法における温度シーケンスの一例を示す図である。
まず、MOSトランジスタが形成されたシリコン基板1(以下、シリコンウェーハという)に対して、熱処理温度(第3の設定温度T3)を例えば1050℃として窒素雰囲気中でSpike RTA を行い、不純物の活性化及び不純物拡散長の調整を図る。具体的には、初期温度である室温(その近傍の温度を含む:以下同じ)T0(℃)から第3の設定温度T3である1050℃まで最大速度r3(例えば250(℃/秒))以下の第3の昇温速度R3(℃/秒)で昇温した後、第3の設定温度T3である1050℃である第3の保持時間t3(秒)である0秒(実際には100msec以上で且つ1秒以下)保持する。その後、第3の設定温度T3である1050℃から最終温度である室温T0まで最大速度r3’(例えば140(℃/秒))以下の第3の降温速度R3’(℃/秒)で降温する。以上の条件設定により、不純物をある程度活性化することができると共に、導入不純物であるボロンの拡散長を30nm程度に制御することができる。
しかしながら、Spike RTA だけでは活性化率が不十分であるため、本実施形態においては、引き続いて第1の実施形態と同様の複数の熱サイクルからなるミリセカンドアニールを実施する。ここで、熱サイクルの繰り返し回数を2回又は3回に設定した。また、第1の設定温度T1(℃)については各熱サイクルとも400℃に設定し、第2の設定温度T2(℃)については1回目の熱サイクルでは1310℃に、2回目以降の熱サイクルでは1310℃又はそれと異なる温度(例えば1330℃)に設定した。尚、第2の昇温速度R2(℃/秒)の最大速度r2については各熱サイクルとも1.0×106 (℃/秒))に設定し、第2の設定温度T2での第2の保持時間t2(秒)については各熱サイクルとも1m秒に設定した。また、本実施形態においては、熱サイクルを1回実施するごとにシリコンウェーハを熱処理装置から取り出すことによって、それぞれ独立した熱サイクルを連続して複数回実施した。すなわち、各熱サイクルにおいて昇温過程を初期温度である室温T0を起点として開始し、降温過程を最終温度である室温T0で終了する。さらに、本実施形態においては、ミリセカンドアニールの光源として、第1の実施形態と同様に、例えば波長10.6μmの炭酸ガスレーザーを用いた。
図6は、イオン注入のみを行った場合(As−implant)、不純物活性化熱処理として熱処理温度1050℃のSpike RTA のみを行った場合、不純物活性化熱処理として熱処理温度1310℃の熱サイクル1回のミリセカンドアニールのみを行った場合、並びに、不純物活性化熱処理として熱処理温度1050℃のSpike RTA及び熱処理温度1310℃の熱サイクル1回のミリセカンドアニールを行った場合のそれぞれについて、SIMSを用いて測定した不純物プロファイルを示したものである。尚、シリコンウェーハに対しては、拡散係数の大きいボロン(B)を導入不純物として、0.5keVでイオン注入を行っている。図6に示すように、As−implantのB濃度1×1018/cm3 での不純物拡散深さが20nmであるのに対して、Spike RTA(1050℃)のみを行った場合のB濃度1×1018/cm3 での不純物拡散深さは30nmであり、熱サイクル1回のミリセカンドアニール(1310℃)のみを行った場合のB濃度1×1018/cm3 での不純物拡散深さは23nmであり、Spike RTA (1050℃)及び熱サイクル1回のミリセカンドアニール(1310℃)を行った場合のB濃度1×1018/cm3 での不純物拡散深さは30nmである。すなわち、不純物プロファイルはほぼSpike RTA のみによって決定されており、ミリセカンドアニールの関与はほとんどない。このことから、ミリセカンドアニールの実施前又は実施後にSpike RTA 又はRTAを行うことによって不純物拡散長を制御することが可能である。一方、Spike RTA による活性化率は熱処理温度が1050℃であっても十分ではないから、Spike RTA 又はRTAについては単に不純物拡散長を制御することのみを目的としてその温度及び時間を決定すればよく、不純物の活性化については、Spike RTA 又はRTAの実施前又は実施後に行うミリセカンドアニールにより行えばよい。
図7(a)及び(b)は、本実施形態に係る不純物活性化熱処理方法を、エクステンション領域及びソース・ドレイン領域を形成するための不純物導入後の不純物活性化熱処理に用いた場合におけるNチャネルトランジスタ及びPチャネルトランジスタのそれぞれのドレイン電流(飽和電流)を示している。尚、ドレイン電流の評価は、熱処理温度1050℃のSpike RTA のみを行った場合、熱処理温度1050℃のSpike RTA と熱処理温度1310℃の熱サイクル1回のミリセカンドアニールとを行った場合、熱処理温度1050℃のSpike RTA と熱処理温度1310℃の熱サイクル2回のミリセカンドアニールとを行った場合、熱処理温度1050℃のSpike RTA と熱処理温度1310℃の熱サイクル3回のミリセカンドアニールとを行った場合、並びに、熱処理温度1050℃のSpike RTA と熱処理温度1310℃の熱サイクル1回及び熱処理温度1330℃の熱サイクル1回のミリセカンドアニールとを行った場合のそれぞれについて行った。
図7(a)に示すように、Nチャネルトランジスタにおいては、熱処理温度1050℃のSpike RTA のみを行った場合に得られるドレイン電流を100%として、熱処理温度1310℃の熱サイクル1回のミリセカンドアニールの追加によってドレイン電流が4.7%増加し、熱処理温度1310℃の熱サイクル2回のミリセカンドアニールの追加によってドレイン電流が7.7%増加し、熱処理温度1310℃の熱サイクル3回のミリセカンドアニールの追加によってドレイン電流が8.4%増加している。また、熱処理温度1310℃の熱サイクル1回及び熱処理温度1330℃の熱サイクル1回のミリセカンドアニールの追加によってドレイン電流が7.7%増加している。
一方、図7(b)に示すように、Pチャネルトランジスタにおいては、熱処理温度1050℃のSpike RTA のみを行った場合に得られるドレイン電流を100%として、熱処理温度1310℃の熱サイクル1回のミリセカンドアニールの追加によってドレイン電流が1.6%増加し、熱処理温度1310℃の熱サイクル2回のミリセカンドアニールの追加によってドレイン電流が2.9%増加し、熱処理温度1310℃の熱サイクル3回のミリセカンドアニールの追加によってドレイン電流が3.9%増加している。また、熱処理温度1310℃の熱サイクル1回及び熱処理温度1330℃の熱サイクル1回のミリセカンドアニールの追加によって3.9%のドレイン電流の増加つまり駆動力の向上が生じている。
以上のように、ミリセカンドアニールにおいて熱サイクルを複数回連続して繰り返すことにより、トランジスタの駆動力が向上することがわかる。一方、ミリセカンドアニールにおける熱サイクルの熱処理温度を1310℃にしたまま、その温度での保持時間を本実施形態の3倍の3msecにした場合には、Nチャネルトランジスタにおいて熱処理温度1050℃のSpike RTA のみを行った場合に得られるドレイン電流を100%として、ドレイン電流は4.2%しか増加しなかった。ここで、1310℃での保持時間を3倍にすると、熱サイクルを3回実施した場合の1310℃でのトータルの保持時間と同じになるのであるが、前述のように、1310℃での保持時間を単に3倍にした場合のNチャネルトランジスタのドレイン電流の増加(4.2%)は、熱処理温度1310℃(保持時間1m秒)の熱サイクル1回のミリセカンドアニールによるドレイン電流の増加(4.7%)と同程度である。
すなわち、保持時間を単純に3倍に延長することと、ミリセカンドアニールの熱サイクルを3回連続して繰り返すこととは、トランジスタ特性つまり不純物の活性化にとって等価ではないことがわかる。このことは、ミリセカンドアニールの特殊性として考えることが可能である。その理由は次の通りである。ミリセカンドアニールにおいては、シリコンウェーハ表面にある一定のエネルギー密度の光が照射され、それがシリコンウェーハ表面に吸収されることにより、シリコンウェーハ表面の温度は急速に上昇する。しかし、このとき、極めて短時間でシリコンウェーハを昇温するため、第2の設定温度T2(例えば1310℃の熱処理温度)に実際に達しているのはシリコンウェーハ表面から数μmの深さまでの極めて浅い範囲である。ここで、1310℃での保持時間を延ばせば、熱は熱伝導によってシリコンウェーハのより深い部分に伝導し、その結果、シリコンウェーハ表面の実際の温度は予想値よりも低くなってしまう。また、加熱についても、本実施形態のようにレーザービームのスキャンによってシリコンウェーハを加熱する方法においては、熱処理温度の保持時間を長くすることは、レーザービームのスキャン速度を遅くすることによって達成される。しかしながら、スキャン速度を遅くすることは同時に昇温速度をも遅くすることにつながる。昇温速度が遅なると、第2の設定温度T2まで昇温するのに使用する光の単位時間当たりのエネルギー密度は、昇温速度が速い場合と比べて少なくなる。そのため、シリコンウェーハ表面においては昇温速度を速くして一気に高温に昇温する場合と比べてエネルギー密度が低下し、その結果、シリコンウェーハ表面の温度は実質的に低下してしまう。
以上に述べたように、ミリセカンドアニールにおいて熱処理温度の保持時間を長くすることは、熱処理温度の実質的な低下を招くため、ミリセカンドアニールにおいて熱サイクルを複数回繰り返すこととは本質的に異なる。すなわち、熱処理温度の保持時間をN倍した場合の不純物の活性化率と比較して、N回の熱サイクルを実施した場合の不純物の活性化率の方がはるかに高くなる。また、熱処理温度の保持時間を長くしたり、昇温速度を遅くしたりすれば、シリコンウェーハ表面からその内部に向かって熱伝導が起こり、その結果、シリコンウェーハ表面の温度は高くならず、一方、ミリセカンドアニールによって与えられたエネルギーが、シリコンウェーハ表面から離れた深い部分の温度を上昇させるのに費やされてしまう。尚、エクステンション領域の場合で不純物はシリコンウェーハ表面から20nm以下の深さまでの範囲に存在し、ソース・ドレイン領域の場合でも不純物はシリコンウェーハ表面から40nm以下の深さまでの範囲に存在するため、不純物の活性化率向上にとっては、シリコンウェーハ表面のみが加熱されることが重要である。
図8(a)は、1270℃〜1450℃までの温度範囲でミリセカンドアニールをシリコン基板に対して行った場合に当該シリコン基板に生じた結晶欠陥(図中の黒い部分)を示している。図8(a)に示すように、熱処理温度が1370℃以上になると、シリコン基板に結晶欠陥が発生し始め、熱処理温度がシリコンの溶融温度である1412℃以上になると、シリコン基板に結晶欠陥が顕著に観察されるようになる。一方、熱処理温度が1370℃を下回れば、結晶欠陥は観察されない。
一方、図8(b)は、Ge濃度20atm%で厚さ80nmのSiGe層をエピタキシャル成長したシリコン基板に対して、最高温度1410℃までの温度でミリセカンドアニール行った場合に当該SiGe層に生じた結晶欠陥(図中の黒い部分)を示している。図8(b)に示すように、熱処理温度が1350℃以上になると、SiGe層に結晶欠陥が観察されており、SiGe層が高温熱処理に対して耐性を有していないことがわかる。すなわち、SiGeなどの耐熱性のない材料に対しては、熱処理温度を単に高温化すると、結晶欠陥の誘発を招き、必ずしも活性化率の向上効果を得ることにはつながらない。このため、これらの耐熱性の低い材料に対しても結晶欠陥を発生させないためには、高温の熱処理温度での保持時間をさらに短くすることが考えられる。しかし、そのためには光源に要求されるエネルギー密度を飛躍的に増大させる必要があるので、現実的ではない。また、どの程度まで保持時間を短くすれば結晶欠陥が発生しないかも不明である。そこで、本実施形態のように、結晶欠陥が発生しない温度まで熱処理温度を低温化した上で、当該熱処理温度の熱サイクルを連続して複数回実施することにより、最も効率的に高い活性化率を得ることができる。すなわち、単一熱サイクルのミリセカンドアニールを実施する場合における熱処理温度をT4、その保持時間をt4とすると、複数回の熱サイクルによるミリセカンドアニールを実施する場合における熱処理温度T2についてはT2≦T4を満たす温度のうち結晶欠陥を発生させない温度とし、当該場合の保持時間t2については熱サイクルの繰り返し回数をN回としてt4/N≦t2≦t4を満たすようにすれば、複数回の熱サイクルによるミリセカンドアニールによって、単一熱サイクルのミリセカンドアニールよりも高い活性化率を得ることができる。
以上に説明したように、本実施形態のように複数回の熱サイクルを実施することにより、SiGeなどの熱的耐性がシリコンと比べて低い材料に対してミリセカンドアニールを行う場合にも、不純物の拡散長を増大させることなく、不純物の活性化率を高く維持することが可能となる。また、シリコン材料に対しては、熱処理温度をシリコンの溶融温度に近い温度まで高くすることなく、当該高い温度で熱処理を行った場合と同等以上の不純物の活性化率を結晶欠陥なしに実現することができる。
すなわち、本実施形態によると、シリコン基板又は当該シリコン基板上に形成されたパターンに熱的な損傷を及ぼすことなく、また、不純物の拡散長を増大させることなく、不純物の活性化率を高めることが可能となる。従って、トランジスタ構造におけるソース・ドレイン領域及びエクステンション領域のそれぞれの抵抗を拡散長や拡散深さの増大なしに低減することが可能となるので、ショートチャネルを抑制しながら、トランジスタ性能を向上させることができる。
また、本実施形態によると、SiGeなどの熱的耐性がシリコンと比べて低い材料を含むデバイスにおいても、熱ストレスや熱溶融によるデバイスへの損傷を抑制することが可能となると共に不純物の拡散長を増大させることなく不純物の活性化率を向上させることができるので、トランジスタ性能を向上させることができる。
尚、本実施形態において、図5に示す温度シーケンスのように、複数の熱サイクルからなるミリセカンドアニールを実施する前に、Spike RTA を実施したが、これに代えて、図9に示す温度シーケンスのように、複数の熱サイクルからなるミリセカンドアニールを実施した後に、Spike RTA を実施してもよい。或いは、複数の熱サイクルからなるミリセカンドアニールを実施する前後に、Spike RTA を実施してもよい。ここで、前記のSpike RTA に代えて、RTAを実施してもよい。また、Spike RTA 又はRTAの熱処理温度(第3の設定温度T3)は、ミリセカンドアニールの熱処理温度(第2の設定温度T2)よりも低い。一例としては、第2の設定温度T2(℃)は1100℃以上で且つ1400℃以下であり、第3の設定温度T3(℃)は650℃以上で且つ1150℃以下である。また、Spike RTA 又はRTAの第3の設定温度T3での保持時間(第3の保持時間t3)は、ミリセカンドアニールの保持時間(第2の保持時間t2)よりも長い。一例としては、第2の保持時間t2は50m秒以下であり、第3の保持時間t3は50m秒以上で且つ1秒以下である。また、Spike RTA又はRTAにおける第3の設定温度T3までの昇温速度及び第3の設定温度T3からの降温速度は500℃/秒以下である。尚、複数の熱サイクルからなるミリセカンドアニールを実施する前後に、Spike RTA 又はRTAを実施する場合、当該ミリセカンドアニールを実施する前のSpike RTA 又はRTAにおける第3の設定温度T3及び第3の保持時間t3は、当該ミリセカンドアニールを実施する後のSpike RTA 又はRTAにおける第3の設定温度T3及び第3の保持時間t3と異なっていてもよい。
また、本実施形態において、熱サイクルの繰り返し回数を2回又は3回に設定したが、これに限られず、2回以上で且つ5回以下の任意の回数に設定してもよい。
また、本実施形態において、各熱サイクルにおける熱処理温度(つまり第2の設定温度T2)は全て同じ温度であってもよいし、又は各回の熱サイクルの熱処理温度の一部若しくは全てが異なっていてもよい。
また、本実施形態において、ミリセカンドアニールの光源(熱源)として、ビームスキャンタイプのレーザー(炭酸ガスレーザー)を用いたが、これに代えて、フラッシュランプ、アークランプ又は一括照射タイプのパルスレーザーを用いてもよい。
また、本実施形態において、熱サイクルを実施する都度、ウェーハを第1の設定温度T1から最終温度である室温T0まで降温して熱処理装置から取り出し、その後、次の熱サイクルを初期温度である室温T0を起点として連続して実施したが、これに代えて、処理時間短縮のために、2回目以降の熱サイクルを第1の設定温度T1を起点として実施してもよい。すなわち、熱サイクルの1回目の実施において、降温過程を第1の設定温度T1で終了し、熱サイクルの最終回を除く2回目以降の実施において、昇温過程を第1の設定温度T1から開始すると共に降温過程を第1の設定温度T1で終了し、熱サイクルの最終回の実施において、昇温過程を第1の設定温度T1(℃)から開始すると共に降温過程を最終温度である室温T0で終了してもよい。
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態に係る熱処理装置、具体的には、第1及び第2の実施形態に係る不純物活性化熱処理方法を行うための熱処理装置について、加熱源としてフラッシュランプ(例えばXeフラッシュランプ)を用いる場合を例として、図面を参照しながら説明する。
以下、本発明の第3の実施形態に係る熱処理装置、具体的には、第1及び第2の実施形態に係る不純物活性化熱処理方法を行うための熱処理装置について、加熱源としてフラッシュランプ(例えばXeフラッシュランプ)を用いる場合を例として、図面を参照しながら説明する。
まず、通常のフラッシュランプを用いたミリセカンドアニール装置(比較例に係るミリセカンドアニール装置)について、図10(a)及び(b)を参照しながら説明する。図10(a)は、比較例に係るミリセカンドアニール装置の概略構成を示す回路図であり、図10(b)は、比較例に係るミリセカンドアニール装置の動作を説明するための図である。比較例に係るミリセカンドアニール装置においては、図10(a)に示すように、電源に対して蓄電器(容量C)とXeフラッシュランプ(内部抵抗r)とが互いに並列に接続されている。電源と蓄電器との間には開閉器SW1及び直列抵抗Rが直列に設けられており、電源とXeフラッシュランプ(内部抵抗r)との間には開閉器SW1、直列抵抗R及び開閉器SW2が直列に設けられている。フラッシュランプを発光させる場合には、図10(b)に示すように、まず、電源に接続された開閉器SW1をONにして蓄電器(容量C)に一旦電荷を蓄え、その後、開閉器SW1をOFFにした後、フラッシュランプに接続された開閉器SW2をONにして蓄電器に蓄えた電荷を一気にフラッシュランプに送り込む。すなわち、充電時には電源は蓄電器に接続されており、フラッシュランプ発光時には蓄電器がフラッシュランプに接続されている。そのため、熱サイクルのピーク温度での保持時間は蓄電器の容量Cとフラッシュランプの内部抵抗rとによって決定される。尚、フラッシュランプの発光時間を制御するために、フラッシュランプに直列に可変抵抗vrを配置してもよい。すなわち、可変抵抗vrの抵抗値を変化させることにより、熱サイクルのピーク温度での保持時間を変化させることが可能となる。
図11(a)は、本実施形態に係るミリセカンドアニール装置の概略構成を示す回路図であり、図11(b)は、本実施形態に係るミリセカンドアニール装置の動作を説明するための図である。本実施形態に係るミリセカンドアニール装置においては、図11(a)に示すように、電源に対して、複数個(N個)の蓄電器とXeフラッシュランプ(内部抵抗r)とが互いに並列に接続されている。電源と各蓄電器との間には開閉器SW1、直列抵抗R及び開閉器SW2が直列に設けられており、電源とXeフラッシュランプ(内部抵抗r)との間には開閉器SW1、直列抵抗R及び開閉器SW3が直列に設けられている。フラッシュランプを発光させる場合には、図11(b)に示すように、まず、電源に接続された開閉器SW1をONにし、開閉器SW2を順次切り替えることにより、電源から複数個の蓄電器に対して順次充電を行い、その後、開閉器SW1をOFFにした後、フラッシュランプに接続された開閉器SW3をONにし、開閉器SW2を順次切り替えることにより、各蓄電器に蓄えた電荷を順次フラッシュランプに送り込む。これによって、複数回(具体的には蓄電器の数に等しいN回)のフラッシュランプアニールを連続して実施することができる。
以下、図11(a)及び(b)に示す本実施形態に係る熱処理装置を用いた不純物活性化熱処理方法、具体的には、不純物活性化のためにミリセカンドアニールを用いたMOSトランジスタの形成方法の一例について説明する。尚、このMOSトランジスタの形成方法の各工程は、図1(a)〜(c)に示す第1の実施形態と同じであり、本実施形態では、図1(a)及び(b)に示す各工程を実施した後、図1(c)に示す工程で前述の本実施形態に係る熱処理装置(蓄電器の数は3個)を用いて不純物活性化熱処理を実施する。また、本実施形態に係る熱処理装置によってミリセカンドアニールを行う前に、加熱対象のシリコンウェーハをホットプレートにより初期温度である室温(その近傍の温度を含む:以下同じ)T0から第1の設定温度T1である450℃まで昇温してその温度に保持しておく。続いて、本実施形態に係る熱処理装置を用いた1回目のフラッシュランプ照射により、シリコンウェーハを、第1の設定温度T1(℃)である450℃から第2の設定温度T2(℃)である1310℃まで最大速度r2(例えば1.0×106 (℃/秒))以下の第2の昇温速度R2(℃/秒)で昇温した後、第2の設定温度T2(℃)である1310℃で第2の保持時間t2(秒)である例えば1m秒保持する。その後、シリコンウェーハを、第2の設定温度T2(℃)である1310℃から第1の設定温度T1(℃)である450℃まで最大速度r1’(例えば1.0×106 (℃/秒))以下の第1の降温速度R1’(℃/秒)で降温する。続いて、2回目のフラッシュランプ照射により、前述の1回目の熱サイクルと同様の2回目の熱サイクルを実施し、その後、3回目のフラッシュランプ照射により、前述の1回目の熱サイクルと同様の3回目の熱サイクルを実施し、シリコンウェーハを第1の設定温度T1(℃)である450℃まで降温した後、第1の設定温度T1(℃)である450℃から最終温度である室温T0まで任意の第2の降温速度R2’(℃/秒)で降温する。
ところで、図10(a)に示す比較例に係るミリセカンドアニール装置は、複数個のフラッシュランプを有していたとしても蓄電器については1個しか有していないため、複数回のフラッシュランプ照射を連続して行うことができず、従って、フラッシュランプ照射を行うごとに毎回シリコンウェーハを熱処理装置から取り出して次回のフラッシュランプ照射を行わなければならない。それに対して、図11(a)に示す本実施形態に係る熱処理装置によれば、複数個の蓄電器を切り替えて用いることによってフラッシュランプを連続的に放電させることができるため、複数回の熱サイクルからなるミリセカンドアニールを行うことが可能となる。
また、一般に、フラッシュランプの場合、熱処理温度の保持時間は蓄電器の容量(C)とフラッシュランプの内部抵抗(直列抵抗)rとによって決定されるため、この直列抵抗rを変化させて熱処理温度の保持時間を変化させることは、レーザー照射と比べて容易ではない。すなわち、結晶欠陥の発生を防止するために熱処理温度の保持時間を短時間化しなければならない場合も当該保持時間の変更は容易ではない。それに対して、本実施形態のように、熱処理温度を低温化した上で複数回のフラッシュランプ照射を連続して行うことは、活性化率を維持又は向上させながら生産性を極めて高くできる点で有利である。
以上に説明したように、第3の実施形態によると、フラッシュランプを熱源に用いた、いわゆるフラッシュアニールを用いて、生産性を犠牲にすることなく、複数回の熱サイクルからなるミリセカンドアニールをデバイスに施すことができるので、不純物の活性化率を向上させて高性能のトランジスタを実現することが可能となる。
尚、第3の実施形態においては、フラッシュランプを用いてミリセカンドアニールを行う場合を例として説明したが、これに代えて、アークランプを用いてミリセカンドアニールを行う場合にも、本実施形態と同様の構成を採用することにより、本実施形態と同様の効果を得ることができる。また、エキシマレーザーなどのパルスレーザーを用いて所定の領域に一括してレーザービームを照射しながらステップアンドリピートを繰り返すことにより当該レーザービームをウェーハ全面に照射するレーザーアニールにおいても、短時間のパルス照射を複数回連続して行う構成を採用することにより、本実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第4の実施形態)
以下、本発明の第4の実施形態に係る熱処理装置、具体的には、第1及び第2の実施形態に係る不純物活性化熱処理方法、具体的には、複数の熱サイクルからなるミリセカンドアニールを行うための熱処理装置について、図面を参照しながら説明する。
以下、本発明の第4の実施形態に係る熱処理装置、具体的には、第1及び第2の実施形態に係る不純物活性化熱処理方法、具体的には、複数の熱サイクルからなるミリセカンドアニールを行うための熱処理装置について、図面を参照しながら説明する。
図12は、本実施形態に係るミリセカンドアニール装置の概略構成を示す図である。本実施形態に係るミリセカンドアニール装置においては、図12に示すように、同一チャンバー(図示省略)内に、シリコン基板(シリコンウェーハ)1を例えば400℃程度の第1の設定温度T1(℃)まで加熱するためのホットプレート51と、シリコンウェーハ1を例えば1310℃程度の第2の設定温度T2(℃)まで加熱するための複数のフラッシュランプ52とを備えている。ここで、シリコンウェーハ1はホットプレート51上に載置される。また、各フラッシュランプ52は、図11(a)に示す第3の実施形態に係るミリセカンドアニール装置のランプ部分を構成している。
すなわち、本実施形態に係るミリセカンドアニール装置によると、シリコンウェーハ1をホットプレート51上に載置したまま、第1及び第2の実施形態に係る不純物活性化熱処理方法を実施することができる。
尚、第4の実施形態においては、フラッシュランプ52を用いてミリセカンドアニールを行う場合を例として説明したが、これに代えて、アークランプを用いてミリセカンドアニールを行う場合にも、本実施形態と同様の構成を採用することにより、本実施形態と同様の効果を得ることができる。また、フラッシュランプ52に代えて、ビームスキャンタイプのレーザー又は一括照射タイプのパルスレーザー等のレーザーを設けてもよい。さらに、ホットプレート51に代えて、光放射による加熱機構(例えばランプ等)を設けてもよい。但し、この場合、シリコンウェーハ1の保持機構を別途設ける必要がある。
本発明は、不純物導入後の不純物活性化熱処理に関し、SiGeなどの熱的耐性の小さい材料に対しても、不純物拡散長を増大させることなく、活性化率をさらに向上させることができるという効果が得られ、非常に有用である。
1 シリコン基板
2 分離領域
3 ゲート絶縁膜
4 ゲート電極
5 オフセットスペーサ
6 イオン注入(エクステンション注入)
7 エクステンション領域
8 サイドウォールスペーサ
9 イオン注入(ソース・ドレイン注入)
10 ソース・ドレイン領域
11 熱処理
51 ホットプレート
52 フラッシュランプ
2 分離領域
3 ゲート絶縁膜
4 ゲート電極
5 オフセットスペーサ
6 イオン注入(エクステンション注入)
7 エクステンション領域
8 サイドウォールスペーサ
9 イオン注入(ソース・ドレイン注入)
10 ソース・ドレイン領域
11 熱処理
51 ホットプレート
52 フラッシュランプ
Claims (14)
- 被処理体に対して不純物導入工程を実施した後の不純物の活性化熱処理において、
初期温度から第1の設定温度T1(℃)まで任意の第1の昇温速度R1(℃/秒)で昇温した後、前記第1の設定温度T1(℃)で任意の第1の保持時間t1(秒)保持し、その後、前記第1の設定温度T1(℃)から第2の設定温度T2(℃)まで1.0×107 (℃/秒)以下の第2の昇温速度R2(℃/秒)で昇温した後、前記第2の設定温度T2(℃)で50m秒以下の第2の保持時間t2(秒)保持し、その後、前記第2の設定温度T2(℃)から前記第1の設定温度T1(℃)まで1.0×107 (℃/秒)以下の第1の降温速度R1’(℃/秒)で降温した後、前記第1の設定温度T1(℃)で任意の第3の保持時間t3(秒)保持し、その後、前記第1の設定温度T1(℃)から最終温度まで任意の第2の降温速度R2’(℃/秒)で降温する熱サイクルを1サイクルとして、
前記熱サイクルを連続して複数回繰り返し実施することを特徴とする不純物活性化熱処理方法。 - 請求項1に記載の不純物活性化熱処理方法において、
前記活性化熱処理の実施前に、
前記被処理体としてのシリコン基板上に分離領域を形成した後、前記シリコン基板に対して閾値制御のための不純物導入を実施し、その後、前記シリコン基板上にゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成した後、前記ゲート電極の側壁にオフセットスペーサを形成し、その後、前記ゲート電極及び前記オフセットスペーサをマスクとして前記シリコン基板に対して不純物のイオン注入を行ってエクステンション領域を形成した後、前記エクステンション領域中の不純物を活性化するための1回目の活性化熱処理を実施し、その後、前記ゲート電極の側壁に前記オフセットスペーサを介してサイドウォールスペーサを形成した後、前記ゲート電極、前記オフセットスペーサ及び前記サイドウォールスペーサをマスクとして前記シリコン基板に対して不純物のイオン注入を行ってソース・ドレイン領域を形成することを特徴とする不純物活性化熱処理方法。 - 請求項1又は2に記載の不純物活性化熱処理方法において、
前記第1の設定温度T1(℃)は400℃以上で且つ800℃以下であり、
前記第2の設定温度T2(℃)は1100℃以上で且つ1400℃以下であることを特徴とする不純物活性化熱処理方法。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の不純物活性化熱処理方法において、
前記熱サイクルの1回目の実施において、降温過程を前記第1の設定温度T1(℃)で終了し、
前記熱サイクルの最終回を除く2回目以降の実施において、昇温過程を前記第1の設定温度T1(℃)から開始すると共に降温過程を前記第1の設定温度T1(℃)で終了し、
前記熱サイクルの最終回の実施において、昇温過程を前記第1の設定温度T1(℃)から開始すると共に降温過程を前記最終温度で終了することを特徴とする不純物活性化熱処理方法。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の不純物活性化熱処理方法において、
前記熱サイクルの繰り返し回数は2回以上で且つ5回以下であることを特徴とする不純物活性化熱処理方法。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の不純物活性化熱処理方法において、
前記活性化熱処理の実施前及び実施後の少なくとも一方において、前記第2の設定温度T2(℃)よりも低い第3の設定温度T3(℃)で前記第2の保持時間t2(秒)よりも長い第3の保持時間t3(秒)保持する他の熱処理を行うことを特徴とする不純物活性化熱処理方法。 - 請求項6に記載の不純物活性化熱処理方法において、
前記活性化熱処理の実施前及び実施後の両方において前記他の熱処理を行い、
前記活性化熱処理の実施前の前記他の熱処理における前記第3の設定温度T3(℃)及び前記第3の保持時間t3(秒)は、前記活性化熱処理の実施後の前記他の熱処理における前記第3の設定温度T3(℃)及び前記第3の保持時間t3(秒)と異なっていることを特徴とする不純物活性化熱処理方法。 - 請求項6又は7に記載の不純物活性化熱処理方法において、
前記他の熱処理における前記第3の設定温度T3(℃)までの昇温速度及び前記第3の設定温度T3(℃)からの降温速度は500℃/秒以下であり、
前記第3の保持時間t3(秒)は50m秒以上で且つ1秒以下であることを特徴とする不純物活性化熱処理方法。 - 請求項6〜8のいずれか1項に記載の不純物活性化熱処理方法において、
前記第2の設定温度T2(℃)は1100℃以上で且つ1400℃以下であり、
前記第3の設定温度T3(℃)は650℃以上で且つ1150℃以下であることを特徴とする不純物活性化熱処理方法。 - 請求項1に記載の不純物活性化熱処理方法において、
前記活性化熱処理においてフラッシュランプ、アークランプ又は一括照射タイプのパルスレーザーを熱源として使用し、
前記熱サイクルの1回目の実施における昇温過程で前記第1の設定温度T1(℃)まで昇温した後、前記フラッシュランプ、前記アークランプ又は前記一括照射タイプのパルスレーザーによって前記第2の設定温度T2(℃)での熱処理を連続して複数回繰り返し実施することを特徴とする不純物活性化熱処理方法。 - 請求項1に記載の不純物活性化熱処理方法において、
前記活性化熱処理においてビームスキャンタイプのレーザーを熱源として使用し、
前記レーザーのビームスキャンによって前記熱サイクルを複数回実施することに代えて、前記レーザーのビームオーバーラップを増加させることによって、前記被処理体における同一箇所でのビームスキャン回数を増加させることを特徴とする不純物活性化熱処理方法。 - 請求項1〜11のいずれか1項に記載の不純物活性化熱処理方法において、
前記初期温度及び前記最終温度の少なくとも一方は室温又はその近傍の温度であることを特徴とする不純物活性化熱処理方法。 - 請求項10に記載の不純物活性化熱処理方法において前記フラッシュランプを用いる場合に当該不純物活性化熱処理方法を行うための熱処理装置であって、
前記熱サイクルの繰り返し回数をN(Nは2以上の自然数)回として、互いに並列に接続されたN個の蓄電器のそれぞれを含む互いに独立したN個の充電回路を有し、
前記熱サイクルを連続して実施するときに、前記N個の蓄電器を充電した後、当該充電後の前記N個の蓄電器を連続して順次前記フラッシュランプに接続することを特徴とする熱処理装置。 - 被処理体を加熱するためのランプと、
互いに並列に接続された複数の蓄電器のそれぞれを含む互いに独立した複数の充電回路とを備え、
前記複数の蓄電器を充電した後、当該充電後の前記複数の蓄電器を連続して順次前記ランプに接続することを特徴とする熱処理装置。
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